モレツ帝国とテイジー同盟が接触したとき、国力においてモレツ帝国は圧倒的な優位に立っていた。
その差を埋めた要素の一つは、強制的な冬眠打破によりモレツ帝国内部で社会不安が増大していたことだ。
特に過酷な赤道地帯勤務に不満をもつ兵士は多く、反乱の温床になっていた。
赤道地帯での勤務にはセックスアピールとなる長い毛を短く刈らねばならないことも彼らの不満を強めた。
仮に征服に成功しても遠征軍がそのまま反乱軍と化すことを帝国政府は危惧せざるを得なかった。
一方のテイジー同盟は語り継がれてきた帝国の脅威を一体感の糧にした。
それだけではなく、一年中仕事をせざるをえない赤道地帯の防人を
冬眠が必要な兵士はかわりばんこに高山に登り、長く深い眠りにつくのだ。
こうしてテイジー同盟軍は北の防人の士気を一定に保つことに成功した。
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