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はてなキーワード: 推理小説とは

2017-11-05

座間9人連続殺人事件Twitter

長文なんてここ数年来書いていないので見苦しい点も多いと思うがご了承願います

どうしても、ここ数日心に重くのしかかる思いを吐き出したくなり、いてもたってもいられず文を書きました。

座間9人連続殺人事件(ざまくにん れんぞくさつじんじけん)は、2017年10月神奈川県座間市で発覚した複数死体が遺棄された事件

神奈川県座間市は、東京都から約50km離れたベッドタウンだそうで。名産品や観光名所はあったのだろうか?

関東在住ではない私には、座間という地名は、推理小説タイトルさながら、目と耳を覆いたくなるような猟奇的事件が起こった場所、としてインプットされてしまった。

3ヶ月で九人。本当にその”一人目”が初犯なのかと疑われる。

生首の入った複数クーラーボックスのそばでの衣食住など普通なら考えられない。

間違いなく、コイツシリアルキラーであり、サイコパスだ。

事件が発覚したのは、被害者の兄が行方不明になった妹を必死に探したからなんだけど、

どうして、身近にこんなにも頼りになる兄がいながら、SNSで怪しい「首吊り士」なんていうアニメアイコン野郎なんかに引っかかってしまったのか。

そう思う人はすごく多いと思うし、私だってそう思う。

でも、あまり存在が近すぎて、見えなくなっちゃってたのかもしれないね

当たり前にあった優しさだからこそ、視界が曇ってると気付けなくて。

気がついていたとしても、心が鈍ると、何も感じなくなってしまって。

結局は、何かのせいにしながら、何かに寄りかかって生きようとする。

そうしないと生きていけない子だったのかもしれない。

肉親でも友人でもないのに、自分の心の叫びを聞きつけてどこからともなく現れる自分を救ってくれるスーパーヒーロー

そんなものを求めて、そして殺された。

この事件を受けてか、Twitter規約が一部変更されて、自殺自傷行為助長は明確な違反行為と定められた。

この変更に怯え、反発しているのは、皮肉にも恐らく被害者たちが持っていたものと同じようなアカウント所謂病み垢”の住民たちだ。

病み垢Twitterには以前から存在していた、所謂メンタルヘルスを病んでいる人(またはそう思い込んでいる人)が己の心の苦しみやリアルでは吐き出せない気持ち吐露するアカウントだ。

病み垢病み垢同士繋がって、傷の舐めあいをする、そんな独自コミュニティ形成されていた。

自分たちの居場所を奪われるかもしれない、危機感を持った彼らは、#病み垢凍結反対 というハッシュタグを使い、抵抗活動をしている。

そもそもTwitterWEB上でのいちサービスに過ぎず、Twitter社が彼女らのインターネット上の居場所を確保してやる義務必要性もないんだから

いくら権利を主張したところで、運営マイナスとなる危険性が高ければ非情に冷静に事務的自動的にそのアカウントは消されて終わる。

だけど、そんな時少しでも、被害者の兄の事を思い出して、自分たちにとって、その兄のように必死に助けようとする存在が意外なほど近くにいるのかもしれない。

そう思えることが出来たら、少しは、被害者も浮かばれるんじゃないか、そう思った。

この文章最後に、この事件については新しい情報仕入れないようにしようと思う。SNSでもこの話題は避け、ニュースで流れ始めたらテレビを消そう。

暗く暴力的なこの世界が、思った以上に自身のそばにある気がして。近づきすぎたら引きずり込まれるような気がして、すごく、怖いから。

2017-10-10

こんな推理小説が読みたい

職業柄というより性分なのか、データから答えを導くことを常に考えている。現実世界データは膨大なので、ノイズは適切にフィルタしなければ使いものにならないが、ノイズノイズとするためにはノイズのことを知らなければならない(調べなければならない)し、それは書籍から得ることもあるが、経験から得ることのほうが有用なことが多い。大量のトライフェイルの末に「洗練されたシンプルデザイン」にたどり着く。

「洗練されたシンプルデザイン」とは、ある目的のためだけに、隙間なくビッシリと詰め込まれもののことではない。現実世界では、隙間(あそび)や冗長必要だ。隙間がなければ、電池が膨らんだり燃えたりするクソのようなデバイスになるし、冗長がなければ、ちょっとした変更にまったく対応できない、クソのようなソフトウェアになる。過ぎたるは猶及ばざるが如し。白河田沼バランス計画的に。

んで、何の話なのかというと、まったくノイズのない推理小説は味気ない。ノイズフィルタしていく過程提示しつつ、推理を進めていく作品を読みたい、ということを書きたかった。

話は変わるが、たくさんの本を読んでようやく、ミステリー推理小説ということが理解できてきた。とてつもなく広い「ミステリー」という分類のひとつに「推理小説」があって、推理目的としていない「ミステリー」はたくさんあることがわかった。5W1Hがあれば、ミステリーと呼んでよいのだろう。そして、それは誰かが推理して解き明かすという形式にこだわらなくても(たとえ最終的に謎が解明できなくても)ミステリーと呼んでよいのだろう。ということは、「いったい何があったのか」という翌週へひっぱるアレも、「いったいどこにいるのか」を山口達也が見つけるアレも、「4Fで止まったあとに来たエレベーター臭いのはどうしてなのか」というオナラも、それらがすべてミステリーなのだ。こんなシンプル結論にたどり着くまでに、たくさんのノイズ・・・・・・

それと、キャラ付けというノイズ大好物だ。つまり、それを求めるならば、ミステリーじゃない本を読んだほうが手っ取り早いのだろう、ことにもようやく気が付いた。それでも、読んでみたいと思っているミステリーがまだまだあるから書店に行くとたぶんミステリーを手にしてしまうのだろうけど。

2017-06-23

日本ミステリ略史

日本ミステリ史をまとめようとしている人を見たので自分でもやってみようと思った。

箇条書きでも大体分かるだろう。あと本格中心なのは許してくれ。

探偵小説輸入の開始

http://fuboku.o.oo7.jp/e_text/nipponbungakukouza_19270530.html

神田孝平訳「楊牙児奇獄」1877

黒岩涙香翻案『法庭の美人』1888

須藤南翠『殺人犯』1888(『無惨』に先立つ創作) "まづ未成品で、単に先駆的なものしか見られない"(柳田泉


黒岩涙香『無惨』1889 "日本探偵小説嚆矢とは此無惨を云うなり"

・"日本最初創作探偵小説" (乱歩)

・「探偵叢話」連載開始(都新聞) 1893 ……探偵実話の流行

ドイル「唇の曲がった男」翻訳 1894

映画「ジゴマ」公開 1911

谷崎潤一郎「秘密」1911「白昼鬼語」1918 「途上」1920 日本探偵小説 "中興の祖"(中島河太郎

・『中央公論』「芸術的探偵小説企画(谷崎・芥川佐藤春夫里見弴)1918


雑誌新青年』創刊 1920 "第一の山"(乱歩

・当初は翻訳を重視

横溝正史(1921)、水谷準(1922)、甲賀三郎(1924)、小酒井不木(1925)、大下宇陀児(1925)、夢野久作(1926)、海野十三(1928)など登場

乱歩二銭銅貨」1923 "これが日本人の創作だろうか。日本にもこんな作家がいるであろうか"(森下雨村

http://www.aozora.gr.jp/cards/001826/files/57173_58183.html


戦前探偵小説最盛期 "第二の山"(乱歩)"第一の波"(笠井

浜尾四郎殺人鬼』 1931

大阪圭吉デビュー 1932

・『ぷろふいる』創刊 1933

木々高太郎デビュー 1934

小栗虫太郎黒死館殺人事件』1934

夢野久作ドグラ・マグラ』 1935

・蒼井雄『船富家の惨劇』 1935

横溝正史真珠郎』1936

久生十蘭魔都』1937

◇「本格探偵小説

http://d.hatena.ne.jp/mystery_YM/20081205/1228485253

甲賀三郎「印象に残る作家作品」1925 が初出 http://kohga-world.com/insyouninokorusakukasakuhin.htm

小酒井不木当選作所管」1926 (「本格」「変格」使用

・当時の「探偵小説」という語の広さ……「本来の」探偵小説detective storyとそれ以外を区別

・"理知的作品"と"恐怖的作品"、"健全派"と"不健全派" 1926(平林初之輔

・本格・変格論争 1931(甲賀、大下)

探偵小説芸術論争 1934-36(甲賀木々



戦時下の中断

乱歩 少年探偵団(二十面相)シリーズ中断 1938

乱歩芋虫発禁 1939

・"探偵小説全滅ス"(乱歩) 1941


戦後ミステリ復興 "第三の山"(乱歩)"第二の波"(笠井

・横溝『本陣殺人事件』1946

・横溝『蝶々殺人事件』1947

・横溝『獄門島』1948

安吾不連続殺人事件』1948

高木刺青殺人事件』1948

雑誌宝石』創刊 1946

・『宝石第一公募 1946(香山滋飛鳥高山田風太郎島田一男

大坪砂男天狗」 1948

・『宝石』第四回公募 1949(鮎川哲也土屋隆夫日影丈吉

中井英夫虚無への供物』1964(構想1955-)

◇「探偵小説」→「推理小説

当用漢字表制定 1946.11

日本探偵作家クラブ設立 1947

講談社「書下し探偵小説全集」1955-1956

・清張『点と線』1958 (表紙に「推理小説https://www.amazon.co.jp/dp/B000JAVVEU

講談社「書下ろし長編推理小説シリーズ」1959-1960?

日本推理作家協会成立 1963

参考…

甲賀三郎『音と幻想』1942 http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007753808-00

雄鶏社推理小説叢書」1946.7-

安吾推理小説について」1947

安吾探偵小説を截る」1948

安吾探偵小説とは」1948

安吾推理小説論」1950


松本清張点と線』1958

・「社会派推理小説」、清張ブーム

心理的要素・動機の重視、小説としての充実重視

・"探偵小説を「お化屋敷」の掛小屋からリアリズムの外に出したかった"(清張)

◇「本格冬の時代」?

・謎解きの興味の強い作品は絶えていない……『本格ミステリ・フラッシュバック

・清張は謎解きを排斥していない。「新本格推理小説全集」1966 "ネオ・本格"

・「現実離れ」の作品が世に出にくかった……らしい https://togetter.com/li/300116

風俗を描いただけの謎解きの要素の薄い作品が氾濫していた……らしい?

