「ボーア」を含む日記 RSS

はてなキーワード: ボーアとは

2024-09-30

https://anond.hatelabo.jp/20240930202150三四郎はすぐ床へはいった。三四郎勉強家というよりむしろ※(「彳+低のつくり」、第3水準1-84-31)徊家なので、わりあい書物を読まない。その代りある掬すべき情景にあうと、何べんもこれを頭の中で新たにして喜んでいる。そのほうが命に奥行があるような気がする。きょうも、いつもなら、神秘講義最中に、ぱっと電燈がつくところなどを繰り返してうれしがるはずだが、母の手紙があるので、まず、それから片づけ始めた。

 手紙には新蔵が蜂蜜をくれたから、焼酎を混ぜて、毎晩杯に一杯ずつ飲んでいるとある。新蔵は家の小作人で、毎年冬になると年貢米を二十俵ずつ持ってくる。いたって正直者だが、癇癪が強いので、時々女房を薪でなぐることがある。――三四郎は床の中で新蔵が蜂を飼い出した昔の事まで思い浮かべた。それは五年ほどまえである。裏の椎の木に蜜蜂が二、三百匹ぶら下がっていたのを見つけてすぐ籾漏斗に酒を吹きかけて、ことごとく生捕にした。それからこれを箱へ入れて、出入りのできるような穴をあけて、日当りのいい石の上に据えてやった。すると蜂がだんだんふえてくる。箱が一つでは足りなくなる。二つにする。また足りなくなる。三つにする。というふうにふやしていった結果、今ではなんでも六箱か七箱ある。そのうちの一箱を年に一度ずつ石からおろして蜂のために蜜を切り取るといっていた。毎年夏休みに帰るたびに蜜をあげましょうと言わないことはないが、ついに持ってきたためしがなかった。が、今年は物覚えが急によくなって、年来の約束を履行したものであろう。

 平太郎おやじ石塔を建てたから見にきてくれろと頼みにきたとある。行ってみると、木も草もはえていない庭の赤土のまん中に、御影石でできていたそうである。平太郎はその御影石が自慢なのだと書いてある。山から切り出すのに幾日とかかかって、それから石屋に頼んだら十円取られた。百姓や何かにはわからないが、あなたのとこの若旦那大学校はいっているくらいだから、石の善悪はきっとわかる。今度手紙のついでに聞いてみてくれ、そうして十円もかけておやじのためにこしらえてやった石塔をほめてもらってくれと言うんだそうだ。――三四郎はひとりでくすくす笑い出した。千駄木の石門よりよほど激しい。

 大学制服を着た写真をよこせとある三四郎はいつか撮ってやろうと思いながら、次へ移ると、案のごとく三輪田のお光さんが出てきた。――このあいだお光さんのおっかさんが来て、三四郎さんも近々大学卒業なさることだが、卒業したら家の娘をもらってくれまいかという相談であった。お光さんは器量もよし気質も優しいし、家に田地もだいぶあるし、その上家と家との今までの関係もあることだから、そうしたら双方ともつごうがよいだろうと書いて、そのあとへ但し書がつけてある。――お光さんもうれしがるだろう。――東京の者は気心が知れないから私はいやじゃ。

 三四郎手紙を巻き返して、封に入れて、枕元へ置いたまま目を眠った。鼠が急に天井であばれだしたが、やがて静まった。

 三四郎には三つの世界ができた。一つは遠くにある。与次郎のいわゆる明治十五年以前の香がする。すべてが平穏である代りにすべてが寝ぼけている。もっとも帰るに世話はいらない。もどろうとすれば、すぐにもどれる。ただいざとならない以上はもどる気がしない。いわば立退場のようなものである三四郎は脱ぎ棄てた過去を、この立退場の中へ封じ込めた。なつかしい母さえここに葬ったかと思うと、急にもったいなくなる。そこで手紙が来た時だけは、しばらくこの世界に※(「彳+低のつくり」、第3水準1-84-31)徊して旧歓をあたためる。

 第二の世界のうちには、苔のはえ煉瓦造りがある。片すみから片すみを見渡すと、向こうの人の顔がよくわからないほどに広い閲覧室がある。梯子をかけなければ、手の届きかねるまで高く積み重ねた書物がある。手ずれ、指の垢で、黒くなっている。金文字で光っている。羊皮、牛皮、二百年前の紙、それからすべての上に積もった塵がある。この塵は二、三十年かかってようやく積もった尊いである。静かな明日に打ち勝つほどの静かな塵である

 第二の世界に動く人の影を見ると、たいてい不精な髭をはやしている。ある者は空を見て歩いている。ある者は俯向いて歩いている。服装は必ずきたない。生計はきっと貧乏である。そうして晏如としている。電車に取り巻かれながら、太平空気を、通天に呼吸してはばからない。このなかに入る者は、現世を知らないから不幸で、火宅をのがれるからいである。広田先生はこの内にいる。野々宮君もこの内にいる。三四郎はこの内の空気をほぼ解しえた所にいる。出れば出られる。しかしせっかく解しかけた趣味を思いきって捨てるのも残念だ。

 第三の世界はさんとして春のごとくうごいている。電燈がある。銀匙がある。歓声がある。笑語がある。泡立つシャンパンの杯がある。そうしてすべての上の冠として美しい女性がある。三四郎はその女性の一人に口をきいた。一人を二へん見た。この世界三四郎にとって最も深厚な世界である。この世界は鼻の先にある。ただ近づき難い。近づき難い点において、天外の稲妻一般である三四郎は遠くからこの世界をながめて、不思議に思う。自分がこの世界のどこかへはいらなければ、その世界のどこかに欠陥ができるような気がする。自分はこの世界のどこかの主人公であるべき資格を有しているらしい。それにもかかわらず、円満の発達をこいねがうべきはずのこの世界がかえってみずからを束縛して、自分自由に出入すべき通路をふさいでいる。三四郎にはこれが不思議であった。

 三四郎は床のなかで、この三つの世界を並べて、互いに比較してみた。次にこの三つの世界をかき混ぜて、そのなかからつの結果を得た。――要するに、国から母を呼び寄せて、美しい細君を迎えて、そうして身を学問にゆだねるにこしたことはない。

 結果はすこぶる平凡である。けれどもこの結果に到着するまえにいろいろ考えたのだから思索の労力を打算して、結論価値上下やす思索自身からみると、それほど平凡ではなかった。

 ただこうすると広い第三の世界を眇たる一個の細君で代表させることになる。美しい女性はたくさんある。美しい女性翻訳するといろいろになる。――三四郎広田先生にならって、翻訳という字を使ってみた。――いやしくも人格上の言葉翻訳のできるかぎりは、その翻訳から生ずる感化の範囲を広くして、自己個性を全からしむるために、なるべく多くの美しい女性接触しなければならない。細君一人を知って甘んずるのは、進んで自己の発達を不完全にするようなものである

 三四郎論理をここまで延長してみて、少し広田さんにかぶれたなと思った。実際のところは、これほど痛切に不足を感じていなかったかである

 翌日学校へ出ると講義は例によってつまらないが、室内の空気は依然として俗を離れているので、午後三時までのあいだに、すっかり第二の世界の人となりおおせて、さも偉人のような態度をもって、追分交番の前まで来ると、ばったり与次郎出会った。

「アハハハ。アハハハ

 偉人の態度はこれがためにまったくくずれた。交番巡査さえ薄笑いをしている。

「なんだ」

「なんだもないものだ。もう少し普通人間らしく歩くがいい。まるでロマンチックアイロニーだ」

 三四郎にはこの洋語意味がよくわからなかった。しかたがないから、

「家はあったか」と聞いた。

「その事で今君の所へ行ったんだ――あすいよいよ引っ越す。手伝いに来てくれ」

「どこへ越す」

西片町十番地への三号。九時までに向こうへ行って掃除をしてね。待っててくれ。あとから行くから。いいか、九時までだぜ。への三号だよ。失敬」

 与次郎は急いで行き過ぎた。三四郎も急いで下宿へ帰った。その晩取って返して、図書館ロマンチックアイロニーという句を調べてみたら、ドイツのシュレーゲルが唱えだした言葉で、なんでも天才というものは、目的努力もなく、終日ぶらぶらぶらついていなくってはだめだという説だと書いてあった。三四郎はようやく安心して、下宿へ帰って、すぐ寝た。

 あくる日は約束から天長節にもかかわらず、例刻に起きて、学校へ行くつもりで西片町十番地へはいって、への三号を調べてみると、妙に細い通りの中ほどにある。古い家だ。

 玄関の代りに西洋間が一つ突き出していて、それと鉤の手に座敷がある。座敷のうしろ茶の間で、茶の間の向こうが勝手下女部屋と順に並んでいる。ほかに二階がある。ただし何畳だかわからない。

 三四郎掃除を頼まれたのだが、べつに掃除をする必要もないと認めた。むろんきれいじゃない。しかし何といって、取って捨てべきものも見当らない。しいて捨てれば畳建具ぐらいなものだと考えながら、雨戸だけをあけて、座敷の椽側へ腰をかけて庭をながめていた。

 大きな百日紅がある。しかしこれは根が隣にあるので、幹の半分以上が横に杉垣から、こっちの領分おかしているだけである。大きな桜がある。これはたしかに垣根の中にはえている。その代り枝が半分往来へ逃げ出して、もう少しすると電話妨害になる。菊が一株ある。けれども寒菊とみえて、いっこう咲いていない。このほかにはなんにもない。気の毒なような庭である。ただ土だけは平らで、肌理が細かではなはだ美しい。三四郎は土を見ていた。じっさい土を見るようにできた庭である

 そのうち高等学校天長節の式の始まるベルが鳴りだした。三四郎ベルを聞きながら九時がきたんだろうと考えた。何もしないでいても悪いから、桜の枯葉でも掃こうかしらんとようやく気がついた時、また箒がないということを考えだした。また椽側へ腰をかけた。かけて二分もしたかと思うと、庭木戸がすうとあいた。そうして思いもよらぬ池の女が庭の中にあらわれた。

 二方は生垣で仕切ってある。四角な庭は十坪に足りない。三四郎はこの狭い囲いの中に立った池の女を見るやいなや、たちまち悟った。――花は必ず剪って、瓶裏にながむべきものである

 この時三四郎の腰は椽側を離れた。女は折戸を離れた。

「失礼でございますが……」

 女はこの句を冒頭に置いて会釈した。腰から上を例のとおり前へ浮かしたが、顔はけっして下げない。会釈しながら、三四郎を見つめている。女の咽喉が正面から見ると長く延びた。同時にその目が三四郎の眸に映った。

