はてなキーワード: 迷宮とは
セールだから見てみようと思っていたはずなのにもう3番目でセールとか関係なくなっている
欲しい商品が安くないなら諦めればいいだけなのに探しまわることによって
いつのまにか買うことが前提になっている
セールだから欲しいが欲しいから安いものを探すに目的と手段が入れ替わっている
これを繰り返すことによってセールもはじめ欲しかった商品もまったく関係ない
これが実店舗だったらはじめの店で目的の商品が売り切れてた時点で諦めたり
他の店を回って時間切れということもあるが
ネットだと仕事中だろうがトイレの中だろうがスマホを触れる時間さえあれば続けられる
実店舗では店員に捕まって他の商品を売りつけられたりすることもあるが・・・
国際性、国際性とやかましく言われているが、その基本は、流れるような外国語の能力やきらびやかな学芸の才気や事業のスケールの大きさなのではない。それは、相手の立場を思いやる優しさ、お互いが人類の仲間であるという自覚なのである。(略)求めるところのない隣人愛としての人類愛、これこそが国際性の基調である。そうであるとすれば、一人一人の平凡な日常の中で、それは試されているのだ。
文章とは関係ないんだけど、よく日本の英語教育について、批判がある。外国人との、実践的なコミュニケーション能力は身につかないとかね。
そうなんだけど、そういうトレーニングみたいなのは学校じゃなくて、校外で、取り組めるような場所をつくったほうが手っ取り早い気がするの。
http://www.nicovideo.jp/mylist/21169917#+sort=0
http://www.nicovideo.jp/mylist/26914422#+sort=0
http://www.nicovideo.jp/mylist/18788549#+sort=0
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寝付けなかったので勝手にレビューしていたら夜が明けていた。飽きるまで続けようと思う。
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ランキング | タイトル | オススメ度 | タイプ | 短評 |
---|---|---|---|---|
1 | 無職転生 | ★ | 人生やり直し | 累計一位を見に来た人が1話2話でドン引きしている図が見える!見えるぞ!前フリにしたってちょっと普通にキモイので章構成なんとかしたほうがいいのではないか。 「最後まで読んだら面白いから!!」とオススメされる系の作品だけれども、総じて序盤のキャラにぜんぜん魅力ないのがきついので合わなかったら無理せず速やかに離脱推奨。 どうしても読みたいならたぶん7章冒険者編から読んでもなんとかなる。ワンピの序盤飛ばすようなものだ。気に入ったら過去編を読もう。 |
2 | 謙虚、堅実をモットーに生きております! | (女性向けのため評なし) | ||
3 | 八男って、それはないでしょう! | ★☆ | チーレム | ドラゴンは倒すし戦争は圧勝するし嫁はどんどん増える。割と序盤で登場する正妻エリーゼちゃんペロペロ(聖女・巨乳)。 チートレベルに強くなって貴族になって結婚してからなぜかまだ冒険者をやりたがったりする(要するに嫁を増やす以外特にやることがなくなる)ループに入るまでは面白い。 50話くらいまでかな。そこから先はお好みで。 |
4 | 異世界迷宮で奴隷ハーレムを | ★★☆ | ゲーム世界 | ダンジョンゲーで自分の好きな女の子キャラだけでPT組んで攻略してますムフフもあるよ日記 以上でも以下でもないが、 小出しに明かされるどこか馴染みのあるゲーム的設定や育成要素はある種の人にとっては「この設定のゲームすごくやってみたい」と思わせる魔力を持っているし、ヒロインのドット絵クラスの描写の薄さは逆に奴隷だの従順だの巨乳だのエルフだの自由に妄想できる。なんだこれ昔のゲームか。 人の実況プレイ見たり艦これプレイ日記とか読んじゃうタイプの人にはたぶんとてもオススメ。 実は300作品あっても類型がほとんど見られない珍しさなので、この作品が好きでなろうに入り浸ると逆につらそう。 |
5 | ありふれた職業で世界最強 | ★ | クラス転生 | 主人公のステータスどんどん上がってく!比較対象がないから強そうぐらいしかわかんないけど! 同じクラスだった嫌な奴らをチート能力で懲らしめるしヒロインのピンチに登場するし実に正しく俺TUEEEEしている。スゴイ。 ステータス表記を除けば上位の中では一番ラノベっぽいかな。ドゴォォォン!とか聞こえるし。畳むに畳めなくなってきてそうなのもとてもラノベっぽい。 |
6 | デスマーチからはじまる異世界狂想曲 | ★★☆ | チーレム | チートで戦闘も料理も家事もNAISEIっぽいこともするけど特筆すべきは主人公以外のキャラ同士の会話が生き生きしていること。 どす黒かったりクズっぽかったりなんかやたら政治っぽい話ばっかりしていたりそういうことがない。 聖女枠の姫巫女セーラちゃんは中盤からの登場です。絶対金髪だと信じている。 |
7 | 異世界食堂 | ★★ | UMEEEE | 飯テロ |
8 | 転生したらスライムだった件 | ★★★ | 人外転生 | どちらかというと能力バトルものっぽいし、ボスっぽい強キャラが出てくるし、仲間が奴隷でも部下でもPT要員でもなく正に仲間って感じである。 人外転生なのにまさかの王道。武術大会やって若干グダるところまでまるでジャンプ漫画のようである。 ハーレムしてないけど面白いビクビクンってなる人多そう。私もである。 |
9 | 盾の勇者の成り上がり | ★★ | ゲーム世界 | 初期の世界設定で「あーこんなシステムのゲームあったらやってみたいねえ」と思わされてしまったのでチーレムではなくゲーム世界ものに分類。 しかし内容は奴隷ハーレムとは真逆なのであった。敵も味方もキャラの味付けがクドすぎる。常識人はどこにいるんだ。 成り上がりものとしてどん底から始まるパターンは面白い。NAISEIとか仲間要素もある。でもキャラ同士の会話パートは読み飛ばしてもOKだと思う。 |
10 | フェアリーテイル・クロニクル | ★☆ | 異世界トリップ | 異世界日常系。悪い人はほぼ出てこないし主人公たちの置かれた状況の核心に迫る話は全然進まないしギャグは適度に面白くない。 空気読まないってダメ押しのように繰り返されるギャグのことなんだろうか。 とはいえ、生産系をずっとコツコツやる話は案外ないので楽しめる人は多いと思う。 |
というのは言い過ぎじゃないかな。
ゲーム攻略するにしたってのんびり成長系やのんびり生産系も多いでしょ。
デスゲームだと真剣にクリアを目指したりもするけど流行としては下火だしね。
「勇者として召喚されたけど勇者になりたくない」とか「主人公に転生したけど脇役でいたい」とか、
そういう「まったり欲」は「なろう」における男女共通のものだと思うよ。
巻の区切りについては「本好き」読んでないので明言は避けるけど、
別に「絶対に1巻で区切りをつけろ」なんてルールもないと思うよ。
オススメは「異世界迷宮の最深部を目指そう」と「ラピスの心臓」と「悪の組織の求人広告」かな。
通読したのは以下
・謙虚
・猫耳猫
・無職
・リゼロ
・オバロ
・迷宮の王
・アルバート家
・乙女ゲームの悪役
他にもいろいろ読んだけど面白くないのは途中でギブ。
なろうにおいては転生ものが最大派閥で、上で挙げた作品群も半分以上は転生してる。
それら転生もののうち、男性向け作品と女性向け作品との違いとして、転生先あるいは転生後の目的が変わってくる。
例えば男性向けの猫耳猫はVRMMOへ転生してゲームを攻略していく、なろうにおける王道物語である。オバロも転生先はVRMMO。
無職はエセ中世ヨーロッパ風ファンタジー世界で神様を殺しに行くお話。リゼロも大体同じ。
対して女性向けの謙虚は少女マンガ内の悪役キャラに転生し自らの破滅を防ぎつつ青春を謳歌する。アルバート乙女ゲームも同じタイプで、なろう少女向けにおいてはどメジャージャンル。
本好きはエセ中世ヨーロッパ風ファンタジー世界で大好きな本を書いて読める環境を構築していく話となっている。
で、なろうで人気のタイトルには書籍化しているものも多い。上で挙げたものも大体書籍化済みで、オバロはアニメが絶賛放映中。リゼロもアニメ化決定している。
本好きも書籍化していてすでに4巻まで出ているらしい。謙虚は累計女性向けでダントツの人気だがなぜか書籍化していない。
そこで疑問に思ったのが本好きの書籍はどうやって巻数を区切ってるのかということである。
ラノベは大抵続き物だけど、どの1冊だけをとってもそれだけで読めるような作りを指向していると思う。多分書下ろしが多いから。
これが漫画になると、連載を一定ページ切り取りましたこの巻だけ読んでも意味わからないでしょ1巻から読んでね、というのが多い。
なろうは連載形式なので文庫本1冊で起承転結みたいな作りになってない。だからそのまま書籍化するとラノベのフォーマットにそぐわない。漫画の単行本になってしまう。
男性向けは大体敵がいて戦うので明らかに盛り上がる部分が存在する、そこを中心に改稿して巻を区切って出版しているんだろうと思う。
でも本好きや謙虚は最初に大まかな目的設定がされて、それに向けて多くの障害を細かく乗り越えていく話である。
本好きはどうやってこの齟齬を解消してるの。してないの?