"社会派ということで、風俗小説推理小説かわからないようなものが多い。推理小説的な意味で言えば水増しだよ"(清張、1976)

複数対立軸? http://d.hatena.ne.jp/noririn414/20070314

リアリズム――非リアリズム

・「おじさん」――「稚気」

・都会・洗練――土着

海外ミステリ――国内ミステリ

サブジャンル・隣接ジャンル

歴史ミステリハードボイルドエスピオナージュ、「冒険小説」、伝奇小説SF、……

・ここ掘ると全体が何倍かに膨れ上がるから触らないよ


◆「新本格」以前の非・サラリーマンリアリズム系譜 "2.5波"(笠井

桃源社「大ロマンの復活」1968- (国枝史郎小栗虫太郎海野十三久生十蘭香山滋……etc

・『八つ墓村』(漫画)1968-

中井英夫虚無への供物文庫入り 1974

・『犬神家の一族』(角川映画)1976

雑誌幻影城』1975-1979(泡坂妻夫連城三紀彦栗本薫竹本健治……etc)"探偵小説復権"

笠井潔『バイバイエンジェル』1979

島田荘司占星術殺人事件』1981

江戸川乱歩賞青春ミステリ……小峰元アルキメデスは手を汚さない』1973、梶龍雄『透明な季節』1977、栗本薫ぼくらの時代』1978、小森健太郎『ローウェル城の密室』(最終候補)1982、東野圭吾放課後』1985


◆「新本格ミステリ」 "第三の波"(笠井

綾辻行人十角館の殺人』1987.9

・「新本格」の公称は『水車館の殺人から……講談社文三によるブランディングの側面

◇「新本格」に顕著な要素(佳多山大地)……

・〈青春ミステリであること

・本格推理形式の先鋭化・前衛化が著しいこと

古典的天才探偵復権

大学ミス研のコネクションを軸とした作家の発掘

講談社――島田荘司――宇山日出臣――京大など

東京創元社――鮎川哲也――戸川安宣――早稲田立教など

公募による「新本格作家の発掘

鮎川哲也と13の謎 13番目の椅子 1989

鮎川哲也賞 1990-

・『競作 五十円玉二十枚の謎』1993

・『本格推理』1993-2008

・創元推理短篇賞 1994-

メフィスト賞 1996-(『姑獲鳥の夏』1994)

2017-06-17

さあ、名探偵の皆さん、

名探偵コナン時間も終わったことだし、

釘を打つことができると中国で大評判の「井村屋あずきバー」を

お題に推理小説を作ってみようではないか

2017-05-06

今日電車乗ったら近くにいたやつが昨日俺が読んだ推理小説を読んでたか

横にいた友達犯人名前とかネタバレしまくってやったら

そいつが本持った手をプルプルしながらこっち睨んできた

美人って怒った顔もかわいいんだなあ

2017-04-17

http://anond.hatelabo.jp/20170417074911

顔見知りに近い人物

というのが大きいのでは

単純接触効果だっけ?

接する回数・時間が増えることで警戒がとけて、好意があるように錯覚してしま現象があるのではないか

要は勘違いなのだけど

勢いにまかせて行為に至ってしまった後に後悔とか怖くなって慌てて証拠隠滅しようとするけど当然ボロも出やすい、とかそんなん

推理小説なんかだともう少し進んで女児側が誘ったりしてるものもあったりする気がするけど

(少し前にアニメ化されたアレとか)

さすがにそんなのは虚構ならではだろう

2017-02-28

今は昔、エロゲ伝奇ジャンル流行りけり

伝奇』とは「普通には起きようもない話」が辞書的な定義みたい。

ただ、コレだと異様に範囲が広くなってしまう。


エロゲでいうとこのちょいファンタジー要素のある鍵作品伝奇に入るか? の回答は厳密にはYesなんだろうけど

世の人が伝奇と聞いて期待するタイプの話じゃないと思う。

奇の部分をメインに語ってる訳じゃないし。

要は「それまでの日常に、非現実的な非日常が持ち込まれる話」みたいな定義なのかもしれない。

たぶん夢枕貘とかの「伝奇バイオレンス小説」が流行ったあたりからイメージが変わってきたんだろうけど、「竹取物語」とか「日本霊異記」とか、そういうのが本来伝奇ですな。

ホラー的なものもあるけど、もっと広い意味での「空想物語」っつうか。

全然違うとか言い切られると、ちょっと悲しい感じ。

ついでに英語でいうとromanceなんだけど、こっちはこっちでまた意味が変っちゃってる。

【1】伝説伝承神話など)あるいは、伝説上の存在魑魅魍魎の類、鬼とか)をストーリーに絡める

【2】非日常日常への侵蝕

というのがおおざっぱな伝奇物の定義かなあ?

2.が分かりづらいかもしれないけど。なんていうか、気がついたら異世界に 片足突っ込んでいたという感覚自分が正しいと信じていたものが実はそうではないかもしれないという感じを登場人物が抱くといったら少しはわかりやすいかな。

伝奇エロゲーには人ならざる者が出てくるゲーム結構あるけど、 周りの人間があっさりとそれを受け入れていて、2.の感じが出てないのは伝奇とは違うかもしれない


■『伝奇

gooネット辞書あたりで引くと「怪奇幻想的な物語」とかナメた反応が出る。

これを言葉通り捉えてしまっては頭に述べたように本当に何でもアリになってしまうので少し、伝奇モノの歴史

語っちゃおう。


そも、伝奇というジャンル開祖としてよく挙げられるのは半村良です。

70年代のことですね。

無論、国枝史郎等の先達があってはじめて彼が浮かび上がるわけですが、

それまで単に荒唐無稽物語として埋もれていた伝奇というジャンル復興し、

現在地位にまで導いたのは間違いなく彼でしょう。

HMにおけるブラックサバスみたいな存在なのです。(ちょっと違うか)

半村の作品神話伝説伝承等をベースにして、

そこに科学的な(というよりSF的な)メスを入れることをその切り口としています

石の血脈」等の作品が持つ一連の流れ、

現代に起こる怪事件を、神話伝説にその因を求め、解決していく」というものが、

現代伝奇作品ベーシックスタイルであるといえるでしょう。

YU-NOなんかにも通じるスタイルです。

もっともあれはワイドスクリーンバロック的な造りをしているので、伝奇の枠に入るとは思っていませんが)

その、半村の引いたレールの上に乗ってきた後続者たちが荒巻義雄、志望田景樹、谷恒生といった人々です。

彼らはそれまで活躍していたそれぞれのジャンル

推理小説であったり、冒険小説であったりする色を添えて、独自作品作りました

伝奇が半村一人のものではなく、一つのジャンルとして成長を遂げた瞬間です。

80年代に入って、伝奇は大きな変革の時を迎えます

二人の偉大な作家が流れを大河に変えてしまったのです。

それこそが、夢枕獏菊地秀行です。

前者が格闘技の要素を、後者がスプラッタホラーの要素をぶちこむことで生まれ

伝奇バイオレンス」というジャンルは凄まじいまでの人気を誇りました。

おどろおどろしくも官能的な美女の絵で彩られたノベルズの表紙に、まだ小学生だった私は、

バンパイアハンターDの人の本だけどエッチな表紙すぎて買えないよぅ」とか思ったものでした。

数多くのフォロワーを生み、まさしく時代の寵児となった伝奇バイオレンスですが、

蜜月は駆け足で過ぎてゆくこととなります

80年代後半の黄金期を最後に、ノベルス界王者椅子ミステリ仮想戦記ものに譲ったばかりでなく、

小説ジャンルとしても大きく衰退していきます

幾つか理由はありますが、一つには伝奇バイオレンスだった筈の作風

バイオレンスの側に大きく傾倒してしまったことが言えるでしょう。

殊にセックス描写等に関しては、ポルノ同然の有様であったといえます

伝奇的な設定の妙にしたところでオカルティックな、とってつけたような設定をもってこなされ、

粗製乱造がなされていったのです。

まあジャンル全体の質が低下してしまったことで、ブーム終焉が訪れるのはやむをえなかったのでしょう。

さて、こうして伝奇モノは数ある中の一ジャンルに帰ってゆくのですが、

多くの人々にその遺伝子を残すことには成功しました。

エロゲーライターにおいてもそれは同様で、「痕」の高橋龍也なんかの(エロゲーにおける)先達は、

間違いなく彼らの血を引いていると言えるのではないでしょうか。

その後については別に私が筆を費やす必要はないでしょう。

これを読んでくれている皆さんの方が詳しいだろうと思います

ここまで言って結局私が何を言いたいのかというと、一つには伝奇歴史を紐解いて分かるように、

このジャンルはあらゆる別ジャンルのもの化学変化を簡単に起こすということです。

名称統一されていなかったの自体その顕著な例でしょう。

伝奇バイオレンス」「伝奇ホラー」、「伝奇推理」などなど。

エロゲーにおいてもやはりそうで、因をクトゥルフ等に求めるものは「伝奇ホラー」、

さっきから板違いっちゃ板違いで扱いにくい痕なんかは「伝奇SF」に本来ならカテゴライズされるものでしょう。

まり定義づけを行うのが本当に難しい。

そういう意味では寧ろ物語構造の方にその特色が強いジャンルだとも言えます

ま、個人としては「伝奇バイオレンス」だとか「伝奇SF」だとかいった「伝奇○○」と続くかどうかで

ある程度は判別可能かもなぁと思ったりもします。

竹取物語」とか「日本霊異記」のような太古の伝奇現代伝奇とは別物として考えた方がいいのかもしれないと思いつつおわり。

2017-02-21

レールに乗っていれば勝ち組になれる医者って良いよな

なんで医学部いかなかったんだろう。

医者って頭の使わない手術マシーンか暇なジジババの話し相手仕事の全てだと思ってた。

から医学部には行かなかった。

でも今になって医者に魅力を感じてきた。

NHKドクターGという番組推理小説みたいでめちゃくちゃ面白い

自分自分の不調を知ることができるというのも魅力。

そして何より、レールに乗るだけで将来に不安を抱くこともないのがめちゃくちゃ羨ましい。

最近医学部いかなかったことに後悔を感じてきた。

2017-02-15

舞台「孤島の鬼―咲きにほふ花は炎のやうに―」(ネタバレ注意)

とんでもない作品だった。とんでもない体験をした一週間であった。


まず先に言うと、本作品は『ミステリー演劇』だった。

それは原作推理小説カテゴリーされているからとか、原作者江戸川乱歩だからとか、そういう理由じゃない。

私はその解説、および回答を以下に記すのだけど、それは完全なるネタバレです。

もう知らなかった頃には戻ってこられない、作品を殺す系のネタバレ

なので、未観劇の方には本当に読むことを勧めません。

本作は素晴らしい完成度の傑作だし、舞台演劇でここまでのミステリーを作り上げるのは絶対に容易じゃない。

また、私はエグいほど容赦なくネタバレしていますので、正直自分ももう二度とミステリー演劇は鑑賞できない脳になってしまったのでは…と震えております。

(なので、読んでほしい気持ちがあって増田に書いているものの、観劇済みの方も生半可な気持ちではネタバレを読んでほしくない。六道の辻で迷い不幸だと感じている方にだけ、光が届けば良い。)

