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2024-08-12

毎年同じ内容を投稿しているが、今日広陵明徳義塾が登場するので、このタイミング修正して再投稿

日本高校野球の歪さとして、酷暑の開催と過密日程はよく言われるところだが、もっとも深刻なのは私学強豪校の過剰な部員であると思う。広陵は150人、明徳は108人を抱えている。他にも鶴岡東聖光学院などが100人を超えている。大多数が通学圏外の「野球留学」の選手である

周知のように現在は超少子化時代で、子供におけるスポーツとしての野球に対する人気もサッカーバスケはるか後塵を拝するようになっている。にもかかわらず、甲子園に出ている私学強豪校は、現在でも100人を超える部員を通学圏外からかき集めるという、子供の数が多くてスポーツといえば野球王様だった時代にかろうじて許されたやり方を、最近にもなってもむしろ加速させている。

その結果として何が起こっているか想像の通り。地元では有名だった中学生野球選手が、通学圏外の部員100人超えの強豪校に進学して3年間公式戦に出ることもなく補欠やスタンド応援要員のまま(最悪の場合中退である一方、その選手地元公立校部員数の不足に悩まされ、弱体化に拍車がかかって連合チームになったりしている、という風景が広がるようになっている。かつては甲子園常連だった名門公立校も、部員100人超えの新興私学に太刀打ちできなくなっている。

こういう話をすると、「選手自由だ」という反論が返ってくる。しかし、試合に出て活躍することよりも、補欠やスタンド応援でも甲子園常連校に在籍していたことのステータス選択する自由とは、一体何なのだろうか。そんな選択そもそもおかしいのではないか、と親や教師アドバイスしなければダメだろう。そして、私学強豪で3年間補欠だった選手が、卒業後に大学企業チームで活躍している例は残念ながらほぼない。選手の実力を成長させるのは、練習以上に試合経験なのである


甲子園出場経験のない地元高校活躍し、注目されて上のレベルに進む例の方がまだ多い。例えば阪神大山佐藤は、それぞれつくば秀英仁川学院という甲子園未出場の地元高校に進学し、そこで目立つことで野球の強い大学に進学することができた。部員100人超えの私学に進んでいたら、試合に出る機会すらなかなか恵まれなかった可能性が高い。


2010年代以降、予選の参加校数も減少の一途をたどっている。にもかかわらず、現在でも部員100人超えの私学校が減っているように見えない。私立高校エゴイスティック経営戦略のために、日本全体の野球文化が掘り崩されていると言っても過言ではない。

2017-06-23

藤井聡太四段で学ぶ「観る将」入門

ついにやってしまいましたね。藤井聡太四段がプロデビューから負けなしの28連勝を飾ったことで将棋界のみならず大きな話題になっています

ここまでくるともう勝つ度にニュースとなり全国を駆け巡るので、嫌でも将棋話題を耳にする人も多いでしょう。

ただ将棋界・将棋プロ制度一般的にはあまり知られていない側面も多い業界です。

そこで将棋プロ制度を全くご存知ない人のためにFAQ形式で学んでいく増田を書きました。藤井四段のみならず将棋界がニュースになった時に一役買えたら何よりです。

Q.藤井くんってデビューしたてなのにもう「四段」なの?早くない?

A.

この疑問についてはプロへの道程から説明しなければなりません。

将棋プロ棋士になるには日本将棋連盟棋士養成機関・新進棋士奨励会通称奨励会」)に入会するのが最も一般的ルートです。

奨励会に入会すると、師匠推薦などで多少の上下はあります基本的には6級が与えられ、他の奨励会員たちと対局して昇級・昇段を目指していきます

ちなみに奨励会の6級はアマチュアの四段に相当すると言われています。これは地方アマ大会であれば上位を狙える棋力です。

そうして6級~1級~初段~二段と昇級昇段を繰り返し、三段に到達した奨励会員は同じく三段の奨励会員たちを集めた「三段リーグ」という地獄、もといリーグ戦に参加します。

半年をかけて行われるこの三段リーグの上位2名が「四段」に昇段し、晴れてプロデビューとなります

藤井聡太くんも上記のルートを辿って最年少で三段に到達し、三段リーグ初参加で1位(13勝5敗)となって四段昇段・プロデビューを果たしました。

まり将棋界では四段からプロ棋士キャリアの始まりなのです。

Q.っていうかそんな強いのにまだ四段なの?昇段の条件ってどうなってんの?

