はてなキーワード: 機関士とは
#外航船員に限る。
荷物入れ
・登山バッグ
・キャリーオンバッグ
外地乗船の場合も含めて考えると、キャリーオンバッグは過剰かも。
PCCの場合はランプウェイ(車の通り道)から乗り込めると思うから、気にしなくてもいいけど、
その他はギャングウェイ(狭い階段)だからスーツケースが重くなりすぎないようにしよう。
ギャングウェイワッチの部員がクレーンを動かしてくれることを期待しつつ見上げてみよう。多分気づかないけど。
取り出しやすいところに作業着、トーチと安全靴(機関士の場合)、デジカメ、メモ帳は入れておこう。
忘れたら取りに帰らされるぞ!その他書類で会社が忘れることもあるから、先輩にも確認。
何が何でも書類だけは肌身離さず持っといて、ロストバッケージしても仕事できるようにしとこう。
仕事用
・トーチ タンク点検もあるから航海士機関士問わず。ヘッドライトも便利っちゃ便利だけど、トーチは必須。
・耳栓 2,3セット
・ゴーグル 時たま使うけど、船内にも基本ある。
船内備品は粗悪品も多いから(買付地の関係)、耐久性が求められるものは自分で持っておくとよい。
そういう意味ではボールペンは必須。職務上手書きが多いから、新品で使えないゴミを
つかまされると悲しい気分になる。
・普段着 4,5着(作業着の下に着る用と普段使い用) 乗船時の恰好は綺麗目にして上陸でも着れるものが吉
・タオル 5枚ぐらい
・髭剃り 日本人来るなら身だしなみを整えとこう。
・ゴシゴシタオル
・洗顔
・洗剤 柔軟剤はよりけり
・寝巻 着ている人を見たことないけど、寝るときは基本動きやすいもので。
・目薬 船内乾燥してるので
・薬 酔い止めとか腹痛用とか。飲料水がよろしくないこともあるから。
生活日用品は、乗船後の私物品買い付けや上陸地で手に入るから心配せず1セットで。
ただ、こだわりがあるなら下船まで持つように入れておこう。
その他
・充電器 Cタイプ、Bタイプ、ライトニング、カメラ用、パソコン用と忘れないように
・コンセント変換アダプタ 下船地が読めないなら1個持っとこう。
・POKEFI 通信安いし、窓際に置くルーターとして使えるから便利。
娯楽
・楽器 エレキ単音なら隣室に聞こえないと思う。レクルームならアコギとか弾いても怒られない。
・釣り 沖待ち中とかならお好きにどうぞ。
・お酒
次の乗船に持って行ってみるものをこっそり追加(2023年3月13日)
・消臭剤
以上。足りないものがあったら教えてね。
1. 機関士と航海士だったらどちらが良いですか?なりやすさ、続けやすさ、転職しやすさという観点からもご意見教えていただきたいです。
なりやすさは機関士の方が圧倒的。なぜならば圧倒的に外航業界の人数が足りないため、需要があるから。
転職のしやすさというのも機関士の方がよい。メーカー、船舶管理、内航、造船所と海運系では引く手数多である。
続けやすさも機関士になるのかもしれない。機関士の方は航海中0800ー1700の一般的なサイクルで働くため。
航海士で身につく能力は海事法律、英語力、コミュニケーション力、マネジメント力。
実際に矢面に立つことも多く、対外的に動いているのはすべて航海士である。
陸に上がれば営業につくことも多い。
機関士で身につく能力は機械類(エンジン、電気工事、造水器、エレベーター、ボイラー、ポンプ、モーター、トイレなどなど多岐にわたって整備する)整備能力、マネジメント力、トラブルシューティング。
機械や造船のエキスパート(実際には専門家にはかなわないが、広く浅く)になっていく。
一般の陸上職につくのであれば、航海士の方が上手く立ち回れるだろうが、マリン系であれば機関士は重宝されるだろう。
別の観点から言えば、航海士機関士ともに理系であるが、特に機関士は理系色(工学色)が強く、航海士はそれほどではない。
ただし、入学後でも反対のコースに行けるから、はいってから考えてもよいかもしれない。(1年以内なら留年の必要もない)
そういった諸々をしっかりと考えて選ぶべき。
2.商船高専から神戸大や登用海洋大編入って、普通の入試で入るより簡単ですか?
私の在学時は商船高専からの編入は一人もいなかったのでわからない。
ただ、大学自体の難易度もさほど高くないので、人生設計的な意味でも普通受験の方が良いのでは?
3.神戸大と、東洋海洋大だと、偏差値がだいぶ違うのですが、就職先の良し悪しも大分違いますか?
海上職員だけをとってみれば、東京海洋大学の方が就職は強いように思える。
就活時のフットワークが軽くなるため、ちょっとした食事会や会社訪問に行きやすいからだ。
あるタンカー会社はちょっとした食事会への参加度で採用を優遇していた。
そんなわけで、少なくとも私の代では東京の方が優遇されていた。大手に関してはどちらでもそんなに変わらない。
4.将来的に報酬が安価な外国人労働者に仕事が流れにくいのは機関士と航海士どちらでしょうか?
0になることがないが、万が一これからそのような状況が再び起こったとしたら、機関士・航海士ともに減っていくだろう。
航海士に関しては自動運航船が急ピッチで研究されていることを考えれば、機関士よりかは減る可能性があるかもしれない。
追記3
高収入だけどビジネスマナーがつきにくい点などはナイトワークとも通じるところがありそう。性愛関係はどんな感じなんだろう。そして「危険作業は外国人クルーがやる」というのがサラッと書かれてるのが気になった。
ここが気になる人がいるのは少しだけ意外だったかも。
外国人っていうのが多分ひっかかるんだろうなと思ってる。間違ってたらごめんなさい。
実は船員っていうのは基本的に職員(オフィサー)と部員(クルー)にわけられるの。で、職員は日本なら海技士免状みたいな免許を持ってる。
職員は現場作業だけでなくて、事務作業や当直作業を行うことができる身分ね。
だから、日本人クルーがいれば、日本人クルーに危険仕事をまかせて職員は安全管理とかするんだ。
危険仕事に関しては溶接みたいな火気作業、酸欠防止策をとらないといけない閉鎖空間作業、フルハーネス着用とかする高所作業がある。
もちろん人によっては職員が全部ひとりでやったりもするけど、クルーにまかせて職員は安全管理するのが普通だと思ってる。
ちなみに俺は怪我されるのが一番面倒だから、高所作業に関しては自分でやってる。溶接苦手だし、閉鎖空間は外に看視員おかないといけないからクルー任せ。
感覚的には職人の仕事もちょっとはできる現場監督とかが近いのかもしれない。
2月末にオデッサ寄港で黒海艦隊に撃沈されるところだった、みたいなリスクもあるからな...
こういったリスクは言いたくないけど確実にある。
去年もホルムズ海峡だかで日本のどっかの船に爆弾しかけられて、穴空いてたし、それ以外にも商船三井の自動車船は燃えてた。
あくまでも自分の感覚だから一切参考にしないでほしいけど、そういった事故に巻き込まれる確率が陸にいて交通事故とか天災にあう可能性を考えたら
そんな変わんないだろうと思ってる。
その仕事、リモートワークある?
ないです。でも、満員電車乗らなくていいよ。。。どう?
