はてなキーワード: 決勝トーナメントとは
id:inumashがセネガルが点を取ったときのリスクヘッジができてなかった日本はアホみたいなこと言ってるけど
サッカーは点が入りづらく残り時間的にも点が動かない確率のほうが大きいのだから、
セネガルが点を入れるリスクをヘッジして攻めて決勝トーナメントに進む確率を下げるとか、
意味不明だろ。
眠いんだけど監督がとった戦略が面白かったのでちょっと考察してみる.
全世界で放映されてて夜中に見て応援してるのにつまらない試合してるなよ
決勝トーナメントに進出するのが目標だったんだしそれを達成できた,ああするのが正解
本題.後半のあの時点で,日本が決勝トーナメントに進むことを目的にしたとき,
基本的には,どれくらい攻めるか,選手に現状を知らせるかという選択があるのだろうか.
こう並べてみたときに,ベタオリという選択は確かに悪くはなさそう.直感だけど65~75%ぐらいはいけそう.たぶん勝率が一番悪いのは中途半端にすることな気がする.
西野監督の人柄はわからないからどれくらい気にするのかは知らないけど,戦略とその結果に応じて世間の賛否の割合も変わるだろうな.
ワールドカップという大舞台で,決勝トーナメントに進むことによるゲインは大きいが,あの場であの選択をできる監督はすごいと思う.
サッカーは詳しくないけど,残り時間に応じた得点率とか探せばありそうだし裏方のスタッフがこの辺の確率もっと詳しく分析してたりするんだろうか.
ハリルホジッチ氏の言い分に対して、日本サッカー協会からの答えが示されていないので、サッカー日本代表を素直に応援できずにいる。
なぜ、会長にしても西野さんにしても、「ハリル、問題があるぞ」と一度として言ってくれなかったのか。
本当に一度として。何かあっても誰も何も言わなかった。
ハリルホジッチ氏の記者会見後、田嶋会長は都内で報道陣の取材に応じ、
「それで彼の気が晴れるならそれでいいと思います」などと答えていた。
この問題に関してはハリルホジッチ氏が日本サッカー協会を提訴をしているので、裁判によって事実が明らかになればよい。
それはそれとして、一サッカーファンとしては筋の通らない解任方法をとった日本サッカー協会に対して、拒否反応を示さなければならない。
この解任騒動以降、小さな抵抗ではあるが個人的に次の対応をとっている。
「なんだかんだ言っても、どうせお前らは日本代表の試合を見るんでしょ?」
と思われているような気がするので、アクセス数に貢献しないことで、興味を失っているということを示したいと思う。
自分一人が持っている数字など、たいした影響は無いけれども塵も積もればの気持ちである。
この記事を書いていること自体が間接的にアクセス数に貢献することになってしまうジレンマはあるが、何かしらの変化が起こることを期待している。
メディアが日本サッカー協会の責任を追求するかも知れないので改善の見込みがある。
しかしメディアがその役目を果たさないのなら、一個人でどうにかできるものでもないので、小さな抵抗を続けることぐらいしかできない。
5回戦(決勝トーナメント1回戦)でヒロシ(手持ちにニックネームつけてるライバルキャラ)と3対3のバトル
試合前にロケット団に邪魔されて遅刻して、失格にされそうになった
オレンジリーグはトーナメントではなく、リーダーであるユウジとの1試合のみ
ちなみにユウジの切り札のカイリューは7種類くらいの技を使える
決勝トーナメント2回戦でホウエン地方出身でベッカムヘアーのハズキとフルバトル
最後はリザードンとバシャーモの一騎打ちで、リザードンは全力で戦ったけれどバシャーモがもっと強くて負けた
決勝トーナメント3回戦で長靴を履いたニャースを使うテツヤとフルバトル
まあまあの実力差があり敗北
テツヤはその後優勝した
バトルフロンティア:完全制覇
フロンティアブレーンの候補者になるが、旅を続けたいから辞退した
大会で唯一タクトのダークライを倒したが、2体目のラティオスとサトシのラストのポケモンピカチュウが相打ちして敗北(これは相手が悪すぎた!個人的には正直優勝してもおかしくない実力だったと思う)
準々決勝でおっちょこちょいなライバルキャラ・コテツとフルバトル
コテツは勘違いしていてポケモンを5体しか持ってきてなかった上、タイプの相性をよくわかっていなかったので2匹を無駄にしたが、コテツの切り札リオルがルカリオに進化したのでサトシに逆転勝ちした
カロスリーグ・ミアレ大会(2016年7月28日現在):決勝進出
決勝では特別編の主人公でメガシンカを使いこなすライバルキャラ・アランとフルバトルをする
こうして見ると(イッシュリーグを無視すれば)サトシが段々と成長しているのがわかって面白いね
今回は優勝できるかなあ?
なんか感心した。
https://www.twitch.tv/videos/239642229
任天堂が好きなら何も聞かずに上記のURLを開いて5時間ほどお付き合いいただきたい。
上記のURLは昨日(2018年3月17日)開催された「春拳 Spring Fist」というゲーム大会だ。
種目は
・ARMS
日本中から、俺こそが最強だという猛者が集まって午前中の予選を抜けて
最強のプレイヤー達がふるい落とされていった。
予選の動画もあるけど各自探してほしい。どの試合もハイレベルで観る人の心を揺さぶるものだった。
だけど、この決勝トーナメントを観た時、確かにeスポーツなんていう新しい言葉を使ってでも普及させたいと思う人の気持ちもわかってしまった。
オリンピックの種目にしたいと思ってしまうのもムリが無いかもしれない。
ただ、しかし、気になる事が1つ。
なんでホットエントリに上がってくるのが大会のレポートだったり大会の動画じゃなくて
ゲームが好きなら、揉め事じゃなくて観るべきは選手と試合だろ?
ゲームが好きなら新作を買おう。
昔ゲームが好きだった、今は下世話なゴシップが好きな老害になりたいと思う人がいるだろうか?
ゲームは最高に面白いし、それは「ゲーム」をありとあらゆる種類の趣味に変えても同じだ
人生は最高に面白い事で溢れているから、もっと面白いものや素晴らしいものを観て生きよう。
ここまで読んでくれたなら
https://www.twitch.tv/videos/239642229
さぁ、5時間付き合ってもらおう
”大会の動画じゃなくて” ?? 見てるゲームも大会もバラバラだろうになぜホットエントリに入ってくると思うんだ? どういう行動を想定してるんだ、この増田は
ゲームの競技大会には興味無いのに、プロゲーマーだのJeSUには興味津々ってのがくだらないってだけで、もっとみんな今日のバーチャロン大会予選とか観てほしいわけよ。
いつも楽しく増田を読んでいるけれど、あんまコアなゲーマーの意見が書かれていないので、ゲーム日記的なエントリを書いてみようと思う
私はポッ拳DXがswitchで一番好きなゲームで、万人にオススメしたいと思っています。
鉄拳をパロディしたタイトルですが、製作チームはソウルキャリバーのチームで、強くなる方法がわかりづらいという欠点を持っていたソウルキャリバーをブラッシュアップした非常に優れたシステムになっています。
使うボタンは
・十字キー:移動、構え変更
・R:ガード
・B:ジャンプ
・Y:弱攻撃
・X:強攻撃
・A:必殺技
これだけ
一見多いように見えますが、1つ1つのボタンの役割が独立していて混乱せず、初心者にも優しいです。
236+Pだの、レバー一回転だの、下溜め上キックだの。そういうの一切ありません。
十字キーを「前、後ろ、上、下」に入れる事で出る技が変化します。
だから、他のゲームなら波動拳コマンドや一回転コマンドが必要な大技も、レバー入れワンボタンで出てしまいます。
なので、マリオのようなアクションゲームができる人ならそれだけですぐに格闘ゲームが始められてしまうのです。
このゲームのガードは超優秀です。
・立ちガードで中段も下段も完全防御
・めくりも完全対応
と、なっています。
格ゲーで初心者が「意味わかんね!クソだな!」ってなるポイントは
それが一切無いというのが素晴らしいです。
基本的にボタンを押してから攻撃が出るまでのタイムラグが長めのゲームデザインとなっています。
なので、相手の攻撃を見てから何かしても「基本的に」間に合いません。
だからでこそ、「相手は次に何をする」というのを読んで「打撃・当身・投げ」の3すくみをいかに勝つか
だから、1戦目で負けたとしても、2戦目で相手を知った事によるアドバンテージで勝ちやすく
1勝1敗の最終ラウンドにもつれ込みやすいゲームデザインになっています。
・共鳴ゲージ
の2つです。
サポートポケモンは、選んだサポートポケモンを呼び出して状況を有利にします。
影響度は低いけれど頻繁に出せるポケモンから、1試合に1度しか出せないけれど超強力なポケモンまで全32匹が存在しています。
共鳴ゲージについては、消費する事で平均12秒の超強化状態になり、HPも大きく回復します。
その強化状態もポケモンごとに個性があり、100ポイントで満タンになるポケモンから、400ポイントで満タンになるポケモンまでと多彩です。
強化後の強さも、頭1つ抜けているメガゲンガーや目立って強くならないダークライと多彩です。
格闘ゲームと言えばコンボであり、ポッ拳もほどほどにコンボがあります。
そのコンボも、中々に高性能なコンボをボタン連打だけで出せるので、初心者も上級者が活用するコンボを簡単に出せてしまいます。
ですが、そういうコンボゲーにはたびたび「即死コンボ」「9割コンボ」と呼ばれるクソみたいな連続技が出て、初心者お断りになってしまう事があります。
ポッ拳には即死コンボがなく、一定回数ボコられると「フェイズチェンジ」と呼ばれるモードチェンジが実施されます。
・フィールドフェイズ:飛び道具を撃ち合って主導権を奪い合うフェイズ
・デュエルフェイズ:使える飛び道具が減って、大ダメージの接近戦を挑み合うフェイズ
この2つのフェイズをいったりきたりする事で仕切り直しが行われるので、意味わからないまま負け続ける事が少なくなっています。
格闘ゲームでよくある事ですが「3強」「3弱」などの蔑称で呼ばれる強すぎるキャラや弱すぎるキャラが頻繁に発生します。
ポッ拳DXは、前作のポッ拳から5キャラ増えて21キャラとなりました。
その中で現在オンラインランキングで特別多いキャラというものは存在しません。
大会に参加するポケモンも、ほぼ全ポケモンが決勝トーナメントの壇上に上がっています。
アーケードで弱キャラと言われていたグレッグルも、switch版は立派に強化されて強くなっています。
・自分の直近20試合のリプレイと、その中から厳選して保存した試合のリプレイ
そして、ランクマッチも快適で、練習用にランクに影響が出ないフレンドリーマッチや、身内と楽しくプレイできるグループマッチ等もあります。
特筆すべきはマッチングの早さで、10秒以内に次の相手が見つかる事がほとんどです。
ランクそのものも、スプラトゥーン2のように異様にランクが上がりやすいという事がなく、
・E:始めたばかり
・D:初心者
・C:中級者入門
・B:中級者
・AとS:上級者、一握りの異才
と、なっています。
SをAとひとくくりにしたのは、現在世界でSランクのプレイヤーは2名しかいないからです。
ランクは自然とそのプレイヤーの適正な腕前の箇所に落ち着くようになっており、格下に常勝できて格上を食わなければ上がらないようになっています。
https://www.twitch.tv/videos/184091242?t=6h30m45s
こちらは、先日開催された「タイトー主催、闘神祭2017」のトップ4チームによる決勝です。
EVO、闘神祭、WCS等のゲームメーカー主催の大会が多くあり、
日本国内で優秀な成績を出せば、海外の世界大会に招待される事もあります。
WCSは株式会社ポケモンが主催する国際大会で、日本国内数ヶ所で開催される予選大会を勝ち抜く事で、アメリカで全世界の強豪と闘う事ができます。
ですが、一ヶ月経った今、売上は10万本を突破し、新たなバトルトレーナーが増え続けています。
はてなー達も、switchを手にしたなら是非ともポッ拳を買って
「格ゲーっていつの間にかマニア向けになって敬遠してたけど、やっぱり面白いじゃん」って気持ちを味わってください。
SFCやPSの頃に格闘ゲームを楽しんでいた人達向けのゲームです。
小学生層も遊んでいるので、オンラインで勝てないって事もないハズです。
歴代ゼルダはシーケンスブレイクと言うか、自由な操作の結果想定された順路を飛ばせてしまうような事が極力無いように作られてきました。
欲を言えば敵の種類が多いけれど少なく感じてしまう(種類は多いけれど、どの地域も似たりよったり)という欠点を次回作では解消してほしいところ。
違う所と言えば、キャプチャーよりも「パワームーン」がスナック感覚で大量に手に入る所でしょうか。
全部で何個あるのかわかったもんじゃないです。
難易度についても、ノーマルモードでもライフが3もあるので割とゴリ押しでなんとかなりますし、それでもキツイ人はお子様向けのお助けモードを使う事でライフ9で遊べるので
ボス戦はまず負ける事がなくなるので、ゲームがヘタな人も楽しめます。
そして、WiiU用タイトルであったゼルダと違って、ジョイコン操作のHD振動が心地よく
面白いと思います。面白いとは思うのですが、惜しいタイトルです。
switchで一番売れているのですが、今作だけ買って他のタイトル買ってない人が本当にもったいない。
クソ手抜きですわ。アオリ、ホタルは椅子に座って撮影できないとか撮影箇所変えられないとか
ちゃんとユーザーに満足してもらおうって感じが無いです。もっと良くできたハズです。
ストーリーモードにしても、ホタルちゃんの事を2で初見の人にホタルちゃんの魅力を伝えられるような内容になっていないと感じました。
イカラジオ2は最高です。フルコンボとパーフェクトの2種しか記録しないというスパルタンな姿勢はどうかと思いますが、マジでいいです。
バイトはクソです。慣れてしまえば9割がた勝ててしまうのでスリルがなく、ギアに経験値も溜まりませんし服装の自由も無い。新しいギアが出たらやるけど、面白いとは思いません。クリアし終わったヒーローモードのステージを何周も繰り返すような苦行に感じます。
ガチマッチは、新しいルールが無いってのがもったいない。せっかく2なんだから新しいルールの1つや2つあってしかるべきかと・・・。それぞれのガチに関してはルールが変わったのは良いと思うのですが。
ブキのバランスについては、ブラスター使いなので特に不満は無いです。ブラスターは全種面白いし楽しいです。ダメなブラスターなんて1つとしてありません。
良いゲームだと思うのですが、難点が多いです。
ストーリーモードは、歴代スーパーボンバーマンに比べてゲームスピードが早いので、注意してても死にやすいです。
死んでも過去作と違ってその場復活で残機もほぼ無限と言っていいので、ゾンビアタックで攻略している気分になって、ステージクリアしたのに負けてる感じが強いです。
オン対戦は、改良はされましたが、それでもラグと言うか、ヌルっとすべるような感じがあり、うまくボムの連鎖が組めない感じでモヤモヤします。
ですが、それらの問題を差し引いたとしても、バグラーやスパボン2初出の凶悪ボンバー5人衆が名前ちょっと変わったけど出ているので満足感は高いです。
今度、アップデートでランブルローズ、ANUBIS等のKONAMIゲーのキャラが加わるようなので
長く楽しみたいタイトルです。
スーパーボンバーマン新作なのにハドソンキャラじゃなくてKONAMIキャラが出まくってるとか過去作BGMなんも無いとかどうなのそれって所もなくはないけれど
他にも書きたいタイトルもあるけどここまで
こんにちは。ほんの思いつきで書いた「観る将」入門記事( https://anond.hatelabo.jp/20170623083815 )が怒涛のブクマをいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。増田で1000どころか20もついたことないのに!
なるべく平易に、軽く、それでいて軽薄にならないように書いたつもりでしたが、「本当にこれで分かりやすいか?」「飯の話しかウケないんじゃないか?」などの葛藤もあったのでこの反響は素直に嬉しく思います。
Twitterを見ると将棋漫画の作者様や本職の将棋ライター・観戦記者の皆さんに怒涛のごとくシェアされており、極度の緊張で1日8時間しか眠れません。
さて、29連勝ですね。何が何やら分かりませんが、ともかく未知の領域です。
対局の雑感や今後の展望を語るとともに、前回の記事にいただいた質問等、私に分かる範囲でお答えしたいと思います。
仕事の合間に中継をチラチラ見ていました。夕方頃には増田四段が勝ちやすそうな局面に見えたのですが、その後の藤井四段の角と桂を生かした反撃が鮮やかでしたね。
私のへっぽこ棋力では増田優勢に見えても、プロ的にはまだまだ難しかったということなのでしょう。
増田四段も持ち味を見せましたが中終盤にかけて藤井四段の強さが際立ったといった印象です。はてなの皆さんはもちろん増田推しでしたよね?残念でした~。
竜王戦本戦は比較的持ち時間が長い(各5時間)ので、昼夜2回の出前チャンスがあります。
藤井四段→昼:豚キムチうどん 夜:五目炒飯品切れのためわんたんめん変更
増田四段→昼:ミニとんかつ定食 夜:ヒレカツ定食ライト(+肝吸い)
不本意な注文変更を強いられた藤井四段に対し、増田四段が気合のカツ連投で藤井四段の作戦変更を咎めていく展開となりました。
しかし藤井四段が得意の麺類に切り替えて頑強に抵抗したため、最終的には増田四段にミニ+ライトという軽い打撃のツケが回ってきた格好です。
歩は将棋で最も重要な駒だが、歩のみで勝つことはできない。同様に、ジャブだけで飯対決には勝てないのだ。
ちなみに私が確認した中で藤井四段は本対局を含めこれまでに出前を22回、うち15回麺類を含むメニューを注文しています。特に多いのはうどん(6回)や日本そば(6回)などの和麺であり、みそ煮込みうどんなど熱々系の注文も辞さない構えです。
これは「鍋焼きうどんも好きなのですが、熱いので、冷めるまで待っていると15分ぐらいかかる」とうな重に転向した加藤一二三 九段とは対照的ですね。
いつも対局料とか賞金見ると将棋界のお金の回り方がよくわからなくて、スポンサーってどのくらいいてスポンサードすることでどれだけ利益があるのだろう
スポーツにも囲碁・将棋にも言えることですが、競技へのスポンサードは広告だけでなく文化振興という意味合いも少なからずあるので、スポンサードすることでこれくらい利益がありますというような定量化が難しい側面があります。
分かりやすい例としては出版関連事業でしょうか。報道各社は主催する棋戦の観戦記等を出版したり、本紙に棋譜を掲載しています。またマイナビ女子オープンを主催するマイナビも棋書を多く出版しています。
このような事例はスポンサードしたことによって直接的な利益を得ているとも言えるでしょう。
ちなみに日本将棋連盟の「棋戦一覧」( https://www.shogi.or.jp/match/ )から各棋戦の「詳細情報」を見ると主催者(スポンサー)が分かります。
主要タイトル戦は全国紙主催や地方紙の共催が多いですね。他には囲碁・将棋チャンネルやNHKなどの放送局、リコーなど民間企業、加古川市や倉敷市など自治体主催のものもあります。
日本将棋連盟の収益が実際どうなってるのか気になる!という方は財務諸表(https://www.shogi.or.jp/about/information_disclosure.html )などを眺めてみるのも面白いかもしれませんね。
「プロ入り28連勝の棋士を5敗もさせる3段リーグとかいう地獄があるのか」
そうなんですよね。前回もさらっと説明しましたが、三段リーグは年に2回開催され、奨励会三段たちが各18局を戦って上位2名が四段昇段・プロデビューを果たすという地獄のリーグ戦です。
これまでに60回開催されたものの未だに全勝で突破した三段はおらず、現時点では16勝2敗(5名)が最高成績です。
中には11勝7敗で辛くも昇段した者(2名)もいれば、14勝4敗という好成績を挙げながら昇段を逃した者(4名)[注1]もおり、年齢制限と相まってこの辺りも地獄とされる所以でしょう。
三段リーグで5敗してるってことは、やっぱこの連勝中に飛躍的に強くなってるってことだろうか。それともいまの三段に化け物の卵がひしめいているのか。
これはどちらとも言えるかなと思います。前回の記事でも触れましたが、棋士の力のピークは30代半ばまでとされており、例えばそれを過ぎた棋士が絶賛修行中の三段とまみえれば敗れることもあるでしょう。
新人王戦では都成竜馬三段(現四段。イケメン)が奨励会員でありながら優勝を勝ち取った例もあります。インターネット対局や棋譜データベースの発達で研究の障壁が下がった点も無視できません。
このあたりは現役棋士・大平武洋六段のブログ( http://oohira243.blogspot.jp/2017/06/blog-post_36.html )が現場の肌感覚として参考になる気がします。
ただ、その一方で藤井四段が急速に成長しているのもまた事実だと思います。ここで彼の奨励会時代の成績を見てみましょう。奨励会ウォッチャー情報の継ぎ接ぎなので多少ずれがあるかもしれませんがご了承ください。
段級位 | 勝敗 | 規定 |
6級 | ○○○●○○●○○○○昇 | 9勝2敗 |
5級 | ○●○○○○○●○●●○○●○●●○●●○○●●○○○●○○●○○○●○昇 | 9勝3敗 |
4級 | ○●●○○○○○○昇 | 6連勝 |
3級 | ○●●○●●●●●●B○○○A●○○○○○○昇 | 6連勝 |
2級 | ●●○○●●○●○○○●●○○○●○○●○●○●●○○●○○○○○●○●○昇 | 9勝3敗 |
1級 | ○●●○○○○○○●○○○○○昇 | 12勝3敗 |
初段 | ○●○●○●○●●●○●●●○○○○○●●○○●○休○○○●○昇 | 12勝4敗 |
二段 | ●●○●○●●●○●○○●○○○○○○●○●●○●○○○●○○○昇 | 14勝5敗 |
三段リーグ | ○●○○○○○●○●○○○●○○●○ | 13勝5敗・1位 |
通算208局132勝76敗(.634)
ご覧の通り昇級・昇段ペースはかなり早い部類ですが、プロデビュー後の彼ほど圧倒的ではない、というのはお分かりいただけるでしょうか。
3級まではあっという間でしたがここで少し足踏みをします。6連敗してるんですよ!6連敗!【アルファベットの補足:成績が悪いと「B」を取り、Bを保持した状態で再びBを取ると降段級、という仕組みです。規定の成績でA(通常の状態)に復帰します。】
初段・二段あたりが顕著ですが、昇級・昇段直後に少し黒星を重ねたのち、ぐっと勝率を上げています。カテゴリが上がるごとに成長曲線を描いてきているというわけですね。
二段で白星を重ね始めた頃から新たな成長曲線を描き始め、その勢いのまま三段リーグを突破し、プロデビューしたとすれば…?今の大ブレイクも決して不思議ではないのかもしれません。いや十分不思議だけども。
"三浦弘行九段の騒動で揺れる将棋界に一時の安寧をもたらしました。"三浦九段は冤罪被害者である事を今や将棋連盟も認めているのでここだけ訂正して欲しい
この件に関しては記事の本題から外れていたので詳細への言及を避けただけであり、三浦九段へ嫌疑をかける意図がないことは当該段落から十分読み取っていただけると思っています。
したがって文章自体の訂正はしませんが、三浦九段への処分は明確に不当であったという事実はこの場で申し添えておきます。(「訂正」ではなく「補足」してほしい、という趣旨ならば理解できます。)
ほんとだ……え、ほんとだ!すごい!気づかなかった!ちなみに18の下は17連勝(佐藤天彦、佐藤康光、丸山忠久)なのでたぶん偶然です…たぶん…。
これはニコニコ(ドワンゴ)がというより、インターネット環境それ自体の普及がもたらした現象であると言えるでしょう。もともと観戦記などで棋士の食事が話題にあがることはありましたが、
ネット中継が始まると盤上・盤外問わずあらゆる情報がコンテンツとして逐一伝えられるようになりました。中でも画像情報は非常に訴求力が大きい。その流れにぴったりハマったのが食事・おやつではないでしょうか。
各々の将棋スキルが観戦の満足度を左右していた将棋中継において、初心者も上級者も一緒になってあれが旨そう!これが旨そう!と楽しめるものができたということは、昨今のブーム形成にとって非常に大きかったと私は思います。
このあたりは観戦記者・松本博文氏の記事( https://cakes.mu/posts/12986 https://cakes.mu/posts/16722 )が参考になります。
どちらも圧巻の記録ですね。四冠時の18連勝(2005~2006)を例にすると
日付 | 勝敗 | 先後 | 氏名 | 棋戦 |
9月10日 | ○ | 後 | 藤井猛 | 第64期順位戦 A級 3回戦 |
9月12日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第46期王位戦 タイトル戦 第6局 |
9月16日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第53期王座戦 タイトル戦 第2局 |
9月21日 | ○ | 後 | 佐藤康光 | 第46期王位戦 タイトル戦 第7局 |
10月1日 | ○ | 後 | 佐藤康光 | 第53期王座戦 タイトル戦 第3局 |
10月6日 | ○ | 後 | 鈴木大介 | 第64期順位戦 A級 4回戦 |
11月25日 | ○ | 先 | 谷川浩司 | 第64期順位戦 A級 5回戦 |
12月2日 | ○ | 先 | 井上慶太 | 第77期棋聖戦 最終予選 1回戦 |
12月11日 | ○ | 後 | 中村修 | 第55回NHK杯戦 本戦 3回戦 |
12月14日 | ○ | 後 | 郷田真隆 | 第64期順位戦 A級 6回戦 |
1月12日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第55期王将戦 タイトル戦 第1局 |
1月16日 | ○ | 先 | 久保利明 | 第64期順位戦 A級 7回戦 |
1月19日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第55期王将戦 タイトル戦 第2局 |
1月24日 | ○ | 後 | 先崎学 | 第19期竜王戦 1組 ランキング戦 1回戦 |
1月26日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第55期王将戦 タイトル戦 第3局 |
1月30日 | ○ | 先 | 村山慈明 | 第77期棋聖戦 最終予選 2回戦 |
2月1日 | ○ | 後 | 佐藤康光 | 第64期順位戦 A級 8回戦 |
2月12日 | ○ | 先 | 谷川浩司 | 第55回NHK杯戦 本戦 準々決勝 |
◎王位戦・王座戦・王将戦(全棋士参加棋戦を勝ち抜いた1名とタイトル防衛戦)
以上の5棋戦で驚異の14勝(!)を挙げています。ちなみにそのうち8勝を挙げた相手が佐藤康光ですが、当時の彼はA級に所属し、棋聖のタイトルを保持し、王位・王座・王将の3棋戦全てを勝ち抜いて羽生四冠への挑戦権を得た強豪中の強豪です。
その他の棋士たちも皆当時の一線級ばかりです。もう何が何だかわかりません。一体何なんだよ。将棋星人かよ。
次の対局は前回と同じ竜王戦決勝トーナメント2回戦!勝てば77万円!
https://www.shogi.or.jp/match/ryuuou/30/hon.html
相手は佐々木勇気五段(4組予選優勝)です。ジュネーブ生まれ埼玉育ち、ピュアで熱い好青年です。レーティングは1779で全棋士中14位。(2017/7/1)
昨年藤井四段が最年少(13歳2ヶ月)で奨励会三段となってちょっとした話題になりましたが、実はそれまでの最年少三段記録保持者(13歳8ヶ月)が彼、佐々木勇気です。
1回戦の増田四段と同じく16歳でプロデビュー。竜王戦4~6組予選は若手の登竜門であり、若手有望株はやはりデビューが早い傾向にありますね。
そうした経緯もあってか、彼自身藤井四段に対しては胸に秘めたものがあるのかもしれません。
叡王戦(藤井聡太四段vs梶浦宏孝四段)では定刻前の対局室に現れて並外れた存在感を放ち話題になりました。おそらく彼は秘めてもバレるタイプですね。(参考: http://www.nicozon.net/watch/sm31378949 )
そしてこの二人がいつ戦うのか?という話になるわけですが…なんと明日です!
https://www.shogi.or.jp/news/2017/06/72_12.html
将棋連盟ライブの他にもニコニコ生放送やAbemaTVで中継されます。日曜日なので視聴者数がすごいことになりそうですね。
いい機会なので将棋よく分からない…という方も少し覗いてみてはいかがでしょうか。おすすめ時間帯はお昼前と夕方です。昼前にはどういう戦いになるかがおおよそ定まり、昼食予想でコメント欄が賑わいます。
また夕方以降は一手一手が形勢を左右するスリルがあり、飯だけでない真剣勝負の一面を垣間見ることができるでしょう。
本当は昨日書き上げるつもりでしたが、プレミアム残業フライデーで無理でした。
藤井四段の連勝はいずれ止まります。それは明日かもしれないし、ひょっとしたらあと何ヶ月も続くかもしれません。それまでの間、将棋界の外をも巻き込んだ狂騒を楽しみたいと思います。
ちなみに私の今日の昼食はベーコンを大量に入れたペペロンチーノでした。シンプルで奥深い棒銀のような料理ですね。では。
[注1]14勝で昇段を逃した4名は全員その後のリーグで四段昇段を果たしているため、14勝できるほど強ければいずれは上がれるとも言えます。4名の中にはあの豊島将之八段も!
7月2日(日)に行われる 佐々木勇気五段 対 藤井聡太四段 の対局についてご案内します(将棋の内容には触れません)。
(映像中継)
ニコニコ → http://live.nicovideo.jp/watch/lv301153320
アベマ → https://abema.tv/channels/shogi/slots/9BWPPL1bc1x4CX
将棋プレミアム → https://www.igoshogi.net/shogipremium/live/
囲碁将棋チャンネル(CS) → http://www.igoshogi.net/shogi/special/30ryuou_sasakifujii.html
竜王戦中継サイト → http://live.shogi.or.jp/ryuou/
将棋連盟ライブ中継(アプリ) → https://www.shogi.or.jp/lp/mr201704/
竜王戦決勝トーナメント。藤井四段にとっては勝ち上がりの2局目。このトーナメントで優勝すれば、渡辺明竜王への挑戦権を得ることになります。もし竜王挑戦となれば一気に「七段」へ飛びつき昇段します。
対局料(ファイトマネー)として、勝っても負けても藤井四段は52万円(佐々木五段は57万円)もらえます。勝てば次戦の対局料77万円が確定ということに。
(賞金や対局料がこれほど詳細に公開されているのは竜王戦だけ!)
→ https://www.shogi.or.jp/match/ryuuou/30/hon.html
佐々木五段は関東所属、藤井四段は関西所属と分かれています。この場合、上位者の所属で対局が組まれるのが原則。
佐々木五段はジュネーヴ生まれの埼玉育ち(なお、金井六段はウィーン生まれの埼玉育ち)。母校である都立白鴎高校は将棋の特別募集枠があり、三枚堂達也四段も卒業生です。
昨年12月には棋王戦の挑戦者決定戦まで駒を進めた、現在22歳の若手強豪。プロ入りは16歳1ヶ月という史上六番目の若さでした。
→ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8%E5%8B%87%E6%B0%97
6月10日に行われた藤井四段 対 梶浦四段戦(叡王戦)では、対局開始の際に対局室の隅(藤井四段側)で見学していた結果、各局のニュース映像にことごとく映り込むという珍事も(開始1時間前には入室していたらしい)。ニコ生コメントでは「座敷童」「穴熊」などと呼ばれていました。
ある時、駅からスキップして会館に向かう姿を将棋連盟職員に目撃され、その話を聞いた森下九段がニコ生にゲスト出演した際にエピソードを明かすと、解説者の糸谷八段の笑いが止まらなくなったことも。
→ http://www.nicovideo.jp/watch/sm31378949
タイトル戦では和服、通常の対局ではスーツというのが一般的(まれにノーネクタイの棋士もいる)。
しかし、挑戦者決定戦やテレビ対局など、勝負時の対局に和服を着る棋士もいます(佐藤康光九段とか)。
佐々木五段もこれまでに棋王戦挑決やNHK杯などで和服を着ており、注目局であることから和服を着てくる可能性も?
上位者(佐々木五段)が駒袋を開けます。そして、「王」「玉」のうち「王」を上位者が取り、交互に駒を取りながら並べていきます。なお、加藤一二三九段は相手に目もくれずに高速で並べ終えます。
終局後に駒を片付けるのも上位者です。
振り駒で決めます。先手の方がわずかに勝率が高く、得意戦法にもよりますが、先手を好む棋士が多いようです。
駒を一度きれいに並べ終えた後、上座(佐々木五段)側から「歩」を5枚、記録係が取ります。5枚の歩を表→裏→表→裏→表というように交互に重ねて取る几帳面な記録係も中にはいます。
通常は対局者にも見えるように対局者の脇で振るのですが、前局は報道陣が多く、藤井四段の背後のスペースで振り駒をしていました。
上位者である「佐々木先生の振り歩先(ふりふせん)」となり、「歩」が多ければ佐々木五段の先手。「と」が多ければ藤井四段の先手。立った駒や重なった駒はノーカウント。そのため同数となった場合は振り直します。
午前10時の開始。タイトル戦は9時、それ以外は10時開始というのが基本。
対局開始の合図は記録係が告げます。発声は「時間になりましたので~」と「定刻になりましたので~」の2パターン。ニコ生では「帝国」とコメントが流れます。
対局者の周囲に報道陣が大勢いる映像や写真を見て、対局中ずっと報道陣が側に張り付いていると勘違いする人も稀にいるようですが、報道陣の入室が許されるのは開始5分程度です。
昼食注文は10時40分頃、夕食注文は16時40分頃。注文時に消費時間の計時は止まりません。対局中に出前メニューが渡され、その場で職員に注文し代金を支払います。注文の順番は上位者(佐々木五段)から。両者同じ物を注文するのは避ける傾向にあります。
藤井四段が持つ財布の一つはマジックテープ調で、その時ニコ生では「バリバリ」のコメントで埋め尽くされます。なお、食事代は各棋士の自腹(タイトル戦を除く)。
この日は日曜日(藤井四段に配慮して日程が組まれたようです)。ふだん対局が行われることのない日曜日ですので、ちょっと注意が必要です。
というのも、会館のある千駄ヶ谷周辺は日曜日に定休の店が多いからです。おそらく「みろく庵」への注文になるでしょう。藤井四段は注文時に長考することが多いのですが、今回は選択肢が少なくノータイムの可能性も。中華を頼もうという心づもりでいると、足をすくわれる恐れがあります。
昼食休憩は12時~12時40分。夕食休憩は18時~18時40分。
対局者が席を離れるため、「ひふみんアイ(将棋用語で、相手の盤側から局面を眺めること)」のチャンスです。過去、休憩中に藤井四段の「ひふみんアイ」が多く見られています。藤井四段は10分足らずで食事を終えて対局室に戻ることも多く、視聴者は目を離せません。
前局では、相手が着座している際に藤井四段が「ひふみんアイ」をして大きな話題となりました(真後ろではなく、斜め後ろから距離を取った上でのアイでした)。
持ち時間は各5時間です。時間を使い切ると1手60秒未満での着手。
各5時間+休憩(40分×2)=11時間20分。朝10時開始なので、両者が同じように時間を使えば21時20分頃から秒読み……となりそうですが、ちょっと違います。
というのも、計時は60秒未満切り捨てだからです。3分59秒で指せば、3分で指したのと同じ事になります。60秒未満で指せば消費時間はゼロになり、持ち時間は減りません。
時間を使い切るまで両者合わせて120手を指し、1手につき平均30秒が切り捨てられると仮定すれば、1時間は違ってきます。
また、残り10分ほどとなった際、最終盤に時間を残すため一手60秒未満での着手を繰り返していくことも多くあります。記録係が、残り10分前から「50秒~」と読むのはこのためです(読み上げの仕方は対局者が指示するので、この限りではない)。
一方、早指し棋戦は「チェスクロック(秒を切り捨てずにそのまま減らす)」の使用が普通。最近ではB級2組以下の順位戦もチェスクロック使用になりました。棋戦の持ち時間は減る傾向にあります。
前局の増田四段 対 藤井四段の終局時刻は21時24分。この時、両者の残り時間は合わせて42分でした。大熱戦であれば、秒読み将棋が続き、終局が23時を回る可能性もあります。
当日はフジテレビ「Mr.サンデー」(19時~23時09分)に加藤一二三九段が出演予定となっており、都議選速報と合わせて対局の速報もあるかと思われます。
勝者は7月8日(土)に阿久津主税八段と対局。その勝ち上がり者は7月16日(日)に久保利明王将戦。さらに、7月27日(木)に松尾歩八段戦となります。
ついにやってしまいましたね。藤井聡太四段がプロデビューから負けなしの28連勝を飾ったことで将棋界のみならず大きな話題になっています。
ここまでくるともう勝つ度にニュースとなり全国を駆け巡るので、嫌でも将棋の話題を耳にする人も多いでしょう。
ただ将棋界・将棋のプロ制度は一般的にはあまり知られていない側面も多い業界です。
そこで将棋のプロ制度を全くご存知ない人のためにFAQ形式で学んでいく増田を書きました。藤井四段のみならず将棋界がニュースになった時に一役買えたら何よりです。
A.
この疑問についてはプロへの道程から説明しなければなりません。
将棋のプロ棋士になるには日本将棋連盟の棋士養成機関・新進棋士奨励会(通称「奨励会」)に入会するのが最も一般的なルートです。
奨励会に入会すると、師匠推薦などで多少の上下はありますが基本的には6級が与えられ、他の奨励会員たちと対局して昇級・昇段を目指していきます。
ちなみに奨励会の6級はアマチュアの四段に相当すると言われています。これは地方のアマ大会であれば上位を狙える棋力です。
そうして6級~1級~初段~二段と昇級昇段を繰り返し、三段に到達した奨励会員は同じく三段の奨励会員たちを集めた「三段リーグ」という地獄、もといリーグ戦に参加します。
約半年をかけて行われるこの三段リーグの上位2名が「四段」に昇段し、晴れてプロデビューとなります。
藤井聡太くんも上記のルートを辿って最年少で三段に到達し、三段リーグ初参加で1位(13勝5敗)となって四段昇段・プロデビューを果たしました。
つまり、将棋界では四段からがプロ棋士キャリアの始まりなのです。
A.
プロ棋士の段位はレーティングのように上下しないので、確かに棋力を示すものではありますが、それと同時に積み重ねたキャリア・実績を示すものでもあるというのが私個人の見解です。
したがって、今現在勝ち星を挙げているからといってすぐ段位に反映される類のものではありません。
プロ棋士の昇段規定については連盟サイトに詳しくまとめられています。
https://www.shogi.or.jp/match/dan_provisions/
いきなりこんなん見せられてもよーわからんという方のために解説すると、昇段条件には大きく分けて2種類あります。
棋戦(大会)での成績に伴う昇段です。
「〇〇戦×組昇級」「◎◎ランキング戦2回連続昇級または3回連続優勝」「全棋士参加棋戦優勝」「タイトル挑戦」などと書いてあるものです。
デビューしたての四段でも勝ち続けてタイトルマッチに挑戦すれば五段になれますし、
将棋界最高峰タイトルの「竜王」に挑戦すれば七段、「竜王」奪取に成功すれば八段へジャンプアップすることも可能です。
これらの条件を達成すれば昇段に値するというのは、詳しくない方でもなんとなくお分かりいただけるかと思います。イメージとしては「J2だけど天皇杯で優勝したのでJ1に昇格!」みたいな感じです。違うか。
段位への評価を難しくしているのがこの勝数規定の存在ではないでしょうか。
タイトルや優勝に縁がなくとも、公式戦で勝ち星を重ねればいずれは昇段が(理論上)可能です。
これはつまり勝率が.333の四段でも200敗して100勝すれば五段になれるということでもあり、純粋な強さを示しているとは言えないでしょう。
ただ、先日の加藤一二三 九段のように成績による強制引退の制度がある以上、脚光を浴びることはなくとも安定して勝利を積み上げる棋士への評価軸として、勝数規定は一定の機能を果たしていると私は考えます。
ちなみに勝数規定のみで九段に達した棋士はゼロ、八段に達した棋士はこれまでにわずか6名しかいません。彼らは皆スターとなる機会は少なくとも、安定して長く勝ち続けてきた棋士たちです。
棋士の段位と実力は、上記2つの評価軸や勝率、現役生活の長さなどの要素をバランスよく取り入れたうえで語られるべきでしょう。
A.
「レーティング」→「棋士ランキング」と進み、現在のトップ10を見てみましょう。(2017/6/22)
順位 | 名前 | レート | 増減 |
---|---|---|---|
1 | 佐藤天彦名人 | 1883 | 2 |
2 | 羽生善治三冠(棋聖・王位・王座) | 1869 | 18 |
3 | 豊島将之八段 | 1855 | 13 |
4 | 稲葉陽八段 | 1841 | 2 |
5 | 菅井竜也七段 | 1841 | 37 |
6 | 久保利明王将 | 1834 | -4 |
7 | 渡辺明竜王・棋王 | 1832 | -27 |
8 | 永瀬拓矢六段 | 1802 | -7 |
9 | 斎藤慎太郎七段 | 1799 | 30 |
10 | 糸谷哲郎八段 | 1784 | -14 |
このランキングであればおおよそ世間的な評価と近い結果が得られるのではないかと思います。ここ数年で羽生を除く羽生世代の棋士たちが一斉に順位を下げ、若手強豪がトップ10に多く名乗りを挙げていますね。
では藤井聡太四段のレーティング増減も見てみましょう。新人四段のレーティング初期値は1500です。
年月 | 順位 | レート | 増減 |
---|---|---|---|
2017年6月 | 35 | 1692 | 62 |
2017年5月 | 49 | 1630 | 35 |
2017年4月 | 61 | 1595 | 34 |
2017年3月 | 77 | 1561 | 25 |
2017年2月 | 87 | 1536 | 27 |
2017年1月 | 97 | 1509 | 6 |
2016年12月 | 104 | 1503 | - |
わずか半年で35位へジャンプアップしています。まあ公式戦通算28勝0敗なので当然ですが。
ちなみにこのサイト、対局情報のみならずレーティングに基づく期待勝率や両者の対戦成績(2001年度以降に限る)も見られるというデータ厨垂涎のサイトとなっています。
盤面データを見ながら観戦するのも面白いのですが、このように棋士たち自身のデータを見ながら観戦するのも…こう…非常に…楽しい…です…フフ
「でもソフトには勝てないんでしょ?」とすぐ言いだす人にはこういう対人競技としての面白さがあまり理解されないのでちょっと寂しいですね…。
A.
できすぎです。(断言)
とはいえ、はてな推薦図書「ヒカルの碁」をお読みになった皆さんならお分かりの通り、碁でも将棋でも各人の棋力がどの段階で成長するかはなかなか推し量りにくいものです。
碁会所巡りや洪秀英との戦いを経て短期間に急成長を遂げた進藤ヒカルのように、三段リーグからプロデビューにかけて藤井四段の棋力が更にワンランクアップしたと考えるのもさほど不自然ではないように思います。
何より彼は奨励会時代から注目されていたので、先輩棋士からの教えを得る機会も多くあったのではないかと推測します。才能と環境がバランス良く備わった結果が今こうして表れているのではないかなと、いちファンとしては感じています。
A.
いるともいないとも断言できませんが、棋戦は基本的にトーナメント方式であり、勝てば勝つほど収入(対局料)が入ります。
また、藤井四段は新人なのでトーナメントの最下層からのスタートです。
たとえ頂点まで勝ち進むことは難しくとも、目の前の予選1回戦・2回戦をわざわざ連盟の話題作りのためにみすみす逃す棋士がいるかというと…正直ちょっと考えにくいです。特に藤井四段と当たる可能性の高い若手棋士たちなら尚更です。
私も一部の棋譜をチェックしていますが、盤石な内容ばかりではないものの藤井四段自身の強さは疑いようがありません。
それに加えて本人の勢い、対局する両者へのプレッシャー、加熱する取材、それらの要素が何かしら組み合わさってこのような記録が生まれたと考える方がより自然です。
A.
順位 | 名前 | 年齢 | 肩書(当時) | 連勝数 | 達成年 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 神谷広志 | 26 | 五段 | 28 | 1986~87 |
- | 藤井聡太 | 14 | 四段 | 28(継続中) | 2016~17 |
3 | 丸山忠久 | 24 | 五段 | 24 | 1994 |
4 | 塚田泰明 | 22 | 六段 | 22 | 1986 |
- | 羽生善治 | 21 | 棋王 | 22 | 1992 |
- | 山崎隆之 | 22 | 五段 | 22 | 2002~03 |
7 | 有吉道夫 | 49 | 九段 | 20 | 1984 |
8 | 羽生善治 | 17 | 五段 | 18 | 1987~88 |
- | 中田宏樹 | 26 | 五段 | 18 | 1991 |
- | 丸山忠久 | 28 | 八段 | 18 | 1999 |
- | 羽生善治 | 35 | 四冠(!) | 18 | 2005 |
- | 永瀬拓矢 | 18 | 四段 | 18 | 2010~11 |
上記ランカーたちの多くが四段ないし五段という低段時代に記録を達成しています。
これはどういうことかというと、まあ身も蓋もないですが「強豪との対局が少ない」です。
裏を返せば「勝てば勝つほど強豪と当たる」という当たり前な事象があり、このあたりに羽生善治三冠の連勝記録が意外と伸びていない理由があるものと思われます。
とはいえそれでも歴代トップ10に3回もランクインしてたり、そのうち2回はタイトル保持者として強豪ばかりをなぎ倒して達成していたりと、十分ヤバい棋士ではあるんですけどね。
また、デビューから間もない低段棋士は対局相手にあまり研究されていないというアドバンテージもあるでしょう。
合計12の連勝記録トップ10のうち、3つは10代、7つは20代で達成されています。
将棋は思考力を試されるゲームですが、プロとして対局を消化するのは体力勝負でもあります。タイトル戦ともなれば「一人あたりの」持ち時間は3時間~6時間にも達します。
対局の度に盤の前で何時間も考え続けて勝利をもぎ取る体力、これを10何局20何局と積み重ねるためにはやはり若さが大切なのかもしれません。
実際、棋士の力のピークは20代から30代半ばであるとしばしば言われます。この数字だけ見るとアスリートに似ていますね。
そしてランキングに戻ると有吉道夫九段の49歳20連勝が光り輝いて見えます。羽生四冠35歳18連勝はもはやチート。
当たり前のことですが、強くないとそもそも勝てません。以上です。
…というのもアレなので、連勝記録トップ10ランカーたちの通算勝率を並べてみました。(現役棋士のみ)
順位 | 名前 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | 最多連勝数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 藤井聡太四段 | 28 | 28 | 0 | 1.000 | 28(継続中) |
6 | 羽生善治三冠 | 1916 | 1370 | 544 | 0.716 | 22 |
11 | 永瀬拓矢六段 | 337 | 237 | 100 | 0.703 | 18 |
20 | 山崎隆之八段 | 855 | 558 | 297 | 0.653 | 22 |
29 | 丸山忠久九段 | 1346 | 856 | 490 | 0.636 | 24 |
54 | 中田宏樹八段 | 1216 | 722 | 494 | 0.594 | 18 |
88 | 塚田泰明九段 | 1320 | 721 | 599 | 0.546 | 22 |
139 | 神谷広志八段 | 1164 | 557 | 607 | 0.479 | 28 |
プロ将棋では通算勝率が6割あれば実力者とみなされることが多いです。この辺は通算対局数や個々人の主観によっても変わってきますが。
ちなみに対局数1000以上の棋士で7割勝ってるのは羽生善治三冠ただ一人です。恐ろしい恐ろしい。
こうして見ると連勝記録ランカーたちは通算勝率もおおむね5割後半~7割をキープしており、また神谷八段と藤井四段を除く全員にタイトル挑戦ないしタイトル獲得経験があります。
したがって、勝率の高い、強い棋士が連勝記録を出しやすいと言えるでしょう。まあそりゃあそうよね。
【低段】【若い】【強い】
藤井四段はこの3つを兼ね備えているので、デビューから負けなし28連勝も当然の結果ですね!!(藤井連勝ストップ予想を書いた紙を破り捨てながら)
A.
どうでもよくないです。これはとても大切なことです。もちろん彼が出前を注文した店に殺到するような行為は厳として慎まなければなりません。
しかし将棋ファンにとって「棋士の食事」は一大コンテンツでもあります。メインコンテンツとまで言うとさすがに過言です。
古来から将棋の棋士たちは盤面のみならず食事面でもしのぎを削ってきました。その元祖と言えるのはかの加藤一二三 九段でしょう。
対局の度にうな重を平らげ、板チョコをまとめてボリボリ。近年もカキフライ定食とチキンカツ定食のダブル注文で中継を沸かせ、故米長邦雄との"みかん対決"は今なお語り継がれています。
上の連勝数ランキングに登場した丸山忠久九段も大食漢で知られています。一部のタイトル戦では1局に2日をかけて戦うのですが、緊迫感が最高潮に達する2日目の夕食にステーキを注文した鉄の胃を持つ男。
竜王戦の昼食ではカツカレーと味噌ラーメンのダブル注文を決めて健啖丸山を高らかに宣言し、三浦弘行九段の騒動で揺れる将棋界に一時の安寧をもたらしました。
(一方、その裏では解説の加藤一二三 九段が麻婆豆腐+かに玉+中華粥を注文していた)
かの羽生善治もタイトル戦で「寿司とジンジャーエール」という新手を残しています。一見奇抜な組み合わせだが、ガリの生姜成分をジンジャーエールで補強しようという意欲的かつ独創的な指し回しだと話題になりました。
ちなみに、将棋の棋士は比較的しっかり食べる一方で、碁の棋士は少食派が多いのだとか。そういえば塔矢アキラも対局日は昼食をとらないキャラクターでしたね。
この辺はいずれどなたかにしっかりとしたデータを取っていただきたいものです。データ厨なので。
A.
やべーやつです。
増田康宏四段(19歳)。26歳以下・六段以下のプロ棋士や三段リーグ上位者などが参加する「新人王戦」を昨年10代で優勝している期待の若手です。
プロデビューは16歳。彼も三段リーグ在籍時に藤井四段と同じ「現役中学生棋士」となるチャンスがありましたが、上位直接対決での黒星が響いて失敗。中学生棋士と中学生棋士になりかけた男の対決です。
増田四段のELOレーティングは1712。藤井四段の期待勝率は47%ですがこの数字は現状あまり当てにはなりませんね。
先月単独インタビューが公開され、「矢倉(戦法)は終わりました」「("興味のある戦法は?")ないです」「("好きな将棋の格言は?")特にないです」「(研究会は)行くのが面倒」「詰将棋、意味ないです」
https://book.mynavi.jp/shogi/detail/id=73003
彼はAbemaTVの企画で非公式戦ながら藤井四段に敗れ、「初めて年下に平手で負けた」と悔しさを露にしているため、次戦を増田四段のリベンジマッチとして観戦するのも面白いでしょう。
A.
藤井vs増田の戦いが行われるのは将棋界で「名人」と並ぶ最高峰タイトル「竜王」への挑戦権を争う竜王戦決勝トーナメントです。
https://www.shogi.or.jp/match/ryuuou/30/hon.html
上から1組~6組のクラス別予選を勝ち抜いた棋士たちによる変則トーナメントで、藤井四段は一番下の6組予選で優勝、増田四段は5組予選で優勝しての参加です。
ちなみに竜王戦決勝Tは対局料が公開されています。トーナメント表に書いてある数字がそれです。
藤井四段は6組予選優勝で既に93万円を獲得しており、
勝ち進んで挑戦者決定戦に進めば450万円。
挑戦者になればたとえ敗れても1,620万円、
「竜王」のタイトルを奪取すれば4,320万円です。(将棋界最高額)
もう一つ言うと、竜王戦6組予選はアマチュアにも門戸が開かれています。夢がありますね。(なお、プロ並みに強いアマチュアに限る)
さて、天才たちのことばかり書き連ねていたら疲れました。
平日も残すところあと一日。われわれ凡人は今日も地に足をつけて、やっていきましょう。
自国開催を4年後に控えたワールドカップ。サッカーファンが聞けば、1998年フランス大会を思い出すでしょう。なんかラグビーのワールドカップやってるっぽいな。ちょっと気になる。そんなあなたにラグビーに関するトリビアをいくつか。
・日本がワールドカップ初勝利をあげたのは1991年の第2回大会。相手はジンバブエ。フランス大会でジャマイカに負けたサッカー代表と異なり、きっちり勝利したのは偉い。ただし、ジンバブエはアパルトヘイトにより国際試合を禁止されていた南アフリカに代わってアフリカ代表として出場しただけの弱小国であり、サッカーのジャマイカ代表より遥かに弱かった。
・日本のワールドカップ2勝目が先日の南アフリカ戦。サッカーに例えるならグループリーグにおけるブラジルやドイツへの勝利に相当する。ただし、ラグビーの場合は自国リーグに所属する外国籍選手も登録できるので、Jリーグに所属する外国籍選手を5~6人起用した日本代表をイメージするのがより正確。
・かつて日本のラグビーは今より遥かに人気があった。早明戦では国立競技場が満杯になり、チケットを入手するのも困難だったほど。大学ラグビーの人気選手が次々と日本代表となり、強化を進めて世界の強豪国に近づこう、そんな空気感があった。それを打ち砕いたのは、1995年の第3回ワールドカップにおけるニュージーランドとの一戦。日本は次々にトライを決められ、17-145で敗れた。サッカーに例えると、1-9で大敗したようなもの。この一戦以降、日本のラグビーは急速に注目を失っていった。ドーハの悲劇で日本中の注目を集め、Jリーグブームに沸くサッカーとの人気差はどんどん開いていく。
・ラグビーワールドカップは5チームがグループリーグを戦い、上位2チームが決勝トーナメントに進出する。4チームで上位2席を争うサッカーよりトーナメント進出へのハードルは高い。
・ラグビーとサッカーは元々同じ競技のようなものが分化したと言われている。よって、発祥は共に英国。サッカーと同じく英国は地域毎の代表が認められている。イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド。サッカーと違って北アイルランド代表はない。ラグビーのアイルランド代表は国境を越え、アイルランド島としての代表を構成している。胸熱。また、サッカーと異なり英国の各代表はみんな強い。
・ラグビーの統括団体に加盟している国・地域数は約100であり、サッカーの約半数。
・強豪国は、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの南半球旧英国植民地と、英国4協会、並びにフランス。アルゼンチンやオセアニアの島々も結構強い。
・英国では上流階級のスポーツとされ、下層階級が楽しむサッカーと区別されてきた歴史がある。そのため、ラグビーを生活の糧とするのを拒むアマチュアリズムの影響が大きく、サッカーのようにプロ化するのはかなり遅れた。よって、プロ選手の年棒もサッカーに比べるとかなり低い。
・ラグビー選手は紳士たれと教え込まれる。そのため、試合中にサッカーのように審判に対して抗議するシーンを見ることはない。私はラグビー部に入部したての頃、練習試合の判定にカッときて審判に抗議した途端、先輩達や顧問の先生に滅茶苦茶怒られた。
・得点方法は敵陣までボールを運んで地面にボールをつけるトライ(5点)が基本。トライ後にはトライした位置後方からのゴールキックが与えられ、成功(H型のバーを越え)すると2点。相手が反則を犯した位置からのペナルティゴールを決めると3点。これらが主たる得点方法だが、サッカー好きならドロップゴールにも注目してほしい。フィールド内どこからでも、ボールをワンバウンドさせてキックし、H型のバーを越えると3点入る。ボールが楕円形なうえ、失敗すると相手ボールになってしまうので、相手のプレッシャーがかかる場面で成功させることは非常に難しいが、実力が伯仲しているとドロップゴールが勝敗を分けることもある。
・そのドロップゴールの名手といえば、2003年のワールドカップでイングランドを初優勝に導いた、ジョニー・ウィルキンソン。あのベッカムと並ぶ国民的大スターだった。
・フランスにも、好きなスポーツ選手アンケートで1位になるようなセバスチャン・シャバルという国民的スター選手がいた。
・歴史上、もっともセンセーショナルであった選手はニュージーランドのジョナ・ロムーを置いて他にいない。196cm、119kgの巨体ながら100mを10秒5で駆け抜ける彼にトップスピードでボールを持たれたら成す術はなかった。
現在、イングランドで第8回大会が行われているわけですが、いよいよ4年後には日本で大会が開催されます。
日本代表の戦いも注目ですが、世界の強豪国同士の本気のぶつかり合いを生で見られるチャンスはこの機会しかないので、できるだけたくさん観戦に行きたいと考えています。
ギャン泣きである。AFCの決勝トーナメント進出が嬉しいからではない。いや、そりゃーめでたい。めでたいけど、何はなくとも今日は香川のゴールに感動したのである。見てますかクロップ、シンジはやりました。
私がサッカーに興味を持ったのは2010年南アWCからで、今の主力選手たちがいわゆるルーキーたちのころだった。内田さんは顔だけアイドル枠でSONYのCMもあいまって「見せてくれ内田()」とか言われて笑われてたし、ちょうど長友が活躍し始めて「なんだアイツ!?」って言われ始めた頃だったし、っていうかそもそも川口とかいたし。川口って私が小学生でJリーグ発祥したころから代表にいた気がするけどあいつは何者なんだ。そんでもってその頃、香川さんはまだ代表ではなかった。
ただ、この2010年は香川さんが輝き出した年でもあった。ドルトムントへの移籍がこの年だったんだもの。
2010-2012は、ドルトムントにとっても香川さんにとっても黄金期。でも私、この当時は香川さんに興味なかった。いやドルトムントは応援してたんだけど、香川さん個人にはあんまり興味がなかったのだ。そもそもドルトムントを応援してたのだって、一緒にサッカー見る友達がシャルカーだから「じゃあ私はドルトムントにしよう~」みたいなノリだったし。その後大好きになったけど。
そんな流れもあって、まあ香川真司というプレイヤーにはあんまし興味を持っていなかった。ハマって二年目ぐらいまでは、まずサッカーの流れを把握することで精一杯だったし。最初はサッカーって何人でやるのかも知らないままワールドカップ見てたレベルだったからね。
ようやくなんとなくサッカーの流れを理解して、選手ひとりひとりに想いを馳せるレベルになったころには香川さんはドルトムントの人ではなくなっていた。そう、2013年マンチェスター・ユナイテッドへの移籍である。香川真司個人へのスポンサーになりたかったのに、大人の事情でKAGOMEさんがマンチェスター・ユナイテッドのスポンサーを務めることになってしまった悲しい事件が起こった年でもある。まあKAGOMEもマンUもイメージカラーが赤だからいいだろ。
好きなチーム・ドルトムントでえらく活躍してくれてたはずの香川さんは、マンUに行ってえらく泥沼にはまっていった。バイエルンキラーと呼ばれたあの天才はどこへやら、なんかよくわからん使い方をされてよくわからんダメ出しをされてよくわからんまま公園でひたすらクロスの練習をする毎日である。来る日も来る日もクロスクロスクロス。「シンジは他のことがうまいんだからクロスはしょうがないよぉ」とか言ってくれてたクロップとはさよならしてしまったので、ひたすらモイーズの言うこと聞いてクロスの特訓である。おいおい話が違う、俺を中心にしたチームを作るから来てくれってジイさんが言ってたから渡英したんだぜ?と裁判起こしてもいいだろってぐらい冷遇される。かつてかわいがった選手があんまりにもあんまりな扱いを受けてるからって、別リーグのクロップがわざわざ「シンジは本当は出来る子だもん><」とか涙ながらにコメント出したレベルである。
超のつくビッグクラブでボロッボロにされる香川さんは、まあ当然代表でもいいパフォーマンスはできない。もうあれイップスだろやめてやれよ、ていうかあからさまにadidasの都合で背番号10を背負わせるのやめてやれ、その番号は本田に背負わせてやれ!明らかに本田のほうが10番の仕事をしている!確実に香川のプレッシャーになってるもん10番! というファンの心もむなしく、香川さんはもう自分探しの旅に出たほうがいいだろって状態のままマンUと日本代表10番を往復。見ているこっちの胃が痛くなる一年半だった。ブラジルワールドカップについてはもう触れてはいけない黒歴史だ。
さて驚きの2014年、ボロボロになって先も見えない自分も見えないサッカーボールも見えない状態の香川さんは古巣・ドルトムントに帰ることになる。ドルトムントはもう大喜びである。号外新聞とか出しちゃう。王の帰還だの放蕩息子の帰宅だの、ロードオブザリングなんだか単なるdisなんだかわからん歓迎ぶりで、香川さんもささくれどころかゴビ砂漠ぐらい荒れ果てた心をちょっと癒しつつ帰独。
ただ、あったかいおうちに帰ってきたからそのままいいプレーに繋がるぜ~なんて甘い話があるわけもなく。「ええ~シンジ帰ってくるならもうシンジを中心にしたチーム作るよ!俺は赤い悪魔とは違うよ!」という浮かれポンチなコメントを実現させたユルゲン・クロップを持ってしても香川さんの「自分ってなんだっけ病」は治らないままだった。っていうか環境もよくなかった。自分たちのサッカー教の教祖である本田さんとその筆頭信者・長友さんが近すぎた。物理的に。マイブラザーとか呼んでる場合ではない。今の香川さんに必要なのは小笠原病(鹿島)である。
自分が何者かもわからないまま自分のサッカーを探しているせいで香川さんはボロボロ、ついでに香川さんのせいではないけどドルトムントもボロボロ、日本代表だってボロボロ、どこを見てもボロボロ。王の帰還とか持て囃してくれたドイツの新聞は「コイツいるとチームの空気が悪くなるわ」とかdisってくる。空気読まないことに定評のある内田篤人から「救ってやりたい奴がいる」とか言われちゃう。槙野からはもんじゃ焼きの約束すっぽかされて待ちぼうけ喰らわされちゃう。
そんなぼろぼろな香川さんが、ちょっと気分転換でもしといでよ~とばかりに送り出されたAFC。狙い的には、下位相手に無双して自信を取り戻してもらおうという目論見があった人も多いんじゃなかろうか。
ところが幕を開けてみると、なんでか香川さんは初戦で2アシストとかしちゃってる。結果的には3得点に絡んじゃったりしてる。続くイラク戦でも、めっちゃ頑張ってるのはすっごい伝わってくるけどアシストが多いのである。エースアシストかってぐらいアシストしてる。
違うんや…アシストは大事だ、大事だけど私はお前にゴールを決めて欲しいんや…!と祈り続けて9日め、ついにその日はやってきた。そう、ゴールだ。後半に入ってきた武藤から繋がって、香川真司AFC初ゴール。アギーレジャパンでの初得点。川島はゴール捨ててまで疾走してきて香川を祝う。お前はゴールを守れ。
下位相手に1ゴール決めただけだろ、って意見もあるだろう。つーかもっと決めろよって思われてると思う。ゴールは決めたけど内容あんまよくなかったね、って意見だってたくさんある。
でも、はからずもマンチェスター・ユナイテッド移籍という泥沼時期から香川真司を見守り続ける形になってしまった私にとって、このゴールは本当に本当に眩しいものだったのだ。「よかった、よかったネェ…!!!」という一言以外に言葉が出ないわけですよ。
ゴールした瞬間に私の脳裏をよぎったのは、内田さんの「救ってやりたい奴がいる」っていう一言だったし、「シンジは何も損なわれてない」と香川さんを信じ続けてるクロップの言葉だった。すっ飛んできた清武の姿でもう涙腺は崩壊。えらいこっちゃ。試合が終わったわけでもないのに大号泣。
次にあたるUAEとは中二日の調整になるので大変だと思うけど、今日の感覚を忘れないうちにまたゴールを決めてほしいわけです。日本代表を応援してるのはもちろん、自分がこんなに香川真司を応援しているだなんて夢にも思わなかった。びっくりしたわ。彼のサッカー人生で一番輝かしかった時代と、一番どん底だった時代を両方見てしまったので思い入れがとんでもないことになっている。どうか彼が自分探しの旅を終えて、サッカーを楽しめる道へ帰ってきてくれますように。
AUTOMATON に書いた記事を改竄されたので、訂正を求めたら安田伸毅氏に逆ギレされた話 - iPASTIST の格ゲー観戦記 - Japanese Monsters
この記事を読んで、もし本当だとしたらヒドいことだと思った。そして「ゲーマーじゃないと話がさっぱりわからない」というブコメがあったたので、ひきこもり格ゲーマーのオレが、ゲームに関する部分について勝手に解説することにした。AUTOMATON内のいざこざに関しては部外者なのでわからん。
まず最初に出てくる「フルスケジュールの改造スティック」について説明する。
アメリカで開催された対戦格闘ゲーム「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3(UMVC3)」 の大会に出場した「フルスケジュール(Full Schedule)」という選手が、改造したアーケードスティック(レバー型のコントローラー。家庭用機を使用した格闘ゲームの大会では参加者が自分のスティックを持ち込む事が通例となっている)を使用してトーナメントを勝ち抜いていた。しかし他の選手からの抗議を受けた運営側によって、決勝トーナメントでのその改造スティックの使用が禁止されてしまった、という問題が、アメリカの格闘ゲームコミュニティーで物議をかもした(iPASTIST氏の記事中にある「FGC」という単語は、ファイティングゲームコミュニティー、つまり格闘ゲームコミュニティーのことを指していると思われる)。
Final Round フルスケジュールのスティックをふりかえる - iPASTIST の格ゲー観戦記 - Japanese Monsters
どんな改造だったかというと、既存のボタンに加えて、「レバーのナナメ右上」「レバーのナナメ左上」に相当するボタンを追加する、というもの。
実はこの改造は、その大会の前まではレギュレーション違反とは見なされていなかった。違反とされているような、連射機能を仕込んだり、ボタンを押すだけで特定の入力が行われるような回路を組み込んだりといった公平性を著しく欠く改造と比べると、対戦への影響がそれほど大きくないという判断であろうか。実際、フルスケジュール選手は通常のアケステを使用しても普通に強かったらしい。
なのでこの問題は、ルール違反のスティックを使う悪いやつがいた、というような話では決して無く、議論の的は「大会はどこまでアーケードスティックの改造を認めるべきか」とか「大会中に選手の抗議でレギュレーションを変えることは許されるのか」といった部分に集中していたのである。
で、その問題について紹介するコラムを、冒頭に張ったリンク先の記事の筆者であるiPASTIST氏が、AUTOMATONというサイトに寄稿していたらしい。その記事は自分も読んだ記憶があるが、既に削除されているようで探しても見つからなかった。
そしてその記事に、AUTOMATONの編集者である安田伸毅氏によって、以下の記述が無断で加筆されていたらしい。
だが、たとえば実際にあがった「HORIのスティックが許されるなら、EvoはFull Scheduleのスティックも認めるべきだ」とする意見に対し冷静に・論理的に反駁し説き伏せるのはそれほど容易ではない。
ここでいう「HORIのスティック」というのは、ゲーム周辺機器メーカー「ホリ」が販売しているアーケードスティック「ファイティングエッジ」のことを指していると思われる。
ファイティングエッジには、スティック側の設定で各ボタンの機能を変更できる「ボタンアサイン機能」が搭載されている。おそらく加筆をした人は「ファイティングエッジがアリならフルスケジュールのアケステもアリじゃね?」という主張を取り上げたくてこのようなことを書いたのだと思われる。
しかしiPASTIST氏は、この記事以前にその主張に対する反対意見として「ファイティングエッジのボタンアサイン機能と、ゲームソフト側の設定でも不可能な同時入力を追加したフルスケジュールのアケステは全然別物である」という旨のツイートをしている(ナナメ上入力というのは、要するに上と右、もしくは上と左の同時入力と等しい)。つまりこれが、iPASTIST氏の意向を無視した加筆が行われたという証拠となっているのである。記事、無いけど。
次に「クリスGとロビン・ウィリアムズの記事」について。
ゲーマーであったことでも知られていた俳優のロビン・ウィリアムズの自殺に関して、UMVC3の強豪プレイヤーであるアメリカの格闘ゲーマー「クリスG(Chris G)」が暴言を吐いたことが、これまたアメリカの格闘ゲームコミュニティーの間で話題となった。
この件についてもiPASTIST氏がAUTOMATONにコラムを寄稿したそうで、この記事も既に削除されているが、くだんの編集者である安田伸毅氏のアカウント(であってるよね?)によるTwitterへの投稿が残っている。ご丁寧にも、iPASTIST氏が無断加筆であるとした箇所を引用した形で。
対戦格闘ゲーム「北斗の拳」における最強キャラ「トキ」のセリフ。このセリフがネタとして人口に膾炙することとなった経緯は、ニコニコ大百科を見ればわかると思う。
命は投げ捨てるものとは (イノチハナゲステルモノとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
よーするに、ニコニコあたりで人気のAC北斗の拳のネタを入れておけばウケるに違いない、という、故人を扱う記事においては少々安直過ぎる意図で加筆が行われたのだろう。
さらに、iPASTIST氏に対して安田氏が「(アーケードスティックの)レバーにはスイッチが8つのものが存在しているのではないか?」と聞いたそうであるが、ムチャクチャな話である。
アーケードスティックの左側についているレバーは、シャフトの周りを4つのマイクロスイッチで囲むことで、4方向への入力を認識している。そして斜め方向への入力は、2つのスイッチがONになることで認識される。一度でもアーケードスティックを分解したことがある人なら誰でも知っていることだ。
少なくとも、現在国内・海外問わず多くのアケステで使用されている「三和電子」製のレバーに関して言えば、全てのラインナップにおいて4つのマイクロスイッチを使用している。というか、古今東西どこを探しても、8つのスイッチを使ったレバーは存在しないはずだ。純粋にメリットが無いから。そして存在しないものが存在しないことを立証しろ、と言うのは、もう、あの、アレだよ。悪魔の証明。
僕自身、AUTOMATONの記事は(筆者によっては)面白く読んでいたので、もし無断加筆が真実だとしたら、非常に残念だ。iPASTIST氏の記事を読んだときは「格闘ゲームについてこんなシリアスな記事が書けるんだ!」と少々興奮したものである。
冷静になって考えてみれば、こーいう業界のことはよく知らないけれど、編集者とライターとの間でのこの程度の行き違いは、よくあることなのかもしれない。でも、やっぱり残念なものは残念である。ゲーム界の発展のためにも、ライターに対してキチンと敬意が払われるような業界であって欲しいと思う。あ、あとUMVC3はスゴく面白いゲームなのでみんなもプレイしてね!(ダイレクトマーケティング)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11251769.html
ワールドカップはおろか、サッカーに関する記事のなかでこれほどまでに無知蒙昧、盲目、的外れのくせに上から目線な記事は初めて読んだ。
全文を読む為には登録しなきゃいけないところをみると炎上商法か?
以下、興味ある方向けに全文をコピペします。こんなクソ記事読むために登録なんて誰がするか、誰がさせるかクソ朝日。
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サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会が終了した。熱戦続きだったが、「なぜ、開催国ブラジルはドイツに7点も奪われたのか」「なぜ、日本代表はまったく精彩を欠いていたのか」など、さまざまな謎も残った。映画評論と共に、斬新な視点からのスポーツ評論でも知られる蓮實重彦さんに、謎解きをお願いした。
――今回のW杯、特に決勝トーナメントに入ってからは、一部の試合を除き、なかなか点の入らない展開が目立ちました。素人が見てもワクワクするような試合をもっとやって欲しかった、という思いもあります。
「国民や国の期待を背負うと、どれほどスポーツがスポーツ以外のものに変化していくか。それを見せつけられた何とも陰惨なW杯でした。サッカーとは本来『ゲーム』であり、運動することの爽快感や驚きが原点のはずですが、W杯は命懸けの『真剣勝負』に見えてしまう。お互いもう少しリラックスしなければ、やっている選手もおもしろいはずがないし、見ている側も楽しめない」
「『ゲーム』ではなくなるからです。ましてや負けないための真剣勝負など、見ていて興奮するはずもない。前回2010年の南アフリカW杯で、日本代表の岡田武史監督は大会直前、徹底的に防御を重視した『負けないサッカー』へと泥縄的に方針転換しました。確かにそれで1次リーグは突破できましたが、『1点でも奪おう』というサッカー本来の精神からは、ほど遠いコンセプトだった。今回3位になったオランダ代表は、まあ前線にファンペルシーやロッベンがいるからでしょうが、5バックというさらに防御重視の戦術で、まるで『岡田ジャパンのなれの果て』のようにさえ見えました」
「勝ち上がるのを最優先すれば、どうしても『岡田化』が進む。今後はさらに防御重視の傾向が強まるでしょう。しかし、サッカーはどちらかが防御に徹すると、ゲーム自体が成立しなくなる。日本―ギリシャ戦はその典型です。運動の快さを放棄してまで、国が期待する勝利にこだわる。そんな『スポーツの死』には付き合いたくない。W杯はそろそろ限界だ、とつくづく思いました」
「国を背負うとどこか血生臭さも出てきます。その一例が、コロンビアの選手がブラジルのネイマールの背中にひざを入れ、骨折させた場面です。故意かどうかという問題ではなく、国のために死にものぐるいでプレーすると、ああいうことが起きてしまう。他にもずいぶん負傷して血を流している選手がいました。観客の皆さんは、あの血生臭さにもう慣れてしまったのでしょうが」
「ザッケローニ監督は、日本のサッカーのためにある程度までうまくやったと思います。岡田監督とは違い、前々代表監督のイビチャ・オシムが作った流れを壊さなかった。私はオシムが率いていた時代のジェフ市原(現・千葉)の、攻守にわたり選手たちがダイナミックに動くプレーを見て、日本でもサッカーが見られるんだという喜びを感じました。ザッケローニにも『みんなが走り、気持ちよくサッカーをしないと意味がない』という姿勢があった」
「問題はそれを十分に実現できなかった選手の方です。私は前回の日本代表について、岡田監督の急な戦術変更にもかかわらず、選手たちの『運動する知性』が想像以上に高かった、と評しました。選手たちが無言のうちに素晴らしい連係を達成したり、味方をも欺くようなはっとさせる動きを発想したりする知性のことです。前回は、松井大輔からそういうトリッキーな動き方を感じたのですが、今回はみんながまじめすぎた。少なくとも大久保は、もっと不まじめでもよかったのではないか。市原でオシムに鍛えられた前代表・阿部勇樹のように、『失点のリスクをつぶす責任はオレが負うから、君たちは好きにやれ』という人もいなかった。知的な面では退化していた、と言わざるを得ない。それでも、岡田サッカーで勝つよりも、ああいう負け方の方が日本の未来にはよいことだと思います」
――本田の「目標は優勝」という言葉とは、かけ離れた結果でした。
「本田の発言の真意は分かりませんが、多分『そうでも言わなければやってられない』という思いがあったのではないか。『オレたちはどこまで伸びられるのか』ということを意識的に試そうとしている選手が、彼以外にはあまり見あたらなかった。そんな仲間たちを鼓舞しなくてはいけない、と思ったのでしょう。ただ、本田自身も、勝利へのこだわりが動きの柔軟さを奪っていたような気がします。それでも1点を取り、1点をアシストした。彼が日本代表の最低限の名誉を守りました」
――誰もが国を背負い、勝利にこだわりすぎたW杯だった、と。
「サッカーの魅力は『うそのように思いがけないことが、ピッチで起こる瞬間を目撃すること』ですが、今回それを味わわせてくれたのは、オランダ―スペイン戦におけるファンペルシーのヘディングシュートだけでした。決勝戦でのドイツ・ゲッツェのシュートは確かにみごとでしたが、ああいう場面で輝くのは真のスターでなくてはならず、まだスター予備軍のゲッツェが決めても、私たちを驚かせることはできません」
「1カ月も大会を続けていれば、その間に必ず愉快でおちゃめな選手が出てくるものですが、今回はそれも不在でした。唯一、相手選手にかみついたウルグアイのスアレスには一種のかわいげを感じましたが、おちゃめと言えるかどうか。02年の日韓W杯で、ブラジルのロナウドが前髪だけ三角形にそり残した奇抜な髪形でプレーし、優勝トロフィーをさらってしまった。そういう『変な人がおちゃめをしながら勝つ』という楽しさもなく、みんなが必要以上に本気になってしまった」
「一方で『見たことを一刻も早く忘れたい』という瞬間が多すぎました。世界最高GKの1人、スペインのカシリャスはオランダ戦で5失点した。彼があんなによれよれで崩れてしまう、という場面は決して見たくなかった。ポルトガルの対ドイツ戦での惨敗にも目を背けたくなりましたが、極め付きはやはり準決勝のドイツ―ブラジル戦です」
――ブラジルが7失点。目を疑いました。
「あれはもうサッカーではない。ドイツが7点も取ってしまったことは、果たして成功なのか。もちろん、勝利したという点では成功なのですが、『サッカーをサッカーではないものにしてしまった』という点においては、醜い失敗だったとしか思えません。誰かがドイツ代表の精神分析をやらなくてはいけない。どこまで点が取れるのか、面白いからやってみよう、というぐらいの気持ちになっていたと思うのですが、どう見ても7点も取ってはいけない。何かが壊れるし、人の道から外れているとしか思えない」
「サッカーから運動の喜びを奪うW杯という枠組みが、選手たちの精神とゲームそのものを、いかに異様なものにしてしまっているか。それを象徴する試合でした。サッカーは死んだ、と思いました。前回のW杯でも、国を背負うことの問題は至る所に現れていましたが、それでも決勝、準決勝は緊張感のあるいい試合でした。それが今回のW杯では、なくなった。次回のW杯まで私が生きているかどうか分かりませんが、確実なのは『もう、徹夜をしてまでは絶対に見ない』ということです」
■ ■
「実は今回のW杯では、二十数年ぶりに心から応援するチームがありました。ボスニア・ヘルツェゴビナ代表です。1914年に同国の首都サラエボで起きたオーストリア皇太子暗殺事件が、第1次世界大戦の引き金になった。それから100年。20年近く前まで殺し合っていた三つの民族が、オシムの尽力で一つのチームを作り、W杯に参加した。これはもう、応援するしかない」
「最初の対アルゼンチン戦で、敗れはしましたが、イビシェビッチがチーム初得点を決めた時には、わがことのように泣きましたね。最後のイラン戦で初勝利した時にはまさに『オシム流サッカー』という感じの躍動感にあふれた闘いぶりで、その華々しさにまたも涙しました。この年になって真夜中に何をやっているんだろう、とも思いましたが」
――蓮實さんは、スポーツの世界に、スポーツ外の浪花節的な物語を持ち込むことを嫌っていたのではなかったですか。
「いや、これは私個人ではなく、人類の問題なのです。サラエボ事件100年ですよ! そこから来ている代表が民族対立を乗り越え、W杯で初勝利した。その奇跡を、日本と関係の深いオシムが実現させたことを、心から祝福するべきなのです。そしてボスニア・ヘルツェゴビナがオシム流のサッカーをさらに継承し、将来のW杯で魅力あふれる運動感をピッチに行き渡らせる。これは私のロマンチックな願望です。そうなれば、W杯をまた熱心に見ることになるかもしれませんね」
(聞き手・太田啓之、金重秀幸)
*
はすみしげひこ 1936年生まれ。東京大教授、教養学部長、総長を歴任。著書「『ボヴァリー夫人』論」「表層批評宣言」「スポーツ批評宣言」など多数。
日本は最低でもコロンビアに勝たないと決勝トーナメント無理です!って言ってて、蓋を開けてみれば4-1でボコボコ。
こんな中ファンは「ザックの采配が」「誰々が良くなかった」「戦術が」とか言ってて相当お目鯛なと思った。
ちょっと前にFIFAランキングはアジア勢が低くなりやすいからくりがある、って記事が出てたけど、全然妥当。
草野球チームがプロ野球選手と試合して「いや監督悪いでしょ」「戦術が…」とか反省会するか?
そもそも実力不足なわけだし、まず選手のレベルを追いつけないと全然だめじゃん。
「コートジボアールはなかなかの強敵です」いやいやいや格下が格上に強敵ですってなんだよwww
「コロンビアに2点差以上で勝たなければ…」いやいやいやwww引き分けで万々歳じゃないすかwww
本気で優勝狙いに行きますとかwwww腹いてぇwwww