まり未観劇でネタバレを読むということは、人生の楽しみを自らの手で一つ潰すということ。尋常じゃない損失です。

本作はDVDの発売が決定しています。

公式DVD予約サイトhttp://www.shop-ep.net/east_park/shopping/a04020102/iid/0000000001746/

(発送日未定。予約は3月末まで)

めちゃくちゃ好評だったので、あなたの周りにも購入している人が居るはず。そして恐らく「見せてほしい」と頼めば喜ばれるはず。布教したくなるタイプの作品なのです。なので数ヵ月後DVDを鑑賞してから、是非また読みに来てください。

「数ヵ月なんて待てねーよ!」って方は、妥協点として2015年に他の演出家さんで上演されたものを見ることができます。

こちらは未観劇のためなんとも言えませんが、おそらく2015年版は絶対解けない「超ハードモードの『ミステリー演劇』」か、『ミステリーではない普通演劇』の可能性が高いと予想しています。でもまぁ全く観ないでネタバレ読むよりは絶対良い。

たぶんDVD売ってるし、3月になれば我らがdアニメストア殿が配信してくれます。

https://anime.dmkt-sp.jp/animestore/CP/CP00000660

高いチケット買って劇場に行くか高いDVD買うかしか選択肢がなかった時代を生きてきた作品の取捨選択にすごい苦しんできた勢なので、dアニさん月額400円でこんだけ見れるとかマジ神過ぎ。最初目を疑った。(WOWOWさんにも感謝していますが、うちTV無いから見れないんですよ…そもそも家にあんま居ないし。お金なら払うのでスマホでもWOWOW見れるようにしてください。)

原作「孤島の鬼」を読むのも手ですが、本作はある意味では『原作本質を描いている』けど、ある意味原作とは全くの別物』です。だから舞台版のネタバレは、舞台版を観てから読んでほしい。

そして、せっかく未来の楽しみを潰してまでネタバレを読んでしまうのだから、その前に『ミステリー演劇』の推理に挑戦してほしい。

一人で解くのは超ハードだと思うので、できれば仲を深めたい方と一緒に。(私が今回の回答に至るのに協力してもらった友人の数は4人です。内1人は原作を読み込み一緒に推理してくれました。)

ぼっちの方も安心してください。本作はめちゃくちゃ面白かったので『2017年版の感想』も、ネットの海に転がっています。そこから辿り着くことも不可能じゃないはず。鮮度のいい印象論の良さも、一晩寝かせた感想の良さもあるので、いろいろ漁ってみてください。

あと私は推理した一週間の思考ログをほぼすべて残しているので、トリックがわかってからログを読み返してみたら翻弄されている自分がめちゃくちゃ面白かった(当時は睡眠不足神経衰弱で瀕死でしたけどね)。間違ってはいないけど騙されている。そんな楽しさもあるので、ぜひ推理に挑戦してみてください。

そして私がまだ解いていない謎の答えを見つけられたら、ぜひ教えていただきたい。

また、運良く本作を劇場でご覧になられた皆さま。感想はもう書き残しまたか

公式がwebでアンケート回収もしています。送ると抽選で非売品舞台写真もらえます。私もとても欲しい。

本作は、『感想を残す』ところまでを含めて作品です。せっかく運良く観劇できたのだから、140字で良いから書き残しておきましょう。

できれば思いの丈をすべて書き出しておくと良いです。『他者に感想を伝えようとした人だけが、謎解きの後に得られる感動』があります。(※個人の感想ですが!)

この感動を、本作品が本当に素晴らしい江戸川乱歩原作舞台化であったことを伝えたくて、読んだら作品を殺すことになるようなネタバレを恥を忍んで書いています。

私はソワレ観劇後、徹夜で翌昼に感想書き上げました。これが私の沼への一歩だった訳ですけれども、これを書き残しておいたお陰で、謎が解けた時に私の回答を出すことができました。

一度ネタバレを読んでしまうと、もう観劇で感じた感想書けなくなると思いますので、本当に一言で良いから感想書き残しておいてください。ついでだから公式アンケートに答えて非売品写真当てましょう。当たったら私にも見せてください。

最後に公式各位。

ネタバレにあたる部分は私の個人的ミステリー体験なので、これが公式解とは主張断言しません。

と言うか、理由なき見落しと、自分の能力ではどうしても咀嚼できなかった部分(言葉スムーズに脳に入ってこなくて読解しながら観劇することができなかった原作には無いシーン)があったので、私のネタバレは不完全です。他にも拾い損ねている箇所がポロポロ出てくる。逆転する可能性が大いにある、お粗末な推理

ですが、キャストの皆さまが最後までネタバレに配慮されていたのに、ネタバレを公開し誰かに読んでほしいと願うことが、浅間しいようにも感じています。

ネタバレ注意喚起に約2000字程裂きましたので、どうか堪忍してください。

p.s.オリジナルマグボトル購入しました。作中に赤い色が無かったのでデザインも綺麗だし購入したのですが…紐解いてみるとなかなか意味深なグッズですね。とても良い記念品になりました。


それでははじめます。

導入


無人の屋敷に風が吹き込む

暗転

まったく光のない深い暗闇から男性の声が聞こえる

「不幸ということが、私にもよくよく分って来ました。本当に不幸という字が使えるのは、私だけだと思います。遠くの方に世界とか日本かいものがあって、誰でもその中に住んでいるそうですが、私は生れてから、その世界日本というものを見たことがありません。これは不幸という字に、よくよくあてはまると思います」

暗転明け

無人だった屋敷に白髪の男性が立っており、書物を音読していた。

彼は自身について取り止めなく独り言つ。

彼……『私』を語り部とした、物語がはじまる。


まず本作の初見の私の感想と回答は、下記増田で参照できる。

http://anond.hatelabo.jp/20170206104211

ミステリーとして解いた今読み返すと相当ブッ飛んだ納得の仕方をしている。自分の妙さについて今までなんとなく感じていた部分が浮き彫りになりすぎである。こわい。

当時も気持ち的にスッキリはしたけども、<もやもやした原因が『認知を歪められている感覚』だったのに、「それは作者の願いだよ!」という犯人動機の『妄想』では、『論理的解決』にまったくなっていない>ので、悶々とはしていた。

作り手側は演劇を魅せるプロだが、観客は演劇を観るプロだ。伊達や酔狂でやっているわけではない、こちとら真剣に観ている。

認知を歪められている感覚』なんて中途半端ものは見過ごせない。

ちゃんとトリックを暴きたかった。

そこからずるずると私は沼に嵌まっていき、推理のためにガチで眠れない一週間を過ごすことになる。

そもそも、舞台「孤島の鬼―咲きにほふ花は炎のやうに―」の何がミステリーなのか。

それは、本作品が叙述トリックを駆使し、とある真意』を隠しているということにある。

しかし私の目下の推理動機は、トリックを逆手に取った『簑浦も諸戸も幸せになれる最適解』にあった。どうしても二人を幸せにしたかった。

そのために以下のことを行った。

そしてひたすら二人が相思相愛ではないという可能性を潰し、相思相愛である可能性を見つけ出す作業


解説『簑浦も諸戸も幸せになれる最適解』①

箕浦の白髪

二人の愛の一番の障害は、箕浦の白髪化=「箕浦は同性愛を『生理的』に受け付けられない」という点。

これが諸戸が箕浦の前にあらわれることがなくなった原因だと思う。彼がどんなに誠意を尽くそうとも、これだけはどうにも覆すことができない。

しかし、実は原作では白髪化したタイミング=直接的な原因が諸戸に襲われたことのみだとは明記されていない。

そして舞台でも、実はめちゃくちゃぼやかされている。

冒頭、語り部である『私』が自身の体験した恐怖について語ろうとする。その時にまるでトラウマが呼び起こされるかのように喉元を掻く仕草をする。

後半井戸の奥、深い完全なる暗闇の中、水位が増して死の恐怖に襲われた時。『私』佐藤箕浦も、諸戸と石田箕浦と同じマイムを行って移動し、水位が増しだすと喉を掻いて苦しみ悶絶する。

これは、白髪化するほどの『生理的』な恐怖が、諸戸に襲われる前から強烈にあったという解釈にできる。

では逆に、諸戸に襲われた後の恐怖はどうだろう。助八さんの救助が来て、生死の恐怖は去った。丈五郎の恐怖も去った。では諸戸に犯される恐怖はなくなるか? 普通に考えれば、自分を襲ってきた相手が側に居るなんて恐怖しかない。第三者が居るから安心だなんて暢気になれる訳がない。(学術的根拠を略していることは恥じています)

箕浦は、諸戸に襲われた時にあれほど恐慌したのに、襲ってきた相手が側に居てもケロっとし過ぎなのである脱出できた時なんて笑いあっていたりする。

これらによって、「箕浦は同性愛を『生理的』に受け付けられない」ということを否定できる可能性が、十分にある。

同性愛への拒絶:あの夜まで

生理的』に受け付けられない訳じゃないのなら、箕浦の同性愛への拒絶はどこからくるのか。

実は学生時代の箕浦は、同性愛を拒絶していない。

諸戸が触れるままにさせ遊戯を楽しんでいたと言っているが、これってちょっとエッチではないですか? 私は『もてあそぶ』というよりも、遊廓でのお戯れみたいな印象の方が強かった。エロかった。

…脱線した。ともかく同性愛を否定する、拒絶する描写が無い。

ましてや「あつい手だね」というセリフは、諸戸と佐藤箕浦の両方が同時に口にする。

これは原作では諸戸が言い、簑浦も『私も同時に、火のような相手の掌を感じた』とある

あの夜、諸戸と箕浦は、本当は同じ気持ちであったのではないか。

同性愛への拒絶:あの夜から

しかし大人になった箕浦…いや『私』佐藤箕浦は、頻繁に同性愛を拒否する。

そして井戸の中、「今こそ、僕の願いを容れて、僕の愛を受けて」と請い願う諸戸を「あさましい!」とはね退ける『私』佐藤箕浦。

実はこのセリフ原作には無い。そして学生時代のあの夜は諸戸の方が言っていたセリフなのだ

「君は浅間しいと思うだろうね」と。

箕浦に『同性愛を持つ者は異人種』だと一番最初に植え付けたのは、他ならぬ諸戸であった。

そしてあの夜、「『私』は諸戸との関係はこれで終わったと思った」。

もし、もし諸戸が、自分で自分の気持ちを否定してしまわなければ、二人が結ばれていた可能性もあるのではないか?

『箕浦』の存在

あの夜の後、箕浦が大人になりSK商会に勤める場面から「過去の『私』」石田箕浦が登場する。

大人になった『私』佐藤箕浦は同性愛嫌悪感情を見せるが、石田箕浦は同性愛嫌悪していない。

諸戸が自分に恋していることを頭では理解しているが、そもそも同性愛をわかっていない。だから諸戸からの熱視線性愛アピール)をまったく感知できないし、諸戸からの接触に応えること・握手を求められた手を握り返すことができる。

スポットライトが当たらないところでの石田箕浦と諸戸は、まさしく「諸戸と簑浦は何か変だ」状態熱視線を送ったり触れようとしたり羞恥の色を見せたりする諸戸に、石田箕浦はまったく気付かない。A.T.フィールド固すぎ)

絶望的に脈ナシな究極のノンケ

原作の簑浦とはかなり印象が違うそう(私は一度推理完了するまで未読を貫く主義のため世論であるが)。

簑浦と箕浦、原作とは名前漢字が異なるし別人か? いや、そうじゃない。無意味な改変は絶対に起こらない。「虚偽の事柄を事実として書くことはアンフェア」だからだ。印象が違うなら、『変えた理由』と『変えても原作の簑浦を成立できる理由』がある。

石田箕浦が登場する前。佐藤箕浦が諸戸との関係は終わったと思ったあの夜。諸戸が泣きながら請うた内容は以下だ。

「君は分っていてくれるだろうね。分ってさえいてくれればいいのだよ。それ以上望むのは僕の無理かもしれないのだから 。だが、どうか僕から逃げないでくれたまえ。僕の話し相手になってくれたまえ。そして僕の友情だけなりとも受け入れてくてたまえ。僕が独りで想っている。せめてもそれだけの自由を僕に許してくれないだろうか。ねえ、簑浦くん、せめてそれだけの……」

諸戸が願った内容、これまんま石田箕浦じゃん……

石田箕浦は諸戸を友人として深く信頼しているし、井戸の中でなんて一緒に死ぬことすら受け入れている。諸戸の願いを、字面通りに叶えている。

しかし周知の通り、諸戸が心の内で望んでいたのは、彼の『死にもの狂いの恋』を受け入れてもらうことだった。

諸戸の望みと願い

諸戸は自身について怖れている描写が多々あった。それは自分の素性と性愛対象が『普通と違う』ことでもあったし、『父に命じられたから行っていたはずの不気味な研究にいつしか諸戸自身不思議な魅力を感じはじめていた』ことも大きいと思う。

強い劣等感を抱えた自意識と、強い罪悪感をもたらす超自我

我と我身を醜いと卑下すればするほど、美しいものを強烈に求め、美しくあるべきだという観念に囚われる。

諸戸の心の内の葛藤が『手記の秀ちゃんと吉ちゃん』そのものに見えた。諸戸の望み(イド)と願い(超自我)は大きく解離している。

箕浦が写し取ってしまった『同性愛を持つ者は異人種』という価値観、『親友という姿』は、諸戸が持つ美意識刷り込みだった。箕浦にとって諸戸は、本当に「美しい青年」だったのだ。

『私』と『箕浦』

石田箕浦は本当にクセのない、まっすぐな好青年だった。諸戸の理想とする『普通』がそこにあるように見えた。そして原作の簑浦とは印象が異なる存在

これはつまり、簑浦のイドと超自我のようなものが、『私』佐藤箕浦と石田箕浦に分かれて表現されているのではないか。一人の人間を二人で演じ、二つの存在(語り部の『私』と、簑浦のイド)を一人が演じているのではないか。

彼らの箕浦の分担は、紀州の孤島に着いてから大きく変動し反転してゆく。

井戸の中で諸戸に襲われ、完全に石田箕浦から佐藤箕浦に替わったのは、諸戸が望んだ存在が友人ではなく恋愛対象としての箕浦だったこと、そして諸戸の手によって「諸戸の理想とする『普通』」が壊されてしまったこと…『私』になった石田箕浦にも諸戸の姿は獣のようだと評されている。学生時代のあの夜に諸戸が否定をしてしまったこと、それの繰り返しだった。

『私』の恋心

そして秀ちゃんへの恋心を諸戸に恥ずかしいものと責められる場面。実はあれは原作だと簑浦のモノローグによる言い訳タイムとなっている。諸戸はそもそも丈五郎に捕まって、島に到着して以降会っていないというのだ。正確にセリフを覚えていないが、原作未読の私でも、最初に秀ちゃんから手紙を受け取ったシーンに諸戸が居ることに強い違和感を感じた(そして友人が原作では諸戸が居ないことを確認してくれた)。

よくよく考えれば変なのである。箕浦に恋慕を寄せる諸戸に責められる筋合いはない。初代に操を立てるなら諸戸の恋に応えることも恥ずべきことだし、諸戸に気を遣う必要だって本質的には無いのだ。(まるで『アイドル恋愛しちゃいけない』理論だ。)

ではなぜ超自我ポジションである石田箕浦ではなく、諸戸が責め立てるのか。

箕浦の美意識は諸戸の影響を強く受けているから諸戸の姿をしていたとも捉えられるが、それ以上に、常識的な葛藤だという以上に、箕浦の心の中に諸戸を慕う側面も幾ばくかあったから、秀ちゃんに恋する自分と、諸戸を慕う自分で対立したことを表現していないか。

佐藤箕浦はもちろん初代にも秀ちゃんにも惹かれているが、彼が箕浦のイドのポジションであるならば、諸戸のことも結構好きだった。(イドでなく単なる『私』なのだとしても、諸戸を見つめる視線に愛憎のような熱が込もっていたし、)諸戸との会話に深山木が入ってきたとき「早くないですか!?」と驚くのは二人の箕浦で、石田箕浦一人だけが言うと単純に時間が早かっただけに聞こえるが、佐藤箕浦も合わせて言うことで「諸戸との会話に邪魔をされた(もっと諸戸と話したかった)」かのような邪推ができてしまう。

海岸で諸戸を見付けるのも石田箕浦ではなく佐藤箕浦だ。

そして諸戸が握手のために差し出した手を『箕浦が握り返さなかった』時。諸戸は驚愕の表情で『私』を見る。見つける。実は、物語の始まりを告げる運命が廻りだすような音楽が流れて以降(犯人だと疑って諸戸の家を訪ねて以降)、諸戸が『私』を初めて見たのが、この『箕浦が握り返さなかった』時。

握り返さないのは、握り返すことに意味が生じてしまうから石田箕浦は諸戸の恋をまったく感知しない。そんな石田箕浦が握り返さないわけがない(実際に、諸戸に見つかってしまった『私』が顔を背けた瞬間、石田箕浦は手を握り返す)。つまり学生時代のあの箕浦が、心の中にまだ居たということ。

諸戸にとってはそりゃあ嬉しいことだろう。彼はそれ以降箕浦に話しかける時、佐藤箕浦を見てから石田箕浦を見る。ここからどんどん、『箕浦』の行動を表現するのが佐藤箕浦へ移行してゆく。

すれ違う二人

一度は友人として、諸戸と共に死ぬことも受け入れた箕浦。

しかしその結末を自らの手で潰す諸戸。

逃げながら箕浦は吼える。「死んでたまるか!」と。箕浦は白髪化するほどの生死の恐怖を体験したばかりだ。

諸戸に襲われるも未遂に終わり、命が助かることに深く絶望する諸戸。

井戸を出た二人は笑いあう。諸戸は箕浦が白髪化するほど生理的同性愛を受け付けないのだと認識したように、箕浦の白髪を見て泣いているように笑う。

そして箕浦の前に現れなくなった諸戸は、気持ちを遺して逝くことで最期にまた箕浦へ大きな傷を残す。


解説叙述トリックを駆使し隠された真意

先述の通り、私の推理動機叙述トリックを逆手に取った二人が相思相愛であったことの証明にある。

からくりが解ってみると、どうってことない・ただ上演されているものそのままに過ぎないのだけど、ここに辿り着くまで本当に一週間ひたすら睡眠時間を削って悩んだ。二回目に観劇した時などは、とにかく正確に推理するためにありのまま最前列からガン見してきたのに、どうあがいても悲恋という現実に心が折れそうになった。マジで。実は二回目に最前列観測した時よりも、初見H列サイドから観劇した時の方がイイ線いってたよな(納得の仕方はブッ飛んでるけど)と思う。

で、共に推理していた友人が先に原作叙述トリックに気付き、簑浦と諸戸のBLは成立しているという解を出してくれたので、二回目の絶望した記憶で観劇を終えるのもなんだし推理はやめて初見のつもりで観劇しようと思って向かったのが三回目の観劇。最後尾辺りの補助席。

しかし驚くほど新たな発見がまたどんどん出てきたうえ、深山木のセリフによって私は舞台も叙述トリックを使ったミステリーなのだ確信してしまう。

これは原作にもあるセリフらしいのだが、深山木がトリックについて思わせ振りなことを言うシーン。そのセリフが完全に『叙述トリック説明』になっていたのだ。聞いた瞬間、震えが走った。

本作がミステリーであると気付けるように、最初から以下の違和感と解法が提示されていた。

さて。ここで疑問に思われることがあるだろう。なぜ叙述トリックを使用しているのか? 隠したいものは何なのか?

この件について私は非常に貴重な体験をする。

本作の大好評っぷりと、推理に明け暮れ神経衰弱している私を心配して、友人が本作を観劇してくれた。三回目観劇の日、偶然スケジュールが合って友人2人(友人Aと友人Bとする)と一緒に観ることができた。終演後、私はわくわくしながら二人に感想を求めた。

友人A「箕浦殴りたい……不快過ぎて体調悪くなってきた……」(※意訳)

当時、箕浦殴りたい勢は最大勢力に感じた。過激箕浦擁護派も0ではないが、大多数が箕浦(おそらく『私』のみ)に不快感情を持っていた。冗談ではなくガチで友人Aが苦しそうにしており、私も初見後は物凄くモヤモヤしていて苦しみがよくわかるので、少しでも気が晴れないかと友人Aと対話することになる。

不快感を分解していく。

友人Aは非常に言いに難そうに、しかし押しかかる不快感から助かるため、意を決して打ち明けてくれる。

友人Aも不快の対象は『私』にあり、その根源を追ってゆくと友人自身が「『拒絶』されるのが本当に無理」だから、諸戸を拒絶しているのに側に居た『私』を悪だとした。

増田「拒絶することを『悪』だとするなら、今『拒絶を拒絶』している友人Aも悪だということになるでしょ? 友人Aは悪なの?」

結局友人Aには私の初見感想を読んでもらい、加えて私の心の闇()もひっかかった話をしたことで、とりあえず翌日出社できるレベルには不快感が晴れたと言ってもらえた。良かった。

さて、私は友人Aと対話して思った。「もしかして江戸川乱歩のやりたかったことってこれでは?」

感想を書いた方ならわかると思うのだが、感じたことや思ったことの根拠を話そうとすると、自身についての話、しかも心の闇()の部分を語らないとどうにも説明できなくなってしまう。

私も推理ログ含め大量に書き残したが、心の闇()を除いても、暗闇マジ怖い体験とか、無意識下の生理的拒絶は実在するよ体験とか(思えばこいつが二人の恋の一番の障害だった)、とにかくネガティブ体験談バンバン出てくる。

共に推理原作解読した友人も、舞台の感想を書こうとしたら闇にぶち当たって、書くのを控えようとしていた。( Permalink | 記事への反応(0) | 22:47

2017-02-11

江戸川乱歩 原作 舞台「孤島の鬼」をめぐる120時間

先週日曜、舞台を観てきた。江戸川乱歩原作の「孤島の鬼」。

感想増田投稿済みだし、最終考察投稿バリバリ編集なのだけど、

先ほど、ずっと一緒に推理に付き合ってくれていた友人が、《原作真相》に1つの答えを出してくれた。

「孤島の鬼」原作に対する現在の私の解釈について

※閲覧にはTwitter連携必要ですが、誰でも読めます

私はこの解釈を読んで、江戸川乱歩まじすげぇ人なんだな、と思ったし、

舞台感想を聞いて原作を読み返した」という超間接的な位置に居る友人にまで影響を与えたこの舞台まじやべぇな、と思った。

この話は、やれBLホモだと騒がれているが、こんなにも『人と人との愛の深い部分について書かれている』ことに萌えている感想は、まだ一度も見たことがない。

腐女子の皆さま、乱歩パイセンの名作は、想像を絶する至高のBL小説だったよ……(震え声)

次の新刊ネタにできるよ……

観劇してから120時間神経衰弱するほど友人と推理を重ねてきて、友人が辿り着いたこの結末に私は本当に感動したので、記念に最後にもう一度観劇しようと決めたのだけど、観劇前に今までのことを日記として残したいと思う。

(友人との推理使用した部分以外は原作未読をまだ貫いているし、私の主観での希望的観測は友人とは少し違うのだけど、それは最終考察とあわせて観劇後にまとめたい。)

どうせ同じ高いお金を支払って観劇するのなら、楽しめた方が絶対にいい。

私はもう「視点を変えれば、世界が変わる」=「つまんなかったものが最高に面白くなる」という瞬間を短くない観劇人生で知っていたので、本作初見では何か視点を歪められてるような印象にすごくもやもやした。

今思い返すと、色々なテクニック…いや、ヒントが散りばめられていた。

作中の探偵二人が言う「常識ではトリックを見落としてしまう、視点を変えるんだ」というようなセリフが印象に残っていたり(大事なことだから2回言いましたの法則。一度だけならスルーしていた)。

ストーリーテラーがやけに観客の目をガン見してくる→目を見るというのは語りかけてくるということで。しかしその眼差しに乗るメッセージは無く、視点誘導にも思えるのに最終的にストーリーテラー非難するような印象で終わる。この矛盾

原作では『簑浦』という名前主人公が『箕浦』であったり。同一人物に別の名前が与えられ『一人二役』であったり。

いかにも裏がある風で、どうしてもひっかけられてるような感覚があった。

「結局胸糞悪いだけだった」作品結構観てきたけど、それらは完全に私との解釈違い…美意識というよりもっと恣意的な『美学』の違いで、どうにも受け入れがたいという点からくる胸糞悪さだった。

でも本作では諸戸に感情移入できてしまったし、そもそも異形とは何かみたいな問題提起の要素もあり、そんな乱歩原作が『美学押し付け』には絶対にならないという妙な確信があって。私は謎解きに踏み出していた。

推理小説は読まないけど、リアル脱出ゲームとかは好きなんです。

(一晩明けて昨日、一緒に脱出できた経験のある頼れる別の友人が、私の沼りっぷりを気にかけて舞台を観に行ってくれた。そして私が完全に見落としていた最重要ヒントを見つけてきてくれた。優しすぎるし天才すぎる。)

(そう言えば原作解釈の友人も、私にとっては自明の理すぎて結構雑に扱っていたヒントが友人にとっては盲点で、そのヒントがあったからこの解釈に至ったと言ってくれた。嬉しかった。)

(そして、盲点とは必ず存在するし、それは本当に自分には見えないだけで、他人からたらこうも軽々と見えるものなのだなと、また一つ得難い経験をすることができた。人生って楽しい。)

終演後からすぐ調べ出して、最初のヒントには帰りの電車内でもう出会えていた。検索上位だった。有り難い。

からそのまま寝ずに感想を書き上げて翌昼増田投稿したのが初見感想

なんで増田に上げたかと言うと、これが《私》の感想であると、他の友人知人に知られるのが恥ずかしかたから。お陰で普段以上に壁打ち感ぱなくて孤独だった。それを全部友人との推理にぶつけていた。この五日間付き合ってくれて原作真相にまで辿り着いてくれた友人マジで有り難う。

自分感想の反応はサッパリだけど、各所に皆さまがどんどん感想を投下されるのでひたすら読み漁っていたのですが、どうにも自分の知りたい解がそこにはないように思えてきて。(感想拝読させていただいた皆さま、失礼な物言いになってしますみません。今回が異例だったのです。通常の演劇作品感想としてはとても楽しく面白拝読させていただきました。公開してくださったことを心から感謝しています。これからも是非よろしくお願いいたします。鍵、イクナイ。)

先述の私の盲点にあったヒントを見つけてきてくれた友人との会話でも判明したのですが、私が求めていたのはどうやら『感想』ではなく『印象』だったのです。

感想とは『事象対峙した発言者の想い』である。対して印象とは『事象対峙して発言者が捕捉できた部分』である

私は自分では見えなかった作品ありのままの姿を知りたかったみたいです。

その点では、原作を読んだけど舞台は見ていない友人と、舞台は観たけど原作を読んでいない私の探偵コンビはなかなか良いバランスだったのかも。

お互い違う表現を見ているか感想だけでは語れないけど、小説舞台作品本質が同じなら、印象と事実も一緒に突き合わせることで対話が成立する。

書いていた続きが寝落ちたら消えていたので、ちょいちょい追記していく。

2017-02-09

推理ノート舞台「孤島の鬼」(2017版:江戸川乱歩 原作

昭和文学を、『情愛推理ミステリーとして真相を探します。

推理小説におけるロマンス描写」を、絶対真実な添え物とスルーするのではなく、本当の謎解きは情愛部分にあったのだとみなします。

随時更新

はじめに

私の持論として。一番大事なことは『自分作品スッキリ楽しめたか』という部分であり、正解のない舞台作品考察というものは『よりスッキリした心で作品を愛する』ために行うべきである、と考えている。

作者の真意とかメッセージとかは観客に都合のいい時にだけ引っ張り出せばよい駒であり、エンタメ世界に『解き明かすべき絶対の謎』なんて無いのである

「楽しんだモン勝ちや!」である

その観点で言えば、初見の私の感想は、もうグッドエンドとして十分だった。

http://anond.hatelabo.jp/20170206104211

作品構造を分解すると唸るほどしっかり構築されていることがわかり、「ただ自分が見たままを感じ、考察などせず楽しむべき」類いの舞台ということが浮き彫りになって仕方がない。

しかし私は、好奇心と言うか…感動を共有できない淋しさと言うか…出所のわからない衝動に駆られて、本作を『ミステリー』として推理することに踏み込んでしまった。

そしてこの目的で2回目観劇したことを多いに後悔していたのだけど、今わずかばかりの希望の光が見えてきた。

犯人トリック推理する殺人ミステリーではなく、二人の人間の有り様を推理する情愛ミステリー

簑浦も諸戸も幸せになれる最適解。

ですので、自分でも自分なりのトゥルーエンドを目指しますが、時間リミットがあるため、もし同じくこの迷宮にうっかり足を踏み入れてしまった探偵さんがいらっしゃれば、ご助言を賜れると幸いです。

目指すゴールは『スッキリ楽しめて、より作品を好きになる』こと。

謎:世界構造登場人物

本作は深い意味で「原作に忠実」だと感じるのだけど、原作をそのまま演じている訳ではない。

今のところ私にとっての最大の謎は、この世界階層構造登場人物である

私に見えたキーパーツを挙げていく。

世界構造

これらの関係性・正体がまだわからない…

また、注釈の挿入タイミングを正確に記憶していないので、区別が間違っているかもしれない。

登場人物

基本的に諸戸は今回の舞台上では同一存在だと考えていますが、そう見えるだけかもしれないため分けておきます

重要証拠

随時更新

謎:観客の主観による『明言されていない内容のミスリード検証

我々は『なぜ』錯覚していた?

推理中に変動するため随時更新

人物相関

人物像まとめ

前提として、本編はすべて「諸戸」と「簑浦」で代替できる隠喩要素のみで編纂されている。(秀ちゃんの手記、丈五郎過去、など)

また、一般的に「嫌悪感」を感じるもの排除し、極限まで美しく描いている。(ビジュアルはもちろん、諸戸の性的侵略も)

本編の《みのうら》
  • 『私』と『箕浦』が演じている
  • 本編の世界を生きているので未来を知らない
わたし
  • 本編の語り手
  • 原作では「主人公(或は副主人公)」
  • 諸戸と対、ないし鏡のような同等の関係。簑浦?
  • 『私』と『箕浦』が演じている
  • 本編世界の上位存在なので、(少なくとも諸戸が亡くなるまでの)未来を知っている
  • 《みのうら》として本編に介入できる
  • 《みのうら》を操ることができる?

→諸戸から握手を握り返さない『箕浦』に諸戸は驚き『私』を見詰める。すると『箕浦』は諸戸の手を握り返した

諸戸(《わたし》の世界
諸戸
  • 簑浦を同性愛として求めて止まない
  • 自身に対して非常に強い罪悪感や劣等感を抱えており、スーパーエゴとイドのちぐはぐさに苦しみ怖れ震えている
  • 「諸戸の葛藤自意識」と、「諸戸と簑浦」について、2017舞台版では秀ちゃんの手記で語られている。(正面を向いて語っている時の内容は隠喩パーツ)

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箕浦
  • 完全なるノンケ
  • しか同性愛嫌悪していない
  • 諸戸から性愛アピールをまったく感知できない。しかし諸戸が自分に恋していることを頭では理解している。しかしわかっていない。
  • 諸戸を親友と思ってとても信頼している
  • そのため「初代を殺したのが諸戸ではないか」と疑った時、井戸の中で諸戸が性愛の拒絶に唸り雄叫びを上げたのとよく似た体で、のたうち回りながら信頼の裏切りに悶え苦しんでいる
  • 学生時代のあの夜に諸戸が泣きながら請うた「わかってさえいてくれればいい」「どうか僕から逃げないで」「僕の友情だけでも受け入れて」「僕が一人で想っている自由だけでも許してくれないか」という願いを、字面通り叶えようと作り変わった簑浦
  • 諸戸からの接触に拒絶しない
  • 諸戸と共に友情のまま逝くことを井戸の中で受け容れている
  • しかし、井戸の中で諸戸が簑浦に「今こそ、僕の願いを容れて、僕の愛を受けて」と、矛盾する願いを請うてしまったため《みのうら》から追い出される
  • 《みのうら》と《わたし》を演じる
  • 『私』とは別人
  • 『私』とは並列の存在で強弱なし。お互い干渉できる。

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『私』
  • 同性愛嫌悪している
  • しか学生時代再現を諸戸と行っていた際、あの夜の諸戸の嘆願を哀しそうな顔で聞いている。
  • あの夜のせいで学生時代で諸戸との関係は終わったと思っていた。実際に以後彼は井戸まで《みのうら》役を降りる。
  • 諸戸が『箕浦』演じる《みのうら》と接触した時、諸戸に向けて嫉妬するような軽蔑するような視線を向ける。それは秀ちゃんに恋した『私』が「軽蔑するかい?」と問いかけ「恥はないのか!?」と返した諸戸(《わたし》の世界の方)が向けた視線と似ている。
  • 『私』が諸戸に「嫉妬している?」と尋ねてしまったがために、諸戸が抑え込んでいた愛欲が暴走する

-

随時更新

世界構造考察

随時更新

情報求む

  • 冒頭の『妻の傷』は「右側」と言われたか位置を明言してない気がするが…)
  • 石田さん演じる箕浦は、『諸戸』と呼んでいたか
  • 諸戸は2回、自分嫉妬告白している。対初代と対秀ちゃん。その告白の様子と、それを聞いている『私』と『箕浦』それぞれの様子と反応はどうだったか
  • 手記の中での秀ちゃんと吉ちゃんの服に汚れはあるか
  • 島で会った秀ちゃんと吉ちゃんの装い
  • 発狂した丈五郎について「私はあの景色が忘れられそうにない」と語っていたのは誰か?(舞台版での役者と正確な言い回しだけでも大変助かる)
  • そもそも原作内での「書き物」(本編)が、簑浦と諸戸の共著である可能性が非常に高いのだけど、その辺りの原作考察情報

→本編は経験談の体なのに、諸戸のセリフにも括弧を入れて諸戸のモノローグが挿入されている。簑浦のモノローグはほぼ《私》であるのに、諸戸のモノローグはしっかり《僕》

根拠資料

観劇2回目の備忘録http://anond.hatelabo.jp/20170208235429

(着眼項目リスト理由http://anond.hatelabo.jp/20170207171941

観劇2回目で受けた印象:http://anond.hatelabo.jp/20170209051208

初見感想を書いた後のメモhttp://anond.hatelabo.jp/20170207200710

2回目後の本記事に収まらないメモ:随時更新

参考資料

2017-01-29

ホラーゲーム黒幕は居たほうがいい?

いわゆる「怪奇現象が起こる理由」なんだけど、長編になるとそれに原因を提示する必要が出てくるわけで…

・本当に原因不明

・昔そこで殺された人の幽霊が起こしてた

主人公精神異常だった

宇宙人がいた

キチガイがやってた

カルト教団がやってた

製薬会社実験をしてた

etc

 

素直に幽霊原因案で良いじゃんと思うんだが、なぜか科学的な説明を付けたがるゲームが多い

個人的にはちゃんと理由付けしてほしいので「説明なし。海外サイトではこうではないかという説が上がってるぞ」とかいう放り投げは嫌い

理由がないという意味では「キチガイ」と「カルト教団」も好きじゃない

例えば推理小説密室殺人が出てきたときに「なぜ犯人密室を作ったのか?」という謎が出てくる。

そのときアリバイトリックを使った結果、偶然密室になってしまった」という解が提示されると「おーなるほどね」となる

ところが「犯人キチガイでなんとなく密室をつくった」「教団の教えで密室を作った」とか言われたら「は?」となってしま

かといって「ストーリーを進めると地下に巨大な研究施設が!」という展開もおなか一杯な感じがある

 

最近は3章くらいまでプレイして止めるのが一番楽しいということに気付いた

2016-12-27

[] 執事がやったことだ (The butler did it)

1930年代ぐらいかイギリスを中心に流行ったネタ。ただし執事責任をなすりつけるのではなくて、執事真犯人であることを暴く場面のパロディ

当時の推理小説では執事犯人というパターンはすっかり使い古されていて、パロディになるくらい定番だったらしい。P.G.ウッドハウス1957年に同名の小説を書いている。

2016-12-18

http://anond.hatelabo.jp/20161218230840

ちゃうちゃう、良質なブレインストーミングは「否定をしない」のが前提だから

そのルールを破った事に対する批判であって、トンデモ説否定した事自体ではなく、そもそも相手の主張が何であれ、否定した事自体を怒られただけだと思う

探偵小説を紹介されて「推理小説なんて、最後の3ページで急に犯人レイプされた女性の子供が出てきて終わっちゃいますよね、亜流はあるけど全部それ」って言うようなもん。

まりあんたの精神的な成熟度が足りなかったということ

2016-09-30

夢見る確率100%

起きて見る夢じゃなくて、寝て見る夢の方。

子どもときからよく夢を見てた気がする。

気がつくとここ10年くらいは、ちゃんと夜に寝て朝起きるとき毎日見てる。

これはなかなかすごいのではないか

なぜか起きる直前くらいによく夢を見るので、起きた瞬間は夢を見たことを覚えている。

その後すぐにまた眠ってしま場合は、だいたいすぐに2本目が開幕する。

業務中にいすに座って、机にひじをついて、昼寝するときも夢を見ることがあって、起きた瞬間「ここどこだ」となって慌てる。

夢を見たこと自体を覚えていても、なぜか内容は全く思い出せないときもあり、不思議だ。

すごく楽しかった、とか、何か焦燥感けがある、とか漠然としたイメージけが現実へひきずる。

かと思うと、数時間も経った後で、既視感のようなものを感じて、唐突に朝に見た夢を思い出すこともあって、一人で反芻して余韻で遊ぶ。

「久しぶりに夢を見た」というセリフ漫画で見たときは、普段夢を見ずに起きる瞬間っていうのはどんな感じなのかなとちょっと気になる。

これだけ夢を見ていても、夢の中で夢と認識できたことはない。

夢の中ではすべてが自然に感じてしまう。

どちらかと言うと、目が覚めてそれを思い出したときに「なんでこうなった」と一人ツッコミをするのが楽しい

考えているのは自分なのに、突拍子もないことが起こって驚いてしまうのも面白い

推理小説みたいに、事件解決編みたいな夢を見たときは、「え!? このひとが犯人!?」と夢の中で驚いていた。

無意識自分がこんなトリックを思いつけるならぜひ何か書いてみてほしいのだが。

見た夢を日記にするとよくないっていうのはずっと前に聞いたことがあって、気になるけどやったことはない。

印象に残るやつはまあ覚えてるし。

無意識がつながってるなら、他の人の夢を同時に見ることも未来では可能になっているのかもしれないな。

2016-09-28

http://anond.hatelabo.jp/20160928174242

最近流行ラノベにデスゲーム系が増えてきたって感じですかね。

漫画の「BTOOOM!」とかそうだけれど、あの手の作品は何らかにすぐれた人物主人公となる、「魔法科高校の劣等生」的なものだよね。

でも、デスゲームが「魔法科高校の劣等生」などと違うのは、俺Tueee的展開をしない点で(すると作品テーマ否定からね)、推理小説ニーズなんじゃなかろか。

2016-09-22

文章力遺伝すると聞いて絶望した


両親は致命的に頭が悪い。なぜなら子供虐待するような人間からだ。

本を読んでいる姿を見たことがないし、見ているのはTVだけだ。

知能が低いということは、つまり文章力がないということだ。

文章力がないか作品を作っても人から共感は得られない。

小説エッセイ脚本も書けない。

表現者になりたいのに表現者必要遺伝子がないことを知った。

まどまぎの作者で有名な虚淵玄祖父推理小説家、父は俳優、曾祖父東大教授だという。

ちーとすぎる。生まれが違いすぎる。有能な遺伝子をしっかり引き継いで成功している。くそう。

賢い親の元に生まれて一流の表現者になりたかった。

2016-07-15

完全増田オリジナル! クソザコナメクジが読むべきオススメミステリ200作!

http://anond.hatelabo.jp/20160715120436


貴様の好き嫌いから増田に伝わる独自の推理小説検索アルゴリズムによって、

完璧かつスウィートに貴様の趣味嗜好にそって完全オリジナルベストミステリリストを生成したぞ。

ありがたくよむべし。


【国内】

1 横溝正史 獄門島 1947

2 中井英夫 虚無への供物 1964

3 島田荘司 占星術殺人事件 1981

4 夢野久作 ドグラ・マグラ 1935

5 宮部みゆき 火車 1992

6 松本清張 点と線 1957

7 天藤真 大誘拐 1978

8 綾辻行人 十角館の殺人 1987

9 京極夏彦 魍魎の匣 1995

10 横溝正史 本陣殺人事件 1946

11 鮎川哲也 黒いトランク 1956

12 連城三紀彦 戻り川心中 1980

13 東野圭吾 容疑者Xの献身 2005 -

14 小栗虫太郎 黒死館殺人事件 1934

15 山口雅也 生ける屍の死 1989

16 泡坂妻夫 亜愛一郎の狼狽 1978

17 北村薫 空飛ぶ馬 1989

18 東野圭吾 白夜行 1999

19 坂口安吾 不連続殺人事件 1947

20 綾辻行人 時計館の殺人 1991

21 島田荘司 斜め屋敷の犯罪 1982

22 有栖川有栖 双頭の悪魔 1992

23 京極夏彦 姑獲鳥の夏 1994

24 江戸川乱歩 二銭銅貨 1923

25 松本清張 砂の器 1960

26 原尞 私が殺した少女 1989

27 江戸川乱歩 孤島の鬼 1929

28 高木彬光 人形はなぜ殺される 1955

29 髙村薫 レディ・ジョーカー 1997

30 山田風太郎 妖異金瓶梅 1954

31 水上勉 飢餓海峡 1962

32 高木彬光 刺青殺人事件 1948

33 鮎川哲也 りら荘事件 1968

34 泡坂妻夫 乱れからくり 1978

35 江戸川乱歩 陰獣 1928

36 歌野晶午 葉桜の季節に君を想うということ 2003

37 松本清張 ゼロの焦点 1959

38 泡坂妻夫 11枚のとらんぷ 1976

39 横溝正史 犬神家の一族 1950

40 竹本健治 匣の中の失楽 1978

41 宮部みゆき 模倣犯 1995

42 岡本綺堂 半七捕物帳 1917

43 桐野夏生 OUT 1997

44 皆川博子 死の泉 1997

45 大沢在昌 毒猿 新宿鮫II 1991

46 船戸与一 山猫の夏 1984

47 藤原伊織 テロリストパラソル 1995

48 山田風太郎 太陽黒点 1963

49 京極夏彦 絡新婦の理 1996

50 馳星周 不夜城 1996

51 島田荘司 奇想、天を動かす 1989

52 横山秀夫 第三の時効 2003

53 髙村薫 マークスの山 1993

54 横山秀夫 半落ち 2002

55 笠井潔 サマーアポカリプス 1981

56 島田荘司 異邦の騎士 1988

57 横溝正史 八つ墓村 1949

58 船戸与一 猛き箱舟 1987

59 小泉喜美子 弁護側の証人 1963

60 宮部みゆき 理由 1996

61 真保裕一 奪取 1994

62 三津田信三 首無の如き祟るもの 2007

63 麻耶雄嵩 夏と冬の奏鳴曲 1993

64 森博嗣 すべてがFになる 1996

65 大沢在昌 新宿鮫 1990

66 貴志祐介 黒い家 1997

67 山田風太郎 警視庁草紙 1975

68 泡坂妻夫 しあわせの書 1987

69 久生十蘭 魔都 1948

70 西澤保彦 七回死んだ男 1995

71 笠井潔 哲学者の密室 1992

72 舞城王太郎 煙か土か食い物 2001

73 伊坂幸太郎 アヒルと鴨のコインロッカー 2003

74 乾くるみ イニシエーション・ラブ 2004

75 横溝正史 悪魔の手毬唄 1957

76 麻耶雄嵩 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 1991

77 仁木悦子 猫は知っていた 1957

78 京極夏彦 鉄鼠の檻 1996

79 土屋隆夫 危険な童話 1961

80 我孫子武丸 殺戮にいたる病 1992

81 稲見一良 ダック・コール 1991

82 綾辻行人 霧越邸殺人事件 1990

83 中島らも ガダラの豚 1993

84 殊能将之 ハサミ男 1999

85 逢坂剛 カディスの赤い星 1986

86 連城三紀彦 夜よ鼠たちのために 1983

87 江戸川乱歩 パノラマ島奇談 1926

88 高木彬光 白昼の死角 1959

89 志水辰夫 背いて故郷 1985

90 山田風太郎 明治断頭台 1979

91 佐々木譲 ベルリン飛行指令 1988

92 赤江瀑 オイディプスの刃 1974

93 貫井徳郎 慟哭 1993

94 高野和明 ジェノサイド 2011

95 有栖川有栖 孤島パズル 1989

96 都筑道夫 なめくじに聞いてみろ 1968

97 逢坂剛 百舌の叫ぶ夜 1986

98 岡嶋二人 99%の誘拐 1988

99 宮部みゆき 龍は眠る 1991

100 鮎川哲也 黒い白鳥 1959

101 天童荒太 永遠の仔 1999

102 佐々木譲 エトロフ発緊急電 1989


【国外】

1 アガサ・クリスティ そして誰もいなくなった 1939

2 エラリー・クイーン Yの悲劇 1933

3 アーサー・コナン・ドイル シャーロック・ホームズの冒険 1892

4 ウィリアム・アイリッシュ 幻の女 1942

5 アガサ・クリスティ アクロイド殺し 1926

6 レイモンド・チャンドラー 長いお別れ / ロング・グッドバイ 1954

7 ウンベルト・エーコ 薔薇の名前 1980

8 G・K・チェスタトン ブラウン神父の童心 1910

9 トマス・ハリス 羊たちの沈黙 1988

10 ジョン・ディクスン・カー 火刑法廷 1937

11 アガサ・クリスティ オリエント急行の殺人 1934

12 スティーグ・ラーソンミレニアム〉三部作 2005

13 アイラ・レヴィン 死の接吻 1953

14 エラリー・クイーン Xの悲劇 1932

15 ロス・マクドナルド さむけ 1964

16 ジョン・ディクスン・カー 三つの棺 1935

17 フレデリック・フォーサイス ジャッカルの日 1971

18 S・S・ヴァン=ダイン 僧正殺人事件 1929

19 ジャック・ヒギンズ 鷲は舞い降りた 1975

20 アントニイ・バークリー 毒入りチョコレート事件 1929

21 ローレンス・ブロック 八百万の死にざま 1982

22 ジェフリー・ディーヴァー ボーン・コレクター 1998

23 エラリー・クイーン ギリシア棺の謎 1932

24 クリスチアナ・ブランド ジェゼベルの死 1949

25 ギャビン・ライアル 深夜プラス1 1965

26 ジェイムズ・P・ホーガン 星を継ぐもの 1977

27 ジェイムズ・エルロイ ホワイトジャズ 1992

28 ガストン・ルルー 黄色い部屋の謎 1907

29 スコット・トゥロー 推定無罪 1988

30 シューヴァル&ヴァールー 笑う警官 1968

31 アントニイ・バークリー 試行錯誤 1937

32 ルシアン・ネイハム シャドー81 1975

33 F・W・クロフツ 樽 1920

34 エドガー・アラン・ポー モルグ街の殺人 1841

35 ディック・フランシス 興奮 1965

36 ダシール・ハメット マルタの鷹 1930

37 ジョン・ディクスン・カー 皇帝のかぎ煙草入れ 1942

38 ダシール・ハメット 血の収穫 / 赤い収穫 1929

39 ジョセフィン・テイ 時の娘 1951

40 スチュアートウッズ英語版警察署長 1981

41 セバスチアン・ジャプリゾ シンデレラの罠 1962

42 エラリー・クイーン エジプト十字架の謎 1932

43 R・D・ウィングフィールド クリスマスのフロスト 1984

44 カーター・ディクスン ユダの窓 1938

45 ドロシー・L・セイヤーズ ナインテイラーズ 1934

46 ディック・フランシス 利腕 1979

47 アーサー・コナン・ドイル バスカヴィル家の犬 1902

48 イーデン・フィルポッツ 赤毛のレドメイン家 1922

49 アントニイ・バークリー ジャンピング・ジェニイ 1933

50 ジョン・スラデック 見えないグリーン 1977

51 ルース・レンデル ロウフィールド館の惨劇 1977

52 フェルディナント・フォン・シーラッハ 犯罪 2009

53 カトリーヌ・アルレー わらの女 1956

54 スティーヴン・ハンター 極大射程 1993

55 ジェイムズ・エルロイ ブラック・ダリア 1987

56 トム・ロブ・スミス チャイルド44 2008

57 ロス・マクドナルド ウィチャリー家の女 1961

58 キャロル・オコンネル クリスマスに少女は還る 1998

59 アントニイ・バークリー 第二の銃声 1930

60 ジェイムズ・エルロイ ビッグ・ノーウェア 1988

61 スティーヴン・キング ミザリー 1987

62 アガサ・クリスティ ABC殺人事件 1936

63 ウィリアム・L・デアンドリア(英語版) ホッグ連続殺人 1979

64 ロアルド・ダール あなたに似た人 1953

65 R・D・ウィングフィールド フロスト日和 1987

66 アイザック・アシモフ 黒後家蜘蛛の会 1980

67 ウィルキー・コリンズ 月長石 1868

68 ハリイ・ケメルマン英語版) 九マイルは遠すぎる 1947

69 ダン・ブラウン ダ・ヴィンチ・コード 2003

70 アリステア・マクリーン 女王陛下のユリシーズ号 1955

71 トレヴェニアン シブミ 1979

72 ロバート・ゴダード 千尋の闇 1986

73 ジェフリー・ディーヴァー ウォッチメイカー 2006

74 カズオ・イシグロ わたしを離さないで 2005

75 ロバート・R・マキャモン 少年時代 1991

76 シャーロットアームストロング英語版) 毒薬の小壜 1956

77 ドン・ウィンズロウ ストリートキッズ 1991

78 エラリー・クイーン 九尾の猫 1949

79 レイモンド・チャンドラー さらば愛しき女よ / さよなら、愛しい人 1940

80 コリン・デクスター キドリントンから消えた娘 1976

81 セオドア・ローザック フリッカー、あるいは映画の魔 1991

82 サラ・ウォーターズ 荊の城 2002

83 ジョージ・P・ペレケーノス 俺たちの日 1996

84 スコット・スミス シンプル・プラン 1993

85 トマス・ハリス レッド・ドラゴン 1981

86 G・K・チェスタトン 詩人と狂人たち 1929

87 ドン・ウィンズロウ 犬の力 2005

88 サラ・ウォーターズ 半身 1999

89 クレイグ・ライス スイートホーム殺人事件 1944

90 エラリー・クイーン 災厄の町 1942

91 デズモンド・バグリィ 高い砦 1965

92 モーリス・ルブラン 奇岩城 1909

93 ロバート・B・パーカー 初秋 1980

94 トマス・H・クック 緋色の記憶 1996

95 ジェフリー・アーチャー 百万ドルをとり返せ! 1976

96 アーサー・コナン・ドイル 緋色の研究 1887

97 ドナルド・E・ウェストレイク ホットロック 1970

98 リチャード・ニーリィ 心ひき裂かれて 1976

99 アガサ・クリスティ ナイルに死す 1937

100 アイザック・アシモフ 鋼鉄都市


――閉幕(カーテンフォール)。

2016-07-07

プチエンジェル事件っていうのをぐぐったら面白かった。

これを元にした推理小説漫画とかないのかな

しかしこの顧客リストに対しデスノート並の破壊力って言ってた人がいたけれど

実際にはそんな威力ないだろ…と思う。

何と言ってもこの国はロリコン天国若い女が好きなのは男の本能!女は若ければ若いほど価値がある!というのが常識なんだから

議員社長小学生買春していようがダメージになる訳がない。

2016-07-04

塵も積もれば山だけど、俺の一票は塵より軽く、政治ゴミの山

★9行でこの増田を短縮したものはこちら→ http://anond.hatelabo.jp/20160706230838

ああ、選挙カーとか名前連呼してうるさいだけだし。

駅でしゃべってる政治家も、本心なのか、口だけかわからんし。

ニュースは表面的なことばかりで、何も深まっていかないし。

あなたの一票で日本は変わる!」とか聞くけど、一票で結果は変わらないよ。村の選挙みたく人口が少なければ「一票差で落選」ってありうるけど、国の選挙からね。

投票へ行こう!」とか言うけど、投票だけ行きゃいいの?考えずに雰囲気投票するヤツが増えてもいいの?

