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2021-04-06

anond:20210406185309

書こうと思ったらもう書いていただいてありがたい。

過去にいたかたことがあるならエコー検査希望すればいいと思いますね。

すくなくともいきなり針生検になるよりはずいぶん負担も少ないです。

anond:20210406184418

そういう人がより負担の重い針生検選択する可能性はほぼ0だと思うんで、「変化なし」ですね

anond:20210406184348

前立腺生検そもそもいきなり受けるようなものじゃなくて」とあるのは読めなかったの?

anond:20210406155255

マンモグラフィー(と書かなかったけど超音波検査)がない場合は針生検になって一気に時間的にも体力的にも金銭面的にも負担が増えますがね。

実際はそうなると検査を躊躇する人が増えて乳がんによる死者が激増するでしょうね。

anond:20210406155450

別の増田も言ってくれてるけど、前立腺生検そもそもいきなり受けるようなものじゃなくて、腫瘍マーカーMRIなり他の検査で所見が認められるときにやるもの

そりゃそうだよね、基本的には入院必須金銭的な自己負担だけでも手術レベルから。そんな気軽に受けるもんじゃない。

対して今話に上がってる検診はそういう所見の元にやるものじゃない。だから保険診療じゃない。

例えば普通に受ける健康診断保険診療じゃない。それと同じ。

そもそも並べて比較するものじゃないんだよ。

比較するなら乳がん生検あたりで、こっちは普通に麻酔を使う。

女性特有病気から軽視されてる?いやいやマンモグラフィーをはじめ女性特有病気を診断するための、患者負担の少なくてかつ有効手法はどんどん研究が進められて(当然税金から資金投入もされて)進歩してますから

anond:20210406002829

anond:20210405203119

別の増田も言ってくれてるけど、前立腺生検そもそもいきなり受けるようなものじゃなくて、腫瘍マーカーMRIなり他の検査で所見が認められるときにやるもの

そりゃそうだよね、基本的には入院必須金銭的な自己負担だけでも手術レベルから。そんな気軽に受けるもんじゃない。

対して今話に上がってる検診はそういう所見の元にやるものじゃない。だから保険診療じゃない。

例えば普通に受ける健康診断保険診療じゃない。それと同じ。

そもそも並べて比較するものじゃないんだよ。

比較するなら乳がん生検あたりで、こっちは普通に麻酔を使う。

女性特有病気から軽視されてる?いやいやマンモグラフィーをはじめ女性特有病気を診断するための、患者負担の少なくてかつ有効手法はどんどん研究が進められて(当然税金から資金投入もされて)進歩してますから

2021-04-05

anond:20210405142727

前立腺生検のことだろうけど、それは局所麻酔でも入院が基本だからだね

からもう一泊追加で全身麻酔にするという選択肢比較的取りやす

元増田

いっそのこと入院してくれたほうが管理が楽なんだけど、検診やミレーナだけで入院するとか本人も面倒だろうし、何より保険診療では許されないだろう。

って言ってる通り。

ブコメ前立腺生検のほうが点数が高いからさが出るんだ!って言ってる人がいるけど、入院が前提だから

コストが高いんだから点数も高くて当たり前。

2021-02-26

30歳、三度目のがん

乳がんに またなった。

敢えて再発と書かないのは、別の種類だから

2年前は、腫瘍転移したリンパ節のみで胸には無かったけれど持病により放射線治療ができないので全摘という話で最初は進んでいた。

だけれど もう片側のおっぱいもがんになる可能性が頭を過ぎり、また再建手術の内容を聞くうちに拒否感を覚え 再発まで少しでも元々の胸のままでいようと摘出はやめた。

そして今回、悪い予感が当たり もう片側のおっぱいにも腫瘍を認め最初は再発だと思ったけれど生検の結果 別のタイプだという。

辛かった抗がん剤や地味に辛いホルモン治療無駄だったのかもしれないという気持ちがあったので正直ホッとしたところがある。

でも今回はもう逃げられない、恐らく全摘出。

どうせ手術をするなら豊胸手術をする手間が省けたって思えるような美乳にしてもらおうって思ってるけど、どれだけのことが出来るんだろう。

保険適用じゃなくてもいいからカッコイおっぱいにしてほしい。

とりあえず抗がん剤がまた始まって 今日で2回目だけど、副作用がほぼゼロで実感はない。効いていない気がして腫瘍状態確認できずにいる。

今回は男の子とヤリまくるエネルギーがなくて、でも今度こそ自分が生まれ持った女の部分が望んでいないのに作り変えられてしまうというか感覚麻痺とかして性感帯をひとつ失うかもしれないと思うと動きたいけど、もう完全にがんを舐めているところがありヤル気が出ない。

とにかくこれだけ、無理矢理おっぱいを残してよかったと心から思う。

担当のお医者さんをとても信頼しているけれど、その人の言いなりになる必要はないから話を聞いて自分で考えた上で今回も最善ルートを選べるといいな

とりいそぎメモ

タイトルの三度目というのは、乳がんの前にも もういっこやってるからです。

2020-10-07

【2020.10.09追記】親の乳がんを早期発見できなかった

母親乳がんであることがわかったのが2020年3月

世間的には新型コロナウィルスがそれなりに騒がれてきたころだった。

そのあとはもう抗がん剤治療がすぐはじまり8月頃に手術をしてひと段落かと思った。

全然そんなことはなかった。

腫瘍マーカーの数値はだんだん悪化していて、本人もそうだし俺もめちゃくちゃ落ち込んだ。

落ち込むというより、混乱と不安と恐怖と悔しさだな。

これは早期発見すれば乳がんは治る!って広告を見て、早期発見できなかった人の話も書くかと思って書いた話。

 

 

から今すぐに顔を見て安心したり心配したりしたかった。

でもできない。

まず俺(28)は同居してないし、400kmくらい離れたところで働きながら一人暮らしをしている。

親は二人で田舎に住んでいる。しかも近隣の県では新型コロナウィルス感染した一家自殺に追い込まれたりしている。

病院側も神経をとがらせていて、GWに息子さんが帰省するなら、息子さんとの接触を控えてくださいとまで言っていた。

そんな場所に帰れるわけがなかった。

そんな場所から、親も帰って来いなんて言えるわけがなかった。

今年の三月に会って以来、現時点では一度も顔を合わせていない。

 

 

実はすでに、乳房良性腫瘍があると10年前の時点で判明していた。

それ以来、良性腫瘍存在は毎年のことであって、今年の1月の健診でも問題がなかったとして放置していた。

それが3月になり、乳房が少し痛むというので病院に行き、針で生体組織採取する、いわゆる”生検”を行った。

タイトル通り乳がんであり、タイトル通り早期発見には程遠いステージⅢだった。

ステージⅢの中にもaとかbとかあるが、もう覚えていない。

とにかく乳がんはすでに組織内に留まっておらず、その先のリンパ節まで転移していて、すでに体の血管にがん細胞が散ってしまっていた。

しか乳がんには種類があって、その中でも治療できる方法が少ないトリプルネガティブという種類だったらしい。

簡潔に言うと、増殖が速くて、効く薬もなかなかなくて、すぐ再発してすぐ悪化する性質を持つ。

しかもすでに乳がんは進行している。

最悪だった。

確実に親の死を意識した。いまもしている。

というか統計データ上では1~2年以内の再発発生率が高い(転移も含め)のと、ステージⅢのトリプルネガティブ乳がん患者の5年生存率は40%切るんだよな。

しか転移したらステージⅢどころかⅣに移行するし、そうなるともう完治は激難しくて、基本的にがんの進行を遅らせながら、痛みを少なくしてQOLを維持することに方針シフトするんだよね。

もう無理じゃん・・・

 

 

親が死ぬこと自体不思議じゃないし、順番で行けばそうなる。

でも心のどこかで、(俺が死ぬまで親は生きているんじゃないか・・・)みたいな、祈りに近いような考えはあった。

でもやっぱり義務教育を修了しているので、そんなことはないってわかる。

じゃあいま、何が一番苦しいかって言ったら、母親気持ちを考えることだよね。

言ってたんだよ、退職したらお父さんの車を車内泊できるように改造して、いろんなところ行こうねって。

俺のところにも旅行に来て・・・弟のところにも行って・・・いろんなところに行こうねって。

できなくなっちゃったんだよ・・・

やべ少し涙出てきた。

 

 

抗がん剤は肉体の免疫を落とすので、人込みとかはそもそも避けなきゃいけない。

それだけならちょっと気を付けて旅行かにはいける。

問題は新型コロナウィルスだよ・・・全部これ。

これがなかったら俺は今すぐ母ちゃんのところ行って安心させたいし安心したい。

親もいろいろなところに行って、不安はありながらも気晴らしにはなったと思う。

でもぜ~んぶできなくなっちゃった

親が死ぬこと自体は、まぁ悲しいといえば悲しいけど、それは前から想定していた悲しみだからもう受け入れてる。

受け入れられないのは、やりたいことすらできないまま、とどまり続けているうちに何もできなくなってしまうこと。

その状況に母ちゃんが置かれていること。

その気持ち想像しただけでめちゃめちゃ悲しくなるし、やりきれない気持ちでいっぱいになる。

不安でいっぱいの母ちゃんを思うだけで俺の気持ちも心細くなる。

すごい明るい人だったのに超暗くなっちゃったらしい。

親父も頑張っているし、母ちゃんも親父と結婚してよかったとまで言ってたけど、俺は母ちゃんに死んでほしくないよ・・・

彼女もまだ紹介してないし(まだいないから)、孫の顔も見せてないんだよ

4~5年以内にはこっちで家建てて親を呼ぶつもりだったんだよ

80くらいになったら(そろそろかな・・・?)なんて嫌な想像もしつつ親の死を受け入れると思ってたんだよ

なんでそんなに早いうちからなんだよ

なんでだよ・・・なんで・・・

 

 

本当になんでしか口にできない。

支離滅裂だけど誰かに聞いてもらわないと狂うわ。

 

 

 

 

【2020.10.09追記

予想以上に叱咤激励いただいて、本当にありがたいと思う。

既に家族を亡くされた方や、現在進行形で闘病中の家族がいる方、さまざまな方からコメントは非常に悲しかったが、また慰めにもなった。

悲しいというよりは、悲しみが伝わってきたというほうが正しいのかもしれない。

やっぱり誰の死でも、予想以上に速い別離は非常に悲しいものだと改めて思った。

 

 

