はてなキーワード: 金縛りとは
「ぴょまえら」「ぽまいら」「藻前ら」など20年以上前の2ちゃんねらーのような二人称でくだらない質問をする増田。
非公開セルクマをしているのか、ブクマ数は最低でも1あるのが特徴。
2.または立ちくらみをよく起こす。
3.胸が締め付けられる感じがする。
4.または胸がザワザワする感じが時々ある。
5.心臓がいきなり早くなったり、脈拍が飛ぶようなことがある。
6.息苦しくなるときがある。
7.夏でも手足か冷えるときがある。
8.胃の調子が悪いときが多い。(お腹がすかない・胸やけなど)
12.顔だけ汗をかく。または手足だけ汗をかく。
13.朝、起きる時に疲労を感じる。
14.気候の変化に弱い。
15.やけにまぶしく感じる時がある。
16.寝ても寝ても寝たりない。
18.風邪でもないのに咳がよく出る。
この項目で3個以外全部当てはまって、もう立ってるのも辛いくらいだったから内科に行ったの。
診察中もずっと腹が痛くて、ふらついてて、呂律は回らないわで、トイレに行ったり来たりしてるのに異常なし。
医師は『気の所為』って言うんだけど、これだけ症状が出ていてトイレにも何度も駆け込んでいるのに異常なしって言われてさ、
神経科か心療内科に行ったほうが良いですか?って聞いてみたら(普通は内科で異常がないと、そっちを案内するらしい)
「行ったところで無駄」って言われてさ、じゃあこの辛さはなんですかねって言い返したら「体調が悪いと勘違いする人は多いからね」って言い切られた。
直で神経科とか心療内科へ行ったほうが良いと思う人もいるかと思うけど、内科で調べた上で案内されたほうが良いみたい。
で、行った先の病院で医師から「自律神経失調症かもしれないね」と説明があって、だけども「言い切れないなあ」とも言われた。
ただ、診察中も何度かトイレに行っていたりしたのをよく見ていた先生で「大丈夫?」と声をかけてくれたりと、一つ前に行った病院と雲泥の差の対応をされて嬉しかった。
結局、内科だとお腹の薬やビタミン剤くらいしか出せないから、メンタルはなんともできないし、身体症状を改善するくらいしかできないかもねって説明があった。
それで心療内科に行ってみたんだけど、やっぱり自律神経失調症『っぽい』って診断だった。
なんかこの病気って、はっきりしない診断結果になりがちっぽい?
体ははっきり症状が出ていても、それが自律神経と言い切れないみたいなところがあるから
まあ、どちらにしてもかなり具合が悪くて本当最悪。
人生で2回目の夢イキした
初めては2020年9月、衝撃的すぎてスマホのメモに記録を残しておいたから分かる
今回は寝付いてから30分〜1時間ほどの出来事だった 当日は長時間のバイトで疲れており、しかもとても寒く、お風呂に入ったら早々に電気毛布を低めの温度で設定し寝た
うとうとしながら夢をみていたが半分覚醒していて、しかし身体は動かせず金縛りのような感じだった 少し暑かったので、電気毛布をオフにしようとしたのは覚えている
夢の内容は好きな男性芸能人に優しく責められながら、手でイカされるというものだった 男性は服を着ていて、私をイかせてくれるとまた次の男性に代わるというだいぶ都合の良い展開だった 最後に好きな女性芸能人が長めに責めてくれてめちゃくちゃになった ただ最後の方は夢から覚めそうで、名残惜しい気持ちでいっぱいだった
少し苦しかった もう一度寝たらまた夢をみられるかと期待したがまあ無理だろうとは思った
その後普通に寝たがやはり朝まで夢はみなかった
夢イキしやすい条件などがあるんだろうか
またみたい
つい先ごろ、薬物の利用をした。以下で具体的にどの薬物をどう利用したかを書くことはない。また、その瞬間における体験がどのようなものであったかについても書くつもりはない。私が書くのは、翌日以降に残った薬物の影響と、そこから感じた「政治」についてだ。
「それ」からしばらく経ってから、PCチェアでうたた寝した。それ自体はしばしばあることなのだが、ある夢の最中で「これは夢ではないか?」と思い、そこに居合わせた人に自分の頬をつねってもらうように頼んだ。痛みを感じたので無事夢ではないことがわかったのだが、それは結局夢であることをPCディスプレイを目の前にして知ることになる。
それ以降はいわゆる「金縛り」状態を2~3回ほど繰り返した。自分がPCデスクの前に座っていることは分かっていて、半分夢の中にいるせいで体が動かないことも分かっているのだが、何もなすすべが無いのである。何度起きようと試みても無駄だった。金縛りの最中に、おそらくは夢由来の幻聴も知覚した。ひた、ひた、と自分の後ろ側を何者かが歩いている音がするのである。幻聴であること自体は比較的すぐ看破したが、それで音が消えてくれる訳ではないし、「万が一もし本当だったら?」という恐怖や不快感も続く。
その時はたしか「これが金縛りという医学的現象とそれに付随する意識低下に基づく幻聴だと分かっていても怖いのだがら、そりゃ枕元に誰かが立つという話が山ほど作られるわけだ」と金縛りと幻聴に苦しみながら考えていたように思います。結局その後何かの拍子に金縛りが解除されベッドに飛び込み、ぐっすり眠りました。
翌日。昼過ぎですかね、PCチェアに座っていると唐突な眠気が襲ってきました。そしてまた金縛りに。今度は周りが明るいのもなんだったらディスプレイに何が表示されてるのかも分かるぐらい意識がはっきりしているのにもかかわらず(まぶたを開けたまま寝てたのか、記憶がまぶたの裏に焼き付いていたのかは判然としません)、腕をアームレストから引き剥がすことが出来ないのです。この頃になると結構夢世界のルールが分かってきていて、ある程度は現実世界らしく振る舞うが、度が過ぎると初期配置にリスポーンする。
目覚めようと色々試してみました。体が動かないので叫んでみたり(今でも実際に声が出ていたのかどうかは分かりません。一応壁厚いし昼間だからまあいいかと思って叫びました)。どのようにしてか体重のバランスを変化させ椅子ごとすぐ後ろのベッドに飛び込むことは出来ましたが、いつの間にかまた普通に座らされていました。右手だけがある程度自由になったので手元のガラスのコップを放り投げました。ガシャンという音と女性の悲鳴が聞こえてきました。奇妙に思い都合良くもう一つあったコップをまた投げてみました。また同じくガシャン、キャー。効果音の使い回しだな、と思いました。このあたりからどうでもよくなってきて、右手でロジクールの無線マウスを開けて電池を取り出し、口に入れてみました。その電池はソフトキャンディのように柔らかく噛み切れ、口の中には電気の味が広がりました。金縛りが解ける気配もないし、せっかくだから現実じゃ出来ないハチャメチャなドエロいことをしようと思ったが勃たない。
飽きに飽きたところでようやく両腕が本当に自由になったので(この時点ではまた両手だけ動かせても意味ねーよと思っている)、なんとなしに首の裏で組んでみた。そしてまたゆるめの金縛りに戻るのだが、今度は指先を動かそうと念じると実際動き、首の裏の神経が反応するのである(あたりまえ)
その辺りから徐々に体の操作権を取り戻し、ついには金縛りから脱するに至った。どうやら1時間ほど金縛りの中にいたようです。その後も軽微な「自分の手が自分の手に思えない」現象などはありましたが、今は元気です。
挙げた種々の現象はおそらく離脱症状のあらわれであったと思われる。現状のニートのままであれば、まあ用法用量を守って数日おきに刹那的に楽しみ離脱症状は当然の報いとして受け入れる、という選択肢が有望に思われる。
しかし仕事に就こうと思えばこうした薬物からは距離を取らなければならない。なぜなら、楽しい休日の次が必ず丸1日潰れ増田に長文を投げるぐらいの仕事しか出来ませんでは困るでしょう。
こう考えていると、薬物緩和肯定派がよく言う「政府は国民の幸せなど全く考えず、いかによく働かせ税金を搾り取るかという観点から薬物を禁止している!」といった主張へも、多分緩和派とは別の意味で同意できるように思うのです。この程度の薬物(=歴史に悪名を刻んでいない薬物)ですらこうなのだから、より作用が強い物はより翌日以降の影響もより強かろう。それを規制しようとするのは政府としては極めてまっとうなことであるように思われる。俺が総理大臣でもそうする。
