はてなキーワード: ポテトサラダとは
こんにちは、私はお菓子ばっかり食べてお腹が出てきたおじさんです。
そんな私がお勧めするのは、100均の電子レンジ用蒸し器です!
使い方は簡単。
電子レンジ蒸し器は、見た目はフタ付きのプラ容器なんですが、中が二重構造になってまして、ザルが入ってます。
言葉だけだと分かりにくいんで、ダイソーの商品をリンクしますね。
大きめのやつ https://jp.daisonet.com/products/4550480199702
ちっさくてかわいいやつ https://jp.daisonet.com/collections/kitchen0228/products/4973430023481
画像でも分かりにくくて恐縮ですが、中にザルが入ってるんです。
そのザルの下に大さじ2杯ほどの水を入れます。
そしてザルの上に洗った野菜を置いて、あとはレンジするだけです。
これが美味しいですよね。単にレンジしただけじゃなくて、水が蒸気となって野菜を蒸してくれるんです。
だから、にんじんも、キャベツも、甘くてムラなく蒸し上がります。
野菜は低カロリーですし、小腹が空いた時にパッとレンジすれば、美味しい蒸し野菜が食べられます。
もうお湯で茹でる必要がないし、栄養素もお湯に流れ出ることはない。
ぜひぜひ皆様、使ってみてください。
篠原涼子さん的に言うと
平松愛理さん的に言うと
「部屋とワイシャツと私」
「手軽さと簡単さと食べ応え強さ」
なんだけど、
60歳以上で1人で乗り込んで機種変とか様々な手続きとかしようものなら
認知症かそんなボケ防止か何かの観点から1人で行くと止められるそうよ。
そんで60歳未満の人が一緒に付き添ってってのが必須先手必勝法らしいわ。
でもさ、
80何歳の父か母かの両親に
息子や娘が60歳以上でってもうすでにそう言うシチュエーションも現にあり得るわけじゃない?
その80何歳の両親か60歳以上の子どもたちを引き連れていったとて
そう言った機種変などの手続きが出来ないって社会構造バグってない?
そんなこと自体由々しきことじゃない?
一生一緒にいてくれや!ってずっと一生同じ携帯は使い続けられないわけじゃない。
定期的に機種変とかはしないと行けない宿命でもあるしそれが業界の縮図でもあるし。
ところで、
一生一緒にいてくれや!の歌と
大貧民負けてマジ切れそれ見てパスタ作ったおまえ!の歌って一緒の同じ歌?だっけ?
でもさー失礼よね。
60歳っていっちゃーまだ若いじゃない世の中のそういう60歳って
なのに軽くボケてませんか?みたいな前提で
奥歯にものも挟まず歯に衣着せない言い方で
ものを言われたらそりゃムッとするわよね。
奥歯にものを挟んでは歯に衣着せて言って頂戴!って
バックアップなしで丸腰でドコモショップに行った母親はその適用前の入店だったのかしらね?
気になるようで気にならないけど。
ソフトバンクでなら
これが本当の
祖父とバンクに!ってこれを地で行く時代が遂にやってきた感じが
少し不思議な話よね。
そんでね、
こないだ銀行に寄った際、
通帳記帳を慎重にしなくては!って思いながらさすがにそこは飛び込み前転では入店しなかったけど、
そのときに見かけた自転車でやって来て銀行に用事があるご老人の方がいたのね。
私が自転車起こして手を引いて起こしてあげてわちゃわちゃしていたら
その人は私の祖父ではないけど
きっと孫とかと来店来行しようとしていたら、
これをまた地で行くような時代になったもんだなぁ。
私しみじみしじみ汁飲みながら思うワケなのよ、
しみじみ飲めばばしみじみと~ってそんな八代亜紀さんの舟歌級に。
少し不思議な話よね。
「祖父がバンクの前で転ぶ自転車で行って」ってなんか後ろに付け加えるとさまぁ~ずさんの悲しいなんとか級に悲しくなると思わない?
さらにしみじみさがしじみ70個分の命と引換に作って美味しくお味噌汁として得られるオルチニンだと思っていたら、
実はその命シジミのオルチニンじゃなくて乳酸菌由来のものらしくて、
じゃ私が信じていたシジミたちの命の70個分は?って
そこには失われたシジミの命がなく乳酸品由来のオルチニンだったって、
少し不思議な話よね。
今まで信じていたシジミの力の70個分は
乳酸菌由来だったって!
舟歌の歌詞もしみじみシジミ汁飲むオルチニンは乳酸菌由来だった!ってアップデートしなくてはいけないってね。
実際にはそんな歌詞を変えなければいけない!って言ってるんじゃなくて
オルチニンの概念を今まで擦り付けられていたシジミの力だったってことを乳酸菌由来だったって私たちがアップデートしなくてはならないって意味よ。
だけど絶対シジミ汁はそのイメージがありまくりまくりすてぃーでそれなんてオルチニン?ってなるわよね。
霞ヶ関ビルをビールジョッキに見立てて何棟分の年間ビール消費量とか
オルチニンシジミ70個分だとかってのを
祖父がバンクの前で転んでいるって喜んで言ってる場合では無いわ!
喜んでは言ってはないけれどね。
とにかくオルチニンがシジミ由来じゃなくて乳酸菌由来だった!ってことが
それが一番衝撃的な事実だったし、
祖父とバンクに行くときは転ばないように気を付けようと思った次第よ。
うふふ。
なんかいつもあるわけではないみたいで、
見つけたので即座にゲッツよ!
レモン炭酸ウォーラーを今日はそのままストレートに追いレモンもしたら良かったかしらねポッカレモンのね。
あれも切らしちゃったので
思いだしたら買っておかないといけないわ。
今朝は冷たい物一気に行きたい気分の感じだったわね。
すいすいすいようび~
今日も頑張りましょう!
なんか自分とよく似た考えというか同じ事増田に書いてるなぁって思ったら自分でした。
寒さ少し和らいだ感じの
今日はそんなに寒くなくなくはない感じだわ。
ラーメンやってみようかなと思ったけど、
昨日は昨日で力尽きて
スプラトゥーン3のログインボーナスも本日初戦で勝つる!1勝あげられたのでそうそうに5分で今日のゲームは終了で
シンクを磨いていたら
疲れちゃってお風呂入って終了!って感じでラーメン屋さんできなかったわ。
よくさー
お店に行ったら次に来てもらいたいがためのクーポンで
50円割引!とか
あれ使うのなんかセコイ人みたいで
勇気を出して使ってみても良い物かしら?って本当に思ってしまうんだけど、
こないだ新しくオープンした
以前ラーメン屋さんで居抜きで改装してインド料理屋さんになったところに新規開拓として行ってきたの。
そんでチラシもらってきて、
その下にはランチ100円オフ・ディナー10パーセントオフのクーポンがチラシにくっついているのよね。
それもこまめにちぎって持って行くセコさというか、
うーん、
これ本当に使っても使えるとか使えないとか効力のことを言ってるんじゃなくて、
なんか恥ずかしい使うのがって思って結局使えないまま期限が切れてしまって
お店にも行かないパターンってよくあるのよね。
100円となるとその規模のだと恥ずかしさと面倒くささが勝りまくりまくりすてぃーよ。
あと割引券3枚なり5枚なり
そこまで躍起になって集めていたのかよ!って
おまえ必死だな!って店舗の大将に思われかねないこともないかもしれなくはないかな?って
結局割引券が適用される回数通って食べて割引効力を発揮できるようになっても
なんか使えないのよね。
謎の半券を何の印刷などの説明がなくお店の名前が印刷されているだけの半券をもらえるんだけど、
よくよく調べたらネットで調べたら
しばらく何の効果があるのかしら?と
分からないまま集めていたわ。
思い出したけど、
春のお皿のパン祭の白いお皿の松たか子さんの春が明日来た奈良のテーマソングに流れて一緒にやって来るお祭り。
矢野顕子さんの春先に神戸に行きたくなるばりに奈良に行きたくなる松たか子さんの歌なんだけど、
あのお皿も実際店頭でシールが条件を達成したら交換してもらうんだけど、
実際にお店の人と面と向かって交換に挑まなくてはいけないので、
またこの人シール集めお皿をもらうのに必死な春祭りのパンの明日春が来たならな!って思われてるのかしら?って思うけど
背に皿は変えられないので、
なんとなく変にダブルミーニングっぽくダブルミーニングになっていないところが、
またちょっと恥ずかしいわ。
背に皿は変えられないけどちゃんと頑張ってシール貯めたんだからって
お皿に変えない理由はないわよ。
じゃないと春がやっこないの!
というかさー
今思い出してみたら、
そのシールを集められるパン屋さんの祭のお店が近所のテリトリー行動範囲内になくって、
いまのいままですっかり忘れていたわ!
思い出したら集めたくなるけど、
お店がないので
シールもお皿も集められないし交換できないのよね。
だからあのお店が事務所の近所にあったときのころを思い出して懐かしい春の訪れを感じずにはいられないわ。
そんな
白いお皿が空に浮かんだ雲のようにも見えて、
うふふ。
私ポテトサラダ好きなんだけど
ほおばったらジャガイモ!って感じるタイプのポテトサラダが好きなのよね。
私の好きなタイプのポテトサラダが挟まったサンドイッチなので、
見かけたら間違いなくゲッツするのよね。
珍しく見かけたので買っちゃったわ!
朝の水筒に入れていくついでの
カフェイン気になるけど、
緑茶の健康効果を期待して最近気を付けて緑茶を飲んでいるのよ。
効くのかどうかは分からないけどね。
すいすいすいようび~
今日も頑張りましょう!
ボクサーを撲殺したのは僕さ
これから満で数つけるわ
ナンを何枚も食べるのなんて、なんでもないよ
新患の新幹線に関する新刊に新館を立てて震撼し信管が作動する。
ケニアに行ったら生贄や
柑橘類の香りに歓喜し、換気を喚起したが乾季が訪れたので、寒気がした。
塗装を落とそうか。
観光客がフイルムに感光させた写真を刊行することが慣行になった。
サボってサボタージュ
景気が良くなりケーキを食べる契機を伺う徳川慶喜(とくがわけいき)
夫を成敗するオットセイ
つまらない妻の話
竹の丈は高ぇなー
餅を用いて持ち上げる
ロストしたローストビーフ
サボテンの植え替えサボってんな
過度な稼働は可動範囲を狭める
伯爵が博士の拍手に拍車をかけて迫真の爆死をし白寿の白人を白紙にもどす。
紅葉を見て高揚する
甲子園で講師をする公私混同した孔子の実力行使には格子窓も耐えられない。
死んでんのか?「心電図を取ってみよう!」
夜祭で野菜を食べる。
信玄餅を食べながら震源を特定するように進言する新元素を発見した人。
蜂の巣(honeycomb)を見てはにかむ
五反田で地団駄を踏む
ようやく要約が終わった
海溝で邂逅
豪華な業
甲板で甲板をかじる
甲板で乾パンをかじる
店頭で転倒
大枚をはたいてタイ米を買う
醤油をかける人「えっっ?」
神田でした噛んだ
少食な小職
牛の胆嚢の味を堪能する
あの娘にはどう告っても(どうこくっても)慟哭する結果に終わるだろう。
キーンという高音の起因が掴めない。
こんな誤謬は秒でわかるだろ
壊疽した箇所が治るというのは絵空事だ
経口補酔液
痴的好奇心
セントーサ島に行くのは正恩が先頭さ
軽微な警備
冬眠する島民
ベットは別途用意してください
The deserted desert in desert desert.
九尾のキュービズム
罹災者へのリサイタル
画家の画架
不納が富農になるのは不能だ
理工がRICOHに利口な履行
I sensed tha it is in a sense sense.
私はそれをある面では扇子だと感じた。
鯖を食べている人と、それを見ている人の会話
鯖 ça va?
ça va 鯖
ça va
ゆめゆめゆめをみるわけにはいけない
早漏で候
凪に難儀
東上線に搭乗した東條が登場
高校を後攻で煌々と口腔で孝行
蝉が転んでセミコロン
道徳をどう説く
写真はフォトんど撮りません
ダリ「絵ぇかくのだりぃなあ」
華美な花瓶のカビに過敏に反応
檻に入っておりいった話をする
夏のおサマー
夜は寝ナイト
渦中のカチューム
渦中のカチューシャ
リスボンでリスがborn
どうないはどないなってんねん
苫小牧でてんてこ舞い
市内を復旧しないと
石狩の石を借りる
おが置いてあるのを見た人「おはおっかねぇーから置かねぇ方がいいぞ」
砂がどしゃーw
東上線に登場した東條が登場
飽きない商い
おなか吹田市
観劇で感激する
側転に挑戦し即、転倒
別件を瞥見
凹地のお家
魚を初めてみた人「うぉー」
カラヤンの頭の空やーんw
豚をぶった仏陀
只見線をタダ見w
菊名でそんなこと聞くなよ
五秒で死んで御廟に埋葬
がらんとした伽藍
有給を使いすぎて悠久の時が流れた
長谷に想いを馳せる
Thinkerの真価
不具の河豚
暗記のanxious
半世紀にわたる半生での藩政を反省
タンチョウが単調増加
ショック死内親王w
カルカッタの石軽かった
天皇のこと知ってんのー
蒋介石を紹介した商会を照会した商會の船で哨戒する
其方のソナタ
先王に洗脳される
防潮堤で膨張した傍聴人
砂漠で鯖食う鯖を裁く
筒に入った膵島
サイコロを使った心理テスト(psychological test)
カラシニコフが辛子個踏んだ
皇帝の高弟が公邸の校庭の高低差を肯定する工程に拘泥した記録を校訂
にようかで酔うか?
うるさい人が売るサイ
どんなもんだい、を、どんなムンバイ、と言い間違える人
透徹した饕餮の眼球
チャカで茶菓を破壊
slimyなすり身
ゆうほど広くない遊歩道
いにしえのイニシエーション
コーランをご高覧ください
K殻の傾角を測定する計画
協賛した共産党員に強酸をかける
負けたのは聖者の静寂のせいじゃ
裏地見るウラジミール
カミオカンデの上に紙置かんでw
県大会がおわり倦怠感を感じる
夕暮れのユーグレナ
ストライキをする公務員に呼びかける人「 Stay calm(公務)」
エド・はるみの穢
祭壇を裁断
腐卵ダースの犬
全然人が集まらないクラブの人「参加数人は我々の十八番ですから。だけに。」
四苦fuck
都バスが人を跳ね飛ばす
怒るカロテン「なにカロテンねん」
嫌がる慰安婦「いやんっ」
かえるがえる帰る蛙
沈厳な青梗菜
トリコロールの虜
布陣を組む夫人
栗けっとばすクリケット🦗
婉容と遠洋漁業
アマルガムで余るガム
ハラスメントの疑いを晴らす
滋賀を書けない人を歯牙にも掛けない
他意はないタイ人の鯛の態度
鯛が蛇足
ダジャレではない↑
割と面白い
ハラッパーの原っぱ
紫に関して思案を巡らす
Huluが夏の風物詩だと思っている人「Huluですなぁ」(風流)
下調べのムニエル
わからないので
意味ない諱
よく分からんリポーター「うわぁ〜美味しそうですね!少なくとも不味そうには全く見えません!」
どうしても下がりたくない人「黄色い線の内側は、境界を含みますか??」
計算ができない人
着ていく服を決めた高橋是清「これ着よ」
enough、enoughは工夫がenough
負け負け山(カチカチ山)
薬師丸せま子
トーマス・マンの書いたふるさと「うさぎ〜おーいし、魔の山〜♫」
その心は
焼結が猖獗を極める
これはstaleだから捨てるか
衒学的な弦楽を減額
完全な勧善懲悪
イボ人の疣痔
イブに慰撫
(訳 ぬるぬるしてるありふれた魚)
盲いるのに飯いるの?
アーヘンで阿片を吸った人「あー変」
毒吐く独白
明借りるアスカリ(車)
丁寧な砂浜「Could you九里浜」
ゴーンと奉公
その心は
サンクチュアリに山窟あり
熟れたウレタンは売れたんか?
清澄な声調を静聴し成長
プエルトリコで増える虜
象さんを増産
兄弟が今die
Dose heで始まる疑問文に答える京都人、Yea, he どす
ソフィカルのソロカル
美人局に筒持たせる
十把一絡あげ
篤信な特進が涜神を得心
これは何という植物かな?ムユウジュでは?あそっか、なるほど。
クートゥを食うとぅいいよ
マイソールで昧爽に埋葬
ドクサは毒さ
暗殺で朝死んだ
クラシックについて語る人をそしる人「弦楽なんてペダンチックだなあ」
凛々しいリリシズム
衛生的な俳人
御髪も亂とはオクシモロンだ
コロナ後の世界を分析する学問→postcoronialism
影響が色濃いイロコイ諸族
あてのあてないアテナイ
ちょっと聞いてくれ。
数年前のことだ。うちは日中~夜まで飲食店をやってるんだが、とあるお客さんがいた。今でも記憶にこびり付いている。話させてほしい。気持ちの整理をつけるためにも。お客さんの立場である増田民のあなたも感じることがあるかもしれない。
当時、とある田舎の一級河川沿いのエリアで食事メインのお店をやっていた。おでんに、蕎麦に、刺身に、唐揚げとかポテトサラダとか、野菜のお浸しとか、居酒屋に近い。コの字型のカウンターと、座敷がふたつだけある。
いつもは俺と、アルバイト(男2、女2)のうち最低1人が一緒に働いている。平日は暇なんだが、週末になると忙しい。北にある政令指定都市の方から、会社や学校帰りの人が流れてくる。
それで、店内が八割方埋まって、スーツ姿のリーマンとか、会社名入りの作業服を着てる人とか、数人連れの大学生とか専門学生でわいわいとした雰囲気になる。
うちの料金は安い。はっきりいって安い。鳥貴族に毛が生えた程度だ。元実家の土地でやってるからな。
そんな中で、ひときわ目立つお客さんがいた。最初に会ったのは平日の夜だった。その時間帯は、アルバイトの女子大生に接客を任せて追加分のおでんを仕込んでいた。
格子枠の扉をガラガラと開けて、その人が入ってきた。外身は白っぽい作業服だったかな。時期は初秋で、作業服の下にはシャツとネクタイが覗いていた。銀色のネクタイピンも。
「ん!?」と思って顔を見ると、アァと納得がいった。あなたも人生で何度か見たことがあるのではないか。圧倒的なオーラの持ち主を。その人の目を見ただけでわかった。
ぎらぎらとしているようで、どこかあどけない感じもして、しかし落ち着いている。只者じゃない。修羅の目だ。多くの物事と戦ってきたに違いない。人生の重みは表情に出る。
見た目は30過ぎかなと思ったが、こういうのに年齢は関係ない。繰り返すが、苦難の日々は顔に刻まれる。
アルバイトの女子大生(Nさん)が彼のところに向かっていた。見たことのない笑顔で「いらっしゃいませ」と言っている。屈託のない様子で「初めてですか?」とも。
当時、コロナは流行っていない。その人(S氏)は「どこに座ったらいいですか」と言ってたっけ。Nさんに「お好きな席にどうぞ」と言われて、俺がおでんの仕込みをしているカウンターの前に座った。ほかの客はほぼいなかったと記憶している。
唐突に会話が始まった。
「涼しくなってきましたね」からスタートして、好きなお酒から、好きなアテに、この周辺でおススメの居酒屋に、S氏の仕事の話など。盛り上がった記憶がある。暇な日だったのでNさんも会話に入っていた。ルンルン(死語)な気分でS氏と話をしていた。
やがて、S氏は自分とNさんにそれぞれ1杯おごって、約一時間ほどいて帰って行った。その時はいい人だなぁと思っていたけど、Nさんがいつまでも嬉しがっている様子を眺めていて、ちょっと思うところがあった。
その日の営業が終わって現金を数えている時も、Nさんは心なしか嬉しそうだった。気のせいかとも思ったけど、やはりそんな気がした。
「なあ、今日はうちに寄っていくか」とNさんに聞いたら、「朝から講義がある。ごめん」とだけ返ってきた。
Nさんとは付き合ってまだ半年で、気持ちが通いきっていないのもあった。何かに負けたような気がして悔しい思いがした。
実際、いいお客さんだった。小一時間もしないうちに帰るのだが、その間に最低でも三~四千円は落としてくれる。自分の酒肴以外にも、店員がいたらみんなにジュースやお酒をおごってくれる。
短い時間ではあったが、いろいろ話をして盛り上がったのを覚えている。店の十周年記念の時はシャンパンを空けてくれたっけな。
金持ってるだけじゃなくて、人柄もよかった。今でも思い出す。懐かしい記憶だ。
ある時だった。S氏が初めて来店して三ヶ月くらいか。夜九時頃の店内で、残業帰りのS氏と俺とNさんで話が盛り上がって、S氏のグラスが空いたところだった。「じゃあもう帰ります」ということで、クレジットカードを受け取った。それで、コの字のカウンター卓の奥でクレカを機械に読み込ませていた。
ふと声がして、お客さんの注文かなと思ってホールを見ると、S氏がNさんと携帯電話の番号を交換しているところだった。
「今度、ご飯行こうな」「はい!」という声が調理スペースの方まで響いてきた。そのタイミングで俺は、決済処理を終わらせてふたりのところに向かった。何事もなかったようにしてS氏は、Nさんからコートを着せてもらって入り口に向かった。
普段はスタッフに見送らせているのだが、俺も一緒に入り口へと向かった。S氏を見送ると、彼は歩いて自宅の方に向かった。姿が消えたのを確認した。
「電話番号、交換したんか」とNさんに聞くと、「うん。何度もしつこくって」という返答があった。ご飯、行くのか」と聞くと、「多分いかない」と返ってきた。
訝しい感じがして、でも問い詰めることもできずに、そのまま調理スペースに入ろうとしたところで、ほかのお客さんから注文の呼び出しがあった。
ここまで言ったらわかるだろ。ある程度は。
核心的なところを言うと、それから二ヶ月後だった。S氏とNさんが、お店からおよそ10km離れた政令市にある百貨店の休憩所で一緒にメシを食っているのを見た。ちょうど食べ終わるところだった。
ハンバーガーか、クレープか、たこ焼きか。よく見えなかったが、百貨店内のどこかでテイクアウトしたものだろう。Nさんは綺麗な恰好をしていた。華美ではないけど、暖かそうな秋冬用のワンピース風……あれはなんというのだろうか、女のファッションはわからない。
清潔感のある装いだった。茶色の小さい鞄を肩から下げている。どちらも、俺とのデートで付けているのを観たことはない。いや、鞄の方は多分ある。
それで、ふたりが立ち上がって、時計や宝石を売ってるエリアへと階段を降りて行ったところで、俺はそのまま地下街に向かった。当初の予定どおり、常連さんにサービスする用の特別な食材を買って帰った。
俺がNさんとデートする頻度は、2~3週間に一度だった。あの子は看護の大学に通っていたから忙しかったのもあるし、俺自身がお金を貯めている最中で金欠だったのもある。
セックスはしたりしなかったりだ。割合までは覚えていないが。あの光景を見てから、次にNさんと会ったのは二日後だった。あのワンピースみたいなのは着てなかった。簡素な恰好だ。部屋着というわけではないが。
あの百貨店の近くの河原町通りやアーケードを一緒に歩いて、食事をして、猫カフェに行って、映画を見て、近くにあるホテルに入った。
あの時の俺は必至だったと思う。いや、必死だった。「愛してる」とベッドの中で何度も言った。伝えた。本当は、叫んでいたかもしれない。Nさんもベッドの上でいろんな動きをしたり、いろんなことを言っていた。
でも、Nさんは行為の最中に特別な何かをするでもなく、普通の調子だった。普通のセックスだった。30分で終わった。いや、なんかもうわかっていた。そんな気がしていた。
「別れよう」と言われてはいなかったが、Nさんと会う頻度が落ちていった。次にデートするまでに一ヵ月以上かかることもあった。
S氏がお店に来る頻度も落ちていった。さすがに計測はしてないが。S氏は素直に凄い奴だと思っていた。いい大学を出てるし、いい会社で働いてるし、偉ぶったところもないし、自己中に感じることは稀にあったが、よくいえば決してブレない。
俺は高校を出てない。子どもの頃から勉強が嫌で嫌でしょうがなくて、それで進学から逃げて、17才の頃までは完全なるプー太郎で、親に叱咤激励されて伏見の小料理屋でアルバイトを始めて、滅茶苦茶に厳しい毎日で、それでも料理作るのが楽しくなっていって、中年に差し掛かった頃に両親が死んで、相続した土地と家屋を改装して今の店にした。長かった。
でも、やっぱり真の人格ってものがあるよな。S氏は、スタッフに飲み物をおごってくれなかった日は一度としてない。店員が男だろうが女だろうが、必ず一杯は出してくれた。俺はほかの店に飲みに行っても、可愛げのある女の子の店員にしかお酒は出さない。
S氏は、はっきりいって『上』の人だと思う。Nさんの件さえなければ。これで俺より五つ以上も年下なんだから笑えてくる。
そんなこんなで、半年も経つ頃には諦めがついた。ある日、お店でS氏と話していた。それで、ふいに聞かされてしまった。
「先日、Nさんのお父さんに会ったんですよ」
だってさ。キツイ。当時の俺にはキツかった。Nさんへのデートの打診を3回続けて断られていた。そういうことだったんだな。
俺の中で何かが切れた音がした。少年時代に読んでいた漫画(ジョジョだったと思う)で、「切れた。僕の中の大事なものが……」といった台詞があった。当時は、そんなわけねーだろと苦笑していたが、ジョナサンの気持ちがわかったかもしれなかった。本当に、心や体の『糸』が切れると、抵抗する気すら起きなくなる。ただ、沈んでいくだけ。
Nさんのことは諦めた。
それから二ヵ月くらいか。鬱々とした気持ちで過ごした。どうしようか。悔しい。畜生。どうすることもできない。でも、やっぱり悔しい。畜生だな、本当に。いや、くっそ。悔しいんだよ。でも、感じない。心がマヒしているみたいだ。本当は悔しいって思いたい。
俺の大事な女を取りやがって。くそ、くそ、くそ!! あいつさえ、あいつさえいなければ。畜生!! ○してやりたい。
暗い気分にさせてごめんよ。もうちょっとで終わる。あれは四年と少し前のことだ。初夏の頃だった。大きい台風が迫っていて、すごい雨だったな。うちの店はそれでも営業していた。開店当初から決まっているのだ。どんな雨風が来ても絶対に店を開けてやると。
そういう時にうちに来るのは、決まって大雨対応で疲れ切った近所の人か、ほかの店が閉まっているために流れてきた飲み客だったりする。
土曜日の深夜だった。S氏が疲れ切った様子で店に来た。スタッフはみんな上がらせていて、俺しか店に残っていない。彼は「いや、疲れましたよ。何時間か寝たら、また職場まで出発です~」といったことを告げて、メニューを手に取ろうとしていた。
「増田さん。外の雨、すごいですよ」
「ええ、すごいですね」
「二十年前もこんなんがあったんですよ」
「本当に? 自分、このへんの生まれじゃないんで詳しくなくて」
「大雨の対応って。樋門(※排水ゲートのようなもの)の面倒でもされてはるの?」
「そんなものです。そうだ、せっかくですから一緒に外に出てみませんか。ある意味記念です」
「ほな行ってみましょ」
そんな具合で、店から歩いて一分ほどのところにある鴨川(のさらに南の支流)のほとりまで来た。家屋と家屋の間に雑草だらけの小道が通っていて、そこから川の方を向いた崖地に辿り着いた。
真下を見ると、葦やら雑木やら上流からの堆積土やら、いろんなものが流れ着いている。見た目の悪い場所だった。今は河川の底を拡げる工事が進んで、もっと綺麗になっている。
俺は傘を差していて、S氏は簡易なヤッケを装備している。真っ暗な世界の中で、唯一の明かりが頭上の頼りない水銀ランプひとつだけだった。今は、2人で濁流を真上から見ている。ここから飛び降りたとしたら、数秒もかからないうちにドボンだろう。それほど水嵩が増している。水の色は見えない。
「下流はとんでもないですね」
「ここよりはマシですね。護岸が整備されてるんで」
「こないな時期に大雨の対応はしたくないでしょ」
「はははは。まあそうですね。でもね、しっかりしないといけないんでね。結婚もするんで」
俺は何も言わずに、彼の方に寄った。
「危ないよSさん。下がって」
その時、殴りつけるような雨が降ってきた。風も強い。S氏は、身を屈めるようにして風雨から身を守っていた。すると、ふいに彼が鴨川の方を向いたっけ。しみじみとした寂しい背中だった。
「Sさん」と声をかけると、いまだに彼は増水した河川を見下ろしていた。風がまた吹いてきた。強い風だった。
……数分が経って、俺は雑草だらけの小道の途中にいた。後ろをサッと振り返った。誰もいなかった。雨の音がうるさい。
そのまま、雑草だらけの小道をザクザクと踏み分けて行って、店の方まで戻った。お客さんが来ていないことを確認して、ラジオで大雨情報を聞いて、誰も来ないだろうという個人的な確信が強まっていった。
特にオチがなくて申し訳ない。誰かが悲しい思いをしてるとか、嬉しい思いをしてるとか、そういうことでもない。
お店は今も普通に営業している。あれからすぐにNさんは店をやめてしまったが、そこは腐っても京都府内だ。別のアルバイトに「いい子いない?」と聞いたら、新しい子が面接に来た。幸いにも、Nさんと同じくらい朗らかで明るい雰囲気の子だった。今でもお店で働いていて、辞められたら困る人材に成長している。
ずっと思っていた。苦しかった時期のことを話したいと。あの日を境に肩の荷が下りて、心と体が軽くなって、ゆっくり眠れるようになった。すっきりした気分だった。今ではのびのびと働くことができている。
「日本は独り身に優しい」っていうのは尤もだ。
カップル文化のない(プロム何それ美味しいの?)東洋の島国においては、ファストフードはおろかイタリアンや日本料理、高級フレンチはキツいか……?と思いきや、案外ひとりでボトル開けてる人もいる。
こういった「おひとりさま」文化は素晴らしいと思う。増田もコロナ前までは心赴くまま、同行者にあれこれ煩わされることなくグルメを堪能し酒を飲みに出掛けたものである。流石に今のご時世では頻度が減ってはいるが。
ちなみに好きな番組は吉田類の酒場放浪記で、BSの再放送を見ながら「あー、これ前に放送したの覚えてるわ。あっ、ここ行きたかったんだよなぁ、メモメモ」と独り言ちながら晩酌するのが月曜夜の少なくない楽しみだ。
最初の10分くらいは煎餅屋とか甘味処で舌鼓を打ったり鉄道模型屋を散策したりと飲酒には関係ない前座的なVTRが流れるのであるが、たまに待ちきれずに一杯やってしまうこともあり苦笑してしまうことがある。
やはり周囲の目は気になるし、女の一人客だからとプークスされることもあった(これは時代も多分にあったと思う)。それも自意識過剰なんじゃないかと思い悩み、中々気軽に出歩けないでいた。
新規開拓はしたい、されど嫌な思いはしたくない。そんな思いを抱えながら鬱屈していた時、ふと銀座ライオンの前を通りがかった。
ちょっと気になってるんだよなぁ、ビール大好きでサッポロ党だし。個人店は入る勇気が出ないんだけど、チェーンだし大丈夫そうかな……?と、店内の様子をウィンドウ越しに窺った。
すると、おばちゃんが!!!一人で!!!呑んでいるのである!!!!!
有閑マダムといった風情ではなく、そのへんにいそうな主婦って感じのおばちゃんが一人で呑んでいるのである(今思うとジロジロ見られて気味悪かったよね、ごめんね)。
なんということか。今までは年配の女性といえば家庭に入っている専業主婦か商店のおかみさんみたいな人くらいしか知らず、しかもそういった人たちは夕飯の時間には家に戻り家族に食事を作っているというイメージしかなかった。
それなのに、私の見たおばちゃんは特に何ということもなく、ごく普通にビールを飲み干しツマミを食べているのだ。そう、周囲のサラリーマンと同じように。
(余談だが、土山しげるの「荒野のグルメ」2巻を持ってる人は作中の「神谷バー」にてジョッキの下にハンカチを敷いていた粋な老婦人を想像していただきたい。あんな雰囲気である)
そして導かれるようにして入店しエビスの中ジョッキと何かツマミを頼んだのだが、あいにく当時の詳細は覚えていない。
とはいえ、それを契機にして一人で飲み歩くようになったのは確かである。羞恥心もかなぐり捨て、気になる店には臆せず突撃……は、たまに敷居が高くて出来ないこともあるけど、割かし勇気を出してチャレンジするようになった。
そしてキッカケとなった銀座ライオンや系列のエビスバーには今でも通っている。通ってみてわかったのだが、他の飲み屋に比べて圧倒的に女性の一人客比率が高い。遭遇すると勝手に仲間意識を抱いてしまう。
特に好きなのは真鯛のカルパッチョと大人のポテトサラダ(エビスバーでは少しずつチョイスできる盛合せがあり、酒飲みのアフタヌーンティーセットという風情だ)、野菜のピクルス、マグロだかカツオの角切りを生姜仕立てで甘辛く炊いたん(店によってあったりなかったり、またメニューが入れ替わってる可能性あるかも)
また、ランチとかに出している「銀座ライオンのよくばりプレート」は、その名に違わず欲張りで『大人のお子様ランチ』を冠するに相応しい内容とボリュームである。オムライス、ハンバーグ、エビフライが大人の舌に合うようにアレンジされワンプレートに乗っかっている。
それを真昼間からビールで流し込む(当然、昼も呑める)のだから、情報の洪水というか背徳感マックスというかサービスされた机の上を何が何やらと呆然と眺めること請け合いである。
ダイマついでに言わせてもらうと、特に会員登録とかしなくても700円以上飲食した会計のレシートに記載されてるアンケートに答えると、次回来店時に小ビール(あるいはソフトドリンク)1杯無料という太っ腹なサービスまである。
有効期限は利用日の翌月末日まで(つまり8/1に飲食したら9/30まで有効)しかもしかも、系列店を問わず使えるのでエビスバーで飲んだレシートを安曇野庵で使う、という芸当も可能なのだ。
ついつい熱弁を振るってしまったが、社員というわけではないので事実誤認などあったらご容赦願いたい。何ならトラバやブコメで突っ込んでくれ。
そして自分がおばちゃんになった今、一人呑みしたいけど勇気が出ないというお嬢さんが、席にいる増田の姿を見てフラフラと入って愉しさに目覚めてくれたら嬉しい。(でもコロナとか、くれぐれも自己責任で気を付けてくれよな)
昨日、銀座ライオン行った帰りに「あ~、久しぶりに楽しいなぁ」って沸き上がった気持ちの赴くままクソデカ感情を書きなぐっただけの増田がホッテントリに入っててビックリした。
色々とお見苦しい部分もあると思うが、酔っぱらった勢いということで何卒ご容赦を。こんな形で話題にされるのは初めてで、なんというか面映ゆいというか恥ずかしいというか……恐れ入り谷の鬼子母神ですわ。
ブコメで創業祭を教えてくれて、ありがとう! ビール半額とか最高かよ。こんなん、明日も飲みに行かなきゃじゃん。普段ポップとか見ず行きたい時に行ってる感じなのでね、昨日も会計時にポイント2倍つくって言われてたまげた。
あとレシートについて補足してくれたブコメもあるけど、財布見たら確かに! レシート引き換え方式から変わったんだね。いつも、次に店行った時に呑みながら回答するのが常なので気づかなかった。
あと言い忘れてたけど、勿論ソーセージとザワークラフトも本格的で美味しいし、あと最近ハマったのは金華さばの生ハム。いい感じに生臭くてビールに合うのでオススメ。すぐ出てくるよ
色んな店舗の情報もありがとう! 時期柄、遠出は暫く出来ないからコロナ落ち着いたら行きますね。それまで地元で各系列店をハシゴして回ろうかな。
それじゃ、またどこかで
PA05と注文してカルボナーラが出てくることが、貧しく恐ろしいという話を聞いて思い出したことが有る。
その定食屋は、日替わり定食が、A定食、B定食、C定食と呼ばれていた。
ランチタイムのA定食は、いつも唐揚げ定食だった。B定食やC定食はその時々で違った。
確か、C定食だけ100円か200円高くて、刺し身だの天ぷらだのはC定食だったはずだ。
自分はA定食が好きで通っていた。唐揚げとポテトサラダとご飯と味噌汁と胡麻団子。
A定食と聞いて思い出すのは、四季折々暑すぎたり寒すぎたり砂っぽかったり土砂降りだったり、そんな毎日の昼飯時だ。
治安は今よりも悪く、街並みもきれいとは言いがたかったが、やはり記憶の中の思い出は輝いている。
だからたぶん、あの定食屋が小綺麗な店に変わって、唐揚げ定食と、ハンバーグ定食と、刺身定食に変わったら、きっと悲しい気持ちになるだろう。
理屈じゃないんだ。俺の好きなのはA定食であって、例え同じ内容でも、クーラーの聞いた小洒落た内装の店で食べる唐揚げ定食じゃないんだ。
だから俺は、サイゼリヤがメニュー番号で発注する形式になって悲しくなる気持ちはわかるつもりだ。
ほうれん草のソテーとディアボラ風ハンバーグが食べたいのであって、AA03とMT07が食べたいのではないのだ。
でもだからこそ、DE05とDE07とを目にしたときに、胸に小さな痛みが走る気持ちもわかるのだ。
俺と彼女の目の前にあったのは、イタリアンジェラートとチョコレートケーキと呼ばれていた。でも俺にとっては違う。
ちょっとうるさくて、たまに気取ってワインも飲めて、それでもいつも最後にはDE05とDE07を頼んだ。
それがサイゼリヤの思い出だ。
俺が明日から役所で書類の上に書かれる氏名欄にHA0706と書かれることになったら、人として大切にしてもらっていないと感じるだろうとは思う。そこに理屈はない。
でももし、親からお前の真の名前はHA0706なのだよ、外では増田と名乗っても、本当はHA0706なのだよと愛されて育ったら、俺は増田という名前を借り物だと感じるだろうとも思う。
この世界は、俺の記憶と継続性が重要なのであって、誰からどう呼ばれるかじゃない。俺の思い出から呼び名が変わってしまえば、それは悲しい。
その悲しみが、資本主義の合理性の果てに生み出されたのであれば、俺もたぶん、貧しくなってしまったと嘆くと思う。
その嘆きに共感して欲しいとも思うが、一方でまた、唐揚げ定食からA定食になって悲しみを感じるヤツがいても良いと思っている。