昨日、思いきって母に病状のことを聞くことにした。

トリプルネガティブ乳がんと聞いてから、あまりにも怖くて病状のことを聞くのを避けていた節があったのは事実だ。

でも多くのコメントに(このままではいけない)と背中を押され、聞くことにした。

実は10/1からCT検査MRI、追加で多くの検査を行っていたらしかった。

骨や肺、肝臓への転移確認していたらしい。

追加の検査を受けることになった際には、さすがに転移覚悟していたらしく、気分の落ちようがすごかったと話していた。

結果は転移なしだった。

冗談抜きで、痛みや悲しみ以外の感情で泣くということを経験した。

まりの安堵感で、感情が抑えられなかったのだと思う。

でも冷静に考えれば安堵もできないんだよな、状況は好転したわけじゃなくて並行移動したままなんだから

これから放射線治療が始まる。

  

 

今日仕事中にTNBC(トリプルネガティブ乳がん)について調べていた(許して)。

依然として今後も楽観できるような情報はなく、やはりというか、暗い思いになった。

それでも、コメントしていただいた方のおかげで、後悔しない選択をしていきたいと、そう思えるようにはなった。 

まずは手紙を書きたいと思う。

この間手紙に関する映画を見たばかりだし、思いを伝えることは大事だなって思ったから。

あとは今以上に家族で連絡を取る、みんなで情報を共有する。

コメントでもいただいたが、やはり父親もつらいようで酒の量が増えたらしい。

少し調べてはいるが、アルコールのがんへの影響は「確実」としている結果と、「影響あるかはわからんね」としている結果がある。

健康にもあまり良くないし、毎日飲むのは良くないんじゃないかな?とは思う。

父親ケアも行っていきたい。

 

 

参考になるかはわからないが、以下に勉強になった本を記録しておく。

同じような状況の人が少しでも気が楽になるように(気を楽にすることくらいしか他人にはできない)。

アマゾンリンクしか貼っていないが、特に私自身に何か還元されるものでもないし、リンクトは別に調べて買っていただいても結構です。

がんに関する情報は虚実さまざまあり、当事者にとっては非常に選択に迷うと思われる。

私自身、調べるとなると最初はどれが本当かわからなかった。

確固としたエビデンスをもとに書かれた本を購入するのが一番確実と感じた。

そのため、以下には基本的学会名前で出している本や、がんセンターの院長が著者の本を挙げた。

この中の一つでも、わずかな情報でもあなたの救いになったら、私も救われる。

 

 

<非当事者として読む本>

・親ががんになったら読む本 主婦の友社 \1540

http://www.amazon.co.jp/dp/4074380153/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_G0dGFbYY3ME2H

・身近な人ががんになったときに役立つ知識 ダイヤモンド社 \1650

http://www.amazon.co.jp/dp/4478069212/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_S2dGFb0P29WM5

 

 

<がんの知識を増やす本>

国立がん研究センター乳がんの本 小学館 \1980

http://www.amazon.co.jp/dp/4778037936/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_.3dGFbGX8B6NX

患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2019年版 金原出版 \2540

http://www.amazon.co.jp/dp/4307203992/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_94dGFbJZ9EDN9

2020-09-29

ミカンダイフクは死んだのだろうか、という話

10年近く前のことになるが、大学の通学路の途中に顔なじみの猫がいた。

白くて毛並みの良いもっちりとした猫だった。だいだい色の柄が頭に小さくひとつ背中から腹にかけて大きくひとつあった。俺は猫のことをミカンダイフクと呼んでいた。

猫というのは大体そうだが、ミカンダイフクもあるとき急に通学路に現れた。

どこかからやって来て、そこにいつくことに決めたのだろうと思われる。ある家のガレージ根城にしていて、埃をかぶった二輪の上でよく眠っていた。

俺とミカンダイフク関係特別ものではなかった。

少なくとも、猫は俺だけになついているわけではなかった。

ある日なんて、小学生くらいの少女に米俵のように担がれて、全く関係のない通りで見かけたこともあった。あいつは何をやってるんだ、と俺は思ったが、友人のいない大学生に撫でられているよりずっと、猫は幸せそうに見えた。

はいつも、俺が会いに行くと面倒くさそうにして寝たフリを始め、それでも俺が待っていると、仕方ねえな、という具合にのっそりやってくる、そういう関係性だった。そして、ある日見かけなくなって二度と現れなかった。

それから10年近く経って、俺は30を過ぎて、昨日人生で2回目の胃カメラを飲み、写真パネルの前で医者に嫌な顔をされた。

「これ、わかります?」

「はあ」

生検、取っておきました」

「ああ、そうですか」

「あと、これ。こことここ、色が違うでしょう」

「ええ、はい

「これが気持ち悪くてね…。念のため、ピロリ菌検査、やっておきましょうか」

「はあ、じゃあ、お願いします」

気持ち悪い、と言われてもな。

要は僕はヤバいんですかね、と聞けばよかったのだが、うっかりしているうちに機を逸してしまった。本当にヤバかったら医者の態度ももっと違うだろう、という気もするが、カメラを突っ込まれた俺が猛烈にえづいていても容赦なくチューブを送ってくる人種から信用できない。

そして俺は唐突に数年ぶりに、ミカンダイフクのことを思い出した。

ミカンダイフクは死んだのだろうか。

猫の寿命を考えれば死んでいる可能性が高いが、どこかで生きていてくれればな、と思う。俺もまあ、いずれは死ぬが、いまはまだ死にたくない。

2020-07-13

2年間かけてコンジローマを治した

風俗好きの私がデリヘルからコンジローマうつされ、2年間かけて完治させた話をここに記したい

時間が無い人用に要点をまとめるとポイントは3つ

■おちんちんは常に清潔に

病院選びはとても重要

■早く治したいなら外科的切除が一番

私はデリヘルが大好きで週1のペースでデリヘル嬢を呼んでいた

ある日風呂に入っているとおちんちんに白いできものが出来ていた

不安になった私は病院へ行くこととした

一件目の病院

何も考えずに近所の泌尿器科へ行った 今思えばこれが大失敗であった

先生事情説明し、ちんぽを見て頂くも「汗疱ですね 汗がつまってるだけです 何もしなくても治ります」と言われ帰宅

2週間ほどして、さらに白いできものが増えたのを見て愕然とする

二件目の病院

一件目の病院は頼りにならないと思い、近所の別の泌尿器科に行った 今思えばこれも大失敗であった

先生事情説明し、ちんぽを見て頂くも「とりあえず血液検査だ」と言われ採血だけされてその日は帰宅

1週間後病院に行くと「血液検査の結果、梅毒ではなかったから多分コンジローマ 塗り薬出すから」と言われる

1日おきに患部に塗るクリームを頂く

「塗布時間は最長10時間まで それ以上塗ると皮膚が荒れて大変なことになる 毎日塗るのも駄目 必ず1日おきでお願いします」

調剤薬局の若くて綺麗なお姉さんに説明される

しかしながら、薬を塗り続けること1年間 治るどころかできもの10個にまで増殖

先生相談しても「薬を続けて様子を見よう」というばかり ちんぽを切って死のうかと思い悩む日々であった

三件目の病院

治療開始から1年以上経過するも一向に治らずむしろできものは増えるばかり

さすがにおかしいと思い病院を変えることにした 多少遠くてもいいからとネットで評判を調べてから新しい病院を選んだのだがこれが大正解であった

先生事情説明し、ちんぽを見て頂くと「なんでこんなになるまで放っておいたんですか」と言われたので過去治療経緯を説明

二件目の病院で1年近くクリームを塗り続けた話をすると「あれは連続使用は16週まで それ超えて効果無かったら切るしかないよ しかし酷い先生だね」と呆れられる

手術の所要時間は30分程度、保険適用なので費用も数千円程度であるとの説明を受け、すぐに手術の予約をして帰宅

手術当日

ちんちんを丁寧に洗って登院 おちんちん局部麻酔を打って待つこと5分でおちんちん感覚はほぼなくなる

痛くはないんだけど鉗子やらピンセットでつままれ、そして切り取られていくぼくのおちんちん

「化膿防止のため毎日消毒して塗り薬をぬってください パンツにつくと汚れるのでガーゼ布テープパンツに貼るといいですよ」と説明される

テープではしっかり固定出来ないし、万が一オフィスを歩いているときズボンの裾から汚れたガーゼが落ちたりしたら即死である

私はテープではなく、ダブルクリップガーゼをしっかりとパンツに固定する安全策をとることとした

「コンジローマはしぶといので切除しても半数くらいの方は再発します 1ヶ月後にまた来てください」と言われ病院を後にした

手術から1ヶ月後

手術跡なども特に残らずおちんちんは元通りになった 但し白いできものもまた2個出来ていた

「切除した部分を生検に回したけどやはりコンジローマでした HPVには何種類かあって悪性のものだと癌化したりするけど増田さんのは良性

前のときはかなり大きくなってたかクリーム効かなかったけど、今回はまだ小さいかクリームで治るよ」と先生に励まされる

半信半疑クリームを塗って布団に入り翌朝おちんちんを見てみると、なんとできものが小さくなっているではないか

そして1週間もすると完全にできものは無くなってしまった

手術から半年

何度かの再発を経て、新たなできものが出来ることは無くなっていた

先生からは「半年間再発がなければ完治といって良いでしょう」と言われた

手術から1年後

半年間再発もなくついに完治

増田さん、今度からは気をつけてくださいよ 夜の街とか今やばいですからね」と先生から厳しいお言葉を頂いたのが先週の金曜

そして今日

誘惑にまけてついデリヘルを予約してしまいました

はてなの皆様も性病に気を付けて充実した風俗ライフをお送りください

結婚相談所ブログを見て思ったこ

最近家を買おうと思いス○モとかで物件検索してて、結婚も似たようなものだと感じた。

というより物件探しは基本、一方的に探すけど、結婚は両方が条件を絞るから出会確率がかなりマッチングが難しそう。

なんでそう思ったかというと某結婚相談所のブログをみて、下のような質問がくるという話があった(引用

一人暮らしした方がいいですか?」

「痩せた方がいいですか?」

タバコやめた方がいいですか?」

初デートは男が奢らなきゃダメですか?こっちが2000円で相手が1500円とかはダメなんですか?」

お見合いは男の奢りって相談所のルールで決まってるのに、払ってもらったお礼を言わなきゃいけないんですか?」

「お店は男が予約した方がいいですか?」

お見合い10分前集合って言われたけど、ギリギリに着いたらダメですか?」

「できれば親と同居してくれる人がいいんですけど、希望しない方がいいですか?」

「断られるのが嫌だから申し込みたくないんですけど、自分から申し込んだ方がいいですか?」

ご、ごめん…

ホンマにごめん!!

YES以外の答えが存在しない!!

