はてなキーワード: アップセットとは
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笑って笑って
大乱闘スマッシュブラザーズというゲームを知っているか?
はてなーの人間が最近触れる機会があったのは、①格ゲーにも関わらず大会でキャラ被りがしない ②カズヤ参戦 by逆噴射総一郎 くらいだろう。
スマブラ界の王 MKLeo
ポケモンユナイトの世界大会を目指すも身内の寝坊によりスマブラに帰ってきた漢 ザクレイ
15年間の競技生活に今年で区切りをつける京大卒スマブラYoutuber しょーぐん
プロゲーミングチーム「CR」に加入し海外大型大会を制した プロトバナム
タレントが揃うスマブラ界隈も長らく日本人が勝てない時代が続いてきた。
日本で作られたゲームだから日本が一番強いと思うことも至極当然だろう。
実際、マリオカートやスプラトゥーンでは日本が最高峰であり、世界大会は殆どの大会で日本勢が優勝を飾っている。
だがスマッシュブラザーズはそうではなかった。
現在も競技シーンが盛んであるスマブラDX、スマブラSP(海外ではMelee,Ultimate)は海外コミュニティーが作成し、スマブラ界隈で最も信頼される世界ランキング、通称PGRにおいて日本人が年間一位を飾ったことがないのである。
海外コミュニティーがランキングを作成したのだから海外選手の方が有利なのでは?と思う方もいるだろう。
その推理は半分が正解で半分が間違っている。
PGRにおいて、最も重要視されるのは高tire大会で高順位を獲得することだ。わかりづらい場合、テニスにおける四大大会がスマブラにもあると思ってもらいたい。
世界各地で大会は開催されるが規模が大きい大会はおおよそが決まっていて、アメリカで開催されることが多い。だからこそ、PGRには日本選手よりもアメリカ選手の方がランクインしていることが目立つ。その分、PGRが上位の海外選手に日本人選手がアップセットを起こすことはざらにある。しかし、PGR上位にランクインした日本人選手が海外大型大会を優勝しているかと問われた場合、残念ながら優勝できないのが現実である。
スマブラには世界最強の地位を長期間保った人間が二人いる。「Zero」「MKleo」彼らの共通点はグランドスラムを達成するに等しいレベルで海外大型大会を優勝していったことだ。
「MKleo」は3年間の間、出場した全ての大会で3位以上。1年間に開催された最高tire、Stire大会11つのうち6つで優勝。
日本から彼らのような傑物は今まで存在していない。そして多くの日本人は彼ら二人に打ち負かされてきた。
ここ数年、日本最強の呼び声が高いザクレイでさえもMKleoに何度も敗北している。
海外Stire大会が開かれるたびに日本人選手は遠征を行い、1~10名程度の著名プレイヤーが参戦しているものの、スマブラSP期、日本人が優勝した回数はたったの2回である。
The Big house9のザクレイ。 Double Down 2022のプロトバナム。
そしてDouble Down 2022優勝の結果が出たのが今日。
プロトバナムが世界最強のMKLeoに勝利を収めての優勝だった。
先ほどMKLeoで触れた、3年間出場した全ての大会で3位以上の記録を半年前に止めたのもプロトバナム。
まぁとにかく。お前は黙ってスマブラの競技シーンをtwitchでみろ
お前の大好きなカズヤも競技シーンで暴れ回っている。てぃーパックマンはカズヤを組み合わせることで真の男になった。今の時代はKAZUYAMISIMAだけで会話できるし、KAZUYAMISIMAを何このキャラとかおもってるやつは全員アホだ。MKleoはメキシコの男だ。だからこそ最強から世界最強になるべくして真の男だった。だが、ようやく・・・・日本人にも真の男になるチャンスが回ってきている・・・・。私に言わせて貰えば、今スマブラを見ないやつは全員アホだ。E-SPortにうつつをぬかすキッズたちはAPEXに夢中だが、APEXはもともとスマブラの大会の名前。APEXの大会見たいとかほざく暇があったらスマブラの大会みろ。
LOL以降、PCゲームは企業主導や企業協賛で開催されることがもっぱらだが、スマブラの大会は任天堂が関わることが殆どない。
だからこそ、おもしろいのかもしれない。大会の一つひとつが参加者の熱意によって成立している。
その熱意の最高峰、海外大会の決勝戦に、日本人はしばらく登壇することすら叶わなかった。
それがこの1ヶ月で変わった。
あcola 招待制ではあったが、彼は世界最高峰の選手が集まる舞台で優勝した。
世界最高峰のゲームコミュニティー。スマッシュブラザーズSPのコミュニティー。
https://anond.hatelabo.jp/20191021220820
ラグビー始めて今年で33年。ラグビー歴はほぼほぼRWCの歴史と一緒。
ラグビー増田がホッテントリに入るなんて全く想像していなかった、インターネット老人会の増田、です。
レビューずっと拝見していました。
当然、日本代表を応援していたわけですが、個人的に縁があるフィジーとフランスも強く推していました。
アップセット最右翼のフィジーにはウェールズを食ってもらおう、と期待していましたが、逆にウルグアイに金星献上し、寂しい戦績で終了。結果はともかく、濡れた石鹸、とまで言われたボールを上手に扱う、彼らの「魔法」は随所に見られたし、もっと見たかったものです。
一報、フランスは前評判を覆して、準々決勝まで行ってくれたので、準決勝進出を期待していましたが、残念。
でも、フランスは、
・個々人が好きなように走って好きなようにボールを動かす。
・チームワークってなんだっけ。
・80分が長すぎて、途中で飽きちゃう。
・思い通りにならないと、やんちゃな行動にでる。
という点も含めて…。
大会を去った贔屓が今後どのようにチームを作ってくるか(あるいは作れずに実力を落としているか)を見守っていくのも楽しみです。
フランスのジャック・ブリュネルもご老体。日本代表は相変わらず、マネジメントがゴタゴタ、とHC人事がすっきりしなさそうですが、そんなを観測していくのも含めて。
そういえば、フランスのかつての決勝進出チームは、「最大の敵であるHC」を倒すためにキャプテン以下団結していたものです。
上のフランス代表の欠点は、「Anglo-SaxonのHCをよぶ」という最終手段で全て解決しそうですが、それはありえないでしょうねぇ。
贔屓はさりましたが、次の4年間がもう始まっています。
「先に我々のメンバーを見たことで、相手が作戦を変更してきても、それは私がどうこうできることではない。関係ありません」試合3日前に登録メンバーを発表した南アフリカのエラスムスHCは言った。
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ラグビーワールドカップは予選プール1ヶ月の激闘の後、ノックアウトラウンドが始まり、準々決勝の2試合が行われた初日は、イングランドとニュージランドがそれぞれ圧倒的な強さでオーストラリアとアイルランドを封じ込めて準決勝進出を決め、今日行われたトーナメントの反対の山、ウェールズ×フランスは激闘の末にウェールズが勝負をひっくり返し、わずか1点差で試合を制した。
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そして夜、準決勝の最後の椅子を巡って日本×南アフリカの対戦が行われる。
日本と南アフリカといえば、4年前のW杯を思い起こさずにはいられれない。
世界中に全く注目されない中、日本は大会の良い試運転になると目論んでいた南アフリカを撃破し、世界中に衝撃を与えた。
南アフリカの選手はあの夜、試合が終わったあと呆然として芝に座り込んでいた。
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あれから多くのプレーヤーが来日し、ジャパンラグビー・トップリーグでプレーした。
日本にやってくる外国人選手というと口さがない人はすぐ「金目当てだ、日本リーグに純粋なスポーツ価値なんてあるわけない」という。
しかしきっとそれだけではない。
彼らは日本ラグビーをリスペクトし、何が起きているのかこの目で確かめるためにやってきたに違いない。
長年かけて準備をしてきたのは日本だけではない。
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4年前の南アフリカ代表は試合前、日本に対して特別な事はしていないと言ったと記憶している。
字面だけ見れば似たように見える今年の言葉、だけど今回はきっと込められた意味が違う。
意訳するとこうだ。
「我々はもう君たちを知っているぞ」
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台風19号の被害は甚大で七十人を超える死者を出し、この試合でも冒頭に黙祷が行われた。
さらに今日10月20日は日本ラグビーの象徴、平尾誠二の命日でもある。
日本はもう居ない人たちへの思いと、今いる多くの人たちの未来への希望を背負って戦いに挑む。
流は国歌斉唱で泣いていたがそれはまだ早い、今夜はどんな結果になろうとどのみちまた泣く事になるのだから。
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日本は取った田村が自陣深くからいきなりキックパスし、対する南アもデクラークがハイボール、キックの応酬となる立ち上がりとなった。
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3分、南アボールのファーストスクラムで、日本はわずかに押されて下がりながらのディフェンス、こうなると守るのが難しい。狭いサイドをマピンピが鋭くつきこの試合初めての得点となるトライをとり0-5。
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リスタートからまたもハイパンを上げるデクラークに対して日本もハイパンで応酬、落下点で競るが今日は日本のキャッチが当たっている。
ラインアウトからのセットプレーでも蹴る日本は直前のテストマッチで単純な地上戦ではディフェンス突破ができないと踏んだか。
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最初の15分、強みを見せつけて「力押しとパワフルラン」といういつもの攻めをする南アフリカと、多彩なキックを活用して撹乱を狙う日本、狙いは混乱から前進し複雑さを突きつける「アンストラクチャーラグビー」だ。
今日はハイボを松島がよく取り、そこから始まる日本の早くて複雑なプレーを前に南アはズルズルとディフェンスラインを下げるが、日本はエラーで最後まで詰め切れない。
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ただ、まだ流れを持っている日本は18分にスクラムで初めて組み勝ってペナルティゴールを獲得、3-5。
雄叫びをあげる具智元。
その後、日本はペナルティ獲得で南ア陣22mにも侵入し、ここから繰り出す複雑なプレーで南アディフェンスを圧倒する。
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南アはボールを持つチームではない、でもポゼッション21%はいくらなんでも低すぎだ。
ハイボが取れないだけでなく運もなく、30分台に訪れた2回のほぼ決定的なチャンスも偶発的なエラーで逃す。
小柄なデクラークが一人気を吐く中、全く攻め切れず3-5で前半終了。
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複雑な攻めを突きつけてペースを握るもエラーで取り切れなかった日本だが、より深刻なのは南アだ。
取れるところ、取るべきところでことごとく点数を取れていない。
問題を起こしているのはエラーなので修正のしようはあるかもしれないが、40分やって2点差というのはまずい。
残り40分、南アは体力の限界が訪れる前に勝負を決めないと、4年前の再現となってしまう。
対する日本は自分たちが試合を動かせる60分まで南アを封じ込めることができるだろうか。
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後半、フィールドに先に現れ、円陣を組む日本は予選突破でやりきったなんてとんでもない、もっと勝ち続ける気満々だ。
だが淡々としていたように見えていた南アは、10分の間に着実に自分たちのプレーを修正していた。
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後半の南アはミスが少なくなり、ブレイクダウンの激しさとデクラークのアグレッシブなタックルで地上を制圧する。
40分台、南アは2度のマイボールスクラムで組み勝ってペナルティゴールを獲得、2回ともチャンスを確実に決めて3-11。
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何が起きていたのかわからずに混乱していた4年前とは全く違い、シンプルプレーを悉く繰り返す南アは、「自らの強みを疑わない信念」と「身体の強さ」で強引に命運を引き寄せた。
対する日本は自分を取り戻した南アの前に地上戦でボールを得ることができないだけでなく、ラインアウトも失い、流れがが逃げていく。
こうなっては起点がないので複雑なサインプレーにも、アンストラクチャーの走りあいにも持ち込めない。
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勝負を分ける60分台には南アがこれも強みであるモールで20mあまりも前進したあと、今日大活躍のデクラークが鋭いランでインゴールに飛び込みトライ、コンバージョンも決まって3-21。
欲しい時間帯で最も得意なプレーで取る、これは取った側は大きな自信になり、取られた側は大きなショックとなった。
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着々と試合終了が迫る中、18点差を追う日本は、南ア陣深くラインアウトを得るが、試合を蘇らせる最後のチャンスにこれを切り返されて、逆に南アが勝利を決定的に引き寄せるトライ!
3-26。
75分を過ぎて23点差は日本にとってはもはや逆転不能な数字だし、南アにとってはもう命運は逃げていかない。
だが日本は諦めないし、最後にボールを得た南アは待つだけで手に入る簡単な勝利を拒否するように攻め続ける。
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勝敗の帰趨は決まっていても、双方最後まで激しく戦った80分、ボールはタッチに蹴り出され、ついに南アが勝利を手にした。
4年前のショックはW杯直前のテストマッチで払拭したと語ったエラスムスHC。
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大量点を取り合うラグビーでは、残り10分ではもう勝負の帰趨が決まっていることも多い。
増田がラグビーを好きな理由の一つは、刻々と迫ってくる決着の時を前に、勝者も敗者もどのように結末を迎えるかの姿勢が問われ、そこにドラマを見ることができるからだ。
それは強がりであったり、自分を抑える意思であったり、時に激しく溢れる感情だったりする。
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「自分たちのできることはやったんで」たくさんの勝ちと負けを突きつけられてきた堀江は、試合後のインタビューでいつものように淡々と答える。しかし、少し、少しだけ悔しそうな表情だった。
トンプソン・ルークは「ちょっと寂しい」と語った、その「ちょっと」は4回のW杯を戦った16年の日々を振り返った「ちょっと」だった。
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予選プールで立て続けにアップセットを演じ、大きな成果を得た日本代表の旅はここで終わったが、W杯はまだ続きがある。
来週には異次元の強さを見せつけたニュージーランドが進化したフィジカルラグビーのイングランドと相まみえ、今夜日本を破った南アフリカは自らの鏡写しのような強力ディフェンスを誇るウェールズと対戦する。
3位決定戦も含めても、2019年のW杯はもう4試合しかない。
決勝を争う最後の2つの椅子には、どのチームが座るのか、白、黒、赤、緑、どのユニフォームの上でウェブ・エリス・カップは掲げられるのだろうか。
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試合後の円陣で泣いていた流、その涙が嬉し涙でなかったのは残念だが、流にはまだ時間がある。
4年後、4年後だ。
1週間のご無沙汰、レビュー増田(ありがたく名乗ることにした)です。
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これがポストされる19日は、イングランド×オーストラリア、ニュージーランド×アイルランドという非常に興味深い対戦が行われ、レビューのしがいがあることは間違い無いのだが、実は増田はこの1週間、所用で日本におらず、帰国日がまさに19日の夜になる。
なので、これらの対戦をレビューしてポストする頃には、日本×南アという大一番に皆が集中していることになるだろう。
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そこで、今回は番外編として、前回の日本×スコットランド戦でも触れたように、増田がマレー半島を北上しながらボーッと考えた南アや日本が取りうる選択肢や展望について触れ、プレビューとしたい。
プレビューで分析すると良いのが、「双方や一方の戦略戦術が機能せず、パッと見で凡戦や圧勝劇なったとしても、そこに遂行にまつわるドラマを感じることができる」という所だ。
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このプレビューで、みんなが事前に自分なりの注目ポイントを見つけることができ、より楽しく観戦できれば最高の喜びだ。
因みに前回のレビューは羽田空港で外国人に囲まれながら試合を観戦し、翌朝クアラルンプールからポストした。
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4年前のW杯でアップセットを演じ、今回も驚異的な戦績でプールAを突破した日本だが、直前のテストマッチの結果が示すように、地力で南アには及ばないのは間違いない。
10回やって6回勝てる相手なら地力で優っているとも言えるだろうが。
NZの地元紙が予想した日本の勝率24%というのは妥当とも言えるし、むしろ好意的だとも増田は思う。
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まずもっての所、ノックアウトランドは勝ち点制でないので、すべての国が点数の大半をペナルティーゴールであげるような「堅い」展開になりやすい。
南アはフィジカルを盾にしたディフェンシブでセットプレー中心のぶつ切りラグビーを得意とする国で、そういったゲームは大好物だ。
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また、それは現在のメンバーにも現れており、司令塔、SOのハンドレ・ポラードは地元・南アのスーパーラグビーチーム、ブルズで正にそういうゲームのタクトを振っている。
ここで出てくるのが、ツーブロックなのかモヒカンなのか微妙な髪型の控えSOエルトン・ヤンチースであれば、小柄ながら強気プレーでもって鳴らすSHファフ・デクラークとの連携でボールを回すオープンな展開になるのだろうが、初期代表チームでこのコンビの結果が出なかったため、ポラードの固定となった。
