はてなキーワード: 市川とは
手ぇって言うたらさ。
いやふと思い出してんけどさ。昔バイトの帰り道に手ぇが生えとってさ。生えとってんて。
昔俺が住んでたアパートの裏にゴミ捨て場あってさ、そこの横になんか笹の地面から生えてる版みたいな草がわさってなっててんさ。前からなんかよぉ見たら手ぇみたいでキモい草やな〜ておもてたんやけど、バイトから帰る途中、その草のあいさからほんまの手ぇが生えとったん。
にょきっつうかこう、すって。まっすぐにさ。
それがさ柳みたいなきれえな女の人の手ぇとかならぎょってなるやん。いやぎょっとはなったよ、道端に手ぇ生えてんねから、そらウギョッとはなった。
でも、よく見たらその手ぇ、もうどう見てもおっさんの手ぇなんさ。指毛生えとるしわしわの…なんやの、道路工事とかしてそうな。ドカタっぽいおっちゃんの手ぇやってんな。
そいだらもう、どこぞの酔っぱらいがひっくり返って手ぇだけ出してんかなって思うやん。ぼくもバイト帰りでまぁまぁ酔っとったし…いや居酒屋のバイトやったから、常連の客とかによう酒奢ってもらっててん。毎日飲み会みたいなもんやったなあの頃…まぁそれはどうでもええねんけど。
んでさ、大丈夫ですか〜?救急車呼びますか〜?言うて。とりあえず引っ張り上げたろおもて、手ぇ掴んだんね。向こうもぎゅって握り返してくれたからああまぁ死んではおらんなって安心したのは覚えとるわ。
ふつうにあったかーい手やったんやけどさ。それが力いっぱい引っ張ってもぜんぜん動かんのよ。
そもそもさ、どんな草ワサワサなっとる言うてもたかが草やん。おっさんが転がり込んどったら、体とか足とか頭とか見えてこなおかしいやん。せやのに、その手ぇさ、そのまんま草の茂った根っこの方までぐって伸びとって、一番きしょかったんがさ、肘がないのよ。ちょうど、一緒に生えとった草とおんなじ、茎からそのまま葉っぱが生えとるみたいに。関節のない腕からおっさんの手が伸びとって。
ぞばばーーーーて鳥肌立ったわ、あれ。絶対やばいモンや!ってなって。手が冷たいニセモンやったらまだしもさ、ぬくたいおっちゃんの手やし、今も俺の手ぇぎゅーって握り返してんで?
慌てて振り払ってさ、慌てすぎて尻もちついたわ。俺すぐ尻もちついてまうんよね。足腰よわいんかな…。
んで尻もちついた俺の目のまえでさ、その手、なんか探すみたいにゆら〜てして、それからこっちにむかって小指出してきたん。
こう。そう、こうやって。
これは後から気づいたんやけどさ、これってあれやんな。ゆびきりげんまん。
なに約束させる気やったんやろね。
え?指切り?いやするわけないやんもう、もう普通にやばい怖かったから無言で俺ダッシュで逃げたわ俺は。いやもうねまじで怖い時は無言なんやって。歯ぁガッチガチに食いしばってダッシュよダッシュ。
https://anond.hatelabo.jp/20220127115426
攻撃性とサイコみで精神が汚染されそうなので冒頭とオチ以外読んでないけど、
起きても居ない先回り妄想を前提にこれほどまでの憎悪で相手を攻撃できるのはなんともはや過ぎる。
自己保身で作品名を伏せていたけど、ブコメで批判されて名前を出されたから僕ヤバだとゲロったダサさにも涙が出そうになるが
先回りで勝手に「アニメ化して献血のコラボポスターになって性的だと燃やされる」などいう書き口から、
まぁ男性オタク(増田)が女性オタク(増田にとって悪でなければいけない敵)を指して、
そこから雑にフェミニスト認定して己の願望込の未来予測を根拠に、事が起きる前に排除しようと躍起になっている。
という図式だろう。
一言で言えば「女性作者の作品に群がりながら女性ファンの存在を確認すると顔を顰める、ホモソーシャル男性オタクの断末魔」である。
オタクコンテンツを「みんなと一体になる道具」としか思わず、それに依存したオタクの末路とも言える。
「えっへっへ、僕も失礼してw」と裸になってオタクが溶け合う汁と化したLCLに飛び込んだら、
これまでネットで築いてきた価値観が崩壊しかねない“異物”を認識したため「僕の心が汚されて犯された!!」とお壊れになられたという事だろう。
しらんがなだけど。
この手の男性オタクは自分が楽しんでいる時はファンのコミュニティから女性層の存在を視界から抹消するくせに、
コンテンツの価値でマウントを取る時だけ「女性ファンが多い」と言い出して誇ったり、
内輪で楽しんでたエロスが外に見つかると(内輪以外に性的だと思われる=女に攻撃されている=敵は論破せねば)と連想して
「作者・絵師が女性であること」を盾にするというムーブがお決まりで、それがすごく気持ち悪い。
それは作者への敬意などではなくて、オタク(俺)が女性(脳内フェミ)を殴る凶器として女性(作者)を使うという最悪の利用法だよ。
ラブライブほか各種アイドルアニメとか、過去それが観測された例を上げればきりがない。
現在心にヤバいやつがいそうな元増田と違って想定すらしたくないけど、もし仮に元増田の未来予想図が来たら
嬉々として“敵”に「作者は女性だが?」とか言う元増田の姿が手に取るように断言できるので、
僕ヤバか~~……
山田→プロポーション抜群で長身、社交的で学校の人気者、芸能活動をしているので外見を売り物にすることをある程度は許容している
今は市川が山田の好意を受け止めて攻めの姿勢に転じてるけどちょっと前までは山田が一方的に市川を好きで
ガタイの差にものを言わせて無理やり引き止めるなどかなり強引に迫るような展開が多く
最新話更新後に「犯される!!」と読者が騒いでいるのはだいたい「おとなしくてか弱い少年がまともに抵抗できないのをいいことに痴女のデカ女に食われる」の意であった
その文脈をすっ飛ばして山田が市川を翻弄する時のエロモードの絵を切り抜いて公の場に出したら
いやこれは好きな男の子の前で見せる顔なんですよ、男の子の方はむしろ性的被害者ですよ、ハラスメントされる側ですよ、この淫魔に搾り取られる方なんですよと一斉にフォローが入って
フェミニストの方々ですら僕ヤバを庇うと思う
去年も一昨年もなんやかんや言って帰れんかったし俺その前の年も仕事あったから集まりさぼるわ言うて帰らんかったんな。せやから都合三年ぶりくらいになんのかな?三年前の盆以来かな。いやちゃうわ、じいちゃんが死んだで九月に一回帰ったんやった。いやでもじいちゃんの葬式もほとんど斎場にいったみたいなもんやったし、何言うて俺じいちゃんの霊柩車乗ったくらいしか覚えてへんわ。ばあちゃんのときは家で死んだから寝ずの番とかしたけど、じいちゃん骨折してからずっと入院しとったし。
地元さえげつない田舎やねんけどさ、いやもうほんま今お前が想定したのの三倍くらい田舎なんやんか。ぼく人に地元のはなし言う時絶対言うねんけどトトロ。トトロおもいだして?あれ。あれの村の感じよ。マジで。信号機とかもなんもないの。舗装はされとるけど、農道やでされてないと困るってだけよあれは。トラクタとかがぬかるんで足取られたら動けやんから。
そんで帰ってさ。うちの実家割と適当やから別にようあるほら、実家帰ると無限に食べもんでてくるとかそういうのもなくてさ、母ちゃんも父ちゃんもあー帰ったんみたいな感じで、ゆきちゃんの散歩してきて言うてきて。三年ぶりに帰った息子に犬の散歩てと思ったけどまぁ犬は可愛いから散歩いくやんか。ゆきちゃん。しばいぬ。かわいいで。年とって目ぇ悪いねんけど、家のまわりは散歩するから、まぁ久々やし戯れましょかねいうて。
そんでねぇ、トトロいうたけどウチん家はさつきとメイの家みたいぽつんと一軒家ではないからさ、集落の中にあんねやんか。で犬連れて歩いとると火の見櫓のとこの市川さんちの息子が帰ってきたわ言うてその辺のじーちゃんやのばーちゃんやのがえろう気楽に声をかけてくるんやんか。俺も慣れてるからまぁなんやはいはい言うて、あんたえらい髪の色なったなとかさんまいの坂の上のサキちゃんも帰ってきてんでとかまぁどうでもええこと教えてもろてさ。そう在宅ばっかになったからええやろおもて年末に髪ピンクにしててんさ俺。もう色ほぼ抜けてもてキンパやけどな。あとで染めたての写真見せたろ。
ああでそうさっきも言うたけどうち去年じいちゃん死んでんさ。ばあちゃんが死んだのも最近の話やったからまぁえらいことやったねみたいなことを言うてもらったんね。ほんまにねぇこの大変な時期に色々お世話になりましたぁいうて。ええなんもなんもみたいなさ。いやあれ田舎スイッチな。俺も田舎帰った瞬間そういう会話できるようになんねん。ふしぎやにあれマジ。田舎に育ったもののみ培われんねんてそういうやつ絶対。
そんな感じでまぁじじばばとしばらく立ち話してんけどむっちゃ寒いし、いや風がまじでやばくて、今年うちのほう正月雪ちらついてていやもうあかんあかんこんなとこで立ち話しとったら死んでまうわ!なって、もう犬もほとんど帰りましょか?みたいな顔してたからさ、んじゃよいお年をー言うて帰ろとしたらさ、ばばの一人にあんた散歩行くなら堤防のほうはいかんときなにって言い含められて、そんなん怖い話の導入みたいやん?なんでですか?言うて聞いたんけど、どうも狐が出るからっつってもうえげつないしかめっつらしてんさ。堤防。さんまい向こうのかいとからちょっといったとこにダムっていうかでかい溜池があんのよ。トトロでメイちゃんがおらんなった言うて竹でさらっとったみたいな。なんでもトトロかっちゅうかんじやけど、まぁほんまにああいうね。柵とか何もないの。子供落ちたら全部死にそうなんやけど、いまだになんもされんのよねあそこ。俺のときは登校班五人くらいやったからまぁわかるけど、今結構子供おるらしいしあぶなないんかな。しらんけど。舗装もされてないし、私有地やったりするんかな。わからへん。
で、そのへんの近くのはたが荒らされる言うて、罠かけたら狐がかかったんてさ。狐やで群れではないやろけど、それでも一匹だけかはわからんで近寄るなって。そういや姉ちゃんがLINEで狐見物に行ったとか言うてたしああそれかぁっつって。いや娯楽がないのでね、なんや知らん動物がかかったぞ言うて人が集まるのよ田舎は。
そんでまぁ、きつねがおるから近寄るなて、日本昔ばなしか!言うて。完全に世界観がむかーしむかしー言うてるのよ。でもエキノコックスとかあるやん?なんの病気持っとるかもしらんし、その辺に糞だのなんだのあってゆきちゃんが変なんもろたら困るのはほんまに困るから、そのままばばの言うとおり堤防のほうは行かずに、さんまいの辻のとこで回って隣の集落とのさかいまで行って帰ろうとしてんさ。
うちの村と向こうの村の境ってすごい坂になってんのよ。昔は崖やったらしいに。こう、うちの集落がちょっと小高い丘みたいなってるのね。で、こう、もう無理やりコンクリで坂にしました!みたいな無茶な坂があんねんけど、そこの麓に一個畑があって。ちょうど…またこれもトトロやねんけど、あれの感じのぽつんと一軒屋みたいな家に住んどるじいさんだかがちっちゃいみかんの木とか、なんや野菜とか、じぶんちで食べるぶんだけ作っとるみたいなちっちゃい畑なんな。なんか最近お孫さんができたんかしらん、木の下に芝生みたいなん敷いてあってちょっとした遊び場になってるし、別にへんな畑とかではないよ。
ただ、あのーこれ田舎あるあるやねんけど、各畑に農機具とかをしまっとくちっちゃい小屋があったりすんのね。あと雨水ためとく古い風呂桶とか。まぁ風呂桶はええねんけど。で、農機具って言ってもクワとかシャベルとか、ふつうに盗まれたら困るし、あとほら、刈払機とかはチェーンソーとかおいてるとこもあるからあぶないんね。鍵掛けとかんとあかんやん。でその畑は廃車なったハイエースおいてたん。まぁ鍵もかかるし、休憩したいときには座席もあるしみたいなかんじなんかな。しらんけど。
さっき狐の話聞いたばっかやし、それでなくとも野犬とか怖いやん?ゆきちゃんはよぼよぼやし。俺が守らな!なって。あわててリード引っ張ってゆきちゃんだっこして、ただゆきちゃん、ボンレスハムみてぇなぱつんぱつんのしばいぬやから、めちゃ重いねん。しかも抱っこがきらいなんやん。もう、なに?全然だっこに協力的じゃないのね?手足がジャキーンなってでけぇ飛行機だいとんか?みたいな感じで、ひっくり返って転んでもてん。くそだせぇんやけどほんま。ずてーんいうて。重たー!いうて。
で慌てて起きたら、ハイエースの下から出てきたやつのほうもなんや急におるやつがバタバタしてずてーん転んでびびったんかしらんけど、ブシュッみたいな鳴き声して道の向こうの方逃げてくところやって、あーよかったーってなったんやけど、ビョインビョインて跳ねるみたいに逃げてくそれがさ、でも、どうみても狐じゃないんよ。
しっぽはひょろっとしてて、毛ぇもまばらで、目のところが真っ赤になってて。なんかぼつぼつがびっしり体中についとって、さぶいぼみたいなってて。なんか病気みたいな格好やったん。いやもーあれいややったー!ぼく無理やねんてああいうブワッてこまかいのなってるの。今思い出してもおぞけする。
でもそれよりウワッておもたんが、そのさ、訳わからんなんかのちょうどこの、みぞおちのあたり?ふとももの上へんやったかな?そのへんにさ、ふたつ、まるい輪っかがふたっつついとったん。そこだけ生き物の造形じゃないのよ。なんか急に人工物で、ナマモノぽくなくて、あれなんやったんやろって思いながらもうほんま怖かったしびびったしでもう速攻で家帰った。ゆきちゃん?いやもう俺がどたばたしてるあいだずっとなんですか?みたいな顔しとったわ。あほ犬やから。そこがええねんゆきちゃんは。チャームポイントやねん。あほとへちゃむくれとデブがチャームポイントやねんゆきちゃんの。あと自分のしたうんこをたべるところ。
そんで帰ってさ。まぁ当然話するやん家族に。さかいとこの坂の下の畑にへんなんおってさめっちゃ怖かったわー!いうて。父ちゃんが皮膚病かかった狐かたぬきかちゃうか言うて、寄り合いだのに連絡しとくわってなって。ゆきちゃんが退治してくれたんか?そんなわけないやんゆきちゃんはぼけっとしとったわ、わしが慌ててゆきちゃん抱えたらくっそ重いでひっくりかえってんぞ言うて。
その時はそんで終わって。まぁあれはえらい話やったねって感じやったんやけど。
年明けてから、俺がそろそろ帰ろかなくらいの時期におかんに裁縫用のハサミのカバー作ってくれって言われて。あのー俺レザークラフトやるやん。フェイスブックみたらしくて、ずっと使ってたんがほころんでしもたからあんたこんなんつくれんかって言われて。道具も何も向こうやでじゃあそのハサミの採寸だけやっとこかって母ちゃんにハサミもってきてもらって色々触っとるうちにふと気づいたんやけどさ、あのへんなんについとった丸いやつ、こういうでかいハサミのハンドルそっくりやったなって。ブスって横っ腹にこういうハサミをぶっさしたらあんなんになるんちゃうかな、ておもて。
いややなぁ、なんかあれ、ほんまいややったぁ。
うーん、でもこういう優しさを認識できる(正しく価値を感じられる)女性って、DVされて離婚したバツイチ女性とかじゃないかな…
それなりにきつい経験をしてきた人にやっとわかる価値というか、高カーストで恵まれてきた若い女性がこの価値を高く見積もって、恋に落ちるまで行くかっていうと、なかなか難易度は高いかなって…
山田って、「学校一の美人として有名な美少女であり、170㎝を超える長身と抜群のスタイルで、芸能事務所に所属するプロの雑誌モデル」なんでしょう?
高校生時点でここまで成功している子は知り合いにいないけど、ストリートスナップ誌とかに載ってた程度の子は知り合いにいて、
うーん…山田みたいなパーソナリティの子は誰一人としていなかったかな…もっと素で地位に貪欲っていうか、シンプルで即物的というか、立ち回りが賢くも残酷というか…
あとモデルで「非常に食い意地が張っており、給食は常に大盛り、一口が大きいためよく口の周りに食べかすが付いたままになっている。校則違反だろうとアメやスナック菓子を持ち込み、下校時の買い食いは欠かさず」こういう子はマジでいないw
市川が「陰キャ」のファンタジーで(実際の陰キャはあんな利他的な積極性はない。良いことも悪いこともせず、「悪いことをしない自分は善良だし報われるべきだ」って考えている陰キャがほとんどなのが現実)、
山田も「高カーストの美少女」の内面がこれだったらいいのに(実際はあんなに"ほのぼの"してない。ほのぼのしてると野暮ったくなってしまうというのが現実)っていうファンタジーだよなって正直思うよ
「オタクに優しいギャル」ファンタジーの系譜だと思って読んでる人が実際は多数派だよね?
「お金持ちが生まれて初めてカップラーメンやハンバーガー食べて感動」みたいな、その種の…「スカッと〇〇」な要素を孕んだファンタジーラブコメとして読んでいるものだよね?
ファンタジーだと思わずにガチめに読んでる人がいると、中田敦彦やひろゆきを本気で「学問の人」だと捉えて信じてる人を見るような気まずい気持ちになってしまう
俺が好きだったゲームはMTG、マジック・ザ・ギャザリング。
TCGの元祖、「遊戯王」「デュエルマスターズ」の元ネタとかって説明されることが多くて、名前だけは聞いたことがあるって人もいるかな。
ゲーム自体もとても面白いのだけど、今回は主にゲーム性じゃなく、それ以外の部分で俺が惹かれた要素と、「好き」が過去形になった理由について書いていく。
ゲームプレイヤーにも勝利を求めるガチ勢、楽しさを重視するエンジョイ勢と色々いると思う。
(俺はガチ勢ってのも互いに本気で勝利を追求する遊び方を楽しんでる人って考えてる)
他のとこは知らないけど、MTG界隈では競技(ガチ)⇔カジュアル(エンジョイ)って表現を使ってた。
競技なんて言うと「カードゲーム風情がスポーツかなんかのつもりかよ」って思うかもしれない。
まずは俺が惹かれたMTGの要素の一つである競技性を語らせてくれ。
ゲーム=競技ってことで、その競技性ってのはつまりプレイヤーがどれだけ本気で勝ちに行ってるかの指標って感じかな?
皆が本気で勝ちに来るような方法って?そんなの簡単な話だ。商品を付ければ良い。皆が本気で勝ちに来るような商品って?これも簡単。「金」に決まってる。
今でこそゲームの大会に賞金が出るのなんて当たり前だけど、今から30年近くも前から「ゲーム」自体を主体に賞金制の大会があったってのは凄いことだと思う。
次にその大会の規模、まずGP (グランプリ)。世界各国で行われて、誰でも参加が可能。コロナ以前には日本国内でも年に4~5回開催されてて、最高人数は2500人程度、2000人↑は当たり前って感じでかなり大盛況だった。
優勝で大体100万円くらいで、結構大金だけどガチ勢にとって同じくらい大事なのが上位入賞者に与えられる副賞。
PTは世界各地で行われる。各国の強豪が集って、各々が練りに練ったデッキを持ち寄り優勝を目指す大会。賞金は優勝で500万円くらい。多くの競技者はこの舞台を夢見て、焦がれて、狂ってた。
このPTって舞台はMTGやってる奴には本当に羨望の的なんだ。昔はニコ生で、今はTwitchで配信してて、海外でやるから時差があったりで眠たさ堪えながら噛り付いて見てた。
さらにもう一つ大事なことがあって、MTGにはプロプレイヤーって呼ばれる存在がいる。
「プロ」の定義は論の種にもなる事なんだが、一つ明確な線引きがあってプロ・プレイヤーズ・クラブっていうMTGを制作した大元であるWoTC(ウィザーズ・オブ・ザ・コースト)社が公式に制定した制度。
これはプロポイントってポイントを稼いで、それが一定数溜まったらそれぞれブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナと順にランクが付与されてボーナスが貰えるって仕組み。
このプロポイントを貰えるのが前述のGPやPTなどのグレードの高い大会。
誰でも参加可能なGPでも、このプロポイント1点取るのに結構苦労するんだが、MTGのプロプレイヤーはこのポイントを求めて世界各国を飛び回ってGP、PTに参加するってのが常だった。
国内だけだと4~5回と書いたGPだが、世界ではほぼ毎週のように行われてるので、プロやプロになりたい奴らはポイントを、PTへの参加権を求めて世界を旅してた。
WoTC公式からも「PLAY THE GAME, SEE THE WORLD」って言葉でその行動を奨励してた。
俺はこのプロプレイヤーってものに強く強く憧れた。最初はただゲ-ムが面白くてやってたんだが、次第に戦えるようになって、勝てるようになって、大きな大会にも出るようになった。
俺はいつの間にかこのゲームに狂ってたんだ。狂うのも悪くないけどな、好きなことに狂えるならそんな幸せなことはない。だから狂いが醒めてしまった俺からみると、未だに狂ってるような人を羨ましく感じたりする。
ここまでが俺がMTGを好きだった理由。ここからは好きじゃなくなった理由。
上に書いた競技性と、それを織り成す制度ってのが、俺がMTGってゲームに惚れた一つの要素だったわけだ。
結論から述べる。俺がこのゲームを好きでなくなったのは崩壊とも表現したくなる度重なる制度の変更が理由。
最も絶望するのは、それが他でもないこのゲームを作り出したWoTC社が原因となることだ。
2016年の初めあたりにWoTC社の社長が変わった。度々この社長がやり玉に上がる。
本当に社長のせいなのかは分からないが、実際にこの時期からWoTC社は数多くの制度変更を打ち出す。
色々と細やかな変更はあったんだが最大級のヘビーパンチが、2018年末のこと。
その内容は、前述したプロプレイヤー制度の廃止。そしてそれに代わる32名の定員でのMPL(マジック・プロリーグ)という新しい制度への移行だった。
元々、プロプレイヤーって呼べるような人間は世界に数百人いたと思うんだが、それに対してMPLの32名という枠はどう考えても少ない。
プロ制度の廃止に伴ってプロポイントも無くなり、世界を股にかけて飛び回る意義も失われた。
過去のプロ制度は、本気で目指して努力すればギリギリ手が届きそうと思わせてくれるいい線引きだった。
それに対し、MPLってのは百戦錬磨のトッププロが競い合う中で、そいつらを蹴落としてようやく入れるような場所で、明らかに必要となるコストの大きさが違うんだ。
MPLからあぶれたプロプレイヤーも、プロを目指していた競技勢の人々も次の目標となるものの遠さに驚いたと思う。
(ちなみにこのMPLももうすぐ終わっちまうらしい。それ以降のプロに対する制度の説明は現状一切ナシ。
推測の域を出ないが、界隈で多く見かけた意見は前制度にかかるコスト、金銭的負担の軽減が目的というもの。
PTのようなアメリカ、ヨーロッパ、時にはアジアなどで行われる大会の場合、世界各国からプレイヤーや運営する人材を派遣するだけでも多量の金がかかる。
プロプレイヤーへの報償も同様に、目に見えて分かりやすい直接的なコストのために制度が見直されたのだ…と。
競技性がMTGの魅力の一部でしかなく、皆が皆一様に求めていたものではないとは思うが、ゲームの人気の一端を担うものであった事も確かだ。
俺はWoTC社がそれを軽んじ、踏み躙ったように感じた。
WoTC社はそれ以外にも目先の利益に捕らわれた焼畑商業的な業務方針を繰り出した。
MTGには、「とあるカードセットで禁止カードを連発してしまい。開発陣は社長室に呼ばれて𠮟られた」という有名な逸話があるんだが、現在のMTGでは2017年から毎年新しいカードセットから禁止が生み出されている。
それ以前は偶発的なデザインミスで、禁止せざるを得ないようなことはあったものの、毎年のように禁止カードが続出している状況はおかしいとしか言いようがない。
ゲームデザインは非常に難しいことだとは思うが、発売からわずか17日で禁止が出たと聞いたときは流石に目を疑った。
本来の焼畑であれば、別の場所を耕作すればよいだけだが、MTGでいう土壌とはプレイヤーの事だ。容易に開墾できるものじゃない。
こうした事によって(俺の)WoTC社への信頼は地に墜ちることとなる。
人は信頼があるから金を落とし続ける。だから企業は顧客満足度なんてパラメータを得るのに躍起になるわけだな。
信頼=金ではないが、信頼≒金ではあるんだ。
友人にWoTCへの呪詛を吐き散らす奴がいたが、WoTCがクソなのなんて衆知の当たり前の事で、それを一々言ってる自分がおかしいのかもと言われて笑っちまった。
まず渡辺雄也は今例えるなら、「MTG界の大谷翔平」と言って差し支えない日本プロのトッププレイヤー。
競技シーンを知る人に「日本一上手いプレイヤーは?」と聞けば大体の奴はナベかヤソって答える。
次にマークド。これはカードに目印をつけて、裏面から見ても何のカードかを識別できるようにするっていうイカサマ。
事件の経緯は以下。
渡辺雄也選手は大会でこのイカサマを行ったとして失格処分を受ける。
↓
後日スポンサー(Cygames)と共に反論する旨の声明を出す。
↓
WoTC社はこれに対し報復とも考えられる重い罰(30ヶ月の出場停止、殿堂除名、MPL除名)を与えた。
・ジャッジや対戦相手などによって容易に物的証拠を作ることができてしまう。
・十数年間、イカサマなんてほど遠い、クリーンなイメージ像からこの裁定が下るなんてありえない。
俺は当事者以外があーだこーだ言ってもしょうがないと思ってる。
けど、一つだけ信じてるのは渡辺雄也って選手はイカサマなんてしなくてもこれまでの実績を疑わせないくらい強いという事。
この件でWoTC社に失望したのは、声明に対して納得のいく証拠の提出を一切することなく、異例なほど重い30ヶ月という罰を科したこと。
反則行為で失格になった時点で罰が与えられる事、それ自体は仕方ないことかもしれない。
しかし、求められた調査の開示がない事、不当に思えるほどに重い罰、あらゆる説明が足りなさ過ぎた。
結果的に日本を支えてきた英雄が不本意に、容易に、軽々しく選手生命を絶たれたとしか見えなかった。
この件を皮切りに実際にMTGを辞めたやつも何人か確認してる。
献身的にずっと日本のMTG界を牽引してきた人物でも、不透明な組織の指先一つで活動を終わらせられる可能性があるなんて、信じられないよな。
こんなとこで文句言ってんじゃなくて問い合わせろって?日本のWoTCに何か言っても無駄だ。
日本公式が駄目なら英語なり使って本社に言えって?俺は自分で声を挙げたことはないが、海外プロプレイヤーのWoTCへの不満がたまに流れてきてもゴミみたいな制度を連発してるあたり何言っても無意味ってことだな。
こんなことが続く内に、WoTC社に期待する方が悪いという風潮が当たり前になった。
面白くてゲームを初めて、企業に嫌気がさして、ゲームへの興味も失せた。
これが、俺がゲームを「好き」じゃなくなった経緯。
この手記が、MTGの魅力の片側から見た一方的な意見であり、カジュアルに遊んでる人が今も楽しくしてるのは知ってる。
まぁタイトルにある通り「愚痴」だからな。聞いて欲しかっただけだ。
こんなこと書きながら2,3年後にはMTGやってるかもしれないけどな。
滅茶苦茶ネガキャンしといてなんだけど、ゲームは本当に面白いので興味あれば触ってみて欲しいという思いはある。
今ならマジックアリーナって無料で始められるアプリもあるし。DCGの中では本当に金のかからない部類だしね。
カードゲームが趣味だったおじさんのか弱い嘆きを聞いてくれてありがとう。
書いてる最中に、存在すら知らなかったPTの代替となるCS(チャンピオンシップ)とやらが行われていたらしく、久しぶりに配信を見た。
2021/12/04に『映画秘宝編集部とオフィス秘宝、悪質なのはどちらか』と題する文章https://anond.hatelabo.jp/20211204193505
が、はてな匿名ダイアリーに投稿されました。その内容を要約すると「旧体制『映画秘宝』主要メンバーであった町山・柳下・高橋・てらさわは誠実に動いていた。一方それに対して、造反組の岡本・奈良・ギンティ・市川は誠実に動いていなかった」と主張する内容です。
この内容は、一般人女性に対するDM恫喝事件の余波が未だ冷めやらぬ2021/3/18、元『映画秘宝』編集部員かつ高橋ヨシキらのシンパの秋山直斗という人物がNoteに投稿した、文章の焼き直しです。そのため、はてなユーザーの中には「この増田は秋山直斗なのではないか?」と推測する人もいるようです。私個人も同じことを疑いましたが、しかし、増田の正体が秋山であるか否かは確認する術もありません。
しかしこれも機会ですので、秋山直斗の文章から私が感じ取ったことを述べます。
まず、2021/3/18に秋山がNoteに投稿した文章から、一部を引用します。
23時ごろ(※引用者注:元『映画秘宝』編集長の岩田によるDM恫喝行為が発覚し、その対応に追われていた2021/01/25のこと)から柳下氏、高橋氏と共にオンライン会議を行い、上記の考えを伝えました。なお、18時ごろに状況確認のため高橋氏に連絡をしてきていた、てらさわホーク氏も会議に加わっています。3氏ともに、謝罪の必要を認識しており、私は実現のために実務を担うことになりました。
23時09分に、編集部メンバー4名(田野辺氏・岡本氏・奈良氏・ギンティ小林氏)に対し、「新たな謝罪文」作成の必要性をメールにて伝えました。早急には対応しないでおこうといった内容の返信があり、これは私の主観的意見にすぎないものの、主体的に事態収拾に乗り出す意思が感じられませんでした。
=引用その1・ここまで=
上に引用したNoteの文章は「誠実だったのは旧体制側。それに比べて新体制側は不誠実だった」というイメージを読者に植え付けたいと、秋山が考えていることをよく表す部分です。
では次に『〜悪質なのはどちらか』と題する文章がはてな匿名ダイアリーに投稿される2日前、2021/12/02に秋山直斗(アカウントSquids_squib)がTwitterに投稿した内容を引用します。
映画秘宝前編集長が送ったDMについては被害者の人とは和解してるわけでしょ? 当事者同士で解決したのだから、これ以上蒸し返す必要はないというオフィス秘宝と双葉社の判断が、被害者に対して不誠実なものだとは思わないけど。
=引用その2・ここまで=
私は、この秋山のツイートにある"蒸し返す"という表現から、秋山直斗の本心が読み取れるように感じます。恫喝DM事件及びその被害者に対して、秋山直斗が本心ではどのように考えているのか、端的に言えば「馬脚を露わした」のです。
DM恫喝事件の被害者は「雑誌『映画秘宝』の誌面上で何かしら掲載されることを期待していた」とする内容のツイートをしていらっしゃいます。ということは、被害者に対して『映画秘宝』側が示すべきであった誠実さとは、誌面の上というオープンな場で総括を行うことだったと考えるのは当然のことです。だとするならば、双葉社に対して「誌面上での総括を行うことを認めて欲しい」と、被害者の要望に沿うように求め続けていた新体制『映画秘宝』の中心メンバーが、被害者の要望に応えられなかった能力不足を批判されるならばまだしも、要望に応えようとした姿勢そのものを批判される謂れは無いと私は思います。
しかし、秋山直斗は「これ以上"蒸し返す"必要はない」と表現して、被害者の要望に応えようとしていた造反組4人の姿勢をこそ批判するのです。実に奇妙です。以前は「謝罪のために主体的に動いていなかった。不誠実だ」と批判した人間たちを、今度は「和解も済んだのに、わざわざ"蒸し返す"ようなことをするな」と批判するのですから、矛盾しているとしか言えません。
では最後に、さらに遡って2021/1/26付で秋山直斗のTwitterアカウントのツイートから引用します。
『秘宝』は映画を軸に、社会の不正義・不公正と闘う雑誌だと思っています。つまり、綺麗事こそ重要だという雑誌です。
=引用その3・ここまで=
これまで私は、古株の元『映画秘宝』読者の一人として、はてな匿名ダイアリーに『映画秘宝の記憶』と題する一連の文章を投稿して続けてきました。
過去のバックナンバーや『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』等の『映画秘宝』関連の単行本を一読すれば、誰にでも直ぐに分かるとおり、雑誌『映画秘宝』はこれまでに女性、同性愛者、非・都市部居住者、非・富裕層、高等教育から疎外された人間etc.に対して、頻繁に、且つ執拗に差別発言を行い続けてきた雑誌です。それらの差別的な言動の実例を、引用によって具体的に私は示してきました。
秋山直斗が語る、美化された『映画秘宝』像は、虚偽以外の何物でもありません。したがって、秋山直斗の言う「『映画秘宝』を読むことを通じて、自分(秋山)は社会の不正義・不公正と闘うことを学んだ」という主張もまた、やはり虚偽以外の何物でもありません。つまり、秋山直斗は『映画秘宝』と同時に彼自身を美化しているのです。
近年の町山智浩、高橋ヨシキらは、人権尊重や差別反対のような言動を繰り返していますが、自分たち自身が女性や同性愛者に対して行ってきた差別に関しては全く総括していません。本当に「誠実な人間」であれば、己自身の罪や過ちとも真摯に向き合うはずです。しかし、そのような誠実さを町山や高橋が示したことはないのです。
元『映画秘宝』編集長・岩田による一般人女性へのDM恫喝事件を産んだ要因には、長年に渡って同誌内部に根深く蔓延っていた女性蔑視の思想があると私は考えています。そして、そのような女性蔑視の思想を『映画秘宝』に植え付け続けてきた張本人は、町山や高橋ら旧体制の人間なのです。繰り返しになりますが、本当に誠実な人間ならば、自分たちが女性への理不尽な攻撃の手本を示して、岩田のような人間に対して誤った教育や影響を与えたことを反省するべきでしょう。
町山智浩や高橋ヨシキの信者を今でも続けているような人間たちは「昔のことを"蒸し返すな"」と、愚にもつかない、擁護にもならない言い訳をします。そうです、秋山直斗と同じ"蒸し返すな"という言い回しです。この"蒸し返すな"という言い回しは、例えば関東大震災当時の在日朝鮮人虐殺事件や、日中戦争当時の南京虐殺、従軍慰安婦問題などについて「済んだ話を"蒸し返すな"」と言うネトウヨの言い回しと瓜二つです。秋山直斗が『映画秘宝』を読んで学んだ、社会の不正義・不公正と闘う姿勢とは「済んだ話を"蒸し返すな"」と言うことなのでしょうか?
そのような秋山直斗や、彼の同類の人間が言う「誠実さ」など、薄っぺらい虚飾に過ぎないというのが私の見解です。
「どちらが悪質か」などという無意味な比較と詭弁によって、旧体制『映画秘宝』を美化するのは、歴史修正主義者のネトウヨと同レベルと言うべきでしょう。
この投稿は以上です。
anond:20211116100901 「温泉むすめの件含め、なぜ最初から攻撃する必要があるの」
というのは、ただの誤読だ。そこには、攻撃の言葉は一つも書いてない。 https://tny.im/gBKIV を再掲すると、こうだ。
出張先で「温泉むすめ」のパネルを見て、なんでこんなものを置いているの😩💢と思って調べたらひどい。スカートめくりキャラ、夜這いを期待、肉感がありセクシー、ワインを飲む中学生、「癒しの看護」キャラ、セクシーな「大人の女性」に憧れる中学生など。性差別で性搾取。https://onsen-musume.jp/character/
ここには、「性差別で性搾取」という言葉はあるが、「差別者」という言葉はない。
「攻撃」ならば、攻撃された相手がいるはずだが、ここでは攻撃された「相手」などはいない。
しいていえば、「温泉むすめに携わる関係者全体」が攻撃対象かもしれないが、それが誰であるかは知られていないので、特定の人が「自分が攻撃された」と思うこともない。被害を感じることもない。
結局、これは誰かが攻撃された案件ではなくて、あるプロジェクトが批判されただけである。人が攻撃されたのではなく、プロジェクトが批判されただけだ。
なのに、これをもって「誰かが攻撃された」と感じるのは、ただの被害妄想である。
この件で、「攻撃された」と思っているはてなーは、頭が被害妄想になっている。神経症の一種だ。プリントアウトして、神経科に行くべし。
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勘違いしている人が多いが、本記事は、仁藤夢乃の言っていることが正しいと述べているのではない。仁藤夢乃の言っていることは攻撃ではないと述べている。混同するべからず。
仁藤夢乃が(市川京太郎みたいに)ヤバい奴だということには同意する。ただし今回のツイートは別に、誰かへの攻撃ではない。それだけのことだ。
政治家の失言は時に致命的なダメージを政権または政党そのものに与える。酷い時には、党そのものが消えてなくなりそうになるほど大きな傷跡を残してしまう。
そんな失言が致命傷となった政治家のうち、2000年~現在までで失言王ベスト5を選んでみたい。
後に詐欺とまで言われる大胆なマニフェストを掲げて政権交代を果たした民主党政権だったが、財源の疑問などは当初から囁かれており、政権担当能力に疑問を持つ人は、自民党支持者を中心に少なくはなかった。
そうした中で、米軍普天間飛行場の返還合意から14年目。民主党の鳩山由紀夫が発した「最低でも県外」の言葉をきっかけに、移設計画が問い直されることになった。
この一連の流れの中で、鳩山自身が同盟国であるアメリカから「ルーピー」と呼ばれてしまうなど、交渉は迷走を極めてしまい、政権担当能力の無さを日本の内外に喧伝する事となった。
その後に続く菅直人政権、野田政権も、東北震災時に失言などがあり、イメージを挽回するどころか悪化させてしまったのだが、民主党は駄目だという印象を決定づけた一言が「最低でも県外」であったと言える。
鳩山の場合は、現在の彼を見ても「最低でも県外」発言がなかったとしても、別のどこかで民主党政権を終わらせていたに違いないのだが、それにしてもだ。
失言の多い首相だった麻生なので、取り立ててこの発言が致命的な失言だったとは言わない。この言葉自体は、今から振り返ってみれば若者に向けるには常識的忠告であるようにも見える。
だが、2009年ころは、麻生おろしでメディアというメディアが騒いでいた時期だったから、あらゆる言葉が失言であるように扱われてきた。麻生の言葉尻を捉えてあらゆる批判が行われ、
挙句の果てには、ほっけの煮つけを食べたと言った(ほっけに煮つけ料理はないので庶民感覚が備わってないという批判)、カップラーメンの値段を知らない、ホテルで高級なカレーを食べた、と言った批判を受けるに至った。
国会では、漢字を読み間違う麻生に対する漢字クイズが繰り返され、異常ともいえる麻生おろしによって自民党は壊滅的なダメージを受け民主党政権が誕生したのだが、一連の流れの象徴として冒頭の失言を挙げたい。
狂想劇ともいえる麻生おろしによって誕生した民主党政権が後に悪夢と呼ばれるものであったことがトラウマとなり、メディアの民衆への影響力が大幅に小さくなる事にも繋がった。
後の安倍政権があれほどの攻撃を受けても、まったく揺るがなかった最大の理由には、メディアが自らの信頼を「麻生おろし」によって失っていたことが挙げられるだろう。
2017年の衆議院選挙を前にした9月25日に小池百合子は希望の党を結党した。結党当初、民主党への失望、長く続く安倍政権への批判の声を背景に、政権交代が実現するのでは?と言う勢いを示すことになる。
小沢一郎率いる自由党、民進党(民主党から名称変更)との連携や合流が囁かれると、民進党は希望の党との合流を決定し、事実上の解党を選択する等、巨大政党誕生の流れは着実に出来ていた。
もしも、民進党との合流を果たしていたら、政権交代は決して白昼夢ではなかった・・・だが、小池は民進党との合流を問われると「様々な観点から絞り込みをしていきたいと考えております。全員を受け入れるということはさらさらありません」と答える。
排除するのか?と問われ、排除いたします、とまで答えた。この発言が、排除の原理と呼ばれマスコミの強烈な批判を受けるに至って希望の党の勢いは大幅に失速し、排除される予定の議員たちが結党した立憲民主党にも獲得議席数で及ばずに衆議院選挙を終えた。
民主党への失望を背景にした発言だったのだが、「排除いたします」とまで言った小池の発言は、彼女の生涯における痛恨の失敗だろう。
民主党政権を打倒し、希望の党の危機をも跳ねのけて快勝し、株価を上昇させ、今日の外交・安保の基礎となる多くの重要法案を通し、大きな成果を挙げ得意絶頂にあった安倍晋三が、森友学園の土地売買に関与していたのでは?との疑惑を向けられた際に行った発言。
事実として、今日に至るまで首相夫妻が関与していた証拠は何一つなく、首相夫妻の関与を訴えて来た籠池夫妻が有罪となり「安倍犯罪がとか、私らも(安倍政権打倒勢力に)乗っかかって、そうやなぁと思ってました。」と答えるほどでもあり、
安倍本人には何もない事が分かっていたのかもしれない。だが、この発言によって野党側に火をつけることとなり、のちに続く加計学園問題、桜を見る会へと終わりのない追及の流れが続くことになる。
安倍を犯罪者のごとく扱おうとする野党やメディアの言動への対処の為に、安倍政権は予算委員会の質疑応答で多くの時間を浪費する事となり、世論が厳しさを増す中で以降の安倍政権は以前ほどの強さを見せられなくなった。
余計な一言を言わなければ、悲願だった改憲への道筋も立てられた可能性もある。それだけの成果を残した政権だった安倍政権だが、安倍の悪癖が出た一言によって改憲と言う100年先に残るレガシィを作ることは出来なかった。
無能も侮りすぎれば致命傷になる、という教訓が安倍には残ったかもしれない。
2000年以前には自民党と堂々と渡り合い、与党として政権をも担当した経験を持つ社会党が壊滅する切っ掛けとなった発言が 「拉致などない」だ。
北朝鮮と深いつながりを持っていた社会党は、ずっと以前より「拉致などない」という姿勢を貫いていたので、正確には2000年以降の発言ではないかもしれないが、社会党が壊滅したのは2000年代初頭なので、ここに挙げたい。
2002年小泉政権において、安倍晋三官房副長官の尽力によって、小泉首相の電撃的な訪朝が実現した。
この際、金正日総書記は首脳会談にて、横田めぐみさん、田口八重子さん、市川修一さん、増元るみ子さん、原敕晁さん、有本恵子さんと、松木薫さん、石岡亨さんの計8人の死亡を主張。
一方、地村保志さん、(浜本)富貴恵さん夫妻と、蓮池薫さん、奥土祐木子さんに加え、日本政府が把握していなかった曽我ひとみさんの計5人の生存を伝えた。これによって「拉致などない」と言ってきた社会党の立場は瓦解する事となった。
死亡した有本さん、石岡さんは生前、北朝鮮から家族に宛て手紙を出しており、その手紙を元に社会党を頼ったものの、土井たか子から冷たくあしらわれた事が知られている。そして、家族が手紙を受け取った二か月後に有本さん、石岡さんは亡くなってもいるという。
社会党は従来の態度を改めて謝罪したが、こうした事実が明らかになる中では無意味でしかなく、2005年に行われた選挙では党首である土井たか子すらも落選する程の大敗を喫し、社民党として名を変えた今日では、党として存続すら危うくなっている。
かつて2大政党を期待された社会党だったが、「拉致などない」と言い続けて来た一言によって、そのすべてを失った。土井たか子は、政治史にのこる女傑でもあるが、同時に最悪の裏切り者としても記憶される事となった。
印象深い失言を犯した人を並べてみても、その歴史において相互に関連があり、政治の歴史と言うのは面白いもんだなと感じさせられる。
仙谷官房長官の「暴力装置」、柳澤 伯夫の「産む機械」、松本龍の「知恵を出さないやつは助けない」など、味わい深い失言は多くあっても、ダメージの深さではどうかなと個人的には思っているのだが、
皆さんの中には、他に印象に残っている大きな損害を招いた失言はあるだろうか?