A.

プロ棋士の段位はレーティングのように上下しないので、確かに棋力を示すものではありますが、それと同時に積み重ねたキャリア・実績を示すものでもあるというのが私個人見解です。

したがって、今現在勝ち星を挙げているからといってすぐ段位に反映される類のものではありません。

プロ棋士の昇段規定については連盟サイトに詳しくまとめられています

https://www.shogi.or.jp/match/dan_provisions/

いきなりこんなん見せられてもよーわからんという方のために解説すると、昇段条件には大きく分けて2種類あります

【1】棋戦成績

棋戦(大会)での成績に伴う昇段です。

「〇〇戦×組昇級」「◎◎ランキング戦2回連続昇級または3回連続優勝」「全棋士参加棋戦優勝」「タイトル挑戦」などと書いてあるものです。

デビューしたての四段でも勝ち続けてタイトルマッチに挑戦すれば五段になれますし、

将棋最高峰タイトルの「竜王」に挑戦すれば七段、「竜王」奪取に成功すれば八段へジャンプアップすることも可能です。

これらの条件を達成すれば昇段に値するというのは、詳しくない方でもなんとなくお分かりいただけるかと思いますイメージとしては「J2だけど天皇杯で優勝したのでJ1に昇格!」みたいな感じです。違うか。

【2】勝数規定

段位への評価を難しくしているのがこの勝数規定存在ではないでしょうか。

「●段昇段後公式戦***勝」とあるのがそれです。

タイトルや優勝に縁がなくとも、公式戦で勝ち星を重ねればいずれは昇段が(理論上)可能です。

これはつまり勝率が.333の四段でも200敗して100勝すれば五段になれるということでもあり、純粋な強さを示しているとは言えないでしょう。

ただ、先日の加藤一二三 九段のように成績による強制引退制度がある以上、脚光を浴びることはなくとも安定して勝利を積み上げる棋士への評価軸として、勝数規定一定機能果たしていると私は考えます

ちなみに勝数規定のみで九段に達した棋士ゼロ、八段に達した棋士はこれまでにわずか6名しかいません。彼らは皆スターとなる機会は少なくとも、安定して長く勝ち続けてきた棋士たちです。

棋士の段位と実力は、上記2つの評価軸や勝率、現役生活の長さなどの要素をバランスよく取り入れたうえで語られるべきでしょう。

Q.段位については分かったが、もっと分かりやすい強さランキングとかないのか?

A.

有志のELOレーティングサイトがあります

http://kishi.a.la9.jp/

レーティング」→「棋士ランキング」と進み、現在トップ10を見てみましょう。(2017/6/22)

順位名前レート増減
1佐藤天彦名人18832
2羽生善治三冠棋聖王位王座186918
3豊島将之八段185513
4稲葉陽八段18412
5菅井竜也七段184137
6久保利明王将1834-4
7渡辺明竜王棋王1832-27
8永瀬拓矢六段1802-7
9斎藤慎太郎七段179930
10糸谷哲郎八段1784-14

このランキングであればおおよそ世間的な評価と近い結果が得られるのではないかと思います。ここ数年で羽生を除く羽生世代棋士たちが一斉に順位を下げ、若手強豪がトップ10に多く名乗りを挙げていますね。

いよいよ本格的な世代交代を感じさせるランキングです。

では藤井聡太四段のレーティング増減も見てみましょう。新人四段のレーティング初期値は1500です。

年月順位レート増減
2017年6月35169262
2017年5月49163035
2017年4月61159534
2017年3月77156125
2017年2月87153627
2017年1月9715096
2016年12月1041503-

わず半年で35位へジャンプアップしています。まあ公式通算28勝0敗なので当然ですが。

ちなみにこのサイト、対局情報のみならずレーティングに基づく期待勝率や両者の対戦成績(2001年度以降に限る)も見られるというデータ厨垂涎のサイトとなっています

盤面データを見ながら観戦するのも面白いのですが、このように棋士たち自身データを見ながら観戦するのも…こう…非常に…楽しい…です…フフ

「でもソフトには勝てないんでしょ?」とすぐ言いだす人にはこういう対人競技としての面白さがあまり理解されないのでちょっと寂しいですね…。

Q.藤井四段、強いのは分かるんだけどデビューから負けなし28連勝はちょっと話ができすぎじゃない?

