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2021-03-31

アーツ前橋作品紛失問題

はてなでは意外と話題になっていないようだが、アーツ前橋という公立美術館作品6点が行方不明になる、という事件があった。

館長も辞任して一件落着かと思いきや、その後出た報告書で館長による隠蔽疑惑が指摘されたり、その報告書に館長自らが反論したりして、泥沼の様相を呈している。

まとまった記事としては美術手帖を参照されたい。

アーツ前橋作品紛失に関する調査報告書が公開

https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/23795

紛失問題報告書に関して、アーツ前橋館長の住友文彦が反論

https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/23803

一般の人にはあまり知られていないかもしれないが、アーツ前橋というのは近年アート業界ではかなり高い評価をうけている美術館である

たとえばこういう企画展

https://www.artsmaebashi.jp/?p=13991

堂々と掲げられた「本展のキーワード」の、「周縁性、ローカルジェンダー福祉ケア老い共同体移民」というあたりが、この館の方向性を端的に示していると思う。

ざっくりと言ってしまえば、社会問題を扱う現代アートを精力的に紹介しつつ、ワークショップによって地域との結びつきを強めていく、というスタンスである

個人的には、なんか優等生的だなという印象で、反感を抱かないでもない。

しかし、年々予算が削られ、文化政策への風当たりも強くなっている斜陽美術館業界からすれば、「SDGs」的なアピールによって先端的な雰囲気を放っているアーツ前橋は、地方美術館のあり方として、ひとつモデルともいうべき存在であった。

その方向をカリスマ的にリードしてきたのが、2013年の開館当初から館長をつとめてきた、住友文彦その人である

前橋市と館長、どちらの言い分が正しいのかは現時点でよくわからないが、すでに美術業界から擁護の声も出ている。

たとえば東大教授美術研究者加治屋健司。

アーツ前橋作品紛失の最大の原因は、予算、スペース等から美術館が借用作品の保管場所として外部施設を使わざるを得なかったことにある。その状態放置問題に適切に対処してこなかった所管部署文化スポーツ観光部及び同文化国際課に責任がある。これは専門職の館長ではなく行政職の職掌である

https://twitter.com/kenji_kajiya/status/1375731293581807616

スペース・予算の確保は行政職の仕事なのに、彼らはそれを怠っており、そのせいで悪環境作品を置かざるをえなくなったために今回の事件が起こった、という論理である

これは大局的に見れば正しいかもしれない。

ただ、美術の保管場所というのは確保するのに非常にコストがかかるので、無尽蔵に確保できるというものではない。

それに、少なくとも現状で保管場所がまともでないにもかかわらず、作品を預かることにしたのは、やはり学芸員なのではないか

まともな環境作品を置くことすらできないのであれば、そもそも作品を預かるべきではなかったはずである

そういう批判はあったようで、彼はあとから補足している。

他館の学芸員からお話を伺いました。館の作品管理問題があったと私も思います。それはすでに各所で指摘されており館長も認めているので、私はそれを前提としたうえで報告書問題を指摘しました。それを館の問題を認めない発言と受け止めた人もいたようですが、それは私の発言趣旨ではありません。

https://twitter.com/kenji_kajiya/status/1376207390836592642



とはいえ前橋市の報告書住友文彦の責任を追及したように、加治屋健司が行政職の責任を追及するという構図には、結局のところ学芸員行政職の党派性問題なのではないかという感も否めない。

一般にはさほど知られていないかもしれないが、美術館学芸員行政職の人間は、仲が悪いのがふつうである

なぜそうなるのかと言われると難しいが、技術職と営業職が不仲なのと構造的には同じであると思う。

まり理想を求める学芸員コスト重視の行政職という図式で、利害が一致していないのだから対立するのは当然なのかもしれない。

両者のいずれが力を持つかというのは、もちろんさまざまな権力関係によって決まるのだけれど、その勢力図を象徴的に表すのが、「館長が行政職か学芸員か」という問題である

現状で言えば、おそらく行政出身の館長のほうが多数派なはずで、その傾向は年々強まっているのではないかと思う。

現代アート畑の住友文彦を館長にしているアーツ前橋は、その意味でも稀有存在なのである

行政出身の館長というのもバックグラウンドはさまざまだが、教育委員会などから引退間際のおじいちゃんがやってくることが多く、そういう人の99パーセント現代アートなど興味も関心もない(のに反感だけは持っていたりする)ため、館長のくせに予算削減を推進する側に立ったりする。

今回の住友文彦退任にあたっても、後任に専門家を置けという動きが出ているのには、そういう背景がある。

後任に現代美術専門家を 「アーツ前橋」館長退任へ 芸術家署名活動

https://mainichi.jp/articles/20210330/k00/00m/040/038000c

ところで、先ほど「まともな環境がないなら作品を預かるな」と書いたけれど、現実的にはなかなかそうはいかない事情がある。

まず、あたりまえの大前提として、美術館が持っている作品を捨てるということは通常ない。

現実にはゼロではないのだが、やるとなると相当の覚悟必要である

から美術館作品は減るということはなく、ひたすら増えていくことになる。

加えて、美術品のほとんどは温度湿度を厳正に維持した収蔵庫で管理しなければならない。

「厳正に維持」というのは「24時間空調」のことを指す。

38度の真夏であっても、氷点下真冬であっても、24時間365日安定した温湿度でなければならない。

当然これには莫大なコストがかかり、倉庫が広くなればその分お金もかさむ。

まり美術作品は増えていくのに、倉庫を増やすのは容易ではないのだ。

「じゃあ預からなければいいじゃないか」と言うかもしれない。

しかしそうはいかない。

地方美術館美術作品寄付する人々というのは、たとえば地域小金持ちであるが、彼らはしばしばこういう考え方であったりする。

1. 蔵を掃除していたら、なにか絵が出てきた。

2. 貴重なものかもしれないので、美術館電話した。

3. 美術館で引き取ってくれないなら、廃品回収に出そうと思う。

「収蔵するか」「捨てられるか」という二択しか、ここにはない。

売るとか、他の美術館を紹介したらどうか、と言うかもれない。

名の知れた人気作家だったら、そういう手もありうるだろう。

でも、蔵から出てくる作品の作者というのは、典型的にはこういう経歴の人物だったりする。

〇〇県出身上京美術学校西洋絵画を学ぶ。卒業後に帰郷し、〇〇県立第一高校美術教員として教鞭をとる。戦後は〇〇県展の立ち上げに尽力し、後進を育てるなど、〇〇県画壇の重鎮として活躍した。

こういうプロフィール作家面白い絵を描くのだろうか、と疑問に思うかもしれないが、まさにご指摘のとおりで、美術史の大きな流れからすれば、なんの意義もない作品であることがほとんどだ。

しかし、地元での功績というのは地域にとって何よりも大切なものであるし、なによりそういう「つまらない」風景画には、地元民の心をこのうえなく鮮烈にうつし出したような、ローカルであるがゆえの価値がしばしばある。

日本都道府県ほとんどには県立美術館があって、そのそれぞれに多くの「凡庸地元作家」の作品が収蔵されていることの意義は、そこにあるというほかない。

そのような作品は、まさに、「収蔵するか」「捨てられるか」の二択だったところを拾われてきたのである

というわけで、いろいろ書いてしまったが、今回の事件は単なるカリスマ館長の不祥事という以上に、美術館業界の抱えるさまざまな問題関係しているように思われる。

気が重い話である

その他参照

調査報告書

https://www.city.maebashi.gunma.jp/material/files/group/10/hodo20210324_7.pdf

住友文彦の記者会見原稿

https://drive.google.com/file/d/1qQmOLCs2XI1VK9XzPgQpWyKlJZH809Yx/view

2021-03-29

チーム戦で戦えるより強いウマ娘の育成していくために

クラス5,6などチームレースで戦うウマを目指したい人向け

3x3青因子やSSR2凸以上が無い中でクラス6にまでは行けたので記念に

簡単に言えばSS/B/B/C/C といったステを目指すための方法

マイルならSS/B/B/C/C 長距離ならB/SS/B/C/Cといった重要ステを伸ばすことでチーム戦で有利に戦うことを目指していく。

A/B/A/C/Cといったステータスバランス配分すれば可能になる。

・前提として

因子が多少揃ってきてる 特定ステータスの青因子2,2,3+URA因子など 3x3ならなおよし

育てたいウマに合う金スキルを持つウマ or 凡庸強い金スキル

ちょっと前までは3か所を重点して育成するのが良いなんて話はあったが、チームレースで戦うならば、1ステはA~SSくらいは狙った上で他ステもBを目指していく必要が出てくる。