なんか浅いよね、投げかけが。だからテンション下がるし投票にも行きたくなくなる。

そりゃさ、「民主主義で選ばれた」といって多数派がやりたい放題やる口実を与えてるのはシャクだよ。その一票分の責任は俺にあるよ。

けど、だからって選挙行かない人を目の敵にするヤツに対しては、「もっと前向きな提案できないの?」って思うよ。

一票じゃ何も変わらない、

行かなきゃ文句言われる、

考えずに行くのもいいと思わない、

でも時間かけて考えて投票しても影響力ないから消耗する、

それがわかってるから行かない、

そんな状況わかってて「国民に選ばれた」とか政府が言うのもシャク、

でもこの悩みをわからずに「選挙行け」と上から言われるのもシャク、

そんな状況に文句ばかり言ってる自分クズ

そんな、クズだらけの選挙

自分の一票は塵より軽いし、政治ゴミ山のようだ。

で、シラける奴が増え、投票率が年々下がってるんだろう。

そして、政治家不正しても、変な法律つくっても、選挙で落ちない。

だって政治が俺らの命や暮らしを大きく左右するってことも、何やら色々進んでるってこともわかる。「ヤバい」って言うヤツもいる。

でも何が進んでるかよくわからないし、政治ヤバいのか、そいつヤバいのかも判断つかない。気持ちいい状況ではない。

から、八方ふさがりに見える現状で、何か針の穴ほどでも希望が見えないか考えつつ、この選挙についても調べてみたりした。

そして、俺なりに答えが見えてきた。

■消耗しない選挙とのつきあい

結論を言うと、

大事なのは知るのを楽しむこと。投票はそのきっかけ』


そう。知らないことを知るって、楽しいことのはずだ。

なのに、なんで「苦痛」になるんだ?

それは「投票へ行こう!」って投票する(させる)ことが「目的」になるから

自分ベースになる意見がないまま、候補者のちまちました情報とか、コピペしたような政策とか知っても、違いがわからないしつまらない。

それよりも、「自分がいるのはどんな国で、どこへ向かおうとしてるのか」を知ることは、自分生き方を左右する。政治を知ることは、自分のためになる。

俺にとって投票は、そういうことをちょっとでも勉強する「いいきっかけ」にすぎない。

候補者についてはせいぜい、「与党野党か」「そいつが競ってるかどうか」だけでいい気がする。

「一票で変わる?」変わらねえし! 「一票の重み?」限りなく軽いし!

からこそ、勉強の機会として、勉強を形で示す場として、気軽に投票を利用すりゃいい。

勉強が楽しくなれば、選挙が終わっても勝手勉強するからな。

勉強を楽しむには、知りたいことに「選択と集中」するのはアリ。勉強対象を絞って深めれば、自分の血となり肉となる。

ここからは、じゃあ今回の選挙で何に「選択と集中」するかって話だ。俺は「自民党改憲案」を知るのがコスパ高いと思う。

■この選挙の争点は「改憲」だ、と数字証明してみた

自民党は今の憲法を変えたくて、4年前の2012年日本国憲法改正草案改憲案)を発表した。で、この参院選で大勝ちしたら、その改憲案を国会で通そうとしてるらしい。

今回、俺はアベノミクスより保育園より「改憲」がぶっちぎり最重要テーマだと思う。なぜなら今回の選挙によって「憲法」が変わることはあっても、今回の選挙によって「政策」が変わる可能性はほぼないからだ。

というのも、ざっくり説明すると、憲法を変えるには議席の「3分の2」が必要で、法律をつくるには議席の「2分の1」が必要。そんで、今回は与党自民公明)+与党寄りの党(維新など)あわせて「3分の2」に届くかどうかの勢いだ。ってことは「2分の1」は余裕で超えるから、どっちみち政策(=法律つくる必要がある)は与党の望むように通る。

から今回は「自民党改憲案でいいですか?」って選挙、そう言っていいと思う。

まあ勉強したいこと勉強すりゃいいんだけど、俺は「改憲」に注目する。

■それで、「憲法」ってなんだ?

俺、「憲法」って単なるお飾りかと思ってた。でもさ、全ての法律の上にあって、法律がつくられるベースになるのが憲法なんだってね。しかも、自民党改憲案には、安倍首相最高顧問の一人として関わっている。

国づくりのベースになる文書だし、自民党はそれを通したがってるから自民党のホンネの部分が出やすい。改憲案が通ったら「憲法」と「政府のやりたいこと」が一致するから、もう「お飾り」じゃなくて、その方向に一気に進むよね。

から、「俺の生きる国はどんな場所で、どこへ向かうのか」、改憲案を知ることで見えてくる部分は大きい。

その改憲案、自民党公式サイトに載ってる。

自民党日本国憲法改正草案

http://constitution.jimin.jp/draft/

開いてみた第一印象は「文字が多くて難しそう!」だ。

でも、右とか左とか○○党支持者とか、他人が言う意見に流されず、元の情報自分で見て判断できる、という充実感ある。

それに、このPDF文書、見ればわかるけどすげえ親切設計だ。「自民党改憲案」と「今の日本国憲法」とを上下に並べて対照させて、「変更する部分」にだけ線が引いてあるから、どこがどう変わるか一目瞭然。パソコンが見やすいけど、スマホでも読めなくはない。

■読んでみると、超面白いし、かなりコスパ高い。

さらに読んでみると・・・これ、掘り出し物じゃないか!?

「へえー、自民党こんなこと考えてたんだ!」って発見が次々とある

テレビとかでなかなか聞かない、かなり踏み込んだことが書いてある。

たとえるなら、歴史小説と、近未来SF小説と、暗号もの推理小説と、ノンフィクションを同時に読んでるみたいで、身震いがする。

憲法が変わればもちろん、憲法が変わらなくても自民党政権である限り、そっち方向に少しずつ動く。

そして、もし国会3分の2の「賛成」を得たら、改憲案は国民投票にかけられて、投票した人の半分以上が賛成すれば、新憲法は成立する。そのとき俺たち一人ひとりに問われる「改憲案」。どうせなら、この選挙のうちに勉強すれば、一石二鳥だ。

まとめると、改憲案よめば次のようなメリットがある。コスパ高し。

(1)かたよった意見じゃなく、客観的判断できる

(2)今の自民党安倍首相の「やりたい方向」が見える

(3)参院選もっと大事ポイントである改憲」がわかる

(4)今後もし改憲国民投票が行われたときに、判断できる自分になる

(5)もし改憲案が成立したとき日本が舵を切る方向をあらかじめ知れる

(6)日本人の基礎知識「日本国憲法もついでに見れる

しかも、難しいの全部読む必要ない。

とりあえず、変更する場所(線が引いてある)だけ見ればいいと思う。

ちなみに俺がびっくりしたところ、意外だったところを挙げると、

上段(=改憲案)の第一条第三条の2、第十二条、第二十四条、第二十五条の二、第三十六条、第百二条20分あれば見れる。

太字のところだけなら1時間くらいあれば見れる。

意見ができたら、意見の合う党や候補者投票すればいい

まず直接見てみるってことが大事。見てわからなければ、解釈してる色んなサイトがあるから自民党 改憲案」とかでググるとかね。

そんで、あるていど自分意見ができたら、意見が合う政党候補者投票すればいい。意見のないまま「誰にしようかな」って選ぶことに時間を使うより、意見をつくるために知ることに時間を使えば、消耗しない。

選挙はあと数日で終わる。一夜漬けでもいい。今が旬だ。

自民党日本国憲法改正草案

http://constitution.jimin.jp/draft/


★9行でこの増田を短縮したものはこちら→ http://anond.hatelabo.jp/20160706230838

2016-05-23

推理小説ホラー書ける人って頭良い

たまにイベント売りでオリジナル推理小説売ってる人がいる。

読んでて面白いのが多くてあの人頭良いんだろうなと思う。

2016-04-21

虚しくなるだろうけれどもビジネス観点で話をしよう

http://anond.hatelabo.jp/20160421102122

 

なぜ俺ツエー系の異世界生モノラノベ

Fランクだけど限定的にはSSランクのようなラノベ売れ筋なのか考えたことは増田くんはあるかい

 

答えは簡単さ。

それはラノベ読者が『弱者』だからだよ。

弱者目的のために己を律し研鑽を積むこともできず、

かといって諦めるという合理的選択すら選ぶことのできない存在だ。

文学書でもなくSF作品でもなく推理小説でもなく絵本でもなく自己啓発書でもなくゴシップ誌や新聞でもない

ライトノベルを愛読する彼らの心の根底にあるもの、それは『満たされることのない承認欲求』さ。

その欲望を埋めるためにライトノベルはあり、

彼らの灰色学生生活命綱として役目を果たしてきた…ま、そんなところかな。

 

なぜ売れ筋ライトノベルの購読層が中学生から高校生に留まらず、

サラリーマン男性中年層にまで及ぶのかというと、

結局のところ弱者はどこまで行っても弱者

悲しいかな…学校というコミュニティを抜けても今度は会社というコミュニティ

満たされない承認欲求自分努力をしない欲望を満たすためにライトノベルを頼るというわけさ。

 

消費者である彼ら弱者要望に応えるために作品が似たり寄ったりになることは

水が高いところから低いところに落ちるに等しく自然であり、

君の嫌う根拠のない優位性を前面に出した作品ビジネス的な価値を獲得するのさ。

 

どうだい?

増田くんにも、少しは見えてきたんじゃないのかなあ…?

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