「枯葉」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 枯葉とは

2024-10-16

anond:20241016164607

森の深い場所で、狐は静かに佇んでいた。彼はぼくと別れてから、また自分の道へ戻った。森の空気は冷たく、夜の匂いが漂っている。時折、木々の間を風が通り抜け、彼の毛をそっと揺らす。それでも、狐は動かない。ただじっと、その場で立ち尽くしていた。何かを思うでもなく、何かを求めるでもなく。彼は、いつものようにそこにいるだけだった。

「彼もまた、影を抱えているんだな」狐は、ぽつりとつぶやいた。言葉が静かに夜の空気に溶けていく。

彼にとって、ぼくのような人間出会うことは特別なことではなかった。人間は皆、それぞれの心の中に影を持っている。狐はその影を感じ取ることができた。それがどれほど深いものか、どれほど長いものか、どれだけ複雑に絡み合っているか。すべては一瞬でわかる。だからと言って、彼はその影に干渉しようとはしない。彼の役割は、ただそれを見守り、時折小さなきっかけを与えることだけだ。

「彼はまだ気づき始めたばかりだ。言葉が持つ重さに。影の存在に。そして、それがどう彼自身に返ってくるかに。」

狐は鼻先を少し持ち上げ、空の方を見た。暗い空には、いくつかの星がぽつぽつと光っている。まるで遠い昔からその場所にあるかのように、静かに輝いている。彼はいつもこうやって、静かに物事が動いていくのを見守ってきた。人間たちは、あまりに多くの言葉を使いすぎる。彼らはその言葉意味を、そしてその背後に潜む影を、ほとんど理解していない。ただ音として言葉を吐き出し、そしてそのまま歩き続ける。それはまるで、足元に転がる小石に気づかないまま、ただひたすら前に進むのに似ている。

「影は消えない」と、狐は自分に言い聞かせるようにまたつぶやいた。彼はそれを知っていた。言葉が持つ力は、それを放った者の元へ必ず戻ってくる。それがいつになるかは誰にもわからない。でも、いつか必ず戻ってくる。ぼくが「キモい」と言うたびに、その言葉がぼく自身の中に小さな影を落としている。言葉は単なる音ではない。言葉世界を作り出す。世界の形を変え、時には歪めることすらある。

「彼はどうするだろうか」狐はまた考える。彼の中には、何も期待も予測もなかった。ただ、ぼくが自分の影とどう向き合うか、それを見守るだけだった。影を避けて通ることはできない。人間は皆、それに気づくべきだ。影とともに歩くことができるかどうか。それが問題なのだ

自身もまた、長い年月をかけて自分の影と向き合ってきた。狐は人間とは違うが、それでも影はある。影はどこにでもあり、何にでも宿る。重要なのは、その影をどのように扱うかだ。影を否定することはできない。だが、それを抱え込むこともまた間違いだ。

「彼は、そのうちに気づくだろう」と、狐は思った。気づきはいつも突然訪れる。そして、それは人間が思っているよりも、ずっとささやかで静かなものだ。

狐はゆっくりと歩き出した。彼の足音枯葉の上でかすかに響くが、それは夜の静けさの中にすぐに消えていった。彼はぼくのことをもう忘れたわけではないが、特に気にかけているわけでもなかった。彼はただ、森の中で夜を過ごしながら、次の風の吹く瞬間を待っているだけだった。すべては流れていく。ぼくもまた、きっとその流れの中で何かに気づくだろう。

おわり

anond:20241016153243

から帰ってきたのは、ちょうど夕方の薄暗い時間だった。狐と別れてから、ぼくはゆっくりと森の小道を歩いた。足元に広がる枯葉が、かすかな音を立てて踏みしめられる。その音だけが、ぼくを現実に引き戻しているようだった。

狐は、何も多くは語らなかった。彼がそういう性格なのか、あるいはぼくに対して何かを残す必要がないと判断したのかは分からない。けれど、その存在感は、ぼくにしっかりとした印象を残していた。何かを伝えようとするでもなく、ただそこにいるだけで、彼はぼくに何かを気づかせたように思う。狐は何か特別ものを持っている。言葉にできない、何か曖昧で、それでいて確かなもの

自宅に戻り、靴を脱いでリビング椅子腰掛けた。窓の外はすっかり暗くなり、街の明かりが遠くにぼんやりと見える。ぼくはそのままじっと座って、何も考えずに過ごそうとした。でも、狐とのやり取りが頭の中で繰り返し再生されていた。ぼくが口にしてきた「キモい」という言葉について、それまで深く考えたことはなかった。軽い気持ちで使っていたその一言が、どうしてこんなにも気にかかるのだろう。

狐が言っていたこと――言葉には影がある。言葉は、何もないところに波紋を広げる。その言葉がどこかへ消えてしまうわけではなく、むしろ誰かの心に、そしてぼく自身の心に残り続けるのだと。ぼくは自分が「キモい」と口にするたびに、その言葉が心にどんな形で残っているのか、思いも寄らなかった。簡単な、ただの一言だと思っていた。でも、考えてみるとその一言には確かに何かがあった。ぼくは無意識に、それを繰り返し使うことで、世界の複雑さを避けようとしていたのかもしれない。

ぼくはいつも、何かに違和感を感じたり、不快に思ったりすると、すぐに「キモい」と言ってしまっていた。その言葉は、ぼくにとって簡単で便利だった。まるで、疑問や不安を瞬時に整理できるツールのように。でも、その簡単さが問題なんだろう。ぼくは狐が言っていた通り、「キモい」という言葉を使うことで、その感情を一瞬で片付けてしまっていた。感情の裏にあるものを見ようとせず、そのまま蓋をしてしまうように。

ぼくは窓の外に視線を向けた。暗い空に、小さな星がちらちらと見える。自分の心の中にも、同じような暗闇が広がっているのだろうか。そこに、今まで気づかなかった何かが潜んでいるような気がした。狐が言った通り、ぼくは「キモい」という言葉に頼りすぎていたのかもしれない。言葉が、ぼくの心を少しずつ染めていって、気づかないうちにぼく自身がその影に囚われていた。

どうしてそんな風に思うようになったのか。狐がぼくに問いかけたように、ぼく自身も問い直す必要があった。ぼくが「キモい」と感じるその瞬間、本当に何を感じているのか。その裏に何があるのかを、もっとじっくりと見つめなければならない。表面的な違和感不快感だけでなく、そのもっと深いところで何が自分の心を揺さぶっているのかを、ぼくはまだ知らなかった。

言葉には影がある」と、狐は言った。ぼくが使っているその言葉が、ぼく自身の心にどんな影を落としているのか。それをこれまで、ぼくは意識してこなかった。もしかしたら、ぼくはその影を避けてきたのかもしれない。言葉は便利で、使い方次第で色んなものを切り捨てたり整理したりできる。でも、その一言一言がどれだけの力を持っているかは、ぼく自身もっと意識しなければならない。

ぼくはふと、狐の姿を思い出した。彼は何も強制しなかった。ただ、静かにぼくの隣を歩きながら、ぼくが自分自身で気づくように導いてくれた。彼の言葉が、まるでぼくの心の中に投げ込まれた小石のように、波紋を作り始めているのを感じた。ぼくはその波紋を追いかける必要があるだろう。それは時間がかかるかもしれないが、必要なことだ。

キモい」という言葉に頼らない世界。ぼくの感情もっとかに表現できる言葉を見つけること。それが、ぼくの心の影を少しずつ薄くしていくのかもしれない。

2024-09-30

https://anond.hatelabo.jp/20240930202150三四郎はすぐ床へはいった。三四郎勉強家というよりむしろ※(「彳+低のつくり」、第3水準1-84-31)徊家なので、わりあい書物を読まない。その代りある掬すべき情景にあうと、何べんもこれを頭の中で新たにして喜んでいる。そのほうが命に奥行があるような気がする。きょうも、いつもなら、神秘講義最中に、ぱっと電燈がつくところなどを繰り返してうれしがるはずだが、母の手紙があるので、まず、それから片づけ始めた。

 手紙には新蔵が蜂蜜をくれたから、焼酎を混ぜて、毎晩杯に一杯ずつ飲んでいるとある。新蔵は家の小作人で、毎年冬になると年貢米を二十俵ずつ持ってくる。いたって正直者だが、癇癪が強いので、時々女房を薪でなぐることがある。――三四郎は床の中で新蔵が蜂を飼い出した昔の事まで思い浮かべた。それは五年ほどまえである。裏の椎の木に蜜蜂が二、三百匹ぶら下がっていたのを見つけてすぐ籾漏斗に酒を吹きかけて、ことごとく生捕にした。それからこれを箱へ入れて、出入りのできるような穴をあけて、日当りのいい石の上に据えてやった。すると蜂がだんだんふえてくる。箱が一つでは足りなくなる。二つにする。また足りなくなる。三つにする。というふうにふやしていった結果、今ではなんでも六箱か七箱ある。そのうちの一箱を年に一度ずつ石からおろして蜂のために蜜を切り取るといっていた。毎年夏休みに帰るたびに蜜をあげましょうと言わないことはないが、ついに持ってきたためしがなかった。が、今年は物覚えが急によくなって、年来の約束を履行したものであろう。

