「管理職」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 管理職とは

2022-01-12

anond:20220112103404

中途採用で数ヶ月前入ってきた人達と人の心を無くした管理職達だけで、充分に会社は回るのでは?

anond:20220112131643

その場にいて一緒に罵倒してたよ

管理職はあまり現場を見てないから適切な罵倒もできないんだよね

すぐにボキャブラリーが枯渇してしま

最後の方は完全に自分の言ったことを音量上げて繰り返すスピーカーになっていて面白かった

2022-01-10

はてな民1「安心して女性が働ける社会になれば下方婚問題解決する」

はてな民2「私の夫は自分より200万くらい低収入だけどこういう女性ちゃんといるのをわかってほしい」

はてな民3「まずは男性意識改革がないと始まらない」

はてな民4「女性安心して管理職を目指せる社会を目指そう!」

ガルちゃん民1「自分で稼げる選択肢があったところで社会進出なんてしたくない、管理職になりたい女なんて存在するの?」

ガルちゃん民2「マッチングアプリでそこそこの男捕まえて社会退出できたら勝ち組

ガルちゃん民3「自分より稼げない男なんてありえない、仕事続けなきゃいけないなら結婚意味ないじゃん」

ガルちゃん民4「週2のパート以上の仕事なんてやってられるか!」

日立製作所、全社員ジョブ型に 社外にも必要スキル公表

日立面接受けたことあるけど、典型的年功序列昭和経営という感じで、かなり難しいんじゃないかな。

令和型の経営にするには20年くらいはかかると思うよ。

日立製作所は7月にも、事前に職務の内容を明確にし、それに沿う人材を起用する「ジョブ雇用」を本体の全社員に広げる。管理職だけでなく一般社員も加え、新たに国内2万人が対象となる。必要とするスキルは社外にも公開し、デジタル技術など専門性の高い人材を広く募る。年功色の強い従来制度を脱し、変化への適応力を高める動きが日本大手企業でも加速する。

ジョブ型は欧米では一般的な働き方で、職務記述書(ジョブディスクリプショ...

この記事会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます

2022-01-09

anond:20220109001953

増田と同年代ITエンジニアだけど、3倍は流石にすごいけど基本的新卒給与一律で低めに設定されてることが多いから元からスキルある人はガンガン上がる。

自分新卒から満3年で1.5倍にはなったので大きめの所で管理職レイヤまで上がったり何回か転職挟んでればありえない数字ではなさそう。

2022-01-08

anond:20220108224046

これはマジ

少なくとも「管理職以外でもスペシャリストとしてのキャリアパスがあります」みたいな感じの名のしれた大企業とかでスペシャリストとしてのキャリアを目指すなら常に走り続ける(あるいは立ち止まっても追いつけるほど頑張る)覚悟必要

まあ真っ当な所に所属してれば能力や成果に応じてちゃん給料も伸びるから私生活勉強してても苦にならないというのはあるが

2022-01-07

沖縄自治体職員なんだけど

まん防やってる場合ではないし緊急事態宣言でも生ぬるい状態

感染の立ち上がり期なのに昨日981人、今日1400人。

沖縄は隣県の病院に運ぶこともできない。

医療従事者のヘルプを呼ぶこともできない。

なのに管理職はことごとく「まん防だから」「県が何も言わないから」なんていう寝ぼけた反応ばかり。

学校も通常営業だ。

第5波の時点で医療従事者の家族感染して出勤できない問題は充分把握していた。

今回はそれ以上になるがなーーーんもしない。

首長はだんまり

目の前に津波が来てても動かないのかよ。

アホだろう?アホなんだよ。

2022-01-06

anond:20220106162036

部下はご機嫌取りをして欲しいんじゃなくて

適切な業務コントロールと、無駄が少ない指示をしてほしい

要領の得ない雑談一方的コミュニケーションとった気にならないで

まずは仕事のことをきっちりやって欲しい。

とかかな新人管理職見てて思ったのは。

昨日昇格が発表されて同僚に泣かれた

日経ってもまだ気まずい空気


大きい会社みたいに、昇格=上司管理職になる なら泣くのも少し分かるけど

うちは社長以外の役職は全員対外向けのお飾りなのに…

2022-01-05

三大可哀想な可愛らしいビール腹のおじさん

メンヘラに迫られた可哀想な可愛らしいビール腹のおじさん

中間管理職として上からから突き上げられる可哀想な可愛らしいビール腹のおじさん

この2つに並ぶ1つがどうしても思い浮かばない

2022-01-04

anond:20220104210234

こんだけしっかりした文章書けるんだし、内容も説得力ある。

いまどこの会社氷河期採用を絞ったので徹底的に中間管理職不足している。しかも30代はゆとり世代でゆるゆる世代だ。

いま30歳なら、中小企業に潜り込んで、

5年どこかの業界修行したら35歳で即戦力として転職できて普通にやっていける給与がもらえるようになり結婚もできる。

なにか国家資格を目指そう。フォークリフトでもクレーンでも電気工事士でも簿記でもなんでもいいから。

anond:20220104081747

増田と同一人物

女性の方が男性より能力分散が小さい」って言ってるってことは、仮に平均が同じとすると、

上位5%とかの優秀な人の数は男の方が多いってことだよね。

管理職=優秀。と仮定すると男の方が管理職になる数が多いってことだよね。

anond:20220104102153

そりゃ女性管理職を増やしましょう運動あれだけやってるんだし出すだろ

2022-01-03

こういう記事が出るとすぐに「女性差別されている」という反応が並ぶのだけど、何か具体的な根拠あるの?

https://www.mosumiharuto.com/do-not-marry-japanese-women

管理職の数が少ないのは単に幹部候補絶対数が少ないからだし、女性の平均給料が低いのは職種選択によるところが多い(例えば保育士の大半が女性など)。これは別に差別とは言わないのだが。

大手新卒給料が極端に少なかったりするなら話は別だが、こういう具体的な例は出てこず単に何の根拠も無く差別と叫んでいるように聞こえる。

こいつ多分NTTじゃない

https://qiita.com/ntt_wo_bukkowasu/items/3653bd1a2f987b0989d1#3-%E7%AD%86%E8%80%85%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%AD%B4

いろいろ突っ込みどころが多いので一応突っ込んでおく

主語がでかい

まずNTT事業会社所属していたらそのグループの大きさがよく分かっているはずだと思う。

NTT東西ドコモデータコムとか書くと「まぁ5社ぐらいか」みたいに就活を始めた学生あたりは思うんだろうけれど

その5社の下には山のように子会社があるし、この5社以外の関連会社もある。

こんだけたくさんの会社社員がいるのでいろんな社員がいるし、いろんな上司がいるし、いろんな部署がある。

農業やってる会社もあればBLコンテンツ作ってる会社まで何でも揃ってる。

それを知った上で

NTTの闇を晒す

とか

NTTは〇〇だ」

とか、ちょっと主語が大きすぎて何のことなのかさっぱり分からない

北大無能しかいないのか」

主語がでかすぎるし、まぁそういう頭の持ち主なんだろうと思う

以下の指摘もあくま自分が見てきた範囲内での指摘なので、NTT全体がこうだという気は全く無いし、元記事のような部署があっても全くの不思議ではない

ただ、管理職に関する指揮系統はある程度統一されているのでそれほど違わないだろう、とは思う

パワハラには異様に厳しい

なぜかパワハラ関係には異様に厳しいので管理職はみんなビクビクしている

社員は投書が可能で、それは例えどれほど上役の人であっても情報共有されずに調査が始まる

周囲の社員聴取事実関係を徹底的に調べて非があれば一発アウト

まぁクビにはならないのだが出世レースからは退場となり閑職に就くことになる

本当にパワハラ合っているなら投書すれば良い

そんな上司はすぐに飛ばせる

転職しない社員はどの会社にもいる

そもそも転職するのに必要なのは能力ではないのだが、それは置いておいて

転職しない無能社員が多く見えるのは、市場価値より多めの給与待遇を得ているからに他ならない

どんなに無能でも給与が今の給与が安くて他の会社の方が給与が高ければ一定数は転職する

NTTはこの給与格差が非常に小さく、たとえノーベル賞級の発見をしたとしても給与ボーナスはさほど変わらない

評価連続で付くことも稀であるのと同様に低評価連続で付くこともそうそう無い(若手の間はそもそも評価が付かないクソシステムではある)

この格差の小ささから優秀な人は抜け、そうでない人は残るということが起きているにすぎない

ただこれは転職者が必ずしも優秀であることを指してはいない

解雇規制なんぞない

部下が辞めようが問題を起こそうが上司咎められることはまったく無い

犯罪を起こしても関与していなければ何も影響しない

ただ、退職されると単に部下が減り、代わりは補填されない

ところが3年もすればその上司部署異動になるのでせいぜい2年ほど耐えれば人が少ない状況から抜け出すことができるし

だいたい5年に一度は組織再編するのでどうにか問題は解消される

ちなみに本当に忙しい部署場合は人事に泣き付くとどうにかしてくれる

退職後の社員なんぞ興味が無い

ここが一番嘘くさい

退職後の社員情報収集なんてするわけがない

百歩譲って人事部情報収集することはあるのかもしれないが、人事関係を見ていない上司がそんなことしても意味が無い

ただこれもその上司人間性によってはやる奴がいるかもしれない

こういう人はたまにいる

なぜか退職してからも数年にわたって「NTTはこうだった」「NTTはここがダメだ」とかをネットで発信し続けるストーカーみたいな元社員がたまにいる

はてブでもたまに話題になる心がぶっとい人も数年に渡って文句を言い続けている)

普通に考えたら退職した会社ことなんてどうでもいいと思うんだが何か逆鱗に触れるのか思い出したかのように文句を言い続ける人がいる

多分この人も心の病か何かでいろいろと上手く行って無かったんだろう

それを上司が気にしたりしたことパワハラに捉えられているとか

飲み会の席で「そういやあいつって何してるの?大丈夫かな?」とかを同僚に聞いたのを「探っている!」とかに勘違いしてるんじゃなかろうか

心配しなくても誰も君に興味は無いし新しい会社で頑張ればいいのではないか、と思う

2022-01-02

anond:20220102155311

コードを書けるってことが陳腐化とセットなのかもしれない。

とはいえコードいたことがなくて概念設計だけできるわけがないというのが設計者の大変そうなところ。

から40歳くらいで中間管理職かになってしまうのかもな。

ネットワークは60代も普通にいるからね。

議論につきあってくれたおかげで理解が進んだよ。

2022-01-01

フェミの言ってる『男だから下駄を履かされてる』って弱者男性関係ある?

