はてなキーワード: 足立とは
switch(本体)が買えた。初期に買いそびれて以来2年近く過ぎて、ようやく買えた。
初期に買い逃した時や、転売ヤーが出始めた頃は、まあ半年もすれば落ち着くだろうと思っていたのだが、まさか2年待つことになるとは。
何度も何度も抽選に落ち、なかば諦め状態にあった私に降ってわいた幸運。
ヤマダ電機の人、仕入れ担当の人、運送業の人、ニンテンドーの人、その他かかわった皆様に感謝申し上げます。
購入できたのは、とある展覧会のため遠出した日のこと。美術館のすぐそばにヤマダがあったので、帰り道にダメ元で電話をしてみたところ、なんと色を選ばなくていいなら最新モデルの在庫があると言う。
転売対策か、電話での取り置きはやっていないようなので、ヤマダ電機に駆けつけてゲームコーナーに向かう。
そこには、地元ではもう何年もお目に書かれていないswitchの交換券がたくさんあった。ついでにswitchを買いたいと思うきっかけになったリングフィットネスもあったのでダミーのパッケージを手に取る。
浮足立ちながらレジに向かうと、先ほど電話をくださった方ですか、とレジのお姉さん。どうやら電話で応対してくださった方のようだ。
そうです、でもまさか本体があるなんて、本当にうれしいです、としどろもどろに返すと、最近は在庫が回復しつつあるんですよ、と返される。
転売ヤーはあまり来ないのかなと同行者と話していると、来るには来るが、顔を覚えているので店舗側で対策をしているらしい。ありがとうヤマダ電機、おかげで手にすることができました。
レジのお姉さんは本当に丁寧な方で、補償に関する説明やアプリのダウンロード、保証書を補完する袋までサービスでつけていただいた。
FFの販促で作られたらしい袋で、会社が違うのでアレですが、とお姉さん。これ、DQ11も一緒に買ってたらネタになったのかしらと思わないでもない。
ハードとソフトの方は入る袋がお店になかったので、マイバッグにどうにか詰め込む。
店頭掲示のマッサージチェアで溶けている同行者を引っ張って、コメツキバッタのように頭を下げながら退店した。
家に帰り、switchの箱を開ける。ゲームでもなんでも、箱を開けて内容物を確認するこの時が一番楽しい。
switch本体は、思っていたより小さかった。欠品がないのを確認したら電源を入れ、設定を済ませていく。
いよいよリングフィットを開封。リングコンを押し引きしてみるが、なかなか力が要りそうだ。
カセットを差し込む場所が一瞬わからなくて戸惑いつつもなんとか起動し、ジョイコンの設定にうつる。
動きやすさを考えて短パンで始めたのだが、もものバンドは運動中にわりとずり下がるので、太ももがゴリラな人間は滑りにくい素材の長ズボンをはいたほうがいいと思う。
押し込む力は、全力で挑んで68。強いのか弱いのかよくわからないが、これが今後の基準になるようなので、もう少し弱くしていた方がよかったかもしれない。
上半身のみ鍛えて下半身がおろそかになっているのをチキンレッグと揶揄するが、その逆で下半身は岩石のごとくキレキレなのに上半身は贅肉の塊である私は、決定ボタン代わりにジョイコンを押し込む操作の連続で死んだ。
運動負荷は23からスタート。1,2面は特に困ることもなく、スクワットと椅子のポーズの大腿筋コンボで敵を蹂躙していく。
リングフィット以前から日常的に200回ほどスクワットをしているので、太ももだけならMAX負荷でもよかったかもしれない。オラッ退散ッと念じながらスクワットを繰り返すのもなかなか面白い。
ドラコ戦にて、初めてバンザイプッシュを選択。上にも書いたが上半身が虚弱な私はここで死ぬ。上半身にストレッチパワーがたまっていくのを感じながら、早くお死にと念じまくる。部位別に負荷の度合いが選べたらなあと思いながら、既定の回数を終える。
腹筋ガードののち、今度はニートゥチェストを選択。腹筋は足ほどではないがまあまあ鍛えているので、やすやすとニートゥチェストでとどめを刺す(刺せない)。不穏なセリフを残して去っていくドラコの背中を見送る。
心拍数を計測したところ、リングにまだまだ余裕があると言われ、負荷は27に。そのまま2面に進んでみると、なんか技の回数が増えている!
運動負荷は、運動そのものの内容ではなく回数の方に影響するらしい。スクワットと椅子のポーズは多少増えてもなんてことはないが、バンザイプッシュは無理。死ぬ。
それととにかく上半身が雑魚なので、宝箱やジャンプがなかなか難しい。上半身を重点的に鍛えねばなと痛いほど理解する。
走るとすぐにバンドが落ちてしまうので、移動時の足踏みはスクワットにするかなあなどと思いながらストレッチを終え、牛乳とささみでタンパク質を摂取。
あらためて、こんなすごいゲームを作ってくれたニンテンドー様、在庫を転売ヤーから守ってくださったお店の人たち、流通に尽力してくださった運送業の人たちに感謝のシシースクワットを捧げます。本当にありがとうございました。
正確には不老不死ではない。
しかし、確実に、今までより遥か未来を経験することが出来る可能性が高まっていた。
アメリカのとある研究施設が、20名の成人男女の、10日間の冷凍保存に成功した。
このニュースは世界中の注目の的となり、世界中、寝ても覚めてもそのニュース一色だった。
研究施設には「私も」「俺も」という冷凍体験希望者の声が殺到し、研究施設側も更なるサンプルを収集する為、定期的に世界中から20名ずつの「体験者」を募る様になった。
世界中の物好き達がその企画に飛びつき、応募し、倍率は宝くじに当たるよりも高くなっていた。
「まさか当たるわけないだろうけど」
そんな軽い好奇心から、私は、共にノリノリだった妹を同行者として、その企画に応募した。
数日経ったある日、ぼんやりと見覚えのあるアドレスから、一通の英語のメールが届いた。
「うそ…いたずらよね??」
世界中で同様のメール詐欺が多発していたし、まさか自分が当選するなんて。
オフィシャルサイトを開き、慎重に送信元アドレスをチェックした後、本文を開いた。
本文サイトにあるリンクのドメインも、オフィシャルサイトにある記述も、念入りに確認した。
「本物だ……」
google翻訳を駆使しながら、血眼になって内容を確認した。
内容は至ってシンプルだった。
2021年11月〇日~2021年11月〇日までの10日間、あなた方は冷凍保存体験を受ける権利を獲得しました。
・当施設で体験した事に関し、一切の口外を禁じます。違反した場合、1億ドルの違反金を頂きます。
・当体験で発生した事象について、当研究施設は一切の責任を負いかねます。全て自己責任でご参加ください。
なお、当体験の必要最低人数を確保する為、本案内は余裕を持った人数へ送信しております。
「今日、話がある」
それが妹の第一声だった。
「まぁ、準備とか色々あるだろし」
そう答える私の言葉を遮って、妹が畳みかける。
「返事した?」
「や、まだ」
「はよせいや!他の人に取られるじゃん!」
「まじか」
「そうだね。『いつでも放棄できる』て書いてあるし、とりあえず確保しとこ」