 平太郎おやじ石塔を建てたから見にきてくれろと頼みにきたとある。行ってみると、木も草もはえていない庭の赤土のまん中に、御影石でできていたそうである。平太郎はその御影石が自慢なのだと書いてある。山から切り出すのに幾日とかかかって、それから石屋に頼んだら十円取られた。百姓や何かにはわからないが、あなたのとこの若旦那大学校はいっているくらいだから、石の善悪はきっとわかる。今度手紙のついでに聞いてみてくれ、そうして十円もかけておやじのためにこしらえてやった石塔をほめてもらってくれと言うんだそうだ。――三四郎はひとりでくすくす笑い出した。千駄木の石門よりよほど激しい。

 大学制服を着た写真をよこせとある三四郎はいつか撮ってやろうと思いながら、次へ移ると、案のごとく三輪田のお光さんが出てきた。――このあいだお光さんのおっかさんが来て、三四郎さんも近々大学卒業なさることだが、卒業したら家の娘をもらってくれまいかという相談であった。お光さんは器量もよし気質も優しいし、家に田地もだいぶあるし、その上家と家との今までの関係もあることだから、そうしたら双方ともつごうがよいだろうと書いて、そのあとへ但し書がつけてある。――お光さんもうれしがるだろう。――東京の者は気心が知れないから私はいやじゃ。

 三四郎手紙を巻き返して、封に入れて、枕元へ置いたまま目を眠った。鼠が急に天井であばれだしたが、やがて静まった。

 三四郎には三つの世界ができた。一つは遠くにある。与次郎のいわゆる明治十五年以前の香がする。すべてが平穏である代りにすべてが寝ぼけている。もっとも帰るに世話はいらない。もどろうとすれば、すぐにもどれる。ただいざとならない以上はもどる気がしない。いわば立退場のようなものである三四郎は脱ぎ棄てた過去を、この立退場の中へ封じ込めた。なつかしい母さえここに葬ったかと思うと、急にもったいなくなる。そこで手紙が来た時だけは、しばらくこの世界に※(「彳+低のつくり」、第3水準1-84-31)徊して旧歓をあたためる。

 第二の世界のうちには、苔のはえ煉瓦造りがある。片すみから片すみを見渡すと、向こうの人の顔がよくわからないほどに広い閲覧室がある。梯子をかけなければ、手の届きかねるまで高く積み重ねた書物がある。手ずれ、指の垢で、黒くなっている。金文字で光っている。羊皮、牛皮、二百年前の紙、それからすべての上に積もった塵がある。この塵は二、三十年かかってようやく積もった尊いである。静かな明日に打ち勝つほどの静かな塵である

 第二の世界に動く人の影を見ると、たいてい不精な髭をはやしている。ある者は空を見て歩いている。ある者は俯向いて歩いている。服装は必ずきたない。生計はきっと貧乏である。そうして晏如としている。電車に取り巻かれながら、太平空気を、通天に呼吸してはばからない。このなかに入る者は、現世を知らないから不幸で、火宅をのがれるからいである。広田先生はこの内にいる。野々宮君もこの内にいる。三四郎はこの内の空気をほぼ解しえた所にいる。出れば出られる。しかしせっかく解しかけた趣味を思いきって捨てるのも残念だ。

 第三の世界はさんとして春のごとくうごいている。電燈がある。銀匙がある。歓声がある。笑語がある。泡立つシャンパンの杯がある。そうしてすべての上の冠として美しい女性がある。三四郎はその女性の一人に口をきいた。一人を二へん見た。この世界三四郎にとって最も深厚な世界である。この世界は鼻の先にある。ただ近づき難い。近づき難い点において、天外の稲妻一般である三四郎は遠くからこの世界をながめて、不思議に思う。自分がこの世界のどこかへはいらなければ、その世界のどこかに欠陥ができるような気がする。自分はこの世界のどこかの主人公であるべき資格を有しているらしい。それにもかかわらず、円満の発達をこいねがうべきはずのこの世界がかえってみずからを束縛して、自分自由に出入すべき通路をふさいでいる。三四郎にはこれが不思議であった。

 三四郎は床のなかで、この三つの世界を並べて、互いに比較してみた。次にこの三つの世界をかき混ぜて、そのなかからつの結果を得た。――要するに、国から母を呼び寄せて、美しい細君を迎えて、そうして身を学問にゆだねるにこしたことはない。

 結果はすこぶる平凡である。けれどもこの結果に到着するまえにいろいろ考えたのだから思索の労力を打算して、結論価値上下やす思索自身からみると、それほど平凡ではなかった。

 ただこうすると広い第三の世界を眇たる一個の細君で代表させることになる。美しい女性はたくさんある。美しい女性翻訳するといろいろになる。――三四郎広田先生にならって、翻訳という字を使ってみた。――いやしくも人格上の言葉翻訳のできるかぎりは、その翻訳から生ずる感化の範囲を広くして、自己個性を全からしむるために、なるべく多くの美しい女性接触しなければならない。細君一人を知って甘んずるのは、進んで自己の発達を不完全にするようなものである

 三四郎論理をここまで延長してみて、少し広田さんにかぶれたなと思った。実際のところは、これほど痛切に不足を感じていなかったかである

 翌日学校へ出ると講義は例によってつまらないが、室内の空気は依然として俗を離れているので、午後三時までのあいだに、すっかり第二の世界の人となりおおせて、さも偉人のような態度をもって、追分交番の前まで来ると、ばったり与次郎出会った。

「アハハハ。アハハハ

 偉人の態度はこれがためにまったくくずれた。交番巡査さえ薄笑いをしている。

「なんだ」

「なんだもないものだ。もう少し普通人間らしく歩くがいい。まるでロマンチックアイロニーだ」

 三四郎にはこの洋語意味がよくわからなかった。しかたがないから、

「家はあったか」と聞いた。

「その事で今君の所へ行ったんだ――あすいよいよ引っ越す。手伝いに来てくれ」

「どこへ越す」

西片町十番地への三号。九時までに向こうへ行って掃除をしてね。待っててくれ。あとから行くから。いいか、九時までだぜ。への三号だよ。失敬」

 与次郎は急いで行き過ぎた。三四郎も急いで下宿へ帰った。その晩取って返して、図書館ロマンチックアイロニーという句を調べてみたら、ドイツのシュレーゲルが唱えだした言葉で、なんでも天才というものは、目的努力もなく、終日ぶらぶらぶらついていなくってはだめだという説だと書いてあった。三四郎はようやく安心して、下宿へ帰って、すぐ寝た。

 あくる日は約束から天長節にもかかわらず、例刻に起きて、学校へ行くつもりで西片町十番地へはいって、への三号を調べてみると、妙に細い通りの中ほどにある。古い家だ。

 玄関の代りに西洋間が一つ突き出していて、それと鉤の手に座敷がある。座敷のうしろ茶の間で、茶の間の向こうが勝手下女部屋と順に並んでいる。ほかに二階がある。ただし何畳だかわからない。

 三四郎掃除を頼まれたのだが、べつに掃除をする必要もないと認めた。むろんきれいじゃない。しかし何といって、取って捨てべきものも見当らない。しいて捨てれば畳建具ぐらいなものだと考えながら、雨戸だけをあけて、座敷の椽側へ腰をかけて庭をながめていた。

 大きな百日紅がある。しかしこれは根が隣にあるので、幹の半分以上が横に杉垣から、こっちの領分おかしているだけである。大きな桜がある。これはたしかに垣根の中にはえている。その代り枝が半分往来へ逃げ出して、もう少しすると電話妨害になる。菊が一株ある。けれども寒菊とみえて、いっこう咲いていない。このほかにはなんにもない。気の毒なような庭である。ただ土だけは平らで、肌理が細かではなはだ美しい。三四郎は土を見ていた。じっさい土を見るようにできた庭である

 そのうち高等学校天長節の式の始まるベルが鳴りだした。三四郎ベルを聞きながら九時がきたんだろうと考えた。何もしないでいても悪いから、桜の枯葉でも掃こうかしらんとようやく気がついた時、また箒がないということを考えだした。また椽側へ腰をかけた。かけて二分もしたかと思うと、庭木戸がすうとあいた。そうして思いもよらぬ池の女が庭の中にあらわれた。

 二方は生垣で仕切ってある。四角な庭は十坪に足りない。三四郎はこの狭い囲いの中に立った池の女を見るやいなや、たちまち悟った。――花は必ず剪って、瓶裏にながむべきものである

 この時三四郎の腰は椽側を離れた。女は折戸を離れた。

「失礼でございますが……」

 女はこの句を冒頭に置いて会釈した。腰から上を例のとおり前へ浮かしたが、顔はけっして下げない。会釈しながら、三四郎を見つめている。女の咽喉が正面から見ると長く延びた。同時にその目が三四郎の眸に映った。