薬物論争においては常にやり玉に挙げられる酒タバコも、翌日への引きずりかたが比較的軽微であるというところで、許可されてきたのではないでしょうか。二日酔いはたいていの場合本人の無茶な飲み方が問題と考えられているし、タバコの離脱症状はより些細である(あくまで外から見る分には。タバコが切れてナイフを振り回した人を俺は知らない)
例えばアルコールやタバコの年齢制限だってそうだ。われわれは未成年の酒タバコは成長に良くないと思っているが、一度でも根拠となる研究のタイトルとか要約を聞いたことがあっただろうか?(同じ理屈で同じく根拠が示されずコーヒーや炭酸やマッサージ器を禁止された人は多そうだが)結局の所われわれは未成年の酒タバコを、将来健康な青年として税金と年金を納めてもらえるように禁止しているようなものだ。
「政府は国民の幸せなど全く考えず、いかによく働かせ税金を搾り取るかという観点から薬物を禁止している!」と俺も思うが、俺は政府は正しいことをしていると思う。これは愚行権の問題で、もはや俺の手に負える問題ではない。『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください――井上達夫の法哲学入門』というクソにも程があるタイトルの本が実は、日本を代表する法学者による一般向けの本の中では相当高いレベルにあるのでおすすめです。
愚行権の話はおいておくにしても、ひとつ問題がある。われわれは、「政治」が嘘をついているとき、その嘘を暴くことが「政治批判」になると思ってきた。先に挙げた「政府は国民の幸せなど全く考えず、いかによく働かせ税金を搾り取るかという観点から薬物を禁止している!」というのも、一聴すると「市民に自由を!」とシュプレヒコールで答えたくなるが、では月曜日に離脱症状でうっかり自殺したり「サーセン、副作用で動けないんで有給…はもうないんでしたっけ、まあとにかく休みます。…ツーツー」といった事象が多発するような社会に住みたい人間などいないのである。
こんにち、嘘を嘘と見抜くだけでは批判にならないのです。では…
続きは気が向いたら書きます。
私の母は毒親だ。
毒親の凄い所は、たとえ直接の関わりを絶ったとしても、延々と子供の脳内に巣食い呪いを撒き散らす所だ。
逃げるように家を出て、一人暮らしで自活を始めてからも、私は毎日のように母に罵倒や暴力を受ける夢を見た。
一人暮らしを始めてからの数年に渡って、夜は悲鳴を上げながら飛び起き、朝は金縛りにあって幻聴で母の足音や罵声を聞いた。
起きている時も私の行動や思考の一つ一つを、脳内で母の声が馬鹿にして否定し、少しでも自分を褒めたり認めたりするとすかさずその十倍の罵声を浴びせた。
そんな私が、夢の中とはいえ生まれて初めて毒親に「勝った」と思えたので興奮のままに記録しておける場所を探し、アカウントを取得してここに辿り着いている。
母は私の容姿や性格をいつもケチョンケチョンに貶すだけではなく、よく暴力を振るった。
私を物で殴る時、母は次々と殴る物の材質を変えて私の反応を見る。一番痛がった物を、次からずっと使うためだ。必死でどれも痛くないフリをしようとするが、幼い子供だ、結局我慢できずに泣き叫んでしまう。脆い物なら、物の方が壊れる。
壊れにくさと痛さから、母が常習的に私を殴る武器はプラスチックのハンガーになった。
あれは痛い。服の上から殴るのではなく、脱がせて素肌を殴るのだ。
私は夢の中で実家に住んでおり、1泊2日で京都に神社仏閣巡りに行こうとしていた。
元々、全てが行き詰まった時に、突然思い立って一人で京都まで行き、7つの神社仏閣を巡って願掛け旅行(?)を決行した経験がある。
今回もそれだ。私の人生は切羽詰まっていた。新幹線の予約を取り、白装束でご利益のある神社を訪れる計画を立てた。
親に行き先を告げずに外泊などしたことがない。親が来客を相手している間に「ちょっと出かけてくる」と装って全身白に着替え、家を出ようとした。
白のワンピースはあるが、白のキャミソールが見つからない。とりあえず下着に直接ワンピースを着てみるが、透けてしまいこれはダメだと着替えようとしたその時。
親がキレた。
「何その格好、みっともない!!!早く濃い色のキャミソールを着なさい!!!」
願掛けのため全身白装束にこだわっていたので、拒否した。白のキャミソールを家で探すか買ってくるつもりだったが、親は一度キレると人の話を聞かない。
言い争いになりヒートアップした親はプラスチックのハンガーを手に襲ってきた。怒鳴り合いながら広い家の中を逃げ回り、数時間の攻防を経てなんとか家を出る。原因がどんなくだらないことでも、毒親にとっては自分に服従するかしないかが大切なので、こちらが全面降伏の姿勢を取るまで延々と戦いは続く。
新幹線の予約時間を過ぎてしまっていた。結局行き先を聞き出した親が車で京都まで着いてきた。
「あんたが一人で京都なんて行けるわけがないのよ。仕方ないから私が送ってあげるから感謝しなさい」
おそらくいつもなら私が形だけ反省と感謝をして丸く収まり、二人で旅行という名の親の行きたい所に付き添いが始まる展開だ。
だが今回の私は徹底して反発した。
京都に着いてからは強引に別行動を取り目的の参拝を終え、帰りの新幹線で親に見つかった。
私が一向に私が悪かったと認めないので、まだキャミソールのことで喧嘩しており、新幹線の中で怒鳴り合い泣き叫ぶ修羅場になった。
「お母さんのやってることはおかしい!どうして下着の色まで決められなきゃいけないの?」
「親だからに決まってるでしょ!親の言うことは聞きなさい!」
「それなら私もお母さんの下着の色勝手に決めるね。自分がされたら嫌でしょ?」
「親に向かってその態度は何だ!」
「親子以前に私は人間だよ!人に向かってその態度は何だ!」
「殴るぞ!」
「じゃあ私もお母さんが逆らったらハンガーで殴るね!」
「親を殴るとは何事だ!」
「だから、それ以前に私は人間だ!人に対して暴力を振るうとは何事だ!」
この返しを思いついたのは現実でも夢でも初めてだった。私はいつも親の屁理屈というか、屁理屈ですらない恫喝に丸め込まれてしまっていた。
延々とこの堂々巡りを続けた。家に帰れば殴られるのが分かっていたが、私は引かなかった。
「お母さんに勝手に下着の色を決められて不愉快な思いをしたので、それをやめて謝らないなら私もお母さんの下着の色を強制する。嫌がったらハンガーで殴る」
私はひたすらこの条件を主張し続けた。親がハンガーを振り上げる。私も咄嗟にもう1つのハンガーを掴み親を殴った。
物で殴り返したのは初めてだ。
毒親の悪夢を見ている時いつも、親に言い返そうとすると何故か声が出なくなる。そしてどうしようもなく涙腺が緩む。涙ばかりが流れ、かすかに囁くような声しか出せなくなる。それをまた馬鹿にされる。そして諦めるか、必死に叫ぼうとしながら目が覚めるかのどちらかだった。
今回の私は諦めず目も覚めなかった。ほとんど息しか出なくなった声帯で懲りずに同じことを主張し続けた。
大人の体になりハンガーを手にしている私を、親は本気で殴ってこなかった。結局脅しでしかないのだ。知っていた。誤魔化すように軽くぺしぺしと叩かれた。構わず私は殴った。これも何故か力の入らないフニャフニャの腕で、それでも出来る限りの本気で親を殴った。
「あんたの格好があまりにもみっともないから。あんなブラが透けた格好して恥ずかしい!馬鹿じゃないの?あんたのためを思って言ったんだよ」
言い訳をし始めたが、そもそも私は白のキャミソールを探していたので透けたまま外に出る気などなかったこともスカスカの声で説明した。
「そもそも、部屋で一瞬みっともない格好になったから何?そういうミスをずっと引きずって馬鹿にするのはただの意地悪だと思うけど」
「何度も言うけどあんたが親とか以前に私は人だ。人に対してその扱いはおかしいだろ。他人同士なら法で裁かれる案件だけど?それをすぐにやめないなら、私はあなたに同じことを要求し逆らえば同じ罰を与えます。自分がされたらどれだけ屈辱的か分かるでしょ?今私に下着決められるのをそれだけ拒否するくせに、私に同じことをしたんだよね?」
初めて親が折れた。親は謝らなかったが、すったもんだの末、私が適当に指定した下着を諦めて渋々身につけた。
そして目が覚めた。
いつも毒親の悪夢を見ていた時と同じように、全身汗びっしょりで喉はカラカラに乾いていたが、今までにない爽快感があった。
こんな単純な反論を今まで数十年間思いつかなかったなんて。
夢で親に勝っただけで、現実は何一つ変わっていない。現実の親はまた、都合のいい時だけ連絡してきて、私に対して支配的に振る舞うんだろう。
だけどその時の抵抗の仕方を夢に教えてもらった気がする。
それは先月のことだ。
私は夢の中でトイレを探してさまよっていた。
猛烈な尿意の中、便座に腰を下ろした時、私は気づく、オシッコが出てこないのだ……。
そう、それは明晰夢。
明晰夢……夢を見ているのに意識はハッキリとしておりそれが夢であることに気づいている状態。
夢の中で夢に自覚的であるということは、見たい夢を見れるということである。
飛びたいと願った次の瞬間にはビルの谷間を滑空することも、好きな人と恋人になることを願えばデートの場面に突然移る。
だが、突然の場面転換による負荷により夢はアッサリと終わる。
巷には催眠音声というものも流行っているが、あれらは結局の所はドラマCDの域を出ておらず、人間に理想の夢を見せるほどの機能は有していない。
自分の理想を、自分の意志でリアルタイムに描ける最高の遊びである。
だが成功率は非常に低かった。
私が明晰夢を見ることを夢見たのは、まだ性欲に溢れた中高生の頃であった。
二次元のキャラクターとリアルな恋愛をしたいという願望から、私は明晰夢の世界へと足を踏み入れた。
結果から言えば、成功と言えるだけの夢が見れたことは数回しかなかった。
元々寝付きが悪いこともあり、明晰夢を意識しながら目を閉じれば2時間経っても眠りにつけないことなどザラにあった。
あえて限界まで体力を使い切ってからベッドに入って、意識を必死に保ってようやく明晰夢に入るところまではたどり着いても、加速する妄想によって夢の世界が一瞬で崩壊し目覚めることばかり。
夢の強度を維持したままの展開誘導を身につけることは結局できないまま一時の流行りで私の明晰夢ブームは終わった。
その後も何度か明晰夢を見ることはあったが、大抵の場合私が選んだのは「どうせもうすぐ目覚ましが鳴る時間なのだからさっさと起きてしまおう」という選択であった。
明晰夢は楽しむものではなく、単に寝起きの前に意識だけが少し先駆けただけのものになっていた。
話はここで冒頭に戻る。
その日、強烈な尿意によって覚醒した意識の中で、私は自分が夢の中にいることに気づいたのだった。
とっさに目覚ましの音に耳を澄ましてから、その日が土曜日で自分が二度寝をしたことを思い出した。
かつて夢見た理想郷にようやくたどり着いた歓喜とともに、股間は爆発寸前の尿意を訴えてくる。
お尻とお腹に力を入れて無理やり尿意を押さえつけるも、意識は尿意に引きずられ私を何度もトイレへといざなう。
職場のトイレ、家のトイレ、実家のトイレ、駅のトイレ、オムツ、様々な景色とその中で放尿する自分のビジョン、そして実際には放尿していないことを知らせる肉体の感覚、破裂寸前の膀胱。
流石にこれは不味い……いくらなんでもこう何回も夢の中で放尿すればいつかは本当にベットに尿をぶち撒けることになる……。
私は夢の中で夢小説を描くことを諦め必死に身体を起こそうとした。
金縛りにかかったことがある人な分かるだろうが、夢の中で起きようとして身体を起こすと突然身体は動かなくなる。(補足:明晰夢≒金縛り 肯定的に捉えるか否定的に捉えるかの違いだよ)
なんとかベッドから転がり落ちるビジョン、ようやく目を覚ますビジョン、そのたびに気づく、それはこうあってほしいという幻想を見ているだけで実際の光景ではないと。
起床のために藻掻くこと数分、ようやく実際に目覚めトイレに向かう。
膀胱、その無限の広がりをただただ股間に感じながら、オシッコ我慢式明晰夢法という魔法の鍵がこの手に握り込まれていたことに気づくのだった。
オシッコガマン式明晰夢法とは、オシッコを我慢することによって尿意により意識を叩き起こし、明晰夢へと突入する禁断の秘術である。
失禁や膀胱炎といったリスクと隣合わせの禁術であり、夢の中に辿り着いても尿意に意識を取られて妄想を広げる余裕など一切ない。
このままでは尿意を我慢することに性的興奮を覚える変態以外には全く役に立たない代物である。
(尿意を我慢することに性的興奮を覚える変態であったならば、多様なシチュエーションの中で尿意を我慢できるだけでなく、夢の中で無限に放尿することも可能、更には衆人環視下での失禁さえノーリスクな最高のオナニーと言えよう。ズルイ。俺も性癖を変えるか。)
前もって言っておくと、僕は非科学的なことなどまったく信じていない。
心霊現象だのUFOだの未確認生物だの、ほとんどのことは科学で説明できるし、体験者の無知からくる勝手な解釈から生まれているにすぎない。
例えば、僕は寝る前にしばしば金縛りにかかる。なにか嫌な気配を感じるとともに身体が重くなり、手足が完全に動かなくなる。
しかし、『チコちゃんに叱られる』でも言っていたが、これは「夢」を見ているに過ぎない。体感的には、夢というより頭は起きているが身体は寝ているような状態なのだと思う。
要は、脳がバグっている。その証拠に、疲れているときほど金縛りにはかかりやすい。
時たま枕元に誰かの気配を感じたり、耳元で誰かが囁いていたりするが、脳がバグっているのだから、多少の幻覚や幻聴があってもまったく不思議ではない。
科学的に説明できるのだから、これを心霊現象とか超常現象のように語るのはまったく馬鹿げた話なのである。
金縛り中は、たいてい目をつぶって終わるまで耐えているのだが、その時は身体が重くなったり軽くなったりしていて、いつもと違うから気になって目を開けた。
そしたら、黒い人影が僕に馬乗りになって大きくなったり小さくなったりしていた。
ガチやんけ…
そう思った人もいるかも知れないが、チコちゃんも言うように、金縛りというのはあくまでも「夢」である。
夢なのだから、何が見えてもおかしくはない。あくまでも、僕の脳の中だけで起きる出来事だ。
さて、ここからが本題。
金縛りとは別に、本当に疲れ切った時に、深い海に沈んでいくように眠りに就きかけることがある。
なぜ「就きかける」のかというと、いつもその状態を途中で抜け出し、飛び起きてしまうからだ。
この体験は、臨死体験のように感じて、そのまま眠ると死んでしまうのではないかいう恐怖を覚える。
具体的に言うと、すぅ~っと意識が遠のいていって、徐々に音が聞こえなくなり、視界も一層暗くなって漆黒の闇になる。手足の感覚も無くなり、魂が肉体から離れていく感覚。
人間が安らかに死ぬ時は、きっとこんな感覚だろうと思えるような感覚で、まったく苦しくなくてむしろ苦しみから開放されるような感じだから、ある意味金縛りよりもずっと怖い。
一昨日の夜も、久々にそのような状態に陥った。ただ、あの時は、その状態から抜け出さずに最後まで逝ってしまったのだ。自分の魂が闇の中に消えて無になるまで臨死体験を続けてしまった。
しかし、それは予想外に恐ろしいものではなく、心地よいものだった。不思議なのは、そのまま眠り落ちるのではなく、無になった後ですぐに目が覚めた。
時計を見ると5分くらいしか経っていないのに、頭がものすごくスッキリしていい気分だった。
なので、昨日も同じ体験をしてみたくなり、心躍らせながら布団に入った。ところが、昨日はあまり眠くなかったからか、なかなか臨死状態に落ちてくれない。
どうしたものかと思って、色々試してみた。色々なことを想像してみたり、2つのことを同時に考えたり。
僕は、2つのことを同時に考えると睡魔に襲われる。例えば、会議の時に晩御飯のことを考えたりすると、即座に眠くなる。
で、昨日は仕事のこととエロいことを同時に考えた。すると、少し眠気が出てきたので、畳み掛けるように色んなイメージを脳内に巡らせた。
すると、突然多重円の図形が目に浮かんできた。白い背景に黒い線で書かれただけの単純な図形だっだ。
それが、クルクルと回転しているように見えた。円なのだから回転してもわからないはずなのだが、なぜか回転しているように見えた。
それをじっと見ていたら、ついに始まった、臨死体験が。
今度もまた深い暗闇に吸い込まれていく。ああ〜ぎもぢいいいいいぃぃぃ。
ところが、途中でブレーキがかかった。魂が消えゆく途中で妙に意識がはっきりしたのだ。
