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2020-12-23

anond:20201223124634

280万の一点だけで厳しそう

そこが倍になれば勝機はある

勝ったな

2020-11-03

タイツのやつ

パロディオナホおそ松さんだったか何か忘れたけど女性に人気のキャラを模してるのがあって

ゲイ向けでもなさそうだし誰が買うんだって思ったけど

購買層と全然違うとこにアピールしてるのあれ何?いやまあ腐女子の間で○松のオナホだってウケるーってもしかしたら話題にされたこともあるかもしれないけど

でもちんちんついてない以上使えないか絶対買わないじゃん

話題になったってしょうがなくね?

ウケるーって言われるためだけに金かけて作るの?

燃えてるタイツだって絵は間違いなくかわいいから自体評価として肯定的なリプつけてるアカウントいっぱいあるけど男はタイツ買わないじゃん

けっこうな人数に依頼してるから金もかかっただろうけど

購買層じゃない人にかわいいって言われるためだけに金をかける

そこに勝機はあるのか?わからない……

2020-08-04

世界ドラゴンボールハンターハンター

前回「作者の発言公式設定なのだろうか」というエントリをアップした。今回の日記はそれの続きというか補足になる。


まず、前回のエントリの内容を一言でいうと「東方Projectで最強議論したけど話が噛み合わなかったよ」という話だ。

すこし前、とある掲示板で「東方Project」で最強は誰かという議論になった。

私は永琳というキャラを最強だと主張した。

相手はヘカーティアというキャラを最強だと主張した。

お互い譲らず議論平行線をたどった。それ自体別にどうでもいい。最強議論なんてそんなものだ。ただ、私にはこのわかりあえなさそのものが興味深かった。


なぜ我々の議論は噛み合わなかったのか。

おぼろげながらその理由がわかったので、ここに書き残しておく。

なお、永琳とかヘカーティアとか何だよ、知らんわ、キモって人もいると思うが、以下の文章にはまったく関係がないので安心してほしい。

結論からいえば、我々がわかりあえない根本的な原因は、世界の捉え方が違ったかである

議論の土台部分にあたる各々の世界観が異なるために、話が噛み合わないのである


それでは、彼(もしくは彼女)に見えている世界、私が見ている世界とは、それぞれどのようなものか。

端的にいえば、彼は世界ドラゴンボール的に捉えていたし、私はハンターハンター的に捉えていた。

このように書いても何が何だが意味不明だろうから、以下で詳しく述べる。


さて、話は急に変わるが、全盛期のマイク・タイソンと私が喧嘩したらどちらが勝つだろうか。

「そんなのマイクに決まってるだろジャップボーイ!HAHAHA!」

という意見が圧倒的に多いと思われる。

ところが私はそうは思わない。勝機は充分あると思っている。

もちろん、ボクシング試合なら私はタイソンに勝てない。1万回やって1万回負けるだろう。

でも、真剣勝負なら話は別だ。例えば「タイソンを車でひく」とか「タイソンの飲んでいるコーク青酸カリ入れる」とか「タイソンが寝たところで家の周りにガソリンをまいて火をつける」とか、やりようはいくらでもある。

ガチの殺し合いなら私でもタイソンに勝てる可能性があるのである

まり、これは勝負というもの試合という感覚で捉えているかサバイバルとして捉えているかという違いだ。前者をドラゴンボール世界観、後者ハンターハンター世界観と表現することもできる。


ドラゴンボール世界では勝負とは殴りっこである勝負は単純な「殴る、蹴る、手からだしたボールをぶつける」といった手段によって争われる。

ここではパワーこそジャスティスである。よりスピードの早いものが、より強いパワーで相手をぶん殴って破壊する。基本的にはそれがずっと繰り返される。

ここでは格下が格上に勝ったりはしない。戦闘力が低い者は戦闘力の高い者には勝てない。そういうシンプル世界なのだ。勝ちたければ修行するなり、変身するなりして相手より高い戦闘力を手に入れるしかない。


対してハンターハンター世界はそうではない。

ここでは能力というものが非常に大事になる。一人ひとりに個性的能力が与えられていて、それをどう使うかが勝負の分かれ目になる。

能力は一撃必殺のものも多く、ハメさえすれば格下が格上に勝つこともある。

例えば、シャルナークというキャラは針使いだが、針さえさせば相手がどんな強者でもその時点で勝ちであるフクロウというキャラ風呂敷に包めばどんな強い相手でも無力化できる。

からハンターハンターでは「相手いかにして罠にはめるか」が非常に重視されている。

ロロという作中で最強クラスキャラとして描写されている者でも、主人公たちの罠にはめられて無力化されてしまうという場面がある。

そういうシビア世界から相手を罠にはめる発想力と同じくらい重視されているのが用心深さである。実際にハンターハンターでは強者であっても決して油断せずに常に神経を尖らせている。作中人物は自分能力ペラペラ相手にしゃべったりしない。

要はハンターハンター世界は、試合ではなくサバイバルなのである。先程、述べた「タイソン毒薬飲ましたら勝ち」みたいな世界なのだ


ドラゴンボールハンターハンター、それぞれの世界観を簡単にまとめるとこんな感じになる。

ドラゴンボール世界重要もの

パワー、スピード、頑丈さ

ハンターハンター世界重要もの

パワー、スピード、頑丈さ、能力、発想力、用心深さ、対応力、その日のコンディション、メンタル知識相手との相性……などなど


私は後者ハンターハンター世界観をもって世界を捉えている。

私の考える最強キャラというのはサバイバル勝負して最後に生き残るやつのことである。パワーとか火力が一番のやつ=最強ではない。

最強とは「パワー、スピード、知力、用心深さ、能力の強さ、能力の多彩さ、観察眼……」といった諸要素の総合点が一番高い者と言い換えても良い。

逆にヘカーティア最強説信者には、「最強」という言葉に、ドラゴンボール的なマッチョ世界観を思い描いている方が多いのではないかと思われる。

このような世界観の違いが、永琳派とヘカ派との間に横たわる深い溝の根本原因ではないかと考えた次第。


まり何が言いたいのかというと東方で最強は永琳だということだ。

私が言いたいのは結局のところその一点である

永琳最高!永琳最高!イェイ!イェイ!


【補足】

変な勘違いするやつがいたら嫌だからあらかじめ書いておくが、私は「ハンターハンターのほうがドラゴンボールより優れている」みたいなことは一切思っていない。マンガとしてはドラゴンボール無茶苦茶おもしろい。ハンターハンターより好きなぐらいだ。

私がここで主張していることはどっちが上とか下とかそういう問題じゃない。ただ、世界観に違いがあるということだ。

2020-07-26

anond:20200726151825

勝機も何も、実際日本の女アイドル海外じゃ人気ないんだから無理でしょ。

アジアにだったら昔は人気あったけど、それも今は韓国にとられたし。

まだAV女優の方が売れてるんじゃない。でもそれは表に出られるような業態じゃないしね。

anond:20200726151018

女に課金させるのが韓国風。男に課金させるのが日本風。かなあ。

イタリア典型清楚風ぶりっ子日本女子モテまくって

カッコいいイタリア女子連と掴み合いの喧嘩になった話見たことあるから海外男性も嫌いじゃないと思う。

ただそれを好きと公言すると海外ではポリコレ警察に引っかかるんじゃないかな。

日本風勝機はなくもない。

2020-07-16

anond:20200716221604

お前はなにか大きな勘違いしているようだが、エロワードが入った時点でいくらブクマが伸びてもホッテントリ入りはしない。

追記

そしてこの俺の大きな勘違いこそがブクマ勝機を生む。わかったな?

追記2

そしてこの大きな勘違いこそがブクマでの敗北をも生むんだ。勉強になっただろう?

追記3

そしてこの大きな勘違い追記芸というブクマを獲得する。ゴネ得だろう?

2020-05-23

anond:20200523140418

WJは完全にプロレス低迷期に入ってたわけで、プロレスが復活してきている(正確には新日本プロレス一強だが)2020年においては多少の勝機があるかと。

長州力新日本プロレスバックアップがあれば健介人気も多少は回復するかと。

健介新日本プロレスの暗黒期を支えた1人だし新日本プロレスも邪険には扱えないだろう。

まぁ健介ファンから嫌われてたのは塩試合ばかりとか新人扱きが酷かったとか本人に問題があると言われればそれまでだけどさ。

2020-05-14

何が怖いといって

不思議の勝ちほど怖いモノはないんですよ。

勝機がどこだったか分析も、欠点の洗い出しも出来ないわけでさ。

コロナこのまま収まったらそれはそれで、あまり良い方向性ではないと思う。しっかり「なんでこの被害で済んでいるのか」の分析はやってほしい。このまんまだとバカTV医者とかの妄言がそのまま残ってしま

2020-05-05

リーダー役割の一つは、図を描く事である

「良いリーダーとは何か」というのは深遠な課題だろう。

メンバーが優秀な場合と、ド素人集団場合とで、求められるリーダー像は違う。

順調な環境で更に成果を拡大する時に必要リーダー像と、劣悪で勝機の無い状況で求められるリーダー像も違う。

状況が最低最悪の場合、ただメンバーの前で自信ありそうな顔をして座っている事が最重要役割である事もある。

グイグイ引っ張るのが得意なリーダーもいれば、調整型のリーダーもいるだろう。

「無事の橋本平時羽田、乱世の小沢、大乱世の梶山

のような呼称は、真実かどうかはともかくとして、状況毎に必要とされるリーダー像が異なる事を表している。


とはいえ、どんな状況だろうと共通して求められる役割というものはあるのであり、

例えば、常に顔を見せる、声を聞かせる、判断し、決断し、下令する、といった事柄はどんなリーダーであれ不可欠な仕事である

そして、不可欠な仕事の一つに、「図を描く」という物がある。

言い換えると、見通しや目標を示すという事である

これらが無いと、部下たちは組織が何を目指しているかからない。

組織が何を目指しているかが分からない場合、部下は自発的な行動ができない。

かに気づく・思い付くという事があっても、それが組織目的に合っているのか、あるいは目標達成に寄与するものなのか、危機を及ぼすものなのかの判断ができないからだ。


今どこにいる、どこへ向かう、そのために何が必要、というのを明示して初めて、部下は自発性を持つことができる。

組織目的がはっきりしないのに自発性を発揮したなら、それは単なる暴発や独断専行の類だ。

その行動が組織方針に合っているかどうかを決めるのは、リーダーが描いた図の中のどこに位置づけられるか次第となる。

からこそ、リーダーは図を描かなければならないのである



で、何を言いたいのかというと、外出自粛も非常事態宣言別にどうでもいいんで、それがどんな図の中に位置づけられてるのかをはっきりしてもらいたい。

感染防止も重要ステイホーム

それっていつまでだ。1週間か、1か月か、1年か、10年か。

終息への図を描いてくれないと、それすら分からん

それすら分からんと、「何が正しい行動」なのかが分からん

1週間だったら、問答無用で家に引き籠る。

1か月だったら、「3か月は続けられないけど1か月なら耐えられる」やり方で外出を週一回にでもしてみせよう。

1年なら、「3年は続けられないけど1年なら続けられる」やり方で仕事をするだけだ。

10年なら、人生設計から修正必要だ。

リーダーが図を描いていない場合上記のような事が、個々人の判断になる。

1か月で終わると判断してる人なら、無理して引き籠るだろう。

ただし、この人たちは1か月経って状況が改善しなかったら、一転して無理したツケを払う事になる。店を閉めたまま1か月後に再開する準備したりしてたら、特にそうだ。

1年続くと判断してる人は、外出を週一回になんかしない。続けられるわけがいからだ。

これらの人は3か月経っても破綻しないが、代わりにコロナ罹患率を上げるだろう。その結果、本来1か月で終わらせられるはずだった終息は更に延びる可能性がある。

1か月で終わると読んでる人と、1年続くと読んでる人は、とるべき行動が変わる。そして、お互いに相手の行動が自殺行為社会悪にも見えるだろう。

リーダーが図を描かないというのはそういう事である



もちろん、描いた図が実現不可能となる事はある。

それでも、その図があれば、読みが外れた時に修正する事ができる。負けに不思議の負けなし。外れたならば外れた理由が必ずあるからだ。

最初から図が無ければ、外れたかどうかが判断できない。

それは何か読み違いがあったとしても、「読み違いがあった事」を、その理由を、検証できない事を意味する。

それではいつまでも間違え続ける。

からリーダーの席に座ってるなら、図を描け。見通しと目標を掲げろ。

それができないなら、できる奴に席を譲れ。

2020-04-02

飲食店いつまでやるつもりなの?

治療薬が完成するまで1年以上続くと思うこの状況の中で、飲食店をやり続けている経営者センスないと思う。

イタリアニューヨークの状況見てる?

自分なら一蘭みたいな個別仕切りに変えるか、テイクアウトか出前専門店商売替えするか、すぐに店をたたんで別の道を考える。

1年以上客が来なくても成り立つくらい金持ってる?

そうでないなら、飲食店をやり続けるのは無謀だと思うんだけどな。

金がないのに勝機があって飲食店やってる人がいるなら、逆にどういう読みなのか聞きたい。

2020-02-19

[] #83-9「キトゥンズ」

≪ 前

絶望が辺りを包み込む。

結局、戦うしかないのか。

「皆よ、悲観するのは早いぞ。これは戦争ではなく、略奪でもない」

しかしモーロックは諦めていなかった。

交渉の末、この戦いにルールを設けたんだ。

「戦うべきは一匹だ。その一匹と、こちらの代表が戦い、認めさせてやればいい」

サシか……。

そうせざるを得ない、妥協案というべきか。

「その条件、信じていいんですか?」

「やつらは戦いを重んじ、強さを重んじる。だからこそ、一度でも認めれば牙を向かぬ」

それぞれ戦わないと駄目ならば、ネコの国に入れない奴が確実に出てくる。

だけど、この中にいる一匹だけが戦うのならば勝機はあるかもしれない。

だけど問題は、誰が代表となるかだった。

「では、諸君……この中に今回の戦い、志願するものはいるか?」

モーロックの呼びかけに、俺含めて皆ウーともニャーとも言わない。

なにせ、ここに集まっているネコたちは、ほとんどがケンカすらしたことないんだ。

それは争いを好まない気性だからってのもあるが、やはり強さに自信がないかなのは否定できない。

どんなのが相手なのかは分からないが、かなり覚えのあるヤツが出てくるはず。

そんなのと渡り合えそうな、体が大きくて力強いネコも仲間内にいるにはいる、のだが……。

「なあ、キンタ。お前ならやれるんじゃないか

「あたしぃ? やーよ、そんなの。戦いも食べ物も、血生臭くないのがいいわ」

有力候補だったキンタは、去勢されて今やこの状態だ。

いくら体格があっても、そもそも戦う気がなければ勝つことはできない。

次点だとケンジャもいるが、あいつは体がでかいというより単に太ってるだけだ。

「むぅ、志願する者がいないのなら……仕方ない、ワシがやるか」

モーロックあんなことを言っているが、当然ながら無茶だ。

昔ならまだしも、今の彼にまともに戦える力はない。

「よ、よしてください! 老ネコあなたには無理だ。下手したら死んでしまう!」

「では、おぬしがやるか、ダージンよ」

「そ、それは……」

そう返すモーロック眼光が鋭く光る。

ダージンはしどろもどろになり、咄嗟に俯いた。

それでも搾り出すかのように、震えた声で答える。

あなた危険晒すくらいなら……や、やります

しかし、ダージン消極的決断が認められることはなかった。

「よく言った、と誉めてやりたいところだがな。敵と相対する前から目を逸らすようなネコ代表は任せられん」


そうして代表が決まらず、どれ程の時間が経ったか

時おり「やろうか」、「やれよ」というやり取りも聞こえはしたが、どれも自信なさげであり、ハッキリとしたものではなかった。

「はあ……できれば強い意志で、自ら決めてほしかったのだがな……」

痺れを切らしたモーロックは、やれやれといった具合に息を洩らした。

「こうなったら、わしが直々に指名しよう」

集会所に緊張が走る。

選ばれたネコ自分達の居場所を得るため、更には皆の思いを背負って戦うことになる。

責任は重大だし、無傷では済まない。

代表は……キトゥン。お前だ」

その名前が出たとき、周りの視線は全て俺に集まった。

この時、肝心の選ばれた俺はというと、自分でも意外なほど落ち着いていた。

何となく、そんな予感はしていたからだろう。

年齢や体の大きさ、それに筋肉のつきぐあい

キンタを除けば、最も渡り合えそうなのは俺ってことになる。

「どうじゃ、キトゥン」

「気乗りはしないが……やるからには、やるよ」

好きでこんな体に生まれたわけじゃないが、別に抵抗感はなかった。

それでも俺が志願の際に消極的だったのは、戦いたくないこと以上に“他の理由”があったからだ。

「ちょ、ちょっと待った!」

そして予想通り、俺の気にかけていたことは起こった。

次 ≫

2019-12-15

仕事がデキる人間は、なぜ仕事が遅いのか?

一般的仕事のデキる人が、仕事が早いと言われている。

しかし、それはサラリーマンという枠組みの中での話だ。

起業家経営企画をやっている人間なら分かると思うが、

早くて雑な仕事ほど迷惑ものはない。

なんせ、軌道修正するのに膨大な労力がかかるから

 

から仕事できる人間無駄スピードを追求しない。

適度な速さでいいから正確な仕事大事

仕事のできる人間事故らない速さで進んでいく。

 

ブランド人になれ!会社奴隷解放宣言」なんかは典型的

スピード全開で突っ走ってるから

転職先が買収されてけっきょく同じグループになるのである

参考:「拙速は巧遅に勝る」――孫子はそんなこと書いてない――

http://fujii-yuji.net/2016/12/theartofwar.html

 

元ネタ孫子を読み直せば、スピードで圧倒できない状況なら勝機が来るまで待つことだってアリなんじゃないですかね。

「戦は兵力よりも勝機だよシンイチ」ってミギーも言ってたし。

2019-11-22

anond:20191121194739

日本からの「韓国は信用ならん」という疑念に(嘘でもなんでも)韓国からの回答は何かあったの?

結論から言うと「無かった」

日本側の「信用ならん」の根幹は主に以下の三つ

これに対する韓国側の主張は

こんな感じなので「そもそも回答も反論必要ない」というのが向こうの方針

https://anond.hatelabo.jp/20191122002119

さらに言えば↑こんなのが日本世論の総意だと韓国好きな人達が韓国政財界に触れ回ってしまって韓国社会全体が勝機ありと勘違いしてしまった

2019-11-02

ラグビーW杯 3位決定戦 ニュージーランド vs ウェールズ レビュー

11月最初の週末は、ラグビーW杯2019日本大会、最後の週末だ。

ラグビー伝統国以外での、そしてアジア初開催となったこトーナメントも残すところは2試合を残すのみ。

今夜、ニュージーランドウェールズが3位の座を争う。

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大会を振り返った時、3位のチームを覚えている人は少ないだろう。

地上波放送もなかったし、3位決定戦自体存在意義疑義を唱える関係者もいると聞く。

しかし、今回、不可抗力で中止になった試合こそあるものの、W杯開催地最後まで残って、参戦したときに行う可能性のある7試合全てを戦えるのはここまで残った4チームにのみ許された権利だし、この大舞台で戦う経験を積む新星、そして代表戦舞台から去るベテランたちにとってこの一戦は大きな意味を持っている。

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ニュージーランドWTBリーコ・イオアネや、ウェールズSHトモスウィリアムズCTBオーウェン・ワトキンはこの3位決定戦で次の4年に向けた新たな一歩を踏み出し、No8アラン・リードFBベン・スミスCTBライアン・クロッティ、FLマット・トッド、そしておそらくはこのステージで残された時の少ないLOアラン・ウィン・ジョーンズといった伝説たちが、代表として有終の美を飾るための戦いに臨む。

また、スティーブハンセンウォーレン・ガットランド両HCも退任が決まっており、これらはこの試合が1つのサイクルの終焉と新たなサイクルの始動を繋ぐものであることも意味している。

強豪国として名をはせる両国は今夜、どのような「終わりと始まり」を見せてくれるだろうか。

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若手に経験を積ませたりベテラン花道を作ってやりたいとは思っても、負ける気など全くないウェールズ

しかし中4日のうえ怪我人が多く台所事情が厳しい。

伝統の固いディフェンスと激しいタックルは若手にも浸透しているであろうが、相対するのは攻めてくるのを待っていて勝てる相手ではない。

ウェールズ攻撃守備遂行しつつ、ペナルティーキックセットプレーなどの一瞬の勝機を何度ものにできるかが問われる一戦となる。

対してスタメンを大幅に入れ替えても世界的なビッグネームばかりという層の厚さを誇るオールブラックスは、完全に封じられれた準決勝の苦い思い出を払拭し、自信を取り戻さないといけない。

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国家斉唱を前にこの試合で黒衣を脱ぐキアラン・リードの頬に笑顔漏れる。

スタジアム純粋ラグビーを楽しむ祝祭的なムードに包まれる中、両国代表と観客が声を合わせて歌う国歌

特別試合原則マオリの血を引くものが務めるとされるハカリードはキアラン・リードだった。

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いよいよキックオフ増田の予想に反してウェールズ試合開始から果敢にランで展開しつつ攻めるが、これを止めたオールブラックスペナルティを獲得、外れたゴールキックの攻防からボールをつなぎ、なんとPRジョームーディーが激走してトライ

つづく12分にもラインアウトからセットプレークロスパスを受けたFBボーデン・バレッドディフェンスをすり抜けてトライ

14-0。

オープンな展開から2トライを奪ったオールブラックスが序盤をリードする。

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対するウェールズも深く攻め込んでからセットプレーを取り切ってトライ、その後もペナルティーゴールを獲得し14-10とやり返していく。

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しかし、ボールをもってもキックを使わず走るウェールズが挑んだ攻めあいオールブラックス土俵で、32分にはセットプレーからターンオーバ連続する混乱をベン・スミスが走り抜けてトライ

銅鑼のなった40分すぎにまたもベン・スミスインゴール右隅に飛び込み28-10として前半を終了した。

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スタンドに観戦にやってきていた上皇夫妻に送られる拍手と歓声。

トーナメントを勝ち上がってきたキック主体戦術を使わずランでのオープンな展開で攻めたウェールズだが、オールブラックスの得意な混乱からの打ち合いを誘発してしまう。

ウェールズ今日代表最後となるベン・スミスの2トライなどで大幅リードを許して前半を折り返した。

後半は締めていくのか、覚悟を決めて引き続き果敢に攻めるのか。

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後半開始早々、オールブラックスはまたもベン・スミスディフェンスすりぬけてチャンスメイクし、ソニービルウィリアムス一流のオフロードでつなぎ、ライアン・クロッティが飛びこみトライ

大会若い力で駆け上がってきたオールブラックスは、3位決定戦でみせたベテラン3人のアンサンブルで35-10

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どうやら戦略的な論考は無意味な戦いのようだ。

ウェールズは残された大舞台最後時間を観客とともに全力で楽しむように、後半もキックを使わずランで攻める。

オーソドックスな展開攻撃だけではなかなかビックゲインができなかったが、辛抱強くボール繋ぎつづけ、インゴールライン間際の攻防からジョッシュ・アダムズが頭を突っ込んだ!

走っても手数を惜しまぬ攻めで、35-17と追いかける。

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ゲーム選手の交代が相つぐ時間となり、大歓声で送られるウェールズアラン・ウィン・ジョーンズやオールブラックスソニービルウィリアムズ

交代が特別ムードに包まれるのも3位決定戦ならではだ。

最もセクシーアスリートと世の女性にもてはやされながら、前大会で得た金メダルを興奮してフィールドに降り駆け寄ってきたファンの子供にあげてしまうなど、セクシー期末試験があったら記述問題採用したい振る舞いがノータイムで出せる伊達ソニービルは、13人制でカナダからオファーがるという。

試合が終われば新天地に旅立つのだろうか。

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腕を痛めたウェールズSOリース・パッチェルの交代で怪我の穴埋めにとことん縁のあるダン・ビガーがフィールドに降り立ち、同じく交代で入ったSHガレス・デービスがややキックを増やしたことで後半の展開は均衡したが、やはりオープンゲームであることは終盤になっても変わらない。

観客にラグビーの楽しさを示すように攻め合いになったゲームは、75分にウェールズ陣深い位置からスクラムからオールブラックスSOモウンガが、その均衡を破るトライで40-17として、このスコアのままゲームは終了した。

2019年日本大会の3位は、ニュージーランドだ。

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おそらくは互いに最後W杯となるアラン・ウィン・ジョーンズ、キアラン・リードキャプテンが晴れ晴れとした表情でインタビューに答える。

準決勝の苦い敗戦払拭し、最後試合を飾ったスティーブハンセンHCは大歓声に送られ、花火大会打ち上げ本数で上回られたウォーレン・ガットランドHCは少しだけ悔しそうな表情で、しか歳月を噛みしめるようにウェールズを鍛え上げた日々への思いを語った。

大会で堂々オールブラックス司令塔を務めた新星モウンガは試合前に「先輩たちのために今日は戦う」と語ったという。

ウェールズ選手たちも同じ気持ちではなかったのだろうか、去る者の思いは若い戦士たちに受け継がれていく。

4年後には彼らが先頭に立ってチームを引っ張っていくのだろう。

今日が終わりと始まりを繋ぐ日だ。

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決戦の1試合を残して大会を去った彼らだが、大会後にはキアラン・リードライアン・クロッティ、マッド・トッド、ブロディ・レタリック、サム・ホワイトロックリーアム・スクワイアなど、多くの選手日本にやってくる。

あと、W杯が始まってからというもの、どうにも悪役キャラのようなセリフを吐きまくるエディーがまた口を滑らせたおかげで、スティーブハンセンが次に指揮を執るのがトヨタヴェルブリッツであることも明らかになった。

日本代表の躍進をその屈強な身体で支えた姫野を擁し、元オールブラックスキャプテンとHCがやってくるトヨタ台風の目になるだろう。

W杯を沸かせた彼らのプレーや采配を間近で見ることのできる、トップリーグスタンドにも是非足を運んでほしい。

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そして、日付が変わって11月2日、2019年大会を制するチームがついに決定する。

追憶希望をのせたトライ花火と歓声が夜空を彩った今夜だったが、次の夜はもっとシリアスものが飛び交うだろう。

44日間の激闘を見守ってきたウェブエリスカップは、白と緑、どちらのユニフォームの上で輝くのか。

太陽が西の空に沈む時間、輝く夕陽と入れ替わるように赤く燃える決戦の火蓋が切られる。

anond:20191027213719

2019-10-27

ラグビーW杯 準決勝2 南アフリカvsウェールズ レビュー

10月も最終週を迎え、ラグビーW杯も3試合を残すのみとなった。

準々決勝で日本大会を去り、バラエティ番組などでは「大会お疲れ様」という雰囲気も流れているが、四年後の話をするにはまだ早い。

ウェブエリスカップを巡って決勝を戦うチームは今夜決まるのだ。

日本代表がいない大会でも、まだみんながラグビーを楽しんでいてくれて嬉しい。

増田ももうすこしだけ試合レビューしてみんなの力になりたいと思う。

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さて、ラグビー母国イングランドが黒衣の王者ニュージランドを下した昨日の対戦を「事実上の決勝戦」と表現する声もあったが、そう言われては今日戦う2チームは立つ瀬がない。

夜行われる対戦は、2度のW杯チャンピオンに輝いた南アフリカと、直近の欧州王者ウェールズだ。

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日本因縁から南アフリカは、その圧倒的なフィジカルを利して日本封殺しただけでなく、予選プールでもニュージランドに敗れた1試合以外は30点差以上の点差をつけて危なげなく勝ちあがってきた。

ただ、予選で1敗でもしたチームがW杯で優勝したことはなく、準決勝に臨んで得点源の一人であるポケットロケットチェスリンコルピ怪我で欠くのも気がかりだ。

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対するウェールズはここまで薄氷勝利を積み上げてきたものの、ツーブロックに長いドレッドFLジョシュ・ナビディ、多くのチャンスを演出してきたFBリーアム・ウィリアムスを失い満身創痍だ。

激しい戦いのせいか怪我に悩まされるウェールズ代表は、今回だけでなく前回W杯でも大会から予選プールにかけて大量の離脱者を出し、ベスト8に終わった。

その時に敗れた相手南アフリカで、こうなってくるとラグビー神様が赤いドラゴンに試練を与えているのではないかと疑いたくなる。

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ただ、そういった方面の話には朗報もあって、昨日、神様の中でも黒い服を着たやつを、そういう事あんまり気にしないパワハラおじさんがお仕置きしてくれたので、これ以上のイタズラは心配しなくても良いかもしれない。

全力をもって今夜の戦いに臨むだけだ。

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さて、その今夜ゲームはどういったものになるだろうか。

南アフリカは圧倒的なフィジカルと勤勉さを盾にした鉄壁ディフェンスハイパント、これまた強力なフィジカル圧力をかけてからの展開や、キック得点を狙うチームだ。

対するウェールズも、赤い壁と表現されるディフェンスと、一撃必殺のセットプレー、アタッキングキックを用いた奇襲、突如繰り出すドロップゴールなどで対抗する。

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お互いぶつ切りの展開になれば自分たちラグビーに持ち込めるが、それは相手も同じで、強みにフォーカスすると相手の強みも誘発してしまいかねない。

がっぷり四つの対戦になるだろうか、相手の強みを消しにいくだろうか。

ウェールズウォーレンガッドランドHCは「世界一美しい試合というわけにはいかない」とキックの多いゲーム示唆したが、そのキックにつながる地上の密集戦がどちらのものになるかが重要で、これを制圧した方がゲームをより優位に進めるのではないだろうか。

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17:45、フィールドに屈強な男たちが降り立ち、黙祷に続く国歌斉唱

代表チームのキャンプ入りの際、地元の子供の合唱という形で歓迎を受けたウェールズ国歌、「ランドオブ・マイファーザー」は今夜も場内の多くのファンが声を合わせた。

「神よ、アフリカに祝福を・南アフリカの呼び声」も同様で、それは美しい光景だった。

国にかかわらず皆が声を合わせ、会場に響き渡る国歌、これはこのW杯日本ホストとして成し遂げた成果かもしれない。

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いよいよ試合開始、前半、南アフリカキックオフは、蹴り返されて自分たちに戻ったボールをいきなりハイパントし、そのキックが展開を予想させるものとなった。

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開始早々、ウェールズボールを持てば南アが力任せに抱え上げて立往生を食らわせ、南アボールの密集になればウェールズLOアラン・ウィン・ジョーンズが地上戦ボールを引っこ抜いて攻守交代。

双方フィジカルで一歩も引かず、硬いディフェンスのうえ、どちらも攻撃の展開にも複雑なオプションがない。

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簡単突破できないのでキックに活路を見出し、2分に1回はどちらかがハイパントをあげてはスクラム、という展開のなか、その流れで南アが獲得したマイボールスクラムに組み勝って2度のペナルティーゴールを獲得。

しかし、ウェールズもランから進入してやり返し、これまたペナルティゴールを獲得する。

序盤の20分でスコアは6-3。

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異様に回数が増え、序盤の鍵を握る事になったハイパントは、横浜国際総合競技場上空に強い風が吹いているためボール行方が安定しない。

徐々にランに切り替える南アだが、地上戦では度々攻守の交代を食らわされ、ウェールズがジワジワと前進してくる。

後退の原因は起点となる地上の密集戦を制圧しきれないことだ。

30分を過ぎ、南アにとって息苦しいような時間帯になっていく。

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強みを見つけて流れをつかみかけたウェールズだが、やはり神様はしつこいようで、35分、突進してくる南アフェルミューレンにいった単純なタックルPRトマスフランシスが肩を痛め、その直後にWTBジョージ・ノースがハムストリング悲鳴をあげて交代、ここにきて負傷者が相次いでしまう。

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キック合戦ゲームが動かないまま40分が過ぎ、6-3のスコアで前半は終了したが、ウェールズはまたも襲ってきたこの試練を乗り越え、後半の40分を自分たちのものにすることができるだろうか。

そして大方有利とみなされながらも赤い壁に阻まれウェールズを引き離すことができなかった南アは、流れを引き寄せるプランを立てられるだろうか。

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ウェールズキックオフから始まった後半も、火を吹くようなフィジカルのぶつかり合いとなり、小柄なデクラークエキサイトして自分よりはるか大柄な選手に摑みかかる。

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そのデクラークミスに乗じた敵陣でのセットプレーからウェールズペナルティーゴールを得て9-9。

スコアは振り出しに戻り、試合は点数の上でも一進一退の攻防となる。

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ここで南アゲームを動かすべくマルコム・マークスを投入し、制圧していると言い難いスクラムで優位を作ることも目論む。

南アはこのゲームでまだ相対的な強みを見つけられていなかったのだ。

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すると53分、そのテコ入れしたスクラムで組み勝ち、続くセットプレーCTBデアリエンティが膠着を破るトライ

コンバージョンも決まり16-9。

ついに南アは均衡したゲームに決定的な差を生み出す事に成功した。

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しかし、まだ試合は終わらない、今度は地上戦ボールを引っ抜いたウェールズペナルティーキック南アインゴール間際まで前進

21フェイズに及ぶ力押しでペナルティを得て、なんと選択は先ほど組み負けたスクラム

位置的に中央なので有利とはいえ、明らかにスクラム南ア有利なのに、相手の強みであってもぶつかっていって勝負の流れを引き寄せにかかる。

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64分、ここからの必殺のセットプレーWTBジョッシュ・アダムズがインゴール飛び込みトライ

コンバージョンも決めて16-16。

お互いの限界を試すような勝負、これでその行方は全く分からなくなった。

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ゲームは終盤、1ゴールを争うような展開のなか、ドロップゴールをチラつかせながらFWフェイズを重ね前進するウェールズ

攻める方も守る方も我慢比べ、70分を過ぎてどちらのフィジカルメンタル破綻するかという場面だ。

しかし、ここで南ア機械歯車に噛むようなジャッカルで決定的な攻守交代!

勝ちを大きく引き寄せるペナルティーゴール得て、スコアを19-16とする。

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このゲームで3点はあまりに重い数字だ。

だがウェールズは何度もこんな場面で勝ちを手繰り寄せてきた。

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終了間際の78分、自陣深くから一瞬の勝機にかけるウェールズボールラインアウトしかし弧を描いたボール南アLOモスタートの長い手に触れた。

ボール南アのものとなり、最後スクラムに組み勝った南アが息詰まるシーソーゲームを制した。

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相手の強みを徹底的に封じ込めたニュージーランド×イングランド戦と打って変わって、お互いの強みを正面からぶつけ合い、見ているもの心と身体を熱くさせるような展開となったこ試合

球技に比べ実力が結果に反映されやすとはいえプランがはまって相手翻弄できれば一方的封殺もできるラグビーにあって、今夜は最後まで勝敗行方が分からず、どちらが勝ってもおかしくはなかった。

ただ、連戦で積み上げた身体負担気候、その他フィールドプレーよりも大きな数々のファクターが命運となって一戦を左右した。

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タイトロープを歩きながらここまで勝ち上がって、南アフリカを追い詰めたウェールズはこれで3位決定戦に回るが、今夜の敗戦を笑うものはいないだろう。

彼らは胸を張って1週間後に備えるのがふさわしい。

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そして、頂への三度目の挑戦権を得た南アフリカ

まっているのは希代の戦略家と白衣に身を包んだ23人の命知らずだ。

だが心と身体の屈強さなこちだって負けてはいない。

ウェブエリスカップアフリカの地に返してもらう。

anond:20191026200828

2019-10-21

[番外編]ラグビーW杯 準々決勝概観準決勝展望

こんにちは

レビュー増田です。

日曜の日本×南ア戦、結果は少し残念なものとなったが、ちょっと苦し紛れっぽくポストしたプレビュー試合の見所を紹介でき、観戦の良い補助線になったというコメントいただき、多くの人に楽しみを提供できたかもしれないと思うと嬉しかった。

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日本代表の試合となると、勝ち負けの結果が最大の観戦ポイントとなるのは避けがたいが、そうなると負け試合になった時、ただ悔しい、辛い、つまらない、みるんじゃなかった、という思いも心に湧き上がってしまう。

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増田としては、それだけではなくて、事前に何をもって戦いに臨み、実際にフィールドで何が起きているのか、というところに目を向けて、このスポーツ面白みを発見できる見方を知って欲しかった。

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また、見方において日本戦だけでなく他の試合においても思うところあり、スコットランド戦レビューでも触れたように、「勝者の物語」はまた「敗者の物語」という側面を持っている。

日本に敗れたチームや、強豪に敗れたチームの詳細にも触れて、普段の観戦よりもう少しだけ多くの視点から風景を共有したいと思った。

そう言った意味では、ウェールズ×ジョージア戦や、ちょっと説教を頂いた日本×スコットランド戦レビューも、その遂行面ではともかく、視点としてはまあまあ気に入っている。

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さあ、準々決勝の4試合だが「多分リアルタイムで観るの難しいっぽいなー」と言っていたものの、蓋を開けてみるとクアラルンプールから帰国便は6時間余りあり、機内のモニタでも国際スポーツチャンネルがあったので、19日の2試合リアルタイム観戦ができた。

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さらに、南ア戦の翌日は1週間の旅の疲れを癒すために休暇をとっていたので、オンデマンド放送ウェールズ×フランス戦も観戦できた。

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詳細なレビューは書ききれないが、これらの試合概観し、準決勝展望についても触れたいと思う。

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イングランド×オーストラリア試合は、伝統的な重くてシンプルフィジカルラグビーに4年で鍛え上げた強力なオープン攻撃を組み合わせたイングランドの「進化フィジカルラグビー」と、「ストラクチャー」ではあるが地上戦のランで組み立てる今となってはクラシカルオーストラリアの「シークエンスラグビー」の激突となった。

シークエンス台本)」と言いながらも、オーストラリアはその布陣においてSHウィルゲニア、SOのクリスチャン・リアリーファノ、FBカートリービール試合タクトを振れる3人を並べ、トリプル司令塔攻撃冗長性と予測不能性を加えていた。

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しかし、その3人をもってしてもイングランドの強固なディフェンスの穴を見つけることができず、長時間ボール支配したにも関わらず、その時間に見合ったスコアを獲得できなかった。

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スタッツをみることができるなら、「ボール支配率(possession)」と「ゲインメーター(meters made)」に注目してほしい。

オーストラリアは62%もポゼッションし、イングランドの2倍以上の距離メイドした。

にもかかわらずスコアにはつながっておらず、これは多くの場合エラーディフェンスにあって突破ができなかったという事で、非常に効率の悪い攻めをしていたことを意味する。

このことの視点をひっくり返してタックルに注目してみると、イングランドタックル数において86回のオーストラリアに倍する193回のタックルを見舞っていたにも関わらず、オーストラリアの13回のタックルミスに対して21回のタックルミスしかしていない。

6.6回に1回捕まえられなかったオーストラリアに対し、倍の数を試して10回に1回しかミスしていないということだ。

イングランドディフェンスのなんと強固なことか。

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効率無視したメーター数と運動能力で圧倒するのはオーストラリアスタイルであり、簡単に変えるのが正しいとは言い切れないが、ボールを持たずに白い壁を作り、切り返しからの一発で獲るのもまたイングランドスタイルであり、オーストラリア自分たちプランに持ち込めたが、遂行の面でイングランド問題を突きつけられた、という形になった。

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オーストラリアイングランド、双方のHC、マイケル・チェイカエディー・ジョーンズコーチボックスでブチ切れる事で名高いが、フラストレーションの溜まる展開も、結果はかなり一方的ものとなり、チェイカはキレるというより憮然としてしまった。

こうしてイングランドが準々決勝に次いでまたも準決勝に一番乗りした。

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スタイルを貫いたのに壁に跳ね返される展開となった第一試合だったが、第二試合増田さらに息を呑むような衝撃的な光景を目の当たりにする。

ニュージーランド×アイルランド

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今年のテストマッチオールブラックスを破り、直前まで獲得した世界ランキング1位を引っ提げてW杯に乗り込んだアイルランドだったが、彼らはその「1位」という数字の当てにならなさを残酷なまでに突きつけられた。

もっと確実な数字で。

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36%しか獲得できなかった「地域獲得率(territory)」、オールブラックスと比して8割ほどの回数はボールキャリーできたのに半分ほどしかメイドできなかった「ゲインメーター(meters made)」、クリーンブレイク僅か2回、そして最終スコアの46−14は、「どんなプランを持っていたにせよ、ほとんど何もさせてもらえなかった」という事を意味する。

守備においては悲劇的ですらある。

オールブラックスとほぼ同じ回数タックルを見舞っていたにも関わらず、2.5倍もタックルミスをしてしまい、8回ものターンオーバーを喫している。

実際見ても、あの緑の壁が地上戦でズルズルと下がっていたのは恐ろしい光景だった。

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オールブラックスはアーディー・サヴェア、ブロディ・レタリックなど強力FW陣が躍動し、コーディーテイラー、デーン・コールズ(驚くべきことに2人ともFWだ)、ジョージブリッジなどの驚異的なランナーが次々とラインを破り、アーロンスミスボーデン・バレッドがその閃きで違いを作り出したが、増田個人的POMとしてSOのリッチー・モウンガを挙げたい。

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この地味な司令塔は、敵陣に侵入し、すわ驚異的なアタックが始まるぞという時でも、デフェンスラインが浅いとみるやゴロパントを蹴って22mのさらに深くからセットプレー相手に強い、ボールが暴れるやドリブルで蹴だしてボーデン・バレットへ脚でのパス

黒子に徹しながらも異常な反応速度と驚異的な回転の早さで黒衣の王者を動かした。

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後半2トライを奪ったアイルランドだが焼け石に水

緑の巨体を一蹴したオールブラックスが今度は白い壁がまつ準決勝に駒を進めた。

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かい数字の話が続いたのでスタッツからは少し離れることにしよう。

ウェールズ×フランスは、準々決勝で唯一、1点を争うクロスゲームが演じられた。

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緑の芝に赤と青のユニフォームが映える一戦は、個人の閃きで予測不能攻撃を仕掛ける青のフランスに対し、壁を作って切り返し、直線的なランとハイパントサインプレーからの一発を狙う赤のウェールズという展開となった。

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前半からボール支配し、次々と不確実性を突きつけるフランスに対し、守勢に回るウェールズは、数少ない攻撃のチャンスを得ても、ダン・ビガー、ガレス・デービスリーアム・ウィリアムズ個人しか出来ることがない。

そもそもウェールズは3フェイズ以上の攻撃になるとすぐに手詰まりを起こしてしまい、そこから先はキック個人技と密集戦くらいしかやることがなくなってしまうのだが、その3フェイズの切れ味で尸の山を築いてきたチームだ。

ボールをもってジャズセッションを奏でたいフランス相手に気分良い時間提供してしまう。

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しかし、しかしだ、フランスにはなぜかW杯で顔を出す、悪い、致命的に悪いクセがある。

前回W杯で密集のどさくさに紛れてオールブラックスリッチー・マコウに芝との挟み撃ちにするプレスパンチを繰り出し退場者をだした様に、今回もLOセバスティアン・ヴァーマイナモールのどさくさに紛れてウェールズ選手に肘打ちを見舞ってしまう。

しかもこれがレッドカード

掲げられた赤いカードは同じ赤のジャージを着たウェールズにとっては幸運カード、青のフランスにとっては逮捕状に見えたことだろう。

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ここからウェールズは徐々に息を吹き返し、ついには土壇場で勝負をひっくり返した。

フランスは優位に進めていた試合を自ら壊してしまい、涙を飲むことになった。

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W杯が始まってからというもの、「あーこりゃマズいな」という状況を執念でひっくり返し、薄氷勝利の道を踏み抜かずに歩き続けるウェールズは感嘆に値する。

毎度毎度、怪我人の穴埋めで呼び出されて司令塔になるW杯男、ダン・ビガーは、男であればこうありたいと思わせる勝負強さだし、肘打ちを食いながらもPOMに輝いたアーロン・ウェインライトは全てのパパが見習うべきで、父たるもの大男はちょっと厳しくてもヤンチャな娘の肘打ちくらいには耐えないといけない。

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土壇場に強い男たちの活躍準決勝3番目の椅子ウェールズのものとなった。

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そして準々決勝最後試合は昨日のレビューで書いたとおり。

4番目の椅子の獲得者は南アフリカだ。

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準決勝ニュージーランド×イングランドウェールズ×南アフリカという組み合わせとなった。

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ここで準決勝2試合展望について考えてみたいと思う。

ニュージーランドイングランドの対戦は実力伯仲だ。

ここまで圧倒的な強さを見せつけるオールブラックスだが、相手に付け入る隙を与えずねじ伏せてきたのはイングランドも変わらない。

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しかオールブラックスが優位に試合を運ぶのではないだろうか。

重厚クラシカルスタイルから進化して、未来フィジカルラグビーとでもいうべき戦法で次々と対戦相手を沈めてきたイングランドだが、その選択肢の多さが逆にオールブラックスの付け入る隙となるかもしれない。

いっそランニングを捨てて激しく前に出る高速ディフェンスによってオールブラックスモメンタムがつく前に潰し続け、ロースコアの展開に持ち込んだほうが勝機が見えて来るのではないかとも思う。

オールブラックスとしては、いかにして前に3mのスペースがある状態ボールを持つかということになる。

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名将スティーブハンセンと、勝負エディー・ジョーンズの采配に注目だ。

また、エディーがいつコーチボックスでブチ切れるかにも注目だ。

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南アフリカとウェールズの戦いに関しては、ともにフィジカルを盾にしたディフェンスに特色のあるチームであり、小細工を弄するような対戦になると考えづらい。

双方ともペナルティゴールを積み上げた上で、試合合計でも3個以内のトライを奪い合う展開になるのではないかと思う。

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自分自尊心を守る為に見えてるものに目を瞑る誘惑には耐えなければいけないが、それでも南アフリカが優位にゲームを進めるのではないだろうか。

南アフリカの方が取れる選択肢が多い気がするのだ。

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翻って必殺の一撃が世界最高クラスフィジカル相手にも通じるのか試さないといけないウェールズだが、どうもクロスゲームには縁があり、かつて日本相手テストマッチでも70分過ぎのドロップゴールで逃げ切った経験がある。

今回ももし75分を過ぎて手が届く点差なら何でも起き得る。

渡りうまい大男達がまたも勝負の谷を超え、頂への挑戦権を得るだろうか。

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日本の挑戦は終わったが、W杯で残された4試合はいずれも興味深いものばかりだ。

みんなも是非もう少しお付き合いいただきたい。

anond:20191020231916

2019-09-22

ラグビーW杯 22日第2試合 アイルランド vs スコットランド レビュー

昨日のオールブラックス×スプリングボクス試合レビューも好評で、なによりラグビー観戦が楽しくなったというブコメが嬉しくてたまらない。

増田としては、「わかりづらい」と言われたり、「興味ない」と言われたり、そうかと思えばどうも変な話題が注目されたりするラグビーの、その競技自体の楽しみを分かち合いたかった。

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今日22日は、日本と同じプールでやがて相まみえスコットランド×アイルランド試合が行われた。

もうすぐ戦う相手がどんなチームかを知れば、単純に「日本頑張れ、すげー、なにやってんだ」以外にもうちょっと違う楽しみ方を提供できるかも知れない。

この対戦のキーワードは「ストラクチャー」と「アンストラクチャー」、そして「雨」だ。

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「ストラクチャー」と「アンストラクチャー」は、敵味方の状況に応じた陣形状態で、「ストラクチャー」とは攻守双方、準備万端ラインが整っている状態をさす。

対する「アンストラクチャー」は、ライン状態がグチャグチャで、攻めようにも綺麗にできないし、守ろうにも予測不能状態を指す。

「ストラクチャー」はスクラムラインアウトから、「アンストラクチャー」はハイパントの落下点の競り合いや、相手の攻めからボールを引っこ抜くなどターンオーバーから起こりやすい。

「ストラクチャー」は準備がモノを言い「アンストラクチャー」はしばしばアドリブ合戦になってしまう。

両国関係でいうと、アイルランドは「ストラクチャー」に強く、スコットランドは「アンストラクチャー」に強い。

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ただここに要素を加えるのが雨で、アンストラクチャーからスピーディーアドリブを仕掛けようと思うと、パスが速かったり複雑になりやすく、雨でボール滑ると厄介なことになる。

ストラクチャーでも複雑なことはできるが、短いパスや力押しで極限まで単純に、遅く、確実にもできる。

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両国の力関係でいうと、アイルランドが圧倒的に強く、スコットランドといえばUK陣の中では身体が小さく、常に相対的弱者、いつでも工夫と諦めない姿勢サバイブしてきた。

そんな彼らの近年の活路がアンストラクチャーラグビーなのだ

しか今日の天候いかんで自分たちの強みを出しづらくなる可能性がある。

さて台風が迫る横浜、雨がいつ降り出すか。

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キックオフ試合の入りはスコットランドキック執拗に蹴って自分たち好みのアンストラクチャーゲーム演出しかし5分、逆にその混乱から抜け出したアイルランドがパワーでねじ込んでトライを奪った。

アイルランド世界最強のフィジカル軍団などと言われて、確かにそうなんだが、反応速度個人スキルも、戦術眼も高い。

陣形がくずれても一瞬の反応で大男が切り返してくるのだ。

スコットランドはそれでもキックで不確実性からチャンスを探すプランを変えない。

スコットランド勝機はそれしかない。

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両チームもスプリントが爆発的に早いので何が起きるかわからないスリリングな展開の中、14分、アイルランドペナルティーを得て必殺のモールを繰り出し、2トライ目。

アイルランドの恐ろしいところは1人でも強いが、固まるともっと強いところ。

スクリングボクスはフィジカルこそ凄いが、どこかナイスガイみたいな素朴な感じがあるのに対し、アイルランド暴力的なほど圧倒的なフィジカルで迫る上に、顔がシリアスでなんか怖いのだ。

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12点差を追うスコットランド17分、自陣でモールをやり返す。

モール前進できるのはいいとこ7〜8mほどなので、こんなにトライから遠いところからちょっと前進しても一見合理性がなさそうなんだが、そういうのがしばしば冷静になるきっかけだったりする。

それに、集団での力押しは合戦ラグビーでは自信や意地という面で象徴的な意味を持つ。

膂力で勝てないのが明らかでも、それを簡単に認めてはいけないのだ。

ここで一瞬流れを取り戻しかけた。

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しか24分、ファンブルからアイルランドが大きく前に蹴り出したキックが、アイルランドゴールポストに当たって、結局不利なリスタート適応される状況になる。

5mスクラム、それをアイルランドねじ込んで3トライ目。

スコットランドは攻めは決して悪くないのに、運が悪く、猛スピード台風のように迫る怪力男だけでなく、運とまで戦わないといけない。

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その後、何度もスリリングな展開があったが、スコットランド必死抵抗ギリギリのところで踏みとどまる。

40分のアイルランドペナルティーゴールも外れ、前半終了。

16点差をつけられたスコットランドは2トライ以上とらないと逆転できない。

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後半、横浜競技場は雨が降りだした。

試合開始から双方蹴りまくるハイパントだが、その目指すものアイルランドスコットランドで違う。

アイルランドハイボ後にタックルを食らって停止しても、ゆっくり前進すればいいし、落球してスクラムで力勝負になっても崩していける。

しかスコットランドはできれば再獲得して、プレーを切らずに抜け出したい。

こうなるとアイルランドの方が選択肢が多い。

ボール滑る雨はスコットランドに不利なのだ

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55分、そんなハイパント合戦からアイルランドが4トライ目。

雨という状況もあるが、キックの精度自体も全体的にアイルランドの方が高く、スコットランド自分たちにうまくボールが入るキックを蹴れない。

スコットランドは、主にキックを蹴っていたSHレイドローを下げ、キープする戦術に変更した。

しかし、そもそもが展開でアイルランドディフェンス突破できないからのキック戦術であり、キープして走ってもやはり突破できない。

スコットランドには手詰まり感が漂う。

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それでも諦めないスコットランドは70分ごろ、FBスチュワート・ホッグがぬけだし、それを止めようとしたアイルランドが悪質な反則でイエローカード

10分間退出で数的優位を得る。

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しかしそこでもアイルランド集中力がすごく、攻めきれない。

その後点は動かず、27-3でノーサイドとなった。

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パワーで勝り、技術も高く、ストラクチャー状況でも勝てるアイルランドだが、結局ほとんどの得点スコットランドが仕掛けるアンストラクチャーから切り返しであげた。

スコットランドとしては自分たちが賭けた不確実性をモノにできなかったのと、雨、そして爆発的なスプリント能力を誇る飛び道具のスチュワート・ホッグが完全に封じられたのが痛かった。

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この試合を通して、両軍が蹴りまくったハイパントブコメで「古典的戦術だ」という意見があった。

慧眼のファンがいて嬉しい。その通りだと思う。

ただ、あの瞬間に何が起きているのか、みんながもっと楽しむために、増田さら解説を付け加させてほしい。

かにハイパントは昔からあるプレーで、「弱者戦術」と言われていた。

20年ほど前の大学選手権では明治早稲田に挑む慶應大学がよく使っていた記憶がある。

それは地上戦で勝てないか一か八かを狙う感じだ。

ただ、近年活用方法が変わってきて、増田記憶に残っている観測では前回のW杯直後にオールブラックス採用し出した。

不確実性では同じだが、ハイパン相手がとって着地した瞬間にタックルを見舞って止める、あわよくば誰かが落下点に走り込み競って直接再獲得、相手ファンブルした場合プレーが止まれノックオンという反則で自軍スクラムだが、笛を待たずに自分たちで拾って継続すれば、自軍有利なのでプレー継続される、その瞬間はディフェンスが崩れきっていて最大のチャンス!という確立された戦術に変化した。

これは、選手アスリート能力の向上と、戦術分析を背景に、地上戦だけのディフェンス突破が難しくなった事に対する対応だった。

今日スコットランドがしたいことは多分これだった。

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さて、日本はこの両国と戦うことになる。

今日の結果を見れば、アイルランドには隙がなく、スコットランドの方が相対的に与し易くも見える。

しかし、じゃあ、スコットランドターゲットにして、アイルランドは負けても仕方ないよね、という損得勘定スコットランドに臨んで勝てるだろうか。

理屈で言えばそうかもしれないが、増田はこの絶望的な状況でも諦めないクソ意地を見せつけたスコットランドに、そんな半端な精神性で挑んで勝てるとは思えない。

そもそもスコットランドは「相対的弱者」であって、日本にとっては「強者」だ、「弱者戦術を知り尽くした強者」ほど困った敵もいない。

アイルランドを抜いて戦う分、スコットランドで必勝」などというヌル精神状態を利用されない訳がない。

今日わかったのは「アイルランドは引くほど強い」「スコットランドはどんな状況でも諦めない」という事だ。

さて、日本はこの2国にどう挑むだろうか。

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最後に、レフェリングへの絡みについて質問があったので少ない知識でも答えられることを答えたいと思う。

ラグビーにおいて、レフェリーに対して長く会話ができるプレーヤーは双方のキャプテンのみ。

それも、レフェリングに対して「抗議をする」というより、レフェリングへの「解釈を聞く」というもの

なぜそうなるかというと、そもそもラグビーレフェリー不在で始まったスポーツであり、「ラガーマンとして恥ずかしくなく振る舞おうぜ」って具合に選手同士の話し合いで反則の適応を決めていたのだが、あまりに速く激しく複雑になりすぎて、「これちょっと選手同士じゃ無理だね、誰かに頼むか」と「判断をお願いする」形でレフェリーが登場した。

自分らの都合で呼んでおいて、抗議とかねぇ・・・変でしょ。

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そして「解釈」なんだが、ラグビーではあまりにもカオスなことが起こりすぎて、反則などについてきっちりしたルール文字通りに適応すると、しばしば「あれ、反則もらったけど逆に損じゃん」という矛盾した状況が起きてしまう。

前後文脈適応判断をするケースが結構ある。

また、外から見るとわかりづらい状況でレフェリーによって、反則のラインが異なったりする。

典型的なのがスクラムで、あれは「故意に崩すと反則」なのだが、何をもって「故意」とするか、それにどっちが「崩したか」が非常にわかりづらい。

その判断レフェリーに委ねられ、プレーヤーが「そりゃねーよ」と感じても「抗議」はできない。

せめて「あれアリですか?」「アリ」「どこでアリです?」「さっきのアレ」という感じで「解釈を聞いて活かす」ことしかできない。

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レフェリーフィールドでは絶対権威なので、じゃあレフェリーは好き勝手に笛を吹いて選手は従うしかないのかとなるが、そこで問題になるのが「解釈一貫性」で、解釈の線がブレると選手レフェリーに振り回されることになる。

そうなると、「あのレフェリーって笛に一貫性がないよね」となり、あんまいい評価をされない。

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でも、多分、問題は「評価が下がる」ことじゃなくて、「そんな笛を吹いて自分に恥ずかしくないのか」という事だと思う。

他者が律するとこができない権威なら、自分自分を律するしかないのだ。

選手レフェリーのせいにしないように振る舞うなら、レフェリーもまた自分の笛に責任を持たないといけない。

ラグビーに関わるなら、選手レフェリーも、すべての人が「あいつがああいった」とか「自分が偉い偉くない」とかそういうことではなく、それに「ほかの奴はああじゃん」とかそういうことでもなくて、「自分がどうなのか」ということなのだ。

あんなにクソ走るスポーツについていきながら、不可解な状況を判定し、その上一貫性についても責任を持たないといけない、ラグビーレフェリーというのはスゲーと思う。

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ちなみに地上波放送されなかったイタリア×ナミビア戦では、スクラムを真横で見ていた豪出身レフェリー、ニック・ベリーさんが、持ち出したボールスクラムの真横を急襲しようとしたイタリアの8番に激突されるという一幕があった。

まあベリーさんは元ラガーマンで、レフェリーに転身してから現在も「その筋肉、いる?」って位にムキムキなので事なきを得たが。

もう一回いうけど、ラグビーレフェリーというのはスゲーと思う。

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日本からは今回、アシスタントレフェリーとして、久保修平さんが参加している。

中継で名前を見つけたら探してみてほしい。

anond:20190921214539

2019-09-21

ラグビーW杯 21日第2試合 ニュージランド vs 南アフリカ レビュー

前のレビューをみんな読んでくれて、ラグビーの見所が伝わったというのが嬉しいので、注目の対戦カードが立て続けに3試合行われた21日の試合も続けてレビューすることにする。

義務感は感じてないけど、さすがにいい試合すぎて、これはちょっと書きたくなったので。

これでラグビーW杯もっと楽しんでもらえるとれしい。

とはいえ、全部は厳しいので1試合を選ばせてほしい。

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21日は面白い試合目白押しで、全く違う個性がぶつかったオーストラリア×フィジー、似た者どおしのシーソーゲームとなったフランス×アルゼンチンも良かったのだけど、この日最注目のカードということと、増田本人が普段から南半球ラグビーを追っており、選手個性もとりたい戦術理解してるということで、ニュージランドオールブラックス南アフリカスプリングボクス試合としたい。

南アフリカというと4年前、日本アップセット演出したので、ライバルとみなす向きもあるけど、実力でいったら日本は話にならないくらい負けている。

絶対王者オールブラックスはいうと、圧倒的に強い彼らが肝心なところで負ける時、相手フランスか、このスプリングボクスであり、因縁でいうとこちらの方が深い。

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ゲームが始まる前に、オールブラックス伝統ウォークライハカパフォーマンスをしたのだが、その演目は「カパオパンガ」であったのにちょっと驚いた。

通常、予選では、もう一つのバージョンである「カマテ」が演じられることが多いのだが、大勝負の時しか出ない「カパオパンガ」であったのはオールブラックスも相当な気合いが入っていたのだろう。

ちなみに、ハカは通常、リードとよばれる独唱からはじまり、これだけはマオリの血を引くメンバーでないといけない。

今回のリードはTJペレナラ。第二スクラムハーフ最近は彼が多い。

世界最高とも言われる第一スクラムハーフアーロンスミス資格があり、彼がリードだったこともあるが、国際試合の旅先で女性トイレに連れ込み、セクシー行為に及んだのがオールブラックスっぽくないと懲罰を受け、代表から外れていた時期があり、その時からペレナラリードになった。

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さて試合の方だが、伝統的にこのカードロースコアになることが多く、その理由スプリングボクスのとる戦術にある。

一言で言うと「トライはいらない、マイボールもいらない」。

彼らはボールを持つと、非常に単調な攻めを繰り返し、パワーをテコに相手苦し紛れペナルティを狙ったり、キックを蹴って落下地点でど迫力のタックルかまして、ポロリからリスタートスクラムでパワーで押しつぶして前進を狙う。

大事なのはディフェンスで、キックボールを渡すので、絶対突破されてはならず、それさえ可能ならロースコアにコントロールできる。

こんな戦術が取れるのは世界でもスプリングボクスくらいだ。

オールブラックスの華麗なパス回しと走力は世界一だが、それを止めうるのが「単純なガタイデカさ」「常識はずれのパワー」「きれない集中力」「決してサボらない真面目さ」そして「異常なくらいの単純さ」というのが面白い

実際この試合でもスタートスプリングボクスが狙い通りコントロールしていた。

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ただ、計算違いが生じたのは前半20分ほど。

予想外を演出したのはオールブラックス10番、リッチー・モウンガ。

彼は前W杯から3年ほど、本日15番に入ったボーデン・バレット怪我で今大会出場できなかったダミアン・マッケンジーの陰に隠れて、司令塔としては「第三の男」扱いされていたが、今年になって地元NZのチームでの活躍頭角を現し、オールブラックスの10番を射止めていた。

オールブラックスは、このどちらかと言うと手堅さと抜け目なさを信条とする地味なモウンガと天才的な閃きのある派手なバレットの2人を併用し、実質W司令塔形成していた。

モウンガについては、栄光オールブラックス司令塔という、ラグビー界において文句ない立場にいるのだが、「天才」だの「イケメン」だの「最注目選手」だのともてはやされるバレットと比べて、彼自身プレースタイルのせいかルックスのせいか立場に見合った注目をされてると言い難く、なんかちょっと悲哀を感じさせるものがある。

とはいえ、この男がこの試合を大きく変えた。

彼が自陣で平行に蹴ったキックパスきっかけに、オールブラックスは一気にトライを陥れる。

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その後も、モウンガかバレット、どちらかが密集に巻き込まれ機能停止しても、もう一方がゲームを組み立てるので止まらない、という攻めにスプリングボクス対応できない。

前半で計2トライを献上。

この時間帯はあまり長くなく、2トライを与えてしまった一瞬以外はディフェンスもよく機能し、前半のほとんどの時間がむしろスプリングボクスロースコア狙い戦術の通りに進んでいた、でも結果として一瞬の破綻で点差は開いてしまった。

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後半はトライがないとプラン遂行できないスプリングボクスだが、驚くべきことに彼らはあまり戦術を変えず、なんとオールブラックスの一瞬の油断から逆にトライをもぎ取ってしまった。

ここら辺は、自分たちのやることを信じて崩れなければ、幸運一定確率でやってくると言うことかもしれない。

さらに後半20分、SOポラードが虚をついてドロップゴールを狙うと、これが入り、当初の予定通り、「トライはいらない、キックで刻むぜ」戦術現実的に見える線まで引き戻した。

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しかし、その後、お互いがあまり大きなミスをしないまま時間は経過し、いくつかの幸運の中でオールブラックスが獲得したペナルティキックを、地味な男モウンガが確実にきめ、スプリングボクス勝機じわじわと離れていった。

スプリングボクスとしては長時間ゲームコントロールし、自分たち好みのゲーム演出したにも関わらず、前半に一瞬の隙で奪われた2トライ試合を失うという結果になってしまった。

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ゲーム概観としては、オールブラックススプリングボクスも非常に出来が良く、プールに彼らを脅かす敵がいないことから、双方決勝トーナメントに進む可能性は高いと見る。

そうなると、1ヶ月後に彼らは再び相まみえるかもしれない。

そのときスプリングボクス意趣返しできるだろうか。

なかなか楽しみではある。

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ブコメ質問があり、増田的にも非常に印象的だったので、フランス×アルゼンチンにおけるドロップゴールについて解説を試みたいと思う。

多分だけど、チームとしての戦術ではなく、個人のとっさの判断だと思う。

ドロップゴールは陣形ゲームスピードから、出そうなタイミングがわかるものだが、あの時「これは蹴るぞ」というタイミングでは全くなかった。

ゲーム全体の流れを思い出してほしいんだけど、あのゲームは前半、フランスが圧倒的に優位に進めていたものを、後半、アルゼンチンゲームを辛抱強く戻して、ペナルティキックで刻んで追い上げていた。

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特徴的なのはキックモールで、前半、双方まったくキックを蹴らず、ムキになって走り合っていた結果、フランスゲーム支配していたのが、後半アルゼンチンキックを蹴ったり、モールで押すようになり、長時間の走りあいにこだわらなくなった。

その結果、ゲームが落ちついてアルゼンチンは刻みながら追い上げ、ついには逆転した。

この時点で、計画的アルゼンチンゲームコントロール自分たちのものにしていた。

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フランスにとっての後半は、前半とうって変わってコントロールできない上にじわじわ追い上げられてしまいに逆転されるという非常に嫌なムードに飲まれそうになっていた時間だった。

はっきり言って増田アルゼンチンが勝つと思っていた。

そこにリザーブで入ってきた奴がまったく空気に合わせずにシレッとドロップゴールを決めて流れをブった切ってしまった。

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俯瞰で見てる奴がゲームをまるっきり変えてしまうのは、どことな会社などで中途採用よそ者がガラッと慣習をやぶって風穴をあけるのを連想させる。

あれはラグビーフィジカルな面でなく、「我慢スポーツ」「コントロールスポーツ」としてのメンタルな面をよく表していたと思う。

ラグビーでは、戦術フィジカルといった見えるものと、もっと上位にあって見えづらい「客観性」「空気」「メンタル」みたいなもの勝負を大きく左右するケースがあるので、そこにも注目してみると、味わい深くなると思う。

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あ、あとついでに、オールブラックス選手リーコ・イオアネのNZから日本に向かう様子を本人が投稿した動画リンクを貼っとくわ。

彼は「恩人が日本人なので日本語の名前を息子につけたい」と希望した両親に危うく「リエコ」と名づけられそうになったが、「それ女の子名前やで」と訂正され、「リーコ」になった経緯がある。でも綴りはRiekoやんけ。

そんな人たちもやってくるW杯、みなさん楽しんでほしい。

https://www.youtube.com/watch?v=UQGqItNsago

anond:20190920220725

2019-08-02

果てなき異能デスゲーム二次創作

ッパキャァァァーン!

サプレッサーで抑制された銃声が、無人島に静かに響いた。

島には地響きのような音もしており、銃声に気付いた者は少ない。

無人島といっても、現在は、デスゲーム参加者がひしめいている場所だ。

その島の長い歴史の中でも、こんなに多くの人口を誇ったことはなかったであろう。

銃を撃ったのは、《全米雷降教会》の能力者、グロッグ。

能力デメリットは、《俺だ俺だ俺だった》アウクと組むことで解消した。

彼らは、銃器を独占し、1人、また1人と、せっかく増えた島の人口を減らしていった。

「ねえねえ、グロッグ?」

尋ねるのは、いかにも気弱そうな顔をしたアウク。

「どうした?」

「どうしてさっきからあっちこっち歩き回るの?」

「さっきも言ったろ。俺達は、カシュレイを探さねえと」

そう、《充電強化教会》カシュレイ

あいつと組んで初めて、"チーム・アメリカ"は完成する。

そして、他の奴らを全員撃ち殺す。

そのあと、カシュレイとアウクを殺せば、俺が優勝だ。

グロッグは、周囲を警戒しながらも、ほくそ笑んだ。

「ねえねえ、グロッグ?」

「何だよ、しつけえな」

「カシュレイと組めたとしても、生き残れるのかな?」

アウクは、ますます気弱そうな顔になって尋ねる。

「俺についてくりゃ大丈夫だっつってんだろ」

グロッグは、イラつきを隠そうともしない。

「でもでも……もしも、グロッグが……裏切ったら?」

唐突言葉に、グロッグの顔色が変わる。

このお人好しに、そんな発想があるか……?

「ねえねえ、カシュレイが、見つからなかったら?

チームを組んでもらえなかったら?

他に、もっと良い方法はないのかな?

ねえねえ?ねえねえ?」

アウクは矢継ぎ早に尋ねる。

「お前、"不安にな"っているなっっ!!!

グロッグが気付いた時には、既にアウクから銃口を向けられていた。

ッパァーーンッ!

アウクは、不安と焦燥のあまりグロッグを撃っていた。

離れた場所で2人を見ていたのは、ゼロム。

アウクを極度の不安に陥れた《不安感謝祭》の能力である

「あれ?グロッグ……?グロッグ?なんで?どうして……?」

動かないグロッグを見て、動揺するアウク。

やがて彼は、自分が何をしたかに気付く。

(撃ったのは……俺だ。俺だ。俺……だった……)

彼は茫然として動けず、ただ泣きじゃくることしかできなかった。

その様子を伺うゼロムには、選択肢が2つあった。

一方は、遠巻きにして弱い不安煽り時間をかけて殺す方法

他方は、大胆に近付いて、より強度の不安惹起させ、短時間で倒す方法である

アウクの泣き顔に勝機見出しゼロムが選んだのは、後者

一気に距離を詰めていった。

メートル距離で、ゼロムに気付くアウク。

彼は、《不安感謝祭》のことは知らされていない。

しかし、誰かに操られたという直感が、彼の思考を一瞬にして正解へと導いた。

「おまえかぁぁぁーーーー!!」

さきほどまでの号泣が嘘のように、アウクは雄々しい声をあげて、ゼロムへと銃口を向ける。

瞬間、ゼロムは、自らの選択の誤りと、数秒後の死を悟った。

不思議と"不安"はなかった。

アウクが発砲する前に、2人を雪崩が襲った。

正確には、雑誌雪崩である

分厚い漫画月刊誌を中心とした、多種多様の大量の雑誌

それが人の背丈にも達するような濁流となって流れてきたのだ。

2人は、一瞬のうちに山盛りの雑誌の下敷きとなった。

雪崩の原因はテンチョウ。

便利屋店長》で手から無限雑誌放出し、高台から雑誌雪崩を生み出したのだ。

一方その頃、島の反対側。

アキュウは、3回目の魔物召喚に挑戦しようしていた。

(今度こそ……ちゃんとした魔物を……)

必死祈りながら、召喚する。

結果は、サキュバス

実に、3人目のサキュバスである

To be contibued...

2019-07-02

anond:20190702120049

ミジンコ光合成もできるすごい存在 微塵も勝機のないお前のラップは論外

こんな強い俺の相手になってどんまい どれくらいになるかなお前の損害

2019-07-01

夫は新婚当初低収入で、25年後の今も低収入でもなんとかなった話

男女格差を絡めて男女の年収の差やらなんやらの記述を読んでて、ちっとも参考にならない話なのだけど、我が家のことを書きたくなった。

結婚当初、夫はだらだらと、本当に目標がないままダラダラと大学8年通い続け、バイトしていた職場就職したところだった。結婚したくてなんとか就職決めた感じ。大学時代後輩だったわたしは、結婚当初、就職から数年経ってて、見込まれただかなんだか知らんけど、気付いたらプロジェクト参画させられて同期の年収の1.5倍もらっている状態だった。

結婚した途端だった。夫は急に上から目線の人になった。

「オレはできることしかしない(余裕がないから一切家事しません)」

「お前の方が休日が多いから(1か月で2日ほど多かった)、お前が家事やるのは当然。お前は余裕があるから出来るから。」

「お前はオレの仕事軽蔑しているのか!」

軽蔑してるよ!って言って、離婚すればよかったのだけど、こんな人を世に放出してはいけないとの責任から離婚せず。でも、「家事全部任せた上に、家計折半バカバカしいので、わたし仕事やめるわ」と、年収手取り500万円をあっさり捨てました。バカだった。あの頃のわたしバカだった。

で、いろいろあって、子ども2人をワンオペで育てて、もちろんその間、かかる経費ほどには夫からもらえず、このままでは子ども達が行きたい進路を目指せるどころか生活保護一直線だわ!ってなった頃に、再就職しました。

再就職先は、職種上あまり中途採用をしてなかったけど、氷河期世代対応のため、採用するようになった組織中途採用があまり無いってことは、つまりそういった社員の取り扱いに慣れてないってこと。入ってからめちゃくちゃ苦労しました。入社後、あの人が…って注目されつつ、すぐに辞めさせてやるって思っているような人しか周りにいなかった。メンタル面で死にそうになりながら10年経って、なんとか係長級までこぎつけて、認められるようになりました。

数年前には夫の年収を超えて主たる生計者となりました。なってから主たる生計者なる言葉があることを知りました。子ども達もわたし扶養です。

再就職時に「あいつ、バカじゃね?」って笑ってた専業主婦ママ友が、苦労を超えて時間の余裕ができてダイエットして変ったわたしに「金があるからダイエットできるんだよね」って不満げに言ってくる。キミら、金が欲しくて再就職して苦労していたわたしのことバカにしてたじゃん。

昔は、専業主婦になったわたし札束で叩くような発言をしていた夫も最近従順だ。昔の発言引っ越しした時に

「金を稼いでいないキミがクローゼット使う必要無いよね?お金を稼いでる俺だけが使う権利あるんだよ」みたいな発言

わたし再就職したのは40歳になった年です。つまり今は50歳。

30代はあがきの年代だった。子どもを育てつつ、社会から隔離されないように時事系のブログ読んでた。その入り口ファイナルベントさんの極東ブログでした。

愚痴のような発言ネットで見かけると、まだまだやれることはあるのよ。って思うのよ。そうすると能力が…とか言われるので何も言えなくなる。学歴も目指していたものとはまるで違うし、就職後の実績も全然ない。わたしなんて何も持ってなかったけど、と思うけど、幸運は持ってたのかもと思うと何も言えない。そして好奇心だけはあったかも。どんなに生活に疲れてても面白い話だけは拾えてるし、今もそうかも。お金は無くても、楽しい気持ちだけは捨てないで、夫にひどいこと言われて、明け方公園で泣くことがあっても、翌日は楽しいことをネットで拾って、ワクワクしてた。

今、この日記を読んでるあなたはつまりわたし絶望した時に眺めてた同じ箱や同じような薄い板を使って、わたし日記を読んでいる。きっとそこには、あなたを奮い立たせたり、明日も頑張ろうと思えるようなものが転がっているから、とりあえずいろいろ検索かけてみて。

そこに勝機はあるのだと。ネットで、男女格差愚痴を言ったり絶望したりせずに、未来を見て、今の現実から這い上がろうぜと。

絶望した毎日から這い上がって、大きくなった子どもから楽しい知識を得つつ、一緒に楽しみ、日々目標に向かって働いているそんな人生まで這い上がれた自分は思うのです。

2019-05-06

https://anond.hatelabo.jp/20190506100957

俺はもちろん専門家じゃないし当事者でもないので、読んだ幾冊かの本や番組から判断となるが、

昭和天皇東条英機が当初は開戦反対派(というより、開戦を望む主戦派を押さえるために東条が登用された)というのは、誰が良識的で誰が空気に流されてしまったのかという点について示唆的だと思っている。

当時の背景として原油が採れない日本が、中国大陸をめぐる権益米国対立していたにもかかわらず、戦力の源である原油の輸入を米国に頼らざるを得ないという、外交的にやってられないほど厳しい環境下にあり、

もう一方の背景として、米国と和平を続けるには中国大陸から全面的ではないにせよ)大きく手を引く以外の選択肢がなかったにも関わらず、

中国大陸陸軍は戦友の血であがなった中国から黙って手を引くなど到底受け入れられず、統帥権干犯を楯にして政府から撤退命令を出せない状態だったと認識している。


で、陸軍が言う事を聞かなきゃ米国和解できないんだから陸軍大将であり開戦反対派」である東条英機首相に任命した所までは筋が通ってるのだが、

その先がなんだか不透明で俺にははっきり分からなくなっている。


陸軍は西でしか戦ってないので、東の米国なんて海軍がなんとかすりゃいいだろとしか思ってなかった。

これは分かる。

海軍米国がやべえ相手認識していたが、山本五十六ですら「勝てない」とは言わなかった。

これは本気で勝機はあると思ってたのか、単に立場上「勝てない」と言えなかったのかは分からない。

ただ、昭和天皇東条英機も「米国と戦いたくない」とは思っていても、「米国と戦ったら絶対負ける」とまでは考えていなかったであろうと思っている。

だって陸軍統帥権理由政府にたてついてるなら、統帥権を持ってる天皇に逆らえるわけないから、天皇が引けといったら引かざるを得なかったはずだからな。

実際、終戦だって最終的に天皇がやめろと言ったからやめたんだし。

そう考えると、昭和天皇は「米国と戦えば敗滅必至」とまでは考えていなくて、あくまで「東条が上手い事、波風立てずに陸軍を纏めてくれる事」位しか期待してなかったのだろう。

その状態米国から原油輸出打ち切りを告げられ、昭和天皇も東条も「陸軍あくま中国から手を引かせて米国要求に屈するか、勝つ可能性に賭けて米国と戦うか」の二択となり、後者を選んだ、というのが俺の認識

東条と同じ状況なら俺でもそうすると思うよ。

そこで屈して原油の禁輸を回避したとしても、その先の将来像が全く描けないからな。

そんなわけで、ここに至るまで、大衆の「た」の字も出てきてないんで、

正直、当時の大衆が開戦賛成だろうと反対だろうと結果は変わらなかったんじゃないかと思う。

仮に大衆になんらかの決定権があったとしても、それが「隠忍自重して開戦を回避する」という判断を下したとは想像しにくいし。


そういう情勢だった事を考えると、よく言われる「軍部暴走」というのは、当たらずとも遠からであるとは言える。

陸軍統帥権を楯にして政府外交の足を引っ張ったわけだし、海軍は正しい戦力分析政府に渡せなかったわけだからな。(俺としては、負けるものを負けると言えなかった海軍責任陸軍より大きい気がしている)

米国との開戦が避けられれば後はどうでも良かったかと言えばそんな事はないと思うが、少なくとも「なぜ天皇総理も開戦反対派だったのに最終的に開戦に賛成したか」と言えば、この陸軍海軍の間違いが主要因の一つだったと言える。


から戦後改革は、半分は悪くない線だと思っている。

統帥権とか無くなって総理大臣が自衛隊最高司令官になったから、陸軍外交の足を引っ張る事は一切できなくなったのは大きい。

(※だからちょっと前に首相自衛隊最高指揮官だと言った事に対して妙なバッシングが加えられた事について、俺はバッシングした人たちこそ正気を疑いたい。

首相最高指揮官である事は、自力で勝ち取ったとは言い難いにせよ、第二次大戦で流れた数万トンの血で贖った成果の一つと考えているので)

ただ、もう半分は戦後も直せていないんじゃないかと思っている。

もう半分というのは、『陸軍海軍がそれぞれの組織内の空気を読んでしまい、「上の言う事も聞かねーし、上に正しい状況分析提供できねえ」って状態だった』事で、これが何よりヤバかったと思ってるんだが、

なんか最近、記録隠しとかさ。

それヤバくない? って思うんだけどね・・・


日米開戦時と同じ轍を踏まないようにするには、

・軍は政府絶対服従する。

・軍は軍事専門家として政府に適切な判断材料提供する。

国民国家が重大な二択を迫られた時に最終的な決断を行う。(結果の良否はともかく、brexitの投票みたいなやつね。戦前なら天皇がこの役割だが、今は主権在民だし)

・その政府国民が正しく判断できるように、軍および官僚情報絶対に曲げない・隠さない。

最低でもこの4点は必須だと思ってるから、記録隠しだけは何が何でもダメというのが俺の立場

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