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2021-08-19

もう飲食店の協力金とかやめてよくない?

だってコロナ始まってから1年半経つんだよ?

その間金だけもらってて、未だに生活立て直せないなら、それはもう本人の能力問題じゃない?

結果飲食店諦めるならそれはそれだし、どうしても続けたいなら協力金に頼らず努力する時間あったでしょ。

テレビであたか被害者ヅラして「協力金がないと〜」って言ってる飲食店オーナー見てると、だんだん腹立ってくるようになった。

コロナが原因で廃業する人なんて、もはや飲食店に限らず大量にいるって。

みんな自力生活立て直そうと必死なんだから、そろそろ飲食店も甘えたこと言ってんなよ。

2021-08-16

となりの借地を買いたい

登場人物

増田マンションオーナーおよびその土地地主

K氏:マンションに隣接する土地を所有する地主増田とはそんなに仲が良くない

L氏:K氏所有の借地に家を持ってる

Kの土地:KがLに貸している借地

Lの家:Kの土地に建っている家。廃屋寸前で増田マンションに対して外壁が崩れ落ち始めている。本当はほかにテナントもあるが簡略化


増田マンション土地とKの土地を合体させたい

何がしたいかというと、増田マンションに隣接するKの土地を丸ごと買って新しくマンションを建て替えたい。そのためにKやLと交渉したいのだが、ということ。

増田マンションは築20年弱の低層マンション。このマンションに隣接するのがLの家だがそこはツタが生い茂って外壁もボロボロ。正直もういつ崩れてもおかしくない状況だ。Lの家はもともとの家主が既に去っており、現在はその子供(Lとする)が住んでいる。Lはこの家に関してあまり関心がないのか知らぬ存ぜぬを決めているらしい。

増田としてはこんな危険物件放置しておきたくない。そもそもこのLの家を含めて増田マンションに隣接するテナントからもいろいろと迷惑行為をかけられている。

それとは別に増田マンションは築20年とは言え、施工不良でさんざんな目にあっており、いまどきエレベーターもない。ならばいっそのこと隣のLの家を土地ごと買い取って全部をひとまとめにして更地にして一回り大きなマンションにしてはどうか。そう考えて地主であるKに対して打診した。けれどKは首を縦に振ってくれない状況だ。


Lの家は借家である。その地主であるKはもちろんLの家のことを知っており、老朽化が進みすぎたLの家を退去させたがっているとのこと。ようはK自身は上物を取り払いたいのだ。しかし借主Lはその交渉を無下にして全然立ち退かないらしい。増田としてもはやくLの家を壊して欲しい。でももしかして借地法(旧法)で契約しているとどこまでも立ち退かないか


Kがその土地をどうしたいのかはよくわかっていない。不動産からの又聞きによると、以前に遺産相続でかなり争ったらしく、土地を売ることによって多額の現金が入ることを嫌っているらしい。だから立ち退きはさせても売る気はないとのこと。

だが新たにその土地を整備しなおすにしてもセットバック必要だし、ぶっちゃけ駐車場にするくらいしか考えていないだろう。


増田からすると、長年マンションに損害を与えてきたLの家は早くどうにかしてほしい。だからその地主であるLを応援するのだが、同時にLにはその土地底地も売ってほしい。

自分不動産については素人だが、借地は借地権とその下の底地があると勉強した。借地権事態は売買ができるので、Lから増田借地権買うことはできる。しかし、底地もつKから土地も買い取らなければ自分マンションを大きくはできない。逆もそうで、底地だけあっても借地権をLがもっていたらしょうがない。調べると底地相場は非常に安いらしいが借地人が買い取る時だけは高くなるそうだ。だったらLが土地ごと買い上げてそれを増田が買うのがスムーズかもしれないが、そもそもLは金がないことが分かっているので難しい。というか地主のKがLに土地を売る可能性すら薄い。

なんか八方塞がりだな。

状況的には


民事裁判でもするか

これを解決するにはどうすればいいのやら。Lを立ち退かせるのは大勢メリットがある。となると借主Lか地主Kに対して民事裁判を起こすのがいいのだろうか。

幸いにもLの家から受けている被害は長年証拠がたまっているのと、現在進行形で被害は続いている。だからこれを元に裁判を起こすことは可能で、和解案の中でKの土地借地権をすべて買い上げるようにすればいいのではないか。実際、そういう手があると教えられた。たんに裁判をしても先の計画なければあまり意味がないだろうから銀行不動産屋に相談するのが吉か?

というか、ぶっちゃけ土地が手に入るかどうかにかかわらず裁判して白黒つけたいのだが。台風のたびに隣の外壁が落ちてくるのは恐怖でしかない。

増田マンションは駅近の商業エリアのど真ん中にある。もしもKの土地やその周辺の戸建て(交渉可能)をひっくるめれば、正方形200坪前後の角地が商業地に生まれることになる。路線価20万/平米なので1億くらいの価値かな。

近隣は開発が停滞しているしボロボロビルばかりだ。立て替えていいという増田のような人は聞いたことがない。だから銀行不動産屋に掛け合ったらおいしい話として積極的に動いてくれるのではないだろうか。

不動産に詳しい人からすれば、こういうのはどうおもうのだろうか。

2021-08-14

ボーナスステージってなんだよ!

パンチキックで車が破壊できるわけないだろいいかげんにしろ

あと車のオーナーにあやまれよ!

2021-08-13

ウェブ小説無料書籍化してくれるサイトを速攻で退会した話

ウェブ小説無料書籍化してくれるサイトを速攻で退会した。速攻とはいっても一ヶ月は登録してたわけだが。

このサイトプロアマわずウェブ上で発表している小説を、一定数の応援票があれば無料書籍化してくれるという夢のようなサイト

だがしかし登録のもの無料でも、作品を載せるにはなんちゃら権利権というものを購入せねばならず、要は月額料金がかかる。

まり応援票がたまるまでずーっと月額料を払わねばならんということだ。

それは、まぁいい。

嫌なら登録しなけりゃいいだけの話だしね。

問題は、そこの管理人まりオーナーサイトのもの宣伝する気が全くなく、サイト知名度が果てなく低いということ。

わかるよ?

書籍化したくば、自分作品宣伝し読者に売り込み応援票を獲得せよ!ってのはわかる。

やったさ。

これこれこういうサイトができまして、自作登録しましたので書籍化への応援をお願いしますって。ちゃんと読者さんには言ったよ。

でもさ、例え読者が500人いても、その500人全員が、一度無料で読んだ小説をわざわざ買うかっていったら買わないのよ。

(※応援票は購入を前提として投票しなければならない)

自分の読者だけじゃ限界があって応援票には届かないわけ。

サイトのものに多くの人が来てくれないと商品小説)はお試しすらしてもらえない。

大事ことなのでもう一回言うけど、作品のもの宣伝や売り込みはこちらの仕事。それはわかってる。

でも、サイト(店)の宣伝や売り込みはサイト側のやることですよね???

だって、月額とってんだし。

なのに、あのサイトオーナーは、なーんにもしない。Twitterやってるのに毎日なにしてんのか知らないけど、関係ないことばっかつぶやいてる。

え?なに?応援票が集まらないのはこっちだけの責任ですか?

完全無料なら話も違ってくるけど、そもそもがクラファンで出来たサイトだし、謎の月額しっかり利用者から取ってるのに、自分はなにもしないっておかしくないですか?

明らかに利用者少ないってわかってるはずだし。何ヵ月経ってもほとんどの作品応援票一桁……(応援票は三桁必要です)

そんなこんなで退会した。

オーナーご本人も小説書いてる人だから、一緒になって書籍化応援してくれるもんだとばかり思ってたけど、違ったようです。

登録作品宣伝ツイもしなければ、読んでレビューツイしてくれるわけでもない。

なんていうか、お店に商品を置かせてやってるってふうに感じてしまう。

かに置かせてもらってるんだけど、おまえの店、知名度ないんだわ。それは、こっちの責任じゃないからな。

閑古鳥の鳴いてるお店に商品置いたって売れるはずがないって話。

追記

また性懲りもなくクラファンはじめてたわ。

今度は無料写真集だと。

でも目標金額100万のところ支援者二人だけで1万しかいってなくて草。

応募総数たったの23作品コンテスト中間発表とかある?

何ヵ月もかけて、やーっと通過作品(約半数)発表して最終結果までは更にあと一ヶ月もかかるんだと。もちろん、その間ずっとコンテスト応募者は月額を払わなきゃならないっていう……え、ただのぼったくりじゃね?

ちなみにオーナーは相変わらずで、なーんにもしてないお。

2021-08-12

お気に入りだった飲み屋コロナに負けた

昨日、よく通っている飲み屋電話をして、明日飲み会の予約を取ろうとした。

すると、「明日からは夜8時までなんですよ」という、衝撃の発言が店主から飛び出した。

深夜までの営業今日限りで、明日から時短営業に切り替えるみたいだ。

先に言っとくが、推敲とかロクにしてないから、文章が読みにくかったらごめん。

この店(M店とする)は硬派だった。5月の緊急事態宣言の折、広島県某所の飲み屋街では、ほとんどの店が休業を選んだ。しかし、M店だけは時短営業の道を選んだ。

俺みたいな若い連中が青春を楽しめるように、オーナーが剛毅花壇をしてくれたのだ。きっと、飲食店組合とかからは冷ややかな目で見られていたのだろう。でも、若い連中にとっては大事ことなのだ。オーナーには感謝している。

そして最近広島県でまたコロナ集中対策期間が始まった。

ほかの店が休業するか、いくつかの店が時短営業選択する中、そのM店だけは違った。休業はしないし、時短営業もしない。なんと、いつもどおりの深夜3時までの営業しか酒類提供もするという。

やっぱりM店は違うな、と俺は有頂天になった。2日前も大学部活帰りに飲み会をしたばかりだ。それが、冒頭のようになってしまった。畜生なことだ。

多分、圧力があったんだろう。

今日になってお店のスタッフ(おんなじ大学の子時短営業に切り替える理由を聞いたところ、インターネットにM店を公開告発するコメントが書かれて、いろんなところから苦情がたくさんきたらしく、それでオーナーか店主のどっちかはわからないが、今回の判断をしたということだ。

