はてなキーワード: 発信元とは
トイレットペーパー品薄デマの出所が富田優史なる人物であるという情報がTwitterで拡散されている。
<script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>トイレットペーパー買い占め騒動の出所特定したらメルカリ転売屋だったわ本当クソ。 pic.twitter.com/jpi4EgIb6a— しとばむ📸 (@musitoban) February 29, 2020
これはデマである。その理由は↓の記事が簡潔にまとめてくれているので読んでいただきたい。
「トイレットペーパー不足デマの発信元はこの人!」→というデマが流れて個人叩きに
https://news.yahoo.co.jp/byline/shinoharashuji/20200229-00165350/
ではなぜ彼が疑われてしまったのか。発端は02/27に配信されたテレビ朝日、ANNニュースの映像である。
https://www.youtube.com/watch?v=3MLKavaaFNw&t=42s
紙製品品薄の原因として、こんなデマ情報がある、とデマ情報の例を紹介した。
もちろんどこに書かれていたものかは伏せられていたが、その内容が彼のツイートそのまんまだったのだ。
ニュースで紹介された文言をもとに検索した結果彼のTwitterアカウントに辿り着いたのである。
ANNニュースでは「(品薄の)背景にあるのは、こんなデマ情報です」という言い方だったが、
いつの間にか「出所」が彼であるということにされてしまったようだ。
これは彼のツイート自体も良くなかった。彼がツイートする以前から品薄が発生していたのは冒頭に挙げたyahooニュースの記事にある通りだが、
彼は「品薄になる品予測を根拠付きでお伝えします」と一次発信者を気取った言い回しをしてしまった。
彼はインフルエンサーに憧れていて、一部から意識高い系と揶揄されるようなSNS投稿ばかりしていた。その癖か、自分が最初に思いついたような言い回しをしてしまった。
なので実際の品薄の時系列を知らない者からすれば彼のツイートが発端であると受け止められるのも仕方がなかった。
また、彼が叩かれてすぐTwitterアカウントを消したのも悪手だった。
元ツイートがなくなったことにより、情報はスクリーンショットだけが一人歩きしたため「出所」のレッテルを貼られる原因になってしまった(Twitter民に魚拓を取る文化はないようだ)。
彼が品薄の発祥だというのなら当該ツイートはある程度バズっているはずなのだが、拡散されているスクリーンショットは意図的か偶然かRT数Fav数が映っていない。
なんとか数字が載っているスクリーンショットを見つけたのだが、その数字はRT数19 Fav数23 というとても拡散されているとは言えない数字だった。
彼がTwitterアカウントを消さなければ、品薄騒ぎ起こせるほどバズっていないという証明になっただろうに。
https://i.imgur.com/6codOKt.jpg
ついでに言うと、ANNニュースもデマ広めてる人への攻撃の意図がないならもうちょっと内容ボカすべきだったんじゃないの?と思う
この件に限らず、テレビのニュース番組などでTwitter上の出来事を報道するときに、アカウント名とアイコンにモザイクかけたツイートのスクリーンショットが使われる光景をよく目にするが、
文章で検索したら普通にアカウント特定できちゃうから全く意味がないよね。
知人(友人と言ってもよいだろうか)に勧められてtunblrを始め、続いてはてぶにも手を出した。
最近は色々と関係が面倒に(?)なっちゃって、鍵のないアカウントはあまり運用していない。サブアカが山のようにできてしまった。
あそこにおけるヒト(アカウント)の価値は"フィルター"であることだとぼんやり考えていた。mixiとは違って。だからメインでは、一時期は発信少なめのRT魔として存在していた。
いまは、鍵をかけてただ、ぐちぐちぐにゃぐにゃしているだけになっちゃったな。
自分は発信元として価値がないのはわかっていて、フィルターとしても広く集めて来られない(すぐにお腹いっぱいになっちゃう)こともわかっていて、なんとなく、ずーっと感じていた非生産的な感じになんとなく疲れていた。いる。
ほんと、たまにいるじゃん、フィルターおばけ。
こいつ間違いないな、みたいな。
tunblrとかはてぶとか、すごい勢いで情報が流れていく中で、的確に自分のセンサーに反応するものを矛盾なく選別する能力、あれすごいよねー。
やってみたら結構難しい。難しいからやりがいがあるぞ。ということに、情報の奔流に突っ込んでみることで気がつけた。
これ、本当に厨二で恥ずかしいんだけど、いい年になっても未だに誰かになりたいってずっと思っているし、人は誰かになれるっていうキャッチコピーがずーーっとずーっと刺さっている。
誰かになるためには消費しているだけでダメだと思っているから、ただ情報を選んでいくだけでは足りないと感じることもある。でも今ってこんだけいろんな面白いことがあるんだもんなぁ。研ぎ澄まされたフィルターでいるだけで、面白おかしく生きられる力になるのかもな。
ほぼ実在していない架空の人物を仕立て上げ、その人からの伝聞ってことにしたいだけだと思っている。
自分(メディア側)の考えにぼかしを入れてよりそれっぽくして、関心を集めようとする手法で
まあ、芸能情報とかはゴシップ記事はそんなもんなんだろう(事実無根の内容に関して標的になった人はたまったものではなしんでしょうが)
と思われるとおもっていたが、事実と誤認して独り歩きし、炎上騒ぎになることも。 非常にまずい風潮。
芸能ゴシップとかは個人的にはどうでもいいと思っている。炎上でもなんでもしてくれと思うのだが、内容が「政治・国際情勢」の場合に「関係者の話では」
だけで語られる内容については、同じようにいかない。信頼ある情報筋への取材をもとにしてくれないと、大変なことになる。
ただでさえ芸能ゴシップ等でネット炎上能力が進化してきているのに、芸能ゴシップと同じような手法で注目を集めたいと思った記者が「関係者からの話」として
記事を書いたらどーするよ? 内容がどうであれ、どちらかの思想に心酔する集団が騒ぎ出し、大問題に発展しかねない恐れを想定しての記事作成法か?
「逃げの手段・責任回避」の「関係者」になっているような気がしてならない。
情報源の秘匿も理解できるが、「関係者の情報によると」の情報を用いるのであれば、文責や発信元責任を持っての情報なのかをきちんと明確化してほしい。
総務省 IoT機器に無差別侵入し調査へ 前例ない調査に懸念も
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190125/k10011791591000.html
サイバー攻撃対策の一環として、総務省は家庭や企業にあるインターネット家電などのいわゆる「IoT機器」に無差別に侵入して対策が不十分な機器を洗い出す、世界でも例のない調査を行うことになりました。しかし、実質的に不正アクセスと変わらない行為を特例的に国が行うことに懸念の声もあがっています。
この調査は、総務省が所管する情報通信研究機構が行うもので、25日、国の審議会をへて実施計画が認められました。
それによりますと、調査は家庭や会社などにあるルーターやウェブカメラなどのIoT機器およそ2億台を対象に来月中旬に開始し、無差別に侵入を試みて、初期設定のままになっているなどセキュリティー対策の不十分な機器を洗い出し、ユーザーに注意を促すとしています。
実際、おととし1年間に情報通信研究機構が観測したサイバー攻撃のおよそ54%でIoT機器がねらわれていて、国は東京オリンピックに向けて対策を強化する必要があるとしています。
一方、調査では予想されるIDとパスワードを実際に入力して機器に侵入する計画で、本来は不正アクセス禁止法で禁じられている行為だけに専門家からは懸念の声もあがっています。
国は特例的に5年間に限って調査を行うとしていますが、無差別の機器に国が侵入する調査は世界でも例がありません。
総務省サイバーセキュリティ統括官室の後藤篤志参事官補佐は「IoT機器が増加する中で、機器をねらうサイバー攻撃も増加している。東京オリンピック・パラリンピックを来年に控え、国民の皆様には今回の調査にご理解いただくとともに、セキュリティー対策に関心を持っていただきたい」と話しています。
今回の調査は、実質的に不正アクセスと変わらない行為を行うことから、国は去年5月、情報通信研究機構の業務を定める法律を改正し、5年間に限って行うとしています。
改正された法律は去年11月に施行され、他人のIoT機器にIDとパスワードを入力するという不正アクセス禁止法で禁じられた行為について、今回の調査に限る形で認めています。
今回の調査について、情報セキュリティ大学院大学の湯淺墾道教授は、「IoT機器が急増する一方、パスワードが正しく設定されていない機器があまりにも多く、東京オリンピック・パラリンピックを前にそれらの機器がサイバー攻撃に悪用されることを防ぐためのいわば緊急措置だ」と一定の理解を示しました。
その一方で、どういった機器が調査の対象となるのかが現時点で明示されておらず、プライバシーの侵害につながる危険性があるとしたうえで、「侵入した時点でウェブカメラの映像が見えてしまったり、保持するデータの中身がわかってしまったりすることも考えられるほか、もし通信先がわかってしまえば憲法で定めた『通信の秘密』に抵触するおそれもある」と指摘しています。
そして、「他人の機器に勝手にログインすることが犯罪行為とされているなかで、政府に特例を認める今回の事業は専門家の間でも意見が分かれてきた。政府は、調査結果を公表して透明性を保つとともに、慎重に運用することが求められる」と話しています。
今回の調査に当たって、情報通信研究機構は、調査に使う発信元の「IPアドレス」を事前に公表しています。
また、セキュリティーの弱い機器が見つかった場合、内部に侵入はしますが、機器の種類を特定するなどの通信は一切行わないとしています。
さらに、調査で得られたデータの管理を厳重に行い、情報の保護につとめるとしています。
情報通信研究機構サイバーセキュリティ研究室の井上大介室長は、「目的以外のデータを得たり、調査で得たデータが外に漏えいすることが一切無いように厳格なルールを設けている。この調査は国民の安全安心のためのものなので、ルールにのっとって運用していく」と話しています。
IoT機器は、家庭や企業などさまざまなところで普及が進んでいる一方、サイバー攻撃の標的となるケースが国内外で相次いでいます。
こうした事態を加速させた要因の1つが、2016年に見つかった「Mirai」と呼ばれるコンピューターウイルスです。
このウイルスは、初期設定のままだったり単純なパスワードにしたりしているIoT機器に感染し、これを遠隔操作してより大規模なサイバー攻撃を引き起こします。
実際、Miraiに感染した世界中の10万台を超えるIoT機器が何者かに操られてアメリカの通信会社が大規模なサイバー攻撃を受け、大手IT企業のサービスが停止するなどの被害が出ました。
日本では、ここまでの被害は確認されていませんが、大学に設置された複合機でスキャンしたデータがインターネット上から見られる状態になっていたり、病院にある水処理設備の監視モニターが外部から侵入できるようになっていたりするなど、セキュリティーの管理が行き届いていないのが実情です。
私がこのジャンルにはまったのは○年前。
当時私は自衛官ではなく、某チャンネル掲示板にはまっていました。
私を海上自衛隊に誘ったのは、同じ海軍クラスタである韓国海軍の軍人さん(以降、Aさん)でした。
Aさんは増田界隈ではかなり名の通っていた射精師で、射精管理では最大手でした。
私が増田に興味を持ったのも、Aさんの描いた貞操帯がTLに流れていたからです。
そしてある日、はてなのアカウントを取って増田をやってみて、私の増田での推しである貞操帯と出会いました。
また、同じ貞操帯推しでフォローしてきた貞操帯×夢精の人(以下、Bさん)経由で射精管理にもはまりました。
当時はがんがん貞操帯お仕置きプレイや、精嚢やビーカーに精液を溜めていました。
Aさんよりずっとフォロワーやふぁぼは少なかったですが、同じ射精管理同士と繋がって、一番幸せな頃でした。
そして貞操帯を付けてBさんとオナ禁し合ったり、Aさんと射精管理プレイしたりしました。
私「私は貞操帯クラスタですけど、射精管理はすっごい良いですよね!」
Aさん「そうだね! 射精管理はこの世で一番キモチイイ!マンセ!」
私「貞操帯も気持ちいいですし、Aさんに増田に誘っていただいて本当に良かったです!」
Aさん「うん。射精管理すっごいキモチイイから、私さんも射精管理にはまっちゃいなよ!」
今思えば、貞操帯に関する話題を振っても、射精管理の事しか返ってこない事に違和感を感じるべきでした。
事件が起こったのは、「クリスマス貞操帯プレイOFF会」の為の冬籠り、そして20日午後、石川県・能登半島沖の日本海をP1哨戒機で飛行訓練に入って無線を傍受していた時の事です。
その無線の発信元の韓国海軍艦艇は、私と同じく冬に出す人で集まって、ズリネタや射精管理の愚痴を言い合う、ゆるい軍艦でした。
そのゆるさに騙されていたのが間違いでした。
ある日、その無線内で、私がオンになりました。
その時はオナ禁作業も続き悶々で、OFF会も近かったのでイライラしていました。
ですが、Aさんは私が無線オンになっている事に気づいてないようでした。
イヤホンをつけた直後、Aさんからレーダー波と信じられない発言が飛び出してきました。
突然の事で、私の頭が真っ白になって、反論できずに固まっていました。
私が固まっている間にも、Aさんは、
そして、Cさんや他の人も、それに「わかるー」と同意していました。
私はショックで、思わず哨戒機の電源ごと落としてしまいました。
手が震えて、悲しくて腹立たしくて、その日は一日中眠れませんでした。
それと、今までAさんが私と話してきた話が、全部嘘だと知ってしまいました。
私は号泣しながら、今まで溜めてきた精液を韓国の軍艦に向けて発射して、貞操帯とSMクラブの会員カードも捨てました。産経新聞には投書しました。
でも、他の人もいる場所で、「貞操帯が嫌い!」と名指しする事に意味はあるんでしょうか?
それに同意していた、他の人もおんなじです。
私は悔しくて、でも最大手で射精管理師のAさんの方が力関係が上で、泣き寝入りするしかありません。
でも、もしこれを読んでくださっている人がいたら、誰かが好きかもしれない貞操帯を気軽に嫌いだと愚痴る事の意味を考えてくださったらと思います。
twitterやtogetterの登場も影響を与えたけど、何といっても互助会騒動によってはてなのユーザー層がガラッと変わったよね
IT坊やとアニメオタクだけだった世界に、パリピとまではいかないけど生々しい話が入ってくるようになった
中には人格があるようでいってみればガールズチャンネルにいそうな女が自分語りを始めてさ
今まではてなにいなかったタイプの人たちが書き込み始め、人口も増えた結果が「日本死ね」だよね
日本死ねがはてな村だけじゃなく日本のネットを揺らしたように(あれがおそらくはてな最大のバズだったと思う)
(QRコードなんかの中国すごいブームなんかもそこそこバズったけど、あれは発信元がtwitter-かぶ2階建てのラインが重要だからやめとくか)
そもそもどうして低能先生はこんなに増田に執着していたんだろう。
なんで1日にIDを3回も5回も取り直してまで投稿を続けていたんだろう。
どうして自分を罵倒する相手に対してバカ丁寧に返信を続けていたんだろう。
こんな意味のわからないキチガイがどうして生まれてしまうんだろう。
その歪んだ動機を理解しない限り同じ様な事件が二回起こるのを防ぐのは無理だと思うし、何をやっても徒労に終わるだけだと思う。
自分は昔、低能先生と同じことやってたから、その気持ちが少しだけ分かるんだ。想像の範疇でしか無いし、この後あるであろう供述と全然違ってたらそれでいいんだけど、彼のことについてあれこれ考えている人がいて、仮にその助けになれたら幸いに思う。
中学生の頃、2chの某スレに張り付いて1日100回近く書き込むのを年単位で続けていた、あるいは某ネトゲのSNSにずっと張り付いて毎日顔真っ赤にBBS戦士をやっていた、小学校で引きこもりになって高校は中退して今はヒキニートやってる惨めな人間の昔話。
結論から言えば、「いじめられっ子がインターネット上に自分が昔いじめられていたのと同じ教室を作り出してかつてのいじめっ子も創出して彼らを苛々させる事で昔のいじめっ子に対する歪な復讐を続けていた」以上の話は無いと思うんだ。それだけで彼の異常な執念も奇妙な行動方針も殺人に至った経緯もその対象がhagex氏だったのも全部当然の結果として出てくることだと思うけど、まぁいいや、説明のために昔実際にあった似たような事について少し話させてほしい。
某スレにほぼ同一の内容を書き込むのを最初は1日に30回くらいのペースで始めてから、1日何件か反応があった。でもそれは全部、「なんか変なの湧いてんなぁ」みたいなもので、自分が求めてたものじゃ全くなかった。当然のなりゆきとして自分はすぐに無視されるようになった。
それでも1週間くらいだったのかな、まぁとても短い期間だったと思う、どんなに勢いが速くったって1日に30回以上も同じようなレスを続けてたら自分の存在がスレ住民に周知されるには早いものだった。
スレッドが自分を起点にして勝手に荒れ始めていった。自治厨達がNGしろと言い始めて、それを見て面白がって自分にレスをつける奴がいて、自治厨達が憤慨している中相変わらずのらりくらりとまるで何の話も起こっていないかのようにいつもの調子でレスし続けて、当時の人生では一番楽しい時間だった。でもそれはスレッドを荒らすのに成功したからなんて楽な理由じゃなかった。一個だけ絶対に守っているルールがあった。それは「延々と書き込み続けるけど自分からは誰にもレスしない、どんなに腸が煮えくり返ってもレスしない、でも自分にレスが来たら肯定的であれ否定的であれ絶対に返信する」という決まりごと。なんでそんな意味不明な事が大事なんだって思うかもしれないけど、いじめられた経験しか無い自分みたいな人間なら分かるんじゃないかな。
そもそもどうして他人を苛立たせるような行為をするのかって、そんなの学校でいじめられた人間はそうなるからに決まってる。あの時の復讐をどうにかして果たしたいからに決まってる。でもいじめっ子はもう目の前にいない。じゃあどうすればいいのか。作ればいい。
「世界の人間は誰もが自分を蛇蝎のごとく嫌うはずだ」という強烈な信念を幼少期に植え付けられているせいで、自分が嫌われていないという世界が想像すら出来ない。自分が嫌われていない空間から不安で逃げ出したくなる強迫性障害まで抱えるくらい、いじめられっ子の心は酷く歪む。だからそれを再確認するために、「自分はいじめられているはずだ」という信念の側に世界を補正するために、他人が苛々するような事を書き続ける。そして「存在しているだけ」の自分に危害を加えるいじめっ子と同じ存在を大量に自分で作り出して、自分は言葉でしか反撃しないし自分から危害は加えないという酷く奇妙な正義を伴った行動方針に従って、そして現実の教室とは違ってレスの記録が全部残るから、「自分は何も悪いことなんてしていないし最後まできちんと言葉で言い返しているのにあいつらはみんな逃げるか通報して垢BANするなんて野蛮で低脳な手段しか知らない」という歪んだ形の勝利を収める。
そういう動機。
凄く幼稚なことだと思う。そうなんだ。幼稚なんだよこれは。でも実際こういう人間っていうのは発生してしまうものなんだ。自分もそうだったし一歩間違えてたら低能先生氏と同じようになっていただろうと思う。というか昔同じことやってたし。
いじめられて学校を辞めた奴やいじめられる側しか経験しなかった人間っていうのはその歪んだ価値観と顔も名前も覚えてない同級生への復讐心だけを脳味噌の全部にされたまま小学生の心を抱えて残りの生涯を何十年も惨めに過ごすんだ。
大昔に学校の教室で受けた怨みを、学校の教室と似たような空間を見つけて、あるいは作り出して発散する。その仮想教室の広さは、デカければデカいほどいい。自分をいじめていた人間たちがひょっとして増田ユーザーになっているかもしれないし、どの道、自分をいじめいてた奴らと全く同じ様な人間が歯がゆく苛つき続けているのは最高の愉悦だから。
ちなみに、該当スレッドでは自分に非常に侮辱的な通称がつけられた(いや最初につけた人間は愛称のつもりだったらしいんだけどさ)。低能先生氏がその侮辱的な通称を全く気にしていなかったどころかそう呼ばれるのを喜んでいたのと全く同じように、自分はその侮辱的な通称をとても気に入った。他人から侮辱的な名前をつけられて呼ばれるということは、そっくりそのまま自分を虐める人間が苛々してくれているという事の裏返しだから。いじめっ子に対する復讐になるから。通称は侮辱的であれば侮辱的であるほど良い。苛々してそんな風に呼んでくれるだなんて本当にありがとう。
これは本当に憶測になるけど、彼がそもそも「低能」という罵倒を使い続けたのは、匿名ダイアリーでありながら自分を特定個人として認識できるようにする意味合い以上に、そのワードで自分に侮辱的な名前をつけさせて相手を見下すという物凄い歪んだ動機がどんなに無意識的にでも少しはあったんじゃないかと思う。
これはいじめられっ子の歪んだ復讐で、この時点で物凄く歪んでいるんだけど、更に歪んだ、いじめられっ子の側が絶対に犯してはいけない、自分で遵守しなきゃいけない、絶対的なルールがもう一つあるんだ。
教室の中で存在感を高めるように大量にpostし続けるし、自分にレスした人間にはそれが肯定的なものであれ否定的なものであれ絶対に返信をするけれど、その代わりとして、「自分にレスしない無関係な人間には絶対に危害を加えないこと」。これは守らなきゃいけない。
「自分に勝手に苛々しているのはお前。人に勝手に苛々して危害を加えるような人間は全部邪悪。自分は邪悪ではないのでレスバトルは醜いけど無関係な人間には危害を加えないからまだ高尚」という信念を貫くのが何より大事。たとえその「勝手に苛々しているお前」が実際には自分を除いた全ユーザーであっても、全ユーザーが苛々する状況を引き起こしているのを自覚していても、あくまで勝手に読まれて勝手に苛々されて無視することも出来ないで勝手にレスをつけてくれるのが大事。容姿や行動が気持ち悪くて教室でいじめられるって本当にそういう事だから。そして一回でも自分に危害を加えたなら先にやったのはそっちだからその後いくら粘着しようと悪いのはお前。心から謝るまで絶対にやめない。
マジですっげえ惨めだけど、その程度の惨めさなんて現実の惨めさと比較したら全くどうでも良いくらいの人間だからそんな行動に走るんだ。少なくとも自分はそうしてた。低能先生がどういう方針だったのかは知らないけど、まぁ多分1回でもはてブのコメントで煽られたら標的にしてたんじゃねえの。
それでなんでhagex氏が殺害のターゲットに選ばれてはてなの人間まで殺されそうになったのかって話なんだけど、いじめられっ子は心の中でしか復讐しないし、出来ない。言葉で言い返そうとしたのに相手はきちんとした返答をしないで馬鹿にしたり殴ったりしてきた、あいつらみんな馬鹿だ、そういう価値観がいじめられっ子の根底にある。無視するどころか発言する機会を奪う人間はただ嘲笑する人間よりも遥かに最悪に映る。ましてや通報するのを助長する記事を書く人間なんて、彼の目には殴って口を塞ぐいじめっ子と本当に同じように映っただろうよ。hagex氏が選ばれたのは偶然でも適当でもないんだ。彼は低能先生氏から言葉を奪う行為の手助けをしたんだ。
集団通報で垢BANを続けるのは、人を殴って黙らせるのと全く同じ行為なんだ。いじめられっ子の目にはそう映るんだ。そして殴られながら心の中で醜悪に笑っている。こいつらは言葉で言い返せない頭の悪い人間だから垢BANするしか出来ないんだって。
低能先生氏にとって、垢BANされ続けたのも正直愉悦だっただろうさ。ああ、やっぱりこいつらは殴るしか出来ないんだ、そして俺は基本的に言葉で返信を続けているし、最悪殴るときでさえ報復しかしないから偉い。IDコールであれ、粘着的にトラックバックをつけるのであれ、罵倒されたのだから当然のものとして言い返すだけ。あっちから勝手に罵倒してきて言い返しているだけなのに集団通報をして言葉以外の手段で排除しようとするいじめっ子なんかより出来るだけ言葉で話を続けようとする俺の方がずっと高尚で偉い存在だ。
なあ、実に惨めだろう。でもいじめられっ子ってそういうものなんだ。自分がそうだから分かるよ。
そうやって歪んだ復讐を続ける事が自分の人生に折り合いをつけて自殺も犯罪もしないで生き続ける最後の支えだったのに、hagex氏が「通報するとほぼ即BANに近い効果がある」という事を広めてしまってから、低能先生氏が最低限まともに発言出来ると思えるラインを越えてアカウントがすぐに削除されるようになってしまったのだろう。(hagex氏の該当記事には「低能先生です」とだけ書いて通報したら3分でBANされたってまで記述まであるしな。)現実どころかインターネットの上ですら言葉を奪われた。現実に最早存在しない彼にとってそれは殺されたのと同義だっただろうから、同程度の報復として殺害を選ぶのも十分想定される成り行きに思われるし、殺害後すぐに出頭したのも、どういう経緯であれ言葉でなく手を出す地平に落ちてしまったからには自分も報いを受けるという彼なりの義理を貫いたのだろう。死刑にはなれないだろうし、自殺しておいた方が良かったと思うが。あるいはインターネット上で既に殺されているのだから当然の報復を行ったまでで出頭してる分だけまだ偉いとか思ってるかもしれない。
hagex氏の記事がどの程度アカウント削除に効果があったのかは、分からない。だけど低能先生氏にそのように映ったのであればそれだけで復讐の対象になるには足る。
なあ、真面目な話、「匿名ダイアリー」の名前を冠したサービス内であるにも関わらず、「発言内容が特徴的なため同一人物に思われる、発言回数が多いだけの個人」を、その発言内容の如何を問うたり口できちんと言い負かすのでなく集団で通報して口を塞ぐなんて酷い行為を正当化出来るか?自分には出来ないと思う。確かに彼が垢BANされたのは彼が規約違反に相当する暴言を繰り返していたからだが、「低能」って言った程度で垢BANされるってんなら一体何%の増田ユーザーがBANされないで済むってんだ?はてなサポートは低能先生氏に同じくらいの暴言を投げかけたユーザーのIDはきちんと平等にBANしていたのか?低能先生も恐らく通報していたんだろうとは思うが、その通報にはちゃんと同じレベルで応えてたのか?「低能」でBANするからにはバカとか死ねとかでもちゃんと全部BANするんだよな?というか、BANし続けてきたんだよな?まぁ全部してこなかっただろうし、そもそも出来ねえよな。知ってるさ。だって低能先生氏の罵倒と同レベルの発言を行っただけでBANするようにしたらこんなサービス誰も使わなくなるからな。別に低能先生氏に限った話じゃなくここいつ見たってマジで罵詈雑言ばっかりじゃねえか。それにも関わらず殆どBANされない。だけど低能先生氏についてだけはユーザーの大多数からの通報があったから特例としてBANし続けた。結局はてなは、自分たちのコンテンツの存続のために、自分たちの利益のために、一人の個人を不当な基準でBANし続けてきたってわけだ。正直この件はどうやってもはてなサポートと増田ユーザーが連携した極めて悪質なネットリンチにしか見えないしましてやそれを加速させたhagex氏には微塵も同情できない。
第一なぁ、人の発言機会を奪うのに加担しておいてなぁ、立派な当事者になっておいてなーにがネットウォッチだよ。それとも「僕は単に低能先生って書いて通報するだけで凍結してくれるって記事を増田じゃなくてはてブロにpostしただけですよ~」って建前で第三者のウォッチャーだって言い張ってたつもりだったんだろうか?もう同レベルの人間達が子供じみた喧嘩してて一方が数の暴力と非常に陰湿な方法で相手から言葉を取り上げるのに成功したから報復として一人刺されただけだよこんなの。学校の教室でいじめっ子が刺されたのとマジで何が違うんだよ。あとhagex氏の普段の芸風もちょっと見させてもらったけど本当に同情のしようがないわ。普段からこんな発言繰り返してる奴に垢BAN速度加速されてトドメ撃たれたんならそりゃ刺すわ。いじめられっ子なんて何十年経っても根に持ってるくらい怨み深い人種なのに大昔に1回言及しただけだから自分は標的にならないだろうと思ってリアルで公演するなんて馬鹿じゃねえの……。
そしてhagex氏の死の責任の所在がどこにあるかと言われたら、間違いなくはてな、特にBAN方針だと思う。
低能先生と同レベルの罵倒が跋扈してるこの場所で、特定の個人を狙い撃ちして垢BANを続けて、恐らくは低能先生側からあったはずのBAN要求には全く応えず、ネットリンチに加担したはてなの運営だと思う。
こんなサービスをやってる時点で低能先生みたいな人間が遅かれ早かれ出現するのは止めることが出来ないし、現れたが最後、5chと違って完全に野放しというわけにもいかない。5chは個人情報とかについては発信元開示や削除を簡単に行ってくれるけど、暴言や誹謗中傷、名誉毀損について対応しなくて済むのはいくら訴えられても困らない体制だからだ(管理人がひろゆきじゃなくなった後にどうやって訴訟や賠償金を逃れてるのかは知らんが)。暴言や精神的被害程度を理由に発信者情報開示請求をされたくらいで何かしら対応しなきゃいけないような国内の企業がこんなサービス始めた時点でこういう事がいつか起こるのは当たり前だし、というかもっと言うなら低能先生氏は年単位であんなことやってたのにのらりくらりと適当に特定個人を狙い撃ちにした垢BANだけして他の罵詈雑言は放っておいて、その間に当然行うべきだったBAN方針をより明確にする、低能先生氏を訴える等の処置を全くしなかった。まぁどっちもできねえけどな、繰り返しだけどやったら誰も使わなくなるから。そんで今回はhagex氏がたまたま垢BANを加速させたから身代わりに死んでくれたが、これじゃどの道はてな社の人間が誰か死んでただろう。結局今回の件で人死に出した原因はお前らだよ。あぁ、これがはてなへの名誉毀損になるっていうんなら訴訟でもなんでもどうぞ。事実でも名誉毀損は認められるから。
増田を使ったのは初めてだったのだけど、こんなにも「忙しい」ものだとは思わなかった。
調子に乗って色んなエントリ投げたら全部トラバがついてるか確認しなきゃいけないし、トラバがついていたら返信しなきゃいけない(これは自分がちょっと他のサイトの文化に染まりすぎているのかも知れないけど。そしてこれは本文とは関係ない)。
部外者の自分がこれ以上書いても仕方ないと思うし何より時間が食われすぎるのでこのエントリからは退散します。もう流石になんか1個勝手にわちゃわちゃやってるの以外はトラバつかんと思うけど、万が一ついたら返信は多分します。
http://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/bad/4551
違和感を沢山感じたので整理。
大きく分けるとこの二つ。
・編集が入っていない
・長い(3万字超)割に、大見出しを付ける、目次を付ける、話題ごとにページを分けるなどの対策が取られていない。
・「では」「なるほど」などの相槌が大量に残っている。編集が入っていれば、同じ相槌が頻発したら問題のない程度に削って読みやすくすると思われる。
・同一発言の中に「わかる」「分かる」などの異なる表記が混在している。
一例
「そうですね、ブラックニッカって去年360万箱の販売量がありまして、もちろんエントリー層からヘビーユーザーまで、もちろん私もヘビーユーザーなんですけど、そういう色々なお客様がいるっていうことですね。これを楽しんでくれるお客様がいらっしゃって、でどうしても700mlでは足りない、っていうお客様もたくさんいらっしゃるので、そういう方のために4Lを設定しております」
これに編集が入ると、例えばこうなったりする。
「そうですね。ブラックニッカは去年360万箱の販売量がありまして、エントリー層からヘビーユーザーまで色々なお客様がいらっしゃるということですね。もちろん私もヘビーユーザーなんですが。これを楽しんでくれるお客様がいらっしゃって、どうしても700mlでは足りないというお客様もたくさんいらっしゃるので、そのような方のために4Lを設定しております」
他の「みんなのごはん」の記事はインタビューでも読みやすく整頓されている印象があるけど、プロのライターの記事も多いからそう感じていただけだろうか。実際は仕上げまで本人任せなのだろうか。
・
ブレンダーさんにまで来ていただきました。え?マジで?アサヒビールさん、めっちゃ太っ腹じゃないですか?これがどのくらい凄いことかというと、チケット転売問題を取材しようとチケットぴあに取材を申し込んだらなぜかYAZAWAが来た、ぐらい凄いことなんです!マジで!!だってブレンダーさんとバーで一緒にお酒が飲める、ってあり得ないから!!しかも取材の舞台はニッカファンの聖地、ニッカブレンダーズバー!完全に役得!
と、ファンとして普通会えない「中の人」に会えることに敬意を表した割には、会話中に割と早い段階で
ちょっと分かんないんですけど
とかタメ口に近い口調になっている(せめて文字に起こす際に直さないのだろうか?)
・前半「ブラックニッカクリアを4Lで安売りするっていうのはどうなんですか」「ベン・ネヴィスをもっと推してくださいよ」等の発言。
そしてこれらの発言と直結している訳ではないが、後半では
ちょっと話が逸れるが、アイドルの運営に関わっていたことがある。
オープンスペース(ショッピングモールのイベント広場とか)でのイベントは通りがかりの人に見てもらえるので積極的に打っていくのだが、そこで事前に注意事項をアナウンスしても無視して過剰なヲタ芸や座り込み、荷物での場所取り等をするヲタが多いと会場提供元や周辺店舗からのクレームに繋がり、その後に同一場所でのアイドルのイベント利用がNGになったりする。
また、何かやらかすヲタが出るたび、その後のイベントでの注意事項がどんどん増えていく。
ファンの動向次第でアイドル本人たちと運営に負担が増えると、イベント自体を行わない方向になっていくこともある。
話を戻して、この「面倒くさいファンなので中の人に面倒くさい発言をする」という流れ(に読めた)、が例えば何を引き起こすかと言うと…
もし自分がメーカー側の販促担当であったなら、これを受けてブレンダーとファンの交流機会はなるべく作らないようにする。
面倒なファンと作り手が接触すると面倒なことを言い出して厄介だから。
直接対面しなくとも問い合わせや意見を受け付ける窓口はあるので、そちらで事足りる。
もしくはファンと対話するような取材でも、きちんとしたメディアが設けた場での取材に限る。
「ファンと中の人との直接の対話」という貴重であろう機会、態度の面と編集の面の両方で、もっと丁寧に記事化してほしかった。
この書き手が発信元だとしても、例えばブロガーが好きな企業の人に聞いてみました!という「個人ブログの記事」ならここまでの違和感は無かった。
企業「ぐるなび」のオウンドメディアが企業「ニッカ(アサヒ)」に対して申し込んでいる取材の記事で、この仕上がりは無いと思う。
最近、ニセ科批判とネトウヨの結びつき、みたいなのについてツイッターでよく見るので、思うところを書いてみることにする。
先に、俺の立場について書いておくと、もともとニセ科学批判クラスタにいる(た)人間である。以下、いろいろと書き連ねたような事情もあって、最近はニセ科学批判クラスタを批判的に言及することが多くなってきたが、やっぱり世界は科学だろう、という思いは変らない。
余談だが、ニセ科学批判クラスタを批判する人、というのがニセ科学勢力とか、トンデモ勢力というのは意外に成り立たない。そういう連中を自分が積極的にフォローしてないというのもあるかもしれないが、その手合いはまず自分たちに批判的な人がいることについて詳しく言及すること自体が不都合なので、あんまり触れないのではないかとも思う。クラスタの言説に詳しく触れながら批判する人というのは、何だかんだいって「ニセ科学は嫌い」寄りの人間が多いようだ。
あらかじめ書いておくと、自分の見解は、「ニセ科学批判とネトウヨは本来、つながらない」である。しかし、そう言い出す人がけっこういる、というのも理解できないではない。まして、「またネトウヨ連呼厨ガァー!」などと言い出す気にはなれない。なので、どうしてそう思われるようになってしまったのか、といういくつかの自分の思っている理由について書いてみようと思う。
なお、あくまで自分の観測範囲ベースなので、それ以上のエビデンスや統計的な根拠はない。ほしかったら基盤Bでも持って出直してきたら調べてやらんでもない。
ニセ科学批判とウヨの親和性、という問題が語られるようになったのは、やっぱり3.11以後が決定的である。いちおう、3.11以降について、特に放射能デマをめぐる後始末についていうなら、ニセ科学批判派がおおむね正しかった(細かいとこで間違いや軽口があったのは否定しない)というのは間違いないので、これはどんどん認めていくべきである。そして、その上で、致命的なレッテルを引き寄せる結果となったことについてもそろそろ考えるべきだと思う。
3.11直後にデマ批判をする人が、今となってはかなり信じがたい形で「ウヨ」と手を結んでいたのは確かだ。これはひとえに、デマの流布をほっておくことが人権問題になりかねない状況だったことによる。一例としては、ゴリゴリの左派な左巻健男が石井孝明をRTしていたことがあるくらいである。それは、個人的にそこはRTしなくてよかったんじゃないかと思うツイートだったが(別にどうしてもしなきゃいけないRTでもなかった)、しかし当時はそれでも連帯できるところは連帯しないといけない事情だったのも確か。とはいえ、そのRTを見てニセ科学批判派の中にいる自分でも嫌悪感を覚えたので、その外にいて、かつ左派寄りの人がどうとらえたかは想像に難くない。
元々、デマ批判を発信していた人には政治的には左派が多く、その中には、事態が落ち着いた今は左派クラスタのなかへと帰っていった人も少なくない。今となっては、「福島差別」について関心が高いアカウントというのの少なからず割合がただのウヨアカウントであり、人権問題に危機感を抱いて近づいてきたというよりは単に「ダシにしにきた」ことも明らかになりつつあるのだから、この時期のことについては、ちゃんと後処理をしておくべきではないかと思う。一方で、安易にウヨレッテルを張った側も、そのレッテルについて再検討する必要がある。
ニセ科学批判というのは多層的に発信される。最初の発信者、つまり、積極的に資料をあたったり文献をあたって、情報を発信していた人はもちろんいるにしろ、その人たちの話がどう広まっていったかといえば、メディアが広めた場合ももちろんあろうが、ツイッターなどネットではそれを再発信する人によって広まったわけだ。この人たちの中にも濃度がいろいろあって、「なんとなくRTした人」「そういう話を見たら積極的にRTする人」「RTして、自分でもそれをベースに意見をいったりする人」「それがさらにバズって積極的にニセ科学情報を集める人」とまあ、いろいろだ。
こうなると、ニセ科学批判クラスタといっても、もともとの「ニセ科学批判派」の声は流通する情報の割合的にはごくわずかということになる。
俺がやばいと思う層は、じつはこの水増しされた部分である。デマ批判が機能したのはこの部分あってこそなので、水増しという言い方は語弊があるのかもしれないが、しかし、ネトウヨとニセ科学批判がむすびつけて論じられることに責任があるのはこの層ではないかとも思う。
この層、とひとくちにいっても、いくつかある。
まあこれは文字通りの「ウヨ」層だ。前述の石井孝明とか、池田信夫なんてのもそうだろう。この亜種(1A)としては、ウヨというよりは「左派が憎い」というイデオロギーをかぶせていくケースもある。佐々木俊尚とか、伊藤剛あたりがそうだろうか。そうそう、伊藤剛と昔仲良し今は犬猿の仲の唐沢俊一も忘れてはいけない。君たちお仲間だよおめでとう。あるいは、こうやって膨らんだ層を客層にあてこんだ「御用文化人」というケースも亜種(1B)の一つだろう。いちえふの作者なんてのはそうだと思う。最初はけっこうまじめな信念を持って作業員のルポを始めたんじゃないかなー、とは思うのだが。
言っちゃあ何だが、科学は正義である。しかも、ある程度実証が積み重なれば、相対化しようがない正義だ。本当は正義とか正しさなんて一ミリも興味はないのかもしれないが、とにかく人を叩く根拠がほしいならず者にとって、こんな都合のいいものはない。しかも、人権問題としての問題意識までくっついている。人権なんて一ミリも興味がないのかもしれないが、以下同文。
正義の暴走がデンデンという人はネットによく転がっているが、あまりこの点には言及しない、どころかこの正義だけは振りかざすのが大好きだったりもする。彼らの心情は、よくわからない。
一昔前のメディアに流れる文章には、理系に対する嘲笑や偏見がいりまじったものというのが結構あった。それを見た理系人が、お前ら哲学で作った飛行機に乗れるのかよ、というような反発を持つのは想像に難くない。俺も昔はそうだったし。それは仕方ないところもあると思う。
ところが、ネットは理系の研究者がどっぷりつかっていたり、エンジニアがどっぷりつかっていたりする場なので、そういう人が意外にマスをもてる世界である。それはいいことでもあるんだけど、結果、「理系カルト」のようなものが出来てしまうという面もある。その結果、「文系」をバカにするようなアカウントが出来上がる。昔、科学ネタやアニメ談義が話が合うという理由で高専生や理系大学生をけっこうフォローしていたのだが、どうもこういう方向に流れていく人が多く、非難がましいツイートが増えた結果リムられたりリムったりブロックされたりが増えた残念な記憶もある。
これらの人が、放射能デマ批判、さらにはより広いニセ科学批判に群がったわけだ。どれもこれもあまり近づきたくないタイプである。
しかし、本来の意味でのウヨはこの中では(1)か、せいぜい(1A)までに限られる。それが全体のうちどれくらいの割合を占めるかというと、あんまり高くないと思われる。おそらく、悪印象のかなりの部分は(2)(3)に起因しているのではないか。(2)と(3)は、本来的にはウヨ思想とは関係がない。しかし(2)はそもそもモラルを欠いている層で、ネットイナゴといわれる集団に近い。そういう人が、ネトウヨ思想に親和性を持つのはまあ時間の問題である。(3)は正直因果関係を断定しづらいのだが、確かに自分の観測範囲では重なる人が多い。理系でもウヨ色の薄い人は理系絶対主義みたいなところには陥らない、みたいな雑な印象がある。
そうすると、本来は関係のない「ウヨ」と「ニセ科学批判」がセットで観測されるということが大量発生する。しかも、(2)(3)は人間性として最悪の、できればブロックしておきたいタイプだ。どこをどういじっても、ニセ科学批判がいい印象を持たれる展開がない。しかも、こういうアカウントに限って、やけにRTされる数が多く、ダメな方向にネットへ広がっていく。
(この部分追記)「冷笑系」と呼ばれるような集団がともかなり重なっている、というのもいくつかの反応で見かけた。これはもっともだと思う。特に(1A)や(3)あたり。
後出しじゃんけん承知で言うと、推敲前は言及していたのだけど、定義にやかましい人の怒りが二乗になりそうなのと、話がとりとめもなくなったのでなんとなく端折ってしまった。けれど、ニセ科学批判との関係について考える場合には、「いわゆるネトウヨ」より重要なカテゴリーかもしれない。
ネトウヨの定義というのは曖昧である。むしろ、厳密に定義したところで境界線附近の人間が大手をふって歩き出すだけなので、ある程度曖昧でいいと思う。ライトノベルの定義みたいなものだ。物語シリーズはラノベかとか三毛猫ホームズはラノベかと言ってる分には意味もあろうが、そこにかこつけて「聖書はラノベでは」とか言い出す奴はつまみ出せばよい。
しかし、世の中には問題児がいる。自分たちはつまらない理由でネトウヨ扱いされた、だからネトウヨを名乗ってトンチキなことを言い募ってやる!と言わんばかりの連中である。いまどき子供でももう少ししつけられていると思うのだが、そんないい大人がネットにはたくさんいる。被害者意識をこじらせているとしかいいようがない。本人はネトウヨ認定したほうが悪いと思い込んでいるのかもしれないが、申し訳ないが狂人の真似だと言い張って東大路通を走る人間は京大生でなければ狂人である。京大生でも狂人かもしれない。
菊池誠氏があんなふうになったのは、一つのきっかけはここにあると思う。しかし、年齢的にも知性的にも社会的立場的にも、責任能力を逃れられる人ではなかろう。自分の不始末は自分でつけていただきたい。きっかけのもう一つの原因(と俺が思ってること)は、次の項で述べる。
ジャンルは違うけれど、所謂「キモくて金のないおっさん」を名乗りたがるネット住民、についても似たようなことが言える。
ツイッターにはRTとかふぁぼという機能がある。ふぁぼはまあいいとして(最近はこれもTLに流れてくるようになったが)、RTは誰が何をRTはしたかが、ある程度分かる。
RTの基準は人によっていろいろだろうが、まあ第ゼロ近似としては「それに共感するんですね」だろう。直後のツイートで批判的に言及でもしておかないと、そう思われないほうがおかしい、と思う。
ここでめんどくさいのは、「それに共感するんですね」の「それ」はツイートの文章そのものであるかツイートしてる本人であるか、である。直感的には、前者だろう。後者は雑な見方に映る。ただ、発言を属人的に見ない、というのはけっこうなことに見えるが、発言主と合わせて文意を判断しない、ただの無責任な態度となることもある。見てる側が、いつも「こいつはどうしようもない奴だな」と認識していれば、それをRTする方も同類とみなされることもある。そんなのおかしい、という人もいようが、そういうものだ。
さてここで上のニセ科学批判情報の発信の話になる。発信者する側も、自分が発信した情報を受けて賛同し、意見を述べたり非難したりするツイートを自分のRTという形で放流するということをよくやる。別に発信者じゃなくてもやると思うから、ニセ科学批判に集まった人も、さらにそれをやるわけだ。
ところが、その放流元が「札付き」であった場合、それを「ニセ科学批判に賛同してくれた」という文脈だけで読んでくれる人は、あんまりいない。ごくふつうのアカウントなら、はいはい賛同者だね、ということになる。ところがそうじゃない場合は問題だ。そりゃあ、ツイート単体ではいいことを言ってるように見えたりするかもしれない。でもそれを、みんな属人的に見ないでくれるだろうな、というのはおめでたい。
でもまあ、そういうことが一度や二度あった、というだけなら、まあどうということもないかもしれない。しかし、これを長く繰り返し続けていくとどうなるか。
「お前はそういうやつなのか」で離れる人というのは離れられる側にとっても、分かりやすいし素直だ。だが、「お前のRTうぜえわ」で離れる人も出てくる。離れられた側は、もしかしたらなんだか事故にあったつもりになるかもしれない。自分はただ「賛同できるツイートを流しただけなのに」、と。
それもそうかもしれない。でもそれが繰り返されるうちに、クラスタ自体が、濃縮されてだんだん汚染されていく。そして、やり取りをする相手というのは、本人も気づかないうちに影響を与えていく。フィードバックされちゃうのだ。
2012年か2013年くらいまでは、きくまこ先生もそこまで変ではなかったが、その後加速するようにヘンな発言が連発されていくのは、こんな感じだったのではないかと考えている。
ニセ科学批判そのものを凶器として振り回す層というのが出来た結果、その印象がネットイナゴ、あるいはネトウヨと非常に近いものになってしまう。あとは災害が広がるのみだ。子宮がんワクチン、水素水、EM菌。本来ならネトウヨと関連付けられる要素なんてないものも、そのスジのアカウントが言及してはバズる、という光景は、「そこ」がイニシアチブを握っている、と認識されることになる。そうなれば、ウヨに批判的な人は近寄りがたくなる。もちろん、もともと発信元として活動していたような人は、自分が左派であろうと発信を続けるだろう。でもそこまで中心にいない人は、距離を置くか、あるいはニセ科学批判派の語り口に疑問を持つようになる。
このような先鋭化の過程で、本来なら近しいところにいるはずの、歴史修正主義批判や、反知性主義批判(本来の意味も、日本で独自に派生した意味もどっちも含まれる)との溝が深まっていくことになる。めんどくさいことに、これらの集団は原発や巨大科学のようなものには批判的で、甚だしい場合は放射能デマに一定の親和性がある人もいたりするので、頭が痛い。
よく、ニセ科学批判クラスタはこれらのニセ社会科学・ニセ人文科学の問題には無関心だと言われる。発信する側については実際には必ずしもそうではないアカウントも多いのだが、群がっている層については確かに無関心…… どころか敵意を持っている人が少なくない。理系人が多いので馴染みが薄いし慎重な態度でいる…… というのはなくはないのだろうが、どうもそれだけで済まないところがある。歴史問題や法律あたりに目をつけて観察していると、「馴染みが薄いからかかわらない」ではなく嬉々としてトンデモさんを引っ張ってきて何かつぶやいている、という光景を目にして頭を抱えることになる。
「Aを批判しているのにBを批判しないのはなぜか」はほっといてくれというのは分からないでもない。ただ、それは本当にたまたまのこともあれば、党派性を後ろに秘めてみて見ぬふりをする場合もあるので、けっこう一概には言いにくい論点である。状況証拠次第によっては、判断材料として持ちたくなる疑問であるのは確かだ。また、別にこういう「疑問」はニセ科学批判クラスタだけが受けるものではなく、左派がいちゃもんのように昔から言い立てられてきたことでもあるので、やはり状況しだいでこう問いたくなるのも当然だろう。
こんなことが続いていくうちに、ニセ科学批判クラスタは「身内」に甘い、というような見方もされてくる。そんなことないよ、と言いたいところだが、最近たまにはてブあたりに上がってくるニセ科学批判批判へのブクマコメントなど見ると、妙にニセ科学批判サイドへの批判を矮小化しようとする「ニセ科学批判者」のコメントが見受けられたりして「ああこの人もかあ」という気分になってくる。
先日ツイッターで問題になっていたのは、これのようだ。mika_berry氏というツイッタラーがリフレとニセ科学批判とネトウヨのつながりについて言い始めてそれにニセ科学批判派やネトウヨの定義が気になるタイプが反発して少し炎上のようになったらしい。
経済には明るくないので、具体的なところには踏み込まない。が、ニセ科学批判クラスタ、あるいはもしかしたら理系クラスタまで枠を広げてもいいのかもしれないが、けっこうな割合がいわゆる「リフレ」に近づいたのは確かにそうだなと思う。
ただしここも距離の違いはけっこうあって、単に「反緊縮」に近づいた人もいれば、はっきり「リフレ」に近づいた人もいる。俺も反緊縮については多分同意すべきなんだろうな、と思う。
なぜこういう動きが起きたかは分からない。単に、時代的に緊縮はもういい、という風潮だったのかもしれない。反緊縮は数字を勘定してイメージしやすい「ロジカル」なものだからという、もっともらしい理由がつけられるのかもしれない。それはわからないのだが、しかしこの「リフレに近づいた側」の少なからぬ人が、その後決定的にウヨに近づいていくことになる。
これも理由は分からない。反緊縮には賛同する、という程度の人は、あまりそっちへ動かなかったからだ。アベノミクスなるものがあったからといって、他の論点がいっぱいあるのだから、ウヨに近づく理由にはならないのである。むしろ経済で結果を継続して出せるように安定させるためにこそ、おかしな動きは徹底的に批判すべき、と思うのだが、なぜかそうならない人というのがいた。ニセ科学批判クラスタの外にもそういう人がやはり「なぜか」いて、新たな集団を作るようになる。リフレで経済的に豊かになることを期待するクラスタ、というよりは「政権を応援しマスコミを憎み野党のアラ探しをする」クラスタとなる。経済には明るくないのでよくわからないのだが、アベノミクスのような政策はほっとくだけだと企業が潤うだけだと聞く。こういう人が「再分配を求めるべき」「企業は給料をあげよ」というような動きをしたという話を寡聞にして聞かない。本当に経済が大事だと思っていたのか、いまいちよくわからないところがある。
昔ながらのニセ科学批判は、党派性から距離を置いているつもりの人が多い。これは「左派が多い」という、上で書いた話とも別に矛盾しない。もちろん、ノンポリもいる。俺だって党派がかるのは大嫌いだ。
それはいいんだけど、そうありたいと思うこととか、自分たちはそうだと思い込むことは、あんまり何かを担保してくれることではない。
ここ10年くらいのインターネットの歴史は、ノンポリが政治的な層、特にウヨに振り回される歴史だった。
1970年ごろの学生運動家だって、多くは本質的にはノンポリだったという話はよく聞く。でも、左翼運動の迷走についての責任を問われないかといえば、そんなことはないだろう。
俺が思うのは要するにそういうことだ。ニセ科学批判=ネトウヨというくくりは、なるほど雑だ。だけど、それを一笑に付せる無邪気さは、ちょっと俺には持てない。
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2046年。東京オリンピックの年に生まれた人間が三十路に差し掛かる頃。
餃子チェーン店のテーブル席で、野暮ったい女がビールを飲みながらノートパソコンに何か打ち込んでいる。ひどいクマと死んだ魚のような目はまるで亡者だ。亡者がスウェットを着て餃子をつまんでキーボードを叩いている。
老紳士が現れる。ボウシを取り、くすんだ色のトレンチコートを脱ぎ、女の対面に当然のように座る。老紳士は老いているからか、挙動がぎこちない。
「やあ、赤坂くん」
女は答えず、画面を見ながらチャーハンをゆっくり口に入れ、咀嚼する。
女、赤坂は無視し続ける。ポッケからイヤホンを取り出し、耳にはめ込む。無言の意思表示だ。老紳士はしばらく黙っておいて、それから何を思ったか、半分衝動的に赤坂のパソコンをパタンと閉じてしまう。
「おい」
乱暴に、短い抗議の意を示す赤坂。老紳士はとぼけて、それを意にも介さず用件を切り出した。
「ロシア上空に、GPS衛星と偽装されたアメリカ軍の偵察軍事衛星がある。それにちょっと侵入(はい)ってきてほしい」
手に折りたたまれたコートのポケットをさぐり、メモリードングルを取り出す老紳士。赤坂はそれをむしり取って、小さな機械に差し込み、それを有線でパソコンに繋いだ。
「あいかわらず厳重だな」
「パソコンに直接差し込むのは、信用できる機器だけにしてるんです。教授、あなたからそう習ったはずですけど」
呆れる老紳士に皮肉を返すと、赤坂はメモリードングルに入った資料を開いた。
「5ページ目にリストされているETN-G-129がそれだ。表向きは、商用オフザシェル化の一環として宇宙関連企業のパラジウム社が受託し打ち上げたBlockⅢ代替のGPS衛星だ。しかし、実態はちょいと違う」
ある資料には、膨大かつ一般人には意味不明な数列が延々列挙されていた。2桁の16進数が大量に連なっている。しかし、彼女にはこれらの意味が分かる。
「そうだ。しかも、暗号化されていたものをご丁寧に平文にして転送している。NSAも随分と腑抜けたものだよ」
注文を取りに来た店員にお冷を頼んで追い返す老紳士。彼がひどい下戸であることを赤坂は知っていた。
「まあそうだな。依頼主はアメリカ側からのアクセスを止めさせろと言っているがな、それじゃあんまりつまらんだろ」
店員が会話を中断させ、水を置いていく。老紳士は一口、いかにも老人といったしぐさで飲む。
「赤坂くんの好きにしていい。おそらくコントロール系統はNORADに接続されている。君の腕ならば、衛星を踏み台に使うのも良かろう」
「それだったら、もう少しマシな手があるし、だいたい軍やら何やらに侵入するのはあなたの持ってくる依頼のせいじゃないですか」
「はて。ワシはバス接続の危険性以外にもこう教えたはずだがな。『君たちは楽しい楽しいオモチャを手に入れたのだ』とな」
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帰る途中。コンビニに立ち寄り、ソフトクリームを食べるための座席に座り、キーボード付き携帯端末を公衆無線ネットに繋ぐ。会員登録をしろとせがむ画面を消し、スクリプトをいくつか走らせると、すぐに管理者権限が手に入る。
いくつかプログラムを自動インストールさせ、オニオンルーティングとVPNで秘密の回線を作り出す。これで発信元の特定が困難になる。
そこから接続するのはとあるアメリカ軍人の個人端末だ。以前とあるショッピングサイトから流出した情報を使って、たやすく乗っ取る。今、アメリカはだいたい朝の10時。運が良ければ、軍人は軍施設内にいるはずだ。果たして、軍人は施設内におり、乗っ取った端末から施設の無線ネットに接続出来た。
軍用のシステムはちょっと頑丈で、コンビニのサーバほど簡単に侵入らせてはくれない。辞書攻撃を仕掛けつつ、母校たる東京電波大学の誇るスーパーコンピュータを使って秘密鍵の推測を行う。
20分程度かかって、なんとか秘密鍵を割り出した。同じ公開鍵が無線ネットの接続に使いまわされていたのはラッキーだった。こうして米軍のシステムに侵入できた。
しかし、いくら同じ米軍のシステムと言えど、見たところこの施設はただの空軍基地。件のスパイ衛星のコントロールシステムはそこには無いようだ。
そんなことは赤坂も最初から分かっていた。赤坂の狙いは、空軍基地にある衛星通信用のアンテナだ。これを使い、標的の衛星の近くにいる衛星にアクセスし、乗っ取り、そこから標的の衛星にアクセスするのだ。
これをやってみると上手くいかない。アンテナから衛星が遠すぎたのだ。仕方なく他の米軍基地をまた乗っ取り、やっと標的にアクセスできた。早速データベースを覗きこむ。
中身は、ロシアと米NSAの秘密鍵などでギッシリだった。これだけ色々あれば、次また教授が何か言ってきても楽になんとかなるだろう。
『衛星はーーNORADに接続されている。ーー踏み台にするのも良かろう』
教授のほざいたことをふと思い出し、コントロールシステムへの信号に偽装フレームを紛れ込ませてみる。偽装パケットには小さなフレームが仕込んであり、相手システムが受け取ると即座に実行され、こちらに諸々の情報を返してくる。すると米空軍の心臓を掌握したも同然である。
いささか満足し、帰る準備として証拠の記録であるセキュリティログを隠滅しようとして気づいた。セキュリティログが明らかに不自然だ。誰かが一部を消したのだーー赤坂が今やろうとしているように。
「私以外に、誰かが侵入っていたんだ。しかも、私とほぼ同時に」
少し気味が悪かったが、適当に証拠を処分し、衛星は傍受したデータではなくランダムに生成したデータを送信するようにしておいて、その場は終わりにした。
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レジに座り、大きなあくびをした。普段、赤坂は平成商会でアルバイトをしている。平成商会は新横浜にある、電子パーツの問屋だ。マニアと業者だけがやって来て、一般人にとってはガラクタにしか見えない物を買い漁る、知る人ぞ知る店である。
声をかけられ、顔を上げた。教授だった。ふざけている。そんなもの、彼が探しているはずもない。依頼の成果物を取りに来たのだ。
「これ、衛星のコンソールへのリンクです。米軍施設にあるコントロールシステムの電源が付いている限りは、自由に例の衛星をコントロールできます」
事も無げに言い、携帯端末に二次元コードを表示して差し出す。教授はうなずき、コードを写真に撮る。
「報酬はこれだ」
教授は提げてきた紙袋から何か取り出した。大きくて古臭い、中世のコンピュータの周辺機器だ。
「ずいぶん探したんだぞ」
「そうそう。ウチの大学のスパコンあるだろ。あれが短時間何者かによって不正利用されてたらしくてな。学内大騒ぎだ」
「ワシの研究室にもちょっと来てね、誰がやったか調べてくれって言うもんだから見てみたら驚いたよ。RAMに公開鍵がたっくさん入っておったよ。あれがNORADの鍵かね」
「いや、あれはどっかの米軍基地の鍵でした。NORADの鍵は私が大事に保管してます」
「鍵は大事に保管ね。当然だ」
教授が帰った後。店主の勧めでペケ86kを店頭に展示すべくパソコンに繋いでいる時。
「あの……すみません」
どこかから女の声がするではないか。嫌だな、怖いな、と思いながら声の方向をたどると、一つの端末が音声通信をしていた。
これだからP2P通信は。無視して通信ソフトを落とす。が、何度やっても立ち上がる。
「ちょっとお尋ねしたいんですが……」
電源を落としても、もう一度つく。コンセントを引き抜くと、別な端末に移る。
「もう、やめてくださいよう。ちょっとぐらい話きいてくれたっていいじゃないですか。ひどい」
「いやいや、あなたこそ誰なんですか……?米空軍の迎撃システムに侵入したの、あなたでしょ」
「私はただのバイトだ。消えろ」
キーボードを叩き、スクリプトを走らせて回線を遮断しようとするが、文字が入力できない。
「ネット切ろうとしてますよね。それはボクが困るので、キーボードの接続を切りました。ははっ」
ここで赤坂は確信する。こいつがあの不自然なログの正体だと。赤坂と同時にNORADをクラックしたハッカーだと。
「気持ち悪い」
「心外だなあ。ボクはあなたに興味があってはるばるここまで来たんですよ。ちょっとぐらい相手してください……」
「よっと」
後ろで声がする。メイドロボだ。やつは消えなかった。それは淡い期待に終わった。やつはメイドロボを乗っ取った。
ここの店主はメイドとレトロPCが大好きだ。置いてあるロボは無駄に美形の機種を買い、無駄にフリフリでクラッシックでステレオタイプなメイド服を着せられていたのだった。