心配性の母は間違いなく泣きながら(そしてブチ切れながら)反対するので、絶対に言えない。
10日間、いや、飛行機での往復を考えるともう少し、仕事も休まなければならない。
飛行機の往復チケットも取らなければならないし、聞いたこともない田舎にある研究施設までのルートも確認しなければならない。
「せっかくアメリカ行くんなら観光とかしたかったよね。でも休み取るの限界だしな」
「まぁ、それ以上のすごい体験をする訳だし!」
「てかさ、アメリカまで行って寝てるだけって、冷静に考えたらうけない?」
「まじそれ」
「職場に何て言う?」
「げー、姉ちゃんの会社ユルくていいな。どうしよ。どんな手を使ってでも休むけど」
「お母さんになんて言う?」
「なんて言おうか…」
「…………」
あれこれ画策しているうちに、一年ちょっとはあっと言う間に過ぎた。
なので、私達は一泊旅行程度の、冗談みたいに少ない手荷物を持って飛行機に乗った。
「結局お母さんに言えなかったね。どうする?」
「たった10日だし。『LINEの調子悪かった』とかで乗り切ろ」
「うん…無理あるけど、どんだけ考えてもいい言い訳みつからなかったしね」
妹はとにかく世紀の体験を楽しみそうにしていて、
心配性の私は、どんどん余計な事を考える様になっていた。
「当研究施設は一切の責任を負いかねますって、でもまぁバンジーでもこういうのあるしな」
「生還した、ってだけで、体験者全員健康だとは言ってないよな…いやでも何かヤバイ事があったらこんな実験続いてないでしょ」
「口外したら1億ドル…でもまぁ、うちの会社もコンプラ厳しいし普通かな…」
疑惑と正当化をうろうろしているうちに、飛行機はアメリカに到着した。
事前に入念に調べていたので、乗り継ぎを重ね、研究施設へはスムーズに到着した。
集合時間は午前7時。
研究者の方々からの挨拶、改めて体験内容と契約内容の確認、体調チェック。
体験前には栄養を蓄える為の豪華な食事でも与えられるのかと思いきや、排泄の関係もあるらしく、この日は何も食べさせてもらえなかった。
妹と「クッソ、出る前ちゃんと食べておけばよかった!」「クマが冬眠前に食べ込むのは一体何なの」と軽口をたたき合った。
「では皆様、防護服に着替えてください」
研究員の指示通り、なんだかよくわからない服に着替え、そのままついて行った。
道中、妹はずっとテンション高めにキャッキャとはしゃいでいた。
私は緊張で震えていた。
「ここが先ほどご説明した冷凍室です。皆様は、この中で専用のカプセルに入って眠って頂きます」
みなさまは、ねむっていただきますかー。
色々考えていると、冷凍室の扉が轟音と共に開いた。
中から、顔を真っ青にした大人達が、ガタガタ震えながら、研究員らしき人々に支えられ、ゾロゾロと出て来た。
これから体験する参加者の人達も、英雄を見る様な目で見つめ、共に拍手を送っていた。
え、おかしいでしょ。
こわい、どうしよう、こわい。
こんな貴重な体験が出来るんだから、余計なことは考えたらだめだ。
現に、あの人たちは生きて還って来てたし!
「では皆様、中へご案内致します」
「承知致しました。ではあなたはここで。お気をつけてお帰りください」
もっと怒られるかと思ったのに、研究員は驚く程スムーズに、笑顔で私を解放してくれた。
というか、切り捨てた。
妹も引き戻そうと中に向かって妹の名前を叫んだ。
すると、先ほどの笑顔のまま、研究員は私の前に立ちはだかり、同じ台詞を繰り返した。
「あなたはここで。お気をつけてお帰りください」
冷凍室の扉は、閉じた。
何もない。ここがどこかもよく分かっていない。おなかもすいたし、ひどく疲れた。
何より、妹をどうしよう。お母さんに何て言おう。
妹は無事に出て来てくれるよね?
10日間、どうしよう。
着替えもほとんどない。とにかくきつい。
妹は大丈夫だよね?
10日間どうすれば…
夢で本当に良かった。
汗びっしょりだった。服脱いだ。
妹冷凍されてなかった。よかった。
ニチレイのフード自販機がそう遠くない将来にサービスを終了するかもしれない、という記事を読んだ。
「ニチレイのフード自販機終了」という文字に、昔のことを思い出したので書く。
ただでさえ裕福でなかった家庭(市営住宅に住み、両親共働きで、年1回の家族旅行なんていうものもなかった)で、それはかなりの衝撃だった。
職を探す、と言っていた父親は職にありつく前にストレスや不摂生から持病をこじらせ、入院した。
ただでさえ苦しい生活費にさらに上乗せされた入院費に文字通り頭を抱える母親は、精神的に強くはなく、度々そのストレスを私に向けるようになった。
家に家族といるのがしんどくて仕方ない。家族が揃う毎晩がまるでお通夜のような、そんな思春期の1年間だった。
そんな時に限ってテレビはセレブブームで、誰ともなく番組を消し、誰も笑わなくなっていた。
市街地から一山超えたところに建て直されたばかりの病院は、その頃綺麗で、田舎には見たことがない洒落たものがたくさんあったように思う。
最上階(といっても、たかだか4〜5F程度)の休憩室に、飲み物の自販機と同じように並んでいた。
日に日に、家庭環境は金銭面から余裕がなくなって冷たくひどくなっていった。
父のお見舞いのついでに、時折、ひとり制服のまま、
ブーンという低い自販機たちの稼働音に囲まれて食べた焼きおにぎりやたこ焼きのあたたかさを
15年くらいの時を経て今日思い出した。
暗く湿った毎日にあって、唯一、少し浮き足立った気持ちにさせてくれたニチレイのフード自販機。
きみは、同い年だったんだね。
まだあの病院のあそこにいるんだろうか。
この寄る辺のない世界
何もかもバーチャルな、手応えのない、砂糖菓子のような、現実感のない、コミュニケーション不全の世界で、我々は希薄なリアリティに苦しんでいる
仮想・架空の舞台の上で、我々は自分の感情すら他人の作り上げたものを借用し、あたかも自分のものかのように錯覚する
何もかも本物ではない、偽物ばかりの世界で、それでも本当の感情を、真実の動機を、確かなる自分を実感したい
今、この世界はコロナウイルスによって、道端に死が転がっているのが見えるようになった
元々、死はそこにあった?そんな筈はない
もし、死がもう少し近くにあり、この社会が漂白されていないのであれば、私の真綿のような苦しみはもう少し鮮烈さを確かなものにしていた筈なのだ
そう、すぐ隣まで死の香りが漂っている、今この瞬間ですら、本当の感情を覚えることができないでいるのだ
世界と今私が生きている現実が全くリアリティをもって繋がってこない、この不全
地に足のつかないのであれば、浮き足立つくらいなら、いっそのこと現実が見えるまで堕落し、生きて、そしてまた墜ちていきたい
人は、足場のない天国よりも、例え地獄だとしても足場のある所を望むのである
その日に生きることに精一杯になりたい
「被膜越しのような手応えの現実」を終えたい
どこまで進めば自己一致なのか分からないこの世界を終わらせたい
