はてなキーワード: 王座戦とは
2024/9/18の対局結果
王座戦 一次予選1回戦
9/18の対局で女流棋士3名全員が一般棋戦で勝利を収めた。同日に3名勝利はおそらく将棋界史上初の快挙だと思われる。
相手の棋士たちも全盛期は過ぎているとはいえ神谷八段・豊川七段は順位戦B級1組、安用寺七段はB級2組を経験してきた経験豊富な棋士だ。
(王座戦一次予選では先月福間も村田智弘七段に勝ち2回戦に駒を進めている)
女流棋士の現トップ層は一般棋戦の予選で当たるクラスの棋士には普通に勝てるレベルに達していると言ってよいと思う。清水中井らの世代ではそれすらも難しかった。
女流トップと言っても福間と西山だけじゃねーかという意見もまあ分かるが、昨日の対局で彼女らに並んで大島女流二段も棋士相手の初勝利を挙げたことはとてもポジティブな出来事だと思う。
確かに福間西山は女流棋士の外れ値かもしれないが、女流棋士全体のレベルも確実に上がっている。
福間(旧姓:里見)や西山は知ってるけど大島ってダレ?という人も多いと思われるので軽く紹介
名伯楽で知られる森信雄門下で奨励会を受験するも不合格。関西研修会で研鑽を積み、2021年に女流2級でデビュー。
昨年度は公式戦32勝9敗の好成績を挙げてブレイク。マイナビ女子オープンでは福間・加藤桃子ら女流強豪を連破して西山との初タイトル戦五番勝負に臨み0-3でスイープされたものの、今急速に力をつけている若手女流棋士の1人。
プロ将棋の世界において男女の棋力の違いは度々取り沙汰されるが、羽生善治九段らによると主要因は競技人口の差との見方が強いようだ。実際、6級から三段まである奨励会において、中七海三段が年齢制限で退会された今、女性会員は竹内優月6級(女流2級)ただ1人となっている。
奨励会を勝ち抜いて棋士になれる会員の割合が全体の1~2割とされる一方で、トップ女流棋士が一般棋戦予選で勝ち星を挙げているのであれば、男女の棋力差は現状性差よりも競技人口がボトルネックになっていると見るのが自然だと思う。
生物学的な性差がある可能性も否定はしないが、それ以上に人口差による影響が大きすぎるため、今はまだそれを語る段階に達していないというのが私の意見だ。
あ、先に言っておくと囲碁も囲碁でそれなりに男女差はあるからな。そもそも将棋棋士と囲碁棋士は別制度だから安易な比較には気を付けた方がいい
たとえば藤井聡太とか伊藤匠とかさ、序盤にあんま時間使わないじゃん?
あれって要するに序盤の定跡を暗記してるわけでしょ?
このあいだの渡辺明の出てる動画とか、序盤研究を語るやつとか知らない?
象徴的なのは今年度の竜王戦第4局だけどね、「飛車の位置で記憶違いを起こし、取り返しがつかなくなった(https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/20231120-OYT8T50044/)」ってすげー解説だと思わない?
要するに暗記ミスって話じゃん。将棋は暗記。少なくとも序盤はそう
中継の解説とかもさ、AIの評価値見て終盤で「あれれ」とか、「この手は見えませんね」とか解説しちゃってんじゃん
王座戦第4局の逆転もさ、しばらくして永瀬拓矢も気づいたわけだけど、解説はAIで気づいた話しぶりだったじゃん
でもそれをド素人のさ、駒の動かし方もわからんようなやつがしたり顔で「逆転した」とか言うわけ
意味わかんねーだろ
こっちはさ、プロに一流の、おれの知らない将棋の手の意味を教えてほしいわけ
ほんで評価値にも質があるわけでさ。いい質の評価値出すやつが欲しくなんだろ
そしたらAIをどう取り込むか、どううまく付きあっていくかが大事になるだろ?
別に「こうしないといけない」とかじゃなくてさ、AIに主導権握られて、それでしかも研究でも評価値配信でもコントロールできないって大丈夫か?って心配になってんだよ。こっちはさ
ツッコミを色々と入れていますが、この話の前提条件として、私は佐藤天彦九段が救済されるべきと考えていることをご承知おきください。
端的に言えば、臨時対局規定には看過出来ない欠陥があるためです。
臨時対局規定の解釈が誤っているとし、その中でマスク着用規定は故意に外した場合に適用されるもので、過失の場合は含まないという趣旨の主張をしています。
後段の相当性を欠く判定において、一般的な企業の規則を持ち出していますので、この主張に対してもその筋で考えますと、一般的には形式的な違反を規定し、その上で故意または重過失の場合を規定する事が多いのでは無いでしょうか。そして、これらの規定があった上でさらに、場合によって情状を考慮するという構えになっているのがよくあるパターンです。
また、二歩の事を持ち出しており、その中で二歩は当然に過失という主張をしていますが、この解釈にもかなり無理があると感じます。二歩においては、故意なのか過失なのかを判断する意味が無いため、あるいは、故意でも過失でも反則であるため、明文化していないと解するべきでは無いでしょうか。
その証左に、二歩が発生した場合、その時点で反則負けとなってしまい、故意なのか過失なのかを確認する事はしません。
申立書の主張が正しいのであれば、故意の場合は別の措置が存在する、あるいは逆に反則にならないという様な事があるのではないでしょうか。
故意に二歩をした場合は、恐らくですが、その対局は一先ず反則負けとなり、その上でどうして故意にその様なことをしたのかをプラスで対応し、八百長等の問題が確認されれば資格の剥奪や出場停止の追加措置をするという事になるのではないでしょうか。
本件を故意とか過失とかいうのが無理筋で、さらに、二歩の例を出せば、寧ろ故意や過失は関係無いと思われるのですが…。
「相当性を欠く判定」という事を主張していますが、判定自体は相当だと思われ、相当性を欠くのは規定の方なのではないでしょうか。
報道や連盟のホームページの抜粋等で、断片的にしか規則が分からないので確定的な事は言えませんが、その断片的な規則の中では、現在の規定がマスク着用を二歩などの反則と同列に扱っている(準用している)様に読めます。
となると、マスク着用がなされていない、あるいは一時的に外していたとは言えない(長期に外していた)のであれば、審判は反則としなければなりません。
規則がおかしいのではないかという意見が多く見られますが、この臨時対局規定の最も愚かな間違いは、反則条項を準用しているところにあります。競技上の反則ではなく、棋士として懲戒される行為とするべきだったのです。
安易に対局規定の方を変更した(臨時で設定した)のは、理事会の重大な過失では無いかと私は考えます。
申立書では「臨時対局規定は抑制的に使われなければならず」と記していますが、対局規定は抑制的に使うものでは無くなるべく「厳密に」使うべきものです。前述の様に懲戒という形にしてあれば抑制的に使うというのは有り得たでしょう。
一時的の定義が恣意的である点や、立会人の利害関係などの主張自体は理解出来ますが、それをもって1時間もの間マスクをしていない事が、現在の臨時対局規定の中で許容されるとは思えません。
「判定は致し方無いが、そもそもの規則に構造的な欠陥がある」、「この欠陥で被った損害は補償されるべき(救済されるべき)」という事を主張すべきなのです。
判定がおかしいという主張を入れてしまうと、規則には問題が無いという事に繋がりかねません。判定が相当かどうか評価をするという事は、その前提の規則は受け入れているという事になる可能性が出てくるのではないでしょうか。
