「償却」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 償却とは

2022-09-01

anond:20220831231628

技術進化が無いって想定なら正しいんだけどね

残念ながら技術進化はまだまだ続くんだわ

シグマプロジェクトって国家プロジェクトがあってのぉ、これも失敗の原因は「技術進化はここで終わり!キリッ」だったわけじゃが、まぁ詳しくはぐぐれ

  

で、太陽光現在市販製品の変換効率が21%とか22%とか

太陽光エネルギーで、これを電気エネルギーに変換する、照射されたエネルギーよりも大きなエネルギーを得ることは不可能で、100%変換することも不可能

論理的な変換効率限界がおおむね70%程度と予測されている。

製品限界が50%程度とみこまれているわけだが、ようするに面積効率が2.5倍程度になる、同じ電気を得るのにそれだけ面積が小さくて済む。

40%くらいまでは技術的な目処もすでに立ってる、当然価格も下がる

 

バッテリーさらにエグい

20年で容量単価が10分の1に下がった実績があり、今後もこのペースは当面続く、30年で97%の下落って数字は有名だが

ともかくすでに1kwhあたりの単価が100ドルを切ってる、10年後には10ドルから20ドルが見込まれてる。

 

一日一人あたりの電気使用量は6kwh程度、つまり10年後には一人一日分の蓄電が120ドル、2万円弱

4人家族で1週間分だとしても50万円分のバッテリーで済む、サイズエアコン室外機2,3台(容量密度も当然技術進化がある)

工事費やインバーターシステム部材を組み込んでも100万円程度

 

ここまで進化が進めば4人家族電気を賄うには5kw程度のパネルで十分なので変換効率50%のパネルなら日本の日照条件でも6平米程度のパネルで済んでしまう。

これマンションベランダでも設置できる、そのパネルのお値段は工事費込でもせいぜい30万円40万円

ほぼ工事費なわけだが、新築場合設計時点でビルトインされるのでさらに安くなる、パネルの平米原価はせいぜい1万円2万円

 

まとめると150万円程度の出費で送電から切り離し電気使い放題、自家生産自家消費完結のシステムが買える

20年償却だとして月額6000円

参考まで現在日本の4人家族の平均的電気代が12000円、どこのバカが電力会社から電気を書い続ける?

電気代はまだまだ上がり続けるのでその差はさらに開く

 

15年後にはこうなってる

そういう製品が出揃ってから再エネやればいいじゃないか

いや、無理w

技術はジリジリとしか進化しない、投資もしなきゃならない

から補助金を入れてブーストさせる

今はまだ採算取れんよ、でもやらなかったら15年20年後に世界から取り残される

エネルギーを輸入に依存し続けなきゃならない

2022-08-06

anond:20220806033427

悪いのは日本税制

内製した人件費販管費(経費)にならず、ソフトウェア資産に計上して何年かかけて減価償却しなければならない

まり人件費を払って内製投資しても出ていった金は、すぐには損金計上できないってこと

外注すれば業務委託費で100%損金で落とせる

ついでに、購入した備品の一括償却が上限10万円(これ以上は資産計上して減価償却)なので、4ギガメモリPCが世にはびこったりする

技術しか目がいかない人は税金くらい払えよっていうけど、その程度の経営者目線は持ってくれよ

2022-05-06

anond:20220505132628

これ

パソコン償却年数が4年と言うのも地味にきつい

2022-03-13

anond:20220313161228

20歳ぐらいで償却が終わるようにすれば丁度だな

そのあたりで残存価値が0になる

2022-03-12

ルーブルシーソー相場

https://www.google.com/search?client=firefox-b-d&q=%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB

いやー、わかりやすい値動き。高くなってるのは、ロシア通貨当局の介入だろうし、安くなってるのはルーブルが下がると思ってる世界中投資家もいるし、欧米日の通貨当局の介入もあるだろう。

指値でセットしてくだけでも儲けられそう。おそらく中国元との交換だけしかいから、どこの証券会社ならできるかをまず調べないと。ただ、日本証券会社は扱ってないし、中国証券会社じゃないと無理かな。

で、これだけわかりやすい値動きをするのならば、当然ロシア通貨当局が売りそうな値段に売りをセットして、どこまで下がるかで買うというルーチンでこの相場にかけるな。

とすると、絶対ルーブルは下がると、こぞって考えてる世界中投資家ルーブル売り分を、ロシア通貨当局は買いきって高値にしないとならない。

最も、だれかがかなりのルーブル売をしないとならないけど、ルーブルが下がるのが見えてるから、みんなこぞって売ろうとしているし、信用で買えるだろう。仮にルーブル上がった場合についても、それこそ欧米日の通貨当局なら損は償却できる。

まあ、ルーブル上がるのはプーチンの失脚か、プーチンウクライナから完全に出ていくことしかないけどな。

あと、ルーブル通貨を買うには、何らかの外貨を売らないとならない。ロシア中央銀行の金なんか、物理的にどうやって売り手に届けるんだと、なかなか売れないだろう。とすると、事実上売れるのは中国元か、石油天然ガス収入

最も中国元、中国国債を売りまくってたら、そのうち中国はブチ切れるだろう。じじつ、中国国債の金利は上昇し始めている。石油天然ガス収入ロシア外での生産軌道に乗ってくれば、これらの収入も途絶えてくる。

どこまでルーブルが落ちるか見せてもらいましょうか。

2022-02-19

ノートPCクルマと同じ「所有満足度」が存在する

なにがいいたいかというと、

デスクトップパソコんがたぶんあんたの会社にもあるじゃろ?

最近スリム型が多いけど、ひとむかし前はデカイ箱を床に置いてたじゃろ?

でもその形にこだわる社員はいないじゃろ?

ところがだ。

ノートパソコンとなると、突然こだわる人間がおる。

「やっぱマックブックだよね」とか、「1kg以下がいい」とか、うんたらかんたら。

弊社はテレワーク用に支給するPCは、

紛失やらの対策のため償却済みのものだ。

すると社員から

「こんなボロイPCうんたらかんたら(意訳」というのが返ってくる。

で、スリムデスクトップ支給することにした。

そしたら「持ち運びが重い」という反発はあったものの、

以前にあった、やれSONYがいいだの14型がいいだの、

といったワガママはなくなった。

そういうとこだぞ。

2022-01-28

anond:20220128130404

個人飲食店なんかはこの人みたいに償却年数と人件費計算ができないからね

導入はチェーン店がメインになる

2021-11-08

anond:20211107144539

利益率に興味ないの?

利益率は品目ごとに出してる。

間接費は売上で按分したり、面積で按分したりいろいろだ。

農機具の燃料費は面積で按分するべきだし、事務所光熱費は売上で按分すべきだ。

でもそれはうちの管理会計の話なので一般的ではないし、出す理由もないだろう。それは本筋ではない。

そんなに詳細が知りたいなら各県が農業経営指標を算出して公開しているので、それを見ればいい。

群馬ならキャベツホウレンソウもあるだろう。

>なんで売上から逆算で人件費が出るのかよくわからん

売上がそのくらいなら、人件費に当てられるのはそのくらいという意味で、

それ以上は赤字、ない袖は振れないということだ。

200万しか出せないならそれは通年雇用するべきではないということ。

150万だと最賃割ってくるので論外。

>割増賃金とか以前に最低賃金水準や社保はちゃんと払ってる?

農業では割増賃金は深夜早朝労働をさせた場合のみに適用される、うちはその時間労働させていない。

農業残業休出も割増賃金不要だ。労基法例外規定だとかで。これ農業経営者なら常識

パートは全員無条件で1000円出してるので東京都以外なら最賃以上だ。

通年雇用でも当然最賃は意識するし、そもそも最賃ではまともな応募はこない。最賃割ってでハローワークとか募集出したらどうなるんだろうw

社保はちゃんと払ってる。労働災害保険雇用保険農協事務を引き受けてくれていて、きちんと引き落とされている。

雇用契約や条件などを相談できるよう社労士顧問契約をしている。

この業界のこと何も知らないのに「絶対払ってないよなこの口ぶりと意識ドンブリ勘定。」と勝手に決めないでいただきたい。

>ざっくり計算すると1500万の機械を入れるなら、他の農機具の償却が終わっていても年間2500万円くらいの売上がないといけない。

>どういうザックリなのかさっぱりわからん

1500万円を7年で減価償却するので、年償却額は215万円。

日本政策金融公庫では売上の5%〜10%が減価償却健全範囲と見られるので、215万/0.05 = 4300万から215万/0.1 = 2150万がその範囲となる。

実際10%というのは水稲のようなほぼ機械化され機械投資が大きいものをさすので、キャベツでは正直厳しい。

もちろん、融資審査ではこんなざっくり数字ではなく、返済財源があるかどうかで審査されるので一概には言えない。だからざっくり。

ほんとのところはキャベツ専業の農家しかからないし、

利益率が一番左右されるのは販売方法なのだけど、それも個人契約取ったり、組合契約取って加工に回したりと選択肢は色々で、

からパーセンテージ一般論しか言えない。

もちろんちゃん事業計画が描けるなら、2500万以下でも融資は受けられると思うよ。

償却償却って繰り返してるのも引っ掛かるポイント

償却ってのは税務上の費用化ペースの話であって

>新しい投資が出来るかどうかは財務体力やキャッシュフローの話だから償却関係ない。

農機具で長期の融資を受ける場合、返済財源は減価償却費となる。

農機具の減価償却期間は7年なので、

7年以上の期間で融資を受けようとすると、8年目以降の返済財源が利益となって審査は極めて通りづらい。

有利に進めようとすると制度資金スーパーLなど日本政策金融公庫商品)を利用することになり、

これは減価償却以上の期間で借りることはできない。

「新しい投資が出来るかどうかは財務体力やキャッシュフローの話」というのは無借金経営しろということ?

農家特に認定農業者市町村審査して与える公的資格のようなもの)になっていれば、

僕らはほぼ無利子で融資を受けられる。

短期で償還してしまうとキャッシュけが先に出ていくので、壊さない自信があって買い替え(グレードアップ)も考えていなければ

7年で借りるのが一番いいに決まってる。

悪いが償却と償還の違いは知ってるよ。たいていの人は償還と言わず返済というけどね。

>露地野菜は平均して10aあたり40万円ほどの売上になるので、6haほどの経営面積が必要

>これはかなり厳しい。

>何が厳しいのか門外漢に全く分からないのでもうちょっと説明して。

作付け過剰。植えるまではできるのだけど、管理しきれないし収穫しきれないということ。

最終的には草だらけになって秀品率がガタ落ちになり赤字となる。

年寄り百姓だって抵当に入れる資産ぐらいあるんじゃないの?

>またはローン完済前に死んだら高い収穫機を引き取ってもらうような契約も出来ないのかな。

>まあ結局余命のある人が土地集めて機械入れるしか生産性向上はないというのはそうなんだろうけど。

抵当なんて考えたことないな、長期融資制度資金場合保証会社通せば終わりだし、

短期融資農協に売上作っとけばその範囲で借りられるし当座貸越もある。認定農家特権なんですかね?

今のところ保証会社通せば保証人も担保不要で借りられているので・・・

不動産なら田んぼにどれだけの価値があると思う?

1000円だよ。当地では相当大きな地主でも所有は3000坪くらい。

動産なら、中古農機具?の価値なんて二束三文だよ。

引き取ってもらう契約なんて聞いたことないし、どう考えても絶対オーバーローンになるからそんな契約はできないと思う。

2021-11-07

野菜生産農家収益

生産農家として実際の数字を上げておく。

売上の50%くらいが生産費・出荷経費、農機具5-10%、人件費30-35%くらい。残りはその他雑費。

色々作ったけど、年平均で見れば野菜はどの品目もいつもこれくらいの数字になる。

(共選出荷となるとさら手取り割合は減る、施設野菜ハウス加温)は反収が全く違うので別。)

従業員一人当たりの売上が500万なら給料は150-200万円くらい。

外国人給料以外にも手数料を毎月払うことになるし、残業の割増賃金もかかる。

正直、人を雇うレベルではない。

日本人なら、農業例外として割増賃金不要労基法規定されている。

天候により労働時間が左右されるので残業という考えが合わないというのが根底にある)

外国人雇ってる農家は周りに結構いるけど、ほとんどは葉物農家だね。

収穫工程機械化されない品目で外国人を使う傾向が高いかな。

ハクサイレタスキャベツなどの重量野菜ホウレンソウコマツナなどの軟弱野菜

トマトなんかは日本人にも人気だから募集かければ割とくるし、わざわざ外国人いらない。

キャベツなんかは収穫機もできてきているけど、1500万円くらいするので、

それに見合う規模があるかどうか、それと金を用意できるかという問題もある。

ざっくり計算すると1500万の機械を入れるなら、他の農機具の償却が終わっていても年間2500万円くらいの売上がないといけない。

露地野菜は平均して10aあたり40万円ほどの売上になるので、6haほどの経営面積が必要

これはかなり厳しい。

農機具は7年償却なので、65歳くらいまでに導入しないと融資受けられない。

人件費なら短期運転資金として借りられるから、売り上げさえ上がってれば借りられる。

高齢化ってそういう問題もあると思うな。

anond:20211106182157

2021-09-30

anond:20210930005307

所得税増税法人税増税金融課税増税でしょう。1990年頃は消費税金融分離課税はなく、所得税法人税が高かったです。そして日本経済は強かったです。

このあたりは貯め込まれ懸念が強いです。そして、貯め込まれると景気を落とします。

過去の貯蓄の取り崩しを含めて、資金調達しての支出を初項、収入に占める消費の割合を公比とした等比数列の和が経済規模です。

なので、設備研究投資に紐付いていない金融投資、平均消費性向以下の富裕層資金余剰局面企業の減税は貯め込まれて公比を落とし経済を下げます

設備研究投資に紐づいた増資や債券発行に付き合って金を出し、証券会社で5年保管したもののみ減税だとか、設備研究投資減税、償却の緩和、ふるさと納税寄付減税など、具体的な支出に紐づいた金は減税してもよいでしょう。

消費税が金が動き始める金を止めるから害悪だということに加えて、金を止める場所を減税してきたからこその不景気という側面もあります

2021-09-29

anond:20210928164227

そもそも左派弱者より、右派強者よりぐらいの意味しか今はないが、弱者より、強者より以前に、景気を上げるにはどうすればよいか考えてほしい。

弱者よりであれば、貯め込む場所増税が望ましい。累進所得税法人税金融課税留保課税

強者よりであれば使う場所の減税が望ましい。消費税減税、設備研究投資減税、償却の緩和、ふるさと納税寄付緩和な。

そもそも1990年代までは左派マルクス主義右派ケインズ主義と別れていた。だけど、冷戦が終わり、ケインズ主義オイルショックなど単純にインフレにすればよいわけではない話ができて新自由主義に乗っ取られた。

新自由主義日本の低迷が起きたあと、MMTとともにケインズ主義積極財政派が帰ってきた。しか右派高市と、左派山本太郎が掲げているように、右派左派のくくりではくくれない。

積極財政派対緊縮財政派の争いだろう。そのうえで、積極財政派に立憲民主党がなったことは望ましい。ただし、なぜ積極財政が良いか自体が少しピントがずれてる感じはするな。

消費税減税のみを掲げてればいいし、圧をかけたいのなら国税分の消費税を0にする(地方分の3%のみ残す)ぐらい言えば良いのに。

2021-09-26

anond:20210926073107

年金の原資は所得比例の保険料だろ。消費税よりマシ。さらにいいのは、累進所得税、法人税金融課税留保課税のように溜め込まれ可能性が高い金。設備研究投資償却の緩和、ふるさと納税寄付納税のように使って節税を設けておくのは良し。

2021-09-12

続・皆さん、そろそろ「ベース電源」て言葉は忘れてください

皆さん、そろそろ「ベース電源」て言葉は忘れてくださいの続きというか、コメント増田への返答です。

貼ってあったURL読んでなかったから読んでたけど,やけに風力のコスト無視して風力推すな~と思ったら風力屋じゃん

本当は風力発電もっと安くなるんだ!って持論でも持ってるのかもしれないけど,まあポジショントークだよね

安田先生は風力屋じゃなくて電力取引市場制度研究者だよ。あと、引用したコラム2015年のものなのね。そこから7年経って、太陽光陸上風力は欧州でも中国でもグリッドパリティfitなどの補助金なしのメリットオーダー最上位)を達成しつつある。中国ではこの8月FITが終了し、純粋コスト競争力の面でも再エネが最も優位のエネルギーになった。海外の再エネ業界では次のマイルストーンは「洋上風力がいつグリッドパリティになるか」で、風況がよいロケーションなら、既にグリッドパリティの8円/kwh台に突入しつつある。これってどういうことかわかる? 環境正義とか、カーボンニュートラルとか、原子力発電リスクとかは、もう関係なくなってくんの。正しく設計された電力取引市場では、追加仕入コストがほぼ0のエネルギーに、追加仕入コストに燃料代がかかるエネルギー絶対に勝てない、ということなんだよ。 火発や原発は、環境倫理ではなく、純粋コストで再エネに駆逐される。

安田先生の主張が「ポジショントーク」で信頼できないなら自分で色々調べてみればいい。例えばデロイトーマツレポートなんかどう?

https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/energy-resources/er/jp-er-global-renewable-energy-trend.pdf

あるいはwikipediaの「ベースロード電源」項目の英語版ドイツ語版、スペイン語版を読んでみるのもいいかも。日本語版にはない、「ベースロード電源時代遅れ」という言葉がしっかり書かれている。"baseload outdated"とかでぐぐってみるのもいい。2010年からベースロード電力需要対応する)「ベースロード電源という考え方はもう時代遅れだ」という論考がズラズラ出てくる。インテリジェントな電力グリッド取引市場が整備されれば、ベースロード電力需要VRE(変動性再エネ)だけで満たすことは理論的に可能だ、という認識自体は、先進国の電力業界ではだいぶ前から常識になっている。日本はこういう議論10年ぐらい遅れてて、つい最近まで「ベースロード需要ベースロード電源で、ピーク電力はVREで補う」と言い続けてたけど、電力取引市場の導入でこれもだんだん変わってくると思う。

風力発電コスト的に原子力の1.5倍以上だしもともと需要が低めの冬と夜が良いとなると,市場余剰電力の飽和が常態化するとかなり設備負担が重くなってきそうだし,供給を絞ってくるように思える.(というか電力市場で売るという想定を立てた場合風力発電コスト的に成り立つのか?)

これは上でも書いたとおり、少なくとも陸上風力は海外ではグリッドパリティを達成し、コスト的には「成り立つ」ことが証明された。あとは洋上風力をどこまで低コスト化できるかという段階。日本でも、北海道から東北北陸にかけての日本海の風況なら、洋上風力でもいずれグリッドパリティが成り立つと見込まれいるから、かなりの数の開発計画目白押しになっている。https://mainichi.jp/premier/business/articles/20210421/biz/00m/070/002000d

ただ,付けたり消したりが二番目に難しいのが原発である以上(一番難しいのは自然エネルギー発電ですよね,逆ザヤでも売らないといけないわけで)調整目的で動かすのもなかなか難しそう.

再エネには、長期償却計画的な意味での逆ザヤはあっても、限界費用的な観点での逆ザヤ状態はない。だから設備が発電してる時は最安値でも売ればよくて、売電を止める必要は全くない。もし止めるとしても、太陽光はただ系統から切り離すだけ、風力はブレードを寝かすだけなんで、別に大変じゃないけど(九州太陽光の出力制御をしたとき、「停止や稼動が大変だ」って声は全くなかったでしょ?)。稼働自体に追加コストがかからない再エネ発電設備事業者にとって、安値でも売るのと設備を止めるののどっちが得か、少し考えてみればすぐわかると思う。

ちなみに、今は日本では出力制御の順序が国によって決められてて、発電量超過の時は、最初に火発を止め、次に太陽光と風力を止め、最後に水力・原子力地熱を止める、ということになってる。なんでかというと、原発は国が定めた「長期安定電源」だから経済合理性よりも「最後まで止めてはいけない電力はこれ」という国のルールが優先されて、限界費用が安い電力のほうを先に止めてる。つまり「長期安定電源」という概念自体が、電力エネルギー効率的生産と利用を阻害する反市場的な障害物になってしまうわけ。国民が損するってことだよ。

世界的には電力をめぐる議論の中で非主流になったどころか、すでに現実自体に追い越され否定されたようなことを、日本では未だに大真面目に主張してる既存力業界のステークホルダー人達がいる。で、ネットには、その人達の言うことを鵜呑みにして10年前の再エネ否定論を信じてる人達がこれまたいっぱいいる(実は俺もそうだった)。「ベース電源」はその象徴みたいなもんだよ。せっかくここまで読んでくれたなら、そのへんの状況は自分自身で納得行くまで調べてみてほしい。その上で生産的な再エネ否定論・懐疑論をやるのは良いことなんだから

anond:20210912005951

2021-09-11

皆さん、そろそろ「ベース電源」て言葉は忘れてください

anond:20210910190224

ここでもうダメなのギャグ

ベース電源とか知ってる?

元増田ではないけれど、ここで「ベース電源」て言葉を出すのは、それこそギャグなっちゃうよ。

電力卸取引市場が導入された地域では、もう「ベース電源(正確にはベースロード電源)」て概念消失しつつある。「メリットオーダー」って言葉検索して調べてみて。元増田も言ってるけど、再稼動運用・停止という一連のフローに多くのコストがかかる発電設備で作る電力は、コスト面で再エネに負けて市場に買われなくなる。火発も原発もそうだし、実は再エネでもバイオマス火発はそれにあたる。

これは再エネの本質的特性の割に、多くの人が見過ごしがちなことなんだけど、太陽光・風力・地熱・(揚水してない)水力などの燃料不要な再エネの根本的優位性は、環境にやさしいとか何とかじゃなくて、「限界費用(1単位供給を増やすのに必要コスト)がほぼ0」ってことなんだよ。なんせランニングコストメンテ費用以外は0で、あとは自然エネルギーを使って設備勝手に発電してるわけだからね。

から再エネ発電事業者は、卸取引市場で多少でも値がつくならその値段で売る。償却費用を考えたら採算が合わなくても、発電しちゃった電力を捨てるよりはキャッシュインがあるぶん得、ということ。

から再エネは、電力卸取引市場では一番最初取引され、買われていく。これを、メリットオーダー(コスト比較による取引順位)の最上位に来る、という。再エネで確保しきれなかった電力量、たとえば翌日の想定需要電力量に対して不足する電力を、電力小売会社メリットオーダーの次の順位にある、再エネの次に安い発電設備から買う。

現状だと、メリットオーダーで再エネの次に安いのは、だいたい原子力石炭火発で、次にLNG火発、石油火発…という順で並んでいる。つまり原子力は、理論的にはもはや固定的に市場に電力を供給し続けるベースロード電源ではなく、一番安い再エネ系電力が全部買われた後に、まだ足りない分だけ買われるスポット電源になっている。いまは原子力発電所がある地域の多くで「まだ足りない分」がそこそこあるので、原子力発電の電力も全部買われて、さらに足りない分が火発で補われてるという状態だけど、それはあくまで再エネ導入量がまだ少ないかたまたまそうなってるだけで、原発が「ベースロード電源」だからではない。フランスでは、時間帯によっては効率の悪い原発不採算状態になっている。

再エネに変動性という欠点があることはよく知られてるけど、再エネ化が進んでいる地域の多くでは、太陽光と風力が時間帯的にも季節的にも補完関係にある(昼は太陽光/夜は風力が優位、夏は太陽光/冬は風力が優位)ので、メリットオーダーの最上位という立場は、再エネ群全体で見れば24時間・365日、揺るがなくなっている。

別の言葉で言えば、原発化石燃料火発の発電設備は、再エネの導入量が増えるとともに、メリットオーダー上の位置が悪くなり、電力を買われない時間や日が増え、稼動率が落ち、収益性が低下し、事業的に成立しなくなっていく宿命にある。しかも、稼動と停止に時間と手間がかかる発電設備は、スポット価格の採算が合わなくても簡単には止められない。止めたりつけたりするごとに余計な金がかかるし、一度止めたら、売りたい時にすぐ売れないから。つまりこういう発電設備原発は、将来的には、実際に採算が合う価格で売れるかどうかもわからん電力を、ウラン燃料を燃やしながら作り続けることになる。元増田原発の稼働・休止コスト言及してるのは、そういうこと。


今は欧州でも米国でも、この認識が定着しつつある。安田先生記事とか読めばわかるよ。

https://www.energy-democracy.jp/1002

日本でも、電力卸取引市場の拡大と洋上風力発電の導入が進めば、これと同じことになる。

まあ、くどくど書いても予備知識ないとわかりにくい話だよね。だから今日はこれだけ覚えて帰ってください。ベースロード電源という概念は、再エネ先進国ではもう意味がなくなった」はいもう一度。ベースロード電源という概念は、再エネ先進国ではもう意味がなくなった」。以上、よろしくお願いします。

(追記しました。続・皆さん、そろそろ「ベース電源」て言葉は忘れてください

2021-09-06

原始人がネックレスをつけた理由 パート6

収集品の属性

人類は小規模で、ほぼ自給自足し、互いに敵対する部族進化してきたので、好意の追跡の必要性を減らし、これまで検討してきた他の人類の富の移転制度可能にするために、収集品を使用することは、人類の種の期間のほとんどにおいて、物々交換の規模の問題よりもはるか重要であった。実際、収集品は互恵利他主義の仕組みを根本的に改善し、他の種にはない方法人間が協力することを可能にした。他の種では、記憶信頼性が低いために互恵利他主義は大きく制限されている。他の種には、大きな脳を持ち、自分で家を建て、道具を作って使うものもいる。しかし、互恵利他主義の仕組みをこれほどまでに改善した種は他にない。その証拠に、この新しい開発は紀元前4万年には成熟していた。

メンガーはこの最初貨幣を「中間商品」と呼び、本稿では収集品と呼んでいる。刃物のように他の用途にも使える道具は、収集品としても使える。しかし、富の移転を伴う制度価値を持つようになると、収集品はその収集性のためだけに製造されるようになる。その性質とは何か。ある商品価値ある収集品として選ばれるためには、収集品としての価値が低い製品比較して、少なくとも次のような望ましい性質を持っていなければならない:

1. 偶発的な損失や盗難からより安全であること。歴史ほとんどの場合、これは持ち運びが可能で隠しやすいことを意味していた。

2. 価値を偽造することが難しい。これらの重要な部分は、以下に説明する理由から、偽造できないほど高価であり、それゆえに価値があると考えられる製品である

3. この価値は、単純な観察や測定によって、より正確に近似していた。これらの観測は、より信頼性の高い完全性を持ちながら、より低コストであっただろう。

世界中人間は、これらの特性をよりよく満たすアイテムを集めたいという強い動機を持っている。この動機の中には、おそらく遺伝的に進化した本能が含まれている。このような物は、(特に優れた明確かつ近接した理由ではなく)集めることを純粋に楽しむために集められ、そのような楽しみは人類文化においてほぼ普遍的である。直近の動機の1つは装飾であるアリゾナ大学考古学であるメアリー・C・スタイナー博士によると、"装飾は現代人の採集者の間では普遍的ものである "という。進化心理学者にとって、このように、自然淘汰という観点からの最終的な説明はつくが、快楽以外の近親的な根拠がない行動は、遺伝的に進化した快楽が行動の動機になっているという有力な候補になる。例えば、このエッセイの推論が正しければ、希少品や美術品、特に宝石を集めるという人間本能がそうである

(2)については、もう少し説明必要であるコストが高いという理由商品生産することは、一見すると非常に無駄なことのように思える。しかし、永遠にコストのかからない商品は、有益な富の移転可能にすることで、繰り返し価値を高めていく。取引可能になったり、コストが低くなったりするたびに、コストはより多く回収される。最初は全くの無駄であったコストは、多くの取引償却されていく。貴金属貨幣価値は、この原理に基づいている。また、収集品は、希少性が高いほど、また、その希少性が偽造できないほど、価値が高くなる。また、芸術品のように、証明可能技術独自人間労働力製品に加えられている場合にも適用される。

我々は、この3つの要素を兼ね備えた製品発見したり、作ったりしたことはない。アート収集品(この言葉現代文化で使われている意味ではなく、この論文で使われている技術的な意味で)は、(2)を最適化するが、(1)や(3)は最適化しない。一般的ビーズは(1)を満たしているが、(2)や(3)は満たしていない。宝石は、最初は最も美しく、あまり一般的ではない貝殻で作られるが、最終的には多くの文化において貴金属で作られるため、3つの特性をよりよく満たすことができる。偶然ではないが、貴金属の宝飾品は鎖や指輪のような細い形をしていることが多く、無作為に選んだ場所安価に鑑定することができた。貨幣さらに改良されたもので、小さな標準的な重さと商標を鑑定の代わりにすることで、貴金属を使った小さな取引コストを大幅に削減した。貨幣は、収集品の進化のほんの一歩に過ぎない。

旧石器人が作っていたモバイルアート(小さな置物など)も、この特徴によくマッチしている。実際、旧石器人が作ったものの中で、実用性がなく、(1)〜(3)の特徴を備えていないものほとんどない。

ホモ・サピエンスには、役に立たない、あるいは少なくとも使用されていない火打石の不可解な例がたくさんある。我々はクロヴィス族の使えない火打ち石について述べた。Culiffeは、ヨーロッパの中石器時代発見された数百個の火打ち石について述べているが、これらの火打ち石は丁寧に作られたものであるが、顕微鏡写真分析により、切断には使われなかったことが明らかになっている。

リントは、宝石のような特殊目的を持った収集品に先立つ、最初収集である可能性が高いのである。確かに最初火打石コレクターは、刃物としての実用性を求めて作られたはずだ。富の伝達手段としてのフリントの付加価値は、本稿で紹介する制度を開花させるための偶然の副次的効果であった。このような制度は、特殊目的収集品を製造する動機となったであろう。最初は切削工具として実際に使用する必要のないフリントであり、その後、ホモ・サピエンスサピエンスが開発した他の様々な種類の収集である

新石器時代中近東ヨーロッパの多くの地域では、一部のジュエリー標準化され、美しさより標準的サイズやアセイ性が重視されるようになった。商業地域では、このような宝石の量が伝統的な宝石の量を大きく上回ることもあった。これは宝飾品と貨幣中間的な段階であり、収集品の一部が貨幣的な形態をとるようになったのである紀元前700年頃、リディアンの王たちは前述のようにコインを発行し始めた。標準的な重さの貴金属は、市場で、賃金労働者が、あるいは徴税者が、ランダムに選ばれた場所コイル状のワイヤーを切断する代わりに、商標、すなわち造幣局ブランドを信頼して「評価」することができるようになったのである

収集品の属性が、貴金属コイン、そしてほとんどの非現金通貨を支えてきた準備商品共通しているのは偶然ではない。本来貨幣は、これらの特性を、人類先史時代ほとんど全ての時期に使用されていた収集品よりも純粋な形で実現したものである

20世紀新機軸は、政府による不換紙幣の発行である。(「フィアット」とは、それまでの金や銀をベースにした通貨のように、基軸商品裏付けられていないことを意味する。) 不換紙幣は、交換手段としては一般的に優れているが、価値の保存手段としては非常に劣ることが証明されている。インフレで多くの「たくわえ」が破壊された。前述の収集品に共通する希少品やユニークアート作品市場が、前世紀にルネッサンスを迎えたのは偶然ではない。我々の最も進んだハイテク市場の一つであるeBayは、これらの原始的経済性を持つ物を中心にしている。進化過程重要役割果たしていた頃に比べて、我々の富に占める収集品の割合が減ったとしても、収集品の市場はかつてないほど大きくなっている。収集品は、我々の本能的な欲求を満たすと同時に、安全価値の貯蔵庫としての古代役割果たしている。

結論

一方的もの相互的なものも、自発的もの強制的ものも、多くの種類の富の移転には取引コストがかかる。自発的取引では、双方が利益を得る。真に無償の贈り物は、通常、親族利他主義行為である。このような取引は、何かを作るという物理的な行為と同様に、一方または両方の当事者価値を生み出す。貢物は勝者の利益になり、損害賠償判決被害者利益になるだけでなく、さらなる暴力を防ぐことができる。遺産相続は、人間次世代親族財産を渡す最初動物となった。これらの家宝は、商品取引担保や代金、飢えをしのぐための食料、あるいは結婚の際の花嫁代金などに使われた。このような移転を行うためのコスト取引コスト)が十分に低いかどうかは別問題である。このような取引を初めて可能にしたのが、収集である

ほとんどの動物が非親族との遅延互恵的な協力関係を築けないという「囚人のジレンマ」を解決するために、収集品は我々の大きな脳と言語を増強したのである。それは、どの人が何をしたかというエラーと、その行為によって生じた価値や損害を評価する際のエラーである一族部族のサブセットを形成する、小さくてすぐに地元に帰れる親族グループ、または大家族)の中では、我々の大きな脳はこれらの誤差を最小限に抑えることができたので、世間の評判と強制的制裁が、相手が将来協力したり欠陥を犯したりする能力によって提供される限定的動機に取って代わり、遅延した互恵関係の主な執行者となったのであるホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシスホモ・サピエンスサピエンスも、同じように脳のサイズが大きかったので、地元一族の全員が、他の地元一族の全員の好意を把握していた可能性が高い。小さなローカル親族グループの中では、収集品を取引に使うことは最小限だったかもしれない。部族間では、好意の追跡と収集品の両方が使用された。部族間では、評判に代わって収集品が完全に互恵関係執行者となったが、暴力は依然として権利執行に大きな役割果たしていたし、高い取引コストのためにほとんどの種類の取引ができなかった。

一般的な富の貯蔵と富の移転手段として有用であるためには、収集品は、少なくとも1つの制度に組み込まれ発見製造コスト複数取引償却されるような閉ループのサイクルを持つ必要があった。さらに、収集品は、単なる美しい装飾品ではない。身につけられる安心感、隠したり埋めたりするためのコンパクトさ、変えられない高価さなど、一定機能性を持っていなければならない。そして、その高価さは、現代コレクター収集品を鑑定するのと同じように、譲渡を受けた人が確認できるものでなければならなかった。

本稿で示した理論は、これらの文化で交換される「貴重品」にこれらの特徴があるかどうか(あるいはないかどうか)を調べ、これらの貴重品が移動するサイクルから得られる経済利益を調べ、(現代を含む)さまざまな文化でこれらの特徴を持つ物に対する嗜好を観察することによって、検証することができる。

前例のない協力の技術により、人類地球上で最も恐ろしい捕食者となっていた。彼らは移り変わる気候適応したが、一方で、アメリカヨーロッパアジアでは、狩猟気候の変化によって、何十もの大きな群れの獲物が絶滅に追い込まれたのである現在地球上のほとんどの大型動物投射物を恐れているが、これはたった1種の捕食者に適応したものである。また、狩猟よりも採集を中心とした文化も大きな恩恵を受けた。ホモ・サピエンスサピエンスは、骨が弱くなり、脳の大きさが変わらないにもかかわらず、地球上のより多くの地域に、ネアンデルタール人10倍以上の人口密度で住むことができた。この増加の多くは、効果的な富の移転言語によって可能になった社会制度、すなわち貿易結婚相続、貢ぎ物、担保、そして復讐のサイクルを弱めるために損害を評価する能力に起因していると考えられる。

原始時代貨幣は、我々が知っているような現代貨幣ではなかった。現代お金機能の一部を担っていたが、その形は家宝宝石などの収集品であった。これらの使用は非常に古くから行われており、収集品を探求し、収集し、作り、展示し、鑑定し、大切に保管し、売買するという欲求人間普遍的ものであり、ある意味では本能的なものである。このような人間欲望集合体を「収集本能」と呼ぶことにする。多くの古代人は、貝や歯などの原材料を探したり、収集品を製造したりすることにかなりの時間を費やしていたし、多くの現代人は、趣味としてこれらの活動にかなりの資源を費やしている。その結果、具体的な実用性とは異なる、初めての確実な価値の具現化、そして今日貨幣の先駆けとなったのである

原始人がネックレスをつけた理由 パート3

飢餓保険

ブルース・ウィンターハルダー(Bruce Winterhalder)は、動物間で食料が移動する方法理由モデル調査している。盗みの許容、生産/嗅ぎ回る/機会主義リスク考慮した生存副産物相互主義、遅延した互恵主義取引現物でない交換、その他の選択モデル血縁利他主義を含む)。ここでは、リスクセンシティブ生存、遅延型互恵主義貿易現物ではない交換)に注目する。我々は、食料を収集品と交換することを遅延型互恵主義に置き換えることで、食料の共有を増やすことができると主張する。これは、変動する食料供給リスクを軽減する一方で、バンド間の遅延型互恵関係が抱える克服できない問題回避することで可能となる。以下では、親族間の利他主義窃盗(許容されるか否か)をより広い文脈で扱う。

食べ物は、飢えている人にとっては、十分に食べられている人よりもはるか価値がある。飢えている人が自分の最も貴重な価値物を交換することで命を救えるなら、その価値物を交換するために必要な数ヶ月、あるいは数年分の労働力に値するかもしれない。彼は通常、家宝感傷的な価値よりも自分の命の価値を考えるであろう。脂肪と同じように、収集品も食糧不足に対する保険になる。地域的な食糧不足による飢餓は、少なくとも2種類の取引で食い止めることができた。

しかし、取引コストが高すぎて、バンドはお互いを信頼するどころか喧嘩をしてしまうことが多かった。自分食べ物を見つけられない空腹のバンドは、たいてい飢えていた。しかし、取引コストを下げることができれば、バンド間の信頼の必要性を下げることができ、あるバンドにとっては1日の労働に値する食べ物でも、飢えているバンドにとっては数ヶ月の労働に値するかもしれない。

局所的ではあるが非常に価値のある取引は、上位旧石器時代収集品が登場したことで、多くの文化可能になったと、このエッセイは主張する。収集品は、必要ではあるが存在しない長期的な信頼関係の代わりとなった。もし、部族間、あるいは異なる部族個人間で持続的な交流信頼関係があり、互いに無担保の信用を得ていたならば、時間差のある物々交換が刺激されただろう。しかし、そのような高度な信頼関係があったとはとても思えない。上述した互恵利他主義に関する理由に加え、ほとんどの狩猟採集民の部族関係がかなり敵対的であったことが観察されているという経験的な証拠から確認できる。狩猟採集民の集団は、通常、1年のほとんどの期間は小さな集団に分かれて生活し、1年のうち数週間だけ中世ヨーロッパの市のような「集合体」に集まって生活する。バンド間の信頼関係がなかったにもかかわらず、添付の図に示されているような主食重要取引が、ほぼ確実にヨーロッパで、そしておそらくアメリカアフリカの大物ハンターなど他の地域でも行われていた。

添付の図で示されているシナリオ仮定のものであるが、それが起こらなかったとしたら非常に驚くべきことである旧石器時代ヨーロッパ人の多くは、貝のネックレスを楽しんでいたが、もっと内陸部に住んでいた人は、獲物の歯でネックレスを作っていた。また、火打ち石や斧、毛皮などの収集品も交換手段として使われていた可能性が高い。

トナカイバイソンなどの人間の獲物は、一年のうちで移動する時期が異なる。ヨーロッパ旧石器時代の多くの遺跡から出土する遺物の90%以上、時には99%以上が単一の種によるものであるほど、部族ごとに異なる獲物に特化していた。これは、少なくとも季節的な専門性を示しており、おそらく1つの部族が1つの種に完全に特化していたことを示している。一つの部族メンバーは、専門化した分だけ、特定の獲物種にまつわる行動や移動習慣などのパターン精通し、それらを狩猟するための特殊な道具や技術を身につけていたことになる。最近観察された部族の中にも、特殊化した部族があることが知られている。北米インディアンの一部の部族は、バイソンカモシカ狩猟サケの漁にそれぞれ特化していた。ロシア北部フィンランドの一部では、現在でもラップ族をはじめとする多くの部族が、単一種のトナカイ牧畜に特化していた。

旧石器時代もっと大きな獲物(ウマ、オーロックス、ジャイアントエルク、バイソンジャイアントナマケモノマストドンマンモスシマウマ、ゾウ、カバキリンジャコウウシなど)が大きな群れをなして北米ヨーロッパアフリカを歩き回っていた頃は、このような特殊化がはるかに進んでいたと思われる。人間を恐れない大型の野生動物はもはや存在しない。旧石器時代絶滅させられたか、あるいは人間人間の発射物を恐れるようになったのであるしかし、サピエンスサピエンスが生きていた時代には、これらの動物の群れは豊富で、専門のハンターにとっては簡単に獲物を得ることができた。取引に基づく捕食の理論によれば、旧石器時代に大型の獲物が大規模な群れをなして北米ヨーロッパアフリカを歩き回っていた頃は、専門性はるかに高かった可能性が高い。部族間の狩猟における取引ベースの分業は、ヨーロッパ旧石器時代考古学証拠と一致する(確実に確認されたわけではないが)。

このように、群れを追って移動する部族は、頻繁に交流し、多くの交易の機会を得た。アメリカン・インディアンは、乾燥させたり、ペミカンを作ったりして食べ物を保存していたが、それは数ヶ月はもつものの、通常は1年はもたなかった。このような食料は、皮、武器収集品などと一緒によく取引された。多くの場合、これらの取引は年に一度の交易遠征の際に行われた。

大規模な群れをなす動物は、1年に2回だけ領土を移動するが、その期間は1〜2ヶ月であることがほとんどである自分たちの獲物となる動物以外のタンパク源がなければ、これらの専門部族は飢えてしまうであろう。考古学的な記録で示されている非常に高度な専門化は、交易があったからこそ実現したのである

このように、時間的にずれた肉の交換が唯一の交易であったとしても、それだけで収集品の利用価値は十分にあると考えられる。ネックレスや火打ち石など、お金として使われるものは、取引される肉の価値がほぼ同じである限り、閉じたループの中で、ほぼ同じ量を行き来する。ここで注意してほしいのは、本稿で述べた収集品の理論が正しいとするには、単一有益取引可能であるだけでは不十分だということだ。相互有益取引の閉ループ特定しなければならない。閉鎖的なループでは、収集品は循環し続け、そのコスト償却する。

前述したように、考古学的な遺跡から、多くの部族が1つの大きな獲物種に特化していたことがわかっている。この専門化は少なくとも季節的なものであり、広範な取引が行われていた場合フルタイムで行われていた可能性がある。習性や移動パターン、最適な捕獲方法専門家になることで、部族は莫大な生産利益を得ることができた。しかし、このような利益は、単一の種に特化することは、1年の大半を食料なしで過ごすことになるため、通常は得られないものであった。部族間の分業が功を奏し、それを可能にしたのが交易だった。補完関係にある2つの部族間の交易だけで、食料の供給量はほぼ2倍になる。しかし、セレンゲティヨーロッパ草原のような地域では、ほとんどの狩猟地域を移動する獲物は2種類ではなく、10種類にも及ぶことがあった。そのため、種に特化した部族が入手できる肉の量は、近隣の一握りの部族との間で交易を行うことで2倍以上になると考えられる。その上、余分な肉は最も必要とされる時に得られる。つまり、その部族の同種の獲物から得られる肉はすでに食べ尽くされており、食料がなければハンターは飢えてしまうのである

このように、2つの獲物種と、同時ではないが相殺される2つの取引という単純な取引サイクルから、少なくとも4つの利益、つまり余剰の源が得られたのである。これらの利益は異なるものであるが、必ずしも独立したものではない:

1. 餓死しそうな時期に肉が手に入ること。

2. 肉の総供給量の増加:すぐに食べられる量や保存できる量を超えた余剰分を取引し、取引しなかった分は無駄になっていた。

3. さまざまな種類の肉を食べることで、肉から得られる栄養の種類が増えたこと。

4. 単一の獲物種に特化することによる生産性の向上。

食料と交換するために収集品を作ったり、保存したりすることは、悪い時期に備えての唯一の手段ではなかった。特に大きな獲物が得られない場合には、縄張り意識採集権の取引が行われていたようである。これは、現在残っている狩猟採集文化の一部にも見られる。

アフリカ南部クン・サン族は、他の現代狩猟採集文化の残存者と同様に、限界のある土地に住んでいる。彼らには専門家になる機会はなく、わずかに残っているものを利用するしかない。ホモ・サピエンスは、最初ネアンデルタール人から最も豊かな土地と最高の狩猟ルートを奪い取り、ずっと後になってからネアンデルタール人限界土地から追い出した。しかし、生態学的に厳しいハンディキャップを負っているにもかかわらず、クン族は収集品を交易品として使用している。

他の狩猟採集民と同様に、クン族は1年の大半を分散した小さな集団で過ごし、1年のうち数週間は他の集団との集合体で過ごす。集会は、取引が行われ、同盟が結ばれ、パートナーシップが強化され、結婚が行われるという特徴を持ったフェアのようなものである。アグリゲーションの準備は、一部は実用的だが、ほとんどはコレクション的な性質を持つ取引可能アイテム製造することで満たされる。クン族が「hxaro」と呼ぶ交換システムでは、4万年前にアフリカ発見されたものとよく似たダチョウの殻のペンダントなど、ビーズアクセサリーが多く取引されている。

クン族が収集品と一緒に売買する主なものは、他のバンド領地に入り、そこで狩猟採集を行う抽象的な権利である。これらの権利の売買は、隣人の領域採集することで緩和できるような地域的な不足の際に、特に活発に行われる。先に述べたバンド間の食料取引と同様に、収集品を使って採集権を購入することは、スタンリーアンブローズの言葉を借りれば、「飢餓に対する保険」となる。

解剖学上の現生人類は、意識的思考言語、そして計画を立てる能力を持っていたはずであるが、取引を行うためには、意識的思考言語、そして計画を立てることはほとんど必要なかったであろう。部族メンバー単一取引以外の利益を推論する必要はなかった。このような制度を作るためには、人々が本能に従って以下のような特徴を持った収集品を作るだけで十分だっただろう。(このような制度を作るためには、人々が本能に従って、以下のような特徴を持つ収集品を手に入れることができれば十分であった。) これは、我々が研究する他の制度についても、様々な点で同様であり、意識的設計されたというよりは、むしろ進化したものである制度儀式に参加している誰もが、その機能を究極の進化機能観点から説明することはなかっただろう。むしろ、究極の目的起源を示す理論というよりも、行動の近親的動機付けとして機能する多種多様神話観点から説明していた。

食物の交易に関する直接的な証拠は失われて久しい。将来的には、ある部族狩猟跡と別の部族の消費パターン比較することで、今回の記事よりも直接的な証拠が見つかるかもしれないが、この作業で最も難しいのは、異なる部族親族集団境界特定することである。我々の理論によれば、このような部族間の肉の移動は、大規模かつ特殊な大型狩猟が行われていた旧石器時代世界各地で一般的に行われていたと考えられる。

今のところ、収集自体の移動による間接的な取引証拠が多く残っている。幸いなことに、収集品に求められる耐久性と、今日考古学者が発見した遺物が生き残った条件との間には、良い相関関係がある。徒歩で移動していた旧石器時代の初期には、穴の開いた貝殻が500kmも離れた場所から発見された例がある。また、火打石も同様に長距離を移動していた。

残念なことに、ほとんどの時代場所で、取引コストが高いために貿易は大きく制限されていた。一番の障壁部族間の対立であった。部族間の主な関係は、良い日には不信感を抱き、悪い日には明らかな暴力を振るうというものであった。部族間の信頼関係を築くことができたのは、婚姻親族の絆だけであったが、それは時折であり、範囲も限られていた。財産保護する能力が低いため、たとえ身につけたり隠し場所に埋めたりした収集品であっても、収集品は数回の取引コスト償却しなければならなかった。

このように、取引コストが高いために、現在我々が当たり前のように使っている市場企業、その他の経済制度の発展が妨げられていた長い人類先史時代において、富の移転取引だけではなく、おそらく最も重要ものでもなかった。しかし、取引コストが高く、市場企業などの経済制度が発達しなかった先史時代には、おそらく最も重要ものではなかったであろう。我々の偉大な経済制度の下には、富の移転を伴うはるかに古い制度がある。これらの制度はすべて、ホモ・サピエンスサピエンスとそれ以前の動物とを区別するものである。ここでは、我々人間には当たり前で、他の動物にはない、最も基本的な富の移転の種類の一つである次世代への富の移転について説明する。

原始人がネックレスをつけた理由 パート2

鑑定や価値測定の問題は非常に幅広いものである人間にとっては、好意の返礼、物々交換貨幣、信用、雇用市場での購入など、あらゆる交換システムに関わってくる。また、強要課税、貢ぎ物、司法上の刑罰の設定などにおいても重要である動物互恵利他主義においても重要である。例えば、サル背中を掻くために果物を交換することを考えてみよう。相互に毛づくろいをすることで、個人では見えないし届かないダニノミを取り除くことができる。しかし、どれだけの毛づくろいとどれだけの果物を交換すれば、お互いに「公平」だと思える、つまり離反しないお返しになるのであろうか?20分間のバックスクラッチングの価値は、果物1個分であろうか、それとも2個分であろうか?また、どのくらいの大きさの果物であろうか?

血と血を交換するという単純なケースでさえ、見かけよりも複雑なのだコウモリは、受け取った血の価値をどのように見積もっているのだろうか。重さ、大きさ、味、空腹を満たす能力、その他の変数価値見積もるのだろうか?それと同じように、「あなたが私の背中を掻いてくれたら、私があなた背中を掻く」という単純な猿の交換でも、測定は複雑になる。

大多数の潜在的な交換において、動物にとって測定問題は難題である。顔を覚えてそれを好意に結びつけるという簡単問題以上に、そもそも好意価値推定値について双方が十分な精度で合意できるかどうかが、動物相互利他主義の主な障壁となっているのではないだろうか。

現存する旧石器時代初期の人類の石器は、我々のような大きさの脳には複雑すぎる面がある。誰が誰のためにどのような品質の道具を作ったのか、したがって誰が誰に何を借りているのかなど、彼らに関わる好意を記録しておくことは、一族境界線の外ではあまりにも困難であっただろう。それに加えて、おそらく残っていない多種多様有機物や、身だしなみなどの刹那的サービスなどがあるであろう。これらの物品のほんの一部でも譲渡され、サービスが行われた後には、我々の脳は膨れ上がっていて、誰が誰に何を借りているのかを把握することはできなかった。今日、我々はこれらのことをよく書き留めているが、旧石器人には文字がなかった。考古学的な記録が示すように、氏族部族間での協力が実際に行われていたとすれば、問題さら悪化する。狩猟採集民の部族は通常、非常に敵対的相互に不信感を抱いていたかである

貝がお金になる、毛皮がお金になる、金がお金になるなど、お金法定通貨法に基づいて政府が発行した硬貨紙幣だけでなく、さまざまなものであるとすれば、そもそもお金とは何なのであろうか。また、飢餓危機に瀕していた人類は、狩猟採集もっと時間を割くことができたはずなのに、なぜネックレスを作って楽しんでいたのであろうか。19世紀経済学者カールメンガーは、十分な量の商品交換から自然に、そして必然的貨幣進化することを初めて説明した。現代経済用語で言えば、メンガーの話と似ている。

物々交換には利害関係の一致が必要であるアリスピーカン栽培してリンゴを欲しがり、ボブはリンゴ栽培してピーカンを欲しがる。たまたま果樹園が近くにあり、たまたまアリスはボブを信頼していて、ピーカンの収穫時期とリンゴの収穫時期の間に待つことができたとする。これらの条件がすべて満たされていれば、物々交換はうまくいく。しかし、アリスオレンジ栽培していた場合、ボブがピーカンだけでなくオレンジも欲しかったとしても、運が悪かったとしか言いようがない - オレンジリンゴは同じ気候では両方ともうまく育たない。また、アリスとボブがお互いを信頼しておらず、仲介してくれる第三者を見つけられなかったり、契約を履行できなかったりした場合も、運が悪いと言わざるを得ない。

さらに複雑な事態も起こりえる。アリスとボブは、将来的にピーカンリンゴを売るという約束を完全に明確にすることはできない。なぜなら、他の可能性として、アリスは最高のピーカンを独り占めし(ボブは最高のリンゴを独り占めし)、他の人には残りかすを与えることができるからである。2つの異なる種類の商品の質と量を比較することは、一方の商品状態記憶しかない場合には、より困難になる。さらに、どちらも凶作などの出来事予測することはできない。これらの複雑さは、アリスとボブが、分離した互恵利他主義が本当に互恵的であったかどうかを判断する問題を大きくしている。このような複雑な問題は、最初取引互恵的な取引の間の時間的な間隔や不確実性が大きいほど大きくなる。

関連する問題として、エンジニアが言うように、物々交換は「スケールしない」ということがある。物々交換は、少量であればうまく機能するが、大量になるとコストがどんどん高くなり、労力に見合わないほどのコストになってしまう。取引される商品サービスがn個ある場合物々交換市場ではn^2個の価格必要になる。5つの商品であれば25個の価格必要となり、悪くはないが、500の商品であれば25万個の価格必要となり、一人の人間管理するには現実的ではない。貨幣を使えば、500の製品に500の価格というように、n個の価格しかない。この目的のためのお金は、交換媒体としても、単に価値基準としても機能する。(後者問題は、暗黙の保険契約」とともに、競争市場存在しなかったこから価格が近しい交渉ではなく、長い間進化してきた慣習によって設定されることが多かった理由でもある)。)

物々交換必要なのは、言い換えれば、供給スキル、好み、時間、そして低い取引コストの偶然の一致である。そのコストは、取引される商品の数の増加よりもはるかに速く増加する。物々交換は、確かに全く取引をしないよりははるか効果的であり、広く実践されてきた。しかし、お金を使った貿易に比べれば、その効果はかなり限定的である

原始的貨幣は、大規模な貿易ネットワークよりもずっと前から存在していた。貨幣には、もっと早くから重要用途があった。貨幣は、信用の必要性を大幅に減少させることで、小規模な物々交換ネットワークの働きを大きく改善した。好みが同時に一致することは、長い時間の間に一致することよりもはるかに稀だった。お金があれば、アリスは今月のブルーベリーの熟度に合わせてボブのために採集し、ボブは半年後のマンモスの群れの移動に合わせてアリスのために狩りをすることができ、誰が誰に借金をしているかを把握したり、相手記憶や誠実さを信用したりする必要はない。母親の子育てへのより大きな投資を、偽造できない貴重品の贈与で担保することができる。貨幣は、分業の問題囚人のジレンマから単純な交換に変えてくれる。

多くの狩猟採集民が使用していた原始的貨幣は、現代貨幣とは全く異なる姿をしており、現代文化の中では異なる役割果たしており、おそらく後述する小さな交易ネットワークやその他の地域的な制度限定された機能を持っていた。私はこのような貨幣を、本来貨幣ではなく、収集品と呼ぶことにする。人類学の文献では、このようなものを「お金」と呼んでいるが、これは政府印刷した紙幣硬貨よりも広い範囲定義されているが、このエッセイで使う「collectible」よりも狭い範囲定義されている。また、曖昧な「valuable」という言葉もあるが、これはこのエッセイ意味でのcollectiblesではないものを指すこともある。原始貨幣名称として他の可能性がある中で、コレクティブルという言葉を選んだ理由は明らかであろう。コレクティブルは非常に特定属性を持っていた。それらは単に象徴的なものではなかった。コレクティブルとして評価される具体的な物や属性は、文化によって異なる可能性があるが、恣意的ものではない。収集品の第一の、そして究極の進化機能は、富を貯蔵し、移転するための媒体であった。ワンパムのようなある種の収集品は、経済的社会的条件が貿易を促進するところでは、現代人が知っているような貨幣として非常に機能である。私は、コイン時代以前の富の移動手段議論する際に、「原始的貨幣」や「原始的貨幣」という言葉を、「収集品」と同じように使うことがある。

富の移転による利益

人々、一族、あるいは部族自発的貿易を行うのは、双方が何かを得ることができると信じているかである価値についての彼らの信念は、例えばその商品サービスについての経験を積むなどして、取引後に変わることがある。交易の時点での彼らの信念は、価値についてはある程度不正であるものの、利益存在については通常正しいものである特に初期の部族貿易では、高額商品に限られていたため、各当事者自分の信念を正しく理解しようとする強い動機があった。そのため、貿易ほとんどの場合、双方に利益をもたらした。貿易は、何かを作るという物理的な行為と同様に、価値を生み出した。

個人一族部族はそれぞれ好みが異なり、これらの好みを満たす能力も異なり、これらの能力や好み、そしてそれらの結果として得られる物について持っている信念も異なるため、貿易から得られる利益は常にある。このような取引を行うためのコスト取引コスト)が、取引価値あるものにするのに十分低いかどうかは別問題である。我々の文明では、人類歴史上の大半の時代よりもはるかに多くの取引可能であるしかし、後述するように、いくつかの種類の取引は、おそらくホモ・サピエンスサピエンス誕生した頃まで、一部の文化にとっては取引コスト以上の価値があった。

取引コストが低いことで利益を得ることができるのは、任意スポット取引だけではない。これが、貨幣起源進化理解する鍵となる。また、家宝担保にすることで、取引の遅延による信用リスク回避することもできた。勝った部族が負けた部族から貢ぎ物を取ることは、勝った部族にとって大きな利益となった。勝利者の貢ぎ物を集める能力は、貿易と同じ種類の取引コスト技術恩恵を受けていたのである。慣習や法律に反する行為に対する損害賠償請求する原告や、結婚斡旋する親族集団も同様である。また、親族は、タイムリー平和的な相続による富の贈与の恩恵を受けていた。現代文化では貿易世界から切り離されている人間の主要なライフイベントも、取引コストを下げる技術によって、貿易に劣らず、時にはそれ以上の恩恵を受けていた。これらの技術のうち、原始的貨幣収集品)よりも効果的で重要ものはなく、また初期のものでもなかった。

H.サピエンスサピエンスがH.サピエンス・ネアンデルターレンシス駆逐すると、人口爆発が起こった。紀元前4万年から3万5千年の間にヨーロッパ占領した証拠からサピエンスサピエンスはネアンデルターレンシスに比べて環境収容力を10倍にしたこと、つまり人口密度10倍になったことがわかる。それだけではなく、彼らは世界初の芸術創造する余裕があった。例えば、素晴らしい洞窟壁画多種多様精巧な置物、そしてもちろん貝殻、歯、卵殻を使った素晴らしいペンダントネックレスなどである

これらは単なる装飾品ではない。収集品や、その時代進歩したと思われる言語によって可能になった、新しい効果的な富の移動は、新しい文化制度を生み出し、環境収容力の増加に主導的な役割を果たしたと考えられる。

新参者であるH.サピエンスサピエンスは、ネアンデルタール人と同じ大きさの脳、弱い骨、小さい筋肉を持っていた。狩りの道具はより洗練されていたが、紀元前35,000年の時点では基本的に同じ道具であり、2倍の効果10倍の効果もなかったであろう。最大の違いは、収集品によってより効果的に、あるいは可能になった富の移動だったかもしれない。H.サピエンスサピエンスは、貝殻を集めて宝石にしたり、見せびらかしたり、交換したりすることに喜びを感じていた。ネアンデルターレンシスはそうではなかった。これと同じことが、何万年も前にセレンゲティで起きていたのである

ここでは、コレクションアイテムが、自発的無償相続自発的相互取引結婚、法的判断や貢ぎ物などの非自発的移転など、それぞれの種類の富の移転において、どのように取引コストを下げたか説明する。

これらの種類の価値移転はすべて、人類先史時代の多くの文化で行われており、おそらくホモ・サピエンスサピエンス誕生したときから行われていたと考えられる。このような人生の一大イベントである富の移転によって、一方または両方の当事者が得られる利益は非常に大きく、高い取引コストにもかかわらず発生した。現代貨幣比較して、原始的貨幣の速度は非常に低く、平均的な個人の一生の間にほんの数回しか譲渡されないかもしれない。しかし、今日では家宝と呼ばれるような耐久性のある収集品は、何世代にもわたって持ち続けることができ、譲渡のたびに相当な価値を付加することができたし、しばしば譲渡可能になることもあった。そのため、部族は、宝石収集品の原料を製造したり、探索したりするという、一見すると軽薄な作業に多くの時間を費やしていた。

富の移転重要な要素となっている制度では、次のような質問をする:

1. 事象移転された財の供給移転された財の需要の間には、時間的にどのような偶然の一致が必要だったか?偶然の一致があり得ないことは、富の移転にとってどれほどあり得ないことか、あるいはどれほど高い障壁になるか?

2. 富の移転は、その制度だけで収集品の閉ループ形成するのか、それとも循環サイクルを完成させるために他の富の移転制度必要なのか。貨幣流通の実際のフローグラフ真剣に考えることは、貨幣の出現を理解する上で非常に重要である多種多様取引の間で一般的流通することは、人類先史時代ほとんどの期間、存在しなかったし、これから存在しないであろう。完結したループが繰り返されなければ、収集品は循環せず、価値がなくなってしまう。作る価値のある収集品は、そのコスト償却するのに十分な取引価値を付加しなければならない。

まず、今日の我々にとって最も身近で経済的重要取引を見てみよう。

2021-08-25

マッサージ機が好きなんだけど自分で買うとコスパ悪いしコロナだしで泣いてる

俺はマッサージチェアを使いたいかスーパー銭湯に行って勿体ないからついでにサウナに入るのを月2ぐらいでやってるオッサンだった。

だがコロナがひどくなるとマッサージチェアは次々と封印されていき、もはやスーパー銭湯は俺の中で役目を失っていった。

自宅にはマッサージ機があることにはあるのだがマッサージチェアを買うとコスパが悪いので部位用ばかり買っている。

だがそれでもコスパはガッカリだ。

5万円出して足しか揉んでくれないマシーンを1日10分使ったとして、それの価値が1日100円だとしても元を摂るには1000日かかる。

1000日も使うと性能も下がってくることを考えると実際に元を取ったと言うには1500日ぐらい使わないと駄目だろう。

もみ返しを考えると使うのは1日おきぐらいなので3000日、8年ぐらいかけてようやく元が取れる計算だ。

遠すぎるだろ。

スパ銭のマッサージ機は100万ぐらいしそうなのが10分100円でこわ……ってなる。

自分が同じクオリティのを購入したとして元を取るには1日2回使って性能低下を無視しても5000日かかる。

つうか流石にそれぐらい使うと普通にどっかでメンテとか必要そうだ。

すると更に減価償却完了は遠くなるし、そんなかかると表面の皮も剥がれてくるから貼り直して……それで伸びた償却完了の間にベアリングバルーンが消耗してまたメンテ……。

うーむ……スパ銭はマッサージ機おいて元が取れてるんだろうか。

客寄せパンダ可能性もあるな。

実際俺はマッサージ機がなかったら銭湯なんて行かないしな。

2021-08-16

anond:20210816010259

20年ならまだ償却終わってないだろ

土地取得に作り変えと金持ちだな

2021-07-11

anond:20210711094821

そもそもさ、設備研究投資に使ってくれればいいわけなんだが。だが法人税本体を下げると貯め込む企業も減税だ。

内部留保はただ利益の積み重ねでしかなく、設備に使ってる場合もある。だが、現金内部留保内部留保となるほど企業が金の貯め込みに走って設備研究投資をしなくなってる。

から設備研究投資減税(さらに言えば即時償却)を広く認めさせて、実効税率の方を下げるべき。額面の税率自体は高めのほうが良い。

使ったら減税、貯め込んだら増税必要がある。(間違えた。修正

2021-07-05

anond:20210705091517

資産管理は若干面倒だろうけど、4年で償却しおえれば普通に経費と変わらないよね

2021-05-30

仮想通貨マイニング需要も下火になるから今のうちにグラボ売っとけ

5月半ばの暴落から持ち直してるような気があるかもしれんけど、

ここから7月になったらマイニング報酬を受け取る手段が変わってきてグラボがお役御免になる。

 

具体的には、

・今まではグラボをぶん回していればガッポリ儲けられていた

7月から特定量の仮想通貨を持っているPCにも報酬が与えられる。このPCにはグラボ必要ない

・「特定量の仮想通貨を持っているPC」の報酬比率が高まりグラボの分は減少される

 

といったのがもう目前まで来ている。

ぶっちゃけ今のタイミングで売り切ってる奴は賢い。

来月に入ったらマイニング対策グラボが本格的に出回るし、7月に向けて売るやつが大勢いるからすぐにメルカリで売られてる奴はどんどん下がっていくよ。

 

今でも3月ごろなら売れてた値段でも全然売れていないし、

今売りに動かない奴は、焼き切れた売れないポンコツグラボ抱えてグラボ買った金も償却できなくて泣き寝入りするよ。

 

みんな売るなら今だぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!

2021-05-25

和包丁という文化が無くなるかもしれんよという話

和包丁という文化が無くなるかもしれんよという話

日本包丁というのは切れ味が格段に良くて海外からわざわざ取り寄せる人が居るほどカルト的な人気がある。

コロナ前はかっぱ橋道具街にも外国人が沢山いて数万円もする包丁がよく売れていた。

だが実はこの高級和包丁の原料を作っている会社というのはほんの僅かなのだ。寡占市場なんである

その一番の鋼材供給である日立金属安来工場の先行きが不透明である

 

和包丁には作りが二つあって

1.刃物鋼を軟鉄でサンドイッチして鍛造する「霞」(割り込み包丁

2.全身が刃物鋼の「本焼き」(全鋼とも)

一般的に霞より本焼きの方が高くて玄人好みなのだが、どっちの包丁でも肝心の切れ味を左右する刃先は刃物鋼という特殊鋼で作られる。

この刃物鋼には炭素鋼の白紙炭素鋼にタングステン等を混ぜて切れ味を長持ちさせた青紙などがある。

だがこの白紙も青紙も作っているのは島根県日立金属安来工場一か所なんである

他に例えばステンレスの高級包丁などではV金10号なんていうステンレス刃物鋼を使い、これは武生特殊鋼という会社が作っている。こっちも独占市場だ。

でも和包丁と言ったらやはり鋼であって、この安来鋼と言われる刃物鋼はほぼ必ず日立金属安来工場製だ。

 

この日立金属最近売却され、日立グループから離脱した。

なんで製鉄部門を手放したかといえば日立グループの決済が悪化たからだ。

その一つの主な原因は英国での原発輸出失敗である

 

この原発輸出の失敗は非常に不思議な事で、例えば判りやすい方の東芝のウエスチングハウス買収では構造的に原発の新設が不可能と知られる所に巨額の投資をして失敗している。

アメリカ原発新設が不可能になったのは電力自由化スリーマイル島事故の為というのは有名である

電力自由化はペイできないリスクを抱え込む事を不可能にする。日本でも国策企業電源開発がなければ原発新設なんて出来なかった。

そこへスリマイル事故安全基準が上がったら国策ではなくて商売としての原発新設なんて不可能だ。更に福一である

こういう構造的な問題が知られているのに何故か東芝WHの決済書を読んでいけると考えた。WHはどういう魔法クリアしたのか?

蓋を開けると粉飾決済という魔法で、単に巨額資金負債を買った結果となった。でもこの結果はそりゃそうでしょというもんで不思議でも何でもない。

 

日立の方はそこまで酷くないが、それでも福一で格段に上がった安全基準の為に償却の目途が付かずにご破算となった。

だがなぜ甘い見通しのままで巨額資金を投じているのか?

要するに重用された経産省の傍流革新官僚が持ちかけた投資話なのであろう。官邸の数人で児戯のような「国策」を設計してみた結果だ。

人に金出させて失敗した仕手筋なんて刑務所にブチ込まれるのが経済事件常識だが、この革新官僚は未だ霞が関溜池にいる。

それにしてもバブル最中でもないのにこんな雑な投資話なんてそうそうない。どんな美味しい話をされたのか脅されたのか気になるところだ。

 

何れにしても日立金属は売却されてしまったが問題事業規模だ。

日本は製鉄大国だ。それ故製鉄の取引額は莫大で韓国世界一の造船を支え、アメリカ北部の製鉄業を壊滅させてラストベルトを作った。

刃物鋼は冶金や特殊鋼の一部門であってその特殊鋼の事業規模も製鉄全体から見たら非常に小さい。

まり製鉄大国であるが故に、刃物鋼の生産というのは町久場レベルの極小事業なんである

 

その為に地元では工場が整理されて閉鎖されるのではないかとの懸念が出ていて去年から商工会議所知事陳情したり県知事市長を交えた会議があったり、知事日立要望出したりしている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC203NZ0Q1A520C2000000/

だが経済界では和包丁文化の取り替えきかない要だという事を理解する人は少ないようなのだ

 

一方、料理人は?といえばどうも経済紙を読む人は少ないようで騒いでいる人は見ない。

今日も「和包丁日本刀の流れをくむ文化で~」とかの言説に悦に入っているような人ばかりなんである。困ったもんだ。

因みに幕末まで刀鍛冶大名に雇われた存在で、包丁などは野鍛冶、村鍛冶の仕事だった。職分が違う。

また冶金技術戦後に鉄の流通が急拡大してから急激に伸びている。

戦前の製鉄は官需や軍需に過分に依存した歪な業界構造で、包丁など調理具はその官需軍需から離れた所にいた。

戦後軍港の転換で造船所が出来、製鉄需要に火をつけて造船、建築自動車などの大需要が発生してきたが、刃物鋼はやはりこの大市場の外部にいた。

経済人が唯一無比の高級和包丁原料製造者である事に気づかない原因でもある。

和包丁日本刀の流れをくむ世界に誇る文化」なんて程度の低い客向けの口上の筈なのに自分たちがその口上に酔ってしまい、業界構造を頭に入れずにその「世界に誇る文化」が危機に瀕しているのに気が付かない。

白紙包丁店頭から全て消えてからあたふたしても遅いのである

 

以上が今や文化とさえなっている和包丁を巡る今の状況である

因みに海外調理メーカーでも数万円ラインの高級品ではやはり安来工場刃物鋼を使っている。

それから「紙」っていうのは、ロール状に巻いた鉄板とか数十メートルもあるH鋼なんかと違って刃物鋼はコピー用紙とか新聞紙レベルの板として取引されるのでそう言われる。

和包丁が無くならない事を願うばかりだ。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん