はてなキーワード: 広東語とは
外来語の由来とか面白い意味とかを書くと知的ってことになるのかのう...w
仕事で使う訳でも無いので軽くだけ勉強しようと、本屋で内容の薄い文法書を買ってみた。
本はこれ;
内容が薄いだけあって、どんどん説明は進む。
ただ何かしら疑問が出て来ても調べられない。薄いから。
---
パラパラ眺めてて、韓国語は日本語同様、助詞のバリエーションが多いこと、話者同士の立ち位置で語調が変わる事は分かった。
でもこのバリエーションの多さはちょっとの学習時間では覚えられない。ハングルを実用で使う予定も無いので今はすっ飛ばしておこう。
---
「〜が」はハングルでも「가(ガ)」。
使い方も発音も同じ。
例文:私がいるじゃない。
訳文:내가 있잖아요.
내(ネ)が私。
きっとモンゴル語も似てるんだろう。そこまでは手は出さないけど。
---
因みに広東語だとサムゴックグワンハイ(※標準語は発音かなり違います)。
今日はここまで。
안녕!
Day,6
6日目
『おいしい』街へようこそ
初日の到着の時は機内でほとんど眠れなかったうえに、そのまま素通りに近い形でマラッカに行ったので、今日がクアラルンプールで迎える初めての朝だ。
しかし、この街の散策はほとんどせずに、今日は美食の街イポーに向かう。
当初、高速鉄道で向かうつもりだったが、本数が少ないために売り切れており、バスで向かうことになった。
よくバスに乗る旅だ。
「すごい渋滞だね」「今日は酷い、バスセンターからはどこに行くんだ?」「イポー」「ビジネス?」「観光」「何日前にクアラルンプールに来たんだ」「4日前(これは間違って伝えた)。KL、マラッカ、シンガポール、で、今日はイポー」「とんでもないな!」英語というのも使っていると慣れるのもので、簡単なタスクにまつわるコミニュケーションなら7割くらいの確度で成立するようになってきた。
これだけ会話が成立すると、多少の予想外は対応ができるので達成感と安心感がある。
「Thanks a million, have a good day.」タクシー運ちゃんに礼を言ってバスセンターの受付をすませる。
3時間ほどの乗車になるので、食事を済ませておきたく、フードコートにいった。
ローストした鳥のもも肉と揚げ豆腐、スパイシーでバジルと共にカリカリに炒め合わせた瓜っぽい何かとご飯。
何系料理だろう。
よくよく聞いてみると中国語。
「広東話?」「你識廣東話嗎?」しまった、広東語といえば香港旅行のとき軽く勉強して手に負えなかったやつだ、首を振る。
外国でなんとかコミニュケーションが成立して喜んでいたが、意識の外から来るボールは取れなかった。
プラットフォームで待っていると、やがてイポー行きのバスがやってきた。
途中、スコールを窓の外に見ながら、バスはマレー半島を北上し、3時間余りの乗車をへてイポーのアマンジャヤバスターミナルに到着した。
この近辺に多くの飲食店がある。
駅に降り立つ頃には雨も風もいよいよ激しい。
この旅程で初めて本格的な雨に当たった。
雨を避けながら、この街での大きな目的の一つ、イポー・オールドタウンホワイトコーヒーショップに入る。
マレーシアはコーヒーもよく飲まれており、特に名産とされるのがここイポーのホワイトコーヒーだ。
席に座って注文すると、やがてレンゲを添えられて泡立ったコーヒーが供された。
じんわりと甘い。
クラシカルな店内でコーヒーをすすりがなら、ひとときゆっくりする。
そうしているうちにさすが南国、雨もほとんど上がってきた。
美食の街、イポーを堪能するために、店を出て飲食街へと向かった。
目的の店は老黄芽菜鸡沙河粉。
ここイポーはマレーシアでも中華系が特に多い街で、名物の美食はほとんど中華か、中華風マレー料理らしい。
席に座っているとオーダーと関係ないおばちゃんが声をかけれきた。
「日本から?イポーは『おいしい(日本語)』よ」「イポーにはおいしい食べ物がたくさんあると聞いています」今日はいろんな人がめっちゃ話しかけてくる。
モヤシ炒めを食べてみる。
しっかり太くてシャキシャキしており、味付けもあっさりめだが食べ応えがある。
驚いたのはチキンだ。
近縁のシンガポールチキンライスを日本でも食べた事があるが、ちょっと比較できない程の旨さだ。
さすが美食の街。
感動を噛み締めながら店を後にし、立ち寄ったデザート店の豆腐花で締めた。
完璧だ。
帰りのバスの時間の関係で非常に短時間の滞在となるが、大満足だ。
小さな一歩は役に立つ
イポーのアマンジャヤバスターミナルは出発ゲートが1つで、どのプラットフォームのバスが正解なのか分かりづらいので一瞬焦ったが、受付のお兄さんに聞くと教えてくれてなんとか正しいバスに搭乗することができた。
バスが出発すると降り出す雨。
マレーシアは今は雨季に入った頃なので、雨が多いのは当たり前なのだが、尽く乗車中に当たるのは運がいいのかもしれない。
3時間半の乗車ののち、バスはクアラルンプール中央バスセンター、BTSに到着した。
しまった、昨日の夜チェックインして翌朝直ぐにイポーに向かってしまった為、部屋番号がうろ覚えだ。
「Your room No?」「1937・・・・Probably.」流石に怪訝な顔をされたが、個人的には面白いやりとりだった。
その後、カードキーが作動しなくて、フロントに静電気を取るか磁気を復活してもらうかするなど、一悶着あって、しっかり1937番の部屋に帰ってきた。
朝の高速鉄道の予約失敗から、小さなエラーの多い1日だったが、コミニュケーションをとる事で概ね対処できた。
1ヶ月半ほど、Youtubeの英語レッスンの5分ほどの動画をできるだけ毎日見る程度のことしかやっていなかったが、旅行で使うくらいの初歩基本文法は身についていたし、なによりヒアリングにもスピーキングにも慣れていたのが大きかった。
本当に小さな努力でも、毎日に近いペースでやれば役に立つものだ。
【7】2019 秋、マレーシア・シンガポール 7日目 |This journey is my treasure. へ >>
先週2人と会って、これでアプリから会った人数が15人になった。
マレーシア人とカラオケに行ったらめっちゃ上手いけど広東語だから何言ってるか全くわからなかったり、
保育士とご飯行ったら2,3時間くらいお仕事の大変な話が鳴り止まなかったりした。
これだけ会ってもダメだとやる気がなくなるもので、自分のモチベ低下に伴いやり取りする人数もグッと減らした。
アプリをやめても問題はないのだが、単純にいいねが勿体ないのと、気慰めとしてまだ使えるので、退会はしていない。
今週は風俗に行ったら、最低限のサービスも受けられなくて地味に悲しい。それをクチコミに書いたら即消されてて、2chは世界に必要なのだと思った。
女の子とやり取りする時間が減ったことで、1人の時間は手に入れたが。
このままだと、居場所がどんどんなくなっていく。
今は辛うじて働きに行く場所があり、誘えば会ってくれる友人がいて、一応女の子とコミュニケーションを取ることもできる。
ヒキニートの状態から勝ち取ったものたちだ。健全な社会人としては細やか過ぎて、可哀想になってくるものかもしれないが。
居場所を作れるようにがんばろう。
広東語で話し掛けないと通じないよ?
生まれ育った市町村の方言やイントネーションがベースで、これはいまだに抜け切らなくある
高校は同じ県内だけど少し離れた別の市へ通っていて、そこではその市周辺の子が多かったからその土地のイントネーションや方言、言い回しがうつって全てではないけど定着した
大学で上京したら今度は全国あちこちの友達ができて、方言が残っている子のイントネーションがなんとなくうつった
余談だけど、保育園から一緒だった友達は同じく上京して早々に方言が抜けてギャルになった
前の仕事で香港に行くことがあって、商社のおばちゃんとカタコトの広東語で話していたら「発音がうまい」とほめられた。これもイントネーションがうつったのと近いのかな?と思う
今の仕事は大学の時と同じで各地の人と話す機会が多いから、またいろんな土地の方言やイントネーションがうつってしまっている
全部一時的なものではなくて蓄積されているので、普段からいろんなところの方言やイントネーションが出てしまう
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
---|---|---|---|---|
00 | 103 | 10805 | 104.9 | 47 |
01 | 84 | 9986 | 118.9 | 44.5 |
02 | 47 | 8887 | 189.1 | 44 |
03 | 39 | 5025 | 128.8 | 86 |
04 | 30 | 3615 | 120.5 | 131 |
05 | 9 | 855 | 95.0 | 35 |
06 | 18 | 2352 | 130.7 | 29 |
07 | 31 | 1775 | 57.3 | 35 |
08 | 64 | 5735 | 89.6 | 34.5 |
09 | 109 | 14370 | 131.8 | 62 |
10 | 184 | 17272 | 93.9 | 52.5 |
11 | 131 | 13499 | 103.0 | 47 |
12 | 118 | 10461 | 88.7 | 45 |
13 | 201 | 13838 | 68.8 | 33 |
14 | 149 | 9903 | 66.5 | 37 |
15 | 108 | 8972 | 83.1 | 32 |
16 | 131 | 14192 | 108.3 | 42 |
17 | 185 | 16189 | 87.5 | 31 |
18 | 147 | 17527 | 119.2 | 40 |
19 | 95 | 7213 | 75.9 | 39 |
20 | 128 | 10834 | 84.6 | 36 |
21 | 132 | 8808 | 66.7 | 30 |
22 | 158 | 17463 | 110.5 | 50 |
23 | 183 | 13495 | 73.7 | 43 |
1日 | 2584 | 243071 | 94.1 | 40 |
人(210), 自分(163), 今(99), 増田(97), 話(97), 前(76), 意味(70), 問題(70), 必要(67), 感じ(66), あと(63), チョコ(62), 普通(61), 仕事(60), 人間(56), 日本(56), 好き(53), 頭(51), ー(50), 男(46), 言葉(46), 子供(45), 差別(44), 会社(44), 関係(43), 女(43), 理由(42), 存在(41), 相手(41), ネトウヨ(40), 結婚(39), ゴミ(39), 時間(39), 金(39), 他(38), 無理(38), 気持ち(38), しない(37), 子(37), 気(36), 最近(35), レベル(35), 女性(34), ネット(34), おっさん(34), 名前(33), 今日(33), 全部(32), 最初(32), 別(32), 神(32), 昔(31), 理解(30), 世界(30), アニメ(29), デッサン(29), 嫌(29), ゲーム(29), 確か(29), 親(29), オタク(28), 人生(28), 逆(28), ワイ(28), バカ(28), ダメ(28), バレンタイン(27), 一人(27), 絶対(27), 一番(27), 結果(26), 結局(26), 程度(26), 可能性(26), 目(26), 元増田(26), 毎日(25), じゃなくて(25), 学校(24), 絵(24), 勝手(24), 時代(24), 馬鹿(24), セックス(24), 勉強(24), 周り(24), 全員(23), A(23), 誰か(23), 他人(23), 定義(22), 生活(22), 嫌い(22), 手(22), 場合(22), 侮辱(21), 正直(21), 時点(21), キャラ(21), 円周率(21)
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旅行をするときは、事前にこなすべきリストを作って、旅行記を書きながらそれをこなしていくのがスタイルになっている。
そうすると、旅行であった事を覚えておけて、初日の事件が3日目に意味を持って繋がる様な思わぬ出会いがあったりするし、ちょっとしたトラブルがあっても大して気にしないですむ。
今年は例年になく旅行に行った年で、社員旅行で行った南の島も含めると4回旅する事になった。
その中で3回の一人旅をまとめました。
3泊4日
タスク:英語か広東語でチェックインする/オクトパスカードを買う/飲茶する/鴛鴦茶と菠蘿包で軽食/国境を越え深圳と広州へ/QRコード決済をしてみる
ネット界隈で話題になっていたQRコード決済を体験してみたくて香港経由で中国へ。
事前に3ヶ月ほど広東語の勉強をしたもののさっぱり通じなかったが、広東語と国語の聞き分けは出来るようになり、東京に思いのほか香港人が来ていることに気づいた。
渡航前後ではIT界隈や経済界しか騒いでなく、同僚に説明しても「なにそれこわっ」という反応だったQRコード決済が、帰国して半年経ったら狂想曲のごとき騒ぎになっていた。
あと、プーアル茶が飲めるようになった。
3泊5日
タスク:レートの良い両替店で両替/バインミーを食べる/ベトナムコーヒーを飲む/チェーを飲む/フレンチコロニアル様式の建物を撮る/サイゴン駅で券売機などのデザインを見る
はてな界隈ではうっすら話題になっていた外国人技能研修生制度だが、帰国した直後に外国人労働者に関する法案が通るとか通らないとかの話になり、俄にニュースになり始めた。
新興国なのでスリなどにあうのかなー、などと思っていたが、ベトナム人には何ら金をせびられず、なぜかエストニアから来た白人に金をせびられた。
6泊7日
タスク:広島風お好み焼きを食べる/厳島神社を撮る/博多うどんを食べる/太宰府天満宮のスタバにいく/別府温泉で湯治
療養中の1ヶ月に滅多にない折角の長期休暇なので、行った事のなかった広島と九州へ。
BTSが原爆Tシャツ騒動で揉めたおりに原爆ドームをこの目で見る事になった。
いい歳をして行きの広島では長距離バスを利用したので、肘が痛くなった。
整形外科の先生に聞くと、「治ったときに神経を巻き込んだだけで、骨にも腱にも異常はない。痛いだけだから気にするな」といわれた。
以上です。良いお年を。
別府ん湯って最高やろ?
酸性硫化水素と鉄を含んだスカイブルーの湯は「これが温泉です」というイメージを具現化した様な姿だった。
素晴らしい湯をしばらく堪能した後、併設の食事処で再びとり天とだんご汁を頂く。
そこら辺は味のレンジに幅があるのかも知れないが、これも美味い。
下山する前に、「地獄」と呼ばれる湧泉池のひとつ、「海地獄」を訪れる。
ここは入湯施設がメインではなく、景色を見る事を主としたいわば温泉のテーマパークだ。
受付を済ませて建物を通り抜けると、98℃の熱湯を湛えたコバルトブルーの池からモウモウと湯気が上がっていた。
訪れた人が思い思い写真を撮る。
ここではよく広東語が聞こえてきた。
地元が温泉どころで、温泉リゾートが生活に根付いている台湾の人がこの地を目指してくるのはなんとなく納得していたが、香港の人も別府に多く訪れるらしい。
まだ1件いける。
市街を海に向かって下る。
地図を見ながら歩いて行くと、周りに肌も露わなアゲ嬢たちのディスプレイが。
竹瓦温泉は元々遊郭を改造したものらしが、当地は今でもバリバリ現役の風俗街だった。
歴史ある見事な佇まいの門をくぐり、入湯料を払う。
100円。
どういう価格設定だ。
男湯の暖簾をくぐると、脱衣所と一体になった空間にいきなり登場する湯船。
風俗街の真っ只中に建ち、脱衣所と浴室の仕切りも洗い場もなく、お湯は熱湯風呂。
別府最後の温泉は、東京ではなかなかできないハードコアな体験だった。
Day 1
羽田の深夜便だった前2回の旅行と違い、今回は成田発で、昼出発。
しかもややメンタルに不調を抱えているとあって、余裕を持った出発を心掛けたかったが、時間を勘違いして、ギリギリで成田エクスプレスに駆け込み、その上方向を間違えて折り返すという失態を演じてしまった。
肝心な時には何かバタバタする傾向がある自分なので、「またやってしまったー」と思ったが、どうやらチェックインには間に合いそうで、成田エクスプレスの車窓から畑を眺めながら、「この旅行に行って何になるんだろう」と愚にもつかない事を考えた。
別に何が起こるわけではない。
ただ若い頃からずっとボンヤリあった心象風景、雨のベトナムで川を眺めながらお茶や料理を食べる、その画をこの目で見て来るのだ。
メンタル不調なんて、ボンヤリするのに格好の舞台装置じゃないか。
前回の香港旅行では、事前に広東語のフレーズをいくつか覚えて行ったが、「話せるものの聞き取れない」という致命的な見落としがあり、結局中学校時台成績2の片言にもほどがある英語と、メモによる筆談で乗り切ることになった。
ベトナム語も広東語と同じ声調言語(音の高低と発音で意味が決定する言語)であり、しかもその声調というのが「コブシを効かせるようにいちど下げて上げる」「波のようにうねって上げ下げして上げる」という難解極まるモノで、もう「ありがとう」「これください」「トイレはどこですか」以外のコミニュケーションは投げている。
今回搭乗したベトナム航空は、ベトナムのフラッグシップのようで、エコノミークラスといえど、タイガーエア台湾や香港エクスプレスとはモノが違う。もちろんTGATやHKEXが悪いって訳じゃないけど、地上職員は日本語ができるし、機材も大型で安定していて、シートには枕やブランケットが用意され、機内食も出る。
さらに、シートにはモニターが設置されていて、映画その他も見られる。
海外に行くときはその地のポップカルチャーを予習して行きたいのだが(香港前に発見したアガサ・コンは最高だった)、ベトナムはまだYoutubeでの情報が少なく、これと言った映画やアーティストを発見できずにいた。
そこでモニターをポチポチやっていると、果たして良さげなベトナムのアーティスト(多分)を発見したのだった。
英語詞の曲とベトナム語詞の曲が半々。音楽性はR&BとEDM(ダブステップの様な強めじゃないムーディーなやつ)とジャズを掛け合わせた様な感じで、ジャスティン・ティンバーレイクを思わせる。
機内では検索できないので、あとで調べよう。
朝飲んだ安定剤が効いているのかな、憂鬱な気分が後退してきていい感じだ。
ややあって、海外旅行なら一度は聴いてみたい、「pork or fish rice ?」というフレーズと共に機内食がサーブされた。
ベトナムの航空会社なのに機内食で和食が出るという不思議仕様でもっぱら噂のベトナム航空だ。
ここで「fish」と答えれば和食が出て来る事は間違いなく、折角の海外旅行、しかも出発便の機内食が和食というのもどうかという事で、「pork」と答えると、豚の唐揚げの煮物をチャーハンにぶっかけたようなご飯と、海鮮春雨サラダ、パン、デザートが出てきた。
春雨の方はヤムウンセンとかそれに類するもので明確にアジア料理だが、ぶっかけご飯の方はなんだか分からない。
付け合わせが椎茸の煮しめだったり、桜の形に型抜きされたニンジンである事も地味に混乱する。
味はというと、エコノミーでこれだけの物が食べられれば充分満足で、その後、暖かいコーヒーのサービスがあったり至れり尽くせりだったのだが、あれはベトナム料理だったのだろうか。
カラトリーがまとめられた袋の底に、スパイスの小袋が入っており、「甘利香辛食品株式会社」と書いてあった。京都伏見の会社であるという事だった。
機内食で腹を満たし、少し微睡む。
眼が覚めると機内は消灯されていた。
英語のスポーツチャンネルを見ながら、「早くホテルで横になりたいな。でも何を楽しめるんだろう?テレビをつけても何言ってるか分かんないだろうし」という思いが浮かんで来る。
チャンネルでは、MTBのアーティストが大木やバランスボール、建築物やワインディングロードなど様々な障害をキッカーにしてトリックをキメていた。インスピレーションを色々なものから受けて、驚くべきビデオやショーを生み出すらしい。
他の人からは無意味に見えるものに価値を見出して楽しみ、アートを生み出している。
意味不明に見えるけど羨ましい。
普段の自分もそういうキャラなんだけど、ダメかもなぁと感じてしまう。
多分、朝飲んだ安定剤が切れる頃合いだ。
自律神経失調症で襲って来る不安と無力感、安定剤を飲んで感じる旅行への期待。
正常と狂気の境は曖昧だと思っていたが、こうして自分そのものだと思っていたものが揺れ動くと、もっと根本的な、「自分」や「個性」というものが虚ろなものに思える。
深追いはしないでおこう。
しばらくして血糖値が安定すれば、少し収まって来るに違いないから。
「間も無く、当機はホーチミンに到着いたします。到着は19:30、ホーチミンの気温は38℃です。」
機内アナウンスに耳を疑った。
今年の異常熱波は関東平野の都市化が高気圧をブーストしており、バンコクより気温が高い、なんだったらユーラシア大陸で一番高いとさえ思っていたが、勝手な思い込みだったようだ。飛行機を降りると湿った空気を感じる。日本人の歪んだプライドは常夏のホーチミンの湿った熱波が吹き飛ばしてしまった。
19:50、国際空港の入国審査というのはどこか陰鬱な雰囲気なものだが、イミグレーションを抜けてもタンソンニャット国際空港は静かだった。
改めて旅程について説明しておくと、3泊5日というのは、帰国便がこのタンソンニャット国際空港 6:25発であり、ホテルのチェックアウトが当日では到底間に合わないので、前日にチェックアウトして空港で出発便をまつ、という事だ。
帰りはここで夜を明かすんだろうか。
そう思って建物を出て驚いた。
なんと半解放の広大なスペースに待合ベンチが設置されている。
軒を並べる飲食店、溢れる活気、びっくりするほどの騒がしさ。
タンソンニャット国際空港はこの半野外のスペースも含めての空港だった。
「ははは、スゲーな!」薬が抜けてるに決まってる時間帯だが自然に笑ってしまった。
見たことがない光景だ。やっぱり先生の言う通り、この街に来て正解だった。
Day.4
上晝
香港で最後の夜は、一度夜中に目がさめるという自分にとっては日本でもお馴染みの睡眠だった。
昨日の広州行で程よく疲れたせいなのか、香港に慣れてきたからなのか。
チェックアウトまで時間があるのでネイザンロード沿いの便利店でお土産いくつか買う。
「唔収◯×・・・」
あ、使えないのか。今のはすぐにわかったぞ。
しめた。本が買える。住所を検索して向かった。
晏晝
海岸沿いにある香港の誠品書店は、台湾と同じく綺麗でセンスのいい内装だった。
いくつか物色していると、グラフと表が描かれた本があった。
当然内容はわからない。でも妙に気になったので、買うことにした。
レジに持っていく。
「◯×◯×・・・」
「a,我係日本人」
「oh, do you have shop card?」
「none」
初めてストレートに意思疎通できた広東語が「私は日本人です」だとは。
別のレジではショップバックの要無用についてジェスチャーで聞かれ、料理本も一緒に包んでもらった。
ホテルの部屋に戻ると、あれ、鍵が開かない。
「I can’t open dore at my room.」
「Check out time passed, you over time. check out time 12.」
鍵を開けてもらって、急いで荷物をまとめる。
ベッドにはメモを置いておいた。
「Thank you. I had a great time! 再見」
笑顔。
エレベーターに駆け込んだ。
「Please keep my baggege.」
と言いながらメモを見せる。
「幫我在放我嘅行李到我去機場、可唔可以呀?」
あれ、怪しい広東語書いたかな?と思ったが、どうやら彼は広東語がわからないようだった。
「When are you coming back?」
「7 O,clock. take care.」
途中、腹が減ると具合が悪くなりそうなので、飲茶する事に。
「一位、唔該」
拭いているテーブルを指さされ
「乜嘢茶?」
「普洱、唔該」
注文シートを書いて
「落單、唔該」
シートを渡す。
想定していた問答なのでスムーズにできた。
出てきたのは、
1.油で揚げたクレープのようなもの。オイリーでつけダレが美味い。
2.ガチョウが乗ったビーフン、スウィートチリソースつき。香港のガチョウは表面を甘いタレでコーティングしてカリッとローストする。
それと普洱茶。
「理單、唔該」
「ツァッサップツァッ」
「?」
メモを見せられる。
あ、$77か。
お釣りは投げるように寄越されるが、気にしない。
下晝
飛行場に向かうにはまだ早い。
まだ行っていないところに行こう。MTRで深水埗へ。
香港人による日本紹介動画によれば、日暮里は日本の深水埗なのだという。
深水埗につくと、そこはたしかに今まで見ていたきれいなばかりの香港とちがって、露天などが立ち並ぶ下町風情だった。
日本人の印象である、カオスな看板風景の「古き良き香港」はここじゃないかな。
それにしても疲れてきた。
喫茶店で一息つこう。
「理單、唔該」
気にせず注文を聞く先生。
「coffe, ice」
ドンッ!!しばらく待っていると景気良い音とともにコーヒーが現れた。
甘さが心地い。
寒いしもう出るか。
「理單、唔該」
ただし実際に払ったのは1回。
「洗手間邊度㗎?」
店の奥を指差される。
みんな、香港に行く時にはこの言葉は覚えておくんだ、絶対使うし、発音が簡単だ。
トイレで用をたし、次の目的地、銅鑼湾(コーズウェイベイ)に向かった。
MTRで向かおうと思ったけど、ちょっと街を行き交うトラム、2階建の路面電車に乗ってみる事にした。
トラムに乗り2階に座る。
都合のいい事に、行き先は銅鑼湾らしい。
ここままトラムで向かおう。
「唔該晒」
いいのか。
上げ掛けた腰を下ろす。
広東語では「おねがいします」も「どうも」も「いいですよ」も「きにしないで」も「すいません」も「唔該」なんで、ちょっとややこしい。
「Guy’s, I’m Foreigner. Can i take your photo?」
「Of course.」
「3,2,1, Shoot!」
「have a goot time ;)」
「Thank you!」
挨晩
ホテルに戻り「Mr,I want pick up my baggege.」
すぐに出てきた。
あれ、超重い。
というわけでタクシーを使う事にした。
「的士!」
「我想去機場」
通じない。
タクシーは滑り出し、人が歩いている小道を縫って走る。
おい怖いな。
単純にスピードが速い。
お釣りを渡される。
「For you.」
小銭を返した。
夜晩
チェックインまで時間があったので、この日誌を書いていると、携帯の電池が心もとない。
カウンターで尋ねる。
「Phone?」
うなづく。
カウンターの裏側を指差された。
香港に来るまでは英語なんて全然ダメだと思っていたが、必要に迫られると喋れるものだ。
そうこうしているうちに帰りの便のチェックインが始まったので、済ませておこう。
チェックインを済ませたが、よくよく考えると、荷物重すぎないか?
重量チェックの前でキャッキャウフフしているGirlsに困った顔で「Pleeease ><」
「I want store my baggege.」
香港ドルからの再両替をどうしようかと思っていたが、タクシーが結構でかく、手元には$55弱しか残っていなかった。
綺麗に使ったもんだ。
チョコレートブラウニーの甘さで結構喉が渇いたが、オクトパスカードがまだ残っている。
セブンイレブンで水を買う。
カードを見せようとするやいなや、レジの小太りのお兄ちゃんが読み取り機をバンバンと叩いて示した。
どこの国にも手際が良すぎてちょっとコミカルな人というのはいるものだ。
時刻は22:30。
ずいぶん早くチェックインをすませたために、ほとんど列に並ばなかった帰りの便のチェックインカウンターにも、人が集まって列をなしていた。
幼い時代の優しさとノスタルジーを追体験したような昨年の台湾旅行と違い、今回の香港・深圳・広州旅行はちょっとした冒険感のある、エキサイティングなものだった。
特に、南洋華人の明るさと激しさには、自分の中のエネルギーを叩き起こされたような気がした。
この4日でイミグレーションの通過は4度目、もう慣れたものだ。
検査員の男性にパスポートと出国カードを出し、検査は何のトラブルもなく完了した。
「Ser, i had a great time.我好鐘意香港。」
年配の検査員は一瞬ぽかんとした顔をしたが、まあ付け焼き刃の広東語が通じなかったのは仕方ないか。
深く気にせず手荷物検査に向かおうとすると、後ろから明るい声が響いた。
「Hey! Also hong kong into come back!」
親指をあげて答える。
「再見!」
Day.3
上晝
最近睡眠が短くなって少し凹んでいたのだけど、旅行の緊張もあってかますます睡眠は途切れがちで、細切れのまどろみの中で、何度も短い夢を見た。
夢の中ではなぜか麻生太郎と習近平が登場し、自分が「香港では片言の広東語より片言の英語の方がまだ通じましたね」というと、麻生に「ちょうどいいじゃねえか、じゃあ今度はロスに出張だな」と返され、自分はあわてて「英語なんて殆ど単語しかできなかったですよ」と言い、習近平には「お父さんにお会いしましたよ」と言うと、親しげに体を寄せられて「元気でしたか?宜しく言ってください」と返された。周氏のお父上は当然故人だ。
みんなが見ている記事が上位に上がってくる仕組みだ。
今日の上位には
フォーラムでは、みんなが日本と中国を比べて、我が事のように激怒したりがっかりしたりしている。
みんな余計な事でしょんぼりしすぎじゃない?
ホテルのノブには、清掃をお願いしたり、起こして欲しくない時のための際の札がかかっている。
「請勿打擾
起二さないでください」
日本人有時會插手。
(正確には『こ』と書きます。
晏晝
体調を崩してなければいいのだけど。
国境の駅、羅湖に行く途中、隣の席に座っていた女性に声をかけられた。
「下一站・・・」
「oh」
「no.....」
彼女は次の駅で降りていった。
何人だったのだろう。
早く降りて一息つきたい。
羅湖駅の中国側、ケンタッキーフライドチキンで昼食を取ることにする。
海外旅行まできてケンチキかよ、と言われそうだが、言葉がわからないと、指差しで大体何が出てくるか想像がつくファーストフードは便利なのだ。
昨日、国境近くではどうやらwifiが怪しいらしいとわかったので、現金決済。
下晝
中国の高速鉄道に乗るには、いちいち荷物を安全検査して、パスポートを提示しないといけないので、ちょっと緊張する。
監視されてると感じなくもないが、以前、新幹線で焼身自殺事件があった時、あれをどう防ぐのか分からなかった。
油や刃物など危険物の持ち込みについては、日本も少し警戒した方が良いのかもしれない。
こういう時にメモ帳が役に立つ。
wechatpayは大丈夫だった。
香港MTRのエゲツない冷房にやられ気味だったので、同じ調子だったらどうしようと思ったが、広州東行きの高速鉄道の車内温度は快適だった。
室内は新幹線によく似ている。
事故った高速鉄道を穴を掘って埋め立てた事件は、異常なスピードで開発が進む中国時間では遠い昔の話なんだろうが、昨日のライター爆弾を見た後なので、「高速バスの事故程度の確率でなら起きるかもな」などと考える。
もちろん起きないでほしいが。
挨晩
降りた瞬間、昨日の深圳より、なんというか能天気な空気を感じる。
広州は古くから、外国人が行き交う街ということだが、確かに外国人をあからさまに警戒するような雰囲気はない。
レジなどで、言葉がわからないので「めんどくさいな」という表情をされることはあるけども。
街ゆく人たちのファッションも、深圳より洗練されていていて、ますます日本人と見分けがつきにくい。
日本の都市で例えるなら、ちょうど新宿に居る人達といった感じだ。
深圳でよく見かけた警官は広州にもいるのだが、広州の警官はポリスというより、プールの警備員といった雰囲気で、あんま緊張感がない。
人が多すぎていちいち警戒してたらきりがないのかもしれない。
夕方18:30分、とにかく異常な数とエネルギーで人が行き交う広州火車駅前。
洗練された広州市民と素朴な地方民、それに外国人でごった返している中、警備員のオッさん達はなんと路上で将棋を指していた。
それにしても地下鉄はとにかく人が多い。通勤ラッシュがズーッと続いている感じだ。
これは予定をコンパクトにしないと、深圳まで帰れるかどうか怪しい。
広州の地下鉄は、異常に混んでいる以外は利用しやすいのだが、変なところで折り返していて、気づかないと目的地に対して逆走していたりする。
「バタン!」激混みの地下鉄から降車する際、女の子がクーラーボックスのようなものを落っことして大きな音がした。
思わず声を出して笑う。
夜晩
広州塔にたどり着くと、すっかり陽は落ちて、目の前に虹色のタワーがそそり立っていた。
目の前の大河の対岸にはディズニーランドのような電飾のビルやスタジアム。
その前をこれまた派手な電飾のフェリーが悠然とすぎていく。
それだけ見るとムーディーなんだが、なにせここも人が多く、花火大会のような雰囲気だった。
これが見れたらもう満足、さあ香港に帰るぞ、人の波を掻き分けて広州東駅へ急げ!
中国の交通機関は、地上を走る電車でも地下鉄でも、ホームに入る前に荷物を検査機に通さないといけない。
陰気なムードも嫌だし、検査機に通すたびに、出口で荷物に手招きしていて、この儀式は深圳の警備員に流され続けたんだが、広州塔駅の若い女性警備員はちょっと笑いを堪えたような顔をしていた。
味をしめたので、広州東駅では手招きしながら「came on! 頑張れ!加油!ファイティン!」といってみたら、変な目で見られた。
帰りの高速鉄道では深圳行きの切符を買う際、いつも通り言葉の行き違いで変な空気になったものの、wechatpayの力も借りて無事に購入することができた。
1等車に乗ると先客が悠然とスマホを見ている。
件の先生は、自分に気づくと立ち上がって運転席に入っていった。
おいおい、乗務員かよ。
帰りの高速鉄道も実に安全に運行し、22:07定刻通り、深圳にたどり着いた。
再出入国も2日で2回繰り返せば慣れたもので、特に緊張もなくイミグレーションを通過。
「一面だけでもいい、今の中国をこの目で見たい」
駆け足だったがミッションクリアだ、Good by china.再見!
ホテルに戻ると、メモパッドには今朝の日本語の誤植を指摘したジョークのアンサーがあった。
「Thank you! ) 」
Day.2
上晝・晏晝
旅行になると食が細くなりがちだけど、この街では食わないと持たない。
茶餐廳(喫茶店とファミレスを混ぜたような軽食店)でお粥を頼む。
お湯が出されて思わず飲みそうのなるが、他の席を見ると、みんな飲まずに食器を突っ込んでいる。
正解がわかんない。
ホテルでもニュースを見たけど、昨日から全人代の話で持ちきりだ。
香港の人は賛成2300、反対2とかで決まる決議をどんな感情で見ているんだろうか。
今回の旅の目的の重要な一つが、中国でのQRコード決済を体験して見ることだ。
言葉が不自由なので、事前に起きそうな問題は潰しておかないと不安だ。
使いすぎのせいか、レンタルWi-Fiが昨日からちょっと遅くなったのにストレスを感じながら、深圳への入国カードの書き方や最寄りの羅湖駅について調べる。
事前に日本でwechatpayに520人民元をチャージしていたが、現金も持ってないと不安なので、昨日に引き続き重慶大厦で両替することにした。
うまく伝わるかどうか不安だったけど、メモに夏目漱石と毛沢東のイラスト、「jp¥5,000→人民元」と書いて渡したら、ちゃんと5,000円分だけ両替してくれた。
イラストにはやっぱ助けられる。
下晝
騒がしい香港も、ここまでくるとのんびりした空気が漂っている。
羅湖駅から中国への入境は、多少緊張したが、トラブルもなくスムーズだった。
イミグレーションはやや陰気な空気だったが、審査場というのはああいったもんなんだろう。
イミグレーションを超えて羅湖駅の地上に出ると、看板は簡体字。
狭い香港に比べて、羅湖駅地上は広々としている。空気も街の綺麗なものだ。
ここでもICカード、深圳通を買って、地下鉄を乗り継ぎ、華強北に向かうが、地下鉄はちょっとびっくりするぐらい綺麗で近代的だった。
華強北につき、お腹も空いていたので、華強電子世界のフードコートで、wechatpayの電子決済を試して見ることにする。
異国でいろんなことに不安があるので、余計なストレスを感じたくない。
フードコートのおばちゃんにwechatをみせて、「Can i use this?」深圳では広東語は通じないのだ。
と言っても自分の広東語が使用に耐えないのは昨日でわかったのだが。
オッケーらしい。
Wechatpayには、こっちのQRを見せてスキャンするタイプと、自分でスキャンして、金額を打ち込むタイプがあるが、どっちかわかんなかったので、おばちゃんからカウンターを変わったお姉ちゃんに 「scan?」と聞いて見ると、怪訝とめんどくさいという表情を全開にして頷いた。
スキャンして、金額を打ち込むとあっという間に決済は終わった。
しばらく待って出てきた華式カツカレーには、ライス部分に野菜炒めが乗っかっていた。
華強電子世界ではあらゆる電子アイテムが売っている。スマホ、パソコン、LED照明、電子部品からなぜかワイシャツまで。
携帯売りのお姉さんがブースの中でスマホに向かって大声でやり合っていたが、中国の人はなんというか元気なので、普通のやり取りなのかケンカなのか判然としない。
深圳の街は、一角にまだ工事中のような場所があったり、食べ物の匂いが立ち込めるストリートもあるものの、大方は近代的で綺麗なものだ。
しばらく見ているとハト達は一斉に飛び立つ。
近くにいるユニフォームをきたお姉さんが笛を吹き出し、またやってくるハトたち。
気の利いたショーまであるのか。
日本で知ることができる中国なんてほんの一部、それも結構偏ってるなーと思いながらデパートの空中回廊を歩いていると、突然「ボンッ!」
風に当たりながら一服していたオッさんの100円ライターが破裂した。
オッさんは事もなげに友達と去っていった。
挨晩
車内では可愛い格好をしたお姉さんがスマホで流行りのガールズファッションをチェックしている。
すっかり都会のティーンエイジャーだ。
ひょっとしたら新しい分、東京メトロより綺麗かもしれない深圳の地下鉄だけど、電子表示に現れる「請勿在車内大声喧嘩!(車内で大声で喧嘩しないでください!)」はちょっと笑った。
若い人は初めからこの新しさだからいいとして、お年寄りはこの変化のスピードについていけるんだろうか?
現代深圳市民のファッションは、埼玉か群馬の人といった感じで、いや、別に誰もdisってないぞ、そう聞こえるならそっちの方が偏見だ、とにかくまあ、現代的なのだが、どうも醸し出す中国人感の正体はおそらく男性は髪型、女性は肌で、男の髪型は極端なツーブロックか角刈りが多く、女性は20代後半辺りからあまり肌の荒れを隠さなくなる。そこら辺は日本女性は巧妙かもしれない。
とはいえ、まあまあ近代的なチャイニーズファッションを覚えておきたかったので、誰か写真を撮らせて貰いたくなった。
Excuse me Miss, i want know naw chinese fasshion, Can i take your photo?
Excuse me Mr?
3人目の子供を遊ばせていたお父さんに声をかける。
Excuse me Mr? I want know naw chinese fasshion, Can i take your photo?
「何がしたいの?」
日本語で聞かれた。
「写真撮っていいですか?」
「貸して」
「いや、貴方の」
「ふうん・・・どうぞ。」
広東語もダメだが英語ダメで、自分が一番得意なのは日本語である、という知見が得られた。
目当ての書店は、一部が棚卸し中で、欲しかった女性誌や料理本は買えなかった。
最悪コンビニでなら、と思ったが、中国のコンビニには雑誌が売ってない。
スタバのメニューなら、主だったところは日本と同じだし、注文にまごつく事もない。
決済もwechatpayでなんとかなる。
wechatpayの一番正しい方法は中国に口座を持つ事だが、歌舞伎町のPocket Changeでもアクティベートとチャージは可能なので、もし中華アプリに抵抗が無いなら、アクティベートしておくと強い味方になってくれるかも知れない。
そうこうしているうちに日がくれてきた。
華強北のフードコートのおばちゃん以外は概ねぶっきらぼうな中国人の接客にちょっと凹んでスタミナが切れてきたので、そろそろ香港に戻ることにするか。
異国なので、余裕を持って行動した方がいい。
2日で3回目の越境だ。
夜晩
羅湖駅にたどり着いた。
中国の雑誌が買えなくてちょっとガッカリしていたが、駅にキヲスクのような小さな書店があったので、そこで購入することにした。
wechatpayで決済しようとしたが、wifiが怪しいのか、なかなか決済が終了しない。
お姉さんが携帯を覗き込み、お姉さんの指示で店のwifiに接続したら決済できた。
便利なwechatpayだが、ネット環境に依存しているのは不便にもなりうるな。
国境を超えても外国である事には変わりがないが、なぜかちょっと安心感がある。
疲れて口元が下がり気味になり、パスポートの写真と微妙に違うので、検査員と顔面照合をする際に人差し指でほっぺたを持ち上げて笑顔を作る。
中国側の出国検査員には流されたが、香港側の入国検査員は一瞬笑いを堪えたような顔をした。
この空気の違いは、深圳の人が移民が多くて、実は南洋の人ではないからなのだろうか。
深圳ではやたら見かけた警官も、香港ではそこら中にいるわけではない。
接客に関しても、モノを投げてよこすような豪快さは香港も深圳も変わらないが、香港の人は多分相手が誰でもああなんだろうな、という感じで、なんというか余計な気遣いに使う時間が勿体ないという感じなのだが、深圳の人たちからは、ちょっと警戒感のような物を感じた。
それが、国民性によるものなのか、ナショナリズムなのか、単なる「言葉の出来ない相手に対する厄介感」なのかは、分からなかった。
Day.0
出発前
3月、人生で2度目の自分で計画した海外旅行に行くことにした。
行き先は香港。
今回も書きながらの旅行としたい。
きっと長くなる。気が向いた人が読んでくれると嬉しい。
あと、誤植は多分沢山あるけど、気にしないで欲しい。
さて、なぜ香港に決めたのかというと、昨年の台湾旅行が自分としてはとても良く、「意外と一人でも海外に行けるものだな」と思ったのと、台湾で現地の料理を食べたことで、香港や大陸の人はどんなものを食べているのか興味を持ったこと、そしてこの界隈で話題になっている、2次元バーコード決済をこの目で見て見たかったからだ。
また、自信を持ったとはいえ、語学の怪しい自分にとって、台湾の次に行きやすい海外はどこかとなった時、香港か韓国くらいしかなさそうだ、というのもあった。
ただ、今回は、現地ガイドが入出国に付き合ってくれた台湾と違い、全くの1人となる。
ハードルは1段、いや2段くらいは上がったと思う。
旅行には達成目標を定めて1個1個クリアして行くタイプだけど、目標のいくつかは低めに設定した。
まずは出国して、空港からホテルにたどり着き、英語か広東語でチェックインすることからだ。
今回の出発便も前回と同じ様に羽田発の早朝便。
旅行になるといつもそうなのだが、夜の移動や待機時間に眠ることができなくて、こういう時に定刻まで眠れる人が羨ましいと思う。
とはいえじっとしているのも辛いので、現地で言葉が通じなかった時のために、メモ帳にイラストを描いたり、簡単な広東語のおさらいをしたりした。
広東語に関しては本を買ったり、3ヶ月間、広州や香港の人のYouTubeを見たり、香港ポップスのMVを見たりしたが、聞き取れるまでに至らなかった。
同じ発音でも発する声の高さで意味が変わる広東語は、単純に「話す、聞く」というフィジカルな部分がとても難しい。
翻訳アプリに広東語を話して翻訳させるという手段で練習したが、どれくらい通じるものか。
広州出身のレイちゃんがYouTubeで教えてくれた「片思いの相手を呼び出して告白する時のシークエンス」を使う機会はなさそうだ。
ところで、深夜の羽田空港国際ターミナルで周囲を見渡すと、共に出発を待つ人達がやけに若い。
ベンチの向こうでは、大学生と思しき男子の一団がUNOらしきゲームをやっている。
Day.1
上晝・晏晝
機内に日本語が飛び交ったせいか、やや弛緩した気分で香港国際空港に到着したのは現地時間で11:15分頃。
長い長い入国審査の列に一瞬うんざりしたが、審査員は列を誘導して次々と人を通して行く。
さすが世界でも有数に人が行き交う空港だけあって、手際がいい。
1.「日帰りで深圳にいき、翌日広州に行くために必要なものはあるか」
3.「オクトパスカードが欲しい」
「我想去深圳一日遊、下個聽日、想去廣州。要乜嘢?」
「◯×◯×◯×…」
しまった、ちょっと懸念していたけど、「決まり文句は話せるのものの、聞き取れない」というのは思った以上に深刻だぞ。
なまじ話せるだけに、向こうもちゃんとした広東語で返してくる。
かなりビビったものの、いかつい面相と違って親切なにいちゃんは、「乜嘢?」と聴き返してくれて、「日本人はビザはいらない」と笑顔で答えてくれた。
しかし次の両替はもう少しハードルが高く、言っていることを聞き取ってもらえなかった。
「港幣」という単語でなんとかクリア。英語の方がまだマシだったかもしれない。
オクトパスカードの購入も一悶着あり、「我想買八達通」と言うと、「いくつかの選択肢があるが何が欲しいのか」と多分言っているであろうことを聞かれ、当然答えられないので、お互い困り顔で天を仰ぐという有様。
「weit here」指さされた列に並び、列に従ってたどり着いたカウンターでなんとか購入することができた。
ちょっと凹むが、一応やりたいことは1つひとつクリアしているのであり、60点くらいのクオリティであると納得するしかないかぁ。
それにしても腹が減った。
昼の時間だ。
一瞬、マクドナルドで済まそうと思った昼食だが、空港を散策すると、チャーハンとか、カレー煮込み的な何かなど、いかにも香港っぽいものを出している店があったので、せっかくなのでそこにする。
「loast goose,milk tea」何より食券売りのお姉ちゃんが怖かったので、無理をせず英語で注文する。
食券を渡してしばらくするとおばちゃんが叫んだ。
「ンーロッパーツァッ」「あ、5687番か、俺だ」数字の読み方勉強しといて良かった。
やはり南洋の中華料理は台湾と似ていて、全体的にあっさりしているらしい。
でも全部食べたら丁度いいような味付け。
下晝
地下の無印良品には日本語のパッケージの商品が並んでいて驚く。
ローカライズされてないんだな。
オクトパスカードを買っているので移動が楽。
日本の気候に合わせてきたので、香港の蒸し暑さに少し参りながら、尖沙咀駅に降り立ち、地上に出ると、その光景に圧倒されてしまった。
香港は狭くて人が多い。
人の多さもその人種も、行き交うスピードもエネルギーも尋常ではない。カオスだ。
平日の昼でこの有様だと、旧正月のようなイベントにどうなるのか想像もできない。
この異常なくらいエネルギッシュな街で暮らすというのはどういうことなのだろうか。
蒸し暑さと人のエネルギーに当てられて少し疲れてきた。
尖沙咀のちょっとだけ外れにあるホテルが今回の宿だったが、実際見てみると思った以上に大きくて驚いた。もう少しアットホームなホテルじゃないかと勝手に思っていたので、少しビビる。
さてここで次の目標、「英語か広東語でチェックインする」だが、レセプションの小柄なお姉さんに広東語がまったく通じない。
それでもカタコト英語でチェックインはできたが、「日本語できる人いますか」さえ通じず、ちょっと凹みつつモチャモチャやってると、50代くらいの女性に声をかけられた。
「何かお困りですか」日本語だ。
「英語部のリーと言います。何かお困りでしたら、お伝えください。」
助かった。
これでシャワーの使い方がわからなくても、失敗して鍵を部屋の中に忘れて閉めてしまってもなんとかなる。
もちろんそんなことがなければ一番だが。
尖沙咀がどんなところかと問われれば「新宿と銀座と青山と道頓堀を配分がどうとか考えずにグチャっと混ぜて、そのまま沖縄に放り込んだような場所」だ。
ヴィトンの斜向かいに怪しいインド系の人達がたむろする巨大な雑居ビルがあり、そのあいだのヤシの木が植えられた大通りを2階建のバスが怖いくらいのスピードで次々と疾走する。
件の怪しい雑居ビル、重慶大厦で両替をしながら「こんな暑いところでこのエネルギーで生きていて疲れないのだろうか」と思った。
それにしても尖沙咀はいままでちょっと記憶にないくらい騒がしい街だ。
ガイドブックによると中環から上環にかけては、ややゆったりしたエリアらしい。
途中、MTRを乗り継ぎ、地上に出る。
どこがだよ、ここも騒がしいじゃねーか。
お茶を買いに行くまで元気が持つだろうか。
メロンパンとの違いが気になっていたパイナップルパンは、クッキー生地をつかっているもののふんわりした食感で、甘さ控えめな代わりにバターががっつり挟まっている。
やはり南洋中華料理は甘さや塩味は優しいが、油は惜しみなくねじ込んでくる。
ちなみに「ビンサッ(アイスで)」と頼んだが、ホットで出てきた。やはり広東語が怪しい。
挨晩・夜晩
台湾と香港では飲まれているお茶が違う。ここ香港でもお茶を買うことにした。
比較的リーズナブルにお茶が買えるという、事前に調べたお茶屋さんに向かう。
件の店は庶民的と紹介されてた割りには綺麗な店構えで、「意外とお高いかもしれないからゆっくり選ぼう」と思ったら、入るやいなや「どのお茶を選ぶの?」とお店の女士。
あまりの出足の速さに面食らってすっかり飲まれてしまいそうになる。
「あ、ちょっと見るから」と止めて一旦ははなれたけど、3分もしないうちに「どれにする?」圧倒的なスピード感だ。
「じゃあ普洱と白牡丹と・・・」初めからある程度決めてなかったら飲まれて鉄観音とか買ってたと思う。
入店から決済まで、あまりのスピードに高かったのか安かったのかさえも判然としない。
路地裏でやっと見つけた静かなバーで、アジア風のサテ風味の麺とビールで夕食をとって、ホテルに戻ることにした。
香港の人はよく食べるというが、なんとなくわかった。
とにかく食べないと、この街のスピードとエネルギーについていけない。
中身は雑貨屋さんで何をパクったのか判然としないが、そんなことを気にしていてはこの街では置いていかれる。
街中に沢山ある両替の店の多くはレート的にはボッタクリであるというが、店もお客もやましい空気は微塵もない。
中環駅のホームでなぜかウェディングドレスを着た女性を見たけど、この街なら何でもありだ。
ホテルに戻る道すがら、漢方茶のカフェで、女性がボーッとしていた。
きっと明日に備えて充電しているのだろう。
食べて、稼いで、友達と騒いで、恋をする。
この街は、人間の欲望の明るさを全力で肯定して前に進む空気に満ちている。