目の眩むような生々しい現実から帰還した人々は、必ず自分の世界という碇をこの世に垂らし、自己一致をしてこの現実を塗り替え切り裂いていく
その輝かしさに、我々は常に惹かれるのである
第二章へ続く
買い物をしに街に出たら、ヨレヨレの子猫を見つけた。
尻尾がボロボロで、顔も傷だらけで、ガリガリに痩せていて、毛皮はおそらく元は白かったんだろうけど全体的に膿や泥で灰色に薄汚れていた。
ちょうど最近YouTubeで子猫の動画を見るのにハマっていた。動画の子猫は小さいながらとても元気で、親猫に見守られつつコロコロ走り回っていてとても微笑ましかった。
そのヨレヨレの子猫も、動画の子猫と同じくらいの年頃に見えた。あたりを見回しても、親猫らしい存在は見当たらなかった。
このまま放っておいたら、ひょっとしたら長くないかもしれない・・・。
もうその時には、俺の頭の中には、そのヨレヨレの子猫の責任を持つ以外の選択肢は存在すらしなかった。
コンビニにいきチャオチュールを購入し、子猫を捕まえようと奔走した。しかし、ヨレヨレの子猫は警戒心が強くてなかなか捕まえることができず、しまいには狭い路地に逃げ込まれてしまった。
万事休す。
まあ、それがヨレヨレの子猫の選択なら、尊重すべきだ。俺だって救ってやろうなんて傲慢な考えはハナから持っていない。ただ、一方的に、ヨレヨレの子猫の責任を持ちたいと思ってしまっただけなのだ。
後ろ髪ひかれる想いで路地を見つめていると、近隣住民の女性から責めるような声で「あんたさっきからココでなにやってんの」と声をかけられた。泣きっ面にハチとはこのこと。警察なんか呼ばれたらたまらないので、正直にヨレヨレの子猫のことを話した。
すると女性の態度は一変。そういうことなら、と、猫のエサや網をご自宅から持ってきてくださり、捕獲作戦に協力してくれた。相当な猫好きの方らしい。そんなわけで、一度はあきらめかけた俺だが、もう一度ヨレヨレの子猫捜索に着手した。チャンスの女神から、「まだあきらめるな」と言われたような気がした。
しかし結局その後小一時間くらい粘ったが捕獲には至らず、俺と女性がすっかりあきらめムードになっていたところ、近隣住民と思しき女性その2が現れた。その1とは顔見知りらしく、その1から経緯を聞いたその2は猫の捕獲機を出してきてくださった。
いわく、「ワナをしかけといてやるから、かかったら連絡するよ。」とのこと。
俺はこの時、チャンスの女神から、「いいからこの子猫を飼うんだよ!!!」と言われている気がした。
それから数時間後、「かかった」と連絡をもらって、無事に子猫を受け取ってきた。そばで見ると、怪我の傷がなまなましかった。抱いてみると、手のひらに骨と皮しかない身体の感触が伝わった。
あらかじめもってきていたキャリーバッグにそっと入れてやってから、協力してくれた女性にしこたまお礼を言い、その足で動物病院に連れて行った。
見てもらうと、命に別状はないこと、しっぽが壊死していること、親とはぐれているあたり、弱視の可能性があることなどの診察結果を得た。その場で壊死した尻尾はきりとられた。俺は心臓が縮みあがった。抗生物質と消毒をもらった。
帰宅してから、ヨレヨレの子猫にミルクと離乳食をだしてやった。すると、こっちが驚くくらいの食欲で、一瞬ですべて平らげてしまった。切り取られたしっぽの痛みで食欲がなくなりやしないかと心配していたが、杞憂だったらしくホッとした。あんまり一気に食わせても胃腸の負担になると思っておかわりはさせなかったが、これからは毎日腹いっぱいくわせてやるからな、と俺は勝手に、誓った。
腹がはったヨレヨレの子猫は、めちゃくちゃ甘えん坊になった。ゲージにいれるとギャーギャー喚くので、戸をあけてみると、俺の膝にのってくるのだ。さっきまであんなに逃げ回っていたというのに、現金な子猫だ。
かなり汚れているし、結構臭うのだけど、その可憐なしぐさにあっという間にめろめろになって、においなんかわからなくなった。
傷に障らないよう慎重にヨシヨシしていると、気づいたら猫は寝てしまっていた。俺はまだどこかフワフワしているというか浮足立っていたので、日記を書いてみたというわけだ。多少落ち着いてきた。
それにしても、膝にのっているのも意識していないと忘れてしまうほど軽い。子猫なのだから当たり前ではあるのだが、それを加味してもガリガリすぎるし、カラスにやられたのかドラ猫にやられたのかわからんが顔も身体も傷だらけだし、しっぽの切り口は痛々しい。
こんな小さな体で、きっといつも体中が痛くて、空腹で、外敵を警戒しながら、ゆっくり眠ることもできずに、一か月以上一人きりで生きてきていたのかと思うと、胸が苦しくなる。しっぽを切るのだって、変わってやれるなら俺が代わってやりたいくらいだった。いまだって痛いはずだ。この子猫の痛みを肩代わりしてやれないことが今一番苦しい。
過去に黒猫を拾った時を思い出した。友人の家でみつかったあの子は、怪我や病気こそしていなかったが、まだ歯も生えそろっていないような年頃で、親はおらず、友人のあとをずっとついてまわったのだそうだ。友人のご両親は保健所へつれていけと怒ったらしいが、それだけなつかれてしまった友人は参ってしまって、俺に相談をもちかけてきたというわけだ。
なんとなく、トイレやゲージなど、一通り掃除はしたものの、処分してしまうのも、すっかり片づけて押入れの奥にしまってしまうのも気が引けて、定位置においたままにして数年が経っていた。
ほんとうに、処分してしまわなくてよかった。と、心から思っている。
この白い猫の名前を考えよう。
今年の初めから流行し始めた新型の感染症のせいで、今年は花火大会のほとんどが中止になるかもしれません。
未知のウイルスが世界中に蔓延して自由に外出できなくなって、人々がマスクを奪い合う日常というのはまるで現実離れしていて、私は春からずっと誰かが作った映画や本の中に迷い込んでしまったような気分がしています。
今日は少しひんやりしているなと思いながら、傘を持っていない方の手のひらで反対側の二の腕をあたためました。家の中に居て雨の音を聞いていると保護されているような気持ちになるのに、外に出るととたんに心細くなるのはどうしてなのでしょうか。
傘を指してどこかへ急いでいく人々が目の前を横切っていきます。私は待ち合わせ場所が間違っていないか不安になりました。そういえば、本屋さんで待ち合わせをしようと決めただけで、具体的な場所を指定していなかったことに気づきました。待ち合わせといえば当然入り口だろうと思い込んでいたのです。
腕時計の針はここに到着してから15分が経過したことを告げていました。
私は今、街で一番大きな本屋さんの入り口に立っています。この本屋さんにはいくつもフロアがあるので、別の階に探しに行ってもどこかですれ違ってしまうかもしれません。あたりを見回すと、どの人も私の待ち人そっくりに見えて、でもよく見ると決してそうではないのでした。
誰かを待っている時間というのはおそろしくゆっくりと流れます。どこのコーナーに行ってどんな本を見ようかとわくわくしていた気持ち、そして会えるのを楽しみにしていた気持ちが、自分の中で少しずつしぼんでいくのがわかりました。