魅力的な仕事だ……と思う一方、商船大の機関士コース卒でも半分しか外航機関船員にならないのが気になる。書いてあるデメリットが想像以上に重いんだろうか
機関士コースの方が就職がいい(らしい)ってのが実はある。コース分けした後の乗船実習に参加した分、船の理解あるってことなのかな。わからない。
他に学生のうちに船員になりたくないって心変わりする人は、練習船実習の共同生活に耐えられなかったり、海技士の筆記試験で2級1級とるのに心折れたりと様々。
あと大学と機関科又は航海科で変わるんだけど、単位がとれなくてあきらめたりするやつもいる。
俺が挙げたデメリットを明確にイメージして辞めたというよりかはもっと別の理由が多いかな。
そもそもそういう仕事をあまり知らない上に、マンガとかでは「マグロ漁船に乗せる」みたいにネガティブに表現されがちで、船の仕事にいい印象を持ちづらいかもしれない
今、マグロ漁船も大学生で就職する人がじわじわ増えてるらしいから、少しずつ変わってると思いたい。
といった手前申し訳ないけど、俺はマグロ漁船乗ってやっていける気はいない。。。
船小さいから揺れるだろうし、個室じゃないだろうからほとんどプライベートなさそうだし、いい意味でも悪い意味でも日本人ばっかりだし。。。
俺らみたいな商船乗りとは違って、漁船乗りややっぱりザ・船乗りって感じがする。
ネット依存症が多そうなはてブでネット環境貧弱なのは論外では
正直俺も、電波があるときはYoutubeとかはてぶ見漁ってるし、そんな変わらんかも。
石油運ぶ商船会社の陸オペ勤務してた女性を知ってる。語学が堪能で事務仕事をしてたけど研修で泳がされてたなあ…。かなり職場環境はいいといってた。体育会系の現場にキツイ上司がいるのは仕方ないよね。
船員は確かに体育会系の方だけど、中でもオイル系は完全に体育会系だよ。
上陸できない、暑い、航路危険だからストレスも溜まるのかもしれない。
俺もオイル系の商船会社行けって言われたら全力で断ると思うくらいには、いいイメージは持ってない。
その分、給料は機関士でも危険手当とか荷役中の時間外手当とかいっぱいつくから初任給でも60とか平気で超えるんじゃないかな。
イーロンマスクと交渉してどこでもネット使えるようにしよう
今は大手を中心に陸からのオペレートに力を入れているところばかりで、将来的には自動運行船とか、陸からの機関監視システムを
推し進めていこうっていう声も多いから、ネット環境に関してはどんどんよくなっていくと思うよ。
5年前とかそんくらいは中小はどこも、ほとんどWi-fiなかったし。
DVD何枚位持っていくんだろう。ほぼネット無しの8ヶ月分の暇つぶしを用意するのかなり大変そう。昔は本を何十冊と持って行ったのかな。
ほとんどNetflixとかYoutubeのオフライン視聴機能使って満喫してる。あとKindleにも一杯入れてる。
ネットなしって言っても、長くても3週間くらいで港近くにつくから、そしたら電波頑張って拾ってやや不便ながらもネットしてるよ。
昔はそういう娯楽のシステムがきちんとしてて、陸についたときに大量に雑誌とかDVDを取り寄せることができてたんだ。
だから、今も昔も個人で大量に持ってくる人はまずいないかな。データは大量かもだけど。
航海中の病気や怪我が怖いよなあ
怖いよ。陸が近ければヘリコプターで洋上輸送とか、そうでなければ乗組員が簡単な応急処置をする可能性もある。
俺も船舶衛生管理者の資格あるから、一応船内で大洋航海中であれば外科処置できることになってるんだけど、
できる気はしないなー。
俺が過去に聞いた噂で一番やべーって思ったのは、盲腸の手術を無線で医者に聞きながらしたとか聞いたことある。
流石にウォシュレットトイレはないですか?あと病気になった時が不安だ…
ウォシュレットはありません。清水は大事なんで。トイレの流しも清水が少なくて済むバキューム方式か、海水方式がよく使われてます。
バキュームとか整備するのが面倒で嫌いでした。
海水洗浄は長い目で見ると腐食とか面倒なんで嫌いです。つまりトイレは嫌いです。
コロナ禍で船賃暴騰したけどお賃金に反映された?(´・ω・`)
船上で釣りとかできるのだろうか?
釣りが趣味の人は多いよ。ただ錨泊とかドリフティング(流れてるだけ)とかのときしかやっちゃダメかな。
船員にアニオタは居ますか?
アニオタ普通にいるよ。なんなら外国人クルーとか日本の漫画とかアニメとか好き。
フィリピンクルーの中で、今年はスパイxファミリーが流行ってたし、去年は鬼滅の刃が流行ってた。
タンカー乗りのアニオタは少し苦労するかも。寄港先で部屋チェックあることがゼロではないらしいんだけど、宗教上の理由で日本の女の子の絵とか際どいときがある。
4か月まとまって休暇あるから、日本一周したり、海外適当に旅行する余裕がある。
面白いなー。長期間船乗ってると運動不足になりそうだけどその辺どうしてるんだろう?8ヶ月も上陸できないとなると散髪とかも気になる
ジムがついてて、設備は船によるけどトレッドミルとかベンチプレスとかついてるよ。
甲板上を走る人もいないわけじゃないけど、鉄板だからまずおすすめしない。
機関士は航海士とかと違って暑いところで行ったり来たりすることも多いから、あんまり運動不足にはならないかな。
散髪はお互いに切ったり、自分で切ったり。基本的に下船したら髪整えに行くよ。
冠婚葬祭に参加できないとか、友人関係がひどく限定されるとかありそうだなあ。20代でFIREの足がかりとしてはいいかも?
よく言われるのは親の死に目には会えないっていうのは決まり文句だね。
ただ、実際には交代要員が用意できたりすれば港で降りれるから、もし家族が危なそうなら会社に報告すると吉。
友人関係は意外に変わらないかもしれない。休みが長い分、相手と遊べる時間も多い。
投資的な意味で言えば、やってる人はいっぱいいる。今一緒に乗ってる日本人は全員やってるね。
俺は配当でサラリーマンのお小遣い1年分くるくらい。益はプラスだけど、利確するつもりはないから配当だけ。
試験官が受験生を罵倒してくる海技士口述試験の悪しき伝統はまだ残っているのかな
残ってるよ。
こんなこともわからないの?とか向いてないんじゃないの?とか言われる。
でも、そんなこと言いながら合格させてくれるから、ツンデレなんだと思ってる。
そんな人が全てじゃないけど。
「タンカーマンはかっこいいけど」何がどうカッコいいのか全くわからんくて草。独特の価値観があるのかな。
タンカーってめちゃくちゃでかいうえに、機関士も荷役に参加する仕事なんだ。
しかも、危険物を、危険な航路で運んでるからカッコいいと思う。
昔は機関士で、タンカー乗れば船は何でもできるって言われてた。
珍しく船員の話やな。0-4当直きついし、年取って病気なる確率高いの言わないとフェアじゃないぞ/カナヅチだと大学の水泳の実習の単位取れないのでは?/もう東京商船、神戸商船の認知度なんか年寄り以外無いよなあ
5年10年前に乗ってたのかな。0-4直はもう電子海図になって、紙海図はなくなったから時間帯除けば楽になってるよ。
一等航海士は依然として荷役中死ぬほど大変そうだけど、時間外が桁外れについたりして給料めちゃくちゃいいらしい。
年取って病気になる確率高いのは、昔のステレオタイプの船長機関長が残ってた時の話かも。
あの人たちはめちゃくちゃビール飲んでとめちゃくちゃタバコ吸ってたから、病気になってた。
東京海洋大学はさかなクンで有名だから。。。神戸商船は神戸大になったし。
遠泳って神戸大に今もあったっけ。忘れた。
それはそうと青函連絡船の事故とかあれどうなんです?