ここまでの無理筋は、常務会に求める裁定のうち、反則負けの判定取り消しや対局のやり直しに繋がる主張でした。
もちろん、規定の修正や明確化を求める事は良い事だと思うのですが、不服申し立てはあくまで反則行為について絞るべきで、規定の改善は別の文書にするべきでしょう。
臨時対局規定上も判定の不服申立を1週間以内にする事が規定されており、判定以外のことの不服を申し立てる事は(この規定上は)出来ないはずです。
ですので、そもそもこの求めを行う事自体、筋が悪いです。重ねてですが、これは別に行うべきです。
別に行うのであれば、その部分については他の棋士の賛同を得ることも可能で、改善したいという目的を達成するためにも適切な手段ではないでしょうか。
書いてある内容については他にもツッコミどころが多く、この書面を作った人はもうちょっとしっかりして欲しいという印象です。
佐藤天彦九段が、色々な感情の中で書いた文書であれば、こういった文書になったのは理解できるのですが、もしも誰か別の人がプロとして書いた文書であれば、ちょっといただけないと思います。
色々と無理筋である旨を書いたのですが、最も肝心なのは佐藤天彦九段の救済をどうするのか、という事です。この点への配慮が無いからこそ、何となく法律っぽい用語を使って書いている文書という形になっている可能性があります
今回の件で、永瀬王座には対局規定上の落ち度が無いわけですし、形式的には今回の判定が絶対的に間違っていると言えない(私は、判定自体は現規定上致し方無い判断だったと考えます)ことから、対局のやり直しというのは現実的ではありません。
裁定を求める部分については、もしかしたら佐藤天彦九段ご本人の強い意向があったり、あるいは、最初は大きな要求をぶち上げておくという戦略的なものだったりするのかもしれません。そうであればすみません。
重ねてですが、佐藤天彦九段は救済されるべきと私は思っていますので、前述の通り、最初にあえて大きな要求をする背景があったとしても、最終的にはその点をしっかり主張するべきだと思います。
では、私だったらどういった裁定を求めるのかを考えますと、以下の2点を要求すると思います。
1.降格争いについて便宜を図ること
他にも、永瀬王座の勝ち星を保障する方法ならば、色々なアイデアがあると思います。
再戦するにしても、永瀬王座の勝ちは補償して、佐藤天彦九段の勝敗だけを設定するという事も有り得ます。(永瀬王座に負担がかかりますし、モチベーションの問題もあるかもしれませんが…)
ここは知恵の出しどころではないでしょうか。
今期は混戦で、挑戦者になる目も充分にあるので、そこが救済の大きなポイントです。
私のアイデアでは継続協議にしてしまいましたが、そもそもこの不服申し立ては反則なのかどうかを判定するための申し開きの塲という側面があると思います。裁定で反則の判定が覆されないとしても規定の不備を理由に救済はしてほしい、という意図があるわけです。。
そういう意味では1の降格争いも継続協議とすれば良いわけですが、こちらは挑戦者争いと違って、心理的に挑戦者争いよりは同意にこぎつけられる可能性があると考え、ここで要求してしまうという意図があります。(この辺りは交渉の感覚的なものです。)
年齢 | 棋士 |
---|---|
57 | 大山康晴(A級/3位) |
56 | |
55 | |
54 | |
53 | |
52 | |
51 | |
50 | |
49 | |
48 | 二上達也(B1/19位) |
47 | |
46 | |
45 | 木村義徳(A級/34位) |
44 | 有吉道夫(B1/12位) |
43 | |
42 | |
41 | |
40 | 加藤一二三(A級/6位)内藤國雄(A級/7位) |
39 | 板谷進(A級/21位) |
38 | 大内延介(B1/15位) |
37 | 米長邦雄(A級/2位) |
36 | |
35 | 勝浦修(A級/4位) |
34 | 森雞二(B1/16位) |
33 | 石田和雄(A級/10位)田中魁秀(B2/17位) |
32 | 中原誠(名人/1位)桐山清澄(A級/13位) |
31 | 佐藤義則(B2/14位) |
30 | 森安秀光(A級/5位) |
29 | |
28 | |
27 | 青野照市(B1/8位)宮田利男(C1/20位) |
26 | |
25 | |
24 | |
23 | 小林健二(C1/11位) |
22 | |
21 | |
20 | 福崎文吾(C1/18位) |
19 | |
18 | 谷川浩司(B2/9位) |
中原誠(名人・十段・棋聖・棋王)米長邦雄(王位)大山康晴(王将)
筆者にとってはここから数年後が将棋に興味を持ち始めた時期のため個人的には印象の深い顔ぶれが並ぶのですが、改めて1990年の世代表と比較すると、羽生世代と55年組が年齢の関係で登場していないことを除けば、主たる顔ぶれに大きな変化がありません。大山から中原への世代交代を経て米長の台頭と加藤の才能の遅れながらの円熟を迎えた70年代の熱が、80年代いよいよその盛りに達しようとするまさにそういうタイミングであり、それが1990年の段階でまだまだ勢いを持っていたと見るべきでしょう。そういう意味でも、羽生善治は「最も最適のタイミングで出現した」と言えるのかもしれません。
そういう熱の中に、1人とびきりの若さで登場した谷川浩司の衝撃、をリアルタイムで感じることのできない当時の私の年齢ではありましたが、こうして見ればその存在感の突出さも別の意味で理解できようというものです。ただ、谷川は80年代を通してついに「自らの統一王朝」を開くまでには至らず、中原と押し引きを続けている間に羽生とも戦わざるを得なくなるという状況を迎えました。
藤井聡太の大師匠板谷進とその弟弟子石田和雄がA級に、さらに板谷進の弟子小林健二が将来を期待される俊英として名を連ね、板谷四郎一門のある種の盛りを迎えています。途中石田の弟子高見泰地が叡王位を獲得するとはいえ、ここから40年を経て「東海にタイトルを」が結実するというのは、年月の長さを感じます。
去る12月20日・21日に行われた第31期竜王戦七番勝負第7局は広瀬章人八段の勝利に終わり、
4勝3敗で広瀬八段が羽生善治竜王から「竜王」のタイトルを奪取しました。
これに伴い無冠となった羽生善治氏の肩書きが「九段」となることが連盟から発表されました。
なんで肩書きでこんなに騒ぎになっているのか?と訝っている方や、
そもそも仕組みが分からんという方のために、将棋棋士の段位・肩書きの付け方について解説していこうと思います。
以前も増田で書いたような気がするのですが、将棋棋士の段位は四段からスタートし、複数ある条件のいずれかを満たすと昇段します。
のうちいずれか1つを達成すれば晴れて五段に昇段です。
多くの棋士はこういった昇段規定に従って四段~九段の段位を肩書きとして名乗ります。なお、原則として降段はありません。
先程「多くの棋士」と書きましたが、例外があります。全ての棋士たちの中から勝ち上がり頂点に立ったタイトルホルダーたちです。
将棋界には数ある棋戦(大会)の中でも特に権威ある8つのタイトル戦があり、「8大タイトル」と称されています。
これらのタイトルを勝ち取ったわずかな棋士だけが段位ではなくタイトル戦の称号を名乗ることが許されるのです。かっこいい!
ただし、タイトル戦の称号を肩書きとして名乗っている間(タイトルを保持している間)も昇段規定は適用され続けるため、タイトルホルダーも内部的には段位があります。
従って、今回の羽生九段のようにタイトルを全て失った場合、内部的に保持している段位を名乗ることになるわけですね。
さて、数ある棋戦の中で上記の8大タイトルを制した者だけが特別な称号を名乗るということはお分かりいただけたと思います。
更にその上で8大タイトル間にも序列があり、それによって肩書きが変わることがあります。
8大タイトルの細かい序列はスポンサーとの契約金で決まるとされているため、契約内容によって序列は変動しますが、
基本的に「竜王」と「名人」が特に格上であり、肩書きとしても他タイトルより優先されます。
以下が現時点の8大タイトル(序列順)とその保持者・段位一覧です。
現在の将棋界は8大タイトルを何人もの強豪棋士が分け合う戦国時代とされています。
今期は豊島将之八段が王位と棋聖の二冠を手にし「豊島将之二冠」と称されるようになりました。
このように、複数タイトル保持者の肩書きはタイトル保持数(漢数字)+「冠」とするのが通例です。
しかし、複数タイトル保持者が「竜王」「名人」のいずれかを併せ持つ場合は「竜王」「名人」の肩書が優先されます。
一応は竜王が格上とされているので「竜王・名人」と称されますが、名人戦を主催する新聞社の紙面では「名人・竜王」になるとかならないとか…(大人の事情)
以上が棋士の肩書きの付け方になりますが、ごく一部イレギュラーなパターンがあります。
将棋界の最高峰タイトルである「竜王」と「名人」は、タイトル保持者が失冠してから1年間「前竜王」「前名人」を名乗る資格が発生します。
私もつい最近まで知らなかったんですが、これらは準タイトル保持者として扱われ、通常の段位持ちに比べシード権など待遇も変わるそうです。
↑初タイトルの竜王を失った後に名乗るも、その4ヵ月後に棋王を獲得し、以後27年間タイトル保持を続けたので超レアな肩書き。
永世称号とは、8大タイトルのうち叡王を除く7つのタイトル戦において、連続または通算で規定の回数以上タイトルを獲得した棋士に与えられる特別な称号です。すげー難度高い実績解除みたいなもんですね。羽生九段は現行棋戦の永世称号をただ一人コンプしてます(永世七冠)。
これらの永世称号は原則引退後に名乗ることができますが、連盟に認められれば現役から名乗ることができます。
【ここまでのまとめ】
さて、前置きが長くなりましたが本題です。
今期竜王戦で敗れて無冠となった羽生善治氏の肩書きには以下の選択肢があります。
①「九段」
②「前竜王」
③永世称号の襲位
これが最も自然なもので、実際羽生氏本人もこの現段位を肩書きとして名乗る意向とのこと。
羽生氏が九段に昇段したのは1994年のことなので、九段昇段から実に四半世紀を経て初めて名乗ることになるわけですね。
Twitterとか見てると「『前』などという未練がましい肩書きを望むのはバカな政治屋か経営者だけ!羽生さんともあろう方が選ぶわけがない!」みたいな人がぼちぼちいたので、その手に持ってる板でググればいいのになぁって思いました。
既に述べていますが、羽生九段はかつて初タイトルの竜王を失った後、次のタイトルである棋王を獲得するまでの4ヵ月間ほど「前竜王」を名乗っています。
従ってこのレア肩書きが再度生まれるかどうかは(一部の)将棋ファン的にはそこそこ注目どころだったんですよ!!(そうか?)
そもそも「前竜王」の肩書きはさほどネガティブなものではなく、以前はそれなりに使われていました。初代竜王の島朗九段、現連盟会長の佐藤康光九段も竜王失冠後の1年間「前竜王」を名乗っています。
(まあ敗北が前提の称号なのであんまりカッコがよろしくないというのは分かります)
しかし、近年は資格のある棋士でも「前竜王」を名乗ることはなくなりました。
一説によると、1998年度に竜王と名人を失い「前竜王・前名人」を名乗る資格を得た谷川浩司九段が双方を辞退し、通常の「九段」表記を選択したことが影響を与えているのではないかと言われています。
さすが光速流は度量が違うぜ。
原則引退後に名乗るものなので最も可能性は低かったものの、最も浪漫溢れる選択肢でした。以下、羽生九段の持つ永世称号一覧です。
称号 | 棋戦 | 永世称号獲得条件 | 羽生九段の戦績 |
---|---|---|---|
永世竜王 | 竜王戦 | 5連覇 or 通算7期 | 通算7期(2連覇) |
十九世名人 | 名人戦 | 通算5期 | 通算9期(3連覇2回) |
永世王位 | 王位戦 | 5連覇 or 通算10期 | 通算18期(9連覇) |
名誉王座 | 王座戦 | 5連覇 or 通算10期 | 通算24期(19連覇) |
永世棋王 | 棋王戦 | 5連覇 | 通算13期(12連覇) |
永世王将 | 王将戦 | 通算10期 | 通算12期(6連覇) |
永世棋聖 | 棋聖戦 | 通算5期 | 通算16期(10連覇) |
永世七冠 | ぜんぶ | ぜんぶとる | ぜんぶとった |
さあ好きなのを選べ!!!