改変がそれなりにあるがまぁまぁいい出来だった
監督はタケコプターは十分にスペクタクルであるというようなことを言ったらしいが、
それを表現したかったのであればよりリアルな3DCGにしたことは成功だったろう
とてもよく表現できていた
異論のある成し遂げプログラム、もちろん原作には出てこないのでオリジナル設定だが、
短い時間の中でそこにいさせることと帰ることを同時にえがかなければならないので仕方ないとも言えよう
ただ、他に何も考えつかなかったから仕方なくつけた設定を、監督が自慢するのはいただけない
決していいシステムではない
藤子F不二雄ならやらないという意見も少なからずあるが、F先生はドラえもん自身を人扱いすることはないのでこの程度ならあり得ると思う
雲の王国やブリキの迷宮で機能停止になるシーンがあるが、シリアス回でこういった事をのび太たちにすることはない。ドラえもんになら許される
あと、地味に改変されて気になったシーンでは
ドラえもんが来て早々どら焼きを食べるが、あそこはおもちでなければと思う
でなければのび太とおもちを取り合ってけんかするシーンが描けないだろう
それから、しずちゃんが結婚前夜に父親に挨拶するシーンがあるが、なぜ寝る前なのにイヤリングをしているのか
これはおかしすぎる、なにを考えて付け足したのかまったくわからない
俺の親父はドケチだった.
とにかくドケチだった.
口を開けば「カネがない」とグチった.
貧乏だった.
食う物と言えばパンの耳,着るものと言えばボロ雑巾みたいな古着だった.
ガキだった俺は友達が持っているスーファミが羨ましくて親父にせがんだ.
帰ってきたのはゲンコツだった.
そんなカネねえ,と.
ドケチなクソ親父め.
でも俺はあきらめなかった.
キャラクターをテレビの中で自由に動かせるのに,熱中していた.
根負けしたのか,なんとかしてやると言い出した.
俺は興奮で眠れぬ夜を過ごした.
どうやら友人から譲ってもらったらしい.
なんだか嫌な予感がしながら電源を入れたら,文字しか出てこねぇし,なにすりゃいいのか分からないし,
まさに「コレジャナイ~」と泣きながら手足をバタバタさせてダダをコネたい気持ちになった.
やっぱりクソ親父はクソ親父だった.
曰く,
「これさえあればゲームを作れるらしい.そんなに欲しいなら自分で作れ」
始めはとっつきにくかったが,やってみると面白かった.
「ゲームを自分で作れる」という魅力的な言葉に酔っていたのかもしれない.
これでいつか俺も,F-ZEROを作ってやるぞと,本気で思っていた.
ゴミ捨て場から拾ってきた古いベーマガを読みながら,小さなゲームを作っては楽しんでいた.
始めてジャンケンができるプログラムを作った時の感動は忘れられない.
グラフィカルなゲームは作れなかったが,友達も一緒になって楽しんでくれた.
だが中学2年に上がるころ,長年連れ添った俺の愛機が突然動かなくなった.
ついに寿命が尽きたのだ.
俺はこの世の終わりのように感じた.
まるで愛犬に死なれたような気持ちだった.
しばらく学校も休んだ.
今思えば前の持ち主から数えて10年近く,よく動き続けたものだと感心する.
ドケチな親父は,当然だが新しいPCを買ってくれるわけはなかった.
帰ってきた言葉は
「そんなに欲しいなら自分で作れ」
新聞配達で稼いだ金で少しずつパーツを買い集めた.
始めて自作PCが立ち上がった時は感動した.
親父に本を買ってくれと言ったら,始めは渋っていたが,ボロボロの技術書を何冊か古本屋から調達してくれた.
ヴォルトのアルゴリズムとデータ構造と,クヌースのThe Art of Computer Programmingもあった.
難しすぎたし技術的なところが足りないから,遠くの図書館までわざわざ出かけて技術書を借りてきては読みふけった.
学校の授業中にも読んでいた.
プログラミングの技術はもちろん,画像処理のための数学の道具についても勉強した.
同級生が2次方程式や因数分解をやっている横で,三角関数や行列計算をしていた.
特にアフィン変換には感動させられた.
こんな風に言うと,さぞ数学の成績がよかったのだろうと思うのかもしれないが,テストの点はそこそこだった.
コードを書くのに必要な概念として知っているだけで,証明問題は苦手だった.
それと,古典や社会の時間は全部すっぽかしてノートにコード書いてたから散々だった.
高校に入ったあたりでX windowシステムを使ったグラフィカルなゲームを作れるようになった.
出てきた敵を撃つだけの簡単なインベーダーゲームに始まり,オセロ,ブロック崩し,ウィザードリィみたいな迷宮探索ゲーム,思いつく物何でも作った.
友達の家にもPCがあるところが多くて,Windowsに移植して簡単なネットワーク型対戦ゲームなんかを作ったりもした.
ここまで本格的にゲームプログラミングをやっていると,さすがにジャンクパーツを集めただけのPCでは性能に不満が出ることが多くなってきた.
ビルドの待ち時間が長くていらいらしたり,友達の家で動くゲームが自分のPCで動かなかったりした.
「自分で稼いで買え」
親父はどこから取ってきたのか,俺でもこなせる程度の仕事を持ってきた.
始めはパソコン教室のバイトだったり,ゲームのデバッグだったり,まともなバイトだったのが,
ある日学校から帰ってくると,何に使うのかは知らないが,明日までにこういうコードを書けと言われて徹夜でプログラミングしたりするようになった.
プロの書いたらしいコードを読んで書き直す作業は,かなりの勉強になった.
給料は親父から手渡しで貰ったが,今まで見た事もないような額になった.
その金で新しいマザーボードとPentium IIと32MBメモリを何枚かと,自分の開発環境用にWindowsPCを作った.
こんな感じで高校には通っていたものの,勉強らしい勉強はほとんどしないで過ごした.
それでも,手に職はあるわけだし,しばらくは同人ゲームでも作って過ごそうと思っていた.
だけど親父は反対で,大学ぐらい入れと言い出した.
それでもやる気のなかった俺に,
一体何が起こった,このクソ親父,脳の病気にでもかかったかと本気で疑った.
どうやら正気で言っているらしいと分かると,俺も必死に勉強を始めた.
そうは言っても,中学時代から受験を意識した勉強なんてさっぱりしてこなかった俺には,何をどうしていいのか分からない.
しかも,やっぱり親父はドケチで,塾や予備校なんていく金は無い.
しかたがないから高校時代の友達で,頭のいい大学に行ったやつにお世話になることになった.
厚かましくも,キャンパスにまでついていったりしていたから,新入生として入って行くと顔見知りに驚かれた.
親父は約束通りPower Macintosh G3を買ってくれた.
だが,俺の親父はドケチだった.
「せっかくいいパソコン買ってやったんだから,そいつで学費ぐらい稼げ」
さすがにそいつは無いだろうと思った.
自分で遊ぶ分くらいは当然稼ぐつもりだったが,学費丸ごととは.
いくら国立大学とは言え4年分の学費となると200万ほどになる.
しかも教科書代やもろもろを考えると300万円は無いと厳しい.
300万円稼ぐために俺ができることと言えば,やはりゲームを作るぐらいだった.
志望動機を聞かれて,
「ゲームを作って300万円ほど稼ぐためです」
と言ったら爆笑された.
金が必要な理由を言ったら,一瞬でお通夜みたいな空気になったけれど.
先輩が相談に乗ってくれて,成績優秀なら学費は免除になったり半額になったりすることを教えてくれた.
それならなんとかできそうな金額だった.
プログラミングをしているだけなのに,「お勉強」として扱われるなんて.
今まで何気なく使ってきた道具に,こんなに深い基礎理論があるなんて,知らなかった.
講義が終わったらサークル棟に入り浸って,入学祝いのMacintoshで朝までゲームを作ったりしていた.
学費を稼ぐためのゲームだが,やはりエロゲを作ろうということになった.
ただし,そのためには絵師が必要だということで,先輩が漫画研究会から絵師をスカウトしてきた.
一目惚れした.
こんなちっこくてクリクリして可愛い女の子が,こんなドエロい絵を描くなんて!
俺の頭はすっかり茹だって,も~だめだ~という感じになった.
それから,なんやかんやあって,結果的に彼女は俺の嫁になった.
詳細は伏せるが,なかなかにこっ恥ずかしい青春を送った.
今まで○とか■とか,ちょっとしたドット絵でしかなかったキャラクターに命が吹き込まれるようだった.
先輩たちが,売上金を快く俺にカンパしてくれたおかげでもある.
満ち足りた大学生活だった.
スーファミはもう時代遅れになったが,自分の作ったゲームが本当に発売されて,ゲーム機の中で動いているのを見た時は嬉しくて泣いた.
娘が生まれた時と,どっちがと思うくらい泣いた.
さて,俺のドケチな親父だが,娘が生まれてほどなくして死んだ.
あんなにドケチに金を惜しんでいたのに,財産も何も残さず死んだ.
遺書を読んだら,葬儀は簡素に親族だけで行うように,とあった.
親戚付き合いらしい親戚も居ないし,どうせ誰も来ないだろうと思っていたが,
葬式当日には呼んでもないのに大勢の参列があって,なんだこれは,人違いかなにかかと思った.
なんでも,親父の運営するNPO法人の従業員だとか,親父の寄付金で建てた養護施設の代表さんだとか,
親父とは無縁の世界の住人だとばかり思っていた,立派な善人ばかりだった.
家に居ないことの多い親父が外で何をしているかなんて興味なかったし,どうせ競馬かなんかで稼いでるんだろうと思っていた.
葬儀が終わって,ちょっとした額になった香典の山を眺めていると,
「さあ自由に使っていいカネだぞ.お前はそれで何をするんだ?」
そんな声が聞こえてくるようだった.
なんだかむかついたので,その金は今まで通った学校にプログラミング関係の本を寄付するのに使うことにした.
一銭も残さずに,全部.
それでもなんだか負けた気分だったから,ボーナスをつぎ込んで,倍額にして寄付してやった.
ドケチなクソ親父を,見返してやった.
最高の気分だった.
それが6年ほど前の話だ.
ところで最近,小学校に上がった娘が,アニメに出てくるようなフリフリなドレスを着て学校に行きたいと言い出した.
もうそんなお年ごろになったのか.
子供には不自由させたくないと思っていたが,調べてみると我が子の眼鏡にかなう服は,日常的に着る服にしては,ちょっと高い.
悩ましい問題だ.
さて,どうやって安上がりにすませようか.
友人におすすめを聞かれたので並べてみた。
なろう系では異色な物語、死出の旅路が世界を救う冒険へつながる。その道中にかかわる人々のつながりが織りなす綾が醍醐味。
能力者という超常の力を持つ人が一般的にいる社会でその能力者として生きる学生の話能力者がいる社会システムの描写と、能力を使った物事の解決方法アイデアがいい
異世界召喚もの、最初はぬるいが後の死力を尽くすバトル描写がいい。
テンプレ的転生もの、前世を悔い、ときどき後ろ向きになりながらも頑張って生きていく一人の男の人生が丁寧に描かれてる。
物語世界への転生系、自分が没落する物語の結末を回避しようと空回りする主人公を愛でる物語
この世界がゲームだと俺だけが知っている http://ncode.syosetu.com/n9078bd/ 継続
MMORPG転移系、バグだらけのクソゲーに対する愛にあふれる物語、ゲームの攻略系をメタにするとここまでばかばかしい状況になるのかというギャグが秀逸
ちょっとぬけてる不死者、山田とまきこまれ系少女のラブコメ、徹底的に冷めてる由紀子がいい味
○朝食:なし
○夕食:ナポリタン
○調子
よくはない。
自傷行為はとりあえず辞められた。
共同作業者にお願いして、今週はお休みすることに。
だったが、連絡がうまくいっておらず、もう一人の作業者から作業依頼がきて、仕方なく作業をした。
やっぱり、向いてないのかなあ......
○Fable2
久々に再開。
しかし、攻略後、修道長はルシアンに殺されてしまい、娘のシスターハンナはハマーとなり仲間になった。
亡霊の変わりに彼氏を誘惑し、プロポーズ直前まで行った所で振るという筋書き。
すると彼氏まで自殺してしまい、二人は亡霊のまま愛し合うことに。
なるかと思いきや、復讐劇はバレ二人はバラバラにまた成仏できない亡霊が一人増えただけの悲しい結末。
うーんなんとも洋ゲーっぽい。
二人目の英雄の所に到着する間際にルシアンに英雄を拉致された。
C1(第1回)のコミックマーケットは1975年12月21日、漫画批評集団「迷宮」が実質的な主催の下、東京・虎の門の日本消防会館会議室において参加サークル32(ただし委託・展示サークルがほぼ半数)、参加者約700名で開催された。(…中略…)主催者によると、入場者の9割余を「中・高校生の少女まんがファンを中心とした女子」[32]が占めたという。この時既に、「やおい」の先駆的同人誌も出されていた。
男性のサークル参加は2008年→2014年で3割から4割へ増加
http://www.comiket.co.jp/info-a/WhatIsJpn080225.pdf
http://www.comiket.co.jp/info-a/WhatIsJpn201401.pdf
先日ネット上にて、星海社から発売された『ロジック・ロック・フェスティバル』が古野まほろの『天帝のはしたなき果実』の盗作であるという疑惑が生じ話題となった。
そして、その『ロジック・ロック・フェスティバル』が本日、晴れて全文公開された。
http://sai-zen-sen.jp/awards/logic-lock-festival/
そういうわけで今日は本作が本当に盗作であるかというかのを考えていきたいのだが、その前提として知っておかなければならない事実として、「盗作」とは何かということである。
ここで日本で盗作について一番詳しく書いている栗原裕一郎の『〈盗作〉の文学史』から一部引用させていただこう。
本文に先立ち、何を「盗作」と呼んでいるかをはっきりさせておく必要があるだろう。
「盗作」にしろ「剽窃」にしろ、いずれも俗語だから、明確な定義は持っていない。
したがって、「盗作」であるか否かを区別する客観的基準というものも――明白な著作権侵害である場合を除いて――存在しない(中略)「影響」も「模倣」と捉えれば、広義には「盗作」と呼べないこともない。
つまり何かが盗作であると断ずるには、著作権侵害レベルの一致がない限り難しいのである。そして、肝心の版元である星海社は盗作の件について
と、はっきりと否定。また、盗作された側である古野まほろもtwitterで
本歌取りは日本の伝統、本格の伝統です。だから、もし本歌取りを「盗作」などと貶めるなら、それはとんでもない侮辱で冤罪です。私は、元の和歌が分かるマナーのある本歌取りなら、むしろ嬉しく思います。逆なら悲しい。私は、話もせず真実も知らず、人を断罪することは、不正義だと考えます(古野)
と言っており、両者の意見が「盗作ではない」と一致しており、晴れて『ロジック・ロック・フェスティバル』が盗作ではないことが確定したのである。パチパチパチ。
しかし、それでは面白くない両者の意見をよく較べてみると、あらゆる面で一致しているわけではない。
古野側は
ですから「類似点が多い」のはどうしてか。そして、これまで古野について一切、どこかで語ったり、書かれたりしていないのは何故なのか。これらがハッキリすれば、何の問題もないと思います。「盗作」は考えにくいから。もし本格の後継者でいらっしゃるのなら、古野とは仲間だから(島津)
という具合に、盗作とは言わないが、こんだけ類似点が多いのは偶然で済ませられないだろと主張しているのに対し、星海社側はあくまで、
本作『ロジック・ロック・フェスティバル』においては小説を構成する主要素であるところのテーマ・プロット・キャラクターにおいて、先行作品との「盗作」に該当する類似点は一切ございません。
と類似点なんてねーよと全ツッパ。
ここで難しいのは、先ほども書いたように、「盗作」というものの定義がはっきりしていないため、星海社のいう『「盗作」に該当する類似点』というものがどういったものかわからないのである。
どこまでが、『「盗作」に該当しない類似点」であり、どこからが『「盗作」に該当する類似点』というのを言ってくれないと判断に困る。
しかし、言ってくれないものは仕方ないので、こちらで勝手に検証していく。
さて、ではここで問題となっている両作品の類似点とはどういったものなのか。
まず、読者の印象に大きく残る点として、全体のストーリーの流れが挙げられるだろう。
・天帝のはしたなき果実
↓
事件が発覚すると大会が台無しになる、多数決でこれからどうするか決める
↓
↓
↓
↓
事件が発覚すると文化祭が台無しになる、多数決でこれからどうするか決める
↓
↓
↓
2chからのコピペだが、両者を読み比べた自分から見ても、この通りの展開が書かれていたし、印象もだいぶ似ていた。
これに対して星海社は、
たとえば本作『ロジック・ロック・フェスティバル』にてテーマとなっている「学園での殺人事件」につきましてはミステリーを描く上では一大ジャンルを成すポピュラーなテーマであり、ご承知の通り、先行作品を枚挙することに暇はありません。また、文化祭で殺人が起こり、その発覚によって学園祭が中止してしまうことを恐れて生徒達が独自に行動する、という本作のプロットには先行作品としてはたとえば『前夜祭』(角川書店刊/芦辺拓・西澤保彦・伊井圭、柴田よしき、愛川晶、北森鴻氏らによるリレー小説)の存在を指摘することができると思いますが、こちらの作品に関しても前段となる殺人の状況と、後段となる推理と解決へと至るプロットには、本作との密接な類似点を見出すことはできません。
そして、「特殊な場所への警察権力の介入を防ぐために居合わせた人間が素人探偵となって活躍する」といった本作のプロットに関してはたとえば『水の迷宮』(光文社刊/石持浅海)などの優れた先行作品を指摘することができると思いますが、こういったプロットに関してもまたミステリー界においては極めてポピュラーなものであると言えるでしょう。 キャラクターに関しても、学園の生徒会やその周辺の個性にあふれた生徒たちが登場し、事件を解決するのはいわゆる「学園ミステリー」ものの常であります。
この理屈がありならば、「少年漫画において、探偵が主人公というのは一大ジャンルを成すポピュラーなテーマであり、大人だった主人公が子供になるという設定も手塚治虫の『ふしぎなメルモ』など枚挙に暇がなく、また主人公が知り合いの博士におもしろグッズを作ってもらうのも、偽名に古今東西の有名人の名前を使うのも決して珍しいケースではないので、本作『名探偵ドイル』は完全なオリジナル作品なのです!」などという無茶苦茶な理屈もありになってしまう。
問題となっているのは、別個であるはずの2つの作品でこれだけ似通った要素が複数に渡って存在してる点なのに、それを因数分解のようにバラバラにして、よくあるケースだと主張するのはいささか無理がある。
もっともミステリなんてのは、『名探偵、皆を集めて「さて…」と言い』という言葉があるぐらい、ある種の流れが決まっているジャンルだし、このぐらいのストーリーの類似はよくあることかもしれない。だがそれ以外でも古野側が、
私はこれまで徹底して、著者の方の名誉と将来のため、具体的指摘を避けていました。また性善説に基づき、盗作説を断固否定した上で、類似点の多さを悲しみました。それすら非のない方への中傷と言われれば、非は私にあることになる。ならば、相当数あるうちの1つだけ、まずお示ししましょう(古野)
鷹松学園と勁草館高校。学校の設定を比較対照してみて下さい。 やや時間を置いた上で、その具体的指摘も行います。 できればこれに止めたいですが、私に非があるとされている間は、二の矢三の矢を射ちます。極めて不本意です。私はこの段階でも、平和裡に解決することを強く、強く希望します(古野)
と主張しているように設定面においても、両校の舞台が「藩校を前身とする名門校であり、地下に軍事施設がある」という一致を見せている。
普通、ここまでの一致はなかなか見られまい。
また『ロジック・ロック・フェスティバル』の応募時キャッチコピーが「学園ミステリーは青春に捧げる供物である」というものだったのに対し、『天帝のはしたなき果実』に対する、ミステリ作家・有栖川有栖氏の推薦文が「これこそ、虚無なる青春への供物。真正の本格にして破格のミステリ」となかなかどうして似通っている。
それ以外にも両作品の最後の一文も綺麗に対称関係となっている。
このまま順調にいけば、古野によって二の矢三の矢が射たれるはずなので、今後の展開を楽しみにしておきたい。
ただ、個人的な意見を言わせてもらえば、『ロジック・ロック・フェスティバル』において、軍事施設の設定は必ずしも必要なものではなく別の設定でも代替可能だったはずである。だから、もし作者に本当に盗作をする気があるならば、こうした部分は真っ先に変更したはずである。それにもかかわらず、このような明白な形で残っているのだから、この一致は作者によるオマージュやリスペクトの一種とみなした方がいいだろう。
しかし、オマージュであれ、リスペクトであれ、このような類似点が多数ある以上、星海社側の「完全な事実無根」や「なぜ火のないところに煙の立つような今回の「盗作」疑惑が起こってしまったのか」という発言はいささか苦しい。少なくとも根や葉や火種はあったわけなのだから。
『ロジック・ロック・フェスティバル』のあとがきによれば、本作は作者が初めて書いた小説らしい。
その点を考えれば、こうした部分はむしろ若気の至りや遊び心と言えるし、前途ある新人に対して執拗に非難するべきではあるまい。
本作を受賞させるにあたって、星海社の太田副社長は座談会でこのようなことを言っている。
この人、ミステリーの手つきが本当にいいわけ。小ネタから大ネタまで、80点以上のミステリーが次々とやってくるって感じ。飲茶のおいしい料理が次々やってくる感じなわけね。しかもなおかつ、法月綸太郎的、佐藤友哉的な青春の痛みがしっかりとあるのよ。だけど生々しく「法月綸太郎が」とか「佐藤友哉が」みたいな感じでは出さないようにしてるんですね。
また、さらにこのようなことも言っている。
うん、この人は新本格ミステリーの正統後継者だと思うよ。あの世にいる宇山さんにも読ませたいよね。そういう意味で言うと、「ありそうでなかった」っていう感じがする作品なんだよね。新本格はその誕生以来ずっと奇形化が進んでいったわけだけど、正統的な先祖返りというか……この人の作品は音楽で言うと「黒いジョン・レノン」と呼ばれたデビュー当時のレニー・クラヴィッツみたいな感じなんだよね。あるいは、とかくビートルズと対比されたデビュー当時のオアシスとか。とにかく、これまでにありそうでなかった青春ミステリーの最前線、みたいなわくわくする感じがこの作品にはあるような気がするんです。
ここで太田が読ませたいと言っている、宇山氏が生前最後に送り出した作家・古野まほろをまたしてもガン無視である。「ありそうでなかった」人扱いである。まほろの存在が歴史から抹消されている。預言書が燃やされたのだろうか?
それとも『天帝のはしたなき果実』の文庫版が講談社からではなく、幻冬舎から出ていることと何か関係しているのだろうか?
そして受賞作の発売に寄せてこのようなことも言っている。
……というわけでぜひみなさん、『ロジック・ロック・フェスティバル』を読んでください。綾辻行人さんや法月綸太郎さん、有栖川有栖さんたち、かつての「新本格」推理小説ムーブメントは終わっていなかった、それが見事に証明される一作です。学園祭の密室の妙に酔いな……!
そりゃまほろも怒る。
明らかに古野まほろの影響を受けている作品に対して、他の作家の名前をガンガン引き合いに出してるのに、肝心のまほろを無視しているんだからそりゃ激おこにもなるだろう。
この場合考えられるケースは4つ。
1.選考に関わった全員が『天帝のはしたなき果実』を読んでいないor内容を忘れていた。
2.色々類似点があると気づいていたが、この程度大した類似ではないと考えた。
3.色々類似点があると気づいていたが、読者は類似に気づかないと考えた。
イラストに大御所CLAMPを使っている時点で4番は無いだろう。考えられる可能性は残りの3つ。外野である我々にはどれが真実なのかを判別する術はない。
ただ、やっぱり上に挙げた類似点を考えれば、作者が古野まほろを全く知らなかったというのだけは考えられない。
そして星海社は普段から新人賞の選考においてオリジナリティを重要視しており、以前の座談会ではこのようなことを言っている。
次は岡村さんが担当した『MV ―Meteddo Vevaea―』。これは高校生?
そうですね、高校生でこの枚数書けるのは素直にすごいです。
何枚くらい?
400枚以上ありました。
おお、それは確かに頑張ったね。
ただ、肝心の内容がまんま『IS〈インフィニット・ストラトス〉』なんですよね……。
タイトルもそれっぽい!
岡村さんもさらっときついことを言うようになってきたねえ(笑)。
いやいや、でも本当にそうなんですよ。架空の兵器があって、それを使える男性は主人公だけ……という設定で、何から何まで『IS』を連想させてしまう内容でした。これをそのまま出版したら、ちょっとタダではすまないだろう、と(笑)。
大変なことになりそう(笑)。
似た例は僕のところにもあって、『コトホギ』ってのがそうなんですけど。
コトホギ……?
柿内
タイトルが既に不穏だなあ。
これ、舞台は大正二十年、帝都。女の子が悪魔に襲われているところに、書生姿の男が助けに入り……と、ほとんど『葛葉(くずのは)ライドウ』です(笑)。
一同
まんまじゃん!
電波塔がうんたらとか、もうほとんど二次創作でした(笑)。これでライドウを連想しない人はいないだろうと。
まだあんのかよ! いい加減にしてくれよ(笑)。
主人公が着物姿で武器は刀……式の性別を男にしただけ、まんま『空の境界』!
冒頭1ページ読んだだけでそれと分かる感じでしたね……。
よく星海社にこれを送ってきたな、という。度胸はあるのかもしれませんけど、酷い!
別に新人賞でオリジナリティを重視するのはかまわない。むしろ当然である。既に市場に似たような作品があるのならば、多くの読者は新人ではなく実績のある作家の作品を選ぶだろう。
だが、だとしたら『天帝のはしたなき果実』を連想させてしまう『ロジック・ロック・フェスティバル』を受賞させたのは失敗ではなかっただろうか?
普段の座談会で大上段から応募作を切り捨てているからこそ、受賞作にはそれ相応のクオリティが求められる。さらに帯に『まだあった「新本格」推理小説! 全ミステリファン注目の新人登場』なんて書いたらハードルの高さはそりゃもうウナギ登りでよっぽどの脚力が無い限り、足を引っ掛けて転倒は免れまい。
先程も書いたように、『ロジック・ロック・フェスティバル』の作者である中村あきにとって本作は初めて書いた作品である。
そうしたまだ若き作者に対して、これほど高い下駄を履かせるのはどうなのだろうか。
少なくとも「全ミステリファン注目」というのはいささか厳しすぎる。
そういう意味では、今回『ロジック・ロック・フェスティバル』が受賞してしまったことは決して幸運などではなく、むしろ運が悪かったのかもしれない。
身も蓋もない話、これが星海社からではなく別の出版社から刊行されていたら、ここまで話題になることもなかったと思うのだが……。
世の人の言う、「恋人が欲しい」ほど私にとって意味不明なものはない。
今で言うところのリア充?昔で言うところの所謂一般ピープル?の「恋人を作る」という感覚が、本当に若い頃から謎だった。
この人が良いから今日から恋します、ってそれ恋じゃないだろう。作為だろう。
ある日、ふと「この人がどうしようもなく好きだ」と気付く。
そりゃあもう絶望的なくらいに。
対象を選びたくても選べない。
やめようと思ってもやめられないし、その頃には充分に頭がおかしくなっている。
相手は何を考えているのか、どう思っているのか、常に気になる状態。
触れたいとか触れたらどうなるかとか、思考の迷宮でぐるぐる彷徨してみたり。
ちらとでも目にした途端、相手のことが頭の中の何割かを占拠して、どかそうとしてもどいてくれない。
何故そんな狂気の状態に敢えてなりたがるのか。
そんな状態を何故美化してありがたがるのか。
また、そういうふうに頭がおかしくなってないのなら、愛であったり情であったりしても、恋ではないんじゃあないのか。
幸運にも両者が恋愛の狂気が生む幻想を共有できた時だけに、本当に奇跡的に「何故かなっちゃってる」ものなんだよ。
5年間ニートをしていた。
大学時代もニートのようなものだったから実質10年くらいニートだった。
父が定年退職し、介護が必要となった祖母を自宅に招き、僕は実家から居場所をなくした。
初めて家を出て自分の力で働いてお金を稼ぎ、その苦労を知った。
自分の部屋に引きこもっていた頃、僕は自分が世界で一番不幸な人間だと信じていた。
それは境遇や生い立ちにおいてもある程度はそうであったけれど、何よりも僕には幸福なことを幸福なこととして感じる回路が欠落しており
今後僕の人生において何が起ころうと、それは絶望や苦悩という尺度でしか僕には認識できないんだと、本気でそう思っていた。
毎日、アニメを見ながら2chに書き込み、漫画を読み耽りながらポテチの塩を指にべったりと付け
たまに思い出したように「若きウェルテルの悩み」や「車輪の下」を本棚から取り出してきては主人公に自分を重ねて自分は何と不幸なんだろうと嘆いた。
TVの画面を通して見る同年代の子らがなぜあんなにも楽しそうなのか、自分がそちらの世界に行けなかった不幸を呪った。
2chで時折起こる若者の炎上騒ぎを閲覧しながら、本当に罰を受けるべきなのは自分なのだと、そう思いながら騒ぎに便乗した。
日常系と呼ばれるアニメを見ながら、日常の意味について考え、キャラクターのボケとツッコミに笑った。
面白い事は面白いと感じ、笑える出来事があれば素直に笑ったが、それでも僕は本質的に自分が不幸な人間であり
不幸であるから不幸なのだという迷宮から抜け出せない限り、永遠に、おそらく自分が死ぬまでそれは続くのだと信じていた。
父が退職し、家を追い出された。
お金がなかった。
就職した。
クソ怒られた。
不幸とかどうでもよかった。
ニートをしていた頃
働いている人間(社畜共)はなぜあんなにもつまらない人生に我慢できるのか?
人生の意味や、幸福とは何かについて思い悩み、苦悩することはないのか?
正直、低能だと思っていた。
働いて分かった。
そんな時間ない。
つかそんなことどうでもいい。
金だ。
金がいる。
とにかく生きるのにも悩むのにも金がいる。
毎日アホみたいに使っていた電気も、用意されていたご飯も、好きなときに飲んでいた飲み物も全部タダではなかった。
いや、それくらい理解していた。
自分が恵まれた環境にいること、ニートがある種の特権階級であることも理解していた。
働くの辛すぎ。
生きるの辛すぎ。
時間無さ過ぎ。
働かず生きていけるニート、やりたい事で稼いでる奴ら、資産家、エリート共、羨ましすぎ。
初めて笑った。
クソワロタ。
ご都合主義は悪なのか。ときどき思うのだけど、主人公たちに思い入れがあるときはご都合主義でも幸せになってくれと思ったりするから、丸っきりの悪じゃないよな、と思う。
小説家になろうのランキングのうえの方にあるのを読んでいると、ご都合主義的に過ぎて、ついていけないのがあった。
それでちょっと分類でもしてみようか、と思う。
ランキング上位はやっぱり何だかんだといってチートでハーレムなものが多いから、主人公と初対面の異性のもつ主人公への好感度がどれぐらいか、みたな切り口で分けてみようと思う。
異性は主人公のことを鼻にも掛けてない。もし、主人公と関係をむすぶなら、それなりのステップを踏む。
Re:ゼロから始める異世界生活 とかが当てはまるんじゃないかと思う。
むしろ、Re:ゼロは世界が主人公に厳しすぎて辛くなることがあるレベルだった。
■ご都合主義度:中ぐらい。
異性は主人公のことに好感を持っている。べつの言い方をすると、主人公への第一印象がいい。
異世界トリップや転生ものだとあれ、テンプレ的に特殊な種族だったり出生だったり、才能を持っていたりする異性が、そういうことを知らないで普通に接する主人公にチョロいされるパターンだ。
異世界迷宮で奴隷ハーレムを や 理想のヒモ生活 なんかがこのあたりじゃないかと思う。
世界のすべてが主人公の都合のいいようにはできてないけれど、慎重さと思考法なんかで異性を籠絡していく。
■ご都合主義度:濃厚。
それ以上に濃いと思えるところは、主人公が嫌うキャラクターがいたとしても、そのキャラクターは主人公のことをよく見せるための噛ませ犬以上ではないということだ。
盾の勇者の成り上がり や 風と異邦の精霊術師 なんかがこのあたりだと思う。すでにないけれど、魔法科高校の劣等生なんて分子レベルで世界が主人公のことを愛している。
シバさんはスバルにその優しさの一握りを渡してもいいと思うんだ。
きついのは、物語のなかに主人公を否定するものが本当の意味であらわれないことだ。主人公のあり方に共感できるならいいけれど、そうでなければ読みすすめるほどに正気度がさがる。
と、そんなわけで。
濃厚までいくと、読者を選ぶものになると思う。
でも、べつに濃厚だからってマズいってわけじゃない。池波正太郎の剣客商売とか、あれもご都合主義度はかなり濃厚だけど、うまいし、面白いときは面白いのだから。
わたしがあの人にはじめて会ったのは13歳の秋だった。
中学の入学祝いに父親からパソコンを送られた私はすぐにインターネットの世界にのめり込んでいった。
友達と放課後にマックに行ったり、クラスの男の子を好きになってすったもんだしてる都会在住の女の子の都会っぽい生活に憧れたり、、
ちょっと不良ちっくな男の子達のリアルな体験談にわくわくした。
わたしは地味で目立たないタイプの中学生で、自分に自信が持てなくてうまく人とコミュニケーションが取れなかったので、今ではよくわからないようなものにまで憧れたりしていた。
というか、クラスに友達がいるっていうだけで、クラスメイトと普通に話せる人だっていうだけで、私にとっては憧れの的だった。
そんな普通に楽しい中学生活を送っている人たちとお話できるのがほんとに楽しかった。
あの人は常連のひとりでいつもロムってるんだけど、
そのくせふとあらわれてなんとなく心に残ることをぐさっと言ってはまたいなくなる、みたいなかんじだった。
毎日入り浸っていたわたしはあの人と自然にあいさつとかするようになった。
あの人はほかの誰とも違う不思議な独特な空気感をまとっていて、
(あとで聞いたらちゃんとキャラ設定があったらしい)
あの人と文字で交わす会話を心地よく感じた。
あの人はいつも真夜中、みんなが落ちていったあとのひと気のないチャットルームに現れた。
いつの間にかあの人と話すことが一日の楽しみになっていた。
あなたはどんな人なんだろう、
どんな生活をしてるんだろう
人望厚く、生徒会長をやってるらしい。
(同じ学校だったら関わることもないだろうなー)
すきなマンガはるろけん。
てゆーかけっこうオタク。
って思っていた。
それは深夜で、チャットルームにはよく顔(?)を合わす女の子二人とあなたとわたしの四人だけで、その話は10代の私にとってはとても重いお話で、
というかまだ恋のなんたるかを知らない私にとっては目の回るような話で、
(確か、好きな女の子がいて両思いだったんだけれど、その女の子につらい思いをさせたまま別れてしまった、みたいな話だったと思う。)
その長いお話が終わる頃にはわたしたちはとてもしんみりしていた。
でもそういう特別なことを共有したことをきっかけに私たち四人はメールアドレスを交換することになった。
私は心の中でその成り行きにガッツポーズを決めていた。
だってずっとアドレスを聞きたかったけど、乙女で内気なわたしにはどうしても言い出せなかったからだ。
そうしてあの人のアドレスをゲットしたわたしは、
使い方が謎すぎて放置していたメーラーの説明書を100万回読んでメールのやり方を会得し、
(メールの画面が夢にまで出てきた)
やっとあの人とのメールのやり取りを開始した。
あの頃の私にとってあの人は遠い(友達いっぱい!楽しい学校生活!リアルではお近づきになれるはずもない人!みたいな笑)夢の世界に住む憧れの人で、
他愛のないお話ばかりをしたと思う。
みたいな見栄もはったきがする。
でもそういうメールのやり取りを繰り返すうちに、
少しずつ少しずつ見えてくるような気がした。
夢の世界に住んでるように思えたあの人にもたくさん悩みや考え事があることを知った。
あの人がどんどん近くなって来るような気がした。
ある日わたしは決心した。
あの人が生活する街を見てみたくなった。
本当は会いたかったけど、言えなかった。
あの人が歩いているだろう道を歩いて、
あの人が買い物をするだろうショッピングセンターに行って映画を観た。
源氏物語みたいなやつ。
今思えば、あの頃のわたしにとってあの人が唯一の友達だったんだと思う。
ではないと思いたい。
そのうちどうしても気持ちを抑えられなくなってわたしはあの人に告白した。
それが本当の好きなのかどうなのかわからなかった。
文字以外のあの人のことを何も知らない、
会ったことも見たこともない。
でも気持ちだけは本当だった。
そしてあの人にはあっさりふられた。
高校生活は最悪だった。
高校生になったわたしはけっこうないじめを受けるようになっていた。
成績もガタ落ちで留年寸前だった。
私は自分の部屋にひとりで閉じこもるようになった。
両親は仕事やまだ小さい兄妹たちの面倒に忙しくて
わたしの苦しさを理解できる余裕はなかったんだと思う。
誰かに理解されたかったんだろうけど、
それをうまく言葉にすることもできなかった。
絶対に来ないと思ってたからかなり驚いた。
どういう話の流れだったのかは思い出せないけど、
たぶん私が言いだしたようなきがする。
心臓が口からまじで飛び出しそうになりながら電話に出たのを覚えてる。
それまでは蒼紫様とゆこ殿、みたいなメルヘンなHNでやりとりしてたの笑
なんか本当に不思議な感じだった。
はじめて聞くあの人の声は上ずったかんじの甘い声でわたしは本当にどきどきした。
なにをあんなに話したんだろう?
たぶんとてもしょーもないことばかり話してたんだろうと思う。
気づくと朝日が昇って、朝になってた。
そしたらあの人は恥ずかしそうに言ったんだよ。
「俺の言いたいことわかる?わかって、テレパシーで。」
「・・・わかんないよ笑」
「・・・すき。」
どういう気持ちの流れがあの人にあってそうなったのかは今でもよくわからない。
たぶんあの人も覚えてないんじゃないかな?笑
でもわたしたちはこの電話をきっかけに付き合いはじめることになった。
携帯の請求がすごいことになってお母さんに何回も怒られた(笑)
会ったこともない人と付き合うなんて浅はかなことだと思うけど、
どうしてもあの人と毎晩長電話するのが辞められなかった。
あの女の子の化粧が濃くてキモイ、とか、モデルの女の子がいてなぜかその子が俺のこと好きっぽい、とか他愛のない話しを!(笑)
それは、仲のいい友達がいたんだけど、その子が亡くなってしまってとてもつらい、それはたぶん自分のせいなんだっていう話し。
それがあったから今は誰かと深く関わるのが怖いんだって話してくれた。
当時のわたしは自分のことを客観的に見る余裕なんか皆無だったからどうして自分がそんな気持ちになるのかわからなかったんだけど、その話を聞いてものすごく悲しくなった。
今考えるとわかるんだけど、わたしはあの人と深く関わることを望んでたからだと思う。
自分でも訳のわかんない私をあのひとなら理解してくれて助けてくれるような気がしてた。
でもお互いに問題をかかえたままお互いを理解しあえるわけもなく、私たちはすぐに別れてしまったんだ。
本当なら私があの人の傷を癒してあげられたらよかったんだと思うけど、当時のわたしには無理だった。
それを説明することともできなくて、
たぶん相当意味のわかんない理由で別れたと思う。
実はほかの人とのあいだに子供ができて、もうあなたとは一緒に居られません、みたいな出鱈目を言った気がする。
変だよね。(笑)支離滅裂だ。
よくわかんないけどそういう心理だったんじゃないかなーって思う。
やめる前後はピークに荒んでいたけど、
いざ辞めてしまえば私の心は徐々に落ち着きを取り戻していった。
15歳にして社会の外に放り出されてしまったことは恐怖だったけど、
それは逆にこれからのことを真剣に考える原動力だったような気がする。
それから3カ月。
今度こそ連絡が来ることは2度とないだろうと思っていたところに
冬、連絡をくれたのはあの人の方だった。
ちょうど寮制の定時制高校への受験を決めて一念発起を心に誓った頃だった。
厳しい環境に身を置くことで私は最低な自分から脱出できると思った。
家族とも、育った街とも、この街の人とも、全てに距離をおいて新しい自分を始めるつもりだった。
付き合っていた頃みたいにまた明け方まで電話することも何回かあった。
でもそういう自分の状況をあの人にうまくせる自信がなくて黙っていた。
相変わらずどうでもいいような話しを何時間もしていた。
というか今気づいたけど、わたしどれだけ素直じゃないんだw
わたしは本当はあの人ともう一度お付き合いがしたかった。
あの人が今でも私を好きでいてくれればなって思った。
朝6時に起きて掃除、点呼、先輩の洗濯や食器洗いをすませてから仕事に行って、夕方から学校。
はげしいルーティン。
ここに来たことを後悔してないと言ったら嘘になるけれど、
もちろん携帯電話は禁止。
というわけであの人への連絡手段を失ったわけだけど、
どうしてもくじけそうな時は負けじと寮の公衆電話から10円片手にあの人に電話した。
この公衆電話がまたすっごいの!
長蛇の列に並んでやっとたどり着けるの!
でも時間が決まっていてやっと順番が来たと思ったら1分とかしか話せないこともあるの!!(笑)
そんなわけで満足にあの人ともお話できないし、忙しくて3ヶ月に1回とかしか電話できない時もあったんだけど、
あの人の声を聞くと本当に元気が出たもんでした(笑)
あの人は相も変わらずずっと私の支えだった。
それでも。
地元に帰った時は便利な便利な(笑)家電で思う存分長話をした。
そうだ、手紙も何通か交換したんだ。
今でも大事にとってある。
あの人は字が下手だからってとても恥ずかしがったけど。
(確かにあの人は字がへただった(笑)
あの人と実際に会おうかって話になった。
あの人は大学生になっていて、
せっかくだからついでに会おうよってことになった。
その少し前にわたしたちは小さな喧嘩みたいなことになっていた。
あの人が私のことを何も考えていないただふらふら生きてる奴、
みたいなことを冗談で言ってきて、わたしがそれに反論のメールを送ったんだ。
わたしはわたしなりに色々考えていて、考えた答えには従って生きてる、みたいなメール。
でもあの人が私についてそう思うのは仕方ないことだった。
だって私はあの人に自分についてなんにも話したことがなかったんだから。
と、いうより私は誰にも自分について話したことなんかなかった。
いつも自分が何を考えているのかわかんなかったし、
誰かが自分を理解しようとしてくれるなんて考えたこともなかった。
だから私の気持ちはずっと迷宮をさまよってるみたいな感じだった。
ずっと悩んできた自分の心の暗い淵みたいなものに対する葛藤にも、
なんにも向き合えてなかった。
実際に待ち合わせの場所に着いても私はあの人と会うことをまだ悩んでいた。
会うのが怖かった。
実際に会って本当の自分を見せるのがとっても。
あの時、わたしはもう本当に緊張していた。
心臓爆発だった。
わたしの人生で一番綺麗なあの初夏の日を
わたしは一生忘れないと思う。
あの人は細くて折れそうな体で
外人みたいに彫の深い顔立ちをしてた。
あの人は私に一言、
「でかっ!」
って言ったんだ笑
不思議な感じだった。
はじめて見たあの人は知らない人だったけど、
声はずっと馴染んできてわたしを支てくれたあの声だった。
人見知りな私はあの人をやっぱり人見知ってたけど、
それなのにあの人はずっと昔から一番よく知っている人だった。
綺麗な新緑のさわやかな感じも、
あの人の横顔も
今もあの日のように思い出せるよ。
よく歩いて、よくしゃべった。
わたしは寮生活の話を。
帰りはわたしの近くの駅まであの人が送ってくれた。
手をふりながら猛烈な離れ難さがおそってきたけど、
寮に帰ってからもなんだか夢の中にいるような気分だった。
「楽しかった。また会いたい」って。
私もおなじ気持ちだった。
数日後の5月22日に私たちは付き合いはじめた。
いま考えれば不思議なことはなんにもない。
必然だったと思う。
もう人と深く関わるのが怖いって。
ずっと一人で生きてきたし、これからもそれは変わらないと思うってあの人は言った。
私になにかできることはないのか?って思った。
少しでもあの人の心が軽くなるようになればいいと思った。
あの人が誰にも心を開けなくなってしまったことを、
怖くないって言いたかった。
あの人が本当にわたしを理解しようとしてくれていることが分かって言葉が不思議とすらすら出てきた。
そういうことをちゃんと言葉にするのは生まれて初めてだった。
混沌としていた頭の中が言葉によって整理されていくのがわかった。
私たちはできる限りの言葉をつくして自分たちについて話し合った。
それは数年前の私たちにはできなかったことだ。
今までどうしても踏み込むことができなかった、
でもとても知りたかった、
知って欲しかったことだった。
話しても話しても話したりなかった。
やっとわかりあえた喜びを私は一生忘れない。
ずっとそうしたかったんだと思う。
一生懸命耳を傾けてくれたあの人には感謝してもし尽くせないよ。
あの人が私に言葉をくれたんだ。
本当はわたしは不安だった。
戸惑ってたんだ。
でも私たちはまだ一回しか会ったことがないのにこの気持ちは本物なのか?って。
そのあとに丁寧にロイヤルミルクティーを入れてくれた。
帰る前の日にあの海で撮った写真は今でも宝物だ。
あの日、ホームであの人の手を握りながら本当に離れたくない、
離れたくないってこういう気持ちのことだったのかって思った。
あの人はあなたになら心をひらけるって言ってくれた。
わたしも同じだった。
メールや電話でやりとりをしていた頃はまったく気づかなかったんだけど、
いつもわがままばかり失敗ばかりまぬけばかりの私にきちんと向き合ってくれて、
私に悩み事があれば一緒になって考えてくれた。
私にさえわかんなかったわたしを教えてくれた。
ちゃんとはなしてごらん、ってあの人だけが私に言ってくれたんだ。
お父さんみたいだった。
肉親以上の愛情を注いでくれた。
あの人と一緒にいた数年間は信じられないくらい幸せだった。
思い出が綺麗な綺麗なおとぎ話しみたいだよ。
わたしたちはなにもかもがぴったりだったように思う。
わたしが持っていないものをあの人はちゃんと持っていてあの人が持っていないものをわたしが持っていて嘘みたいだった。
なにもかもが上手く噛み合っていて、あんな風に出会えたことも、こうして一緒にいることも、全部が起こり得ないような奇跡だとおもった。
それはあの人が優しくそう感じさせてくれていただけだったのかもしれないと今になったら思うんだけど、それでも。
真夜中の長電話、一緒に観た何本もの映画、あの人の小さなアパートの部屋、まっすぐに続く海岸沿いの道、
会いたくて我慢できずに何回も最終電車に飛び乗ったこと、旅行に行ったのは神戸と栃木、クリスマスに買いすぎたモスチキン、
大学のピアノがある小さい部屋、高速バスに乗って一緒に出かけたこと、
別れる時に悲しかったぶん会えた時はほんとに嬉しかったこと、あの海辺の夕日、あの人を残してホームから走り出す電車、あの人のかなしそうな顔。
ねえ、わたしはおかしいのかな?
思い出を美化しているだけなのかな?
もしそうだとしても懐かしくて叫び出しそうになるよ。
だからはじめて会ったあの日からずっと離れるのが本当に嫌だったんだ
あの人がいればなんだってできるような気がした
あの人に話してないことがひとつだけある。
わたしはそれでも迷っていたんだ
私は若くて無知だった
本物がどれなのか判別がつかない程に。
奇跡だと思ってた
完璧だと思ってた
わたしは自分があの人を段々大切にできなくなっていってるのを知ってた
いつか自分の未熟さが原因で壊れて終わってしまうだろうと思った
むしろそうなるべきとも思った
そうしたらあの人の本当の大切さがわかるから
早くあの人を大切にできる自分になりたい
いつの間にかあの人にめぐり合うことができた奇跡を当たり前に思い、
あの人がわたしにかけてくれる愛情を当たり前に思い、
あの人に求めてばかりでいつも苛立っているのが苦しかった
わたしはわたしたちの幸せをめちゃくちゃにした
あの人を失ったわたしは
かたずっぽになって
うまく立つことができなくなった
うまく声も出せなった
うまく笑えなくなった
うまく人と話せなくなった
怖くてわたしを押しつぶしてくるの
何時の間にかわたしはあなたに
荷物を預けて楽してたみたいだ
全部がのしかかってきて
息ができなくなった
笑顔は今でも引きつってる気がしてる
それでも
わたしは受け入れていった
考えることをはじめた
どうしてこうなってしまったのか、
ここはどこなのか、
これからどう生きていくべきなのか 、
あの人のことを何度も思った
ずっと考えていて
分かったことはふたつだった。
ひとつめは、
今自分が感謝できることを必死で探してありがとうって思えるように絶対にならなきゃ同じことを繰り返してしまうってこと
どんな幸せを持っていたってそれをわかってなくちゃそれは不幸と一緒だ
ふたつめは、
本当に愛し合える人を見つけられずに死んでしまう人も多いこの世界で、わたしはあなたと出会えたこと、そしてあんな時間を持てたことがすでに奇跡だってこと。
出会えたことがすべてってこと。