あまり詳しくないけど、昔の事故は気象情報とか少ないししゃーないところもあると思います。
事故が頻発していた昔(それこそタイタニック号など)と違うことは、船級検査や安全条約、PSC(港で検査に来る人)といった
安全に対する取り組みがとてつもなく厳しくなっているというところです。
例えば、ドアがしっかりとしまっていない、エンジンルームが若干汚い、ということだけでも指摘されて、船としての安全性評価を下げられることがあります。
そういった安全への取り組みは日本海運会社はしっかりやっていると思うので、外航船に限って言えば海難リスクはそこまで高くないのかもしれません。
日本人が乗り込まないような、船価が安い船は整備がきちんとされていないこともあります。
ある程度、みんなが気になってることが答えられたかなと思う。
外航船員として数年働いてるんだけど、なんで皆ならんのかわからん。
商船大学に入るのはそこまで難しくないし、就職難易度もかなり低い。(機関士なら普通大学から中手企業行くくらいの努力で大手の日本郵船とか商船三井行けると思う)
乗船期間は半年から8か月がデフォでちょっと多いけど、その分休暇は3,4か月がデフォで、多いときは5か月とかもらえるときもある。
最近はまずないけど、乗船期間めちゃくちゃ長くなる時は12か月とかある。それ以上は労働条約を理由に船止められたりするリスクが発生するから伸ばされない。
乗船中の給料は大体倍だから初任給で額面50万近く行く。休暇中も基本給は必ず出るから、寝てるだけで金が入ってくる。
俺のいる会社は人も少ない中小企業で、給料はもちろん大手よりは安いけど1年目とかの年収は600万余裕で超えたわ(乗船期間は長かったけど)
今年は海運ボーナスどこもいいから、1年目の子でも8か月ちょいの乗船で600万行くと思うよ。
年収もそうだけど、なにより衣食住がまずかからん。朝昼晩きちんと飯が出て、チーフコックにもよるけど美味しいもんが食べられる。
コンビニとかは気軽に行けないけど、ビールとタバコは免税で買えるし大量注文した個人のものを届けてくれるシステムもある。(基本クレーンで積み込むから10万円分とか買ったりする。)
最近はコロナで降りれんけど、海外に上陸するチャンスもそれなりにある。寄港している間だけだけど、決まった時間外出して飲んだり買い物したり観光したり。
俺も有名どころならサンフランシスコやサウサンプトン、ドバイとか行ったし、マイナーどころではグアテマラとか南アフリカのケープタウン行った。
3Kのイメージがあるかもしれんけど、航海士なら言うほど3Kじゃないし、機関士も下手な工場とかよりは危険度少ないと思う。
そういう危険な仕事はオフィサー(航海士、機関士)じゃなくて外国人クルーが基本的にやっているってのがある。
奴隷みたいに扱ってるとかじゃなくて、指示出しや安全管理、書類作業がオフィサーはメインになってるから、クルーが安全にやってくれるようになれば危険作業に手出さなくてもよくなる。
キツさで言ったら、港が連続で続いたり、俺は機関士だから機械にトラブルがあったらかなり残業することもあるけど、
大きなトラブルなんて古い船で3か月に1回あるかないかって感じ。多分、労働時間的にはホワイト企業に少しブラック混ぜたくらいの感じだと思う。
ただの貨物船なら1か月の残業時間なんて5時間ぐらい。その代わり土曜は出勤になるし、残業しても27時間以内ならタダ働きだけど。
英語ができないとかいう心配もあるかもしらんけど、機関士に限って言えば英語できなくてもほぼ大丈夫。できるようになるから。
航海士も英語苦手って人がいたけど、なんやかんやでできるようになってたよ。
つか、造船所下請けの入れ墨いれてる若い兄ちゃんとかがブロークンイングリッシュでフィリピン人とコミュニケーションとれるんだから、大学行けるレベルなら大丈夫だろと思う。
最悪になるかもしれないのはやっぱり人間関係かな。
外国人は別にいいんだけど、日本人との関係は結構面倒くさいかも。
個室とはいえ、24時間一緒の船で生活するわけで、古い慣習を持っている人も残ってるからつらい人には辛いと思う。
タンカー系の会社とか、大手の中のとある1社とかは酷いハラスメントをする船長・機関長がまぁまぁ残っているらしい。
永遠に飲み会してたり、殴ったり、人格否定したりと。知り合いも鬱になって2年くらいで辞めてた。
もちろん全員じゃなくて、ごく一部(会社内でも問題児扱いされているらしい)だからじきにいなくなることを期待している。
船長・機関長まで育てるコストが馬鹿にならないから、なかなか首にできないという噂。
あと、ビジネスマナーとか陸職経験するまでつかないから、関係ない会社に転職するのは苦労するかも。
外航船員も年数がたてば陸に上がって数年間務めて、また海に戻るの繰り返しするのよ。ただ28、30歳ぐらいになってようやく陸職するから
ただ、その分船員としてのスキルは上がるから、陸に上がってからは頼りにされるし、転職先でも歓迎されやすいらしい。(機関士の場合は特に)
出世の心配がもしかしたらあるかもしれないけど、大手の話で言えば子会社の社長や役員してたりするから、高望みしなければ十分じゃないかな。
結局優秀な人は別ルートで評価されて出世すると思う。ただ優秀だと船に戻されずに陸が長くなるらしいよ。
ここまでメリットだらけなのに、なんでみんな外航船員にならないのだろうか。
ちなみに今日は仕事が早朝4時間あっただけで、あとは全部休みだったから酒飲みながらこれを書いている。
意外に気になる人もいるみたいだから、色々答えてみる。
みんなが「ならない人間前提」の書き方に違和感 あと、この業種の、10年前・20年前の状況書いてないのは草
"乗船期間は半年から8か月がデフォで" まずこの時点で無理って人多いんじゃね?自分が平気だからって多くの他人も同じだと思うなって話
まず、タイトルでみんなって主語を大きく書いたことはごめんなさい。
この上の人はある程度詳しい人だと思うんだけど、多分、一般の人が思っている以上に外航船員って少ないんだよ。
商船大の話なんだけど、大体機関士になれるコースは30人くらいいて、そこから15人ぐらいしか外航機関船員にならないんだよね。
商船大は神戸大と東京海洋大学しかない(厳密には違うけど、外航船員と言えばこの2つ)から、1年で30人程度しかならないのよ。
そんで日本外航船員は航海士と合わせて3000人くらいしかいないから、いい仕事なんだし倍くらいには増えてもいいよなって思ってる。
知名度が低いだけで、もっと浸透すればそれくらいは絶対行くと思ってる。
10年前、20年前に比べれば、労働条約とかもしっかりしてるし、組合との取り決めもいい方向に向かってるんじゃないかな。
タワマンの最上階より揺れてそうで俺には耐えられないな
船員って実は船酔いする人多いよ。俺も救命艇ぐらいのサイズなら普通に酔うし。
外航船のサイズって200m余裕で超えるものが多いんだけど、そのサイズになると波の波長より長いからそんなに揺れない。
自動車船乗ってた時は冬場の太平洋で2日間揺れたくらいで、他はほとんど揺れなかった。
揺れてた時は機関長も、一部のフィリピン人もダウンしたから、軽い仕事だけになってた。
ネット接続はどうなの
船によってはクルーのプライベート用に契約してて、よく覚えてないけど1GB1000円とか6時間3000円とかで買えるから、それ買ってスマホで使ってたよ。
俺は寝る前とかにYoutubeの動画をオフラインに落として、仕事終わりに見てた。フィリピンクルーはビデオ通話よくしてたね。
ウチみたいな中小は船によりけりだけど、大手さんみたいなところはもしかしたら無制限無料開放してたりするかも。
それでもやっぱりまだ遅いだろうけど。
船のインターネットって10年遅れてるって言われてるから、もう少しすればもっと快適になるかもしれない。
港はよっぽど田舎じゃなければ、海外用SIMとかでネット使える。
コロナで自分の家から出られなくて気が狂いそうになってる人もいたのに、知らないおっさんと同部屋で8ヶ月航海とか常人には無理やろ。潰しも効かなそうだし。
同部屋ではないよ。個室があるから、航海中のアフター5は基本1人部屋でのんびりしてる。
シャワーとトイレも部屋についてるから別に部屋から出なくてもいいし。
半年で辞めた知り合いとかは内航船に転職してたね。内航船なら3か月乗船とか、1か月乗船、タグボートとかなら毎日帰れるらしい。
内航船も人手が足りないし、高齢化が始まってるから、30代過ぎの人でもチャンスはあるよ。
まだ若いけど大学行き直すのはちょっとって人なら2年の短大ぐらいは行っといたほうがいいかも。
大手の子会社とか、しっかり海運業界でネームバリューがある会社じゃないと当たり外れが大きいらしいから。
結婚は?
30はじめくらいで陸勤が5年ぐらいあるからそのうちに探して結婚ってのがデフォかな。
コストカットで人員減ってるめぅよ
景気の状況で採用の増減はあるけど、人員減ってるイメージはないなー
日本人は資格がないクルーとして配乗されることはほぼ0になったけど、資格持ちのオフィサーはあんまり変わってないよ。
育てるコストが尋常じゃないから、リストラされるって話も聞かないし。さすがに会社潰れたところとかは船員もリストラされたけど、
タバコねぇ。タバコデフォの業界ってあるけど、ちょっと、、、、。ま、基本的には、退屈だから敬遠されるんやろね
タバコは吸う人は吸うって感じかな。今は制御室とかも禁煙になって船でも喫煙者は肩身が狭くなったよ。
日本人の中だけで言えば、タバコ吸う人の方が少数派かも。フィリピン人は半分くらい吸ってる。
“マイナーどころではグアテマラとか南アフリカのケープタウン行った。”サウサンプトンと同じくらいのメジャーに感じる。港町基準だと違うのかも。
正直降りた町の名前とかそんな覚えてないけど、アメリカ、中南米、ヨーロッパ、中東は自動車船なら結構よく行って、タイミングよければ知らん町上陸できるよ。
どれだけ収入が高かれどブルーカラーに成り下がるくらいなら死んだほうがマシでしょ
機械のトラブルシューティングみたいな仕事だけじゃないし、エンジンルーム暑いし。
陸上がって数隻の船を担当することになれば、完全にホワイトカラーの仕事だけになっちゃうけどね。
日本人がやらないから東南アジアの若い子ばっかなんだってよ。まあ建設とかもそうなってるよね
これは少なくとも外航船員に限っては違うよ。漁船とかはそうなのかもしれないから海運業界全体で嘘かはわからないけど。
日本というか、世界の裕福な海運国に限って言えば、フィリピン人とかインド人、東ヨーロッパの人を使うのは安いからに限る。
今は外航船員が減りすぎて、有事のときとか外国人船員は拒否るだろうということで、国を挙げて増やそうとしてる。
追記2
"陸職"って言い回しは独特だ!無気力に生きてたり取り立てて目標もスキルもない若手にはいいのかもね。
確かにそういう若い子で、船に興味が少しでもあるなら外航船員と言わず商船大だけでも考えてほしい!