引用終わり)

まぁたしかYES以外はないとは思う。結婚したいなら。

家を探すとき検索の条件をいろいろつけてから探すんだけど、自分理想の家を探すとなかなかないんだよね。築10年未満2000万以下で駅から徒歩5分、0件。条件がなければ1000件以上あったはずなのに。

自分物件だと思って女性に選ばれるように努力するときに「たばこはやめない」「痩せたくない」とかすぐどうにかできるようなこともやらずにいたら一生検索にひっかからないんだよ。もしも見つけてくれる人がいたとき相手はかなり度量の大きい人で相手検索結果には1000人の人が出てる。その中でいい人を選ぼうと思ったときあなたが選ばれるかどうか。

寝る前に思いついて眠くなりながら書いてるからわかりづらいけど。これから結婚相手探す人は肝に命じてほしい。まぁあなた勝手だけど。

2020-03-16

臨床検査技師が推察する新型コロナ検査数が増えない理由

twitter検査しているのは技師なんだ!って動画がバズりました。著作権問題はあるけど、あるあるが詰まってて面白かったです。臨床検査技師が少し注目されたので、公開されている情報を元に新型コロナウイルス検査キャパが増えたにも関わらず検査数があまり増えていない理由を主に「国がどうやって検査キャパ数を増やしたか」を中心に推察していきます

みなさんが思っている論点と違っててタイトルで釣ったと思われる方がいたらすみません

タイトルを「国が〜」とかにすると政治的意図があると思われそうだからやめました。


前提として全数把握をしない理由は、様々な先生方がおっしゃっている通りだと思っています現在、陽性者は軽症・重症にかかわらず原則入院措置がとられています。(病床数の都合で一部は違うみたい)軽症のコロナ患者感染症病床をとられてしまうと、空気感染するような麻疹結核などの感染力の強い感染症患者隔離できなくなってしまうことが危惧されます

まり身近には感じないかもしれませんが、結核患者数は年間1万5千人を超えており死亡率は20%弱(平成28年)です。麻疹に至ってはワクチンがあるにも関わらず未だにゼロにできていません。


この病床数の点については、この先新型コロナ感染者数がもっともっと増えてくれば、軽症患者は自宅隔離処置がとられると個人的には予想しています


さて、本題です。

ここでは以下の4点を踏まえて検査キャパ数に比較して検査数が伸びない訳を推察していきます

あくまでも私個人意見です。違ってたらすみません

1. 増田について

2. 国はどのようにして検査キャパ数を増やしたか

3. 保険適用でも検査できない?

4. PCR簡単か?

時間のない方は2と3だけでいいかも。


1. 増田について

臨床検査技師一般市中病院微生物検査に数年、病理検査に十数年いた中堅技師病理検査フラジャイルをご存知の方であればわかるかも。森井君と同じ仕事をしていました。ちなみに大学卒業研修はTaqManプロブリアルタイPCRを使った、ガン遺伝子定量身バレ防止でざっくりすぎ)。今は事情があって退職主婦をしています

現場で働いている人たちは守秘義務もあってなかなか発信しづらいし忙しいだろうから外にいる増田個人的見解をみなさんにお伝えします。


2. 国はどのようにして検査キャパを増やしたか

当初、新型コロナPCR国立感染症研究所マニュアルに基づき、一部の地方衛生研究所実施していたようですが、2月14日厚生労働省日本臨床検査技師会(日臨技:全国の臨床検査技師所属する団体)の理事長あてに協力要請を出しています。おそらく、ダイヤモンドプリンセス号の検体を大量に検査しなきゃいけなくなった頃なんじゃないだろうか。これに対し、関東圏に所属する技師が1日に数名〜10名ほど派遣されています

*1 新型コロナウイルスに関連した感染症対策における協力要請について

http://www.jamt.or.jp/information/tuuchi/asset/pdf/yosei-3.pdf

*2 派遣の状況

https://www.jamt.or.jp/covid-19/

派遣された技師がどこで何をしたかは把握できませんが、タイミング的には検体採取後のように思えるので新型コロナ検査に関わっていたものと予想されます


また、*1のPDFを読むと、2月17日には日本生検査所協会(全国の検査受託会社所属する団体)宛てに厚労省から検査協力の要請がなされています

ざっくり内容をみると、「検査試薬をお試し分だけ提供するから欲しい人は言ってね。検査できそうだったらどれくらいできそうか教えてね。」ということが書かれています

それに対し、SRLやBMLLSIといった大手をはじめ複数検査受託会社がうちはこれくらいやれますよと協力を表明したようです。

どの会社がどれくらいかはわからないけど。自社のホームページ公表している会社もあります


これにより1日に検査できる数を増やし検査可能件数が約7000件と見積もられたものと予想されます


ここまでがキャパが増えた経緯。

そして、ここから検査が増えない訳。


*1には協力要請とともに

感染者が増えてきたら、地方生検査所は疫学調査クラスター接触者追跡のための検査をするから診療必要検査検査受託会社検査お願いね。」といった意味にとれる文があります

まずこの文章から現在症状は無いし感染者との接触も明らかでないけれども不安から調べたいという人の窓口は無い、ということがわかります

ある程度検査を重ねて陽性例・陰性例が積み上がってきた中で、やっぱり海外渡航歴のある人や換気が不十分な部屋にいた集団、それらの濃厚接触者に陽性者が多いみたいだとわかってきた。だから保健所を通した地方生検査所は、濃厚接触者を中心に検査をしてクラスターを追っていきたいという意図がみてとれる。それを踏まえてtwitter検査拒否された人のツイートをみてみると地方生検査所は接触歴のない人の検査お断りしている可能性がある。

繰り返しになるけど、接触歴の明らかでない風邪っぽい人(=診療必要検査)は病院から検査受託会社検査に出すことを想定しているから。

実際はどうかわからないけど。


では、症状があるのに調べて貰えないのはなぜか?次に続きます


3. 保険適用でも検査できない?


症状のない人に対して病院では検査ができないのは皆さんご存知の通りです。保険診療対象にならないからです。なので上で述べたとおり、症状のない人の窓口は無いに等しいです。

では、症状があれば検査してもらえるのか。おそらく簡単には検査してもらえないと思っています。ここからはかなり個人的な推測が強くなります。訂正してくださる医師の方お待ちしています

*3 検査料の点数の取り扱いについて

http://www.hospital.or.jp/pdf/14_20200304_01.pdf

ここには、新型コロナPCR検査保険適用になった旨を通知する内容がかかれています

難しいことがたくさん書かれていますが、重要な部分をかいつまむと、「認可された検査施設で認可された試薬を使って検査してね。検査するときは明細書に検査必要だと判断した医学的根拠を書いてね。」という意味だと思います。(保険診療の但し書きはいつも解釈が難しいです)

まり医学的根拠のない人は簡単には検査してもらえないようなのです。

医学的根拠が具体的にどんなことをさすのか技師の私にはわかりません。すみません

しかしながら、日本環境感染学会から出ている医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド

*4 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド 第 2 版改訂版 (ver.2.1)

http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide2.1.pdf

を読むと、肺炎存在証明されないケースは感染リスクがなければ積極的検査すべき対象とは言えないと書かれています。(今のところ感染リスクがある人=濃厚接触者は保健所対応

また、新型コロナウイルス感染症に特異的な症状や所見がないと書かれていることからも、まずはコロナ以外の肺炎の除外が先になります

ということは、新型コロナ検査適応になる人は、胸部X線CT採血、喀痰培養(数日かかる)、迅速キットなどで細菌性・マイコプラズマインフルエンザなどなどによる肺炎が除外された原因のわからない肺炎にかかった人ということになるのではなかろうかと個人的には思うのです。おそらくあんまり多くない。

*5 市中肺炎入院症例の年齢別・重症度別原因微生物予後

http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/044120906j.pdf

*6 肺炎予防のために 知っておきたいこと

http://www.saitama-med.ac.jp/hospital/division/25respiratory_medicine/images/kanazawa02.pdf

診療方針については専門外なので検査から電カルをみてた経験から想像すみません。もしかしたら、いや別にもっと簡単コロナ検査出せるよと言われれば、あ、そうなんだ。って感じです。


あと、個人的には検査は適切な治療を行うための一つの手段だと思っています。今の状況をみていると、医療従事者側は患者治療目的なのに対して、患者側は新型コロナ検査を受けることが目的となってることによる混乱なのかなと思っています

国や病院側の方針患者目的果たしてくれるようなものでは今の所ないです。たぶん。しらんけど。


患者コロナかもと言い出すと病院にかかることすらもできなくなっていることも検査数が少ない原因の1つかもしれません。これは余談だけど、重症化しちゃったらコロナかどうか調べて貰えないことよりも、肺炎(もしくはそれ以外の病気)の治療をしてもらえないことの方が困るので、接触した覚えがなくて自宅療養してたけどつらいってなったら、保健所コロナかもって電話するより病院接触者じゃないことをきちんと伝えて周りに移さな対策をとりつつ普通に診察してもらって通常の検査受けた方がいいんじゃないだろうか?確率的にはコロナ以外の方が高いし、除外されればコロナ検査正規ルート?でたどり着く。のか???


実際どのくらいの検査が行われているのか、どのくらい増えているのか、は私が調べた範囲ではわかりませんでした。もしかしたらどこかにあるかも。先に書いた通り、病院からの検体は保健所を通さずに検査受託会社に回されるので、情報収集に時間がかかるのかも?


ちなみに、新型コロナ検査料は都道府県負担をするそうなので、PCR検査料の患者負担はないようです。他の検査処置料はかかるよ。

下のサイト解説が優しい。

*7 新型コロナウイルス検出のためのPCR検査3月6日から保険適用

https://gemmed.ghc-j.com/?p=32688


4. PCR簡単か?


上記理由から検査数が増えていないと思っているので、PCR簡単かそうでないかはあまり関係ないと思っていますが参考まで。

PCRにもいろいろあって、手順が簡易化されたものや細かい濃度調整や設定が必要ものがあります一般の市中病院内で行われているPCRは大体がメーカーがキット化した簡易的なものです。おそらく皆さんが想像してるのはこういうやつ?

*8 LAMP法を使った 結核迅速診断キット

https://jata.or.jp/rit/rj/339p11.pdf

正確にはLAMP法はPCR法とは異なります。ちょうどいいPCR資料が探せなかった。PCRはもうちょっと複雑になるけど院内でやれるPCRのざっくりしたイメージはこのくらい。リヴァイ班いなくてもできそう。うん。緊急度の高い結核PCR検査頻度の高い淋菌・クラミジアPCRあたりが実施されています

一方で、新型コロナのような新しい項目でキット化されていないもの検査頻度の低い項目は、採算性や精度管理などの点から多くの病院検査室では実施せず、検査受託会社外注されているのが現状です。


ではPCRの何が難しいのか?