A.

できすぎです。(断言)

はいえ、はてな推薦図書ヒカルの碁」をお読みになった皆さんならお分かりの通り、碁でも将棋でも各人の棋力がどの段階で成長するかはなかなか推し量りにくいものです。

碁会所巡りや洪秀英との戦いを経て短期間に急成長を遂げた進藤ヒカルのように、三段リーグからプロデビューにかけて藤井四段の棋力が更にワンランクアップしたと考えるのもさほど不自然ではないように思います

何より彼は奨励会時代から注目されていたので、先輩棋士からの教えを得る機会も多くあったのではないかと推測します。才能と環境バランス良く備わった結果が今こうして表れているのではないかなと、いちファンとしては感じています

Q.こんな大ニュースなっちゃった話題作りのために手を抜いてる棋士絶対いるでしょ…

A.

いるともいないとも断言できませんが、棋戦は基本的トーナメント方式であり、勝てば勝つほど収入(対局料)が入ります

また、藤井四段は新人なのでトーナメントの最下層からスタートです。

たとえ頂点まで勝ち進むことは難しくとも、目の前の予選1回戦・2回戦をわざわざ連盟話題作りのためにみすみす逃す棋士いるかというと…正直ちょっと考えにくいです。特に藤井四段と当たる可能性の高い若手棋士たちなら尚更です。

私も一部の棋譜をチェックしていますが、盤石な内容ばかりではないもの藤井四段自身の強さは疑いようがありません。

それに加えて本人の勢い、対局する両者へのプレッシャー、加熱する取材、それらの要素が何かしら組み合わさってこのような記録が生まれたと考える方がより自然です。

Q.羽生善治ってもっとたくさん連勝してるイメージあったわ。100連勝とか。

A.

さて、こちらは歴代連勝数ランキングです。

順位名前年齢肩書(当時)連勝数達成年
1神谷広志26五段281986~87
-藤井聡太14四段28(継続中)2016~17
3丸山忠久24五段241994
4塚田泰明22六段221986
-羽生善治21棋王221992
-山崎隆之22五段222002~03
7有吉道夫49九段201984
8羽生善治17五段181987~88
-中田宏26五段181991
-丸山忠久28八段181999
-羽生善治35四冠(!)182005
-永瀬拓矢18四段182010~11

ここから連勝記録が出やすい条件を見出していきましょう。

【条件その1】低段

上記ランカーたちの多くが四段ないし五段という低段時代に記録を達成しています

これはどういうことかというと、まあ身も蓋もないですが「強豪との対局が少ない」です。

裏を返せば「勝てば勝つほど強豪と当たる」という当たり前な事象があり、このあたりに羽生善治三冠の連勝記録が意外と伸びていない理由があるものと思われます

はいえそれでも歴代トップ10に3回もランクインしてたり、そのうち2回はタイトル保持者として強豪ばかりをなぎ倒して達成していたりと、十分ヤバい棋士ではあるんですけどね。

また、デビューから間もない低段棋士は対局相手にあまり研究されていないというアドバンテージもあるでしょう。

【条件その2】若い

合計12の連勝記録トップ10のうち、3つは10代、7つは20代で達成されています

将棋思考力を試されるゲームですが、プロとして対局を消化するのは体力勝負でもありますタイトル戦ともなれば「一人あたりの」持ち時間は3時間~6時間にも達します。

対局の度に盤の前で何時間も考え続けて勝利をもぎ取る体力、これを10何局20何局と積み重ねるためにはやはり若さが大切なのかもしれません。

実際、棋士の力のピークは20代から30代半ばであるとしばしば言われます。この数字だけ見るとアスリートに似ていますね。

そしてランキングに戻ると有吉道夫九段の49歳20連勝が光り輝いて見えます羽生四冠35歳18連勝はもはやチート

【条件その3】強い

当たり前のことですが、強くないとそもそも勝てません。以上です。

…というのもアレなので、連勝記録トップ10ランカーたちの通算勝率を並べてみました。(現役棋士のみ)

順位名前対局数勝数負数勝率最多連勝数
1藤井聡太四段282801.00028(継続中)
6羽生善治三冠191613705440.71622
11永瀬拓矢六段3372371000.70318
20山崎隆之八段8555582970.65322
29丸山忠久九段13468564900.63624
54中田宏樹八段12167224940.59418
88塚田泰明九段13207215990.54622
139神谷広志八段11645576070.47928

プロ将棋では通算勝率が6割あれば実力者とみなされることが多いです。この辺は通算対局数や個々人の主観によっても変わってきますが。

ちなみに対局数1000以上の棋士で7割勝ってるのは羽生善治三冠ただ一人です。恐ろしい恐ろしい

こうして見ると連勝記録ランカーたちは通算勝率もおおむね5割後半~7割をキープしており、また神谷八段と藤井四段を除く全員にタイトル挑戦ないしタイトル獲得経験があります

したがって、勝率の高い、強い棋士が連勝記録を出しやすいと言えるでしょう。まあそりゃあそうよね。

連勝記録が出やすい条件

【低段】【若い】【強い】

藤井四段はこの3つを兼ね備えているので、デビューから負けなし28連勝も当然の結果ですね!!(藤井連勝ストップ予想を書いた紙を破り捨てながら)

Q.テレビでやってたけど藤井くんが休憩中どんな飯食ったかとかどうでもよくない?

A.

どうでもよくないです。これはとても大切なことです。もちろん彼が出前を注文した店に殺到するような行為は厳として慎まなければなりません。

しか将棋ファンにとって「棋士食事」は一大コンテンツでもありますメインコンテンツとまで言うとさすがに過言です。

古来から将棋棋士たちは盤面のみならず食事面でもしのぎを削ってきました。その元祖と言えるのはかの加藤一二三 九段でしょう。

対局の度にうな重を平らげ、板チョコをまとめてボリボリ。近年もカキフライ定食チキンカツ定食ダブル注文で中継を沸かせ、故米長邦雄との"みかん対決"は今なお語り継がれています

上の連勝数ランキングに登場した丸山忠久九段も大食漢で知られています。一部のタイトル戦では1局に2日をかけて戦うのですが、緊迫感が最高潮に達する2日目の夕食にステーキを注文した鉄の胃を持つ男。

竜王戦の昼食ではカツカレー味噌ラーメンダブル注文を決めて健啖丸山を高らかに宣言し、三浦弘行九段騒動で揺れる将棋界に一時の安寧をもたらしました。

(一方、その裏では解説加藤一二三 九段麻婆豆腐+かに玉+中華粥を注文していた)

かの羽生善治タイトル戦で「寿司ジンジャーエール」という新手を残しています一見奇抜な組み合わせだが、ガリの生姜成分をジンジャーエールで補強しようという意欲的かつ独創的な指し回しだと話題になりました。

ちなみに、将棋棋士比較的しっかり食べる一方で、碁の棋士は少食派が多いのだとか。そういえば塔矢アキラも対局日は昼食をとらないキャラクターでしたね。

この辺はいずれどなたかにしっかりとしたデータを取っていただきたいものです。データ厨なので。

Q.次勝てば新記録なんでしょ?次の相手ってどんな人?

A.

やべーやつです。

増田康宏四段(19歳)。26歳以下・六段以下のプロ棋士三段リーグ上位者などが参加する「新人王戦」を昨年10代で優勝している期待の若手です。

プロデビューは16歳。彼も三段リーグ在籍時に藤井四段と同じ「現役中学生棋士」となるチャンスがありましたが、上位直接対決での黒星が響いて失敗。中学生棋士中学生棋士になりかけた男の対決です。

増田四段のELOレーティングは1712。藤井四段の期待勝率は47%ですがこの数字は現状あまり当てにはなりませんね。

先月単独インタビューが公開され、「矢倉(戦法)は終わりました」「("興味のある戦法は?")ないです」「("好きな将棋格言は?")特にないです」「(研究会は)行くのが面倒」「詰将棋意味ないです」

などの強烈なパンク発言話題を呼んでいます

https://book.mynavi.jp/shogi/detail/id=73003

彼はAbemaTV企画非公式戦ながら藤井四段に敗れ、「初めて年下に平手で負けた」と悔しさを露にしているため、次戦を増田四段のリベンジマッチとして観戦するのも面白いでしょう。

Q.藤井四段は次勝つとどうなるの?

A.

藤井vs増田の戦いが行われるのは将棋界で「名人」と並ぶ最高峰タイトル竜王」への挑戦権を争う竜王戦決勝トーナメントです。

https://www.shogi.or.jp/match/ryuuou/30/hon.html

から1組~6組のクラス別予選を勝ち抜いた棋士たちによる変則トーナメントで、藤井四段は一番下の6組予選で優勝、増田四段は5組予選で優勝しての参加です。

ちなみに竜王戦決勝Tは対局料が公開されていますトーナメント表に書いてある数字がそれです。

藤井四段は6組予選優勝で既に93万円を獲得しており、

決勝T初戦で増田四段に勝てば52万円を獲得します。

勝ち進んで挑戦者決定戦に進めば450万円。

挑戦者になればたとえ敗れても1,620万円、

竜王」のタイトルを奪取すれば4,320万円です。(将棋界最高額)

もう一つ言うと、竜王戦6組予選はアマチュアにも門戸が開かれています。夢がありますね。(なお、プロ並みに強いアマチュアに限る)

金曜日ですね

さて、天才たちのことばかり書き連ねていたら疲れました。

平日も残すところあと一日。われわれ凡人は今日も地に足をつけて、やっていきましょう。

2009-06-01

南京事件否定論はなぜ相手にされないのか(初心者むけ)

http://d.hatena.ne.jp/D_Amon/20090528/p1

http://d.hatena.ne.jp/a-kubota/20090530/1243663042

に便乗してみる。

分かりやすく今までのことを要約すると、

はてサid:D_Amon氏、「南京事件否定論を真に受けるのは無知だ!きちんと歴史勉強しろ!」と自分歴史学の初歩とやらのエントリーを書いてそこらじゅうに爆撃する。(正直いやがらせかと思う)

自称中立id:a-kubota氏、「中立の俺が肯定派も否定派も分かりやすく説明してやるぜ!」とかいいつつwikipediaを信用して(笑)肯定論と否定論の要約をする

はてサ諸氏、「歴史学の結果である肯定論とトンデモでしかない否定論をいっしょくたに扱うとはなにごと!ムキー!!」

ってのが今の状態。

それで中立のid:a-kubota氏が否定派と肯定派の両方を紹介してくれたので、なぜはてサ諸氏が否定論をまともに取り扱わないのか、

なぜ南京事件否定論をまともな論のように紹介したa-kubota氏がキレられているのか、説明したいと思います。

理想としては新書を一冊でいいから肯定派の本を読んで

まず「南京事件肯定派ってどんなことを肯定しているのか、そもそも肯定派の言ってる南京事件って何か」を知って、

それから有名どころの南京事件否定派の本を読んで否定論者の言ってることって根拠があるのか調べてみるってのが、理想なんだと思う。

けれども、a-kubota氏のエントリを見て満足しちゃうような人って、絶対にそんな面倒くさいことしないのね。

id:D_Amon氏が「じゃあもっと要約してみた。これを読め!!」って言ってみても、それすら読めない。

なぜかと言えば、id:D_Amon氏が信用できるか分からないので、読んでみて結局無意味だったら嫌だし。

と言うわけで、中立のid:a-kubota氏が紹介した否定論と肯定論のうちなぜ否定論がトンデモなのかを短く、めんどくさくなく説明しようと思います。

と言ってもどう短くしても内容に立ち入ると面倒なので、内容には立ち入りません。

たぶん短い。


否定論者に歴史学者がいない

藤原彰・笠原十九司・秦郁彦歴史学者ですが、東中野修道歴史学者ではありません。(政治学思想学の人)

他にも渡部昇一とか小林よしのりとか田母神さんとか否定論を唱える人はいますが、歴史学者は一人もいません。


裁判で負け続けてる

否定派VS肯定派の順で紹介していきます。

秀英裁判

松村俊夫(否定論者)VS李秀英南京事件証人

秀英の勝利。松村俊夫は「李秀英の言うことはこれこれこういう部分でおかしい。嘘っぱちだ」と言ったが、

裁判では「松村さん、あなたの言ってるこれこれこういう部分っていいがかりですよ」となって敗訴。

百人切り裁判

稲田朋美国会議員)VS本多勝一朝日新聞

稲田裁判長にほとんど相手にされずに本多勝一の勝利。本多勝一と言えば、初心者でも「胡散臭い人物」ってことは知ってると思う。

うん、そうなんだ。胡散臭い人物にも惨敗するのが否定論者なんだ。

夏淑琴裁判

東中野修道写真で有名?)VS夏淑琴南京事件証人

夏淑琴の勝利。東中野修道は「夏淑琴の言うことはこれこれこういう部分でおかしい。嘘っぱちだ」と言ったが、

裁判では「お前別に問題のない証言をわざと英語を訳し間違えて辻褄合わなくしてるだけだろ」ってなって敗訴。

東史郎南京事件で嘘の証言をしたってことで敗訴した。日本司法が嘘の証言に甘いってわけじゃない。

証言者では敗訴した人間はいるけど、敗訴するような人の証言は学者はやっぱり重く扱わないし、肯定論の学者が敗訴したことはない。

日本政府自体は肯定派

http://www.mofa.go.jp/MOFAJ/area/taisen/qa/08.html

日本政府南京大虐殺定義は「日本軍南京入城後、多くの非戦闘員の殺害や略奪行為等があったこと」でこれは事実としてる。

他にも文部科学省が「南京事件あったかどうかわかんないよ」って書いたつくる会教科書に検定意見つけて「南京事件あったよ」って書きなおさせたこともあったでしょ。



肯定論者はイデオロギーに幅広い

例えば東中野に賠償命令判決だした三代川三千代裁判官は、保守的判決出すのに有名な人だし、秦郁彦に至っては右翼、「つくる会」の会員だったこともあるくらいだから「極右」って言ってもいいかも知んない。

肯定論者は左から保守から右からいろんな人いるけど、否定論者って極右かいないよね。

どっちがイデオロギーより事実を優先しててどっちが事実よりイデオロギーを優先してるか明らかだよね。



否定論って互いに矛盾しあう

例えば、否定論の論法の一つに、

1947年東京裁判で出てくるまで、南京で虐殺が起きてるなんて話はどこにも無かった!東京裁判でいきなり話がつくられた証拠だ!だから南京大虐殺は嘘だ!」

ってのがある。さらに、

1938年に、蒋介石が『南京日本が残虐行為をしてる!』って宣伝するための証拠を捏造する部隊を作った証拠をつかんだ!だから南京大虐殺は嘘だ!」

ってのもある。ひどい時には同じ人が言ってる。

でもさ、1938年にしきりに南京大虐殺宣伝してるんなら、1946年には広く知られてるはずだよね。同じように「南京事件を起こしたのは朝鮮人だった説」とか「便衣兵の処刑を大げさに言った説」とか互いに矛盾しあう説がいろいろあるって言うか、

南京大虐殺」を捏造した勢力も捏造した理由も違いまくるのに、なぜか喧嘩せずにお互いに褒めあってるよね。

おかしくね?

 対して肯定論者って、細かいことでも主張が違うと議論しまくる。

有名な例でいくと笠原VS秦とか。

お互いに「南京事件あった」って言ってることは同じで、南京事件の中身でも幕府山で起こったこと、下関で起こったこと、安全区内で起こったこと、新口路で起こったこと、大まかには同じこと言ってるのに、それでも例えば幕府山事件の詳細で細かい違いがあっただけでも喧嘩しまくる。

なぜかと言えば真理を求めてるからに他ならないと思うわけ。

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最後の方は「初心者へ」って感じじゃなくなっちゃったかも知れないけど、「大まかに信じれることを知りたい」って人には参考になったと思う。

これを見ても、

日本以外のすべての国と日本政府日本司法自民党の大半と民主党のほとんどと公明党共産党社民党全員とマスコミが間違っている!俺が正しい!」

って言う人もいるだろうけど、そういう人は「初心者」では絶対にありえないからいいや。

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後日追加。

おまけとして、これを紹介しておこう。

否定派のサイトだけど、第一話を読めば南京事件が大体どういうものか分かるんじゃないかと思う。

id:D_Amon氏のやつは文章がいっぱいで読めないって人向け。

http://beauty.geocities.jp/nankingharuhi/

 
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