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2022-05-13

シン・ウルトラマン 感想(ネタバレなし)

シン・ゴジラ面白かったのでシン・ウルトラマンも期待出来る!

と思い初日に観てきました。

シン・ゴジラとの比較感想を語っていきたいと思います

参考になれば幸いです

筆者について

アラサーの男

ウルトラマンほぼ未見

特撮積極的には見ない

ゴジラシリーズは全作観ている

平成ガメラシン・ゴジラは超がつくくらい好き


結論から言うと面白くなかったし、好きにもなれない映画だった

特に自分みたいにシン・ゴジラ期待値を高めた人には合わないだろう

いろんな意味真逆と言ってもいいつくりになっている

まず、全体的にノリが軽くコミカル

禍特対の連中は怪獣の襲撃中でも軽口を叩いているし

戯けた演技で怯えたり喚いたりしている

からプロフェッショナル感がない

シンゴジだと登場人物をその道のプロとしてちゃんと描いてて

全てに「本気感」が見えるし、そこが観客のストレスをなくして良かったと思ったんだけど

シンウルトラマンではノリの軽さからか「本気感」が見えず観ててイライラしてしまった

次に、テンポの悪さ

昨今の邦画よろしく台詞による状況説明が凄く多いんだけど、

説明説明しか機能しておらず、ストーリーの動きを兼ねていないので退屈に感じる

説明箇所も観客が既に知っている情報を改めて言い直したり

話している内容そのものが興味を引く部分ではなかったりして

登場人物意味ありげに喋りだすと「止まってしまう」感じがある

さらセリフの退屈さを補うためか、妙なカメラアングルを多用するのだけど

妙な構図なだけにセリフに伴う演出も伝わりにくく

より退屈さを際立たせてしまっていると感じた

(この辺りはもしかしたら自分の分からないコンテクストがあるのかもしれない)

シンゴジでは(特に序盤の会議シーン)そのあたりの処理が非常に上手く

矢継早に状況の説明をしながら登場人物立ち位置物語の動きをスマートにこなしていて

当然構図や絵面なんかも演出意図に応じてビシッとキマっているか

情報に常に動きがあって気持ちが良かったりする

これはエヴァでもそうなので庵野監督の力量によるところが大きいのかな…と

樋口監督、進撃の実写でも説明シーンやセリフが退屈に感じられたので…

最後に、キャラクターの魅力の無さ

これは結構致命的な部分だと思います

愛着を持てる登場人物が一人もいなかった

禍特対の面々も、いかにも変人でございってなセリフや演技をしてキャラクター性を作ろうとしてるんだけど

いかんせんそれが物語登場人物がこなす役割と一致していないので「ただ変なことを言う人たち」でしかない

極端な話、神永以外の禍特対の面々の性格が全員違ってても物語が成り立ってしま

要人物がその内面性故に物語役割を果たす場面がとても少ない

からキャラクターに対する思い入れや魅力が生まれ得ない

そもそも内面が見える場面も少ないし

怪獣や異星人の行動に驚いたりするくらいで、それも皆一様に同じ反応

禍特対の面々って終盤まで単なる驚き要因でしかないんですよ

当然キャラクター同士のアンサンブルも生まれないし、物語の動きも生まれないし

それが前述のセリフの退屈さにつながってくる

おまけに端役の愚かなキャラが順当に愚かな行為で足を引っ張るので

キャラクター性によるストレスだけはある状態

そもそもストーリーライン基本的

「強大で狡猾な異星人の策略に右往左往する地球人日本人)」でしかなく

主要キャラクター受動的な立場しか動けないんですよね

それを打開するのも結局ウルトラマン超自然的な能力なので

取り付く島もない異星人同士の喧嘩が終盤までずっと続く

シンゴジの場合登場人物役割がしっかりしているので

ゴジラの襲撃という受動的な立場ながらも人が話を動かしていく様子がちゃんと描かれている

職務としての役割をメインに描いてるので一般的キャラクター作劇とは少し違うのかもしれないけど…

人間ドラマなんてなくても良いものは作れる、という評はシンゴジ放映当時しきりに聞かれたことではあるけど

それはよほど上手く作られた群像劇からこそ成り立つ手法であって

作品との兼ね合いが悪ければただ単につまらないだけのモノになってしま

シンウルトラマンも余計な人間ドラマはないんだけど

いからこそどの登場人物にも思い入れを持てないモノになっている

別にたっぷりしっとりメロドラマをやれとは言わないんで

何かしら人間描写の中でグッとくる要素は欲しかたかな…

総評

以上、主にストーリーの面で色々と批判的になってしまったけど

戦闘シーンなんかは流石に樋口監督、カッコよかったので

ダメ映画とまでは言うつもりはないです

上記批判も多分にNot for meな部分があります

初代ウルトラマンを知らないと楽しめないのかは分からない

ただ物語自体理解やすいし前知識も要らないので間口を広く作った映画だとは思っている

ただ作劇の本質的な部分で弱さや粗さを感じて残念だったし

それが恐らくウルトラマンシリーズに詳しくなったところで評価の変わる部分ではないとは思う

2022-04-28

anond:20220428214323

そうは言いつつも急に弱気になったりするコミカルさを楽しむ曲じゃない

それにあれって「最近は頼りになる男がいない」ってスナックママのボヤキを聞いて書いた曲らしいしな

不快に思う女性もいればああいう曲が聞きたかった女性もいるってこった

2022-04-26

ゴールデンカムイ発禁にすべき

悪の帝国ロシア舞台にしてる描写もあるのに、コミカルに描いたりしてて非常に不快

人が嫌がる可能性のある描写禁止すべきだろ

たわわどころの話じゃないんだよ

現実侵略してる国を舞台コミカルコメディやるな

人権侵害甚だしいだろ

いい加減にしろ

2022-04-17

僕の妻は感情がない(34話)の感想備忘録

https://www.pixiv.net/artworks/97652638

基本的には色んな作品ネタバレと、ただの連想の垂れ流し

ともかく、今回の話は凄かった

杉浦氏が「34話、うまく描けた気がする」「自分は34話みたいなお話が描きたいんだな」と言うのも良く分かる

ロボットの考えてた事を吐き出せてスッキリしたけど、もう自分の中に何にもないな…そろそろインプットしないとな〜」となるのも良く分かる

これを描いてしまうと、この先に何を表現すればいいのかが見えなくなってくるだろうな、と

とりあえず、私は私が感じたことを書いていくことにする

ネタバレ要素】

ちょびっツブルーピリオド物語シリーズライ麦畑で捕まえて、異世界迷宮の最深部を目指そう、風の谷のナウシカ、余は弁明ス


4コマ目】

「大切な友達自分を壊してくれって言ってるのよ」

真剣に聞かないでどうするの」

これ、本当にたまらないセリフですよね

最後コマセリフを聞いてから読むと、この時の気持ちが、もう伝わってくるようで

【5コマ目】

個人的に好きな所

ロボット」というのをある種の比喩である解釈した時

これは親による教育比喩でもあるなあ、と

【6コマ目】

「何か問題があるとしても家族で乗り越えてきたかったそうです」

ここは難しいところ

家族でやるのが正しいのか、アップデートという名の支援を受けるべきであったのか

答えはない

【7コマ目】

今回のメイン

表情も含めて、本当に苦しい

「ただ ロボットがすごく気持ち悪いの」

「不自然で何も生み出さないくせに 人間みたいな顔をしてる」

ひとつ残らずいなくなればいいのにって思う」

自分が何も生み出せないことを“気持ち悪い”と思い、自分自身の事を“不自然であると感じる

誰しも、同じような気持ちになったことがあるからこそ、このセリフは響く

ある種の特性・特徴を持ち、自分がその特性ネガティブに感じている時、“いなくなればいいのに”と感じるよなあ、と思った

「早く人間になりたい」と何度でも思うのだ

ひとにすがたを 見せられぬ

もののような このから

「早く人間になりたい!!」

――作詞第一動画文芸部 作曲田中正史「妖怪人間ベム



【8コマ目】

「私はずっとロボットを 町から追い出したいと 思っていました」

「追い出すということは その先で壊されることも あります

友達からって特別扱いするわけにはいきません」

後のコマを見てもわかるんですが、これもこれで本心なんですよね

久永先輩の誠実さ(フェアさ)はこういう形なんですよ

自分を偽らない、自分規律に従う

厳しく辛い道である

決して状のない人間ではないから故に

もう一つ言うなら、今回は一人の人間が持ち得る色々な思想・考え・立場をそれぞれの登場人物に振り分けているところが読み応えのある所だな、と

タチコマ会議を思い出す

【9コマ目】

「みんなのことが好きで ホイホイ入っちゃったところがあって…」

ロボットを追い出すって どういうことか 考えてなかったんです」

「あの子たち みんないい子で やさしくて 頑張り屋なんです」

人間と同じくらい… ううん! 人間よりずっと…」

自分(自分たち)と違う相手排除することについて、深く考えてこなかった”という自覚

これを吐露することがどれだけ難しいことなのか

杉浦先生の、本当にフェアな所はこういう台詞に出てきますよね

ロボット“をある種の比喩であるとも捉えている立場としては

この種の「良い子で優しくて頑張り屋で、純粋なんです」というセリフが刺さる

10コマ目】

「そのような社会で うまくいかないことだらけの 人間と深くかかわろうと するでしょうか」

ロボット人間から パートナーを 奪ってしまうんです」

ここが、この話の本質

自分にとって都合の良い存在”を希求する

頑張っていない人より、頑張っている人の方が好きだ

意地悪な人より、優しい人が好きだ

醜い人より、美しい人が好きだ

自分の事を理解してくれない人より、理解してくれる人の方が好きだ

自分を憎む人より、愛してくれる人の方が好きだ

至極当たり前の人だ

自分に害をなす人を、自分にとって“良いこと”がない相手をどうして大切にできるのだろうか

好き嫌いや損得は非常に大事観点

それをなしに、我々は我々を規定できない

その町には 誰もいなかったの

お家もあるし

から明かりも見える

でも 道には誰もいない

から中をのぞいてみた

ヒトがいた でもアレといっしょだった

ほかの家もみた

やっぱりアレといっしょだった

この町も ほかの町とおんなじだった

アレといっしょは楽しいから

ヒトといっしょより楽しいから

みんなはもう外には出てこない

この町には誰もいない

――CLAMPちょびっツ 第1巻」

最初は 好き好き言っててもさ」

パソコンみたく 自分に都合のいい相手が現れたら ぜーんぶ ひっくり返して なかったことにするんじゃないかって」

――CLAMPちょびっツ 第3巻」

これとか、これとか、これとか、これとか、これとかで考えていたことと近いな、と感じる

12コマ目】

自然だとどうして良いんですか

個人繁殖して 種を保存するために いるわけじゃありません

これは根本的な質問

「不自然で何も生み出さないくせに」への反論にもなっている

「裸も」

「裸を飾ろうとする 人間自由さも醜さも 全て愛しいじゃない?」

――山口つばさブルーピリオド 第5巻」

別に幸せになることが、人間の生きる目的じゃあないからな」

幸せになれなくとも、なりたいもんになれりゃいいんだし」

――西尾維新恋物語 第恋話 ひたぎエンド



【14~15コマ目】

いくら努力しても 振り向いて もらえない人は?」

死ぬほど頑張って 恋人友達も 出来ない人は どうするんですか?」

「一生孤独に 生きて行かないと いけないんですか」

「… 振り向いて もらえなくても 努力無駄に ならないはずです」

「久永さん 美人からそんな事 言えるんですよ!」

「頑張って 頑張って 頑張っても 誰ひとり 振り向いて 貰えない人に」

「それでも『成長できてよかったね』って言うんですか?」

「言います…」

「人でなし!」

ここはコミカルに描いているように見えて、凄く鋭い

物語主人公理想を語ることがあるが

皆がその理想に殉じられるわけではないということに通ずるものがある

そうはいっても腹は減るし、金は欲しい。人を憎むことも上昇を望むこともある。すべて人の業である

もとより、私は、こはれる。私は、たゞ、探してゐるだけ。汝、なぜ、探すか。探さずにゐられるほど、偉くないからだよ。面倒くさいと云つて飯も食はずに永眠するほど偉くないです。

私は探す。そして、ともかく、つくるのだ。自分の精いつぱいの物を。然し、必ず、こはれるものを。然し、私だけは、私の力ではこはし得ないギリ/\の物を。それより外に仕方がない。

それが世のジュンプウ良俗に反するカドによつて裁かれるなら、私はジュンプウ良俗に裁かれることを意としない。私が、私自身に裁かれさへしなければ。たぶん、「人間」も私を裁くことはないだらう。

――坂口安吾「余は弁明ス」


【16コマ目】

文明が発達して それをしなくても済む人が 沢山増えました」

お腹を満たす事以外に リソースを割く事が できるようになった代わりに その過程で 無くなった仕事や大切な物が 沢山あったと思います

ロボットが居る事で 私たち必死に苦労しなくても 心を満たせるようになる」

「満たせない事で 苦しまなくて 済むようになる」

「代わりに失うものも たくさんあるでしょう」

「でも私は そうするべきだと 思います

「心が満たされた あとの社会

「その向こう側に 行けると 信じているからです」

ロボットと 一緒ならね」

ここがどうしてもこのエントリを書きたくなった所だ

以前に語ったように、人間は「自分でできることの増加」ではなく、「自分の周り(環境)」を変えることを志向して進化してきた

科学とは再現性学問から

究極的には、全てが自動で行われる「システム」となるかもしれない

その時、我々は、我々の意識は何を希求するのだろうか

その向こう側に行けるのだろうか

「信じているからです」と言いきる、その横顔が眩しい

機械も含めて、全ての存在(生命も含めて)に対する信頼が見える

「…………どの真実をだね?」

「あの時代 どれほどの憎悪絶望世界を満たしていたか想像したことあるかな?」

「数百億の人間が生き残るためにどんなことでもする世界だ」

「有毒の大気 凶暴な太陽光 枯渇した大地 次々と生まれる新しい病気 おびただしい死」

「ありとあらゆる宗教 ありとあらゆる正義 ありとあらゆる利害」

調停のために神まで造ってしまった」

「とるべき道はいくつもなかったのだよ」

――宮崎駿風の谷のナウシカ 第7巻」

自分の罪深さにおののきます

私たちのように凶暴ではなく おだやかで賢い人間となるはずの卵です」

――宮崎駿風の谷のナウシカ 第7巻」

私は私のために生きる。あなたあなたのために生きる。

私はあなたの期待に応えるためにこの世に生きているわけじゃない。

そしてあなたも、私の期待に応えるためにこの世にいるわけじゃない。

私は私。あなたあなた

でも、偶然が私たち出会わせるなら、それは素敵なことだ。

たとえ出会えなくても、それもまた同じように素晴らしいことだ。

――フレデリック・S・パールズ「ゲシュタルトの祈り

天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある。

旧約聖書「コヘレト言葉




17コマ目】

ロボットが 初めて 二足歩行した時 感動したと 思うんだよね」

「? そうですね」

「で 次は段差を どう乗り越えるか 観たくなるでしょ?」

「歩行コースブロックを 置くでしょ?」

「私 ブロックになりたいの」

全然文脈が違うが、「ライ麦畑で捕まえて」を思い出す言い回し

「ともかく僕は子供たちがみんなこの大きなライ麦畑の中で何かゲームをしているところを思い浮かべるんだ」

「何千という子供たちがいてね、辺りには誰もいないんだ」

大人は誰一人いないんだよ。その僕以外はね」

「そして僕はすごく急な崖の端に立っているんだ」

「僕がしなきゃならないことは、子供たちが崖から落ちそうになると捕まえてやることなんだ」

子供ってのは走っている時には前を見たりしないから、僕がどこからか出て行って捕まえてやらなきゃならないんだ」

「一日中僕はそれだけをしてる」

「僕はライ麦畑の捕らえ人になりたいんだ」

バカみたいだってことは分かってるけど」

――J・D・サリンジャーライ麦畑でつかまえて」



【18コマ目】

「私の意見は 変わりませんが 皆さんの意見も 変えられませんでした」

「今回の件は保留ということにします」

地味に好きポイント

やはりフェア


20コマ目】

「そうだ 『勇さんを壊すべき』と 結論が出たら当然 壊さなければいけない」

「『壊すべきでない』と 結論が出たら 勇さんの内面否定することになる」

「どちらにしても 勇さんは救われない」

「どうすれば…」

やはり誠実だ

そして、ここのテーゼアンチテーゼが次のコマからアウフヘーベン布石となる

24-25コマ目】

あなたが誰かを 傷つけても」

「人やロボットを 殺しちゃっても」

自分を 殺しちゃっても」

「私は そのとき 一緒にいたいの」

あなたの代わりは 世界のどこにもいないから」

「殺していいって言ってます?」

「久永先輩 いいんですか? こんなの」

いいわけ ないでしょ」

「でも その 良くないことで 勇さんは救われたの」

これがジンテーゼとなる

否定肯定も、自分が認めがたいことも含めて、それ自体を受け止めてくれる他者

これが正に尊厳であり愚行権であり、ハーム・リダクション的でもあり、アクセタンである

ただあるがままを受け止めて貰い、その衝動も含めて「(肯定でも否定でもなく)存在承認」してもらうこと

「正しくあれ正しくあれと教えられっ、教えられた通りに正しく生きて正しく生きてっ、最期には正しいまま死んでしまってっ! やっとそれに気づきました! 正しくあれなんてそんな言葉、教えた人の都合でしかありません! ええっ、薄々とわかっていました! 正しい人ほど不幸になるってことくらい!!」

「だから、わたくしは思うのです。ええ、いまこそ、正直に申します。

 ずっとずっとわたくしは――間違いを犯したかった」

――割内タリサ異世界迷宮の最深部を目指そう 5章.庭師名無しの物語 207.光の理を盗むものとの遭遇」

神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。

変えるべきものを変える勇気を、

そして、変えられないものと変えるべきもの区別する賢さを与えてください。

一日一日を生き、

この時をつねに喜びをもって受け入れ、

困難は平穏への道として受け入れさせてください。

これまでの私の考え方を捨て、

イエス・キリストがされたように、

この罪深い世界をそのままに受け入れさせてください。

あなたのご計画にこの身を委ねれば、あなたが全てを正しくされることを信じています

そして、この人生が小さくとも幸福ものとなり、天国あなたのもとで永遠幸福を得ると知っています

アーメン

――ラインホルド・ニーバー「ニーバー祈り

あなたの其の瞳が頷く瞬間に初めて生命の音を聴くのです

天鵞絨の海にも 仕方のないことしか無かったら

あたしはどう致しましょう

――椎名林檎依存症




【27-27コマ目】

「みんなが」

「勇さんが 要らないって 言うまで 無くしたりしない」

大丈夫ですか?」

大丈夫じゃないわ」

「もう少しで友達を 壊さなきゃ いけなかったの」

もう、なんというか

ズルいと思う、このセリフ

これをやられたらもう何も言えない

2022-03-31

anond:20220328144403

どうでもいいがなどと言って責められるのを回避しつつ、大阪芸人を見下している。

理解できないのは、理解力が… 理解できるまでの寛容さが足らんのではないか

ビックリしてドン引きした時に使えて、真剣喧嘩にならないようコミカルさをプラスできるので、便利な言語表現だと思う。

2022-03-27

コンテンポラリーダンスを見た?

いやおれが見たのは本当にダンスだったのかなあ?

配信近藤良平という人の「夜のカフェテラス」というのを見た。

近藤良平という人はコンテンポラリーダンサーというはなしだから、きっとこれはコンテンポラリーダンスなのだろうと思うのだけれど、自分想像するダンスの枠の外すぎてわからなくなっている。

赤ちゃんが初めて立ち上がる瞬間の演技や、雌鶏が走り回って卵を生む演技なんかはぱっと見でそれとわかってすごいなあと思ったし、たまにあるちゃんとしたダンスっぽいのもよかったと思う。所々のコミカルパントマイム的な演技もそれはそれで面白かったのだけれど、大中小のクマぬいぐるみとのダンス?とか、笛やラッパを吹いているところとかはこれは一体何を見ているのだろうと不思議気持ちになった。

たぶん理解できないんだろうなあというのは覚悟して見始めたものからそれはそれでいいのだけれど。でもできれば自分が見たものが何なのかもう少し理解したいという気持ちもある。

2022-03-23

プリコネアニメがつまらなすぎて驚愕してる

2期が始まったと聞いて未視聴の俺は1期から見始めて今1期9話まで観たけどつまらなすぎてヤバい

話がつまらない。

アニメウマ娘を作ったサイゲームスから冒険ドラマ的なのを期待したら、美食ギルド???

1話ごとに新キャラ出すせいで話の大筋を入れ込めない1話完結(しか面白くない)構成ばかり。

特に6話のアオイの登場とか酷すぎる。いきなり初対面同士なのにモンスターから助けた後に聞いてもないのに「私友達がいないんですぅ!」。

こんなのソシャゲプレイ済みじゃなければニチャニチャした笑顔で迎える事は到底不可能なシーンでしょ。目が点になったから腋だけ見てたわ。だからプリコネやってそうとか言われるんだよ。

主人公ユウキにしては男を活躍させたりしゃべらすとオタクがうるさいか記憶喪失にして、

まともに会話できないけど性欲はないみたいな去勢池沼キャラにされてる。これってソシャゲの方でも同じなのか?一生やらんからどうでもいいか

視聴者に好かれる試みすらしない主人公とか斬新だけど、誰もしなかった理由くらい察しろよ。鬼滅ほどじゃなくていいけどタンジェロくらい好かれるキャラにするトライくらいしたら?

全体が「ソシャゲ既存プレイヤーに向けたものにするためにできるだけ沢山キャラを出そう」ありきのもので、「プリコネ自体知識ゼロ」の俺からしたら全く楽しめないアニメになってる。

ドラマ性で言えばスポコンを下地に描いたアニメウマ娘の方が構成が良かったし無理にキャラを沢山出せて喋らそうとしなかったのは英断だった。

キャラの表情や動きは多彩ではあるけどそれが面白さに繋がっていない、それでいえばこのすばのようにキャラ個性人格が行動やアクションに直結して場面内で完結しているアニメの方が面白い。

何よりキャラを沢山出すせいでメインキャラクター内面を掘り下げる場面がほとんどない。

これで初見キャラを好きになれとかいうのは無理がある。

コリーヌも天然無邪気キャラなのは分かったから、彼女がそうなった理由を半分の6話までにちゃんと描くべきだろ。過去を描け過去を。主人公池沼にした弊害だろこれ。

ドラマとしてもギャグとしてもキャラとしても冒険ものとしてもどの方面から微妙すぎる。1期アニメ放送中も話題になってても全く観る気がしなかったのは視聴者レビューからストーリー性をまるで感じなかったせいだろう。

サイゲームスは本当にこのアニメでプリコネユーザー増えると思って作ったんか?2期は1話最終話だけ観ようと思う。

1つだけ褒めるとしたらリマキャラだけは良かった。コミカル人格も入っていて動きも可愛らしかったし話を回せるパワーがあった。

惜しむべきはプリコネアニメ全体にリマのようなパワープレイができる要素がいくつかあれば良かったかなと思う。

2022-03-05

YouTube外人アクター

アニメ見て絶叫されてもな。

あと、コミカルなシーンだろうがシリアスなシーンだろうが常に大笑いしてるリアクターとかも人気あるけど外人感性わからん

2022-02-21

anond:20220221091739

お前は鹿児島実業男子新体操部を舐めすぎ。

コミカルな演技と確かな技術で毎年インターハイで注目を集める鹿児島実業高校男子新体操部。全国に多くのファンがいることで知られています

https://www.youtube.com/watch?v=kMGl58EZWNQ

2022-02-11

anond:20220210182124

創作部にいちいち腹立てるほうがおかしいとか、創作物のキャラ現実から切り離して考えろ

って奴いるけど

ナンパ師やホストファミレス飲み屋ドライブ中の車のなかで

いかにして女をチョロく引っ掛けたか

とか

いかに女という生き物が低脳か」

とか

いかに高額な貢ぎ物貰ったか、ハメ撮り転売でクソほど儲けた武勇伝

とかをコミカルに語らう『イケメンヤリチン日常』って漫画を俺が描いてTwitter投稿しても絶対に叩くなよ!?

約束できるか!?念書書けるか!?

2022-02-05

anond:20220204190811

大怪獣とは言うまでもなくかつて経済大国であった日本メタファーであり

この映画日本という没落していく経済大国に生きる若者たち暗喩しているのだ

先人が残した原発、硬直した社会システム政治の腐敗というゴミ処理に

うんざりしながらも力強く立ち向かっていくこれから世代を時に哀しく時にコミカルに描き出しているのだ

そういう感じなんだろ。見てないけどわかる。

2022-01-28

anond:20220128111319

そう、そんな感じ。

ひとつぶんだけ、コミカル感情を与えてくれる感じをうけるんだ

anond:20220128110748

>これは、本気で命令するときに使ったら失礼。

なるほど。なんというか

~ませは少しコミカルな感じがするんだよね。

漫画貴族というか

2021-12-24

anond:20211224120614

窃盗犯をコミカルに描くのは、被害者感情を傷つけるし、

いい加減、フェミニストルパンを叩いた方がいい。

2021-12-21

anond:20211220181345

コミカル容姿、要するにデブスだからこそ面白がられてテレビに出ている田辺さんやあんりやかなでがデブ、ブスと男性芸人から罵られることは一切と言っていいほどなくなっている

マジでカテゴリの女か「嘲笑う」と書く方のお笑いお笑いだと思ってる倫理意識の低い低脳しか支持してないよな

そのくせ他虐はダメってこっちがフラストレーション貯まる一方じゃないか

2021-12-20

anond:20211220115523


テレビ仮面ライダープリキュアくらいしか見ていないのになぜかお笑い番組文句をつけるオタクのみなさんは知らないだろうけど

ここ数年、お笑い界は物凄い勢いで価値観アップデート(笑)が進んでいて

コミカル容姿、要するにデブスだからこそ面白がられてテレビに出ている田辺さんやあんりやかなでがデブ、ブスと男性芸人から罵られることは一切と言っていいほどなくなっている

ダウンタウン浜田だけはそういうことを言う、そして浜田から……と何となく許されている)

第七世代芸人の中には宮下草薙EXITをはじめ「乳首NG」を正直に表明して

水泳企画だけど上半身裸になるのが嫌な人は海パン一丁ではなく半袖Tシャツを着用している場面もある

コロナの影響もあって出川上島ですらノリでキスをしたりズボンを脱がして局部晒すようなこともなくなった

男性芸人同士の容姿弄りもほとんど見なくなったし

タライの位置は痛みのリアクションを取れないほど近くになり寿司の下のワサビは甘口かつごく適量になりハズレなのかどうか判別できないほどになった

ゴールデンタイムコンビニスイーツを紹介したりみんなで健康体操をしたり節約レシピを紹介したりコストコを巡る主婦と老人向けの番組が中心になっている

雛壇でブラマヨチュートリアルがお互いを罵り合い暴露大会を繰り広げているようなのは遠い遠い昔の出来事なんだよ

今はもうなくなってる状態なの、何年も前に


でも人間は稲ちゃんを「肌きたねぇな」「ハゲてるな」「すげえアゴだな」って思うことを止められないし

あさこや光浦さんを女性として愛する男は現れないし

サンドウィッチマン鬼越に「人殺してそうな顔」という印象を持つし

人間ルッキズムから逃れることなんかできない


ぺこぱがウケたのは「人を傷つけない笑いだから」ではなくて

シュウペイが若林みたいなツッコミかと思えばボケキャラ

対する松陰寺がツッコミ、かと思いきや突っ込まない、っていう二段階の裏切りを用意するギミックがあるから

ダブルボケ」の笑い飯、「ボケツッコミ」のオードリーみたいにセオリーを崩すのが斬新だっただけ

どうせテレビなんか見ないポリコレ戦士勘違いされて勝手に持ち上げてるけど

別に松陰寺は聖人君子でもなんでもない

お笑いだって小説漫画みたいにプロットから書き起こして舞台みたいに「台本」を作ってそれを覚えて2人が喋ってるんだよ

台本なんだよ台本

キャラクターなんだよ

作ったキャラクターの台詞を喋ってるの

自由表現行為ひとつに過ぎないんだよ

フェミニスト漫画アニメなんか見ないくせに横から文句言ってくるのと同じでお前らオタクくんが見もしない番組文句つけてやってることは表現規制なの


お笑い芸人視聴者もいいかげんお前らみたいなのにうんざりしてて今は相当フラストレーションがたまってる状態から

不細工社会進出の機会を奪うな!」「腫れ物に触るみたいにするな!」「面白い物は面白いだろ!!」って蜂起する時が近々来ると思う

ももの台頭はこれを機にテレビ業界ルッキズム見直して云々ではなく

とっくに見直している上で揺り戻しの時期が来ることを示唆しているのだと思う


アマプラのドキュメンタルR-16指定がついていた

もうお笑い番組は全部ある程度の大人向けってことにして注意書きをすればいい

不快になる表現が含まれている場合があります、了承できる人だけご覧くださいってさ

チャンネル替えればいいんだからそんなこといちいち言わなくても了承してる人だけが見てるのが前提なんだけどな、本来


ミルクボーイ漫才だってコーンフレークが好きで好きでたまらない人が見たら傷つくんだろうから

人を傷つけない表現なんて無理だよ

わかったら増田はもうこれから仮面ライダープリキュアしか見ないでね

美男美女しか選ばれない世界ではなくハゲた歯無しのおっさん糸目のブスが主役になって楽しむことができる世界であってほしいか

2021-12-12

マンガコミカルタッチコマ

コミカルタッチコマを入れてクスリと笑わせる技法を取り入れたのはどのマンガ最初なんだろう。

自分がすぐに思い浮かぶのはスラムダンク

劇画タッチ作画だとそのギャップ効果が出るイメージ

2021-12-02

anond:20211202085416

もっとシリアスな話だと思いつつも、コミカルタッチイラストで狐が虎の腰に噛み付いてるのを想像してちょっとフフってなってしまった

かわいい

2021-12-01

anond:20211201192936

ご丁寧に返信ありがとうございます

レビューはいつも笑わせてもらってます

偶然であったときに読んでる限りのニワカで申し訳ありませんが、コミカルな筆致がたまりません。

もしも夜画帳を読まれたなら、どのように料理されるのか楽しみにしております

でもBLはお高い漫画らしいので無理せずに趣味じゃないと思ったら買わないでてください。

これからも頑張ってレビュー継続して下しあ。

よろしくかしこ

2021-11-28

春画引退した春画師・ナミンの前に稀代の男色家・スンホが現れた。

BLレビュー増田、どこ行った。

そろそろレビューする頃かと探したが見つからない。

表題BL漫画は読んだのか。

いや、BL増田のことだからもう読んだものだと思う。

 

 

夜画帳。

1990年代エロゲ彷彿とさせるセックスバイオレンスの濃厚なBLだ。

悲惨エログロで救いがあんまりない。

世界BL大人気だそうだ。

 

 

 

いつもコミカルレビューを書いてるBL増田はこれを読んでどう思っただろうか。

BL増田レビューが読みたい。

過去に書いたことがあるなら教えてくれ。

見つけられない。

まだ書いてないのなら一話だけでもいいので読んでみてレビュー書いてみてくれないか

読みたくない書きたくないなら無視よろ

2021-11-18

友人とゲームをやるべきではない人間

最近感じてたことを吐き出す。

 結論から言うと私は友人と(他人と)ゲームをするべきではない。一生1人でいた方が周りに迷惑をかけない、そう思った。

 私が友人とゲームをするようになったのは大学に入ってからだったと思う。それまでは部活やら受験やらで忙しかったし唯一ハマってたのもPS3バトルフィールドだった。そのバトルフィールドも1人で(クランも組まず)オンラインに篭ってたから昨今人気の「友達と協力して〜」みたいな遊び方ではなかった。

 そんなわけで高校の友人に誘われて始めたスプラ2がVCを繋いで遊ぶ初めてのゲームだった。スプラを通じて新しい友人もできたしオフ会もどきに参加したりもした。まぁこときから悪癖が発現し始めた気がする。

 私は俗に言うTOXICな(暴言等を吐く)プレイヤーだった。冷静に考えればアホな話なのだが、私の中ではシューティングゲームBF3のノリで屈伸や死体撃ち等の煽り行為日常茶飯事だと思っていた。付け加えればそれにキレて暴言を吐いたりイライラすることまでセットであり、ゲームにキレて当然とすら思っていた。しかし、実際は違う。ゲームはみんなで楽しむものだし間違っても身内に煽り行為をしたり暴言を吐いてはいけない。だのに私はそれをしてしまった。本当に申し訳ない話である。後々聞いたらすげー嫌なやつだと思われてたらしい、当たり前だ。

 そこでの友人たちとはスプラの他にも様々なゲームをしたが、私の気質は治らなかった(現在でも治っていない)。それに呆れて離れていった人たちもいると思う。現在でもゲームに付き合ってくれてる友人も過去に積み上げた好感度を消費して繋ぎ止めてるにすぎないんだろうなぁと思う。口が裂けてもそんなこと言えないが。以前Twitterで一緒にゲームをしてて楽しい人と楽しくない人の違いをコミカルに描いた画像をみた。私はクリティカルに楽しくない側の人間だった。その画像を作った人と面識はないが数多のRTいいねを見て共通認識なんだなと感じた。罪悪感とやり場のない悲しみが残った。今日も数少ない友人とVALORANTをやった。discordで無理やり呼んで付き合ってもらったが、つい「言わなくても良いこと」を言ってしまった。本人は気にしてる素振りを出さないが、解散して後になって自己反省会をして辛くなってる。しか相手に謝ることもしない、どうしようもない人間だ私は。楽しむはずのゲームで友人に不快感を与えることしかしない人間なんだとつくづく感じる。多分ゲームだけじゃなくて人生の全てでそうなんだろうなと思う。一生他人迷惑をかけて、不快にさせて生きていく人生

 一時期はこの病気を治そうと頑張ったが無駄だった。私は他人を褒められない。チンケなプライドのせいで他人の優れた点を見ても卑屈になるだけで認めることができない。褒めてくれる人間の方が良いなんて百も承知だが、褒めようとすればするほど「褒めようとしてる感」が出るし嘘くさい褒め言葉リップサービスしか出てこない。暴言だって止めようと意識するが二日も経てば元に戻ってしまう。かと言って自分特別優れたプレーをしてるとも思わない。たまに良いスコアが出てもなんとなく納得できない。出てくる感情嫉妬だけ。あいつの方がスコアが高い。ランクが高い。私は何と争っているのかわからなくなる。なんのためにこのゲームをしているのだろう。

 最近自分で誘ってゲームをしておいて、いざ解散したら自己反省会して他人ゲームをしない方がいいとか自分他人不快にさせてるなと感じる。もういっそ1人で生きていければいいのにと思うが孤独に耐えれる心でもない。毎日がただ辛い。話しかけて欲しい、構って欲しいと思うがいざそうなると毒しか吐けないし不快にさせることしかしない。死ぬときは1人なんだろうなと思う。多分今つるんでる友人も憐憫からだろうな。

 まとまらないが私が他人ゲームをするべきでない人間であることはわかる。いつかこ感情を忘れて無辜の友人を傷つけそうになったらこ日記を読み返して、この罪悪感、このやるせなさ、この非言語感情を取り戻そうと思う。お前は2度と友達ゲームをするな。

2021-11-06

最近読んだBL

今回は短編小説1冊、単行本1冊、雑誌1冊。

夜の眼(ジョシュラニヨン)

あらすじ

 事件記者パーカーは、連続殺人犯リッキー正義感から助けたが、恩を仇で返され殺されかけた。

 再び収監されたリッキーだったが、ある日刑務所を脱走して行方不明となる。リッキーから報復を恐れ、警察に付き添われつつ逃避行したパーカーだったが、護衛に着いてくれたスッタッグ警部補に好感を持ちはじめ……。

増田感想

 すごく面白い訳じゃないけど、つまらなくもない。終盤、もしリッキー復讐に訪れたら、その時パーカーはスタッグ警部補に何をしてもらいたいと願っていたのか、その胸の内を白状するところが、人間臭くてよかった。

秋山くん』第4巻 (のばらあいこ

あらすじ

 柴からプロポーズを受けて、結婚するのもいいかなと思った、秋山くん。だが、自分と柴がふわっふわしていて地に足が着いていない有り様を仲間達に指摘され、自分がしっかりしないと、と決意したのだった。

増田感想

 進路選択を機に我に返って現実を見る、というのはあるあるだけれども、世間に歩調を合わせて妥協するのではなく、「結婚する」という目標はブレないまま、それぞれ成長していくところがよかった。

 柴と秋山くんだけでなく、柴の友人のじおんくんやちえちゃん秋山くんの悪友達も彼らなりに考えて成長し、互いに影響を与え合っている様もいい。

 そして、地方ヤンキー底辺高校生達の人生を回すスピード感リアル。彼らは都会の大卒アラサーで悩むような事に、高校在学中に悩み決断するんだよなぁ。

 BL漫画を描くような人が、こんな感じの市井の人々にスポットを当て、「ヤンキー」という形だけでなく彼らの暮らしぶりのリアル肯定的に描くのは意外な感じがした。

 第1巻の、かなり酷すぎる性的虐めからまさかの展開の時点では想像もつかなかった、大団円。よかったわねぇ、皆……と近所のおばちゃんの気分でほろりとしてしまった。

ボーイズラブアンソロジーCanna vol.80』

 記念すべき第80号。飛ぶ鳥落とす勢いの人気小説家、凪良ゆう先生作品コミカライズ! というスペシャルな感じがあるんだけど、寄稿者の人数が今月も少なく、大丈夫なの……? と一読者の私は若干心配になるのだった。朝田ねむい先生の『スリピングデッド』が2話分一挙公開! さもなければ雑誌もっと薄くなってしまったよね。私は電子派だからリアルに本の厚みに一喜一憂は出来ないのだけれども。

 ちなみに、『Canna』のテイストエロ大人しめで、青年漫画に近い感じかな。変わった作風のものが多いと思う。じっくりストーリーを楽しみたい人向け。

 ではでは作品ごとに感想を書いていくぞ。順番は掲載順。文章量があからさまに思い入れに比例してて御免。

『積み木の恋』第1話漫画 黒沢要/原作 凪良ゆう)

 昨今はあまりにも小説が売れないが、ストーリーを作れるのはやっぱり小説家、ということで、小説コミカライズがお盛ん。しか小説コミカライズを読む度に、大体原作の方が面白いなって思う。やっぱ、漫画には漫画の、小説には小説のやり方があるんじゃないかな。

 という訳で、この作品もやっぱり原作読んだ方がいいんじゃないかなという感想私自身は凪良ゆう先生作風が好きだけど、『積み木の恋』は未読。原作の方が好きになれそうと思った。

 凪良先生の良いところは感情表現ユーモアで、ユーモアの方は台詞に出がちなのでいいとして、感情表現地の文に出がち。しか行間を読ませるというよりは分析的な文章なので、漫画の余白とか空気感表現しづらいんじゃないかなと思う。

 コミカライズ担当者がまずいという訳ではない。漫画化との相性がいい原作を選んだの? と疑問に思うだけ。

 現在、他誌でも凪良ゆう先生作品漫画化されているんだけど、そちらは近々ドラマ化される『美しい彼』で、コミカル台詞回しが多く、少女漫画セオリーを綺麗に踏襲しつつたまに強烈な逸脱を見せる作風で、より漫画向きな感じがする。



『MADK』第17話(硯遼)

 すごく評判のいい作品なのだが、私はつい最近(4、5号前かな)から読み出したせいで、話がさっぱりわけわかめ最近までは悪魔Jの過去話で、現在主人公マコトちゃんがなんか生首持ってJの家に来たところ。

 まあ、よくわかんないけど、マコトとJのどろどろの愛を楽しむ漫画なの? 今回はやばやばエロ回。Canna漫画っておかし性癖エロはあまりない感じなんだけど、本作の今回は若干アブノーマルかなぁ。最中台詞を読んで、それ奴隷商人痴皇(@『幽遊白書』)が言ってた台詞のやつじゃん、とツッコミを入れたりなど。

 読後の感想としては、今回もよく分からなかったなと。


逃避行じゃあるまいし』前編(タクアン)

 ストーカー?×恋愛の美味しい所だけ味わいたいグラスハート のおっさんずラブみたいな感じ。画風がサラリーマン向け雑誌みたいだが、エロはがっつり腐女子好み。エロシーン多め。「×」というよりは「VS」が似合う関係性のようにも思ったが、受けの人は粘着されて嬉しそう。まじかよ。


『青い人の主治医』第2話(hagi)

 第1話掲載した後数回休むってすごいな! と、これまで読んできた漫画雑誌といえば有名少年漫画少女漫画雑誌くらいの私は思うのだが、Cannaにはよくあることなのかもしれない。

 別にBLでなくてもよくないか? と思った。まあ、こういうBL好きな人もいるさ。


ベルガモットサニーデイ』第5話(キタハラリイ)

 相変わらずタイトルの響きが最高だなあ、ベルガモットアンドサニーデイ! 声に出して読みたいタイトル

 働く大人女子向け漫画っぽいもだもだした恋愛もの別にBLでなくてもよくないかという気がしないでもない。


『嘘つきな愛を買う――オメガバース――』第4話(ポケラふじ子)

 オメガバースって、二次創作においては行きつく所まで行ったニッチ性癖感あるけど、オリジナルBLにおいてはネタ範疇妊娠出産も一応入る為に社会派の側面もあるよねー。ということで、これもうっすら社会派っぽい雰囲気のある作品

 とはいえ、大概のオメガバースはαとΩのやり過ぎエロとかΩの業の深さを楽しむものだとも思う。本作も社会派っぽい面はあくまでおまけかな。


スリピングデッド』第6話&第7話(朝田ねむい)

 イエーイ今回一番楽しみにしていましたイエーイ!! 2話ぶん一挙掲載にしても凄い分量がある。全部で80ページ越えだもんな。

 ネタバレをしながら書くので、ネタバレ無しで読みたい人は読み飛ばしてください。


 今年の8月末日に刊行された第一巻の続き。殺人事件に巻き込まれ理不尽な死を遂げた佐田が、マッドサイエンティスト間宮に拾われ理不尽にもゾンビにされ、これまた理不尽にも食人をして生きることになったのが、第一巻までのストーリー

 巻末辺りで、間宮が実は顔見知りだったことを佐田は思い出す、という謎めいた展開に。

 今回は、佐田記憶結構ぼこぼこに抜けがあるのが判明しつつ、視点佐田から間宮に移る。

 これまでもっぱら佐田視点物語が進み、佐田の人となりを読者は佐田自己認識という形で知ってきた。ところが! 間宮記憶に残っている佐田人物像がとても意外。いや、表向きは佐田は昔から非の打ち所のない、ほどほど善良な人物だった。それを間宮スクカー最底辺のひがみ根性から偽善者」と決めつけていたのだけれど、あることがきっかけで、佐田邪悪な一面を垣間見たのだ。

 一巻までは、クレイジー科学者間宮翻弄されるごく普通の善良なスパダリ佐田、という構図だった。けれども一皮剥けば、間宮科学的探求心に突き動かされていない時には案外まともな感性を持っているのに対し、佐田無意識ながら自身暴力性を発揮する隙を窺っているようにも見える。

 理由も無しに暴力を振るわない間宮と、理由さえあれば嬉々として暴力を振る佐田。彼らは似ているようで根の部分は真逆

 佐田仮面を剥がすと現れるのは、過去間宮を虐めた奴らと同じような気性で、間宮佐田に惹かれるのはストックホルム症候群のようなものに思える。お、これって同作者の『マイリトルインフェルノ』じゃん? 『マイリトルインフェルノ』のあとがきに、最初はいじめられっ子が悪魔の力を借りていじめっ子復讐する話だったが暗くなりそうだからやめた、と書いてあったと記憶しているが、今回はそのテーマに再挑戦するということなのだろうか?

 間宮佐田過去編にはBLなのに若干百合みを感じる。陰湿×陰湿からかな。

 感情を表情や言葉で表すのが大の苦手な間宮の、一巻までの言動伏線は全部一巻内で回収(あーこいつ実は佐田のことかなり好きだな、と。)されたものだと思っていたが、そのなかでの特に重要台詞や表情の一つ一つが、実は二人の過去しか佐田には綺麗さっぱり忘れられている)に掛かっていた、というのにはやられた。なんてすごい構成力なの……。

 ここまで見てくると、間宮佐田に対する一方的な想いが実にエモーショナルに感じられ、間宮佐田に対する言動の一つ一つが愛らしく思えてくる。間宮佐田の死顔を見、「……あまり変わってないな、キミは」と呟き佐田の頬を撫でるシーンにはちょっと涙が出てしまうな。一巻収録ぶんを未読な人には、変な人の変な行動にしか見えないかもしれないけど。いまだ紆余曲折の真っ最中にあり見た目にまで苦労の滲み出ている間宮が、昔のまま歪みなく順風満帆大人になり夢も叶えた佐田に対し、羨望と嫉妬以上の眼差しを向ける、名シーンだ。

 ところで、佐田が肝心の所をまるで覚えていなかったのは、何かの影響による障害にも読めるし、加害者被害者記憶ギャップにも読める。佐田間宮を虐めた人ではないけれど、佐田の心根にはいじめっ子的な所があるというか。間宮佐田のことで強烈に記憶している部分というのが、佐田にとっては他人に対する悪意を解放した部分である佐田本人はスカッといい気分)であるから、そりゃ覚えている訳はないか

 間宮佐田過去と二人の関係性、そして間宮佐田に対する想いは明らかとなった。だが、ゾンビ化が佐田に与えた影響という伏線はいまだ回収去れていない。これが今後どのようにストーリー関係していくのか。ゾンビものの定石として佐田人格を喪い人食いモンスター化し暴れ出すとかいう展開も予想出来る流れだし。

 次回が待ち遠し過ぎる。


BLACK BLOOD』第5話(琥狗ハヤテ

 えっ、この漫画もう第5話なの? あらまあ! 時の経つのは早いなあぁ。そういえば、私が初めてCannaを買ったとき、ちょうどこの漫画が新連載として載っていたような記憶がある。

 ハードっぽい作風と画風で、日本漫画という由りは海外の、フランスとかの漫画っぽい雰囲気なのだが、やっぱりBLBL。急速に恋が始まり、油液が飛んだ。(←何かの隠喩ではない。)ここまで一応事件はあったものの凄い急展開が起こった感はないのだけど、もう5話。一巻以降も続く感じかな。次号とかで終わったら、何だったのかよく分からない漫画になってしまうし。


『ジャルディニエの愛した毒花』第12話(椛嶋リラコ)

 娼館ものでかつ猫耳獣人ものという欲張りセット。連載が長く続いているのもあり、私にはさっぱりストーリーわけわかめ

 この間まではなんか過去の話をしていなかったか? 攻めの人がどっか遠い所に行っちゃうような話では? と、前回までの話を把握していないまま今回を読んでも理解出来るはずもなく……。絵が綺麗。しかし、何故レディコミではなくBLなのだろう? という疑問もなくはなく。まあ、こういうBL好きな人もいるさ。


シャングリラの鳥』第14話(座裏屋蘭丸

 イエーイ、これもすごく楽しみにしていましたイエーイ!! だが、ストーリーはそんなに進まなかったので、ネタバレのしようがない。

 前回までの色々が解決も進展も後退もせず。フィーは子供時代に犯した過ちがシャングリラに及ぶことを恐れて怯え続けれており、一方アポロといえば、輝く白さのホワイト労働のはずがまさか自身性質によって馴染むことが出来ずに進退を考える局面差し掛かっていた。

 アポロが試情夫として正規雇用されて依頼、なかなか接点を持てないふたりは、それぞれの悩みを一人で抱え込んだまま、ひたすら悶々とし続ける。

 精神的に詰みそうになったタイミングで、運良く二人きりになれたとこまでで次回を待て!

 なんとも言いようがない。ただ、座裏屋蘭丸先生の描く、男子達がより集まってあーだこーだ言い合うシーンは最高だなあ、ということくらい。

 絵柄がすごく綺麗なのに、背景を真っ裸で歩くフィーの超遠目に映ったおちんが白抜き修正されてしまうのが、地味に悲しい。全身クローズアップ絵では脚とかで隠し切っているのになぁ。


『つむぐ婚』第4話(黒岩チハヤ)

 別にBLでなくてもいい気がするのだが、BLじゃなかったらこのモフモフが観れなかったので、BLでよかった。

 つむぎの狐Ver.の口元のふにゃふにゃさと狐らしいお手々の感じが癒し。だが今回は人間姿でこってりエロ回。モフモフしっぽガードがよかった。


ひだまりが聴こえる――春夏秋冬――』第5話(文乃ゆき

 この作品はかなり人気があるようで、Canna代表作といえばこれ、みたいな扱いをされているけど、私はあんまりきじゃないんだよなぁ。BLなんだけど、少女漫画特有のねっちりさがあるところが、あまり好みではない。そういうのが良ければ少女漫画を読むよ。しか世間ではこれが王道綺麗めBLなのかもしれない。知らんけど。



***

 個人的に、「BLなのに百合みがある」は正直な感想でありつつ褒め言葉でもある(と言いながら、私はあまり百合は好き好んでは読まないのだが)のだけど、「BLでなくてもよくないか?」は明確にdisりとして使っている。

 せっかくの増田。何もしがらみのない場所なので、そりゃ忌憚のない感想をかくさ。

 では今日はこの辺で。

2021-10-30

子供の頃はマッチョ気持ち悪いと思っていた

マッチョの人って細い人と比べて太く見えてカッコ悪いし。割れた腹筋も気持ち悪いと思っていた。多分テレビ漫画でそういうものコミカルに描かれていたのも影響している。

そもそもマッチョ」とか「ムキムキ」って単語に妙なものを感じていた。キモいけど笑える言葉的な。だからマッチョの人を見てもカッコいいだなんて全然思ってなかった。

大袈裟に言えば「デブ」とか「ガリ」とかと同じくらいのヘンな体型だと思っていた。

思春期になってネットを見るようになるとマッチョが絶賛されててびっくり!さらに近年のネット男性コミュニティホモソーシャル神格化している傾向にあるのでマッチョにあらずんば人にあらずといわんばかりである

弱者男性的な傾向のある人はテストステロンが出ていないからだという風説も流れ始め、もはやあまりにも筋肉のない人は異常者とまで言われる時代である。そこまで言われると子供の頃は気持ち悪いとすら思っていたマッチョがカッコよく見えてくる。

現代におけるマッチョは「まともな男性」の代名詞なのだから

2021-10-11

これのソースって雑誌

5chに連投コピペで貼られてたんだけど、ググっても元の文章が出てこない。

すぎやまこういち×植松伸夫


すぎやまこういち1931年東京都生。作曲家日本バックギャモン協会会長

植松伸夫1959年高知県生。神奈川大学外国語学部英語科を卒業後、TVCM等フリー活躍し、1986年スクウェア入社


(要約)


すきやま:

だんだんドラクエ関連のスケジュールだけで1年終わっちゃうみたいな有様になってきちゃって、

あんまり他のことができなくなってきてるんだよね。困ったもんだよ。

ドラクエやると、やれCDブックだアニメときて、レコードブラスバージョンエレクトーンバージョンピアノバージョンが出て、

そうなると色んな出版社ピアノ譜やエレクトーン譜を出す。そんなことやってるから1年潰れちゃうもんね。


植松

そんな忙しい中で「半熟英雄」やって頂きましたからね(笑)


すきやま:

どうしても大変だと思いながら、「このゲームが好きだなあ」ってことになるとついね


植松

まさか本当にやって頂けるとはね。言ってみるもんだなとつくづく思いましたよ(笑)


すきやま:

でも楽しかったね、あれは。FFVも大変だったね。やっと僕も上がったんですけどね。

植松君は働き者だなとつくづく思いましたよ。何曲あるの、あれ?


植松

60近くはあるかもしれないですね。


すぎやま:

60曲あのゲームの中にあるということは、実際作った曲はその裏にもっとあるでしょう。何曲ぐらい?


植松

1コーラス作ったという感じで言ったら100曲ぐらいいってるかもしれないですね。


すぎやま:

働き者だなあ(笑)


植松

数撃って当てようという方向でいってますから(笑)

曲数が多いというのも一既にいいとは言えないとも思ってるんですよね。

1曲1曲のイメージが薄らいじゃいますからね。


すぎやま:

それはあるよ。IVときのがVより曲数少なかったでしょう?


植松

そんなでもないんですけどね、それでも10曲ぐらいは少ないかな?


すぎやま:

そうでしょ。やってる時はこの曲面白いなと思うんだけど、終わったあと覚えてる数が少ない感じがしたね。

その原因は何だろうと思ったんだけど、多すぎるというのがあるのかもしれないな。

でもやっぱりどんどん意欲が湧いて、ここはこういう曲にしちゃおう、ここはこうしようっていうのが出てきちゃうものだよね。


植松

作ってる方としてはまだ足りないんじゃないかという気もするんですよね。完成したあとに自分でやってみますよね。

そうすると、こことここの音楽変わってないやっていうところがいくつかあるんですよ。

から作った本人は全部曲覚えてるから別に問題ないんですけど、

自分以外の一般の人にとっては多いかなとは思ってるんですけどね。

30曲に抑えようとしたんですよ。IVときちょっと多いと思ったんです。

今回は絞り込んでやろうと思ってたんですけど、欲が出てしまますね。


すぎやま:

僕も曲を絞り込むとき断腸の思いでね。切る作業が大変ですよ。

前にも言ったと思うんだけど、むこうのミュージカルなんかを見ると本当に曲数少ないんだよね。

でも植松さんのやり方でいいなと思うのは、1つの曲をシーンに応じてアレンジを変えて出すケースが多いでしょう。

それでカバーしていくともっと絞り込めるかもしれない。


植松

なんであんなに増えちゃったんだろう(笑)


すきやま:

働き者なんだよ。FFVの曲は植松さんの趣味趣向がはっきり出てるから

それがある意味でいい個性になってていいなというのがありますね。

スコットランド民謡をはじめとして、民族音楽への傾斜というのがあるでしょ。


植松

今回そのアイルランドリールっぽい曲を入れたのって初めてなんですけど、あれを入れます

ユーザー意見なんかのハガキに「アイルランド行ってきて帰ってきたらもうこれだ」というのがあるんですよ(笑)

別にアイルランドから帰ってきて、その影響受けてやってるわけじゃないんですけど。

以前から凄く民族音楽に興味がありまして、入れたかったんですけどファミコンときとかって難しいじゃないですか。


すぎやま:

ちょっとやりにくいよね。


植松

いつかやってやろうと思ってたんですけど、あんまり興味本位民族音楽好きだから

入れるというのも安っぽく見えてイヤかなと思ったんですけどね。

先日、すぎやま先生がうちの職場にいらした時にお話ししたんですけど、今トルコ音楽を習いに行ってまして、

そういう教室へ行くと民族楽器かいっぱい売ってるんですよ。


すぎやま:

なんか君の部屋に不思議楽器が置いてありましたよね。


植松

日本人だったら日本音楽ルーツとして民謡とかがあるはずだと思ってるんですよ。

日本に昔からある音楽自分の血の中にあるはずだって自分では思ってるんですけど、

一度「雅楽(古来の宮廷音楽総称)」の“ひちりき”(雅楽用の竹製管楽器)を習いに行ったことがあるんです。

そうすると自分の中に流れている血というよりも、逆にそれがすごく新しい、

ブライアン・イーノシンセサイザー音楽に近い印象があったんですよね。


すぎやま:

笙(雅楽用の管楽器)のハーモニーなんかは音の響きが非常にシンセサイザー的な新しさがあるよね。


植松

そうなんですよ。だからこれはものすごく面白いけど、自分にとっての血ではない気がしたんですよ。

雅楽朝鮮からのものですけどね、そういうルーツみたいなものを考えていったら、

逆にヨーロッパ民族音楽がすごく自分にピンとくるものがあったんです。

だったらそんな日本人のルーツかいってないで

自分にとってピンとくるものを追っかけていく方が面白いんじゃないだろうかと思って、

最近自分日本人だから日本古来の音楽をどうのこうのという考えはなくなってきてるんですよね。


すぎやま:

僕ら日本人で日本の文化の中で暮らしていると、いつかは三味線音楽や琴の音楽が耳に触れてるわけ。

和風喫茶レストランエアラインなんかでもいつの間にか聞こえてくる。

アメリカで生まれ住んでるとそれは耳に触れないで大人なっちゃうでしょう。

僕らは耳に触れてるから、知らない間にそういう音感は身についてると思うの。


僕が植松さんの音楽でこの人やっぱり日本人だと感じたのは、

町の音楽「ミーファー」ってメロディがいくときに、もう1つの声部が「ミーミー」とそのまま引っ張って、

ミとファが平気でガチャーンと使ってるのがあるでしょう(トゥールの村などの音楽)。

あれって西洋音楽で育った人では絶対やらないことなんですよ。


植松

バッテンなんですよね。


すぎやま:

植松さんはあれにある種の美しさを感じるからやってるわけでしょう。

で、僕も日本人だから聞いて「あ、ここいいな」と思ったんですよ。

「ソーミーファー」というのと「ソーミーミー」というところでミとファがぶつかっているのは、

西洋音楽エフメジャーセブンの中のミとファのぶつかりの意味とは全然違う意味のミとファでしょ。

それは江戸時代三味線や琴の音楽しょっちゅうやってることなんだよな。

ラファミミファミミファファミ」といってるときに、1は「ミミミ」といってミとファがぶつかってるという、

そういうテンションに美しさを感じるという江戸時代音楽家らの伝統みたいな感覚の流れがあるんだよね。

あの部分を聞いて植松伸夫もやっぱり日本人だと思ったんですよ。

で、僕もアレをイヤだと思わずに、あぁこれいいなと感じて、僕も日本人だなと再確認したんです。

意識的にやらずに自然にやったんでしょう?


植松

僕はフラットナインのぶつかり具合とか、

ミとファの半音メロディ伴奏が平気でぶつかることがしばしばあるんですよね。

自分でもああぶつかってるな、クラシック音楽テストなら絶対バツだなと思っても、

その響き欲しいしと思ってそのまま残すこともあるんですよ。


すぎやま:

それが間違いか間違いじゃないかというのは、感覚的にそのぶつかりが許せるかどうかなのよ。

いいと思うかどうかなのね。だから西洋音楽なんかも近代音楽以降はガンガンぷつかるでしょう。

それが前後関係音楽全体の姿からいって、感覚的にこれが美しいと思えるものはマルなのね。

ミとファのぶつかりあいが美しいと思える感受性があってやったものであれば間違いじゃないんだよ。

ただそれが自分一人でいいと思ってるだけで、世の中全員が気持ち悪いと思ったら

これは単なるひとりよがりしかないんだよね。


植松

難しいですよね。音楽学問にした人というのは、かなり強引だと思ってるんですよ。

どうやって音楽の点つけるんだろうって未だに僕思ってるんですよね。

中学校を通して音楽というもの学校教育に取り入れて100点取った人は偉い、

50点取った人はしっかりしなさいという教育を受けてるから

大人になって楽器を手にしなくなっちゃう人が多いんじゃないでしょうかね。


すぎやま:

音楽教育というのがどうあるべきかというものは、これはもっと考えなくてはいけない問題で、

文部省現場教師の考え方に反省点は多々あると思いますよ。


植松

すごい話してますよね(笑)文部省がどうだって


すぎやま:

笛を吹いたことについて点数つけることよりも、笛吹く楽しさをわからせるのが大事だよね。

音楽の楽しさを感じてもらうというのはとても大事なことでね。

からファイナルファンタジーとかドラゴンクエスト音楽というのは大事なんですよ。


植松

最近音楽全然興味ない子供達でもゲームとかで遊んでて、

ドラゴンクエスト音楽が好きになってコンサート行きますよね。

すぎやま先生なんかのコンサートはフルオーケストラでやってらっしゃるでしょう。

それはものすごい影響力だと思うんですよね。

子供オーケストラを生で聞くチャンスが普段あるかというと、少なくとも僕は子供の頃そんな経験はしてないんですよ。

そうすると、ある意味ですごく羨ましいんですよね。小学校2-3年という頃に、N響の音が年に1回、生で聞けるわけでしょう。


すぎやま:

他のオケなんかのコンサート数えると、20-30回やってるよ。全部ドラクエじゃないにしても、1コーナーとかね。

から、あちこちに頼まれて棒振りに行く仕事もやってます。それは大事なことだからね。

ドラクエの棒振りは何はなくとも行くようにしてますけど。


植松

教育の一環ですよね(笑)


すぎやま:

しかし、いつもゲーム音楽作るときに、昔の大作曲家作品聞くじゃない。

とてもかなわないなと思うことが多いね


植松

すぎやまさんがそんなこと言ったらこちらの立場はどうなるんですか(笑)


すぎやま:

昨日久しぶりにバレエ見ようと思って神奈川県民ホールに「くるみ割り人形」見に行ったの。

チャイコフスキーのド天才めって感じだよ(笑)。とんでもない天才だね。


植松

チャイコフスキーは僕もすごく好きですね。音楽は誰が好きなんですかなんてインタビューとかであるじゃないですか。

そのときは一番最初チャイコフスキーを挙げますね。


すぎやま:

とんでもない大天才だよね、あの人は。

あの時代20世紀の音楽家が考えて書くようなヴォイシングやってたりするわけよ。オーケストレーションうまいこと。


植松

この前、西田敏行ロシアに行ってチャイコフスキー足跡を辿るという番組テレビでやってたんですよ。

僕もチャイコフスキー好きだから見てたんですけど、チャイコフスキーホモであるというのを聞いて、

「ああ良かった」と思ったんですよね(笑)


すきやま:

その良かったというのはどういう意味なの?


植松

どこかプラマイゼロじゃないとダメということです(笑)

チャイコフスキー人間だったんだなというね。ま、噂なんですけどね。


すきやま:

モーツァルトなんか完全にいってるよね。大天才でも大欠点があるという。


植松

チャイコフスキーしろモーツァルトしろメロディが非常にわかやすいんですよね。

クラシックって難しいから嫌いという人が多いですけど、そんなことないと思うんですよ。


すきやま:

ベートーベンとかブラームスあたりはみんなそうだよ。いいメロディもってるよ。


植松

やっぱりメロディなんじゃないかという気がするんですよ。


すぎやま:

くそうだと思いますよ。


植松

からドラクエなんかはオーケストラでやっても子供が聞けるんですよ。


すぎやま:

ドラクエにしてもFFにしてもメロディ大事にしてるからそこに強みがあるでしょう。

他にもFFでは民族音楽的なのがありましたな。デデンッデデンッ…てやつ(笑)


植松

民族音楽というか黒魔術の呪術音楽のようなやつですね。


すきやま:

からそのうちトルコも出てくるぞ(笑) FFでは吟遊詩人というジョブがあるじゃない。

吟遊詩人マップの中のトルコアイルランドみたいなところへ行ったりするとそこの音楽を覚えて、

それを戦闘中に唄うと何かが起こるみたいなことがあれば面白いんじゃない。


植松

また曲数増えちゃいます(笑)


すぎやま:

増えるね(笑) でも吟遊詩人というジョブがあるから使えそうな気もするね。


植松

一度何かに絡めてやってやろうと思ってるんですけどね。

どうしても容量がそういう余分なところまで回らないんですよ。


すぎやま:

他を減らさなきゃならないからね。町の音楽全部一緒にしたり。


植松

でも町は2個だけですからね。マップの曲も3つだし。


すぎやま:

ダンジョンも違う?そんな気もしたんだけど。


植松

いや、ダンジョンという曲は1曲しか用意してないんですよね。他で使ってるのを使いまわしてるんです。


すぎやま:

でもなんかすごく多い気がしたな。


植松

実際多いんですよね。飛空艇は1曲ですし、チョコボは2曲だし。


すぎやま:

チョコボはまた面白いね。あの音楽と動きを見事にシンクロさせてて良かった。


植松

あそこらへんはプログラマなんかと楽しんで作ってましたよ。


すぎやま:

ピアノお稽古面白かった。


植松

あれも最後は何の曲にしようかということで、うちの坂口が、

ヘタクソなやつが最後コンサートピアニストぐらいにしてくれと言われたんで、

最初メトロノームにも合わせられないようなところから始めて、最後ドビュッシーまで弾けちゃうんですけど、

あのドビュッシーの曲(月の光)をみんなあんまり知らないんで、ガッカリしちゃったんです。


すぎやま:

グリークとかチャイコフスキーピアノコンチェルトみたいな方がコンサートピアニストみたいな気がするからね。

僕に相談してくれれば良かったのに(笑)


植松

そうですよね。最後のが弱かったのが残念だったな。


すぎやま:

でもああいう遊びの部分も楽しかったよね。


植松

息抜きというやつですね。でも結構一生懸命やっちゃうんで、息抜きできなくなっちゃうんですけど。


すぎやま:

作ってる本人はいいんだよ。遊ぶ方は息抜きできるんだから植松さんはドラクエは上がったの?


植松

実は最後ダンジョンの手前でFFVアレンジCD仕事に入っちゃいまして、まだなんですよ。


すぎやま:

上がってないの!?


植松

申し訳ないっす(笑)

今日までに終わらせるつもりだったんですけど。


すぎやま:

僕は対談頼まれときに、12月中だと聞いてそれまでにFFVを終わらせる自信ないって言ってたんだけど、

元祖プロゲーマーを称してるからには面目にかけても上がろうと、しゃにむにやって上がりましたよ。

途中でやんなっちゃゲームだと上がれないけど、やってて楽しかたから相当寝不足になりましたよ。


植松

今回はアマチュア勝利ですかね。スクウェアメンツって、単独独立して音楽で食っていけるか、

絵で食っていけるか、企画で食っていけるかという連中がまだ1人もいないんですよね。


すぎやま:

植松さんは大丈夫じゃない。


植松

いえいえ。平均年齢がまだFFチームでいうと25ぐらいなんですよね。


すぎやま:

ドラクエチームもそうですよ。皆さん若い。僕1人だけ飛び抜けてるんだ。


植松

結局若い、何かやってやろうという奴らが集まってるんですよね。

そいつらが泥まみれになって一緒くたになって限度知らずの頑張りをするんですよね。

全てのプロの人がそうというわけじゃないんですけど、中にはお金と割り切って仕事をする方もいらっしゃいますよね。

そうするとある程度から先の気力とか頑張りを越すというのは難しいというのがたまにあるじゃないですか。

そういうことが5のチームには無かったんですよ。

とにかく最後最後まで、〆切のマスター任天堂に送る朝まで、どこまでできるかということをみんながやったので、

そこらへんの適当プロの人を集めて作っても、ああい気合いの入った作品は出来なかったんじゃないかなと思うんですよ。

今になってやってみると、あそこをこうした方がいいというのはうのはいっぱいあるんですけど、

終わった時点ではもうこれ以上はできない、とみんなが思ってるんですよね。僕もあのときはそうでしたしね。


すぎやま:

結局世の中を見てると、FFにしてもドラクエにしてもそうだけど、

好きで好きでとことんまで頑張るという人が集まってるところのゲームがヒットしてるんだよね。


植松

その気合いみたいなものが通じるんですかね。

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