 二、三日まえ三四郎美学教師からグルーズの絵を見せてもらった。その時美学教師が、この人のかいた女の肖像はことごとくヴォラプチュアスな表情に富んでいると説明した。ヴォラプチュアス! 池の女のこの時の目つきを形容するにはこれよりほかに言葉がない。何か訴えている。艶なるあるものを訴えている。そうしてまさしく官能に訴えている。けれども官能の骨をとおして髄に徹する訴え方である。甘いものに堪えうる程度をこえて、激しい刺激と変ずる訴え方である。甘いといわんよりは苦痛である。卑しくこびるのとはむろん違う。見られるもののほうがぜひこびたくなるほどに残酷な目つきであるしかもこの女にグルーズの絵と似たところは一つもない。目はグルーズのより半分も小さい。

広田さんのお移転になるのは、こちらでございましょうか」

「はあ、ここです」

 女の声と調子に比べると、三四郎の答はすこぶるぶっきらぼうである三四郎も気がついている。けれどもほかに言いようがなかった。

「まだお移りにならないんでございますか」女の言葉ははっきりしている。普通のようにあとを濁さない。

「まだ来ません。もう来るでしょう」

 女はしばしためらった。手に大きな籃をさげている。女の着物は例によって、わからない。ただいつものように光らないだけが目についた。地がなんだかぶつぶつしている。それに縞だか模様だかある。その模様がいかにもでたらめである

 上から桜の葉が時々落ちてくる。その一つが籃の蓋の上に乗った。乗ったと思ううちに吹かれていった。風が女を包んだ。女は秋の中に立っている。

あなたは……」

 風が隣へ越した時分、女が三四郎に聞いた。

掃除に頼まれて来たのです」と言ったが、現に腰をかけてぽかんとしていたところを見られたのだから三四郎自分おかしくなった。すると女も笑いながら、

「じゃ私も少しお待ち申しましょうか」と言った。その言い方が三四郎に許諾を求めるように聞こえたので、三四郎は大いに愉快であった。そこで「ああ」と答えた。三四郎の了見では、「ああ、お待ちなさい」を略したつもりである。女はそれでもまだ立っている。三四郎はしかたがないから、

あなたは……」と向こうで聞いたようなことをこっちからも聞いた。すると、女は籃を椽の上へ置いて、帯の間から、一枚の名刺を出して、三四郎にくれた。

 名刺には里見美禰子とあった。本郷真砂町から谷を越すとすぐ向こうである三四郎がこの名刺をながめているあいだに、女は椽に腰をおろした。

あなたにはお目にかかりましたな」と名刺を袂へ入れた三四郎が顔をあげた。

「はあ。いつか病院で……」と言って女もこっちを向いた。

「まだある」

それから池の端で……」と女はすぐ言った。よく覚えている。三四郎はそれで言う事がなくなった。女は最後に、

「どうも失礼いたしました」と句切りをつけたので、三四郎は、

「いいえ」と答えた。すこぶる簡潔である。二人は桜の枝を見ていた。梢に虫の食ったような葉がわずかばかり残っている。引っ越し荷物はなかなかやってこない。

「なにか先生に御用なんですか」

 三四郎は突然こう聞いた。高い桜の枯枝を余念なくながめていた女は、急に三四郎の方を振りむく。あらびっくりした、ひどいわ、という顔つきであった。しかし答は尋常である

「私もお手伝いに頼まれました」

 三四郎はこの時はじめて気がついて見ると、女の腰をかけている椽に砂がいっぱいたまっている。

「砂でたいへんだ。着物がよごれます

「ええ」と左右をながめたぎりである。腰を上げない。しばらく椽を見回した目を、三四郎に移すやいなや、

掃除はもうなすったんですか」と聞いた。笑っている。三四郎はその笑いのなかに慣れやすいあるものを認めた。

「まだやらんです」

「お手伝いをして、いっしょに始めましょうか」

 三四郎はすぐに立った。女は動かない。腰をかけたまま、箒やはたきのありかを聞く。三四郎は、ただてぶらで来たのだから、どこにもない、なんなら通りへ行って買ってこようかと聞くと、それはむだだから、隣で借りるほうがよかろうと言う。三四郎はすぐ隣へ行った。さっそく箒とはたきと、それからバケツ雑巾まで借りて急いで帰ってくると、女は依然としてもとの所へ腰をかけて、高い桜の枝をながめていた。

「あって……」と一口言っただけである

 三四郎は箒を肩へかついで、バケツを右の手へぶら下げて「ええありました」とあたりまえのことを答えた。

 女は白足袋のまま砂だらけの椽側へ上がった。歩くと細い足のあとができる。袂から白い前だれを出して帯の上から締めた。その前だれの縁がレースのようにかがってある。掃除をするにはもったいないほどきれいなである。女は箒を取った。

「いったんはき出しましょう」と言いながら、袖の裏から右の手を出して、ぶらつく袂を肩の上へかついだ。きれいな手が二の腕まで出た。かついだ袂の端からは美しい襦袢の袖が見える。茫然として立っていた三四郎は、突然バケツを鳴らして勝手口へ回った。

