はてなキーワード: 系統とは
「美少女」という単語と「萌え」の接点は深夜アニメとエロゲ―じゃないかな。
(こういうとフェミが「ほらみたことか!萌え絵はエロだ!ポルノだ!排除しろ!」と騒ぐかもしれないが)
一般的に深夜アニメ・恋愛アドベンチャーゲームは「美少女アニメ」「美少女ゲー」と呼ばれてたので、一定年齢以上だと萌えと美少女はイコールなんですわ。
エロゲ最盛期?の2000年代中期くらいでも、既に「萌え」という言葉は浸透していたが、ジャンル的には「美少女ゲーム」と呼ばれてた。
しかし、だからといって「現代萌えの起源はエロゲ」と言い切れるほど単純ではないと思う。
「デ・ジ・キャラット」なんかも今の萌え絵の直接的起源だと思うが、別にエロゲではない。
さらに言えば、デ・ジ・キャラットのこげどんぼの源流はアニパロ誌「ファンロード」にある。
ではファンロードの起源はと、そうやってどんどん遡っていくと、やはり「シベール」とかの話になってしまうのだなあ。
で、個人的な感覚で言うと「現代萌え絵」とか「美少女絵」って、
漫画とかパチンコよりも前に「ゲーム」で目にしやすかったんじゃないかなあと思う。(エロゲ―に限らず)
今の「一億総萌え絵時代」よりも前に「一億総ゲーマー時代」があったわけで。
萌え絵の一般への浸透の話では、ゲームやゲームソフトの販売コーナーで萌え絵に親しんできた土壌があると思うんだよな。
「ガンガン」の話があったけど、あれもゲーム系の会社の雑誌なわけで。
ゲームにそこまで詳しくないからあまり実例を上げられないが、「テイルズシリーズ」なんかは初期から藤島康介がキャラデザだ。(藤島康介も現代萌え絵に貢献した作家だと思う)
ちなみに『エウレカ』の吉田健の絵柄は、『OVERMANキングゲイナー』でカプコンの花形イラストレーターだった西村キヌ、エロ漫画家の胃之上奇嘉郎と三人でデザイン作業をしたことからああなったと思われる。(三人とも似てる)
意外に思うかもしれないが、この中では西村キヌが一番「萌え」色が強い。メインの宣材イラストではなく、少し気の抜けた時の絵はとにかく可愛いし、こたつでみかんを食べたり完全に「日常系」の系譜だ。
で、カプコンから格ゲーの話をすると、「ギルティギア」シリーズが結構大きかった気はする。
かなり萌え成分が多く、なおかつゲームシステムも他社の格ゲーよりも入力が簡単で、画面もアニメ的にスムーズで、素人でもプレイしやすかった。
(田舎にいたからかもしれないが、「女性専用台」を初めて見たのもギルティ)
あと、ゲームだけじゃなくて、やはり「涼宮ハルヒの憂鬱」(それに続く「らきすた」「けいおん!」)の一般への影響はすごかった。
個人的な話だが、それまで「深夜の美少女アニメ」を見ているなんて話は、よほど仲のいい友人にしかできなかった。
(そして、それでも引かれる。何せ、今を輝く細田守の「時をかける少女」を劇場に見に行くという行為がぎりぎり白い目で見られる時代だったのだ。信じられないが)
作品の質に加え、テレビでたまたま見かけたという言い訳が可能なこと、携帯電話の普及で中高生でもネットが利用しやすくなり、趣味の話題が思う存分できたことも大きいと思う。
「萌えの一般への浸透はパチンコ」などと言われることが多いが、ごくごく一部の話でしかないと思う。
家庭教師をしていた知り合いによれば、ハルヒ放映時にすでに中学生の男子の間で人気だったらしい。
あと結構大事なのが、意外にも「モーニング娘。」じゃないかと思う。
そもそも90-2000年代は「アイドル冬の時代」と呼ばれていたほど、アイドルらしい女性アイドルがいなかった。
「見た目や衣装が可愛い女の子」にみんなでキャーキャー言う文化が、今では考えられないほど少なかったのだ。
今のアイドル文化の大きな柱となると同時に、「アイドル=可愛さ」と「スポ根」(オーディションの勝ち抜きや、映画「ピンチランナー」、フットサルチームのガッタス等)を両立させた点も、オタク文化に共通するものがあるのではないだろうか。
かたや、「紙コップで乾杯」「目覚まし時計が壊れてしまった、目覚まし時計を買いましょう」というつんく♂の気の抜けた歌詞も、今の「日常系」の感覚にかなり近いと思う。
とにかく、可愛さをめでるアイドル文化が育まれたからこそ、萌えが浸透する余地が出来たのだと思っている。
と、
とりとめもなく萌えの話を描いてしまったが、「どれが萌えの浸透の一番の要因か」という話は非常に難しいと思う。
そもそもエロゲ絵には女性作家の貢献が大きいとか、少女漫画などへも話が広がるので、個人でこれをまとめるのはすさまじい労力が必要なのだ。
保守的なイメージのあるNHKが「春ちゃん」で萌えに乗っかったのが2009年なので、とりあえずそれ以前の流れがポイントかとは思う。
オタク文化の源流を辿る議論が始まってしまってるけど、シベールとかの話は「美少女」の発明の話で「萌え絵」の話とは違うよなと思った
そもそも萌え絵ってなんだよ、誰が定義したんだよという話なのだが(「美少女」のほうは議論がたくさんあるから今さら新規の説は立てようがない)
まず現代、萌え絵ってなんだろうというと、人目につくとこに掲示される絵で判断するのが一番で、「コンビニで売ってる雑誌の表紙」と「パチンコ屋の店頭看板やのぼり旗」がもっとも判断に適している気がする。これらはオタクもオタクじゃない人も誰もが目にするからだ。
・パチンコ海物語……昔に比べるとだいぶ寄せてる気はするが、まだ萌え絵には至ってない
・せがわまさき……これは人によって判断が分かれる気がする。劇画認定する人がおそらく多数派だろうが、石川賢の記憶がある人からすれば萌え絵認定されそう
・まどかマギカ……萌え絵認定に異論を唱える人はあまりいないと思われる。が、よくネット炎上の槍玉に挙げられるタイプの「萌え絵」とはまるきり別系統でもある
・エウレカ……たぶん萌え絵認定なんだろう。なんだろうけど吉田健一の系統って萌え絵なのか?
・エヴァ……たぶん全員一致で萌え絵認定されるのはこれだけではってぐらい共通認識。ただ貞本義行の顔ってかなり古典的な部類であり、「量産される深夜アニメ」「量産されるエロ同人誌」とはまるきり別系統
・ツインエンジェル……シンフォギアとは別系統で萌え絵分類の代表例か。いわゆる「アニメ絵=美少女絵=萌え絵」という認識にピッタリとはまりそう
・攻殻機動隊……押井守アニメの印象が強すぎてハードなイメージがあるが、少佐は劇画じゃなく萌え絵分類だと思う
……こんな感じだろうか。並べただけである
で。並べてて思ったのだが、初代マクロスの美樹本絵は「萌え絵」になるのだろうか
美樹本晴彦というと「美少女」の代名詞だが萌え絵と言われると違和感が強い。似たような例だと、あだち充も「美少女」の代名詞だが萌え絵とは言いづらい。
おそらく、美樹本・あだち系美少女が入ってこないのが、自分の認定する萌え絵を、往年の美少女絵につながるものと考えにくい大きな理由だ。
じゃあ他には?
わからなかった。
ということで別アプローチを考えてみる
日本国内で「萌え絵」が一般に認知されたのは圧倒的にパチンコパワー(およびソシャゲのTVCM)だと思うが、マンガでいうと、ガンガンが分水嶺という気がする
ガンガン以前は、すこしづつ勢力を増していても、表にでてくる量としては意図的に抑えられていた感じがある。ジャンプでいうと本誌の「そういう枠」はウイングマンやバスタードや黒岩よしひろあたりという認識。なおオレンジロードは「美少女」ではあっても現代の萌え絵系統とは別枠だと思う
週刊誌と月刊誌でなんとなく棲み分けされてもいて、月刊誌枠は「そういう絵柄」が多少は許容されてるイメージ。増刊サンデーが当時のオタク少年御用達といった
で、「オタク少年向け」枠に少年キャプテンやコミックコンプが参入して少しづつ売り場面積が増えていったが、「そっち系の絵柄」でメジャー制覇したのはガンガンだろう
ではガンガンは「美少女」で成功したのか? というと、それは違う感じがある
それまでロリコンブーム以降の同人誌の盛り上がりやマイナー誌での蓄積を整理、洗練された上で、「黒岩よしひろとかああいう感じの絵ばっかりの雑誌」が美少女じゃない路線で成功したということだと思う
そうすると、「ガンガン」の時点で、いったん「美少女」は途切れてしまっている。実際、年齢層的にも、それまでのキャプテンや増刊サンデーの世代より下の世代向けで成功したのだろうし
「萌え絵」といって、世間的に「なんかオタクっぽい絵」というとき、ガンガンに代表される絵でしょ、というイメージが、自分の中にはある
そうなるとそれは「美少女」とはちょっと違う。世代がある程度まで一新した上で、改めて、既にある美少女概念が借り物として再導入されたと見るべきじゃないのか
その際には当然、以前からの「美少女」も参照にされているが、そこは一直線で見るべきではない気がする。たとえば、あだち充的な美少女はそこにはいなかったように
同人作家が既に年商で千万とか億とかいわしてたのを背景に、そこから作家を連れてきて成立してたわけだし
だいぶ迷走してきた
うーん
///
反応ありがとう。ちょこちょこ読んでるけど消化しきれてないので返事はごめん
読めばわかると思うけど、「萌え絵はいまひとつ曖昧な使い方にしかならない気がするんだけど、しかし自分でも漠然とはイメージがあるし、とりあえず自分内の定義を探してみっか」という話です
ひとつだけ反応すると
>ガンガンの具体的にどれ?
特定のどれかって感じじゃないですね
いかにもそれです、って探すというと夜麻みゆきとかがいかにもそれっぽいんだけど、そこに限った話でなく
それまでの少年マンガ誌ぽくなさの一方でやっぱ少年マンガ誌ぽさはある、という感覚
半年周期ぐらいで見れる見れないを切り替える点滅がたの作品も多いので1年スパンで考えると結構な数になる。
似た系統の作品を一挙放出してくれることもあって、少し前はエヴァが一気に追いかけられた。
今はガンダム→Z→ZZ→ユニコーン→逆シャア→ハサウェイが一気に見れる。
Kindle primeでUnlimitedの出涸らしみたいのが読める。
人気作品の3巻までとか、意識高い系本のちょっと古いやつ、あんま売れてない雑誌、などのちょっと微妙なラインナップだが、時間つぶしには悪くない。
Unlimitedと比べるとオマケ的な側面が強いので読みきれなくてもまーえーわで過ごせるのが精神的に良い
Twitchと提携しており、アカウントを連動させることでTwitchから毎月10本前後のゲームがもらえる。
好みが分かれるゲームの配布が多いため当たりは毎月3本ほどだが、タダで貰えるのなら悪くない。
spotifyより優れているのかと問われると微妙。だが、コイツが存在することでspotifyが必死になっている側面はある。当て馬として頑張ってくれていると思いたい。間接的にspotifyを強化している。
プライム会員が日時指定しても玄関に置いてくる。凄い。もう駄目だコイツら。
そもそも粘土が入ってくるかも知れない時点で駄目だ。何だコイツラ。
https://togetter.com/li/1810889
フェミニストと一口で言っても、系統によっていうことも対策も異なってくるので、
今回は「~~党系」のフェミニスト
・共産党関係者:北原みのり氏と仁藤夢乃氏に代表される。言動が過激な人が多く、フェミニズムどうこうより共産党の方が大事という印象なのでそもそもフェミニストの要素が薄いと感じる。とにかく怖い。会話ができる気がしない。
・石川優実関係:竹下郁子氏やクボユウスケ氏などに代表される。一方的に断罪するばかりで人の話を聞こうとしないという印象。会話ができる気がしない。
・朝日新聞関係:ハフィントンポストやAERA、リテラなどを頻繁にRTしている人たち。つりがねむしやtomoなどが代表例。事実よりも感情を優先する傾向にあり、よく事実誤認に基づいた発信をしていてまずその訂正から入らないといけないの。会話の入り口に立つのがとてもハードルが高いがかろうじて会話はできる気がしなくもない。
・腐女子系:最も恐ろしい。一方で、男オタク以上にエロやフェチへの理解が深く観測範囲も広いため、男オタクですら知らないエッチな絵を見つけては拡散してくれる。 腐女子系の方々が騒がなければ一生知らなかったであろうコラボイベントなどはかなり多い。調子に乗りすぎた腐女子のアカウントのいいね欄を見ると、膨大な男のエロ絵が集まっており、サイコパスなのかなと思うこともよくある。相手の文脈を理解できれば会話自体は結構成り立つ。
・立憲民主党関係:反自民が優先で、フェミニズム要素はあんまり感じない。政治に関連しない話では温厚でちゃんと会話も通じるので、政治系の話題だけ避ければ付き合える。地雷にだけ気を付けたい。
・その他のフェミニスト:普通に話ができる。 地雷を踏んだら発狂するという恐怖もなく、普通の人間と会話しているという安心感が持てる。
だいたいこういうイメージ。他にもあると思うが、扱い注意なのはこのくらいだと思われる。
とにかくこの手の方々、意見の前提として、客観性以前に党派性がゴリゴリなので
まずその人たちがどの党派に属しているのかがわからないと会話もできない。
アンチフェミも似たような党派性あるだろうから、詳しい人はアンチフェミの分類もしてほしい。
例:表現の自由戦士系など
たとえばBeach Fossilsというバンドがいて、なんか知らんけど、すげーユルい感じの曲をやる人たちで、ユルいんだけど根底が陰気な感じというか、夜に聴きたい感じのユルさというか、うまく言えないけど、好きなんですよ
好きなんだが、別に詳しくはない
でも、ファンの人の感想ツイートとか見てみてえな、とふと思ってTwitterで検索をかけてみる
そうすると、よくわかんねえけど、この時代にわざわざレコード買ってる人とか、ライブに行ってる人とか、ほかの同系統のバンドを3つくらい並べて褒めてる人とか、そういうのばっかり出てくる
Youthのなんとも言えないyouthっぽさ、いいよねえ!あの盛り上がりも何もない構成で「青春」って曲名なのがまずスゴイし、聴いてみるとたしかに青春っぽいのがイイよね!
みたいな、こう、前提知識のない、ショボい感想が読みてえんじゃ
YouTubeとかApple Musicとか、そういうのでスタジオ盤を聴いてるだけで、バンド自体には全然詳しくない、そういう層の、素朴な感想が読みてえんじゃ
Generational Syntheticって曲名意味わかんないけだ、ドラムがずっとダカダカいってて、謎の焦燥感あっていいよね……とか、そういう話をしたい
ビーチフォッシルズ、よくないですか?
Carelessの感想のギターの、なんていうか知らないけど、あの、トレモロ?みたいな、短い音を連続で鳴らすことで実質長音にするみたいなやつ、あれの音がホント好きなんですよね
つうか、クラッシュザトゥルースの最初の4曲くらい、ホント良くないすか
全部いい曲じゃん
Life can be so vicious that we can’t even appreciate its purity とか、相当いいフレーズじゃん 座右の銘にしたいくらいじゃん
ビーチフォッシルズ、いいよね
俺もコアなファンになろうかな……
そこまで有名ではないけど二次創作のおかげでフォロワーが数万に増えた、素朴な絵柄で温かい話(個人的にはそう思う)を描いていた絵師が、最近安直な一部の人には人気が高い系統のシチュエーションのオリジナルを描き始めた。
RTといいねを多くもらっているが、違う!あなたはそんな安直な話を描く人じゃない!と自分の理想を押し付けるマンになってしまった。
でも、もし自分が編集だったらそういう方向にさせないのに……。
その絵師はまだ商業デビューしてないけど、初期に描いていた頃の話を研ぎ澄ました方がずっと残れる漫画家になれそうなのに…。
とはいえ最終的に本人が楽しければそれでいいし、そのシチュエーションが好きだっていうのならそれまでの話。
…でも、もったいないよなぁ。
「『日本語の原郷』についての論文を読んでみた」(anond:20211121124146)を書いた増田です。思ったより多くの反応があって嬉しいので、調子に乗ってはてブの反応に対して補足説明みたいなのをしてみます。
そもそも言語学では分かりようがないところを考古学と遺伝学の視点からも補正したっていうのがあの論文の眼目だと思うので、言語学の面だけ否定しても…
こういう意見がみられましたが、少なくとも考古学や遺伝学の成果からは言語については何もわからない、ということを強調しておきます。
極端な例を挙げると、100年前にアメリカに移住した日本人の子孫で、ご家庭でも英語しか使っていない日系アメリカ人のことを考えましょう。彼もしくは彼女は遺伝的には日本列島に遡ることができます(おうちを探すと日本列島由来の品が出てくるかもしれません)。では言語的には? 彼もしくは彼女が話しているのは英語であり、英語というのは印欧語族ゲルマン語派西ゲルマン語群アングロ・フリジア諸語に分類されるイングランド発祥の言語であるわけです。どれだけ遡っても日本列島には行き着かない。「この人は遺伝的には日本列島の出身なのだから、英語の起源も日本列島にあるんだ!」なんて話はおかしいでしょ?