俺の場合



IT系だと性別条件なんて全くないのにそもそも女性募集全然こないみたいな背景あるし、

いても今の時代だとお茶くみ係とか見たこともない

男は下駄を履かされるとかオレ個人も含めて言われると

弱者男性結婚とか育児とか全く関係いかお仕事に集中できて羨ましいわぁ」

って聞こえちゃうんだけど、そういうことなのか?

俺の人生のどこに下駄があったのか具体的に教えて欲しい……

2021-12-31

問題職員の正しい辞めさせ方 10/10

以上が、K市の特定任期付き職員としてのキャリア棚卸しになる。

退職の背景などを述べて結びとする。

K市を辞めることになった原因は、私をスカウトしてくれた人が市長ではなくなったからだ。政争に負けたのだ。新しく来た市長は、前市長の行っていた改革的内容のうち、いくつかを元に戻す選択をした。

特に、私達がそうだ。『私達』というのは、国や民間企業NPOなどからK市に採用された特定任期付き職員だ。当年度の終わりでの任期満了が言い渡された。

私達はまだいい。転職先を探せるだけの時間があるのだから副市長などは、新市長の就任から1週間でお役御免を宣告され、二か月後には議会で辞職が承認された。政治任用の悲しいところだ。

いまだに納得がいかない。私達は全員、結果を出していたからだ。地域産業活性化担当した人も、福祉事業効率化を担当した人も、庁内インフラ設備刷新(今でいうDX)を担当した人も、そして私も、全員が数字証明できるだけの結果を出していた。

にもかかわらず、「あなた任期は今年度限りです」と三行半を告げられた。それが許せなかった。

私は、以下の成果を確かに達成している。

・手がつけられないレベル問題職員への退職勧奨。主にB子さんの時に登場した人事課長二人三脚で行った。成果として、計13名の問題職員(全く仕事をしない職員犯罪を犯した職員、度を過ぎたハラスメントを行った職員)に始末をつけた。一人頭での人件費職員雇用にかかる全ての費用年収ではない)が最低でも年800万以上はかかっていたので、13名で約1.2億円のキャッシュフローを削減できたことになる。

面接試験構造化及び検証手法確立。これまでは、面接時に予め決まった質問受験者に行ったうえで、面接官と受験者がフリートークを行い、最終的に点数を決めていた。この慣習を原則廃止した(少しは残した)うえで、統計学の知見に基づき、面接評価採用査定を追尾検証できるシステムを構築した。コンサルは入れていない。庁内でプロジェクトチームを立ち上げ、皆で作った成果物だ。

新規採用職員の試用期間内分限免職基準化。当時のK市では、新人職員20名入ってきたとして、1~2名がどうしようもなく向いていない人間だったとしても本採用していた。その結果、問題職員無能職員跋扈放置される原因となっていた。私が2年目の折、試用期間内での分限免職基準明確化した。その職員所属する課に明白な責任が見られず、かつ当職員との面談において度し難いほどの悪い結果が得られた場合分限免職ができる旨を要綱で固めた。以後、数年分の結果として、新規採用職員の約1割が本採用に至らずK市を去っている。これについても、問題職員を40年間も世話するだけの人件費(K市の場合は約3億円/人)を節減できたことになる。

さて、便宜上は『問題職員』と表してきたが、一度として私は、能力が低いことだけを理由当人分限免職を決めたことはない。例えば、臓器に異常があって年に5分の1は休まなければならない新人職員がいたが、退職勧奨は行っていない。

能力の高低は関係ない。人格的に救いようがないほどの諸傾向が見られた場合に限って当人を辞めさせる行動に出る。そういう者は、他の職員特に市民企業のために頑張っている職員に悪い影響を与えるからだ。

恨みつらみを書きはしたが、新しい市長の行いは正しい。頭ではわかっている。特に、私などは前市長スカウト政治任用)により採用されたわけだからトップが交代すれば成果に関わりなく切られる。それが普通だ。

K市で〇年以上も暮らしたのだから、当然哀愁は募る。最初の頃は、都心から外れたところにあるK市を心の底で憐れむような、蔑むような、自分とは関係ない存在だと思い込むような――そんな感情があった。

庁舎の3階から中心市街地を眺めている時、家屋工場の間にポツポツと居並ぶ田園を眺めていて、これまで東京都内コンクリートジャングルにいた頃が懐かしくなった。

つの間にか、この町が好きになっていた。高い品質地元名産品はあるし、創造的な力のある子どもを何人も見ることができた。山の上にあるワンルームマンションから見える大きな河川に囲まれたK市の街並みは、今でも記憶に残っている。

さて、さんざんと人事関係効率化を進めてはきたものの、後悔も当然ある。最後の年には、「私がやってきたのは正しいことなのか?」と考えるようになっていた。

私が採用されたのは、「優れた職員を残し、不要人間は残さない」というミッションを果たすためだった。民間企業においては標準的な考えだ。しかし、官公庁はそれでいいのだろうか。人格に難のある人や、能力が低い人や、病気などで働く事ができなくなった人を追い出していった場合民間企業官公庁の真似をするのではないか? つまり、要らないと判断した人間組織から追い出すようになる。

その『要らない』が、本当に正しいのか分からいから厄介だ。仮に正しかったとしても、日本社会全体で考えた場合に最適である保証はない。とある組織不要人間を切りまくるという行為は、部分最適ではあっても全体最適ではないのでは?

と、ここで副市長言葉を思い出した。

『よくない人間を辞めさせることに利があるのはわかる。しかし、行政世界はそういうものではない。不合理に見えても、ここの大事ルールだ。みんなにダメだと思われている奴でも辞めさせるな。それが本当にダメな奴、組織にとっての癌だと、人間の目でいったいどうしてわかるというんだ?』

副市長がある時に言っていた。「同僚を馬鹿にする奴は市民馬鹿にする」と。成績不良の職員のクビが簡単に切られる世界では、きっと能力の低い人間バカにされているのだろう。すると、市役所最後の助けを求めに来ている、社会的に恵まれていない人間バカにするようになるのではないか? 私はそう考えた。

人材とか、人財とか、人罪などという経済的問題ではなくて、理念なのだ官公庁はすべての国民のためにあるのだから、様々な社会属性を持った人を、ネガティブ特性を持った人まで含めて、多様性意識した雇用を行っていくべきではないか。そう感じるようになっていた。

例えば、上で述べた受験者のポジティブチェック・ネガティブチェックのリストは最たるものだ。採用される職員多様性担保するという観点からは、あれは悪手だ。これから採用しようとする人間は有能か? という視点しか見ていない。一公僕の恣意的判断で、ある特定社会属性を有した人間排除している。

もっと早くに気が付いたとしても、私の力では変えられなかった。市長採用ミッションとは反対の方向に舵を切るのだから――今になって思う。A夫さんの事件の時に副市長が言ったことは正しかったのだ。

私は間違っていた。最後最後で気が付いてしまった。馬鹿だった。愚かだった。今さら気が付いても遅い。

結論公務員業界における身分保障という考えは正しい。法律上免職処分にできる場合であっても、多様性の保持の観点から可能な限り回避すべきである



Gさんを覚えているだろうか。

市民課で働いていた女性だ。K市にいた間、毎週休日出勤をする中でほぼ必ず見かけていた人だ。どうしても、このGさんが気になっていた。彼女残業時間は月にアベレージ70超えだった。ゴルフスコアではない。サービス残業まで含めた残業時間だ。

難しい仕事はGさんに集中していた。ストレスチェックは毎年悪い結果で、そんな状況にあっても市民への思いやりを忘れないでいる。人材会社転職支援をしていた人間からみると、民間でも通用するタイプ公務員だった。私は、Gさんが自らの意思地獄から抜け出すきっかけを与えようと思った。

私が退職する5か月前、隣の市町にある社会福祉団体に声をかけた。ずっと前に、私が当団体職員リクルートしたことがあった。

「K市にこういう経歴の人がいるのですが、本人に希望があれば面接はできますか」

との問いかけに、社会福祉団体事務長は乗り気だった。果たしてGさんは話に乗ってくれるだろうか、と不安になりつつも、ある土曜日の昼だった――うす暗い市民課の机の上でパソコンモニターと向き合っていたGさんに声をかけた。

Gさんとは、あれからいろいろあって仲良くなっていた。Gさんは朗らかな笑顔で、「〇〇くん。おつかれさま。なにかあったの?」と返してくれた。件の話に入る前に、今の状況を簡単に聞き取ってから、私が年度末で辞めることと、社会福祉団体のことを伝えて、採用案内のしおりと事務長の電話番号を手渡した。

「この辛い環境あなたは十分頑張ったよ。お疲れ様でした。転職しようがすまいが、応援しているからね」

それだけ伝えて私は、残りの仕事を片付けるために人事課のある3階に向かった。



「あ~、疲れた!」

今これを書いている私は、都内にあるマンションの一室にいて、革製の書斎椅子背中をもたれている。

当初は2万字くらいかと思ったが、ここまでになるとは思わなかった。だが、これでいい。この内容をベースにして職務経歴書を作ろう。

一応言っておくが、もし貴方が現役もしくは退職済の公務員だった場合職場問題点などをブログ暴露したいという欲求に駆られることがあるかもしれない。

やめておいた方がいい。その欲求は、なにか別の方法で発散するか、貴方の中で雲散霧消するのを待った方がいい。守秘義務違反からだ。行政機関がその気になれば、運がよくて処分、運が悪ければ起訴に至る。

私の場合は、『武器』があるからこういうことができる。もし、この日記をK市の幹部が見て問題視し、「覚悟しろよ」とばかり私を攻撃する手筈を整えても、断念する可能性が極めて高い。

私は、K市の重大な法令違反情報を握っている。それも3件。証拠付きだ。うち2件は管理職の何人かが処分を受ければ済むが、うち1件が明るみに出た場合、今の市長退職せねばならない。前市長や、前々市長をも巻き込むことになる。そんな危険な賭けをすべきではない。だから、こうして日記を書くことができる。

日記の中に答えの一部が出ている。序盤の方だ。個人情報

さて。今はフリーランス個人で請ける仕事面白いのだが収入が少ない。何百万かもらった退職金もそろそろ底をつく。また、会社員に戻ってみたい。この年齢で就職できるかはわからないが、挑戦してみよう。

K市で働いていた日々に想いを募らせていた私は、仕事の疲れを癒そうと思い、デリヘルを呼ぶことにした。

私のスマホは旧型のiphoneだ。通信が遅いので、いつもパソコンを使う。今時はインターネットで嬢を予約できる。便利な世の中だ。

コーヒーを伴にしながらモニター越しに嬢を選んでいる。せっかくの秋晴れの日だ。作品も完成したし、就職への挑戦の第一日目という意味を込めて、まったく知らない子を指名してみよう。

私の瞳は、画面中央にいるアスミちゃんに夢中だった。物憂げな瞳、身長は高すぎず低すぎず、顔の形は綺麗だ。ふっくらとした卵型で、唇の形が美しい。肩から下は見えないが、そこはまあ、チャレンジだ。突撃してみよう――空いている予約枠をクリックした。

アスミは、想像どおりの子だった。

背丈は160に少し届かないくらい。写真どおり物憂げな瞳で、胸は普通くらい。太ももはそれなりにある。

ぼうっと立っている姿は今にも消えてしまいそうだが、私の瞳を釘付けにするだけの強さでもってマンションの一室の前に佇んでいる。

さっそく部屋に招き入れて、プレイを始める。今日は奮発して1時間コースだ。お店のメニュー表にある一通りのことをやってもらうことにする。自分で言うのもなんだが、この年になっても30代並みの持続力を持っているとの自負がある。

さて、肝心のプレイだったが、これがまた最高だった! 私はこのデリ店舗メニューをソラで暗記している。計11種類のプレイを、休むことなく30分以上続けてもらった。私のモノは張り裂けそうになっている。

同時に、アスミに対して敬意を抱くようになっていた。普通であれば、「顎が痛い」と訴えるのだ。それで、大抵の嬢は後ろに下がって、私に敵意を向けながら、無料での延長を要求されない程度に休憩をする。

しかし、アスミは一心不乱に注文に応え続けている。「いや、これ絶対痛いやろ」という角度になっても、ひたむきな眼差しで私の肉体を愛撫してくれる。これでまだ半年未満のキャリアだという。驚きだ。

……心の中でひたすらに、どこかの鬼狩りのように、「うまいうまいうまい!」と唱え続けていた。やがて、私の柱は張り裂けてしまったが、立ち上がるまでに時間はかからなかった。私は、連続さんになっていた。連続さんは負けてない! また何度でも立ち上がるのだ。

私は今、聖なる空間にいる。

いつも夜がくると、この家に戻る。そして、書斎に入る。都会の喧騒やら何やらで汚れた毎日用の服を脱ぎ捨てて、仕事をするための部屋着を身に付ける。

物事に取り組むことに対する礼節をわきまえた格好に身を整えてから、いつもパソコンに向かっている。直近で書いていたのは、この日記だ。

私の心は当然、K市に存在している。私の心は、あの懐かしい人々のいる、あの懐かしい庁舎へと参上している。そこでは、同僚から親切に迎えられ、あの仕事、私だけのための、そのために私は生を受けた、仕事という食物を食すのだ。

そこでの私は、答えが出やすいことも、出にくいことも彼らと話して物事を決める。自分の考えを伝え、彼らの考えの理由を尋ねる。彼らも私を信頼していて、人間らしさをあらわにして応えてくれる。

いま私は、記憶世界に全身全霊で移り棲んでいる。時間というものの退屈さを感じない。すべての苦悩はなくて、失敗も恐れなくなり、筆を進めるだけになる。

記憶世界が終わると、どっと疲れが出る。それを癒すための神聖存在を呼ぶと、私の心は晴れやかになる。今、私の目の前には、一流の才覚をもった天使がいる。

残り時間も少なくなったところで、私は何度か指名したお気に入りの子にするような綻んだ笑顔で問いかける。

「アスミさんはすごいな」

「なにがですか?」

物事に対して本気になる力がすごい。尊敬する」

「そんなことないです」

「そんなことあるって!」

「ないです」

私の物は猛々しくいきり立ち、有頂天に達しつつあった。

初めて指名するのにどうかなという想いを押さえつつ、ここは堂々とお願いしてみる。

「アスミさんは、お店じゃなくて個人メニューはあるの? 意味、わかるかな」

「ないですけど、できます。やってみたいです」

いくら?」

「……」

アスミは俯いた。考えている様子だ。残り時間は、あと10ちょっと

颯爽と、キリのいい数字提案してみる。すると、アスミは「本当にいいんですか?」と、眼を真下にあるベッドシーツに向けて答えた。

そして、私がアスミを知り終えると、残り時間ゼロになった。思う存分にプレイをさせてもらった私は、最後にアスミを抱きしめた後、問いを投げる。

「アスミさんは、この仕事に向いているね」

ありがとうございます。また呼んでください」

「こんなことを聞いて申し訳ないけど、この仕事が嫌になることはない? ひどい触り方をしてくる奴とかいるだろう」

「いますけど、いいんです。その人もなにか辛そうにしてるから。痛いのは痛いですけど、その人が辛くなくなるんだったら、それでいいです」

「えらいね

「えらくないです。だってこんなの」

「立派な仕事だよ。アスミさんは、風俗がどんな仕事かわかってる?」

「わからないです。わたし、どんな仕事をしてると思います?」

福祉だ。風俗仕事はね、社会福祉なんだ」

「そうなんですか!?」

ベッドの上でアスミは、大きく瞳を見開いて身を乗り出した。

ちょっとからかってみようと思った。

「さて。社会福祉活動実践とかけまして、風俗店のサービスと解きます

「……その心は?」

「どちらも、人を立(勃)たせるための道です」

ベッドの縁に座っていたアスミがクスッと笑った。右手の親指を頬に置いている。

しばらく考えたと思われる。口を開いた。

「使命(指名)がたくさんあると大変ですね……でも、心身(ちんちん)ともにしあわせになってほしいです!」

いい子だった。また会ってみたい。


P.S

この日記第一稿ができた後に、元副市長と飲みに行った。以下、情報交換の内容。

・元副市長は、市内の機械部品メーカー取締役に納まったという。人望があると引く手あまただ。

・人事課長は私と同時期に定年退職した。すでに故人である。最終役職管理監(≒部長)だった。思いやりがあって誠実な人間だったのに。惜しい人を亡くした。

・C郎さんは職場復帰した。が、専門職としての任は解かれたらしい。定年までの長い時間は厳しいものになるだろう。組織に逆らうというのはそういうことだ。

・E太さんは県の本庁への出向を打診されたが断ったという。どこまでも彼らしい。こんな働き方ができるのも地方公務員ならではだ。

・私はこの日記推敲中に内定を取った。今度は福祉団体を人事方面からサポートする。

2023/1/2 A夫さんとB美さんを追記

・A夫さんはK市を退職後、ホームセンターで働いていた。当時、人事課の必要物の買い出しに行った際、彼を見かけることがあった。ごく普通接客商品運搬をしている様子だった。A夫さんの見た目や行動は普通だ。一般的な50代社会人のように思える。だが、彼は万引きに手を染めてしまった。何かストレスがあったのか、それとも本来気質なのか。人間は、よく見ないとわからない。

・B子さんは、あれから雌伏の時を経て、ほかの自治体採用されたようだ。ある時、人事課長が部内の回覧物を持って見せてきた。自治体関係新聞かチラシだったと思うが、その中にB子さんが政令指定都市で働いていることがわかる情報があった。人事課長は嬉しそうというか、安堵した表情だったのを覚えている。

問題職員の正しい辞めさせ方 4/10

ここらで話題を変える。問題職員の話ばかりで疲れただろう。

市役所には魅力的な人物ももちろんいる。今これを読んでいるあなたも、人生で一度くらいは公務員に助けられることがあるだろう。

ここでは、そんな善き職員について2人ほど挙げる。脇道なので、1人につき二千字程度とする。



1例目.市民対応部署のGさん

とことん市民思いの職員だった。

見た目はスラッとしていて、無表情な感じの女性だった。その実、内面は安定していて朗らかである

この人を最初に見たのは、私が採用されて2ヵ月くらいの時だった。公用車に乗って近隣の政令市にある研修センターに行くところだった。

1階の市民課に繋がる階段を降りたところで、凄まじい怒号が聞こえた。「なんでできんのか!!」と、おそらく高齢男性が怒号を発していた。

窓口を覗くと、やはり老人が女性職員に対して声を荒げていた。話を聞いていると、どうやら身分証明書がなくて公的書類を発行できない類のトラブルのようだ。周りの市民職員怪訝な顔で覗いていた。たぶん堂々巡りの話になっているのだろう。

そして、交代したGさんは、静かな様子で男性の話をひたすらに聞いていた――これが傍から見ていても、「あなたの話を聞いています」「共感しています」「申し訳ございません」という態度が伝わってくる。男性は次第に落ち着いていった。最後まで納得はできないという面持ちだったが、諦めて正面玄関の方に歩きはじめた。

傾聴は苦情対応の基本である。ここまでできる人は、市の職員では初めて見る。

「この人、どんな業界が向いているだろうか」と、昔に就いていた転職支援仕事を思い出していた。

個人的感覚だと、やはり福祉だろうか。受付系も悪くはないが、こういう人には攻めの傾聴というか、そんな仕事が向いている。最初に浮かんだのは、証券会社リテール営業だった。しかし、Gさんはあの業界蔓延る罪悪に耐えることはできないだろうなぁ、と思い直したのを覚えている。

それから数年間、Gさんのメンタルの強さ、粘り強さを発揮したのを何度か見ることになった。市民の中には、自己表現としてのクレーム――己が主張を表明するために市役所の窓口に来る人もいる。何か強いストレスを抱えていて、それを発散するために市役所まで出向く。そういうタイプ市民だ。

そんな人にもGさんは優しかった。とにかく話を聞いて、あまりに騒々しいようであれば怒鳴る市民を別のスペースに誘導し、一般市民邪魔にならないようにして苦情の解決を図るのだ。

Gさんはこの部署が長かった。当時30才になるかならないかだったが、査定は常に5段階中の4だった。上司からも仲間からも信頼を集めていた。

が、それで万々歳とはならない。彼女はいつもそういうお客さんばかりを相手にするので、残業がとんでもない量になっていた。勤怠管理システムの記録によると、Gさんは毎月50時間以上の残業は基本であり、それに加えて、土日祝のいずれかに必ず出勤してサービス残業をしていた。

私も、なんやかんやで土日に出勤することが多かったが(もちろんサービス残業だ。管理職なので…)、Gさんを見かける確率は5割を超えていた。庁舎内の配置的に、3階にある私の職場に上がる時にGさんを見かけることになる。サービス出勤をしている職員はほかに何人もいたが、彼女が最も印象に残った。

黙々と仕事をこなすGさんを見ながら、私の時間は過ぎていた。

実際、Gさんはいい子だった。料理は上手いし、家事洗濯もばっちりだし、家では猫を飼っているのだが、これがまた人懐っこい。でも、猫カフェは嫌いらしい。なんでも、「あそこの猫はみんな苦しそう」とのことだ。私が「目の前にあるんだし、行ってみようよ」と誘っても、頑として首肯しなかったのを覚えている。ちなみに、好きな食べ物たこ焼きだ。食べ歩きはマナーが悪いよ、と何度言っても聞いてくれなかった。

思えば、Gさんが土日出勤しているのを眺めるのが当たり前になっていて、この人を助けなければという意識が働かなかった。ある大晦日に、Gさんが煖房をつけず、明かりもなしでパソコンに向かっているのを見たことがある。コートを着て自席に腰かけ、震えながらキーボードを叩いていた。

「Gさん。それじゃ寒いでしょ。煖房つけなさい」

私が言うと、Gさんは座ったまま、ぼんやりこちらを見詰めていた。

「すいません、これでいいです。いつもこうなんです」

「まあ、そう言わずに。一度体験したら病みつきになるかもよ」

「お気遣いありがとうございます。でも、わたし寒いのがいいんです」

「そうか。お寒いのがお好き、なんだね」

Gさんは、「こいつ何言ってるの?」という顔をしていたが、意味に気が付くと、パソコンに顔を向けながら噴き出した。

若い子でも意外と通じるんだな、と感じて私は、エアコンスイッチを押した(蛍光灯スイッチ場所はわからなかった)。人事課に続く階段を昇り始めるところで、Gさんが職場に明かりを灯したのを認めた。

この彼女は今、市役所と近い業種の仕事をしている。もう不当な時間外勤務はしていないはずだ。直接働いている姿を見たことはないが、きっと活躍していることだろう。今も幸せであってほしい。



2例目.地域振興系部署のHさん

この人も女性だ。地域を盛り上げるような感じの名前部署にいて、エース級の職員として知られていた。

さわやかな見た目の女の子だった。高校を出てすぐに市役所に入ったという。私が採用された年の4月時点で21才になる年だった。結論から言うと、この子はもう地方公務員ではない。その次の年に民間企業、よりによって当時の取引先に引き抜かれる形で退職した。

惜しいことをした。もしそのまま現職に留まっていれば、もっとイキイキと働ける環境があったかもしれない。今更言っても遅いのだが……。

Hさんを最初に見たのは、窓口でお客さんを見送っているタイミングだった。市役所で働く女子職員は、みんな仕事に使えそうな私服で来るのだが、Hさんは限りなくスーツに近い、パリッとした装いだった。凛とした覇気のある顔つきだったけれど、ちょっと不安げな瞳が印象的だった。

見た感じでは、大卒3年目くらいの雰囲気である市役所には、たまにこういう人がいる。早い話、Hさんは頭の回転が早くて、見た目がシッカリしていて、礼節を弁えており、創造的な仕事もできる。そんな子だった。

創造的な仕事』については特定のおそれがあるので述べないが、当時の公務員業界では花形とされる仕事だった。億単位の金が動く。上の人間は大枠を決めて指示をするが、Hさんにも商品企画業者選定などの権限が与えられていた。

その仕事をやりたいと希望する職員は何十人といて、その中には数年後に昇進を控えたベテランが何人もいた。民間においては、こういう花形とされる事業や、大金が動く案件というのは――事業部長みたいなポジションの人が直接担当するか、または管理職に昇進する手前のエース社員担当することが多い。それを、大学生ほどの年齢の子担当している。

ほかのポジションだと、例えば市長秘書の1人は臨時職員だった。早い話がパートさんだ。30代後半で、圧倒的清潔感の子持ちママだった。実力登用の文化トップから滲み出ているところがK市の美点のひとつだと感じる。

当時の私は不思議に感じていた。なぜ、官公庁ではこんな人事ができるのだろうか。将来の利益を重視するのはわかるが、今の利益のことも考えないと――と想念した瞬間、私の脳裏ビビッ!と走るものがあった。

そうだ。新人公務員向けの研修で習っただろう。公務員利益を追求しなくていい。だから利益度外視で、十数年先のことを考えた配置や処遇ができる。Hさんは、すでに幹部候補としての育成が決まっていた。ならば、さっさと重要ポジションを任せられる限り任せていった方がいい。そういう判断だった。

もちろん、幹部の好みの問題でもある。当時、市長と市外の飲み屋に出かけた時、嬉しそうにHさんのことを話していたのを覚えている。なんでも、市長室でその花形事業の今後の商品展開に関する協議をしていた時、事業部長に連れられていたHさんが、副市長と侃侃諤諤の議論になった――そんな内容だったろうか。Hさんは議論になると熱くなるタイプだが、それが終わると途端にホンワカになるらしい。気さくな感じで、癒される話し方になって、市長が言うには、そのギャップがいいらしい。

その事業部長も確か、とあるイベント終わりの飲み会の時にHさんのことを誇らしげに話していた。当時、入庁1ヶ月目だったHさんの部署飲み会の席で、会の最中参加者にお酌をして回ったのはHさんだけだった、みたいな話だ。嬉しそうな表情で、自然にみんなに一人ずつお酌をして回って、先輩との交流を深めていたということだ。

若干18~19歳でそこまでできる子は、そうはいない。エース枠としてチャンスを与えられて当然だ。こんなことを書いていると、増田民の方々には『飲み会不要論』的な観点攻撃を受けてしまいそうだ。しかし、これはあなた視点に立ってみればわかりやすいのではないかあなた飲み会に参加していたとして、若い男の子女の子が、「仲良くしてください!」みたいな雰囲気でお酌や会話をあなたに求めてきたら、嬉しいと思わないだろうか。可愛い奴だなと思うだろう。そういうことだ。

私はHさんと話したことは2回しかないが、わかるような気はした。頭がいいだけではなく、物事に対して本気になれる。そういう子だった。

さて。Hさんは突然退職してしまった。冒頭に述べたとおり、花形事業関係する取引先(パートナー)に引き抜かれたからだ。晴天の霹靂だった。

Hさんが書いた退職理由書を読んだ。要約すると、「市役所ルール職場環境がつまらなく、物足りない」とのことだった。例えば、公用文では「問合せ」を「問い合わせ」と書いてはならない。しかし、動詞になると「問い合わせて」と書かねばならない。細かいことだが、間違えたら稟議のやり直しになる。そういった文書事務に関する文化が、HさんがK市を辞めた理由ひとつだった。

若い子であれば仕方がないとも思う。確かに公務員業界というのは地味だ。完全なる聞きかじりだが、『若手のうちは仕事の何が面白いのかわからない。それが公務員の難点だ』というのが、当時のHさんの退職理由を読んでの副市長の談だった。

まあ、過ぎたこはいい。もういいのだ。気にするだけ損というもの――Hさん個人の件に限っては。

だが、Hさんを引き抜いたクソコンサルは別だ。きっちりとリベンジしてやった。K市の入札に入れないよう指名停止(※)にしたうえで、県内他市すべてと、都内の右半分くらいの地方自治体と、県庁と、国の機関各所にもこの度の情報提供を行った。

罪状はもちろん、『取引先の従業員を引き抜いた』ことだ。許されることではない。民間企業同士でも、そんな足の引っ張り合いはまず行われない。それを、あのクソ非常識ITコンサルはやってのけたのだ。それなりの報いがあって当然だろう。

正式指名停止は今回の場合だとできない。条例規則や要綱に定めがないからだ。よって、入札参加・指名業者リストにその会社名前を残したままで、入札には呼ばないという意味での指名停止になる。

https://anond.hatelabo.jp/20211231220518

問題職員の正しい辞めさせ方 3/10

case2.B子さん

二人目のB子さんは、ある意味で私と同期だった。私がK市に採用された年に、高校を出たばかりの彼女が入庁してきた。

K市に入ってからの私というのは、せっせと新人公務員として基本的事柄勉強したり、各庁舎をぐるぐると見回って雰囲気を掴んだり(大抵は職員への挨拶を兼ねている)、K市が主催するイベントスタッフとして十数回と参加したり、多くの自治体職員が集まる研修に出席したり、ほかの幹部がまとめた人事政策に対してフィードバックを述べたり……あっという間に5ヵ月が過ぎていった。

その頃だった。B子さんについての苦情が寄せられたのは。毎年9月にある新人職員への人事面談の折に、B子さんのいる課から上がってきた。一応、直属の上司事実であると認めた苦情ということで、今度はB子さんと面談室で話をすることになった。指導的な色合いが強い内容になる。

今でも思い出す。あの女は人生をナメていた。なめ猫なんて甘っちょろいものではない。すでに組織を蝕む害獣となりかけていた。

面談室に入ってきた彼女を見て衝撃を受けた。髪の毛は脱色しているし、恰好女性向けファッション誌に出てくるそのものだったし、朱色のスカートの丈は相当な短さだったし、口紅は真っ赤だったし、ピアスをしていたし、首に〇〇〇〇〇もついていたし……どこから突っ込んでいいのかわからない。

私も、世間一般では活発で知られた営業会社で働いていたが、彼女ほど派手な恰好女子社員はさすがに見たことがない。せいぜい茶髪や控えめなチークだった。多くのお客様の前に出ないといけないからだ。

A夫さんの時と同じく、面談室の両側のソファにお互いに座った。こちらには人事課長が、向こうにはB子さんの直属の上司がいる。

面談が始まった。初めに私の方から、「B子さんですね。お仕事で忙しいところすいません。まずは事実確認ですが、今着用しているような衣服を先輩に注意されたことはありますか」と尋ねた。

以下、大まかなやりとりになる。

「あります。年のいった人から注意されました」

「その先輩には、なんて言って答えましたか

「私の自由です、と何度言ってもわかってもらえないんで、『ハラスメントです、やめてください、気持ち悪いです。これ以上は親に話します』と伝えました」

「それは、先輩があなたのことを思って言ってくれたのではないですか?」

「違います

「では、どんな気持ちだったと思う?」

「ムカついたから言ってきたんだと思います

ほかの行動、例えば自分が気に入らない職員無視するとか、夜の窓口勤務中にチョコレートを食べながらほかの女性職員雑談していたとか、勤務時間中に携帯をいじって過ごしていたことなど、色々と聞いていったが、終始ブスッとした調子で返答するのみだった。最後に、だるそうな口調で「何とかやってみます」とだけ告げた。

面談中、私はB子さんの履歴書採用試験時の成績を見ていた。偏差値50くらいの公立高校を出ていて、英検漢検の初級程度を持っていて、採用試験筆記試験)ではほぼ満点を取っていて、性格適性検査ではやや嘘つきと出ていて、肝心の面接試験では、「明るくハキハキしていて、利発な印象を受ける」とあった――採用試験でわかることなど、この程度のものだ。

いったん話は逸れる。私が採用された背景(どんな目的を叶えたくて私を採用したのか)、当時の市長から受けた勅命を述べる。

「優れた職員を残し、不要人間は残さない」「次世代に残すべき職員採用する」「そうした職員が辞めない環境を作る」といったものだ。

冒頭に述べたように、このK市の新規採用職員の3年以内離職率について、十数年前は1割未満だったものが、私が市長からスカウトされた年には約35%まで悪化していた。20採用したら、3年以内に7人が辞めていることになる。3年超えになると、もう数パーセント上昇する。

辞めた者の中には、将来を嘱望される人材が何人も含まれていた。ボリュームゾーンは30才手前で、これまで将来を期待されて県庁や国の機関に出向したり、エース級の職員が配属される部署で頑張っていた職員らが退職を選んでいた。この状況を正すことが、私に課せられた任務だ。

市長の談によると、人事課が収集した退職理由の中でトップだったのが、「将来、昇進しても幸せになる未来が見えない」で、肉薄して2番目だったのが、「異常な言動を取る職員が多いうえ、上の人が彼らに何の対策もしない。働いているのがばかばかしい」というものだった。

このうち、私が解決に役立ちそうなのは二番目の課題だった。一番目の課題は、プロパー職員が自ら考えて実行すべきことである。外部の人間である私が考えるのはお門違いだ。アドバイスはさせてもらうが……。

話を戻す。

これらを踏まえて、B子さんへの対応を考えることになる。面談を終えて、私はその場で人事課長に目配せをして問いかけた。

「B子さんを切りましょう」

「試用期間とはいえ、難しいのでは。やめておきましょう。あの子はまだ若い。立ち直るかもしれない」

ツッコミが入った。想定どおりだ。

試用期間中分限免職処分は、K市はもちろん、県内他市町でもほとんど例がない。が、私はそれに成功した市町村のいくつかを研究していた。

「試用期間での成績が不良である場合正式採用しないことができます判例を調べましたが、いくつかの市町村では実際に行われているようです」

「うん……考えるべきところではある。あの子は、ちょっとひどいとも思います。ただ、私の権限ではちょっと決めかねます

権限は置いといて、あなた個人判断は?」

「わかりません。市長にも副市長にも総務部長にも伺ってみないと。これは全庁的な問題なので、もっと、いろいろと議論を重ねてみるべきかと」

市長問題ないでしょう。ほかの人は私が説得してみますしかし、第一には人事課長であるあなたの職分ではないですか」

「それはそうですが、職員の進退そのもの判断することはできません。それを言うなら、私さんの役職は一応は部長級なんですし、私らと違って一流の会社にいましたし、市長の元部下なんでしょう。私よりもやりやすいんじゃないですか。とにかく、私にはどうすべきかわかりません。例年であれば、あの子はそのまま正式採用されます

人事課長は乗り気でないようだった。

それから面談室を出て、人事課に戻って、課内の奥野須美に着席した。

私の机と椅子は人事課の奥にある。

2022/01/02 追記 奥野須美さんには着席していません。奥の隅の誤りです。

その後も何度か討論を重ねた後、B子さんへの対応が決まった――退職勧告だ。

後日、総務部長の口頭での承認を得た。市長は、「お前の好きにやれ。判は押す。証拠絶対に固めるように」とのこと。副市長は猛反対だった。予想どおりの瞬殺だった。

そして、不安そうにする人事課の職員らに対して私は、「市長からは、現場判断していいとの答えをもらっています。何かあれば私が責任を取りますあなた達に迷惑はかけません。協力を求めます」と答えた。

責任など取りたいはずもない。が、ここはレイズの場面だ。攻めるのだ。戦え。今しかない。ここで勝てれば、私の信用は外部登用組の管理職(※当時、国や県や民間から計4人の出向を受け入れていた)の中でも相当に高くなる。ここは何としても取りたい。

方針が決まったとなれば、後は実行だ。

今回のメンバーは、人事課長と私だった。前回は私が面談を主導したので、今回は課長が行うことになった。こういう貴重な経験は、多くの人間シェアすべきという考えによる。

人事課長は、不安そうな顔つきだった――この人は将来を嘱望されている。当時は50代半ばで、順当に上の人間の席が空けば総務部長にもなると言われていた。

安心してください。上の人間は『方針』を認めていますあくま方針だけですが。今後のK市のためにも、ぜひあなた実施すべきです」

私が激すると、彼はしぶしぶ動き出した。

そして、いよいよ始まった面談は、思ったよりも淡々としていた。B子さんが面談室に1人で入ってきた時、人事課長ソファ中央腰掛けていた。話の最中は、私が脇にある椅子で見守っていた。

さて、Bさんとのちょっとしたやりとりの後、人事課長は「あなたを本採用できません」と告げた。それから理由などの説明が終わると――B子さんは顔を一瞬だけ歪ませて、また元の顔に戻ると、「わかりました」とだけ告げた。面談後は、泣きそうな表情でその場を後にした。抵抗はなかった。

あっけないほどすぐに終わった。時間にして5、6分だった。もっと抵抗されると思っていた。本人もわかっていたのではないだろうか。自分がこうなることを。

「〇〇課長、やりましたね。苦しかったでしょうが、これが新しい一歩なんですよ。踏み出せたじゃないですか」

私は、片方の拳で人事課長の脇腹を貫いた。彼はちょっと痛がるようにしてから、拳を額に当ててソファの上で態勢を沈ませる。

神妙な面持ちで、「B子さんは何とかなるんですかね。これは脅しの一種ですよね。反省すれば、クビにはならないんですよね?」と呟くように述べた。

「お前みたいな悪いお人好しが組織を腐らせるんだよ。もっと組織のために悪者になってみろ」

という言葉を飲み込んで私は、その場の片付けを始めた。

B子さんの退職の話を聞いた副市長が、再び私と総務部長を呼び出した。やはり逆鱗に触れたようだった。今回は稟議書(※B子さんの聴取記録のこと。A夫さんは犯罪関係市長までそれを回す必要があった)を回すほどの案件ではなかったのに、なぜわかったのだろうか。私だってB子さんの今後を考えている。分限免職だが、形式上は年度末での通常の退職という形にしていた。

副市長とは激しい議論になった。彼が退職するまで、少なくとも5回は苛烈な論戦をした思い出がある。私は何度も説明した。これから公務員業界が厳しくなっていく中で、これまでの人事政策を変えていく必要があることを。勤務成績が極端に悪い職員を追い出すことの合理性を説いた。

が、わかってもらえることはなかった。副市長は、人事課の主導で職員を辞めさせるのを避けたいようだった。最後に、こういうやり取りがあった。

市長が「それでいい」と、どうしても言うなら私は反対しない。一番に重い責任を取るのは市長なんだからしかし……こうした案件について私は承認しない。法令上は、市長意思さえあれば有効意思決定だ。やりたいなら好きにやれ。もうこういった件は私のところに持ってくるな。不愉快だ。いいね?」

「いえ、それでも副市長に話は持っていきます。ここのルールですからね」

数日後、B子さんの母親から人事課に電話がかかってきた。電話を受けたのは私だった。「B子の母です」と名乗る声を聞いた時、私はB子さんに関係する資料を手元に手繰り寄せた。

「この度は、娘が申し訳ないことをしました。本当にすいません」

開口一番がそれだった。

B子さんが本採用にならなかった理由は本人に説明したが、母親再確認をしたかったようだ。

理由はB子さんが述べたとおりです。公務員、いや社会人としてよくない面が多すぎました。もちろん、いきなり職場に来るなということではなく、来年3月末までは在籍できます給料ボーナスも満額払われます。その間に、また就職活動の方をしていただいて~」

「本当にすいませんでした……お給料までお支払いいただいて。今回はご迷惑をかけましたが、何かあったらまたよろしくお願いします」

終始謝りっぱなしだった。この子にしてこの親あり、という俗諺の例外を今まさに見ていた。

「この親からの子が育ったのか!?」とその時は何となく考えていたのだが、後日、答えのようなものが見つかった。申し訳ないが、ここで公表することはできない。一線を越えていると判断する。

その時、私の中に罪悪感のようなものが込み上げてきた。世の中には、どうしようもない事情というものがあって、それに翻弄され続ける人間も当然に存在する。B子さんも、その1人だった。

少しだけ話そう。あの後、総務部長が、「せっかくだからもっとの子を調べてみたら」と助言してくれた。指示されるがまま、市民課(住基ネット)や税務課(税務情報システム)や福祉課(福祉情報システム)でB子さんの情報を集めてみた。すると……。

今の私が、当時の私にアドバイスをするとしたら、「あと1年は様子を見てもいい」(地方公務員法には試用期間延長のルールがある)と告げるに違いない。

いかに私が民間企業で人事責任者をやっていたとしても、人にはその数だけ事情がある。即座にすべてを把握する力はない。結果的に、私はそれを汲み取ることができなかった。もっと、深く細かくB子さんに寄り添っていたらよかった。

[追記]

ここまでの描写だと、まるで私と副市長犬猿の仲だったように映るが、実際には違う。仕事で一緒になることがあれば、普通に冗談などを言い合っていた。

例えば、遠方にある他市町の児童福祉施設を視察していた時だった。市長副市長と私その他は、保育の現場を見た後に自由見学していたのだが、やがて2階の大きな吹き抜けになったフロアの隅に辿り着いた。そこには、「幼児 プレイコーナー」と看板に書かれたスペースがあって、どうやら小さい子ども向けの遊び場のようだった。プラ素材の小さい滑り台から小学校低学年向けのジャングルジムまで、様々な遊具が置いてある。

副市長は、「あの名前は気に入らない」と呟いた。文書のインデントが0.5文字ズレているだけで不機嫌になる人だ。例えば、いま私は、上の「幼児 プレイコーナー」を半角スペースとしたが、K市で働いている時なら公務員業界慣行に従って全角スペースにしただろう。

私は、「一般的な名称だと思いますが……どこかおかしいところが?」と意見したところ、「色々ある」とだけ返ってきた。

夜になって、視察終了祝いの一次会があった。さあ次はどこで飲もうかと、市長副市長その他と歓楽街をうろついていた。このレベル役職の人はK市内で飲めないため、こういった視察が貴重な機会になる。

「××君。ほら、あれ見てみろ! 幼児プレイだ」

と、酔っぱらった副市長が私の襟ぐりを掴んだ。風俗街の一角を指さしている。

幼児プレイあります」「ママに甘えたい!」「授乳OK」などと書かれた看板のぼりが立ち並んでいた。

「後で行ってみるか。おごるぞ」と意気込む副市長に対し、市長が「昼もやってるみたいだ。なあ副市長、視察の前に(以下自主規制)」とツッコミを入れていた。

それで私は、「もしかして副市長はあのとき風俗のことを考えてたんですか!? あの真剣な顔で、さっき現場で見たどの先生がよかったとか? ねえ副市長

「ふざけているのかお前はッ!! 真面目にやれ!」

副市長は激昂していた。

仕事馬鹿にするのも大概にしろ!」

歓楽街一角で怒鳴られる私を尻目に、市長とほかの幹部はどこかに行き始めていた。

「お前、幼児意味がわかってんのか!?」

「わからないです」

法律では満1歳から就学前の子どもを幼児と言うんだろうが!! あそこには小学生も遊べる立体遊具があっただろうが!! 矛盾に気づけッ!」

「すいませんでした」

年に一度は視察などで副市長と飲む機会があったが、普段が真面目すぎるだけで、面白い顔もちゃんとある

人間基本的にそうだ。あなたにとって好きな面も嫌いな面も、両方ちゃんと澄んだ目で見ることができるのなら、ケンカになっても関係が壊れることはない。

あなたは、自分が嫌いな人間のことを認めることができるだろうか。人のいいところを見つけることができるだろうか? 自分でも今、何を書いているのかわからなくなってきた……。

https://anond.hatelabo.jp/20211231220517

問題職員の正しい辞めさせ方 1/10

2023/1/2 part5を全体的に修正出身会社について追記

     part10を全体的に修正最後に加筆あり。

前職を辞めて1年以上が経った。そろそろ事業会社で働いてみようと決心したところで、キャリア棚卸しをしてみようと思った。

私は、新卒人材広告営業会社に入った。その次は転職支援仕事をしていた。いずれも管理職になって、いくつかのチームをマネジメントする立場になり、二番目の会社を数年後に退職してから個人事業主になって、ひょんなことから地方自治体市役所)に転職した。

そこを辞めてからは、幾ばくかの退職金を元手に、フリーランスをしながら自由毎日を送っていた。今でも個人コンサル仕事を請けたりする。学生時代を懐かしんで、マクドナルドクルーに応募して働いてみたりもした。

人生の休息はたっぷり取ったし、そろそろ本気で再就職を目指そうかと考え始めたところ、職務経歴書を書かねばならないことに気が付いた次第だ。

なお、当日記タイトルは、問題社員の正しい辞めさせ方(Amazonのページに飛びます)という本から拝借している。

名著だった。今回の日記投稿に至ったのはキャリア棚卸しが主な理由だが、この書籍インスパイアされたこともある。

前職の説明をする。とある地方自治体特定任期付き職員として、人事政策立案運用を担っていた。役職部長級。人事~~と名の付く長ったらしい名前だ。

かつて個人事業主だった頃、それまでに培った人材広告営業や、転職支援スキルを活かして個人コンサルをしていたところを当時の市長に拾われた。この人は、私が勤めていた会社ひとつ上級管理職をしていた縁があった。

私以外にも、いろんな組織から多くの人間を市に引っ張っていた。みな幹部としての登用だった。それぞれが民間等での専門性を活かし、刷新的な業務に取り組んでいたのを覚えている。

ここに綴るのは、地方公務員の端くれとして〇年間、人事の仕事に携わった諸々の実例だ。

始めに言ってしまうと、私の仕事政策立案の本流ではなかった。それよりも、できがよくない職員、いわゆる問題職員無能職員と言われる者たちのトラブル処理や、彼ら彼女らへの指導――のみならず、退職勧告まで含めて担当していた。

当時の市長(私の任期の途中に退職)は、私をそのために採用したに違いないという確信がある。行政経営における中核的な人事施策は、当然ながらプロパー職員に担わせるべきだ。私は、公務員が慣れていない型の人事業務(いわゆる肩たたき系)の企画運営を行い、後の人間に引き継ぐために採用されたのだ。何か問題が起こっても、私は幹部職員権限ある人間ということになり、責任を取ることも可能というわけだ。

前の会社においても、人事責任者として様々な人間に接してきた。その経験を当時の市長は買ったのだろう。かくして勤めることになった市町(K市とする)が抱えていた問題を解消するために動くことになった。

実際、当時のK市には労働関係指標問題があった。3年以内離職率だ。私が赴任する直前年度の3年以内離職率は、30%を超えていた。地方自治体は、同規模の民間企業に比べて恵まれ労働環境にあるというのに、この数字ちょっと高い印象がある。

辞めていく人間の大半が査定の低い者、トラブルを起こす者ばかりであればまだいい。だが実際には、将来のK市をしょって立つと期待された職員が半数を超えていた。特に若手だ。

せっかく、まちづくり活動に携わる職場や、霞が関や、県の本庁にある部署や、県内市町から1人ずつ出して組織される団体(〇〇合同機構や、〇〇事務処理組合など)を経験させたというのに、辞められては元も子もない。



前段の終わりに、まずは当記事基本方針を述べる。

「全くの嘘は書かない」

というものだ。どういう意味かというと、例えば「A」のことを「アルファベット」と表現することはあっても、全く別のBと言うことはない。A´みたいな表現はするかもしれない。

日記は、胸の痛くなる描写を伴う。しかし、私自身が次の転職に向けて準備をするために行っているので、赤裸々な事実まで含めてきちんと振り返ってみようと思う。死人は出ないので安心してほしい。

次に、この日記を書いたきっかけについて。何となくお察しかもしれないが、△年前に雇止めの通告を受けた。任期はその年度の3月末までだという。

結果を出したにもかかわらず、任期更新されないという裏切りを受けた。私はそのように感じている。

自治体配慮する道理はないものと考える。書いてもいいこと、書くべきことは何でも綴ってやるつもりだ。

形式的には地方公務員だったかもしれないが、本当は違う。私はあくま民間側の人間であり、自治体の人事運営の一部をコンサルティングする立場としてアサインされた。しかし、業務委託(準委任契約)の立場ではできない(例えば職員への直接の命令指導)ことが多いため、致し方なく特定任期付き職員として採用された。それだけのことだ。

尤もらしいことを書いたが計算もある。以前、はてな匿名ダイアリーで、元公務員である作者が、かつて勤めていた組織の内情を(おそらく)包み隠さずに綴った日記を何点か読んだことがある。その中には、当然官公庁の内部事情に関するものもあった。「それ書いたらあかんやろ、捕まるぞ」と直感的に感じたものもある。

その人の日記では死人が出ていた。当日記では誰も死なないし、たとえどんなに面白い話であろうと、亡くなった人間ネタにするつもりはない。

例の日記は、今でも増田に残っている。魚拓と比べて、投稿後に何かを隠した形跡もない。私がこれから書く内容も赤裸々なものだが、あの日記の暴露レベルラーテルとすれば、当日記チンチラのようなものだ。ラーテルチンチラが戦ったとして、多くの場合ラーテルが勝つだろう。

そこまで大した内容を書くつもりはない。挑戦してみるのも悪くないと思えた。

当然ながら、職員個人については特定がされないように最大限配慮する。特定危険があると判断した場合は該当箇所を削除する。では、以下に1章ずつ綴っていく。

初めに言っておかねばならない。この日記はとても長い。全部で5万字はあるため、気になったところだけ読んでいくやり方は大いにアリだと思う。

かなりざっくりとした目次は以下のとおりだ。

第一章 更生が期待できない問題職員について Part1の途中~3,5~6

 私が対応した職員4人分の記録。Part4は閑話休題

第二章 更生が期待できる問題職員について Part7

 思い出に残っている職員を1人だけ取り上げる。

第三章 地方自治体はどんな職員がほしいのか Part8~9

 タイトルのとおり。どんな人が公務員に向いているのか?

結びにかえて Part10

では、さっそく第一章に入る。

第一章 更生が期待できない問題職員について

この章では4人分、問題職員への対処例を述べたい。私が採用されてから退職するまでの間に接した事例になる。

case1.A夫さん

A夫さんは当時、50代後半だった。まるで絵に書いたような昭和風の地方公務員であり、私が若い頃に聞いた「公務員はこんな感じ」を地で行く人物だった。今では絶滅危惧種だと言っていい。

毎日5時になったら帰り支度を始める。朝は始業2~3分前に出勤する。たまに遅刻あり。

主任主査級(※民間で言うと平社員最上位。ここまでは自動的に昇進する)。年収は8本ほど。

有給休暇20日分+夏休み4~5日分を毎年フル消化

仕事量は少ない。勤務時間中はのんびり過ごしている。電話や窓口には出ない。

台風待機や他課の行事があると積極的に手を上げて参加する(時間外手当がほしい)

ここまではいい。業界的には許せる範囲だ。生産性の低い人間には違いないが、問題職員とまではいえない。

この年代になると、彼らが新人職員の頃に先輩が行っていた(よくない)行為をすっかりと踏襲している。出張の帰りに公用車で自宅に帰ったり、家のごみ市役所ごみステーションに放り込んだり、イベントで余った飲食物を箱単位私物化したり、市の取引先の〇△メーカーから私物としての〇△を卸売価格以下(店頭価格の約4割。同種の横領の誘発を避けるため伏字)で購入したり、机の下に焼酎ウイスキーを隠し持っていたり……。

重ねて言うが、ここまではまだ許せる。働く組織によって文化や慣習は異なるものだ。彼らや彼らの先輩が今までずっとそうしてきて、それで通用してきたのであれば、それは組織責任でもある。

それに、若い職員には年配の職員が不幸である様子は極力見せたくない。「自分たちも将来は……」という希望を持っていてほしい思いがある。ほかに理由はあるが、当日記を読んでいるうちにご理解いただけると思う。

しかし、A夫さんは一線を越えてしまった。

罪を犯したのだ。職場飲み会の帰りに酔っぱらって気が大きくなった彼は、とある罪を犯した。現行犯逮捕されたA夫さんが翌日に暗い顔で上司に報告したのが、私が赴任してちょうど一か月の頃だった。

新年度第一例目ということで、私は総務部や人事課の職員特に幹部クラス)がどう対応するのか見るつもりでいた。人事課の隣にある面談室で、A夫さんと、総務系・人事系部署役職者が何人かと、私が同席していた。みな、それぞれソファに座っている。

その時のA夫さんの印象は、以下のようだった――と書こうと思ったが、そこまでの価値もない。一言でいえばこうだ。

反省の色がない』

夜中にコソコソと他人の所有物を盗んだにもかかわらず、ヘラヘラと笑いながら、「すいません」と首をブラブラさせるばかりだった。シャツその他の衣服はよれよれで、ネクタイは曲がっていて謎のシミがある。

面談後、私は単刀直入に人事課長ほか数名に尋ねた。「免職ですよね?」と。

それは、短い返答だった。「これから協議します。民間なら免職かもしれません」というものだ。

私は負けじと、あらかじめ調べておいた根拠を示した。人事院が発している「懲戒処分の指針について(平成12年3月31日職職―68)」というものだ。

国家公務員地方公務員も、この通達に従って処分を決めるという。免職処分か否かで揉めて裁判になった場合も、裁判所はこれを基準として判決を下す。その中に、以下の文言がある。

 3 公務非行関係

  (1) 放火

    放火をした職員は、免職とする。

  (2) 殺人

    人を殺した職員は、免職とする。

  (3) 傷害

    人の身体傷害した職員は、停職又は減給とする。

  (中略)

  (7) 窃盗強盗

   ア 他人財物を窃取した職員は、免職又は停職とする。

   イ 暴行又は脅迫を用いて他人財物を強取した職員は、免職とする。

A夫さんの場合は、(7)のアにあたる。免職処分にできるはずだ。だが、人事課よりも上の立場人間(※その人は部長級で、私と同格だったが、新人だった頃の私に権限権威などあろうはずもない)は、A夫さんを停職1ヵ月と減給で済ませるという。

ここが勝負どころだと思った。

私が最初に入った会社では、飲食店などをメインに、自社の求人広報誌に情報を載せてもらう飛び込み営業を十年近く続けた。その後に実績が認められて人事部署に異動となり、数多くの優秀な社員問題社員と接してきた。次の会社でも、現場経験後に人事畑に移っている。今、この経験を用いる時だ。でなければ私の立場矮小のままである職員からの信頼は得られない。

手を挙げた。次回のA夫さんの面談は、私が主担当となった。面談室のソファ中央に私が座り、右脇には人事課長、左脇にはそれに準ずる者がつく予定だ。後は結論と筋書を用意して、A夫さんをその方向にもっていくことになる。

その前に、市長に軽く相談したところ、「お前の好きにやってみろ。決着がついたら教えてくれ」とのこと。ならば好きにやらせてもらおうと思った。

(続く)

https://anond.hatelabo.jp/20211231220515

2021-12-28

管理職への昇進にあたって担当役員面接をした記録

7割は説教。「もっと頑張れ」「上位の管理職もっとサポートしろ

のこり3割は自分武勇伝。「俺が担当の時は~」

まり聞くだけ無駄だった。ちなみに自分が発した言葉は「そうですね」を3回のみで何が面接だったのかよくわかんない。

お金の為に仕事してる人と信念の為仕事している人の話

ずーーーーーっと見ているだけだったけど登録しちゃった、増田ってなんだ?私も増田?使い方あってるのかな、わから

私もこの蠱毒の中に飛び込んでみたくて、思っていることを書いてみたよ

ある程度社会で揉まれて、仕事に対する動機って二種類あるのかなと思った

それは【お金のために仕事する人】と【信念のために仕事をする人】のふたつ

どちらが優っているという話ではないけど、

私は【お金のために〜】サイドの人間だったので

信念サイドの人間に敵わないなという場面は多々あった。

お金サイドの人間は、幼少期からお金に困ることが多く、(家庭環境や出生出身地などが深く関わってくるだろう)貧乏を非常に怖がる。

その分貪欲さがあり、自ら考え結果を出し、自分を売り込むことに余念がない。ある程度の管理職もできるだろう。

逆に、

信念サイドの人間は、幼少期から不足ない生活を送ってきたのだろうか、金銭面の制約がなく心から自分のしたい事を選べる。

給料関係なく、自分がしたい事をする。

その結果それがすごーーく人に対して刺さったりするんだよね。

管理職こそならないけど、奇抜なアイデア存在感組織で頭ひとつ抜けている人が多いと思う。

お金サイドの人間自分の利(給与評価)にならない事はしないけど、

信念サイドの人間自分心のままに動いた結果、高い評価を受けている感じがして、しかもそれを昇進の材料として使わない。

何なら退職して手放したりする。

飄々とやってのけるそれがうらやましい!!

私は生涯お金サイドの人間として生きるだろうが、それに対して特に不満はない。

でも、給料が安い仕事をしていても不安がなかったり満足できる人生とはどんなのだろう

スーパーで値段を気にせず食べたいもの買いたいものを好きに買える気持ちってどんなのだろう

2021-12-26

はてなーなら当然リモート帰省だよな?

テレワークでも生産性は落ちない、むしろ上がる

テレワークさせない会社はド三流

出社させたがる管理職は寂しがり屋、部下にマウント取りたいだけの無能

とかゆってたはてなーの皆さん!!!

年末は当然リモート帰省だよね?

爺婆もスマホぐらい持っとるやろ

なければ支給してやれよ

2021-12-23

仕事やってるフリ」ばかりしてた人の話。

https://blog.tinect.jp/?p=74400

採用をしていると、

「この方は、「仕事やってるフリ」ばかりしてたのでは」

と感じるときがある。

特に仕事の成果について聞くとき、これは顕著だった。

例えば、前職がマーケティング仕事だった、という方。

彼は、「コーポレートサイト改善し、お客様に使いやすサイトを実現しました。」とアピールしていた。

そこで、我々は

「具体的には、「使いやすい」とは何を意味しているのですか」と尋ねた。

彼は、戸惑ったような表情を見せたが

「見やすかったり、わかりやすかったり、という意味です。」

と言った。

なんとも、抽象的な話だ。

そこで、我々はもっと具体的な意見を求めるため、自分たちコーポレートサイトを見せた。

「では、このサイトを見てアドバイスいただきたいのですが、これは「見やすい」ですか?そうでないなら、具体的な改善事項を指摘してください。」と要求した。

しばらく後、彼はモゴモゴ何かを言っていたが、結局

「見やすいと思います。」と言うだけで、意見らしい意見はもらえなかった。

結局、彼を採用することはなかった。

彼の言動から、「仕事やってるフリ」の人である判断されたからだ。

企業教育」に携わっていた、という方がいた。

彼は「研修などを通じて、活躍できる人材を送り出すことに、価値を感じていた」と、前職での仕事アピールした。

そこで我々は、「どのような研修を行っていたのですか。」と聞いた。

彼が主に担当していたのは、新任向けの「管理職研修」と、新卒採用後の「新人研修」だった。

知識を与え、同じような立場の方々とディスカッションすることを目的としたという。

そこで、我々は

研修の成果をどのように定義していましたか活躍できる人材とは、どのような定義でしたか。」

と、彼に尋ねた。

彼は言った。

「受講者にアンケートをとっており、高い満足度を実現できるようにしていました。」

しかし、考えてみれば「研修満足度が高いこと」は、「活躍できる人材を送り出すこと」とは全く異なる。

我々は、それを彼に指摘した。

「どうなんでしょう?」と。

彼は

「そうですね。ただ、研修を受けることで、知識やほかの人の経験を共有できるので、効果はあったと思います。」

と言った。

表層的な回答だ。回答になっていない。

「この場で考えてくれてもいいですよ」と勧めたが、彼は考えず、答えられもしなかった。

から結局、彼も採用には至らなかった。

彼も「仕事やってるフリ」の人物だと判断されたからだ。

昔、研修サービスを売っていた時に、クライアント一社に、

研修効果測定を、1年程度、モニタリングしませんか。費用は要りませんので。」

と持ち掛けたことがある。

実際、どの程度役に立っているかどうかを知ることが先決だったので、費用をもらわずともデータが採れれば良い、と思ったのだ。

だが、帰ってきた反応は予想外だった。

その方は人事担当役員だったが、面倒くさそうに私を一瞥し、

「忙しいからねぇ」と言った。

他に声をかけた多くの会社でも、やはり同じような反応だったため、なぜ研修効果測定を真面目にやろうとしないのか、私は不思議だった。

そんな時、私の大学時代の知人が、ある大手企業で人事をやっていると聞き、現状のヒントになればと

企業研修効果測定について、話を聞かせてくれ」

と彼に連絡を取った。

久々に再会した知人は、率直に話してくれた。

「いやー、「忙しいからねぇ」というのは、まさに本音だよね。」と。

私は尋ねた。

本音といっても、研修にこれだけお金を使っていて、「忙しいか効果測定はしない」じゃ、まずいだろう。」

知人は迷うことなく言った。

余計なお世話なんだよ。たぶんそういう人たちは「研修満足度が高くて、参加後のレポートを書いてもらえれば、それで十分」と思ってるよ。」

「なんで。」

「余計な仕事が増えるからさ。」

効果測定は「余計な仕事」なのかい。」

「もちろん。だって効果がない」と分かったら、場合によっては研修を取りやめないといけない。予算も削られる。だいたい、研修やってさえいれば人事は「仕事やってるフリ」ができる。」

私は知人が皮肉を言っているのかと思ったが、彼の目は笑ってなかった。

私はようやく理解した。

「ああ……なるほど。そういうことね。」

コンサルタントをやっていて、驚いたことの一つは、上のように、「仕事やってるフリ」をしている人が、かなりいる、という事実だった。

もちろん、「成果」が定義しにくく、「ひとまずやってみよう」という活動があることは理解できる。

しかし、成果を熟考する取り組みさえ行っていない方も多く、「なんのための仕事?」と首をかしげることも多々あった。

ピーター・ドラッカーは、「成果をあげる8つの習慣」を著作の中で紹介している。

(1)なされるべきことを考える

(2)組織のことを考える

(3)アクションプランをつくる

(4)意思決定を行う

(5)コミュニケーションを行う

(6)機会に焦点を合わせる

(7)会議生産性をあげる

(8)「私は」でなく「われわれは」を考える

もちろんこれは、多くの人にとって「もう知ってるよ」と言われてしまうくらい、単純なことだろう。

だが実践である、「成果にこだわりぬいて仕事をすること」は、とても大変だ。

疲れる。きつい。ドキドキする。失敗して怒られるかもしれない。

うまくいかない事の方が圧倒的に多いし、そもそも成果とは何なのかを定義するのも、簡単仕事ではない。

しかも、「成果は何か」を追及すると、疎まれることすらある。

意識たけーなー」と嘲笑され、「何ムキになってんの?」と蔑まれることもある。

しかし、だからといって「仕事やってるフリ」ばかりしていると、キャリアチェンジはままならず、収入も伸びず、組織から「飼い殺される」人生が待っている。

そうなった果てに言われるのは、「お前は単なる作業者で、頭を使う必要はない」だ。

そうなりたくないならば。

若いころから、成果を意識し、成果を追及する技能を身につけるしかない。

それには、たくさんのチャレンジと、失敗が必要だ。

成果とは何かを理解しなければならない。成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。成果とは長期のものである

すなわち、まちがいや失敗をしない者を信用してはならないということである

それは、見せかけか、無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である。成果とは打率である

真剣打席に立った時のみ、成果をあげる技能が身につく。

成果について熟慮したときのみ、成長という、自己革新が得られる。

から仕事やってるフリ」は、今すぐ、やめたほうがいい。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん