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2021-03-14

雑誌映画秘宝』の記憶(10)

町山智浩が発した「女性差別発言」の一つとして有名なものが「女の子が急にマニアックなこと言い出したら、たいてい男の影響。 (2013-2-18 06:30:23)」と云うツイートです。

この発言からは、町山智浩根底に「女性主体的に何かを発見して選択する能力が欠如している」という考えが存在することが、如実に見て取れます

柳下毅一郎との共著『ファビュラス・バーカー・ボーイズ映画欠席裁判』を読むと「中身が空っぽ映画を、配給会社広告代理店薄っぺらキャッチコピーで盛んに宣伝することで、それを鵜呑みにした女性観客が劇場に足を運ぶ」と云う類いの主張がなされる場面に度々出会います。例えば「『タイタニック』を観に来た若い女性観客は、レオナルド・ディカプリオの演じる登場人物クライマックス死ぬのを見て『ウソー!』とビックリする。予告編を観れば死ぬことぐらい予想がつくだろ!(=つまり町山智浩らは「女性観客にはそれを予想する脳味噌が無い」と言っている)」と云う具合いです。

要するに、町山智浩らは「配給会社広告代理店に騙されるのは、いつも女」であり、「雑誌映画秘宝』が気に食わないタイプ映画世間でヒットしてしまうのは『馬鹿な女たち』が原因」であり、「男女や親子が一緒に観に行くデート映画ファミリー向け映画も、女の好みに合わせた結果つまらない作品ばかりになった」と、そう主張するのです。

その一方で「馬鹿広告代理店一般的マスメディア活動拠点とする評論家理解していないが、映画『○○』は本当は✕✕なんだよ!それを指摘しているのは俺たち(『映画秘宝』)ぐらいなもんだよ!」とか「映画『○○』が流れている劇場にいるのは『映画秘宝』読者だけ(或いは、劇場に行ったら中原昌也とか藤木TDCに出くわした)」とか「周囲の観客が泣いている中で笑っているのはオレたちだけ(この逆に、周囲は笑っているのにオレたちは泣いていたと云う『少林サッカーパターンもある)」と云う、典型的な「オレ(たち)ってフツウじゃないゼ」アピールも度々出てきます。「本当は✕✕!」という言い回しが好きですよね。

こうすることによって「『馬鹿な女ども』とは違い、『オレたち(=ボンクラ男子)』はモノが分かっている(=『映画秘宝』的な価値観を良く学習出来ている)」「オレたちは『本質』を見抜いている『仲間/同志』だ!」と云う「選民意識」と「自己陶酔」のカルト集団的な感覚を『映画秘宝』読者に与えていた訳です。

ところで、私がこの「雑誌映画秘宝』の記憶」と題する一連の文章はてな匿名ダイアリー投稿したところ、或るブックマーカーからコメント複数回過去の『映画秘宝』で、そんなに自己陶酔している記述箇所が有ったか?」との疑義を呈されました。上で挙げたような町山智浩らの芸風と、それを熱烈に歓迎していた当時の『映画秘宝』ファンの姿と雰囲気。もしも、それをリアルタイムで見知った人に「あれは『自己陶酔』ではなかった」と否定されてしまうのであれば、これはもう私としては「見解の相違ですね」としか言えません。自己陶酔は「オレ(たち)は『スゴい』!」と云う直截的な形だけではなく「こんなボンクラ映画が大好きなオレ(たち)って本当に『ダメ』だよな〜」と云う、一見さも「へりくだった」ように見える『自虐』と云う形式を取って顕れる場合もあると私は考えています町山智浩ら『映画秘宝』が行う「オレたちオトコってのはさ〜、『バカ』な生き物なんだよ。だから許してよ〜」と云う芸風と、それを支持した読者たちは、本人たちとしては「分かった上で『バカ』を演じている(いた)」つもりかも知れませんが、これも傍から見れば、立派な『自己陶酔』だと私は思います。「自虐」は「オレ(たち)はスゴい!」の裏返しなのです。しかし、一部とはいえ映画秘宝』ファンらしき人から自己陶酔は無かった」と言われたので、私は正直ビックリしました。自覚が無かったのですね。

それでも「『自己陶酔』と言われることには抵抗が有る」のであれば、代わりに『甘え』と言い換えましょう。「オレたちオトコは、ボンクラ映画好きだからさあ」とホモソーシャル価値観と物の見方を持ち出して酔い痴れ(=『陶酔』)ながら「だから、オレたちのするバカを許してね」と「女性と云う他者」に甘える(=負担を強いる)ことを続けてきたのが、町山智浩ら『映画秘宝』及びボンクラ信奉者たちの真の姿です。そして、そんな風に「オレたちは『こんな感じ(=ボンクラ)』だからさ〜」と甘え続けて行き着いた果てが、前・編集長岩田和明による恫喝DM事件の発生です。目を逸らしてはいけません。もう、これ以上『バカ』や『ボンクラ』を言い訳にして「女性に甘える」のは止めませんか?『自己陶酔』に気づかないふりをするのも『甘え』だから止めませんか?そうでないと、また恫喝DM事件のような大失態が繰り返されかねません。

それにしても、上で挙げた例に出てきた「ディカプリオが死ぬ場面にビックリする女性観客」は、実在したのでしょうか?何だか私には、町山智浩らが「女性観客は愚か者である」と主張するために、都合よく頭の中だけで拵えた『藁人形』なのではないかと思えます

実際は、女性観客にも「馬鹿映画底抜け大作、広告代理店嘘八百宣伝と百も承知の上で、わざわざ観に行く『物好き』な人たち」は少なから存在するのではないでしょうか。彼女たちは、自らの意志でそれを選択しているのです。ただ、町山智浩らには「女性たち自身意志」が存在することに我慢がならないのだと思います

町山智浩らの言う「騙されるのは、いつも女」「それとは違い、オレたち男は『真実』に気づいている」と云う考え方や主張は、ひどく「古臭い」と私には思えます。と言うのも、これらの考え方は結局のところ、キリスト教の「エデンの園で蛇の誘惑に騙されたのは女であり、男を唆したのも女だった」や仏教の「女は悟りの障碍になる」と云う、古来の考え方を焼き直したものに過ぎないとしか思えないからです。

ご存知のとおり、恫喝DM事件が発覚した後に新体制となった『映画秘宝』では、のん(能年玲奈)さんの連載が終了することが告げられました。のんさんが誌上で『この世界の片隅に』の主人公すずさんの姿に扮したのはまだ理解できましたが、何の関わりも無い『ワンダーウーマン』の主人公コスチュームに身を包む彼女の表紙を見て「何だか着せ替え人形みたいに扱われてるなあ。のんさん本人が喜んでやっているならば別に構わないけど」と私は思っていました。しかし、このたびの騒動のんさんの連載が迅速に終了したところを見ると「やっぱり本当は彼女も、心の底では嫌がっていたんじゃないのか?」と穿った見方をしてしまます。冷や飯を喰わされていた状況下で『この世界の片隅に』を大々的にプッシュして応援して貰ったという義理も有ると、なかなか断り辛かったことでしょう。のんさんみたいな大物女優リクエストに応えてくれることは『映画秘宝』のボンクラ男たちにとって、さぞかし快感だったことでしょう。もしも仮に「オレたちはボンクラからさ〜、こういうのが好きなんだよね〜」と、岩田和明らがのんさん相手に甘えていたとしたら?

散々「美少女アニメは、オタクの幼稚な性欲を満たす為のポルノ!」と攻撃していたくせに、その実は『映画秘宝』自ら、自分たちボンクラ願望を満たす為に、本物の女性を使って着せ替え人形遊びに耽っていたとするならば、それは美少女アニメ趣味よりも遥かに幼稚で醜悪な姿ではないでしょうか。真相は如何に?

冒頭に挙げた町山智浩の「女の子が急にマニアックなことを言い出したら、たいてい男の影響」という発言は、町山智浩自己勝手他者投影したものに過ぎないのでしょう。おそらく、町山智浩自身に「自分女性の影響で何かマニアックなことを急に言い出した」と云う経験自覚が有るのだと思います町山智浩にとっての「マニアックな事」は何でしょうか?そういえば、一時期から町山智浩は、熱く「恋愛論」を語るようになったと記憶しています。何故か今はパッタリと語ることを止めたようですが、結局あれは何だったんでしょうね?まさか女性の影響」だったんでしょうか。

舎弟の高橋ヨシキてらさわホークも近年、付け焼き刃っぽいポリコレ的な言動を見せるように変化しましたが、あれも「女性の影響」でしょうか?高橋ヨシキてらさわホークも、自分たちよりも年齢の若い女性アメコミ翻訳家と一緒に仕事をするようにもなりましたから、仕方が無いですね。でも、高橋ヨシキなんか『チーム・アメリカ』の「ポリコレなんぞクソ喰らえ!」的な内容と姿勢を称賛していたはずなんですけどね。まさか過去の振る舞いを無かったことに出来ると思っているのでしょうか?

もちろん「他者から影響を受けて変化すること」自体は、別に構わないと私も思うのです。ただし、それが「相手の歓心を買う」ことを目的とする「表面だけの底の浅い変化」でなければ、の話ですが。

しかし、古株の元『映画秘宝』読者の目から近年の町山智浩高橋ヨシキを見ていると「単に女性の歓心を買うのが目的なんじゃないか?」という疑念が拭えないのです。だって、彼らの言動からは滲み出ているでしょう?「自分たちボンクラコントロール下に置けない女性に対する怖れや侮蔑」の感情が。

気が向いたら、また何か書きます。ヘイル、サタン

2019-08-02

果てなき異能デスゲーム二次創作

ッパキャァァァーン!

サプレッサーで抑制された銃声が、無人島に静かに響いた。

島には地響きのような音もしており、銃声に気付いた者は少ない。

無人島といっても、現在は、デスゲーム参加者がひしめいている場所だ。

その島の長い歴史の中でも、こんなに多くの人口を誇ったことはなかったであろう。

銃を撃ったのは、《全米雷降教会》の能力者、グロッグ。

能力デメリットは、《俺だ俺だ俺だった》アウクと組むことで解消した。

彼らは、銃器を独占し、1人、また1人と、せっかく増えた島の人口を減らしていった。

「ねえねえ、グロッグ?」

尋ねるのは、いかにも気弱そうな顔をしたアウク。

「どうした?」

「どうしてさっきからあっちこっち歩き回るの?」

「さっきも言ったろ。俺達は、カシュレイを探さねえと」

そう、《充電強化教会》カシュレイ

あいつと組んで初めて、"チーム・アメリカ"は完成する。

そして、他の奴らを全員撃ち殺す。

そのあと、カシュレイとアウクを殺せば、俺が優勝だ。

グロッグは、周囲を警戒しながらも、ほくそ笑んだ。

「ねえねえ、グロッグ?」

「何だよ、しつけえな」

「カシュレイと組めたとしても、生き残れるのかな?」

アウクは、ますます気弱そうな顔になって尋ねる。

「俺についてくりゃ大丈夫だっつってんだろ」

グロッグは、イラつきを隠そうともしない。

「でもでも……もしも、グロッグが……裏切ったら?」

唐突言葉に、グロッグの顔色が変わる。

このお人好しに、そんな発想があるか……?

「ねえねえ、カシュレイが、見つからなかったら?

チームを組んでもらえなかったら?

他に、もっと良い方法はないのかな?

ねえねえ?ねえねえ?」

アウクは矢継ぎ早に尋ねる。

「お前、"不安にな"っているなっっ!!!

グロッグが気付いた時には、既にアウクから銃口を向けられていた。

ッパァーーンッ!

アウクは、不安と焦燥のあまりグロッグを撃っていた。

離れた場所で2人を見ていたのは、ゼロム。

アウクを極度の不安に陥れた《不安感謝祭》の能力である

「あれ?グロッグ……?グロッグ?なんで?どうして……?」

動かないグロッグを見て、動揺するアウク。

やがて彼は、自分が何をしたかに気付く。

(撃ったのは……俺だ。俺だ。俺……だった……)

彼は茫然として動けず、ただ泣きじゃくることしかできなかった。

その様子を伺うゼロムには、選択肢が2つあった。

一方は、遠巻きにして弱い不安煽り時間をかけて殺す方法

他方は、大胆に近付いて、より強度の不安惹起させ、短時間で倒す方法である

アウクの泣き顔に勝機見出しゼロムが選んだのは、後者

一気に距離を詰めていった。

メートル距離で、ゼロムに気付くアウク。

彼は、《不安感謝祭》のことは知らされていない。

しかし、誰かに操られたという直感が、彼の思考を一瞬にして正解へと導いた。

「おまえかぁぁぁーーーー!!」

さきほどまでの号泣が嘘のように、アウクは雄々しい声をあげて、ゼロムへと銃口を向ける。

瞬間、ゼロムは、自らの選択の誤りと、数秒後の死を悟った。

不思議と"不安"はなかった。

アウクが発砲する前に、2人を雪崩が襲った。

正確には、雑誌雪崩である

分厚い漫画月刊誌を中心とした、多種多様の大量の雑誌

それが人の背丈にも達するような濁流となって流れてきたのだ。

2人は、一瞬のうちに山盛りの雑誌の下敷きとなった。

雪崩の原因はテンチョウ。

便利屋店長》で手から無限雑誌放出し、高台から雑誌雪崩を生み出したのだ。

一方その頃、島の反対側。

アキュウは、3回目の魔物召喚に挑戦しようしていた。

(今度こそ……ちゃんとした魔物を……)

必死祈りながら、召喚する。

結果は、サキュバス

実に、3人目のサキュバスである

To be contibued...

 
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