チョイ憧れたけどカナヅチなので無理。
カナヅチの度合いによる。
泳ぐってか5年に一度ある講習みたいなのでほぼ浮いてるだけだけど。
就職する段階で『普通に結婚して、土日は子供と遊んで過ごす』キャリアパスにキチンと見切りをつけるのが難しいのかも?
やっぱり子供ができてから海上に戻るのが辛くて陸上を希望する人とか、転職する人は知り合いでも多いね。
機関士の場合は、SI(Superintendent)っていう船舶管理の仕事を陸で経験するから、それ関連とか、船舶機器系の会社に転職することが多いよ。
辞めるのは会社としてはあまり喜ばしいことじゃないだろうけど、潰しはきく。
ポールグリーングラスの現代海賊映画『キャプテン・フィリップス』を観ちゃったので…。
ここ数年のニュースだと、ソマリア付近で海賊出て襲われたのはゼロなはず。
タンカー会社入るんだったら、少なからず覚悟はしないといけないけど、今海軍とかいっぱいいるから海賊被害はまだ安全だよ。
タンカーマンはかっこいいけど、上陸は難しいだろうし、危険海域入るし、暑いしあんまり憧れない。。。
人間関係もだけど、酒飲めないと辛そうだな。
うちの会社ではまだ酒強要してくる人にあったことないけど、上でも書いた通り、人によっては酒癖悪い人はまだ残ってる。
ただ、もちろん下戸な人もいるから、まったく飲めないってわけでもなければ問題ないかも。
多分、酒に関して言えば陸と同じぐらいの文化レベルなんじゃないかな。
俺は酒好きだけど、あんまり飲み会とかせず部屋でチビチビ飲みながらDVDとか見てる。
戦争になって真っ先に徴用船となり、なんの補償もなかった歴史を知らんのか
もちろん知ってるし、日本郵船博物館とか神戸の戦没者の展示も見にいったよ。
でも船が徴用される段階って、陸にいても海にいても大して変わらないんじゃないかな。
女性でもなれますか?ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ大学は行けるとしても採用してもらえますか?
もちろん、小さい船会社は女性を受け入れる土壌が整ってなくて、採用されないかもしれません。
そういう点では陸よりも不利益を被るかもしれません。うちの会社は女性が応募してきたことがないのでわかりませんが。
少なくとも大手に関して言えば女性は採用されています。ちょっと違いますが練習船であれば女性オフィサーも多いです。
多くの人が知りたいであろう「女でもなれるか、おっさんでもなれるか」の質問に答えてくれてなくてお察し。自分は年齢的に無理だろうけど若い人たちに新しい選択肢を与えてくれてありがとな。
返信遅くてごめんね。
おっさんには外航船員は厳しいと思う。俺が知ってる中で一番就職時高い年齢は26か27歳くらいだったよ。会社員辞めて大学に入りなおしてた
内航船員なら30代後半でも全然若手扱いらしいけど。
以前に興味は持ったものの、なり方とかよくわからなかったな
外航船員に限った話で言えば、
ってのが一番多いと思う。
商船高専からでもなれるけど、航海士の方がかなり狭き門だし、機関士でも大学生と違って優秀さが求められるかも。
まぁ会社によっては定員割れしたところもあるから、今は言うほど難しくないかな。
あと、今一般大学行ってる人でも、大手の日本郵船、商船三井、川崎汽船に限って言えば自社養成コースってのやってる。
ただかなり倍率高いらしくて、俺が聞いたことがあるのは東大京大、早慶、一橋。体育会系で賢い人たちばっかりだった。
“船長・機関長まで育てるコストが馬鹿にならないから、なかなか首にできないという噂。”結局後輩がいなくてダメになるパターンでは。
俺もそう思う。そういう人たちは日本人と乗せない(外国人には優しいけど、日本人には厳しいって人が多いから)、船に乗せないって対策をとってるところもあるって聞いた。
商船大学に入るのが難しくないのは受けようとする人が少ないからであって お前が言うようにみんなが外航船員になろうとしたら難しくなるやろ
テレビ東京で特番3回くらい組んでも、ドラマやっても大して倍率変わらんかったぞ。
船長まで行って引退後は東京湾か瀬戸内海でパイロットして悠々自適生活が理想だよな
俺は機関士だからそういうルートはないけど、船長からのパイロット(水先案内人)はやばいよね。
忙しさはわからないけど、聞く限りでは商船で船長やるよりかは楽らしいし。
落ち着けや兄ちゃんと思うけれど、取り敢えず船乗りとしてやることはやっておかなきゃねと。
船乗りにありがちな学歴。ただ東京海洋大へ非常に努力の跡が見える。水産高校や海上技術学校、商船高専から東京海洋大学へ進む船乗りはかなり少ない(後継者不足で高卒・短大卒でも問題なく就職できるから)。
1級海技士(航海)取得
ジョブは航海コースになったようだね。少なくとも最低4年半以上は実務経験が無いと取れない。どこまで大きくても船なら何でも操船して良い資格。1等航海士や船長レベルの資格。
これは珍しい。海上技術学校卒なら4級海技士(機関)のはず。何らかの理由で機関士として半年以上は実務経験がある。人手不足だったのかな?1級海技士(機関)とかだったら嘘松認定したんだけど3級だと状況によっては普通にあり得る。
これを見た瞬間に本物の船乗りだと思った。海技士免状は実務経験なくとも筆記だけなら取得できるので。実務経験積んだ後に本試験みたいなの受け晴れて本免状が得られる。
新旧という表現は完全に業界人しか使わない。小型船舶という括りならどれだけ大きくても操船して良い資格。
当直という航海中に見張りするのに法律で決まっていて絶対必要な資格。ジョブは航海士っぽいし持っていても不思議じゃない。
船上で簡易的な医療行為も行える資格。食品衛生責任者よりも船の上ならば強力。准船医みたいな位置付け。正しく船医には医師資格が必須。
救命艇手取得
マニアックだ。何かあって船を放棄したとき救命艇であれこれする資格。
船乗りで海事代理士を持っている人は本当に珍しい。俺も持ってはいない。過去には老後の仕事として取得した人が居たらしいけど最近はあまり聞かない。少なくともそこらの船乗りよりも海事法規へ圧倒的に詳しい。
ちゃんと仕事してペーペーの3等航海士あたりから出世して実務積まないと上の資格は取れないから船乗りとしての実力は高いんじゃないかな。少なくとも内航でウダウダやってる俺よりは優秀だw
核融合エンジンの噴射は艦橋区画の重力を微妙に変化させつづけていた。
新米航宙士なら尻ではなく口から食べた物を出してしまいである。
しかし、宇宙空間の長距離輸送になれた乗組員たちの大腸はいたって快調。
「キャプテンは?」
「トイレでうんうん唸っていましたよ」
航法士の質問に、機関士が答えた。ちょうどトイレからキャプテンが出てくる。
「ふーっ、手強いうんこであった。さすがは我が輩のうんこ。ダイアモンド並だな」
「フフッ」
「いや、否定してくださいよ……」
ゴゴンッ
絶対零度の衝撃に、ひときわ大きく加速度が変化して、機関士は顔色を変えた。
「本当に不調だ」
宇宙船の核融合エンジンは反動推進のために、核融合反応でうまれたヘリウムや未反応の水素にくわえて、
徹底的に脱水したうんこや廃グリスなども合わせて後方に「蹴っ飛ばして」いた。
通常なら超高温を浴びてバラバラになるところだが、幸運うんこはエンジンの不調によって
艦長のダイアモンドうんこに含まれる微生物たちは真空と極低温によってフリーズドライにされ、
やがてある惑星の引力に運良く捕まったうんこはその地表に落ちていった。
おならのように臭い大気を横切って、おしっこみたいな水たまりに池ぽちゃした元うんこの中の微生物は永い休眠から目覚め、活動を再開した。
だが、すでに多くのうんこ仲間が息絶え、真空や低温、放射線に強いエリートうんこ細菌だけが生き残っていた。
殻となる物質を周囲に生成させた賢いエスカルゴなうんこ細菌もいた。
ここからは海運系船乗りがどんな日常生活を送っているか紹介しよう。
その1はこちら
http://anond.hatelabo.jp/20130925025344
船乗りは当然毎日自宅へ帰れるわけはない。まとめて働いて、まとめて休むという形で生活を送ってる。
その比率は年間の2/3働いて、1/3休むという形になっており、3ヶ月間連続で乗船して1ヶ月間休暇をもらうスパンの会社が多い。
