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はてなキーワード: 河出文庫とは

2024-04-23

anond:20180409202730

今更届かないかもしれないけど、この日記を書いた人に、この日記を読んで共感した人に、この小説を読んでほしい。

小説家・津原泰水さんの代表作「五色の舟」(河出文庫『11 -eleven-』収録)全文無料公開!|Web河出

この世界というのは心の置き所の問題で、みんなが違う世界を同じ今の中で生きている。

2024-02-21

表紙がNiceな本メモ

…って、ここにメモしても表紙(画像)が載らないかダメね。

2022-01-21

八本脚の蝶を見つけて

 同僚が新型コロナ感染した。

 わたしたち仕事の大半はリモートワークになっているのだが、その日たまたま彼と対面で打ち合わせをしなければならず、はたしてその日の晩に彼は発熱したのだった。

 おたがいにマスクをしており、打ち合わせもそれなりの距離をとって、アクリル板のパーティションを設置していたのだが、わたしは濃厚接触の疑いがあるということで勤務先から自宅待機を命じられた。

 結局のところ保健所は濃厚接触に該当しないと判断したのだが、勤務先から大事をとってそのまま三日間は自宅待機してほしい」と連絡があった。

 かくしてわたしは自宅でみずから家族から隔離するように、リモート部屋に布団を敷いて起居することとなった。

  

 リモート部屋は六畳ほどの広さで、窓際の隅に机と椅子モニタープリンターが置かれている。

 そのほかの荷物雑然と置かれているのだが、布団で寝るぐらいの広さはある。

 自宅待機の旨を関係各所に連絡し、そのおかげで滞った仕事をなんとか終えて、夜中にようやく身を横たえるとふと文庫本が目にとまった。

  

 リモート部屋には文庫本専用の本棚が四つあり、棚の上の方には未読の、つまり積ん読状態の本が並べられている。

 下の段には、すでに読み終えたものか、読み途中のもの(あるいは挫折したもの)が入っている。

 布団に入らなかったら下段の本には目が届かなかったかもしれない。

 そこにあったのは、二階堂奥歯『八本脚の蝶』(河出文庫2020年)。

 かつてハードカバーも買い、読み終えることができず、文庫が出たら文庫も買い、こちらもまた読み終えることができず、そのままになっていた。

 なぜか今度ばかりは読めるような気がした。

 そうしてこの三日間、仕事の合間に少しずつ読み進めている。

  

 本書によれば、二階堂奥歯プロフィールは下記の通りとなる。

 <1977年まれ早稲田大学第一文学部哲学卒業編集者2003年4月、26歳の誕生日を目前に自らの意志でこの世を去る。亡くなる直前まで更新されたサイト「八本脚の蝶」は2020年現在も存続している。>

  

 二階堂奥歯と面識はない。ただ彼女大学にいた当時、わたし留年を重ね、まだキャンパスをふらふらしていた。わたしのいた文系サークルには、彼女がいたという哲学研究会に出入りしている者もいた。留年を終えて、なんとか会社勤めを始め、学生時代の知人に再会したところ、「哲学研究会OBが中心となって『記憶の増大』というサイトをやっている。二階堂奥歯という人がそこに『八本脚の蝶』という日記を書いている。あなたボルヘスを好きなようだから、もしかしたら彼女が書いているものも気に入るかもしれない」と言われた。そのようないきさつがあって、わたしは時折パソコンで「八本脚の蝶」をのぞいていた。

  

 「あなたボルヘスを好きなようだから」という言い回しはやや唐突なようだが、わたしとしてはそう言われたのがわからないでもない。およそ大学というような場所にはひそかにボルヘス読者の群生地があり、わたしはそこにはいなかったけれど、きっと知人には生息地を離れてひとりはぐれているような存在に思われていたのかもしれない。実のところ、ルルフォの書くものの方が好きだったのだけれど。

  

 彼女がみずからの死を「八本脚の蝶」の中で宣告し、日記更新がとまってからどれくらいたっただろうか。ひと月もなかったかもしれない。

 仕事を終えてひとりぐらしのマンションに戻り、夜中にネット巡回していると、彼女の別れの言葉を見つけた。

 本当に亡くなったのかわからなかった。現実感がなかった。

 それでも彼女を追悼する言葉ネット散見されるようになり、わたしはそれが実際に起きた出来事だと知ることになった。

 直接の知り合いではなかったけれど(知り合いの知り合いだ)、彼女の死はずっと引っかかっていた。

 だから「八本脚の蝶」が出版されたとき、迷うことなく買い求めた。

  

 読めなかった。

 ずっと読めなかった。

  

 あれから二十年近くたち、ようやく読む気になったのはどういうわけか自分でもよくわからない。

 一方で、この二十年ばかりの間なぜわたし文学書をほとんど読むことができなかったのかはなんとなくわかった。

 学生の時分には翻訳文学をそれなりに好んで読んでいたはずなのだが。

 わたし社会生活を送るために、いつの間にやら自分リソース脳味噌キャパティ)のほとんどすべてを消費していたのだ。

 「八本脚の蝶」を読みながら、他者が構築した架空世界に遊ぶときのどきどきした感じ、わくわくした感じ、ひりひりした感じ、そういったものを思い出し、わたしはきっとそこに惑溺してしまうから意識的に遠い場所に置いていたのだろうと思った。

 二階堂奥歯生活しながらも虚構現実を往還していたのだろうと考えると、そのために使われた膨大なエネルギー超人的なものだったと想像してしまう。

  

 二階堂奥歯のおかげで久しぶりにちゃん小説を読もうという気になったのだけれど、やはりわたしは本の中に沈潜してしまって、なかなか仕事が手につかない。

 これから実務的な文書をいくつか作らなくてはいけないのに。

 だから自分を鎮めるために、ここに書いた。

  

 「八本脚の蝶」は東大寺大仏殿にある意匠(飾り)のことらしいのだが、そういえば三年ほど前に東大寺を訪れたとき、そのことを確認するのをすっかり忘れていた。

 今度行くときは八本脚の蝶をちゃんと見つけよう。

2021-08-06

anond:20210806222139

高山羽根子の『五輪丼』みたいなことを言うな

入院していた主人公東京五輪が本当に開かれていたかからなくなる短編小説

増田境遇で読むのは楽しいかもしれん

河出文庫から出ているNOVA2021年夏号に載っている

2021-05-20

教皇イノセント」、皇帝フレデリック」、老水「天」行

 『ユダヤ人歴史』(河出文庫)という本がある。文庫サイズで千円ちょっと古代から現代に至るユダヤ人歴史概要を、中東欧州西欧東欧北米地域に分けて学べる、比較コストパフォーマンスが高い本である

 元々、原著ユダヤ教思想的な部分(これらの神学論争神秘主義思想は、初心者である一般人には分かりにくく混乱する元でしかない)をほとんど省略して書かれていることから一般人にとっては取っ付き易く、ユダヤ人歴史を学ぶための入門書としてお勧めしたい……ところなのであるが、一つ我慢ならない欠点がある。

 この本の中では「イノセント」や「フレデリック」という人名普通に出てくるが、なんとこれらは「教皇インノケンティウス」や「皇帝フリードリヒ」のことを指すのである高校生時代世界史赤点スレスレだった私でも気づくような、凡ミスである。何故、こんな事になったのか。

 原著者は、レイモンド P. シェインドリンというアメリカ人から、当然、原著人名英語で書かれている。おそらく、下訳の段階で翻訳者は、それらの人名を取り敢えず英語読みからカタカナ表記にして日本語翻訳原稿を書き、その後、日本国内歴史書籍一般的通用している表記に直す作業を怠ったのだろうと思われる。「怠った」と判断する理由は、英語読みで人名統一されているわけでもないかである

 翻訳者もひどいと思うが、編集者は何も思わなかったのだろうか?最初日本語翻訳版が出てからそこそこ年月も経過し、河出文庫から再刊されてからも年月が経過して何度か増刷もされているのに、ずっと「イノセント」と「フレデリック」のままである翻訳文学作品も多数出している、河出文庫にあるまじき凡ミスだ。

 翻訳文学を多数出しているといえば、つい最近、手元に有る創元推理文庫版『フランケンシュタイン』を読み返したら、最初ウォルトンが書いた手紙パート言及される、英国詩人コウルリッジの有名な詩「老水夫行」に関する注釈が「老水『天』行」と誤植されているのにも気づいた。

 こんな感じで、素人一般人でも気づくような凡ミスが、訂正されることもなく、増刷された書籍として世の中に出回り続けている例は意外と多いのだろう。

2021-01-26

今更だけど2020年に読んだ本

1月(15冊)

池澤夏樹個人編集 世界文学全集II-11所収 ピンチョンヴァインランド

前野ウルド太郎バッタを倒しにアフリカへ」

ドナルド・キーン「百代の過客 日記に見る日本人」★★★

岡地稔「あだ名で読む中世史 ヨーロッパ王侯貴族の名づけと家門意識をさかのぼる」☆

ドナルド・キーン「百代の過客〈続〉 日記に見る日本人」★★

町田康くっすん大黒」☆

西村淳「面白南極料理人

町田康夫婦茶碗

西村淳「面白南極料理人 笑う食卓

青山潤「アフリカにょろり旅」

石川啄木ローマ字日記

今尾恵介「ふしぎ地名巡り」★

奥野克巳「ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らし人類学者が考えたこと」

ピーター・ゴドフリースミスタコの心身問題 頭足類から考える意識起源

西村淳 「面白南極料理人 名人誕生

現代語訳対照枕草子(上)」田中太郎訳注

2月10冊)

現代語訳対照枕草子(下)」田中太郎訳注

タミム・アンサーリーイスラームから見た「世界史」』★★★

ミカエル・ニエミ「世界の果てのビートルズ

アミン・マアルーフ「アラブが見た十字軍」★

池澤夏樹マシアス・ギリの失脚

テッド・チャン「息吹」★★

田尻祐一郎「江戸思想史 人物方法・連環」

ピエールバイヤール「読んでいない本について堂々と語る方法」☆

子安宣邦江戸思想史講義」☆

イリヤ・ズバルスキーサミュエルハッチンソン「レーニンミイラにした男」☆

3月12冊)

「1491―先コロンブスアメリカ大陸をめぐる新発見」★★

マイクル・フリン「異星人の郷」上巻。

マイクル・フリン「異星人の郷」下巻。

ボッカッチョデカメロン 上」(河出文庫

ヤスミナ・カドラ「昼が夜に負うもの」。★

チャールズ・C・マン『1493――世界を変えた大陸間の「交換」』★★★

ボッカッチョデカメロン 中」(河出文庫

ジョン・サザーランドヒースクリフ殺人犯か? 19世紀小説の34の謎」

甘耀明「神秘列車

ボッカッチョデカメロン 下」(河出文庫

東京創元社編集部「宙を数える」

4月12冊)

東京創元社編集部「時を歩く」

東京創元社編集部「年間日本SF傑作選 おうむの夢と操り人形

葉月十夏「天象の檻

春暮康一「オーラメイカー」★★

高丘哲次「約束の果て―黒と紫の国―」

堀晃ほか「Genesis万年の午後 創元日SFアンソロジー

江戸川乱歩作品集I 人でなしの恋・孤島の鬼 他」

水見稜ほか「Genesis 白昼夢通信 (創元日SFアンソロジー 2) 」

江戸川乱歩作品集II 陰獣・黒蜥蜴 他」

今野真二「振仮名歴史」★★★

村上春樹ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集」★

サリンジャー「このサンドイッチマヨネーズ忘れてる ハプワース16、1924年」。

5月(13冊)

江戸川乱歩作品集III パノラマ奇談・偉大なる夢 他」

林俊雄「興亡の世界スキタイ匈奴 遊牧文明」★★★

清水勲「ビゴーが見た明治職業事情

原聖「興亡の世界ケルトの水脈」★★

夢野久作「瓶詰の地獄

大森望責任編集NOVA 2019年秋号」

パク・ミンギュ「短篇ダブル サイドA」☆

パク・ミンギュ「短篇ダブル サイドB」

チョン・ソヨン「となりのヨンヒさん」

森谷公俊「興亡の世界史 アレクサンドロス征服神話」★

三方行成「トランスヒューマン ガンマ線バースト童話集」

三方行成「流れよ我が涙、と孔明は言った」

高山羽根子オブジェクタム」

6月12冊)

宮内悠介「スペース金融道」。

草野原々「最後にして最初アイドル

石川宗生「半分世界」★

「ガラン版千一夜物語 1」★★★

「ガラン版千一夜物語 2」

「ガラン版千一夜物語 3」

「ガラン版千一夜物語 4」

「ガラン版千一夜物語 5」

「ガラン版千一夜物語 6」

オースン・スコット・カード無伴奏ソナタ

ジョン・サザーランドジェイン・エア幸せになれるか?―名作小説さらなる謎」★★

イアン・マクドナルド火星夜想曲

7月12冊)

ジョン・サザーランド現代小説38の謎 『ユリシーズからロリータ』まで」

J・P・ホーガン未来からのホットライン

ロバート・アーウィン「必携アラビアン・ナイト 物語迷宮へ」★

クリストファー・プリースト奇術師

ルーシャス・シェパード「竜のグリオールに絵を描いた男」

ウィルワイルズ時間のないホテル

ヴァージニア・ウルフ「ダロウェイ夫人」(光文社)★★★

栗田伸子・佐藤育子「通商国家カルタゴ」★★

アーヴィングアルハンブラ物語」上巻☆

アーヴィングアルハンブラ物語」下巻

J・P・ホーガン創世記機械

J・P・ホーガン未来の二つの顔」

8月10冊)

ジュリアン・バーンズフロベールの鸚鵡」

松谷健二カルタゴ興亡史 ある国家の一生」★★★

イアン・マクドナルド黎明の王 白昼の女王

松谷健二「東ゴート興亡史 東西ローマのはざまにて」★★

ピーター・S・ビーグル「完全版 最後ユニコーン

松谷健二ヴァンダル興亡史 地中海制覇の夢」★

オルガ・トカルチュク「逃亡派」☆

ユヴァル・ノアハラリ「ホモデウス テクノロジーサピエンス未来」上巻☆

ユヴァル・ノアハラリ「ホモデウス テクノロジーサピエンス未来」下巻

シュティフター晩夏」上巻

9月(14冊)

シュティフター晩夏」下巻

岡嶋裕史「5G 大容量・低遅延・多接続のしくみ」

住吉雅美「あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン」★★★

西田龍雄アジア古代文字の解読」☆

山内進『北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大』★★

マリオバルガス・ジョサ(リョサ)「嘘からたまこと」

吉岡乾「現地嫌いなフィールド言語学者かく語りき。」

原田実偽書が揺るがせた日本史」☆

ルーシャス・シェパード「タボリンの鱗 竜のグリオールシリーズ短篇集」

オルガ・トカルチュク「昼の家、夜の家」

森安孝夫「興亡の世界シルクロード唐帝国」★

後藤明「南島神話」☆

A・レシーノス原訳「マヤ神話 ポポル・ヴフ」

杉勇、屋形禎亮「エジプト神話修集成」。

10月(15冊)

八杉佳穂「マヤ文字を解く」★

トンマーゾ・ランドルフィカフカ父親

加藤文元「宇宙宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃」★★

スティーヴン・ミルハウザー「三つの小さな王国

エイミー・B・グリーンフィールド完璧な赤 「欲望の色」をめぐる帝国密偵大航海物語

リン・ディン「血液石鹸

ヴァールミーキ著、中村了昭訳「新訳 ラーマーヤナ1」

ザカリーヤー・ターミル「酸っぱいブドウ はりねずみ

ヴァールミーキ著、中村了昭訳「新訳 ラーマーヤナ2」

ダニヤール・ムイーヌッディーン「遠い部屋、遠い奇跡

ヴァールミーキ著、中村了昭訳「新訳 ラーマーヤナ3」

プラープダー・ユンパンダ」☆

ヴァールミーキ「新訳 ラーマーヤナ4」

チュット・カイ「追憶カンボジア

馬場隆弘「椿井文書 ――日本最大級の偽文書」★★★

11月(12冊)

ヴァールミーキ「新訳 ラーマーヤナ5」

タクブンジャ「ハバ犬を育てる話」☆

井伏鱒二山椒魚」(新潮文庫)★★

志賀直哉清兵衛と瓢箪網走まで」(新潮文庫)★★★

ヴァールミーキ「新訳 ラーマーヤナ6」

ホアン・ミン・トゥオン「神々の時代」★

カズオ・イシグロ充たされざる者

池上英洋・川口清香美少年美術史: 禁じられた欲望歴史

ヴァールミーキ「新訳 ラーマーヤナ7」

プラープダー・ユン地球で最後のふたり」☆

ソーヴァデーヴァ「屍鬼二十五話―インド伝奇集」☆

プラープダー・ユン「鏡の中を数える」

12月(12冊)

グレアム・グリーン第三の男

ローデンバック「死都ブリュージュ

ショレム・アレイヘム「牛乳屋テヴィエ」

池上英洋・荒井咲紀「美少女美術史 人々を惑わせる究極の美」

ヤスミナ・カドラ「カブールの燕たち」☆

ホセ・ドノソ「夜のみだらな鳥」

カズオ・イシグロわたしたちが孤児だったころ」★★

ロレンススターン紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」上巻

ロレンススターン紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」中巻

ロレンススターン紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」下巻

ハン・ガン菜食主義者」★★★

マリオバルガスリョサ「継母礼賛」★

漫画(22冊)

入江亜季「北北西に曇と往け」(一)~(四)

浅野いにお短編集 ばけものれっちゃんきのこたけのこ

八木ナガハル物質たちの夢」

詩野うら「有害無罪玩具」★★

詩野うら「偽史山人伝」

道満晴明ニッケルデオン」【赤】【緑】【青】

中村明日美子「Aの劇場 新装版」★★★

panpanyaおむすびの転がる町」

中村明日美子「Bの劇場 新装版」

石黒正数「Present for me」

水上悟司「放浪世界

須藤佑実ミッドナイトブルー」☆

澤江ポンプ「近所の最果て」

道満晴明メランコリア上下巻★

カシワイ「光と窓」

ヨシジマシウ「毒百合乙女童話

総評

月ごとに一番面白かった本を3冊選び、★をつけた。ただし、どうしても入れたかったものは☆をつけた。月ごとの順位なので、たとえばパク・ミンギュにはもっと星をつけたいのだがそれが反映されていない。

数えてみたが、2020年に読んだのは活字149冊、漫画22冊だった。毎月12から13冊読んでいると思っていたので、単純計算で150冊を超えると思ったが、ぎりぎり足りなかった。とはいえ、毎月10冊という目標は達成している。

1年を通して見ると、ノンフィクションばかり読む時期や、SFばかり読む時期などが明確に交代していることがわかる。特に4月から6月SFファンタジーほとんどだったが、8月以降SFを全くと言っていいほど読んでいないし、逆に11月、12月は1冊をのぞいてノンフィクションがない。

また、芥川賞をはじめとした日本現代文学ほとんど手に取っていない。ベストセラーエンタメホラーもない。逆に、韓国タイペルーチリなど、日米欧以外の海外文学割合が高い。

意識してきたわけではないが、自分の好むジャンル科学歴史ノンフィクション神話、行ったことのないラテンアメリカアジア文学メタフィクション的であったり奇妙な味がしたりする短篇集、古典であるようだ。一方で、女性作家割合は低く、特に日本現代女性作家ほとんど手に取ってない。一時期は多和田葉子だとか江國香織とかをよく読んでいたので女性作家が嫌いなわけではなく、ヴァージニア・ウルフも好きだし、ハン・ガン自分の中では大当たりだったので、もう少し割合を増やしてもいいかもしれない(追記。身につまされる話よりも読んでいて気持ちのいい本を読む率も増えた)。

割合の話でいえば、大学時代はもう少し文豪作品を多く読んでいたように記憶している。それと、いくつから例外を除き、世間の動きや話題とは遊離したチョイスばかりである。世の中から目を背けているわけではないが、日々の雑事とはまた違う視点に立てたのはありがたかった。新型コロナウイルス関連の記事ばかり読んでいては気がめいってしまう。

今年は少し冊数が少なくなるかもしれないが、引き続き毎日の気晴らしとして、気が向いたものを好きなように読んでいきたい。

以上。

2020-09-08

競泳水着全裸水泳海女さんのふんどし

私事

他人迷惑をかけるつもりなどさらさらないが、全裸になるのが好きなので、オーシャンビューとか山の中の露天風呂とかが大好きだ。その好きが高じて、オーストリア混浴サウナにまで行ったことがある。そこには25メートルほどのプールがあり、遠慮なく裸で泳ぐことができて大変気持ちがよかった。サウナと往復しながらだとそれこそ整うわけだが、こういう場所日本にないのは残念だ。何も混浴しろとは言わないので、素っ裸で泳げる広いプールはないだろうか。

さて、昨日(anond:20200907075225)の続き、競泳水着についてである

本題、水泳水着歴史

以下の歴史は、wikipedia英語版の「History of Swimming」や「History of Swimwear」の拾い読みによる。

有史以前から人間は泳いできたが、大抵の場合全裸であった。ローマ時代にはビキニのようなものを身にまとった女性壁画が残されているが(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/27/PiazzaArmerina-Mosaik-Bikini.jpg)、これが水泳に用いられたという証拠はない(この古代ローマビキニには漫画テルマエ・ロマエから言及があった)。つまり絵画の水浴図で誰もが全裸なのは西洋画家猥褻妄想ではない。

水着歴史は、海水浴と入浴着との歴史が密接に絡み合っている。17世紀の終わりから欧州では公衆浴場女性ガウンのものを身に着けるようになったが、男性が裸で泳ぐことはしばらくは当然のことであった(河出文庫シャーロック・ホームズライオンのたてがみ」の注釈には、このシーンで登場人物全裸で泳いだと思われる、とある。また、E. M. フォースターのどの作品だったか忘れたが、全裸で泳いでいる男性悲鳴を上げる女性が出てくるシーンがある。「眺めのいい部屋」だったっけ? また、時代をさかのぼれば「デカメロン」で女性陣が男性陣の目を盗んで裸で泳ぐ場面がある)。

ところが1860年代にイングランドでは男性でも裸で泳ぐことが禁じられた。しかし、身体を見せることを極端に禁じたヴィクトリア朝反動だろうか、それ以来、全身を覆う水着から現代ビキニへと、肌を見せる方向に回帰しているし、ビーチによってはトップレスが許容されている(親が持っていた海外観光案内に、トップレス女性写真があって、面食らった覚えがある)。いまでも、ヌーディズムが盛んなドイツオーストリアなどの中欧では、裸で泳げる場所は少なくない。結局のところ、素っ裸が気持ちいのではないだろうか。

また、一部のスポーツ施設では、男性全裸で泳ぐことを学ぶことは珍しいものではなかった。昔のYMCAがそうだったらしい。また、驚いたことに、wikipediaの「naked swimming」の項目には、1900年頃に男の子が裸、女の子が着衣で泳いでいる写真がある。こういう日本CFNMエロ同人みたいな状況が現実のものだったとは、驚きであるリンクを直接貼るのはなんかまずそうなので割愛)。

なお、女性水泳の普及が遅れたのは、恥じらいとは別に生理時の衛生管理問題もあったそうである

ところで、意外なのが川や湖ではなく、海で泳ぐ習慣は比較最近のもので、17世紀ごろからのものだそうだ。海洋国家イギリスの娯楽としての海水浴歴史は、意外に浅いのだ。また、人が速く泳ぐようになった時期というのも驚くほど遅い。たとえば、1870年代にアマチュアによる世界記録が打ち立てられたのだが、1878年自由形100ヤードは、なんと76.45秒であった。ちなみに、マシュー・ウェッブ大尉イギリス海峡を泳いで横断したのもおおよそこのころだ(1875年)。古式泳法もそうだろうが、おそらく速く泳ぐことよりも、長く泳ぐことや、戦場での実用性が重んじられていたのだろう。

この時期はVictorian Sports Maniaと呼ばれる時期で、水泳は数十年にわたって英国世界リードする国家運動となったそうである。このあたりはジョン・サザーランド英文学史の本にも載っている。

競泳水着歴史

海水浴で使う水着とはまた別の歴史をたどったのが競泳水着である

https://www.glamour.com/story/the-evolution-of-olympic-swimwear

上記記事によれば、女性オリンピックで泳ぐことを許されるようになったのは1912年ストックホルムでのこと。競泳水着歴史は、ここから語られるべきだろう。

初めの競泳水着は絹でできていたそうだ。また、太もも露出は少しずつ増えて行ったが、1928年頃まではあまり下着らしく見えないように、下半身が少し膨らんでスカート状になっていたそうである

ナイロン製になったのは1964年で、1976年頃に少しずつハイレグっぽくなりはじめる。

1984年になると、どういうわけか突如かなりのハイレグになる。男性水着の面積が極小となったのもおおよそこの頃だし、日本でも時期的にハイレグ水着流行したバブルと被る。クレヨンしんちゃんハイグレ、懐かしい。で、話題を戻すと、以前の記事に書いたような女性スポーツウエアのハイレグ化の時期(60年代)とは、若干ずれていることがわかる。しかし、肌を見せることによるスピードアップには限界が見られた。

そんななか、2000年代に一気に普及したのがスピードボディスーツだ。今はこれが主流だ。簡単に言えば、水の抵抗を減らすために、大きな渦を減らし、小さな渦を作るそうだが、層流とか乱流とかその辺のややこしい話になりそうなので、省く。

女性ふんどし……?