(おまけ)
「名誉NHK杯選手権者」←羽生九段しか持ってない激レア称号(NHK杯通算10回優勝)
「国民栄誉賞」←すごい
「将棋星人」←すごい?
羽生善治といえばやはり言わずと知れたレジェンドであり、無冠に後退してもなおこれほどまでに豊富な肩書き候補を持つという点が、人々の厨二心もとい興味関心をかき立てて話題となっているのではないでしょうか。
さて、今日のところは以上です。
最後に、
広瀬章人新竜王、8期ぶりのタイトル獲得おめでとうございます!
インターネットの片隅から両者の今後のご活躍を祈念しております!
あ、はてなの皆さんには良くも悪くも本年はお世話になりました。よいお年をお迎えください。
実を言うと「十段」という肩書きはかつて実在しました。昔、将棋棋士の最高段位は八段だったんです。
そこにタイトル戦として「九段戦」が設立され、その勝者が称号「九段」を名乗ったのですが、その後「段位としての九段」も定められ、両者が並立する時期が続きました。
その後「九段戦」は「十段戦」になり、称号「十段」が生まれ、その「十段戦」が発展解消という形で最高峰棋戦「竜王戦」が生まれたのです。
こういった経緯があるため、羽生九段がすぐに「十段」を名乗れるかというと、連盟内部のみならずかつての「十段戦」主催者(読売新聞社)など関係各所との調整が必要になるので難しいかもしれません。
将来的に新たな段位として定められる可能性は無きにしも非ずといったところか。でも響きがかっこいいね!
これは肩書きの付け方①でも述べましたが、
棋士はタイトルを保持して称号を名乗っていても昇段規定が適用されているので、タイトル保持中も規定を満たせば昇段します。
従って「六段から七段八段をすっ飛ばして九段へ」という認識であれば誤りです。
「七段・八段だった時期はあるが、名乗る機会がなかった」というのがより正確です。
あくまで「既に持っている九段を名乗る」のであって「無冠になったから九段昇段」ではないので。
昇段日 | 段位 | 適用規定 |
---|---|---|
1985年12月18日(15歳) | 四段 | 13勝4敗:史上3人目の「中学生棋士」 |
1988年4月1日(17歳) | 五段 | 順位戦C級1組昇級 |
1989年10月1日(19歳) | 六段 | 竜王挑戦 |
1990年10月1日(20歳) | 七段 | 前年の竜王位獲得による昇段 |
1993年4月1日(22歳) | 八段 | 順位戦A級昇級 |
1994年4月1日(23歳) | 九段 | タイトル3期獲得 |
23歳九段ってのもなかなかとんでもねえですが、実は今の最年少九段昇段記録保持者は渡辺明棋王(当時21歳)です。まあ昇段規定の改定も多少影響してますが。
単純に注目度が高い案件だったので話題作りもあるでしょうけど、
一発どーんと発表しておけば今後の報道における敬称表記も混乱しないのでまあよいのでは。
まあ一般的にはそれでいいんですけど、実際の棋戦運営にあたっては肩書きがそのまま棋士の序列になるのでひとまずは何か決めないといかんのですよ。
例えば今回の三択①「九段」、➁「前竜王」、➂永世称号襲位の場合、
序列は上から➂➁①となります。この序列に従って対局時の上座下座を決めたり、上手下手(うわて・したて)を決めたりするわけですね。
これに加えて、前竜王や永世称号襲位者は一部棋戦でシード権が与えられたりもするので、連盟的には「今更肩書きなんて必要ない」というわけにはいかないんですね。
連盟の内部事情はあまり分かりませんが、インターネット上では見出しでネタバレを避けた説が囁かれていますね…
いやそれにしても「当連盟所属棋士・羽生善治」とか単に「棋士・羽生善治」とかいろいろ書きようあったでしょとは思った。
そういえば以前「団体職員」という肩書きでTVのクイズ番組に出演した十八世名人(当時八段)がいてぇ…一体何内俊之なんだ…
今期の彼の調子を鑑みれば今回の竜王戦、敗れはしたものの好調広瀬八段相手に最終局まで持ち込んだのはある意味驚きだなというのがいちファンとしての個人的な感想です。ただ、全盛期と比べるとさすがに衰えは否めませんが、まだまだ強豪の一角であることは間違いないです。
参考に12/26時点のレーティング上位10名置いておきますね。
最年少は16歳(藤井)
最年長は48歳(羽生)
平均年齢は29.2歳
順位 | 氏名 | 年齢 | レート | 今年度増減 | 前年同月比 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 広瀬章人竜王 | 31 | 1927 | 93 | 153 | 今期絶好調で唯一の1900台と1位をキープ |
2 | 渡辺明棋王 | 34 | 1874 | 104 | 79 | 昨年の不調から完全に復活 |
3 | 豊島将之二冠(王位・棋聖) | 28 | 1872 | -7 | -8 | 二冠を獲得し戦国時代を一歩抜け出すか |
4 | 永瀬拓矢七段 | 26 | 1852 | 1 | 1 | そろそろ初タイトルが欲しいところ |
5 | 藤井聡太七段 | 16 | 1851 | 55 | 115 | きみほんとに高校生?周回プレイしてない? |
6 | 羽生善治九段 | 48 | 1837 | -10 | 14 | 将棋つよつよおじさん@無冠 |
7 | 佐藤天彦名人 | 30 | 1834 | 51 | 24 | 名人3期目だがそろそろ複数タイトルも… |
8 | 千田翔太六段 | 24 | 1825 | 55 | 39 | 今期8割超の高勝率男 |
9 | 斎藤慎太郎王座 | 25 | 1818 | 26 | 12 | 今期は初タイトルを獲得し飛躍の年に |
10 | 稲葉陽八段 | 30 | 1793 | -48 | -20 | 一昨年の名人挑戦者も今期は苦戦 |
将棋の棋戦によっては、公式戦で女流棋士と男性棋士の対局が行われている。
かつては、女流棋士が男性棋士に勝つことは珍しく、年間では女流棋士が男性棋士に大きく負け越していたわけだが、今年はどうも様子が違う。
○石川陽生 VS 渡部愛(LPSA)● 7月11日 朝日杯将棋オープン戦一次予選
●小林宏 VS 伊藤沙恵○ 7月23日 朝日杯将棋オープン戦一次予選
●近藤正和 VS 伊藤沙恵○ 8月3日 朝日杯将棋オープン戦一次予選
●増田裕司 VS 里見香奈○ 8月8日 朝日杯将棋オープン戦一次予選
●福崎文吾 VS 里見香奈○ 8月8日 朝日杯将棋オープン戦一次予選
●木下浩一 VS 渡部愛(LPSA) ○ 8月24日 王座戦一次予選
○藤井聡太 VS 里見香奈● 8月24日 ヒューリック杯棋聖戦一次予選
女流のトップ棋士(というか里見加奈四冠、渡部愛女流王位、伊藤沙恵女流二段のみ)と、ノーシードで棋戦に出てくるような男性棋士との対局結果なので、女流棋士が男性棋士よりも強いということには当然ならないわけだが、女流棋士が強くなっていることは間違いなく、女流棋士が男性棋士に勝利することは既にニュース性を失っているとはいえるだろう。
中邑真輔、ロイヤルランブル制覇しレッスルマニアでWWE王座戦へ…とんでもない快挙。一般世間ももっと注目と拍手を! - Togetter
klaps ファンの人には申し訳ないけど、一般人は、プロレスの勝ち負けなんて最初から決まってるんでしょくらいの認識だから、イチローくらいすごいって言われてもうーんという感じ。
頭が悪すぎてうんざりする。
その通り
>じゃあロイヤルランブル制覇したって何もすごくないじゃん
じゃあ例えば日本人がロイヤル・バレエ団のプリンシパルになってもすごくないのか?
なわけないだろ
世界最高峰のバレエ団で実力やスター性を認められて興行の主役にすえられたってことだからめっちゃすごい
プロレスも同じ
主演に選ばれるというのはそれだけファンと会社からの支持があると言うこと
今回中邑という日本人が達成したのは
当代のトップレスラー30人が一堂に会する大会の最終勝者に選ばれて、
来るWWEの最高祭典(つまり業界最高峰の舞台)の主役を勤めることが決定したの
現プロレス界の世界に一つしかない頂点の演者に選ばれたと言うこと
「でも、勝ち負け決まってるんでしょ?」ってなんやねん
アホか
こんにちは。ほんの思いつきで書いた「観る将」入門記事( https://anond.hatelabo.jp/20170623083815 )が怒涛のブクマをいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。増田で1000どころか20もついたことないのに!
なるべく平易に、軽く、それでいて軽薄にならないように書いたつもりでしたが、「本当にこれで分かりやすいか?」「飯の話しかウケないんじゃないか?」などの葛藤もあったのでこの反響は素直に嬉しく思います。
Twitterを見ると将棋漫画の作者様や本職の将棋ライター・観戦記者の皆さんに怒涛のごとくシェアされており、極度の緊張で1日8時間しか眠れません。
さて、29連勝ですね。何が何やら分かりませんが、ともかく未知の領域です。
対局の雑感や今後の展望を語るとともに、前回の記事にいただいた質問等、私に分かる範囲でお答えしたいと思います。
仕事の合間に中継をチラチラ見ていました。夕方頃には増田四段が勝ちやすそうな局面に見えたのですが、その後の藤井四段の角と桂を生かした反撃が鮮やかでしたね。
私のへっぽこ棋力では増田優勢に見えても、プロ的にはまだまだ難しかったということなのでしょう。
増田四段も持ち味を見せましたが中終盤にかけて藤井四段の強さが際立ったといった印象です。はてなの皆さんはもちろん増田推しでしたよね?残念でした~。
竜王戦本戦は比較的持ち時間が長い(各5時間)ので、昼夜2回の出前チャンスがあります。
藤井四段→昼:豚キムチうどん 夜:五目炒飯品切れのためわんたんめん変更
増田四段→昼:ミニとんかつ定食 夜:ヒレカツ定食ライト(+肝吸い)
不本意な注文変更を強いられた藤井四段に対し、増田四段が気合のカツ連投で藤井四段の作戦変更を咎めていく展開となりました。
しかし藤井四段が得意の麺類に切り替えて頑強に抵抗したため、最終的には増田四段にミニ+ライトという軽い打撃のツケが回ってきた格好です。
歩は将棋で最も重要な駒だが、歩のみで勝つことはできない。同様に、ジャブだけで飯対決には勝てないのだ。
ちなみに私が確認した中で藤井四段は本対局を含めこれまでに出前を22回、うち15回麺類を含むメニューを注文しています。特に多いのはうどん(6回)や日本そば(6回)などの和麺であり、みそ煮込みうどんなど熱々系の注文も辞さない構えです。
これは「鍋焼きうどんも好きなのですが、熱いので、冷めるまで待っていると15分ぐらいかかる」とうな重に転向した加藤一二三 九段とは対照的ですね。
いつも対局料とか賞金見ると将棋界のお金の回り方がよくわからなくて、スポンサーってどのくらいいてスポンサードすることでどれだけ利益があるのだろう
スポーツにも囲碁・将棋にも言えることですが、競技へのスポンサードは広告だけでなく文化振興という意味合いも少なからずあるので、スポンサードすることでこれくらい利益がありますというような定量化が難しい側面があります。
分かりやすい例としては出版関連事業でしょうか。報道各社は主催する棋戦の観戦記等を出版したり、本紙に棋譜を掲載しています。またマイナビ女子オープンを主催するマイナビも棋書を多く出版しています。
このような事例はスポンサードしたことによって直接的な利益を得ているとも言えるでしょう。
ちなみに日本将棋連盟の「棋戦一覧」( https://www.shogi.or.jp/match/ )から各棋戦の「詳細情報」を見ると主催者(スポンサー)が分かります。
主要タイトル戦は全国紙主催や地方紙の共催が多いですね。他には囲碁・将棋チャンネルやNHKなどの放送局、リコーなど民間企業、加古川市や倉敷市など自治体主催のものもあります。
日本将棋連盟の収益が実際どうなってるのか気になる!という方は財務諸表(https://www.shogi.or.jp/about/information_disclosure.html )などを眺めてみるのも面白いかもしれませんね。
「プロ入り28連勝の棋士を5敗もさせる3段リーグとかいう地獄があるのか」
そうなんですよね。前回もさらっと説明しましたが、三段リーグは年に2回開催され、奨励会三段たちが各18局を戦って上位2名が四段昇段・プロデビューを果たすという地獄のリーグ戦です。
これまでに60回開催されたものの未だに全勝で突破した三段はおらず、現時点では16勝2敗(5名)が最高成績です。
中には11勝7敗で辛くも昇段した者(2名)もいれば、14勝4敗という好成績を挙げながら昇段を逃した者(4名)[注1]もおり、年齢制限と相まってこの辺りも地獄とされる所以でしょう。
三段リーグで5敗してるってことは、やっぱこの連勝中に飛躍的に強くなってるってことだろうか。それともいまの三段に化け物の卵がひしめいているのか。
これはどちらとも言えるかなと思います。前回の記事でも触れましたが、棋士の力のピークは30代半ばまでとされており、例えばそれを過ぎた棋士が絶賛修行中の三段とまみえれば敗れることもあるでしょう。
新人王戦では都成竜馬三段(現四段。イケメン)が奨励会員でありながら優勝を勝ち取った例もあります。インターネット対局や棋譜データベースの発達で研究の障壁が下がった点も無視できません。
このあたりは現役棋士・大平武洋六段のブログ( http://oohira243.blogspot.jp/2017/06/blog-post_36.html )が現場の肌感覚として参考になる気がします。
ただ、その一方で藤井四段が急速に成長しているのもまた事実だと思います。ここで彼の奨励会時代の成績を見てみましょう。奨励会ウォッチャー情報の継ぎ接ぎなので多少ずれがあるかもしれませんがご了承ください。
段級位 | 勝敗 | 規定 |
6級 | ○○○●○○●○○○○昇 | 9勝2敗 |
5級 | ○●○○○○○●○●●○○●○●●○●●○○●●○○○●○○●○○○●○昇 | 9勝3敗 |
4級 | ○●●○○○○○○昇 | 6連勝 |
3級 | ○●●○●●●●●●B○○○A●○○○○○○昇 | 6連勝 |
2級 | ●●○○●●○●○○○●●○○○●○○●○●○●●○○●○○○○○●○●○昇 | 9勝3敗 |
1級 | ○●●○○○○○○●○○○○○昇 | 12勝3敗 |
初段 | ○●○●○●○●●●○●●●○○○○○●●○○●○休○○○●○昇 | 12勝4敗 |
二段 | ●●○●○●●●○●○○●○○○○○○●○●●○●○○○●○○○昇 | 14勝5敗 |
三段リーグ | ○●○○○○○●○●○○○●○○●○ | 13勝5敗・1位 |
通算208局132勝76敗(.634)
ご覧の通り昇級・昇段ペースはかなり早い部類ですが、プロデビュー後の彼ほど圧倒的ではない、というのはお分かりいただけるでしょうか。
3級まではあっという間でしたがここで少し足踏みをします。6連敗してるんですよ!6連敗!【アルファベットの補足:成績が悪いと「B」を取り、Bを保持した状態で再びBを取ると降段級、という仕組みです。規定の成績でA(通常の状態)に復帰します。】
初段・二段あたりが顕著ですが、昇級・昇段直後に少し黒星を重ねたのち、ぐっと勝率を上げています。カテゴリが上がるごとに成長曲線を描いてきているというわけですね。
二段で白星を重ね始めた頃から新たな成長曲線を描き始め、その勢いのまま三段リーグを突破し、プロデビューしたとすれば…?今の大ブレイクも決して不思議ではないのかもしれません。いや十分不思議だけども。
"三浦弘行九段の騒動で揺れる将棋界に一時の安寧をもたらしました。"三浦九段は冤罪被害者である事を今や将棋連盟も認めているのでここだけ訂正して欲しい
この件に関しては記事の本題から外れていたので詳細への言及を避けただけであり、三浦九段へ嫌疑をかける意図がないことは当該段落から十分読み取っていただけると思っています。
したがって文章自体の訂正はしませんが、三浦九段への処分は明確に不当であったという事実はこの場で申し添えておきます。(「訂正」ではなく「補足」してほしい、という趣旨ならば理解できます。)
ほんとだ……え、ほんとだ!すごい!気づかなかった!ちなみに18の下は17連勝(佐藤天彦、佐藤康光、丸山忠久)なのでたぶん偶然です…たぶん…。
これはニコニコ(ドワンゴ)がというより、インターネット環境それ自体の普及がもたらした現象であると言えるでしょう。もともと観戦記などで棋士の食事が話題にあがることはありましたが、
ネット中継が始まると盤上・盤外問わずあらゆる情報がコンテンツとして逐一伝えられるようになりました。中でも画像情報は非常に訴求力が大きい。その流れにぴったりハマったのが食事・おやつではないでしょうか。
各々の将棋スキルが観戦の満足度を左右していた将棋中継において、初心者も上級者も一緒になってあれが旨そう!これが旨そう!と楽しめるものができたということは、昨今のブーム形成にとって非常に大きかったと私は思います。
このあたりは観戦記者・松本博文氏の記事( https://cakes.mu/posts/12986 https://cakes.mu/posts/16722 )が参考になります。
どちらも圧巻の記録ですね。四冠時の18連勝(2005~2006)を例にすると
日付 | 勝敗 | 先後 | 氏名 | 棋戦 |
9月10日 | ○ | 後 | 藤井猛 | 第64期順位戦 A級 3回戦 |
9月12日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第46期王位戦 タイトル戦 第6局 |
9月16日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第53期王座戦 タイトル戦 第2局 |
9月21日 | ○ | 後 | 佐藤康光 | 第46期王位戦 タイトル戦 第7局 |
10月1日 | ○ | 後 | 佐藤康光 | 第53期王座戦 タイトル戦 第3局 |
10月6日 | ○ | 後 | 鈴木大介 | 第64期順位戦 A級 4回戦 |
11月25日 | ○ | 先 | 谷川浩司 | 第64期順位戦 A級 5回戦 |
12月2日 | ○ | 先 | 井上慶太 | 第77期棋聖戦 最終予選 1回戦 |
12月11日 | ○ | 後 | 中村修 | 第55回NHK杯戦 本戦 3回戦 |
12月14日 | ○ | 後 | 郷田真隆 | 第64期順位戦 A級 6回戦 |
1月12日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第55期王将戦 タイトル戦 第1局 |
1月16日 | ○ | 先 | 久保利明 | 第64期順位戦 A級 7回戦 |
1月19日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第55期王将戦 タイトル戦 第2局 |
1月24日 | ○ | 後 | 先崎学 | 第19期竜王戦 1組 ランキング戦 1回戦 |
1月26日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第55期王将戦 タイトル戦 第3局 |
1月30日 | ○ | 先 | 村山慈明 | 第77期棋聖戦 最終予選 2回戦 |
2月1日 | ○ | 後 | 佐藤康光 | 第64期順位戦 A級 8回戦 |
2月12日 | ○ | 先 | 谷川浩司 | 第55回NHK杯戦 本戦 準々決勝 |
◎王位戦・王座戦・王将戦(全棋士参加棋戦を勝ち抜いた1名とタイトル防衛戦)
以上の5棋戦で驚異の14勝(!)を挙げています。ちなみにそのうち8勝を挙げた相手が佐藤康光ですが、当時の彼はA級に所属し、棋聖のタイトルを保持し、王位・王座・王将の3棋戦全てを勝ち抜いて羽生四冠への挑戦権を得た強豪中の強豪です。
その他の棋士たちも皆当時の一線級ばかりです。もう何が何だかわかりません。一体何なんだよ。将棋星人かよ。
次の対局は前回と同じ竜王戦決勝トーナメント2回戦!勝てば77万円!
https://www.shogi.or.jp/match/ryuuou/30/hon.html
相手は佐々木勇気五段(4組予選優勝)です。ジュネーブ生まれ埼玉育ち、ピュアで熱い好青年です。レーティングは1779で全棋士中14位。(2017/7/1)
昨年藤井四段が最年少(13歳2ヶ月)で奨励会三段となってちょっとした話題になりましたが、実はそれまでの最年少三段記録保持者(13歳8ヶ月)が彼、佐々木勇気です。
1回戦の増田四段と同じく16歳でプロデビュー。竜王戦4~6組予選は若手の登竜門であり、若手有望株はやはりデビューが早い傾向にありますね。
そうした経緯もあってか、彼自身藤井四段に対しては胸に秘めたものがあるのかもしれません。
叡王戦(藤井聡太四段vs梶浦宏孝四段)では定刻前の対局室に現れて並外れた存在感を放ち話題になりました。おそらく彼は秘めてもバレるタイプですね。(参考: http://www.nicozon.net/watch/sm31378949 )
そしてこの二人がいつ戦うのか?という話になるわけですが…なんと明日です!
https://www.shogi.or.jp/news/2017/06/72_12.html
将棋連盟ライブの他にもニコニコ生放送やAbemaTVで中継されます。日曜日なので視聴者数がすごいことになりそうですね。
いい機会なので将棋よく分からない…という方も少し覗いてみてはいかがでしょうか。おすすめ時間帯はお昼前と夕方です。昼前にはどういう戦いになるかがおおよそ定まり、昼食予想でコメント欄が賑わいます。
また夕方以降は一手一手が形勢を左右するスリルがあり、飯だけでない真剣勝負の一面を垣間見ることができるでしょう。
本当は昨日書き上げるつもりでしたが、プレミアム残業フライデーで無理でした。
藤井四段の連勝はいずれ止まります。それは明日かもしれないし、ひょっとしたらあと何ヶ月も続くかもしれません。それまでの間、将棋界の外をも巻き込んだ狂騒を楽しみたいと思います。
ちなみに私の今日の昼食はベーコンを大量に入れたペペロンチーノでした。シンプルで奥深い棒銀のような料理ですね。では。
[注1]14勝で昇段を逃した4名は全員その後のリーグで四段昇段を果たしているため、14勝できるほど強ければいずれは上がれるとも言えます。4名の中にはあの豊島将之八段も!
勝率クン、それが昔のアダ名であった。
長らく勝率七割をキープしていたのはただ二名、その一人が木村一基八段である。もう十年近く昔になるが、その彼が七大タイトルのひとつである竜王へ挑戦する。相手は渡辺であった。
結果は四局全敗であった。あと一歩の対局もあったが、勝ち筋を逃してしまった。
少し時は経ち、いまから六年前から五年前。同じく七大タイトルの一角である王座戦、棋聖戦と挑戦に名乗りを上げた。相手はどちらも当時復調した羽生善治。もう一人の、そして現在も勝率七割を誇り、かつて同時に七大タイトルを握った棋士である。
まず、王座戦は三局全敗であった。木村はタイトル戦では勝てないのか、そうささやかれ始めた。しかし五番勝負の棋聖戦でようやく二勝一敗とリーチをかけた。その後二連敗で敗退したが、直後の王位戦にも挑戦権を獲得した。
深浦王位を相手にいきなり三連勝してリーチをかけた。しかしここから四連敗を喫してしまう。よほどこたえたのだろうか、木村は七大タイトル戦の舞台から五年も遠ざかってしまう。
時は流れ……
羽生は更に強くなった。棋士というものは普通、齢四十を過ぎればだんだんと勝てなくなっていくものである。羽生はもう四十三であるにも関わらず、名人戦と棋聖戦でライバルの森内に全七局を全勝で叩きのめした。
プロ棋士のレーティングを算出しているサイトがあるのだが、もともと異様に高かった羽生のレーティングは、今年更に急激に伸びて、前人未到の1999に達している。参入と引退のレート差があるので普通にしていれば上昇するものだ、という意見はあるが、二位から九位まで約50しか差がないのに、二位と羽生との差は150に届こうとしている。
木村も齢四十に達して、レートは1700台をいったりきたりしている。十強(専門的に言えばA級等)からも遠ざかっていた。
木村は粘りの棋風で知られている。(専門的には少し違うが)取られれば負けてしまう玉自身も果敢に守備へ参加する「顔面受け」は木村の真骨頂である。また非常に解りやすい解説をすることでも知られ、解説名人との異名も持つ。
だが、それだけで終わってしまうのだろうか。
木村は再び、王位戦の挑戦権を獲得した。そして第一局、十一連勝中だった羽生王位相手に今日、実績差を打ち破るかのように勝利した。戦いが始まってからは、守りを固めるのではなく、攻めきって勝った一局だった。木村は進化したのだろうか?
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【将棋速報】 王座戦の三手目で将棋板騒然となってるけど何で?
http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51738005.html
という記事が多数ブクマされていましたが
ドラゴンボールでもガンダムでもなんとなくうまく例えられていないので騒然とした理由について軽く説明してみます。
騒然となった理由については、複数の要素が混ざっている上に基礎知識をどこまで説明するのか大変難しいですが。もう少し短くまとめる才能があればよかったです。
さて、件の羽生さんが飛車を振ったとは、正式には「角交換四間飛車」という振り飛車戦法を採用したことについての反応です。
将棋には、大きくわけて2つの戦法があり、1つは飛車をそのままの位置で使う居飛車、もう1つは飛車を序盤すぐに動かして使う振り飛車という名前で区別されています。
そして、羽生さんは、基本的に居飛車を採用している居飛車党と呼ばれる棋士ですが、
と同時にその時に流行している戦法を居飛車振り飛車問わずに採用するオールラウンドな棋士で、
1つの戦法にこだわらずその時その時の最新戦法に目を付け、いち早く指しこなすこと、それが長年にわたって活躍する羽生さんの強さの1つでもあります。
そのような事情もあり、羽生さんが採用した新しい戦法は、その定まらない評価にお墨付きがつくというような現象もしばしば起こることになります。
では、今回採用した「角交換四間飛車」とはどのような戦法なのでしょうか。
それには振り飛車という戦法の位置づけについてさらっと説明しなければなりません。
現代将棋において、振り飛車という戦法は、将棋の王道と言われている居飛車に比べて少し分が悪く、工夫を常にしなければ基本的にはやや苦しい戦法であると言われています。
それゆえ、革新的な戦法も生まれやすく、新しい振り飛車戦法が生まれて流行し勝ちまくると、しばらくして居飛車側が対策を出しその戦法が衰退するという歴史を何度か繰り返しています。
現在流行している振り飛車戦法である「ゴキゲン中飛車」に対しても、昨年ごろから優秀な対策が出されはじめ、
振り飛車党は、現在進行形で新たな戦法を模索し出しているところです(画期的な発明がなかなか生まれないように、振り飛車の新しいアイディアも簡単には生まれません)。
そこで、今年に入って新たな振り飛車党の主力戦法となるのでは?とささやかれているのが、今回羽生さんが採用した角交換四間飛車です。
この戦法は、昔からごくたまに指されてはいたのですが、その一見棋理に反するような構想とあまりよくない勝率もあいまって
良い評価を得られてはおらず、一方でゴキゲン中飛車などの勝てる流行戦法があったのもあり
振り飛車党にとっても好んで採用する戦法ではないとほとんど見向きもされていませんでした。ここ一番の奇襲戦法という感じでしょうか。
そんな中、いち早くその優秀性に目をつけ、そのアイディアを1つ1つ肉付けし、数年かけて一つの体系的な戦法に育て上げたのが
今回の王座戦の前に行われた王位戦で羽生さんと熱戦を繰り広げた藤井猛という棋士です。
しかし、産みの苦しみというものでしょうか、藤井さんが1局1局手順を工夫し1局1局その戦法を修正して行く中で
A級というトップリーグから2年連続の降級してしまったのもあり、特に勝率の良くない後手番において藤井降級の戦犯戦法と揶揄する将棋ファンもあらわれていました。
(もちろん、その一方で竜王戦2組優勝や2年前の王座戦挑戦、そして王位戦2度のリーグ優勝、今回の王位戦挑戦と
藤井さんがまたタイトル戦に絡むようになった原動力の1つともなっています。あくまで一部のファンの空気を説明する必要があったので書いてみました。)
そんな角交換四間飛車も昨年からのゴキゲン中飛車の苦戦の影響を受けて、
今年に入ってからは、このままゴキゲン中飛車がダメになったとすれば、
次に流行するのはこの戦法なのでは?という声が少しづつ聞こえてきはじめています。
そのような空気の中で振り飛車党の棋士の採用率も少しづつ増えて来ました。
先の王位戦では、藤井さんが手塩にかけて育てた角交換四間飛車を羽生さんが受けて立つという構図で
結果は羽生さんの4-1防衛、角交換四間自体も1勝2敗1千日手(後手番は1敗1千日手)でしたが
戦法としては面白い戦法なのではないかという感触が羽生さんにも得られたのかもしれません。
(実は、羽生さんは2年前の王座戦で藤井さんと戦った時も、次の棋戦で角交換四間を1度だけ採用しています。)
話はこれだけには終わりません。
渡辺さんは、初代永世竜王、将棋史上初の永世7冠がかかる竜王戦や20連覇をかけた王座戦など
これまで羽生さんの大記録がかかる重要な勝負に現れ、ことごとく勝ち続けるという、まさに天敵、羽生キラーの名をほしいままにしている棋士です。
それゆえ、将棋ファンにとって羽生vs渡辺戦というのは屈指の黄金カードでもあるわけですね。
そんな渡辺さんにもほんの少しだけ弱点があると言われており(ほんとにほんの少しです)、対振り飛車勝率が対居飛車勝率より少し悪いと言われています。
そして、これまで羽生さんと渡辺さんの重要な勝負は、居飛車対居飛車の戦いだけでした。
昨年20連覇がかかる中で渡辺さんに奪われた王座戦は、羽生さんにとって格好のリベンジの機会となります。
さて、ようやく小難しい話は終わりました。
「第1局は、また渡辺さんが勝った。羽生さんは第2局どうするんだろう。」
「渡辺さんは振り飛車が苦手。羽生さんもゴキゲン中飛車をやればいいのに。去年1回ゴキゲン中飛車で渡辺さんに勝ってるじゃないか。」
「いやいや、羽生と渡辺の戦いは居飛車に限る。お互いの真っ向勝負をみてみたいよ。」
「そうだよな。羽生さんはここ最近ほとんど振り飛車を採用してないし今回も居飛車だよ。」
↓
「初手7六歩、2手目3四歩、3手目2六歩、、、よしよし居飛車の将棋の出だしだ。どんな将棋が見られるかな。」
↓
↓
「まさかの!」
「まじかよwwwwwwwwww」(←一部では角交換四間飛車は戦犯戦法とネタにされていたりします)
「後手番の角交換四間飛車で勝てるのかよ!」
「王位戦で対戦してやってみたくなったんだな。実際、王位戦ではなかなか苦しめられていたし」
「藤井の戦法をどう羽生が解釈したかみてみたいな。羽生さんから新手は出るの?」
「研究の行きとどいてない振り飛車だと渡辺さん1発はいっちゃうんじゃないか、これ」
などと騒然となったのでした。
わかりにくかったでしょう。自分でもどう説明したらいいのか、あの空気をどうまとめていいのかわからなかったです。
とりあえず、将棋板やニコ生やtwitterが騒然となった背景には色んな立場から色んな理由があって、将棋好きにはたまらない瞬間の1つだったのです。
そして、ドラゴンボールやガンダムでどう例えるのが良いんでしょうw
最後に、王座戦第2局は序盤中盤終盤とお互いの持ち味が発揮された大熱戦となり、どちらが良いのかわからない難解な中盤戦を抜けだした羽生さんが144手で勝利しました。
羽生さんが採用したことで振り飛車の新戦法角交換四間飛車の評価にどのような影響がでるのか、それはまだ誰にもわかりません。
具体的な手はわからないけど、戦法の流行やそれをとりまく人間模様、ドラマを追う。将棋はこのような楽しみ方もできるかもしれませんね。
ちなみに、以前書いたフォロー記事です。
羽生の神の一手?について