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その後、南アはでかい身体ですぐキレるLOエベン・エツベスや、大会最高クラスの長身で掴み合いになると笑顔になるのが怖いLO RGスナイマン、一転してナイスガイオーラが滲み出る大男FLのピーター・ステュフ・デュトイ、怖いとかナイスガイとかもうそういう話じゃなくてプレーも身体も顔もなんかサイボーグっぽいHOマルコム・マークス、そんな中でどこか哲学者のような雰囲気を漂わせるキャプテンFLシア・コリシなどのFWが中心となった堅いラグビーを基本としながら、「ポケットロケット」WTBチェスリン・コルビや、海外中継などだと「マッピンッピ!」と独特のアクセントで名前を呼ばれる俊足WTBマカゾレ・マピンピ、直前のテストマッチで連続トライを挙げたワンダーボーイ、SHのハーシェル・ヤンチース(本日2回目のヤンチース)などを加え、身体をぶつけてよし、走ってよしの非常に攻略しづらいチームになってしまった。
因みにシア・コリシは極貧の身からラグビーでのし上がり、功なり名を遂げると、幼い頃に生き別れになった腹違いの妹を自力で探し出し、非常に煩雑な法的手続きを経て養女として迎え、共に暮らしているという。
理知的な人物として知られ、FW戦には付き物のジャッジの解釈をめぐるレフェリーとのコミニュケーションもバッチリだ。
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おそらく南アの戦略のファーストチョイスは、ここ一番の時にオールブラックスさえ封じ込めるやり方、ハイパントを上げて着地点の競り合いやキャッチ後の攻防で直線的にドカンドカンと身体を打つけ、ボールを前に落とすノックオンからのスクラムを狙ったり、ボール争奪戦で時に頭を突っ込み、時に圧力をかけて日本の規律を崩してペナルティー獲得を狙うというものになるのではないかと思う。
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マイボールスクラムになったらまた直線的に走ってスクラム脇を急襲し、身体を打つけて1コマ前に戻る。
接点の圧力に対応するため日本が人数を集めれば、さあ外のスペースに展開だ。
強力なランナーがいる。
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もっと良いことにペナルティーを獲得した場合、素直にペナルティーゴールで3点を狙うか、タッチキックで前進してトライを狙うかは考えどころだ。
タッチで前進したあとの狙いは、立っての密集、ドライビングモールとなる。
日本は今大会、スクラムになかなかの強さを見せるが、モールは止め切れていると言い難く、フィジカルに絶対の自信を持つ南アが3点で満足せず、これを狙ってくる確率は高いとみる。
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日本としてはこの展開になりたくない。
なので、アイルランド戦やスコットランド戦で見せた、「ボールをキープして攻撃で時間を使う」という戦術が考えられる。
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今回、南アは十分な休養日があり、たとえ守り通しの展開になっても、体力切れは起こしづらい。
それに、地上戦で身体をぶつけ続けると、その衝撃で消耗してしまい、日本の方が先に体力切れになってしまう可能性がある。
キープするならどのタイミングで繰り出すかが悩みどころとなる。
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さらに悪いことに、南アの多くのプレイヤーは日本の早さや多彩な攻撃、意外と侮れないフィジカルの強さなどを「感覚的に」知っている。
これは日本が代表のクローンチーム、サンウルブズでスーパーラグビーに参戦して数年来南アのチームと対戦し続けているのと、南アの多くのプレーヤーがジャパンラグビー・トップリーグでプレーしているためで、お互いに顔見知りの選手も居るくらいだ。
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そこで考えられるのが、サモア戦で日本がとった、「ボールを相手の背後に蹴って背走させ、身体接触を避けながら前進し、走力を削る」というやり方なのだが、これも蹴ってしまう事には変わりないので、相手が充分なところに蹴ると、正に相手好みの展開の呼び水となってしまう。
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今大会、日本のディフェンスはよく機能しているが、国際的な日本の評価は「恐ろしく早いテンポの多彩で素晴らしい攻撃と、脆弱な守備を併せ持つ、『よく取るけどよく取られるチーム』」というもので、増田から見てもそういうチームであって、できれば守勢には回りたくない。
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南アが唯一対応に後手を踏む可能性があるのは、ボールがあっちに行ったりこっちに行ったり、攻守の交代が目まぐるしくなる「アンストラクチャーラグビー」の展開だが、その起点がハイパントだったりすると巨人揃いの南アに空中戦で競り勝たないといけない、ということになる。
ハイパントのキャッチが「当たりの日」じゃなかったら果たしてどうやってここまで持ち込む?
アンストラクチャーのもう一つの起点は相手が持ち込んだ密集、ラックでボールを無理やり引っこ抜いたり、激しいタックルで落球を誘い、有利状況の反則流し(アドバンテージ)で相手が攻めから守りへ切り替えられないうちに走り抜けるというやり方だ。
こうなってくると姫野やリーチや大阪弁が第二外国語のトモさん(トンプソン・ルーク)に頑張ってもらうしかない。
というか、むしろソレについて考えなければいけないのはシア・コリシの方で、大体において宥めてしまうので期待薄だ。
あとデクラークも小さい身体で掴み合いには一歩も引かず、何だったら自分から掴みに行く勢いなので、危なっかしい事この上ない。
シア・コリシの胃壁の強さには感嘆するばかりだ。
あ、マルコム・マークスは大丈夫。彼は多分そういうの超越してる。
まあそれは良いや。
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日本はこれらの考えられる展開の中で、今まで挙げた戦術を切り替えて勝利の緒を探すかもしれない。
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ランキング1位だったアイルランドと5位だったスコットランドを倒したからいけるっしょ、と思いたくもなるが、このように概観した上で考えると、相性で見たところはそれら2チームより遥かに悪いのが現状ではないだろうか。
日本は相性最悪の強敵を前に、わずかな隙間に手を突っ込んで勝利へのドアをこじ開けるプランを見つけなければいけない。
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注目は最初の15分に日本がボールを持った時に蹴るか・キープするか、その後さりげなく戦術が変わっていないか、前後半で戦術に修正が入るかというプランのところと、地上の密集・ラックでどちらが優位に立つか、ファーストスクラムがどちら優位になるか、エラーや反則の数が時間と共にどう増減するかという遂行のところだと思う。
みんなはここを見てみてほしい。
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果たして試合は4年前の再現となるか、4年越しのリベンジとなるか。
増田は普段序文で書く話を今書いてしまったので、レビューで何を書こうか、ちょっと不安だ。
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あ、あと日テレの実況が酷いという意見が散見されるが、以前はラグビー界の松木安太郎にならんとして感情爆発実況をしていた元代表とか「いや、展開の複雑なラグビーでそれはちょっと」みたいなのもあったんだから、それを踏まえた上で、今回、数年来みずから映像編集してまでミニ番組をYoutubeで配信しラグビー普及に尽力してきた日テレ安村アナはなかなかいい仕事をしている思うぞ。
地上波放送がなかったにも関わらず、先週のウェールズ×ジョージア戦のレビューが多数のブクマをいただけて嬉しい。
あの試合はフィールドの46人とコーチたちのおかげで筆舌に尽くしがたいものとなった。
ゆえに「つたえられる少しだけ」ではあるが、増田のレビューで、勝負の世界に技量・フィジカル・戦術以上の「大切なもの」があること、そしてその面白さをみんなに届けなければいけないと思った。
それがみんなに伝わって、よりラグビーを楽しく見られたなら嬉しい。
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アイルランドに関してはどんなチームか、先週の戦いで見えてきたと思う。「ストラクチャー」チームだ。
日本代表については数多くのニュース、ドキュメンタリー、選手のバラエティー出演まであり、情報に溢れている。
しかし、その情報が多くは「寄りのディティール」のもので、おそらくラグビーをあまり見ていない人にとって、大づかみのカテゴライズはぼんやりしているのではないだろうか。
キックや密集戦から混乱を作り出し、そこで生じた間隙をものにしてトライを狙う。
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とはいえ、フィジカルで押すというより「一度持ったボールをなるべく離さず相手が攻める時間を減らす」という常識外の戦術で世紀のアップセットを演じた。
ただ、その戦いでは攻撃力が劣り、4年で正反対とも言えるスタイルにチェンジした。
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このキックを活用する「アンストラクチャー」の戦術はボールを相手に渡すので、ボールポゼッションは低くなりがちで、攻められる時間も長くなる。
そうなるとリスクが大きすぎるように見えるが、一般的にストラクチャーは攻めに時間がかかり、アンストラクチャーは取るときはあっという間に取る。
肉弾戦の数学は計算が複雑だ、どのような解がはじき出されるかやってみないとわからない。
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結果が出たスタイルを捨て、リスクも大きい戦術を採用したことに一部ファンからは批判も根強く特にヘッドコーチ人事について「エディーをつれもどせ」「ジェイミーをクビにしろ」という声が、4年間事あるごとに響き続けた。
また、SH流とSO田村も「タックルに行くべき時に行かない」「よくタックルを抜かれる」という理由で激しい批判が繰り返された。
増田的には大男の中で相対的に小柄な流がもつパッとみ柔和な雰囲気と、なんとなく会社の可愛げのない後輩を思わせる田村の空気感もあるんじゃないかなと下世話な勘ぐりをしてしまう。
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さて、先週のレビューを読んでいただけた方にはわかるだろが、「ストラクチャー」×「アンストラクチャー」という構図は先週のアイルランド×スコットランドの繰り返しであり、アイルランドは仕掛けられる「アンストラクチャーラグビー」を見事切り返してスコットランドを沈め、その対応力を見せつけた。
アイルランドに隙はない。先週の結果が繰り返されれば、現日本代表の戦い方が気に入らない人は容赦ない批判を浴びせるかもしれない。
日本代表は今日、より大きな結果を求めてリスクを取った決断の正しさを証明できるだろうか。
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ちなみに華麗なテクニックとパワーを併せ持つうえにイケメンでリーダーシップまであって、おいおい完璧人間かよと思わされるセンター、ラファエレ・ティモシーは一時期、日本代表が「桜」とともにイメージする「狼」を意識し「銀狼」ということで髪を銀に染めたことがあるが、どう見ても白髪だったので本人もそれに気づいたのかすぐに黒に戻した経緯がある。