 二、三日まえ三四郎美学教師からグルーズの絵を見せてもらった。その時美学教師が、この人のかいた女の肖像はことごとくヴォラプチュアスな表情に富んでいると説明した。ヴォラプチュアス! 池の女のこの時の目つきを形容するにはこれよりほかに言葉がない。何か訴えている。艶なるあるものを訴えている。そうしてまさしく官能に訴えている。けれども官能の骨をとおして髄に徹する訴え方である。甘いものに堪えうる程度をこえて、激しい刺激と変ずる訴え方である。甘いといわんよりは苦痛である。卑しくこびるのとはむろん違う。見られるもののほうがぜひこびたくなるほどに残酷な目つきであるしかもこの女にグルーズの絵と似たところは一つもない。目はグルーズのより半分も小さい。

広田さんのお移転になるのは、こちらでございましょうか」

「はあ、ここです」

 女の声と調子に比べると、三四郎の答はすこぶるぶっきらぼうである三四郎も気がついている。けれどもほかに言いようがなかった。

「まだお移りにならないんでございますか」女の言葉ははっきりしている。普通のようにあとを濁さない。

「まだ来ません。もう来るでしょう」

 女はしばしためらった。手に大きな籃をさげている。女の着物は例によって、わからない。ただいつものように光らないだけが目についた。地がなんだかぶつぶつしている。それに縞だか模様だかある。その模様がいかにもでたらめである

 上から桜の葉が時々落ちてくる。その一つが籃の蓋の上に乗った。乗ったと思ううちに吹かれていった。風が女を包んだ。女は秋の中に立っている。

あなたは……」

 風が隣へ越した時分、女が三四郎に聞いた。

掃除に頼まれて来たのです」と言ったが、現に腰をかけてぽかんとしていたところを見られたのだから三四郎自分おかしくなった。すると女も笑いながら、

「じゃ私も少しお待ち申しましょうか」と言った。その言い方が三四郎に許諾を求めるように聞こえたので、三四郎は大いに愉快であった。そこで「ああ」と答えた。三四郎の了見では、「ああ、お待ちなさい」を略したつもりである。女はそれでもまだ立っている。三四郎はしかたがないから、

あなたは……」と向こうで聞いたようなことをこっちからも聞いた。すると、女は籃を椽の上へ置いて、帯の間から、一枚の名刺を出して、三四郎にくれた。

 名刺には里見美禰子とあった。本郷真砂町から谷を越すとすぐ向こうである三四郎がこの名刺をながめているあいだに、女は椽に腰をおろした。

あなたにはお目にかかりましたな」と名刺を袂へ入れた三四郎が顔をあげた。

「はあ。いつか病院で……」と言って女もこっちを向いた。

「まだある」

それから池の端で……」と女はすぐ言った。よく覚えている。三四郎はそれで言う事がなくなった。女は最後に、

「どうも失礼いたしました」と句切りをつけたので、三四郎は、

「いいえ」と答えた。すこぶる簡潔である。二人は桜の枝を見ていた。梢に虫の食ったような葉がわずかばかり残っている。引っ越し荷物はなかなかやってこない。

「なにか先生に御用なんですか」

 三四郎は突然こう聞いた。高い桜の枯枝を余念なくながめていた女は、急に三四郎の方を振りむく。あらびっくりした、ひどいわ、という顔つきであった。しかし答は尋常である

「私もお手伝いに頼まれました」

 三四郎はこの時はじめて気がついて見ると、女の腰をかけている椽に砂がいっぱいたまっている。

「砂でたいへんだ。着物がよごれます

「ええ」と左右をながめたぎりである。腰を上げない。しばらく椽を見回した目を、三四郎に移すやいなや、

掃除はもうなすったんですか」と聞いた。笑っている。三四郎はその笑いのなかに慣れやすいあるものを認めた。

「まだやらんです」

「お手伝いをして、いっしょに始めましょうか」

 三四郎はすぐに立った。女は動かない。腰をかけたまま、箒やはたきのありかを聞く。三四郎は、ただてぶらで来たのだから、どこにもない、なんなら通りへ行って買ってこようかと聞くと、それはむだだから、隣で借りるほうがよかろうと言う。三四郎はすぐ隣へ行った。さっそく箒とはたきと、それからバケツ雑巾まで借りて急いで帰ってくると、女は依然としてもとの所へ腰をかけて、高い桜の枝をながめていた。

「あって……」と一口言っただけである

 三四郎は箒を肩へかついで、バケツを右の手へぶら下げて「ええありました」とあたりまえのことを答えた。

 女は白足袋のまま砂だらけの椽側へ上がった。歩くと細い足のあとができる。袂から白い前だれを出して帯の上から締めた。その前だれの縁がレースのようにかがってある。掃除をするにはもったいないほどきれいなである。女は箒を取った。

「いったんはき出しましょう」と言いながら、袖の裏から右の手を出して、ぶらつく袂を肩の上へかついだ。きれいな手が二の腕まで出た。かついだ袂の端からは美しい襦袢の袖が見える。茫然として立っていた三四郎は、突然バケツを鳴らして勝手口へ回った。

 美禰子が掃くあとを、三四郎雑巾をかける。三四郎が畳をたたくあいだに、美禰子が障子をはたく。どうかこうか掃除がひととおり済んだ時は二人ともだいぶ親しくなった。

 三四郎バケツの水を取り換えに台所へ行ったあとで、美禰子がはたきと箒を持って二階へ上がった。

ちょっと来てください」と上から三四郎を呼ぶ。

「なんですか」とバケツをさげた三四郎梯子段の下から言う。女は暗い所に立っている。前だれだけがまっ白だ。三四郎バケツをさげたまま二、三段上がった。女はじっとしている。三四郎はまた二段上がった。薄暗い所で美禰子の顔と三四郎の顔が一尺ばかりの距離に来た。

「なんですか」

「なんだか暗くってわからないの」

「なぜ」

「なぜでも」

 三四郎は追窮する気がなくなった。美禰子のそばをすり抜けて上へ出た。バケツを暗い椽側へ置いて戸をあける。なるほど桟のぐあいがよくわからない。そのうち美禰子も上がってきた。

「まだあからなくって」

 美禰子は反対の側へ行った。

「こっちです」

 三四郎は黙って、美禰子の方へ近寄った。もう少しで美禰子の手に自分の手が触れる所で、バケツに蹴つまずいた。大きな音がする。ようやくのことで戸を一枚あけると、強い日がまともにさし込んだ。まぼしいくらいである。二人は顔を見合わせて思わず笑い出した。

 裏の窓もあける。窓には竹の格子がついている。家主の庭が見える。鶏を飼っている。美禰子は例のごとく掃き出した。三四郎は四つ這いになって、あとから拭き出した。美禰子は箒を両手で持ったまま、三四郎の姿を見て、

「まあ」と言った。

 やがて、箒を畳の上へなげ出して、裏の窓の所へ行って、立ったまま外面をながめている。そのうち三四郎も拭き終った。ぬれ雑巾バケツの中へぼちゃんとたたきこんで、美禰子のそばへ来て並んだ。

「何を見ているんです」

「あててごらんなさい」

「鶏ですか」

「いいえ」

「あの大きな木ですか」

「いいえ」

「じゃ何を見ているんです。ぼくにはわからない」

「私さっきからあの白い雲を見ておりますの」

 なるほど白い雲が大きな空を渡っている。空はかぎりなく晴れて、どこまでも青く澄んでいる上を、綿の光ったような濃い雲がしきりに飛んで行く。風の力が激しいと見えて、雲の端が吹き散らされると、青い地がすいて見えるほどに薄くなる。あるいは吹き散らされながら、塊まって、白く柔かな針を集めたように、ささくれだつ。美禰子はそのかたまりを指さして言った。

駝鳥の襟巻に似ているでしょう」

 三四郎ボーアという言葉を知らなかった。それで知らないと言った。美禰子はまた、

「まあ」と言ったが、すぐ丁寧にボーア説明してくれた。その時三四郎は、

「うん、あれなら知っとる」と言った。そうして、あの白い雲はみんな雪の粉で、下から見てあのくらいに動く以上は、颶風以上の速度でなくてはならないと、このあいだ野々宮さんから聞いたとおりを教えた。美禰子は、

「あらそう」と言いながら三四郎を見たが、

「雪じゃつまらないわね」と否定を許さぬような調子であった。

「なぜです」

「なぜでも、雲は雲でなくっちゃいけないわ。こうして遠くからながめているかいがないじゃありませんか」

「そうですか」

「そうですかって、あなたは雪でもかまわなくって」

あなたは高い所を見るのが好きのようですな」

「ええ」

 美禰子は竹の格子の中から、まだ空をながめている。白い雲はあとから、あとから、飛んで来る。

 ところへ遠くから荷車の音が聞こえる。今静かな横町を曲がって、こっちへ近づいて来るのが地響きでよくわかる。三四郎は「来た」と言った。美禰子は「早いのね」と言ったままじっとしている。車の音の動くのが、白い雲の動くのに関係でもあるように耳をすましている。車はおちついた秋の中を容赦なく近づいて来る。やがて門の前へ来てとまった。

 三四郎は美禰子を捨てて二階を駆け降りた。三四郎玄関へ出るのと、与次郎が門をはいるのとが同時同刻であった。

「早いな」と与次郎がまず声をかけた。

「おそいな」と三四郎が答えた。美禰子とは反対である

「おそいって、荷物を一度に出したんだからしかたがない。それにぼく一人だから。あとは下女車屋ばかりでどうすることもできない」

先生は」

先生学校

 二人が話を始めているうちに、車屋荷物おろし始めた。下女はいって来た。台所の方を下女車屋に頼んで、与次郎三四郎書物西洋間へ入れる。書物がたくさんある。並べるのは一仕事だ。

里見お嬢さんは、まだ来ていないか

「来ている」

「どこに」

「二階にいる」

「二階に何をしている」

「何をしているか、二階にいる」

冗談じゃない」

 与次郎は本を一冊持ったまま、廊下伝いに梯子段の下まで行って、例のとおりの声で、

里見さん、里見さん。書物をかたづけるからちょっと手伝ってください」と言う。

「ただ今参ります

 箒とはたきを持って、美禰子は静かに降りて来た。

「何をしていたんです」と下から与次郎がせきたてるように聞く。

「二階のお掃除」と上から返事があった。

 降りるのを待ちかねて、与次郎は美禰子を西洋間の戸口の所へ連れて来た。車力のおろし書物がいっぱい積んである三四郎がその中へ、向こうむきにしゃがんで、しきりに何か読み始めている。

「まあたいへんね。これをどうするの」と美禰子が言った時、三四郎はしゃがみながら振り返った。にやにや笑っている。

「たいへんもなにもありゃしない。これを部屋の中へ入れて、片づけるんです。いまに先生も帰って来て手伝うはずだからわけはない。――君、しゃがんで本なんぞ読みだしちゃ困る。あとで借りていってゆっくり読むがいい」と与次郎が小言を言う。

 美禰子と三四郎が戸口で本をそろえると、それを与次郎が受け取って部屋の中の書棚へ並べるという役割ができた。

「そう乱暴に、出しちゃ困る。まだこの続きが一冊あるはずだ」と与次郎が青い平たい本を振り

2024-03-07

わざわざ通勤ラッシュ時間道路に出る激遅枯葉マークや激遅大型車

俺もあれくらい無神経な生き方できるようになりたい

2023-11-22

anond:20231122170722

政界

〘名〙 政治家または政治に関与する者の社会政治に関する方面。政海。

舞姫(1890)〈森鴎外〉「昔しの法令絛目の枯葉を紙上に掻寄せしとは殊にて、今は活溌々たる政界運動文学美術に係る新現象批評など」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

これの意味わからんのだろw

そんで「政治世界とか」で言葉をみて「政治世界」がメインでもないって主張してるやつを擁護してるわけだろ?

キチガイすぎるって。

政治世界」って一回調べてみてくれ、出てくる中で「腹の探り合いや駆け引きが生じうるすべての人間関係において」って意味のやつを探してきてくれ。

AIに聞いてみてもいいし、LINE友達に聞いてもいいし、Xで聞いてもいいぞ。

2023-10-26

秋のインクの擦れるボールペン増田すまんペルーボルレス化の勲位の騎亜(回文

おはようございます

いつまでも出ないインクペン

シャープペンシル機能だけ使いたい温存しておきたいからって筆箱に入れておくスペースはマジでどうしようかと考える5秒前なんだけど

インクのさー

油性でもない水性でもない

中間の私は専門家じゃないのでよく分からないんだけど

そう言った立場インクボールポイントペンね。

私が愛用しているのは0.7ミリの細さの太さの細くもなく太くもない中間ぐらいのを使っているんだけど、

まあ使っている頻度も高いから擦れることもないのよね。

それをメインに使っている生活を送っているので

たまに活躍するそのシャープペンシル機能を含むプラス3色ボールポイントペンのそれは

本当にたまに使うから

インクペン先がかすれまくりまくりすてぃーなのよ。

そんでいつも擦れるから

ぐるぐる試し書きを紙の端っこにして

インク擦れて出ないかーって

試し書きで一生終わりそうで

次使うときもそれ分かっていてペン立てとか筆箱にしまっていて

また取り出して同じ事を繰り返す。

いい加減私も学習したらいいもの

そのペン捨てちゃうのはもったいない

インクが擦れて出ないのによ!

そうなると

シャープペンシル機能だけでスタメン入りさせているスターティングメンバーには入れるベンチの数も椅子も少ないので、

引き出しの奥に入れておきたいところなのよね。

でもたまーに

本当にたまーに

鉛筆機能で書いたりすることがあるので、

捨てられない事情なのよね。

マジックとかだったら

もう替えのインクとかもないか

「ごと」捨てられちゃうけど

いかんせんシャープペンシル機能けがあるから唯一の機能活躍の場がいつかあるかも知れないことを期待しているそんな世の中よ。

事務所事務作業で記を記をすることって、

だいたいはボールポイントペンの消えないタイプペンで書くことが多い山脈に向かってヤッホー!ってシンプルに叫んじゃうけどね。

学生の頃とは違って

鉛筆ボールポイントペンの使う頻度が大逆転というか

9回裏二死満塁!逆転ホームラン級のホームランバーを私も初打席ホームラン狙えるかと思ったけど

そうは問屋は美味しい海苔を卸さないように、

コンビニおにぎりばかり食べていて、

なんか高いオニギリを例えば百貨店とかの良い海苔を使っているおにぎりだと

口に含んだとき海苔ダイレクトに伝わる感触

コンビニ海苔のそれと比べて

海苔と言えども厚みを感じる

そう!そうよふくよかな豊満海苔の風味を味わうことができるぐらいに

そのホームランバーのあのアイスタイプのやつを

初回買って見て初打席で上手いことホームランなんて打てるわけないのよ。

そのぐらい

鉛筆機能ボールポイントペン機能と使いの割合が逆転サヨナ満塁ホームランってところかしら。

うそう!

今シーズン私も秋刀魚定食秋の祭典スペシャルを幾つ食べられるか秋刀魚の食べた本数をホームラン数になぞらえて

今シーズンホームラン数を発表すると2本しか打てなかったわ!

つの間にやら

秋の秋刀魚定食の祭典!

私の楽しみにしていた秋の食の祭典のスペシャル最終回で終わっていたのよね。

時すでにお鮨!

秋刀魚だけど!

いやー終わっていたとは、

いやー終わるとは思っていなかったので

ワンチャンあるならワンチャンって言うのは王貞治監督のことで

そのワンチャンも私が打席に立ったら秋刀魚ホームランをかませ!って

秋刀魚にかけて美味しい柑橘類と言えばカボスだけどスダチときもあるから

私はボディーランゲージサインワンチャンスダチって合図をもしかして私の合図を効いてくれるかも知れないワンチャンにかけて

もはや今のワンチャンって言葉の使い方は

ワンチャンイコール「もしかして」にも等しい値を叩き出しているのかも知れないわ。

そんなことでは秋刀魚ホームランカボスだろうがスダチだろうが

美味しく食べられたらそれでホームラン値打ちは変わらない値に等しいので

ワンチャン美味しい!ってなるのよね。

秋に擦れたインクボールポイントペンに思いを馳せながら食べる秋刀魚ホームラン味は

いつかきっとあの病床の少年約束した

今日ホームラン打つからな!って

うまい棒ホームラン味を手渡して少年病気の治り具合をそのうまい棒ホームラン味にかけるのよ!

から私はその少年の病床の病室の窓から見える向かいの棟の病棟の壁に

絵描きさんが書いている

枯葉が落ちないように

少年はあの枯葉が落ちたら退院出来るんだ!って思っている逆を行く

枯葉が落ちたら私は死んでしまうかも知れないと逆を行く

絵描きさんに壁に葉っぱが落ちないように絵で絵の具で葉っぱを描いてもらうのよ!

でも少年も元気になって退院できたあかつきには

秋の秋刀魚定食の祭典を食べようね!って

うまい棒秋刀魚定食味に誓ったので

落ちない絵で描いた枯葉の横に焼き秋刀魚も描いてもらうわ

もちろんその秋刀魚の横はスダチも実らせるのよ!

秋は美味しい物尽くしね!

でも少年は葉っぱが全部枯れ枝から落ちた頃には退院出来るんだ!って思っていたのに

いつまでも落ちない絵で描かれた葉っぱをみて

いつまでも退院出来ないんだ!ってショックを受けたとき

病院食事で薄味で味気ない食生活を送っていると思うので

濃い濃いソース日清焼そばUFOをそっと差し入れしたいと思うし、

きっと少年も元気になると思う!

次はうまい棒の秋限定アースウィンドアンドファイアー味を差し入れするわ。

うふふ。


今日朝ご飯

納豆巻きにしました。

納豆巻きも巻くのが手間だけどそれを越える美味しさがあるわよね。

フレッシュ納豆ってやっぱり美味しいわ!

最近無性に納豆あんのよね。

デトックスウォーター

ホッツルイボスティーウォーラーしました。

ホッツ白湯ウォーラー

ルイボスティーティーパックを入れて

飲み頃になった温度でいただく

ホッツルイボスティーウォーラーね。

冬のホッツルイボスティーウォーラーもいいわね。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2023-10-05

anond:20231005084340

GARO学生街喫茶店は72年か。

50~60年代の詩情がよくわかる作品ですな。

君とよくこの店に 来たもの

訳もなくお茶を飲み 話したよ

学生でにぎやかな この店の

片隅で聴いていた ボブ・ディラン

あの時の歌は聴こえない

人の姿も変わったよ

時は流れた

あの頃は愛だとは 知らないで

ヨナラも言わないで 別れたよ

君と

君とよくこの店に 来たもの

訳もなくお茶を飲み 話したよ

窓の外 街路樹が美しい

ドアを開け 君が来る気がするよ

あの時は道に枯葉

音もたてずに舞っていた

時は流れた

あの頃は愛だとは 知らないで

ヨナラも言わないで 別れたよ

君と 君と……

2023-05-05

元の記事が荒れててコメントつけたくないのと、スターつけ過ぎは完全に自分ストレスが原因なので、あらためて少し書いておく。


住宅密集地の庭先BBQは「臭いがつらい」「煙が迷惑」「騒いでいて声がうるさい」なのはもっと知られてほしい。

家が点在しているだけの田舎なら全然OKなのだけど(そういう地域で大昔にやったことはある)、その感覚人口密度の高い街に持ち込まないで。


騒いでいて声がうるさいのがまだマシだと感じるくらい、臭いと煙は困る。枯葉や草を燃やすのも同じ理由でやめてほしい。

2022-12-12

[] 加水分解にやられた

親戚の法事にて。墓地で諸々を準備。

通路の部分に黒い塊状のゴミがポツポツ落ちてる。

竹炭?木炭?拾ってみると靴底ゴム自分の靴のソールが剥がれてきてた。

歩く度にボロボロ崩れて剥がれてくる。

枯葉ゴミと共に次々剥がれる自分靴底も拾い集める。

墓参りを終える頃には靴底は剥がれきってほぼ消滅

これだこれ。

冠婚葬祭しか使わない革靴を履いた瞬間にかかとが粉砕した…経年劣化で粉々になったソール「あるある」の声 - Togetter

togetter.com/li/1564812

知識として知ってはいたが、自分の身に降りかかるとは思わんかったわ。

↑の棘に「革底の靴履けよ」てブコメ付いてるが、法事だと墓参り靴底濡れたりするので革底は面倒臭そう。

あと話ずれるが、ブコメに「冠婚葬祭ではローファー(スリッポン)はNG」て指摘あるが、

これだこれ。

ローファーフォーマルの話。履いていいのかだめなのか|靴屋Parede-パレード-のスタッフのまるまるな話

parade-shoes.jp/blog/rofar-formal/

結婚式はともかく、靴の脱ぎ履きの機会が多い日本法事西洋マナーそのまま持ち込むのは現実的じゃないと思うわ。

日本法事」は主語デカ過ぎた。キリスト教なら靴の脱ぎ履きゼロで済ませられるのか、知らんけど。

2022-12-11

庭に落ちた大きめの枯葉が、地面の濃い茶色緑色の上に鮮やかな黄色の層を作って美しい。

紅葉を見上げた時の、空の青との対比はどこか非現実的だけど、地面に落ちた紅葉は、いずれ土に還る生命の掟を示す、地に足が着いたコントラストなのだ

2021-11-28

anond:20211128081613

湿った枯葉匂いは悪くないよ。

暖かいと、小鳥や鴨も元気いっぱいだ。

2020-10-20

anond:20201020162534

雨水

建物外部の地中に埋まっており、雨樋から流れてきた雨水排水管に接続する部分・排水管の合流部分や、曲り部分などにも設置され、雨水に含まれる砂や枯葉などを沈殿させたり、一時的雨水を貯留して流量の調節をするための設備ではなく、内容が薄い増田

2020-06-14

西洋版クソデカ羅生門としての『失楽園

不倫じゃなくて)ミルトンの方の失楽園比喩表現にクソデカ要素が詰め込まれているので面白いという話。

かっこいい平井訳を適当抜粋していく(怒られるかな?この長さな大丈夫だろう。あと改行は無視しているのでちゃんと楽しみたい人は買って読むように)

彼[=ベルゼブブ]がそう言い終わるか終わらぬうちに、早くも天使の長[=サタン]は岸辺に向かって歩いていた。天井の火で鍛えられたずっしりと大きく丸い彼の楯は、いかにも重々しく背後に投げかけられていたが、両肩に懸っているその楯の茫々たる円形は、さながら月そっくりであった−−そうだ、例のトスカナの科学者[=ガリレオ]が、斑点だらけの表面に何か新しい陸地か河か山を発見しようと、望遠鏡を通し、夜ともなればフィエゾレの山頂から、というよりヴァルダノから眺めているあの月の球面そっくりであった。

楯の比喩で月!?早くもデカイぞ。

そしてガリレオを出しくるあたりのスケール感も別の意味ででかい学説異端視されて自宅に囚われの身となっているガリレオが遥か遠くの月にを眺めて自由思索を巡らせる、というなかなか情緒ある描写。でも、その天才ガリレオ自由思索の動き回る領域である月、これがただの楯!サタン、あまりデカい。

彼は携えていた槍を(これまた、これに比べれば、巨大な旗艦マスト用にと、ノルウェイ山中から伐り出されるいかなる亭々たる松の大木も、小さな棒切れにしか過ぎなかったが)、杖代わりに用いて身を支えながら、

もつかせぬクソデカ描写が続く。この時代は、西欧諸国帆船で全世界進出した大航海時代の後、軍艦としてよりゴテゴテとしたでっかい船が作られて、各国の主要な戦力として重視されていた頃。その中でも旗艦と言えば大将とかが乗る船で一番デカイ船。それが棒切れになるようなデカイ槍、それをサタンは杖にしちゃうサタン、強そ〜〜。

炎炎たる地面を、かつて紺碧の天上を歩いた時の足取りとは似ても似つかぬ不安な足取りで、歩いていった。円蓋のようにただ火、火、火で掩われた灼熱の世界が、これでもかといわんばかりに、彼の体を苛んだ。にもかかわらず、彼はこれに耐えに耐え、ついに、焔をあげて燃えている火の海岸辺に辿りつき、すっくと立ちはだかり、依然として天使の姿を保っている麾下の軍勢に、大声で呼びかけた。

一面火の灼熱の世界地獄)、きびし〜〜。その中を歩き抜くサタン、つえ〜〜〜。

虚脱したもののように、累々と横たわっている彼らの様子は、亭々と聳えるエルトリアの森がこんもりと樹形をおとす当たり、ヴァロムプローサの流れに散りしく秋の枯葉さながらであった。それとも、−−かつてエジプトの王プシリスに率いられた軍勢が、約束に背き、憎悪かられて、ゴセンに住んでいたイスラエル人を追跡し、結局紅海の怒涛に飲まれしまい、その漂う死骸と破壊された戦車の残骸を、安全に対岸にたどり着いていたイスラエル人が眺めたことがあったが−−その航海の岸辺を荒れ狂う疾風武器としてオリオンが襲ったとき、その一帯に散乱詩流れ漂った菅の葉のようであった、とでもいおうか。意気沮喪した敗残の戦士たちが、火の海を蔽うて幾重にも重なり合い、横たわっている姿はまさしくそのようであった。そして自分たちの無残な変化に、ただ驚愕しているのみであった。

ただのグロッキーな奴らの描写出エジプト記〜〜〜数がすげ〜

サタンは大声で叫んだ。地獄うつろ深淵は、隅々までそれに反響した。「王者よ、権力者よ、勇者よ、今でこそ失われたりといえども、かつてはお前たちのものであった天国の栄華よ!そうだ、天国は失われたといわれなければならぬ、もしこのような恐慌状態永遠の霊を有するお前たちが陥っているとすれば!............目を覚ますのだ!起き上がるのだ!さもなくば、永久に堕ちているがよい!」

もう単にアジとしてかっこいい。「永遠」ないし「永久」(eternal)という時間的クソデカ天丼もある。

彼らはこの声を聞き、恥じ、翼を拡げて飛び立った。

その有り様は不寝番の任務についていた連中が、つい眠り込んでいるところを恐ろしい上官に見つけられ、未だ目を覚ますか覚まさないうちに、慌てふためいて起き上がり、右往左往するのに似ていた。彼らも、自分たちの置かれている窮状を認めないわけではなく、痛烈骨を噛む苦痛を感じていないわけでもなかった。だが、統率者の声に翕然として直ちに従った

すげ〜数のすげ〜奴らをここまで恐れさせるサタンさんまじぱねえっす。

−−その数、実に無数。エジプトを災禍が襲った日、アムラムの子[=モーセ]がその力強い杖を国土四方に向かって揮い、東風の流れに乗った国運のような蝗の大軍を呼び寄せると、その大群は神を冒瀆して憚らぬパロの全領土を黒々と夜の如く蔽いかくし、ナイル河の全域を暗黒に包み込んでしまたことがあるが、その時の蝗の大群と同じぐらい、悪しき天使たちの群れも無数であった。それが、上から、下から四方八方から、吹き出す焔に囲まれながら、地獄の天蓋の下を匆々に飛び回っていた。

はいはい、多い多い。はいはい、焔ね。はいはい、みんな元気元気。まーたモーセ、話がデカイ。でも蝗。

やがて、彼らを統率していた偉大な大帝がその槍を高く掲げ、所定の進行方向を示すかの如く幾度かそれを打ち振ると、それが合図となって、天使軍勢は整然と均衡を保ちつつ硬い硫黄の上に降りたち、あたり一面の平地を埋め尽くす…。この雲霞の如き大群に比べれば、繁殖力豊かな「北国」の冷たい腰からまれた蛮族が、ライン川を超え、打ニュー部側を超え、さらに怒涛のように南下し、はてはジブラルタルの南から灼熱のリビア砂漠地帯にいたるまで展開して行ったときのあの大軍などは、とうていものの数ではなかった。地上に降りたつや否や、直ちに、あらゆる軍団、あらゆる隊から、その司令や隊長が一斉に最高指揮者の立っている場所へと急いで集まってくる。いずれも、人間の姿を遥かに凌ぐ神々しくかつ英雄然たる姿、格好で堂々たる王者の風を示している。かつては天国において、それぞれの王座についていた権力者だったのだ。

はい、みんな大好き、ゲルマン民族大移動いただきました。はい、「ものの数ではなかった」いただきました。

移動も早い、やっぱ天使やとちゃんとしてはるんやねえ。

2019-12-14

anond:20191213105828

終わったこ

弁当作り2

洗濯2干すまで。乾かなかった

トイレ掃除1 もう一箇所は出来なかった。

草むしり 予定の6分の1だけ 時間が足らず。

車の洗車、拭き取りのみ 車内清掃は出来なかった。

自分食事1 昼は抜き。

夕飯作り 子供野菜スープを食べられず。でもご飯は多めに食べられた。果物ヨーグルトをあげると良かったし、薬も飲ませ忘れ。

粗大ゴミは寝具、外の物、棚、絨毯を出した。棚の運び出しにあたり棚に入っていたものの処理は出来ず。掃除も出来ず。オムツゴミ箱は取っておくことにした。

子供の送り迎え 皿洗い 風呂掃除風呂は湯船から悪臭がして二回洗った。

ドラッグストアで洗剤や食品を買った。トイレ芳香剤を久しぶりに買った。アース製薬トイレのスッキーリ !というのがいい匂いユーカリとか入ったのを掃除できた方に投入。

風呂子供を入れられず。制服のまま寝てしまったのを寝たまま着替えさす。良くない。自分は入って髪も洗えた。生き返った。

[出来なかったこと]

居間掃除 おもちゃ片付け 服片付け 掃除機かけ クイックルで拭く →土曜朝皆が起きる前に終わらせる

古着屋に服を持っていく→ 一先ず保留

車内の掃除 →土曜朝皆が起きる前に終わらせる

ゴミ箱を洗って干せなかった →日曜にする

庭のわけわからんものまとめる →日曜にする

草むしり残り →月曜朝までにする

[土曜にするイレギュラー作業]

元の棚があった場所に別の棚を設置し、中身を設置、片付け

10時に出発

金曜の残り作業居間掃除

車内の掃除、窓のシール剥がし

[できると嬉しいこと]

フロアマット洗い 食品の床下収納掃除在庫のチェック チェックを元にドラッグストアスーパーに買い出し 子供タイツレギンスを買う 靴洗い2 {庭のプランター、重い鉢の移動、枯葉集めて捨てる}→月曜朝までにする

居間のマットの洗濯

冷凍庫の物で夕食のメインの物を作る

2019-11-28

急募】できるだけ安く・早く何かを10,000枚集めたい

外注先に見積を依頼したら、メール10,000と記載があったため、10,000の何かを渡してやろうと思います

皆様、できるだけ安く・早く何かを10,000枚集めるとしたら何が思い当たりますか?

とりあえず、枯葉は思い当たりました。焼き芋やけるし。

ルール

単位は「枚」

犯罪はなし

現実味が高いこと

2019-10-21

anond:20191019134141

敷地内が全面禁煙となった某国立大学の現状が分かる内容だが

喫煙所廃止された今、モラルは完全に崩壊し状況は悪化しつつある。

かわりに非常階段や、木々が茂り枯葉でいっぱいの緑地などがヤミ喫煙所として選ばれた。

元増田の随所に喫煙者がクソみたいな人種だと実感できる事例が書いてあって、他人事ながらイライラした

2019-10-19

改正健康増進法敷地内全面禁煙の現状 〜東京X大学場合

ご存知の通り、2019年7月1日から施行された「改正健康増進法」では、第一種施設病院学校行政機関)では敷地内全面禁煙となった。
例外として「屋外で受動喫煙を防止するために必要措置がとられた場所に、喫煙場所を設置することができる。」※1 ということで、施設によっては敷地内に喫煙室を用意し愛煙家の方々に配慮をしているところもある。

オリンピックを迎える2020年4月1日には、全面禁煙対象となる施設さらに増え、屋内は原則禁煙となる。

この増田では、改正健康増進法施行から3ヶ月経過した現状を、とある大学を例に挙げ報告したいと思う。
ここに挙げる事例を、2020年4月1日の「屋内原禁煙」に向けての反省材料として、広く活かしてもらえればと思う。

東京X大学場合

東京X大学最近メディア露出も増えてきたことで、以前は間違われがちだった他大学混同されることが少なくなってきた。これを読んでいるあなたも、恐らく名前くらいは聞いたことがある程度の知名度大学だ。
しかし悲しいことに、都心位置しつつも、お国から運営交付金国立大学の中でも下から数えた方が早いレベル都内大学に限っていえば、下から数えるのに五指も必要ない。
そしてこの社会情勢である。「生産性がない」「社会にすぐに還元できる研究がされていない」「論文数が少なすぎる」「運営交付金無駄から早く潰したい」とすら考える政治家役人もいるだろう。

さて、そんな東京X大学にも改正健康増進法の波が押し寄せてきた。

先に書いておくと、もともとこの大学学生喫煙率は高い。入試の倍率が高く、成人済みで入学してくる学生が多いのも理由の一つだろう。
数十年前と比較したら少なくなったのだとは思うが、それでも喫煙者は教職員学生の5%前後はいると思われる。
普段からタバコを燻らせている学生をよく見かけたし、喫煙所には常に人がいた。タバコ臭い研究室でゼミを行うなんてこともザラだった。

そんな大学で「敷地内原禁煙」なんてできるのだろうか?

心配を横目に、その日は近づきつつあった。

学内のいたるところには「7月1日から学内禁煙」となる旨を周知するポスターが貼られ、喫煙所であった場所からは灰皿が全て撤去された。
一部(法改正理解していない)学生反対運動があったりもしたが、準備は万端かと思われた。

そして7月1日が訪れた

「やればできるじゃないか

敷地禁煙のために奔走した事務職員は安堵したことだろう。
改正健康増進法施行後しばらくは、学内喫煙をする者を見ることはなかった。

受動喫煙を防止するために必要措置がとられた喫煙場所」のお陰かとお考えのあなた

甘い。

運営交付金下位の貧乏大学である東京X大学に、「必要措置が取られた喫煙場所」を設置する金銭的な余裕はない。
喫煙場所を作らずに7月1日を迎えたのだ。これにはタバコを吸う・吸わないに関わらず、色々な立場の人から異論が出たと思う。

しかしこの大学ルビコン川を渡った。

他の大学同様、この大学7月末には前期が終わり8月から夏休みが始まる。
タバコを見ないまま夏休みを迎え、そして後期になるのだろう。敷地内原禁煙成功したのだ…。
そう楽観視できたのは、7月に入って最初の1週間だけだったように思う。

7月の第2週にはすでに学内のあちこちタバコの吸い殻を見かけるようになり、第3週には喫煙者をも見かけるようになった。

施行後1ヶ月経たずして、東京X大学では改正健康増進法形骸化した。

状況は法改正前より悪化しつつある

改正法施行前は学内の数カ所に喫煙所があり、灰皿が置いてあった。
喫煙所はなるべく講義室などから遠い場所に設定され、喫煙所に通じる扉は「開放厳禁」とされ、不完全ながらも一定分煙がなされていた。
非喫煙者からすれば、たまにタバコ匂いがする場所がありつつも、そこに近づかなければ我慢はできるというレベルだった。
一部の喫煙者は喫煙所の掃除こそしなかったものの、灰皿に溜まった吸い殻は進んで捨て、燃えさしの処理もしていた。

しか喫煙所が廃止された今、モラルは完全に崩壊し状況は悪化しつつある。

もともと喫煙所だった場所は「人目につく」という理由で、一部の隠れニコチタンから避けられるようになった。
かわりに非常階段や、木々が茂り枯葉でいっぱいの緑地などがヤミ喫煙所として選ばれた。
よく訓練された喫煙者は未だ「元」喫煙所で喫煙を続け、灰皿がないので、その場に吸い殻を捨てている。
さすがに教授事務職レベル教職員禁煙ルールに従っているようだが、元喫煙所やヤミ喫煙所では、学生のみならず助手講師と思しき人々の顔を見かける。
敷地禁煙を訴える張り紙には、居直ったような趣旨芸術的ラクガキがされている。

喫煙者が開け放った非常階段は煙の吸気口となり、屋内では改正法施行以前よりも濃くタバコ臭いが充満している箇所さえある。もちろん、階段のあちこちに吸い殻が落ちている。
また燃えやす木材などの陰、枯葉の近くに無造作に捨ててある吸い殻を見かけることもあり、空気乾燥する時期には失火可能性もある。

学内のあちこち狼煙が立ち昇るようすからは、もはや圧政弾圧されし悲しき殉教者たちより、反体制を胸に秘めたゲリラが想起させられる。

現状

伝聞ではあるが大学としても禁煙問題には頭を抱えていて、たびたび会議の議題にも上がるらしい。
しかし話を聞く限りでは「吸い殻」の方が問題視されているように思える。
「吸い殻が無い = 敷地禁煙成功している」ということなのか、いかにも日本的論理だ。

学内喫煙をたしなめられた喫煙者が「いや、吸い殻は捨ててないですよ!」と慌てて反論しているのを見かけたこともある。
そういう問題じゃないぞ。

実際に国から違反を指摘され罰金を払う、もしくはタバコが原因の火災などの事故が発生するまで、この大学では状況は変わらないだろう。
これは別に組織批判しているわけではない。何故ならば下で述べるように、問題大学に止まらいからだ。

改正健康増進法問題

施行後3ヶ月が経過し、第一種施設病院学校行政機関である東京X大学に頻繁に出入りし、改正健康増進法を調べるなかで以下の問題点を感じた。

  1. 国が法律だけ作っておいて運用する素振りすら見せない & 喫煙場所に対しての補助もしない & 禁煙を推進するような施策や補助をしない
  2. 管轄である厚生労働省施設管理者向けにしか情報を公開していない
  3. 施設管理者が、喫煙場所設置コスト << 喫煙者による環境悪化コストを想定できない

以下に、詳細を書く。

1. 国が法律だけ作っておいて運用する素振りすら見せない & 喫煙場所に対しての補助もしない※2禁煙を推進するような施策や補助をしない

補助がないと喫煙場所が設置できない懐事情組織が、実際にある。ここで述べたように、結果として改正法施行前より状況が悪化する可能性がある。
またもう少し積極的禁煙を推進するような施策実施しないと、改正健康増進法自体意味・意義が薄いと感じる。
この法律について、国は要するに「ルールだけ作って、あとは施設管理者に全てを丸投げ」しているようにか思えない。

2. 管轄である厚生労働省施設管理者向けにしか情報を公開していない

厚生労働省などは、この法律施行にあたりHP特設ページを設けている※3施設管理者に向け改正法をことこまかに解説していて、相談窓口もある。
非常にわかやすいし必要情報は一通りまとまっている。一市民として、法律は常にこのように分かりやすくまとめられるべきだと思う。
しかし同時に、施設利用者向けの情報ほとんどない点も気になった。例えば喫煙場所に不備がある病院を見つけた場合はどうすればいいのだろう?この増田のように、違反者だらけの第一種施設についてはどこに報告すればいいのか?

そういったことは全く分からないし、窓口もない。

罰則規定があるにも関わらず、違反者がいた場合有効対処方法を考えてないのではないだろうか?

3. 施設管理者が、喫煙場所設置コスト << 喫煙者による環境悪化コストを想定できない

喫煙場所の設置には排煙設備敷地などが必要だ。組織の規模によっては大きな負担となりうる。施設管理者側に立てば「滞在中くらいはタバコ我慢できるだろう」と考えたくなるのはよくわかる。
しか喫煙者のニコチンに対するリビドーを甘くみてはいけない。外を歩いているときに下を向いてほしい。道端に捨てられているゴミほとんどがタバコの吸い殻だということに気づくだろう。

施設管理者は「喫煙者のために喫煙場所を用意せねば、必ず環境悪化する」という認識でいる必要がある。
目先の負担を気にしてばかりいると、長期的には環境維持コストがそれを上回る可能性もある。施設組織によってはブランドイメージ毀損にも繋がると認識した方が良い(もしブランド力があれば、の話だが)。

最後

もしあなた東京X大学学生であり学内喫煙であるならば、改正健康増進法には罰則規定があること、違反した場合には施設管理者に50万円、違反した喫煙者に30万円の過料が課せられる※4ことを覚えておいてほしい。
学生が払った学費は、いずれ改正健康増進法過料として支払われることとなるかもしれない。
貧乏大学の学びの環境の悪さを憂う前に、襟を正してみてはどうだろうか。

そしてもしあなた教職員なのであれば、もう少しちゃんとこの問題に取り組んでほしい。

※1 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000489407.pdf
※2 中小事業者向けの補助・控除はある。第一種施設については記述を見つけられなかった
※3 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/
※4 https://www.mhlw.go.jp/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/2018/11_01.html

2018-02-20

めんどくさいが集まるめんどくさいスラムに住みたい

 少し前に大胆に要約すると「ありとあらゆることに対してやる気がないので、こうすればもっと良いとかは重々承知の上で結局やらない。」という内容を投稿した増田だが、やる気がない影響でやってない化粧についてちょっと思うことがあったのでだらだら書きたい。

 私は面倒なので化粧をしていない。興味も無い、ちなみにファッションにもまるで興味が無く、楽な服を着ていたい。冬じゃない限り家では服を着ることすら面倒になっているが、流石に醜いので(あと犯罪なので)外に出るときはちゃんと服を着ます。そんなレベル

 当然化粧というものは、一生懸命勉強して何度も繰り返して努力を重ねていけば、デブスがブスに、ブスが普通に美人は何しようが美人に、なれるものなんだろう。そういう意味では生まれながらにブスである私の為にあるようなものなのかもしれないが、いかんせん興味がない。どれだけ面倒でも興味があればいいのだが、本当に興味がない。のでやらない、やりたくない、やり方も知らない。

 けれども化粧は今の日本ではマナーらしい、マナー違反だ、女を捨ててる、頭がおかしい、そんな言説で溢れている。現状もそういった意見封殺して化粧をしていないので、なにがあっても私は化粧をしないと思うけれど。

 化粧はマナーだ、という主張の一例として「男性ネクタイとか髭を剃るみたいなもの制服の一部。」「やりたくなくてもやらないといけないもの」というものをそこそこ見かける。私は自分を飾り立てることに興味がないが、同じくらい他人にも興味がない。それゆえに、別に男性ネクタイしなくても、髭剃らなくても全然気にならない。他人迷惑がかからなければ好きにしてくれればよくないか?と思う。

 誤解されたくないがマナー軽視という訳ではないのだ、行列を作るとか、公共の場を汚さないとか、そういうものは大切だと思う。そもそもマナールールというものは、より効率的トラブル無く日常が進むように自然と発生するものもある、前述だと列を作るという行為がそれにあたるだろう。または同じ場所を共有する群として、他人に著しく不利益をもたらす行為公共の場を汚すだとか、他人邪魔をする、暴力をふるう、化粧や服飾で言えばどれだけ面倒だと捨てている私でも匂いや汚れは気にする、他人攻撃したい訳ではないからだ。どんなに面倒でも、嫌いでも、それが他人に著しく不利益を強いるものであるならば、きちんとやる、それくらいの社会性はあるのだ、逆に言えばそれだけしかないのだが。

 そういった最低限のマナーに化粧とかネクタイとか髭とかをいれるべきなのかなぁ?とつい考えてしまうのだ。わざわざ身銭を切って面倒だなぁと思いながらも守るべきマナーなのだろうか?と。でも別にここで声高に「だから化粧をやめるべきだ!マナーだと我々の自由侵害する化粧に鉄槌を!!」などと主張したい訳じゃない。そんな面倒なことは絶対にしない。やりたい人はやればいいし、でもやりたくない人にもやるべきだと強く言うべきことなのかなぁ~と、秋風にささやかに音を鳴らして飛ばされ行く枯葉のようなカサついた疑問だ。

 化粧やネクタイや髭、それ以外にもある、接客の丁寧さとかだ。私は別にコンビニ店員さんが一ミリも笑わなくても嫌じゃない。いらっしゃいませもありがとうございましたもなく「レジお願いします」「…367円」「ウス」(出しましたの意)「ッスー」(受け取ったの意)程度でいい、全然困らない。一応言っておくが、商品が汚いとかおつりが出てこないとか正規じゃない金額をふっかけられてもいいという意味ではなく、最低限の「物と商品を決まった価格で購入する。」ことが出来れば、そんなにヘコヘコ丁寧に接客されなくても別に構わないという意味だ。

 気になる人がいることに対しての怒りとかじゃない、気にする人もいれば、気にならない人もいるだろう、そのほうが楽なんだからお前の感情を殺してこっちにあわせろ!!と言いたい訳じゃない。でも接客とかでこちらに問題がないのに鬼の首を取ったように騒ぎ立てる人とか面倒くさいしそんなに気になるならもうちょっと金出していいとこ行けとも思わなくも無い。ちょっと本音が出た。でも別に気にする人、どちらかと言えばそちらの人の方が真人間なんだと思うが、その真人間の方を不快にしたい訳でもないのだ。そういう意味では服飾規定ドレスコードはあってしかるべきだと思う。この場全体の雰囲気キープするためにある程度のルールを守ってくれよと言われれば従う。いやまぁ化粧はマナー派は社会全体の雰囲気キープしたいからそう言っているのか…と思わなくも無い。ごめんな化粧しなくてな。

 まぁそういう訳で、めんどくさいレベルによって階層を分けてめんどくさいが集まるめんどくさいスラムがあればいいのになって。めんどくさいスラムからといって物価が安い訳じゃなく、ただただ化粧をしなくても、お洒落をしなくても、店員が無愛想でも、自分他人もどうでもいいスラム

 そこで何をするかって?決まっている、面倒で興味が無い化粧をせずとも後ろ指刺されず好きに出回るのだ。おや?今と変わらないな?あぁそうかやっと気付いたよ、あいつは駄目だと他人をけなし、好き勝手やるやつらも一定数いる、安価な値段でサービス提供する店には罵声がひっきりなしに届く、現世はスラムみたいなものだったのか。(砂に埋もれた自由の女神が映る)

2017-02-25

不倫経済効果 尺葉遅漏 

第一

賑わう飲食店の片隅に今日も落ち合う特別な日

第二章

やがて散り逝く定めならば

第三章

川の流れに逆らって

第四章

枯葉温泉

第五章

ハルマゲドン

第六章

別居

第七章

寝台列車

第八章

謎の女医X

第九章

スペースシャトルビンビワー

第十章

馬の工事こくまろ

第十一章

商業に雨は降る

2017-02-15

虫嫌いは生きづらい

私は虫が怖い。

当然触りたくないし写真も見たくない。

芋虫毛虫に関しちゃこうしてタイピングするだけでぞわぞわするし、文字を見ただけでも心拍数が上がる。

虫遭遇率が低いというだけで東京に住んでいるし、虫を幻覚で見たくないからという理由で酒も薬も全く興味が沸かない。

理由なんて無い。とにかく怖い。姿を見ると正気を失う。死骸すら片付けられない。葉が生い茂ってる木の下は走って通り過ぎる。

学生時代理科教科書が怖くて仕方がなかった。小学生の頃は理科の虫のページを持って何人もの男子に追いかけられた。

好きな漫画に虫が出たら読むのをやめるしか無かったし、ポケモンだってキャタピーがおぞましくてプレイがしんどかった。

虫遭遇率を下げてくれるコンクリートジャングル農薬は最高だ。無農薬野菜なんて恐ろしくて触れない。

こんなんでも小さい頃は田舎に住んでいた。その頃から虫が駄目だった。そこかしこに虫が溢れる外は恐怖の空間しか無かった。

かと言って田舎なので室内でも安心出来なかった。遭遇する度にぎゃーぎゃー泣いてうるさかったと親は言う。

とにかく筋金入りなのだ


種類なんて勿論関係無い。私は虫に対して平等だ。ゴキブリも蝉もカブトムシ蝶々も蛍も全て等しく恐ろしい。

えー?蝶々も?!じゃねぇよ。どこからどう見たって虫だろうが。むしろ大丈夫な要素ねぇよ。

どっちかって言うとゴキブリNGカブトムシOKな方が意味解んねぇよ。言う程造形違うか?

第一これも?あれも?って妥協点探してどうするの?どれも怖い。とにかく全部嫌って言ってるでしょ。日本語通じないの?


虫の方が怖がってるよなんて事もよく言われる。だから?という感想しかかばない。

あっちがこっちを恐れているからどうした?それで何が改善する?

とって食うわけじゃないんだからともよく言われる。だから怖がるなと。

ジェットコースターだって安全基準クリアしてるのに怖いだろ。恐怖は理屈じゃないんだよ。


田舎に行けば慣れるよって言うけどなんで慣れなきゃいけないの?

田舎育ちだって言ってんの聞こえなかった事にしてんじゃねぇよ。耳鼻科紹介してやろうか?

嫌な物は嫌。それを避けて生きていくじゃダメなの?

別に改善したくて言ってるんじゃねぇよ。伝える必要があると思ったから伝えただけだよ。

そのうち気にならなくなるからキャンプ行こうよじゃねぇよ。てめぇとは二度と関わらないからな。


子供が出来たらどうするの?それ私に聞いていいの夫だけじゃない?お前に関係無くない?

なんで親族でも友達でもないただ仕事で繋がりがあるだけのお前にそんな事言われなきゃなんないの?

ついでに言うとどうもしねぇよ。勉強嫌いな奴でも子供作るし料理嫌いな奴だって子供作るだろ。

虫が嫌いだから子供諦める?子宮から抗議の生理痛が来てもおかしくないほどアホすぎる結論だろ。


私もダメなの!!って言ってくるそこのバカ女。お前が一番の敵だ。

お前みたいに自己アピールのために虫嫌い装う奴のせいでこっちまで迷惑してんだよ。

たいしてダメでもないのにギャーギャーギャーギャー騒ぎやがって。

から声出してんじゃねぇよ。余裕あり過ぎだろ。こちとら腰抜かしそうで声なんか出ねぇよ。

でも悲鳴あげなかったら意外と平気じゃんってお前は眼科必要か?


とにかく虫嫌いは受け入れられない。驚くほど受け入れられない。

いくら主張しても信じられない。皆駄目だからと言われ、聞かなかった事にされる。

それならまだいい方で、何故か改善させようとお節介を焼かれる事も多い。

アレルギー好き嫌い勘違いし食べさせようとして来るお節介ババアのごとく出没する。

聞いてもいないのにあぁしたら治るこうしたら治ると主張してくる。

それを受け入れなければ出来てもいない子供を引き合いに出されて糾弾される。


虫はどこにでも出没する。

家の中でも外でも関係無い。出る時は出る。

東京には虫が居ないと言うが、蝶々ハエカブトムシゴキブリも居るし、なんなら蛍だって居る。

私はその陰に日々怯えている。道端を転がる枯葉を虫と見間違えて心臓が止まりそうになるなんて事は日常茶飯事だ。

そういう時私の体は全身の筋肉が硬直して、他の音が聞こえなくなるほど自分の鼓動が大きく聞こえるようになる。

当然呼吸も乱れる。元の状態に戻るのに3~5分はかかる。全身に力が入るせいかどっと疲れる。

正直かなりのストレスだ。多分長生きは出来ないと思う。


勘違いしないで欲しいが私は虫に滅んでほしいとか皆殺しにしたいなどと言う気持ちは抱いていない。

だって義務教育を受けているのだから彼等が生態系必要な事は解っている。

どちらかというと滅ぶべきは私だ。

ただ、出来る事ならば生息スペースを完全に分断したい。勿論できない事は解っているから口には出さない。


もしもこれを読んでくれる人が居たならば、他人が怖いと言った事を安易に克服させようとしたりしないでほしい。

恐怖は理屈では解決できない。本人にも理解できない圧倒的な恐怖が体を支配するのだ。

世の中の恐怖症は高所や閉所だけではない。

2016-09-07

愛知県もっと良心的な書店である正文館が古本セールをしていて絶望した

三洋堂並に劣化したのかと。

そして、

実利論をゲットした。

金谷治先生訳の論語をゲットした。

アレクサンドロス大王東征伝(下巻のみをゲットした)。

置いてある古本の六割が岩波文庫、二割が講談社学術文庫だった。

小口枯葉色になって、背表紙が焼けて読めない文庫もたくさんあった。

さすがは正文館書店

私は最初から信じていたよ。

2016-06-03

http://anond.hatelabo.jp/20160603230641

20歳超えたら枯葉マークを付けるべきだ

大きなトラブルが起こる前に免許を返納するよう行政指導するべきだ

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん