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はてなキーワード: 軍制とは

2023-06-25

anond:20230624234322

モスクワ公国エリアはワグネル暫定軍制国家になって、シベリア南部中国編入されて、黒海沿岸は大規模再編という展開もじゅうぶん有りうる。……台湾方面がどうなるかが未知数なのが恐いな。

2022-06-26

世界の終りにおいて、世界を救った男テミストクレス(1)

 ギリシャ世界ペルシア軍の大遠征において黄昏に瀕していた。

 空前の規模を誇るペルシア軍団紀元前480年、テルモピュレーの戦いにおいてギリシア陸軍の主力であるスパルタ軍を激戦の末に破り、スパルタの王であるレオニダ一世戦死させた。スパルタ軍という防波堤を失ったギリシア本土容赦なく侵攻され、ギリシアの中心都市であるアテナイペルシア陸軍によって陥落するに至り、アテナイ軍人テミストクレス率いるギリシア海軍絶望していた。「帰る国が無いのに、このまま戦ったところで何になる?」と。

 しかし、彼らのリーダーであるテミストクレスだけは絶望していなかった。

 絶望に染まる軍人たちの中で、彼は唯一希望を手放していなかった。彼は言った。「さあ、世界を取り戻しにいこう」と。


     ◇


 ペルシア戦争の戦乱の始まりをどこに求めるかは諸説あるが、紀元前480年以降のペルシア軍の大規模侵略より10年前、先駆けて起こったマラトンの戦いにおいて既に戦端は開いていた、とする説が有力である

 紀元前490年、マラトンの戦いにおいて沿岸に押し寄せたペルシア軍を、アテナイ軍を主力とするギリシャ連合軍完膚なきまでに破った。二倍に比するペルシア軍に対して、旺盛な士気原動力に戦ったギリシア連合軍は、5000人以上にものぼるペルシア軍の戦死者に対して、僅かに戦死者200人足らずに留まる圧倒的な戦果を以てペルシア軍を退けたのである勝利に沸くギリシア民衆は口々にギリシアの精強な陸軍を讃え、自らの勝利を誇った。それほどまでに完璧勝利だったのである

 一方、自軍主力の三割を一挙に失ったペルシア軍は撤退を始める。ギリシア世界アジアに対する完全な勝利であった。

 しかしただ一人、アテナイ政治家であり軍人でもあるテミストクレスだけは絶望していた。

 いずれギリシア絶対に負ける、と


     ◇


 アテナイギリシアの中心都市であるが、しかしこの都市が円熟を迎えるまでに辿った経緯は涙を誘う。ギリシアはいわゆる都市国家と呼ばれる、一つの都市国家を成す統治形態政治が行われていたのだが、これら都市国家が成立する以前の、ギリシア暗黒時代においてはギリシア半島ペロポネソス半島)には大量の異民族流入しており、戦乱の嵐が吹き荒れていた。

 そのような戦乱のさなか、開闢におけるアテナイいかにして生き延びたのか?

 それは、あまりにも乏しい資源によってであった。

 アテナイは極めて痩せた厳しい土地であった。地中海性の気候の中、雨量は少なく、養えるだけの人口は決して多くない。要するに、戦乱の時代においては重要性の極めて低い土地だったのである。そのため、アテナイ暗黒時代における異民族侵略において、常に見逃され続け、戦乱からは遠ざけられ、その地盤と地歩を少しずつ伸長させてきた。最終的には、ギリシアにおける最も優秀な文化都市としての地位確立するに至ったのである

 さて、そのような経緯もあり、スパルタアテナイ、あるいはテーベといったギリシアの主要都市基本的に国力に乏しく、幾ら軍制を整えたところで養える軍隊には限界があった。当時のアテナイ人口については諸説あるが、最盛期における人口は十万人程度だったと言われ、まともな軍隊として機能する人員は精々一万人を上回る程度だったであろう。