そうした時にサポートを3ステータスx2枚とかにすると総合ステータスが伸びなくなる欠点があるので、下記の方針にて育成する。

・1ステータスはほぼ因子でカバーする

・特化したいステータスウマ娘の成長率が高いものを選ぶ

・特化したいステータスサポート枚数を増やす+フレンドの強いのを借りる

・残りで金スキルカバーしつつレース用のもう一つステを伸ばす

ステータスSSにもっていくためには、トレーニングLv5を目指さないとかなり難しいが、中長距離キャラやチーム戦を目標としたキャラでは他ステータス結構必要になってくるので、

ステータス+賢さの並行育成ではどうしてもトレーニング回数が稼げず、B+BBみたいな半端なステになりがちである

そこで2ステータスに重点育成項目を絞り、さらにはサポートも固めることで4人で友情トレーニングなどステータスが一気に伸ばせる可能性を高めてステータスSSを目指していく。

その為には、1ステータスの育成を切りつつ、ステータスBを達成させる必要が出てくる。そのために強い因子が必要だ。

まず、因子で1ステータスをBにするには継承で100以上は盛れないと厳しく、3x3(フレ)、2x2+3で 108×3回=324

1年目は絆上げで因子要因のステも上げるので+50-100 あと不足分は合宿友情トレがないターンに稼ぐことで500-600を目指せる。

因子育成のステはパワーかスタミナが楽だと思う。スピードやパワートレでステータスがついでに増やせるので。

育成としては1年目に絆上げをしつつ、スピード・スタミナ・パワー、選べない時や偏った時に賢さを選択しつつ絆を上げる。

この時点では特化ステを先行しつつのバランス気味にする。250/350/250とか。ウマの目標達成が楽になるので。

イベント選択肢は育成しないステが伸ばせるとよい。根性/賢さなど。

2年目で絆が揃ってきたら友トレなど重点育成のステータスを重視して伸ばしていく。

合宿は不足ステのカバーや賢さ/根性の補完をメインにできるとバランスもやや確保できる。

3年目の早いうちに特化ステータスのトレLv4,5になるとよい。

複数人の友トレで50とか70とか増えるようになるので、これで一気にステータスSSを狙っていく。

複数の友トレが大事なので得意率も高いほうがよい。

うまいこと育成できればA/SS/B/C/Cくらいまでステータスが伸ばせそうではある。

チームレースで勝つにはスキル大事特にスキル効果が高いといわれてるので、なるべく採用したい。

後、ラストスパートを強化できるスキルは非常に重要。「末脚」のありがたさは理解されているだろう。

上位の「全身全霊」はめっちゃ欲しいがスペの覚醒以外だと、この方式では採用が難しい。

他のSSRを採用しよう。根性特化も強いらしい。

後は噂ではポジション系のスキルは非常に強いらしい。前方で詰まった状態では抜け出せないので。

ノーマルスキルだと「臨機応変」とかで

ゴルシ覚醒の「視界良好!異常なし!」は上位ランカーは全員持ってたりするので。

ステータス育成の縛りをつけると手持ちでスキルの合うSSRが採用できない可能性もあるので、

この方法は誰でも使える方式ではないが、ステータス有利とれるだけでも結構戦えるので試してみるといいと思う。

2021-03-27

anond:20210327221542

創作ショービズに限って女性へのルッキズムがすごいから仕方ないね

まだまだ年月は掛かると思う

 

単純に、 整ってない=非日常感がない=母ちゃん なんだと思うよ

男女とも "母ちゃんには萌えられないしな・・・" みたいな

 

かなり個性的なお顔立ち(婉曲表現)やひとやまいくらの凡庸なお顔立ちでも

日常感が演出できればショービズでも成功してるので

日常感が出せるかどうかじゃないですかね?

2021-03-22

anond:20210322160343

そういう増田若い頃はイキっていても「いつか評価される時がくる」と可能性を信じていられるけど

30過ぎてくるとそんな奇跡はもう起きないって自分でも薄々気付いてくるから

それで自分がレールに乗った凡庸人間の足元にも及ばないウンコ製造機の発達障害しかないという現実に狂う

2021-03-21

anond:20210321124622

ヒトラーは、

民族浄化(←もちろん絶対に許されることではない)にも

戦争にも

経済政策にも

すべてに失敗しているし

ポルポトと違って他国にも被害を出してる

 

どの角度からもどうにもならない

そのどうにもならさ(凡庸さ)が背徳的な共感を生むことはあるかもしれないが

どの角度からみても許してはいけないとしかならない

2021-03-17

『シン・エヴァ感想なぐり書き【ネタバレ

遅ればせながら『シン・エヴァ』観ました。個人的感想メモネタバレあり)。ちなみにTVから観ている39歳男です。

アスカの救済

・旧劇場版シンジアスカがお互い傷つけあったのは「二人は他者から、触れ合えば傷つくのは必然なんだ」と受け止めてた。それに対する『シン・エヴァ』の回答は「あれは二人の相性が悪かったせい。それぞれ別の人とくっつけば幸せになれるよ」ってことだと理解した。マジか、と思いましたね。あまりに身も蓋もなさすぎて。しかし言われてみれば確かにそう。こうなってみると、もうこの終わり方しか考えられない。

・旧劇場版アスカって、エヴァの全編を通してみてもトップクラスに酷い目にあってたと思う。肉体的にも精神的にも。見ていて居たたまれなかった。なので、浜辺のシーンで惣流のほうのアスカも救済してくれて嬉しかった。

カヲル君の正体

・それにしても、まさか渚カヲルゲンドウの分身(別人格)だとは思ってもみなかった。これが一番衝撃的だったかも。

・でもよく考えると、TV版の時点でカヲルレイに「君は僕と同じだね」って言ってるんだよね。レイユイクローンだとして、じゃあカヲルは誰の分身なのかと考えれば、論理的にはゲンドウしかありえない。なんで俺は25年間その可能性に気づかなかったのか、ということのほうが今となっては不思議

カヲル君の「歌はいいねえ」という台詞シンジ君のウォークマンが、25年の時を経てゲンドウというキーワードひとつに結びつけられる展開は震えた。

第3村

庵野さんの鉄道に対する愛情が全開で、鉄オタの俺、歓喜

・あそこに置かれていた鉄道車両は、庵野さんの故郷山口あたりで昭和時代に走っていたやつが多かったと思う(あとは天竜浜名湖鉄道?)。あの村が箱根そば2029年ごろに存在しているとすると、明らかに時空が歪んでいる。この時点ですでに庵野さんの心象風景に片足を突っ込んでいると理解した。あの村全てが仮想空間とも受け取れる。

作画もあの村の場面の一部だけ、なんか質感が違いましたよね?

TVから存在していた夕闇の電車の中での自分との対話シーン。あれはあの旧型国電の中でやってたのか。あの車両庵野さんの地元宇部線で長く走ってた形式。なので単に懐古趣味で旧い電車を出してたのではなく、自分故郷の、おそらく青春時代によく乗っていた電車の中でずっと自問自答していたわけね。なんというか、本当にエヴァって私小説だ。

・村の人がレイを「そっくりさん」と呼び続けるの、普通に気持ち悪いよ! 初日だけならともかく、その後もずっと。同僚に対してその扱いは酷くないかレイ視点から悪意がないように受け取れるけど、実際にはあれは村社会新人イビリなんじゃないの。エヴァは「誰が誰をどういう名前で呼ぶか」について極めて意識的作品なので、こういう「気持ち悪さ」も織り込み済みでやってそう。

レイはやっぱり個体によってかなり人格が違う。にしてもTV版の「ばーさんは用済み」のあの子だけは極端に性格悪かったな。あれは何だったのか。

シンジ君が嗚咽するシーンは緒方恵美さんの一世一代の名演。

ミサトさんとか

ミサトさんは「自分大人じゃないけど、それでも大人の役をきちんと果たすんだ」と決めた人。TV版と旧劇場版ではそういうちゃんとした大人ミサトと加持ぐらいだったけど、新劇場版ではリツコとヴンダークルー達も付いてきてくれていて、そこが良かった。

・にしても生命種の種を満載した船で最終決戦に突っ込むのは、リスク管理としてやばすぎ。そいつらはどっか安全場所に厳重保管しておくべき。

ミサトさんが息子とずっと会わないと決めたこと。それってユイゲンドウと同じ過ちを繰り返してるんじゃないの、と思えて複雑だった。ユイも「自分選択を息子はわかってくれる」みたいなことを言って死んだけど、息子の側からしたら親に捨てられたと思っただろうし、その葛藤を描いてきたのがまさにエヴァという物語なので。これは「シンジ物語が終わっても全てが解決するわけじゃない。親子の葛藤は次の世代にも続いていく」というメッセージだと受け止めた。

新劇場版の全体を通して、リツコさんの物語はほぼカットされちゃった。新劇から見た人にとっては、あの人はミサトさんの有能な副官というだけの存在になるのかな。まあ尺もあるし仕方ないか

新劇場版での冬月が何をしたかったのか全然からない。旧劇場版まではユイとの再会だよね? 今回は違うの? あんた何なの?

ゲンドウとシンジの取っ組み合いのケンカは笑った。庵野さんって、映画の前半で綿密にリアリティーを積み上げておきながら後半で暴走するよね。『シン・ゴジラ』の無人在来線爆弾ときも思ったけど。

・「ユイ、お前はずっとシンジの中にいたのか」って、そんなの当っったり前だろうがー!! そんな凡庸結論に至るまでに人類を3回も滅亡の淵に追いやるんじゃねえよ。

エンディング

庵野さんはエンディング巨匠だと思っている。「全ての子供達に、おめでとう」と「気持ち悪い」。観た人の記憶に刻み込まれエンディングを2つも作ったのは神業

・そして今回のエンディングも後世に語り継がれる素晴らしい出来だと思った。俺は泣きました。

大人になったシンジ君、イケメンだなあ。声は神木君だしパートナーは素敵な人だし。この話って結局「ただしイケメンに限る」ってやつじゃねーの、という思いもよぎる。

チョーカー現実世界でもずっとつけてたのは、思春期呪縛はそれだけ強いものなんだという意味合いかな。それとも単にマリチョーカーを外す場面が撮りたかっただけ?

マリ鶴巻和哉の色が濃いっていう評を見たけど、確かにフリクリから飛び出てきたみたいなキャラ。『フリクリ』も大好きなので嬉しかった。鶴巻さんもありがとう

・でもこの結末って言ってみれば「夢オチ」だよね。それでも自分も含めて肯定的感想が多いってことは、要するにたいがいの人は登場人物人間関係に決着がつくことを何より重視していて、そこに整理がつけば夢オチでも構わないと思ってるってこと…?

・「One Last Kiss」最高。天才の曲。宇多田ヒカルエヴァ関連の仕事は全て文句のつけようがない。こんな荒唐無稽物語にかっちりハマりつつ、なおかつ宇多田ヒカルらしさを失わない曲をよくぞ3曲も作ったものだと思う。宇多田ヒカルさんもありがとう

・で、『Q』で出てきたトウジの制服は何だったの? とかそういうことを考えだすとキリがないので、もう考えない。

余談

劇場自分の前の席に高校生集団が座っていて、終わった後で「どうだった?」「わかんねー(笑)」と、まさに自分高校生で旧劇場版を観た時と同じような会話を繰り広げていた。そのことに何だか感動してしまった。

庵野さん、カラーの皆さん。世代を超えて人の心を動かす作品を作ってくれて、ありがとうございました。

うっせぇ

成長とは おじさんとは

それが何か見せつけてやる

ちっちゃな頃には男の子

気づいたらオヤジになっていた

子どもの様な思考回路

大人になんてなり切れる訳もなく

でも何か足りない 髪が足りない

困っちまうこれは先祖のせい

あてもなくただ検便するホリデイ

それもそっか

最新の流行は当然のスルー

経済の動向はtwitterでチェック

凡庸精神で出社しパニック

社会人として風前の灯火です

はぁ?うっせぇうっせぇうっせぇわ

あなたが思うより凡庸です

一切合切天才

あなたじゃわからいかもね

嗚呼よく似合う

この可もなく不可もないパジャマ

うっせぇうっせぇうっせぇわ

今宵はかなり眠いので晩酌はナシ

2021-03-16

知的障害者って実質断種されてるよね

http://www.gp-sri.jp/report/detail028.html

これ見ると、知的障害者結婚率は2.3%

健常者が57.4%なのに比べると、メチャ低い

96.7%が未婚、というとマジですごい感じする

知的障害者は生きる価値いから、97%は生まれ次第殺処分だ!」っていうとヤバい感じするが、実際には80年かけてるだけで97パーセント殺処分して断種してるらしい

まあでも、それをいうと俺も殺処分されてんだよな

つうか、子を残したら「意味がある」 残せなかったら「無意味な命」っていうのも貧困な発想だな

いか!べつに!

別にいいんだ 子供なんか残さなくていい

知的障害者の9割以上が結婚すらできずに死んでいくかもしれないが、それでも彼らの命には意味があるよな!

特に電車でアウアウ言って車内に緊張感走らせてくれるタイプの人 彼らは俺なんかよりよっぽど社会的プレゼンスが高い

俺が今日死んでもほとんどのやつは気にとめないだろうけど、毎朝電車でウアーつってる知的障害者が突然死んだら、「あれ、今日はあの人いないのか…」ってなるもん

個性があってすごいよな ホントに生きてるって感じがする 多分俺より人生楽しんでるしな

ああ

知的障害者の未婚率をタネ社会バカにしようと思ったが、うっかり俺自身の虚無っぷりに目を向けてしまった

「命は大事!つって生かされるが、別に何を残せるわけでもなく、楽しくもなく、搾取されてぼんやり苦しみながら死んでいくだけの存在」、俺そのものじゃん

つうか、健常者も結婚率57%とかなのかよ

結婚が全てではない、子供なんか作んなくていい、それはそう、でも仕事キツいし、休日別にめちゃくちゃ楽しいわけじゃないし、じゃあなんなんだこの人生 

ていうか、この苦しみは俺に固有のものなんかでは全然なく、低く見積もっても25%くらいの人生はこんな感じなんじゃねえか?

それも悲しいよなー 俺だけが超かわいそうな最強被害者なんだったらまだ自己憐憫に浸れるけど、ちょっと周り見ただけで俺程度に辛そうなのはゴロゴロいる つらさすら凡庸

俺は誰にもこんな人生を送ってほしくないから、できたとしても絶対子供は作らないが、じゃあ俺はなんでこんな人生を送らされてんだ

親を恨む気にもなれん 気のいい人たちだし、いまだに金くれるし

俺は被害者だ〜ッ!つっても、それをいうならこの世の人間は全員被害者からなあ

どうしたらいいんだこの感じ

俺ってどうしたらいいですか?

瞑想

2021-03-13

ネタバレ】シン・エヴァ前半について

シン・エヴァについてはおおむね好評価ではある一方、過剰なまでに攻撃的な批評もみかける。

自分としても手放しで絶賛するわけではないし、批判的な評価についてはなるほどと思わされることのほうが多い。

ところで否定的な論者の大多数が拒絶反応を示しているのが、前半の第三村での描写であることは間違いないだろう。

リアリティのない原始共産主義ジブリマネごと、昭和価値観、お涙頂戴的な黒波の死、等々。

それは分かる、分かるし同意できるところも多々あるのだが、シンジが心的外傷から回復したのは、別に村の温かさだとか人情だとかではない、というところは指摘しておきたい。

村の人と交流し、自ら働きかけ、またそれに呼応した人間関係形成したのは黒波であって、

シンジ最初から最後まで(ケンスケを除いて)村人と一言も交わすことはない。

シンジ回復させたのは、ケンスケの、突き放しにも近い放置と、レイによる徹底した受容である

対比としてわかりやすいのが、ヒカリ父親や、トウジである

彼らはまさしく善人だが、彼らのやり方では残念ながらシンジに変化を引き起こすことはできない。



心の傷、トラウマを癒やすには時間がかかる。

黒波は仕事を通じて他者とのつながりを持ち、様々な感情を知っていく。

そうして少しずつ変化していった黒波が、今度はシンジの変化を引き起こす。

正直自分も観ながら、いつまでこの村のパートを続けるんだろう、と感じた。

この村のパートを削ったり、あるいは途中でWILLEの動きを挟むことで、ダラダラと村のシーンが続いたという印象を抑えることもできただろう。

それでも庵野淡々と同じような繰り返しを提示した。

それは日常というのは同じことの繰り返しで、ただ明日を生きることだけを繰り返していくしかないということ、それでも少しずつ変化が生まれていくということを示した。

凡庸描写で退屈にもなるからこそ、それが必要だったのではないかと思う。


それともう一つ

アスカはこのとき自らも傷を抱えているので、シンジを受容する余裕はない。

それでもシンジエントリープラグから引きずり出して、自分にはできないことをしてくれるであろう人たちに頼ることはできる。

こうして点々とつながることで、いつか回復につながる。

実際に回復したシンジは、旧劇の惣流を癒やす

新劇式波ケンスケに居場所を見つける。

きっとケンスケも誰かに助けられたのだろう。

助けてもらったら、別の誰かを助けることでしかそれに報いることはできない。



(なお、庵野らしいな、と思うのが、綾波タイプ式波タイプシンジ好意に持つようにプログラミングされている、という設定である。このプログラミングされた好意があるからこそ、黒波はシンジを徹底して受容できたのかもしれない(し、それとは無関係な黒波の意思かもしれない)。都合のいいすべてを受容してくれる美少女は結局作られたものかもしれない。小さな毒や皮肉視点を潜ませずにはいられないオタク仕草。)

2021-03-11

うっせぇわを聴いて思ったこ

 うっせぇわ、という歌を聴いて、思ったことを書く。

 最初に、9000万回も再生されるような動画を作れてすごいなーという思いを、私が作者に持っているということを明記しておく。これから書くことは、「うっせぇわ」で描かれている内容についてであって、作者に対してではないことを明らかにしておきたい。

 まずこの曲を聴いて感じたことは、反抗期の歌だなーということだ。

 「うっせぇ」と思うような規範内面化させられた不本意気持ちを、規範自分強制していると思っている大人に対して、「一切合切凡庸」「くせぇ口」と、けっこう理不尽罵倒することで発散しようとしているように、私は感じた。

 なんと的外れな怒りだろう。

 優等生であることや、模範人間であることなんて、今すぐやめてしまえ。

 「うっせぇ」と思う規範なんか、一つも守らなければいい。

 でもそれは、しない。あるいはできない。発想すら、していないように見える。

 なぜなら、馬鹿にしている大人が作っている世界に、圧倒的に庇護され、利益を得ているから。養ってくれ、頼らせてくれる相手一方的な怒りを抱いて反発すること、これぞ反抗期だ。

 優等生であること、模範人間であることは、自ら選んだことだ。選ばされたと思っているなら、それは間違っている。そこから外れることを恐れ、適合することで安全を、利益を得ようとしている利己的な行為だ。別にそれ自体は、戦略であり、何ら批判されるようなことじゃない。

 その世界が不満なら、変えるか、去ればいい。変えるというのは、不満のある大統領暗殺するのではなく、自らが議員になって政治勢力を作ることだ。夫に不満なら妻は離婚すればいいし、会社に不満なら転職すればいい。それが出来ないとき、まともな大人は、自分力不足認識し、力を増やす努力をしたり、自分に出来る範囲のことがないかを考える。

 あるいは、契約を取るためには、飲み会で「酒が空いたグラスにすぐに注」いだり、「串外」したりすることくらい、なんとも思わない大人もたくさんいる。そういう大人は、自分会社なのか、養うべき家族なのか、人によって違うだろうが、守らなければならない具体的なものがあったりする。守るべきものが何にもない若者には、自分がそれを気に入らないという感性が一番大切になって、不満が出る。

 不満を持つなとか、従順たれとは全く思わないし、不満を表明することで、物事が変わることもあるので、黙っているよりはマシだとは思うけど、この怒りは建設的ではない。自分の怒りの的外れさに気づけば、そこまで鬱屈させることもないし、むしろ自分人生を動かす原動力たり得る。

 あと自分にろくでもない規範押し付けているのは、周囲にいる無理解大人だと思っていそうだけど、それは違う。周囲の大人は、そういうろくでもなく見えている世界拒否することのできない、ある意味、弱き民だ。そうやって適応することで、生き延びて来ているので、同じようにしないと生きていけないよ、と思っているだけだったりする。

 「頭の出来が違う」のであれば、見下している相手に模範人間をやっているなんて、単なる時間無駄なので、さっさと望ましいと思う世界を創りましょう。本当の敵に出会うのも、きっとそれからだ。

2021-03-10

でも、どう取り繕っても『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』は凡作の類だよね

ファンにとってそうじゃないってのは分かるよ?意地でもつまんなかったなんか言わないでしょ。

成仏したとか言ってる奴はただの信者なわけ。「何で庵野は俺たちを救わなかったんだ!!!」って方向に振り切れちゃった狂信者もいるみたいだけど、その人達の方がこの作品凡庸さに向き合ってるだけまだ誠実だと思う。エヴァのことは神格化しているけど、シンエヴァのとこは神格化してない。


世間一般の人にとっちゃ「現実大事」「現実もいいもんだ」「向き合ってみよう」なんて無茶苦茶当たり前だし、何の目新しいメッセージでもないよね

アニメ業界だって富野とか宮崎駿とかが散々そんなこと言ってそうじゃん。

社会から隔絶されてるオタクアニメ監督にとっちゃ驚きの新事実なのかもしれないけど、普通の人がこんなん言われても何言ってんだコイツ??ってなるだけ。

普通の人は、鬼滅の映画見てあー面白かったねご飯食べに行こ、って物語物語として楽しんでさっと現実に帰っていくんだよ。そういう意味じゃ鬼滅の方がよっぽど良くできてる。カッコいい人がカッコよく活躍して、泣きの要素もあって、別に観念じみてもいない。誰でも楽しめる良い作品だ。

エンタメとしても退屈、作品としても凡庸なんよ。映画館も張り切って何回も上映してるけど、悪いこと言わんからすぐ鬼滅にリソース戻した方がいいと思うな、この映画絶対売れない。

2021-03-09

跡を濁さない鳥になりたい

高学歴下男性のプライド逆撫で、もしくは赤ちゃん返りさせてしまうのを避けたいです。

関係継続如何に関わらず、たとえこの先、2度と会うことがなくても爆発させたくないと考えています

当方凡庸20代OLです。理屈っぽい性格だとは思います。面倒見はいい方です。

幼少期から10代にかけての対人関係挫折経験から内向的に育ちました。容姿にもコンプレックスがあったので努力しましたが、まだ洗練される余地はあります。これまでの交際相手は2人で、交際期間はそれぞれ3年、5年です。

成人以後、本記事以外の対人トラブルほとんどありません。

本題です。

1.後輩①

2.後輩②

3.ネットの人

4.幼なじみ

爆発した彼らに共通するのは高学歴で、年下であるということです。

(私は編入生なので最終学歴だけ立派ですが入学した学校難易度は高くありません。学歴能力で彼らと張り合ったことはありません。)

1.後輩①

彼の仕事に協力した後日、「ふぁ〜」というLINE(あくびでしょうか?)がきたのでスタンプで返したところ「僕がどんな思いになるか分かってるんですか?!」と激怒させてしまいました。最終的に「あなたがいなくても僕は大丈夫です!」と言われ、空白の数ヶ月を経て告白されました。意味不明

2.後輩②

よく雑談をしていた後輩です。ある日「俺のこと好きなんですよね?」と言うので否定したところ翌日からあんたはブサカワだな!ババア!」と言ってくるようになり、最終的に転職していきました。

3.ネットの男

ネット出会った2歳下の男性と3回デートしました。

彼は自分の顔がとても良いと思っています。たしかに目鼻立ちもはっきりして格好いいのですが「俺には欠点がない」「世界にはろくな女がいねえ」「俺はブスには厳しいから」などの迷言は不釣り合いです。

ルッキズム全開マンが苦手なので、3回目のデート後にお家に誘われた時「明日早いのでまた今度」と返したところ「オタクだな〜」「インキャすぎ!」などと幼稚な言葉で返されました。

思い返せば「君は顔が悪くないのに全く食指が動かない」と言われたことがありました。そんな言葉をぶつけるなんて失礼だなと思いつつ「まずは友達になりたいから今はいいかな」と呑気に返すと「フーン、いいんだ」と言われました。傷ついて欲しかったのかもしれませんね。「俺様の性欲には価値がある」的な思想キモかったです。

見下している相手コントロールできなかったから暴れたのかと推定しています

4.幼馴染

幼馴染とは15年の付き合いで、お互いの初恋から将来の夢まで知っている仲です。お互い、結婚を考えていた恋人と別れたタイミングが重なった時、一夜を共にしてしまいました。

彼は寂しさを埋めたいだけで私への気持ちがないことは言動から何となく気付いていました。一方、私は今まで彼の話を聞いてきて考え方が一貫していたため人として信頼していました。

彼は「全部俺のせいだよ」と言った後「今までの子たちは皆俺のせいにしてきたけどお前は楽だから最高」と言ってきました。

暫くすると突然、小学生男子のようなテンションで「お前なんかどうでもいい!」と言いながら私の背後から腹部に手を回し、ハイムリック法をかましてきました。

やめてと言って突き飛ばしものの、何でそんなふうにされるのか全く意味がわかりませんでした。その後も「どうせおれのこと嫌いだろ?!」「お前はオタクすぎ」「インキャ!」などと言われました。

彼は、好きになられたら困るとでも思ったのかもしれませんがそんな風に言わなくても。

私は彼を信頼していたからこそ何でも話せたのですが、彼は私がどうでもいい存在からこそ何でも話せたのかもしれません。単に長い間やりとりを交わしていただけで、彼のことは何も知らなかったことを実感しました。反省

LINEではあまり絵文字をつけず無愛想だからなのか、ネットの男と幼馴染に「LINEでイキってる」「怒ってるの?」と何度か言われました。

イキってるというのは不相応な強気、虚勢という意味しょうが心当たりはありません。実際会った時の方が柔らかい印象だそうですが、発言の主旨を変えたことはないのでノンバーバルな要素でギャップを生んでいるのだと思います

他責思考浅薄で失礼な人と末長く仲良くしたいとは一切思っていません。

しかし、彼らが爆発するまではそれなりに楽しかっただけになかなか残念です。今まで学校職場で関わった多くの男性紳士的でした。そのため人選ミスは否めませんが、今後はこういった場面に遭遇したくありません。

ここ5年ほどで立て続けにこのようなことがありました。単なる相性で片付けていいものでしょうか。

自分に不足があるとすれば「LINEと対面での温度差」「所謂イイ女ではない点」以外には思い当たりません。言葉遣いや話題に関しては失礼のないように気をつけているつもりでした。彼らを爆発させないためには圧倒的美人になり圧倒的強さ(?)で捩じ伏せるしかないのかもしれません。

私は飲み会など「空気」が重要な場が苦手で身をおいてこなかったので、単に彼らの空気が分からないのかも。

何かアドバイスがあれば教えて頂けると嬉しいです。今後、会社で後輩が増えても波風立てずにやっていきたいです。よろしくお願いします。

マドマギアニメみたいな、小説を書きたい

初代まどかマギカは色々と詰め込まれアニメだった。

凄く良かった(小学生並みな感想

そういった深い作品を書いてみたい。

どうやったら、あんなにすごい発想ができるのだろうか。

凡庸な俺には知識アイディアも無い。

どうやったら、ああいうのが考えられるんだ?

anond:20210309031140

当時は作中で設定を明らかにさせない系の作品がほぼ無かったんだよ。ロボットアニメはどれも用語説明一つにしても出てきたそばから雷電解説していたんだ。

からこそ、エヴァのような「匂わせ」作品は珍しかったんだな。

今となってはそれもまた凡庸エンタメ作品の一つというかメソッドになってしまったので陳腐なのはその通りだけれども。

2021-03-08

努力否定する奴って、努力したの?

努力せずに「努力はクソ」って言ってる無能っぽいけど

そこんとこどうなん?

努力否定する奴の多くは

・発想が凡庸

トラブル対応がドヘタ

・機転が利かない

とか様々な不具合抱えてんだよな。

そりゃぁ、努力じゃ解決せんわな。

2021-02-28

anond:20210228232650

反論出来ないとふざけ出すやつもよくいるわ

一切合切凡庸なお前には分からんかもね

2021-02-27

夫と子供がいる女性と付き合っていた。
彼女都内公団住宅に住んでいた。夫の人がリストラされたためパートタイムで働き、病弱な子供の世話もよくしていた。
勤め先でたまたま知り合い、折に触れて身の上話を聞いているうちになんとなく、そういう仲になってしまった。
かかわった年数は長かったけど、同衾したことは数回しかない。彼女が泊りがけで表に出るのは難しかったし、相性もあまりよくなかったのか、お互い行為に没入できなかった。
夫の方には何の恨みもなかったので、罪悪感をスパイスに盛り上がれるような関係でもなかった。私は無理にがんばらないタイプなのだ努力が足りないのかもしれない。

でもキスはいっぱいした。
週末の昼下がり、彼女の家から数駅離れた駅前で待ち合わせ、特に見るべきもののない町並みを散歩し、見知らぬマンションエレベーター適当に上の階のボタンを押して、ドアが開くまでキスをし続けた。
彼女のことは大事に思っていたし、でも夫や父親の代わりになるのが無理であることもわかっていた。だからキスするしかなかった。当然、住民に出くわして赤面したこともしばしばだ。
彼女は「私は都合がいい女なんだからどうぞ弄んで頂戴」と悪ぶっていたけど、本当のところはどうだったのか。

パート先の不満やしがらみを日々愚痴りながらもそこから決して離れようとはしなかったのと同じように、きっと家族関係も保ちながらキスだけの交際で満足しているのだろう、と勝手想像していた。
しかし送ってくるメッセージが次第に真剣味を帯びてきて頻度と分量がどんどん増し、これ本当に自宅で書いているんだろうか、だとしたら家で端末に一日中かい合っているんじゃなかろうか、という規模になってきて、同居家族が気づかないわけがないと思うに至った。
これはまずい。既にもう背徳行為はしているわけだけど、露見することで周りの人をさらに不幸にする前にどうにかしなくてはならない、と思った。
責任を取るとか取らないとかい関係ではなくあくまでも対等の立場のつもりだったが、身一つの私と比べて彼女は失うものが多すぎる。加えて私にはどうしてもその先に踏み切れない事情があった。
夫と子供から彼女を奪う悪役になったら一生負い目になるな、という思いももちろんあったが、問題だったのが彼女の文才のなさだった。

飲食店勤めの彼女には小説家になる夢があった。なろう系というのだろうか、小説投稿サイトで発表している(もちろんペンネームだ)作品について感想を求められたりもした。
からさまなイケメン登場人物について「このキャラあなたモデルなの」と言われたこともあり、まあストーリーの都合上無理やり美化しなければいけない事情があるのだろうと苦笑するしかなかった。私は自分の分をわきまえている。
残念なことに、彼女には小説家の才能が決定的に欠落していた。なんというか、言葉が上滑りしているのだ。好きそうな小説雰囲気を真似ようとしているのはわかるが、読むのと書くのとでは話が違う。
ストーリー凡庸だとか構成よろしくないとかのレベルではない。自分の頭の中の設定を文章他人にうまく伝える、という第一歩の部分で、彼女はもう失敗していた。
夢見がちなのは悪くないけど、そのイメージを人にわからせるためには客観性必要だ、自分だけわかっていてもだめなんだ、ということを最初は間接的に、次第に直接的に伝えた。こちらの言い方も悪かったのだろう、最初は聞いてくれていた彼女も「あなたに何がわかるの」と耳を貸さなくなった。
医者とか有名スターとかが登場する話より、日頃話しているお店の話から膨らませていった方がリアル面白いエピソードがいっぱいあるんじゃないの」と言ったら「あなたは何もわかってない」と拒否レベルさらに上がった。そういう日常が嫌だから創作に走っていたのだろうか、とこれは後知恵だけど思った。

そんな関係に数年前、私の配置転換で終止符が打たれた。
出世の望みは絶たれたけどまあのんきに釣りでもして暮らすかね、と思ったらしっかり三人前ぐらいの仕事を背負わされ、支店残業続きの毎日だ。世間は厳しい。
飛行機代出すからたまに遊びにおいで」と彼女に言ったが、パート主婦には無理であろうこともわかっていた。「もしかたらこれを機会に彼女が一大決心するかも」というずるい期待もほんの少しだけあったのだけど。
そして、もしそれが実現しても、才能のない作家志望者との同居に私が耐えられるかどうか微妙なことも知っていた。もともと小説の話がきっかけで付き合い始めたのだったけど、同じ言葉が通じない相手との生活には現実感を覚えられなかった。
メッセージのやりとりは次第に間隔が空き、やがて途絶えた。SNSなどの共有はいつの間にか解除され、モデル小説も消えていた。そういうことなのだろう。

コロナで長らく出張とはご無沙汰だったが、来月末に久々の東京本社出張を予定している。
彼女の唇の感触を思い出す。そばに行くことを思うと少しだけ心は騒ぐけど(会社そばにもキスしたビルはある)、たぶん彼女彼女なりにけりをつけた関係だろうから今更波立ててはいけない、と思った。私はがんばらないタイプなのだ

2021-02-26

地方なら分かるけど」ってなんだよ

地方田舎ステレオタイプな雑イメージで語ることに疑問を覚えない人間はまだまだいると思っている。

この記事についているコメントの一部を見るとそう感じた。

くせ毛や栗毛色「地毛証明都立高の4割 生徒に届け出求める | 教育 | NHKニュース

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20210225/k10012885111000.html


例えばこういうコメント

toro-chan 地方なら分かるけど、東京都??すれ違う人が日本人じゃないことなど何も珍しくない東京で、髪の色なんてまだ気にするのか。。

AKIMOTO ごめんこういうの地方の話だと思いこんでた

地方なら分かるけど」っていうのはあんまりにも雑すぎじゃないすかね?

東京がそうであるように地方もまた多種多様地域人間集合体なわけなんだがそこの多様性には気付けなかったのかな?

そもそもこういう「東京か、東京以外か。」みたいな雑な世界観いい加減やめような。

そんな0と1で語れるぐらい単純な世界ならいいけど現実は違うし、地方の中にも様々なルーツを持った人々が暮らす地域存在する。地毛証明書みたいなクソ校則のない学校だってある。

東京でこんなこと起きるはずがないって思うのは勝手だがそこで地方を丸ごと下げるのはおかしいだろ。

発言者東京出身だろうと地方のどこか出身だろうとその考えが雑であることに変わりはねえからな。

Nean こんなことにイレアゲてどーすんのよ。大阪東京も、なんかしらどこの田舎やねん感ある。

y-mat2006 東京ってやっぱり田舎ですなあ。

これも「地方なら分かるけど」と同じ。

こういう時にわざわざ地方田舎を引き合いに出すのは「田舎とその住民=都会より劣る存在」という認識があるからなのよな。

「都会にも前時代的な問題存在する」という認識なのではなく「東京も前時代的な田舎程度の存在しかない」というのは一体何なんだよ。

俺は別に田舎が都会より全面的に優れているとかそういうことを主張したいわけじゃない。田舎という属性をわざわざ悪い例として引き合いに出すことが差別じゃなくて何なのかって話だからな。

人種性別で括って馬鹿にしたりステレオタイプで語って良くないのと本来は同じことなんだが、田舎という属性ステレオタイプでもって貶すことに鈍感な人間が未だに多すぎるんだよ。

現に大都会で起きていることに対してやれ田舎みたいだなんだと言うのは、クソみたいな性格の男に対して「女の腐ったみたいな性格だな」とか抜かすのと同じだろ。

そもそも田舎だろうが都会だろうがどっちも共通のろくでもない面はあるんだよ。

slimebeth これ教育ムラ的には90年代頃までの全員問答無用黒染強制を経て「地毛が茶色の子まで黒染強制はさすがに酷なのでは」で始まった合理的進歩的な誇らしい制度なんだよな…

こういうのを「ムラ」とか表現するのも俺は嫌いだわ。

時代的で後進的で保守的でみたいな例えとしてわざわざ「村」と表現することな

他にも東京でなんかあると「日本所詮は大きな村なんだよな」的なこと言うやつが湧いたりするけどそれも違うだろと。

大都会学校でも企業でも政権中枢でもアレな事例はいくらでもあるってのに、そういう事例にいつまでも「村」という表現を使う人間はある種の偏見があることは自覚してくれ。

みんな大好き森喜朗くんとお仲間たちによる男だらけの閉鎖的な「会議」が最近まで堂々まかり通っていた場所大都会からな。

別に俺は都会下げの村アゲアゲしたいわけじゃなくて、残念ながらいずれも等しくクソみたいな事は起きるって言いたいだけなんだから勘違いしないでよね。

結局のところ

人種性別国籍等々を根拠とした差別偏見はやめようねって風潮になりつつあるのに対して、地方田舎(あるいは特定地域)へのド直球なステレオタイプ語りの差別性に関してはまだまだ意識されづらいのが実情だろう。だってそれはまだ差別というカテゴリーに含まれはいいから。

地方なら分かるけど」「どこの田舎やねん」っていうのも「生まれつき黒髪ストレートじゃない人間問題がある」みたいな差別根本的にはなんも変わんねえのよ。差別非難しつつ結局は同じことをやらかしている。

地方田舎ならその程度だよねっていう属性偏見語りが、地毛証明書とかい属性差別権化みたいなものと地続きであることはせめて覚えといてくれ。

追記

newoihv253「地方」に過剰反応するところがやっぱ田舎だよな

○○に過剰反応するところがやっぱ○○だよな

こういう差別テンプレ使って冷笑してるあたりが凡庸でつまんねえわ。

次は「やっぱ過剰反応しててワロタ」みたいなテンプレ天丼か?

2021-02-19

苗字二つほしいな

今の苗字、書きやすいから好きなんだけど、たまに他の苗字に憧れることがある

病院とかでフルネームで呼ばれると、あ~自分名前って凡庸だなあって思うから、三か月に一度くらい綾小路とか鬼龍院みたいな苗字名乗りたい

2021-02-15

ミステリ好きなら読破しておきたい古典を読んでおきたい古典100冊を読むべきではない100の理由

https://anond.hatelabo.jp/20210215101500

エドガーエラン・ポオ「モルグ街の殺人

 ・しょうもない犯人しょうもない気付き、しょうもないミステリ元祖

ウィルキー・コリンズ「月長石」

 ・長さのわりにミステリを期待して読むと徒労に終わるドラマ観れば十分。

コナン・ドイルシャーロック・ホームズの冒険

 ・長編よりいくらかマシという程度。

モーリス・ルブラン「怪盗紳士ルパン

 ・南洋一郎訳のほうがおもしろい。

ロナルド・A・ノックス「陸橋殺人事件

 ・いわゆる「ノックスの十戒」を定めた著者だが、作品凡庸

フョードル・ドストエフスキー罪と罰

 ・ミステリか? 別にいいんだけど。主人公臭い自意識に長時間堪えられるのなら。手塚治虫漫画版で十分。

コンラッド「闇の奥」

 ・「闇の奥」そのものより、「闇の奥」をもとにした無数のコンテンツのほうがおもしろい。『地獄の黙示録』とか。

F.W.クロフツ「樽」

 ・『樽』はタルい。これミステリ界の常識アルよ。クロフツもっと薄くておもしろいのがいっぱいある。

S.S.ヴァン・ダイン僧正殺人事件

 ・ヴァン・ダインとか今更読むやつおる??

ガストン・ルルー黄色い部屋の謎」

 ・これもルールタビ―ユくんのキャラ小説なんだよな。意外にミステリしてる点は評価できなくもない。

エラリー・クイーン「Yの悲劇

 ・別のトラバの人も言ってたけど、悲劇四部作は通しで読めよ。おまえはスター・ウォーズをEP5から観るのか?

ジョン・ディクスン・カー火刑法廷

 ・オカルト〜〜〜〜〜〜wwwwww すいません、ふつうに好きです。

アガサ・クリスティそして誰もいなくなった

 ・クリスティならなんぼでもこれよりおもしろいのがある。まあ、ある種のパターン確立したという意味で必読ではある。

ドロシー・セイヤーズナインテイラーズ」

 ・別にナインテイラーズ」でもいいんだけど。

イーデン・フィルポッツ赤毛のレドメイン家」

 ・いいかげん昔の人が評価してたからって理由だけでレドメイン家をこういうリストに入れるのやめない?

G.K.チェスタトンブラウン神父童心

 ・妥当。これもシリーズを通しで読むべきではある。

フランシス・アイルズ殺意

 ・アイルズ入れるのは当然として、バークリーも入れないのは理解に苦しむ。

ウィリアム・アイリッシュ「幻の女」

 ・惰性でオールタイム・ベスト入ってる系の古典としては意外なほどエキサイティング。アイリッシュもっと評価されてもいい。

コリン・デクスターキドリントンから消えた娘」

 ・今読むとちょっとメカニカルすぎてキツいところがある。

セバスチャン・ジャプリゾシンデレラの罠」

 ・ハッタリのきかせ方は歴史に残るけど、わりに印象に残りにくいんだよな。

ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」

 ・これも型を確立したという点で必読ではある。

ウィリアム・L・デアンドリア「ホッグ連続殺人

 ・出たよホッグ。20年くらい前ならおもしろかったのかもしれんけどさ。

クリスチアナ・ブランド「招かれざる客たちのビュッフェ

 ・さすがにブランド否定する理由がない。

エリザベスフェラーズ「猿来たりなば」

 ・知名度の割に、ブクオフに行ったらかならず置いてあるだけの理由はあるものだ。

ロアルド・ダールあなたに似た人」

 ・出来不出来が激しい作家の一人。奇妙な味勉強したいんなら異色作家短編集読めば。

ダフネ・デュ・モーリアレベッカ

 ・そういえば映画版最近リメイクされてましたね。つまんなかったなあ。ヒッチコック版と原作はいいです。

レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」

 ・御三家のなかで一番キツい。春樹訳はさらにキツい。ロバート・アルトマンくらいの諧謔が加わって初めて鑑賞に堪えうる。

ダシール・ハメットマルタの鷹

 ・ハードボイルドの先鋭性をもっともよく表した作家ではある。本篇より諏訪部浩一の『「マルタの鷹講義』のほうがおもしろい。

ロス・マクドナルド「ウィチャリー家の女」

 ・ロスマクの一冊を選ぶとなると戦争が起きる。法月綸太郎みたいなものさ。ここでもな。

フレデリック・フォーサイスジャッカルの日

 ・めちゃめちゃエキサイティングなんだけど、分厚いし今手に入りにくいし……。

ジョン・ル・カレ寒いから帰ってきたスパイ

 ・ル・カレのなかでは読みやすい部類だし、正解だと思う。

パトリシア・ハイスミス見知らぬ乗客

 ・ハイスミス20歳をすぎてから

ドナルド・E・ウェストレイクホットロック

 ・なぜよりによって『ホットロック』?

ボアローナルスジャック悪魔のような女

 ・ボアナルほんとに読んだことある?俺はない。映画は傑作だった。

トルーマン・カポーティ冷血

 ・ルポルタージュミステリとしては先駆的だったのかもしれないが、今読むと長いしタルいし冗長カポーティの美点がほとんど失われてしまっている。

ジム・トンプスン「内なる殺人者」

 ・ポップでしょ。

ウンベルト・エーコ薔薇の名前

 ・たかだかミステリ読みごときエーコの真価が理解できるとはおもわない。

ローレンス・ブロック八百万の死にざま」

 ・タイトルで勝ってるよな。アル中文学系譜が産んだ名作。

ルース・レンデルロウフィールド館の惨劇

 ・一発ネタ長編まるまるひとつ持たせた奇跡のような書物とはいえレンデルもっと濃ゆいのがある。

ウィリアム・ゴールディング「蝿の王

 ・別にここに入れる必要はないのでは。

ジェイムズ・クラムリー「酔いどれの誇り」

 ・ネオハードボイルド作家たちは再評価されるべきだと思うが、中途半端に古くなってしまった感もあり、難しい。

ジェイムズ・エルロイブラック・ダリア

 ・反面エルロイは古びない。ただLA四部作は何も知らない人が「ブラック・ダリア」だけ読んでもわからん気がする。

ジャック・ヒギンズ「鷲は舞い降りた」

 ・冒険小説進化してるので、いつまでもヒギンズを引きずるのは不幸というか、グリーニーとか読ませたほうがいいのでは。俺は嫌いだが。

アリステア・マクリーン女王陛下のユリシーズ号

 ・マクリーンなんかよりイアン・フレミングのほうがよほどリストに入れる意味あるよ。

トマス・ハリス羊たちの沈黙

 ・作者がキモい

ドナルド・A・スタンウッド「エヴァライカー記憶

 ・このリストのなかでは比較的新しい作品で、オールタイム・ベスト的なリストでみかけるのは珍しい。個人的思い入れがあるのか? たしかに発売当時からそこそこ評判高かったけれど、薄い記憶を掘る限りそこまで評価する理由が見当たらない。気になる。

クレイグ・ライススイートホーム殺人事件

 ・ライスはたまに読むと心温まってよいが、それはスレた読者の愉しみなのであって、入門者が読んでも伝わりにくい。

アゴタ・クリストフ悪童日記

 ・たしかに仕掛けはミステリなしおもしろ小説なのだが、別にこのリストに入れる必要はない。なんでミステリの人は文学コンプレックスを抱くのだろう。

アイラ・レヴィン「死の接吻

 ・うーん。

リチャード・二ーリィ「心ひき裂かれて」

 ・オールタイムベストでも陰が薄い存在なので、入っていると嬉しい。まあでも数合わせだよね。

ケン・フォレット「針の眼」

 ・フォレットもそろそろ再評価されるべきだと思うのだが、ダン・ブラウンみたいなものと思われているのだろうか。

マイ・シューヴァル、ペール・ヴァール「笑う警官

 ・北欧系の元祖ではあるのだろうが、だったらよりエポックミレニアム入れたほうが誠実な気がする。

黒岩涙香巌窟王

 ・ごめん、モンクリの方しか読んだことない。

甲賀三郎ニッケル文鎮

 ・はあ。

江戸川乱歩「孤島の鬼」

 ・え?

大下宇陀児「石の下の記憶

 ・変格って今読むとふつうにつまんないの多いよね。

夢野久作ドグラ・マグラ

 ・そりゃ読んでも損はないとは思うが。

浜尾四郎「鉄鎖殺人事件

 ・当時としてはアベレージはある作家だろうが、そこで鉄鎖を選ぶ理由がよくわからない。

大阪圭吉「とむらい機関車

 ・うーん……いいんじゃないんですか。

小栗虫太郎黒死館殺人事件

 ・どう読むかによる。単純な出来でいったら虫太郎にはもっといいのがいくらでもある。すまん、いくらでも、はない。

木々高太郎新月

 ・すっかり忘却の彼方すぎて妥当かどうかさえわからん

横溝正史獄門島

 ・横正の作品をチョイス理由を添えずにポンと出されても困るんだよな。高校生も困ると思うよ。こんなんだけ読まされても。しょうがない。

坂口安吾不連続殺人事件

 ・本格ベタ安吾のなかでもなんでよりによって一二を争うほど不出来な作品を選ぶのか。嫌いなのか?

高木彬光人形はなぜ殺される」

 ・高木彬光でこれがあがってしまうのは、消去法の結果なのだと思う。

山田風太郎「妖異金瓶梅

 ・特にケチをつけようとは思わない。

海野十三「海底都市

 ・海野十三本領はヌケの良いバカバカしさだと思う。

大坪砂男涅槃雪」

 ・通っぽいセクレトだが、そこは素直に「天狗」にしとけ。コケまくったサンドマンが唯一正位置になってしまった作品なのだから

松本清張砂の器

 ・映画の印象は強いが、清張であえてピックアップするほどかといえばどうか。

鮎川哲也薔薇殺人事件

 ・変化球狙いすぎて外しとる。

有馬頼義「四万人の目撃者

 ・流れ的にはわからないでもない。

仁木悦子「猫は知っていた」

 ・と思ったらいきなり脳死みたいな。

高城高X橋付近

 ・今あえて読むほどのものではない。

水上勉飢餓海峡

 ・同上。長いだけ。

笹沢左保「暗い傾斜」

 ・同上。とはいえ笹沢左保はもうちょっとまれてもいい。

飛鳥高「細い赤い糸

 ・飛鳥高長編ってそんな良いイメージないのだが。賞とったってだけで入れてない?

土屋隆夫天狗の面」

 ・今選ぶとなると難しい作家だが、針の誘いとかでいいのでは。

陳舜臣「玉嶺よふたたび」

 ・そもそもミステリうまい作家ではない。

竹本健治匣の中の失楽

 ・パッションだけで突っ走った奇跡であることは間違いないが、三大奇書にならべて語るほどかといわれれば疑問符がつく。竹本健治は”今”が面白い現役の作家だ。

中井英夫虚無への供物

 ・不可欠だとは思うが、真剣に読んでる人は少数派だろう。

赤江瀑オイディプスの刃」

 ・そうね。

都筑道夫三重露出

 ・またひねくれたもん入れてくるな。

森村誠一新幹線殺人事件

 ・ごめん、森村あんま興味ない。

天藤真大誘拐

 ・色んな意味稀有作品ではある。

西村寿行「滅びの笛」

 ・特に反対する理由もない。

清水一行動脈列島

 ・人間生きてて清水一行の話することある

戸川昌子大いなる幻影

 ・戸川昌子の話をすることはあるかもしれないな。

戸板康二グリーン車の子供」

 ・マスト

泡坂妻夫「亜愛一郎の狼狽

 ・鉄板

大岡昇平事件

 ・入れても良いとは思うが、そういえば結城昌治がおらんな。

田中光二黄金の罠」

 ・エッ? そこ?

栗本薫「絃の聖域」

 ・読んでない。そろそろ疲れてきた。

連城三紀彦「宵待草夜情」

 ・好みの問題であるとは思うが。

辻真先アリスの国の殺人

 ・アー。完全恋愛かいいんでは。

笠井潔サマーアポカリプス

 ・第一作だしリストになら入れてもいいと思う。

逢坂剛カディスの赤い星」

 ・もうちょっと高校生までに」という点を考慮しようよ。

船戸与一「猛き方舟」

 ・船戸与一今読むと意外にいいものもあるんだよね。

島田荘司占星術殺人事件

 ・このへんはね。

綾辻行人十角館の殺人

 ・入るよね。

京極夏彦姑獲鳥の夏

 ・急に九十年代っぽくなったけど、2000年代にもインスタントクラシック作品はたくさんあると思うよ。

皆川博子「死の泉」

 ・皆川博子ミステリ的に評価できるかといえば微妙なんだけど、ミステリ界以外で評価される土壌がさほどないようなので、不運な作家だと思う。偉大な人です。

2021-02-10

anond:20210210062305

こういう手合いがいるかクラシックって嫌いなんだよな。ジャズも同様。一切合切凡庸オタクには分からんと思うけど。

2021-01-31

anond:20210126022247

今となっては大人人間の方が滅多に見かけない希少な存在からこういうのもうロックじゃなくてポピュラー音楽なんだよ。

斜に構えたお子様な人間の方が多数派で平均的で凡庸存在になってしまった。

「うっせぇわ」について

大人を詰って憂さ晴らしをするための歌」という解釈anond:20210126022247)にはあんまり同意できない。確かにあの歌は攻撃的な歌詞に満ちているけど、その矛先は語り手自身にも向いてるし、そのためには「語り手自身大人」という設定がめちゃくちゃ重要なんだよね。

ちっちゃな頃から優等生 /気づいたら大人になっていた

ナイフの様な思考回路 /持ち合わせる訳もなく

でも遊び足りない/何か足りない

困っちまうこれは誰かのせい

あてもなくただ混乱するエイデイ

サビで「うっせぇわ」と怒りを炸裂させるとき、その相手は眼前の「大人なのだけど、その前の段階で語り手には、自分自身が「つまらない大人」になっているという絶望感がある。それをつかみ取っていなければ、この歌の一番オイシイ所を聞き逃してると思うんだ。それを踏まえて

頭の出来が違うので問題はナシ!

