はてなキーワード: 珍名とは
日本人女性の名前「なおみ」は『痴人の愛』によって広まったという説がある。
たとえば以下の記事ではこのようにまとめられている。
英語の名前 “Naomi” はもともと日本語ではなく英語だった!? | 日刊英語ライフ
この記事では「日本のナオミが海外のNaomiとどう関係しているのかハッキリとわかる文献のようなものもありませんでした」と結論されている。
ところが近年では「日本のなおみは海外のNaomiに由来する」と断言している記事も出てきているようだ。
前述の記事でも引用されているが、『痴人の愛』には以下のような文章がある。
彼女はみんなから「直ちゃん」と呼ばれていましたけれど、或るとき私が聞いて見ると、本名は奈緒美と云うのでした。この「奈緒美」という名前が、大変私の好奇心に投じました。「奈緒美」は素敵だ、NAOMI と書くとまるで西洋人のようだ、と、そう思ったのが始まりで、それから次第に彼女に注意し出したのです。不思議なもので名前がハイカラだとなると、顔だちなども何処か西洋人臭く、そうして大そう悧巧そうに見え、「こんな所の女給にして置くのは惜しいもんだ」と考えるようになったのです。
「Naomi」と「なおみ」が似た発音であることを谷崎潤一郎が意識していたのは確実である。
問題は、「Naomi」から「なおみ」という名前を考えついてヒロインの名前にしたのか、それとも「なおみ」という名前を知って「Naomi」のようだと考えて作品に取り入れたのか、ということだ。
というわけで『痴人の愛』以前の女性名「なおみ」の例を探してみよう。
『痴人の愛』は1924年、大正13年から連載された作品なので、それ以前の人名録のようなものが欲しい。
また、名前だけでは男の「なおみ」である可能性もあるので、性別も併記されているとよい。
そこで見つけたのが『日露戦史 軍国彰勲録』である。
これは日露戦争に徴兵された人々の軍歴を記したもので、日本各地のバージョンがあるようだが、この版では長野県が中心のようだ。
出版が明治44年なので確実に『痴人の愛』以前だし、「妻」「長女」など続柄が書かれているので男性なのか女性なのかも判断できる。
ここに記載されている「なおみ」を抜き出してみよう。
土屋正吉 父文右衛門 母亡ミワ 妻ナオミ 兄国助
金沢右中 父長四郎 母サダ 妻ミユキ 長女なをみ
武捨作蔵 妻ちさと 長女なをみ
とりあえず3名。
少なくとも『痴人の愛』以前から女性名としても使われていた、という証明はできた。
もちろん「名付けランキングの上位に入るようなポピュラーな名前だった」というほどではないだろう。
しかし、特定の地域からピックアップされたなかに三名もいるなら、ごくごく少数の珍名だという感じもしない。
なお古い例としてはフレデリック・イーストレイクと結婚した明治2年生まれの「太田なをみ」がいる。
ただし、彼女はキリスト教に改宗しているので、そこで(Naomiにもとづいて)改名をした可能性もなくはない。
また、少し時代は下るが昭和初期の『人事興信録』でも、明治生まれの「なおみ」を何人か確認できた。
ちなみに「なおみ」が「名付けランキングの上位に入るようなポピュラーな名前」になってくるのは1967年ごろからである。
こちらについては1967年にデビューした佐良直美の影響が指摘される(「佐良直美」自体は芸名である)。
明治から昭和に至るまで「なおみ」という名の女性がそこそこ存在していたことはわかった。
そもそも『痴人の愛』を読んで、自分の子供に「なおみ」と付けたくなるだろうか?という疑問もある。
『痴人の愛』の奈緒美は、主人公と結婚しているにもかかわらず、若い男たちと遊び歩いているような女性である。
そこから「ナオミズム」という言葉が生まれ、新時代の女性の象徴となったというような話もあるが、当時の辞書には、
ふと思ったが、「〜み」「〜美」という命名は当時(『痴人の愛』以前)から一般的だったのだろうか。
「なおみ」だけがポンと出てきたなら、西洋の「Naomi」由来というのは説得力がある。
しかし、他にも「〜み」という名が多いなら、同じ要領で「なお+み」という名付けがされても不思議ではないだろう。
というわけで再び『日露戦史 軍国彰勲録』に出てくる名前を集計してみた(ただし「とみ」「なみ」などの二字名は除外)。
「〜み」「〜美」型の名前は決して珍しくなかった、と言えそうである。
とはいえ、これは「なお+み」という名付けが自然だったことの傍証にしかならないだろう。
結論として、『痴人の愛』以前にも「なおみ」という女性がそれなりに存在した、とは言える。
睡眠導入剤で眠らせた女児に集団わいせつ疑い、男5人を逮捕…男らはSNSで知り合ったか : 読売新聞
幼い女児に薬飲ませ、眠らせ 集団でわいせつ行為の疑い 男5人逮捕 [北海道]:朝日新聞デジタル
この事件のことね。
「報道してはいけなかった」という理由を示す必要がある一方、あまり詳細に書くと、そのことによって、このエントリ自身が「書いてはいけなかった内容」になりかねないため、ものすごくまだるっこしく、オブラートにくるんだ書き方をしている。
そのことはまず謝っておく。
[B! 性犯罪] 幼い女児に薬飲ませ、眠らせ 集団でわいせつ行為の疑い 男5人逮捕:朝日新聞デジタル
では、実名報道を望む声があり、実際、毎日新聞は実名報道をしているのだけど、今回については、ちょっと特殊なケースとして、報道してはいけないものだった。
というのは、朝日に書かれている、
そのため、「同じ名字の人などを勝手に関係者認定して攻撃する」という毎度毎度のクソムーブが起きやすい、という問題もあるのだが、もっと大きな問題がその後ろに控えている。
名字検索サイトで引くと、その名字が多い(といっても推定10人だが)地域として、事件の起きた小樽市だけがピンポイントで表示される。
同じく朝日には、
とあるから、面識があったのは、「中心的な役割を果たしていた(面識があるなら声がけをしただろうし、中心的な役割を果たしたのだろう)、恐らく小樽市にルーツがある、茨城県の男」であることは容易に推察できる。
小樽市で事件に巻き込まれた、22年で13歳未満、すなわち18年段階で9歳未満の子が、茨城県在住の40歳男性と面識があるケースとは、どういう間柄なのか。
これ以上は書かない。
が、珍名がゆえに、毎日新聞の実名報道によって、被害者をある程度絞り込めたと勘違いできる仮説が生まれやすいのである。
ただし念のために言うと、これは単なる「ある程度絞り込めたと勘違いできる仮説」である。
自分で書いておいてアレだが、あり得ない。
「茨城県の男は、元々小樽市近辺で教師や保育士をしており、被害女児とはそのときに出会った。茨城県にはつい最近移住した」
だが、怖いのは、「各種報道の断片をつなぎ合わせることで、被害者も含め全容が見えた」と勘違いして、それを真実と信じ込む者が現れること。
それだけならまだいいが、中には、勘違いをもとに、被害者と思い込んだ人の周辺に存在する、何の罪なき人たちを、攻撃する者も現れかねないことだ。
母親と弟はショック受けてたけど、私は心の底から「元弟嫁、羨ましい~~~」ってなった
そりゃそうだよね。
「同じ名字=100%親戚」な名字より、山田とか佐藤のように名字ランキングトップ10入りしてる名字に戻せるなら、絶対にそっちに戻すわ
漢字の組み合わせが珍しいから、一回で理解されたこと無くて、毎回説明が必要で、説明しても間違えた名字を登録されたことが何度もある
名前の由来とかめっちゃ聞かれるし、印象が「名字珍しい人」って絶対なる
漢字変換が一回でできないから、「漢字変換できないよ」っていろんな人に言われ続ける
一回だけなら大したこと無いけど、社会人になってずーっと言われると本当に辛い
結婚すれば、養子縁組すれば、名字を変えられるらしいけど、名字を変えるために結婚するのは結婚相手(養子縁組親)に失礼かと思ってできなかった
珍名は変更したい名前の使用実績があれば変えられるらしいが、珍氏はどうなんだろうか。
簡単に調べたけど、珍氏は実績なさそう。
誰か、名字を変えるためだけのために、結婚・離婚してくれる人、いませんか?
無い物ねだりなのわかっているけど、羨ましいです
声に出して読みたい珍名さん。
メジャーな名字と見せかけて読み方だけ変わってるので日常生活が地味にめんどい。
例えば私の名字の字面が「増田」だとしたら大体の人は疑いなくマスダと読むと思うが
自分の名前の読みはゾウデン(仮)とかそういう感じなのである。
いやもうマジで何でこうなったん?
難しそうな字が書いてあれば前もって読みを調べておくと思うが(該当の氏名の方々、例に出してごめんなさい)
「増田」と書いてあって読みがマスダ以外の可能性を疑う人はそうそういない。
間違ってマスダさんって呼ばれた時に「あっゾウデンです」って訂正すると
まるで読み間違えられたはずのこっちが悪者かのような空気が流れる時がある。
どこへ行っても間違われるのでそのうち面倒くさくなって訂正するのもやめる。
そんな知り合い程度の人々は当たり前にマスダさんだと思って話しかけてくる。
何かの拍子に「本当はこの人ゾウデンさんだったらしい」と知るとすごい謝り倒してくれてまた変な空気が流れる。
というかコレ今さっき起こった。
ハァーめんどくさい。
私と同じ名字を付けて長年生きてきた父も「役職付きの気を遣われるオッサンになるまでは本当に面倒だった」と言っている。
メリットはインパクト強いから名乗れば初対面で覚えてもらうのが早い程度。
私もいっそ普通のマスダさんになりたい。
幸いにも下の名前は普通なのでそこは助かっている(お父さんありがとう)
ちょっと話がズレるけど
こういうの「自身が普通の名前だから我が子にはオンリーワンの名前を!」みたいな考えの人には
想像しにくい部分があると思うので一歩踏み止まってよく考えて欲しいと思う。