夏にこうして誰かを待っていると、私は子供の頃の花火大会の日の夕方の、長い長い時間のことを思い出します。
中学校の制服をどうやって手に入れればよいのだろうと考えていた記憶があるので、きっとあれは小学校六年生の頃だったのだと思います。いつだったか、転校してきたクラスメイトのおうちに一度か二度お邪魔させてもらったことがあった気がしますが、それ以外では子供の頃に誰かとの交流を経験することはなかったように記憶しています。当時の私にとってそれは日常でした。
だから、今考えると、花火大会に誘われたということのほうがおかしなことではあったのです。
自分の掌を開いて見つめていると、しばらく忘れていたはずのあの日の出来事が鮮やかに蘇ってきました。
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その日はよく晴れていて、花火大会はまず中止にならないだろうと教室で誰かが話していました。お祭りの屋台で何を買うか、楽しそうに相談する声が聞こえました。私には関係のない話でした。
私は机のしみを数える作業に戻りました。それに集中していたので、教室の窓側で立ち話をしていたクラスメイトのうち一人が私の方にやってきて話しかけてくれたときは本当にびっくりしてその場で飛び上がりそうになったのを覚えています。最初は人違いをしているのではないかと思いました。待ち合わせ時間と場所はまだ決まっていないから、夕方に連絡網を見て電話するねと言われて、私は彼女の気が変わらないうちに思って急いで頷きました。
私は電話線が抜けていないか何度も確かめながら、誰もいない家の中で電話を待ちました。貯金箱を割ってみると、思っていたよりお金は入っていなくて、でも一番安い何かなら買うことができるかもしれないと考えました。
他の女の子たちは浴衣を着てくるのかもしれません。私は、一緒に並んでいて皆がなるべく恥ずかしくならないように、持っている中で一番ましだと思う服に着替えました。
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水色の空がオレンジ色になって、薄紫色に変わって、それから深い群青色に染まりました。電話の前で座り込む私の影が長くなって、それからだんだん見えなくなりました。
目をつぶると、目の前に深いあかがね色をしたびろうどの緞帳が現れました。私は幕が上がっていないステージの内側で片足立ちをして、始まるのを今か今かと緊張しながら待っている踊り子になっています。
まだ幕は上がりません。どんどん足が疲れてくるので、そうしたら反対側の足で片足立ちをします。それをずっと繰り返しながら、踊りのステップを忘れてしまわないよう頭の中でそらんじています。
何かを待っているとき、私はいつもこうして踊り子のことを想像しました。これは私が何度も繰り返して読んだお気に入りの本に入っていたおはなしの一つに由来するイメージです。このイメージを頭に浮かべていれば、不安な気持ちが少し紛れるような気がしたものです。
私はふたたび手触りのよさそうな緞帳を見つめました。何度も何度も交互に片足立ちをして、そのときが来るのをじっと待っています。
もう外はすっかり夜でした。
遠くで花火が上がりました。それからしばらくして、祭囃子の音が小さく聞こえてきました。
私は真っ暗な部屋でしずかにそれらに耳を傾けます。目を閉じて、わたあめのふわふわとした触感や、水の入ったカラフルなヨーヨーのひんやりとした温度や、りんごあめやいちごあめの甘さを想像しました。わたしの貯金箱に入っていたお金では、きっとどれも買うことはできなかったのだから、これでよかったのだと思いました。クラスメイトに気を遣わせるようなことにならなくて本当によかったのだと。
目の前で花火のにおいがするような気がしました。煙がしみるので私は目をしばたたかせました。お金を握っていた手はすっかり汗ばんでいて、手を開くと金属くさいにおいが立ち昇りました。
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誰かが呼ぶ声がしてはっと我に返ると、私はふたたび雑踏の中にいました。隣には恋人が立っていて、私に何か話しかけていました。
私は、花火大会のあの日からずっと今まで待っていたような気がしました。やっぱりちゃんと約束していたんだというほっとした気持ちと、待っている人が約束を守ってくれたうれしさと、待っていた時間の悲しさが胸の中でごちゃごちゃに混ざり合いました。
黙っている私に、待ち合わせまであと三十分もあるのに先に来ていたのでとても驚きましたと彼は言いました。そういわれて昨日の電話の内容を思い出してみると、待ち合わせ時間は十七時だったことに気が付きました。それでかばんのなかにいつも入れている小さなメモ帳を見てみると、十七時にT書店で待ち合わせ、と私の字で書かれていました。メモまで取ったのに待ち合わせを一時間早く間違えていたのです。一人で勘違いをして一人で悲しくなっていたことを恥ずかしく感じました。それにしても、一時間遅く間違えなくて本当に良かったと思いました。
そういえばK市の花火大会は今年も開催されるらしいですよと本屋さんのエスカレーターに乗っている時に恋人が教えてくれて、今年も行こうということになりました。
去年の花火大会は、前日まで一週間も雨が降り続いていました。花火大会当日も結局雨だったのだけどなぜか開催になって、傘をさしながら足元を泥だらけにして一緒に見たことを思い出しました。私にとってその日は花火大会に初めて行く日で、しかも隣には好きな人がいて、これは現実なのだろうかと何度も疑ったものでした。
私たちの距離は今のように近くはなくて、その頃はまだ手を繋いだことがありませんでした。
手が冷えていたのでエスカレーターの手すりがあたたかいなと思っていたら、一段下にいた恋人が隣にきて私の手を握ってくれました。
私は今とても幸せだと思います。こうして一緒に過ごしている間は何も余計なことを考えないでいられるのですが、一人になるといつも罪悪感をおぼえました。恋人に優しくされるたびに子供の頃の私と今の私とのコントラストが強くなっていくように感じられて、何だかとても悪いことをしているような気持ちになるのです。
子供の頃の私はきっとここではないどこか違う世界に行くか、別人に成り代わりたかったのだと思います。大人になった私は今こうして別人に成り代わって、別の世界にやって来たつもりでいました。でも結局のところ過去の自分と現在の自分は分かちがたく連続しているのだということが、今更になって漸くわかってきたような気がしました。
私は恋人の手を握り返しました。本当は横並びに乗ったらいけないとわかっているのですが、ずいぶん待ったのだからこのくらい良いだろうと勝手なことを思いました。
https://anond.hatelabo.jp/20200612200441
エクストリーム東京都知事選挙2020の増田を書くため、今回の東京都知事選挙の各市区町村ごとの得票も見ていたのだが興味深い傾向を発見した。全地域で小池百合子の圧勝なのだが、落選した主要候補の得票に有意に地域差が出ている
https://www.asahi.com/senkyo/tochijisen/
いわゆる「都心3区」。宇都宮健児は比較的どの地域でも次点に付ける傾向だったのだが、典型的な左翼候補ということもあってオールドレフト的主張が嫌われ、新自由主義的傾向の強い小野に票が集まったと思われる
新宿区・渋谷区・豊島区・文京区・江東区・台東区・品川区・大田区・目黒区・世田谷区など、大きな副都心を抱え比較的家賃や地価・物価が高い一方で、都心3区と比較すると中流層が多く居住する自治体。
これらの区では宇都宮健児が2位につけているが、山本太郎よりも小野泰輔に票が集まっている。相対的に貧困層が少ないこともあって、左派の再分配指向よりも新自由主義的な傾向が強く出たのだろう。例外的に墨田区と杉並区だけは山本がわずかに勝っており後述する「ザ・中流自治体」と同じ傾向が出ている。
足立・葛飾・江戸川の城東3区のうち、足立と葛飾。多摩地区では八王子市や青梅市など都心から遠い自治体
これらの自治体では山本が小野よりも多く得票する傾向が多く、全体で見れば宇都宮・山本という左派のほうが新自由主義の小野より票を集めている。例外的に江戸川区だけは落選候補のうち山本の得票がトップであったが、若い世代が多く山本に票が集まったためと思われる。
下町と都市近郊。これらの自治体も山本が小野に勝っているが、城東3区や多摩郊外と比べると得票差は僅差である。多摩地区でも中央線沿線や都心に比較的近く、家賃が高めな自治体はこの傾向。都心16区でも杉並区と墨田区と中野区は例外的にこの傾向。杉並区は左派が強いというのは都市伝説かと思ったが、むしろこの説を補完してしまった。
有権者の社会的階層や経済的属性によって投票傾向があるのは当たり前だが、これほど地域で有意に変わるのは興味深かった。大枠では小池百合子が圧勝した選挙だが、細かいところを見ると結構違う。東京にも地方格差問題が有ることがわかる。
おそらく有権者の年収や資産状況もそのまま投票行動に反映されているであろう。年収上位数%は小野、下位数%は宇都宮・山本、中流層の大半は小池というふうに。
阪神地区では日本維新の会は自民党に代わる保守政党という位置づけであるが、小野への投票傾向から東京では新自由主義・リバタリアン向け政党と言える。あれだけ公務員叩きして福祉と行政サービスを削っていればそういう人が支持者になるのはわかる。ただし東京では新自由主義・リバタリアンの多くは小池百合子に投票したので、小野泰輔氏に供託金は戻ってこなかった。小池百合子は新自由主義でもリバタリアンでもなく、理念なき単純なポピュリストなのだが。
今回の選挙の宇都宮+山本で合計150万票で小池百合子の半分にも届かなかった。立憲民主党の支持層の多くが小池に流れたと思われるが、おそらく次の参院選挙などで東京選挙区で野党共闘が実現してもこれが基礎値となるであろう。これだと定数6のうち2議席が限界である。前回の鳥越俊太郎も134万票だったことを考えると伸びしろがあまり見られず、野党共闘の未来はあまり明るいものとは言えない。
裏に「ご自由にお使いください」と書かれてるのは多分1つだけなんだけど、山田は開封済みのそれをず~~~っと使わずに持ち続けていたのだろうか?
それを karte.43 で満を持して使用したのだろうか??
案2だと美しいなー。でもちぃがナンパイセンに利用されたとき泣いてたよな確か。
karte.29で、市川はどうして足立の山田への好意に「初めて感じる不快感」を抱いたのだろう??
「山田の外面ばかりを見て好きになった事が気に入らなかった」
というのは文脈的にはわかりやすいのだが、ちょっと良い子すぎるし、それならむしろ市川は足立に優越感を覚えてもよさそう。
いわゆるアイドルヲタクの「同担拒否」的な事だろうか(同担拒否自体よく理解していないのだが)。
要するに自分以外の男が、例え部分的にでも、山田について自分よりも理解がある、という事への嫉妬が不快感の原因では??
より理解がある部分というのがエロ方面(太ももの魅力について)というのも中二らしくて好ましいので、この説を推していきます。
昔はそういう描き方ではなかったと思うのだが、どうだったかな?確認(どうでもいい)。
可愛さよりは美形さを表している感じ。
1巻中盤、プロローグが終わった7話あたりから鼻梁の線は短く目立たなくなっていき、鼻下の陰だけで描かれるように。
初めて鼻梁のハイライトが付いたのは karte.19 マックで遭遇回。このときはやや上を向いた際の1コマだけ。
その後 karte.27 あたりまで毎回1~3コマ程度鼻梁にハイライトが入るようになり、
職業見学が終わった後の karte.28 あたりから今と同じような感じに。
萌子やにゃあもごくたまに鼻のハイライトが付く。主に顔アップの時。
市川や足立さえもハイライトが付く時があるが、これは男のゴツイ鼻だからハイライトが付きやすいだけと想像(特に足立)。
"ミルクティー問題" のコメントの中に「山田は変わらない(反語)だよ」というのがあってハッとした。
え!!もしかして重要な変化がある場面では必ず「山田は変わらない」的メッセージが・・・!?
karte.15:お菓子を食べてニヤつける山田はやっぱりいつも通りだ
karte.30:やっぱり山田は何も変わらない
2か所。
「出たら重要場面」ではあるけど、「重要場面で必ず」ではなかった。。。
物語開始時点では夏服で、作中に夏休み描写はなく、karte.13 で冬服に衣替え(10月)の、3巻終わりが二学期末。
という事は karte.1 は二学期開始直後くらいで、3巻までで最長でも4か月程度しか経過していない。
文化祭9月なんだ??
同一日が複数話にまたがったのは
逆に1話の中で日をまたいだのはLINE交換の1回だけ。
ということは学校での出来事が 44 - 2 - 4 + 1 = 39 で39日分。
9~12月の登校日はカレンダーで確認したところ76日だから学校生活は50%以上の日がマンガになっているわけだ。
特装版の小冊子に市川と山田のプロフィールカード(自筆)が載っていて、市川の誕生日が3月26日と判明。
という事は今市川は13歳8か月といったところ。
13歳の平均身長は 158.0cm、市川の身長は 156.5cm で、実は言うほど身長低くないのかも。
ちなみに14歳の平均は 165.4cm だから、来年の今頃は 7.4cm 伸びて 163.9cmを期待できるぞ!!
山田が伸びなければあと 8cm!!
おねえはすでに風邪のお見舞いに来た「山田」なる一人称が「私」の級友?の存在を把握している。
さらにデート前日京ちゃんが「やまだ あんな」と暗号LINEしている事も見ている。
そしてEテレなど見なさそうな京ちゃんが視聴した「コロ学」のキャスト情報から、すでに「あんな」の正体に気付いているかも・・・!!
2巻までの二人はただ相手が好きで、それだけで良かった。
3巻での山田は市川を求めているし、市川に求められる事を望んでいる。
しかし当の市川が自分の本心から目を背けているせいで望みはかなわないのだ。
だからこそ karte.43 で市川が絞り出した本心は尊い。
不器用で臆病だが精一杯山田を求める気持ちがこもっていて、ようやく山田は互いに求めあう事の充足を得た。
3巻は全体的に、山田の心が市川でわちゃわちゃする様を愛でる話が多かった。
単話ごとで見ると、山田が初めての恋に振り回される様はとても微笑ましい。
一方で3巻全体を通して見ると、すこしずつ山田が不安定になっていく様子がうかがえる。
求めるにつれ自制が失われ、年相応の性欲が芽生え、不安が募り、ついにはナンパイ彼女というストレス要因によって弾けてしまう。
この不安定さは最終盤、仲直りのハグ(2回目)とLINE交換によって肉体・精神の両面から満たされる事で一旦解消。
幸せの中で4巻に続いている。
市川は2巻中盤以降から相変わらずで、山田ほど恋に振り回されてはいない。
自分の恋心を「病気」と断じて未来への希望を排除しているため、より親密になりたいという欲求自体が抑制されているのだろう。
これはもちろん欺瞞であり、ポーカーフェイスの裏で溜りに溜まった歪みが終盤ついに吹き出して初恋を破たん寸前まで追い詰めた。
市川が歪みの正体に気付き乗り越えた事で二人の関係は一歩前進できたが、まだまだ色々な事(欺瞞そのものとか)から目をそらしている事は変わりなく前途は多難だ。
市川とのつながりが欲しい山田はLINEの交換を持ちかけるが失敗。
逆に成り行きで萌子と市川がLINE交換することになり激しく嫉妬する。
自分も市川に妬かせるためにクラスの石室君とLINE交換せざるを得なくなるが、すんでのところで市川が(意図的ではないが)阻止。
図書室以外での接触を避けたい市川は距離を取ろうとするが山田は一緒に走りたい。
なんだかんだ山田が気になってほぼ一緒に走り、結果はビリだった。
授業終わりでみんな教室に帰っているし、まぁいいかと手を貸す市川。
返したと思ったのは市川のジャージで二人のジャージが入れ替わっていた。
市川の名札が付いたジャージを山田が着てしまう事を危惧する市川。
市川は挙手して黒板前に進み出ると、問題を解きつつ山田に「名札みろ」とジェスチャーを送る。
が、山田は二人だけの秘密を楽しんでいるかの様に受け流すのだった。
ようやくの昼休み、図書室に市川が入ると山田は先に来ており、山田から返されたジャージの襟元にはご飯粒。
市川はいつもの食べこぼしだと思ったが、それは口元にご飯粒を付けた山田が市川ジャージに顔をうずめた痕跡なのだった。
ネットで山田がEテレ「コロンブス学園」なる番組に出演している事を知った市川。
丁度放送日だった事もあり気になって視聴する。
山田が皆に知られてしまう事を危惧する市川だったが、実際のところ山田はひな壇のその他大勢に埋もれ、しかも出番はほぼカット。
市川はホッとしつつも山田の傷心を思い「コロ学」の話は避ける事にした。
最近の山田は昼休みに宿題している事を知ったちい(小林)が図書室を訪れ、なりゆきで市川が問題の解き方を教えることに。
素直で裏表のないちいが市川とも距離なく話す様に、親友とはいえ嫉妬が隠しきれない山田。
市川の方でも「山田とだけは普通にしゃべれる」事をちいに指摘されて動揺。
その日の昼休みは終始かき乱される二人だった。
代わりに山田が市川に勉強を教わる事にして、図書室の二人は並んで座るようになった。
三者面談。学校で母親と接触したくない市川は面談室前の様子を隠れ見る。
順番が山田家の次だったようで、廊下の椅子には山田母・山田・市川母が。
隣に座るのが市川の母と気付いた事から緊張しつつも軽く談笑する山田と市川母。
面談終了後、玄関に向かう市川親子を見つけて後ろから駆け寄る山田。
そのとき「面談前にすごく綺麗な子とアメを交換しちゃった」との市川母の言葉に、一部始終を隠れ見ていた市川は「山田」と即答。
すごく綺麗な子=山田という市川の答えに顔が赤くなった山田はまともに話しかける事ができず、「ば、バイバーイ」とそのまま駆け去った。
萌子にちいの代役(椅子)を頼んだ山田だが、椅子萌子が山田の乳を揉んだだめ憤慨。
それなら、と黒板に「山田触っていい場所マップ」を書かせることに。
その日の図書室、市川がマップを見たと知っている山田は触って良いよとばかりに距離が近い。たじろぐ市川。
三者面談の話をしているところに司書の先生が入室し、慌てて距離を開けた。
ふと見ると山田は宿題ノートの端にアメを出しっぱなしにしていて、市川はマップ上「触って良い」になっていた肩を軽くたたき「アメ、隠せ」と耳打ち。
突然のささやきに山田は耳をおさえて赤面、超絶動揺してしまう。
後日、山田のマップには耳が「触るのNG」として追加されたのだった。
小雨かと思ったらドシャ降り。
冬の冷雨に打たれながら自転車で家路を走る市川はコンビニを出た山田と鉢合せした。
市川の濡れた髪と面貌に見とれて思わず手を伸ばしてしまう山田、たじろぐ市川に気付いてギリギリ未遂。
後ろで傘を持って2人乗りしようとの山田の提案もあったが、仕事の予定もあって結局断念。その場で解散となった。
ようやく家の前まで帰り着いた市川は、自転車の前かごに山田のコンビニ袋が入ったままになっている事に気付く。
袋の中にはお菓子の他に生理用品もあり、慌てた市川は再び雨の中を駅へと急ぐ。
何とか間に合った市川、大声で山田を呼び改札越しに袋を渡そうとする。
山田はわざわざ改札を出ると、袋を受け取りながら濡れた市川の髪を拭いた。
市川が慌てていた訳に気付いた山田は顔を赤らめつつも市川の耳にそっと顔を近づけて
続く「ママに頼まれた」という言い訳に市川は「あのキレイなママがなぁ・・・」とキモい妄想にふけってしまい、それと知らない山田はここぞとばかりにハンカチで市川を撫で続けるのだった。
前回の雨で風邪をひいた市川は学校を休み、平日昼間の一人の家を満喫。
そこに給食のイチゴババロアをもった山田がお見舞いでインターホンを鳴らす。
玄関先で少し言葉を交わした後、体調を気遣っておとなしく帰ろうとする山田を、市川は咄嗟に「あ、お、お茶でも、飲んでいっ、たら・・・?」と引き留める。
表情を明るくする山田。
自宅に山田がいるという緊急事態にテンパる市川、お茶の用意をしかけたところで汗まみれの寝間着が気になり着替えることに。
朦朧とした意識の中で「大丈夫、大丈夫」と答える市川だったが、上着を着せようとする山田の腕の中で再び気を失った。
熱に浮かされる市川は、山田に抱き寄せられるやけにリアルな夢を見ていた・・・。
頬を撫でる手の感触に市川が目を覚ますと、手の主は山田ではなく姉。
市川にはどこまでが夢なのか分からなかったが、イチゴババロアと置手紙から山田が来たことだけは間違いないようだった。
チョイ役だが一言だけセリフもあるそうで、唐突に冷たい声で「マジキモい」と映画のセリフを披露する。