という最後の言い切りを見れば、当然これは”自信”の言葉じゃなくて”悲鳴”なんだということも分かってくる。凡庸大人になりそう、なりたくない、頑張って生きてきたのに、どうしてこうなる?というイライラを貯めて爆発寸前……そう、この語り手は、実は「爆発」はしていない。

つっても私模範人間 /殴ったりするのはノーセンキュー

だったら言葉銃口を /その頭に突きつけて撃てば

マジヤバない?

言葉銃口を突き付けて「撃てば」、なのだ。まだ撃っていない。だから「不平不満」を抱えて精神は「サディスティックに変貌」していく。世間的には「模範人間」を演じつつ、内面けが「うっせぇわ」の「私」に変貌していってるのがここに描かれる「私」なのだ。そんな自分の繰り返しにうんざりしているから、

嗚呼まらねぇ /何回聞かせるんだそのメモリー

うっせぇうっせぇうっせぇわ/アタシも大概だけど

という一言が入るのだ。

そして最後に、それら社会嫌悪自己嫌悪をひっくるめて一所懸命問題はなし!」と言い切るところが、この歌のケナゲでエンパワーで「爽快」な所であって、この歌を評価する人はそこに共感したのだと思う。

私は増田よりだいぶ年上だけど、まあこの歌自体はめちゃくちゃ素朴単純なところもあるけど(まあかつパンクロックも登場時にはそういう言われ方をしたしね)、歌い手表現力はもとより、そのやり方でしか表現できなかった上のような歌の内容にそれなりに共感もできたし感心もしたよ。尖った内容だからそりゃ批判も来るだろうけど、この曲を少しでもいいと思ってる者として、この曲の「面白さ」も記録しておく必要があると思ったので書いた。以上。

2021-01-30

「実際、大乗仏教と比べて紛争なども絶えないし。」

emuaeda 仏教研究しても仏教からは何も学べなかったのかな。個人的感覚だけど、上座部仏教を学ぶ人は本当の仏教だと主張が激しく攻撃的かつ排他的な人が多い気がする。実際、大乗仏教と比べて紛争なども絶えないし。

2021/01/30

上座部仏教大乗仏教なら確かに前者が後者に対し批判的になりがちだと思う。

(そういう対立が出る場合はということであって、その二者が同席したって99%そんな論争なんかしないが)

 

なんでかというと上座部の方が今となっては教理があるから

大乗仏教って何をやるんですかっていうと、お葬式やって、ふにゃふにゃしたお説教して、いい加減なもんでしょ。

から地元檀家が減ったり葬式ビジネスが揺らいだりした途端に大乗仏教のお坊さんには売るものが無くなっちゃった

から上座部のお坊さんが売ってるような瞑想を急ごしらえで真似る大乗のお坊さんとかが増えてきた。

 

このあい増田でバズってたお坊さんだって出家比丘智慧と言えるようなものがどっかにあった?

どこにもないでしょ。

説教れいい話慣れした学校道徳先生とかが言いそうな話でしかなかった。

 

大乗仏教にも元から売り物がなかったわけじゃなくて

色んな呪術的な儀式や祭礼とその格式みたいなものは構築してた。

でもそういうのに檀家としてガッツリ付き合ってくれる人達が減れば立ち行かなくなってくるよね。

その儀式に何の意味があるんだって言われると文化財的な価値認めてもらえない限り「無」だしさ。

 

上座部の特徴は何かというと、理屈っぽい。

このあいだの増田のお坊さんに理屈があった?ないよね。

情念というか、元増田に対する寄り添いの感情で押し切るような話だってでしょ。

 

上座部のお坊さんはあんな風に「温か」くはなくて、結構突き放したようなことを言う。

もっとましなことで悩んでもらえませんか?ぐらい言うことだってある。

 

鈴木大拙大乗を情の仏教上座部を理の仏教だみたいに書いてたけどまさにそれ。

でも上座部立場から言わせれば、情でどうするんだと。

なんとなく寄り添って、肩入れして、励まして、あとはお経を唱えるだけで阿弥陀様が救ってくれるからねとかいって、それで解決するのかと。

ちゃん仏法を説いて、理屈説明して、実践手段を与えて、やらせて、指導して、時に「だらしねえぞ」としばいて、頑張らせる、当人が頑張るのが仏教でしょうと。

 

もともと大乗仏教という名乗りは上座部仏教を「小乗」として見下し自分達を持ち上げる名乗りだったわけ。

何が「大」なのかというと救う対象スケールが大だと。

念仏を一回唱えただけで極楽往生間違いなし!みたいなことじゃなきゃ世の中を広く救う、大多数のバカまで救う事なんてできないでしょうと。

 

これに対する上座部反論

いや念仏唱えて救われるってもう仏教でも何でもないし、呪術迷信凡庸宗教ですよねと。

そんな話を広めたって迷信広めてるだけで誰のことも救ってないじゃんと。

自分達の教えは自分で頑張る人しか救わないけど、でもお釈迦様の教えがそうなんだからさと。

釈迦さまは救い主じゃなくて教師だと名乗っていて、頑張るのはあんたらだよと言ってたよねと。

 

このような大乗VS上座部の激しめの論争がかつてはあり、(何百年以上前、さかのぼれば二千年前からの話よ)

大乗の方が後からできたものの常として勢いも鼻息も強くて攻める側だったの。

 

でも現代では大乗大衆向けヒット商品だった呪術的な儀式とか念仏とかが全部通用しなくなって

上座部の教えとか瞑想メソッドが「マインドフルネス」なんてパチモンが出回るぐらいに売れるようになったわけ。

から今は上座部側の方が理屈大乗に攻め込む立場で、大乗の方がそういう場面ではまあまあと誤魔化す、ぐらいになった。 

 

ただ大乗仏教紛争がないなんて言われるとそれはさすがにどうなのかってことで 

日本の歴史の中で寺同士で殺し合い燃やし合いした荒くれ坊主は全部大乗仏教ですからね。

今でも創価学会が仲間割れした兄弟みたいなとこと争いまくってるけどあれだってどっちも大乗仏教の中の近い宗派でしょ。

 

世界的に見れば上座部仏教仏教徒とイスラム部族と争ってるとことかあるけど

あれは上座部から大乗からっていうよりも政情とか民族とか経済問題なんじゃないのかね?しらんけど。

 

 

当人が頑張るのが仏教” こういう考えが嫌い。どうしようもなくなったときに、絶望しないためにあるというのは宗教の一つの機能の気がする。それがないなら、大乗でいいです

から上座部仏教宗教ではないという人が上座部のお坊さんにもいます

"文化財的な価値認めてもらえない限り「無」"なのは宗教みんなそうでしょ。

宗教そうかもしれないですね。

うっせぇわ(下請けエンジニア編)

正しさとは 愚かさとは

それが何か見せつけてやる

(規模が)ちっちゃな頃から担当者

気づいたら大規模になっていた

追加仕様断る勇気

持ち合わせる訳もなく

でも予算足りない 人手足りない

困っちまうこれは誰かのせい

あてもなくただ混乱するPJ

それもそっか

新人の育成は当然の義務

テストの項目も通勤時チェック

純情な精神入社してワーク

社会人じゃ当然のルールです

はぁ?うっせぇうっせぇうっせぇわ

あなたが思うより遅れてます

一切合切凡庸

あなたじゃわからいかもね

嗚呼よく似合う

その可もなく意味もないアドバイス

うっせぇうっせぇうっせぇわ

土日も出勤するので問題はナシ

つっても私模範人間

殴ったりするのはノーセンキュー

だったら辞表銃口

その頭に突き付けて撃てば

マジヤバない?辞めれやしない

不平不満垂れて成れの果て

サディスティックに変貌するメンバー

クソだりぃな

手が空いたメンバーは直ぐに割り当てなさい

皆が作業し易いようにFW外しなさい

障害バグは先陣を切る

不文律最低限のマナーです

はぁ?うっせぇうっせぇうっせぇわ

ゆるぃ口塞げや限界です(FW的に)

絶対絶対今回の責任者はお前やろがい

もう見飽きたわ

二番煎じ言い訳オンパレード

うっせぇうっせぇうっせぇわ

丸々と肉付いたそのPMバツ

うっせぇうっせぇうっせぇわ

うっせぇうっせぇうっせぇわ

私が俗に言う底辺です

うっせぇうっせぇうっせぇわ

あなたが思うより炎上

一切合切凡庸

あなたじゃわからいかもね

嗚呼まらねぇ

何回聞かせるんだその武勇伝

うっせぇうっせぇうっせぇわ

元請けも大概だけど

どうだっていいぜ問題はナシ

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