感想は増田に投稿済みだし、最終考察も投稿をバリバリ編集中なのだけど、
先ほど、ずっと一緒に推理に付き合ってくれていた友人が、《原作の真相》に1つの答えを出してくれた。
私はこの解釈を読んで、江戸川乱歩まじすげぇ人なんだな、と思ったし、
「舞台の感想を聞いて原作を読み返した」という超間接的な位置に居る友人にまで影響を与えたこの舞台まじやべぇな、と思った。
この話は、やれBLだホモだと騒がれているが、こんなにも『人と人との愛の深い部分について書かれている』ことに萌えている感想は、まだ一度も見たことがない。
腐女子の皆さま、乱歩パイセンの名作は、想像を絶する至高のBL小説だったよ……(震え声)
観劇してから120時間。神経衰弱するほど友人と推理を重ねてきて、友人が辿り着いたこの結末に私は本当に感動したので、記念に最後にもう一度観劇しようと決めたのだけど、観劇前に今までのことを日記として残したいと思う。
(友人との推理に使用した部分以外は原作未読をまだ貫いているし、私の主観での希望的観測は友人とは少し違うのだけど、それは最終考察とあわせて観劇後にまとめたい。)
どうせ同じ高いお金を支払って観劇するのなら、楽しめた方が絶対にいい。
私はもう「視点を変えれば、世界が変わる」=「つまんなかったものが最高に面白くなる」という瞬間を短くない観劇人生で知っていたので、本作初見では何か視点を歪められてるような印象にすごくもやもやした。
今思い返すと、色々なテクニック…いや、ヒントが散りばめられていた。
作中の探偵二人が言う「常識ではトリックを見落としてしまう、視点を変えるんだ」というようなセリフが印象に残っていたり(大事なことだから2回言いましたの法則。一度だけならスルーしていた)。
ストーリーテラーがやけに観客の目をガン見してくる→目を見るというのは語りかけてくるということで。しかしその眼差しに乗るメッセージは無く、視点誘導にも思えるのに最終的にストーリーテラーを非難するような印象で終わる。この矛盾。
原作では『簑浦』という名前の主人公が『箕浦』であったり。同一人物に別の名前が与えられ『一人二役』であったり。
いかにも裏がある風で、どうしてもひっかけられてるような感覚があった。
「結局胸糞悪いだけだった」作品も結構観てきたけど、それらは完全に私との解釈違い…美意識というよりもっと恣意的な『美学』の違いで、どうにも受け入れがたいという点からくる胸糞悪さだった。
でも本作では諸戸に感情移入できてしまったし、そもそも異形とは何かみたいな問題提起の要素もあり、そんな乱歩の原作が『美学の押し付け』には絶対にならないという妙な確信があって。私は謎解きに踏み出していた。
推理小説は読まないけど、リアル脱出ゲームとかは好きなんです。
(一晩明けて昨日、一緒に脱出できた経験のある頼れる別の友人が、私の沼りっぷりを気にかけて舞台を観に行ってくれた。そして私が完全に見落としていた最重要ヒントを見つけてきてくれた。優しすぎるし天才すぎる。)
(そう言えば原作解釈の友人も、私にとっては自明の理すぎて結構雑に扱っていたヒントが友人にとっては盲点で、そのヒントがあったからこの解釈に至ったと言ってくれた。嬉しかった。)
(そして、盲点とは必ず存在するし、それは本当に自分には見えないだけで、他人から見たらこうも軽々と見えるものなのだなと、また一つ得難い経験をすることができた。人生って楽しい。)
終演後からすぐ調べ出して、最初のヒントには帰りの電車内でもう出会えていた。検索上位だった。有り難い。
だからそのまま寝ずに感想を書き上げて翌昼増田に投稿したのが初見感想。
なんで増田に上げたかと言うと、これが《私》の感想であると、他の友人知人に知られるのが恥ずかしかったから。お陰で普段以上に壁打ち感ぱなくて孤独だった。それを全部友人との推理にぶつけていた。この五日間付き合ってくれて原作真相にまで辿り着いてくれた友人マジで有り難う。
自分の感想の反応はサッパリだけど、各所に皆さまがどんどん感想を投下されるのでひたすら読み漁っていたのですが、どうにも自分の知りたい解がそこにはないように思えてきて。(感想を拝読させていただいた皆さま、失礼な物言いになってしまいすみません。今回が異例だったのです。通常の演劇作品の感想としてはとても楽しく面白く拝読させていただきました。公開してくださったことを心から感謝しています。これからも是非よろしくお願いいたします。鍵、イクナイ。)
先述の私の盲点にあったヒントを見つけてきてくれた友人との会話でも判明したのですが、私が求めていたのはどうやら『感想』ではなく『印象』だったのです。
感想とは『事象に対峙した発言者の想い』である。対して印象とは『事象に対峙して発言者が捕捉できた部分』である。
私は自分では見えなかった作品のありのままの姿を知りたかったみたいです。
その点では、原作を読んだけど舞台は見ていない友人と、舞台は観たけど原作を読んでいない私の探偵コンビはなかなか良いバランスだったのかも。
お互い違う表現を見ているから感想だけでは語れないけど、小説も舞台も作品の本質が同じなら、印象と事実も一緒に突き合わせることで対話が成立する。
書いていた続きが寝落ちたら消えていたので、ちょいちょい追記していく。