ただここで勘違いしてはならないのは3ヶ月乗船していると言っても絶対に上陸はしないわけではなく、港に入れば地に足を付けることもある。
たいてい1ヶ月に1度くらいは運行予定が無い日があり、そのタイミングで借りバース(岸壁のこと)して交代で上陸し遊びに行くのだ。
まあそれでも例えば北米まで約10日はかかるので、その間はずっと海の上ではある。
乗船中は甲板部へ所属しているか?機関部へ所属しているか?で仕事の内容が当然違う。
甲板部と機関部の双方へ所属したことのある筆者の感覚では、荷役などで極端に忙しい事のある甲板部、いつも同じくらいの忙しさである機関部という違いがある。
当然、不意に予測してない業務が発生することもある(機械故障とか)から何処が一番楽ってことはない。
集中して忙しい方が良いのか、万遍なく忙しい方が良いのかという好みの差だ。
甲板部は航海士系の部署だ。
船乗りとしてイメージされやすいのがこちらで、航海術を駆使し実際に船舶を操縦して目的地まで予定通りに荷物や旅客を運ぶ。
現代の船舶の多くの船体素材は鉄鋼かFRPである。FRPは漁船で採用されることが多い。
海運に使う船舶はたいてい鉄鋼であり、塩水に使っている状態なので錆びにくい対策が取られているとは言え、船体は時間が経つに連れて錆びていく。
そこで甲板部は「錆打ち」という作業を行う。
錆という物は化学変化によって錆びていない部分へ伝播する。
その伝播を抑えるために錆びてしまった部分を機械ヤスリ(ハンドグラインダーなど)を使って削り取るのだ。
削り取った部分は錆止めを塗り、いわゆる「船体色」ペンキを塗って錆が進行しないようにする。
「あんな大きな船の全体をやるの?」という疑問はあるだろうが、その通りである。
正確には海中へ沈んでいる部分(喫水線より下)は物理的に作業ができないので喫水線より上を錆打ちする。
「高いところとか足場がないところはどうするの?」という疑問にも答えよう。
「ジャコブスラダー」という空中ブランコみたいなものを使って作業をする。詳細はググってくれ。
船舶は安全運航するために様々な法定書類や会社が求める書類がある。
甲板部に所属する者の作業スケジュールなども考えたりもするので肉体労働っぽい船乗りにも頭脳労働があるのだ。
と言うよりも現代の船舶は頭脳労働の比率が船舶の高性能化によって増えて行っている。
肉体労働の部分は決して無くならないだろうが比率は減少傾向にある。
現代はだいたい頭脳労働が70%、肉体労働が30%と思えば良い(船の操縦は肉体労働じゃなく頭脳労働である)。
荷物は積めば終わりというわけでもなく、積んでいるものによって航海中も様々な作業が発生する。
例えば普通のコンテナならばしっかり固定されているか?を確認したり、冷凍コンテナなら更に温度管理をしなければならない。
オイルタンカーであれば積む油種の違いによって「タンク洗い」という作業が発生する。
例えばいわゆる「重油」であっても「A重油」「B重油」「C重油」と3種類ある。
重油というカテゴリーではA重油が一番キレイでC重油が一番汚い。
C重油が入っていたタンクへA重油を入れるとA重油が汚れてしまい価値が下がる。
そこでC重油を揚げ荷役した後にタンクを掃除してA重油を積み荷役するのだ。
甲板部の仕事はこれだけでは無いが、最後に階級を記しておこう。
上から並べるとこうだ。
経験量や知識量が豊富なのは当然として人格的にもよく出来た人がかなり多い(人格に問題ある人が居ないわけじゃない)。
船では出世するほど仕事量が減る傾向にあるのだが、出世するほど責任が物凄く重くなる。
どれくらいの責任かと言えば船舶自体が億円単位の物だし、一度に荷物を多く運べるため荷物も億円単位。その責任を持っている。
実は警察権も持っており、合理的な理由があれば乗組員を逮捕拘束監禁しても良い事になってる。
更に船長は裁判権も持っている。船内で起きた揉め事に対して合理的な理由があれば采配を下し強制させることが可能。
もっと言えば立法権もある。合理的な理由があれば必要に応じて(既存の法律の範囲内で)新たなルールを追加できる。
何故こんな船長独裁とも言える制度になっているかといえば船舶は閉鎖的環境だからだ。
最高権力者を2人にすると派閥が出来てしまい争いのもととなる。なので船長の権力は絶大なのだ。
航海士はそれ以下の直属の上司という考えで間違いない。
船舶には「職員」と「部員」という職種に分かれており、部員が普通の社員ならば職員はいわばキャリア社員だ。
当然、会社や船舶の規模によって人員の数が変わるので例えば三等航海士という階級が無い会社もあるので注意が必要だ。
現代の船はオートメーション化も進み、それだけシステムとしては複雑化をしている。
過去の時代のように航海士だけ居れば船舶を運航できるということは現代の船舶ではあり得ない。
そこで活躍するのが船舶の機械を専門に学んだ機関部人員である。
シリンダー経が100cmを超えるものも珍しくなく馬力も数万と一般的な感覚で言うと超大型のものがほとんである。主機だけで2階建てアパートくらいのものも存在。
当然、非常に熱を放出し室温は40℃を超える。騒音も大きいため機関士たちは耳栓などをして整備作業をする。耳栓がないと難聴になってしまう。
燃料は始動時にA重油を使い、安定したらC重油へ切り替えるタイプがほとんど。
始動は自動車で言うセル方式であり、セルモーターではなく圧縮空気を送り込んでピストンを回転させて始動する。
セルというと勘違いされやすいがディーゼルエンジンが大部分を占めていて毎周点火プラグで着火するわけではない(ディーゼルエンジンは圧縮によって発生する熱で燃料へ着火する。詳細はググれ)。
少数ながらタービンエンジンも存在し、こちらはボイラーから発生させた蒸気でタービンを回転させプロペラを連動させるというものだ。
主流のディーゼルエンジンと比べて構造は複雑化するが船舶の速度が出やすいという利点はある。
高速船や軍艦などで採用されている事例が多い。
電力を失った船舶を「デッドシップ」というくらいで電力を失った船舶は死んだ船扱いされる。
各機器は電力によって制御されているので電力消失すると全く動かなくなってしまうのだ。
補機の大きさはこれまた一般的な感覚の「エンジン」と見るとこれまた超大型であり、普通自動車一台分はある。
船舶の規模が大きくなれば発電機も大きくなり、トラックサイズになったり、コンテナサイズにもなったりする。
まだまだこれ以外にもあり機関部はこの全てを運用整備修理する。
機関部もまた事務的業務が結構あり、法定書類や燃料の管理、整備日程、各種データ計測(故障早期発見のため)など多彩だ。
書類作成や各種データ管理にパソコンを使ったりもするため船乗りは以外なほどに事務能力が高かったりする(筆者は就職してからExcelマクロを組めるようになった)。
甲板部であれば変わりゆく天候や他の船舶の位置、揺れる船の中で小難しい運航を考える。
機関部は高温という過酷な環境の中で、科学と経験から故障原因などを探ったりする。
「ガハハハ!」と脳筋的に笑ってるイメージは本当にイメージであり、実際は文武両道なスキルを求められるのが船乗りという職業である。
もちろんトップは機関長であり、職員は機関士、それ以下が部員だ。三等機関士が無い会社もある。
各人員は担当の機器が配分され、何も問題が起きない場合は損担当機器を整備する事が多い(故障などがあれば皆で修理する)。
就職した直ぐの段階ではあまり複雑ではないオイルストレーナー辺りが配分され、徐々に管理が難しい機器を与えられる。
一般人にはわからない感覚だが人員によって機器の好き嫌い、得手不得手があったりもするので機関長はそれに合わせて配分する(プログラマの感覚で言うOSの違い、言語の好き嫌いみたいなものか)。
「原因がわからん。V型の空気圧縮機なら増田が詳しかったな。休暇中で悪いが電話するか」と稀に休暇中の得意な人員へ電話することもある。
最近ではメールで画像が送られてきたりもするのでIT化が何気に進んでる。
機関部の最高権力者は機関長であるが、船舶という閉鎖環境と考えるのならば船長のほうが機関長より法律では上の立場になっている。
ただし現場では殆どの場合、船長と機関長は同位であり、甲板部のことは船長が最終判断し、機関部のことは機関長が最終判断をする。
事実上、同位の二人は方針の違いによって口論することもあるので下の者は気が気でない。
船長としては、運行スケジュールに遅れが発生すると会社の信用に関わるためスピードを上げたい。
機関長としては、機器へ過剰な負担を与えると主機故障などで運航自体が止まってしまうので過剰な負担は避けたい。
双方の意見とも正しいためどっちの味方へ付くこともできず板挟みである。
たいていは機関長のほうが「アンタは最高権力者だから」と折れる場合が多いが、どうしても解決しない場合は会社へ意見を仰ぐ。
「最初から会社に意見を仰げよ」と思うかもしれないが会社はよく無茶ぶりをしてきて船長機関長から怒られることも多く、簡単には会社へ相談しないのだ。
「俺は一回会社に南側の低気圧が不安だって言ったぞ今更突っ込めったって行けるかアホウ」「クソみてえな部品使わせやがってコストダウンって言えば良いと思ってやがる」
こういう愚痴を下の者は酒の席で延々と聞かされるわけである。
消火など緊急想定訓練など法律で定められているやらなければならない訓練がある。
船舶が事故を起こすと人命的にも経済的にも大きな被害が出ることが多い。
そこで国連は加盟国へ緊急時の訓練を定め、日本国法でも国際法に則り定期的な緊急時の訓練が定められている。
現場としても比較的熱心にこういう訓練は行うが、運航スケジュールの兼ね合いで簡易的に行う場合もある(それでも最低限はする死にたくないし)。
むしろ海難を起こす船舶は会社側がこういった法定訓練が出来ないほどの過密スケジュールを組んでる場合が多く、会社の体制に問題があると現場は思う。
昔の船舶はそうじゃなかったが現代の船では乗組員の殆どへ個室があてがわれる。
「ボンク」と呼ばれるベットに、書類作成などで使える簡易的な机が配備されることが多い。
TVもある。当然地デジ視聴は不可能なので衛星放送を楽しむ。番組は周回遅れになるが無いよりマシである。
パラボラアンテナは自動追尾方式であり、船舶がどんな方向を向いてても受信できるが荒天時など揺れが大きいと画面にノイズが走りまともに視聴できなくなる。
太っ腹な会社ではスカパー!の基本パックを契約してくれていて有料チャンネルも観れる。ちなみに何故か筆者の会社はAT-Xも観れる。
3ヶ月間もの間、さすがに風呂へはいらないのは日本人としてキツイ。船舶には風呂もある。
浴室はたいてい大浴場でありぱっと見は銭湯と変わらない。
船舶によって浴槽の水の種類が2種類あり、普通の真水を温めたものと、最近は少なくなったが海水を温めたものである。
船舶では真水が貴重であり、昔の船舶は造水機を持っていなかったり、持っていても造水性能が低かったりして浴槽に使うのは勿体なかったのだ。
浴槽の水が海水でもシャワーの水は真水なので、身体が海水だらけになっても大丈夫である。
船舶によっては船長や機関長の居室に専用の浴室があるものも存在する。羨ましい・・・。
最近では温水便座化してることも珍しくなく快適に「いたす」ことが可能だ。
娯楽室がある船舶も珍しくない。娯楽室が畳である場合も結構ある。
将棋や麻雀、トランプなどのゲーム、大型テレビでの映画鑑賞などを楽しめる。
たいていは上級職員の昼寝の場と化しているので下っ端は将棋や麻雀のカモ、酒の相手とされる時以外は近寄らない(入ったらダメなわけではなく下っ端なので忙しくそんな暇がない)。
ごはんを食べるところ。現代の船舶には司厨人員(調理師)が乗っているのでおいしいごはんが食べられる。
ベテラン司厨になると転びそうになるくらいの荒天時でも何故かスープなど汁物が出てくることがある。どうやって調理しているかは不明。
職人芸は純粋にすごいと思うが、荒天時に汁物を出されると非常に飲みにくいので、出来るのならば控えて欲しいけれども乗組員はそれを口に出してはいけないという暗黙の了解がある。
船内設備では無いが、一般的に知られていない文化として紹介する。
つまり海のコンビニエンスストアであり、食料品からお菓子、新聞雑誌、衣類、事務機器、医療品、オーディオ家電、AVエロ本まで何かと色々揃う船乗りにとって便利な存在。
意外と結構融通が聞く存在であり「次までに○○用意しといて」と伝えておくと用意してくれてたりする。
通話料が非常に高く、過去の船乗りはこの衛星電話で散財していた。
どれくらい高いかといえば時間帯で変動はするが平均約1秒/1円である。テレホンカードの度数が面白いくらいに減っていく様を見ることが出来る。
ただ近年は公衆電話を備えている船舶が激減しているため若い船乗りはこのことを知らない。
まだまだ希少な設備ではあるがインターネット環境を備えている船舶もある。
海洋ブロードバンドという人工衛星を経由したサービスであり、上り64kbps/下り3Mbpsでインターネットが使える。
月額が60,000円(定額)もする上に設備設置費用も高額なので積極的な普及には至っていない。
筆者の会社では船内WLAN化しており船内に居れば何処でもネットが使えるが、これも衛星放送と同様にあまり船が揺れるとネットの接続が切れたりする。
船舶は24時間動いているため交替制である。
「0-4時(ゼロヨンワッチ)」「4-8時(ヨンパーワッチ)」「8-12時(パーゼロワッチ)」と3交替制で一度の労働時間は4時間働き、8時間休憩と繰り返す。
パーゼロワッチは特に人間らしい時間帯で働けるので「殿様ワッチ」とも呼ばれたりする。実際に船長機関長がここへ入ってる場合が多い。
船舶が海難を起こす時間帯は統計として日出日没時が多く、経験を多く積んだ一等職員や部員長がヨンパーワッチへ入る場合が多く、新人も難しい時間帯で経験を積ませるためここが多い。
その間であるゼロヨンワッチは中間管理職が入ることが多く、初めてその時間帯の責任者になることも多いため結構いつもドキドキしている(上司からは気楽にな何かあったら呼べば良いとは言われるけれども)。
先程から出る「ワッチ」という言葉は「Watch」のカタカナ英語だ。つまり見る監視するという意味で見張り番ってことだ。
その3へ続く
以前、話題に取り上げて貰った海運系船乗り。
主に6種類の方法が想定できる。
漁師とならずとも遊覧船や釣り船などで必ず要る資格であり、趣味で取得する人も多い。
区分は「1級」「2級」「特殊」に現在は別れており、業界人は「新1級」などと頭に「新」を付けることがよくある。
これは法改正で区分が変わったからであり、旧区分と混同しないためだ。
新区分ではいわゆる「水上バイク」が独立区分の「特殊」となった。これは水上バイクに関する海難 (海で発生する事故のことを指す業界用語)が頻発したからだ。
区分は新2級よりも新1級の方が大きな船に乗れるという認識で間違いないが、詳しく知りたいのならググると良いだろう。
ちなみに「コレもはやクルーザーだろ」とツッコミたくなるような高級プレジャーボートで無い限りは、たいてい新2級で事足りる。
ただし、新1級と新2級では水上バイクを運転することができないので、水上バイクを運転したいのなら「特殊」を取得しよう。
社会人であっても1ヶ月あれば取得できる。
ちなみにだが船舶系の運転免許資格は有資格者が同伴しているのならば無資格者が船舶を運転しても良い事になっている。
つまりお父さんが有資格者で同伴しているのならば子供に船を運転させても良いということだ。
子供にカッコイイ姿を見せたいお父さんは取得を検討してみたらどうか。
高卒の資格も得ようとする場合は「水産高校」「海上技術学校」「商船高等専門学校」へ進学しなければならない。
ただし実は各校とも得られる船舶系資格に微妙な差異があるので注意が必要だ。
基本的に漁業系の技術を習得するための文部科学省管轄の高校だ。
海運系に特化しているわけではないが、大まかな知識技術は「船舶」という枠組みにあるため共通点もあり就職先には海運系企業もある。
その水産高校によって取得できる海技士免状の等級に差異があるんだ。
当然、等級が低ければ法に定められた権限も違い、4級海技士より5級海技士は権限が限定的である。
4級海技士を取得できる水産高校の方が良いのか?という疑問もあるだろうが、4級海技士を取得できる水産高校は航海もしくは機関のどちらかしか取得できない。
5級海技士を取得できる水産高校の場合は航海も機関も双方を取得できるんだ。
個人的には4級海技士を取得できる水産高校の方が良いと感じる。
理由はより高い授業レベルが期待できるし、そもそも就職したら甲板部もしくは機関部のどちらかへ配属されるからである。
そして社会人になると昇級試験のために真面目に勉強する奴は少ないので早めに高い等級を取得しておくべきだ。
2年生になると遠洋へ出てマグロ漁を実際に行うことでも知られている。
マグロと共に小型のサメもかかるらしく、そのサメの頭を大ハンマーで殴って気絶させるそうだ。
筆者の友人にも水産高校の出の者が居り、彼の話では「女子が返り血を浴びながらサメの頭をハンマーで殴ってる光景は壮絶だ」とのこと。
詳しくは多分、水産高校を卒業した増田かTwitter民が語ってくれることだろう。
小型船舶操縦士と海技士の最も大きな違いは、小型船舶操縦士は航海も機関もカバーするが、海技士免状は航海士用の「海技士(航海)」と機関士用の「海技士(機関)」で別区分となっている。
これは海技士免状が必要なほど大規模化した大型船に対応するための区分だ。
危険物取扱者にも様々な種類があるが、それと同様に航海資格では機関士となれないし逆もまた然りだ。
海技士免状を取得するには「乗船履歴」「筆記試験合格」「口述試験合格」の3要素が必要だ。
先程から俺は「水産高校で海技士免状を取得できる」と言っているが、正確に言うと水産高校で取得できるのは「乗船履歴の特別短縮」「筆記試験の免除」のみである。
これは後述する海上技術学校や商船高等専門学校、海上技術短期大学校、海洋大学校を卒業しても同じである。
国も馬鹿ではないので、たかだか学校を出たくらいではポンッと海技士免状をくれたりはしないのだ。
学校を出ただけのそんなヒヨッコを広大な海原へ放ったりはしない。危険すぎるから。
海技士免状を取得しようとする者は、総じて口述試験の際に物凄く緊張する。
口述試験とはつまり面接による試験であり、学習した内容を試験官の出題に合わせソラで回答をしたり、時としてホワイトボードなどへ図解する試験だ。
それはおそらくこの日本で取得できる資格の中で唯一、試験官が受験生に対して、ブチ切れ、怒鳴り、叱る試験だからである。
受験生があまりにも回答へ窮したり、回答すら出来なかったりすると試験官はキレる。
それもそのはず、試験官の多くは引退した船乗りで構成されており、ヒヨッコの出来があまりにも悪いと現役の頃の感情が蘇って鬼と化すのだ。
試験時間丸々説教に当てられた事例も多数あり、受験生はそうはなるまいと必死になって受けるのだ。
当然、そうなると落とされるのは言うまでもないw
水産高校とは違い、国土交通省管轄の海運系へ特化した高校である。筆者の母校。
水産高校と比べて取得できる資格の差異は4級海技士(航海)と4級海技士(機関)の双方とも取得できる点。
海運系へ特化しているだけあり当然ながら漁法とかそういうのは一切学ばず、全て航海術や機関知識へ当てられる。
俺の経験では校舎の外壁を消防用ホースで洗ったり、屋上から「ジャコブスラダー」という空中ブランコで降りて校舎のペンキ塗りをしたり、やんちゃで破壊した校舎の板壁を修繕したり、グラウンドのフェンスを補修したり、ドアノブ直したり、電灯直したり、学園祭の野外ステージを作ったり、その他色々やらされた。
地域貢献ボランティアにも積極的であり、ごみ拾いに月一で参加させたり、近隣のジジババの家の植木の枝刈り草むしりさせたり、保育園児の相手をさせられたり、老人ホームの模様替えに派遣したりしている。
これらは「協調性」を育み、故郷を大切にする心を育むための教育らしい。
声を大にしては言えないが、海上技術学校の最初期である海員養成所は戦中からある組織なので、旧日本海軍の思想を今でも色濃く受け継いでおり「お国のため精神」が根強い。
何故、そんな旧体制的な思想が現代にも受け継がれるかと言えば、そもそも保護者が海上自衛官だったり海上保安官だったりするためだ。
教官((海上技術学校では先生ではなく教官と呼ぶ))から生徒、保護者に至るまで完全なる右巻きであり、そこへ通う非海洋系家庭の生徒も右巻きになる。
歴史の授業では勝海舟や日露戦争、大東亜・太平洋戦争の部分となると異様な盛り上がりを見せる。
件の中国監視船衝突問題では問答無用で一色氏を支持するといった雰囲気である。
卒業者に海上自衛隊士官候補生を多数輩出している(現在、尉官以上の卒業者がかなり多い)。
純粋培養でネトウヨが育つ環境なのでハテサの皆さんは気に食わない学校かも知れない。
文部科学省管轄の高校では無いためPTAとの関わりが非常に薄く、保護者も船乗りが多いため教官は普通に生徒へ体罰を下す。
俺自身、高校3年間で何度教官から殴られ、グラウンドを走らされ、罰作業を受けたかわからない。
「ウチのボウズがバカやったらブン殴って曲がった根性直してやってくれ」と親が言うので全く問題にならない。
むしろ体罰が「問題があるもの」という評価を学校に関わる者全てがしていない感じだ。体罰は必須であると。
生徒自身も「殴られて当たり前の行為をした」という認識があるため不満を持たない(殴られてマジムカつくという感情はもちろんあるが)。
一面から見ると厳しい校風であるため脱落者、つまり自主退学する者も少なくはなく入学者の1割程度は1年生の内に辞める。
これは海上技術学校自体が奨めていることで「合わないと思ったら早めに辞めて1年遅れで普通校に行った方が将来にも良い」という意見だ(俺の世代にも普通校へ1年遅れで行った者が居る)。
先輩は後輩の精神的フォローをしているが辞めてしまう者は結局辞めてしまう。
中学時代に軟弱な者が続けられないか?と言えばそうでもなく、3年勤め上げることで肉体的にも精神的にも成長していることが結構ある。
逆に番格をはっていた様な剛の者が直ぐに辞めてしまうこともあり、本当に適正はフィーリングでしかない。
水産高校のマグロ漁にあたる航海実習は日本全国を帆船などで周回する。
海があれば増田の地方にも帆船の日本丸や海王丸が入港してきたことがあると思うが、帆船に乗ってる一部の人間は海上技術学校の生徒だ。
そのためまともな修学旅行というものが存在せず、修学旅行先の定番である京都や奈良、北海道に学生時代に行ったという思い出の無い者が結構居る(どうせ就職したら行くけれども)。
こちらも海上技術学校と同様に海運系特化であるが、やはり微妙な差異がある。
管轄は文部科学省、5年制のいわゆる高専であり学歴としては海上技術学校より1段上である。
海上技術学校との違いは、海上技術学校が満遍なく海運のことを学べるのに対し、商船高等専門学校は「航海」もしくは「機関」のどちらかをより専門的に学べるようになっている。
取得できる資格も3級海技士(航海)、もしくは3級海技士(機関)のどちらかであり、資格としても海上技術学校より1段上だ。
入学するにも海上技術学校は良い言葉を使えば「来るもの拒まず」であるが、商船高等専門学校は一定以上の偏差値が必要である(進学校並ではない)。
海上技術学校は実践主義的なので「進学するまで何をしてきたか?」よりも「進学してから何をしたか?」が重視される。
文部科学省管轄である商船高等専門学校は前提としての偏差値があり、それ故に安心して一定以上のレベルの学習は保障されているという利点がある。
比較的新しい海洋系の学校なので海上技術学校のような右巻き偏重ということもなく結構自由な校風のようだ。
海上技術学校もそうではあるが、入寮している生徒が多く、その寮生活に不満を持つ生徒が少なくないらしい。
近年、海洋系以外の学部を創設し、より広い入学者を募集しているようだ。
当然ながら高校を卒業してからだって船乗りになるための道は用意されている。
高校の要素を持つ海上技術学校とは違い、基本5教科などは学ばず海運のことを集中して学ぶ2年制短大。
一般高校卒業から最短で船乗りになろうと思うのならこの選択となる。
海上技術学校では3年かけて取得する4級海技士を海上技術短期大学校では2年で取得できる。
ただやはり海上技術学校卒業と比べると1年間の周回遅れが発生するので、そのまま就職すると1つ年下の1年先輩が居る可能性があるので、そこを割り切る必要がある。
校風としては海上技術学校の生徒よりも意識が高いと言わざるを得ない。
普通高校から普通は選択しないだろう海運という道を選び、明確な目標を抱いて海上技術短期大学校へ来ているので資格の取得率が異様に高い。