山田が発したその言葉にセリフと知りつつ心底の劣等感が震えてしまう市川。
その後もセリフの練習を続ける山田だったが、周りの目を気にする市川の提案で人気のない場所に移動することに。
公開日は卒業直前の再来年春だといい、市川は否応なくその時の二人の関係について考えてしまう。
(再来年の春に)映画を観てくれる?という山田の問いかけに、市川はわからん、善処する、としか答えられない。
が、ほんの少しだけ覚悟をきめると「観られる(自分になる)よう善処する」と、初めて二人の未来について真剣な言葉を発した。
その顔を見た山田は胸がいっぱいになり、セリフの練習が続けられなくなった。
前回を受けてイチャラブ度がピークに。周りに隠す気あるのか?というレベル。
席替えの結果市川は廊下側2列目、山田はその左斜め前とギリすれ違い。
足立が山田と教科書シェア作戦を画策、市川が阻止。嫉妬が嬉しい山田。
山田の長身で黒板が見えない市川が原さんにノートを写させてもらう。頬を膨らませて拗ねる山田。
休み時間「原さんが隣でよかったねと」弱気な山田に「山田がデカくて黒板が見えない」とも言えない市川。
つい「授業中、山田しか見えない(から黒板が・・・)」と口走ってしまう。
結局席順は山田と市川を入れ替えて、最前が足立・市川、2列目が山田・原さん、となった。
市川は山田から借りた「君オク」を読んで山田から自分への好意に気付きかけるが、あり得ない希望を持たないようにその考えを打ち消す。
その場はちいが追い払うも、昼休みの図書室に今度はナンパイ彼女だけが登場。謎の正妻アピールで山田をけん制する。
市川に誤解されたくない山田は暴走してしまい、彼女に連れられて図書室を訪れたナンパイに、市川とのキスシーン(のふり)を見せつける強硬策に出る。
山田からするとかなりの覚悟を要した行動も、山田から市川への恋心を「あり得ない」と考える市川には「好きでもない男を利用する行為」と映ってしまった。
それは「市川のネガティブな世界観」と「山田が隣にいてくれる現実」のギャップを埋める説明としてこの上なく適切であるように思え、
市川は足をガタガタと震わせつつこれまでの全てが「ただ利用されただけの関係だった」と結論。自ら絶望する道を選んでしまう。
その選択はまた、内心抱えていた恐れから解放され、元の自分に戻るという逃避でもあった。
山田を拒絶し昼休みの図書室にも姿を現さない市川、山田は不安を募らせる。
2日目にして耐えきれなくなった山田は、放課後の市川に強引に詰め寄った。
山田はここ最近市川との接触を求めすぎていた事に負い目があったようで、
「おこってるの?なんで?」「私が距離近すぎるから?」と涙目で問いかける。
涙をぬぐおうと取り出したのは、いつかの「ご自由にお使いください」ティッシュだった。
それを見た市川は「山田はそんなヤツじゃない」と分かっていながら気持ちを偽っている自分自身に気付く。
市川は「欲しくてたまらないのに決して手に入らない山田」を想う気持ちが日増しに強くなる事から逃げる口実を求めていたのだった。
自分の本心を知った市川は山田に歩み寄り、たまたま用事があっただけ、と弁解する。
山田は安堵から思わず市川を抱き寄せるが、接触を求めすぎたことが原因だと思い出してすぐ離れ、仲直りのハグだったと言い訳。
市川は精一杯素直な気持ちを振り絞って「嫌だなんて言っていない」と返した。
山田は再び市川を引き寄せると、ようやく心置きなく、愛情のままに市川を抱きしめる事ができたのだった。
その日の帰り道。
浮足立つ山田と賢者タイムの市川の会話はイマイチかみ合わず、市川はやはり山田との相性は微妙と嘆息する。
逆に、君オクの感想を市川から聞いた山田は好きな場面が一致した事で心を弾ませた。
とその時、突如IQが高くなった山田に天啓が降り、君オクの続きを月曜に持ってくると市川に約束した。
はたして終業式の月曜、山田は君オクを持ってくるのを忘れる。
タクシー配車アプリ「JapanTaxi」について、乗務員視点でどうなのか書いていく。東京(特に日本交通グループ)の話が中心なので、他の地域の方には申し訳ない。
anond:20180927184434 に書いたことは説明を省略しているので、こちらもどうぞ。
アプリ配車のシステムはお客様・乗務員いずれの視点からも導入当初より改善された。一方で、不心得な利用者には冷たくなった。
「全国タクシー(後のJapanTaxi)」が登場した当初は、お客様が配車を注文した後、【①アプリのサーバー】【②各社の配車サーバー】【③タクシーの車載器】、の順に情報が送られ、配車が行われていた。ただしこれではお客様にご迷惑をおかけするだけでなく、乗務員から無線室への苦情も多く寄せられる状況が続いていた。問題点は以下の通り。
この方式はタクシー車両ごとの設備改修を行う必要がないという利点こそあったが、トータルで見るとデメリットの方が大きかった。これらは労働組合がたびたび改善の要求を出していた。それだけでなく、旧来のシステムにアプリ配車まで対応させるというやり方では、後発のMOVやDiDiなどと競争できなかった。
そこで、アプリのサーバーと各車両が直接つながった、アプリ配車専用のシステム(を搭載したタブレット)が導入されることになる。ただしMOVやDiDiはこの時点で既にこの方式を導入しており、JapanTaxiは国内では先発だったのに結局出遅れたことになる。もっと言うと、Uberはアメリカで事業を開始した当初からこの方式だった。
アプリ加盟会社で1つのシステムを汎用的に利用でき、迅速に配車を決定できるというメリットがある。
2019年の1月に「JapanTaxi Driver's(以下ドライバーズ)」という乗務員向けのシステムが開発され、1年ほどかけて都内の日本交通グループ全車両に導入された。帝都自動車やイースタンモータース、また他県事業者などといった従来からのJapanTaxi加盟社でも導入が進んでいる。これで、注文から配車成立までを同じJapanTaxiサーバーで行う(=各社の無線システムを通さず各車両に直接配車要請を行う)こととなり、先述した問題はかなり軽減された。(同時にGPS取得精度も改善され、逆から呼ばれることは少なくなった)
導入はJapanTaxi㈱が予めアプリをインストールしたAndroidタブレットを加盟各社に販売するという方式で、DiDi等も同じである。
JapanTaxiはUber方式では出遅れたが、後発の利を生かして「複数台に配車要請を行う」というシステムを取った。いずれの方式でも、コンピューターが最適と判断した1台を決めて配車要請を行うことには変わりないが、実際はその判断が正しくないこともあり、何らかの理由で配車要請が無視されることがある。こうなると、車両決定までの時間が延び、お客様にご迷惑をおかけしてしまう。何台かに配車要請をすればどれか1台は受けてくれる=お客様視点での成立率はほぼ100%になる…という具合である。
これまでは【配車要請→了解→迎車進行】という流れだったが、ドライバーズの場合は【配車要請→了解→当選→迎車進行】となった。
車種よって違うが、ジャパンタクシーの場合は運転手から見て左に通常のカーナビ、右にドライバーズが設置されている。普段は通常のカーナビだが、配車要請が届くと通知音が鳴り、画面に大きく「了解」ボタンが表示される。ただし先述の通り複数台に同じ配車要請が届くため、一番早く了解ボタンを押した人が配車成立(=当選)となる。了解しても当選しなければお客様の情報は確認できない。ドライバーズに送られてくるのはアプリからの即時注文のみで、電話注文や時間指定予約などは従来の配車システムで届く。
無視してもペナルティはないため、渋滞していたり右左折の途中でお迎えに上がれなさそうなときは他の車に任せるつもりで気軽に無視できるようになり、乗務員、お客様共に負担は軽減された(と思われる)。ちなみに当選数にかかわらず了解数が多いとインセンティブがあるが、割愛。
通知が届くのは、5~7分以内にお迎えに上がれそうな車のうち4台前後だが、繁華街など車両密度が高い地域では早押しに関係なく一番近い車に決まると噂されている。周辺台数が極端に少ないと、アプリ注文でも従来の配車システム(=乗務員は原則無視できない)に回される。ドライバーズ経由で配車要請がかかっても全員無視すると、お客様にはもう一度アプリを操作して頂く必要がある。
何としてでも無線を取りたいがあまりに、ドライバーズタブレットに連打器を付けて早押しに勝とうとする人まで出て来たが、正式に禁止された。(連打器=もともとスマホゲームでズルするために使うもので、SMATCH http://www.zaurus.jp/special/smatch/ が有名。)
事故ったとか、目の前に手を挙げている人がいるとかの他にも、色々ある。(注:アプリ注文も電話注文も「無線」です)
とはいえ、繁華街の無線は長距離利用も少なくないし、会社の方針を尊重する聖人、蓼食う虫になる人、クレーム万歳な人、色々いる。時間帯やその時その時で判断は変わってくる。私も歌舞伎町絡み以外は基本的に全て了解している。
以前の記事でも槍玉に挙げた「必着スマホ配車」は値上がりした。従来、時間を指定して注文する場合、追加料金はアプリ予約が420円(即時注文と同じ金額)、電話予約が840円となっていたが、今年の4月からアプリ予約でも840円となった。
アプリ予約が嫌われていた理由は以前も挙げたとおりだが、要は1乗車にかかる時間に対して営業収入が低く、かなり効率が悪かった。時間指定予約は20~30分前から車を拘束するのと、JapanTaxiアプリでは日本交通しか受け付けていなかったため(他社は合意が得られなかった)、朝は車が足りなくなることが多かった。しかも迎車料金込みで1500円を下回る利用も相当数あり、会社としても結構な損害になっていた。更に、これが嫌で朝は無線を無視する乗務員も多くなるという悪循環に陥っていた。
アプリ予約を840円にすることにより、即時注文への誘導を図る狙いがあったと思われる。即時注文であれば1乗車の拘束時間が減り、日本交通以外の車も呼べるため、キャパに余裕が出る。また、ある程度拘束時間に見合う金額となるため、無線を無視する人も減ると思われる。
もう一つは、お客様が予定時刻に現れなかった場合、これまでは連絡が取れなくても20分までは待つということになっていたが、これが10分に変更された。この話はJapanTaxiというより日本交通だけの話になるため、割愛。
これといったオチはない。
タクシーアプリも人口に膾炙してきたのか、導入当初のようなトラブルは減った。また、アプリの利用者は明らかに増えており、無理に都心の繁華街に居座らずとも、流しでは確実に乗らない郊外でも十分仕事が成り立つようになった。都心での営業が確かに最も儲かるが、狂客との遭遇、空車同士の競い合いも多く、心身がすり減らされる。かといってそれを避ければ生活が傾く訳だが、郊外におけるアプリ配車がその間のちょうどよい落とし所となってくれた。特に今般のコロナ騒ぎでも収入の下げ幅を抑えられているのは、郊外でアプリを利用してくださるお客様のおかげである。
こういうやり方はベテラン乗務員には嫌われがちだが、わざわざ港区に行って週一で癇癪持ちにエンカウントするのは私には無理なのでこうしている。このやり方を続けるには、お客様にまたJapanTaxiを利用していただく必要があるが、私に出来ることといえば、積極的に了解して配車不成立を減らし、お客様に不便な経験をさせないことと、そして接客や地理知識を磨くことである。これらの循環でお客様に喜んでいただければ私も安心するし、心身共に健康な状態でこの仕事を続けることができる。(了)
「東京都区市町村別新型コロナ感染者数ランキング」 https://anond.hatelabo.jp/20200417201611 を書いた増田です
せっかく表作ったのにあまりにも注目されないので釣りタイトルで少しメモを
高々2,000余りしかデータがないので確定的なことは何も分からないんだけど
でも、ちょっと奇妙じゃないですか?
普通、感染症といえば公衆衛生意識の甘い貧乏人が苦しむ病気ってイメージがあるじゃないですか
港・新宿・渋谷・中央と大きな繁華街を抱える非常に地価が高い地域に住める人達、目黒・品川・世田谷と意識高い系住民が多そうな良質な住宅地を抱える地域に住んでいる人達の方が感染者比率が高い
もちろん、高等国民が多いから検査も優先実施してもらえて結果感染者判明率が高いんだ、と、「陰謀論」を唱えることもできるけど、
それにしても港・新宿等が足立・江戸川等の5倍6倍も感染者比率が高いって、ちょっと異常な気がします
貧乏人が多く感染してないから日本は感染者数も死亡者数も低く抑えられているという可能性はあるかもしれませんね
金持ちが多い地域住民の感染率が高いんなら金持ちがもう少し金や知恵を出して何とかしてよ、って、ちょっと思っちゃったりします
アラフォー同士の結婚で、年齢も年齢なので、生理が終わった翌週週末に夫と産婦人科行ってきた。
検査をしたら排卵しそうなのがあるってことで、この3日間で夫婦生活を営んでください、もし生理が来たらすぐに来て、体外受精の準備をした方がいい、と言われた。
え?人工授精も試さずいきなり体外受精なの!?とびっくりしたけど、夫婦が高齢だと人工授精も厳しいのね……
夫もいきなり体外受精と言われて戸惑っていたけど。
言われるがままに産婦人科についてきた夫は、数日後に「不妊治療って一年経った頃に行くらしいよ」と言ってきたけど、それは若いカップルの話なんだよ、と説明したけど理解しているものやら。
拒否らず産婦人科までついてきてくれただけでもいい旦那さんだなーと思うけど(惚気)
ちょっと早めに生理が来たんかな、それとも着床出血?とドキドキして仕事が手につかない。
仮に妊娠していたとしても、無事うまく出産できるかもわからないので、浮足立つのは早すぎるよ!と言い聞かせても落ち着かない。