古代にどのような人口の変動があったのかはわかっていません。移民や同化が起きたのかもしれない。婚姻によって遺伝子が混ざりあった可能性もある。その場合、遺伝子の伝播と言語の伝播が異なるルートである可能性もあります。遺伝子はヒトの移動について詳しく教えてくれるけど言語の移動についてはなんも教えてくれないんですよ。せいぜい傍証になるだけ(「言語学の観点からは○○語は××地域あたりが原郷だと思われるが、遺伝学で調べてみたら××地域からの大規模な人の移住があったっぽいので、このときに言語も広まったんだと思われる」みたいな)。
様々な仮説があるのはいいけど、定説化とか定説がエビデンスによって覆されたとか以外はニュースバリュー無いと思うんだが、なぜ報道されたのか。
いやー、Natureにマックス・プランク研究所の研究者が載せた日本に関する斬新な論説をニュースにするな、という方が無茶じゃないでしょうか……
正直、これメディアを責められないと思うんですよね。実は著者のロベーツさん、去年オックスフォード大学出版会から『オックスフォード版トランスユーラシア語族ガイドブック』なんて本を出してるんですよ(Robbeets and Savelyev 2020)。天下のオックスフォードUPから『~語族ガイドブック』なんて出てたらその語族の実在は学界の定説になってるって勘違いしちゃうのも当然っていうか……これ、今回は日琉語だから気づけたけど、パプアニューギニアの言語とかでやられたら引っかからない自信ないです。
なおその『ガイドブック』には辛辣な書評が出てます(Vovin 2021)。掻い摘んで批判の内容を紹介すると、「分析されてるのが現代語ばっかりやんけ」「系統関係があるって言うなら明確な対照表を示してみろや」「中期朝鮮語の再建がおかしいけどちゃんと韓国語の先行研究読んどるんか?」「“leading international scholars”が書いたガイドブックって謳ってるけど著者のうち6人は院生じゃねーか」みたいな感じです。さらには、
We move now from the bad quality of research to the realm of science fiction in Table 39.1 that is supposed to present core Koro-Japonic etymologies. But there is at least one mistake and/or data fabrication on every line. (Vovin 2021: 126)
これは元増田でも書きましたが、大野晋は、少なくとも日本語の起源という点については完全にトンデモです。
タミル語はドラヴィダ語族というインド南部の語族に属する言語ですが、大野は「日琉語族とドラヴィダ語族はより大きな語族に内包される」というありえそうな穏健な主張ではなく「日本語の起源はタミル語である」という主張をしています。しかし「なぜドラヴィダ語族全体ではなくタミル語と比較するのか」「ドラヴィダ語史がまったく考慮されていない」「語義の解釈がおかしい」「サンスクリット語からの借用語に気づいていない」などのツッコミに対して有効な反論ができていない上、ツッコミを受けた箇所をしれっと書き換えたりツッコミを入れた人たちに人格攻撃を加えたりしています(長田 1998;児玉 1996;山下 1996; 1998)。やり口がもうきちんとした学者のそれではありません。
大野の語源論が誤っている一例として、amarar「不死なる者」という単語について挙げておきます。大野はこれを日本語「あま」と関連付けて「天上界の人」の意だと解釈するのですが、これはサンスクリット語amara「不死の」からの借用語です。これはさらにa-maraと分解でき、a-は否定の接頭辞、そしてmaraの語根mrは英語murderやmortalとも関連しています(つまり、印欧祖語に遡る語ということであり、どう考えてもタミル語起源の単語ではない)(山下 1996: 204–205)。
日本祖語から琉球語、もう片方の枝が本土語と八丈島語に分かれた系統図を覚えてたんだが、あれからずいぶん研究が進んでるんだなあ。/20年前に既にずいぶん版を重ねた本で得た知識だから当然か…。
五十嵐(2021)の説は発表されたばかりなので「定説」といえるほどではないですが、きちんとした分岐学的手法に基づいて系統解析してるんで個人的には信用してます。
で、従来説における八丈語の位置づけですが、正確には、「上代東国語の唯一の生き残りが八丈語」というものです。つまり、「本土日本語派」がまず上代日本語(OJ、奈良など当時の首都で使われていた言語)と上代東国語(『万葉集』の東歌と防人歌に痕跡が残る)に分かれ、後者が八丈島(&青ヶ島)以外では滅んだ(=上代日本語に同化された)ため、現代では八丈語が日本語と対立するひとつの語派を形作っているということです。
系統樹にするとこんな感じ(樹形図をどう書けばいいのかわからないんでとりあえず「うんこするの?」の樹形図からコピってきたんですが、見づらかったらすみません)。
│
│
この樹形図から絶滅した言語を取っ払って現代語にのみ注目するとこうなります。
│
├─八丈語
それに対して、五十嵐(2021)は、上代東国語は滅びたわけではなく、表面上は関西からの影響を受け続けたものの、現代の関東・東北地方の方言として生き延びていると主張しています。つまりこういうことです。
│
│
八丈語が際立って特殊に見えるのは、この言語が失われた東国語の唯一の生き残りだからではなく、他の東国語の末裔(茨城弁とか)と比べて中央からの影響が少なかったため東国語の特徴が保たれたおかげだ、とするのが五十嵐説です。
要するに、「東国語は滅んだ(=東国語話者が完全に同化された)」のか(従来説)、それとも「東国語は生き残っている(=東国語話者は中央からの影響を受けたけど完全に同化されはしなかった)」のか(五十嵐説)、という違いです。個人的には後者が妥当じゃないかなーと思うんですが、どうでしょうか(だってそんな大々的な言語置き換えはどうやって起きたの? ってなりません?)。
なお、五十嵐(2021)だけでなく、元増田でも言及したローレンス(2013)も、八丈語には他の東日本の諸方言と共有される要素が見つかり、それは西日本の諸方言には見られず、したがって八丈語は東日本の諸方言の内に位置づけられる(=八丈語と本土日本語が対立する系統であるとする旧来説は誤り)と主張しています。
”日本語に興味のある&研究手法を学んだ”素人には、この論文の言語部分はとても怪しい。増田の指摘以外に日本語の粟を他言語の大麦の借用としたり、味噌(未醤)を漢語ではなく朝鮮祖語からの借用にしたりしてる。
実は増田もそれを見たとき「えっ……?」って思ったんですが、否定できるほどの根拠を持ってないので書きませんでした。確かに先行研究では意外な言葉が朝鮮語からの借用語だとされてることがありしょっちゅう驚いているので(たとえば「つち」とか)、「味噌」が朝鮮祖語からの借用というのをありえないと即断することはできないんですが……。
いちおうここで論文の内容を紹介しておくと、『鶏林類事』に[mitsu]という語があって、そこから朝鮮祖語*micuを導き、平城京の木簡にみえる「末醤」から上代日本語の*misoあるいは*misəを再建し、それは朝鮮祖語*micoもしくはその交替形*micʌからの借用である、という議論になってます。これだけじゃ門外漢の増田には当否がわからんのですが国語学的にはどうなんです?
なお、該当箇所に、
...This fragment preserves the following inscription: 御末醤一石二斗, i.e. HON-“bean paste” reads as miso. The Wamyoshō, a Chinese to Middle Japanese dictionary compiled in the mid Heian period has the same kanji (末醤) glossed as miso (美蘇)...
とあるのですが、「一石二斗」の部分いらなくね? とか、転写するならWamyōshōじゃね? とかはケアレスミスの範疇だろうから突っ込まない方がいいのかな……
マイルCS、グランアレグリアが有終の美を飾ってくれて最高でしたね……あとはコントレイルがジャパンCで有終の美を飾ってくれれば……実はまだ「三冠馬が勝つ」ところを見たことがないので、一度は見ときたいなぁと(にわかですいません)。
本当に素人なんだけど何でみんな信じてくれないんです……?
よって、トランスユーラシア語族が成立するか否は別の問題として(成立するとしても言語連合と思っています)、先日琉語族の原郷が遼河流域になるという主張はかなり信ぴょう性が高いと私は判断しています。
そこについては別に意見は対立してないので、私に向けて力説される意味がわからないというか……私は既にanond:20211121201022で「言語学的な原郷が遼河流域という説自体は、個人的にはそれなりに「ありそう」だなと思ってる」と書いてます。ただロベーツの研究はなんらその証明になっていないし、原郷を(仮説やら蓋然性やら「ぼくの意見」やらの話ではなく)言語学的に確定させようと思ったら言語学的な手続きが必要不可欠だよと言っているだけです。
測量点の1つがあやふやならその測量の信頼性は揺らぐという話をしています。まず1つ1つの測量点をきちんと確定させるべきで、現状ロベーツがそれに成功しているとは思えません。
いえ、こちらも大変興味深いやり取りでした。以下に返答をしておきますが、夜遅いですので、後日ゆっくりお読みいただければけっこうです。
これはある程度同意します。比較言語学で遡るのが可能なのはせいぜい数千年のスパンに過ぎず、それを過ぎると言語の変化が大きすぎて文献が残っていない限り系統の推定は困難になる。したがって日琉祖語がどこから来たのかという問題に完全な決着をつけるのは難しい。
だから、わからんならわからんでブラックボックスにしときゃいいんじゃねって思うんですよね。無理に「トランスユーラシア語族」とかでっち上げずとも、遺伝的な系統がわかればそれで十分じゃんって思うんですが。繰り返すように、血縁と言語の系統関係が一致するとは限らないわけで。そして後者は今のところ文系的な方法論でしか探索できない。
テュルク語族を見ればわかりますよね。トルコ人は中東っぽい彫りの深い顔立ちで、クルグズ人は日本人そっくりの平たい顔族ですけど、言語としてはトルコ語とアラビア語、クルグズ語と日本語より、トルコ語とクルグズ語の方が近い。それはゲノムではわからんから言語学の手法で解き明かすほかないわけですよ。
https://anond.hatelabo.jp/20211111231157 で紹介した文章ですが、以下のように国内の言語学者たちもゲノム研究を軸に研究を進めているのが現状だと思います。
うーん、「軸に」ではないと思いますよ。あくまで言語学というベースがあって、それでも説明できないところをゲノムでどう説明できるか、みたいなことを喋ってるんじゃないでしょうか。この座談会は全体として伝統的な言語学研究の話をメインに据えた上でちょこっとゲノムにも触れた、みたいな感じに読めました。
たとえばそこで言及されてる伊藤英人氏の研究は、元増田でも「蛇足だけど」の項で引用しましたけど、基本的にオーソドックスな文献学的研究ですし、木部暢子氏の研究も伝統的な方言研究ですよね(彼女が取りまとめた報告書はけっこうウェブに上がってます)。「国内の言語学者たちもゲノム研究を軸に研究を進めている」というのは言い過ぎでしょう。
ゲノムよりも重要なのは、個人的には、きちんと「日琉語族」内部の系統推定をすることですわ。きちんとした比較言語学の手法に基づく従来の方言分類の見直しが急務でしょう。琉球語群内部の系統についてはローレンス氏が沖縄語や与那国語、八重山語、喜界語といった諸言語の系統的位置についていくつも論文を書いていて(どれも日本語です。うち2本は元増田の参考文献に挙げました)、従来言われてきた系統樹を再確認したり修正したりしてますし、もっと大きいやつだと五十嵐氏による日琉語族の分類の見直しとか、そういった成果が出てきています。
これすごい重要で、琉球語が本土日本語の姉妹群なのか(五十嵐氏がいうように)九州語の内系統なのかで話が違ってきますからね。たとえば、Aという語が長崎と宮古島でみられ、東日本ではまったくみられず、大陸などからの借用語ではないとした場合、仮に琉球語が日本語の姉妹群なら「Aという語は日琉祖語に遡る祖型である」といえるんですが、琉球語が九州語の内系統なら「Aという語は九州語を特徴づける改新である」ということになるので、祖語の再構にものすごい影響するんですよ。だから本土の言葉と琉球の言葉を比較しようとしたらまず系統をきちんと推定した上ででなければ危ういと思うんですがそのへんの危機感があまり感じられないような……(まあ、これは門外漢による感想に過ぎませんが)
"Origins of the Japanese Language(2013)"
“From Koguryo to Tamna: Slowly riding to the South with speakers of Proto-Korean(2013)”
ヴォヴィン氏はアメリカ人ではなくロシア人ですが(それとももう帰化してるんでしたっけ?)、それはさておき、この2本は元増田でも(「蛇足だけど」の項で)言及してあるはずですが……? 既に言及済みの文献を改めてご提示いただくのは少々困惑します。
でもって、「高句麗から耽羅へ」ってそういう論文でしたっけ? 改めて読み返してみましたけど、日琉語が朝鮮半島の原住民の言語であり、朝鮮語は内陸アジアから南下して朝鮮半島に入り、日琉語を駆逐した、ということを主張している論文であって、日本語の原郷については触れてないように思うんですが……「日本語の諸起源」も遼河流域について触れてなくないです? むしろ、元増田で引用したようにアルタイ説を強烈にdisってるような。
っていうか、元増田への追記で書きましたけど、ヴォヴィン氏は最新の論文でオーストロアジア語族が起源である可能性を論じているわけで(以前からオーストロアジア語族への目配せはありましたよね)、遼河流域仮説を支持するなら一番持ち出しちゃいけない人物だと思うんですが……
他の論文や本はまだ読めてないんでノーコメントということで。色々教えてくださってありがとうございます。
niwaradi 門外から議論を眺めたが対象のスケールが違うのでは。素粒子実験物理の人が、基礎理論物理の人に観測もされてない粒子いっぱい持ち出して胡散臭いと言う話のように思えた。実験第一だが限界もある。
理論上の粒子はヒッグス粒子のようにいずれ実験によって観測できる可能性はありますが、「血統」をどれだけ使っても「言語系統」を観測することはできません。なぜなら「血統」と「言語系統」とは別だからです。……これってそんなに難しい話です?
アメリカに移住して百年過ぎた英語ネイティヴの日系人は血統的には日本人ですが言語系統としてはゲルマン系ですよね? ここで日系人の血統をいくら研究してもゲルマン語の原郷にはたどり着かないことは明らかですよね? つまり、「血統がわかれば言語系統もわかったことになる」というのは端的に論理が間違っているんですよ。
ありがとう。全文はとても読み切れなかったんで指示のあった部分だけ読んだんだけど
西遼河流域民は朝鮮を経由して日本に寄与したと書いてあって、通説(遺伝子的には渡来系8割・従来系2割)と非常にマッチするんだけど
概要記載のとおりモンゴル・ツングースにはこの西遼河流域民の遺伝子を共有していないとはっきり書いているんで
元の話題のトランスユーラシア祖語仮説を真っ向否定する形になっている。元の話題は補強できないと見ていいかな?
遺伝子上からの系統論としては、最近話題に上がった「古墳人」も含めた三重構造仮説との整合性が気になる
https://www.fnn.jp/articles/-/255397
従来渡来人として一括りにされていた遺伝子を「弥生人」「古墳人」に2分する説なんだけど
しかし本論文は言語学だけではなく、分子生物学と考古学の視点からも考察を行っており、特に分子生物学の成果が大きい。
2010年代以降の考古遺伝学の発達はまさに革命といってもよい。2010年代以降と以前では別物と言っても過言ではない。(この発展については「交雑する人類」を読むと良い)
解析方法の発展と古代人骨の収集によるデータの発展が両輪となって、現代の考古遺伝学はほぼ数理科学となっておりこの論文でもデータセットとソースコードが公開されている。
そこには特に異論はないというか、専門外すぎて口出しできない(『交雑する人類』、日本語版が出た直後に読んだけど面白いよね)。「少なくとも言語学の側面からは」と書いたことからわかってもらえてると思うけど、分子生物学とかそのへんの研究成果について否定するつもりは毛頭ないのよ。
ただ、言語学の見地からは証拠が弱いけど、分子生物学とかで補強しまーす! って言われると、いやいやまずは言語学の見地で証明するのが先やろが、って話になっちゃう。ロベーツさんが自分の「トランスユーラシア大語族」仮説の脆弱さを分子生物学とかの虎の威を借りて誤魔化してるようにしか見えんのよ。
それは「日本人」の原郷であって「日本語」の原郷ではないやんけ。
遺伝的系統と言語的系統はまったく別よ。極端な例だけど、スウェーデンの白人とフィンランドの白人は遺伝的にアメリカの黒人より全然近いけど、言語的にはスウェーデンの白人(印欧語族ゲルマン語派スウェーデン語)とアメリカの黒人(印欧語族ゲルマン語派英語)の方が近くてスウェーデンの白人とフィンランドの白人(ウラル語族フィンランド語)はめちゃめちゃ遠いじゃん(スウェーデン語系フィンランド人とかオーランド諸島とかそういうのはひとまず忘れといてねw)。
もちろん古代の話だから、ヒトという乗り物に乗って言語も一緒にやってきた、と仮定するのが無理のない話だろうし、言語学的に想定された原郷と古人類学の観点から突き止められた原郷が一致するなら「なるほど原日本人=原日本語話者の原郷はここなんだな」という結論になるだろうけど、言語学的に穴だらけの仮説を補強するのに古人類学の成果を持ってくるのは話の順番が違うっしょ。
ちなみに言語学的な原郷が遼河流域という説自体は、個人的にはそれなりに「ありそう」だなと思ってる。大陸倭語の存在もあるから古代の朝鮮半島に日琉語が分布してたのは事実っぽいし、さらに、五十嵐(2021)は関東から東北にかけてを覆う「拡大東日本語派」と九州から沖縄まで連なる「南日本語派」がマトリョーシカ分布を示すことを指摘して、本州西部から四国あたりの地域に日本語の原郷を求めてるけど、仮に日本語の祖先が朝鮮半島から入ってきたとすると「なるほどそこから列島に入ってきたんだな」という感じで辻褄が合うんだよね。ただこれはなんの証明もできない妄想であって、もっとちゃんとした言語学的な証拠が必要だけど。
歴史言語学についてはまったくの素人だけど、最近話題になった「日本語の原郷は「中国東北部の農耕民」 国際研究チームが発表 | 毎日新聞」(はてブ)っていう記事の元になったロベーツらの論文(Robbeets et al. 2021)を読んでみたよ!
トランスユーラシア大語族の系統関係、ちっとも証明されてなくね?
著者のロベーツは過去に著書(Robbeets 2015)を出版して、そちらでトランスユーラシア大語族の系統関係を証明したとしているようである。残念ながら増田はその著書を読めていないので、著書の方では厳格な比較言語学的手法で系統関係が証明されているというなら恐れ入谷の鬼子母神でシャッポを脱ぐしかないのだが、正直言ってめちゃめちゃ怪しく見えるよ……この論文では農業関係の語に絞って借用も含めた系統が論じられているんだけど、正直かなり無謀な気がするし、なんでこれでトランスユーラシア大語族が証明された扱いになってるのかちっともわからん。さすがに著書の方では基礎語彙の対応に基づいた議論してるんだよね? うーん……
細かいツッコミになるけど、論文のSupplementary Informationで、お米を表す「まい」という語について論じている。著者らは琉球祖語に*maïを再建するんだけど、そこから派生した語形として与論語のmai、沖縄語のmeeやmeと並んで奄美語のmisiやmiisɨを挙げている。いやいやどう考えても後者は「めし」の転訛だろ(標準日本語のエ段に対応する母音は琉球諸語だとしばしばイ段になる)。まさかとは思うけど「まい」と「めし」の区別がつかないで日琉語の系統を論じてるの?
(追記:「それそもそも呉音じゃね?」というid:nagaichiさんの指摘を受けて追記。この論文ではちゃんと「The Chinese loan morpheme is also found in Sino-Japanese mai and entered Proto-Ryukyuan as *maï ‘rice’」と書かれていて、漢語からの借用語であることは前提になってます。これは日本語の「早稲(わせ)」が朝鮮祖語*pʌsalから来てるんじゃね? っていうことを説明してるパートに付け足された部分で、借用語であることが誰の目にも明らかな「まい」に言及するのは蛇足じゃねーのと思うんですが……)
っていうか日琉祖語や琉球祖語の「土」が*mutaになってるけど何これ? *mitaじゃないの? 日本語の方言形にmutaがあるから*mutaを再構したのかな? でも先行研究(ヴォヴィン 2009: 11)で指摘されてるように祖語形は*mitaだよね……(cf. 八丈語mizya)(なお標準語「つち」は先行研究によれば朝鮮語からの借用語)
さらに、著者は3年前の論文の中でトランスユーラシア大語族の系統を推定しているが、その系統樹では、南琉球語群(先島諸島の諸方言)のうち、まず八重山語が分岐して、次に宮古語と与那国語が分かれたということになっている(Robbeets and Bouckaert 2018: 158)。……なんていうか地図見ておかしいと思わないのかな。もちろんそんな分岐は絶対にありえないと言うことはできないけど、こんな分岐はこれまでの琉球語研究で提唱されたこともない。もっと言えば、ウェイン・ローレンス(2000; 2006)の言語学的な研究によって、宮古語には見られない改新を与那国語と八重山諸語が共有していることが明らかにされている(つまり南琉球祖語がまず宮古と八重山に分かれ、八重山祖語から与那国語が分岐したと推定される)。大丈夫? 日本語の先行研究ちゃんと読んでる?
余談。本論文はやたらと琉球諸語から例を引っ張ってきてるけど、個人的には「本土日本語」は側系統であって琉球諸語は薩隅方言と姉妹関係にある南日本語派の一分岐だという五十嵐陽介(2021)の分析が妥当だと思うので、根本的に日本語と琉球語を姉妹群とするかのような系統樹には納得できないんだよな(ちなみに五十嵐の研究は活字になったのは今年だけど5年ほど前から活発にあちこちで発表されててレジュメはresearchmapで誰でも読める状態だった。まあプレプリント以前の発表原稿の段階のものを引用しろというのは酷だと思うのでロベーツが参照してないのは仕方ない)。考古学的・人類学的証拠からは、琉球列島へのヒトや言語の流入が比較的遅いことが推測されるけど、その頃にはとっくに日琉語は複数の系統に分岐してるはずなんだから(cf. 『万葉集』の東国語)、琉球語が日琉祖語まで遡る古い系統か? っていうとどう考えても違うわけで。
ロベーツらの研究が依拠しているソースの1つに、セルゲイ・スタロスチンというロシアの研究者による語源辞典がある。しかしこのスタロスチンという研究者は、日本語が「アルタイ語族」に属すという証明のために色々と強引な当てはめをやっているのだ。アレクサンドル・ヴォヴィンは、スタロスチンがいかにテキトーなことを書いているか検討している(Vovin 2005; ボビン 2003: 19–26)。たとえば、スタロスチンは日本語に基づいてアルタイ祖語に*u「卵」を再構するのだが、これはどう見ても「卯」と「卵」の取り違えである。また、スタロスチンは日本祖語に*situ「湿っぽい」を再構するが、「湿」をシツと読むのは音読み(=漢語からの借用)であることは説明するまでもないだろう。こんないい加減な「語源辞典」を使って日琉語の系統を論じるってかなり勇者だと思わない?
(っていうか、スタロスチンをはじめとする「アルタイ語族」説の支持者、与那国語で標準語のyにdが対応する(cf. duru「夜」;dama「山」)のを祖語形の残存だと主張してるのか(Vovin 2010: 40)。思ってた以上にやべーな)
案の定、ロベーツの著書も他の研究者からボロクソ言われているようだ。ホセ・アロンソ・デ・ラ・フエンテは、彼女の著書に対する書評で、「Throughout the book there are inconsistencies which may stem from a lack of familiarity with the languages involved and their scholarly traditions」(Alonso de la Fuente 2016: 535)として、彼女の満洲語転写が実にテキトーであることを指摘している。前述のヴォヴィンはさらに辛辣なことを書いている(Vovin 2017。出典表記は省略)。
The recent attempts to prove that Japanese is related not only to Korean, but also to the “Altaic” languages fare even worse. In spite of the devastating critique that has been leveled at these quasischolarly publications, they [Starostin and Robbeets] still continue to sprout like mushrooms after the rain, greeted, of course, by yet another round of devastating critique...
こんなこと書かれたら僕だったら泣いちゃうな……
なおこの論文、朝鮮祖語の再建にも問題があるらしい。以下の連ツイを参照>https://twitter.com/ian_joo_korea/status/1458706979870838788。
増田は素人なので確信を持って間違いだと言い切ることはできないけど、論文全体から信頼できない香りがプンプン漂ってきてる。
考古学とかそういう方向からの考察は知らんけど、言語学的な根拠については賭けろと言われたら間違ってる方に賭けるね。
(追記:こっちの増田→anond:20211121201022も見てね)
このへんの言語史については、古代の朝鮮半島には幅広く日琉語(大陸倭語;Penninsular Japonic)が分布してたんだけど、北方から朝鮮語話者が進入してきて言語が置き換わった、という説(Vovin 2013)が個人的には面白いなぁと思う(大陸倭語については、Vovin 2017; 伊藤 2019; 2021も参照)。いや、素人の考えだからひょっとしたら大間違いかもしれないけど。ただ、仮に大陸倭語の存在を認めるなら、日琉語の故地(Urheimat)が列島の外にある可能性もあるわけで、故地をめぐる議論どうしようかっていう議論は生まれてくるところだと思う。
あと、この増田で「標準語」って言葉を使ってるのにツッコミが入るかもしれないけど、国が言語の規範を決め全国に普及させているというのを無視して「共通語」と呼ぶのは国家による言語政策の権力性を覆い隠すから良くないと思うので「標準語」と呼ぶ派です。
著者のRobbeetsさんの名字を「ロッベエツ」と書いてる新聞があったけど、日本語表記するなら「ロベーツ」じゃない? ベルギーの研究者らしいけど、bが重なってるのは詰まって読むこと(促音)を示してるんじゃなくて、その前にある母音が短母音である(「ローベーツ」ではない)ことを示すためのものでしょ、オランダ語的に考えて……。
それにしてもマンチュリア(いわゆる満州)を「中国東北部」と呼ぶの、ヤウンモシㇼを「日本北部」と呼ぶようなもので、先住民族である満洲人の存在を透明化し漢人の入植を自明のものとする植民地主義的な用法だから政治的に正しくないと思うんだよな。ちゃんとマンチュリア or 満州と呼ぶべきでは。
A. スプリンターズSではダノンスマッシュ、秋華賞ではユーバーレーベン、菊花賞ではステラヴェローチェ、天皇賞(秋)ではコントレイル、エリザベス女王杯ではアカイトリノムスメの勝利を予想していました。マイルCSではグランアレグリアに賭けてます。ジャパンカップは今度こそコントレイルが勝つはず。
niwaradi そもそも著者が多く日本の大学の学者が共著者に10人以上いてNature編集部とレビュワーも賛同したはずなので学会で揉めてる分野なのかな?日本語朝鮮語の共通祖先はどこかにあると思うが。
共著者が多いのは、色んな分野にまたがって調査してる理系の論文だとよくあることだと思います。Natureは基本的に理系の雑誌なんで言語学みたいな文系領域の事情にはあんまり明るくなかったんじゃないでしょうか。ちなみにその「日本語朝鮮語の共通祖先はある」って考え方にめっちゃ反対してるのが本文で言及したヴォヴィンです。最新の論文(Vovin 2021)では日本語の起源は「アルタイ語族」じゃなくてオーストロアジア語族だーって気炎を上げてます(ほんとかよ)。
大野晋の日本語タミル語起源説はただのトンデモです。結論どうこうじゃなくて方法論の時点でおかしい。詳しくは長田(1998)や山下(1998)を参照してください。
c_shiika 令和の騎馬民族征服王朝説だったか…… / ウマ増田さんはウマの記事もちゃんと増田に投稿するべきだと思うの
手持ちのジュエルを全部つぎ込んだけどメジロドーベル引けませんでした!!1!(代わりにすり抜けでナリタタイシンが来た)
どうせ実況見て判断してるんでしょ?ツイッターとか事前PVは論外として.
30時間シャイパをプレイした人のまっとうな意見を伝えてあげる.
はっきり言ってダイパリメイクは客観的にクソだよ.それは否定しない.
グラフィックは剣盾型じゃないのが不評だけど,これはさぼったよりかは意図的であろうのでOK.
それよか作りこみが甘すぎる.
3Dだからオブジェクトそれぞれに意味を感じちゃうけど,クリックするとただの張りぼて...
ダブルバトルで味方に抜群技当てて「やったね!」はないでしょうよ.
とまあプレイした結果こんな感じ.手抜きそれはそう.
ストーリーとか追加要素に関しては追加改変したらしたでまた別の勢力が批判するから話すだけ無意味だね.
本題.客観としてはこうなんだけど,主観としては普通に6000円払って黒字だったよって報告.
というのも手持ちポケモンに愛着が湧くための誘導がすごかった.
アブソル♀ NN:ダイアモンド 初めて全然捕まらなかった毛艶のいいイケメンおねえさん.
ドダイトス♂ NN:リリー 最初のパートナー.連れ歩きがとんでもない遅さで愛らしい.
ムクホーク♂ NN:シルヴィ 世界で一番強いムックルを夢見た元Lv2ムックル.ムックル系統には必ずぶつけてすべて勝利.
パチリス♂ NN:くいな 甘いもの好き.シルヴィとはライバル関係?かわいい名前つけちゃってごめんね.
エルレイド♂ NN:ナギ おくびょう.めざめいしを見つけるまでの進化キャンセルでは慌ててた...はず.
サマヨール♂ NN:ガイスティン 名前センスなくてすまん.しかし姓名判断の場所忘れちゃってさ...
なんか途中で足跡おじさんが彼らの考えてることを教えてくれるんだけど,一推しはダイアモンド(アブソル)の
「主人公がどういうやつかはどうもわかりにくいが
案外いいやつなのかもな...
まあだからと言って 主人公の前でニコニコ笑って見せたりはしないが...」
どうすかこれ.最高でしょ.
まあチームメイトからは尊敬されあるいは恋されってかんじだろうね.
ちなみにパルキアとアグノムを殺した”ゴッドスレイヤー”の異名を持つ.
最後のチャンピオン戦でくいな(パチリス)がミロカロスの熱湯を二回こらえたのは胸アツだったなあ.
「くいなは主人公を悲しませないように必死でこらえた!」だってさ.
泣かせてくれるじゃねーかコノヤロー.
進化アイテムをどんなに探しても見つからなかったからサマヨールは進化させてあげられなかったんだけど,最後ガブリアスを倒したのは彼.
最終パーティに入れるつもりはなかったのに,いつの間にかとけ込んじゃってた.
「自分は暗いけど主人公は違う世界を見せてくれる不思議な奴だ」
なんて言われたらもうボックスには戻せないよ.
クソな世界でも手持ちのポケモンが最高なら主観としては最高の世界だといえる.
実はサンムーンまでWCSダブルガチ勢だったからストーリーをこうやって楽しんだのそれこそプラチナ以来だったんだよね.
ランクマがあったら「ストーリーはチュートリアルデュフフ」と今頃言ってただろうなあ.
もう言いたいことはわかると思うけど,実況なんかでこの愛着は生まれようがないよ.
そもそも子供向けのコンテンツなのが自分がプレイしないことで情報に成り下がるときた.こりゃ批判もしますわな.だって僕ら「大人(泣)」だもん.
プレイしようよとりあえず.思い出補正・サンクコストとかのバイアス上等.バイアスがかかって「楽しかった」って言えるなら主観としてはOKじゃん?
てか20歳になった今だからわかるけど,ダイパのストーリーって割とふつうだよね.
神話的な壮大なスケールが成功しているけど,物語の構造だけで見ればいささか陳腐.
「あれストーリーこんなつまんなかったっけ?」って思っちゃった.
今となっては「ストーリーだけは神」っていうのもよくわからない.
P.S.
一人が買わなくても意味ないって.
買えばいいのに.何も変わらないんだから.
売れる売れないじゃなくて,作り手が「どこまで妥協できるのか」を試されてるだけ.
https://hk.on.cc/hk/bkn/cnt/news/20201008/bkn-20201008121103136-1008_00822_001.html
どれだけ知ってるかなと自分を試したくなったので書いてみる。これが足りないぞ!といった指摘歓迎。
言わずとしれたミュージックレインの筆頭。4人全員が文句なしの人気声優。寿美菜子がロンドンにいるのにYouTubeとかで揃って活動できてて現代すごい。
ミュージックレイン2期生。すイエんサーのナレーションをしている。
ミュージックレイン3期生はユニットではないがTwitterアカウントは共通。月のテンペストは後述のIDOLY PRIDE作品内で結成されてるユニットなので後述のコンテンツ系と判断に迷うところ。スフィアやTrySailも作品内ユニットを結成している。
ソニーミュージックだがミュージックレインと違って坂道アイドルの系統。超絶人気というわけではないが特典会商法が軌道に乗ってるのでCD売上はトップ。三四郎の相田の顔は22/7計算中で覚えた。キャラクターと紐付いているがコンテンツ系とするのも違うかと思ったのでこちら。
avex×81プロデュースで結成された最初のユニット。プリパラから上手く飛躍できたように見える。最近は芹澤・若井が陶芸をしている。
同じくavex×81プロデュース。Wake up, Girls!の妹分的な感じだったような?プリチャンが終わったがi☆Risほど伸びた感がなく今後どうなるか。
後述のCUE!のキャストから結成されているが特にCUE!と関係する活動はしていない。
飯田里穂プロデュース(まだやってるかは不明)。BSフジでマヂカルラブリーMCで冠番組をやるという謎に強いキャスティングをしている。
Aqoursは紅白歌合戦には出演したが出場はしていない。いろいろ歌番組に出演している。最近もユニット内ユニットでライブを開催してる。
ユニットなのかユニットではないのかよくわからないが、多分ユニット。
たくさんある
ポピパとかRoseliaとか
ハピアラとか
DIALOGUE+の元ネタ。ソシャゲはサービス終了したが1月からアニメを放送。