海上技術学校や海上技術短期大学校ではボイラー技士資格や危険物取扱者資格なども取得できるのだが、海上技術学校と海上技術短期大学校を比べると海上技術短期大学校の方が取得しようとする者が多いのだ。
就職に対しての熱意もスゴイので、本気で学ぼうとしない人間が就職率だけ見て来ると単位が取れなくなり自主退学するそうだ。
しかも周囲は本気で学ぼうとしているので本気じゃない人間は邪魔者扱いされるらしい。
海洋系大学が統廃合された結果生まれたのが海洋大学である。筆者の母校。
海上技術学校や商船高等専門学校からの進学者も多く、入学時は一般高校出身者と海洋系学校出身者の知識量の差や海への適応力の差が激しい。
具体的にはロープやワイヤーを結んだりする実技(ロープワークという)の際に海洋系学校出身者は一瞬で終えるが、一般高校出身者はモタモタとしてしまい数十分かかってしまったりする。
更には実習船での海へ出ると海洋系学校出身者は活き活きとするのに対し、一般高校出身者は船酔いで実習どころじゃなくなるなどである。
半年間我慢して一般高校出身者でも真面目に学んでいれば海洋系学校出身者とのスキル差はそんなに開かなくなるのだが、それでもやはり実技で職人芸とも言える精度で物を完成させるのは海洋系学校出身者が一日の長もあり多い。
ただ必ずしも海洋系学校出身者が全てにおいて優っているかと言えばそうではなく、筆者の同期には金属加工で才能を開花させた一般高校出身者が居たりするので真面目にやってさえいれば問題はない。
資格は3級海技士(航海)または3級海技士(機関)のどちらかが取得可能。
商船高等専門学校と何が違うかといえば、そもそも大学なので例えば「高等学校教諭1種免許状(商船)」なども取得できる。商船の教諭免許なんてレアなのでたまたま何かのきっかけで現役教師と会話することがあると非常に盛り上がるw
学科や専攻の選択肢が幅広いので個人的には海上技術学校時代よりも楽しめたような気がする。大学時代が人生の春とはよく言ったものである。
ちなみにだが海洋大学は偏差値そこまで高くないくせに大学別平均年収ランキングでいつも上位にいる大学である(平均800万くらい)。
理由は簡単だ。船乗りは続けてると年収1,000万を余裕で超えるからだ。
就活は多くの学生に現実を見せてくれる悪夢だが、海洋系学生にとっては実はそこまで大きな問題ではない。
何故かといえば海洋系学生の就職先の8割は教官や教授、現役船乗りである親のコネだからだw
少しだけ経済の話をするのならば日本の経済は海運に依存しており、最も速く経済の動向の煽りを良い意味でも悪い意味でも受けるのが海運業界だ。
ただ好景気だから採用枠が増えるかと言ったらそうでもなく、どちらかと言えば人材の過不足によって増減すると言って良い。
現在はベビーブーム世代引退の最中にあるため人材不足を起こしており採用枠は多めだと言って良い。
その2へ続く
元記事を解説しよう。
元記事の増田と同様に、漁師の次男坊である俺は海上技術学校を経て海運業界ヘ就職している。
取り敢えず前提として、漁師の子が大型船の免許を取得しようとするだけで稀有な存在だ。
その漁村で1000人の漁師になる人が居たら大型船の免許(海技士免状という)を持ってるのは1人居るか居ないかの存在。
漁村というのは保守的な閉鎖社会かつ権威主義的で、1級小型船舶操縦士は2級小型船舶操縦士を見下す傾向にある。
漁村では口には出さないが免状の等級によるヒエラルキーは確実にある。増田の中にも漁師が居るだろうしわかるだろう。
そんな漁村で4級海技士(航海)や4級海技士(機関)を取得する者が現れたら、漁村の若い世代の中ではトップの権威を持つようになる(流石に若い世代の権威は年功序列を上回ることはない)。
多くの家では子供を教育するときに「増田さんちのせがれを見習え」が常套句になる。
海運業界で大手と言えば3社しかない。郵船、三井商船、川崎汽船だ。
その名は外の社会に対して無知な漁師でも知っている。最高クラスのブランドだ。
これはトンビが鷹を生むような話。
このことを海洋系高校の視点で見るならば、元記事で記されてる海上技術学校、商戦高専、水産高校の全生徒の中から大手3社へ就職できるのは毎年3人だけだ(そもそも就職枠がない年もある)。
元記事の増田は数万人居るであろう海洋系高校生のトップへ君臨した人間である。
手の付けられないヤンキー高から東大主席合格者が出る、5流大からメガバンクへ就職する、代アニ出でジョブズになる、漁村から見ると本当にそんなレベルの話だ。
俺のようなチンケな船乗りとは圧倒的にレベルが違う。いやマジで。
所々出る船乗り的な言葉使い、例えば「上陸する」や「2サイクルから4サイクルで燃費改善」、「100mで4000G/T」は全て妥当だ。
少なくとも業界人じゃないと出ない言葉であり、しかも漁船の船外機(エンジン)が4サイクル主流化したのはここ15年くらいの話であり、漁師じゃないと知らない(そしてバイク乗りなら4ストとかって言うよな)。
当然漁師は大型船の排水トン数の事なんかよく知らないので、漁師の経験と海運の経験双方が無いと口に出せない内容を話している。
7年で1000万はくだらないの部分は会社によって給料が違うし、そもそも俺はそのレベルに達していないので正確な判断に窮するが、そこそこ妥当性がある。
船乗りは法令上、乗船中の食事などを会社が負担しなければならないため小遣い5万円は船乗りと考えるのならばむしろ少ない。
初任給25万円(総支給額)のチンケな船乗りの俺でさえ若い頃は毎月10万から15万は遊びで使ってた。大手なのにこれは少なすぎる。節約してたんだなって感じる。
もし俺が元記事の増田の親ならば退職することを口にした瞬間必死に止める。
元記事の増田もこの点にツッコミ入れてたが、俺も盛大にツッコミ入れたい。
息子を想うのなら絶対に辞めさせない。漁村での権威を考えても息子が大手にいた方が何かと過ごしやすいはずだしな。
高額な送金もあるし。大手なら年収1000万突破は夢物語じゃないから老後も安心だ。
それを止めなかった親はオカシイと言わざる得ない。
どう考えても船乗りとして神がかった増田へ家業を継がせるか、そのまま大手に置いた方が両親は得だ。
そのどっちでもない選択をするとか俺には理解できない。元記事の増田よりこの両親は頭オカシイ。
何か質問があったら追記して返答しよう。
船乗りは3ヶ月働いて1ヶ月休むというスパンで働くため平日であっても休日なのだ。
2013/09/18/9:07追記
休暇中何やってるかといえば兄貴に呼ばれたら仕事手伝うくらいかな
2013/09/18/9:57追記
この増田にとっては漁師の家に生まれた瞬間から漁師になることが天命だった
プログラマからパソコンを奪うようなもの、自動車の整備士から自動車を奪うもの、跡取りから家業を奪うってのはそういうことなんだろうさ
そこを拾ってやらんとこの気持ちは理解できないんじゃね?
2013/09/18/10:19追記
何で海を続けなかったか?って質問が来たから言うけど、この業界かなり狭いんだよ
元記事で人間関係を悪くしたみたいな表現があったし、業界で噂が回っちゃったんじゃないかと
船はいつでも飛び込める状況だから医者がストップかけてるのかも
2013/09/18/10:34追記
船乗りには「部員」と「職員」という職の違いがあるんだよ
例えば甲板部(航海士が所属する部署。機関士は機関部)で部員のトップは甲板長だが、職員のトップは船長だ。
部員と職員の給料は100万円単位で変わってくるし、昇給率がそもそも違う。
つまり増田は就職後職員になってるんだよ。だから物凄く昇給して高級取りになってる。
2013/09/18/16:58追記
身内擁護するみたいでかっこ悪いが、資格じゃなくて就職先が凄かったパターンとか言ってる奴は自分がどういう立地条件の国で暮らしてるか冷静に考えたほうが良い
海技士免状が凄くないとは言ってないとかって反論が来そうな気もするけど、そう取られてもおかしくない発言の仕方だぞ
海技士免状試験がどれだけの科目で構成されていて、どれだけの実務経験があって初めて取得できるものか、更新は必要なのかどうかとかそういうの調べた方が良い
ここに俺が書いても良いけど、これは能動的に調べてもらった方が良い気がする
もし調べて何か感ずる部分があれば「安全運航を舐めてすみませんでした」と増田でも良いから全ての海技士免状取得者に向けて反省文を書け