2016-06-11

[]11:増田の志望

 増田家(八)軍師増田匿兵衛(かくべえ)は、増田大学に言った。

「旧増田領は敵にとって、間引きしそこねた柿の実のごとき場所

 いずれは熟さず落ちるのに栄養を送り続けるしかない。

 ここに敵の戦力をできるかぎり引きつけてください」

 増田大学はうなづき、大言壮語する。

「だが別に、勝ってしまっても構わんのだろう?」

 意気揚々と出陣した増田軍二万は、山頂に布陣した部将増田左混ひきいる増田(五)軍五千に不用意に近づいたところ、逆落としの攻撃をうけて敗北した。

 数日後、増田匿兵衛は当主に報告する。

増田大学からの書が来ました。「敵の足止めに成功した」とのこと」

「そうか……チェンジ!」

 次に送り込まれ増田出羽守は敵を大きく包囲しようとした。そして、手薄になった中央攻撃を受けて負けた。

 三人目の増田金吾は水場のない丘に登った敵を火計で攻めたが、突如おこった突風によって自分たちが炎に巻かれ、駆け降りてきた敵に追い散らされた。

 その後も増田北方派遣軍は敗北を重ねた。

それでも、指揮官よりも後方支援部隊の尽力によって、敵の兵力山間地に留めおくことには成功した。

 また、みんなが敗北の達人になっていたことで(より根本的には兵力差によって)致命傷を避けて負けることができた。

しかしながら、彼我の兵力比的に意味のある作戦行動だったかは疑問とされる。


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          • http://anond.hatelabo.jp/20160606192640

            ブコメで自分が書いたとあっさりネタばらし なら増田でやるな自分の庭と取り巻きでやれ増田を汚すな増田を

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