はてなキーワード: 取引市場とは
そうだね、再エネって電力自由取引市場との組み合わせで「あっちこっちで発電してる電力が総量として需要をまかなう」「広域・分散型のネットワークが全体として可用性を保障してる」という考え方に基づいてて、今のところは地域別・時間帯別で見たときに不足する電力は原発他とのエネルギーミックスでまかなうことでこの仕組みが成り立ってる。再エネと原発が補完的関係なんだけど、EDFの収支を見るとわかるように、この補完関係では今のところ原発が割を食ってるんだよね。で、「採算合わないからってどんどん停止して大丈夫なのか」という問いに対しても明確な「大丈夫!」があるわけじゃないので、そこについて慎重論が出るのはわかるし、自分も理解する。
核融合は自分も期待してるんだ。というか、正確に言うと希望を捨ててないというところかな。次の氷期の前に核融合技術を完成させないと、人類はもう次がないから…。核融合ブーム:人類の聖杯
ただ、その核融合技術ですら、純粋な経済的コストの問題のせいで再エネに事業化を阻まれてしまうかもしれない。今後は爆安の太陽光パネルやシート型のペロブスカイト型電池が地表や建造物や海面にどんどん展開されていく。で、気候が安定してる期間は再エネのエネルギーはメリットオーダーでの最安値を維持できちゃう。新たな発電方式は、その低廉なコストを超えない限り商業化が難しい。今の技術開発フェーズが今後「採算性なし」って理由で止まらないことを祈ってる。
ドイツとフランスの電力輸出入は、統計的にはほぼイーブンだよ。電力自由取引市場だからお互いに売ったり買ったりしてる。市場計画取引ではドイツ側の輸出量が多く、物理潮流ではフランス側の輸出量が多いことになってる。昔は圧倒的にフランス側が輸出国だったけど、そこまで追いつかれてしまった。
あと、フランスの原子力発電を一手に担う電力会社EDFは、市場競争力のある割安な売電価格を義務づけられてる。そのせいでEDFは十分な利益確保ができず、事業収益性が低迷して累積赤字が6兆円以上に膨れあがり、どうしようもなくなって2023年に再国有化された。今後も採算性の改善については相当厳しく、結局は電気代を上げることでしか対応できないと見られている。
現時点では詳細が明らかになっていないため、EDFを100%国有化することの効果を予測することはむずかしいものの、すぐにEDFとフランスの原子力発電が盛り返すことはないだろう。おそらく消費者向けの電気料金、さらにはEDFの事業再編に関して、痛みを伴う決断が必要になる。
EUがグリーン投資の対象を規定するタクソノミーに原子力発電を追加したことは、EDFにとって後押しになる。100%国有化することと合わせて、原子力発電に対する資金調達の条件の改善が期待できる。原子力発電は大規模な投資が必要で、資金調達コストが高い(建設中のフラマンヴィル3号機の総コスト230億ユーロのうち約20%が資金調達コスト)11。ただし資金調達だけではなく、新たな収益スキームが必要になる可能性もある(たとえば英国で実施している差金決済取引などの優遇策)。
それでも莫大な負債と大規模な投資の必要性を考えると、消費者向けの電気料金の大幅な増額は避けられない。フランス政府はEDFの利益と消費者の利益のバランスを適正に保たなくてはならない。社会的な平穏のためにEDFを犠牲にする施策を取りやめ、新たな解決策に着手する必要がある。最も弱い立場にいる消費者に対して、実用的で教育的な支援が重要になる。
国有化はEDFの事業を再編する機会でもある。“ヘラクレス(Hercules)”と呼ぶ再編計画があり、原子力、水力、その他の自然エネルギーと配電・小売、の3つの事業に再編することを検討している。ただし影響力の大きい労働組合が会社の分割に強く反対している。このような再編がむずかしいとしても、事業のバランスを大胆に見直すことが不可欠だ。特に配電と自然エネルギー(EDF Renewables)の分野は、主力事業の発電・小売と比べて売上高は小さいものの、営業利益は着実に出ている(図4)。
https://www.renewable-ei.org/activities/column/REupdate/20220823.php
「EDFの黒字部門は再エネ事業と送電事業」という事実は、仏原発の将来が明るくないことを雄弁に示してる。コストで殴り合ったら原発は再エネに勝てない。
もちろん読んでるけど、それはおれのコメントのどこに関係してくるんだろうか。
ちなみに元増田の言う通り、欧州の原発の一部はすでに需要ベースの出力制御を始めてるけど、出力調整でコスト割れ〜マイナス価格での売電量を抑えることはできても、「再エネに対して多くの時間帯でメリットオーダーで劣位」という根本問題は解決できていない。
電力自由化が「祟り神」かどうかはともかく、電力自由取引市場が導入された国や地域では割高な発電コストが原発に引導を渡す、というのは元増田の言う通りで、ほぼ確定した流れ。エネルギー安全保障という曖昧な名目のために再エネより割高な電力を買ってくれる消費者や需要家はいないし、事業者だって原発が儲からないビジネスなら手を出さない。
チケット名義と実際に入場・着席した人物が一致しているかを劇場スタッフが確認し、着席の可否がその場で判定されることを本人確認と呼ぶ。
本人確認は所謂、高額転売にへの対策の一つでチケット申込みの際に『本人確認をする場合がある』と注意書きされる場合、または公演日が近づいた時点で公式が実施すると言えば、入場者は容易に拒否出来るものではない。
そもそも、なぜ観客は入場チケットの入手経路の如何を問われなければならないのか。
偽造したチケットでは無ければ、
高額転売だろうが定価以下で購入したチケットだろうが一枚のチケットを買っている事には変わらない。
しかも昨今のチケット販売の形態の多くが座る席を選ぶことが出来ず、抽選によりランダムに座席が決定される。
最前列のど真ん中だろうが、一席隣は見切れ席だろうが、2階席だろうが同じ金額で販売されることは少なくない。
末席でも最前列でも同じだというなら、積極的に後ろに行ってくれ。なんなら当日末席の人間に声を掛けて『私はどこでもいいのでこの最前に座ってください』と声を掛ければ二つ返事で席を変わってくれる人間は必ずいる。
そもそも観客の大半は金額に見合った席を選んで購入しているわけではないのだ。
公式が金額に納得できる席を選んで買わせてくれないとなれば、個人間取引により席の価値に見合う売買の市場が生まれてしまうのも必然ではないだろうか。
高額転売というと昨今、2.5次元作品舞台・若手俳優多数出演舞台ではやたらと目の敵にされやすい。
そもそもの売り方がアコギだから、観客同士が価値を決め取引をする市場が発生しているというのに、何故か客が客を目の敵にする事態も多く見られる。
席により価値が異なることを理解し、資本主義に則り価値に見合う金額で取引をしようという客がいる一方で、兎にも角にも『公式プレイガイドでの購入・定価(+手数料)』に強く拘る客というのもまた存在しているのだ。
そしてこの定価に拘る客というのは何故か高額で取引されていることを強く非難する。自分がその取引市場を利用し、不利益を被るわけでもないのにだ。
この層が信仰している説の一つが『転売ヤーが購入しなければ自分が買えていたはず』という説だ。
これは全く論理的ではなく、根拠もない説なのだが根強い支持を受けている。
自分が落選・購入出来なかった事と別の人間が当選・購入出来ることは別だ。
チケットに当選・購入を果たした人間がその後 チケットをどうするかは当選・落選とは更に全く別問題であるはずだ。
しかしなぜか、『転売ヤーが当選するから自分たちが購入出来なかった。高額転売する者からチケットを購入するものも悪である』と飛躍した論理で価値に見合った個人間取引を行おうとする者たちを激しくバッシングする。
参加しないのであれば無関係を決め込み、関わらなければ良いだけなのに。
ここで掲題の『本人確認』に戻る。
個人間取引によりプレイガイドから購入した人間とその人間から購入した人間が存在することで『実際に入場する人間が購入者ではない』という事態になる。
これを問題としていない(というか、問題にはおもっていても特に手を打っていない)2.5次元作品舞台・若手俳優多数出演舞台は多く、チケットもぎりの際にその名義を確認しない作品の方が主流だろう。
当然だ。
チケットが正規のものである以上、入場を拒む理由は本来は無いだろう。
チケットの高額転売自体は裁かれるべき罪である。しかし、『それは罪だ』と司法の場に出して始めてお裁きとなるのだ。
興行のチケットを入場時に提示することが出来れば、入場させた方がスムーズだ、興行に変なストレスが発生することもない。
入場時に本人確認を行うとなれば、本来は1秒で終わる入場の為のチケットもぎりにじっくり時間をかけますということになる。当然、開場から開演までにそのような時間を十分に取るのは現実的にほぼ不可能だ。
本人確認に十分な時間はとれなかったとしてもチケットを持っている観客は『チケットを持っている』ので入場の権利及び開演時間までに着席する権利がある。
その権利を脅かすことはチケット代金の価値を削ることになり、不利益と与えたとされる可能性をとしてはリスクが高いだろう。
そんな要らぬリスクを負いたがる運営の方が珍しいのは必然である。
しかし全員は無理でもランダムに人数を絞って行うということは可能だろう。
そしてたまたた該当の『購入者と入場者が異なる』観客を排除することに成功すれば、見せしめとしての効果も高い。
これをやたらと喜ぶのは前述の『転売ヤーが購入しなければ自分が買えていたはず』論者に多い。
よくぞやってくれた!と運営を褒め称える。
全く解せない。
なぜ入手経路の如何により公式の販売した『正規のチケット』を提示しているのに入場を拒否されなければならないのか。
本人確認という命題のもと、個人情報を見ず知らずの他人に見せなければならないのか。
転売ヤー許すまじという正義感を満たす以上の何を為しているというのか証明をして貰いたい。
悪を断罪しているというなら入場を拒否したチケット保持者を裁判所へしょっ引くだけの責任は果たしているのか?何も為していないなら、その幼稚で雑な行為は改めて貰いたい。
入場時の本人確認による入場拒否は高額転売を無くすことはできない。
チケットの価値が適正でない以上、売る者は売り、必要な者は買う。
高額転売において劇場キャパシティと需要の不一致による入手困難による転売価格の高騰もまた問題ではあるが、これも結局のところ必要としている者と購入者が異なり、チケット代金以上の価値が生まれてしまうという点では同じなので割愛する
2.5次元作品・若手俳優多数出演舞台作品において、今後中売りという行為が先に主流になるか、本人確認リスクを負うことを運営が現状維持となるか今後が楽しみではある。
果たしてその炎上に見合うだけの作品なのだろうか、甚だ疑問である。
これは個人の主張であるが、座席ごとチケットの価格、販売方法を設定して欲しい。
先ずは納得できる商品を納得して買うという当たり前のことを整備して欲しい。
その上で入場者が『納得して購入した人間』であることを確認して欲しい。
また別の問題ではあるが、入場を拒否されてもチケット代が2、3,000円ならまだ溜飲が下がるかもしれない。
この一億総貧困社会で、一万円はシンプルに大きな金額だ。火を灯して灯りにするには勿体ないというのが一般的な価値観だろう。
更に、そもそも果たして本当にその作品に一万円以上の価値はあるだろうか。
価値を見出す、という意味では観客本人の満足度である程度はチケット代金分をペイすることが出来るだろう。
しかし、パフォーマンスレベルだけで推し量った時、この世に数多溢れるようになった2.5次元舞台はそのいくつが一万円の価値がある作品だろうか。
パフォーマンスレベルが水準を満たさない場合ほど、推しに少しでも近い席や見やすい席、ここに座って推しを見たいという拘りが生まれ、チケット定価では量ることが出来ない『価値』は生まれてしまうのだ。そこでやっとペイすることが出来るのだ。
多寡は問題じゃなくて、どんなに少なかろうがそういう可能性が0ではないなら、観測範囲を広げていくための構えをとっていくべきだということなんだよな。
そういったことを踏まえると中野のあの店なら見つかるかもしれないというのは構えとしての一般化された方法論ではなく個別の事例を挙げてるだけなので分かってない。
ではあなたがその中野の店を発見するにあたって今までのどのような身の処し方が発見にプラスの作用をもたらしたと思うか聞きたくなるだけ。
これははてなに感度が高い人が書いてるブログがあるから登録すればいいというのと似ていて、じゃあその人はどうやって感度を高くしているのか、また別の人のブログを見ているのかと疑問が無限に遡って言ってしまうような回答なんだよね。答えるべきはその突き詰めた先にあるはずの、ブログを見るみたいな方法でない方法で感度をあげてる人がとっている方法として想定されるものだ。
そのうえこれはおそらく「中野 自費出版 書店」「神保町 自費出版 書店」と検索して見つけたんだろうなと俺でも察しがつく。その程度の方法論は既に身についているので得るものがない。
そういう意味では「本屋の月ごとの入荷リストを見て知らない出版社があったらマークしておく」みたいな意見の方が少しはましか。
でもこれにしたって行動範囲内にある書店に対しては既に行っていることだろう。
とうかそもそも独立系出版社なるものはごく数店としかやり取りせず流通させていないのがほとんど(とはいえ自費出版ではないのでコミティアで発表される可能性も低い)。
大事なのはそういうのと取引してそうな本屋を見つけるコツはなにかということ。そういう本屋がありそうな場所には特有の土地柄があるものなかとか、そういう探す上での特徴を踏まえた嗅覚を身につけたいというわけだろう。
行動範囲の書店で自分の知らない出版社を待ち構えるのはまだ偶然性に頼ってる部分が大きいことで、もう少し偶然性を排除して自分の意思で情報を掴み取っていくためにまだできることがあって、それがたとえばそういう嗅覚を身に着けるということなら、その先にもまだ何かやれる余地があるのか、それとももう天命に任せるしかないのか、という境界の、やれること側にあることで出来ることで、境界にもっとも近いところにあることまで指南してほしい、ということなんだな(説明下手ですごい悪文になってしまった…)
pixivコミックとかというのはそれを知った時点でその内側にある個別のコンテンツは知らなくても、その言葉を知った時点で観測範囲として輪郭をとらえたことになるというか、気が向いたらそこにあたってみればいつでも知らない漫画が引き出せるや、という感じで事足りているのだ。
そう、いざというときの探索範囲としてのそういう輪郭を拡張していくための構えが知りたいということになる。輪郭が広がれば広がるほどめぐり合わせにも恵まれるはずだから(やはり最終的には偶然性が絡むことは否めないがその偶然性に賭けるしかない手前にある、自分でどうにかできる範囲のこと、感度の上げ方が大事)。
一旦投資での金の稼ぎ方さえ覚えてしまえば取引市場がATMになるから金をため込む必要はないってのと同じかな。金=個別の知識。稼ぎ方=探索範囲の輪郭(とそれを随意に広げる方法,、ただし無限背進になるので他人の感度には依存せずに)(漫画が引き出せるという表現もATMとかけている。)
https://news.yahoo.co.jp/articles/53b55b6b7583f3261571343b5cd04c354e3c1f14
グーグルの広告事業解体を目指す超党派の法案、米上院に提出の画像
Googleの巨大なオンライン広告事業を解体することを目的とした超党派の法案が、米上院に提出された。
米国時間5月19日に提出された「Competition and Transparency in Digital Advertising Act」(デジタル広告の競争と透明性に関する法案)は、前年のデジタル広告取扱高が200億ドル(約2兆6000億円)を超える企業に対して、デジタル広告エコシステムにおける2つ以上のプラットフォームを保有することを禁じるものだ。法案が発効した場合、Googleは1年以内にデジタル広告事業を分割しなければならなくなる。
この法案は、Googleのようにオンライン広告経済の複数の分野で事業を展開している企業を対象としており、上院議員らはこうした事業形態を利益相反だと批判している。Googleの巨大な検索サービスにおける広告販売は、同社が2021年に計上した広告の売上高2090億ドル(約27兆円)の柱になっている。同社はサードパーティーの広告主によるオンライン広告の売買も支援しているほか、広告販売のオークションも運営している。
法案の提出を主導したMike Lee上院議員(共和党、ユタ州選出)はThe Wall Street Journalに対し、次のように語っている。「Googleが同時に売り手にも買い手にもなり、アドエクスチェンジ(広告枠の取引市場)も運営するような状況は、不公正かつ不当な市場優位性を与えるものであり、同社が提供している価値を必ずしも反映していない」
Googleは自社の広告ツールについて、競合各社のものと同様、米企業の成長を支援するとともに、プライバシーのリスクや誤解を招く広告から顧客を保護しているとするコメントを出した。
そのためには、ええと、まず取引市場を整備して、、、
https://anond.hatelabo.jp/20210912143002
https://anond.hatelabo.jp/20210911215734
割と無理がある話なので、注釈を入れようと思うよ。
まず基本的なことを確認すると、「ベース電源」、もしくは「ベースロード電源」っていうのは、コストが安くて24時間定常に発電する電源のこと。消費の変動に追従するのは難しいけど安い火力や原子力発電を動かしっぱなしにすると良いよね。という話。
そういう話なので、再エネの値段が原発などより下がって、再エネで24時間まかなえるようになったら、わざわざ「ベース電源」という言葉を使う必要はなくなる(原発も火発も廃止される)。というのは正しい。で、「メリットオーダー」という言葉は、各電源のコストを並べているので、「メリットオーダーで再エネが勝ってるから原発も火発もいらねぇ」、というのは一見正しそうに見える。でもそこには2つ落とし穴がある。
これは、元増田も言ってるけど、限界費用(発電に必要なランニングコスト)で決めてるというのがトリック。限界費用はざっくり言い換えると燃料費。もっというと発電設備の建築費などの初期費用は含まないもの。でも冷静に考えたら、初期費用だって消費者が負担してるはずなんだよね。メリットオーダーはあくまで電力卸取引市場での指標であって、消費者が支払うコストには初期費用が減価償却的に含まれる。にもかかわらず、メリットオーダー主義で再エネを増やすとどうなるか?国民が負担する電気代がドコドコ上がるのである。逆に言うとそのつもりがないなら原発や火発はまだまだ現役になる。この手の話に興味のある人なら、「太陽光は高い」、「原発は安い」という話を聞いたことがあると思う。これとメリットオーダー云々は実は矛盾なく両立するのだけど、これはメリットオーダーには初期費用などを含まない、というカラクリがあるから成り立つ話。
ドイツなんかはこの辺無視してメリットオーダー論などでゴリ押しして脱原発と再エネ増強を推し進めてるので、電気料金は2000年代の倍にまで膨れ上がっている。これについては、ドイツのような「再エネを増やすためなら国民が苦しんでも構わぬ」スタイルは菅直人が日本でもやっている(一般消費者の電気料金に、高いのに無理やり増やした再エネ分の価格が再エネ賦課金として上乗せされている)ので他人事ではない。一般消費者や産業界から批判されて減速しているが、今でも再エネ増強至上主義と国民負担軽減派で綱引きをしている状態である。
なんであれ、メリットオーダーなどではない、本当の意味で「再エネの方が原発や火発より安い」日が来ない限り「ベース電源」という言葉は生き続ける。
要は、再エネを増やしすぎると電力網が変動に耐えられず破綻するよ。って話。再エネは出力が安定しないが、電力というのは24時間365日「消費電力=発電電力」でないとならない。雨の日で太陽光パネルが発電しなくても工場は動くし、風の強い日にガンガン風車が回っても消費者は寝てるかもしれない。これを逸脱すると、普通に停電が起きるようになる。ヨーロッパやアメリカ一部地域で停電が多いのはそれも要因になっている。
現状再エネの変動にどう対処しているかというと、まずは広めの地域で電力網を接続することで、変動をマシなものにしている(平滑化)。つまり「こっちの地域は曇って太陽光の発電が減ってるけど、あっちは晴れてるから変動がマシになってる」的なやつである。とはいえ、それは限界があるので、日本の場合だと揚水発電を含む水力発電のような変動に追従できる電源が吸収して最終的には帳尻を合わせている。そして、そこの吸収力を超える分は電力会社が拒否している。無理に吸収すると電力価格が上がるからである。
ヨーロッパはドイツの先導で「吸収できるかどうかなんて関係ねぇ、再エネ増やすぞ」をやってるので、電力会社(というか電力網)は再エネを拒否しない。ヨーロッパは日本より広いので平滑化は上なのだけど、それでは足りないので変動を全然吸収しきれてない。どうしているかというと、値段が上がる代わりに変動に追従できる火力発電を炊いたりしてなんとかしている。前述の電力価格上昇の一因にもなっているし、ドイツは気候変動対策も掲げて再エネ増やしたはずなのに、二酸化炭素排出がなかなか減らないという状態に陥っている。
現状「再エネ先進国」として元増田が想定しているであろうヨーロッパ各国は、原子力や火発をベース電源的に動かしている(のでそもそもその時点で「ベースロード電源という概念は、再エネ先進国ではもう意味がなくなった」はおかしいのだけど)ので、再エネで本当にベース電源という概念を捨てるためにはもうひと頑張り再エネを増やす必要があるのだけど、実際にはもう相当無理が来ていて、元増田が推している電力卸売市場でも「負の電力価格」がちょくちょく出てきている。つまり「金を払って再エネで発電した電力を吸収してもらう」という状態である。今の所負の価格発動はあくまで短時間ではあるが、更に再エネを増やせば当然こういう時間は増えることになる。この辺さらに無理をすると、発電屋さんから電力網への電力の売値が平均値でも下がりすぎるということなので、再エネ発電屋さんは初期費用を回収できなくなるので発電事業が成り立たなくなる。この辺は1つ目の落とし穴とも絡む話である。
ベース電源が消えるためには上記を解決しないといけないが、現状は解決していないので、ベース電源という概念はまだまだ現役である。というのが結論。まぁ、ドイツの電力価格がガンガン下がったり、火力発電の発電割合が下がって来ないうちは、そのへんは解決されてないと思って良い。
基本的にヨーロッパの政治は、日本的な「実現可能そうな目標を掲げる」ではなく、「最初に無理な目標を掲げて、何年もかけて実現可能レベルに修正する」という流れがあって、有権者もそれを許容しているところがある。ドイツの脱原発とかもそう。それは別に必ずしも悪いことじゃないのだけど、最初のぶち上げのときにもそれなりの論理が求められるので、政治家がハチャメチャ目標を掲げる時にはシンクタンクによるハチャメチャ試算がくっついてるのがヨーロッパである。日本でも少子化対策について政府が出してる試算に無理がありすぎるとかって時々話題になる(いつの試算でも2~3年後には出生率がV字回復を始める試算になっている)が、ヨーロッパでもそれはあるというか、よりひどい傾向がある。なのでヨーロッパ発信の先進的なアイデアについて、それらしい試算が出ていても眉につばを付けたほうが良いよ。って話。
そういう背景があるので「baseload outdated」とかってググるとそういう記述は出てくるかもしれないけど、今の所はそういう記述は活動家が「そういうことにしたい」から書いてるだけだと思って良い。まぁ、そもそも日本語でも「ベーシックインカムをやるしかない!」とか「英語学習には「ながら聞き」が最適解!」とか突飛な記事なんかいくらでも出てくるので、そもそもある記述がグーグル検索で引っかかるからってそれがその言語圏での常識ではないよね。というリテラシーも欲しいところである。
” インテリジェントな電力グリッドと正しく設計された電力取引市場が整備されれば、ベースロード電力需要はVRE(変動性再エネ)だけで満たすことは理論的に可能だ ”
まあ、この前提条件ができないから、ベースロード電源が根強いんだよ。そんなもん、まだ見たことがない。失敗例はいっぱいあるけど。
日本政府の「長期安定電源」についての説明としてはおっしゃる通りです。一方このロジックだと、原発ほどではないにせよ、ウォームスタート・ホットスタートに一定の時間とコストがかかる火力発電が、稼働・停止コストがほぼ0の再エネをさしおいて最優先の出力制御対象になっていることをうまく説明できなくなってしまいます。「カーボンフットプリントが低くて出力制御が難しいから、最後まで残す電源にする」と条件を追加すればいいのですが、「それは原発ありきのアドホックな議論なのではないか」という批判は当然出てくるでしょう。
「カーボンフットプリントが低くて出力制御が難しいから、最後まで残す電源にする」という説明には、コストの話は出てきません。日本でVREの導入量が増え、一部の原発が限界プラント(採算割れする電源)になった場合も、このロジックを堅持していると、その原発をコスト的観点から停止することができなくなるし、逆にそのことがVREの導入可能量の制約になってしまいます(VREの電力がどれだけ安くなっても、「長期安定電源」の取り分を控除した量しか電力取引市場で売れないから)。
今年2月にあったテキサス大停電のことだと思うけど、あのときは歴史上例を見ない-19℃という大寒波の影響で、再エネ風力(タービンの凍結)・LNG火発(パイプラインの凍結)・石炭火発(石炭の凍結)・原発(冷却水の凍結)など、多くの発電設備が止まってしまった。
原因は、風力タービンが欧州や日本で使われているような凍結防止型になってなかったこと、その他の火発・原発が氷点下気温に対応してなかったこと。つまり、テキサスの発電送電網は、再エネと化石エネと原発のすべてが、そもそも世界的に「再エネをやらなきゃいかんぞ」となった理由である気候変動に対して、極めて脆弱な状態のままだった。なおテキサスでは発電電力の2/3が化石燃料+原発由来で、なかでもLNGのシェアが圧倒的に高いため、結果的にはLNGが大停電の主犯だったことになる。このことは、停電発生当初は再エネを苛烈に批判していたグレッグ・アボット知事も後に認めている。
この凍結への準備不足に関して、米連邦政府は昔から凍結対応をせよと警告してたんだけど(1980年代から何度か寒波による電力供給問題が起きていた)、テキサスはエネルギー政策では極めて反連邦的で、アボット知事の州政のもと、そうした連邦レベルの指示・規制を受けないよう、グリッドを切り離して独自の運用をしていた。
本来、電力というのは送電網を使ってどこからでもどこまででも容易に送電できるのが燃料エネルギーに対する長所なわけで、ただ地域内で個別の再エネ設備やLNG火発が止まっただけなら、他地域から送電すればよい。実際、テキサス以外の米本土各州はすべて州間のグリッド接続をしていて、そのほとんどは「東部インターコネクション」と「西部インターコネクション」という2つの送電網に集約されている。ところがテキサスは全米で唯一、連邦政府の規制を避けるために、州間グリッド接続をせず州単位の系統(テキサスインターコネクション)を運用しており、これが命取りになってしまった。電力が不足してもほとんど他州から電力を流せない状態になっていたのだ。
うまく機能する電力取引市場の大前提は、あらゆる発電設備と需要家が相互にグリッド接続されているということだ。だから欧州では地域間どころかEU全体に及ぶレベルで国際連系が形成され、非常に強靱で効率的な電力網が構築されている。テキサスはこういう流れに背を向け続けた結果、地域内の発電設備の一部が停止しただけで大ダメージを受けた。
というわけで、テキサス大停電は、今では再エネの技術的問題などではなく完全な「人災」だった、という評価になっていて、アボット知事は激しい批判に遭い、テキサスインターコネクションを管理するERCOTは訴訟を起こされている。この停電の教訓は、
①これまで以上の気候変動を想定した、よりロバストな発電設備を導入すべき。
②安定した電力供給のためには、広域グリッド接続をしっかりやるべき。
ということ。
ご指摘ありがとうございました。ついLをつけてしまった。仰るとおり、米国で火発に使われているのは液化してないNG(天然ガス)です。上のLNGは全て天然ガスと読み替えてください。
(このエントリは
の続きです)
皆さん、そろそろ「ベース電源」て言葉は忘れてくださいの続きというか、コメント増田への返答です。
安田先生は風力屋じゃなくて電力取引市場制度の研究者だよ。あと、引用したコラムは2015年のものなのね。そこから7年経って、太陽光と陸上風力は欧州でも中国でもグリッドパリティ(fitなどの補助金なしのメリットオーダー最上位)を達成しつつある。中国ではこの8月にFITが終了し、純粋なコスト競争力の面でも再エネが最も優位のエネルギーになった。海外の再エネ業界では次のマイルストーンは「洋上風力がいつグリッドパリティになるか」で、風況がよいロケーションなら、既にグリッドパリティの8円/kwh台に突入しつつある。これってどういうことかわかる? 環境正義とか、カーボンニュートラルとか、原子力発電のリスクとかは、もう関係なくなってくんの。正しく設計された電力取引市場では、追加仕入コストがほぼ0のエネルギーに、追加仕入コストに燃料代がかかるエネルギーは絶対に勝てない、ということなんだよ。 火発や原発は、環境倫理ではなく、純粋にコストで再エネに駆逐される。
安田先生の主張が「ポジショントーク」で信頼できないなら自分で色々調べてみればいい。例えばデロイトトーマツのレポートなんかどう?
あるいはwikipediaの「ベースロード電源」項目の英語版やドイツ語版、スペイン語版を読んでみるのもいいかも。日本語版にはない、「ベースロード電源は時代遅れ」という言葉がしっかり書かれている。"baseload outdated"とかでぐぐってみるのもいい。2010年頃から(ベースロード電力需要に対応する)「ベースロード電源という考え方はもう時代遅れだ」という論考がズラズラ出てくる。インテリジェントな電力グリッドと取引市場が整備されれば、ベースロード電力需要はVRE(変動性再エネ)だけで満たすことは理論的に可能だ、という認識自体は、先進国の電力業界ではだいぶ前から常識になっている。日本はこういう議論が10年ぐらい遅れてて、つい最近まで「ベースロード需要はベースロード電源で、ピーク電力はVREで補う」と言い続けてたけど、電力取引市場の導入でこれもだんだん変わってくると思う。
風力発電はコスト的に原子力の1.5倍以上だしもともと需要が低めの冬と夜が良いとなると,市場の余剰電力の飽和が常態化するとかなり設備負担が重くなってきそうだし,供給を絞ってくるように思える.(というか電力市場で売るという想定を立てた場合風力発電はコスト的に成り立つのか?)
これは上でも書いたとおり、少なくとも陸上風力は海外ではグリッドパリティを達成し、コスト的には「成り立つ」ことが証明された。あとは洋上風力をどこまで低コスト化できるかという段階。日本でも、北海道から東北・北陸にかけての日本海の風況なら、洋上風力でもいずれグリッドパリティが成り立つと見込まれているから、かなりの数の開発計画が目白押しになっている。https://mainichi.jp/premier/business/articles/20210421/biz/00m/070/002000d。
ただ,付けたり消したりが二番目に難しいのが原発である以上(一番難しいのは自然エネルギー発電ですよね,逆ザヤでも売らないといけないわけで)調整目的で動かすのもなかなか難しそう.
再エネには、長期償却計画的な意味での逆ザヤはあっても、限界費用的な観点での逆ザヤ状態はない。だから、設備が発電してる時は最安値でも売ればよくて、売電を止める必要は全くない。もし止めるとしても、太陽光はただ系統から切り離すだけ、風力はブレードを寝かすだけなんで、別に大変じゃないけど(九州で太陽光の出力制御をしたとき、「停止や稼動が大変だ」って声は全くなかったでしょ?)。稼働自体に追加コストがかからない再エネ発電設備の事業者にとって、安値でも売るのと設備を止めるののどっちが得か、少し考えてみればすぐわかると思う。
ちなみに、今は日本では出力制御の順序が国によって決められてて、発電量超過の時は、最初に火発を止め、次に太陽光と風力を止め、最後に水力・原子力・地熱を止める、ということになってる。なんでかというと、原発は国が定めた「長期安定電源」だから。経済合理性よりも「最後まで止めてはいけない電力はこれ」という国のルールが優先されて、限界費用が安い電力のほうを先に止めてる。つまり「長期安定電源」という概念自体が、電力エネルギーの効率的な生産と利用を阻害する反市場的な障害物になってしまうわけ。国民が損するってことだよ。
世界的には電力をめぐる議論の中で非主流になったどころか、すでに現実自体に追い越され否定されたようなことを、日本では未だに大真面目に主張してる既存電力業界のステークホルダーの人達がいる。で、ネットには、その人達の言うことを鵜呑みにして10年前の再エネ否定論を信じてる人達がこれまたいっぱいいる(実は俺もそうだった)。「ベース電源」はその象徴みたいなもんだよ。せっかくここまで読んでくれたなら、そのへんの状況は自分自身で納得行くまで調べてみてほしい。その上で生産的な再エネ否定論・懐疑論をやるのは良いことなんだから。
ベース電源とか知ってる?
元増田ではないけれど、ここで「ベース電源」て言葉を出すのは、それこそギャグになっちゃうよ。
電力卸取引市場が導入された地域では、もう「ベース電源(正確にはベースロード電源)」て概念は消失しつつある。「メリットオーダー」って言葉を検索して調べてみて。元増田も言ってるけど、再稼動・運用・停止という一連のフローに多くのコストがかかる発電設備で作る電力は、コスト面で再エネに負けて市場に買われなくなる。火発も原発もそうだし、実は再エネでもバイオマス火発はそれにあたる。
これは再エネの本質的な特性の割に、多くの人が見過ごしがちなことなんだけど、太陽光・風力・地熱・(揚水してない)水力などの燃料不要な再エネの根本的優位性は、環境にやさしいとか何とかじゃなくて、「限界費用(1単位の供給を増やすのに必要なコスト)がほぼ0」ってことなんだよ。なんせランニングコストはメンテ費用以外は0で、あとは自然エネルギーを使って設備が勝手に発電してるわけだからね。
だから再エネ発電事業者は、卸取引市場で多少でも値がつくならその値段で売る。償却費用を考えたら採算が合わなくても、発電しちゃった電力を捨てるよりはキャッシュインがあるぶん得、ということ。
だから再エネは、電力卸取引市場では一番最初に取引され、買われていく。これを、メリットオーダー(コスト比較による取引順位)の最上位に来る、という。再エネで確保しきれなかった電力量、たとえば翌日の想定需要電力量に対して不足する電力を、電力小売会社はメリットオーダーの次の順位にある、再エネの次に安い発電設備から買う。
現状だと、メリットオーダーで再エネの次に安いのは、だいたい原子力と石炭火発で、次にLNG火発、石油火発…という順で並んでいる。つまり原子力は、理論的にはもはや固定的に市場に電力を供給し続けるベースロード電源ではなく、一番安い再エネ系電力が全部買われた後に、まだ足りない分だけ買われるスポット電源になっている。いまは原子力発電所がある地域の多くで「まだ足りない分」がそこそこあるので、原子力発電の電力も全部買われて、さらに足りない分が火発で補われてるという状態だけど、それはあくまで再エネ導入量がまだ少ないからたまたまそうなってるだけで、原発が「ベースロード電源」だからではない。フランスでは、時間帯によっては効率の悪い原発が不採算状態になっている。
再エネに変動性という欠点があることはよく知られてるけど、再エネ化が進んでいる地域の多くでは、太陽光と風力が時間帯的にも季節的にも補完関係にある(昼は太陽光/夜は風力が優位、夏は太陽光/冬は風力が優位)ので、メリットオーダーの最上位という立場は、再エネ群全体で見れば24時間・365日、揺るがなくなっている。
別の言葉で言えば、原発や化石燃料火発の発電設備は、再エネの導入量が増えるとともに、メリットオーダー上の位置が悪くなり、電力を買われない時間や日が増え、稼動率が落ち、収益性が低下し、事業的に成立しなくなっていく宿命にある。しかも、稼動と停止に時間と手間がかかる発電設備は、スポット価格の採算が合わなくても簡単には止められない。止めたりつけたりするごとに余計な金がかかるし、一度止めたら、売りたい時にすぐ売れないから。つまりこういう発電設備=原発は、将来的には、実際に採算が合う価格で売れるかどうかもわからん電力を、ウラン燃料を燃やしながら作り続けることになる。元増田が原発の稼働・休止コストに言及してるのは、そういうこと。
今は欧州でも米国でも、この認識が定着しつつある。安田陽先生の記事とか読めばわかるよ。
https://www.energy-democracy.jp/1002
日本でも、電力卸取引市場の拡大と洋上風力発電の導入が進めば、これと同じことになる。
まあ、くどくど書いても予備知識ないとわかりにくい話だよね。だから今日はこれだけ覚えて帰ってください。「ベースロード電源という概念は、再エネ先進国ではもう意味がなくなった」。はいもう一度。「ベースロード電源という概念は、再エネ先進国ではもう意味がなくなった」。以上、よろしくお願いします。
続き楽しみにしてます。
単純に蓄電技術として比較した場合、Lib等に比べて水素の劣る点が「変換ロスが多い」なんだけど、ロスの大部分は電気→水素の部分で発生するから、水素の状態からそのまま消費するのと発電して消費するのを比較した場合は、水素の欠点は殆どないと言えるのがポイント。
ここなんですが、自分の認識だと電気分解プロセスは吸熱反応、燃料電池プロセスは発熱反応で、後段の「水素→電気」のほうがエネルギーロスが多いと思ってました(PEM電解とか高温水蒸気電解は、吸熱反応を利用しているから効率がよい)。
前増田でも書いたけど、電気と一緒に発熱をコジェネ的に利用できればエネルギー効率は80%程度、発熱を捨てて純粋な電気エネルギーとして取り出せるエネルギーで見ると効率は50%程度で、今後技術革新を進めて60%を目指す、という感じだと思います。
この効率は利用する化学反応自体に拘束されており(その意味では今でも十分高率だと言える)、今後の劇的な向上は見込めず、そうなると純粋な蓄電システムとして普及させるのは厳しいんじゃないかと思ったりします。昼間の余剰電気を水素にしてその日の夜に売るだけでも6割以下に目減りしてしまうわけですから、今の卸電力取引市場の仕組みだと、この技術にbetする余地は低い(メリットオーダーで見た場合、他の方法で発電または蓄電された電気のほうが割安になる可能性が高い)のではないかと…。
具体的に他の蓄電システムと比較すると、揚水ダム発電だと電気を位置エネルギーに変えて、後で電気に戻したときのラウンドトリップのエネルギー効率が70%程度。レドックスフロー電池も同じく約70%。最近複数ベンチャーが取り組んでいる重力利用型蓄電(タワーや縦杭にコンクリートブロックなどの重量物を吊して上げたり下ろしたりして蓄電/放電する)だと、設置コストも管理コストも安く、施設寿命は35〜50年、ラウンドトリップ効率は揚水発電と違って流体摩擦損失がないので80-85%と、これが案外本命かなと思ってます。固定電池系は、LiBだと95%ぐらい出るけどLCAが悪すぎるので、非コバルト・非リチウム系で良いものが出てくるのを待つ状態かと思います。
水素のエネルギーキャリアとしての性質を活用せず、蓄電技術としてやっていくとなると、競合システムに対する優位性が乏しいなあと感じます。廃熱の二次利用ができるところならワンチャンあるけど、季節問わずに廃熱を利用できるロケーションとなると、はたしてそんな都合のいい場所があるかいね?と思ってしまうわけです。製鉄所の溶鉱炉を電炉化するぐらいでしょうか。
「時刻や季節での発電量変化が大きい変動性再エネ系統の蓄電技術として、水素を使おう」というのは、まあわからんでもないんだよね。
でもその場合、そのグリーン水素の製造・貯蔵装置は、その再エネ設備と系統連系で繋がってるどこかの場所に設置して、その場所で電気を水素にして貯蔵したり、夜間に水素から電気に戻して販売したりするわけでしょ。つまり、作ったグリーン水素をタンク車とか高圧ボンベに詰め替えて、どっかに持ってって、そこで利用したりはしない。
で、もしそういう「発電設備の変動を補完する蓄電設備」として「電気分解による水素貯蔵+燃料電池による発電」という用途が主流になったとして、それって果たして「水素社会」って言えるのかね〜? とも思うわけです。そのとき水素は、単にバッテリやダムと同じスタンドアロンの蓄電ソリューションとしての役割を果たしてるだけで、エネルギーキャリアとしては使ってないわけだから。
仮に再エネの蓄電技術の主流が(テスラが北海道に導入したような)価格性能比の高いLFP蓄電池になったとして、人はそれを「蓄電池社会」とは言わないわけでしょ。あるいは電力取引市場の活発化で、日本中の揚水ダムが夜間の再エネ電力のプールとして機能するようになったとして、われわれがそれを「揚水ダム社会」と呼ぶこともない。
同じように、電気で水素を作ったり、水素で電気を作ったりする蓄電システムが社会の一部にインストールされるだけでは、我々はそれを「水素社会」とは言わないと思うんだよね。やっぱり「水素社会」という構想の根底にあるのは、水素が(もしくは水素から派生的に作られたアンモニアや、メタネーションで生成されたメタンが)、今のLNGや石油のように、社会の隅々までエネルギーキャリアとして物理的に流通するというイメージなわけで、この部分---特にFCVや水素エンジンによるモビリティ---が未完のままなら、どんだけ水素蓄電技術が普及しても「ついに水素社会が到来した!」と思う人はほとんどいないんじゃないかな。
あと思ったんだけど、燃料電池で電力を取り出すやり方だと、電気と一緒にかなりの熱が発生するから(燃料電池の発電効率は50%程度、熱も一緒に利用してトータルで80%)、その廃熱をコジェネ的に利用できる場所でないとエネルギーロスが大きいよね。たとえば太陽光発電所の隣に併設してそこで水素化・電気化やったりしても、廃熱はすべて自然界に捨てることになるわけで。そうすると、廃熱を効率的に利用できるような特殊な場所(市街地での施設空調とか、熱反応を使う工場の製造ラインとか)しか、効率的にエネルギーを使えるロケーションがないような気がするなあ。
A. 最低100万円。
理由は株取引は1単元ごとだからです。たいていは1単元100株。価格が安い1株1,000円の銘柄でも1単元10万円からしか取引できないのです。やろうと思えば50万円程度あれば始められますが選べる銘柄は1株5,000円以下の銘柄のみになります。ちなみに最近の日経平均株価は低いときで約1万2,000円台。資金50万円だと低価格(市場原理で言えば低評価)の銘柄にしか投資できなくなるわけです。
Q. 必勝法を教えて下さい。
A. 私が知りたいです。投資に必勝法なしと言われているくらいです。ただ必勝法は無いけれど王道はあります。王道とは月並みですが安いときに買い高いときに売るです。それが狙ってできたら誰も苦労しませんねw
Q. デイトレードでは何を気を付けたら良いですか?
A. デイトレードを推奨しておりません。理由は投資の王道「投資はお金・知識・時間」にあります。市場へ投資するのはお金だけでなく知識や時間も投資するべきで、3つのうち1つでも欠けると資産は増えないと言われているからです。デイトレードは投資する時間が少ない(=資産が減るリスクは高い)ので推奨していないわけです。ちなみに投資は企業が成長するお手伝いをする事業ですが、デイトレードは企業が成長する時間すらありません。当然ながら知識無くば無駄にリスクを背負うことになるのは言うまでもありません。気を付ける点があるとするならばリスクが高いという自覚でしょうか。
Q. デイトレードで儲かっている人が居るのは何故ですか?
A. 運が良い、もしくは時間をかけて知識や情報を集めているからです。これは犯罪ですのでやってはいけないことですが時間をかけて企業に内通者を立てて時期を見計らって売買すると当然ながら資産は増えます。結局インサイダー取引も時間をかけた投資であることには変わらないわけです。ちなみにインサイダー取引は利益だけ抜いていき、市場原理的にはよろしくない手法なので犯罪指定されています。
A. 基本的にはヒステリックな社会事象で価格が下がったときに買って、そこそこ値が付いたときに売って利益を出しています。直近ではリーマンショックのときに仕込んだ銘柄が大変大きく利益を出しました。ヒステリックな社会事象で価格が下がった銘柄は適正価格ではないと判断しており、落ち着けば適正価格へ値が戻るだろうと考えているわけです。つまり私は値上がりしたときに売っているわけでなく戻ったときに売っているわけです。そう、お金と知識と時間を投資しているわけです。
A. していません。理由は社会事象はヒステリックに起こることがあり、このヒステリックを完全に読み切ることは不可能だからです。どうしても信用取引したい場合は追従金の余力を持ってしましょう。
A. 私が知りたいです。ただし道路や電気・通信などインフラ関連銘柄は取引市場の影響が強いと言われてはいます。つまり日経平均株価が上がればインフラ関連銘柄も上がり、日経平均株価が下がれば下がるという値動きをしやすいということです。ある種、銀行などの金融関連銘柄も社会インフラとして考えることが可能で、金融関連銘柄も日経平均株価の影響を受けやすいです。このような銘柄は値動きが乱高下しにくいので、初心者が毎日の値動きで一喜一憂せず、どっしり構えて年単位での長期運用はしやすいです。しかし絶対ではありません。例えばインフラ関連銘柄であってもSoftbankは値動きが激しくなることがよくあります。
A. 教えません。理由は私が○○証券と発言すると○○証券と関係があるのだろう?と疑われるからです。一度疑われると何を言っても聞く耳を持たれなくなるのでオススメの証券会社を絶対に答えることはありません。敢えて言うならアナタがメインとしている預金口座の銀行の関連証券とか良いのでは。手続きもスムーズです。
A. 移動平均や回帰・モメンタム・パラボリックなどを見ることはあります。ただこれは社会事象がヒステリックな状況下にあり、本来の適正価格がどれくらいなのかをザックリ把握するために使っているだけです。テクニカルを絶対基準に売り買いすることは無いです。ただこういうチャートの見方を知るのは知識を投資をするという意味では有効なので知っておいて全く損はありません。
A. 10年間の結果だけを見ると赤字になったことがありません。当たり前の話ですが1日単位で見ると赤字だったこともあります(現金の赤字はない)。つまり底値を掴んでなかったということです。今まで買った株はすべて適正価格へ戻りましたが新型コロナウイルスの影響でまた下がってしまいました。
A. 専門家に聞いてください。ただ社会事象がヒステリックな状況へ陥っていると感じていますので日々仕込みを入れているのは確かです。リーマンショックのときと同様に利確して売るのは数年後になることでしょう。
Q. 投資には興味あるけれど失敗したくありません。
A. 株ではなく個人向け国債を買いましょう。100万円あれば現在だと最低金利が0.05%なので105万円になって返ってきます。増えないときは日本国がデフォルトしたときだけみたいなもんです。銀行普通預金金利は0.01%なので銀行普通預金よりも5倍儲かります。政権が変わっても返ってきます。投資が怖いなら日本国へ投資しましょう。元本保証もありますので不況に強いです。
A. 老後資金や子供の大学入試費用など直近では絶対に使わないと決めているお金を貯金代わりとして国債を買うのはオススメのやり方です。私大入学費用が諸経費合わせて約140万円・授業料年間約90万円(4年約360万円)・合わせて約500万円と言われているので、国債ならば子供の大学進学へ合わせ10年間運用すると525万円となるわけです。入学祝いとしてMacBookあたりはタダ同然で買い与えられますね。ちなみに1万円から国債は購入でき、1万円から解約できますので本当に貯金みたいなもの。
追記:金利計算を1桁間違っていました。申し訳ありません。国債が貯蓄に向くというのは事実ではあります。ご指摘ありがとうございました。
A. GnuCashという無料の複式簿記ソフト(パソコン)を使用しています。プラグインを導入すると保有株式の価格を日本円として資産へ加算できます。一時期は弥生を利用していましたがサポートへ問い合わせることもなく高機能がそこまで必要ないなと気付いて無料ソフトで良いやとGnuCashへ8年以上前に乗り換えました。パソコンへ詳しくなかったり株取引初心者へはまったくオススメできないです。
A. 月に1回見るか見ないかくらいの頻度では見ます。私の投資スタイルだと毎日見ても何も参考にはならないので毎日見ないです。それよりもテレビが何を言っているのか、インターネットユーザーが何を話しているのかという社会の雰囲気の方を把握するよう努めています。増田やはてブを見ますが投資の参考にすることはあっても基準にすることはないです。喧々諤々と良きも悪きも主張しあう社会の雰囲気が私の投資の基準です。
A. 知りません。専門家に聞いてください。私が年間数億円を稼ぐようなスーパートレーダーならまだしも私は平均して年間200万円です。ほそぼそと運用してきた私の能力を超えている質問です。安倍政権の評価も良くわからないです。正直に言えば私の投資スタイルだと政権なんてどうでも良い。最悪日本が共産主義国家化して東証が閉じられるとなった時には既に私は投資をやめているでしょう。私は小遣い稼ぎがちょっと上手いその辺に居るただのオッサンです。
以上、よく聞かれる質問でした。
2017年は「ICOの年」といっても過言ではないぐらい、仮想通貨とICOが盛り上がった。
私も海外のICOプロジェクトを探し回り、ホワイトペーパーを読み漁り(英語が読めてよかった)、様々なプロジェクトの投資してきた。
「とりあえずICOに突っ込んでおけば値上がる」と言われた、まさにバブルさながらな様子が懐かしい。
昨年の今頃はICO真っ盛りで、仮想通貨相場も吹き上げる手前の「噴火前」の状態。
コインチェックの流出に始まり、政府の規制が始まり、相場全体は年間を通じて冷え込んでしまいました。ICOも年明け早々に影に潜んでしまった。
しかし、日本においては相場はともかく、仮想通貨はまたまた隆盛していたといっても間違いない。
今年はまさしく「IEOの年」だった。
IEOで、短期間のうちに莫大な利益を稼いだトレーダーもたくさん生まれたそうだ。
IEOはInitial Exchange Offering(イニシャルエクスチェンジオファーリング)の省略として広く使われ、ICOと対をなす言葉。
ICOは発行主体が直接/間接問わず、対価となる仮想通貨(主にBTCやETH)と交換で、自社トークンを販売するのに対し、IEOは「海外取引所に上場して間接的にトークンを販売する」ことを指す。
国内では2月に発足したNANJCOIN(なんJコイン)が先駆けとなり、3月16日に草コインの巣窟と言われていた「CoinExchange」に上場。
当時の相場で2億円程度のBTCを調達したと言われており、半年以上経った今でも国内で最も著名な仮想通貨のひとつだ。
NANJCOINから始まったIEOは、様々なプロジェクトに伝染し、多くのプロジェクトが海外取引所に上場。
VIPSTARCOIN、ExculiburCoin、CryptoHarborExchange、SKILLCOIN、ICOLCOIN、YUKIなど、挙げ始めたらきりがないぐらい。
覚えている限りでは、毎月2つ以上の国産プロジェクトが取引所に上場していたように感じる。
短いながらも仮想通貨投資に身を投じてきましたが、「IEOの盛り上がり」と、それと天秤にかかるような「ICOの衰退」は、とても顕著であり、単純に「なぜ?」と感じた。
国産コインで一番多く資金調達したのは、VIPSTARCOINの約9億円。上場のときに観戦していたが、上場先のCoinExchangeには一時20億円以上の買いが入るという、目を疑うような光景だった。ところが、投資家の立場で冷静に考えると、そのワケは非常に単純明快。
・最大のリスク(資産喪失)がない
ICOにおける最大のリスクは、「通貨が上場前にプロジェクトが頓挫する」また「プロジェクト自体が詐欺(=上場するつもりがない)」など、投資した資産がゼロになることだ。その点、IEOは「すでに上場し取引されることが約束されている」という大きなメリットがあり、これが参入障壁を限りなくゼロにしている。
・トークン価格の下がり幅がない
ほとんどのプロジェクトが、トークンを1satoshiから販売した。1satoshiはビットコインの最小単位であり、ビットコインとのペアでは1satoshi以下での注文が出せないため「1satoshi以下に価格が下がらない」という利点がある。
もちろん、「1satoshi売り張り付き(=買いがゼロ)」や「ビットコイン以外の通貨とペアになることで1satoshi以下の価格になる」などのリスクが内在するが、それでも高価格からスタートする多くのICOよりは下がり幅も下がる可能性も少ない、という特長がある。
・簡単に資産が増える
前述の通り、1satoshiで購入できた人が、仮に2satoshiで売った場合、資産が簡単に2倍。一番最初にIEOを行ったNANJCOINは、上場後まもなく7~8satoshi(7〜8倍)まで上昇し、そこからは蓋が外れたように最高値である65satoshi(65倍!)まで上り詰めた。もし10万円購入していて、65satoshiで売ったとしたら、650万円相当。このマネーゲーム感が、新興仮想通貨投資家の「タガ」を外してしまったのかもしれない。
・コミュニティ形成がされている
一番最初にICOへ投資する際に、手順や金額など不安なことだらけだった。多くの国産コインは独自のコミュニティを形成し、ユーザー満足度を高める努力をしている。疑問があればすぐに運営に日本語で質問できるし、わからないことは運営の方や詳しい方が手取り足取り教えてくれる。そしてなにより参入障壁を下げてくれるのは、コミュニティ内で話すことで「同じように買おうとしている人がたくさんいる、というのがわかる」こと。
・取引所で購入するのでICOに付き物だった「ガス戦争」がない
ICOと比較して、IEOのデメリットはほとんどない、といっても過言ではない。
「発行主体がきちんとプロジェクトを進めるかどうか」という懸念はIEOにもICOにも存在し、むしろコミュニケーションしやすいIEOプロジェクトのほうが信頼感があるように感じる。
リスクがあるとすれば「取引所が上場の取り決め(日付や時間)を守ってくれない」ということ。過去ExculiburCoin(えくすこ)は「CoinExchange側に上場の約束の日から3日間も遅らされた」という話もある。
ただし、繰り返しになるが、「運営との距離が近く」、「上場し、取引市場が用意されることが確定している」というのは、本当に投資家に優しい仕組みだ。
今後は規制などが入る可能性もあるが、数多の国産コインがIEOによる資金調達を行い、金融庁から罰則を受けたという話は今のところ聞こえてこない。今後もIEOは、仮想通貨による資金調達の方法のひとつとして、広く活用されていくと考えている。
これからIEOを行おうとしている国産仮想通貨プロジェクトがいくつか紹介したい。
二次元コイン
2018年8月から発足しているプロジェクトのようで、二次元のクリエイター(漫画やイラスト、バーチャルユーチューバーなど)を支援することを目的にした国産仮想通貨プロジェクト。版権物に付き物の「違法アップロード」や「海賊版」への対策としてブロックチェーンの利用を考えているようだ。上場前にプレセールも行われているそうで、上場先はまだ決定していない。
会社の設立情報も公開され実名も明かしているので、本気度は伺える。
公式サイト:https://nizigencoin.com/
公式Discord:https://discord.gg/kp2ydEN
公式Twitter:https://twitter.com/2dcoin
NinjaCoin
すでに事業を行っている「株式会社セームページ」と「手ぶら観光協会」、双方の代表者が立ち上げた仮想通貨プロジェクト。2017年10月にプロジェクト発足し、700イーサリアム(1500万ぐらい)を調達しているのだとか。ブロックチェーンと仮想通貨の利点を生かして、旅行・観光市場で分散型を導入しようとしているようだ。
公式Discordは10000人以上参加しており、Airdropや大量のトークンが当たるキャンペーンも様々やっているみたい。11月3日にMercatoxへ上場しIEOを行うことが決定しているし、運営が実態のある会社で実名も明かしているというのは安心感がある。
公式サイト:https://tebura.ninja/ico/?lang=ja
公式Discord:https://discord.gg/kp2ydEN
公式Twitter:https://twitter.com/samepage33
SOCCERCOIN
サッカーに特化して、提携や業務拡大、決済などを目標としたプロジェクト。大体のプロジェクトは「上場します」だけで、上場先は明言しないが、サッカーコインは上場先をCoinExchange指定で宣言している。Discord内ではサッカーの情報がいろいろと配信され、サッカー好きには面白いかもしれない。
しかし、会社情報や運営者の名前などはわからないし、世界的に見たときにロナウジーニョが「ロナウジーニョ・サッカー・コイン」という仮想通貨プロジェクトを立ち上げている(名前だけの可能性もあります)ので、ネームバリュー的にも資金力としても劣ってしまう可能性が高い。