国立感染症研究所ホームページ新型コロナウイルスPCRプロトコルが公開されています

*9 病原体検出マニュアル 2019-nCoV Ver.2.8

https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV20200304v2.pdf

キット化されていないというのはこういうことです。読むだけでしんどいです。

DNAに比べRNAの扱いはシビアです。すぐ壊れる。手順がすごく多くて扱う試薬も多い。機械自動でやってくれるのは7ページの3)の部分あるいは11ページの7)の部分。あぁ、疲れてきた。

手順や試薬が多いとミスが起こります。1で増田卒業研究PCRやっていたと書きましたが、例にもれずコンタミネーションを起こし、ある一定の時期からネガティブコントロールに弱い反応が出続けるという地獄をみました。

おそらくピペットチップを交換し忘れ、共通試薬ターゲットを混入させるとかいう超凡ミスやらかしたのだと思います

逆に共通試薬を入れ忘れれば全て陰性になってやり直し。ぴえん。

あとで原因がわかればまだましで、間違った結果を出してしまうと最悪です。しかもこんなに手間暇かけて一生懸命やっても感度はそんなに高くない。感染にも配慮しなきゃいけない。

このプロトコルをひたすらやっている姿を想像するとつらくなっちゃます

臨床検査技師であっても大学講義・実習でちょろっとやっただけの人がほとんどです。ご年配の技師の中にはPCR原理説明できない人もたくさんいます。本格的なPCRが精度よくできるのは研究所大学病院クラスの大きな病院研究熱心な一部の病院検査受託会社担当者くらいです。なので、いきなりマニュアル見てやってねと連れてこられても結構難しい。


検査受託会社がどうやって検査枠を増やしたのかはわからないけれど、検体検査資格を問わないので、もともと理学部卒とか農学部卒とかも多いし集めやすいのかも。(病院検査室は採血とか他の業務もあるし資格のない人を採用しているところは少ないです)


感度・特異度の高い簡易キットが開発されて検査する人の負担が少なくなるといいね



最後


ここまで読んでもらえると、ネットで騒がれている

病院検査室は忙しい、だから新型コロナ検査はしない。という状況ではない

ということはわかっていただけたかと思います

多くの検査検査受託会社が請け負うので、病院検査室が忙しいのはまた別問題

おそらく大変なのは検査対象でない患者対応に追われてる保健所と濃厚接触者の検体を受け入れてる地方生検査所とか。

検査数がみんなが思っているより少ないのは、あくま国内感染コントロール方針治療方針によるものである個人的には思います

もう少し気軽に検査出せるようになってもいいと思うけど。まあ外注だしすぐに結果わかるわけじゃないか微妙か。


ここまで言っといてばかすか検査されてたらウケる

急激に増えてきたのがわかったらしれっと消します。


検査はすでに増えてるのかもしれないし、言っていることが矛盾していたり、誤字脱字があったりするかもしれませんが、臨床検査技師なんてただの凡人ですし、わたしリヴァイ班でもありませんのでご容赦ください。

間違っていることがあればご指摘いただけると幸いです。

長々とまとまりのない文章を、ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。


症状あるのに仕事風邪なんかで休めない!

ていう人。いるよね。私もそうだった。

休むのが一番だけど、どうしてもいかないと死ぬときは、なるべく喋らない、距離とってしゃべる、食事時間ずらす、会社で共有してる電話PC自販機券売機食器・文具などなどは触らない、触ったら消毒か洗う。

くらいはしてもらえると少しは違うかも?

逆にそれらの共有物は汚染されてると思った方がいいです。

飛沫感染よりも手についたウイルスが目鼻口から入る接触感染の方が多いっていわれてるから目鼻口の周りを触るときには必ず手洗いしてね。

食事、化粧直し、間食、たばこの前とかちゃんと手洗ってる?

あと、すれ違っただけなら感染しないよ。

もつば顔に吹きかけられたらするかも。

それと咳したときにグーの手とかで受け止めるのはほんとやめてよそのウイルスコロナに限らず)の付いた手どーすんの?すぐ洗えんの?!

2020-03-01

30歳。会社集団検診で今年から追加された乳がん検査でいきなり引っかかった。

なんだか非常に判断の難しい影がエコーに映っていたようで、結局生検まで行くハメになり一時は覚悟を決めたもののとりあえず悪性所見はなく、無事?経過観察と相成った。

リスク持ちであることを早期認識できたのはよかったと思うことにしているが、若干理不尽だなあと思うのは、引っかかった個所が自己触診はおろか、引っかかった後の精密検査でも、最初の触診では全くしこりは触れないと医者にも判断されたこである。それでもエコーの影は2㎝近くあったらしく、生検を受けてから結果発表まで正直生きた心地が全くしなかった。仮に悪性所見が出た後のこれからのことも心配だったが、2㎝も広がっていて触診で見つけられないタイプがあるのなら、それはもうどうしようもないことではないかと、周囲で喧伝される乳癌啓蒙活動にある種逆恨み的な感情を抱いてしまい、それを処理することが出来なかった。触診でも見つからなかったし、家族歴も無い(癌より血管がぷっつん行ってあの世行きになった親戚の方が多い)。それでも30歳でエコーを受けて、2㎝。どうやって早期発見しろというのか。

結局判定は正常乳腺だったのでさもありなんということなのだろうが、早期発見できます!何かあればすぐ病院に行けばなんとかなるから病院行け!という言説には、未だにもやついた思いを抱えている。いやもちろんそれで正しいし大体は早期発見出来るんだろうけれど、何もなくて検診受けていきなり…ということも無くはないわけで、なんというかそういう経緯で大病抱えてしまった人だっていると思うんだよなーとか。

2019-12-29

35歳、授乳期にステージ0の乳がんになった

ありがとうインターネット

年代がん患者さんの情報発信きっかけで、幸いなことにステージ0の超早期乳がん発見したのがこの夏。

早期のがん患者治療を終えそのままひっそりと日常に戻って行く人が多いのか、あまりインターネット体験談も見当たらず…

この度約6ヶ月の治療を終えたので、簡単ではあります自分体験談インターネット漂流させてください。


発見きっか


子の授乳中、胸に触ったら左胸にしこりが触れた

昨年、子を出産しました。

出産直後は乳の生産が安定せず、両胸しこりだらけ(これはあるある)。

そして徐々に安定供給が始まり1年が経ち…そろそろ乳が枯れてくる時期にやってきても1箇所だけ残り続けるしこり

丸というよりは、いびつな楕円形…?

触れて見た感じでは2センチくらい。

「ここだけ母乳が溜まりやすいのかな?なんか気になるな」と思いつつ、体調面での自覚症状は何もなし。

あと最大の難関は、自分病院に行きたくても0歳児を預かってくれる先もなく…しこりに気づいてから半年はゆるやかに過ぎて行きました。

身近にいるがん患者記事を読む機会があった

これまで、TVピンクリボン特集を見ても、芸能人乳がんになったニュースを見ても、全部人ごとだと思ってました。

両親も健在。

身内にも乳がんはいない。

でも、そんな私でもなっちゃうんですね…がんに。

しこりに気づいて半年が経ち、子が1歳になったので保育園に預けて復職

その頃、同じ職業の30代子持ち女性乳がん闘病記を読む機会がありました。

なんとなく「授乳中だから関係ないだろう」で済ませていたしこりがまた気になり始めます

安心するために、乳腺科に検査に行っておくか」という軽い気持ち

早めに会社を早退し病院を予約、保育園にお迎えに行くまでの1時間検査に行きました。

過去会社健康診断乳がん検診も受けたことがあり、エコー検査マンモグラフィも受けたことがあったので、検査自体特に不安はありませんでした。

(検索すると、よく「マンモは泣くくらい痛い」とか出てくるが、個人差あるのでビビってないでとりあえず検査には行って欲しい)

発見した乳がんの種類

結果、町医者での検査では「良性腫瘍です」。

ホッとしたものの、「念のために精密検査受けますか?」と言われ、「まぁ安心するために受けとくか」くらいの気持ち

病院を紹介してもらい後日精密検査をしたら一転。

悪性腫瘍だということがわかりました。

最終的な病理結果は以下。

あれよあれよという間に精密検査の日程が組まれ、手術日が決まり、手術決行。

ジェットコースターのような数カ月でした。

気持ちの変化


思えば、はじめに町医者に行って検査結果を待っている間が一番気持ち谷底でした。

考えうる最悪のシナリオを一日中考えていた気がします。

今、標準治療がすべて終わって当時の自分の心境に一問一答で答えて行くと

子供が成人するまで生きていられるのかな…」

ステージ1でも、5年生存100%2019年においては、早期の乳がんは治せる病です。信頼できる最新の統計データを見て一旦落ち着こう。

乳がん母乳を子に飲ませてしまたかもしれない…」

医学的に、子に対して影響はないとエビデンスが出ているそうです。

仕事も、休職退職かな…」

→実際には、手術入院の5日間を除いては、通院しながら継続して働くことができました。焦って会社辞めないで!人事とか社労士さんに相談して!!

「髪が全部抜けちゃったり、一日中吐き続けるのかな…」

テレビドラマ悲劇的な演出に毒されています…これは抗がん剤副作用乳がん放射線治療では髪は抜けません。

「左胸だけ凹んじゃうのか。二度と温泉に行けないのかな…」

→左胸に手術の傷はありますが、驚くことにサイズにほぼ左右差がありません。目立ちにくく仕上げてくれたそうです。先生ありがとう医学ってすごい!

「これから医療費はいくらかかるんだろう…数千万とか用意できないよ…」

トータルでかかった治療費は、半年間でだいたい40万円くらいでした(加入している健保で上限を超えた分はこのあと戻ってくるので、この半額以下になります)


今回の学び


一番の恐怖は無知

身近に患者がいない人にとっては、先入観で「がん=治せない病気」だと思っている人も多いと思います。(私もそうでした)

正しい医学情報に触れましょう。しかも最新の。2000年代2010年代でも標準治療の内容は変化しています

私の場合は、夫が徹底的にここ最近データを調べ上げてエビデンス武装してくれたため心強かったです。

早期であれば、仕事と通院を両立しながらがんは治療できる

仕事をしていたから、がんのことを考えすぎずに生活できたと思います

周囲に告知するかどうかは慎重に

身近な例としての啓発も含めて、割と気軽に周囲の友人にカミングアウトしていたのですが、

友人がドン引きしてしまい変な空気になってしまたことが何回かありました。

相手も、わたしとどう接していいかからなかったんだと思います

そもそも相手自分乳がんであることを伝えて、どうしたいのか?」を考えた方が良いなと感じました…。

身体違和感があるなら、検査へ行こう

子育て世代のみんなー!皮膚科小児科耳鼻科…子の通院行脚お疲れ様です!

自分の通院ってついつい後回しになるよね。わかる!

でもね…違和感があったら、検査に行ってみてください。

あとこれを読んでるパパさん、ママ検査に行くために会社遅刻/早退して子供を見ていてくれると嬉しいです。





この後10年間の経過観察が控えていますが、

ひとまず一区切りということで。

◾︎2019/12/30追記

驚くほど多くの人に読んでもらえて嬉しい!あたたか言葉ありがとうございます。一点だけ補足。

町医者はどうして見逃したのか?】

曖昧記述があってはいけない」と具体的な医学情報を端折った関係で、言葉足らずになってしまいました。

近所の乳腺科では「穿刺吸引細胞診」という検査を受けました。これは即日検査できる反面、取れる細胞も少ないので確定判断が難しいそうです。(ちなみに転院時、検体を大病院にも持ち込みましたがそちらでも「良性」との判断でした)

病院では、局所麻酔をして更に多くの細胞採取する「針生検」という検査を事前予約して行いました。

ステージ0で見つけるのも難しい段階のがんだったと思いますし、むしろ町医者先生が適切に大病院へとご紹介してくれて大変感謝しております先生ありがとう!!

2019-12-08

乳がんになった!ガーン!

オッスオラ25歳女!

おっぱい触ってたらしこりを見つけて病院検査してもらったぞ!

この間結果を聞きに行った!

申告を受けてビックリした

マジ!?看護師さんの顔を見たらすごく切ない顔をしていて、あっマジじゃん………となった。

え〜私がか〜っていう他人事からだんだんガンか、死ぬのかぁ………と急に怖くなって涙がぼろぼろ出てしまった。

申告されてからちょっと頭が白くなって、あ、これが頭真っ白ってやつか〜と実感。

から先生の話途中聞いてなかった。すんません

いうてもステージ1(最近ステージ重視しないっぽいけど)だし、泣いても現状は変わらんし、先生説明は聞かないとだし、今死ぬとかなんで私が、とか考えると涙出てくるから考えないことにした。病院で泣いても仕方なし。

宣告されてから急に、胸のしこりがずしっと重くなった。ずっとひっそりしてたくせに存在感出してくんなよ〜。

看護師さんがとにかく心を寄せてくれて、話してるときみんな目を潤ませていた。なんて優しい人たちなんだ。この人たちが心苦しさを感じずに快適に仕事できることを祈る。私のために悲しんでくれてありがとう

申告を受けるとき、誰も病院にいなくて周りの目を気にせず泣くこともできた。

一人でいる時は大丈夫だけど、看護師さんが親身に寄り添ってくれると子どもみたいな気持ちで、不安だよ、怖いんだぁ〜って泣いてしまう。

帰れる?心配だよ…と言ってギュッとしてくれた看護師さん、本当にありがたかった。

トイレ行って鏡見たらひどい顔だった。

看護師さん、私の顔見てひどい顔、、、と思って目が潤んじゃったかな〜なんて〜〜〜

帰ってきて夫に報告。

ガンだった、と言ったら堰を切ったようにおいおい泣いてしまった。健康な人と結婚したら早々に妊娠して、こんなことにもならなかったのにごめんねという気持ちでいっぱいだった。今もそう思うけど・・・

夫は驚いていたけど、生検をした段階で覚悟していたようで落ち着いていた。どっしり構えていてくれてありがたかった。

落ち着いたあとはまあ、やるしかいね!と割り切った。入ってる保険でガン申告で100万もらえるとわかり、安心した。

治療保険適用で1回20万超えるからお金だいじ。

離れて暮らす父母には電話で報告。私は夫と話す中でずいぶん整理がついていたから、検査結果ね〜、ガンだった〜と気楽に話した。

母、大ショック。

なんで増田ちゃんなの…私が代わってあげたい……と言われたとき、本当に申し訳なかったな。

おしゃべりな父も言葉少なで、まあ、ショックだよねぇ。

父母とは別で離れて暮らしている兄にも電話で報告。

ビックリはしたみたいだけど、理系からか、冷静に薬の名前とか治療方針とか聞いて、納得した模様。

夫のことも気にしてたのが嬉しかった。優しいやんけ。

祖父母にはまだ言えない。ビックリさせてしまう。

いつ言おうか、、、

早ければ今月から治療開始。

使う薬の副作用は激重じゃないっぽい。

髪の毛量多いから少しばかし抜けても気にならんかな?扱いやすくなったりして!

あーーー20代で子どもしかったのにな〜

少なくともあと3年は無理だ〜〜くっそーーーーー

10代〜30代、いわゆるAYA世代でがんになった人の8割は女性ってニュースかなんかで見た。

乳がん自分でチェックできるガンだから、同世代は定期的にチェックしてみてくれよな!

自分で見つけられるからこそ、チェックしないでステージ進んでから見つかると、なんで見つけられなかった…?ってショック大きいみたいよ。

私はほぼ毎日おっぱい触ってるから気付けたのかも。みんなも触っていこう!!

2019-11-18

anond:20191118134433

生検したけど癌細胞なかった。

生検じゃなくて検尿から細胞診だった。

2019-10-03

慢性糸球体腎炎が完治したので振り返る

いや実は完治してないんですけどね。

私の場合早期発見だったので、1/3? か1/4くらいしか細胞が駄目になってなくて、一旦炎症が止まったので一安心なようです。

腎臓は今の医学では再生しないので、正確には完治ではなく、

寛解(=このまま(治療をやめ)治る可能性もありますが、再発する可能性もあります。 再発しないように、治療継続や定期的な検査必要です・・・って言う意味だって、「完治 寛解 違い」でググって一番上に書いてありました)なのです。

なので完治とかね~~~し!エアプ乙!って同病のひとにお気持ち爆撃されたら嫌だな~~~と思いつつ、

私もこの病気になるまで寛解なんて知らんかったし・・・と思って、

分かりやすいようにこのタイトルしました。

 

以上説明文おわり。

社会人一年目でこの病気になって合計で2ヶ月ちょっと休職までしたので、

寛解して感慨深くて2年くらいを振り返ってこんなのを書いちゃいました。

以下備忘録なので長いぞ!



当時私は新卒OLで、ごく普通会社で、

部署部長からBBQに誘われたり、同期みんなで金曜の夜から夜行バスに乗って富士急に行ったり、毎日面白おかしく過ごしてた。

ノロ流行ってるときに私も感染して、

2日くらい有給とってトイレと布団を行ったりきたりしつつ、

からも下からも出せるもの全部出し切ったころだった気がする。

ふと落ち着いたタイミングおしっこして、

何の気なしにトイレの中を見たら、メチャクチャ濁った赤茶色おしっこが出ていたのが初期症状だった。

ゲロ下痢発熱朦朧とした頭では、アレ?いつの間にかウンコも出してたっけ?とか思って普通に尻を拭いて流し終わったんですが、

いやわたしうんこ出してねーわと思って、絶対母親に報告しとかなあかんと思ってフウフウ言いながらリビングまで這って出て行った。

※なんでもかんでも報告するくらい母親と仲良かったので

※わざわざそのためだけにマスクまでつけた

私はせんせいあのねくらいの軽~~い気持ちだったし、言うこと言えたしまた寝ようと思ってたんだけど、

母親がほっとかなくて、一日スマホにらめっこして「茶色 尿 高熱」とかで検索してくれていたらしい。

私はチラッとググって、

「熱が出たら尿が色濃くなるときあるらしいし大丈夫だって~!」

とか軽い気持ちでいたんだけど、そのころには必死のパッチで調べてくれていた母親は「コーラ色(赤茶じゃなくてそう表すそう)の尿はどうやらIgA腎症という病気の唯一の自覚症状だという記事を調べて怯えて泣きながら大学病院まで尿検査血液検査をしに連れて行ってくれた。

し、その後数値が悪くて一週間検査入院して腎生検とか言う苦行をした。

結果としては母親の言うとおりで、国家難病指定のうちのひとつだったそれが私の病名であるわけだ。

癌みたいにステージで分かれていて、ステージによれば透析治療をしないといけなくなるらしいか結構なかなか大それた病気だ。

やっかいなのは痛みも何もないため、私みたいに血尿を出して気づくか、もしくは本当に腎臓が駄目になるまで気づかないこと。

そして、私は早期発見ステージで言えば軽い方だった。

なのですぐさま入院することになり、この病気によくある治療法で「扁摘パルス」というものを行うことになった。

まず耳鼻科に行って扁桃腺を摘出しましょう(1週間+自宅療養一週間)

そして腎臓内科に3週間入院し、ステロイドを体に入れて腎臓の炎症を抑えましょう。

というのがその治療なのだけど、何で腎臓にのどが関係あるの?っておもうでしょ。

私も思った。し、これで予後がよくならなければ今度は鼻うがいとかもしてみないといけないらしい。

なに?なんで?と思うでしょ。



まぁ細かい話はググってほしいんですけども、

要は鼻とか喉にいて普段は外からウイルスから身体を守るIgAという抗体が、熱や炎症を出したときちょっとおかしくなってしまい、

その状態血液に乗って腎臓までやってきて、腎臓細胞ウイルスだと思って一生懸命攻撃し始めちゃう病気らしいです。

※これは

明らかに分かってなさそうな馬鹿顔をしていた私にメチャクチャ噛み砕いて教えてくれた結果なので多少違っていても怒らないでください。

なのでIgAが増えすぎるとよくないらしくて、そこで扁摘パルス治療という、その抗体の巣になっている扁桃腺を摘出しちゃえ~&炎症を抑えるためにステロイドだ~という治療法が出てくるのである

なるほど、そっちのほうだったか

ってことは一生R-1ヨーグルトは食っちゃ駄目なのか?

それはよく分からない 知ってる人教えてほしいです。

yahoo知恵袋とかでもIgAとかで調べてもR-1ヨーグルトの話は出てこないし・・・。

まぁ細かい病気治療の話は専門家に聞くとして、入院なんですけどこれがまぁ~~~~~痩せた。ほんとに。6kg痩せたわ。

塩分と高たんぱくが大敵なので、もちろん間食無しで戦時中?みたいなご飯を食うわけだし、そりゃそうよね。

しかおやつが食べられないしwifiも勿論ないので楽しみといえば院内図書館と3回のご飯シャワーのみ。

ちなみに、ステロイドの前の扁桃腺摘出手術はそもそも喉の膜を取るわけなので瘡蓋ができてもずっと喉が痛ェ~~のでご飯が食えない。

しかも食えても銀のトレーにバナナドンリンゴカン!って投げ入れられて動物園サルの方がまともなもん食ってたなってくらい劣悪な環境だったので、ステロイドのために入院した大学病院ご飯が泣くほど美味かった。

しゃばしゃばしたカレーでも3日前から献立表見てカレーだ~~!って心躍らせていたのはたぶんあの広い病院内でも私くらいじゃないかしら

※お母さんにためし一口食わせたらウワ・・・カワイソウ・・・ってまた泣かれたのでたぶん病院飯はマズイです


そのあと副作用全然満腹にならなくて8kg太ったので、ダイエットのためだけにもう一回3週間入院したいなと思えるくらいだった。



まぁ病院治療の思い出もいっぱいあるのだけれど、結果として私は「早期発見」のため運がよく、「扁摘パルスという治療法が驚くほど身体に合」って、「会社理解があって」治療に専念できて、かつ、実家暮らしのためにもともと「無茶な食生活ではなかった」というラッキーが重なって無事寛解と相成った。

直母親と過ごしてなかったら血尿がでてても病院に行っていなかったし、そもそも食生活が乱れまくっていたので早い段階でもっと悪いステージに進んでいたのではないだろうか。

家族サポートがあってこそだったな~運がよかったな~と思っている。

もう私の1/3だか1/4だかの死んでしまった子球体細胞は戻ることがないが、残りを大切に生きていかなきゃな~~~と思う。

これからも私の腎臓よがんばっておくれ。


今まで2ヶ月に一回だった検査のための通院が半年に一回になったので記念に。

2018-10-14

ピンクリボンなんか糞くらえだ

二十代後半で乳がんが見つかった。

乳腺症のひどい胸をしていて、二次性徴が見られるころからずっと胸が痛かった。

からしこりがあるのも普通だった。

二十代半ばをすぎたこから何となく胸全体が柔らかくなった気がしていたけれど、

よく触ると固い部分があるからやっぱり自分の胸はこういう胸なんだと思った。

巨乳にあこがれて、理想Eカップだったけれど、長い間Cカップだった。

がんが見つかる2,3年前に下着屋さんで測ってもらったらDカップになっていた。

Dカップも小さくはない部類だなとのんきに考えてはいたけれど、

しこりが大きくなってきているのは薄々感づいていた。

私は医療系の国家資格を持っている。

きちんとした専門の大学に行き、大学院にも通った。

大学院の同期と後輩で海外旅行へ行った。

自然乳がんの話になり、乳がん肉まんの中に梅干しタネが入っているみたいな触り心地らしいよ、と、年上の同期が言った。

肉まんの中に梅干しタネ入ってるのなんか触ったことないですよね~、と、呑気なフリをしていつもの通りおちゃらけて私は返事した。

実は私の胸にもしこりがあるんですよ~、触ってみます?と、いつも通りの雰囲気で、しかし内心焦って続けた。

のしこりは、想像の中にある肉まんの中の梅干しタネに触り心地がそっくりだった。

彼女たちは触らず、微笑みながら言った。

帰国したら検査してみなよー、安心するよ。」

帰国して約一か月、土曜日トイレぼんやりしながら、そういえば、と思い出した。

スマホ検索して、土曜日受診できる病院電話を掛けた。

何となく人気らしい病院を選んだ。院長が講演活動なんかもやっているらしい。

電話がつながったものの、案の定、初めての患者は一か月くらい診てもらえないと応答した女性は言う。

しこりがあるようなら、うちじゃなくても良いんで、一刻も早く診てもらってください」

まりにも真剣な声だった。電話で問い合わせただけの相手に言うにはあまりにも真剣だった。

予約がとれなければ面倒だからやめとこう、そう考えていた私に次の病院電話をかけさせるには十分すぎる熱量だった。

仕方なく次の病院に連絡をしたら、その日のうちに検査ができた。

マンモグラフィーは痛いものだと健診で受けたことある友人から聞いていた。

それにしても痛すぎるのではないか

それまでの人生、私は自分が痛みに強いのだと思って生きてきた。根拠があるわけではないのだけれど。

しこりのある胸を挟まれた時、あまりの痛みに体が震えて、冷や汗が出た。

検査技師のお姉さんに肩を抱かれて、一旦休憩しようかとベッドに座らされたときパニックになりそうだった。

こんなに痛い検査が侵襲性のない検査とされているのがおかしい、どうかしている、

痛みを我慢できなくて恥ずかしい、情けない、あまり働かない脳みそを使ってぼんやり考えた。

しこりの少ない胸を検査された時も痛かった。だけども反対側より随分と楽に思えた。

自分名前を呼ばれて診察室に入った時に、お医者さんからかけられた第一声は「大丈夫?」だった。

大丈夫ではなかった。血の気が引くとはこういうことをいうのかとしみじみと考えた。

若い女性にはマンモグラフィーよりも、エコーが良い。

そういう知識は持っていた。普通会社員として働いてはいるけれど、学校で習った。

エコーでお医者さんが見せてくれたしこりは、もこもこしたクリームパンのような形をしていた。

医者さんは、難しい顔をしている。モデルのように美しい女医さんだ。

良性の腫瘍の表面はつるりとして、悪性の腫瘍デコボコしている。

そういうことも学校で習った。

その後二か所の細胞診をした。帰りに次回受診の予約をした。

これがもしも何ともなければ、がん保険に入ろう。

いつも私は自分のことを病人にしたがってしまう。

から大丈夫だ、言い聞かせるように胸の中で何度もつぶやいた。

それでも不安がぬぐえない。どう考えても悪性の要素しかない。

医師の友人に連絡をとった。

友人はマンモグラフィー読影の講習を受けたばかりだから何でも聞いてくれといつになく自信にあふれていて、

安心させようと、大丈夫大丈夫と返してくれた。

エコーがこうで、というと、段々と友人の返信に元気がなくなってきた。

最終的には検査結果を待とう、としか言ってくれなくなった。

当時、転勤になったばかりで、それまでとは全く別の職種コンバートされていた。

それまでは暇で仕方なかったのだけれど、打って変わって忙しく

新しい職場単身赴任おっさんばかりで、慣れない環境に日々翻弄されるばかりだった。

残業中、ふと個人携帯に着信がある。

登録していない番号に胸騒ぎがする。折り返すと病院に繋がり、すぐにお医者さんへと代わった。

電話細胞診の結果を言うことはできない。でも詳細に検査がしたいので予約時間を変更してほしい。

結果を言うことができないも何も、それは告知のようなものではないのか。

人生を揺るがすほどの言葉を、私は残業中に、会社非常階段で受け取った。

診察室で細胞診の結果を見た。

まり詳しくはないけれど、学校で見たことのあるような悪い顔をした細胞が並んでいた。

検査施設からつけられたコメントにも『陽性』と記載がある。

確定診断のための検査は、もはや簡単な手術だ。

バコラ生検といって、皮膚を切って漫画のような太い針をした注射器のようなもの組織を吸い上げる。

局所麻酔を打つ。痛みがありますよ、なんてお医者さんは言ったけれど、マンモグラフィーの方がよっぽど痛い。

検査をしてくれた個人病院ではなく、大学病院へそのまま紹介状が書かれた。

色々な説明を受けた。

詳細な検査なしにはわからないけれども推定されるステージ予後タイプによる治療方法の違いや色々。

がんのサイズは3cmあったので、ステージⅡ以上は確定だと、悲しい顔で告げられた。

先生、すぐ治りますか」お医者さんにバカみたいな質問をした。

「うん、すぐに元気になるからね」お医者さんは、今思えばとんでもない嘘つきだった。

大学病院での検査の結果、私はホルモンレセプター陽性、HER2タンパク陽性だった。

簡単にいうと、乳がん治療薬に対して感受性が良いか治療やすタイプだ。予後も非常に良い。

その時は、結果に対して良いことだと感じた。

しかしそれが不幸なこととだと後々思い知る。

術前に二種類の抗がん剤をし、術後に放射線治療ホルモン療法をする。

卵巣の保護とがんの発育を防止するために女性ホルモンを止める注射を打ち

抗がん剤を入れるタイミング分子標的薬の点滴もする。

手術は、温存できそうであれば乳房は温存、シリコンは30年で入れ替える必要があるからおすすめはされなかったので

自分脂肪筋肉移植する方法選択した。

術中にすべてが終わる、同時再建となる。

私の乳がん治療効果が出やすい。出やすいということは、可能な限りの治療法をすべてやってしまうということだ。

予後が良いことと、元気に余生を送ることは違う。

若いから体力がある、回復が早い、とあまり知識のない周りは言う。

抗がん剤は元気な細胞ダメージを与える薬だ。

元々同い年の友人と比較しても筋肉痛になりやす新陳代謝の良かった私に副作用はてきめんに出た。

2,3回の抗がん剤でがんは柔らかくなり、一種類目の抗がん剤を終えるころには触れることさえできなくなった。

それでも、標準治療という、乳がんに決められた治療は命に関わる副作用でもない限り続けられる。

薬を検索して出てくる副作用は大抵踏み抜いた。

感染症にだけは気を付けていたので治療は滞りなく続いた。

味覚障害にならなかったことで体重はどんどん増えていってしまった。

がん=痩せる、は乳がんには当てはまらない。

病気ストレスでどんどん食べる。抗がん剤副作用吐き気がおさまれば、

副作用止めのステロイドのせいで食欲がとどまることを知らない。

ハゲデブ、年頃の女性にとって最悪の状態になる。

乳がんです、と職場に言えば早期と言った覚えもないのに早期のがんの扱いをされる。

実際に早期の分類ではあるものの、どうせ早期なんだろ、と軽くみられるのは納得いかない。

普通に接してやっている、と面と向かって言われたこともある。

咳が止まらない風邪おっさんが、俺もガンかな、と独り言を言う。

今考えれば職場環境は最低だった。

病人扱いはしない、と言われたけれど、仕事は当たり前に1人分用意されていて

懇願しないと手伝ってもらえない。

離れて暮らす家族も、会社を休むな金を貯めろとしか言わない。

確定診断の前、がんかもしれないと連絡したらいつもお前は私たちを驚かせてばかりだとなじられた。

そのあとに、あんたが落ち込んでると思って、と電話をかけてきた母に優しさは感じたけれど

最終的にはがんは自業自得だと罵られて終わった。

突然健康容姿を奪われてしまって、なおかつ職場家族理解が伴わない、そうなると当然頭がおかしくなる。

抗うつ剤睡眠導入剤が追加された。

手術はうまくいった。乳首も残せた。傷跡も自分ではそれほどは気にならない。

少しずつ萎縮しているようで、元々がん抜きにしても健側の乳房より大分おおきめだった乳房がかなり小さ目になっている。

今計測してもCカップいかもしれない。

それでも医療機関で新しいスタッフ出会うたびにきれいだと褒められる。

執刀医がその分野での大権威だったことは幸いだった。

分子標的剤とホルモン療法は副作用のため途中で終了。

術後4年とそろそろ半年がくるが今はがんのためには何もしていない。

時期的にはそろそろ寛解といっていい。

しかし体に残るダメージは癒えない。

手術痕はきれいなものの、剥がれた背中筋肉や、弄り回されて傷ついた神経は軽い疲れや天候不順で大いに痛む。

ホルモン療法のせいで腱鞘炎がひどく、手術もした。

この手術がうまくいっていないようで周辺のスジがひどく痛むし、こうしてキーボードを打っていても

薬指や小指のあたりに力が入らない。

抗がん剤で傷ついた手の表面の神経はいまだに感覚が怪しく、ざらざらした布を撫でると奇妙な不快感を覚える。

足も不意に菜箸でつつかれるような痛みを覚えるときがある。

ついでに、おそらく不妊症になってしまっている。

私は元々婦人科系のホルモン疾患があって、ピルを飲まなければ日常生活を送ることすら困難だった。

しかし、ホルモンがエサになるタイプのがんだから使用することができない。

倦怠感、睡眠障害PMS自律神経失調症気象病

ホルモンの乱れ、心身に蓄積したダメージ、見た目が元気そのものからこそ理解されないタイプの不調を抱えている。

こんな体調だし、あまり弱みを他人に見せることが好きではないか彼氏はいない。

そもそもいたこともないので作り方もわからない。

太ってしまったものの、髪の毛は生えてきているし、我ながら顔は普通レベルには整っている方だと思う。

だけれど、結婚して、子供を産んで、ということは私には夢物語だ。

人生で一番色恋にうつつを抜かさなければならない5年間私はひたすらに体調が悪くて自分の世話さえままならない。

がんそのものでは死なないかもしれない。

がんが連れてきた不調によっては死に至ってしまうかもしれない。

かに抗がん剤はつらかった。

幾度も孤独な夜を越え、みじめさと苦しさと痛みに、毛のない頭を抱えてもだえ苦しんだ。

粘膜が弱って、鼻が蛇口になったのかと思うほどの量の鼻血が出たこともあった。

ホルモン療法を始めてすぐはひどい鬱状態に陥り、首を吊りたい欲求を抑えることに必死になった。

それと比べれば瞬間最大風速は今の方がぬるい。

でも、終わりもないし先が見えない。

次にがんができたら、そう、一度でもがんを体験したことのある人間なら頻度はともかく頭に浮かぶだろう考え。

私は次にがんができても積極的治療はしない。

できれば死にたい

お酒たばこもしないので、非難される要素はあまりない。

病気で死んだとなれば、外聞も悪くない。

ピンクリボン活動が声高に叫ばれている。

何もなくて、安心を得る人もいる、見つけて、切って、はいおしまい。で済む人もいる。

でもそうでもない人もたくさんいることだろう。

死ぬよりつらい地獄に引き込まれることもあるだろう。

こういう地獄があるんだよ、と説明することも大事だと思う。

地獄入り口になるかもしれない責任を持つべきだ。

ピンクリボンなんて、かわいらしいイメージではよくない。

そもそも私は乳がん検診適用の35才より若くに自分病院にかかったか

まり恩恵を受けてはいない。

がんサバイバーがエネルギッシュな姿をさらすことは勇気を与えるかもしれない

でもサバイバーがエネルギッシュにならなければいけないという無言のプレッシャーがある。

現に、私の母は新聞で見た乳がん患者はこんなに元気なのに、あんはいつまで病人気取りなんだと叱責してきた。

元気がある人しか声を上げないのだもの

元気がない人にも声を上げさせてほしい。

下手にがんが見つかるとこういう辛い思いをして、死ねずに生きる羽目になる。

からそれでも生にしがみつきたい人だけが検診をする覚悟を持てと。

やさぐれて、どうしようもなくて、地の底を這いずり回って泥水すするような気持ち毎日を送る羽目になるぞ。

末期で見つかっていれば、大事な人にありがとうと、嫌いな人へ呪詛を伝えて心軽く天国だか地獄へ行けていただろうに。

病気になる前よりずっとずっと性格が悪くなってしまって悲しい。

長い長い、そろそろ自分乳がん患者と呼ぶのにためらってしま三十路女の独り言

追記(10.15)

たくさんの方に愚痴に付き合っていただけたことに、少し気分がすっきりしました。長くてすみません

Amazonの欲しいものリスト!?公開したら物をいただけるの!?さもしい私は飛びつきそうになりましたが、三十路レディなので澄ました顔で見ない振りができます

お肉食べたい!不眠改善のために良い寝具欲しい!楽して痩せるダイエット器具

物欲は止まることを知りませんが、あなたの周りの少し元気がない人に美味しいご飯おやつをごちそうしてあげて下さい。

回り回っていつか私がご相伴に預かることになるかもしれません。

◆母のこと◆

クソ!母親が!!うちひしがれている娘に!!!そんなことを言うだなんて!!!と、当時発狂しそうに悲しんだんですけど、母も恐かったんでしょう。

恐がりなんです、恐がってる自分を受け入れられなくて、私に当たることしか出来なかったんだと思います

今も、私が一刻も早く普通に戻れることを期待しています。私の体調が悪いこと、気持ちの落ち込みがあること、すべてを気の持ちようで片付けようとしています

私は、母の中では病人であってはならないのです。あって欲しくないのです。

からと言って、娘に言って良いことと悪いことの区別がついていない理由にはなりませんが。

母は、母なりに私に愛情を持っていることだけは誤解されたくなくて追記しました。

内弁慶で臆病なおばさんなんです。

ちなみに、近親者で乳がんは父方の祖母(60代発症)だけで、姉も、おばや従姉妹、その他男性、他に誰も乳がん患者はおりません。

遺伝性のものではなさそうなので、単純に運が悪かったのです。

職場について◆

国家資格は取得しているものの、勤めている会社ではその資格を使ったお仕事はしていません。

ですので、デリカシーのないおっさんらもあんまり医療知識がないです。

とは言え、どう考えても非情対応をされたことは間違いありません。

もっと貶してください。

叩いて下さい。

あの頃耐えて笑っていた私が報われます

今は優しい人達の多い職場に転勤しています仕事にも人にも恵まれています

泥水をすすりすぎて、濾過した雨水うめぇ水道水最高!って言っている状態なのかもしれません。

分子標的薬で心不全症状がガンガン乳がんだけに)出ていた最中引越しを伴う辞令を出した会社には多少わだかまりはあるものの、結果オーライ職場環境は確実に改善されています

それでも体が辛いものは辛い。

ピンクリボンへの八つ当たり

そうなんです、八つ当たりなんです。

わかっているんです。

気軽に乳がん検診に行こう、それで簡単処置で助かる命がある、それは尊いことなんです。

ファッション感覚ピンクリボン、ウェーイ!としている女子が妬ましいんです。

ウェーイしている女子いるからこそ気軽に検診が出来る、それが本来目的なんでしょう。

ただ、若年性乳がんって、乳がん全体のほんの数%なんです。貧乏くじ引いてしまった感が否めないんです。

元々ちょいちょいツイてなかった私が、こんな所でもツイてなかったかー、と。

妬ましく思っても許して下さい。

ネルギッシュに闘病体験を語って、良い感じの活動をしている先輩サバイバーを見て、そうはなれない(なりたい訳でもないけれど)不定愁訴しんどいんです。

残っている後遺症のようなもの障害レベルではなくて、1個1個は誰しもが抱えている何らかの不調なのかもしれません。

不調の数が多すぎて、歯車がガタガタで、支える気力も尽き果てた状態が今の私です

ぶっ飛ばさせて、レッドリボン軍だか、クリボーだか、びっくらぽんだかのアイツを。匿名のこの場でくらい。面と向かっては、きっと吐き出せないので。

優しい言葉ありがとう、長い愚痴に付き合ってくれてありがとう

嵐のような感情の発露は鍵付きのTwitterだけで行っていました。

初めて書き散らしたこの場で、思いもよらずたくさんの方に見ていただけて、嬉しく思います。 

大好きなアーティスト懇願して(服の上から)触って貰ったことあるので、本体の私は乳のせいで地獄のクソ煮込みをわんこそばで注ぎ込まれている割に、乳だけは世界で1番幸せ者かもしれません。

欲しいものリスト我慢するので、私と彼が結ばれる結末を祈って下さい。

2018-08-08

皮膚科だって男が欲しいんだよ

俺は大学勤務医してる卒後10年の皮膚科医なんだけど。女医がよく行く科としてあがる皮膚科でも長く働けて肉体的にもキツイことがこなせる男が欲しい、切実に。

皮膚科ってさ、一見楽そうに見えるしそう聞くじゃん?

開業医のクリニックかなんかで皮膚診て、塗り薬渡されて終わり、って経験みんなあると思う。でもさ、大学病院にいるとそういうケースだけじゃないの。

皮膚科とか眼科みたいな科は内科治療外科治療自分の科で行うんだ。それで当たり前だけど皮膚にもガンって発生するのね。それに火傷とかで皮膚を植皮する人もいる。だから皮膚科だって実は大きい手術があるんだよ。

5mmくらいの皮膚を切り取る、いわゆる生検くらいなら入局してすぐ何件か経験するし、簡単採取キットもあるからみんなすぐできるようになる。

たださっき書いた癌とか植皮はやっぱり入局したてのやつが一朝一夕でできるかって言ったらそうはいかない。植皮なんて術後の審美性に直結するからどう切るか縫うか事前の知識経験がそのまま直結してくる。だからね、俺たちのところは執刀医は俺、助手若い医員を入れて、次世代教育もしつつ患者さんにとっても満足のいく仕上がりになるように努力してる。

さて問題は、そのいわゆる執刀医ができる人間が今のところ医局では俺しかいないってことだ。俺は皮膚外科を専門にしているんだけど、他の助教はみんな皮膚内科で「切る」のは専門じゃない。俺より10才上の講師悪性腫瘍には精通しているんだけど、地位が上がってくるといつもいつも最前線にいるってわけにもいかいからさ。だから切るのはいつも俺。切った後に経過を見る主治医も俺。切る前にアナムネ取って説明するのも俺。

うちの皮膚科に入局した人は基本的に将来皮膚内科に進んで、アトピーとか膠原病を専門にして飯を食ってく。医局入りたての頃に一緒に切っても皮膚を貼っても最後はみんな皮膚内科で、一緒に皮膚外科を盛り立てていこうっていうやつがいないの。しかたないよな。手術室に長い時間籠って手術するのも、外来で皮膚診て塗り薬出すのも給料一緒だもん。いや、皮膚内科馬鹿にするつもりはないよ、診断つける時似たような発疹を見分けるのにはやっぱり経験値もいるしさ。でもね、傍から見たら皮膚内科に流れちゃうよ。誰だって肉体的にきつい仕事は嫌だろう?

それにもう一つ。皮膚外科で結局開業することはないってこともある。クリニックでは生検はするとしても、いざ植皮とか悪性腫瘍摘出手術となったら大きい病院に送るからいくら外科スキルを磨いても、将来開業するとなったらあんまり役に立たない。それよりきっちり皮膚内科を臨床研究から学んでおいて「当院はアトピー性皮膚炎に強いです!」と触れ回る方がよっぽど集客力があるからね。となると皮膚外科医が輝ける場所は忙しくていつも人員不足大学病院飼い殺し、が現状なんだよね。

皮膚科特に女性が多いか福利厚生は他の科に比べたら手厚くて、学会としても女性の働きやすさを推進している。消化器とか循環器とも違って急変も少ないし働きやすいのも分かる。それはいいことだと思うよ。ただ女性男性より現実を見る分皮膚内科に進んで、将来は育児しつつまったりやりたいです、パートナー開業も考えていますなんて人が多いから、皮膚科内でも分野ごとに偏りが出ている。学生にも分かるみたいで「先生いつも手術日は術野にいますけど、先生がいなくなったらうちの大学の皮膚外科って成り立たないんじゃないですか?」って質問されたこともあったな。そういうキツイ分野は聡い学生ますます敬遠するから、今後皮膚内科は増えても皮膚外科は増えないんだろうな、って俺は思ってる。

この歪みを解決するにはやっぱり「マンパワーを増やす」と「それなりにキツイ労働には対価を」が必要だと思う。

前者はいわずもがなだな。フェードアウトする人材より長く働いてくれる人材を登用すべきだ。後者についてはお金で全てが解決できるわけじゃあないけど、自分が頑張った成果が目に見えて分かるのが給料から。俺も同期よりもうちょっと貰ってもいい働きをしていると思うんだ、甘いかな。

去年は男が3人入局した。珍しいことだよ。皮膚科に、男ばっかり、3人も、なんて。だから自己紹介されてこれから一緒に働きますって言われた時はすごく嬉しかったな。

今は一緒に術野に入ってもらって切って貼って縫ってを毎週1人1回は助手として経験させている。

この中に一人でも皮膚外科として芽が出たらいい、そんなことを思いながら俺は手術台の前に立っている。

2018-06-30

私が医療崩壊トリガーになる未来

研修医2年目の女です。当直明けのぼんやりした頭で書いています

このエントリーは決して女性社会進出批判するわけでもなく、ミソジニーでもなく、ただ生殖機能構造をもとに考えた場合この問題はどうにもならないと思って、私が吐き出したかった内容です。不快に思う女性がいたらごめんなさい。

私は今研修2年目で2週間から1ヶ月ペースで診療科をローテーションしています研修中「うちに入局しない?」と声をかけていただくことがあります

「うちの科は女性が多いし、女医さんに優しい環境だよ。○○先生も××先生もお子さんがいても働いているし医局としても女医さんを応援しているからね。」

研修中に大体そうした内容でお誘いをかけてくれるのはマイナー科です。言わずと知れた皮膚科眼科耳鼻科に加えて直接患者を持たない「病麻放」、内科系ならアレルギーリウマチ糖尿病。大体そんな感じ。

医者仕事量が半端ではありません。わんさと来る外来患者検査治療で入ってきた入院患者を診なくちゃいけない。問診取って診察してCT撮って内視鏡入れて薬をオーダーして生検してオペしてetc…どの科もやらなくちゃいけないことがひっきりなしにやってくる。特に大学病院地域基幹病院毎日毎日忙しくて、現場は随分疲弊しています

急変がある科なら尚更です。オンコールで呼び出されることもあれば月10日以上病院に寝泊まりする先生もいらっしゃいます小児科産科のような昼夜区別なく患者が来院する科や循環器や脳外など命に直結するような、しかも手術にあたって精緻な手技が要求される科はそうした傾向が強いです。

しかしそんな内情を医師が公に嘆くことは許されません。「命を扱う仕事から当然だ」「高給取なんだから当たり前だ」と社会の風当たりは強く、まるで私たちスーパーマンであるかのように、あるいは給料泥棒のように糾弾されるのです。働き方改革法案が可決されましたが、医師専門職(高度プロフェッショナル職業)だから適応されることはなさそうだよと言った同僚の声の冷たさは忘れられません。多くの乗客を乗せて飛ばすパイロット私たちと同じように「命を扱う仕事」ですが、福利厚生パイロットの方がずっとしっかりしています

私は誰かを治したいとか苦しんでいる誰かの痛みを和らげたいとかそうした優しい気持ち医学の門を叩きました。

しかし年齢を重ねていくにつれて、私は気づいてしまったのです。この医療という現場私たち手を差し伸べる側をいつか圧殺するであろうことに。

アドヒアランスが悪い患者さんがいる、患者から叱責される、運悪く死亡してしまった時訴訟問題になるケースがある、昼夜区別なく呼び出される、患者のことだけを考えなければ。

いつから医者ライフステージ真剣に考えるようになりました。

高校卒業後現役入学してストレート卒業できて24才です。研修医が2年ありますから、その段階で26才。研修医終えたら希望診療科に入局です。ここでやっと自分の専門を決められるわけです。そこで何年か修行して専門医取って一人前というのが医者の大まかな流れです。あとは大学に残るも自由、基幹病院行くのも自由開業するのも自由です。最近は皆さん医学卒業後に研修医を2年やることは割とご存知かなと思います専門医って何?って人が多いかと思います。まぁ箔付けみたいなものでみんな持ってるから持たなきゃねみたいなものです。しかしこの専門医を取るのが厄介なんです。加えて専門医制度は今年大きく刷新され、中でも内科専門医の変更については議論を呼びました。

この専門医取得については各診療科ごとに決められた常勤年数があります

今までは1年の研修内科認定医を取得、その後4年で各サブスペシャリティ(循環器・呼吸器・消化器etc)の専門医資格を得られました。しかし、新制度では初期研修終了後3年の研修内科専門医を取得し、さら研修を積んでサブスペシャリティ専門医取得となります。今までは1年でよかった内科認定医を取るためのローテーション研修が2年伸びました。

これがどういうことか分かりますか?今までは26で研修医終わって27で内科認定医、これでいよいよ循環器内科で頑張るぞ!だったのが、29で循環器内科だ頑張るぞ!になったんですよ。このサブスぺシャリティという真のスタートラインが29才になったのが新専門医制度。18才で医学部に入って真のスタートが29才って。

妊孕性が年々低下していくことなんて世間でも認知されていて、国家試験でDown症は高齢出産ほど起きやすいなんて選択肢まで出すのに私たちはい妊娠すればいいの?29で真のスタートラインに立った、けれど子供産んでから復帰するのであと3年は待ってくださいになるのでしょうか、それとも研修医終わりました、26で子供産んで落ちついてからから内科認定医取ります、みたいな流れなんですか。

「命を扱う仕事から当然だ」「子供産みたいなら医者になんかなるな」

世間様はそう言う声が多数派なのかな。しかし私だって結婚したいし子供が欲しいし人間的な生活を送りたい。

あぁ、私みたいなのが医者になったのが間違いだった。知らない誰かを最優先できる人、自分の、女の、幸せ全て投げうてるような人が「女医」として許される人間なんだと自責する日もあります。でももう私も26だから。辞めて今更人生やり直せないの。ごめんなさい。

小児科の○○先生さ、終業と同時に走って帰っていくの。そうしないと保育園にいる子供のお迎えに間に合わないから。旦那さんも産婦人科からさお迎えは○○先生なんだって。…ああはなりたくないよね」

同期はこんなことを言っていた。小児科の○○先生みたいになりたいって女性学生はいるのかな、私の周りにはほどほど働いて後は子育てしたいって人が多かったです。

じゃあ何科に進もう。

そうです、マイナー科です。言わずと知れた皮膚科眼科耳鼻科に加えて直接患者を持たない「病麻放」。

「うちの科は女性が多いし、女医さんに優しい環境だよ。○○先生も××先生もお子さんがいても働いているし医局としても女医さんを応援しているからね。」

こうした声をかけてくれるマイナー科に行こうと思いました。マイナー科は大体5年で専門医取れるし、急変も少ない。患者も少ない。もしくはない。

最高の仕事場だと思いました。ここに骨をうずめようと。

しか女医の復帰を支えるマイナー科同期男性医師気持ちになって考えるとこれまた嫌な話なのです。女医産休に入った分、自分業務は増え所詮の子のために尻ぬぐいをしなくてはなりませんから子供を産もうとする女医は結局どこまで行っても腫物なのです。最近女医復職支援も行っていますといった講演や広告も見ますが、「命を扱う仕事なのに途中で離職したり産後フルタイムで働けないならそもそも中途の女医じゃなくて最初から男医採っとけばいいじゃん」という反論にはぐうの音も出ません。

昨年度の私の卒業した大学入試面接では「最近女医が増えてきていますがそのことについてあなたはどう思いますか?」という質問があったそうです。

…なんて答えればいいのか私には分かりません。

ここまでつらつら書いてきて結局何が言いたいのかというと「医者という仕事が壊滅的に女性ライフステージに合っていない。」これに尽きます

H24年度の調査医師全体に占める女医比率が19.7%、医学入学者に占める女性割合33%を超えていて今後も増加が見込まれています相対的医学部の男子学生減り、将来的に男性医師も減っていくでしょう。しか女性医師の多くは妊娠出産で途中で離職します。加えて女性医師出産育児を考えた場合、以上のようなマイナー科を積極的に専門に選んでいくでしょう。内科外科・産婦小児・救急に長く従事する医師は結果として少なくなり、マイナー科はマイナー科でブランクがある女医を少ないベテラン男性医師が支えていく構図が目に浮かびます

同じ女性の私が、もう医師になってしまった私が、こうしたことを言ってもブーメランしかならないことくらい分かっています

しかしただでさえ肉体的にも精神的にもキツイこの仕事を、肉体的に男性に勝っているとは言えない女性が、子供を産める性である女性が、この職業に就くことは誰にとっても不幸なのではないか。そんなやりきれない思いを吐き出したく利用しました。

医療崩壊」、それは一体何を指すのか。

医療崩壊(いりょううかい)とは、「医療安全に対する過度な社会要求医療抑制政策などを背景とした、医師士気の低下、病院経営悪化などにより、安定的継続的医療提供体制が成り立たなくなる」という論法で展開される俗語wikipedia)…だそうです。

高齢化が進みますます高齢者病院にやってくる、医学部は増員したのに「何故か」増えない医師疲弊する数少ない医者

医療崩壊はすぐそこまで来ているのだと思います。この危機を救えるのは、働き方改革より何より「医学部の男子学生増員」だと思っています

私も男に生まれたら、人を治したいという気持ちで突っ走れたのかな。

研修医が終わったら、私は今お付き合いしている人と結婚してマイナー科に入局します。きっと私は後ろ指を指される要領のいい女医になるのでしょう。

ごめんなさい。どうか、男性医師の皆さん許して下さい。

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