 一方、ペルシア現在におけるアフリカ中東中央アジア南アジア北部にまで跨る大帝国であり、根本的な軍事力、そして人口においてはギリシアに対して天地の差があった。そのような地政学的要因をテミストクレス紀元前480年以前から看破しており、このまま仮に戦争継続すれば、最終的にギリシアが間違いなく敗北するという未来を予見していたのである

 しかし、テミストクレス絶望してばかりではいなかった。来るべきペルシア本軍の大遠征に向けて、着々と準備を開始した。

 彼が最初に行ったのは、海軍備の増強である。これは正に慧眼であり、ギリシア絶望的な状況を打破する最善手にほかならなかった。

 無論、軍事力が精強なペルシア海軍備は相当なものであり、実際、ペルシア戦争が激化した際の艦船保有数は、ギリシア保有する400隻足らずの軍艦に比べ、ペルシア軍のそれは3倍から4倍の1500隻以上(輸送船を含む)に達していた。ギリシア軍は結局のところ、陸軍備においても劣り、海軍備においても劣っていたのである。そのため、不足している海軍備の増強に多少着手したところで、いずれ来る黄昏を打破する目覚ましい一手にはなり難い――そう目するギリシア市民政治家も決して少なくはなかった。というか、そもそもギリシア軍は精強な陸軍を抱えているのだから海軍備の増強は不要であると楽観論に耽るギリシア市民が圧倒的だった。テミストクレスは頭を抱えた。


 テミストクレスは異常者であった。常に真実を見ることしかできない目を持ち、常に真実しか思考きぬ頭脳を持ち得ていた。

 テミストクレスは十年に渡って、世界の終りをただ一人、真摯に見据えていた。やがてギリシアは滅びる。しかし、その寿命を一秒でも長く保つこと、その呼吸が、須臾の間なりとも長く伸びることを目指し続けていた。また、テミストクレス軍人である前に政治家であった。そのため、テミストクレスは数多くの権謀術数を駆使することを厭わなかった。彼の謀略が活かされるのは、決して外敵に対してばかりではない。むしろ、同じくギリシアに属する味方勢力に対して、しばしばその陰謀は向けられていた。 

 ともかく、海軍備の増強に前向きでないアテナイ首脳部を説き伏せるためにテミストクレスは一計を案じる。海軍備の増強に消極的であったアテナイ首脳を説得するために、テミストクレスは同じくギリシア海洋都市国家であるアイギナと呼ばれる都市国家の脅威を説いたのである

 アイギナはギリシア世界においては珍しく、海軍備を主体とする軍制を整えた都市国家であった。地理的にはアテナイの属する沿岸からかに南下した地点に位置しており、当時のアテナイ首脳や市民にとっては、遠くアジア大国ペルシア帝国よりも、海洋国家アイギナはよほど身近な脅威に映っていた。テミストクレスはその心理を利用したのである。まずはこの手近なライバルとなり得るアイギナの脅威を喧伝することで、テミストクレスは徐々にアテナイ首脳の意識海軍備の増強へと向けさせることに成功した。

 さて、この時アテナイ新造した艦船の数は200隻程度で、かつて備えていた旧式の軍艦の凡そ十倍にあたる新型の艦船を建造しおおせたのである。とは言え、先述の通りそれでもなおペルシア軍の海軍備に比べれば、アテナイの所有していた軍艦の数は圧倒的に劣っていた。それでも、テミストクレスの企てた長期的な戦略は間違いなく最善のものであったと言えた。結果的に、海軍備の増強という手段以外にペルシアを打倒し得る勝ち筋は無かったのである

 何故か。


 ペルシア軍は強大な軍事力を動員するだけの国力を備えていた。軍事力インフラを整備する技術力、そして、兵士を養うために必要な兵糧を創出する農業力、それらの総合力において、ペルシアは明らかにギリシアの力を上回っていた。しかし、そのような強大な力は、反面ある種の脆弱性を抱えることにもなる。テミストクレスはそこに目を付けた。

 テミストクレスが着目したのは、ペルシア軍における高度な兵站戦略であるペルシア軍は圧倒的な数の軍隊を抱えるが故に、その大軍を支えるための兵站戦略を整備していた。中継都市本国から創出した食料を、効率的前線へと運び届けるインフラを整備し、兵の士気が低下しないための細心の注意を払っていた。

 しかし、ギリシアが属するバルカン半島並びにペロポネソス半島海岸線は長く、その補給路は長大に達し、沿岸陸路は決して効率の良い輸送ルートとは言えなかった。陸路における兵站戦略が決して最善のものでないことを、ペルシア軍は理解していたのである。したがって、ペルシア軍の兵站必然的海路依存していた。

 艦船による食料の輸送は、陸上のそれに対して圧倒的に効率的である大軍を支えるために行われる、ペルシア軍の必然的兵站形態を、実際にペルシア軍が襲来する十年前の段階で、テミストクレス明察していた。更には、そのペルシア軍が抱える唯一の弱点を攻撃するための、唯一の手段を十年前から整備し続けていたのである

 つまり海上兵站破壊し、ペルシア陸軍機能不全にすること。それが、それだけがギリシアペルシア軍を打倒するための唯一の方策であった。

 そして、それを理解していたのはテミストクレスだけであった。


     ◇


anond:20220626003448

2021-07-09

anond:20210709194422

軍や警察を使うと言うのはまさに制度をなおすに該当すると思いますけどぉ〜

日本軍制度ないですよね

警察出動させられる制度もないですよね

2021-05-18

世界史上の名将3傑

当時としてはあり得ない規模の軍団による連携攻撃戦略的に行えた、オゴデイが死ななければヨーロッパ制圧は確実だったモンゴル帝国の最高の名将スブタ

このスブタイが現れるまで1400年は誰も勝てないと言われた、マケドニア軍制を作ったアレクサンドロスⅢ世

この二人までは、戦績も革新性も獲得領土の広さでも、稀代の戦略家であり、傑出した戦術的な指揮官でもあったので誰も文句ない筈

あと一人は?と言われると難しい。

カエサル?アルワリード李靖

火砲登場以降の近代戦であればグスタフ二世

好みが分かれる所よな。

(PS)

日本地理的特性から対外戦争殆どやらなかったけど、日本から無理してでも一人選べと言うなら児玉源太郎しかいないのではないか

圧倒的な軍事力の差がある近代戦の日露戦争講和まで持って行った功績はデカい。

2021-04-11

[B! ミャンマー] ミャンマー 1日で市民82人死亡 軍や警察が激しい弾圧 | ミャンマー | NHKニュース https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20210411/k10012968041000.html

nil0303 あえて放置して状況悪化した状態で、中国が動いて(軍事的にか経済的にかは知らんが)軍側を鎮圧すれば中国ミャンマー英雄じゃない?

面白いが、それはほぼあり得ないだろう。

まず第一に、それを中国共産党が実行すれば中央アジアアフリカ独裁者との関係破綻する。

まり代償が大きすぎる。

第二に、ミャンマーの反クーデター市民からの対中感情がすでに悪化しており、そもそも歓迎される見込みが薄い。加えてミャンマー軍はまず間違いなくゲリラ戦抵抗するので泥沼化する。よってもし仮に開戦当初に市民から人民解放軍が歓迎されたとしても長期化に伴って対中感情悪化するだろう。それを避けるために国連軍主体とした場合は、中共の影響力増大にはつながらない。

まり見返りがない。

仮に中共が反軍政立場で介入を行うなら、ワ州連合軍(UWSA、少数民族ワ族を中心とする武装勢力中共の影響下にありケシ栽培資金調達していた。)に対する非公然の援助、といった形をとるのではなかろうか。ただこれも得るものはあまり多くなさそうである

  

逆に中共軍政側で参戦する可能性はある。

ちょうどロシアシリアで見せた動きが手本となるだろう。ただし、これを実行するためには軍政側が一旦劣勢になる必要がある。日本では軍制側は中共の強い影響下にあって一心同体だと見なされている節があるが、実際にはある程度の自主性を保つことを志向している。カギを握るのはカレン民族解放軍(KNLA)等の反政府勢力、つまり軍制も嫌いだがアウンサンスーチーも信用しておらず、独自軍事力を持っている人々だろう。彼らの「参戦」によって軍政側が劣勢に陥れば、中共は介入の口実を得る。「テロリストが正統政府を脅かしてるので介入するぞ」と。この場合も泥沼のゲリラ戦が予想されるが、全土を平定する必要はなく、港(あるいは可能なら港から国境までのルート)を抑えればよい。むしろミャンマーが平定されず、紛争状態であり続けることが、介入を正当化し持続する口実となる。

  

いずれの場合も、人民解放軍犠牲について遺族と国民に対する正当化ロジック必要となる。「ロヒンギャウイグルイスラームテロリスト連携している」といったプロパガンダが行われるのではなかろうか。もちろん、もし介入が実行されるならばそれは「義勇兵」とか「誠実な人々」などと呼ばれる集団によってなされるであろう。

2020-12-20

2020年アメリカ大統領選挙に関するQ&A

前田 耕 (Ko Maeda)@MaedaPoliSci

https://twitter.com/MaedaPoliSci/status/1340058410356781057

の一連のツイートより

前田

ノーステキサス大学准教授政治学)。ミシガン州立大学Ph.D. 研究領域選挙選挙制度政党競争政治制度など。

 

[公式選挙投票結果]

12月14日選挙投票の結果を国立公文書記録管理局が公開してます

 

まだ全州揃っていないけど、接戦州はミシガン以外全て載ってます。各州の公文書PDF版が見れます

以下、よく出る話を連ツイでまとめます

本当にもう終わりにしましょう。

 

 

Q:1月6日の集計時に逆転できる?

A:無理です。集計手続きはElectoral Count Actという法律規定されていて、

上下両院同意しないと選挙人票を捨てられません。下院民主党多数です。

 

Q:ペンス副大統領拒否権を持っていると聞いた。

A:デマです。Electoral Count Actにそんなこと書いてません。

 

Q:ジョージアなどの接戦州では共和党側の選挙人も投票したんでしょ?

A:法的根拠もなく、ショーとしてやっただけです。

 

Q:まだ係争中の裁判があるでしょ?

A:あるけど、選挙投票も済んだので、これ以降の裁判ではこれまで以上に"moot"や"laches"(簡単に言うと"もう手遅れ")で棄却されることが増えるでしょう。

PA共和党は、あるケースについての最高裁への意見書に「どうせこれで結果は変わらない」と書きました。

 

Q:でも大統領選で大規模な不正があった。

A:不正があった場合に異議を申し立て手続きは各州の州法規定されています

それで認められれば、法に基づいて結果が修正されます

でもトランプ側が起こした裁判は次々に敗訴、または法廷外では高らかに叫ぶのにその「証拠」を裁判に出してきません。

 

Q:反乱法/内乱法を発動すれば?

A:Insurrection Actを発動して軍を派遣しても、既にある法律執行することができるだけで、法律無効化するとかできません。

 

Q:大統領令が...

A:大統領令憲法法律の枠内のことしかできないので、すでにある法律を覆すことはできません。

 

Q:実力行使憲法法律も停止したら(ペルーフジモリがやったように)?

A:そのためには軍の支持が要るけど、陸軍長官陸軍参謀総長は既に選挙への介入を否定してます

軍人違法命令服従する義務は無いし、違法と知りつつ実行したら処罰されます

 

Q:トランプが負けを認めないとどうなる?

A:彼の任期1月20日正午に終了するので、その時点でもしWhite House内にいたら、

不法侵入者として排除されます(だからその前に自主退去するでしょう)。

また、藤井厳喜という方が、大統領経験者には不逮捕特権があると前に書いてましたが、ありません。

 

 

https://twitter.com/MaedaPoliSci/status/1340074251781615621

前田 耕 (Ko Maeda)

@MaedaPoliSci

 

12月19日

Q:バイデンが勝つと〇〇になるけど、それでもいいの?

A:いいかどうかが問題じゃなく、次期大統領選挙結果に基づいて決められるんです。法治国家ですから。(いま、「選挙不正でも法治国家と言えるのか!」と思った方は6番目のツイートをどうぞ)

 

本当に、もう終わりにしましょう。

14/end

 

 

https://twitter.com/MaedaPoliSci/status/1340125130920484864

前田 耕 (Ko Maeda)

@MaedaPoliSci

. 

21時間

このQ&A集は私がまとめたものです。

選挙人を決めるのは当然ですが各州の有権者です。

その結果を州政府認証し、国立公文書管理局のトップのthe Archivistという役職の人が、

1月3日に各州から公文書上下両院に送付します。

 

 

https://twitter.com/MaedaPoliSci/status/1340120366040137731

前田 耕 (Ko Maeda)

@MaedaPoliSci

 

22時間

全部違います

議会ルート州法違反なので最初から無理

司法ルート司法はその役割果たしている

大統領令非常事態宣言憲法法律の枠内なら可能軍制服組はその役割から逸脱しない見込み(当然)。

です。

引用ツイート

セイウチさん

@seiuchiblog

22時間

返信先: @MaedaPoliSciさん

貴重な見解ありがとうございます

 

議会ルート→手遅れ

司法ルートサボタージュでほぼ無理

大統領令非常事態宣言→1/20迄なら合憲。但し軍制服組のサボタージュ可能性あり。

 

という理解でよろしいでしょうか?

 

2018-08-06

anond:20180805230141

時代も国も軍制も状況も違うのに関ヶ原第二次大戦と比べるほうがアホだぞ。

2015-09-10

http://anond.hatelabo.jp/20150910144516

長州藩

・何でも部下に丸投げする藩主

過激派が多すぎて薩摩ですらドン引き

テロリスト量産

尊王攘夷にしがみついて外国戦争し敗北

薩摩に助けてもらってようやく倒幕を果たす

会津藩

幕府を主導するリーダーシップ溢れる藩主

・藩祖の遺訓に従い幕府忠義を尽くす

天皇からの信頼も篤い

・海から遠い奥州会津にありながら洋式軍制への改革を断行

朝敵汚名と最新兵器に屈してやむなく降伏

2014-05-10

http://anond.hatelabo.jp/20140510003704

ブクマで書き切れないのでちょろっと書く。眠くなったら途中ででも問答無用で寝る予定。

>険悪な関係を広げる中国ではあるけれど、かつては「中華」にふさわしく、東アジアのみならず、東南アジア西アジア方面制度文化を発信していた。

これは文化に優劣があるという誤解。実際には文化的に優れていたから広まったのではなく、単に国力で卓越していたから、その文化にも「力」があったように見えた、ということ。

その上で冊封体制に参加すれば強烈なボーナス付きの貿易で莫大な経済的メリットまで約束されていた、という時期があった。

もちろん、中華帝国側にしたら、遙か彼方の蛮人たちまで皇帝威徳を慕ってやってくるんだ、とドヤ顔で言うために出費を負担していた、ということでもある。

実際には日本の諸制度聖徳太子ぐらいのタイミングで既に何か中国とは違う物になっているし、さくっと遣唐使を廃止してしまえたことから分かるように、中国からの影響は小さい。

遠すぎて経済的メリットが薄かったのと、なんだかんだで日本が案外豊かだった、というのが大きい。

伝統の「漢の文化」は、いかなる異民族に侵入されようとも、異民族文化を「漢化」した。

これも誤解。実際には三皇五帝伝説の中身からして、すでに異民族文化が混ざってきている。以後の中国史を見てても、外国から持ち込まれた要素と引き継がれている要素が常に混合し続け、常時アップデートされ続けている。

どっかで

中華文明が連綿と続いているというのも、異民族文化の影響を受けすぎて原型など残っていないと言っても、どちらも正解でしょう」

と書いた通り。

ただ、現代中国人孔子とかの時代漢文を読めない(補助記号足したら日本高校生でも何とか読めるようになるものが読めないってどういうことだってばよって感じだが)。その意味では一貫した中華文化が続いているというのは嘘ではある。

外来王朝漢化したように見える現象は、単に中国大陸主要部を支配するためのツールとして漢字儒教科挙制度が便利だったというのが大きい。文化的な魅力が大きいからそれによって「改宗」していたと思うと足元を掬われる。

まり

>優れた制度を持ち、華やかな文化を持ち、数千年に渡り威光を放っていた大陸国家は確かに存在していた。

というのは実は誤解に基づく幻想。問題はその幻想を大変多くの人たちが信じていた/いること。


共産主義の下、さまざまな伝統破壊され、今では巨大なマーケットか、トラブルメーカーとしてしか認識されていない。

文化大革命の時期とかは何かを破壊するのが流行ったことはあったけど、現在共産党政権(と先代の国民党政権)が歴代王朝と何が違うかと言われると回答に窮する。

あえて言えば科挙がないことと、皇帝位の継承血統でなく有徳者の禅譲によっていることぐらい。

共産主義に何か意味があるように誤解しているが、実際には何の意味もない。あえて言えば五斗米道とか白蓮教のような、たまに中国史に影響を与える宗教の一種、程度に過ぎない。

律令制度や、孫子兵法近代まで日本制度を構築し、

日本版律令制自体最初から中国のとは結構違うし、律令国家は早めに見れば平安時代、どう遅く見ても武家政権によって無効化されている。

孫子読んだら分かるけど、軍制の本じゃないので、影響がどの程度あったと言われると「あんまりない」としか言えない。

要するに中国文化が優れていた、制度が優れていた、周辺の大きな影響を与えていた、というのは誤解の要素が大きい。

地続きでもっとも影響を受けていたはずの朝鮮半島ですら15世紀にはハングル作ってるわけで、推して知るべしである

>昔は輸送手段が乏しく、中国のあるところにいた人を実際に見る事ができなかったからこそ、書物で伝えられる聖人君主が素晴らしく彩られていたのかもしれない。

がすべて、ということ。

この後の清の歴史解釈もいろいろ難がある。

日本が清にトドメ差したわけでもない。日本の行動はそれこそ劉邦を包囲して屈辱的な和平条約を強いた匈奴と大差なく、何かが変わるという類の物でもない。

列強による清の分割は既定路線で、日清戦争が与えた影響は、単にプレイヤーの一人として日本が名乗りを上げたという程度。

その後の義和団の乱によって、列強中国大陸を直接支配するのは効率が悪いと悟り利権だけを確保しつつ清は存続させる、という方針に切り替えている。

ロシアだけはやや違うことを考えていたが、日露戦争の結果としてそれもなくなった。

それ以後の中国史の不味い部分は、大体は中国側特に蒋介石無能日本外交下手によって引き起こされている。

>この国がやるべき事は、張り子の虎の様な振る舞いではなく、栄光ある後継国として腰を据えて国家を「再興」させていくことではないのだろうか。

これが一番大きな誤解。

歴代王朝普通は常時勢力の拡大を指向していた。つまり今の動きの方が普通。「対等な外交関係」の存在理解できないという致命的な欠陥を歴代王朝は持っていたが、それと同程度の話。

官の腐敗を止められないのも、村落共同体が武装していて警察力がその中に及ばないのも、私的所有権政府によってたびたび脅かされるのも、すべて歴代王朝にも見られる特徴で、何一つ変わってない。

あえて言えば鄧小平が生きている時代泰山に登って封禅ぐらいはやっとくべきだったかもしれない。

まり中国政府が今本当にやるべきこととは(過去の栄光などまったく関係なく)、歴史上一度も成功したことのない難事に挑むということである

 
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