2019-08-02

果てなき異能デスゲーム二次創作

ッパキャァァァーン!

サプレッサーで抑制された銃声が、無人島に静かに響いた。

島には地響きのような音もしており、銃声に気付いた者は少ない。

無人島といっても、現在は、デスゲーム参加者がひしめいている場所だ。

その島の長い歴史の中でも、こんなに多くの人口を誇ったことはなかったであろう。

銃を撃ったのは、《全米雷降教会》の能力者、グロッグ。

能力デメリットは、《俺だ俺だ俺だった》アウクと組むことで解消した。

彼らは、銃器を独占し、1人、また1人と、せっかく増えた島の人口を減らしていった。

「ねえねえ、グロッグ?」

尋ねるのは、いかにも気弱そうな顔をしたアウク。

「どうした?」

「どうしてさっきからあっちこっち歩き回るの?」

「さっきも言ったろ。俺達は、カシュレイを探さねえと」

そう、《充電強化教会》カシュレイ

あいつと組んで初めて、"チーム・アメリカ"は完成する。

そして、他の奴らを全員撃ち殺す。

そのあと、カシュレイとアウクを殺せば、俺が優勝だ。

グロッグは、周囲を警戒しながらも、ほくそ笑んだ。

「ねえねえ、グロッグ?」

「何だよ、しつけえな」

「カシュレイと組めたとしても、生き残れるのかな?」

アウクは、ますます気弱そうな顔になって尋ねる。

「俺についてくりゃ大丈夫だっつってんだろ」

グロッグは、イラつきを隠そうともしない。

「でもでも……もしも、グロッグが……裏切ったら?」

唐突言葉に、グロッグの顔色が変わる。

このお人好しに、そんな発想があるか……?

「ねえねえ、カシュレイが、見つからなかったら?

チームを組んでもらえなかったら?

他に、もっと良い方法はないのかな?

ねえねえ?ねえねえ?」

アウクは矢継ぎ早に尋ねる。

「お前、"不安にな"っているなっっ!!!

グロッグが気付いた時には、既にアウクから銃口を向けられていた。

ッパァーーンッ!

アウクは、不安と焦燥のあまりグロッグを撃っていた。

離れた場所で2人を見ていたのは、ゼロム。

アウクを極度の不安に陥れた《不安感謝祭》の能力である

「あれ?グロッグ……?グロッグ?なんで?どうして……?」

動かないグロッグを見て、動揺するアウク。

やがて彼は、自分が何をしたかに気付く。

(撃ったのは……俺だ。俺だ。俺……だった……)

彼は茫然として動けず、ただ泣きじゃくることしかできなかった。

その様子を伺うゼロムには、選択肢が2つあった。

一方は、遠巻きにして弱い不安煽り時間をかけて殺す方法

他方は、大胆に近付いて、より強度の不安惹起させ、短時間で倒す方法である

アウクの泣き顔に勝機見出しゼロムが選んだのは、後者

一気に距離を詰めていった。

メートル距離で、ゼロムに気付くアウク。

彼は、《不安感謝祭》のことは知らされていない。

しかし、誰かに操られたという直感が、彼の思考を一瞬にして正解へと導いた。

「おまえかぁぁぁーーーー!!」

さきほどまでの号泣が嘘のように、アウクは雄々しい声をあげて、ゼロムへと銃口を向ける。

瞬間、ゼロムは、自らの選択の誤りと、数秒後の死を悟った。

不思議と"不安"はなかった。

アウクが発砲する前に、2人を雪崩が襲った。

正確には、雑誌雪崩である

分厚い漫画月刊誌を中心とした、多種多様の大量の雑誌

それが人の背丈にも達するような濁流となって流れてきたのだ。

2人は、一瞬のうちに山盛りの雑誌の下敷きとなった。

雪崩の原因はテンチョウ。

便利屋店長》で手から無限雑誌放出し、高台から雑誌雪崩を生み出したのだ。

一方その頃、島の反対側。

アキュウは、3回目の魔物召喚に挑戦しようしていた。

(今度こそ……ちゃんとした魔物を……)

必死祈りながら、召喚する。

結果は、サキュバス

実に、3人目のサキュバスである

To be contibued...

  • ッパキャァァァーン! サプレッサーで抑制された銃声が、無人島に静かに響いた。 なんで抑制されてんのにこんな音なるんだよ。 静かに響くって何だよ。 そもそも「サイレンサー」...

  • アコンカグアを思い出した

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