給料日後だというのに、今日はやけに来客数が少なかった。確かに公共料金の支払いにくるお客様はいつもの月末のように多いのだけど、ただ買い物にくるお客様が少なかったのだ。
案外、世の中の人たちは真面目にテレビで五輪を観ているのか、それともパンデミックの兆しを感じて自粛モードに切り替わったのか、よくわからない。そういや、今日の昼間ジャスト12時にスーパーに行ったら、意外と空いていたし……それは台風の予報のせいだろうか。
緊急事態宣言下のときと同じように、夜遅くに子連れ客がぼちぼち来た。でも、ただ夜遊びの途中で寄ったと見られる、ちょっとチャラついた若者集団も来店した。
久しぶりにストーカー客来店。そのとき私は店の出入口付近にあるカフェマシンの掃除をしていたのだけど、気づいたらストーカー客が至近距離にいたのでびっくりした。うっかり「ぎゃあ!」とか叫ばなくてよかったのかなんなのか……いっそ「きもっ!」とか心の声がダダモレてしまえばよかったかもしれない。
カフェマシンの隣に客用の消毒用アルコールのポンプがあって、それで手の消毒をするついでか口実にしたのかでストーカー客は私の半径50cm以内に入って来たのだが、消毒するだけの男の頭のツムジが背の低い私から見えるという異様さ。わざとやったんじゃなきゃそんな姿勢にならん。完全に痴漢の所業だ。気持ち悪い。
オーナーが「出来る限りの超速でカフェマシンの掃除をしろ」と言うので、お言葉に甘えて、レジ待ち列が出来ても無視してカフェマシンのパーツを洗う作業に集中した。ストーカー客は私がレジ対応をしないと私が出てくるまで何度も列に並び直して私が担当するレジで会計しようとする。うっかり目が合えば、ストーカー客は私の視線を何らかの勝手解釈をするらしく、すると私のシフトの曜日に通うようになり、私のいる四時間の間に三度も来店したり、私と組んでるバイトにはなしかける、なんか異様に高い「お土産」を持ってくるなど、どんどん行動に過激さが増すので、絶対に目を合わせてはならない。