布団の中にいる感覚があったし、自分の部屋にいる感覚があった。目はつぶっていたけれども、目が覚めたような感じだった。
「つながらないよーつながらないよー」
という鮮明な男の子の肉声が。いや、僕は寝るとき耳栓をしているので、あんなに鮮明な声が聞こえるわけがない。きっと、脳に直接聞こえたのだ。
黙っていると恐怖に押しつぶされそうだったので、「何が!?何がつながらないの!??」と思わず声を出した。
しかし、その答えは聞くことができず、その後は何も起こらなかった。
ゆっくり目を開けると、暗い室内に薄っすらと壁と天井が見えた。それは、なぜかノイズだらけになっていて、まるで画質の悪いデジタル映像のようだった。
起き上がって、しばらく呆けていたが、「これつながったらどうなってたの?」と考えたらとても恐ろしい気持ちになった。
最初に書いた通り、僕は非科学的なことなど一切信じないので、これもきっと科学で説明できるはずだと信じている。
統合失調症みたいなものかも知れないし、脳疾患の前兆の可能性もある。
悪化するようだったら、これをプリントアウトして病院に行こうと思う。
ただ、僕がどこかにつながってしまってどうにかなってしまったら、この話を思い出して欲しい。
怖くて眠れない…。
在宅ワークの昼休みにうとうとしていたら、金縛りに遭った。若い人に多いとどこかで聞いたことはあったが、アラサーでもなるらしい。
ベッドでは動けず、目も開けられない中でシャワーの音が聞こえた。今は部屋に誰もいないのに、はっきりと誰かがシャワーを浴びる音が聞こえる。怖くなり辺りを見回すと、そこは自分の家のようで自分の家ではなかった。青を基調としているはずの寝室が黄色い。もしかしたら、パラレルワールドに来てしまったのかもしれないと思った。
いまの自分の意識の他に、ここでの自分の意識があるようで、数日後に同窓会が控えていることを憂鬱に感じていた。それでも会場は好きな店らしく、「私」はメニューを思い浮かべることに楽しみを見出していた。意識をもう少し探ると、この部屋はいまの部屋よりも少しだけ広く、リビングまでもが黄色で統一されていることがわかった。好きな色は緑なのだけども。
シャワーの音が止まる。出てきたのは、いまの世界の同居人だった。数年同棲してこの先の望みが薄い恋人と、この世界でも一緒にいるんだなあと落胆しながらも少し安心した。
私の姿を見ると、この世界の彼は言った。「四千(頭身)の都築くんと飲みに行ってくるわ」もちろんこちらの世界で彼は都築さんと面識があるわけでも芸人というわけでもない。有吉の壁で見るくらいの距離感だ。すぐに彼が出て行き、鍵がガチャリと閉まる音が確かに聞こえた。
本来誰もいないはずの空間に人がいなくなったことに安心し、金縛りにじっと耐えているうちに目が覚めた。単なる明晰夢かもしれないけれど、今とほんの少し違う世界の存在を期待するのは悪くない。
十代半ば、実家にアレコレが起こり、数年で家を失うことが確定していた。
実家はそれなりに商売で成功しており、数年前に家は建て替えられ、わたしには念願の自室が与えられていた。
自室には天窓があり、屋上への出入り口があり、屋上からは外に降りる階段も設置されていたので、ここぞと自由を謳歌していた矢先。
両親は怒声を上げながら責任を押し付けあう喧嘩をし、子どもたちは仲裁をしながら泣いた。
この頃、わたしは眠れなくなった。明け方頃にやっと眠れたと思うと、一瞬で目覚ましベルが鳴った。授業中も意識が朦朧とし、学業の成績は下がった。
眠れないと、夜の時間は長い。布団に入ったまま、天窓から何も見えない空を眺め続けた。
そうしていると、キシッ、ピシッ、と階段が軋むような音がする。
パキリ、カリッ、と窓に何かが当たるような音がする。
そうしてついには金縛りにあう。それまでに体験したことのない現象に、わたしは恐怖した。これはもしかして心霊現象、怪奇現象、そういうものに襲われているのではないか、と。
自室を失ってしばらくすると、そうした現象は収まった。一家それぞれのベッドルームはなくなり、すぐ隣で家族の寝息が聞こえた。煩かったが、金縛りよりはだいぶマシだった。