はてなキーワード: 満月とは
後増田氏と同盟を結んだ増田(八)軍は西から進撃してくる増田軍を迎撃するため、みやこの脇を流れる増江川に陣を張った。
東の増田軍公称十万の指揮官は、数倍の敵(今日の友)を何度も破った武功でその敵に推薦されて大抜擢された増田左混であり、
大将が後増田家の人間ということもあり、彼らは四万の兵を派遣し、残りが増田家(八)の兵である。
西の増田軍は後顧の憂いがないことを活かして、八万と号する全領地の兵をひっくるめ、当主が指揮している。
両軍はまず、川を挟んで向き合い、小競り合いを繰り返した。
後増田軍の部隊は勝つこともあったが、雑魚ナメクジの増田軍は美しいほど全てに負けた。
自信をつけた西の増田軍は伍除海の計をかけた上で、敵前渡河を強行した。
それに対して東の増田軍は、何もしなかった。
増田金吾が
「敵の半分が渡ったところを攻撃するべきです」
と勧めても、
「敵が隊列を整えている間に仕掛けるべきです」
あまりに余裕のある敵の様子に、西の増田軍は疑心暗鬼に駆られた。
前当主なら「舐められたらおしまいだ」と攻撃を仕掛けるのだろうが、
それより慎重な弟は(何か策があるのでは?)と勘ぐってしまう。
おりしも増田(四)軍が待ち伏せの策略により奇跡的な勝利を収めた後でもあった。
しばらく睨み合っていると西の増田軍に不吉な空気が流れはじめる。
「小競り合いで負け続けたのも、わざとなのか?」
殿は我々がそのような兵だともうされるのか!?」
敵が動かず結果的に背水の陣になったのだから、ひどいいちゃもんである。
このままでは戦えないと判断した当主は、下策と知りつつ再度川を渡って後退することを決めた。
何もしていないのに敵が下がっていく――
東の増田軍は目の前の情景に目をみはった。
一戦もしていないため隊列は整い粛々とした動きだ。しかし、士気が落ちているのは明らかだった。
「半分が渡ったところで攻撃を仕掛けるべし」
増田金吾はいきおいこんで主将に訴えた。今度ばかりは増田左混も重々しく頷いた。
こうして川に分断された敵を勇躍襲撃した増田軍は――ボコボコに殴り返された。
東岸に残っている増田軍は精鋭ばかりであり、数ほどは戦力が低下していなかった。
このとき、増田軍は「釣り増田」と同時に「捨てトラバ」を用いた。
捨てトラバ(トラバース)とは、下がる部隊が次々と横に動くことで雁行をなし、
反撃に際しては一瞬で斜線陣に化ける戦術とされる。
また、雁行の法則性から敵部隊を追っていくと、途中が忽然と消えており、
肩すかしを食らったところに斜め前後の隊列から挟撃を受けることもあった。
「これは地方とみやこの戦いにござる」
「なんだと!?」
「なんだと!!?」
「おう、そうだな」
「武功をあげろよ」
後増田兵は釣り増田に引っかかりまくった。「増江のダボハゼ」の異名を授かるほどだった。
なお、増田兵(八)は話題に加わらず(田舎者同士が何を言ってやがる……)と上から目線でさげずんでいた。
ちなみに大将の増田左混は本当に何も考えていなかった。以前、彼が連勝したのは敵が弱すぎたのと多大な運のおかげであった。
もっとも、増田金吾の献策通りに戦っても結果は変わらなかったであろう。それくらい両者の実力は隔絶していた。
東の増田軍は増田家(八)諸将の導きで、ほうほうのていで撤退した。
みやこ周辺は彼らにとって逃げ慣れた道である。あがりはじめた満月が彼らの退路を照らした。
いっぽう、西の増田軍はみやこを陥落させた。
前回
http://anond.hatelabo.jp/20160615052605
次回
ふと気になったので。
自分がりぼんを読みだした頃は、もう時空異邦人KYOKO〜満月をおしえての時代だったので、とっくにりぼんの雑誌のカラーが変わったとされる後だった。種村有菜のヒットで、少女漫画は彼女に影響された、大きな瞳の絵柄が流行り、作風も変身ものや子供向けが多くなったと聞いたことがあるのだが、そんなにガラッと変わったのだろうか…と疑問に思ったのだ。確かに自分が読んでいた頃のりぼんは聖ドラゴンガールやGALSなど子供向けの話が多かった気はしないでもない。ちゃおもそんな感じだったような。
そうなると種村有菜以前の少女漫画はりぼんもりぼん以外も、みんな眼は小さくてストーリーは大人向けで…そんな感じだったのだろうか?そして種村有菜の出現以後突然みんな眼を大きくしたのだろうか…ちょっと気になる。
マスターキートンの中でもかなり異色な会となっている
スペインイタリアアイルランド体そして英国西ドイツフランス世界各国の死亡保険データをみたところ今挙げた国々に1人ずつ同じような美を遂げた時差描いたしかも全員加入2年未満児死亡多額の保険金が支払われている。
元は軽い風邪のような症状そして幻覚症状やがて全身が麻痺して死亡するどの女性も死ぬ前に狼のような声を発し目撃者皆賢門のに疲れたようだと語っていた。
人狼伝説と言うのは森屋野山放浪したスラブ系民族の恐怖心から生まれた。ロイズの伝説他の民族にもある。
最終的に死亡した患者の脳細胞を顕微鏡で調べたところ人間の脳から弾丸方のウィルスの集合体を発見した。
この病期のキャリアはまだ生きていた。仁郎と言われていたのは女性でこの病気は神経組織に異常が起こり闇を好みわずかな光家も嫌う満月の光すら痛みを覚えるその靴のためにさまよい歩くまさに神狼伝説そのものといった体でした。
狂犬病が正体。
狂犬病8分したら絶対に治療困難。いかに現代が谷仕事も助からない。正しい狂犬病は犬や猫家畜野生動物から発生し人間を観戦するなこれは動物に噛まれた場合のみ。にもかかわらず今回は人間から先に発症したためにこの発見が遅れた。
この病気は未だに不明な点が多い。ウィルスは新入部員に96時間止まれそれから神経繊維をつたって脳に侵入するかしその間ウィルスは同色したりもせず移動するだけ奴の私に何の変化も現れない。したがって医学的なウルスのコードはこの時点では追跡できない以前使用発病したら死んでしまう。
※よく知ってる大長編はここら辺までなので、これで終わり。
□使用された道具:
【四次元ポケット】【どこでもドア】【タケコプター】【かるがる手袋】【お座敷釣堀】【逆世界入り込みオイル】【サイコントローラー】【糸なし糸電話】【空気砲】【翻訳コンニャク】【金属探知チョーク】【メカ救急箱】【コンピューター睡眠薬】【瞬間接着銃】【スモールライト】【タイムテレビ】【改良型やまびこ山】【探し物ステッキ】【ショックガン】【スペアポケット】【ひらりマント】【即席落とし穴】【ビッグライト】【入り込み鏡】【タイムマシン】【壁紙シェルター】
□タイムアタック:
3:ザンダクロスを使ってダムを破壊し、鏡面世界への入り口を消去。
他、鏡面世界側の出口に【スモールライト】を照射して兵団を出てくる端から小型化し、ダメ押しで【ビッグライト】で巨大化したザンダクロスを使って殲滅する手もある。
まあ、【タイムマシン】使えば終わる事件なので、はよ使えって話ではあるのだが・・・
□使用された道具:
【四次元ポケット】【○×うらない】【どこでもホール】【日光ゴケ】【岩細工セット】【どこでも蛇口】【るす宅警報テレビ】【バギーカー】【夢風鈴】【水中酸素あめ】【ミニ探検隊セット】【タケコプター】【救いの手】【ほんやくコンニャク】【通りぬけフープ】【こけおどし手投げ弾】【風雲ドラえもん城】【ハッタリバズーカ】【みせかけミサイル】【天地逆転オイル】【ポップ地下室】【桃太郎印のきびだんご】
□タイムアタック:
そもそも敵がいない作品なのでやりようがない。
□使用された道具:
【四次元ポケット】【ヒーローマシン】【如意棒】【筋斗雲】【タイムマシン】【スパイ衛星】【タケコプター】【こうもりホイホイ銃】【気配アラーム】【ほんやくコンニャク】【ひらりマント】【どこでもドア】【デラックス・キャンピングカプセル】【雲製造機】
□タイムアタック:
1:【タイムマシン】で戻る先を【ヒーローマシン】放置の24時前に移動(この作品内では、タイムマシンの指定時間に前後24時間の誤差が発生するため)
□使用された道具:
【四次元ポケット】【キャンピングカプセル】【どこでもドア】【タイムマシン】【トレアドール】【原始生活セット】【タケコプター】【らくらくシャベル】【らくらくつるはし】【らくらくオノ】【らくらくノコギリ】【花園ボンベ】【畑のレストラン】【動物の遺伝子アンプルとクローニングエッグ】【ラジコン雨雲】【ラジコン太陽】【ノビール水道管】【ノビールガス管】【ノビール下水管】【万能ペットフード「グルメン」】【ミニ家具】【時空震カウンター】【翻訳コンニャク】【衛星写真】【訪ね人ステッキ】【ひらりマント】【オートマチック花火】【レーザー検査機】【リニアモーターカーごっこ】【レスキューボトル】【ウルトラストップウオッチ】【通りぬけフープ】【瞬間接着銃】
□タイムアタック:
ギガゾンビがタイムロックを解除できるレベルの23世紀の時間犯罪者で、所持しているひみつ道具について「格上」と思われるため、タイムパトロールに通報する以外に勝機はなかったと思われる。
しかも、ギガゾンビが時間犯罪者である事に気づくのが(ツチダマを見てるくせに)最終決戦の時点と遅く、負けた後【四次元ポケット】を奪われているので、タイムパトロールに通報する手段ものび太が持っているスイッチしかなかった。
※あと、前回書いた方法だと、魔界大冒険で満月博士が死ぬのを見落としてた。
責任とって美夜子さんは俺が引き取る。
読者が六百人ほどいたから、半分意識を失いながら書いたような記事に対してもなんらかの反応があって、とても居心地が良かった。
精神が疲弊したらそのままの感情を書き出した。すると数時間後には誰かが看病してくれた。乳幼児にでもなった気分だった。二足歩行する乳飲み子であった。
だがしかし、ネットの民衆なんてのは所詮ネットのマミーに過ぎない。
我が身と現実世界の相性の良さに、自分の事ながら驚愕し、来る日も来る日も森羅万象を肌身で感じ、頭を垂れながら優しい風を感じ続けた。
木造住宅に火炎瓶を放り込んだ経験のある方であれば、きっと分かってくれるだろう。
二次元に傾いていた体を力尽くで戻し、その反動のまま猛烈に三次元に飛び込んだ。
瞬く間に俺の心は震え出した。それは決して畏怖などではなかった。
太陽の祝福と、満月の賞賛と、雷雲の拍手に迎えられて、俺はやっと現実世界へやって来られた。
燃えるように踊った。
見知らぬ犬を撫でた。
「ごめんねごめんね……」
見知らぬ花をもぎ取った。
「うれしいうれしい……」
見知らぬ女をナンパした。
はてなブログの外で必要とされる常識や倫理を全く知らなかったからだ。
俺は気がつけば、近所の厄介者となり、白い目を向けられるようになった。
それでも嬉しかった。
表情のある争い。
俺が求めていたのは、皮膚が貫かれる音、風に吹かれ抜けて行く毛髪、容赦なく地を汚す血反吐の嵐だったのだ。
それこそが俺の追い求めていたものだったのだ。
『iPad Pro』『Apple Pencil』『Logicool CREATE Backlit Keyboard Case for iPad Pro』
『エアウィーヴ 四季布団』『エアウィーヴ ピロー S-LINE』
『シャープ 加湿空気清浄機 プラズマクラスター25000プレミアムモデル』
やはり、追い求めるべきものは質であり、量ではない。
なんとなく書きたくなったので初めてここに日記を書く。
最近よくマクドナルドの経営不振のニュースや続々とお店を畳んでいるということをネットやらで目にしていたのでそんなに驚きはしなかったのだけど、実家の近所にある店舗も今月いっぱいで閉店になるということを久しぶりに実家に寄って知った。
特別マクドナルドに対して強い思い入れだとかは持ってなかったし、最近もあんまり利用していなかったので、その話を聞いたときもへ~とぐらいしか思わなかったのだけど、思い返してみるとなんだかんだでそのお店には小さい頃からよく行ってたなーとか、一時期は100円だけ持って通ってたこともあったなーとか、ほんの少しだけしみじみとした気持ちになったのでクーポンもあるし最後の週なので久しぶりに行ってみるかと思い立った。
着くと閉店のお知らせのポスターや看板が出ていて、店内にはお客さんからのメッセージカードも貼り出してあった。知らなかったけど結構歴史のあるお店だったのだなあと掲示を眺めて気付く。
そんでレジに行って注文をする訳だけどここで立ってたスタッフのお姉さんの顔を見てあれ?と思う。見覚えのある人だった。そりゃよく行ってたお店なのだから別に店員さんの顔くらい覚えててもなにも不思議ではないのだけど、自分も他へ移り住んでたり、大人になってからたまーにこのお店を使うことがあってもその人のことは1回も見なかったので、たぶん8年ぐらい前の記憶だと思う。
自分が高校生の時にその多分5つか6つ年上くらいのお姉さんはここで働いていて、細身でべっぴんさんで応対してくれる時の笑顔もすごいかわいくて、当時の自分は一目ぼれしてしまい、そのお姉さんに会えるかどうかどきどきしながらポテトのSとかハンバーガー1個とかを買いにお店に通っていた。ハンバーガー無料券のサービスの時などはここぞとばかりに買って、期間中1枚ずつ使っていく作戦を立てたりしていた。自転車で店前を通る時にはゆっくり走り外からちらちらとレジを覗いたりもしていた。こうやって文字にしてみると気持ち悪いな。でもレジでそのお姉さんに当たった時は態度には出さずとも内心ではとても舞い上がっていた。
そんなことは今日のついさっきまで完全に忘れ去っていたのだけど、多分同じ人だったと思う。でもネームプレートの苗字は変わっていたので結婚されたのかもしれない。やっぱりすごく丁寧な接客をする方だった。そして今もべらぼうにかわいかった。閉店の話題などで話しかけてみればよかったかもしれないと今更帰ってきてから思う。その人のことは忘れていたし別に切ないとかそういう気持ちではないのだけど、おめでとうございますというか、なんというか、時間が流れたのだなあということを感じた出来事だった。
帰り道、胸の辺りがぼわ~っとして無駄にふらふら遠回りをしてゆっくり自転車をこいでたのだけれど、月がやたらと丸くて大きくて黄色くてで、ここで満月なんてしゃれた演出じゃないかとかあほなことを心の中でつぶやきながら帰路に着いたのでした。おわり。
めずらしく皆静かな飲み会で、一人こっそりとはまってるワインを誰に邪魔されるでもなく楽しむことができた。
情熱的なチリもいいけど、南仏の奥ゆかしさもいい。会社にはそんなことをともに楽しめるような同僚もいなかった。
適当な理由をつけて一足先に店を出ると少しほてった頬を秋風が出迎えた。
そのあまりの気持ちよさに、家までの3駅分を歩いて帰ることにした。
飲むと音楽を聞きながら歩く癖があるのだ。
ビルの隙間を見上げると、うっすらとした雲のかかった満月と目があった。さっそくiPhoneのライブラリからドビュッシーのベルガマスク組曲を探して再生をタップした。
千鳥足とはいかないまでも、汗をかかない程度にのんびりと歩きつつちょうど楽曲が月光に差し掛かった頃、高らかなヒールの音を慌ただしく響かせながら水色のブラウスにタイトなスカート姿の女性が長い髪を振り乱しながら僕を追い抜いていった。
決して早いとはいえない時間帯。昨今の男女平等、女性の社会進出によって見ることのできるようになった風景の一つだ。そのことに僕は特に賛否を持っていない。
女性は狭い路地への曲がり角に差し掛かると、少し立ち止まりつつかばんを探りだした。そうして目当ての何かを見つけて歩き出すと同時に、女性のかばんから何かが落ちるのがわかった。
ハンカチだった。
僕からは10mほど先の出来事だ。女性はそのまま曲がり角に消えていった。
時間も時間なだけに、のんびりとした足取りですこし考えてみたが、お酒の力も手伝って僕はそれを拾うことにした。
追いつかなければそれでいいし、声をかけて振り返らなければそれでもいいのだ。
拾ってみるとそれはやわらかいタオル地で、嗅いでみたわけでもないのにそれがいい匂いであることが確信できた。
そうして曲がり角を曲がると、タイミングの悪いことにちょうど女性がマンションの入口に入ろうとしているところだった。
女性にしてみれば、住まいに入ろうとする時に見知らぬ男性から声をかけられるなんて事は恐怖に違いない。
しかも「ハンカチ落としましたよ」だなんて、今時どれだけできの悪いナンパか。
やってしまったと思いつつももう後戻りもできない。
女性を不安にさせまいとできるだけ明るい声を心がけながら、さらに現物を見せれば安心するだろうとハンカチを持った手を必死に伸ばして声をかけた。
どうでもいいことに、頭のなかで「落ちましたよ。」「落としましたよ。」「落ちてましたよ。」のどれが適切かを考えてしまったがために次の言葉が続かずに、かといってそのまま近づいていくことも恐怖を与えてしまいそうでと、ハンカチを持った手を伸ばしたまま無言でその場に立ち尽くしてしまったのだ。
完全に不審者だ。叫ばれてもしかたない。捨てて逃げるか。様々な考えが一瞬で頭をよぎる中、もっとも予想を反する反応が帰ってきた。
「あー!ありがとうございます!助かりました!」と、実に素直に喜んでいるような声が狭い路地に響いたのだ。
その声の明るさに、つまらぬことに悩んでいた自分は完全に萎縮してしまった。
恥ずかしさのあまり、相手に近づくどころか顔を上げる事すらできなくなってしまった。
それを察したのか近づいてきてくれる女性。かろうじて一瞬だけ見ることのできた顔は、屈託を感じさせない満面の笑顔だった。
ハンカチを受け取って僕の後頭部にお礼を言うと、女性はそのままマンションへと引き返していった。
その足音が少しだけ軽くなっていたような気がして、僕はすこしほっとしたような温かい気持ちになった。
後日談は期待しないで欲しい。
残念ながら、僕はその女性の顔すら満足に見ることができなかったのだ。
だけどそれから変化したことが一つだけある。
今まで僕の中で鏡のように静かな湖面に映る三日月を奏でたものと思っていた月光が、この日から満月に変わったということだ。
ついでに増田らしいオチも加えておくと、後日、この女性とそっくりな格好をした素人AVを見つけた。
ショップで作品名や女優名を記憶してXVIDEOで検索すれば十分派を貫くつもりだった僕だったが、画質と保存性のためならお金を払っても良いと思えるようになったきっかけでもある。
霞ヶ関を激ヤバトレーラーで走り回ることでお馴染みのおかき屋である播磨屋。
http://blog-imgs-51.fc2.com/j/y/o/jyouhouwosagasu/hamariyaokkai120301.jpg
「トレーラーは凄いけどおかきは美味しい」
「商品に同封されてる社長からの手紙で自衛隊にクーデター薦めてるけどおかきは美味しい」
今回、お試しセットといくつかの商品を買ってみたのでレビューします。
朝日あげは塩味の揚げ煎餅、華麗満月はカレー味の揚げ煎餅です。
見た目は普通なんですが、味付けが凄く良いです、これは美味い。
おかきに青のりが入っていて香りが良いです。
味は良いのですが、商品の紹介ページになかなかぶっ飛んだことが書いてあります。
「四万十川の青のりを入れておかきを作ってください。四万十川は日本最後の清流と言われて、私たちの自慢の川なんです」
本品は、高知県四万十市の小学五年生の女の子から、こんなうれしいお便りを頂いて生まれました。
天然青のりの深く豊かな香りと味を、どうぞ存分にご堪能ください。
もう20年も経って時効でしょうから白状します。高知県四万十市の小学校五年生の女の子から届いた手紙がもとで、
こののりおかきが誕生したというのは、実は私播磨屋助次郎の創作です。いえ正確には、小学校五年生の女の子という設定だけが作り話なのです。
事実は、高知県在住のとある主婦の方から、そんな手紙が届いたのでした。それでは話として余りおもしろくなく夢もありませんので、
主婦からこんな手紙が来ても、商品の物語としては何も面白く無い。そりゃそうなのでしょうが
創作でしたと認めておきながらも、引き続き小学五年生の話を取り下げない社長は凄いです。
いくらなんでも味が薄すぎます。
硬めで小粒のおかき、美味しいです。
電子レンジを使った新製法というおかき。そのおかげなのか風味が良いです。
しかしまぁこの商品の紹介ページにも香ばしいことが書いてあります。
個包装の袋デザインに関する秘話です。弊社京都店は京都御苑の下立売御門の真前にあります。
その下立売御門を入って左手へ少し歩くと、土産物を売る売店があります。その売店で私播磨屋助次郎は新発見をしたのです。
売られている饅頭やせんべいの包装紙すべてに、皇室の御紋章である十六弁の菊花紋が、いかにも仰々しく印刷されていたのです。
菊の弁数を何回も数え直してみましたが、確かに十六弁でした。私は思いました。こんな使い方をしてもよいんだなと。
さてそこでおかき皇ですが、皇は天皇の皇の字です。私はちゅうちょすることなく、十六弁の菊花紋を大小こきまぜた
ところがしばらくして、宮内庁からクレームが入ったのです。菊の御紋章を菓子袋に使うのはいかがなものかとです。
「無用の争いは、私の好むところではありませんから」とさらっと言う社長が素敵です。
おいしいですが、これをわざわざ買わなくてもおにぎりせんべいでいいんじゃないか?
と思います。
豆がたっぷり入ったおかきですが、豆が好きかどうかでかなり好き嫌いが分かれます。
柚子好きなので柚子せんべいにも期待していたのですが、食べてみて確かに柚子の香りがしっかりするものの
せんべいとはそんなに合わないなということが分かりました。
1.5kgで1836円という値段を考えるとかなり美味しいです。
ただいくらなんでも多いので、普通に揖保の糸を小売りで買ってきても良い気がします。
点数が低いのは事前に期待しすぎていたのかもしれません。
また、自分が創味のそうめんつゆが大好きであのしいたけの出汁の風味に慣れていたので
オーソドックスなこのそうめんつゆがイマイチに感じたのかもしれません。
これは最高です。
海苔は好きでデパ地下や高級スーパーの海苔、はたまた場外などで買ってきたのですが
この値段で、この味と風味高い海苔は最高です。
何もつけずにそのまま食べても美味しい海苔です。
総じて美味しかったです。
こういう社長なんだなということは良く分かったので
美味かった商品、特に朝日あげと海苔はまた購入しようと思いました。
http://oimoimomomo.sakura.ne.jp
ねねは、清正の主たる秀吉の、糟糠の妻だ。
清正がまだ虎之介と呼ばれた幼い頃から、正則と共に実の子のように可愛がってくれた、所謂母のような存在だった。
ねねの存在があったからこそ、今この肥後25万石を納める加藤清正があると断言して良い。清正や正則と言った子飼いの将が、他の古参の将兵を差し置いて高禄を食める身分になれたのは、一重にねねによる推挙があったからだ。
だからこそ清正は、大坂城に登城する機会があればねね――いや、北政所となった彼女のご機嫌伺いを欠かさなかった。
この度の出仕もそうだったはずだ。
簡単な挨拶を済ませた(と言っても、ねね自身が堅苦しい挨拶を好まないので、形式だけのものでさえなかったが)すぐ後に、ねねが言った。
一体なんだと訝る清正だが、それを面には出さずにただ頷くいた。
ねねが名を呼ぶ。
はい、と返事があって、軽い衣擦れの音が耳に入った。「……清正」
何事だ、と眉をしかめて声の方向を無遠慮に見た清正は、ますます仏頂面になった。
現れたのは、年若い娘だった。全くもって見覚えもなければ、呼び捨てにされる筋合いもない。
とっさにねねの方に視線をやったが、彼女はただにこにこと笑っているだけで何の説明もなされない。
そうこうしているうちに、娘が清正に駆け寄ってきた。
「清正!?え、本物…」
「おねね様」
娘の手が清正の身体に触れようとした瞬間、耐えかねて清正は声を上げた。
清正の拒絶する態度がわかったのか、そう言った瞬間娘は手を引っ込めてぴたりと止まる。
「…あの、説明していただけますか」
少し不機嫌そうに清正が言うと、ねねはやや困ったような顔をした。ついで苦笑を浮かべて、おいで、と娘に向かって手を差し伸べる。
すると娘は何の疑問もなくねねの隣に座った。ねねの隣…つまり上座だ。
いよいよもって清正は訳が分からなくなる。
恐らくこの天下で二番目に権力を持っているのは彼女、関白秀吉の正室、北政所だ。
余談ながら、秀吉が小身だった頃から夫をよく助けていた彼女に、秀吉は頭が上がらない。また、ねねは豊臣政権の内政や人事も把握し、秀吉によく助言している。秀吉の目に見えないところをねねがカバーしているような格好で、彼女によって取りたてられた者も少なくない。
雌鳥歌えば家滅ぶという故事もあるが、ねねはそんなものは知らぬとばかりに、秀吉を、国政を支えたのだ。
ともあれ。
そんな女性の隣に、図々しくも座れるようなこの小娘とは一体何だ。清正の疑念はますます膨れ、とどまることを知らない。
さまざまな想像をする清正に、ねねが弾けるように笑い声を上げた。
「やだよ、清正。そんなに怖い顔をしちゃ」
「いえ、…そのようなことは」
「ごめんね、何も説明しないで。紹介したかったっていうのは、この娘のこと。夢子っていうのよ」
その夢子が一体何なのだと、清正は喉元まででかかった言葉を飲み込んだ。
無意識に視線を動かすと、娘が清正を凝視しているのが目に入る。
居心地の悪さを覚えて目を逸らすと、清正はねねの次の言葉を待った。
若干いらいらとする清正に、ねねはどこまでもマイペースかつ笑みすら浮かべて楽しげだ。
*** ** ***
というのが清正の正直な本音だった。納得出来ない。出来るわけがない。
何故こうなった、と清正は頭を抱え込みながら――隣を歩く娘をちらりと盗み見た。何も考えてなさそうに、少し楽しげに、弾むようにして歩くこの娘。
着物が変だ。丈が短すぎる。しかし、貧しいから丈を詰めていると言う風でもない。汚れてもいないし擦り切れてもいないし、何より露出した肌には貧困を表すものが何一つとしてなかった。思えば、南蛮人の着物の形に近いものがある。
ねねによると、突如として光の中から現れたという。そこからしてまず、信じることが出来ない。しかし、ねねは清正の大恩人。ここは素直に信じることにした。
しかし、百歩譲ってこの娘が光の中から現れたとしよう。問題はその次だ。
この娘が、今から4、500年先の世界からやってきたということ。
ねねは信じたらしいが、清正には無理だ。第一、4、500年の未来がどうなっているか想像もつかない。
秀吉やねねは、その人柄と広すぎる懐ゆえか、この怪しすぎる娘を稀なる客人としてもてなしているらしいが、清正には無理だ。
なのに現状、清正はねねからこの娘を押し付けられてしまった。いや、“押し付けられた”というのは表現が悪い。ねねは無理にとは言わなかった。『出来れば』という表現をした。そして、他ならぬねねの頼みだから断れなかったのは、清正だ。今更この決定を覆していては男が廃るどころか、大恩をあだで返すことにもなりかねない。
とは言っても、薄気味悪いとは思った。
なんの変哲もない娘であるが、口を開けばおかしなことしか言わない。
娘は初めから、清正のことを知っていた。
ねねや秀吉との会話から発展していったらしい。どのような詳細があったかは知らないが、ともかく、娘が“会ってみたい”と言ったそうだ。
そして今日に至った。
ねねの言い分としては、『故郷をとても懐かしんでいるから、かりそめとは言え、知った人間の元で過ごすのが一番だろう』とのこと。暗に、その恋人とやらの役をしろと命ぜられているかのようだ。
何より、本人の希望が強かったらしい。
今はおとなしいが、先ほどまではうるさいくらいだった。
清正、清正、と全く見知らぬ人間(それも小娘)から呼び捨てにされるのは、少々我慢がならない。
しかし、ねねの頼みを断ることは出来ないし、粗略に扱うことも出来ない。お願いよ、なんて手を合わせて頼まれたら断るなんてとんでもない。
(まったく、人がいい)
と思わないでもないが、そんなねねが好きだからと思えばそれ以上は何も言えない清正だった。
ともあれ、“客人の接待”と思えば良い。
屋敷に戻れば、部屋を確保し、家臣侍女に説明をしなければならないのだが、なんと言ったものか。
色々と考えをめぐらして、改めて面倒なことになったと思いながら清正は屋敷を目指したのだった。
ともあれ清正の行動は早く、“北政所様から客人をお預かりした。丁重に扱うように”とし、あとは黙殺していようと考えた。
ねねは、可能ならそばに置いてあげて欲しいと言ったが、機嫌を取れとは言っていない。
清正には他にも仕事があるし、この娘にばかり構ってはいられないのだ。
自室にて政務を執る清正は、こっそりと忍び寄ってくる気配を察知した。
普通なら何者だと人を呼ばうところだが、こんな白昼堂々、しかも気配だだ漏れでやってくる諜者がいるものか。何より、戦時でもないというのに。
何だ、と思っていると障子戸の向こうから声がかけられた。
一応返事をすると、控えめに開けられる。暫くぶりに顔を見た、あの娘だった。
文机に向かう清正を一瞥すると、どこか忍ぶようにして部屋に入ってくる。
「政務中だ」
一言断ると、分かっていると娘はしゃあしゃあと言った。だったら早く出て行けと心の中で思った清正だ。
娘はそんな清正など構いもせず、部屋の隅にちょこんと腰掛けると、どこから取り出したのか本を膝の上に置いて読む体勢を作った。
出て行く気配がないところを見ると、清正は嘆息をついてそう答えた。
初めは娘の視線が清正に寄せられていたが、暫くするとそれもなくなる。
しかし時折思い出したように娘の瞳が清正を見つめ、逸らされる。
当然のように会話はなく、わずかな物音さえ許さないそこは沈黙に包まれた。
それは、次の日も、その次の日も、その次の日もずっと続いた。
こっそりとやって来ては声をかけ、部屋の隅で本を読む。
読み終わっても出て行かず、ぼうっとしているか清正の後姿を眺めている。
そんな日が、続いた。
(何だ?)
と清正は訝ったが、その疑問をぶつけるわけでもない。
一度など、あまりにも静かで動く気配さえないので振り返ってみると、娘は打掛を布団代わりに部屋の隅で丸まって眠っていた。
清正は呆れる思いだったが、これを機にと思って気配を忍ばせて近寄ってみた。観察ばかりされているので、観察し返してやろうと。
よほど寝入っているのか気配に疎いのか、清正が近づいただけでは起きる様子も見せない。
畳の上に、短い(当代比)髪が散らばっている。
肌は白く、身体には傷ひとつなく、教養はないくせに読み書きは出来る。行儀作法は全くできていない(どころか常識にも乏しい)が、やはり下層民ということはないらしい。
小さい顔だと、清正は己の掌と比べて思った。清正のそれで顔面が覆えるのではないかと、興味本位でそろそろと手を伸ばした時。
折悪しくも娘が目を覚ました。
慌てて清正が手を引っ込めると、娘はゆっくりと身体を起こして何をしているのかと尋ねる。
狼狽した清正が正直に答えると、一瞬娘は目を丸くし、ついで笑った。
「同じことしてる」
誰と、と問えば清正、と娘は答えた。清正が変な顔をして困惑を示すと、娘は手を振って違うと言った。
それを境に、清正と娘は少しずつ会話をするようになった。
といっても、大体にして娘がしゃべり清正が相槌を打つという格好。内容も大したことはない世間話から、二人の共通の人物である秀吉やねねのこと。この話題になると、清正も少しばかり言葉を話した。
だが、一番多いのは“清正”のことだ。――娘の恋人であるという、清正のこと。これは、半ば娘の独り言のようにして語られることが多い。
回想するように、懐かしむように。
そして、いとおしそうに。
「……清正、今何してるのかなぁ」
初めは興味なさそうに聞いていた清正であったが、次第にどんな人間なのか気になりだしてきた。娘の言うことには、清正と同姓同名で背格好人相もそっくり、声まで似ていて性格も類似しているとか。
そして何より、娘が“清正”を愛していると言う。
単純に、どんな男なのか気になった。
最初は放っておいたが、こない日が三日、四日と続くと何かあったのだろうか思うようになった。
それとなく家臣の者に聞いてみると、屋敷の外に出ているとのこと。供もつけずに。
放っておこうかとも思ったが、よくよく考えてみると、あの娘は北政所から預かった客人だ。白昼、秀吉のお膝元である大坂の武家屋敷で、妙な物がいるわけはないが、万が一ということがある。何より
あんな調子で他の者に話しかけていては、それが事情を知らぬ人間だったら命がいくつあっても足りない。清正は慣れたが。
考えあぐねた末、清正は娘の部屋を訪れることにした。事情を聞いて、必要があれば供をつけさせるよう、釘をさすつもりだった。
「供もつけずに、屋敷を抜けているらしいな」
突然の清正の来訪に、娘は驚いたようだったが、開口一番の清正の言葉にもっと驚いたようだ。
しかし驚いたのも一瞬で、はて、と言うように首をかしげてみせた。
「お供ってつけなきゃダメなの?」
この調子だ。
清正がため息を吐くと娘は、何よ、と戸惑ったような顔をする。
「だめも何も、普通身分の高い女性は供回りをつけずに出歩いたりしないもんだ」
「それでも、北政所様から預かった客人だろうが。お前に何かあっちゃ困るんだ」
どこまでも暢気そのものといった娘に呆れながら清正が言うが、彼女はまるで聞いてはいない。
嬉しそうな顔で、
「清正、私のこと心配してくれたの?」
などと言い出す始末だ。呆れ果てたヤツだ。
「とにかく、今度から外へ出るときは供をつけろ。世話役の侍女がいるだろ」
「あやのさんとお絹さん?」
「お前が勝手にふらふら出歩いて、怠慢だと叱責されるのはその二人だからな」
「え?!そんな、怒らないでね!私が勝手に…」
「これからはそうするな言ってるんだ。大体、何しに行ってんだ」
清正の問いに、娘は、どこかもじもじしてはっきりと答えない。
答えたくないのなら、と踵を返そうとした清正の裾を捕まえて、娘が、犬!と答えた。
「…散歩してたら、子犬が捨てられてたの。かわいそうだから、餌やりに行ってただけ」
別に怪しいことしてないよ、と娘は付け加えたが最初から疑ってはいない。
そうすると、確かに家臣の言葉と一致する。屋敷を出る前に厨によって、弁当を作ってもらっているというから尚更だ。
俺も焼きが回ったかな、なんて清正は歩きながら考えた。
供回りはなし、私的な用事で家臣を連れまわすことは出来ない。ごく軽装に身を包んだ清正は(といって、普段から質素であるが)、娘と二人で通りを歩いている。
どんどんと入り組んだ道に入って行き、しまいには神社のようなところについた。
こんなところもあったのか、としげしげと周囲を見渡す清正の視界の中で、娘が境内に走っていく。
清正が娘の後を追うと、太い木の根元に、布に包まれた子犬がいた。生後三月といったくらいか、すでに顔つきは成犬のそれに近づいている。
娘はそれを撫で、声をかけた。すると子犬の方も懐いているのか、かがんだ娘に飛びつきじゃれ付いた。
子犬と戯れる姿は、無邪気そのものだ。そしてその笑顔は、今まで見たこともないほど輝いている。本来はこのように笑うのだろうかと清正は思った。
むっつりと考え込む清正の名を、娘が呼ぶ。
「ねえ、清正も触ってよ。もう、可愛いんだよ、人懐っこくて」
懐いているのは餌をもらったからだろうと思ったが、清正がアクションを起こすより先に、子犬の方から清正の足元にじゃれ付いてきた。
今まで特別に犬猫に何か思ったことはなかったが、懐かれて悪い気はしない。
「…まんまだな」
「いいでしょ、別に」
つっこみを入れた清正に、娘は少しばかり頬を膨らませて抗議した。
暫く無言で犬を眺めていた清正だが、立ち上がって帰るかと娘を促す。
一瞬、娘がなんとも言えないような瞳で清正を見たが、何も言わなかった。最後にクロをひとつ撫でて、また来るねと呟く。
清正は腰に手を当てて、そんな様子を見ている。
「飼うんじゃねえのか?」
と一言尋ねた。
すると、弾かれたように娘が顔を上げ、清正を凝視する。
清正がそれ以上何も言わないところを見ると、娘はありがとうと叫んだ。
「クロ、今日は一緒に帰れるんだよ!」
*** ** ***
ふと、通りがかった清正の目に、縁側に座り込んだ娘の姿が入ってきた。
わざと足音を立てて近付くが、娘がそれに気づいた様子はない。相変わらず気配に疎いヤツだと清正は思う。
娘は、縁の下に座っているクロを撫でながらぼんやりと空を見上げている。
しかしその横顔には、そこはかとない哀愁があって、望郷の念に駆られているのは明白だ。
清正はそんなことを思って、羽織を娘の頭からかぶせるように掛けた。
それでようやく、娘は清正に気づき、こちらを向いた。
清正が声を掛けると、娘は羽織を肩から掛けなおしてありがとうと呟いた。
そして清正を見上げて、微笑む。
「優しいね」
「…別に。おねね様から託された客人に何かあったら事だからな」
嘘は言っていない。清正がむっつりとして言うと、娘は肩をゆらしてクスクスと笑った。
そんな笑顔にほっとした己に気づいた清正は、誰から指摘されたわけでも、ましてやその安堵を悟られたわけでもないのに、
(別に)
そんな狼狽を誤魔化すようにして、清正はどうしたんだ、と言葉を紡ぐ。
「月なんか眺めて。ゲンダイ、とやらが恋しくなったのか」
「分かる?さすがは清正、一心同体ね」
なんでそうなるんだ、と清正は呆れたように口を閉じた。
「あのね、考えたことがあるのよ。聞いて。…今、目の前に居る清正と、…あなたのことね。あなたと、私の恋人の清正は、やっぱり違うなって」
「当たり前だ。俺は俺以外の何者にもなった覚えはない」
「それは、そうだけどさあ」
そして彼女の住まうニジュウイッセイキとやらには、清正とそっくりの“清正”が居て。…なんて途方もない話。
「でも、やっぱり似てる」
「…前にも聞いた」
「しゃべり方もね、むっつりした顔もね、全部全部。ご先祖様かな?それとも前世の姿かしら。不思議だわぁ…」
「俺は、俺だ」
伸ばされた手が、清正の手に触れた。
控え目な手つきは、清正の手の重さを測るように軽く持ち上げたあとさっと撤退していった。
「やっぱり、ここは戦国時代なのかぁ…。そうよね、あなたは戦国武将で、私のことをお世話してくれたおねね様っていうのも、…北政所様ってやつみたいだし」
「そうね。あなたは、清正!っていうよりもはや清正様って感じだもの。呼び捨てなんて恐れ多いわ」
と言うものの、娘は清正を呼びつけにする。
当初それに抵抗があったものの、慣れとは恐ろしいものだ。今の調子で娘が“清正様”なんて言おうものなら、かゆくて仕方がないだろう。
娘の話は続く。
「私の“清正”は、なんかちょっと尻に敷かれてる感じはあるし、似ててもやっぱり別人ね」
どこか苦笑気味に娘が言う。
清正はどこか違和感を覚えた。清正を呼ぶときのそれと、彼女の。。。清正を呼ぶ声音はまるで違うのだ。
「…お前の清正とやらは、よほど腑抜けらしいな」
違和感をかき消すようにそう呟くと、娘がくわっと睨みつけてきた。
「女の尻に敷かれる男なんて、腑抜けだろ」
「そんなことない!っていうか、秀吉さまだっておねね様の尻に敷かれてるでしょ」
「愚弄する気か?!」
「愚弄じゃないもん、本人が言ってたの!“わしゃあねねには頭が上がらんでの~”って」
「……」
想像するだにかたくない。それゆえ、清正は反論の言葉を失った。
黙りこんだ清正に、娘はすこしばかり申し訳なさそうにした。
「まあ、気分を害したのなら謝るけど。…でも、“清正”を他の人からそんな風に言われるのは、いやだなって」
「悪かったな」
「いいよ。そりゃあ、大名のあなたから見たら取るに足らないかも知れないけど、それでも“清正”はいい旦那様なんだからね。恋愛面ではちょっとヘタレだけど、それ以外だったら男らしいし、指圧うまいし、ノート超きれいに取るんだから!」
「そーかよ」
「そうよ」
少しばかり意味の分からない言葉もあったが、清正は適当に流した。
しかしそんな清正に構わず、娘は大いに胸を張る。自分のことのように誇らしげだ。
「まあ、オカルトはちょっと苦手でちょっと照れ屋だけど、料理は出来るし、朝も起こしてくれるし、本当に結婚したいくらい最高なのよ。清正の作るモヤシ炒め、食べたいなぁ…」
「清正は、俺だ」
「ジェンダー!“清正”はそんなこと言わないもん。むしろ『お前料理、味薄すぎるんだよ。俺が作る』とか言ってくれるんだから。最高よねえ、ホント」
「だから、俺が清正だ!」
鼓膜をびびりと揺るがすような清正の声に、娘はびくりと肩を揺する。娘どころか、縁の下のクロまでもピンと耳や尻尾を立てて驚いている。
覚えず大声を出してしまった清正は、彼女の反応でわれに返った。口をつぐみ、たまらず目を逸らした。
「…悪い」
「いや、大丈夫」
(何を馬鹿なことを)
清正の心中、後悔の大嵐だ。こんな詮無いことで怒鳴っても仕様がないというのに。
大体何を苛立っているのだと自問しかけて、清正ははっとした。
一方で娘は、清正の胸中など少しも知らず悩ましげなため息を吐き、帰りたい、とこぼしながらクロを撫でている。
「お前とのお別れはさびしいけどね。きっと清正が責任持って育ててくれるから、安心しな。…清正は、何してるんだろうか」
無意識に繰り出した手が、娘の手を掴んでいる。驚いて清正を振り返る彼女の肩を、もう一方の手ががっちりと掴んで離さない。
目を丸くした娘が何事か言葉を紡ぐより先に、清正が言った。
「俺は、ここに居る」
清正の正面の丸い瞳の中に、清正の姿が映りこんでいる。そして、恐らく清正のそれにも彼女の姿が。
言葉も出せずに固まっていた娘であるが、子犬が膝にもっとと言うようにじゃれ付いてきた拍子に、金縛りが解けたようだ。
少し恥ずかしそうに目を逸らしてから、苦笑し、娘はかぶりを振った。
「…参ったな。少しドキッとしちゃった」
「清正は、俺だ。俺が清正だ。。。。。」
「でも、…私は、“清正”じゃないとダメだ。だってね、私の好きな清正は、あなたみたいにびしっと決められない。でも、そういう清正が、私は好きだから」
「夢子、」
恐らく初めて、名前を呼んだ清正に娘が目を見開いた。
「…名前、知ってたんだ」
当然だと、清正が答えようとしたまさにその瞬間。
すっと娘の身体の輪郭がぼやけた。ぎょっとする清正の前で、娘の身体は色を失い、後ろの風景が透けて見えるまでになった。
「どういうことだ…?」
「帰れるみたい。清正“様”、これまでお世話になりました。豊臣ご夫妻にもよろしくお伝えくださいませ。…クロ、元気でね」
もう随分と薄くなった身体で娘はクロの身体に触れる。感触がないのか、クロは不思議そうな顔をするだけで。
清正は思わず捕まえようとして手を伸ばしたが、透き通るだけで掴むことは出来ない。
「ありがとう。清正の所に、帰るね」
その言葉を最後に、清正の前から人一人が消えた。「…っオイ!」
蛍がいっせいに飛び立ったような光の残像だけを残して。
どこか呆然として、清正は廊下に落ちた己の羽織を拾った。確かに暖かい。――体温はほのかに残っていると言うのに。
何もなくなった虚空を見つめていると、縁の下からクロが顔を覗かせて鼻を鳴らす。主の不在を嘆いているようにも見えた。
無意識に手を伸ばしてそんな子犬の頭をなでると、清正はぽつねんと言葉をこぼした。
「…清正って誰だよ…」
~fin~
「結婚できない女の実情」という女性誌の特集記事をめくる指が震えている。すでにオフィス内には自分のほかに誰もいない。さっきまで残業していた男性社員も今は満員電車に揺られているころであろう。
帰ればよいのに、帰る気にならないのだ。デスクの明かりだけが灯された薄暗い室内の静けさにいよいよ心は締めつけられる。帰る場所もこことそう変わらないことを思うと自分の居場所がどこにも無いのに心づく。はあ、と思わず大きなため息がでる。
女性誌を放り出すように手ばなし、おもむろに腰を上げた私は、夜の外気をもとめて窓を開けた。日中のうだるような暑さがうそだったみたいに、夜空はさえざえと澄み渡り、満月のひかりが目の前にたたずむ樹木の梢を照らしている。その傍では小さな羽虫が二ひき、恋人同士だろうか、闇夜の到来をよろこぶかのように、愛のダンスを舞い踊っていた。
ふうっと深い息を吸ったら、涼やかな空気がにわかに全身を満たしたので、すこしびっくりしたけれども、その心地よさに浸るまでもなく、涙がほろほろあふれ出てきた。
ああ、私はきのう、なぜあんなことを言ったのだろう。仕事ができないとか、遅いとか、心にもないことを同僚の彼にぶつけたのは、男だらけの職場で働かなければならない境遇や、男に負けじと気を強く保つところからくる疲労、そして、何をやってもうまくいかない彼を変えたいという願望のせいだったかもしれない。ほかの社員同士の噂によれば、かれは職場で友達がいないだけでなく、プライベートでも独りぼっち、ランチの時間には、毎日毎日ひとりでざる蕎麦を食べているという。根がまじめで紳士的なのに、ちょっと不器用なせいで損ばかりする彼を救ってあげたい、陰口をたたくほかの社員を見返してほしい。想いはみるみる心の中に鬱積し、ついに私は吐き出してしまったのだ。長いあいだトイレにこもっていたのは恐らく泣いていたのだろう、きょうも始終元気がなかったが、たまに私のほうへちらと鋭い視線をあびせていた、きっと、私を恨んでいるのだろう、ああ、私は最低な人間だ、なぜあんなことを言ったのだろう.....思えばおもうほど大粒のしずくがはらはらと落ちてゆく。
窓を閉め、彼のデスクをぼんやりと眺める。きちんと整頓された上に、まるで用意してくれていたかのように、ていねいに折りたたんだ紺色のハンカチが、しずかに据えられているのだった。
私はそのハンカチを手に取ると、ますます湧いてくる涙の粒を押さえようとした。どうせ誰もいないのだ、泣きたいだけ泣こう。子供のような喚き声が室内にとどろくと、胸もとへ落ちた結晶がするすると流れ込み、下着のついていない露わなところをひいやりと冷たく感じさせた。
ようやく家に着いたころにはもう日付が変わっていた。靴を脱ぐのに足元もおぼつかぬ玄関の闇のうちでも、あえて電気をつけず、暗い廊下をそろそろとすすんでゆく。絨毯敷きの部屋にあお向けに寝ころがり、洗濯するつもりで持って帰った彼のハンカチを、下腹部に当てて目をつむる。置時計の針がちくたくと音を刻むいがいに何も聞こえない。明日も仕事か。はあ。
腹の中から声が聞こえるので耳を疑った。
おつかれさま。あなた、きょうはよく泣いたわね。ちょっと疲れてるんじゃない?まあ、ゆっくり休みなさいよ。こういうときこそ休息がかんじんなのよ。ところで、私いいこと知ってるの。あなた、いつもよくがんばっているから、きょうは特別に教えてあげるわね。あのね、そのハンカチの持ち主さん、もうすぐおうちに着くころだけれど、たのしみにしていることがあるみたいよ。じつはね、今夜、あなたをオカズにするらしいの。うふふ。おどろいたでしょ。あなた顔が赤らんでるわよ。いい?あなたはね、わたしなんかって、ご自分を卑しめているみたいだけれど、それはまちがいよ。もっと自信をもちなさい。あなたを必要としている人は、かならずどこかにいるの。信じることよ。よくって?
いい加減に尽きたとおもっていた涙がまぶたの底から再びどっとあふれてきた。疑いや恐れはもはや無かった。震える口がしぜんにありがとうの言葉を伝えていた。
さあ、涙をお拭きなさい。あそこの引き出しに、年賀状のはがきが入っているでしょ。それをたよりにこのハンカチを彼に届けるのよ。終電はまだ間に合うわ。さあはやくしなさいな。そのハンカチ、おかあさんからもらった大切なものらしいわよ。
玄関のとびらを開けると、夜空に星がきらめいていた。満月の輝きのなかで松虫たちが恋の唄を奏でていた。私はいっさんに駆け出した。
共感というのは、相手と自分とが同じように思う、という意味の事だ。
例えば満月を見て「美味しそう」と同時につぶやくことが、結婚のキッカケになることもある。
そう、今オマエさんが思った「あー、プラネテスね、良い漫画だったね」と思ったそれが共感だ。
そして、「何のことだ?なんか有名なエピソードか?」と思ったオマエさんとは、共感できていない。
このズレが、コミュニケーション能力の高低として語られるわけだ。
ズレの補正は、たゆまぬ蓄積で可能になる。
情報の伝達という意味で言うと、これほど無駄なものはないし、同じ「辞書」を持ってないと会話にならない。
「おはようさん」
「Buenas tardes!」
「たる?なに?」
みたいなのは特殊だとしても、結局のところ相手と同期もしくは共感できなければ、会話は成り立たない。
こういう会話ができるようにしてあげたいんです。今は
「暑いですね」「いやーホント最悪ですよね、さっき犬の糞ふんじゃったんですよ」
コミュニケーション能力の鍛え方を教えて欲しい
この場合、一つ目の会話は「暑い」という天候の話題で雑談としたいという「意思」があるわけだ。
しかし、二つ目の会話を「今日はなんとなく嫌な日」という「意思」だと捉えると、さほど違和感のある会話ではない。
つまり、こういう補足を入れると、だ。
という風になる。
後輩は、先輩からの「ネガティブな日だよなー」という雑談に共感し、正しく応答している。
ポイントは、先輩から見れば「俺はそんな話題は振ってねーよ」という所にある。
二葉亭四迷が、「Ваша」を「死んでも可いわ」と訳したのは有名な話だが、
結局のところ、相手に伝わるように「揃える作業」を会話の時には無意識に行っている。
コンピューターはそんな無意識を持っていないので、通信し応答するという手順を定め、プロトコルとして定義している。
空気を読む、というのが最たるもので、つまりその場におけるプロトコルを推定する能力なわけだ。
先ほどの「こういう会話」に「共感」した人達は、無意識に次のような手順を踏んでいると言える。
実は、「A(今日は通勤中暑かったな)」だったりすると、会話としてはズレがある。
「(今日は昨日に比べて外気温が)暑いですね」と「(部屋の中が)暑いですね」とでは、意味が違う。
でも、大抵「A(あれ?部屋のエアコンの話してる?)」みたいにズレは無視されたり、摺り合わせがなされる。
世の中には、雑談や指示の受け取り方、命令伝達から意思疎通に至るまで、あらゆる面で特化した人達がいる。
「貴方が森を歩いていると煙突が有ります。どんな煙突でしょう?」
みたいな性格診断がソコソコに流行ったり盛り上がる背景には、全員が同じ答えを返さない、
つまりは、「全員異なる辞書を持ち、全員違う思考回路を持ち、全員まちまちな経験を持つ」からだったりする。
ただし、大抵の場合は、おおまかに一致する部分がある。
例えば、「たまごっちが流行った」だとか「8時だよ全員集合は観ていた」だったりすると、世代間の差として判りやすい。
でも、「暑いですね」と話しかけたり、「A案とB案とどっちが良いと思う?」という問いかけに対しての返答が、
過去のその人物の経験則から、一般的でない回答が返ってくる可能性がある/そういうこともあり得るというのは、理解されにくい。
「8時だよ全員集合面白かったですよね」「そうですね、面白かったですよね」
こういう会話ができるようにしてあげたいんです。今は
ここまでで判る通り、会話というのはノイズが多い割に省略されがちだ。
だからこそ、推測混じりに会話を成り立たせる必要があるし、推測にミスが生じる理由は、ベースが異なるからだ。
雑談に関しては、そのズレを楽しむ余裕がほしい。
「暑いですねに対して、犬のうんこの話しされるとイライラする」ならちょっとカリカリしすぎだ。
そもそも「暑いですね」と話しかけて「そっすね」と返されて、何がしたいのだ。
だが、仕事となると話は別だ。
意思伝達にズレがあると、業務に支障がある。
(恐らく、注意や質問にずれた答えを返すという記述から、業務において支障があると推定して良いだろう)
「AとBのどっちが好き?」と聞くと
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~という理由で、Cのこと嫌いじゃないです」と返してくる。
辛抱強く最後まで聞いてから、「で、AとBのどっちが好きなの?」と聞くと
「あ!Aです、すいません」と答える。
これを、単なる雑談ではなく、業務担当者としてA案とB案のどちらが良いか、という質問だと考えてみよう。
ポイントは、先輩から見れば「俺が聞きたいのはAかBかどっちが良いかだよ」というところだ。
先ほどの雑談と同じく、「後輩側は正しく応答している」と仮定すると、これは「後輩の共感ミス」という事になる。
「(先輩は、グループでどれが嫌いか聞いてるのだな?そのグループで嫌いなのは無いけど、あえて言えばCで、でも嫌いってほどでも)」
という想像をしていると、仮定してみれば良いのだ。
ベースが異なる異文化と交流をする際には、相手に対する敬意と知識が必要になる。
しかし、世の中はさほど生きづらくは無く、「聞き方が悪い」と断じても意味は無い。
・コミュニケーション能力が絶望的に低いことを気付かせ、
・コミュニケーション能力を鍛える方法を教える
ことに決めた。決めたのです。
さて、さらっと「聞き方が悪い」と書いたのだが、
共感力が低い相手に「お前と俺と経験が違うし、職業上の文法も違うわ」と言ったところで、伝わらないだろう。
例えばだが、
という聞き方をすれば、聞く方からすれば必要な情報は得られる。
しかし、そういう聞き方をしない相手と、そういう遣り取りをする必要が有ることに気が付かせるのは、相当に難しい。
これは、「共感力のベースを鍛える必要がある」事に気が付かせ「共感力のベースの鍛え方」を教えるということだからだ。
本人はそんな必要があると思っていないのに、それと気が付かせるのは至難の業だ。
この中で出てくる「先輩」に対して、「オマエの聞き方が悪いんだよ」と「自分から気が付かせる」には、相当な技量が必要だ。
ハッキリ言おう。
「業務に支障があるレベルで、共感力というか、会話をする時の推測がミスってる」
「その推測ミスに、悪意がないことも判ってる。だけど、推測ミスは業務に支障が出る」
「相手が言葉にしないで当然わかって欲しいことが、知識として蓄積できていない」
相手はショックを受けるかもしれないし、意味がわからないという顔をするかもしれない。
何かズレがあるにも関わらず言葉が多いのは、意思疎通に不安があるからだ。
目と目で通じ合える間柄でないのならば、言葉にする必要がある。
質問の意図を咀嚼して、相手に確認を取ることで、共感力のベースが育つ。
教えたり質問したり注意したりする方は、何度も何度も変な理解をする相手に苛立つかもしれない。
しかし、その後輩は、そうやって聞き返さなければ、先輩には見えない頭のなかでそう理解しているわけだ。
この「相手の質問の意図を確認し、まず結果から返答する」というのは、ビジネスにおいてマイナスになることは無い。
メモにとれば、その相手はどういう聞き方をするかが、物理的に残る。
先輩は、後輩の育成具合をメモの数で把握できる。指摘もできる。
突然関係のないことを人に話しかけられてパニックに陥る人間もソコソコいる。
想像してみよう。
言葉の分からない空港で、突然現地人に親しげになにか話しかけられた時に、しどろもどろに英語で何かを返す自分を。
「なんだよ、今日は良い天気だなって話しかけただけなのに、変な旅行者だな」と相手は思っているかもしれない。
職場をそんなふうに捉える人間が存在する、ということをまず理解し、受け入れよう。
そして、「そういう時は、暑いですねって返すもんだよ。意味のない雑談なんだし」と言えば良いのだ。
「(なんだこいつ)」と頭のなかで思うだけでは、相手には決して伝わらないし相手の挙動は変わらない。
伝えても変わらないかもしれないが、伝えなければ絶対に変わらない。
健闘を祈る。
自分の推測にミスがある、あるのではないかということを、まずは認めよう。
キミのAPIには、致命的な欠陥がある。
相手がAやBを返してほしいことは分かってる。
が、それはワイドショーで
僕は本心を隠したまま、ウソを付いて相手に合わせることになる。
Gの方が核心に近いと考えたからだ。
考えすぎてコミュニケーション能力が低い人へ
日本では、職能と職責と職分とが、渾然一体と混ざり合って、なあなあになっている。
ソコソコに有名な話だが、外資なんかだと
「AとBと、技術者としてどちらが良いと判断するか?」と聞かれて
「Gの方が核心に近いのでは?」と返すと
「それを判断するのはオマエではない。で、AとBとどちらだ」とハッキリ言われる。
技術的な提言をする人間と、判断する人間、選択肢を選ぶ人間が、きちんとわかれている。
そもそも、「AかBか?」と聞かれて「本心ではAやBが問題ではなく、Gの方が核心に近いと考え」るのは、僭越なのだ。
なぜならば、上司が判断するよりもオレの判断が正しいという傲慢さの現れだからだ。
そして、「先輩が聞きたいのは、AかBかではなく、○○という問題の解決策なのだな」という推測にミスがあるのだ。
繰り返そう。
コミュニケーション能力が低いのは、相手のクロック数が低く、相手が自分の処理能力に達していないからでは無い。
プログラマーなら、「驚き最小の原則(Principle of least astonishment)」を思い出そう。
Excelでsum関数を使った結果、突如C列の出費だけを合計して出力されたら困るだろう。
繰越金や入金をも合計するのには、理由があるのだ。
勝手に推測されて(その推測にマシンパワーを使われて)は、困る。
ついやってしまうのであれば、先ほどのアクションを実行しよう。
精神論ではなく、難しい手順でもなく、聞き返すだけだ。
そして、大抵の場合は、
「いや、そうじゃなくて、AかBかは部長の判断で絞られてて、どっちかしか選べないから」
と言われて、「じゃあAですね。Gが核心だと思うんですけどね、部長も判ってないっすね」みたいに繋がるのだ。
もしくは、「そうだね、AかB以外でも解決策があるなら、それも教えて」と言われて初めて、Gの話をすれば良いのだ。
これが「会話」だ。
どうもコミュニケーションが上手くいかないと感じた時に、傲慢さを捨て、謙虚になり、内省する必要は「無い」。
上司が本質を理解せず、先輩は無能でレベルが低く、誰も自分の抽象化についてこれないと思ったままでも構わない。
情報量に差があり、推測にミスがあるのなら、補正をかければ良い。
チャラそうな男でも、真面目そうな男でも、普段はのんびりで優しい男でも、「ギラついてる」時がある。
そういう時の、男の獣のような目が怖い。声が怖い。息が怖い。雰囲気が怖い。
自分に性的な目が向けられた時の居心地の悪さ。恐怖。逃げ出したくなるようなあの感じ。
この事は、男性に話しても理解してもらったためしがない。
多分女の子同士なら分かる話だとは思うのだが。
性的に興奮した男性っていうのは、どうしてあんなに怖いものなのだろうか。
抵抗しようが、何かされそうになってやめてと言おうが、体力や腕っぷしの上で、女が男に勝てるわけがないのだ。だから余計、怖い。
さっきまで普通に話していただけなのに、相手のスイッチが入った途端、別人のようになる。
そういうのは怖いから、密室を避けたり、暗闇を避けたり、二人きりを避けたりしているのに
隙をついて「ギラつく」男が怖い。満月を見て変身する狼男のようだ。
男は狼なのよ、とはよく言ったものだ。
多分それは本能的なもので、女である私には一生理解できないものなのだと、頭ではわかっている。
しかし、「ギラつかれる」ことへの恐怖は、ひとと付き合うとか結婚するとか、そういった事にかかわってくる。
彼氏をつくる。旦那をつくる。これって要は、ずっと「私に対してギラついてくる」相手を保っておく、という事ではないか、
そんな恐ろしいことできない、なぜ、そんな獣をそばに置いておこうと思うのか。私にはわからない。
本当に、何で皆、平気なんだ?よく、獣のような生きものと手を繋いだりデートしたりしてるなあと思う。
いつ豹変するかわからない、いちいちギラつく「男」という生き物が怖くて仕方が無い。
電灯がないので暗くなると前後左右の感覚がなくなるほど完全に何も見えない(満月の日は結構見えるので、月の満ち欠けを意識して生活するようになる)。
流石にそれは度を超えた場所だし、そもそも徒歩で歩くレベルの場所ではない訳で。
田舎だって車に乗れない子供は存在するし、普通に生きてるんだが、そこまで言い始めるとその子らはどう生きてるんだ?って話になってしまう。
単純に、駐車場代とかの維持費が圧倒的に違うのと、
それだけで十分です。
自分の経験からすると、田舎で車が必要な理由は、もちろん便利という理由も大きいが、徒歩や自転車の移動が車と比べて半端なく危険だから、だと思う。
道路に人が歩いていること自体が稀であるため(特に夕方以降)、ドライバーは基本的に道路に人がいないと思い込んで周囲をよく確認せずに運転する。
しかも、歩道が狭いので車が近づくと怖い(そもそも歩道がない場合が多い)。
電灯がないので暗くなると前後左右の感覚がなくなるほど完全に何も見えない(満月の日は結構見えるので、月の満ち欠けを意識して生活するようになる)。
とある森がありました。
森にはいろんなお店があって、お店のどうぶつさんたちはいっしょうけんめい商売していました。
どうしたら今より美味しいパンが焼けるだろう?
みんな頭で考えて、手を動かしてうんうん悩みながらお仕事していました。
さて、ここに一羽のカラスがいました。
カラスは声が大きくて、なんでも知っていました。
「やぁ、そんなんじゃあっという間に時代おくれさ!新しいお店をこれから作るなら絶対にエメラルドグリーンだよ、都会じゃみんなそうしてるのさ!」
「おいおい今時新製品にイチジクのパンなんて正気かい?古いよそんなもの、僕がもっといい果物を教えてあげよう!」
森のみんなは物知りカラスに大喜びです。
これだけ自信満々にいろんな話を交えて教えてくれるからには、絶対に正しいいやり方なのです。
自分で調べるよりきっと素晴らしい、画期的な、間違うことなどありえない方法なのです。
「さあ、僕は君たちのために情報を与えてそれを成し遂げる方法も教えてあげた。
なあに、お礼なんてほんの少しだけでいいさ」
「カラスさんカラスさん、どうかわたしを弟子にしてくださいな」
そのリスは森でカゴを編んでは食べ物を交換しているリスでした。
「わたしは上手にカゴを作れるけれど、上手に食べ物と交換できないのです」
「ああいいよ!
僕は今でこそこうしてみんなのアドバイスばかりしているけれど、
君にはその手伝いをさせてあげよう」
「わあ、さすがはカラスさん!」
リスは満月が三回やってくるまでは「見習い」ということになりました。
けれどリスは知ってしまったのです。
一度めの月がめぐるまではいっしょうけんめいでした。
二度目の月がめぐるころ、
「僕はね、何でも屋にはならないんだ。
頭で稼ぐのさ。
僕にはほかの人と違った物の見方ができる。新しいいことも教えてやれる。
みんなは僕の頭にお金を払うのさ」
弟子入りすると、かご職人だったリスにははっきりわかってしまうのです。
カラスの自慢の発想力やらは驚くほど幼稚で、
そんなのお向かいのうさぎさんの奥さんのほうがよっぽど面白いのです。
五年前に都会の大きな大きなカラスがやろうとして大失敗した計画を、
まだ誰も思いついていなことのように語る姿には、
試されているのだろうかとすら思いました。
「これを売れるようにしてくれないかい」といったくまさんの大事なガラス玉に、
そんなの知るわけないだろう、時代遅れなのに」
ああ、でも報酬のキラキラの石はたんとくださいよ」と言いました。
当然だな、とリスは思いましたが、カラスはくまさんをとてもとても悪く言うのでした。
満月が三度やってきて、
リスは「とてもここではやっていけない。小さな屋台が欲しいだけの動物さんに巨大で高価なお店を売りつけたり、相手の商売のことをしろうともしないカラスさんのところでは詐欺師にしかなれない。僕はお客さんのための仕事がしたいんだ」とカラスさんのもとを去りました。
それからリスさんは、
羊さんは、考えることと手を動かすこと、
みんなが気持ちよくそうできる場所を作る大切さを知っていました。
リスは考えます。
多分違うな、と思いました。
きっとあのカラスは、自分に脳みそがないことに気づいていないのでしょう。
自分でも、自分で画期的なものを作れると信じているのでしょう。
何てかわいそうなカラス。
(あれだな、結局営業上がりのシャチョーさんなんざ、
訪問販売と変わらんのだな。
自分に脳みそがないことに気づいてそのへんに強いコアメンバー入れなきゃ、
おわり。