つげ義春の「コマツ岬の生活」にはふんどし姿の海女さんが出てくる。これは能登地方のサイジと呼ばれるふんどし一種らしく、この地域では1960年代前半までこの姿であった(これも写真があるが、今までのスポーツウエアと違って乳房露出があるのでリンクは控える)。エッチマンガの読みすぎか、日活ロマンポルノの影響か、なんとなく海女さんといえば、ふんどしというイメージがある。「海女(あま)のいる風景」という写真集の表紙もそうだ。しかし、浮世絵を見てみるとほとんどが腰巻である。私も、太田記念美術館で見たことがある。

https://www.ijikasou.com/monthly/2016/06/

https://www.pinterest.jp/pin/309481805630462018/

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9d/Yoshitoshi-Ariwara_no_Yukihira.jpg

これは恐らく、磯ナカネと呼ばれる別種の木綿の布である江戸時代のこと、おそらく江戸湾近辺では海女さんはふんどしではなく、この格好だったのだろうと推察される。

昭和時代、中にはレオタードをまとって漁をする人々もいたという。というか、今でもいるそうだ。レオタードの中に海産物しまうことで、取りすぎることを防ぐそうである

http://www.chie-project.jp/001/no15.html

たぶん、女性ふんどし使用は、生理用品としてのみに限られたのではあるまいか団鬼六作品をはじめとしたイメージから来ているかもしれないが、SM不勉強もので詳しくない。そのうち調べるかもしれない。

結論

今後の展望

考えてみれば、自分ふんどしについてそこまで詳しいわけではなかった。女性用の下着としてふんどしがどれほど用いられてきたか、あるいはそもそもふんどしとはどのような下着であったのか、その歴史についていずれ調べてみたい。

今回はここまで。疲れたので、ビーチバレーなどの詳細はまた今度。

2020-07-23

全書・叢書・大系・文庫の類を適当

珍名文庫冨山房

冨山房漢文大系」

国民叢書(民友社)

立川文庫立川文明堂

岩波文庫岩波書店

岩波現代文庫岩波書店

岩波書店日本思想大系」

岩波書店日本近代思想大系」

岩波書店シリーズ世界周航記」

岩波書店日本古典文学大系」

岩波書店新日本古典文学大系

岩波書店新日本古典文学大系 明治編」

講談社文庫講談社

講談社学術文庫講談社

講談社ブルーバックス講談社

講談社文芸文庫講談社

講談社「興亡の世界史」

ちくま文庫筑摩書房

ちくま学芸文庫筑摩書房

筑摩書房近代日本思想大系」

筑摩書房現代日本思想大系

筑摩書房明治文学全集

筑摩書房世界古典文学全集

中公文庫中央公論新社

中公クラシックス(中央公論新社

中央公論社世界の名著」

中央公論社日本の名著」

平凡社ライブラリー

平凡社東洋文庫

平凡社世界教養全集

平凡社中世思想原典集成」

平凡社中国古典文学大系」

角川ソフィア文庫

光文社古典新訳文庫

河出文庫

戦史叢書防衛研究所朝雲新聞社)

ミネルヴァ日本評伝選

吉川弘文館歴史文化ライブラリー

国書刊行会叢書

大日本史

日本古代法典

古典文庫吉田幸一

国史大系経済雑誌社、吉川弘文館

日本評論社「明治文化全集」(明治文化研究会)

集英社「全釈漢文大系」

明治書院「新釈漢文大系」

明治文化資料叢書明治文化資料叢書刊行会、風間書房

明治大正農政経済名著集(農文協

昭和前期農政経済名著集(農文協

河出書房新社世界の大思想

春秋社世界思想全集

明徳出版社陽明学大系」

明徳出版社朱子学大系」

日本評論社「学生叢書」(河合栄治郎

こぶし書房こぶし文庫 戦後日本思想の原点」

有朋堂「漢文叢書

早稲田大学出版部漢籍國字解全書」

国民文庫刊行会「国訳漢文大成

国民文庫刊行会「続国訳漢文大成

2018-05-04

歌詞に出てくるサボテンの種類を特定していく(追記3あり)

■『サボテンポルノグラフィティ

手がかりは「やわらかいトゲ」「今ごろ…痛い」であり、ウチワサボテン一種推定される。「金烏帽子」「白桃扇」などだろうか。ウチワサボテンには柔らかく短いトゲがたくさん付いているものがあり、触れるとそれが刺さりっぱなしになってしまい、ふとした時に痛みを感じる。

私はそれを知らずに素手で植え替えをしてしまい、夜中チクチクと痛みに悩まされることとなった。ホームセンターなどで広く販売されているので、触れる際には気をつけるべきだ。不意に軽く触ってしまっただけでもトゲが刺さっている場合がある。

 

■『サボテンの花』チューリップ

手がかりは「君がそだてたサボテンは小さな花をつくった 春はもうすぐそこまで」「この長い冬が終わるまでに」と冬に花を咲かせる品種であるのが明示されていること。と言うわけで、シャコバサボテン(ジャコバサボテン。間違えていた。コメントより。ありがとう。以降は修正済み)であるサボテンと名は付いているけれどトゲはなきに等しく、多肉植物観葉植物と言ったほうがピンとくるかもしれない。広く販売されている。冬に花を咲かせるサボテンはこれ以外に知らない。

冬に花を咲かせる多肉植物としてはリトープスコノフィツムなどのメセン類があるが、これをサボテンと誤認していたとは考え難いので、やはりシャコバサボテンが正解だろう。

(追記)冬に咲くサボテンとして「マミラリア類」があるとブコメで指摘頂いた。ありがとう。確かにこちらの方がイメージに近い。

 

■『サボテンSHISHAMO

手がかりが「サボテンに花が咲いたとか 小さな幸せ 数えるんだ」という部分しかなく、判別不能。「小さな幸せであることから、花が咲きにくい品種でないことはわかる。花が咲きにくい品種だったら大きな幸せからだ。

 

■『覇王樹湘南乃風

「灼熱の太陽と 風が乾ききった砂漠の ど真ん中で叫ぶサボテン トゲを持ち夢の花を守れ」という部分から推察するに、砂漠にそびえ立つ大型の柱サボテンであると推測される。

手元ある『サボテン多肉植物ポケット事典』(NHK出版)によれば、該当しそうな品種としては「武倫柱」「大鳳竜」「亀甲柱」「ネオブクスバウミア・マクロケファラ」などがある。ちなみにタイトルの「覇王樹」は品種名ではなく、サボテン自体の別名。

 

■『サボテンBAKU

「僕はサボテン 見かけよりはすごくやさしいよ」という部分しか手がかりがなく、特定困難。「見かけよりは」と言っているということは、「金鯱」のようなトゲの激しい品種である推定される。

 

■『歩くサボテン奥田民生

「トゲトゲが伸びてつらくなってきて」とあることから、トゲの長い品種であろう。そして「歩く」とタイトルにあって擬人化されているということは、縦に長い柱サボテンであることが推測される。前掲書によればそれに該当しそうなのは「近衛」「錦鶏竜」「金城丸」あたりだろうか。

 

■『サボテンリボンももいろクローバーZ

歌詞に「トゲ」とあるので、トゲのないサボテンではない(つまり「兜」「ランポー」「老楽」などではない)ことはわかるけど、それ以上は手がかりが少なくてわからない。

 

■『レッツゴー!サボテン』サボ

歌詞に「砂漠」「トゲ」とあるので、砂漠に自生するサボテンであり(つまり「シャコバサボテン」ではない)、トゲのないサボテンではない(上のももクロの曲参照)というところまでしかからない。

(追記)サボさんを見た。全体的な形状とトゲの長さ・少なさから判断するに、これは「墨こけし」で間違いない(https://greensnap.jp/post/311512)。特定した。

(追々記)墨こけしは3年くらい育てているけど花は見たことないなぁ。

 

■『サボテン伊藤かな恵

歌詞中の「あなた」が何らかのサボテンプレゼントしてくれた以上のことはわからない。(追記)たまに園芸店でハート型のサボテンが売られているが、それかもしれない。

 

■『サボテンきもち初音ミク歌詞:残鏡P)

「さむいのはにがてなんです」と歌い出しにあるが、サボテンは意外と寒さに強い。私は北関東に住んでいるが、育てているサボテンは冬でも外に出しっぱなしにしてある。但し、寒さに弱い品種があるのも確かである。幾つかは冬に枯らしてしまった。従って、ここで歌われているサボテンは寒さに弱いタイプの種類であると推測される。おそらくたくさんあるので特定は困難を極める。

 

■『サボテン』VIXX

「棘の先に華やかに咲く花」と歌詞にあることからサボテンではなく多肉植物ユーフォルビアの一種であると推測される。具体的には「紅彩閣」あたりだろうか。

トゲのようなものを持つ多肉植物が幾つか存在するが、サボテンとの見分け方は「トゲの根元に綿みたいなものが付いているのがサボテン」と言われている。ユーフォルビアの「紅彩閣」にはトゲみたいなものはあるものの、綿みたいなものはないか多肉植物である

で、その「トゲみたいなもの」は実はトゲではなくて「花座」と呼ばれるもので、季節になるとその先端に黄色い花を咲かせる。一方、サボテンのトゲは葉っぱが変化してできたものであり、棘の先に花を咲かせることは私の知る限りない。サボテン本体から蕾が出てきて花が咲く。

 

―追記―

■『youthful daysMr.Children

サボテンが赤い花を付けた」ことから赤い花を咲かせる品種であることはわかるものの、赤い花を咲かせるサボテン結構たくさんあるので特定は困難を極める。今日、育てている「ランポー」が鮮やかな黄色い花を咲かせたので、ランポーではない。

 

■『サボテンバントライン筋肉少女帯

歌詞中の手がかりが少なくて判別できない。「緑」というキーワードがあるので「(白い)ランポー」「老楽」「月世界」あたりではないと思う。

(追記)PV見た。ぷっくりとした美しい形だった。知る限りあの形に一番近いのはユーフォルビアの「大正キリン」かと思うが、断定はできない。

 

■『孤独のRunaway』B'z

サボテンが街を笑い」とあるので街を笑うことのできるサボテンであることは確かだが、街を笑うことのできるサボテン寡聞なので誠に遺憾だが判別できない。

 

台詞サボテンが花をつけている」機動戦士Zガンダム

まりにも唐突台詞であり、リアリズムと言うよりはメタファーであると思われ、品種特定するための手がかりが少なすぎるので特定には困難を極める。(追記)画像を見るにこれ(https://www.iris-gardening.com/leaf/33_01.asp)に似ている。ただ、名前がわからない。わかったら書く。わかる人いたら教えてください。

 

―追記2―

■『サボテンがにくい』山田邦子

「変な形してるのに 可愛い花咲く」が手がかりとなると思われるが、サボテンは厳しい環境を生き抜くために殆どが変な形にデザインされているし、変な形から比べると殆ど可愛い花を咲かせるので一般的情報を越えない。

また「力一杯 握ってごらんよ」の部分からトゲがそんなに鋭利ではない種類であると推測される。鋭利ものだったら「力一杯」握ったらスプラッターと化すからである。これ以上のことはわからないものの、敢えてあげれば「金烏帽子」などのウチワサボテンあたりが妥当かと思われる。

 

■『仙人掌哀歌(サボテンエレジー)』二階堂衝(CV:織田優成

ヒントが少なくて品種特定は困難である。「仙人掌」とはサボテン異名

ちなみに、歌詞中に「仙人掌はただ見つめてた 君の勇姿とあふれる夢を」とあるが『植物はそこまで知っている』(ダニエル・チャモヴィッツ河出文庫)によれば「植物は、あなたが近づいてくるのを知っている。あなたそばに立って、見下ろしているのを知っている。青いシャツを着ているか、赤いシャツを着ているかも知っている」とある。つまり単なる擬人化ではなく「仙人掌」は少なくとも「君の勇姿」はきちんと見ていた(モニタリングしていた)と考えられる。

 

■『EVESerani Poji

「ここにサボテンを植えよう 花が千年に一度咲く」とあるけれど、千年に一度花を咲かせるサボテン寡聞であるサボテンではないが、たまにニュースで見かける「スマトラオオコンニャク」は「7年に一度2日間」しか花を咲かせないらしい。

また、これもサボテンではないが、砂漠で千年以上も生き続ける植物としては「奇想天外」がある。2つの葉っぱが延々と伸び続けるだけという奇特植物で、成長は遅く、「種子が発芽してから種子をつけるまでに、25年ほどもかかる」との情報がある。これをサボテンと誤認した可能性がなくはない。

 

■『サンタマリア米津玄師

歌詞に「紺碧仙人掌」と出てくる。「サンタマリア」とはポルトガル語で「聖母マリア」のこと。「紺碧」とは「やや黒みがかった青」とのこと。

「やや黒みがかった青」っぽい色のサボテンには例えば「豹頭」などがある。また、サボテンではないが多肉植物として黒っぽいものには「黒法師」がある。いずれにしても特定は難しそうだ。

 

―追記3―

■『サボテン蜃気楼初音ミク(若干P)

「棘」「砂漠」というキーワードがあることから、上に挙げたようにトゲのない品種ではなく、「シャコバサボテン(湿度が高めの森林地帯に自生する)」でもないことはわかる。自己防衛メタファーとして「棘」と表現されているらしいので「金鯱」のような棘の鋭いものイメージして書かれていると想像される。「金鯱」は丸く成長するので(つまりサボテンではない)、歌詞中に描かれる主人公が落胆してうずくまっているような様子とも合致するし、かなり大きく成長するので擬人化も容易そうだ。

 

■『RescueThe Pillows

「荒んだサボテン世界を敵に回すほど トゲを伸ばしたんだ 喉が渇いてSOS」なので、砂漠に生えてトゲの長い種類であることはわかる。柱サボテンであれば『歩くサボテン』(奥田民生)のところで挙げた「近衛」「錦鶏竜」「金城丸」あたり、丸いサボテンなら「金鯱」あたりがイメージに近そう。「金鯱」の汎用性の高さ。

 

■『沙模典ボリボリのタンゴあがた森魚

歌詞が見当たらないので全く見当がつかないが、汎用性の高さからすると「金鯱」あたりが妥当かと思われる。

 

■『サボテンレコードフジファブリック

クライマックスで「サボテン持って」といきなりサボテンが登場する。サボテンを持ってどこかに出かけるつもりのようだから携帯に容易な品種であることは確実で、間違っても直径30cmの「金鯱」でないことはわかる。

 

■『赤い河の谷間』小林幹治(作詞

サボテンの花さいてる 砂と岩の西部」とあり、曲はアメリカフォークソングであるようなので、アリゾナ州あたりに自生する何らかのサボテンであると思う。

2018-03-29

蔦屋書店書店を名乗るなら、せめて在庫本は売って欲しい。

どうしても今日中に欲しい文庫本があり、片っ端から在庫検索すると近隣では唯一蔦屋書店にだけ在庫があった。

蔦屋書店に好ましい印象がなかったので、気は進まないもの在庫があるならと買いに行った。

  

蔦屋書店図書コードではなく、独自の分類を採用していることは知っていたので、店内を歩き回りなんとなくこの辺だろうとアメリカ文学のコーナーを探すも、見つからない。

仕方ないので検索機で書籍名を入れると、「アート」なるコーナーにあるらしい。

  

アートコーナーは、インバウンド需要意識しているのか、日本の伝統文化現代カルチャーに関する本がやけに高い棚めいっぱい使って陳列されている。

お目当ての本はゴリゴリアメリカ文学なのででかい棚のどこにあるのか見当もつかない。

  

レジに行き、店員に聞くと、探しに行ってくれた。

数分後、手ぶらで戻ってきた店員はやけに嬉しそうに、「すごいところにあるので取れないんですよ」と一言

よく分からないので詳しく理由を聞こうとするが、その本を取り出すことができないので売れないという以上の理由が出てこない。

  

本でオブジェでも組んでるのか、高い棚の一番上の位置にあるのだろうか。

おしゃれに本を陳列するのもほどほどにしてほしい、書店を名乗る以上、在庫ありの本は売ってくれよと思った。

  

ちなみに、近くに教文館があることを思い出し、寄ってみると、河出文庫のコーナーにあった。買えた。

普通書店最高。

2018-03-24

anond:20180324012130

少なくとも今の天皇皇太子トランプルペンのように「イスラム教徒皆殺し」みたいなこと絶対言わないだろ、つか言えない。

戦後70年かけてやっとこさ築いてきた平和主義者って国際的イメージ簡単に壊せんだろ。昭和天皇もそういう中庸キャラ一生懸命演じてきた。

少なくとも戦後日本では「陛下排外主義をお望みではないぞ」「陛下平和憲法遵守のご意向であるぞ」と言える。

当然、排外的好戦的天皇だったら俺も反天皇主義者になってるってw

昭和天皇は「憲法を守るということについては、戦前戦後も同じであります」(河出文庫昭和天皇かく語りき』379p)て言うてたんやで。当人主観では、戦前立憲君主のつもりだった。大正時代にも当時のリベラル派による「護憲運動」てのがあって、帝国憲法を定めた天皇議会政治守護者と見なされてた。

天皇タカ派だけでなく、リベラル派にも最大級の利用価値があるんだよ。

君主制極右共和制ちゃうねん。

戦前イタリア王政だけど国王別にファシスト党があって、最後国王(と教皇)がムッソリーニを解任できる解決策になった。ま、その国王ヴィットリオエマヌエーレ3世もその後は国民投票廃位されたんだけどw

2017-10-05

アニメ化してほしい小説

大体アニメ化されるのは漫画ラノベで、小説はあまりない。

パッと思いつくのは

時をかける少女

ブレイブストーリー

四畳半神話体系、

有頂天家族

夜は短し歩けよ乙女

GOSICK

屍鬼

舟を編む

シャングリラ

獣の奏者エリン

ATE、

グインサーガ

精霊の守り人etc....

って結構あったわ!


えーとぉ、個人的アニメ化してほしい小説わ、

・大きな鳥にさらわれないよう

地球の長い午後

我輩は猫である(82年に一度アニメ化されているけど、それは無視☆)

老人と海

幽霊

・墨東綺譚

地球人お荷物

以上!


既に指摘を受けていますが、一般小説ライトノベルかという分類については、

ライトノベルレーベル電撃文庫、GAGAGAとか)から出版されているものライトノベル

一般出版社新潮社河出文庫とか)から出ているもの小説として考えている程度なので、

「その作品小説じゃねーよ!ラノベだよ!」とかその逆もあると思うので、ご了承の程何卒よろしくちゃん(.3.)

2015-12-03

あなたたちはあちら、わたしはこちら 大野紀子

卑怯者の島: 戦後70年特別企画 小林 よしの

自分思考 山口 絵理子

一匹と九十九匹と 2 (ビッグコミックス) うめざわ しゅん

降矢木すぴかと魔の洋館事件 (YA! ENTERTAINMENT) 芦辺 拓

君の膵臓をたべたい 住野 よる

夢幻会社 (創元SF文庫) J.G. バラード

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫) エドガーライス バロー

くますけと一緒に 新井 素子

自我論集 (ちくま学芸文庫) ジークムント フロイト

カール・セーガン 科学悪霊を語る カール セーガン

パラノイアトラブルシューターズ】 Dan Gelber

イリュミナシオンランボオ詩集 (角川文庫) アルチュール ランボオ

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (文芸シリーズ) 米原 万里

可愛いエミリー (新潮文庫) モンゴメリ

NOVA+ バベル: 書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫) 宮部 みゆき

☆☆思考と行動における言語 S.I.ハヤカワ

カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生 渋谷 直角

天国旅行 (新潮文庫) 三浦 しをん

GLASS HEART 「グラスハート」 (バーズノベルス) 若木未生

かもめが翔んだ日 江副 浩正

ドラえもん」への感謝状 楠部 三吉郎

ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF) コンラート ローレンツ

補給戦―何が勝敗を決定するのか (中公文庫BIBLIO) マーチン・ファン クレフェルト

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書) 大栗 博司

世界を変えた17の方程式 イアン・スチュアート

国のない男 カート ヴォネガッ

魔法とSkyTubeで生きていく (角川スニーカー文庫) 高野 小鹿

赤い高粱 (岩波現代文庫) 莫言

あの、素晴らしい をもう一度/再装版 自転車創業

市民のための世界史 桃木 至朗

数学言葉―math stories 新井 紀子

☆生き抜くための数学入門 (よりみちパン!セ) 新井 紀子

猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫) 谷崎 潤一郎

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫) サリンジャー

人間の條件〈上〉 (岩波現代文庫) 五味川 純平

贖罪 イアン マキューアン

キャリー (新潮文庫) スティーヴン キング

ファミリーポートレイト 桜庭 一樹

セカイからもっと近くに (現実から切り離された文学の諸問題) (キーライブラリー) 東 浩紀

国際メディア情報戦 (講談社現代新書) 高木

今日もかるく絶望しています。 落ち込みがちガールの日常コミックエッセイ (メディアファクトリーコミックエッセイ) 伊東素晴

人種主義歴史 ジョージ・M・フレドリクソン

アナキズム・イン・ザ・UK――壊れた英国パンク保育士奮闘記 (ele-king books) ブレイディみかこ

ヌード愛国 (講談社現代新書) 池川 玲子

「反戦」のメディア史―戦後日本における世論と輿論拮抗 (SEKAISHISO SEMINAR) 福間 良明

日本文字―「無声の思考」の封印を解く (ちくま新書) 石川 九楊

状況に埋め込まれ学習正統的周辺参加 福島 真人

あなたへ社会構成主義ネス・J. ガーゲン

未来を切り拓くための5ステップ: 起業を目指す君たちへ 加藤

女のいない男たち 村上 春樹

混迷社会の子育て問答 いくもん! 中村

☆女は笑顔で殴りあう:マウンティング女子実態 (単行本) 瀧波 ユカリ

☆ニコマコス流恋愛コミュニケーション 大平

☆僕にはまだ 友だちがいない 大人の友だちづくり奮闘記 中川

☆非言語表現威力 パフォーマンス実践講義 (講談社現代新書) 佐藤 綾子

☓友達がいないということ (ちくまプリマー新書) 小谷野

あなたは、なぜ、つながれないのか: ラポールと身体知 高石 宏輔

私たちプロポーズされないのには、101の理由があってだな (一般書) ジェーン・スー

子どもを生きればおとなになれる―「インナーアダルト」の育て方 クラウディア ブラック

インナーチャイルド―本当のあなたを取り戻す方法 ジョン ブラッドショー

ベストパートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫) ジョン グレイ

RESOLVE 自分を変える最新心理テクニック神経言語プログラミングの新たな展開 リチャード・ボルスタッド

コア・トランスフォーメーション癒し自己変革のための10のステップ コニリー・アンドレアス&タマラ・アンドレアス

発達障害のある子どもができることを伸ばす! 学童編 杉山 登志郎

知的障害自閉症の人たちのための 見てわかるビジネスマナー集 「見てわかるビジネスマナー集」

ペアレントメンター入門講座 発達障害子どももつ親が行なう支援 井上雅彦

不都合な相手と話す技術 ―フィンランド式「対話力」入門 北川 達夫

プロカウンセラーが教えるはじめての傾聴術 古宮 昇

モテる技術 入門編 (SB文庫) デイビッドコープランド

イケてない男たちへ キミでもヤれるナンパの本 (ワニの本) 鍵 英之

モテる技術 実践編 (SB文庫) デイビッドコープランド

LOVE理論 水野敬也

モタク モテるオタクになる恋愛ガイド アルテイシア

30歳のファッションコーディネート ~普段着からイベントまで~ (おとなの教科書) 三葉

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書) 平田 オリザ

あなたあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド 吉田 友子

新版 自分まもるローズマリー ストーンズ

2015-12-01

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2014-10-02

スマフォ漫画未来というお話を読んで。

ジャンプ+に載ってる漫画にド肝をぬかれた

しか

文章において

改行は

核兵器とおなじ破壊力をもつ




と言ったのは私ではない。




というか、そういう意味テキストサイトフォントいじりもベスターラノベもウリポ(マンガの試み、ウバポもある)もみな同様にすばらしいと思うし、ああそういえば倉田タカシ氏の作品にもあった。

倉田タカシ「夕暮にゆうくりなき声満ちて風」(河出文庫「NOVA2」所収)

そこには書き手と読者との壮絶な綱引きがある。読者は読みたいように読み作者はそれをコントロールすることはできないという大原則はわかった上で、それでも書き手は読者になにかしら特別な体験をさせたい、そのためにはなんだってやってやるんだぜ?っていう想いの綱引きだ。

既存インタフェースの上でおもしろいことをやろうという試みや、あるいはあらたインタフェース新たなプラットフォームの上でおもしろいことをやろうという試みはとても好きだ。もちろん、そういう試みが試みに終わってしまって作品としてはつまらないということもあるだろう。そのときは正直につまらなかったと意見をよせ、また次を期待する、と声をかけてやればいいのだと思う。


だってそうだろう?


読者が書き手を育てる


べきだ

からね。

2013-03-18

はてな匿名ダイアリー増田)」の本質と魅力

その答えは今日書店で買ってきたばかり、帰りのバスの中で見終わった

『百頭女』マックス・エルンスト 河出文庫の4章169p-179p、7章253p-261p、8章271p-283p、295p、最終章

にあると感じた

増田に引き寄せられる感覚とこの本が発する感覚激似てる

2011-03-20

http://anond.hatelabo.jp/20110320133158

理屈バカの俺がまったくの初心者がとっつきやすい本を紹介するぞ。

調理に入る前に気分を高める本

フランス料理の学び方―特質歴史 (中公文庫) 辻 静雄

歴史からフランス料理考察している。

現存する料理の原型から考察することで、個々の調理工程化学的な本質が見えてくる。

たとえばシチューカレーの"ルー"とはどういう必要性で、どういう技術革新によって、どういう世界で生まれどう発展したのか、という感じの書き方。

右手包丁左手醤油 (文春文庫PLUS) 小山 裕久

これは文化論的なエッセイ日本人にとって、という視点が強い。

日本料理神髄 (河出文庫)小山 裕久

右手包丁ほとんど読み物だが、これはずいぶんと理屈っぽい。

大使閣下の料理人 (モーニングKC)西村 ミツル, かわすみ ひろし

漫画。とにかく気分が高まるから読んどくといい。

技術

家庭科の実習書あたり。

食品成分表をあわせて読むこと。

応用編

・割合で覚える和の基本 村田 吉弘

今日の料理で連載していた人気コーナーを本にしたもの。

割合で味付けを決めてしまからかなり乱暴だが、味見しなくともそこそこ美味しい味付けになる。

・大好きな炒めもの ウー ウェン

中華はとりあえず味覇(ウェイパー)という調味料さえあればなんとかなるんだが、それを使わないならこの本。

中国食文化に関しても触れていて◎

2010-09-24

http://anond.hatelabo.jp/20100924022849

河出文庫から出てる『20世紀SFシリーズ見ると見事にその流れになってるよ。

個人的には80年代SF個性的はっちゃけた感があって好きだな。あの辺りから人間内面フォーカスが当たる作品が増えて、それ以前に比べ雰囲気ががらっと変わった気がする。

2010-08-23

愛は死より冷たい

愛のこと。for 腐女子 --山形道場をもとにして--1). It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)~
  ああそうか。あなたたちは自分が愛されるってことがわかってないんだ。知識としては知っているだろう。でも、それを自分に起きることとして真面目に考えたことがないだろう。受精・着床したときのことを覚えていないように、だから知識が何をどういおうと、自分がこの世の始まりからずっといたように思いこんでまったく疑問を感じないでいられるように、愛の始まりもまたなくて、愛ってことがなにか現実味のまったくない絵空事で、「愛」という抽象的な観念のことならおしゃべりできるのに、自分が愛しあうっていう具体的な事実については何も考えることができない。

  だからあなたたちは、他人が愛されるとあんなにうれしそうなんだ。BL同人で何十人総受けを書いた。ノベルスをコミックスを、BLCDを何百集めて読み聴いた。誰それがさらわれ、りょうじょくされ、裏切りを受け、それでもラブラブでした。そんなことを知ってどうする。関係ないあなたには何の関係もないのに。でもあなたはそれをうれしそうに描写し、読む。他人は愛で傷つき、自分は無傷に生きている。それはあなたたちにとって、まさに自分が裏切られない、自分が「別れ」とは関係ないことの証明なんだろう。ほらごらん、こんなに人が失恋しても、わたしだけはこうして(傷つかず生きて)いるよ。あなたたちは日々そう自分に言い聞かせる。そうなんだろう。情死や悲劇的な愛が嬉々として描かれるのに、毎日それなりに起こっているはずの普通の愛 (:多分あなたがたがそう思ってるであろう異性愛) がこのジャンルで「特に」描かれないのは、失恋とつらい恋は運の悪い他人 (殊更男子が好きな男子) にだけ起こるもので、自分 (というヘテロ女子) に起こるものじゃないと思ってるからだ。

  そしてだからこそ、あなたたちは愛ってことを何も考えずにいられる。時間が限られ、残された時間はわずかで、できることもわずかだと考えたこともない。自分恋愛による何かを受け取り、誰かを愛し返すってことも考えたことがない。今が永遠に続き、自分永遠にいると思っている。愛されると思わないから、愛したいという欲望もうまれない。いるだけ。そんなやつが神妙な顔で言う。「愛は尊い」「愛のためならなんでも許される」

  「尊い」! あんたは尊いってのがどんなことか知りやしない。決まり文句をコミックスノベルスと同人ネットで覚えただけ。その愛とペアの「愛すること」や (たまさか同性が好きな人々のことや、愛されてないと思い込んでるあなたと同じようなでも性別は逆の誰かのこと) なんかまるで考えてない。ましてや「愛のため」に受けがどんなことをされるのか?そのバリエたるや。それも「自分は(ずっと変わらずに)いる」ということを受けを身代わりに差し出して悦にいっているだけなんだ。だから「なぜ?」ときかれて答えられない。「( スウィング ) しなけりゃ意味がない」とはよく言ったものよ。これは比喩でもなければいやみでもないんだ。それをわからなきゃいけない。あなたたちは、わたしは、バカだ。だから愛してみなきゃいけないのだ。愛ってのがどいうことか、切実に知らなきゃいけない。そして愛を自分で踊ったとき、わたしたちは「愛されること」についても知っている、かもしれない。やっとそこになにか知恵があるかもしれない。

  じゃあまた。
愛のこと。for 処女厨 --山形道場をもとにして--2). Love The One You're With
  ああそうか。あなたたちは自分SEXするってことがわかってないんだ。知識としては知っているだろう。でも、それを自分に起きることとして真面目に考えたことがないだろう。生物学的父親と母親が致したその時のことを覚えていないように、だから知識が何をどういおうと、自分がこの世の始まりからずっといたように思いこんでまったく疑問を感じないでいられるように、SEXのきっかけもまたなくて、SEXするってことがなにか現実味のまったくない絵空事で、「SEX」という抽象的な観念のことならおしゃべりできるのに、自分SEXするっていう具体的な事実については何も考えることができない。

  だからあなたたちは、他人がSEXしてるとあんなにうれしそうなんだ。AV男優が何十人こました。HDDの中の女優攻略済みギャルゲキャラが何百人超えた。美女がやられ、泣かされ、気絶し、撮影事故で亡くなった。そんなことを知ってどうする。関係ないあなたには何の関係もないのに。でもあなたはそれをうれしそうに集め、表現する。他人はSEXで破滅し、自分はこうして生きている。それはあなたたちにとって、まさに自分が傷つかなない、自分寝取られとは関係ないことの証明なんだろう。ほらごらん、こんなに人が浮気されても、わたしだけはこうして(裏切られず生きて)いるよ。あなたたちは日々そう自分に言い聞かせる。そうなんだろう。心中不倫事故死が嬉々として報道されるのに、毎日それなりに起こっているはずの恋人同士の日常の愛があまり描写されないのは、浮気は (殊更) 運の悪い他人にだけ起こるもので、「賢いので愛する他者を持たなかった」自分がされるものじゃないと思いたいからだ。

  そしてだからこそ、あなたたちはSEX根本の愛ってことを何も考えずにいられる。時間が限られ、残された時間はわずかで、できることもわずかだと考えたこともない。自分恋愛による何かを受け取り、誰かを愛し返すってことも考えたことがない。今が永遠に続き、自分永遠にいると思っている。SEXできると思わないから、本当に愛したいという欲望もうまれない。いるだけ。そんなやつが神妙な顔で言う。「SEXは尊い」「好きだからこそ」

  「尊い」! あんたは尊いってのがどんなことか知りやしない。決まり文句を18禁コミックスラノベ同人ネットで覚えただけ。そのSEXとペアの愛のこと (行為自体が相手に負担をかけること、そして愛されてないと思い込んでるあなたと同じようなでも性別は逆の誰かのこと) なんかまるで考えてない。「好きだからこそ」があの汁多めですか?それでもまだ相手に処女を望むのですか?きっと「自分は(裏切られたくないからリアルのたった一人を決めずに)いる」ということを言い換えて悦にいっているだけなんだ。だから「なぜ?」ときかれて答えられない。「そばに居る人をただ愛すればいい」とはよく言ったものよ。これは比喩でもなければいやみでもないんだ。それをわからなきゃいけない。あなたたちは、ぼくは、バカだ。だからまずは愛あるSEXをしてみなきゃいけないのだ。愛ってのがどいうことか、切実に知らなきゃいけない。そしてそこから帰ってきたとき、ぼくたちは少しばかり愛とSEXについて知っている、かもしれない。やっとそこになにか知恵があるかもしれない。

  じゃあまた。
「原文」山形道場 最終回 最後のおことば:死ぬこと。http://cruel.org/wired/dojo199809.html
  ああそうか。あなたたちは自分が死ぬってことがわかってないんだ。知識としては知っているだろう。でも、それを自分に起きることとして真面目に考えたことがないだろう。生まれてきたときのことを覚えていないように、だから知識が何をどういおうと、自分がこの世の始まりからずっといたように思いこんでまったく疑問を感じないでいられるように、終わりもまたなくて、死ぬってことがなにか現実味のまったくない絵空事で、「死」という抽象的な観念のことならおしゃべりできるのに、自分が死ぬっていう具体的な事実については何も考えることができない。

  だからあなたたちは、他人が死ぬとあんなにうれしそうなんだ。毒薬で人が何十人死んだ。地震で、何百人死んだ。だれが殺され、焼け死に、圧死し、事故死した。そんなことを知ってどうする。関係ないあなたには何の関係もないのに。でもあなたはそれをうれしそうに報道し、読む。他人は死んで、自分はこうして生きている。それはあなたたちにとって、まさに自分が死なない、自分が死とは関係ないことの証明なんだろう。ほらごらん、こんなに人が死んでも、わたしだけはこうして(生きて)いるよ。あなたたちは日々そう自分に言い聞かせる。そうなんだろう。事故死や事件死が嬉々として報道されるのに、毎日それなりに起こっているはずの自然死が特に報道されないのは、死は運の悪い他人にだけ起こるもので、自然に起こるものじゃないと思ってるからだ。

  そしてだからこそ、あなたたちは生きるってことを何も考えずにいられる。時間が限られ、残された時間はわずかで、できることもわずかだと考えたこともない。自分が何かを受け取り、遺すってことも考えたことがない。今が永遠に続き、自分永遠にいると思っている。死ぬと思わないから、生きたいという欲望もうまれない。いるだけ。そんなやつが神妙な顔で言う。「生命は尊い」

  「尊い」! あんたは尊いってのがどんなことか知りやしない。決まり文句をテレビで覚えただけ。その命とペアの死のことなんかまるで考えてない。  「自分は(ずっと)いる」ということを言い換えて悦にいっているだけなんだ。だから「なぜ?」ときかれて答えられない。「バカは死ななきゃなおらない」とはよく言ったものよ。これは比喩でもなければいやみでもないんだ。それをわからなきゃいけない。あなたたちは、ぼくは、バカだ。だから死んでみなきゃいけないのだ。死ぬってのがどいうことか、切実に知らなきゃいけない。そしてそこから帰ってきたとき、ぼくたちは少しばかりなおっている、かもしれない。やっとそこになにか知恵があるかもしれない。

  じゃあまた。

2010-04-18

文学部によくあること

ハードゲイ」で連想するのはミシェルフーコー

サリンジャーは好きだが読んでる奴は大体嫌い

村上春樹を貶すのは素人臭いので、むしろ褒める。

ex「非常にテクニカルだよねぇ」

中島敦梶井基次郎は大好きだが、熱く語るのは恥ずかしいと思っている

ドゥルーズ理論をフォローするのはイヤだが、どうしてもレポートがまとまらない時の最後の手段として良く使う

純粋理性批判は読んだが判断力批判は読んでない

ポストモダン(笑)とかいいながら、自分自身が相当ポスモ寄り

ドストエフスキーラノベ」とか言われると「そうかもな」と思う

イタロ・カルヴィーノポールオースターといったポスモ作家に憧れるが、同時にイラつく

「巧いとは思うけど、小手先だよな所詮」

東洋哲学をいつかやらなきゃと思いつつ、絶対やらない。

イスラム教には比較的好意的

安部工房が嫌いな文学部生なんていません!

カフカカミュについて論じるのは恥ずかしい

サルトルは見下しているが、実は尊敬もしている

レヴィ・ストロースフーコーならレヴィさんが格上

しかし、ストロースについて論じるのはニワカ臭いのでヤコブソンについて話したがる

ゲイレズに限らず、ド変態に詳しい

変態を論じ過ぎてて、並の変態プレイでは驚けない

記号論が具体的にどんな学問なのか説明できない

脱構築って言っとけばなんとかなると思ってる

カルチュラル・スタディーズの全体像がわからない

ソシュールについて語るが、原著は無論読んでない

ソクラテスよりディオゲネス

ベルグソンって・・・読まなきゃダメ

共産主義については理解しているが、むしろ資本主義をわかってない

故に、経済論議をすると恐ろしく不毛

院行きたいね、は文学部で「こんにちは」の意

しかし、実際の院生を見ると同情を禁じえない

この世で一番ムカつくのは、講談社学芸文庫の値段設定

河出文庫チョイスの意味不明っぷりが大好き

就職活動を始めると、むしろ疎外感を味わう

ホモが嫌いな文学部生なんていません!

2009-03-27

そういうとこが変

http://anond.hatelabo.jp/20090327142217

増田だけど、意味が取れてるのに、わざわざ「表現の仕方」に文句垂れてるのが、変。

普通意味がわかるのなら、どんな言い方されようが相手のやり方に文句は言わない。

なぜなら「誰でも自分のやり方にケチをつけられるのが嫌」だから。自分がされて嫌なことは他人にしない。これが「普通」。

そういうことがわからないのなら「人生に必要な知恵はすべて幼稚園砂場で学んだ」河出文庫お薦めしておく。

2008-07-08

猿ベージ

http://anond.hatelabo.jp/20080315152400]

これを全部読んでいない人間は「猿」です。

ちなみに猿に人権はありません。ネットで表現をする権利も自由もありません。よく覚えておくように。

プラトン『饗宴』岩波文庫

アリストテレス『詩学』岩波文庫

アウグスティヌス『告白』岩波文庫

レオナルド・ダ・ヴィンチレオナルド・ダ・ヴィンチの手記』岩波文庫

マキァベッリ『君主論中公文庫BIBLO, 岩波文庫

モア『ユートピア岩波文庫

デカルト方法序説岩波文庫

ホッブズリヴァイアサン岩波文庫

パスカル『パンセ』中公文庫

スピノザエチカ岩波文庫

ルソー『社会契約論』岩波文庫

カント純粋理性批判岩波文庫

ヘーゲル精神現象学平凡社ライブラリー, 作品社

キルケゴール死に至る病岩波文庫

マルクス資本論岩波文庫

ニーチェ『道徳の系譜』岩波文庫

ウェーバープロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神岩波文庫

ソシュール『一般言語学講義』岩波書店

ヴァレリー精神の危機』

フロイト『快感原則の彼岸』ちくま文庫

シュミット政治神学』未来社

ブルトンシュルレアリスム宣言』岩波文庫

ハイデッガー存在と時間ちくま文庫, 岩波文庫, 中公クラシック

ガンジーガンジー自伝中公文庫

ベンヤミン『複製技術時代における芸術作品』複製技術時代の芸術, 晶文社クラシック

ポランニー『大転換 市場社会の形成と崩壊』東洋経済新報社

アドルノホルクハイマー啓蒙弁証法岩波書店

アレント全体主義起源みすず書房

ウィトゲンシュタイン哲学探求』大修館書店

レヴィ=ストロース『野生の思考』みすず書房

マクルーハン『グーテンベルグの銀河系みすず書房

フーコー『言葉と物』新潮社

デリダ『グラマトロジーいについて』

ドゥルーズガタリアンチ・オイディプス』河出書房新社

ラカン精神分析の四つの基本概念』岩波書店

ウォーラーステイン『近代世界システム岩波書店

ケージジョン・ケージ青土社

サイードオリエンタリズム平凡社

ベイトソン精神と自然』新思策社

アンダーソン『想像共同体NTT出版

本居宣長『玉勝間』岩波文庫

上田秋成『胆大小心録』岩波文庫

内村鑑三『余は如何にして基督信徒となりし乎』岩波文庫

岡倉天心『東洋の理想』講談社学術文庫

西田幾多郎西田幾多郎哲学論集?・?・?』岩波文庫

九鬼周造『「いき」の構造』岩波文庫

和辻哲郎『風土』岩波文庫

柳田國男『木綿以前の事』岩波文庫

時枝誠記国語学原論』

宇野弘蔵経済学方法論』

海外文学

ホメロスオデュッセイア岩波文庫

旧約聖書創世記岩波文庫

ソポクレスオイディプス王新潮文庫岩波文庫

『唐詩選』岩波文庫

ハイヤーム『ルバイヤート』岩波文庫

ダンテ神曲岩波文庫

ラブレー『ガルガンテュアとパンタグリュエルの物語』岩波文庫

シェイクスピアハムレット角川文庫新潮文庫岩波文庫ちくま文庫

セルバンテスドン・キホーテ岩波文庫

スウィフトガリヴァー旅行記』岩波文庫

スターントリストラム・シャンディ』岩波文庫

サド『悪徳の栄え河出文庫

ゲーテファウスト新潮文庫岩波文庫

スタンダールパルムの僧院』

ゴーゴル『外套』

ポー『盗まれた手紙』

エミリー・ブロンテ『嵐が丘』

メルヴィル『白鯨』

フローベール『ボヴァリー夫人』

キャロル不思議の国のアリス

ドストエフスキー『悪霊』

チェーホフ桜の園

チェスタトンブラウン神父の童心』

プルースト失われた時を求めて

カフカ『審判』

魯迅『阿Q正伝』

ジョイスユリシーズ

トーマス・マン『魔の山』

ザミャーミン『われら』

ムージル『特性のない男』

セリーヌ『夜の果ての旅』

フォークナー『アブサロム、アブサロム!』

ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』

サルトル嘔吐

ジュネ『泥棒日記

ベケットゴドーを待ちながら

ロブ=グリエ『嫉妬』

デュラス『モデラートカンタービレ

レム『ソラリスの陽のもとに』

ガルシアマルケス百年の孤独

ラシュディ『真夜中の子どもたち』

ブレイクブレイク詩集

ベルダーリンヘルダーリン詩集

ボードレール悪の華

ランボーランボー詩集

エリオット『荒地』

マヤコフスキーマヤコフスキー詩集

ツェランツェラン詩集

バフチンドストエフスキーの詩学』

ブランショ『文学空間』

日本文学

二葉亭四迷浮雲

森鴎外舞姫

樋口一葉『にごりえ』

泉鏡花高野聖

国木田独歩武蔵野

夏目漱石我輩は猫である

島崎藤村破戒

田山花袋『蒲団』

徳田秋声あらくれ

有島武郎『或る女』

志賀直哉『小僧の神様』

内田百〓『冥途・旅順入城式』

宮澤賢治銀河鉄道の夜

江戸川乱歩『押絵と旅する男』

横山利一『機械』

谷崎潤一郎『春琴抄』

夢野久作ドグラ・マグラ

中野重治村の家

川端康成『雪国』

折口信夫死者の書

太宰治『斜陽』

大岡昇平『俘虜記』

埴谷雄高死霊

三島由紀夫仮面の告白

武田泰淳ひかりごけ

深沢七郎楢山節考

安部公房砂の女

野坂昭如『エロ事師たち』

島尾敏雄『死の棘』

大西巨人神聖喜劇

大江健三郎万延元年のフットボール

古井由吉『円陣を組む女たち』

後藤明生『挟み撃ち』

円地文子『食卓のない家』

中上健次『枯木灘』

斎藤茂吉『赤光』

萩原朔太郎『月に吠える』

田村隆一田村隆一詩集

吉岡実吉岡実詩集

坪内逍遥『小説神髄』

北村透谷人生に相渉るとは何の謂ぞ』

福沢諭吉『福翁自伝

正岡子規『歌よみに与ふる書』

石川啄木『時代閉塞の現状』

小林秀雄『様々なる意匠』

保田與重郎『日本の橋』

坂口安吾堕落論

花田清輝『復興期の精神

吉本隆明『転向論』

江藤淳『成熟と喪失』

by 柄谷行人、他

追記

必読書150』柄谷行人浅田彰、他(太田出版

http://www.amazon.co.jp/%E5%BF%85%E8%AA%AD%E6%9B%B8150-%E6%9F%84%E8%B0%B7-%E8%A1%8C%E4%BA%BA/dp/4872336569

ネットにはほとんど「猿」しかいないんじゃないかと思うことも多いので、是非、脱「猿」してみて下さい。2chは「猿」の巣窟でもかまわないのですが、はてなが「猿」の巣窟であってはインフラリソースの損失だと思っています。実のありげな議論が起こっているなと思いきや、はてな「猿」が集団でやってきて議論を潰しているケースがほとんどなので。

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