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大一番のキッキオフが迫る。
ところでこの相手にボールを渡すキックオフ、トライのあと、なぜ取られた側がキックオフでリスタートするのかという疑問が出るが、キッキオフで大きく前進すると、落下地点に両軍が殺到する。
キッキオフされて、それを獲得したチームも簡単に前進できない。
その後は、あまり大きく地域挽回できないか、キックオフした側にボールが返った上、守備陣形が整ってない形でその攻撃を迎え打たないといけない。
センターからのキックオフはした側が有利な形になりやすいのだ。
試合開始のコイントスでキックオフを選択したアイルランドは、前半で力の違いを日本に見せつける気だ。
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前半、アイルランドキックオフからの攻防は日本陣10mと22mの間でアイルランドボールのラインアウトとなる。
残念だがこれはハズレた。
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7分、アイルランドが密集でボールを獲得、そこからの攻めをラインを背後にして耐える日本、集団戦でも強いアイルランドが繰り出す必殺のモールも止める。
しかし13分、力押しの連続から、圧力に負けた日本の反則で、有利状況をえたアイルランドは、リスクのあるキックパスを見事通してトライを獲得した。
コンバージョンははずれて0-5。
8分ほど続いたアイルランドの時間帯で、やはり攻め込まれると弱い。
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16分、リスタートから反則を獲得した日本はペナルティーキックを獲得し、これが決まって3-5。
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20分、アイルランドは日本の反則を得てから始まった攻防で、力押しから再び反則を獲得。
有利状況からキックパスを通すというという7分前のカーボンコピーのような展開トライを奪い、コンバージョンも決まって3-12とした。
アイルランドは最後の詰め以外は難しいことをしていないのだが、圧力が強く、ミスをしない。
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30分、脇腹を痛めたアマナキ・レレィ・マフィに変わって、スタイル変更をめぐり当初ジェイミー・ジョセフHCとよく口論になったというリーチ・マイケルがピッチへ。
再び攻める日本、反則から獲得したペナルティーキックを決めて6-12とする。
アイルランドも日本の攻めを止めることはできない、「攻めた方が有利なゲーム」の様相を呈してきた。
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35分、なんと日本がフィジカルに絶対的な強みをもつアイルランドに対して、相手ボールのスクラムに組み勝ってしまう。
この攻めから日本は三度ペナルティーゴールを獲得、これを決めて9-12。
1ペナルティーゴールで同点、トライなら逆転という状況まで詰め寄って、全然が結果がわからないまま前半を終了した。
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前半、日本は中盤のつばぜり合いをよく戦い、攻めては相手に後手を踏ませた。
アイルランドは自分たちのストラクチャーラグビーから2トライを挙げたが、そのインテンシティ(強度)を見せつけられていると言い難い。
前後半の修正力が非常に大きい現代ラグビー、アイルランドはどんな修正をしてくるだろうか。
そしてまた、日本は。
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この辺りで増田は気付いたのだが、今日の日本はボールを取ったらあんまり蹴らない。
「ストラクチャー」と「アンストラクチャー」の戦いと目されていたものが、気づかないうちに計算式は変わっていた。
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後半の入りからヒリつくよう切り返しの応酬、50分ごろ、日本のラインアウトからの攻めをなんとか止めるアイルランドだが、FW中心の突進をフィジカルで止め切れていると言い難い。
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57分、アイルランドの偶発的なエラーから、相手陣深くで日本ボールのスクラム、この攻めから快足、福岡堅樹にボールが渡り、ついにトライ!
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63分、日本陣深くで獲得したペナルティでラインアウトから攻め立てるアイルランドだが、日本はゴールラインを背にして力押しの攻めを守りきる。
あまりフィットネスの調子が万全でなく見えるアイルランドとしては、この絶対優位な状況で取りきるべきだった。
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本来ならセットプレーが強いアイルランドにはラインアウトが多いゲームは好みの展開のはずなのに、結果が出てない。
軽い怪我で大事をとってメンバー外となり、試合を見守る第一SOジョナサン・セクストンも呆然とした顔をしている。
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70分、日本は足が止まって対応に後手を踏むアイルランドに連続攻撃をしかけ、ペナルティキックを獲得、これを決めて19-12。
あと10分しかないのに、アイルランドは1トライ1ゴールがないと同点に追いつけない。
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トライを取るしかないアイルランドは獲得したペナルティーから、タッチで前進を狙うがこれがなんとミスキックであまり前進できない。
その後の攻防の一瞬の隙をついた福岡堅樹が切り返し大きくゲイン。
77分、日本はアイルランドゴールからわずか5mほどでマイボールスクラムを獲得した。
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絶対的に攻め優位な状況の上、ここでトライなら点差的にも勝利がほぼ確定する。
しかし、後半から交代で入ったSH田中はここでスクラムへのボール投入までゆっくり動いて時間稼ぎをするという、よくよく考えれば合理的だが、こんな緊迫した状況でよくそんなの思いついたな、と言いたくなるような驚くべきいやらしさを見せ、アイルランドに残された時間を浪費させていく。
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この攻防のうちについに80分がすぎ、もう最後のワンプレー、日本はボールを失うが、この攻防からトライを取れば同点に追いつけたアイルランドはなんと、ボールを蹴り出してゲームを終わらせてしまう。
19-12。
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日本はアイルランドを倒し、4年前の南ア戦に匹敵するアップセットを演じた。
新しいスタイルにかけた日本、今日の戦いはアンストラクチャーラグビーではなかった。
増田は違うと思う。
アンストラクチャーで取りきれる力があったからこそ、アイルランドはアンストラクチャーとストラクチャーの2つの選択肢に対策を取らねばならなかった。
そしてアンストラクチャーラグビーに付き物のキック後の攻防の準備は今日の戦いで遺憾無く発揮され、ついには7点差以内の敗戦で得られる勝ち点1と、同点のトライで得られる勝ち点2を秤にかけたアイルランドにリスクを取り下げさせた。
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これで合計の勝ち点を9とし、プールトップに躍り出た日本、次の相手サモアだ。
個々の力は強いものの、多くの選手が海外でプレーするため、チームとしてのまとまりにいつも苦労するサモアは第1戦のロシア相手でも、結果だけ見れば大勝だが、両軍合わせて3枚のカードが乱れ飛ぶ荒れた展開のなか、多くのペナルティに苦しんだ。
また、攻撃自体も個の強さに頼ったものが多く、荒い印象を受ける。
しかし、相手には、やんちゃぼうずを引率するようにまとめるベテランSO、トゥシ・ピシと、ヨーロッパでプレイするFB、ティム・ナナイ・ウィリアムスがいる。
いってしまえばW杯でやっと形になったチームが1週間でどう化けるか、予測がつかない。
日本はここからまたメンタルを立て直し、準備をしなければいけない。
きっと僕たちも。
前のレビューをみんな読んでくれて、ラグビーの見所が伝わったというのが嬉しいので、注目の対戦カードが立て続けに3試合行われた21日の試合も続けてレビューすることにする。
義務感は感じてないけど、さすがにいい試合すぎて、これはちょっと書きたくなったので。
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21日は面白い試合が目白押しで、全く違う個性がぶつかったオーストラリア×フィジー、似た者どおしのシーソーゲームとなったフランス×アルゼンチンも良かったのだけど、この日最注目のカードということと、増田本人が普段から南半球のラグビーを追っており、選手の個性もとりたい戦術も理解してるということで、ニュージランド・オールブラックスと南アフリカ・スプリングボクスの試合としたい。
南アフリカというと4年前、日本がアップセットを演出したので、ライバルとみなす向きもあるけど、実力でいったら日本は話にならないくらい負けている。
で絶対王者のオールブラックスはいうと、圧倒的に強い彼らが肝心なところで負ける時、相手はフランスか、このスプリングボクスであり、因縁でいうとこちらの方が深い。
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ゲームが始まる前に、オールブラックスは伝統のウォークライ、ハカのパフォーマンスをしたのだが、その演目は「カパオ・パンガ」であったのにちょっと驚いた。
通常、予選では、もう一つのバージョンである「カマテ」が演じられることが多いのだが、大勝負の時しか出ない「カパオ・パンガ」であったのはオールブラックスも相当な気合いが入っていたのだろう。
ちなみに、ハカは通常、リードとよばれる独唱からはじまり、これだけはマオリの血を引くメンバーでないといけない。
今回のリードはTJペレナラ。第二スクラムハーフ。最近は彼が多い。
世界最高とも言われる第一スクラムハーフのアーロン・スミスも資格があり、彼がリードだったこともあるが、国際試合の旅先で女性をトイレに連れ込み、セクシーな行為に及んだのがオールブラックスっぽくないと懲罰を受け、代表から外れていた時期があり、その時からペレナラがリードになった。
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さて試合の方だが、伝統的にこのカードはロースコアになることが多く、その理由はスプリングボクスのとる戦術にある。
彼らはボールを持つと、非常に単調な攻めを繰り返し、パワーをテコに相手の苦し紛れのペナルティを狙ったり、キックを蹴って落下地点でど迫力のタックルをかまして、ポロリから→リスタートのスクラムでパワーで押しつぶして前進を狙う。
大事なのはディフェンスで、キックでボールを渡すので、絶対突破されてはならず、それさえ可能ならロースコアにコントロールできる。
オールブラックスの華麗なパス回しと走力は世界一だが、それを止めうるのが「単純なガタイのデカさ」「常識はずれのパワー」「きれない集中力」「決してサボらない真面目さ」そして「異常なくらいの単純さ」というのが面白い。
実際この試合でもスタートはスプリングボクスが狙い通りコントロールしていた。
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ただ、計算違いが生じたのは前半20分ほど。
予想外を演出したのはオールブラックス10番、リッチー・モウンガ。
彼は前W杯から3年ほど、本日15番に入ったボーデン・バレット、怪我で今大会出場できなかったダミアン・マッケンジーの陰に隠れて、司令塔としては「第三の男」扱いされていたが、今年になって地元NZのチームでの活躍で頭角を現し、オールブラックスの10番を射止めていた。
オールブラックスは、このどちらかと言うと手堅さと抜け目なさを信条とする地味なモウンガと天才的な閃きのある派手なバレットの2人を併用し、実質W司令塔を形成していた。
モウンガについては、栄光のオールブラックスの司令塔という、ラグビー界において文句ない立場にいるのだが、「天才」だの「イケメン」だの「最注目選手」だのともてはやされるバレットと比べて、彼自身のプレースタイルのせいかルックスのせいか、立場に見合った注目をされてると言い難く、なんかちょっと悲哀を感じさせるものがある。
彼が自陣で平行に蹴ったキックパスをきっかけに、オールブラックスは一気にトライを陥れる。
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その後も、モウンガかバレット、どちらかが密集に巻き込まれて機能停止しても、もう一方がゲームを組み立てるので止まらない、という攻めにスプリングボクスは対応できない。
前半で計2トライを献上。
この時間帯はあまり長くなく、2トライを与えてしまった一瞬以外はディフェンスもよく機能し、前半のほとんどの時間がむしろスプリングボクスのロースコア狙い戦術の通りに進んでいた、でも結果として一瞬の破綻で点差は開いてしまった。
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後半はトライがないとプランが遂行できないスプリングボクスだが、驚くべきことに彼らはあまり戦術を変えず、なんとオールブラックスの一瞬の油断から逆にトライをもぎ取ってしまった。
ここら辺は、自分たちのやることを信じて崩れなければ、幸運が一定確率でやってくると言うことかもしれない。
さらに後半20分、SOポラードが虚をついてドロップゴールを狙うと、これが入り、当初の予定通り、「トライはいらない、キックで刻むぜ」戦術を現実的に見える線まで引き戻した。
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しかし、その後、お互いがあまり大きなミスをしないまま時間は経過し、いくつかの幸運の中でオールブラックスが獲得したペナルティーキックを、地味な男モウンガが確実にきめ、スプリングボクスの勝機はじわじわと離れていった。
スプリングボクスとしては長時間ゲームをコントロールし、自分たち好みのゲームを演出したにも関わらず、前半に一瞬の隙で奪われた2トライで試合を失うという結果になってしまった。
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ゲームの概観としては、オールブラックスもスプリングボクスも非常に出来が良く、プールに彼らを脅かす敵がいないことから、双方決勝トーナメントに進む可能性は高いと見る。
そうなると、1ヶ月後に彼らは再び相まみえるかもしれない。
なかなか楽しみではある。
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ブコメで質問があり、増田的にも非常に印象的だったので、フランス×アルゼンチンにおけるドロップゴールについて解説を試みたいと思う。
多分だけど、チームとしての戦術ではなく、個人のとっさの判断だと思う。
ドロップゴールは陣形やゲームスピードから、出そうなタイミングがわかるものだが、あの時「これは蹴るぞ」というタイミングでは全くなかった。
ゲーム全体の流れを思い出してほしいんだけど、あのゲームは前半、フランスが圧倒的に優位に進めていたものを、後半、アルゼンチンがゲームを辛抱強く戻して、ペナルティーキックで刻んで追い上げていた。
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特徴的なのはキックとモールで、前半、双方まったくキックを蹴らず、ムキになって走り合っていた結果、フランスがゲームを支配していたのが、後半アルゼンチンはキックを蹴ったり、モールで押すようになり、長時間の走りあいにこだわらなくなった。
その結果、ゲームが落ちついてアルゼンチンは刻みながら追い上げ、ついには逆転した。
この時点で、計画的にアルゼンチンがゲームのコントロールを自分たちのものにしていた。
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フランスにとっての後半は、前半とうって変わってコントロールできない上にじわじわ追い上げられてしまいに逆転されるという非常に嫌なムードに飲まれそうになっていた時間だった。
そこにリザーブで入ってきた奴がまったく空気に合わせずにシレッとドロップゴールを決めて流れをブった切ってしまった。
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俯瞰で見てる奴がゲームをまるっきり変えてしまうのは、どことなく会社などで中途採用のよそ者がガラッと慣習をやぶって風穴をあけるのを連想させる。
あれはラグビーのフィジカルな面でなく、「我慢のスポーツ」「コントロールのスポーツ」としてのメンタルな面をよく表していたと思う。
ラグビーでは、戦術やフィジカルといった見えるものと、もっと上位にあって見えづらい「客観性」「空気」「メンタル」みたいなものが勝負を大きく左右するケースがあるので、そこにも注目してみると、味わい深くなると思う。
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あ、あとついでに、オールブラックスの選手、リーコ・イオアネのNZから日本に向かう様子を本人が投稿した動画のリンクを貼っとくわ。
彼は「恩人が日本人なので日本語の名前を息子につけたい」と希望した両親に危うく「リエコ」と名づけられそうになったが、「それ女の子の名前やで」と訂正され、「リーコ」になった経緯がある。でも綴りはRiekoやんけ。
そんな人たちもやってくるW杯、みなさん楽しんでほしい。
マンノウォーと言えば、アメリカ史上最強馬の座と「ビッグレッド」の愛称を、セクレタリアトと共に分け合う名馬であります。
マッチレースの相手に100馬身差を付けて勝利したというほどの彼が、唯一負けた相手がアップセットなのであります。
upsetとは英語で「番狂わせ」の意でありますが、その用法が全米に広まったのが、まさに番狂わせでマンノウォーに勝利したこのアップセットからなのであります。
世紀の大種牡馬ノーザンダンサーが産んだ、伝説的なバレエダンサーの名を持つ名馬、それがニジンスキーなのであります。
無敗でセントレジャーSを制した彼は、晴れてイギリス三冠馬となったのでありますが、その直後の凱旋門賞においてササフラに敗れてしまったのであります。
疲労のせいで負けたのではないかと言われたことから、凱旋門賞と日程が近いセントレジャーへの出走はますます減り、そのためニジンスキー以降は三冠馬が出ていないのであります。
コナン・ドイルの小説の主人公にちなんで名付けられた、このブリガディアジェラードという名馬は、まさにイギリスの英雄だったのであります。
好敵手ミルリーフを破って優勝した2000ギニーを含めてデビューから無敗の15連勝、欧州記録の16連勝に並ぶために臨んだレースで、しかしロベルトに敗れ去ったのであります。
これによりロベルトはイギリスの全国民から憎まれる悪役となったのでありますが、皮肉にも種牡馬となってからはロベルトの方が大活躍したのであります。
というわけでこれらを新・3大競馬の大番狂わせとさせていただきます。
ご静聴ありがとうございました。