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2019-05-24

『鳴鳳荘殺人事件』が許せない話。

やあやあどうもお前らこんばんは。

FGO最近全然やってないけどTLに冬木クリア条件のイベントがあるって流れてきたかシナリオ読んで来てその勢いで書籍版も買ってきたマンだよ。

*この先、FGOイベント及び書籍『惑う鳴鳳荘の考察 鳴鳳荘殺人事件』のネタバレ満載ですご注意ください。



さて。

俺はこの『惑う鳴鳳荘の考察 鳴鳳荘殺人事件』という小説が許せない。

ゲームシナリオの方はどうでもいい……って言ったら失礼か。とにかく。小説独自要素?小説の落とし?が許せん。


この小説は。消費者にとって、そして二次創作者にとっては福音かもしれないけど、一次創作者にとっては、間違いなく、呪いだ。

タチの悪い呪いだ。

物語る者の矜持を打ち砕いて、迷わせてしまうような、そんな呪いが込められている本だ。


どういうことだとお思いの方も多いだろうから説明をする。

この『惑う鳴鳳荘の考察 鳴鳳荘殺人事件』は、「脚本家が倒れたミステリ映画の続きを登場人物達が考える」という、メタミステリものだ。

個人的には『愚者のエンドロール』あたりを連想するところだけど、まあそれは置いといて。

作中では5つの「あり得たかもしれない未来」(ルート)が提示された。

ゲーム版では、プレイヤー達の「投票」によって、一番得票の多かったジャンヌ・ダルクオルタルートエリスルート)が選ばれ、"撮影"されたのだが、小説版では提示された5ルートの全てが一旦は"撮影"されたことになっている。


大まかなストーリー説明はこれくらいにして、俺の気に障った箇所についての説明をしていこう。

『鳴鳳荘』の冒頭には、ラストにも繋がる、とあるシーンがある。

おじさんが幼女大事な本を壊してしまい、図書館司書作中作の「映画」では脚本を務める)に修復を依頼する、そんなシーンだ。

ゲームではこのシーンは「映画」にうまく組み込まれるだけだったが(伏線回収は見事であった)、書籍版では、なんと、このシーンに対応するシーンがエピローグとなっている。

紆余曲折の末、壊してしまった「ペパーミントグリーン色の本」(ゲーム版の方で亡くなってしまったキャラのことを暗示してるらしいですね)を復元したおじさんが、幼女に本を返却する。

速読み始めた幼女は、ややあって、突然本を閉じてしまう。

「これはわたしの読んでいたご本とは違うような気がするわ。出てくる子たちや舞台は同じなのに、なんだか違う話を読んでいるよう……」

そう。

「不幸な事故」によりバラバラに壊れてしまった物語を、おじさんたちがなんとか修復し、意味の通じるようにページを繋ぎ合わせたが、もともとの物語とは全く違うものになってしまったのである

更に幼女は続ける。

「このままページを捲れば、本当の結末とは違うものが待っているんでしょう? それは……とても怖いわ」

これに対して、おじさんはこう答え、

「もし君にとって不本意な結末なら、忘れてしまえばいい。いや……」

「良かったところまで巻き戻して、そこから想像しなおせばいいんだよ」

最後に、こう読者に語りかけて、『惑う鳴鳳荘の考察 鳴鳳荘殺人事件』という「物語」は幕を閉じる。

登場人物感情物語上のマクガフィンを受け)「何より結果をもって、その選択肯定しようなんて……おこがましいとは思わんかね?

ちなみにこのおじさん自身は、世界史実在した人物テーマにすることが多いFateには珍しく、創作バックボーンもつキャラクターである。余談ではあるが。


俺には、おじさんのこの言葉が、呪いしか受け取れなかった。

創作者の、「物語る者」の役目は、責務は、自分の頭の中にぼんやりとある、つかみ所のない"話の種"みたいなものを、しっかり捕まえ、「物語」という形にして消費者に届けることである

もちろん、その過程で、いくつもの"語られなかった"可能性は摘み取られる。

でも、そうして、物語というのは"物語"になるのである


あり得たかもしれない未来ひとつを捨て、もうひとつ未来を掴み取るための主人公決断

見えかけていた可能性のひとつを捨て、別の可能性を選び取るためのヒロイン葛藤


世界にとってか、主人公にとってか、主人公の愛する者にとってか、はたまた悪役にとってか。

誰にとってかは不定しろ、とにかく、より良い「結果」を目指す登場人物たちの苦悩、死闘葛藤、そして決断

それこそが「物語」の本質だろうと、俺は思う。


から――

よりにもよって、そんな一次創作登場人物達に、「良かったところまで巻き戻して、そこから想像しなおせばいい」だなんて言わせるなんて、許せない。


「『本当の結末』なんてない」と主張するのは、「全ての結末は等しく同じ価値がある」のと同じことで。

それは、「本当の結末」のルートに辿り着くために主人公たち登場人物が払った犠牲を、抱えた葛藤を、定めた決断を、無価値である貶めることにはならないだろうか。

物語る者は、物語を創り出すと同時に、物語中の人物の"感情"も創り出す。

全部が嘘でも、主人公が、ヒロインが、登場人物が抱えた"感情"だけは本物で、そんな"感情"に人は共感するから人類有史以来物語を求め続けてきた。

そう、俺は思っている。


この『鳴鳳荘』は、ひょっとすればそんな「登場人物感情」は交換可能であり、等しく価値がある(≒等しく無価値である)。そう主張していることになりはしないだろうか。

だとしたら、俺は、この作品のことを許せない。一生根に持ってやる。



翻って、二次創作をする人たち(同人誌漫画を書いたり、pixiv小説を書いたりする人を想定している)からすれば、この「呪い」は間違いなく「福音」であろう。

というか、彼らが日頃からやっていることだろう。

あり得たかもしれない未来、語られなかった可能性を追い求め、掬い取り、自分の力で結晶にする。

だって二次創作したこともあるからわかる。

「こうだったらいいな」「あれがああだったらどうなってたのかな」

"if"を追い求めるのは、ロマンがあるし、楽しい。それはわかる。


でも、その楽しさは、「原作絶対」という前提あってこそのものではなかったのか。

公式で語られたことは全て「正しい」。その前提の上で、ちょっとだけ世界を歪めてみて、結末がどう変わるのか。

それを楽しむための、ただの思考実験ではなかったのか。

"全ての結末は等しく同じ価値がある"だなんて、俺にはとても思えない。



現実的なことを言えば、Fateがもともとマルチエンディングな"ノベルゲーム"という媒体から派生したものであることと、俺が抱えているもやもやは繋がっているのだろう。

ゲームセーブロードシステムが使えるから何回だってやり直しができるし、消費者プレイヤーはいくつも用意された結末を全て体験することができる。

それは素敵な体験かもしれないが、ある種「逃げ」である、かもしれない。

「選ばなくても結末に辿り着ける」あるいは「複数選択から複数を選べる」ことなんて、人生ではあり得ないのだから

2019-05-22

anond:20190522154809

正直、親に勉強しなさいとはいわれていないし

実際学校(あとほんの少しの塾)以外では

ほとんど勉強らしい勉強したこともない。

 

好奇心クイズ速読の才能があったので旧帝大卒っすわ。

親がしたのは、課題図書系の名作本1揃いから一番奥に隠したつもりのエロ本から

とにかく本という本をたくさん買って家に置いとくだけ。

あと新聞も2紙とってて

コボちゃんからテレビから日曜版のニコリから

すこしずつわかるとこだけ拾い読みはし最後は全部意味がわかるようになったな

 

こちらもお年玉といえば本買ってくれ(電子ゲーム存在もなかったわ)、

なかなか会えない親戚にあったらそこの棚の本読ませてくれって感じだったわな。

みんなネットなんていうスゴい図書館持ってるのになんで読まないのかね。

2019-04-29

https://togetter.com/li/1342578

速読って読書の時に使う技術分割してそれぞれを鍛えるだけで楽に数倍はいけるようになるからそんなにオカルトでもないんだけどな

使えるようになるとまあそれなりに役に立つけどそれより記憶術のほうが役に立つ

逆に速読するようになると映像が遅すぎて飽きるようになる

ユーチューバーとかもそれで見れない

2019-04-23

劇中で顔色変わるやつ。

映画ドラマの劇中で、真実に迫るような文書を見せられたときに、顔色が変わるの早すぎる。そんなにすぐ読み込める訳がない。速読術かなにかの持ち主なの?

2019-04-21

入試英語意味が分からない

東大英語TOEFL高得点とったけど。

フツーに、低レベル英語しか話できない。

でも、海外研究しててもそれで普通に通じる。

  

パズル的な問題リスニングやるのって意味が分からない。

あれ、本当に意味あるの?

通じればいいし、論文普通にスラスラ(多分ネイティブ速読と同じ速度くらいで)読めるし、話も分かる。

ただ、しゃべるのは、本当になんつーか、カタカナ英語ってか。

第一直観で出てくる単語が、「kind」「say」「that is this」くらいの初歩的なのしか出てこない。

小難しい「on my way ~」とか、「strictly speaking」とか出てこない。

ってか、別に単語を知らなくても、伝えるべき概念が分かってれば、基本的単語を繋げば伝わるし。

しゃべるのだけはマジで無理。

  

日本人が、英語頑張るぞーってなった時に、入試英語TOEFLみたいなのをやるのって本当にいいものなのか?

2019-04-09

中学生自分頑張ってた

口下手なのを自覚し始めてラジオとか落語を聞きこんで勉強してみたり

唯一の友達を笑わせようと必死ボケてみたり

絵がかけないか毎日一枚絵を書いてみたり

不器用なのに切り絵に憧れて画像を探しては印刷して切ってを繰り返したり

音痴からカラオケでひたすら練習してみたり

頭が悪いから脳トレ速読続けてみたり

作文が書けないか新聞記事を切り取ってひたすら書き写したり

これらは高校ほとんど辞めてしまった

何も上達しなかったか

社会人の今でも口下手コミュ障音痴絵下手のアホだ

もう昔のような努力をしなくなってしまったけど

努力を始めて何か変われるんだろうか

2019-03-28

マルチ商法

オンラインサロンってのは最近有名になったな。

お前ら超叩いてる。当然だ。

でもさ、最先端朝活とか読書会とかっていう名前リアルにやっている。

オンラインで月額¥3,000とかでやってるのはお前らが超叩いてくれてるから普通ネットリテラシーがあれば引っかからないだろう。

でもさ、朝活とか読書会ってのはリアルで5-10万円を巻き上げるみたい。

そんで、親玉の高額セミナーを何回も受けて、認定資格を貰えると、自分セミナーを開いていいのでそれで儲かりますよっていうネズミ講

当然上納金が発生するわけでしょう。

読書会とか読書術とかで検索すると怪しいのがいっぱい。

アムウェイとかこういうやつのネズミ達っていうのは、ネズミ講だっていうのをわかっていて、それを利用して一儲けしてやると思ってやっているのだろうか。

でも、そうだとしたらさ、増田式超速読術とかって何か適当に変えて自分親玉になってやればいいじゃんね。実際に何とか協会かいうのが乱立しているんだし。

ネズミになったところでカモられるだけ。

それとも、こういう読書術ってのに心酔しているんだろうか。でもさ、お前ら凡人がちょこちょこっとセミナー受けただけでできるようになる読書術に何万も払うようなバカが世の中にそんなにいっぱいいるわけないだろ?ネズミ講ネズミ無限にいなきゃ破綻するから禁じられているんだぜ?こういう人達が老人になるとおれおれ詐欺とかでもカモられるんだろうな。

読書会死ねとかでパズって駆逐されねーかな。

友達が子ネズミになってSNSで変な投稿が増えて悲しい。

これ以上被害者が増えないように話題になってほしい。

2019-02-27

anond:20190227154933

速読できるよ

・目を速く動かす派

写真のように全体を記憶する派

速読ってマジで読んでるの?

俺が会社から「読め」っていわれて渡される自己啓発の本、目次と見出しだけみてだいたい言いたいこと察するような感じではなくて?

2019-02-07

anond:20190207215533

ウンコみたいな長文垂れ流すから。読む価値なし。

高校予備校でやる長文読解・速読ってそういうことだぞう

2019-02-01

anond:20190201165902

かにBLじゃなくてもスッゴイの描きそう

作品名まで教えてくれてありがとう、早速読むよ

わいのおすすめスカーレットベリ子先生、硯遼先生紀伊カンナ先生、のばらあいこ先生と鈴丸みんた先生です

好みのやつがいっこでもあるといいな

2019-01-26

小説映画刀剣乱舞文章が下手すぎるので、小学館の不買を決めた

一年ほど前からゲーム刀剣乱舞プレイしていた。無理のない範囲課金して、細々と毎日楽しく遊んでいる。

そんな刀剣乱舞映画になった。期待半分不安半分で見に行った。おもしろかった。ストーリーもよく出来ているし、伏線もきちんと回収されていた。予算があり余ってるなとは感じなかったけど、原作ゲームファンの一人として十分に楽しめた。

続編が可能なら、同じ監督脚本家キャストの方々でお願いしますとの思いを込めて2回見た。

2回めを見終わっても「やっぱりおもしろい、よく出来ている」と思ったので、小説映画刀剣乱舞を買ってみた。ハードカバーでもないのに1200円(税別) 強気な値段設定だとは思ったが、あの話にはそのくらいの価値はあるなと思ったので、迷いはなかった。

帰宅して、早速読んだ。

読み終わった感想一言「なんじゃ、こりゃ」

いや、正直に言うと、読んでる最中も何度も「なんじゃ、こりゃ」と思った。「信長なら長谷部で手討ちにしてるレベルだ」とも思った。

映画ノベライズなので、あらすじは映画と同じ。でも、どこまでもつまらなかった。

シナリオではなく小説を買ったのは、小説と言う読みものでもあの話を楽しみたかたからだ。それなのに文章がどこまでもひどい。語彙力も表現力もない。「ここでその言葉選びはおかしいだろうよ」って個所が無数にある上に語尾はしっくりこないし、ページ数稼ぎのためか必要のない改行ばかりが続いて、さらには肝心の台詞の末尾も間違っている。作者は文章力をどこに置いてきたのか、よほどスケジュールが厳しかったのか、頼まれて仕方なく書いたやっつけ仕事なのか。

これ、ゲラだろ!著者校正も済んでないだろ!と思ったが、目の前には本がある。

これで完成形だと言うのならプロ小説家のはずがない!と確認した。どこの素人に書かせたんだよと憤りながら調べた。結果、プロだった。しかも、著作が何冊もある上に歴史に詳しいとも書いてあった。

ありえん、経歴が歴史修正主義者に改変されてるんじゃないかとさえ思った。

これまで読了した国内外、新旧の小説の中で断トツに出来が悪いこれをプロが書いただと? 誰か嘘だと言ってくれ。

文章には合う、合わないがある。作者の方とは相性が悪いのだとも思う。普段は嫌いなものは放っておいて好きなものだけ見るようにもしている。この文章力では今後ヒット作など望めるはずもない。目に入ることもないと確信できるからだ。

だが、今回は声を上げたい。大声で「この小説はいやだ!大嫌いだ!!」と叫びたい。

なぜなら、刀剣乱舞というコンテンツにおいて、今後とある本丸での新たな物語が生まれる度にノベライズ可能性があるからだ。

ノベライズ? 映画時海結以にまた依頼するか」と制作サイドに思われては困る。絶対にいやだ。

私にとってこの小説文章商品としての品質に達しておらず、代金を払うに値しない。

個人的にこの作者には刀剣乱舞というコンテンツノベライズに今後一切関わってほしくない。

どうしてこの作者を選んだのか、この有様で編集部了解したのか、疑問しかない。本が売れない時代小学館にさえまともな編集者はいなくなったのかと思う。

とにかく内容がひどい、ひどすぎる。作者は編集者と一緒に心底、日本の大地を突き抜けてブラジルに届くまで反省してほしい。

映画は愛を持って作られていると感じた。けれど、小説には愛も原作への敬意も微塵も感じられない。

刀剣乱舞は人気のあるコンテンツだ。だからこそ、「出しときゃ売れるだろ」的に作られたのなら、出版社も作者も恥じを知れと言いたくなる。

映画の出来はよかった。小説もきっと売れるだろう。けれど、その売り上げは決して小説の力ではないと関係各位には声を大にして伝えたい。

年に200冊以上国内外書籍に目を通しているが、「作者は日本語をきちんと勉強したことがあるのか?心の底から聞いてみたい部門」は「小説映画刀剣乱舞」と水嶋ヒロの「KAGEROU」でダブル受賞が決定した。

水嶋ヒロ著作以降、ポプラ社出版物は一切購入していない。

今後は小学館出版物も購入しないつもりだ。

こんな小説出してたらそりゃ出版不況にもなるよ、当たり前だよ。

刀剣乱舞というコンテンツが大好きで応援もしているだけに、本当に心底残念だ。

2019-01-08

https://anond.hatelabo.jp/20190108101738

自分で探すので速読勉強して標準的小説一冊を30分で読めるようになった

で、立ち読みで済むようになった

2019-01-05

京大受験の思い出

anond:20190102063518

なんか盛り上がってるので参加させてくれ。

[基本スペック]

ややADHD気味で人の話に集中できない。図形脳で言語スキル特に会話)が弱い。

親は両方中卒で無口、兄貴不登校引きこもり、弟は知恵遅れ気味。親に何かを教わったという経験があまりなく、親の無口が自分にも遺伝している。

家は全く裕福ではなく、父親過去名鉄会社で工員勤務。俺が小さい頃に仕事中の事故で片足を失ったがそれでも家族を養うために働き続けてくれた。

[中学校]

大阪西成に近い、低階層クラスの家庭が沢山あるエリア。なのでヤンキーが沢山いる地域だった。周りの奴らと比べて頭の出来が良いかも?という自信はあったが、ある時進研模試を受けて自分偏差値が55程度であることを知る。しかしその当時は偏差値意味もよく知らず、周りは皆偏差値45ばかりの中55とってる俺は輝いて見えたし、学年一番の偏差値60の奴が天才に見えた。

勉強はあまりしなかったが図鑑などを読むのは大好きだったし特に数学が好きで他のやつが解けない難しい問題を解けるという自信があった。

周りの友達にはあまり行儀の良い子はおらず、いつも誰かの家に集まって夜中までワイワイゲームしたり、夜の公園に集まって時には朝まで駄弁ったり、楽しかったがあまり真面目に勉強はしなかった。授業中はほぼ教科書落書きパラパラ漫画を書いていた。

授業中騒ぐようなことはなかったが、もともとADHD気味で人の話を聞けないのと、夜まで遊んでいたり早朝新聞配達バイトをしたりしていたので先生からの覚えは悪かった。受験の時に「お前は内申点いか公立いけんぞ」と言われた。金のない親には非常に申し訳ないことをした。

[高校]

結果偏差値55くらいの私立高校に行くことになった。

高校に入って最初の構内統一試験みたいなものがあり、そこで自分は大して頭が良くないらしいということに気づいた。周りの友達と話をしていても、なんか自分の考え浅いし遅いな、と感じることが増えてきて、それまで自分はそこそこ頭いいと思っていたのが叩き潰されて結構なショックを受けた。この時に感じた自分は凡人以下であるという自己認識はその後の人生に大きな影響を与えた。それと同時に英語国語は負けてもいいが数学だけは負けては行けないというプライドに火がついた。

高校偏差値は高くなかったが担任教師偏執的に関関同立に執着しており、お前たちは人生に勝つために勉強しなければいけないという脅迫まがいのプレッシャー毎日のようにかけてきた。もともと中高一貫の進学組は大学受験マインドが高く、関関同立目指して頑張るぞ、という空気があったので自分だんだん感化されて勉強するようになっていった。

担任教師人間性としてはそびえ立つクソだったが奴がいなければ今の自分はなかっただろうな。

だんだん勉強が楽しくなり、受験マニア友達ができたこともあり、書店参考書を眺めるという日課ができてきた。

当時家に金が無いことはわかっていたので小遣いはもらっておらず、どこかに遊びに行くとか美味しいものを食べるとかできる状態ではなかった。思い返せば高校の間友達プールに行くとか遊園地に遊びに行くとかそういう経験は一度もなかったな。

しか書店にある沢山の参考書を買いたい欲が日に日に強まってきた。そこで、小遣いはもらってはいなかったが毎日昼飯代として500円支給されていたので週の半分くらいは昼飯を食わずお金を貯めることで月5,000円くらい貯めてこれで参考書を買ったり駿台夏期講習に申し込んだりできる仕組みを開発した。

参考書の数が増え真面目に勉強をするようになり、やはり自分数学能力は人より優れているという自信を再度取り戻すようになった。数学は本当に楽しくて熱中した。そのうち数学先生から大学への数学」の存在を紹介されて毎月購読するようになった。

と同時にやはり自分の頭の回転は良くないので自分が将来何かを成し遂げたいのであればただ一つのことに時間を集中しなければ他人には勝てないという確信を持つようになった。

から毎日往復二時間に通学時間の間はずっと参考書を読むようになった。Z会速読英単語など、最初は全く意味を取れなかったが何度も何度も読みまくることで次第に英語が読めるようになってきた。

高校3年になった頃にはもう勉強が非常に楽しくて生活の中心になっていた。特に大学への数学では毎月巻末に難問が出されて解答を編集部に送ると添削してくれるのだけどそれに本当に熱中していた。この問題は本当に難しく、自分の頭では数時間考えた程度では全く解けず、数日、時には数週間同じ問題をひたすら考え続けるという生活を送っていた。夜寝る前まで布団の上で考えて、眠りながら考えて、朝起きたら布団から出ずにまた考え始めるということをしていた。今考えると頭の使い方が稚拙というか同じところをぐるぐる周ってる感じだったのだけど、そうやって何日も考えると解答が思いつく瞬間が必ず訪れるのでそのカタルシスに当時は本当にハマっていた。毎月添削結果が送られて来るたびに模範解答のエレガントさと、自分の地をのたうち回るような回りくどい議論の差を見せつけられやはり自分は凡人であるということをつきつけられた。点数はいつも150満点中145程度で一度も満点を取ることが出きなかったのは悔いが残る。自分過去の思い出とかにはあまり執着がなく、京大博士卒業証書も使いみち無いのでゴミに出したのを友人に止められたくらいだがこの添削結果だけは今も大切に保管している。

自分記憶力が異常に弱く国語歴史は非常に苦手だったのだけど、物理化学も覚えることが多くて困っていた。しか駿台の著名な先生山本義隆氏と石川正明氏)の書いた書籍を読み、覚える物理化学から考える物理化学へとパラダイムシフトを起こすことができた。ただ暗記するのではなく、なぜその式が成立するのか、なぜそのような化学反応が起きるのかというより深いところを理解できるようになった。同時に物事を深く認識するということが自分性格に非常にマッチし、そして自分はそのために人の10倍の時間を捧げることができるということが自分の強みである確信するようになった。この強みは40になった今でも活躍している。

この頃は駿台河合塾模試でも上の方に乗ることが多く、志望学科の中では上から2番目を取れるくらいにはなった。そうなると今度は予備校の方からただで授業を受けませんか、というお誘いが来るようになる。これは合格者一覧の名前を稼ぐマーケティングである。その中でも駿台数学特別講義という非公開の授業にお誘い頂いた。数学がよくできる学生を数十人集めて難問の講義を行うというもので、これもなかなか楽しかった。周りは皆灘とか東大寺の中に偏差値55の学校が混ざっているのはむず痒い感じではあったが、すぐに自分はやはり彼らとはレベルが違うということがわかる(毎回試験があって採点される)。一人明らかな天才がいて、その人は今有名な数学者になっている。

後のことは上記の事の結果でしか無いので端折るがセンターは確か国語社会が6割くらいしか取れず志望学科はC判定、というのが送られてきて先生が「気を落とすなよ」慰めてくれたが自分としては全く想定通りの結果であり過去模試の結果からこの差は二次で覆すことができるという強い自信が会った。

家の経済的事情から滑り止めを受けるということはできず、前記京大後期阪大のみを申し込んだ。これについては先生から怒られた。本当は阪大の後期にも申し込みたくなかった。

試験数学は色々ケアレスミスをしてしまったが大筋では正しい解答ができ、物理化学はどちらも1問しか間違えなかったので合格確信した。

しか合格した当時自分中二病を引きずっていたので一緒にいた親に笑顔特に見せず「合格した」とだけ言った。これは人生の最も大きな後悔の一つ。

大学に入った当時は研究者になることを夢見ていたが大学に入ってからは本当の天才を目の当たりにし、また博士課程卒業間際になり研究というコミュニティコミュ症では構造的に海外リア充に勝てないということに気づき断念、IT企業就職して今はスタートアップをしている。

2019-01-02

anond:20190102204437

文章ペンで高速でなぞって追うといいよ。

音にする暇ないかサクサク読める。

ぶっちゃけ速読不可能」というのが今のコンセンサスで、文章を読む速度は遺伝で決まってるんで、遅読なら多読目指さず熟読目指したほうがいい。

2018-12-28

フォトリーディング

速読術の一つにフォトリーディングというものがある。部分ではなく全体を眺めることで文章写真のように記憶する読書法だがその方法で本の内容が頭に入ることはない。写真を一瞬だけみてどこに何があるか言い当てることができないように文章を一瞬見ただけで内容を正確に再生することはできないかであるフォトリーディングとは詰まるところわかったつもりになれる読書法に過ぎない。

ただし、読みたい場所を探す際には有効手法である新聞雑誌家電説明書などを読むときと同じでページをパラパラとめくりながら読む場所を絞り込みその箇所を時間をかけて丁寧に読むのである

WEBにはフォトリーディングに関する情報が出回っているがアクセスおすすめしない。ゴテゴテした広告が大量に貼り付けあるだけで有益情報は得られないかである

本を速く読みたければ関連分野の基礎知識時間をかけて学んだ方が良い。前提となる考え方や言葉定義に悩まされることな文章スムーズに読むことができる。

2018-11-24

anond:20181124091404

ち、バレたか。とても立派な速読法があるんだなあ。

2018-11-20

[] 本をスラスラ読む方法

大量の本を1度に読まなければならなくなったとき、みんなどうしてる?

ちょっと変な話だけど、内容を理解しようと思わなければ、本はいくらでも読める。

 

から見ると、ものすごい速さでページをめくっていて、速読をしているように見えるだろう。

しかし、実際には速読ができないので、本当にページをただ眺めているだけなのである

 

それでも「1回は読んだ」とカウントすることにしよう。

問題は2回目のとき心理状態だ。

 

「前に1回読んだことがある」という経験が自信となり、どんなに難しい本でも恐れることなく読み進めることができる。

熟読するのは実質1回目でも、形式的に2回目にすることで、1回目がなかったときよりも、よりスムーズに読める。

 

仕事勉強時間に追われ、情報収集で苦戦している方に是非試していただきたい。

そして結果を報告して欲しい。

 

読書の秋に魔法をかけた!

諸君の健闘を祈る!

2018-10-23

何が速読だよ

速読なんて人間の願望が生み出したまやかしだよ。

読書量を積むことである程度読書スピードは速くなる。というかそれが本を速く読めるようになる唯一の方法

人間離れした「速読」は、速読ビジネスを謳う業者が産み出した幻想に過ぎない。

各所で話題になるうちに速読という言葉が一人歩きを始めて、訓練して手に入れたとされる超人的な速読能力に人々が注目するようになっていった。

エセ科学権化と言いたくなるような意味不明トレーニング方法は一刻も早くこの世から無くなるべき。あり得ないんだよ。

2018-09-24

縦書き横書き

縦書きだと国語教科書の印象が強いのか、なんか丁寧に読んでしまってちゃん意味を捉えないといけないような気がして全然進まない

小説も1冊読み終わるのに何日もかかってる


横書きだとネット文章みたいなちゃんと読む必要ないような文章って印象強いし普段から流し見してるからか、自分でも早い方と思うくらいに速読できる

キトーに流し読みでスクロールしながらと言っていいくらいで読んでもなんとなくの物語の流れは頭に入ってる


分かる人はいるだろうか


そんなだから電子書籍なのに横書きスクロールができないサービスがすごく嫌

横書きスクロールもっと普及してほしい



と書き終わって気づいたけど漫画って縦書きだけどあんまり困ってないな・・・

2018-06-29

夢の中で読書してる人いる?

自分としては当たり前のことだと思ってたんだけど

他の人にとっては当たり前じゃなかったシリーズっていうのが色々あって

特に衝撃的だったのが「誰も睡眠中に読書なんかしない」という事実だった

高校生ぐらいまで睡眠読書というのは皆やってるんだと思っていたので

普通に友達に「寝てるときどんな本読んでる?」って質問したら

何いってんだこいつみたいな感じでアホだと思われてしまたことがある

そんな経験から人は寝ているときはただ寝ているんだということを知った

そんな当たり前のことを知ったのが高校生というのは我ながら鈍感すぎるなあとは思う

ここからが本題なんだけど

自分以外にも夢の中で読書をしている人がいるのかどうか知りたい

リアルでそういう質問ちょっと恥ずかしくてできないのでここで質問する

正直自分以外全くいないってこともないんじゃないかと思っている

とりあえず自分はどんな睡眠読書をしているか書いておく

自分はまず読みたい本の内容を丸暗記する

丸暗記というのは文字通り写真のように記憶するということ

パラパラとページをめくれば自然と頭に記憶される

(ちなみに本を丸暗記できない人がいる事実最初は衝撃だった)

でもこの段階では本の内容を理解できているわけじゃない

ただ単に記憶しただけなので後でちゃん脳内で読まなければいけない

(たまにネット広告で見るような超速読法みたいのは自分には無理だった)

でも一度脳内記憶すると普通に読むよりも早く読めるようになった

仕組みはよくわからないけど紙媒体よりも体感で3倍程度は早回しで読めた

小学校高学年ぐらいの頃にはこの習慣がそこそこ身についており

脳内に常に10冊程度ストックしておき暇な時に読むということをやっていた

そんなあるとき明晰夢というもの存在を知った

これを応用すれば夢の中で読書ができるんじゃなかろうか

起きている時間に加えて寝ている時間も本が読めるなんてヤバそうだな

わりと安直にそう思った

かい過程はめんどくさいので省略させてもらうけど

半年ほど試行錯誤した結果無事に目的を達成したのだった

明晰夢の中の読書というのは普通読書とは色々な点が異なっていて

まず起きているとき以上に早く本が読めるようになった

起きているときは体の色んな所にリソースを割いてるからか知らないけど

よりいっそう読書に集中できている感じがある

そしてイマジネーションも起きているとき以上のものがあって

読んでいる本の内容が映像として眼の前に浮かぶことも多々ある

これこそ夢の夢たるところというか

現実だとVRゲーム感覚ちょっと近いのかもしれない

でもVRゲーム以上に感覚を総動員してるというか

起きてるとき読書以上に感覚をフル活用してる感じがある

調子がいいと五感全部をちゃんと使って読書ができる

アホみたいな表現だけどそうとしか言えない

正直言って起きてるときより寝てるとき読書のほうが好きになった

楽しみにしていた本ほど寝ているときに読んでいる

睡眠読書すごいおすすめ

マツオツラヤバ

2018-05-15

anond:20180515165243

たみたいだし。

 だって百合で血の繋がった実の姉妹だよ?しかも姉が成人済の妹中学生とか、やばいでしょ。近親相姦の上に未成年淫行の全部乗せ。犯罪なんだよ?なんで島とか出来ちゃうの?なんでそんな堂々と出来るの?

 私は男のうちの1人、アルコールで赤くなった顔で延々と近親相姦について捲し立ててる奴の方を極力見ないように努めた。だって視界に入れることすら耐えがたい。本当に気持ちいから。百合なら姉妹どっちかに感情移入すれば姉と妹どっちも楽しめるってか?あーきもいきもい。最悪の近親相姦ロリコン野郎じゃん。

 やっぱりそうなんだ。百合ってこういう男たちに食い物にされてるんだ。

 本当にやめて欲しい。Noaさんはさ、そのもんには興味ないわけ。こうやって楽しそうに相槌打ってるけど、本当は金髪王子茶髪従者の話がしたいだけなの。

 でも急にその会話に割って入ることも出来ず、私はビールをちびちび飲むしかない。私、何してるんだろう。隣にはNoaさんがいるのに。Noaさんと話がしたくてここまできたのに。早くこんな時間過ぎ去ってくれないかな。

 そんなことを考えていると、とすっと音がしてNoaさんがこちらに寄ってきた。心臓が飛び跳ねた。さっきから感じていた香水匂いがグンと強くなる。

「う~んNoaちゃ~ん酔った~」

ちょっともりーぬ何急に」

 どうやらクソ女がNoaさんにしなだれかかっているようだった。いやまじで何してんの。

「もりーぬほんと弱いよね」

だって飲むの久々なんだもん」

 クソ女はなおもNoaさんにベタベタ触りまくる。ちょっと流石になんかヤバいのでは?

「こんなところでもりノアにお目にかかることになるとは」

「え、ソラリよんさん、表記ってもりノアなんすか。俺ずっとノアもりだと思ってた」

「あーどっちだ?支部で多い方じゃね?アハハ」

「ちょっ、検索してもどっちもヒットしないんですけどなんでっすか」

ガチ検索すんなって!アハハ、もしかしたら別の表記あるんじゃね?mrna的な」

 男共がゲラゲラいやらしく笑い、クソ女はLさらにこれ見よがしにukaさんに抱き着く。ちょっとまじでなにこれ。

 私の頭の中にはっきりと”男尊女卑”の四文字が浮かんだ。これは本当にきついわ。

 女が男に消費されるためにレズビアンのフリをして、悦ばせるとか男尊女卑の極みじゃん。無理無理無理。何でこんなことになってんの。Noaさんも普通に笑ってるけど何で!?ああもう私がNoaさんを守るしかない。

「そうだ、新刊と言えばNoaさんの私早速読みました!男体化めちゃめちゃよかったですー!」

 私は精一杯明るい声でそう言った。するとNoaさんが満面の笑顔で「えー、やったー!」とこちらを振り返ってくれる。

「確かに男体化は新しいよね」

 気持ち悪い笑いを続けていた奴らも、すぐに話題に乗ってくれた。良かった。

「Noaさんがやると説得力あるからなー」

「え、その心は?」

「絵柄が向いてるでしょ」

「嘘、男描いた方がいいてこと?」

「かもしんない」

「え~?」

 男共とクソ女は案外真剣トーンでNoaさんにそんなことを言い始める。なんだ、ちゃんと話分かるじゃんこいつら。っていうかNoaさんまじで男専門の絵描きになって欲しい。早くこんなところから出るべき。

「やー、でもなー、実は自分でも思ってるんですよ、男根成分多い方が合ってるかもって」

 Noaさんはそんなことを言いながら、スマホを弄り始めた。「ちょっとこれさっきかい落書きで、また後日上げようと思ってた絵なんだけど」言いながら少しの間それを探して、そして私達に画面を見せた。

 金髪女王茶髪従者が裸で抱き合ってる、いわゆるエロ絵。その身体にはちゃんと二人ともに胸があって、そこだけ見てればいつものNoaさんの百合のR18絵と変わらない。私は百合エロは苦手だけど。でも、いつもと違うのは、金髪女王の方に大きなソレが生えていることだった。

「うおーー!ふたなりっすか!!めっちゃいいーーー!」

「なるほどなるほど、これは……最高のエロさ」

 男二人が気持ち悪い笑みを浮かべる。今日イチキモ顔かもしれない。

「可愛すぎる~!生え女王めっちゃ可愛い~~!!イケメン従者が突っ込まれる方なのも最高~~」

 クソ女も目をギラギラさせながら繰り返しそう言っていた。そしてキモ男の最悪の近親相姦ロリコン野郎の方が言う。

「いやぁ、ふたなり、Noaさんの到達点って感じだね」

 その瞬間、ストンとそれを納得できてしまった私がいた。確かにその通りだった。Noaさんは、女の子女の子らしすぎずに描くことが出来る。男体化も違和感なく描きこなしてしまう。そしてふたなりというやつは、その二つの良いところだけを掬い取ったようなものだった。

 最高だった。でも私に取っては最悪の最悪だ。ふたなりなのだ百合に、女に男が自分たちの汚らしい欲望投影するためだけの方法ではないか。私の脳内にさっきよりももっと大きく、はっきりとその四文字が刻まれる”男尊女卑”。

 そしてNoaさんは言うのだった。

「ありがと~。描いてる間にほんとにめっちゃ楽しくて、もう私生えてる女の子専門でいこうかなってちょっと思ってるんだよね」

 決定的な一言だった。もうNoaさんは完全に私と違う世界に行ってしまったのだ。もうこの人を救うことなんて出来ない。

 例えどんなに絵柄にふたなりが合っていても、それを選ぶなんて許されることではない。男の支配を乗り越えずにそれに甘んじるなんて、男に屈服したも同然。

 この女は自ら望んで男に搾取される道を選んで、奴隷になる生き方をよしとしているのだから

 周りはハッキリ見えているはずなのに、私の視界は真っ暗で胃の辺りがキリキリと悲鳴を上げる。お腹痛いなと意識した瞬間に痛みは急速に強くなって溜まらずに私はトイレへと駆け込んだ。

 胃の中の物を全部吐き出してしまい、私はひゅうひゅうと肩で息をする。

 こんな、世の中はまだこんなにも男の支配下に置かれていたんだ。素晴らしい絵師さんも結局その支配から逃れられずに、その才能を汚される。

 私が個室を出て、洗面所で顔を洗っていると、Noaさんが入ってきた。

「そうじゅさん、体調悪いの?大丈夫?」

 私の方を見ながら首を傾げるその仕草は、やっぱり美しい。こんなひとがどうして。

「あの、どういうつもりで、ふたなり、とか描いたんですか」

 思わずそう聞いていた。もう分かっているのに、それでも確かめずにはいられなかった。Noaさんは一瞬キョトンとしたけど、何でもないように言葉を返す。

「え、一番エロく描けそうだったからかな。っていうかチンコ付けたら女の子もっと可愛いかなって」

 聞くだけ無駄だった。この人はもう駄目なんだ。新たな吐き気に襲われて、私は洗面所にさっき飲んだ水を吐いてしまう。

 Noaさんはそんな私を前に暫く無言でそこに立っていた。

「ね、もしかしてさ、そうじゅさんて、私のこと好きだった?」

「え……?」

 顔を上げた時、急にNoaさんが私にそう聞いた。その顔は、さっきまで私に見せていたのと全然違う、どこか人を見下したような人の悪そうな顔。

「スペース来た時も、新刊より私の顔じっと見てたしさ、まぁ私顔がいいからそういうことも多いけど、貴女視線ちょっと熱さが違ったっていうかね。だからあのマシュマロの主でそれをわざわざ言ってきたってのに納得した。私のことめちゃくちゃ見てて、そういうアピールまでしてくんの、そういうことかって」

「な、なに、なにを言って……」

「そういう女の子可愛いなって思うよ、私。感情が大きい子は好き。そうじゅさん、私ここから近いところに宿取ってるから、一緒に行かない?」

「いえ、あの、なにいってるんですか」

 わけがからず、頭の中がグルグルしてくる。この人は違う。Noaさんなんかじゃない。私の知っているNoaさんは。いや、私Noaさんのこと、なんにも知らない……。

あはは。警戒しないでよ。体調悪いならさ、ここ出て休憩してから帰ればってこと。ね?」

 何一つ分からないまま、私はその手を取ってしまった。

 そして今、何度目かのオーガズム彼女の指に導かれて、卑しくベッドに横たわっている。

「Noaさん、どうして……っ」

「うーん、そうじゅほんとに可愛いなぁ。私女の子大好きだから可愛い子なら尚更。ね、まだいけるでしょ。もっかいしよ」

 何にも染まらない白い肌が私の肌に重なる。ああこのひとは、少年とも少女もつかない、儚くて、でも意思のある指先は。

 まるでこの人自身が描いたイラスト中の人物のように美しい。

 体中から湧き上がる、最低最悪の欲望の中、あの日初めて見た、このひとの絵を思い出していた。

 草原の中に佇む、少年とも少女もつかないその姿。吹き抜ける風のように自由なすらりと伸びたその手足を。

百合豚クソオス界隈の女と女百合絵師の話

 ※これはフィクションです。実在人物団体、界隈などとは一切関係ありません。

 そのひとが描く、すらりと伸びた手足が好きだった。

 何にも染まらない白い肌が同じように白い肌と重なっている。草原の中に佇む、少年とも少女もつかないその姿は確かに静止画としてそこから動かない筈なのに、きっと誰にも捕まえられない。吹き抜ける風のように自由で追いかけても追いかけてもすり抜けていくだろうから

尊い

 そんな私の口から零れたのは、たったそれだけ。ツイッターで回ってきた、その美しすぎるイラストについて、私はそれ以上語る言葉を持たなかった。

 いや、持てなかった、と言うべきだろう。私のような語彙力のない人間がありふれた陳腐言葉で褒めちぎっても何にもならない。

 だからただ「尊い」とそれだけ言っていればいいのだ、そうだそうだ、それが正解だ。

 残念なのは、一回しかふぁぼが出来ないこと。見た瞬間に無意識に1回ふぁぼって、見入って息をするのを忘れて、それからやっと呼吸を再開した時に手癖でもう一度ハートマークを押したら、ふぁぼが解除されてしまった。正直あと億万回押したい。ツイッター仕様変えられないの?

 これだからツイッターはなんて思いながら、絵についてるツイートに目をやった。

『久しぶりにオリジナルのこたちかいたたのしい』

 なるほど、確かにたことないキャラだと思ったけど、やっぱりオリジナルだったんだ。そして”久しぶり”という言葉から察するに、普段二次創作をやっている人のようだ。

 ツイ主のアイコンは、知らない2頭身の金髪女の子キャライラストだ。アカウント名は@noanoa_hc、スクリーンネームはNoa。

 初めて見る人だ。世の中にはまだまだ私の知らない素晴らしい絵師さんがいるんだなぁと思いながらその人のプロフィールページに飛んだ。

 固定ツイートを見てぎょっとした。

 女の子女の子キスをしているイラストだった。一人はアイコンにもなっている金髪ロングの女の子、もう一人の子茶髪ポニーテールだ。

 オリジナル中世的で絵画的でもあった雰囲気とは全く印象が違う。女の子らしさを凝縮したふわふわキラキラした世界。可愛らしい色合い。

 でも確かに絵柄は同じだった。すらりとした手足のタッチは同じ。間違いなくどちらもNoaさんが描いたものだということは分かる。

 そうかそうか。なんだ、その、普段百合?をやってる人、なんだ。え、それってどういうこと?

 っていうか百合って男向けのだよね?そういえば時々BLとか少女漫画作家さんが百合描いてるの見かけるけど、正直仕事として依頼されたからだよね。好き好んで男のために消費されるようなものを作る女なんていないでしょ。

 だったら何?このひとは一体何なの?bio見る限り商業作家さんではなさそう。お仕事用別アカウントもないみたいだし。趣味百合をやってる女のひと、ってこと?

 何のために?……百合二次創作って売れるのかな?

 ああ、そうだ、きっとそうだ。それを収入源にして本当にやりたいオリジナルやってるひとなんだ。なんかそれってすごい。女を消費したがる男を食い物にして自分の好きなことの肥やしにしてるってことだよね。格好いいな。

 私は男子の絡みを主食にしているし、可愛い受けより美人男前な受けが好きだから、こういういかにも”かわいい”を強調したイラストを見ていると少し居心地が悪い。だけどやっぱり絵柄自体は好みだから不思議とずっと見ていられた。もうフォローするしかなかった。

 Noaさんのツイート頻度はそんなに高くなかった。2~3日に一回つぶやけばいい方。おはようとか疲れたとかの一言だけだったり、突然おいしそうな飯画を上げたり、内容はまぁ普通だ。口調は結構乱暴な感じだけど、名前からしても多分女のひとだろう。あんなに繊細で美しくて尊いイラストを描ける人が男であるはずがないと思う。

 そんな普通ツイートに混じって、週に1回平日(後にそれが毎週水曜日であることに気付く)に何かのアニメの実況をしているらしいことも分かった。

 最初は何のアニメなのかよく分からなかったけど、ツイートがやけに熱いなと思っていたら、その日のうちにワンドロを上げたりすることも多くて、例の固定ツイートにしている女の子達が出てくるアニメのようだった。

 イラストはワンドロにも関わらず、毎回クオリティが高くて、知らないアニメだけどNoaさんのは別だ。即座にハートマークを押して、でも少し考えてそれを取り消した。

内容が内容だから自分フォロワーさんにこんなのが回ったら絶対迷惑になる。みんな百合の耐性ないもんね。

 だから私はNoaさんを追うためだけのアカウントを作り、改めてフォローし直した。ふぁぼ欄がNoaさんのイラストツイートで埋まっていくのが嬉しかった。

 Noaさんは週末には時々オリジナル絵も上げてくれた。キャラは私が初めて見た時のものと同じだったりそうじゃなかったり。とにかくもうNoaさんの絵が全部好きだった。

 というかNoaさんのことを好きになっていた。低めのテンションからジャンル話題に食いつくときギャップが最高だし、普段砕けた乱暴な口調も格好良い。何か自カプについて考察みたいなことをツイートして界隈からのふぁぼリツをかっさらっていったかと思えば、オリジナルの儚げなイラストで私達を殺しにくる。

 ツイート頻度が高くないことは重々承知の上で、それでも今日は呟いているかどうかと、毎日のようにアカウントを見にいった。

 そうしていると段々話しているジャンルの内容が気になってきた。気になりすぎて動画サイトで探して、アニメを前クールから全部追った。

 正直そこまで私には刺さらないアニメで、男同士でやればいいのにと何回も思ったけど、ツイートの中身がスラスラ分かるようになったのは本当に良かった。

 TLを読解出来るようになると、それまで見えていなかった色々なものが見えてくる。

 ジャンルの界隈の人でいつもNoaさんの考察空リプしてる人、それに丁寧に対応するNoaさん。時には長めの議論に発展することもあるけど、いつもNoaさんが綺麗に論破してしまう。

 そして、Noaさんをしきりにご飯に誘ってくるのはいつも同じアイコンだった。休日の度に何度も何度も図々しい。でもNoaさんは優しいからその誘いに乗ってあげていた。

 TLに流れてくる二人分のスイーツ画に吐き気がした。Noaさんはお前のSNS映えのための道具じゃないんだぞ。

 無事に現行クールの話数に追いついた私は、水曜日にはリアルタイム視聴もするようになった。Noaさんの実況を見ながら見アニメは格別だ。離れているのに、お互い顔も本名も知らない関係なのに、一緒の時を過ごしている感じがする。

 そして、見ているうちに私はある思いが日に日に強くなっているのに気が付いた。

 Noaさんの自カプ、BLじゃない?と。

 女王様系の金髪ロングと、従者的な幼馴染の茶髪ポニーテールBLじゃ王道中の王道関係性じゃない?断然金髪が受け。大人っぽいのに可愛いところもあって女王様美人受け、最高じゃん。茶髪の方は幼馴染だからってこともあって、金髪傍若無人な振る舞いを上手いこと扱っていて、なんかちょっと熟年夫婦感があるんだよね。もしこの二人が男の子だったら私の好みどストライクだ。本当になんで男同士じゃないんだろう。もったいなさ過ぎる。

 いよいよ私は我慢が出来なくなって、その思いをNoaさんのマシュマロにしたためた。Noaさんが私の考えをどう思うのかが知りたくなった。

 メッセージを送った瞬間は正直冷や汗が出た。これまでイラスト好きですとか応援してますとかそんなことしか送ったことはなくて、CPについて聞くなんて初めてだったから。

 百合ことなんか全然からないけど、やっぱり男体化って話題はよくなかっただろうか。でもでもNoaさんの普段発言じゃ、金髪茶髪に付いて嫁とか夫だとかい言葉だってよく出てくるし、彼氏面とかも頻繁に言ってるし。それにオリジナルの時はどちらかというと少女より少年っぽさの方が強調されたりもする。”男キャラ”についてそこまで拒否感はないはず。いやでも。そんな考えが頭の中をグルグル巡って、やっぱり送らなければよかったとさえ思った時、それは起こった。

『男体化!その手があったかー!ありがとうございます!!』

 TLに現れたその文字列を見た瞬間、私の体温は5度くらい上がったんじゃないかと思う。

 その後Noaさんは続けざまに男体化について3ツイートくらいのツリー形成して思いの丈を語った。もちろんマシュマロのお返事含め、それらは全部スクショした。

 Noaさんが、あのNoaさんが、私の意見を拾って、それに賛同、私と同じように萌えてくれたのだ。

 自分性癖にとことん刺さるBLを読んだ時くらい嬉しかった。嬉しすぎて文字通り部屋の床をゴロゴロ転がり回ってしまった。

 数時間後に男体化イラストが上げられた時には確実に一度心臓が止まったと思う。

 これだと思った。二人の少年はばっちりNoaさんの絵柄にハマっていた。そうなのだ、これが金髪女王改め王子茶髪従者の真の姿だ。彼らはその女性性を捨てることで、真に美しい姿に、概念にまで昇華したのだ。

 その後もNoaさんは度々男体化イラストをUPしてくれた。それに触発されて界隈の他の絵師が同じように描き始めたけどやっぱり全然だめ。Noaさんじゃないと、”少年”のリアルな質感は描けない。絶対に。やっぱりNoaさんは男同士を描くために生まれてきたんだと思う。これまでの百合をやってきたのは金髪王子茶髪従者に出会うための布石だったんだ。私はそう確信してさえいた。

 自ジャンルオンリーイベントサークル参加募集が始まったのはちょうどそんな頃だった。Noaさんがサークルカットと共に『新刊男体化漫画やります』とツイートした時は、見間違いじゃないか5度見くらいした。

 大好きなNoaさんが、他でもない私が布教した大好きな男体化カプで新刊を出すのだ。信じられない思いだった。というかこんなにいいことばかり続いていいのか?とさえ思った。

 そして、一番重要なことはイベントに行けばNoaさんに会うことが出来るということだった。一体どんな人なんだろう。いや素敵な人に違いないとはもちろん思っているけど。これまで飯画や上げられる写真には本人は全く映り込んでいなくて、顔もそうだが服装雰囲気なども一切分からなかった。でも、会えるのだ。せっかくの機会、Noaさんと自カプについて話がしたい。

 そのためにも私はもう一度アニメを隈なく見返した。金髪王子茶髪従者についてやれるだけ考察を重ね、解像度を上げることに専念した。

 いよいよイベント当日。

 一般入場が開始された瞬間に私はまっすぐNoaさんのスペースを目指した。15分前にTLをチェックした限りでは設営完了とのこと。新刊表紙の茶髪従者にお姫様抱っこされている金髪王子を目印に人の波をかき分けて進んだ。

 パンフレットとスペース番号を何度も見比べながら場所を確かめる。ああ、私Noaさんに会うんだ。そう思うと心臓はがなり立て、喉はカラカラに乾いてくる。歩みを進めながらも深呼吸してごくんと唾を飲み込んだ。

 スペースには大きな列こそ出来ていなかったものの、既に5~6人並んでいた。開始直後にってすごくない?やっぱりNoaさんって人気作家なんだ。

新刊1冊500円になります

 声の主の方を視線で辿って息を飲んだ。めちゃくちゃ美しいひとがそこにいたからだ。可愛い、ではなく、キレイなどでは足りず最早「美しい」という言葉しかさない顔の造形だ。

 身長は170cm近くあるだろうか、きれいめのジャケットクロップデニムカジュアルダウンしている姿が様になりすぎている。

 耳が見えるくらいの明るい色のショートカットの髪が、さらさらと額の上で揺れていた。

 一見して男か女か分からなかった。どっちと言われても信じることが出来そうだ。確かなのはその人が美しいということ。

 そしてそのひとの胸元に名札がついているのに気が付いた。

 ”Noaだょ”

 崩した文字だけど、確かにそう書かれている。Noaさんだ。Noaさんなのだ、この人が。この美しいひとが。

 聞こえてくる「ありがとうございました」の声は見た目の印象よりも少し高め。それに何より名札から下をよくよく見ていると、柔らかそうな身体つきが見て取れた。Noaさんは女のひとだ。メンズライクだけど確かに女のひと。男装カフェかにいても不思議じゃないタイプの。私だってあんな風に顔が良かったら男装コスだってしてみたいと思ったことが1度や2度くらいある。もちろん鏡を見てすぐに諦めたけど。

 Noaさんは私の理想のひとだった。あんな風になりたかったと思えるひとだった。最高のイラストが描けて、TLでも人気者でその上顔やスタイルまで美しくて格好いいなんて。すべてが私の理想通りだ。こんな素敵なことがあってもいいのだろうか、本当に。

 私はの緊張はいよいよピークに達し、息が上手く出来なくなってきた。

 無情にもNoaさんの客さばきは高速で一気に私の番になってしまう。

「あ、あの、しんかん1部、くださひっ……」

 噛んでしまった。

 やばい恥ずかしい。一気に顔に血が上ってくるのが分かる。今すぐにでも逃げ去りたい。そんな私を気にも留めずにNoaさんは新刊1冊ですね、と私の震える手から500円玉を受け取った。

 何をしているのだ。こんなことで怯んでどうするのだ。何のためにここへ来たのか、何のために夜通しアニメを見返したのかも分からなくなってしまう。

 私はNoaさんのから新刊を受け取ると、「あの」と切り出した。

「あの、実は私、Noaさんに最初マシュマロで男体化よくないですか?って言った者なんです……!」

 よかった。今度は噛まずにちゃんと言えた。少しだけほっとする。

「そうなんですか!?えー、ありがとうございますー」

 Noaさんは目を見開いて驚いて、すぐさまぱぁっと明るい笑顔を浮かべる。

「うわー、じゃあこの新刊出せたのもあなたのおかげじゃないですかー。えー」

「いえいえそんな全然です!あの、やっぱ二人の関係ちょっと少年的というか、男体化すると無垢な感じがめちゃくちゃ出るというか、それがNoaさんの絵柄に合うんじゃないかってずっと思ってて」

 やばいなと思いながらも一気に捲し立ててしまった。やばいな、Noaさん引いてるかな。ちらりと顔を見ると、Noaさんは先程から変わらずニコニコとした笑顔のままだった。

「いやぁ嬉しいなー。マシュマロもらった時私もその手があったかー!って思って興奮しちゃって。ほんと”少年”って儚げな感じがこの二人っぽくもあっていいですよね」

 なんてことだろう。私が思い描いたような展開が繰り広げられている。本当に夢かもしれない。それなら覚めて欲しくないけど。

 そう思っていると、隣のスペースの人がNoaさんに声を掛けた。

「るかちゃーん、今ソラリよんさんからラインきて、今日打ち上げ来れるかって言ってっけど、参加でいいよねー?」

「ん?ああだいじょぶー」

「りょ~!」

 背中である長い髪を綺麗に巻いたその女は、Noaさんの返答を聞くが早いかキラキラしたネイルの指先ですぐさま返事を打ち始めた。

 なんだこの女。やけにNoaさんに馴れ馴れしくないか?あのNoaさんだぞ?分かってる?

 隣のスペース誰だったかな、ほとんどNoaさんしか見てなかったからよく覚えてない。でもお品書きポスター新刊表紙に見覚えがあった。

 こいつ、毎週末NoaさんをSNS映えの餌食ににしているクソ女じゃないか。いつもこんな風に馴れ馴れしくNoaさんに絡んでるんだ。最悪。胸の中にモヤモヤした感情がくすぶり始める。

 でも同時にそれが正しくない感情であることも私には分かっていた。だって私はオフラインのNoaさんのこと、ほとんど何も知らないのだ。隣のクソ女の方がずっとずっとNoaさんを分かってる。他にも打ち上げの連絡をしてきたソラリよんか誰か知らないけどそういうやつとか、打ち上げに来る他のメンバーなんかの方がよっぽどNoaさんを知っているはずなのだ

 それでも、それだけで私がこの人たちに負けていると思いたくなかった。私はそんなみんなから慕われている神絵師同人作家Noaさんに布教してそれをNoaさんも気に入って新刊まで出したのだ。それをさせたのは、間違いなくこの私。

 気が付いたらNoaさんが再び私の方を見ていた。

「そうだ、よかったらあなた打ち上げ来ませんか?」

「え!?

 いきなりのことにひっくり返ったような声が出てしまった。

「あ、お時間あればいいんですけど」

「えと、ぜんぜん、全然大丈夫です」

「よかった!男体化のこともっとお話しましょ」

 Noaさんは白い歯を見せながらニカッと笑った。笑顔があまりにも眩しすぎる。Noaさんはクソ女の方を振り返る。

「ねー、もりーぬさん、打ち上げもう一人追加でいいー?えーっと」

 そしてもう一度私の方を振り返って聞いた。

「すいません、お名前、教えて頂けますか?」

「あ、双樹、です」

「りょーかいです。もりーぬさーん、”そうじゅ”さん、追加で。そ、1人。あ、そうじゅさん終わったら連絡するんでライン教えてもらえません?」

 それが私がNoaさんと”繋がった”瞬間だった。

 Noaさんのスペースを後にして、会場をぼんやり歩く。正直百合がメインのジャンルから男体化で本まで出しているサークルは少なかった。打ち上げの時にNoaさんと話すネタになるだろうと買い込みたかったが、Noaさんに触発されて突発で出したコピー本みたいなのが数冊だけしかなかった。それでも収穫は収穫だ。

 どこかでご飯食べて戦利品に目を通して、打ち上げの連絡を待つとしよう。

 Noaさんのスペースは会場のだいぶ奥だったか入口まで地味に距離がある。それにまだ一般入場が始まって30分も経っていないわけで、色んな列が進路を阻み、色んなスペースに向かう人が色んな方向を目指して進むに進めなくなって新たな混雑を生んでいる。ぼーっとしていたら人の波に攫われてしまいそうだ。

 そういえば今までBLオンリーオールジャンルには参加したことがあったけど、百合がメインなのは初めてだ。どこもかしこ女の子イラストポスターやらなんやらが目につく。そしてそんな会場にいるひとの8割くらいは男性なのだった。確かに女性はいるし、サークルで参加している人には女性が多いようには思うけど、客はみんな男性だ。こういう男女比のところに初めて来たから余計にそう思うのかもしれないけど。やっぱり百合男性向けなんだ。男女もの男性向けほど直球のエロじゃないにしても、キレイ理想女の子女の子世界ってやっぱり男の考えた理想郷で、男のための消費物に他ならない。

 よかった、Noaさんが男体化をやるようになって。あの美しいひとが、例え売れるからってこれ以上男のための消費物を作り続けるなんてもったいなさ過ぎる。、

 そういえばさっきNoaさんのスペースに来てたのもほとんど男の人だった。男体化でもちゃんと買ってくれるってことはやっぱりNoaさんの画力漫画の上手さだよね。

 いや、待てよ。もしかしてNoaさんガチ恋勢なんじゃないの?だってあれだけ美しいひとなんだし、それもない話ではない。だって元々百合が好きなのに男体化の本を買うなんてありえない。絶対あいつら内容なんて見てないんだ。ああやっぱり男って最悪。Noaさんもこのまま男体化続けて、早くBLにきたらいいのに。

 人込みの中、男がこっちにぶつかってくる度に聞こえるように舌打ちしてやりながら、私は何とか会場を出た。

 連絡を受けて、打ち上げ会場となる居酒屋に集合より少し早い時間に到着した。既に店の前でNoaさんとクソ女、それからいかにもな感じの男オタクが2人いた。Noaさんはすぐに私に気付いてくれて、私をそこにいた人達に紹介してくれた。一通り自己紹介が終わるとクソ女が男達に身内的な話題を振って私以外の4人で話し出した。何これ居辛ら過ぎる。私が死んだ魚のような顔になってもクソ女と男共は全く気付いていないようだった。最悪。

 するとNoaさんが、急にこちらを向いた。私は慌てて生き返った顔に戻る。ヤバイ、見られたかな。Noaさんはこちらを見てにっこり笑うと、クソ女と男共に「そろそろ時間だし先はいっとこ」と言った。流石Noaさん。きっと私を気遣ってこう言ってくれたんだ。まだ来ていない人が2~3人いるらしかったが、その人達にはクソ女が連絡することになり、私達は店の中に入った。

 ビール乾杯した後、早速みんなアニメ今日イベントの話をしたり、戦利品について語り始めたりする。

 席順は奥からクソ女、Noaさん、私。そして向かい側に男が二人。男のうち1人は赤髪紫髪姉妹が自カプらしくてその話をNoaさんに振ってくる。

「82話のお姉ちゃんの妹への眼差しがやっぱりすべてを表してるんすよ」

「あれはね。流石に言い逃れ出来ない」

「っていうかソラリよんさんの新刊が、全部やってくれたからなー」

「空白の8時間!!」

「いやまじで空白の8時間ってなにっていう」

 そんな会話が次々と展開されていく。なにこれ。っていうか赤髪紫髪カップリングって何で人気あるのか不思議なんだけど何で?今日イベントでも島が出来て

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