はてなキーワード: ジョニー・ウィルキンソンとは
W杯開幕の2日目、9月10日のチリ戦で日本代表は初戦を飾り、混戦が予想されるプールDの暫定トップに立った。
4年ぶりのW杯、みんなは楽しめただろうか。
おはようございます、こんにちは、こんばんは、レビュー増田です。
9月18日、日本時間午前4:00、日本はイングランドと対戦する。
今回のW杯はフランス開催で時差もあり、試合を追いきれないので、 試合前の予測などを書くか迷ったが、日本代表の初戦に先立って行われた イングランド vs アルゼンチン戦が、観るものをして慄然とせしむる内容であったのと同時に興味深いものでもあり、この相手に日本代表がどう戦うか、思案が止まらなくなってしまった。
素人考えではあるけれども、試合の予測というのはそれ自体楽しい。
みんなとも一緒に、大一番前の井戸端会議を楽しみたい。
件の試合だが、前評判の高いアルゼンチンに対して、不調を囁かれるイングランドは、チームを引っ張る欧州最優秀選手オーウェン・ファレルを出場停止で欠いた上、試合開始3分でFLトム・カリーがレッドカードを受け、14人での戦いを強いられる。
ファレルに代わって出場したSOジョージ・フォードが前半だけで3本のドロップゴールで一気にアルゼンチンを突き放し、その後も正確なキックを重ねて完全に試合に鍵をかけてしまった。
未明に披露されたキックの芸術は試合を追っていたファンに衝撃を与え、X(旧Twitter)では「ドロップゴール」がトレンド入り。
ひらがなの名前の女子(?)アカウントまで、ピッタリとしたワンピースから覗く胸の谷間を強調した写真とともに
ぷろふ見てね☆
ドロップゴール
#〇〇凸待ち
などというというポストを投稿するなど、予測できない方向に「ドロップゴール」が飛んでいく事態となった。
さて、前評判の低さも人数のビハインドも跳ね返し、強豪の底力を見せたイングランドに日本代表はどう戦っていくのだろう。
大いに話題となったョージ・フォードのドロップゴールだが、イングランドがこういったキックを披露するのは初めてではない。
2003年、オーストラリア大会において、当時のSOジョニー・ウィルキンソンが強力FWの後ろから幾本ものドロップゴールを決め、ウェブ・エリスカップを初めて北半球にもたらした。
直接蹴りこめばいいのなら、ボールを持ち込むより簡単じゃないか、と言いたくなるドロップゴールだが、実際はそう簡単ではない。
前に落としてショートバウンドさせたボールを真っ直ぐ蹴るのはそれだけでも難しく、ゴール正面からの線上でないと入らない。
その上、オンプレー中に蹴るので、相手DFは必死に詰めてくる。
SOがプレッシャーを受けないために十分な距離が必要で、そのためにはFWが壁を形成し、SHは正確で速く長距離のパスをほとんど真後ろに投げなくてはいけない。
試合後、ジョージ・フォードが「ドロップゴールは常にプランにある」とインタビューに答えていたのは驚きだ。
それだけでなく、正確なキックの全てが恐ろしい。
オンプレー中であれ、ペナルティであれ、ゴールから中央の線上で放たれるイングランドのキックは大きなプレッシャーになるだろう。
イングランドからすれば、中央で日本陣内の10mまで持ち込めばそれだけで日本に圧力を与えられる。
オンプレー中に蹴るだけでなく、キックで得点できる状況に持ち込めばいいので、戦術としては南アフリカよろしく接点の後ろからハイパントをあげ、FWをぶつけて落球をさそい、引き摺り込んだスクラムからペナルティをとってキックで得点、という方法が考えられる。
実際、日本のアタッキングコーチ、トニー・ブラウンも「イングランドはキックを使ってくる」とコメントしている。
多くの解説者も同様だ。
ハイパントなどのアタッキングキックは、チェイサーをぶち当てることができればノックオンを誘ったり、陣地を前進できる反面、基本的には相手にボールを渡す結果になりやすい。
しかも、相手のナイスな処理ですれ違われて、大きなゲインを許しかねない不確実性がある。
ハイボールの競り合いも強いので、ハイパンも勝算があり、蹴ってくる可能性は十分あるが、体格で勝るイングランドには、もっと低リスクで圧力を与える方法がある気がしてならない。
大型FWや突破力のあるセンターで、接点の脇で身体を当てながらゴリゴリ前進するだけで、日本にとっては大きな脅威なのではないだろうか。
「彼らはボールを動き回すことを好む。私たちは彼らのプレーをそのように認識している」
「私たちは彼らの脅威が何か知っているし、それをシャットダウンする計画を持って臨むよ」
日本代表は硬いスクラム、アンストラクチャーな展開から松島のような創造性のあるランナーのゲインなどの魅力的な攻撃オプションがあるが、国際的な「日本独自の強み」と認識されているのは、ボールを連続に展開する早さだ。
日本は持つと違いを出せるのだ。
なので、持たせない、そう言っているのではないだろうか。
総合すると「イングランドはボールを離さず近場を押してくる」「日本の受けをみて、縦の走り込みや展開で一気にランのゲインを狙う」「同時に接点の反則を誘う」というような戦術をメインに、適宜ハイパントなどを絡めてくるというやり方が考えられる。
そして「ディフェンス時にはプレッシャーをかけて日本の攻めを停滞させてキックを蹴らせ、カウンターのランでタックルを外しながらビックゲインを狙う」
実際、自分の同僚のラグビー経験者と話題になった時も「蹴らないんじゃないですかね?普通にやると思いますけど(もちろんドロップゴールも敢えてまでは狙ってこない)」という意見をもらった。
主力を2枚欠いたとて、地力はどう考えてもイングランドの方が上なのだ。
さあ常にオプションを複数持っているイングランドに対して、では日本代表が取れる戦術は?
自分が予想するのは「イングランドの攻める機会と時間を減らす」という戦略だ。
イングランドがボールを持っている時の攻めはハードで、簡単には止められない。
ではどうするかといったら、ボールは1つしかないのだから、こっちに来た時に離さないで、相手の機会と時間を潰してしまえばいいのだ。
まあ要は日本は日本の伝統の戦術で、蹴らずにハイテンポでボールを回し続けて、相手を攻撃し続けるという手段があるということだ。
ただ、これは80分続けるには消耗が激しい。
なので、前半の20分くらいまではリスク覚悟で蹴って、身体の衝突を避けたり、危険を伴うが、スクラムで時間をかけて、時間当たりで体力が消耗する機会を減らすのではないだろうか。
イングランドのスクラムは相手を圧殺できるので、時間潰しと引き換えに点数も持っていかれる可能性があるが・・・
60分でなるべくボールを保持したいとして、相手にボールがあったときにはどうするか。
そうなると、なるべく中央の侵入を許さないようにしつつ、接点でプレッシャーをかけて、相手の攻めを停滞させ、キックを誘発してボールを獲得する、またはジャッカルを狙う、ということになる。
イングランドはプレッシャーをかけてキックの得点を狙い、日本はダラダラと攻め続けてロースコアでの競り勝ちを狙う。
どちらかのディフェンスラインが決壊すれば、トライが決まり大量得点となる。
どうだろう、自分は双方のこんな作戦を予想したが、みんなはどう予測する?
観戦もしやすいことだろう。
ああだこうだと言い合いながら、大一番を待ちたいと思う。
みんなも是非、予想を楽しんでみてほしい。
ドロップゴールは今大会、結構出てますけど、あれ難しいんですよ、ワールドクラスでもざらに外れる。
あのときの周囲の状況がどうだったかわからないですけど、まずその状況からドロップゴールを決めるなら
・その位置はゴール真正面付近である(角度のあるところからドロップゴールはほぼ決まらない、あの時のスクラムの位置は真正面からやや左にずれていたので、右後ろにパスを送って真正面の位置にする必要がある)
・そしてSHの田中にもプレッシャーがかかってなくていい球がキッカーにだせる
・かつ、理想は80分すぎてから蹴って、決まる、次善は決まらなくてもポロリなどで試合が切れて終わる
という状況が整ってないといけませんよね。
それに近い状況が2003年のワールドカップのイングランドで、たしかゲームが終わる条件は違っていた(延長に時間設定があった)はずですけど、ほぼ終わりの時に蹴ってそれが決勝点でした。
その時のイングランドはスクラムが異様に強く、また、キッカーのSO、ジョニー・ウィルキンソンのキックも超正確で、スクラムとそこからとったペナルティで大半の点を叩き出せるほど絶対の自信があったのでできる戦術だったと思います。
あのときはもうちょっと時間があったし、スクラムもよくて五分(それ、下馬評からするとすごいことなんですが)だったので、時間稼ぎが一番硬いっちゃ硬かったんじゃないかなぁ・・・・
自国開催を4年後に控えたワールドカップ。サッカーファンが聞けば、1998年フランス大会を思い出すでしょう。なんかラグビーのワールドカップやってるっぽいな。ちょっと気になる。そんなあなたにラグビーに関するトリビアをいくつか。
・日本がワールドカップ初勝利をあげたのは1991年の第2回大会。相手はジンバブエ。フランス大会でジャマイカに負けたサッカー代表と異なり、きっちり勝利したのは偉い。ただし、ジンバブエはアパルトヘイトにより国際試合を禁止されていた南アフリカに代わってアフリカ代表として出場しただけの弱小国であり、サッカーのジャマイカ代表より遥かに弱かった。
・日本のワールドカップ2勝目が先日の南アフリカ戦。サッカーに例えるならグループリーグにおけるブラジルやドイツへの勝利に相当する。ただし、ラグビーの場合は自国リーグに所属する外国籍選手も登録できるので、Jリーグに所属する外国籍選手を5~6人起用した日本代表をイメージするのがより正確。
・かつて日本のラグビーは今より遥かに人気があった。早明戦では国立競技場が満杯になり、チケットを入手するのも困難だったほど。大学ラグビーの人気選手が次々と日本代表となり、強化を進めて世界の強豪国に近づこう、そんな空気感があった。それを打ち砕いたのは、1995年の第3回ワールドカップにおけるニュージーランドとの一戦。日本は次々にトライを決められ、17-145で敗れた。サッカーに例えると、1-9で大敗したようなもの。この一戦以降、日本のラグビーは急速に注目を失っていった。ドーハの悲劇で日本中の注目を集め、Jリーグブームに沸くサッカーとの人気差はどんどん開いていく。
・ラグビーワールドカップは5チームがグループリーグを戦い、上位2チームが決勝トーナメントに進出する。4チームで上位2席を争うサッカーよりトーナメント進出へのハードルは高い。
・ラグビーとサッカーは元々同じ競技のようなものが分化したと言われている。よって、発祥は共に英国。サッカーと同じく英国は地域毎の代表が認められている。イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド。サッカーと違って北アイルランド代表はない。ラグビーのアイルランド代表は国境を越え、アイルランド島としての代表を構成している。胸熱。また、サッカーと異なり英国の各代表はみんな強い。
・ラグビーの統括団体に加盟している国・地域数は約100であり、サッカーの約半数。
・強豪国は、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの南半球旧英国植民地と、英国4協会、並びにフランス。アルゼンチンやオセアニアの島々も結構強い。
・英国では上流階級のスポーツとされ、下層階級が楽しむサッカーと区別されてきた歴史がある。そのため、ラグビーを生活の糧とするのを拒むアマチュアリズムの影響が大きく、サッカーのようにプロ化するのはかなり遅れた。よって、プロ選手の年棒もサッカーに比べるとかなり低い。
・ラグビー選手は紳士たれと教え込まれる。そのため、試合中にサッカーのように審判に対して抗議するシーンを見ることはない。私はラグビー部に入部したての頃、練習試合の判定にカッときて審判に抗議した途端、先輩達や顧問の先生に滅茶苦茶怒られた。
・得点方法は敵陣までボールを運んで地面にボールをつけるトライ(5点)が基本。トライ後にはトライした位置後方からのゴールキックが与えられ、成功(H型のバーを越え)すると2点。相手が反則を犯した位置からのペナルティゴールを決めると3点。これらが主たる得点方法だが、サッカー好きならドロップゴールにも注目してほしい。フィールド内どこからでも、ボールをワンバウンドさせてキックし、H型のバーを越えると3点入る。ボールが楕円形なうえ、失敗すると相手ボールになってしまうので、相手のプレッシャーがかかる場面で成功させることは非常に難しいが、実力が伯仲しているとドロップゴールが勝敗を分けることもある。
・そのドロップゴールの名手といえば、2003年のワールドカップでイングランドを初優勝に導いた、ジョニー・ウィルキンソン。あのベッカムと並ぶ国民的大スターだった。
・フランスにも、好きなスポーツ選手アンケートで1位になるようなセバスチャン・シャバルという国民的スター選手がいた。
・歴史上、もっともセンセーショナルであった選手はニュージーランドのジョナ・ロムーを置いて他にいない。196cm、119kgの巨体ながら100mを10秒5で駆け抜ける彼にトップスピードでボールを持たれたら成す術はなかった。
現在、イングランドで第8回大会が行われているわけですが、いよいよ4年後には日本で大会が開催されます。
日本代表の戦いも注目ですが、世界の強豪国同士の本気のぶつかり合いを生で見られるチャンスはこの機会しかないので、できるだけたくさん観戦に行きたいと考えています。
安保法案や北関東の大雨、ヨーロッパのシリア難民、秋の5連休など、次々に印象的な出来事が起きる中、あまり注目されず、日本国内では静かに始まったラグビーW杯。
イングランドのジョニー・ウィルキンソンが大活躍した2003年大会に、この競技に魅せられたが、それ以降、トップリーグを追った訳でなく、秩父宮に代表戦を1度見にいっただけだ。
しかし、今回は連休に大きな予定が無かったこともあり、見れるだけ見る気だった。
いざ始まってみると、ジャパンが優勝候補、南アフリカを破るという大事件が起き、静かに始まったはずのW杯が一気に世間の耳目を集めたのはご存知の通りである。
Twitterで、ディティール好きのラグビーファンや、元ラガーマンが小声で絶叫していた#ラグビーは一気に盛り上がり、戦後には「ラグビールールわからん、アイシールド21見直すわ」という定番のツッコミ待ちや、「ラグビ―女子急増♡」などの宣伝ボットのアカウントがワラワラわいた。
TVワイドショーでも、コメンテーターが「ラグビーは場狂わせが起きづらいんでしょ?じゃあランクが上の日本は格下のスコットランドに楽勝って事ですか?」とこれまた「そんなこと無いです」のツッコミ待ち。
オンラインでもリアルでも、ラグビー周りはフワフワした熱狂の巷となった。
そんななか行われた第2線、日本×スコットランドだが、盛り上がりに氷水を一気にぶっかけるような42-10の大差敗戦。
昨日まで、「ラグビー、超熱い!感動した!」という声が流れたタイムラインは、「もう勝てないじゃん。日本弱いんじゃね。まじくそ。寝るわ」という冷めたつぶやきが流れるに至った。
しかし、このスコットランド戦、ラグビー半可通からすれば、楽しい訳ではなかったものの、非常に「ラグビーらしさ」に溢れた面白い試合であったように思う。
「まじくそ。寝るわ」で終わらすには勿体ないので、この試合、どのように面白かったか頑張って見方を解説しようと思う。
これを読んだ人が、ラグビーの楽しみ方の深さに触れられたら幸いである。
さて、ここでまず、楽しむための基本知識で、日本代表、ジャパンがどういったチームであるかを知っておきたい。
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体格で劣り、守りきれないからこそ。
http://number.bunshun.jp/articles/-/824168
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フレームが標準的に大きい欧米人や、太平洋の島々のラガーと1対1で戦えば圧倒されてしまう。
また、大男相手に守勢に回って80分守りきるのも不可能だ。
守れない、だから、リンク記事にあるように、「ひたすら集団で攻め続けて、相手に攻撃をさせない」という戦術をとりたいのだ。
「超攻撃型ラグビー、ジャパン」の響きは、他のスポーツの楽天的な響きとはまるで違う、「攻撃できなかったら即敗戦」という、細い綱の上を歩く時の緊張を伴ったものなのだ。
南アフリカ戦で巨人に刺さったその戦術が、スコットランドに何故通用しなかったのか?
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戦前、スコットランドはフィットネスに不安があるとされていた。
日本は世界一と誇る練習量が作った体力を武器に、後半、勝負をかけると盛んに喧伝した。
・押し勝つ
日本がやりたいことを潰す。
そして、驚くべきことに、自分たちが不利とか言われてた、フィットネスを戦術に組み込んでいた。
試合を見ていこう。
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まず、前半、30秒でこの日のスコットランドの嫌らしさを象徴するようなプレーが出る。
この、「前にボールを高く蹴り上げる」というプレー、一般的には「持って走る攻撃」より確実性は低く、相手にボールを渡す可能性もあるプレーだ。
しかし、上背におとるジャパンにとって、「持って走る攻撃」をタックルするより、確実性の面で嫌らしい。
落下点では組織もへったくれもない、個のボール争奪戦となってしまう。
よしんばボールを取れてもそこから組織の作り直し、とられれば、ロクに組織も無い中で急いで守らないといけない。
おまけに取れずに落とす可能性もあって、そうなれば場は一気に大混乱だ。
タイムラインの「どこ見てんだ勢」に髪型が関口メンディーに似ていることを発見されてしまった、ウイング松島にボールが飛んだ。
蹴るより、「持って走る攻撃」の方がそれに近いのだ。
これである。
このプレーから、日本は反則を献上、スコットランドのSH、クレイグ・レイドローが先制のペナルティーゴール・3点を挙げた。
スクラムだ。
元々、小兵の日本はスクラムが不得意だが、南ア戦では、自ボールのときは、すぐボールを出して、短時間で打ち切ることで上手く対抗していた。
南アもちょっとこの早いペースに呑まれてボールを出させてしまっていた。
組んだ時点でいきなり大圧力をかけた。
同じ「潰す」でも、走っているうちにタックルで「潰される」のと違い、スクラムを「圧力に耐えられず潰してしまう」のは反則だ。
この反則で、日本は相手にボールを献上、またもやレイドローのキックで加点されてしまった。
・押し勝つ
である。
ジャパンはタックルから倒れての密集、ラックでミスを頻発した。
「組織的に連続に攻めたい」ジャパンは、攻めにおいてはボールを早く出したい。
守りにおいては、ちょっとでも相手を送らせて、守備陣形を整えてのタックルからのボール奪取を狙いたい。
ここを、スコットランドは強く行った。
なのである。
ではジャパンは前半何も出来なかったか?というと、「何も」では無かった。
五郎丸の正確なタッチキックで、陣地を大きく前進、モールからトライを決めた。
また、30分〜35分まで、ついにやりたかった「連続攻撃」でトライに迫った。
いいときに出たミスで攻めきれなかったのは、純粋にジャパンの責任だ。
また、ゴールを決めまくるレイドローと対照的に、五郎丸は折角獲得したペナルティーキックを何本か外した。
ここが一つの山だったように思う。
その後のスコットランドの連続攻撃を、五郎丸がなんとかぶっ飛ばして止め、前半は12-5のロースコアで折り返した。
点差は開いていない。
日テレの実況が「後半勝負の日本の狙い通りですね!」と浮かれる中、裏のJスポで清宮パパは「ジャパンは前半悪かった」と切り捨てた。
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日テレ実況が、スコットランドのフィットネスが落ちるはずという根拠の薄い期待を叫ぶ中、後半が始まった。
そんなことはなかった。
まず、前半のプレーは、最後の連続攻撃以外、スコットランドは蹴って蹴って蹴りまくった。
そして押して押して押しまくった。
さらに、事前に注目された、2mの巨漢イケメン、リッチー・グレイを前線に投入した。
このことは顕著に効果を発揮する。
まず、密集で、ジャパンはまるっきり押せなくなった。
ラグビーで「押せない」のは、攻守にわたって不具合なんである。
ちょっとでも前進しながらから攻めたいし、下がりながら守りたくないのだ。
さらに、ポイントでは脚を貯めていたバックスがここぞとばかりに走る。
あるという話だった。
しかし、中3日の試合日程は、「スコットランドはフィットネスが落ちるらしい」という根拠の薄い期待より、確実にジャパンの体力を奪っていた。
そして、「あ」っと驚くような場面が訪れる。
ジャパンのパスをインターセプトしたバックスが、ロケットのように加速してトライ。
なので「持って走る」、裏を返せば、「自分たちの裏に、虚をついて突破しようとしない」
なので、もう一度見れる人は見てほしい。
スコットランドのディフェンスは、ジャパンに触らんばかりに近く、高い。
複雑なパス交換は、距離があれば手が出せない。デイフェンスも振られるかもしれない。
しかし、目の前なら、交換が多い分、取れるチャンスも多いのだ。
ジャパンはそれでも、前半にはマフィが縦に突破し、攻撃にアクセントを付けていたが、彼が脚を痛めて退場すると、攻撃が横一列になってしまっていた。
「攻めこそ最大の防御」のジャパンにとって彼の退場は、防御面でも「痛かった」のだ。
対して、スコットランドは、ジャパンのお株を奪うような複雑なパス交換でトライを重ねた。
終わってみれば、42-10。
ジャパンは、対策を練りに練ったスコットランドに、やりたいことをことごとく潰されて負けたのだ。
よく、戦後インタビューで「プランが実行できなかった」とか、「プラン通りにやれた」と声があるのはこういうこと。
ラグビーは作戦で一気に旗色が傾く、そして傾き始めたら止められない、インテリジェンスで残酷なスポーツなのだ。
今回、スコットランドでその作戦を冷徹に実行したのが、SHクレイグ・レイドローである。
彼は良く蹴り、良くチームを組織した。
ジャパンはこの、マッチョで薬漬けでないロバート・ダウニーJrに、嫌な戦いを押し付けられ続けたのだった。
ちなみに、彼は英語がわからない半可通から見ても、多分かなりきつく英語が訛ってる。
どうです?出来る人?訛ってませんでした?
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さてさて、ラグビーの知的残酷さを堪能できたスコットランド戦だが、負けた試合を気にしていても仕方ない。
ジャパンは今度はどう戦うのか。
苦手を押し付けてきたスコットランドのように、今度はサモアに対してやれるのか。
「彼らは規律に劣る」だ。
だが、先日行われたサモア×アメリカ戦を半可通が見た限り、そんな「わがままで青いチーム」には見えなかった。
前半こそ、どいつもこいつもヒーローになりたいアメリカ代表と、個人勝負のバタバタしたラグビーを展開したが、後半になれば、守備を整え、キラキラ迫るアメリカ代表を落ち着いて止めていた。
そして、前評判通り、脚は爆発的に速かった。
4歩走らせたらもうトップスピード、力士見たいのが、とんでもないスピードですっ飛んでくるのだ。
ジャパンは、まず、リスク覚悟の高いディフェンスで、「4歩」の前に止める必要があると見る。
そして、走るのが大好きな彼らが、如何に「走れないゲーム」を展開するか。
策で負けたジャパンが、今度は策で勝てるのか。