これを書いている今もキレそうになっている。

多分、圧力をかけたのはい大人の奴らだろう。お店によく来ていた、30代とか40代社会人だと俺は勝手に思ってる。

あいつらはあんまりきじゃない。いや、嫌いだ。店の中でも自分たちよりも一回りは若い子(特に女)に声をかけたかと思えば、いっちょ前に「社会に出ると~」みたいなマウントばかりとって、それで相手にされなくなると半ギレしやがる。

あいつらは多分、俺達が楽しそうにしてるのが気に入らないのだ。これまでにあいつらが飲み屋で偉そうに語ってたことを聞くに、そんなところだろう。

あいつらはストレスが溜まってそうだった。「自分たち会社で働いてこんなに辛いのに」って感じで、学生がM店でわいわいがやがや騒いでいるのが憎らしくてしょうがないのだ。だから大学生にマウントを取ったり、店員に偉そうな態度を取ったり、オレはすごいアピールばかりしてくる。

M店には、これからもずっと続いてほしい。絶対に潰れてほしくない。

どうか、圧力に負けないでくれ。あんな連中の思い通りになってほしくない。

ホント楽しい店なんだ。これを読んでいる増田民で、もし心当たりのある人がいたらぜひ行ってみてほしい。

2021-08-10

anond:20210810204533

むかしナイソーって会社の物置のCMで「オレここに住もうっと!」って風呂敷包み背負って来たヤツにオーナー?が

「住む所でナイソー」

って返すヤツあったなぁ

2021-08-09

コンコルド増田で思い出したが、「飛行機履歴書」は面白い anond:20201019154826

創作増田 ( anond:20201019154826 )を見て思い出した話。

飛行機には「JA801A」みたいな機体番号とか、製造番号があって、基本的にはこれから過去所属していたエアライン・期間などは特定できる。

Planespotters.netというサイトがあって、それらをまるで履歴書みたいに参照できるようになっている。

増田の言ってたコンコルドはこんな感じ。個人所有された機体は存在しないことがわかる。

https://www.planespotters.net/production-list/Aerospatiale-BAC/Concorde

いきなり機体番号の話をされても困ると思うのでいくつか例を出してみる。

北九州本拠地を置くスターフライヤー社の初号機、JA01MC。こいつは2005年スターフライヤーに引き渡された。

2013年10月引退北九州からマニラに飛んだと書かれている。マニラにはドイツ系航空機整備拠点があるから、その関係だろう。

その後、アイルランドのGECASというリース会社に籍を移し、「OE-ICT」という機体番号になっている。

ただ、リース会社飛行機を運航することはないから、あくま暫定的ものである

その後、スペインのブエリング航空に籍を移し、「EC-LZZ」という機体番号に変わり、現在も現役のようである

https://www.planespotters.net/airframe/airbus-a320-200-ec-lzz-vueling/ej47xv

数年前、スカイマークが2階建て旅客機A380を導入しようとして断念したのを覚えているだろうか。

あれもしっかり記録に残っている。

スカイマークA380初号機は製造番号162で、このために「JA380A」という機体番号が予約されていた。

実際に製造されたが、例のゴタゴタによって受領されることはなく、オーナー不在のままエアバス工場に保管されていた。

その後、ANA経営再建を手伝う代わりにこのA380を購入させられた(JA381Aがそれだ)という話もあるが、それはちょっと違う。

製造番号162のA380は保管されたのち、エミレーツ航空仕様に改修されたのち、「A6-EVB」になった。

ANAが購入したA380は全く別の機体である

https://www.planespotters.net/airframe/airbus-a380-800-a6-evb-emirates/enxk7q

https://www.planespotters.net/airframe/airbus-a380-800-ja381a-all-nippon-airways/r1py2d

身近なところではフライトレーダー24( https://www.flightradar24.com/ )でも機体番号が表示されている。フライトレーダーで見つけた機体番号をPlanespottersで検索してみるのも楽しいだろう。

飛行機だって波乱万丈だ。納入から引退まで1社だけで飛び続けた機体もいれば、不景気エアライン倒産などに巻き込まれ短期間であちこちの国を渡り歩いた機体だっている。

もし将来、飛行機を購入するような富豪増田がいたらこサイトを思い出してほしい。中古機なら、その飛行機がどこで活躍していたかを遡って確認できる。

2021-08-08

バイト日記

 オーナーから、またドリンク補充作業をやれというLINEがきた。Aさんと組む日は、Aさんは頑なに私にドリンク補充作業をさせてくれない。オーナーから私がやれっていうLINEが来ましたよとAさんに言ったところ、Aさんは、

「は? マジですか???

 と、明らかに焦った様子だった。そして、

オーナーは俺のドリンク補充のどこが気に入らないんですかね」

 と言った。私は、

「また何か悪いことしたんですか?」

 と言った。Aさんは最近は何もやっていないという。オーナーがAさんの仕事ぶりを気に入らないから、わざわざ私を指名してまでAさんにドリンク補充作業をさせなかったのかどうかは、よくわからない。Aさんは過去に、夜勤仕事ぶりをオーナーが全くチェックする気がなさそうなのをいいことに、明確に犯罪となること以外ではかなり好き勝手にしていた。

 だが実は、オーナーはAさんを始めとする夜勤男子アルバイト達が仕事をサボってばかりいることを把握していた。そして、Aさん以外の夜勤男子が全員辞めてしまった後になって、夜勤男子達がしてきた数々の不正で店に洒落にならない損害が出ていることにオーナーは気付き、Aさんを疑い始めたのだ。

 Aさん自身は「犯罪はやってない」というけど、まだ売れるFF商品を「どうせもう売れない」と勝手に決めつけて、19時になる前に勝手に廃棄したりとか、夕方~の時間帯に売り物が沢山あると客が沢山来て面倒くさいといとかいって、19時廃棄の商品を18時より少し前に売り場から撤去して事務所に隠し、廃棄時間を過ぎてから廃棄登録をするなど、実質泥棒じみたことをやっていた。

 あと、凹まして売り物にならなくなったドリンクを、数本ならセーフといって申告せずに売り場に陳列したり、さすがに陳列してお客様に見られたらヤバいだろってほど破損したドリンクを、後で買い取ろうと思っただけでウォークイン冷蔵庫の隅に隠したまま忘れて放置などもしていた。当店はよほど酷い例でないかぎり、ドリンクを落として凹ましたり破損させても、オーナーに素直に申告して謝罪すれば、弁償しなくていいことになっているにも関わらず。

 ……といったことを、Aさんは「犯罪じゃないか大丈夫」といって繰り返しており、夜勤男子の多くも似たようなことをしていた。また、夜勤男子なかにガチ犯罪をしていた人もいたのかもしれないが(何しろFF商品の売上でひと月100万円もの違算が出たという)、オーナーが気づいたときには夜勤に残っていたのはAさんとたまにしかシフトに入れないBさんだけという状態で、しかもBさんは昼間は他企業正社員をやっていて身元がしっかりしてると思われているため、Aさんが集中的に疑われることになった。

 まあ、身から出た錆というやつだ。Aさんの「犯罪じゃないから」などというのは独り善がりな言い訳しかない。つもり積もって店に多額の損害を与えたのは事実だし、オーナーの指示通りに仕事をしなかったことも事実だ。

 Aさんは「オーナーは俺のドリンク補充作業の何が気に入らないんだろう」と言ったが、私から見れば気に入られる要素がない。Aさんはただやっつけ仕事をしているだけだ。自分が売れると思った商品だけ補充して、売れないと思ったものは補充しないか、3本くらいしか補充せず、結果として残り21本も入ったケースを冷蔵庫の中に何箱も放置するなんていうことをやっていた。

 ウォークインの中の、余りのドリンクを置く棚がぐちゃぐちゃになっていても平気で、整理整頓もしない。どうせ昼勤がやるし、オーナーがやれと言わないんだからやらなくてもいいだろと言って、整理整頓をしないばかりかむしろ散らかしていた。

 それをAさん本人はスマートなやり方だと自画自賛して、もう既に辞めたベテランパートの人や私にまでそうしろ強制した。私が言うことを聞かず、ドリンク補充をしながらウォークインの片付けもちゃんとやることをAさんが知ると、「それが当たり前だと思われたら割に合わない」といい、私にはドリンク補充をさせないようになった。

 コンビニ仕事は、忙しくてできずに次のシフトの人に作業を回すことになるのは仕方ないにしても、なるべく次のシフトの人に迷惑をかけないようにやるのが基本だ。自分シフト時間内に出たゴミは捨てて帰るとか、作業場を散らかしたら片付けるとか、事務所内などパブリックスペース私物を置いて占拠しないとかいった、簡単なことだ。

 ところが、Aさんはそれとは真逆のことをする。昼勤の人達をあてにして、中途半端仕事をやり残したり、片付けをしなかったりする。一緒にシフトに入る人の迷惑を考えずに、我が物顔で事務所の机の上に私物を散らかしている。何から何まで、Aさんのやることは独善的なのだ

 などと、一々あげつらって批判すれば、Aさんはむくれて仕事放棄するか、いっそう自分のやり方に固執して、私にも同じようにやれとかオーナーには言うなと強要してくるのは明らかだ。だから、Aさんからオーナーは俺の何が気に入らないのか」と聞かれたときは、

「むしろ気に入られる要素なんかありました? でも、単に今夜は暇だと思われてるだけだと思いますよ。警戒レベル上がりましたし、テレビではオリンピックやってますし」

 と答えて、ドリンク補充は私がやった。

 ウォークイン冷蔵庫の中は思ったほど散らかっていなかった。8月からだろう、あまり仕入れもしていないようで在庫も少なかった。ところが、5箱くらい積み上がっているケースの、一番下になっているもの開封されて、数本抜かれていた。こういう箱を一番下にしておくと、上に積んだ箱が傾いて倒れてしまうと何度もオーナーから注意されているのにこれだ。こういう小さな注意無視も、今では全部Aさんの仕業だと疑われている。実際誰がやってるのかは不明だが。

 数本だけ抜き出して放置されてる箱が5箱。そして、余りを置く棚は一見隙間なく商品が詰まっている。ドリンク棚に補充できるスペースはそんなに多くなかった。それでも、いくらか補充してから余り棚を整理すると広いスペースができ、放置されていた5箱のドリンクを全て余り棚に移しても、まだスペースに余裕がる状態になった。

 十数箱の空き箱ができ、残った手付かずのケースは崩れないよう真っ直ぐ積み上げて隅にきっちりと並べた。空き箱は全部畳んでまとめ、外の段ボール倉庫仕舞った。それだけやっても一時間もかからなかった。翌日の朝にドリンク補充作業をする人は、仕事がやりやすいと思う。

 ドリンク補充のために、ちょうどストーカー客の来る時間帯に店番をしなくてよかったし、いい気分だった。

 ところで、今年の春、勤続丸二年になったと同時に私の給料が上がった。時給900円から時給920円になった。都会の人からすれば、夕勤にしては安いだろう。だが、ここら辺のコンビニで夕勤の時給が900円以上なのは珍しいので、私としては不満はない。

 Aさんによれば、当店で何年働いてもびた一文昇給しないとのことだったし、私の勤める夕勤はどんなに真面目に働いても「居るだけしか価値がない」ので、昇給なんか全く期待していなかったから、驚いたし嬉しい。

 当店に採用された時の面接で、オーナーが言ったことには、

仕事サボってるヤツにはどんなに注意しても改めるなんてことはないから、給料で差をつけるしかないんだよね。真面目に働いてる人には昇給させたりボーナスで多くお金をあげて、サボるヤツの給料は据え置き」

 とのことだったが、あれは、本当だったんだなあ。

 そして、昇給すると同時に、オーナーから無闇に疑われなくなった(以前は何かトラブルがあると真っ先に私が疑われていたのだ)し、信頼されている感が上がった。バイト仲間からどんなに馬鹿にされても、真面目に仕事していて良かったなと思った。

 しかし、当店はどんなに仕事ができる人でも週3しかシフトに入れない(但しいつも人手不足夜勤は除く)ようなので、時給はよくても稼げないのが問題収入を増やしたかったら、バイトを掛け持ちするしかないのかぁ……。

2021-08-05

バイト日記

 日曜日は異様に暇だったのに、昨日はやたら混んだ。警戒レベル上がったのに何故? あ、警戒レベル上がったからか。

 出勤直後、凄絶な忙しさの最中に、フリーター女子バイト18歳さんの担当レジにお札が詰まるというアクシデントフリーター女子バイトさんは、

「お願いしまーす、こっちはウチがやりますんで」

 と、レジ接客中の私を押し退け、故障レジまさかの丸投げ。えぇぇぇぇ!? と私は困惑しつつも、そうこうしているうちにレジ待ち列がどんどん伸びていくので、レジの札詰りを直すことに!

 壊れた自動レジの前には恐そうな中年女性お客様イライラした様子で待っていた。さっそく私は謝り倒しつつレジを開ける。自動レジは賢くて、お金が詰まると対処法が客側ディスプレイに表示される。店員は画面の案内に従ってレジの投入口や金庫を開けるだけだ。

 ……つまり、誰にでも出来るはずの作業。それを丸投げされた私って一体。しかも先週か先々週にもフリーター女子バイトさんのレジが詰まって、お客様がブチギレた上、できないわからないと嘆くフリーター女子バイトさんにこれまたブチギレたシフトリーダーが「何でこんなこともできないの!?」とめっちゃ怒鳴りながらやり方教えてたはずでは。

 フリーター女子バイトさんは、お金詰りの対処法は覚えなかったが、自力解決しようとすれば余計に事が面倒くさくなることは学習したということだろうか……いや経験積もうよ……と思いつつ、私は私でレジが壊れる経験ってあまりしたことがないので、ま、いいか、これも経験だしーと思って頑張って取り組んだけど、それで良かったのかどうかわからない。

 レジはなんと一度に三ヶ所が詰まっていた。「確認ポイント①」の詰りを取ってレジ金庫を元に戻してもアラームが止まらず、また解錠して調べると「確認ポイント②」が詰まっており、そこを直して金庫を元に戻すとまたアラームが!

 と、そんなこんなで何度も金庫を解錠して引き出しては戻しを繰り返しているうちに、お客様はいっそうイライラが高まった様子で、私はびくびくしながらレジ操作を続けていた。しかし、詰りの原因が、お客様の投入したお札の間に公共料金お客様控が二枚も挟まっていたことだったのが発覚すると、お客様は一転して縮こまり

「大変申し訳ございませんでした……」

 と蚊の鳴くような声で頭を深く下げたので、私は恐縮して

「いえ、全然だいじょぶっす!」

 なんてテンパってたせいですごくダメダメな返事をしてしまった。

 そんな、焦って慌ててみっともない姿を晒しながら長い時間をかけてレジ詰りを直しているときに限って、知り合いが来店しており私のレジ会計にきた。子供同級生のお母さん!!

「よーう、お疲れちゃんw 最近どうよ」

 と彼女は言ったが、私が醜態晒しながら頑張ってたことには触れないでくれた。やさしい。コンビニにあるまじき長時間待たせてごめん。

 レジ詰りの対処を丸投げした(しかも状況説明すらせず「お願いしまーす」の一言で済ますなど……)ことで、フリーター女子バイトさんをたしなめるべきかどうか、少し考えたのだけど、フリーター女子バイトさんの自称「うち本当に馬鹿なんです」に最近うっすらと真実みが出てきたので、言っても無駄なのではないかという気がした。レジ画面に映し出される操作案内の漢字が読めないとか……あり得る……。先週か先々週のときも、彼女シフトリーダーに「そんなこともわかんないの!?」と怒鳴られたときも「すみません、わかんないです」って言ってたし。

 FF商品が18時半にもならないうちに売り切れてしまったので、多忙な中でも合間を見てFF商品什器をさっさと掃除し終えたところ、オーナーが出勤して来てそれを見て上機嫌になる。が、端からオリンピック期間はずっと暇に違いないと決めてかかっているオーナーには、18時台が死にそうなほど忙しかたことなど信じられなかったようだ。

 まだ30歳になるかならないかくらいの若い男性客で、店員タバコを覚えさせようとする人がいるのだけど、最近タバコください」と言うことすら省略して目で「あのタバコ取れ」と合図してくるのだが、私はそれを無視して「合計280円でございます」とさっさと年齢層ボタンポチるタバコ銘柄を覚えさせる客の糞率の高さは異常なので、容赦しない。

 ストーカー客来店。そんな時に限ってオーナードリンクの補充をしにウォークインに入ったまま出てこないので、しぶしぶ対応

タバコください。レジ袋ください」

 ストーカー客もまるで調教するかのように店員というか私にピースライト二箱と覚えさせて要求してくる。以前は「タバコ。」の一言命令してきていたのだが、私が聴こえないふりをしたら「タバコください」に戻ったのだ。もっと聴こえないふりして「ピースライト二箱ください」と言わせたいところだが、ストーカー客を接客する時間は1秒でも短い方がいいので「タバコください」で妥協している。

 タバコ二箱買うだけで袋くださいって何だよと思ったので、聴こえなかったふりをしてタバコだけスキャンして年齢層ボタンポチったら、ストーカー客は、

「袋は?」

 と言って律儀に「戻る」ボタンを押したので、私はしぶしぶ12号の袋(3円)を一枚出して「こちらのサイズでよろしいですか?」と聞いた。

 ストーカー客が帰ってから、黙って特大袋(5円)二枚売り付けてやればよかったなと思った。

 惣菜パン類が異常に売れ残っていた。21時の納品の時に、オーナーからまり空きのないパンの棚に納品されたパンを出来るだけ詰め込めと命令されたので、まるでパズルゲームみたいに商品並べ替えまくって棚にスペースを空け、届いた商品を詰めた。

 どうしても多すぎて入らない品だけは、並べずに事務所しまっておいていいということだったのだけど、頑張って並べ替えしたお陰で事務所送りになった品は一品だけで済んだ。

 商品が整然と隙間なく種別にきっちり並ぶと気分がいい。

2021-08-02

anond:20210802131252

車のサブスク(KINTOとかマンスリーオーナー)を使えば半年単位で所有できるので使ってみたら。

よくいうのは所有感のある車しかほしくないということだけど、そんなことより長距離ドライブするか否かの方が重要自動車電車より遅いけど、遥かに自由だ。

不動産投資家のアパートってどうやって見分けるの?

たまに不動産投資家の話を聞く。偏見だが、地主不動産会社所有の者と比べれば信頼度は低い。利益が出ないとわかったら売却するのだし、直接経営に携わっている部分は少ないのだから責任もあまり感じていないだろうし。

自分の住んでいるアパートマンションがそういう人の持ち物かどうかはどう判断すれば良いのだろうか。

オーナーが貸主ならその旨の記載があるけど、個人投資家なら外注していると思われるので直接記載はないはず。中国人とかならもっとわかりづらいだろう。そのアパートで何らかの問題が起こっても、委託されているプロ解決するからいいとはおもうけど、オーナーがよくわからない物件に住むのはなんとなく居心地が悪いな。

2021-08-01

大企業で内製が無理な理由

割と有名な大企業転職してそこでアプリ内製してる

いわゆるDXっていうやつで幹部の一人がソフトウェアファーストとかそういうのに感化されてこの取り組みが始まった

なので今の部署で内製している分には特に意思疎通とかで問題になることはなかったんだけど

この前、他の部署プロジェクトに参加することになった

ちなみに自分のことは「社内でプログラム内製してる人」というぐらいしか紹介してなかったらしい

で、打ち合わせに出てみるとどうやらスモールスタートで社内利用するシステムを作りたい、ということだそうな

ゆくゆくは外販も視野に入れてるけどそもそも社内で困ってるから早くやりたい、とのこと

「どれぐらいの期間があれば作れますか?」って聞かれて

基本機能はたいしたことないので1日でできますよ、と回答

その辺から向こうの担当者一人とちょっと盛り上がってだいたいのイメージ合わせは終了

本当に基本機能簡単だったのでAWSあたりで1日で作って次の日にはメールしたんだけど、そこから反応が無い

その次の日に上司から聞いた感じだとどうやらそもそも外注する前提で話を進めてたらしい

なのでその外注アドバイスが欲しかったんだそうな

打ち合わせのときには既に何社かベンダーに声をかけて数百万程度でスタートする予定だったとのこと

この内容で数百万ってのもボッタクリだなぁとは思ったけどその辺は大企業価格なんだろう

で、1日で作ってしまったのでその数百万の扱いに困ってしまって上役までエスカレしてるとのこと

アホらしいけれどこれも大企業宿命かと思って1週間程度待つことに

その間に時間を見つけてそのアプリUI修正して、まあ普通に公開できるレベルまで持って行った

そしたら打ち合わせをしたいと言ってきたので出てみたんだけど上役コメントを共有してくれるとのこと

要約すると

という感じ

なるほど、自分プロじゃ無かったんだな、と思うと同時にこういう感覚大企業で内製できない理由なんだろうと感じてしまった

恐らく大企業上層部は「内製プログラム」と聞くとエクセルマクロとか素人が本を片手に作ったプログラム想像している

最近でもたまに見る社員のお手製便利ツールぐらいしか知らない

ちなみにその上役はこっちで作ったプログラムを実際に使ってみたようでサーバログにしっかり残ってる

それも1日で作ったお試し版じゃなくてしっかり作り込んだ方をちゃんと触っている

それでも「プロを入れて本格的に」という感覚が残ってしまうらしい

ちなみにそれは上役だけでなく打ち合わせをした相手方の一部も持っているようで

巷のアプリ等と遜色ないけれども、やはりプロを入れて本格的にやりたい、とのこと

まぁ忖度してる可能性はあるが、具体的にどの辺が素人っぽいのか聞いてみると「そこも含めてプロに聞きたい」とのことでした

結局のところこの手の人たちは中身は全然からず「プロは何か凄いことをしてちゃんとしたものが出来上がる」と思っている

一方で内製したものは「プロが作ったものじゃないから巷のアプリとはきっと何か致命的な部分が足りてない」と思っている

かに日本車中国車を比較したときに専門じゃ無いから「中国車はきっと何か致命的な部分が足りてない」と思うのはしょうがないような気がする

それと同じで中身の分からない人が内製プログラムに対する漠然とした不安というのはかなり大きな障壁になっていると感じた

また、何回CIを回せるかを気にする理由を聞いてみたが、計画しておきたいから、とのこと

まり彼らはあくまで何かを作るという感覚では無く、プロジェクトオーナーとして管理をしたいだけなんだろう、ということ

なので自分ベンダーの1つでしかなく、資本金社員数も無いベンダーなので「そんなベンダープロじゃ無いだろう」という結論になっている

出来上がってきたもの品質評価することはできない、ということを吐露してるようにも思えるんだけど

大企業にいるとこういう感覚になるんだろうな、とヒシヒシと感じてしまった

来週にはその「プロの人」と打ち合わせがあるのでもうちょっとクオリティ上げてぶつけてやろうと思ってる

2021-07-28

いつも使っているコンビニ改装工事をして再オープンした。

いろいろと新しくなって結構ことなのだが、

どうもオーナーが交代したかなんかで

それまで働いていた店員さんがひとりもいなくなった。

別段、昵懇にしている店員さんがいたわけでもないので

残念ということもなかったのだが、だが、だが……。

新しいバイト陣営が全く仕事ができない驚くほどに。

いや新しいバイトさんなんだから出来なくて当たり前なんだけど

問題教育係の人が見当たらないところ。

どこかにいるんだろうがどこにいるのだろう。

あああ、これは潰れるんだろうなあ。

前の前も一度潰れて、そっからオーナーが変わって

いい感じになってたんだけど、残念。

庭でキャンプしたら、家族が溶けた。

うちの男どもはみんなキャンプバカで、私が小さい頃から、兄ちゃんもお父さんもおじいちゃんも、しょっちゅう仲間たちとキャンプ場に数日籠もっては、別人かってくらい日焼けして帰ってきていた。

お父さんの取引先?が持ってる山奥の豪華な別荘地に泊まる年とかもあって、

あとで写真とか動画を見せてもらうと、めっちゃ綺麗なコテージ。テントもピカピカしてて、楽しそうな雰囲気ではあるのだけど、

「じゃあメグも来るか?」と言われると、酒飲んで騒いだり、踊ったり、時には号泣するようなノリにはついていけないかな…と思ってしまう。

今は部屋で絵を描いてる方が楽しいし、私だって子供なりに友達付き合いとかあるし。

コロナになってすぐ、おじいちゃんゲーセン感染して入院してからも、残った二人はキャンプ活動を続けていた。

お母さんは心配そうにしてたんだけど、5月のある日、仕事から帰ってきたお父さんが嬉しそうに「今年はうちの庭でやることになった」と宣言したのを聞いて、とうとうキレる。

絶対ありえない!なんで勝手に決めてくるの?」

大丈夫だって絶対家には上げないから」

「うちの庭って、この庭でしょ?」

お母さんにつられて窓から薄暗くなった庭を見てみる。

広く見積もっても車2台も入らないと思う。私は聞く。

「何人来るの?」

10人くらい、の予定、あくまで」

さすがに私もこいつバカかと思ってしまう。

この庭で、10人の大人たちがテント張って、キャンプ

「でも、キャンプファイヤー実際に見たら…感動するよ?」

という訳のわからない弁解に、工場勤めから帰ってきた兄ちゃんが「それは確かにそうだ」と同意しだしてバカが一人増えるけど、看護師として働くお母さんは理路整然と撥ね付ける。

「誰かがウイルス持ってたらどうするの?検査簡単にできないし、ワクチンも間に合ってない状態で、集団感染しないようにキャンプする方法提示できる?できないよね?もし感染したらおじいちゃんの面倒を見れなくなるし、私も仕事できなくなるよ?」

キャンプの間、窓を締め切ってれば安全なんだよ!そのためにリーダー完璧マニュアルを」

ちょっと待った」

「なんだよ」

「……『リーダー』って誰よ」

その後の両親とバカ兄の喧嘩とも呼べないようなやり取りによると、お父さんは数年前からキャンパーズ」なるグループの一員になっていたらしい。

取引先やら飲み友達やらのキャンプ好きが集まって、毎年誰かの家や別荘とかでキャンプを開く、15人程度のサークルで(このあたりで兄ちゃんが「やべえ!」と叫んで会話が中断)、遂に今年のキャンプ地をうちが勝ち取った、それはとても名誉なことだし、今更覆せないと、お父さんは主張している。

リーダーの顔を潰すわけにはいかないんだよ絶対

「…え何、その人って会社上司なの?」

「いや違うけど」

取引先でもないんだよね?」

「だからさっきから言ってるだろ、行きつけのバーオーナーで」

「じゃあ断れるでしょ!」

「だから!ウチの理事も通ってる店で、理事友達なの!このキャンプがうまくいったら、確実に出世できるんだって!メグの進学とか……あるだろ?」

いきなり私の名前を出されてお母さんが黙り込み、グダグダだった空気に気まずさが加わる。

「…私はいいよ、大学行けなくても…このままでも」と私は言うけど、私の本音を知っているお母さんは何も言わない。

感染とか金は心配しなくていいから…絶対家には迷惑かけない。お前はいつも通りにしていい。きっといいキャンプになるよ。な?」

お母さんを抱きしめながら言うお父さんに、兄ちゃんが泣きながら頷いている。

私は誰とも目を合わせられない。



近所で感染者数が少しずつ増える中、1ヶ月後に控えた庭キャンプの準備は着々と進んでいる。

後で兄ちゃんから聞いたら、お父さんはキャンパーズに「うちの庭は狭いけど、キャンプには最適で、家族も大歓迎と言っている。そして何より病床の父に希望を与えたい」と、だいぶ話を盛ってプレゼンしていたらしい。

てか兄ちゃんもいつの間にかキャンパーズのメンバーになっていた。

キャンプで得られるサバイバルの知恵とか、協力することの素晴らしさとかを、食卓で私やお母さんに毎回説明してくるようになったけど、キャンプのもの否定しているわけではないことに、兄ちゃんは気づかない。

キャンプまで残り10日。

テントなどの資材がメンバー持ち込みじゃなくて全部うち負担だったことが発覚して、両親の喧嘩は激化する。

キャンプまで残り7日。

夜中、部屋で新しいペンタブを試していたら怒鳴り声がして、リビングに行くと、お母さんがテンティピの高級テントをケースから出して、裁ちバサミで切ろうとしていた。

「やめろ!」とお父さんが止めに入るけど、かんたんに撥ね飛ばされる。お母さんも長年の病院勤務で腕っぷしは強いのだ。

「これ、リーダーのために買ったんでしょ」静かな声でお母さんが言う。「キャンプが終わったらリーダープレゼントするって、ケンから聞いたけど」

あいつ」

ちゃん仕事と買い出しの連続で疲れて既に寝ている。

いくらしたの?」

「………」

領収書見せてよ。あるんでしょ?」

右手のハサミが反射でギラリと光る。

「…わかった。キャンパーズの事務所に置いてあるから明日持ってくる」

「……………」

「わかってくれよ…このキャンプで、きっと我が家はいい方向に進むんだ。メグの未来のために、な」

「…私をダシにしないで」

気づいたら口が勝手に動いていた。

「お父さんがキャンプしたいだけでしょ…?そんな高そうなテントとか、ピカピカのウッドデッキとか、バーベキューセットかいっぱい買ってきて、それも全部私のため?私の夢とホント釣り合い取れるの?」

「………」

「知ってる?クラスの皆、うちのことでヒソヒソ言い合ってんだよ?友達も遊びに誘ってくれなくなったし、フェイスブックで『殺人キャンプ一家』とか書かれて、すぐ先生が言って消してくれたけど…夏休みじゃなかったら、私…」

絶対泣きたくないと思ってたのに、出てきた涙は止まらなかった。

「もう夢とか言わないよ…キャンプなんてやだよ…」

お母さんが私の肩を抱いてくれるけど、お父さんは「絶対大丈夫から。お父さん疲れたから」とか言いながら2階に行ってしまって、私は追いかけられない。

翌日、お父さんが会社に行ったまま帰ってこなくなる。

その夜キャンパーからの連絡で、お父さんが胃炎理由キャンパーズを脱退したことを知る。

「もしかしたら癌かもしれない。続けられないのが無念でならないが、息子のケンが立派に後を継いでくれる」と言ってたらしいけど、癌は多分嘘だ。会社にはどっかから律儀に通っているらしく、後日フェイスブックで、ステーキを美味そうに完食してるのを撮られていた。

責任押し付けられた兄は、父を恨むこともなく、よりキャンプ一筋になる。

当然家からお金は出せないので、付き合ってる彼女借金を無心して、即座に振られる。かわいかったのに。



残り5日。

兄は「感動キャンプライブ配信」を掲げてSNSクラウドファンディングを呼びかけるけど、このご時世でのキャンプなんて世間理解を得られるわけもなく、その日のうちにバッシングをドバドバ浴びる。

でも、一部の好事家が結構な額を出してくれたらしく、リーダーからTwitterで褒められた兄ちゃんは泣いて喜ぶ。

残り4日。

昨日のクラファンがバズって、ネットニュースになる。

キャンパーズ」が金持ち道楽趣味で、中流階級から搾取しているみたいな大げさな記事もあって、反対意見が飛び交う中、「環境に優しい取り組み」「SDGsにも沿っている」「悪と断じるわけにはいかない」みたいな支持コメントもあって、兄ちゃんがまた泣く。

残り3日。

からキャンプに参加して欲しい」と頼まれる。

キャンパーズって、金持ちもそうでない人も、男も女も、どんな人種でも、誰でも参加できるキャンプを目指してるんだ」

最近女性メンバーが増えたキャンパーズが、ネットで脚光を浴びたのをきっかけに、世間に顔向けできる団体になろうとしてるらしい。

「だったら庭キャンプを中止してよ」と言いたいけど、兄のまっすぐな瞳を見上げて私は黙ってしまう。

ちゃんはすぐ泣くし鬼バカだけど、長年見てきてたか純粋キャンプ愛はわかる。

何があっても一つのことに打ち込む姿はかっこいいと思うし、だから私も叶わぬ夢に追いすがっている。

メンバーにメグのこと言ったら『大歓迎する』って」

「…窓から見てるだけじゃだめ?」

「うん…全然いいんだけど、キャンプファイヤーって実際に皆で囲んだ方が感動が大きいからさ…返事は当日でも良いよ」

そう言って兄ちゃんは買い出しに出かけていった。



残り2日。

リーダーがやってくる。

アウトドア派とは思えない、ゆったりとした体格で高そうなスーツに身を包んだリーダーは、玄関私たちに深々と頭を下げる。

「この度は、ここをキャンプ地としてくれて、ありがとうございます

ちゃんが例のテントを抱えて持ってくると、リーダーの隣りにいた使用人みたいな人が受け取って、なぜかベンツトランクに載せる。

それを確認したリーダーがうちの中を眺めながら「僕はどの部屋だい?」と聞いてきて、お母さんと私は「は?」と声を揃える。

あのバカ親父は、リーダーだけテントじゃなくて、部屋に寝泊まりすることを約束していたらしい。

お母さんは出ていった父の部屋を掃除して、ついでに父がキャンプの度に持ち帰ってきた古い雑誌コレクションをすべて処分する。

キャンプ前日。

おじいちゃんが死んだ。

葬儀キャンプ後に執り行って欲しい」というリーダーの頼みを、兄ちゃんは断れなかった。

お父さんに連絡すると「安全面を考えて明日キャンプファイヤーには参加しません」という謎メールが返ってきて、私はすぐ削除する。お母さんは手続き仕事で疲れて寝込んでいる。



キャンプ当日。

からちゃんは資材チェックや芝刈りを一心不乱にやっている。

隣近所の住民たちは、コロナ感染を恐れ隣町に行っていて、いつも以上に静かだ。

夕方我が家の庭に、リーダーを含む8人の男女が集まってくる。メンバー20人の半数以上が参加を辞退したらしいけど、それでもウチの庭には多すぎるような。

ちゃんに負けないくらい瞳がキラキラしているメンバー達は、準備していた資材をものすごい速さで組み立てていき、1時間もしないうちに庭がキャンプ場になる。

空間無駄なく活用して、コンパクトテントや炊事場、キャンプファイヤーが整然と並べられていくのを、窓越しに眺めながら思わず「凄い」とつぶやく

この日から連休を取ったお母さんは、時々メンバーの人にお水をあげたり、手伝ったりしている。せっかくの休みなのに、お母さんは本当に偉い。

そんな様子が兄ちゃんスマホ越しにインスタライブ配信されていて、1万人くらいが見ている。

やがて日が暮れて、キャンプファイヤーが始まった。

メンバーはそれぞれ、おしゃれな服に着替えて火を囲む。マスクカラフルだ。

ちゃんは既に泣いている。勝負服ジャージダサいけど、揺らめく炎に照らされてなんとなく様になってる。

昔はお父さんと一緒にキャンプしていたお母さんも、この時だけは幸せそうに火を眺めている。

窮屈そうだけど、ちゃんキャンプぽい感じ。

私も参加しなきゃと思うけど、恥ずかしくて窓を開けることができない。

リーダーが手を挙げ、マスクをはずして話し出す。

「皆さん、第20キャンパーズ定例キャンプへようこそ。この場所に集ってくれたすべてのキャンパー感謝を伝えます…」

それからしばらくの間、コロナとか社会情勢とかキャンプ用品に関する話が続くけど、死んだおじいちゃん名前は一回も出てこない。

「…そして今夜、新たなキャンパーが私達の仲間に加わってくれます。メグ!」

ウトウトしてたところで名前を呼ばれて、驚いて目を開けると、火を囲む皆がこちらを見ているのに気づく。体がビクってなったの見られてたかもしれない。

あなた希望象徴です。あなたの参加は、きっと世界中勇気を与えることになります。どうぞ、共にこの火を囲みましょう」

かなり大げさな歓迎ぶりは鼻につくし、恥ずかしいけど、お母さんを見たら優しく頷いてくれるから、窓を開けようと思った時、リーダーが「さあメグ、立ち上がって」と言った後「ヴフッ」と笑うのを見て、私は一気に冷める。

他のメンバーさんや兄ちゃんには悪いけど、こいつと同じ空気は吸いたくない。

私は窓に向かって中指を立てて、振り返り窓から離れる。

「どうしたんだメグ?…っ今から、君のエホッ、キャンブがっハ、始ばるんだよゼヒ」

リーダーの声が、いつのまにか強烈な咳に変わっていて、振り返るとリーダーの顔が真っ赤に歪んでいる。

ていうか、溶けてる?

「窓をッ、バハ、開げでぅレん」

そのまま崩れるように倒れ、シュウシュウ音を出しながら溶けていくリーダーを見たメンバーから悲鳴が上がる。

「ゲホッ、何だこデべ、デュぼホッ…」

見ると、他のメンバーも咳き込みながら、倒れはじめて、お母さんが駆け寄る。だめ、お母さんも感染する。

「お母さん!」

「開けちゃだめ!!!」と叫ぶお母さんも、苦しそうだ。

庭を見渡したけど、兄ちゃんはどこにもいなくて、勝負服ジャージが脱ぎ捨てられたみたいに芝生に落ちている。

「窓から、離れて、救急車ヲ…」

私は泣きながらスマホを取り出して911にかける。



2年前の冬、北欧で見つかった新型コロナウイルスALS-CoV」は、宿主の肺胞を溶解させてしまう、致死性ウイルスだった。

感染力は高いものの、寒冷地でのみしか発症例が無かったため、アメリカ南部では感染対策結構緩かった。

体が頑丈だったおじいちゃんも新型を甘く見ていて、ニューオリンズ郊外ゲーセン若いちゃんマスクをせず口論になった時にウイルスをもらって、肺が溶けて亡くなった。

そして、ルイジアナ州の一軒家で突然変異した「ALS-CoVζ+(ゼータプラス)」は、感染後即座に発症するだけでなく、内臓はおろか筋肉や骨組織まで溶かしてしまう最低最悪のウイルスだったらしい。

「らしい」というのは、私が入院中に看護師から盗み聞きしたり、SNSから拾ったりした眉唾情報からだ。どうやらネットニュースTVでは報道差し止められてるっぽい。

でも私はこの目で見た。

あの時、一番最初発症してたのは兄ちゃんだった。

きっと買い出しで熱い中毎日駆けずり回ってた超人的な兄ちゃんの体でウイルス変異したんだと私は勝手に決めつける。

我が家周辺が封鎖されて数ヶ月後、ゼータプラス株の全身溶解現象は消え、ショッキングライブ動画は「悪質な合成だった」という結論で、みんなすぐ追いかけるのに飽きていった。

残されたキャンパーズも解散、おじいちゃん葬儀は私の知らない所で執り行われ、お母さんと兄ちゃんのお墓はどこにもないままだ。

私は、CDC検査と手厚い補償を受けながら、病室で絵を描いている。

1ヶ月前、人懐こいマフィアみたいなおじさんがやってきて「ここに閉じ込めているお詫びがしたい」と、最新型のモジュールを持ってきた。

脳波カーボンがどうとかいう凄いものらしいけど断った。

かにそれも私の夢だったけど、私以上にその「足」を必要としてる人はいるはずだし、別に立ち上がらなくても、私は私だ。見世物じゃない。笑うヤツは溶けてしまえばいい。



そういえば、50年くらい前、同じようなウイルス流行の真っ只中で、大々的なスポーツイベントを行って世界中から人を集めた国があったらしい。

それまでなんとか感染者数を押さえていたのに、そのイベントの影響で感染者数が爆上がりして病院パンクしたとか。

きっと、その時も家族をなくして悲しんだ人がたくさんいたに違いない。

キャンプ当日の朝、兄ちゃんお母さんと3人で撮った写真は、ずっと枕元に置いてある。

父親からの連絡はない。



ニューヨーク美術大学への入学願書ができた。

学費心配はなくなったけど、「家族がいたあの頃に戻りたい」と、私はこれから先ずっと思い続けるのだろう。

私は、電動車椅子操作して病室を出る。

バイト日記

 給料日後だというのに、今日はやけに来客数が少なかった。確かに公共料金の支払いにくるお客様はいもの月末のように多いのだけど、ただ買い物にくるお客様が少なかったのだ。

 案外、世の中の人たちは真面目にテレビ五輪を観ているのか、それともパンデミック兆しを感じて自粛モードに切り替わったのか、よくわからない。そういや、今日の昼間ジャスト12時にスーパーに行ったら、意外と空いていたし……それは台風の予報のせいだろうか。

 緊急事態宣言下のときと同じように、夜遅く子連れ客がぼちぼち来た。でも、ただ夜遊びの途中で寄ったと見られる、ちょっとチャラついた若者集団も来店した。

 久しぶりにストーカー客来店。そのとき私は店の出入口付近にあるカフェマシン掃除をしていたのだけど、気づいたらストーカー客が至近距離にいたのでびっくりした。うっかり「ぎゃあ!」とか叫ばなくてよかったのかなんなのか……いっそ「きもっ!」とか心の声がダダモレてしまえばよかったかもしれない。

 カフェマシンの隣に客用の消毒用アルコールポンプがあって、それで手の消毒をするついでか口実にしたのかでストーカー客は私の半径50cm以内に入って来たのだが、消毒するだけの男の頭のツムジが背の低い私から見えるという異様さ。わざとやったんじゃなきゃそんな姿勢にならん。完全に痴漢所業だ。気持ち悪い。

 オーナーが「出来る限りの超速でカフェマシン掃除しろ」と言うので、お言葉に甘えて、レジ待ち列が出来ても無視してカフェマシンのパーツを洗う作業に集中した。ストーカー客は私がレジ対応をしないと私が出てくるまで何度も列に並び直して私が担当するレジ会計しようとする。うっかり目が合えば、ストーカー客は私の視線を何らかの勝手解釈をするらしく、すると私のシフト曜日に通うようになり、私のいる四時間の間に三度も来店したり、私と組んでるバイトはなしかける、なんか異様に高い「お土産」を持ってくるなど、どんどん行動に過激さが増すので、絶対に目を合わせてはならない。

 なんかもう、怨霊怪異の類いだよなと思いながら、私はひたすら洗い物に励んだ。

2021-07-26

家賃支援はじめてみれば

家賃支援(住居支援)だけでも世帯主に一律給付したらいいのに。

 

都内は、低所得者層の単身世帯が多いかやらないかな

一軒家は、住民票と住所が一致している持ち家に月数万支援したらいい。

集合住宅オーナー支援対象外

部屋に住んでる人がそれぞれ世帯主として受給しているから。

自分が住んでいる家に対してだけ発生する。

 

1万円でも支援があるなら、ほしいよね。

2021-07-25

着ぐるみオタク二次創作を嫌いになるまで

 おはようございます野良兎というものです。かつて着ぐるみでの仮装を楽しんでいた生き物です。

 今日はけじめとして、二次創作が嫌いになるまでの経緯を残しておこうと思います

少し自己紹介

 僕は着ぐるみというものが好きで、それが性癖と言える程度の存在です。どういう着ぐるみ想像つかない方は「着ぐるみ 美少女」などのキーワード検索してください。

 同時に、小説家と名乗るにはおこがましい程度の物書きをさせて頂いております

 僕は以前、twitterオリジナルキャラクター(以下A子)の着ぐるみ活動させるアカウント運営しておりました。お面自体は某工房製で、そちらや各所で多少迷惑をかけながら運営していたことを覚えています

あったこと前編

 そんなある日、お面を作って頂いた工房からイベントを行うので手伝ってほしいと言われました。内容としては「A子と同じ世界観学校舞台オリジナルキャラクターのお面を二つ作って売りに出すから、A子に紹介役をして欲しい」とのこと。

 今思えばこの時点で突っぱねるべきだったのですが、お世話になっている方だったので僕は引き受けることにしました。ただ、その時の違和感は今でも覚えています

「A子は学生じゃねえのよ」

 twitterアカウントを見れば学生ではないとすぐ分かるはずなのですが、その時は「まあ、忙しい方なので見てないんだろうな」程度に思っていました。A子はひとまず、その学校転入させました。

 それからステージでの脚本を考えて欲しい、自分パート振り付けを考えるように等、イベントまで様々な方に迷惑をかけながらそれらをこなし、イベント終了まで駆け抜けました。

 そして、例のお面(以下B子、C子)が売りに出され、無事新しいオーナーを迎えることとなりました。新しい二人のオーナーもなりきりアカウントをしたいということで始めたのですが、残念ながら諸事情で間もなく三人のアカウント活動を停止することとなります私自身はそれからも、同人誌か何かを作るのも面白いかもしれないと思い、”B子C子二人のオーナーにその確認を取ったり”その際の構成を練ったりしながら過ごしていました。

あったこと後編

 事件の始まりは、B子の妹と名乗るキャラクター(以下妹)の着ぐるみタイムラインに流れてきたことでした。

 曰く、B子が好き過ぎて妹を作った、名前も決めた、許可も取った、とのこと。話など聞いてなどいないし、なんなら見た目とストーリー整合性は取れてない。

 その時は、キャラクター性すら全く決めていないB子オーナー許可を出したのだと、僕は判断しました。

 許可を取ったということはほぼ公式宣言同義。当然、構想段階だったものはすべて白紙。「先に言ってくれれば設定をどうにかできたかもしれないのに」と思いながら、僕はB子と妹のオーナーに対して負の感情を持ったまま手を引きました。

 それからしばらくして、例の工房から「またイベントをするから、A子を連れて遊びに来て欲しい」と連絡がありました。お世話になっている相手なので、お邪魔しようと思ったのですが、脳裏B子と妹のことがよぎりました。顔も見たくない相手が来る可能性があるので行くべきではない。そう思い、僕は事情説明し断ることにしました。工房からの返事は「原作者には当然確認を取っているものだと思って返事をした、妹のオーナーはそんなに悪いヤツではないので出来たら許してやって欲しい」とのこと。

 それからしばらくして、妹のオーナーから長文の謝罪メッセージが届きました。「悪気はなかった。野良兎さんの話が好きだ。ストーリー整合性が取れていない理由は~、本当に申し訳ない、そのうえで本当に好きなので一緒に活動させて欲しい」のような内容だったと思います

 僕は勢いに押されて謝罪を受け入れ、妹オーナー和解してイベントにお邪魔することを工房に伝えました。

 その時の返事はだいたい以下のような内容でした。

「よかったね。あと、今回のイベントで前回の世界観と繋がっているキャラ二人(以下F子G子)出すから。表立ってそういう設定は出さないからいいでしょ。そんなわけでよろしく

 キレるタイミングを逃しがちな僕は、この場で何も言い返せませんでした。

 イベント当日。妹オーナーイベントスタッフらしく、僕に挨拶手土産謝罪を残し、慌しく駆け回っていました。

 暇だった僕がぼんやりしていると、B子オーナーを見つけました。声をかけると彼はヘラヘラしながら、

「すいません。先に言っておけばよかったんですけどね」

 と。「先に言っておけば~」は俺が言うセリフであって貴方セリフではないですよねと思いながら、「もういいよ。次からね」とあしらいました。

 その日はステージを眺めて退散。新キャラに関する情報は何もありませんでした。

 後日、妹オーナーやFの演者から改めて連絡があり、新キャラに関する設定を聞きました。

 F子はB子の幼い頃の知り合いで、今は機械化している。G子は大企業の偉い人の娘で、交通事故により機械化。

 F子はともかく、G子の関係性雑過ぎるなぁと思いながら更に切り込むと、どうやらF子の演者B子にぞっこんらしく。

 もうこれ、メアリースーみたいな夢女子と雑に用意されたモブやんけって感想しか抱けませんでした。

メアリー・スー https://ja.wikipedia.org/wiki/Mary_Sue

 こんなんを同じ話に突っ込むのかと、僕は今までやってきたことを穢されたように感じました。

 更に話をよく聞けば、妹オーナーは僕の話もアカウント投稿も読んだことな状態で「話が好き」と言っていたらしく、そもそもA子やC子を殆ど知らず思考に入れていない。以上の事やその他多くの要素から、僕は妹オーナーが「イベントを荒らされたくないが為にご機嫌取りをした」という結論に至りました。

 しばらくして、僕はA子に学校を退学させ、所持している面となりきりアカウントを全て処分しました。事実上キャラクター抹殺です。某工房製の面を視界に入れるだけで沸騰するような憎悪を感じるようになり、それに耐えられなくなったが為の苦渋の決断でした。六年間可愛がってきたキャラクターへの愛情よりも、キャラクターを都合よく使われ滅茶苦茶にされた憎悪が勝ってしまった事実は、今でも悲しく思います

後遺症

 気が付けば、僕は二次創作を煙たがるようになっていました。同様に、版権ものコスプレ着ぐるみも。

 理由簡単。都合のいいキャラクターを選んで無許可で使う行為が、僕の経験とダブって見えるからです。その行為は、あなた方が犯罪者と罵り忌み嫌う無断転載本質は何も変わらないのでは? その行為が、僕にA子を抹殺させたのでは? と。

 僕も版権キャラクターの面を所持していたので、自責の念もかなりあります。すべての面を捨てたのは、そういう側面も少なから存在します。出来ることなら抹消したい過去です。

 きっと、純粋ファン活動としてコスプレ二次創作をやっている方も沢山存在するのでしょう。しかし、残念ながらもう僕の目には殆どのものがそう映らなくなりました。自分承認欲や性欲を満たす道具としてキャラクターが無断で使われているように見えています。最早『異常者』と呼んで差し支えないほど、僕は多くを憎悪し、心の平穏の為にtwitterでも沢山のものブロックするようになっていました。二次創作に類するもののせいで、たくさんのコンテンツを嫌いになっていました。殆ど自業自得なのかもしれませんが。

言いたいこと

 ここまで恨みつらみを重ねてきましたが、別に二次創作をやめろ」という気はありません。きっと権利も何もありません。

 僕が言いたいのは「時々は、自分のやっていることを振り返ってみて欲しい」ということです。

 本来二次創作は、公式に見つかっていないからか、公式が見て見ぬふりをしているか存在できるコンテンツです。

 言い方を変えれば「公式が引き金を引けば、二次創作者の頭はいつでも合法的に吹っ飛ぶ」ということになります

 二次創作、あるいはそれに近い自称ファン活動をしている方々は、自分が殺されるかもしれないと考えたことがありますか? 自分の行動で誰かを殺してしまうかもしれないと考えたことがありますか? これはタチの悪い冗談でも脅迫でもないと、僕は考えます

 きっと僕を大袈裟だと嘲笑する方もいらっしゃるでしょう。しか事実、娘のように可愛がっていたキャラクター自分の手で抹殺するまで、僕は彼らと同じ思想に追い詰められました。

 貴方は、本当にファン活動をしていますか? 貴方第三者からファン活動をしているように見えていますか?

 僕のような異常者を再び生まない為にも、たまにはそういうことを考えてもいいと思います。誰かの為に、或いは自分の身の安全の為に。

2021-07-23

バイト日記

 出勤前にオーナーからLINEがきた。

今日増田さんのシフトの間にドリンクの補充をしてもらいたいので、上着を持ってきてください」

 普段は夕勤の時間バイトの人数が少なく来客は多いので、ドリンクの補充はあまりやらない。やるとしてもAさんが大体やってるので、私はほとんど手をつけないのだが、この日はBさんとのシフトだったので、私に仕事が回ってきたのだ。

 ところが、出勤してみたところ、ドリンクはそんなに減っていなくて、補充はしなくてよさそう。申し送りのときに昼勤のパートさんに聞いたところ、昼間はあまりお客様が来なかったので、ドリンクほとんど減っていないのだが、ウォークインに入ると「うっ……!」ってなるほど庫内がぐっちゃぐちゃになっているので、たぶんオーナーは補充というより庫内の片付けをやって欲しいのではないか? とのこと。

 オーナーの指示通りに、夕方ピーク後にウォークインの片付けに入ったが、庫内に足を踏み込んだとたん、「うっ」というより「ひえぇ!」ってなった。すげえごちゃごちゃだった。

 幸い、ドリンク在庫はそんなに多くなかったが、中途半端開封されたケースがそこかしこに積み上がっていた。たった三本くらいを取り出すために箱の蓋を半分だけ開ける。これはAさんの仕業以外の何物でもない。そういえば、Aさんは週末に連休を取らせてもらう代わりに、ここ数日は三~四連勤だと言っていた。

 数本抜いただけの箱を乱雑に堆く積むことによって、積んだ箱のバランスが崩れて落下し、大惨事が起こることがある。だからそういう半端な仕事はやっちゃダメだと何度も言われているのに、Aさんはやる。それを「効率がいい」とAさんは思っているのだ。

 半端に開封されているのは、フルーツティーレモンティーの高さの低くてぶっといボトルのやつで、これは当店では売れるほうの商品ではないのだが、Aさんはこれらを「全然売れない」と決めつけている。それで、夜勤の間に欠品させてもオーナーから怒られないだろうと踏んで、わざと二、三本しか商品棚に補充せず、残りを在庫棚に仕舞うこともせずに、適当放置する。それが三日か四日連続で繰り返されれば、庫内はぐっちゃぐちゃだ。しかも今週から夏休みなので、昼のパートさんの人数が減っており、ウォークインの片付けにまで手が回らないのだ。

 夕方ピーク時も、ドリンクの売れ行きは今一つだったという印象だが、それでも少しは商品棚にスペースが空いた。まずはそこに在庫棚に置かれた商品を移し、在庫棚に隙間を空けてから商品位置商品棚に対応した位置に並べ直しながら隙間を拡げる。パッと見では在庫棚には隙間なくギチギチに商品が詰まっているように見えるが、実は小さな無駄な隙間がそこかしこに空いていて、ちょっと商品を移動しただけでも、半端に開けられた数ケースぶんを全部仕舞い込めるだけのキャパがある。

 幸い、Bさんが早めに出勤してきてくれて、フリーター女子バイトさんと二人でレジ担当してくれたおかげで、15分くらい私は片付けに専念できた。トータル30分ほどで、作業完了。みごとに放置されていた半端ケースの中身を全て在庫棚に仕舞いきっただけでなく、翌日のために必要なぶんのスペースも確保することもできた。

 見違えるほどにスッキリしたウォークインの中。きったない場所を片付けるのは誰にどう誉められるよりも満足度が高いので、私はドリンクの補充とウォークインの片付け作業が嫌いではないのだが、Aさんに言わせれば私みたいなのは無能の働き者」なのだそうだ。

 けど、Aさんの独りよがりの「効率的な仕事」の尻拭いは全部他の時間帯にシフトに入っている誰かがしている訳で、Aさんは実質「無能サボり人」だと私は思う。

 昼勤午前に入っているベテランパートさんはAさんに会っても挨拶すらせず、Aさんはあの人感じ悪いと言うのだが、おおかた、普段Aさんの雑な仕事の始末をしているのが彼女なのだろう。

2021-07-21

anond:20210721174150

ゲイのためならオーナー泣かす

それがどうした文句があるか

anond:20210721173615

コミュオーナーには勝てん、てか勝負すんなや懐に入る気がないんやったら

ある英会話コミュニティ所属していて、コロナ前は飲み会キャンプBBQをやるような、いわゆるリア充っぽいサークルみたいな感じだった。

年齢層も幅広く誰でもウェルカム空気が気に入っていたんだけど、このコミュニティオーナーが時々、飲み会下ネタを言ったりするのが気になっていた。

ある時、恋愛話をしていたら俺とA君が彼女いないって事で、「俺とAが付き合っちゃえば?笑」という発言で、皆は笑っていたけど、物凄く不快だったのを覚えている。

俺はゲイで、このコミュニティ人達にはカミングアウトしてない。

こういう時、どう返せばこの発言咎められるんだろう?

追記

「俺とAが付き合っちゃえば?笑」

下ネタではないけど、不快に感じたのは「同性同士で付き合う事は可笑しな事」で、それで笑いを取ろうとしたから。

anond:20210721113322

>おしゃれ知的

🩲『…ロッキング・オンやその派出系の雑誌なら、もともと出自は当時の逆張りイキりチンピラ洋楽オタクオーナー主筆が始めたことだからオシャレ成分は喪女勝負パンツ程度の欺瞞だぞ?』

2021-07-16

木屋町にあるキャバクラ黒服仕事をしていた

この日記の内容はみだしのとおりだ。京都での学生生活の4年間をキャバクラでの黒服仕事に捧げた。

年末のこと。コロナのおかげでストレスが溜まる中、ふと京都が懐かしくなって一人旅に行った。学生時代と社会人約十年目では、さすがに景色に差があった。いろいろと感じるものがあったので、ちょっとしたためてみることにした。

広島田舎から京都に出たばかりの、当時18才だった私は大学生活に憧れを抱いていた。第一志望ではなかったが、行きたいと思っていた大学だった。

4月はあっという間に過ぎた。入学式オリエンテーションサークル勧誘学部学科での新入生歓迎会、初めての履修登録、初めての講義、初めてのゼミ活動

楽しくもあったし、不安もあったけど、5月になって、まだあることをしていないのに気が付いた。

アルバイトである大学生アルバイトをするものだと思っていた。それ以前に読んだ漫画アニメでは、大学生はみんなアルバイトをしていた。

早速、求人情報掲示板を見た。インターネットではない。学生課の前に貼ってある物理的なやつだ。すると、学内カフェがよさそうな気がしてきた。時給もいい(850円だった気がする)。

その日のうちに、お店に行って店員のおばさんに声をかけた。アルバイトがしたい、と。

何分間か話した後、「土曜日シフトはいます」と告げると、大歓迎な感じで、「今度オーナーも交えて面接しましょう」と言ってくれた。私の携帯電話の番号を伝えた。

その翌日だった。知らない番号から着信があった。携帯が鳴っている最中ガラケー通話ボタンを押す直前に着信が切れた。

もう一度かけなおすと、女性の人が電話に出た。どうも話がかみ合わない。「こちからはかけていません」とのこと。どうやら、大学全体の電話受付窓口に繋がっていたようだ。でも学内の誰かが、私に電話をかけている……。

増田処刑はすでにおわかりだろう。あのカフェからの着信だったのだ。私はそんなことにも気が付かなかった。

それから3日が経って、あのカフェに行って、面接の件がどうなったのか聞いたところ、「オーナーに、あなた電話に出ないと伝えたら、もう面接はいいって」という衝撃の答えが返ってきた。

私が阿呆だっただけだ。今でも、仕事でこういう感じのミスを冒すことがある。

ある日、京都御所の近くにあるコンビニ求人雑誌を持ち帰った。

パラパラと中を覗いてみる。飲食店小売店が多いようだ。ただ、どのお店も時給が低い。大学の近所にあるお店は、だいたい750円~800円だった。今思えば、こういう視点はやはり若いな、と思う。

大学生場合は、たとえ時給400円だろうと、釈迦に生きる人としてふさわしい常識言動知識を身に着けられる職場がいい。大学の同期で、一流どころの企業官公庁NPO法人就職した連中は、リクルート株式会社はてな高島屋アルバイトをしていた。

当時の私は、リクルートはてな高島屋も知らなかった。私の出身広島県の府中市だった。そんなオシャンな会社地元にはない。天満屋だったらあるのだけど。もし私が東京府中市出身だったら、リクルートはてな高島屋も知っていたのかもしれない。

さて、求人情報誌も終わりの方まで来た。すると、スナックキャバクラバーのページが出ていた。

あるお店の男性スタッフの時給のところを見ると、22時までが900円で、22時以降が1000円とあった。基本の労働時間20:30~5:30で、開店準備と片付けを除いた9時間に対して給与が支払われる。ツッコミどころが満載だが、こういう業界なのだ。今でもおそらくこんな感じだろう。

「でも、夜の店はちょっとなあ」と感じつつ、「失敗したとしても私はまだ若い。なんとかなる」とよくわからないポジティブも抱いていた。

あるページを捲ろうとして私は、ある求人に目が留まった。「木屋町で一番レベルが高い店です!」みたいなことが延々と書いてあった。自画自賛もいいところだ。※本当に一番レベルが高い店だった。

でも、「面白いな」と思った。しかも深夜時間帯の時給は1100円ときている。さっそく電話をかけて、簡単自己紹介をして年齢と大学名を言ったら、「ぜひ面接に!」ということになった。

5月の割と寒い夜、私は親からもらった原付に乗って、家から木屋町まで10分ほどの距離を慎重にゆっくりと駆けていった。

マクドナルド河原町三条店の近くにある、小ぢんまりとしたビルの地下1階にその店はあった。

当時の私はビルの前に立ち竦んでいた。田舎育ちの私は、ビルの下に降りていく階段を見たことはなかった。真下の方から数人の話し声が聴こえる。

おそるおそる階下に降りていくと、廊下が十メートルぐらい続いていて、奥には分厚い扉が開け放たれていた。表面に店の名前が書いてありそうな。近づいていくと、店の中から男女が笑い合う声が響いた。

扉の前には小さい丸椅子が設えてあって、2人のお客さんとイケメン黒服(ボーイ)が楽しそうに話をしていた。お客さんは、丸っこい小さいグラスに入ったお茶を飲んでいる。

ふと、ひとりの嬢が出てきた。黄色い、ひらひらとしたドレスだった。歩く度に、ドレスの裾がブゥンと上下していた気がする。顔つきは覚えていない。失礼ではあるが、「化粧濃いな」と感じたのは覚えている。外国人風の浅黒い肌の、ツンとした表情だった――人生で初めてキャバクラ嬢を見た瞬間だった。

さて、イケメンの人に「面接に来ました」と告げると、「ちょっと待ってね」と言われ、奥に引っ込むと……すぐに別の男性がヌッと出てきた。

体格が大きい、熊みたいだ。笑っている。当時の私には恐い人に思えた。実際には、恐ろしさと優しさが同居するタイプ……と見せかけて、普通にサイコパスだった。

店長と名乗るその人と、同じビルの2階にある事務室に入って、さっそく面接が始まった。私はソファに座らせてもらっていて、ガラス張りの机の上にペットボトル緑茶が置いてあった(はずだ)。店長は反対側のソファ腰かけた。

「飲んでよ」

ありがとうございます

店長とどんな話をしたかはあまり覚えていない。

思い出せる限りだと、こんな感じだった。

広島出身? 俺の叔父さんが広島なんだ」

「いい高校行ってたんだね」

「18才か。若いね~」

柔道強いんだ。2段だって

「いつから来れる? できれば明後日がいいな」

こんな感じだったと思う。当時は、落ちる可能性が高いと思っていた。ボーイの経験がないどころか、アルバイトしたこともなかったからだ。自分が盆暗な方だということもわかっていた。

ところで、キャバクラで4年も働いていたのだ。私のような類型(実務経験のない若い子)を採用する理由はわかる。

①単純な労働力として

多くのお店では、ホールキッチン仕事を8時間ぶっ続けでやらないといけない。開店の準備と片付けもある。休憩はあるが非常に短い。キッチンのビア樽に座って5分間など。なので、体力のある人がほしい。

②肉壁として

態度の悪いお客さんは必ずいる。特にお酒が入っていると、接客が気に入らないということで難癖をつけたり、声を荒げたり、脅迫してくることもある。

※稀に暴力団組員も来る。「暴力団お断り」のステッカーをどの飲み屋も貼っているだろう? あれは歓楽街では冗談一種だと当時は思っていた。この業界では、清濁を併せ呑み、判断が早く、臨機応変対応できる者が生き残る(と店長が言っていた)。

お客さんとトラブルになっても、年が若くてガタイのいい奴がいるのといないのとでは展開が違ってくることがある。たとえ殴られても、私みたいに若いのは自分が悪いと判断して、お店に治療費請求しないことが多い。

レアドロップ枠として

一例として、私と同じ同志社大学で、かつ同じ法学部法律学科の奴で、大学生活の4年間、ホストをしていた奴がいる。週に3日ほどの出勤で、大学回生になる頃には月に30万~40万ほどは稼いでいた。本人いわく、「いろいろあるので稼ぎ過ぎないように気を付けていた」とのこと。全く正しい行動だ。大学生の年齢でその判断ができる時点で、奴は普通ではなかった。2021年現在も、堅気ではない仕事大金を稼ぎ続けている。その彼は、KFJ京都俗情掲示板)のホスト板にもスレッドができるほどの猛者だった。つまり、年が若くても超スゴイ奴は一定数必ずいる。そういった人材を時給1000円前後で使えるチャンスに賭けているのだ。

私が採用された店というのは、実は特殊タイプだった。

当時の木屋町祇園にあったスナックラウンジキャバクラは、そのほとんどが個人もしくは社員10名以下の会社経営していた。

私が働いていたお店(以後S店とする)は、それなりの企業経営母体だった。モデル女優なんかを育てている芸能事務所が、副業としてキャバクラを出していたのだ。

※もうみんな読んでないのでぶっちゃけるが、㈱オスカープロモーション母体として経営している店だった。当時の私は、そんな会社存在自体を知るはずもなく。

そこに所属している子が修業や小遣い稼ぎの意味で働きに出てくる。そういう構造のお店だった。もちろん普通の子もいる。

以下、私が働いていた4年間で記憶に残っていることを書き出してみようと思う。たぶん長文になる。



大学回生

 キッチンホール仕事をやっていた。時給は1,100円。キッチンが主で、社員の人が少ない時に限ってホールに出る。

 最初の頃は、強面のM主任に怒られてばかりだった。今思えば強面ではなかったし、体格も中肉中背だったが、当時若輩だった私には圧が強すぎた。

 キッチン仕事というのは、いうまでもなく優先順位がモノをいうわけで……おしぼりとつきだしの用意も、ドリンク作りも、フード作りも、皿やグラス洗いも……人生最初に覚えた仕事は、社会に出てから仕事の縮図だった。

・次の次くらいまで優先順位を決めながら動く

・途中で別の仕事に移らない

・雑多な仕事はまとめておいて後でやる

 こういった原則ひとつずつ身に着けていった。

 より精神的な意味での教えもあった。例えば、トレンチお盆)の持ち方について。S店での持ち方は、指を立てて、手のひらが触れないようにして胸の前で持つというものだった。

 当然、最初のうちはできない。いや、言われたとおりにできるのだが、どうしても、たまに手のひらでベッタリと持ってしまう。

 最初にそのミスをした時だった。「おい」というM主任の声が聞こえた。怒られると思って身構えていると、「新人が間違えた持ち方しとんぞ」と、上で述べたイケメンの人が叱られていた。確かに、私は最初トレンチの持ち方をイケメン先輩に教わった。

 でも、当時は「なんでイケメン先輩が怒られるんだろう。なぜ私じゃないんだろう」と素朴に考えていた。

 このS店では、そういう社会人として基本的なことを教わる機会が何度もあった。私は盆暗でノロタイプ人間だったから、ありがたい教えでも、耳から耳にスーッと抜けていったのがたくさんあったに違いない。日記もっと細かくつけておけばよかった。

 今でもM主任を思い出すことがある。厳しい人だったけど、まともに仕事をこなすことを誰よりも考えていた。私のことを考えてくれていたかはわからないけど、今でも確かに思い出すのだ。

 めちゃくちゃ厳しくて……でも、ふいに無邪気で優しい笑顔を見せてくれる。私はずっとM主任の後ろを追いかけていた。今、この場で感謝を述べさせてください。ありがとうございます



大学回生

 この年の春先から初夏にかけて、正社員と同じ仕事が増えていった。一例として、ホールを回る仕事が主になった。棚卸しもするようになった。時給が上がり1,200円になった。

 本来大学生アルバイトは、キッチンでフード作りや洗い物をするものだ。ホールに出ることもあるが、あくま代打的に割り振られる。原則社員キッチンアルバイトホールということはない。にもかかわらず、なぜ私がホール担当になったかというと……。

 私の社歴が、スタッフ内で真ん中あたりになってきたからだ。

 信じられないだろう。でも事実だ。私がS店に入った時、社員5人のアルバイト3人(私を含む)体制だった。1年目の梅雨時に社員がひとり免職処分能力不足だと思う)になって、また秋になった頃に社員1人が系列店に行って、3月の春休みの頃、ひとつ上の学生アルバイトが飛んだ。従業員が3人いなくなって、3人補充された結果こうなった。

 ホールを回る仕事について、思い出せる範囲優先順位が高い方から挙げていくと、①お客さん又は女の子(=キャスト。以下嬢とする)の監視、②オーダーの受取と実行(買い出しを含む。お客さんだと煙草女の子だとストッキング生理用品)、③嬢によくない行為をしているお客さんへの注意、④お客さんからのイジリや自慢話やお酌に付き合う、⑤灰皿やアイスペールの交換、⑥喧嘩を止める(リアルファイト含む)……といったところか。

 重労働だが、そこまでキツイということはない。一般的飲食店でもこれらに近いことをしているはずだ。最初は立っているだけでも辛かった。足が棒になってしまう。慣れてもやっぱり足の裏が痛い。

 思い出に残っているのは、やはりM主任だ。仕事ができる男性で、30代半ばで月給は45万円(残業代は基本給に含まれている)だった。客引きプロであり、街を歩く人でその気のなさそうなお客さんでも、1分も経たないうちにお店への興味を起こさせ、大体3分以内にお店に連れていく。何より損切が早い。この人はだめだと感じたらすぐにその場を去って、別の人に声をかける。

 その主任にこっぴどく怒られたことがある。

 真夏の夜だった。私に初めての仕事が割り振られた。いわゆる、キャバクラの店の前にいる人の役だった。客引きではなく、連絡役に近い。お店に用のある人、例えばリース関係業者だったり、面接希望の嬢だったり、店長の知り合いだったり……むろん、通りがかりのお客さんにサービス内容を聞かれることもある。

 さて、ある3人組のお客さんが店の前を通った時、S店に興味を示した。「お兄さん。どのセットがお勧め?」と聞かれた私は、しどろもどろになりながら、2万円(2h)と1万3千円(1.5h)と1万円(1h)の3つのコース説明した。金額うろ覚えだ。たぶん違う。

 3人組のリーダー格は、「う~ん」という表情になって、何点か質問をしてきた。うまく答えられなかったのは間違いない。最後は、私の方が心が折れてしまった。

 その場を立ち去る3人組を見送る私の後ろに、M主任がいた――縄跳びで打たれたような、痺れた痛みが私を襲った。主任回し蹴りが私のお尻にクリーンヒットし、地下に入る階段の手すりの辺りにもんどり打って転げた。頭を壁面にぶつけたのを覚えている。

 主任に何と言われたかはよく覚えていない。罵倒の数が多すぎたのだ。「お前!売る気ないやんけ!」だったら確実に言われている。「すいません」とだけ謝ると、「〇〇ちゃん。次はないぞ」と言ってお店に入っていった……。

 数分後、また別のお客さんが店の前を通った。私は、ここまでの人生で最大の過ちを犯した。私はM主任の真似をして、お客さん候補トークを始めた。

「こんばんは。これから何件目ですか」

「2件目」

「どこ行ってきたんです」

居酒屋

「どちらにいらしたんです」

和民

「次は女の子のいるお店にしましょう」

「この店は高いからいい」

「安くしときます

 こんなやり取りだった。話すうち、だんだん相手の気が乗ってきて、でもお金がないのも事実のようで、でもお店に入ってほしくて、M主任を見返したくて……去ろうとする相手の腕に触ってしまった。

はいそこやめて!」※確かこんな口上だった。早口警官だった。

 その場で2名の警察官サンドイッチにされた私は、しどろもどろに言い訳を始めた。やがて応援警察官が到着し、単独でお店の中に入っていった……。

(続きます

 https://anond.hatelabo.jp/20210716220543

追記

ところどころやたらと鮮明なのは、当時の日記を見返しながら書いているからだ。

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