 美禰子が掃くあとを、三四郎雑巾をかける。三四郎が畳をたたくあいだに、美禰子が障子をはたく。どうかこうか掃除がひととおり済んだ時は二人ともだいぶ親しくなった。

 三四郎バケツの水を取り換えに台所へ行ったあとで、美禰子がはたきと箒を持って二階へ上がった。

ちょっと来てください」と上から三四郎を呼ぶ。

「なんですか」とバケツをさげた三四郎梯子段の下から言う。女は暗い所に立っている。前だれだけがまっ白だ。三四郎バケツをさげたまま二、三段上がった。女はじっとしている。三四郎はまた二段上がった。薄暗い所で美禰子の顔と三四郎の顔が一尺ばかりの距離に来た。

「なんですか」

「なんだか暗くってわからないの」

「なぜ」

「なぜでも」

 三四郎は追窮する気がなくなった。美禰子のそばをすり抜けて上へ出た。バケツを暗い椽側へ置いて戸をあける。なるほど桟のぐあいがよくわからない。そのうち美禰子も上がってきた。

「まだあからなくって」

 美禰子は反対の側へ行った。

「こっちです」

 三四郎は黙って、美禰子の方へ近寄った。もう少しで美禰子の手に自分の手が触れる所で、バケツに蹴つまずいた。大きな音がする。ようやくのことで戸を一枚あけると、強い日がまともにさし込んだ。まぼしいくらいである。二人は顔を見合わせて思わず笑い出した。

 裏の窓もあける。窓には竹の格子がついている。家主の庭が見える。鶏を飼っている。美禰子は例のごとく掃き出した。三四郎は四つ這いになって、あとから拭き出した。美禰子は箒を両手で持ったまま、三四郎の姿を見て、

「まあ」と言った。

 やがて、箒を畳の上へなげ出して、裏の窓の所へ行って、立ったまま外面をながめている。そのうち三四郎も拭き終った。ぬれ雑巾バケツの中へぼちゃんとたたきこんで、美禰子のそばへ来て並んだ。

「何を見ているんです」

「あててごらんなさい」

「鶏ですか」

「いいえ」

「あの大きな木ですか」

「いいえ」

「じゃ何を見ているんです。ぼくにはわからない」

「私さっきからあの白い雲を見ておりますの」

 なるほど白い雲が大きな空を渡っている。空はかぎりなく晴れて、どこまでも青く澄んでいる上を、綿の光ったような濃い雲がしきりに飛んで行く。風の力が激しいと見えて、雲の端が吹き散らされると、青い地がすいて見えるほどに薄くなる。あるいは吹き散らされながら、塊まって、白く柔かな針を集めたように、ささくれだつ。美禰子はそのかたまりを指さして言った。

駝鳥の襟巻に似ているでしょう」

 三四郎ボーアという言葉を知らなかった。それで知らないと言った。美禰子はまた、

「まあ」と言ったが、すぐ丁寧にボーア説明してくれた。その時三四郎は、

「うん、あれなら知っとる」と言った。そうして、あの白い雲はみんな雪の粉で、下から見てあのくらいに動く以上は、颶風以上の速度でなくてはならないと、このあいだ野々宮さんから聞いたとおりを教えた。美禰子は、

「あらそう」と言いながら三四郎を見たが、

「雪じゃつまらないわね」と否定を許さぬような調子であった。

「なぜです」

「なぜでも、雲は雲でなくっちゃいけないわ。こうして遠くからながめているかいがないじゃありませんか」

「そうですか」

「そうですかって、あなたは雪でもかまわなくって」

あなたは高い所を見るのが好きのようですな」

「ええ」

 美禰子は竹の格子の中から、まだ空をながめている。白い雲はあとから、あとから、飛んで来る。

 ところへ遠くから荷車の音が聞こえる。今静かな横町を曲がって、こっちへ近づいて来るのが地響きでよくわかる。三四郎は「来た」と言った。美禰子は「早いのね」と言ったままじっとしている。車の音の動くのが、白い雲の動くのに関係でもあるように耳をすましている。車はおちついた秋の中を容赦なく近づいて来る。やがて門の前へ来てとまった。

 三四郎は美禰子を捨てて二階を駆け降りた。三四郎玄関へ出るのと、与次郎が門をはいるのとが同時同刻であった。

「早いな」と与次郎がまず声をかけた。

「おそいな」と三四郎が答えた。美禰子とは反対である

「おそいって、荷物を一度に出したんだからしかたがない。それにぼく一人だから。あとは下女車屋ばかりでどうすることもできない」

先生は」

先生学校

 二人が話を始めているうちに、車屋荷物おろし始めた。下女はいって来た。台所の方を下女車屋に頼んで、与次郎三四郎書物西洋間へ入れる。書物がたくさんある。並べるのは一仕事だ。

里見お嬢さんは、まだ来ていないか

「来ている」

「どこに」

「二階にいる」

「二階に何をしている」

「何をしているか、二階にいる」

冗談じゃない」

 与次郎は本を一冊持ったまま、廊下伝いに梯子段の下まで行って、例のとおりの声で、

里見さん、里見さん。書物をかたづけるからちょっと手伝ってください」と言う。

「ただ今参ります

 箒とはたきを持って、美禰子は静かに降りて来た。

「何をしていたんです」と下から与次郎がせきたてるように聞く。

「二階のお掃除」と上から返事があった。

 降りるのを待ちかねて、与次郎は美禰子を西洋間の戸口の所へ連れて来た。車力のおろし書物がいっぱい積んである三四郎がその中へ、向こうむきにしゃがんで、しきりに何か読み始めている。

「まあたいへんね。これをどうするの」と美禰子が言った時、三四郎はしゃがみながら振り返った。にやにや笑っている。

「たいへんもなにもありゃしない。これを部屋の中へ入れて、片づけるんです。いまに先生も帰って来て手伝うはずだからわけはない。――君、しゃがんで本なんぞ読みだしちゃ困る。あとで借りていってゆっくり読むがいい」と与次郎が小言を言う。

 美禰子と三四郎が戸口で本をそろえると、それを与次郎が受け取って部屋の中の書棚へ並べるという役割ができた。

「そう乱暴に、出しちゃ困る。まだこの続きが一冊あるはずだ」と与次郎が青い平たい本を振り

2024-06-09

量子力学観測問題解釈模索

状態ベクトルの収縮は、ユニタリ変換による時間発展という過程露骨矛盾しているように思える。

どのように20世紀物理学者はこの問題に折り合いをつけていたのか。

ボーアによるコペンハーゲン観点

状態ベクトルは実際に量子論レベルでの実体を表すのではなく、観測者の心の状態を表していると主張している。

したがって、状態ベクトルの収縮という過程でのジャンプは単に観測者の知識状態不連続な変化の結果で、物理学実体を持ちうるような物理学的変化ではない。

環境によるデコヒーレンスという観点

観測という過程物理系はそれを取り巻く環境と解きほぐしようもなく絡み合うことになるという事実を利用する。

すると環境における自由度ランダムで、観測不能と考えられるため、その自由度を足し上げることによって、状態ベクトルによる記述ではなく密度行列による記述が得られる。

この密度行列が、基底に関して対角行列となる時、物理系は対角成分のうちの一つによって表される状態になり、その状態にある確率は対角成分の値によって与えられる。

世界という観点

状態ベクトルユニタリ変換による時間発展をし、物理学実体を表している。

その結果、観測においてはあらゆる観測結果が同時に存在する。

ただし、それらの観測結果のそれぞれが観測者の意識の異なる状態と絡み合っている。

したがって、対応する異なる意識状態もまた同時に存在し、それぞれが異なる世界体験し、異なる観測結果に遭遇することになる。

新しい物理理論という観点

量子力学の従来の定式化は暫定的で、観測過程意味づけをするために新しい物理理論必要という可能性もある。

ブロイボームの枠組みや、コンシステントヒストリー理論のような標準的量子力学と異なるような観測結果は持たないようなものもあるが、別な枠組みによれば、少なくとも原理的には標準的量子力学と新しい理論区別する実験存在すると思われる。

 

おそらく物理学者の大半は、これらの観点最初の3つの観点を抱いていると言っても良いと思われる。

そうした物理学者は、量子論形式が持つ数学的な優雅さは言うまでもなく、量子力学予言が目を見張るような形で例外なく実験によって立証されているということが、この理論が何ら変更を必要としていないということを示す、という議論をするかもしれない。

しかし、これらの物理学者のうち多くがそれでもなお量子力学に関する現状に居心地悪さを感じているかもしれない。

その理論に対する完全に認められた唯一の解釈存在しないという単純な事実が、この居心地悪さを煽っている。

2024-02-08

anond:20240208165828

いや、ボーア動画なんて無数にあるからそのうちどれの話をしてるのかが分からんと言ってるんだよ。

2023-12-06

ニュートンが自らの研究を完成させたのは24歳…

しかも疫病で大学が閉鎖されてからか…

能力があったのはもちろんだと思うが、現代社会人生モニュメントを築こうと思ったら能力ややる気や努力じゃどうにもならないよな。

莫大な時間がかかる。すなわち、その時間健康に過ごさなければいけない。

だってから俺がニュートンアインシュタインボーアに並ぶような功績を残してそれを人生モニュメントにしようとした場合学部4年、修士2年、博士3年で「功績を残し得るステージ」に立つためだけに9年間という莫大な時間健康に過ごさなければならない。

実際現代社会におきて研究や(虚業じゃない)ビジネス人生モニュメントになり得る功績を築いたのってほとんど中年じゃん。

30代や40代ですら若手扱い。

じゃあ、運悪く30代、40代健康を損なってそのまま死んでしま人間人生モニュメントなんて築く事ができず「なんのために生まれたのかわからないまま」死ぬじゃん。

なんで現代社会って何をするにもこんなに時間かかるんだよ。

ノーベル賞受賞者だって年寄りばっかり。

イーロンマスクだってもう良い年齢。

怖い。苦しい。虚しい。

いや、もちろん「若い人もいる!」って言いたくなるだろうけれど、若い成功者をよく見てみろよ。

SNSインフルエンサーYouTuber芸能人プラットフォームビジネス…。

みんな虚業ばっかりじゃん。

そんなの数百年先に名前は残らないし人生モニュメントにすらならないんだよ。

夏目雅子ですらほとんどのZ世代名前すら知らないだろ。

2023-01-02

[] なにを思ってID付きでビンボーアピールしてんのかな?ってブクマカ生活保護についてトンデモ発言してたし、毒親・毒大人全開発言自分の両親・義父母ガーって発言をしてるのに、平然と育ちがうんぬんと語る

一事が万事、そしてそういう人の逃げ場が二次創作などのポルノコミック

 

気分で発言してるから時に整合性が取れなくなる事もあるとか、そういう域に無いと思うのよね

単純に認知能力問題他人が注意、あるいは本人が自戒してもどうにかなるレベルのやつじゃない

そういう生まれ付きの個性として社会で枠組みを作らなきゃいけないやつ

 

ダイバーシティってすべての個性を認めるってことだから

この世の中から性格が悪い人・努力不足の人なんかいなくなるが、

それがちゃんと受けとめられる程度にはみなさまちゃん精神的に成熟している?

現時点で自分自身成熟度がそのレベルに達していない、あるいは今後も達する見込みが無いとしても、

ダイバーシティを実現しようという心づもりってある?

2022-12-25

2022年買ったゲーム全部書く

勢い

買った順

ガラス フリナ・シエル

ガラス 望月いのか

ガラス 黒宮かすみ

エッチゲームDLCえっちだった

112 Operator

911 Operatorの続編。通信指令センターとなって実際の地図上に配置された警察消防救急ユニットを動かして街を何とかする

前作とゲーム的には何も変わらないが安定して面白かった。こういうのでいいんだよ

ドラゴノーカ

ドラゴンの背中開拓するゲーム。なんかネタ被ったよね

正直自分プレイしたときサンドボックス感強く感じた。ちょっと放置している

Mad Games Tycoon 2

ゲームメーカーをつくろう。前作と同じくゲーム業界抽象化が上手い

アタリショックが起きる理由アーケードが死んだ理由ゲーム制作費の肥大化、全部なぞれる。難易度は低い

モミ☆トレーニング ~狂暴けもみみ令嬢調教トライアル

エロゲ。実はこの時点で発売はしていないのだが、テスターとしてめっちゃプレイした。めっちゃ頑張った。

でもデバッグチームでバグ全然取りきれてなかった。プロの技はあります

正直抜けるゲームなのでおすすめ

死神教団 ~淫森に呑まれた村セグルメット

上のテスター報酬で頂いた。のにプレイできてませんごめん!!!

Vampire Survivors

今更語るまでもない22年のヒットゲーム

カジノスロット製作者という射幸心を煽るプロゲーム業界に殴り込んだ結果。ソシャゲ業界も頑張って!

Kingdoms Reborn

開拓ゲーム。どう発展するかは手持ちのカードに左右されるのが特徴

まだまだ未完成だがそれなりに楽しめた。生産好き

PumPum

えっちパズルゲーム

えっちだったけど著作権大丈夫じゃなさそう

X4: Foundations

伝説の帰還。宇宙で好きに生きる

工場建てて在地勢力支援してガッポガッポするのが楽しかった。ゲームが重たくてアチアチになるので夏にやれなかった

X4: Split Vendetta

X4: Cradle of Humanity

X4: Tides of Avarice

X4のDLC全部買った。宇宙が増えて船も増える。地球も登場

Winkeltje: The Little Shop

カジュアルなお店経営ゲーム

誰がやっても同じ結果になるという意味カイロソフト

Captain of Industry

イオブ・ザ・イヤー。土遊びのできる開拓ゲーム

重機運用して土地造成したり海を埋め立てて工場を作る。楽し……楽しい

Keplerth

カジュアルなローグライトな何か。クリア

PowerWash Simulator

水圧でお掃除するゲーム

楽しいけどステージ数多すぎてまだクリアできてない

冒険ダンジョン

カイロソフト。ついつい買ってしまう。面白かったクリア

Farthest Frontier

GrimDawnの会社が作った街づくりゲー

これからに期待

Cosmoteer: Starship Architect & Commander

宇宙ローグライトなやつ。船を設計して艦隊作って戦う

どうやっても攻撃受けたら船が沈むシビアなところがちょい苦手。でも面白い。アップデート待ち

Victoria 3

買っちゃった。1836年から100年間頑張って国を切り盛りするゲーム

どんな小国でもGDP1位にできるのでバランスはこれから。でも楽しいボーア植民地世界征服しよう!

Soulstone Survivors

例のフォロワー3Dで画面なんも見えなくなるけど楽しい

アーリーでこれからアップデートに期待


2021年

anond:20220109221234

2020-10-07

プロ野球戦力外通告を予想してみる

プロ野球収入の半分が入場料などのスタジアム売上で稼いでいる構造。つまり今年はコロナ禍で何処の球団も大赤字確実。従って高年俸選手戦力外通告が相次ぐ見込み。

で、予想してみる。

巨人陽岱鋼、炭谷

DeNA山崎

阪神藤川、藤浪、ボーア

中日平田

広島:中崎

ヤクルト川端山田

ソフトバンク松田

ロッテ:角中

西武内海中村

楽天銀次

日ハム金子

オリックスジョーンズ

半分くらいは当たると見る

2020-07-29

パウリ「あれ?俺またなんかやっちゃいました?」

ボーア「……」

2020-07-06

破竹の二連勝

昨日の試合今日試合

あのT-岡田ランナーありの場面で打った。

T-岡田が打つとやっぱりニコニコしてしまう。

先週があんな感じだったから今週勝ち越せると思わなかったし月曜日試合がなくて負けないので心穏やかに過ごせる。

まあ明日在阪TV局のスポニューはボーア満塁ホームランで持ち切りでしょうけどね!

いつまで阪神と似たり寄ったりの勝敗でいるつもりなんだろう、オリックスさん。

2020-06-25

うちの会社の3階フロアコピー用紙などを置く倉庫として利用されている

そのせいで3階のトイレ利用者がほぼ居ないので、個室の便器腰掛けて休憩しながら増田を見るのが私の日課

昨日もいつものようにトイレでサボったあと移動していたら、両手で大量の書類を運んでいる女子社員とすれ違ったのだが

「ちょうどよかった 増田さん倉庫の鍵が胸のポケットに入ってるんで取ってもらえませんか」と言われ私はフリーズしてしまった

女性の胸のポッケに手つっこんじゃ駄目だろ… おっぱいに手があたっちゃうじゃんしか巨乳だし…

ひょっとして既婚者だからそういうの気にしないのかな… いやでもこれでセクハラって言われたら俺の人生終わるよな…

いやいや向こうからお願いしてきたわけだし… もしかしてこれ誘われてるのか…

そんな感じで10秒くらい固まっていたら「じゃ鍵はいいからこれ持ってて下さい」と書類を渡してこられたので私は黙って受け取った

女子社員自分で鍵を取り出してドアを開けながら「もしかしてポケットに手を入れるのが恥ずかしかったんですか」と言ってきたので

私は顔を真っ赤にしながら「そんなわけないじゃないですか ははは」と適当に誤魔化しそしてまたトイレの個室に戻った

普通の人だったら躊躇なく女子社員の胸ポッケに手を突っ込むのだろう

チャラいイケメンだったら「鍵はこれかな」とか言いながらおっぱい触ったり乳首を摘まんだりするのかもしれない

私の人生金銭の授受も無く相手合意も得られた状態女性の胸のポッケに手を突っ込むことが出来る最初最後の機会だったのかもしれない いやそうに違いない

何やってんだよほんとに 満塁の好機で手すら出さずに見逃し三振ってお前はボーアかよ あああああああ!!!

そして私は二度目のチャンスを掴むべく今日も3階のトイレに何度も通っている 

2016-07-05

[] スカトロ

18世紀アナルスカトロスという人物がいた。

アナルスカトロスは流体下痢便力学第一人者である

彼が導出した、アナルスカトロ方程式により

肛門を通過する粘性率が一定うんこや、非圧縮性のうんこの流れを計算することができるようになった。

おかげで、痔に苦しむ人や下痢便気味の人の便通が改善され、おおいに支持された。

一方、彼は高いところからうんこをする性癖があり、よく屋根の上からうんこをして怒られていた。

アナルスカトロスはより高いところを求め、近所にある山の崖からうんこをすることを試みた。

そのとき彼が気にしていたのは、うんこの落下速度である

彼がひりだしたうんこは崖の上から落下し、重力により加速するが、いずれ速度は一定になった。

これはうんこ空気の抵抗力および浮力重力とが釣り合ったためにおこる。

このときの速度は、週末チンコ速度と呼ばれる(週末のチンコのように一定精子放出するというのが由来だと言われているが、諸説ある)。

しかし、スカトロスが何度もうんこをしていると、この週末チンコ速度はうんこの形状によって変わることが分かった。

スカトロスには正確にうんこの落下速度を計算しなければならない理由があった。

彼が屋根の上からうんこをするときに落下速度が分からなければ、通行人うんこが当たってしまうのだ。

近所からものすごい勢いでクレームが来ていたスカトロスには死活問題であった。

うんこの形状による落下速度の差を補正できないものか…。

スカトロスはうんこと同じ週末チンコ速度をもつ球を想定した。

うんこの形を球だと仮定した場合、そのうんこは半径 x の球と同じ週末チンコ速度を持つ。

この仮定した球の半径を、スカトロスはスカトロ半径と名付けた。

このスカトロ半径はアナルの半径と一致するのでは?と考えたスカトロスであったが、

まり精度はよくなく、アナル量子力学ボーアナルという人物の登場まで待たなければならなかった。

次回はアナルの半径を物理的に計算し、アナル開発に尽力を注いだ偉大なるアナル物理学者アーヌス・ボーアナルについて語ります

*参考文献

Scatolos A. et al., (1852) the Journal of anal science 142:156-85, 'Terminal velocity of the Unko',

アナル増田

2015-03-05

メモ

数学

・次の微分方程式を考える.y''+(n/x)y'+a^2y=0 (a:0でない実数,n:整数) n=0,2のとき,この微分方程式の一般解を求めよ.

関数f(t)をf(t)=∫[0→∞]sin(tx)/x dx と定義する.f(t)を積分を使わずに表せ.

・2次の正方行列A,P,Qが次の5つの条件を満たしたとする.A=αP+βQ、P^2=P、Q^2=Q、PQ=0、QP=0 (α,β∊R,α< β).Aの各成分がa_11=1, a_12=-1, a_21=2, a_22=4 と与えられたとき,P,Qを求めよ.

・z^5-1を係数が実数範囲因数分解せよ.

地球上の2点A,Bが与えられたとき,その最短経路の式を求めよ.ただし,地球は半径aの球と見なす.

・あるシステムにはn通りの状態がある(n:1以上の整数).それぞれの状態にナンバリングし,i番目の状態になる確率をp_i(i=1,2,…,n)とおく.S=-Σ_[i=1→n]p_i*log(p_i)が最大になるようなp_iを求めよ.

・N個の識別できないボールがある.これをn_1個、n_2個、…、n_m個に分割する.(m:2以上の整数,Σ_i n_i =N) そのときの分割の仕方がW通りあるとする.p_i=lim[N→∞] n_i/Wとしたとき,lim[N→∞]ln(W)/Nをp_iを使って表せ.ただし,次の公式を用いても良い.N!=NlogN-N+O(logN) (スターリング公式)

物理

・半径r,質量mの一様な球Aと,半径R,質量Mの一様な球Bがある.球Aの中心と球Bの中心がL(> r+R)だけ離れているとき,この系の万有引力によるポテンシャルエネルギーを求めよ.ただし,ポテンシャルエネルギー基準はL→∞のときとする.

真空中の静電場を考える.原点に電荷量Qの点電荷が固定されてる.このときポアソン方程式からクーロン法則を導出せよ.ただし,無限遠で電位が0になるように設定すること.

水素原子がRutherford模型に従うと仮定する.古典電磁気学の結果から単位時間あたりに電子放出するエネルギーは(e^2/(6πε_0c^3))|d↑v/dt|^2 (e:電荷素量,ε_0:真空誘電率,↑v:電子の速度)となる.ボーア半径をa,電子質量をmとしたとき水素原子寿命を求めよ.

化学

水素分子にヒュッケル近似を適用して,結合性軌道と反結合性軌道,及びそのエネルギー差を求めよ.

2015-02-13

編入志望のれんちょんbot 【1日1問】の問題まとめ

Twitter:@renge_transfer

https://twitter.com/renge_transfer

数学

・次の微分方程式を考える.y''+(n/x)y'+a^2y=0 (a:0でない実数,n:整数) n=0,2のとき,この微分方程式の一般解を求めよ.

関数f(t)をf(t)=∫[0→∞]sin(tx)/x dx と定義する.f(t)を積分を使わずに表せ.

・2次の正方行列A,P,Qが次の5つの条件を満たしたとするん.A=αP+βQ、P^2=P、Q^2=Q、PQ=0、QP=0 (α,β∊R,α< β).Aの各成分がa_11=1, a_12=-1, a_21=2, a_22=4 と与えられたとき,P,Qを求めよ.

・z^5-1を係数が実数範囲因数分解せよ.

地球上の2点A,Bが与えられたとき,その最短経路の式を求めよ.ただし,地球は半径aの球と見なす.

・あるシステムにはn通りの状態がある(n:1以上の整数).それぞれの状態にナンバリングし,i番目の状態になる確率をp_i(i=1,2,…,n)とおく.S=-Σ_[i=1→n]p_i*log(p_i)が最大になるようなp_iを求めよ.

・N個の識別できないボールがある.これをn_1個、n_2個、…、n_m個に分割する.(m:2以上の整数,Σ_i n_i =N) そのときの分割の仕方がW通りあるとする.p_i=lim[N→∞] n_i/Wとしたとき,lim[N→∞]ln(W)/Nをp_iを使って表せ.ただし,次の公式を用いても良い.N!=NlogN-N+O(logN) (スターリング公式)

物理

・半径r,質量mの一様な球Aと,半径R,質量Mの一様な球Bがある.球Aの中心と球Bの中心がL(> r+R)だけ離れているとき,この系の万有引力によるポテンシャルエネルギーを求めよ.ただし,ポテンシャルエネルギー基準はL→∞のときとする.

真空中の静電場を考える.原点に電荷量Qの点電荷が固定されてる.このときポアソン方程式からクーロン法則を導出せよ.ただし,無限遠で電位が0になるように設定すること.

水素原子がRutherford模型に従うと仮定する.古典電磁気学の結果から単位時間あたりに電子放出するエネルギーは(e^2/(6πε_0c^3))|d↑v/dt|^2 (e:電荷素量,ε_0:真空誘電率,↑v:電子の速度)となる.ボーア半径をa,電子質量をmとしたとき水素原子寿命を求めよ.

化学

水素分子にヒュッケル近似を適用して,結合性軌道と反結合性軌道,及びそのエネルギー差を求めよ.

2014-08-29

http://anond.hatelabo.jp/20140829105824

で、おまえはやっぱ「信じている」んだな。モデル信者なんだろ。ぼけ

ボーアモデルは正しかったのかよ?

見たこともない天体や微細現象のことをあなたはどうして信じているの

http://anond.hatelabo.jp/20140828222646

太陽系惑星太陽の周りをまわっているといわれ、科学の本の口上や数式上ではつじつま合うし、それと矛盾しなさそうな図解も沢山されているけど、きみはそれを直接見たことはあるのかな?実は、現在のわれわれの知識レベルは、むかしの人が太陽地球の周りをまわっていると思っているレベル理解かもしれないよ、未来の人からしたら。超ひも理論だの、なんだか新しい概念もあるし。量子力学世界は数十年前は、まるで宗教ものボーア原子モデルも厳密には嘘だったわけで、われわれが信じ込んでいる科学モデルのたくさんの図解も、欧州教会あたりにたくさんある宗教画みたいなものかもね。

科学も「科学教」じゃないのかな?「科学は再現性がある」っていわれるけど、本当?普遍はなずが、しばしばくつがえされるのはどうして?そもそも、普遍的ものをわれわれは発見できるのか?

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん