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はてなキーワード: 学術とは

2018-10-10

anond:20181010183113

まー難しいところで,私としては「私の分野の若手はみんな査読論文書いてるけど? というか大御所査読論文書いてるけど? 私が出せそうな学術誌はたいてい査読つきだけど?」と言いたい気持ちはあるし,査読論文1本で教授は流石に……と思うけど,一方で分野の違いとか以前にうちの年配のすげー学識ある先生でも昔の人だから若い査読論文は書いたけど最近は依頼されて書いたやつばっかり,みたいな人がいるし,でもその人の論文面白かったり.査読なしの論集にすごく良い論文が載ってるときもあるし,そこを否定したくないという思いがあるから

査読がなくても良い論文なら評価されるべきだ

という主張をしているんだけど,同時に事実として最近学術誌はだいたい査読つきだし若手はそこに通して一人前な風潮があったりするわけだから

査読誌・査読論文はたくさんある

とも言い続けないと,「文系査読してない」と勘違いする人が出てきちゃうんだよね.どっちも言うって地味に難しいことだけれど.

要するに色んな形で論文を発表するルートがあって,その過程査読が噛む場合と噛まない場合があり,広く投稿を募っている場合査読ありが多く,信頼できる研究者執筆を依頼するような場合査読がないこともじゅうぶんに有り得る,というのが私の分野の相場観かな.

まー過渡期ってやつなのかね.欧米だと著書にも査読つけることが多いっぽいし.ただ日本だと学術書と一般書のあいだの垣根って低いからなぁ.たとえば中公新書の『応仁の乱』が人気だけど,あれは一般向けレーベル応仁の乱一般向けに解説した一般であると同時に,先行研究を挙げて批判し,きちんと史料と向き合って独自解釈を打ち出しているという意味研究書・学術書でもあるんだよね.講談社選書メチエとか,そういう汽水域がかなり広い.今日本で査読つけてる学術書って,どっかの大学出版会だったり,査読つきの本を出版するための基金を社内で組んでたりしてて,純粋商業ベース勝負してる本じゃないんだよね(出版助成取ってる学術書なんて,もう学術振興会が裏打ちした自費出版とか同人誌みたいなもんでしょ利益という点からみれば).純粋商業ベースでやってるレーベルの本にまで一律査読つけろというのはなかなか厳しいと思うけど,そのへんは商業出版側にも意識の変革が必要だよなとも思うので難しいところ.

anond:20181010195640

けど、件の先生不特定多数相手自分意見としてある程度まとまった文章ネットニュース投稿したわけで。

https://news.yahoo.co.jp/byline/sendayuki/20181003-00099158/

結果としてネットニュースよりかは査読の付いた論文のほうがマシなんじゃないかというサンプルになった感じ。

そんなもん文系基準でも「査読なし論文」じゃねーわ。業績欄に載せるとしても学術誌の片隅のコラムとか学生新聞インタビューとかと同じ扱いだわ。そんなもん、理系だって査読があるわけないじゃん。

anond:20180828185404

史学雑誌』は東大の方で出してる月刊学術


史学会」警察です

史学会の事務局東大にありますが、東大で出している学術誌ではありません。

ちなみに「回顧と展望」以外にも文献目録逐次載せていますし、

「回顧と展望」に取り上げられたからすぐれた論文とは限らない、とは執筆者常套句です。

anond:20181010133939

なお海外ではフェミ=ファシストというのが確定して話題

流石に我が闘争学術誌に載せるのはバカすぎて笑えるわ

anond:20181010083204

なんか新人は大変そうだなって。

年いったら年功序列が良くて若い頃は成果主義がいい、でも自分業界では年功序列会社ばっかり、みたいに思わないのかな。

私がその増田で話していたのは「著書」の話です。ふつう論文ではない。著書を出してる時点で既に何本か業績があるのは前提。

そんなん常識だろって思って文系キャリアパス説明しなかった私も悪かったと思うので詳しく説明します。分野によって違うけど、私の分野では、

院生時代査読つきも含めて論文を何本か出す→博士号取得→前後して博論を元にした著書を書く

というのが「最初単著」に至る流れです。

さて、学術書というのは分厚いですね? 基本的文系学術書というのは論文を何本も積み重ねてようやく書けるサイズのものです。というか博士論文の時点で学術書として出版できるくらいのボリューム要求されたりします(まあここは院によりますが、しかし薄い博論学位を取れたとしてもそんな論文は本として出版できないかマイナー出版から出版するほかないので、評価されるちゃんとした書籍を書こうと思ったらめっちゃ書き足す必要があったりして、要するに「書籍出版」を業績とみなすのも故なきことではないのです)。なので、実質的論文を何本も書いたことがないと単著なんて出せません(私の院では、博士論文の提出に際して既発表の論文数などは問われません。なので発表した論文ゼロ状態博士論文を提出することも理論的には可能なのですが、実質的にそんなの無理です。私の周囲の博士号取得者は何本も論文書いた上で博士号獲ってます)。

まり単著出してる時点で論文デビュー済みのことが多いわけです。

(ちなみにこの辺は国によって違ってて、日本だと博論は既発表論文を寄せ集めて書いても問題ないけど、たとえばドイツだと博論に既発表の論文を組み込まずに書き下ろす必要があり、なおかつ博士論文には出版必須なので、ドイツ最初単著を出した人のその時点での業績は日本基準では少なかったりします。そのへんの話はこちらのまとめを参照→https://togetter.com/li/9904

もちろん、最初の著書が新書です、みたいな人もいます院生時代研究成果をもとにした新書書いて、そのあと博士号取って分厚い単著しましたみたいな(『パンダ外交』)。むっちゃ分厚い修論書いてそれを単著にしちゃう猛者もいます小熊英二)。ただそういうのはレアケース。また、博士号取得→別のテーマ単著出版→その後に博論に基づいた単著出版という流れもありえます。こっちは割とよく見るかな。講談社選書メチエの『湾岸産油国』とかそうじゃなかったっけ。

んで、良い論文を何本も書いたり、単著出したりしてると、インテリ向け商業誌とか権威のある学術誌とかからお呼びがかかります。「お前、うちの出版社が出してる商業誌に書いてくんね?」とか「お前、うちの学会で今度組む特集号に書いてくんね?」って感じです。これが例のセンセが言ってた「招待論文」。「依頼論文」と呼ぶ業界もありますね。当たり前ですが、程度の低い研究ばっかりしてると呼ばれません。

査読がなくても良い論文が有り得るってのはそういう意味です。最近だと院生向けの紀要にも査読つきが増えてるけど、そういうマイナー誌の査読論文よりも商業誌に載った論文の方がよく読まれていたりする。当たり前だけど紀要の無査読論文とかよほど内容が良くない限りめったに読まれませんし参照もされません)

要するに、昔はどうだったかは知りませんが、最近では査読誌の論文新人登竜門として使われ、ある程度実績が増えると査読なしの論文を書く機会が増える、というのが私の周囲での割とよくあるキャリアパスです。それまでの実績がない若い人にも当然チャンスはあります

anond:20181010045052

それが査読論文があれば互いにいろいろやり取りして論文の質を高める工夫をしてるらしいよって話になる。

査読論文はあるって言ってんだろ……私の分野だと,最近の若手で査読論文なしで任期なしのアカポス就職してるひとなんて見たことないわ.

英語論文があれば、仲間内の人じゃない人からも読まれたり評価したりされてるらしいよってなる。

全てのひとが外国語論文を書いてないわけじゃ当然ないよ.私の友達にはドイツ語論文持ってるやつもスペイン語論文持ってるやつもいるし,私の先輩はIF高い国際英語誌に何本も載せてるし,日本で大規模な国際学会も開かれたりしてる.私も外国語論文は持ってます.当然そういうの持ってた方が評価は高くなりますねー.

大部分の学者ちゃんとやってると私は思ってるよ。でもその知識アカデミアに入らない国民には理解しようもないし、還元されようもないなら、あいつら何かよくわかんないけどサボってんじゃないかとか、税金かける価値ほんとにある?とか言われてても擁護しようがないじゃん。

日本語で学術出版してる(し,概説書とかも書いてる)んだから知識還元されてるでしょ.市井読書家たちは現代思想文学法学人類学歴史学社会学学術書を読んでるわけ.あなたは読んでないかもしれないけど.学術言語としての日本語の重要性,ってそういうことだよ.私たち母国語で色んな分野の最先端研究を読めるの.最近だとアウトリーチ評価されるからアカデミアの外で色々啓蒙活動的なのはやってるよ.SF作家法学者のトークセッション参加したけど面白かった→https://www.youtube.com/watch?v=RQsdc_6MGNA

それができなければ〇〇論文誌の論文は毎年学会で全部ちゃん議論してます(その結果もまとめてあるのが理想)って表明するとか(日本語できる人でいいんだが)外国学者もっとポスト招聘してうちの学会オープンですってアピールするとか面倒臭くても何か工夫をしないといけないと思う。

主だった学会学術誌には当然査読があるので(特集論文とかだと査読なかったりするかもしれない.のでふつう投稿論文読もう.たいてい査読がある),そういうのをお読みになれば.『社会学評論だって査読つきだろ,というのはあちこちで指摘されてたよね? しょーじきこんな当たり前のことを何度も繰り返すのマジ徒労でしかないんだけど.日本文学研究とか日本研究とか東アジア研究とかなら外国人の研究者や留学生普通にいるし(何度も言うようにこれらの分野では日本語が国際語なので),外国人の客員研究員を継続的に受け入れてる研究所もある.現地の研究者と共同で英語の論集作ったりしてる(査読はしてないかも).人文系での外国研究者との共同研究の一例として,ちょっと古いけどこんなのとか→http://hdl.handle.net/2115/39022

世間から知られないと,理解されないと評価されない! と言ってるけど,あなたが知らないし理解もしてないだけでは.

バカマツタケの"完全人工栽培"は偉業なのか

先日、加古川肥料メーカー多木化学バカマツタケ(Tricholoma bakamatsutake)の完全人工栽培成功を発表した。それを森林ジャーナリスト田中淳夫氏がyahoo!ニュースで取り上げた記事は、多数のブクマを集め話題さらった。

http://archive.is/fdyLb 

ただ記事の内容には不正確な情報や、やや解説が不十分と感じる点があったので補足したいと思う。なお増田は単なるきのこ愛好家に過ぎず本稿は信憑性に乏しいが、ブクマカのきのこへの興味と深い理解一助となれば幸いだ。

冗長になってしまったので、概要だけ知りたい方や長文が苦手な方は、先に下部の【まとめ】を読まれることを推奨する。

以下該当記事の一部を引用するかたちで解説

バカマツタケマツタケの近縁種。名前名前だけに、マツタケより劣るように思いがちだが、実は姿もよく似ているうえに味と香りこちらの方が美味しくて強いと言われるキノコである

マツタケよりも香りが強いというのは一般に言われるが、マツタケよりも美味しいという話は聞いたことがない。野生下ではマツタケよりも相当に貧弱で、発生時期が早く暖かいこと、一般湿度の高い広葉樹林に生えることからマツタケよりも柔く品質劣化がはやい(一般的にきのこ寒冷地・痩せ地に生えるほど日持ちが良く高品質ものを得やすい)ことが関係すると思われる。近縁で姿がよく似ているというのは本当で、素人目には見分けがつかない。増田にも発生場所情報なしに個体だけで同定できる自信はない。

別名がサマツ早松であるように、マツタケより早く8~9月に発生することから名に「バカ」がついてしまった。

バカマツタケサマツと呼ぶ地域は確かにあるらしい。しかし必ずしもサマツバカマツタケではない。きのこ地方名は極めて多様で曖昧世界だ。その証拠に「サマツ」といっても梅雨時期に少量発生するマツタケを指すこともあれば、モミタケオオモミタケ等を指す地域もあるようだ。

マツタケの人工栽培がなかなか成功しない中、バカマツタケの方が環境適応やすいか栽培もしやすいのではないかと注目する研究者はいた。実は昨年には奈良県森林技術センターが、人工培養の菌を自然にある樹木に植え付けて発生させることに成功している。

『人工培養の菌を自然にある樹木に植え付けて』という表現は正確ではない。菌に感染した苗木を人工的に作り出し植樹することで自然下で発生させた、とするのが正しい。既に自然化で定着している樹木に植菌を施すのと、無菌状態の苗木に植菌するのとでは似て非なる技術だ。(ところで同様の研究マツタケでも行われており、無菌培養の松苗木の感染には成功しているものの、植樹後のマツタケ発生については再現性に乏しい。理由としては自然環境化においてマツタケ菌が他の害菌に負けてしまうこと、マツタケの発生にはまとまった菌糸量とそれを支える大きさの松が必要なことが挙げられる。例えば自然下でマツタケが生えるためには一般20年生程度の松が必要とされる。)補足になるが、奈良県森林技術センターバカマツタケ栽培研究農水省委託事業で、2015年より森林総合研究所(国立)との協働で進めている。要するに国策が3年の歳月を経て文字通り実を結んだかたちだ。今年の2月頃に、はてブでも話題にのぼった。しかし本件とは全く関係のない別個の案件であり、おそらく情報の共有などもされていなかっただろう。奈良県森林技術センターが松の苗木を利用するのに対し、多木化学は菌床を用いた完全人工栽培に取り組んだ。研究テーマアプローチも全く異なり、時期も多木化学のほうが先行している。

これがバカマツタケ栽培の第1号で、今年も継続発生させて実用化に一歩近づけた。ところが多木化学は(中略)木クズなどによる人工培地(菌床)で培養から生育までを室内環境で完結させたのだ。これは画期的なことで、キノコ栽培常識を覆す大発明かもしれない。

菌根菌(樹木との共生関係を結ぶ集団)とされるバカマツタケで『人工培地(菌床)で培養から生育までを室内環境で完結』、つまり”完全人工栽培"に成功したというのは実に画期的なことである。この成果は偉業と言っても差し支えないものであると思う。三重大学の菌学者白水先生も、

とその成果を讃えている。

しかし本文にある『キノコ栽培常識を覆す大発明』というのは誇張にあたる可能性が極めて高い。なぜなら「菌根菌の完全人工栽培成功」という点においては既に先行研究があり、実はとうに商品化もされているのだから。例えばホンシメジの人工栽培がこれにあたる。

とくにマツタケ類は、植物との共生必須と考えられてきた。これまでマツタケ菌糸の培養成功した例はいくつかある(私もその度取材に行って、いよいよマツタケ栽培成功か、と期待していたのだが……)が、子実体(傘のある姿のキノコ)を出すことに成功していなかった。だが多木化学は、とうとう菌糸から実体を出させるシグナルを見つけたのである。この研究成果は、これまでの定説を破るものであり、学術上も大きな成果だろう。

繰り返しになるが、多木化学の成果が学術上も大きな意味を持つ可能性は高い。しかし、その成果がどのレベルかという点については当該記事では説明不十分なので、詳しく補足する必要がある。一般きのこ栽培はざっくり以下の工程をたどる。

a. 優良品種の選定・組織分離

b. 菌糸の培養

c. 原基形成

d. 原基の成長肥大

e. 子実体きのこ)の発生

ごく簡単に一連の流れを説明する。はじめに野生のきのこをたくさん採ってきて、それらの中から有望そうな株の組織(胞子ではない)を切り取って培養する。具体的には寒天培地というデンプンなどの栄養素を添加し固めたものを使う。きのこ組織を切り取り培地に置くだけで(コンタミを防ぐ必要はあるものの)、比較的容易にクローンである「菌糸体」を得ることができる。無事目的の菌糸体が得られたら、それらを培養して増やす必要がある。従来は木くずの他に、米ぬか、フスマなどを添加し水を加え固めたもの(=菌床)を用いる。菌糸体は、適切な温度、水分、光などある条件が重なると原基(きのこの基)を形成する。原基は一般に、低温、水分供給、切断などの刺激により成長をはじめ、十分な菌糸体の量と栄養供給を伴って肥大し、きのこの発生に至る。

ここで問題になるのは、b. 菌糸の培養、c. 原基形成、d. 原基の成長肥大という三つの工程それぞれに、全く違ったメカニズム存在することであるマツタケを例にとると、これまで少なくとも半世紀以上もの研究蓄積(野外での観察研究の記録を遡ると実に70年以上)がある中で、c,dについては再現性に乏しく、bについてもまともな成果はあがっていない。マツタケ栽培の難しさにして最大の課題は実はここ《b. 菌糸の培養》にある。とにかく菌糸の成長が遅い上に、どのようなメカニズムで菌糸が栄養素を取り入れ増殖するのかということがほとんど未解明なままなのである

理由は当該記事にあるとおり、マツタケ樹木共生関係を結ぶ「菌根菌」であることが大きい。マツタケ菌糸の生育には生きている樹木必要で、実験室での再現ほとんど不可能といっていい。それではなぜバカマツタケは完全人工栽培可能だったのか。

マツタケなどの樹木共生する菌根菌に対し、シイタケナメコなど、倒木や落ち葉などを分解し、栄養源とする菌類は「腐生菌」と呼ばれる。腐生菌の多くは菌床による栽培可能で、多くが一般に出回っているのは既知のとおりである。実は菌根菌は、腐生菌が進化過程樹木共生する力を獲得し、腐生的な能力を失った集団だと考えられている。ところが菌根菌の中には、完全に腐生的な能力を失っておらず、腐生と共生、いわば両刀使いが存在するのである。その代表ホンシメジであるホンシメジは「香り松茸、味しめじ」と言われるように、我が国における代表的な食用である。菌根菌とされるホンシメジ栽培は、マツタケ同様に長らく不可能と考えられてきた。しか系統により極めて強力な腐生的な能力を備えるもの発見された(研究により、これまで同種と考えられてきた本種が実は様々な系統もしくは別種に分けられることがわかってきた)。1999年タカラバイオなどにより菌床による完全人工栽培法が確立され、その後商品化もされており、少量ながら現在一般流通している。

多木化学バカマツタケ栽培は菌床を用いた完全栽培なので、上記ホンシメジ栽培成功と同様である。つまり、本件はバカマツタケの中から腐生的な能力を持つ系統を選定し、培養から実体を発生させるまで成功したということだ。リリースにあるとおり、今後は栽培の安定化と供給体制の構築が図られ、数年後にバカマツタケ食卓に並ぶことの実現性は極めて高い。それではマツタケ栽培への応用についてはどうか。

勘の良い方には察しがつくと思うが、前述のc〜eの工程については応用が効く可能性が高い。他のきのこ栽培でも成功しているように、十分な菌糸体と栄養を確保することさえできれば、原基形成〜子実体に至るまで管理可能なことを初めてマツタケ類においても示したことは大きい。ただし、最大の課題である《b. 菌糸の培養》については、ほとんど応用が効かない可能性が高い。なぜならマツタケにおいては既に膨大な先行研究があり、当然ホンシメジバカマツタケ同様に”両刀使い”が存在する可能性も、その系統選びも、菌糸培養を促進する成分や菌糸の栄養源についても、少なくともバカマツタケよりは遥かに詳しく調べられているかである。それをもってしてもまともな菌糸培養に至っていないのが現状なのだ

つまるところ、多木化学による本研究の主な成果は以下の二点にまとめられる。

繰り返すがこれらが偉大な成果であことに疑いの余地はない。一方でマツタケや他の菌根菌の人工栽培を実現するには、それぞれの種類において腐生菌的能力もつ系統の発掘と培養法の確立必須となる。その意味において本研究の応用範囲限定的となる。田中淳夫氏は今回の研究結果により、さも菌根菌の栄養吸収のメカニズムが明らかにされ、あらゆる菌根菌の人工栽培可能になるかのような書き方をしているが(あるいは本当にそう思っているのかもしれない)、残念ながらそうではないことはここまで読んでくださった聡明ブクマカ殿にはご理解いただけたかと思う。

菌床栽培なら、植物共生させないので培養期間が短く、室内の環境を調整することで季節を問わず生産できる。また室内栽培から虫の被害にあわず収穫時も混入の心配がない、収穫も簡単……などのメリットがある。

逆にデメリットを挙げるとすれば、野生のものとは全く異なる味わいと食感になることである。つまるところ、野生の品と菌床栽培のものとでは全く別物と考えるべきである養殖ブリと天然ブリの味わいが全く異なるように(それでも近年の養殖技術進化は素晴らしく、季節によっては天然物を凌駕するものさえある)、それぞれの美味しさと楽しみ方があると増田は考える。今回の成果によりバカマツタケ普通に食べられるようになったら嬉しいし、美味しければ普及すると思う。ただし、仮にマツタケの完全人工栽培確立されたところで、天然松茸価値のものは今後も揺るぎのないものである消費者がどう捉えるかはさておき)。

菌根菌のキノコの中には、マツタケ類だけでなく、トリュフポルチーニホンシメジタマゴタケなど高級キノコが多い。今回の成功が、これらの人工栽培技術もつながるかもしれない。

トリュフポルチーニは、日本におけるマツタケ同様にヨーロッパで盛んに研究がなされているが、今のところ菌床での栽培成功したという話は聞かない。ホンシメジは前述のとおり既に栽培法が確立されており既に商品化もされている。

これらの菌根菌の人工栽培可能にするには、ひとえに”両刀使い”の系統発見と、それらの培養方法確立である。ちなみに本家マツタケにも、実は”両刀使い”の存在示唆されており、引き続き研究が進められている。また、マツタケ類は世界中に似たような種が多数存在しており、マツタケ(Tricholoma matsutake)の中にも、例えば中国の山奥には広葉樹共生する系統があり、更にはそれらが日本ナラやカシと共生関係を結ぶことがわかっていたりもする。種の中にも多様性があり、それらをしらみつぶしに調べていけば、そのうち栽培可能ものに出くわさないとも限らない。その点はトリュフだろうがポルチーニだろうが同様である。ただし、その研究がどれほど途方もなく根気のいる仕事なのは間違いない(ちなみにトリュフポルチーニ国産種が知られており、積極的に狙うマニアが相当数いる)。ところで、遺伝子組み換え技術により、これらの菌根菌に腐生菌的能力を付加することも可能とする研究者もおり、そのうち遺伝子組み換えマツタケの完全人工栽培実験レベル成功する日も来るかもしれない。

まとめ

参考文献

https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakaatsuo/20181006-00099530/

http://fs.magicalir.net/tdnet/2018/4025/20181003413938.pdf

http://www.kinokkusu.co.jp/etc/09zatugaku/mame/mame04-3.html

https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/bulletin/424/documents/424-1.pdf

http://www.jsmrs.jp/journal/No31_2/No31_2_167.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjom/50/2/50_jjom.H20-07/_pdf/-char/ja

トラバブコメに反応

見た目 味も 香りも 同等以上なら 偉業

あくまで野生産同士の比較なら、やや下位互換という感じではないでしょうかね。栽培バカマツタケは食べてないのでわかりませんが、うまくすればそこそこ美味しいものができる可能性はあるかなと。ただ、マツタケって単体で食ってそんなにうまいものじゃないと思うので、一般家庭での調理には手を焼く気がします。炊き込みご飯するにも炊飯器臭くなるしね。料亭とかでマツタケ代用品として普及する可能性はあるかもしれない。<

[][]2018年10月9日火曜日の増減

サイト\日付2018-10-032018-10-042018-10-052018-10-062018-10-072018-10-082018-10-09合計説明
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Khan Academy ttps://www.khanacademy.org/00200001358アメリカ オンライン教育
iFixit ttps://www.ifixit.com/10111004501アメリカ 修理情報サイト
TripAdvisor ttps://www.tripadvisor.com/000020013095アメリカ 旅行情報サイト
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NME ttps://www.nme.com/00100003078イギリス 音楽雑誌
FACT ttp://www.factmag.com/00010012027イギリス 音楽ニュースサイト
World Nulcear News ttp://www.world-nuclear-news.o000000080イギリス 原子力ニュースサイト
The Register ttps://www.theregister.co.uk/13411136828イギリス テクノロジーニュースサイト
PinkNews ttps://www.pinknews.co.uk/0000000233イギリス LGBTニュースサイト
Marie Claire ttps://www.marieclaire.com/000000064フランス/イギリス ファッション雑誌
ELLE ttps://www.elle.com/1102308フランス ファッション雑誌
La Gazzetta dello Sport ttps://www.gazzetta.it/0000000256イタリア スポーツ新聞

[]2018年10月9日火曜日増田

時間記事文字数文字数平均文字数中央値
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2018-10-09

キズナアイ オーストリアハンガリー皇太子

元々は

この発言から始まったと思われるキズナアイを巡る騒動について。

上記発言についてキズナアイファンフェミニスト、反フェミニスト社会学者、表現の自由論者あたりが参戦したあたりはまぁ当然という感じ。

そんでそこから出てきたキズナアイ性的ではないって主張から、いやそんなわけねーだろってオタクの人から反論が来たり、

萌え絵とその歴史を経由して古典作品萌え絵化反対派と賛成派が燻り出されてきたり(児童書の絵柄の“萌え絵化”について様々なご意見 - Togetter )、

千田有紀武蔵大学社会学部教授論文関係から英語査読付き論文至上主義派的な発言が出ると(社会学者、査読論文出してなくても教授になれるし、招待論文(依頼論文のこと?)があれば査読論文無しでも良いらしい問題(いろいろ追記有り) - Togetter

いやいや日本語論文重要だって意見が出てきたり(みんな日本語の学術言語としての重要性を軽く評価しすぎ)、

個々の学問によって査読論文重要度は変わってくるって話が出てきたり(人文系の文献の取り扱いとか業績についてちょっとだけ - dlitの殴り書き)。

キズナアイ(正確にはキズナアイ運営NHK判断)が叩かれたのが原因でここまで戦線が拡大するって、第一次世界大戦っぽくないですかね?

anond:20181008215814

metamix 英語論文なぞいらん日本語で事足りるって話はまあいいけど、理系なら学部生ですらやらされることを文系だと教授クラスでもやらなくていいんだーフーンみたいな感想

お互いの分野で必須タスクが違うだけだろ……英語以外の外国語を読まなくていい理系はずいぶん楽ですね,って言われたらどう思うよ? 私は修論書くにあたって複数ヨーロッパ言語読んだし,東洋史だと修士でも複数の現地語+複数ヨーロッパ言語を読むのが当然みたいな分野もあるけど,理系英語だけ読んでりゃいいんだっけ? ふーん.

kyuuzyuu9yen じゃあ文系論文妥当性はどうやって担保しているのかと。仲間内でも議論はしているのか?

dot 学術言語は一理あるとも思うけど、査読有りが理系ローカルルールという言説には面食らう。記述言語査読有り無しも最終的には学術論文としての品質をどう担保するのかというところに帰結すると思うんだ。

slimebeth この問題英語査読不要理系絶対と思うなみたいな捨て台詞をいろんな人が吐いてくのに「では代わりにどういう制度方法論で研究の質を担保してるのか」を未だに誰も一言も言わないの底知れぬ闇感すごい…

本当に疑問なんだけど,こういう主張するひとたちって「まあ最近文系査読重要になってきているし,若手は査読つき業績を増やしたがっているけれど,査読がつかないかダメとは限らない,ってだけの話.当たり前だけどダメダメ論文は後発の研究によってちゃん批判されるか鼻にもかけられず無視される」っていう箇所が読めてないの? 査読つき雑誌はある,査読つきの業績は重要であるしか査読がないからといってダメであることを意味しない,ってそんなに難しい話かね.

ていうかこういうひとたち,普段査読通った論文なら無批判に盲信してるんですか? 論文批判的・懐疑的に読まれ瑕疵があれば後発の研究によって批判されたり乗り越えられたり無視されたりするものだ……というのは文理を問わぬ学問常識だと思っていたのだが,「査読がないとどうやって研究の質を担保するの?」などと吐かす一部の理系はどうやら査読を通ってさえいればアッサリと先行研究を信じてしまうらしい.どっちが権威主義なんだか.

reuteri ペレルマン査読されてないが多くの人から批判的にチェックされるでしょ?そのチェックの有無が科学にとって重要で、「学界の権威が言っているから正しい」という世界科学ではないのですよ。日本語については同意

藁人形叩かれても困るんですよねぇ.

theta 日本には日本のXX学、米国には米国のXX学、印度には印度ののXX学があって相互互換性が無いのなら、それは普遍性のある学問なのかなという疑問がある。

こういうレベル説明から始めなきゃいけないの本当に馬鹿げてると思うんだけど,日本西欧研究なら西欧諸言語の先行研究は当然追いかけているし,英語圏の日本研究者は日本語の先行研究読んでますよ.ドイツ人ドイツ研究者と日本人のドイツ史学者は同じ学問従事していて,同じ問題意識を共有している.ただ,日本西洋史研究日本歴史学という別の文脈の中にも置かれていて,そちらから影響を受けて「日本西洋史研究独自の色を出すこともあるし,アメリカでは日本研究者と東南アジア研究者が共同プロジェクト独自問題意識を深めているかもしれない.そういう意味で各国の研究には多かれ少なかれその国の事情に根ざした独自性があるわけ.そして,時には「本国」以外での研究潮流が「本国」での研究に影響を及ぼすことだってある(たとえば前世紀末から今世紀初頭にかけてのアメリカソ連研究典型的かな).日本中国学はフランス台湾中国学と微妙に違っているかもしれないけれど,それでも同じ中国学なんだ.

kingate だとして。最先端は何処よ?学術研究論文最先端批評貰う必要があるんじゃねぇの?ローカル内容でも批評貰わんと正否は出ないでしょ、総論として。で、あの学者モドキはその総論に後ろ足で砂掛けたの。

分野によるとしか言いようがないし,別に最先端複数あってもいいんじゃないかと思わなくもないが.たとえば私が研究対象にしている地域については間違いなく英語でのショボい研究蓄積なんかよりも現地語での研究最先端だけど,私は現地での最先端研究フォローしているし,現地人の使っていない資料とかも使って彼らと勝負しているつもりでいるよ(現地人だからこそ盲点になってる資料みたいなのがあるんだよなぁ).

iyochoo 国内アカデミアを重視するか、世界アカデミアを重視するか。両方の言語で書いてくれると助かる人が多いです。

世界アカデミア」なんて幻想で,各国別のアカデミアが併存してるんだよなぁ.もちろんそれらの間に橋を架ける必要はあるけれど.

(……)恐らく査読文化のないという文系の分野では、被参照数によって論文の質を予測するというように思うのですが、被参照数というのは流行研究をしている事で他の研究者が参照しやす環境がないと伸びにくい物です。ニッチな分野の研究をしているが、優れた研究であるのに査読も行われず、誰も参照してないという論文があるとして、研究を行う者はその論文を如何にして見つけて評価するのでしょう?文系研究者は、研究を開始するまでに、かなり無駄調査時間必要とするのだろうなという事を想像しますね。(……)

anond:20181009154937

ぶっぶー.ぜーんぜん違います.ろくな知識もないひとがテキトー想像しても頓珍漢な答えに辿り着くだけなんですよねぇ.

そもそも査読はあるし重要だが,査読がなくても良い論文であれば評価対象たりうる,という話を少なくとも私はしていたわけで,それを「査読文化がない」と要約されても困惑するわけですが,まあ全ての論文査読を受けているわけではないという状況を「査読文化がない」と書いているのだろうと好意的解釈するとして.

当たり前ですが文系でも「レベルの高い査読誌」「査読はないがレベルの高い雑誌」「レベルの低い査読誌」「無査読紀要」ではチェックの優先順位論文の重みは違います.当たり前ですね? 査読はしていないけれど,その分野では定評がありよく読まれ雑誌,というもの存在し,たとえばそのへんの査読をつけた院生向け紀要とかよりも圧倒的に読まれる,というような状況がある中で,査読がないからといって無価値扱いするのは不当だ,という話を私はしていたわけです.

なので,ニッチだけど優れた研究をしている人は,よく読まれ媒体論文投稿すればよろしい.というか人文系研究対象って,研究水準の深化に伴ってどんどんニッチになっていく傾向があったりしますしー.

そもそも文系の多くでは被引用数を重視する文化はあまりありませーん.理由ひとつとして「正確な被引用数を測定するのが困難」というのが挙げられます.著書も業績になり得る上に各国が自国語で研究する世界において,外国語も含めた紙の本での被引用数なんて管理しきれないのでー.私も自分論文の被引用数なんて知りません.外国語で書いたやつは3ヶ国語くらいで引用されて,日本語のやつも紙の本に1回引用されたかな? でも他にも引用されてるかもしれないので,これは最低限の数字っすね.周りで被引用数なんて気にしてる人見たことないなぁ(私に指摘されて初めて自分論文他人の著書に引用されてることに気づいた先輩とかいたっけ).そもそも引用されてむっちゃdisられてても1回引用カウントするわけですよね? それ本当に論文の質の指標になるんですか?

(……)一方で世界社会学者は、インパクトファクターの高い査読付き国際学術誌に投稿している様ですね。アメリカだと、テニュアになるためには当たり前の様に要求される実績の一つですし、それが世界標準でしょう。(……)

それはアメリカ社会学者自国語で論文を書いているだけでは……?

というか,日本語圏の社会学者でも英文学術誌に投稿してる人はいますし,英文学術誌に投稿してる非英語圏の学者でも,それとは別に母国語論文書いてたりしますし.英語以外の言語での論文が載ってる社会学学術誌,探すとあちこちにありましたよー.

韓国語http://www.ksa21.or.kr/kjs/

中国語(簡体字)> http://sociology.cssn.cn/xskw/shxyj/

中国語(繁体字)> http://tsa.sinica.edu.tw/publish_01-1.php

ロシア語http://www.isras.ru/Sociologicalmagazine.html

フランス語> https://journals.openedition.org/sociologie/index.html

ポーランド語https://www.ceeol.com/search/journal-detail?id=240

リトアニア語> https://www.ceeol.com/search/journal-detail?id=1027

カタルーニャ語https://www.raco.cat/index.php/RevistaSociologia/index

ところで日本社会学会は和文雑誌の『社会学評論』以外にもちゃん英文学術誌持ってるんですよねー> https://onlinelibrary.wiley.com/journal/14756781

いやほんと,テキトー知識でよその学問分野に軽々しく口を出して,正しいこと言ってるならともかくめっちゃ的外れとか,生きてて恥ずかしくないんですかね?

death6coin “ぶっぶー.ぜーんぜん違います.ろくな知識もないひとがテキトー想像しても頓珍漢な答えに辿り着くだけなんですよねぇ.”攻撃的ですねぇ

理系研究事情査読制度を知りもせず「理系研究権威主義だ! 定説にとらわれて思考が硬直している!」とかわめく連中に,これまで理系のひとはどんな目線を向けてきたっけ? 冷ややかな目線を向けて嘲笑ってきたよね.もちろんそれはまったくもって正しいよ.理系事情を知りもしないのに思い込み的外れ批判をするのは愚かな行為であり嘲笑に値する.文系に向けて似たようなことをわめく連中にも同様の態度を取らせてもらうというだけ.

zu2 琉球歴史琉球語でかける日はいつか。文化侵略ってこういうものだよな

これは本当にそう.最近だと三元社なんかが琉球諸語・日本語対訳出版物を出していたりするけど,言語復興運動家の著書とか学術誌のコラムまりで,琉球諸語で書かれた学術論文は残念ながら見たことがない.琉球諸語は最近書記法の整備とか色々進んでいるから,今後はそういう方向に期待したいよね.もちろん琉球諸語で書かれた論文査読できるひとはそう多くないと思うけれど,査読なしで論文を発表することも許されているという文系事情積極的活用して中身のしっかりした琉球諸語論文を発表していくひとが出てきたらいいなと思う.

quick_past だったら方言で書いてもいいし、絶滅言語で書いても良いのでは。

それに対しては2つの論点から応答したい.1点目に,「日本語過去の豊かな蓄積を持ち,現在も多くの学術論文生産し続けている言語である」という前提条件を忘れてもらっては困るということ.日本について研究している学者日本語論文を書くわけで,この点が方言とは違う(大阪弁研究する者のほぼ全てが標準語論文を書いているし,山形弁で書かれたヨーロッパ史の高度な研究は現段階では存在しない).

第2に.もちろん書いていいです.少数民族独自民族として生き残っていこうとするには何らかの形で文章語を持つことが(必要ではないが)望ましく,実際にヨーロッパでは人口数万人の少数民族でも自分たちの言語で書かれた学術誌を持っている場合もある(もちろんその場合,当該言語や当該言語で書かれた文学,当該民族歴史といった限られたテーマについての論文を書くので精一杯だったりするのだが.ちなみにそういう少数民族学術誌に少数言語論文を載せてる日本研究者もいる).それに,言語方言とのあいだに本質的な違いはなく,たまたま政治権力を持ち規範が整備された言語変種が「言語」とされ,「言語」と見做されなかった地域的変種が「方言」と見做されているだけ,というのが社会言語学常識であり,実際に気仙沼方言方言ではなく独自の「ケセン語」だと主張して聖書翻訳したお医者さんなんかもいる.上で書いたように,宮古語日本語バイリンガルコラムを載せている学術誌もある(コラムまりで,論文ではないけど).なのでたとえば,鹿児島大学薩摩弁を公用語にした紀要出版されてもよいと思うし,もしその紀要に優れた論文が次々に掲載されたとしたら先行研究を読むために薩摩弁を学ぶひとも出てくるかもしれない.そしてそれは,悪いことでは決してない.

abll 「過小評価しすぎ」は重言。「過小評価している」か「軽く評価しすぎ」が正しい。

きゃーお恥ずかしい.ご指摘ありがとうございます.訂正しました.

anond:20181009210827

学術価値、というもの幻想。つまり歴史判断するのみ。そして査読がすべてというのは相対的価値。それがウソ引用というかたちで現れているということは、先に述べた通り。

anond:20181009210711

内容嘘100%でもいっぱい読まれたか学術価値がありますって

自分で言ってておかしさに気がつかない?

別に査読でなくてもいいんだけど…

それが批判的なチェックを通り抜けてきたものであることを何か他の手段担保されていないと、

感想文やポエムしかなく、学術じゃない。

招待論文制度ってのがそれに当たるのであれば別に問題ないのだが、残念ながら社会学における

それにはそういった機能は乏しいようだ。歴史による検証で生き残ったものけが、というのは

その検証を経る前に"学者"という立場適当な言説を振り撒けてしまうので不十分。

anond:20181008215814

あと、ペレルマンのような本当に特異な例を挙げて、社会学法学といったある分野全体における平均的な仕組みの欠如と

見比べるような行為は信頼を落とすだけだよ。

何故、社会学英語査読を受けるべきか?

anond:20181008215814

言語だけで問題視はしないが、批判されている社会学については英語論文を書いて、世界から査読を受けるべきと思うと、工学系で研究をしている人間として言っておきたい。日本語だって研究は出来るとかいうのは、批判本質に対しては無意味論点ずらしでしかないんですよ。

http://dlit.hatenablog.com/entry/2018/10/09/081143

とは言っても、人文系でも査読される事が重要になってきている様だし、「査読理系だけのローカルルール」とのたまっていたのは馬鹿な繰り言だと分かってホッとはしました。千田先生が学んだ社会学批判を機に変わって貰いたいですね。学者と呼べるのか?と感じる人間排除される様な変化を期待したい。

自身研究の質を高める為には、優れた先行研究存在は不可欠

唐突ではあるが、皆さんは、工学研究者が年間に何本程度の論文を読むと思われるだろうか?ここで言う、読むという行為再検証実験自分で出来るレベルに落とし込めるという前提でです。時間がある博士課程の学生で、なおかつかなり優秀と言われる人で150も読んでいれば相当なものです。不慣れなもの論文から何をどう作ればいいのか?を理解するのに要する時間は一月にも及ぶかもしれません。斜め読みまで含めれば、修士学生でも、最低50本程度は読んでいるでしょうが、逆を言えばそんなものです。斜め読みで済ませることが出来るのは、論文の質が担保されているからですね。

一方で、自分の専門領域についての論文は、毎年、大量に発表されます。もしも査読がなく、国際学術誌や国際会議ランクけがなされていなければ、玉石混交クズ山の中から自分研究引用すべき論文について、その妥当性を再検証するだけで膨大な時間必要としてしまますね。査読学術誌の採択難易度によって、論文の質が担保されている事が如何に重要か?お分かり頂けるでしょう。レベルの低い会議の採択論文や、査読なし論文などは、僅かな例外を除いて通常は再検証されることなく消えていきます。高いレベル査読を通って採択されている事は、再検証する手間をかける価値証明になります

論文評価には被参照数という軸があります。いい研究であれば、数百の論文から参照されます。参照されるという事は同業者による再検証が行われているということを示しているので、手法妥当性が分かるのです。恐らく査読文化のないという文系の分野では、被参照数によって論文の質を予測するというように思うのですが、被参照数というのは流行研究をしている事で他の研究者が参照しやす環境がないと伸びにくい物です。ニッチな分野の研究をしているが、優れた研究であるのに査読も行われず、誰も参照してないという論文があるとして、研究を行う者はその論文を如何にして見つけて評価するのでしょう?文系研究者は、研究を開始するまでに、かなり無駄調査時間必要とするのだろうなという事を想像しますね。非効率すぎて耐え難いという気分に、個人的にはなります

何故、社会学英語査読を受けるべきか?

査読と被参照数の話をしました。これによって完全とは言えないまでも論文の質が担保されるのは、世界中の同様の背景を持った研究者たちによって、その仕組みが共有されているからです。査読を受ける者も、査読する者も、何度も何度も査読に関わって来たという実績を持っていて、厳しい目で評価を行いあっている事が前提にある。私が社会学英語査読を受けるべきと言う理由はここにあるのですね。

社会学者が、査読なしの招待論文 > 査読された論文 という認識であることは、幾人かの社会学者が言っている事です。実際に社会学者の履歴をみても査読付き論文殆どない事も指摘されていますね。そういう学者たちの査読に何か価値はあるのだろうか?と思う訳です。一方で世界社会学者は、インパクトファクターの高い査読付き国際学術誌に投稿している様ですね。アメリカだと、テニュアになるためには当たり前の様に要求される実績の一つですし、それが世界標準でしょう。故に、査読されない研究者同士ではなく、査読が当たり前になっている世界評価評価を受けるべきだと考えます工学系では国内学術誌は相当に軽視されますが、英語日本語かは大きな問題であるとは思いません。査読が当たり前ではない世界から査読が当たり前の世界に出て評価を受け、実力を証明せよという事です。その為には、英語を使うのが妥当なのでは?

という風に思いますね。

日本語かどうか?は本来は(日本語のみの会議レベルが低いとしても)重要問題ではないけど、日本語で閉じている限りは社会学学問と呼べるだけの再検証性を備えていないのではないかと言う疑問を改めて提示しておきたい。私は、少なくともジェンダー論を学問とは思えなくなっています

anond:20181009095615

査読論文を通じた学術的な成果を生むという営みを重視する「知的な人」なのに

普通の人はしないことはそれだけでしないべきだと主張するって

敵をどういう設定にしてるんだろうこの人

自分査読重要だと思ってるけど、普通の人がしない行為についてそんな適当否定したりしようと思ってないけど。

anond:20181008215814

言語日本語なのはまぁ、文化ということで分からなくはない。

世界各国の論文文化が閉鎖的でガラパゴス化していることの正当化とも思わなくもないし、それは威張る様なことなのかと思わなくもないけれど、

また、英語重要なのはこちからアクセス容易性ではなく、自身論文に対する世界からの被アクセス容易性なのではと思わなくもないけれど。

それよりも個人的に気になるのは、ならどうやってその閉鎖的な世界学術性を担保しているのかという話。

先日ノーベル賞を受賞された本庶教授も「ネイチャー誌、サイエンス誌の9割は嘘」と仰られていたけれど、

査読なし英語なしってつまり、閉鎖的な仲間内忖度互助会さえ構築出来ればそれだけで回せてしまうのでは?

国際的批判監視の目に晒されず、まして査読というある意味最低限度のチェック過程すら経ず、

「そういう論文の中にも優れたものがある」というのは分かるけれど、なら「そういう論文の中の駄作や嘘」は誰が判断し、どうやって学術性が担保されるのか?

その時々の時勢や学術界の権力者におもねった論文跋扈せず、トレンドに逆行した真に革新的批判論文が介入する余地がどの程度あるのかが問題なのでは?

anond:20181008215814

id:wildhog 言語研究価値は直接関係ない。とはいえ世界大学ランキングに役立たないし、留学生海外研究者に対して敷居が高くなるから英語で書いた方が得じゃない?

じゃあランキング気にするのやめるか英語以外の研究も拾えるランキングしろボケ,が前段への返答で,そんならアメリカ人日本人にとって敷居の高い英語やめてくれない? 日本語論文書けよ! が後段への返答っすね.マジあいつら日本史日本社会についての論文や著書すら英語で書きますからね.それを日本人研究者がわざわざ日本語翻訳してますからね(悔しいことに面白いんだこれが).別にそれが悪いことだとはまったく思わない,というかむしろアメリカ人日本研究者が英語で書くのはそりゃ当たり前でしょって感じだけど,広い読者にわかるように日本研究者は英語で書けとか言われたらまずあいつらに日本語で書かせてから言えよくらいは言っていいですよね.日本史の読者のボリュームゾーンはまずもって日本人なわけで.アメリカ人英語日本についての論文を書いても,えー英語論文しかないのー,日本語論文書いてないとかレベル低すぎー,とアメリカアカデミアで冷遇される世界になったら日本語論文書いてる欧米研究者を冷遇してくれて一向に構わないので,そのへんどうかよろしくお願いします.

というか日本語習得して日本語論文博論書いて本も出してる留学生の方だって大勢いらっしゃるわけですよ.私はこれまで,中国人韓国人台湾人モンゴル人・ポーランド人が書いた日本語単著を読んだことがあるし,ウイグル人カザフ人エジプト人アメリカ人日本語論文書いてるひともおられる.琉球方言学とか見ると定期的に日本語論文投稿してらっしゃるニュージーランド研究者もいらっしゃいますね.日本語外国人研究者によっても使われる立派な学術言語です.

モンゴル研究者が日本語で書いた単著の一例(査読つき)> https://www.yamakawa.co.jp/product/67381

id:parosky 論文人類の知の体系に貢献するものからみんながアクセスできる言語じゃないとダメじゃない? という意味英語なことが重要だと思ってたけど、たしかに界隈の人がみんな日本語を読めるなら日本語でもいいね

「みんなが日本語を読める」んじゃなくて,「重要日本語の先行研究がたくさんあるから頑張って日本語勉強する」んですよ……

この辺の感覚理解されてないんですかね? 文系にとって標準言語英語だけではなく,分野によってはいくつかあったりするのが普通なので,頑張っていくつかの言語勉強するんです.西洋古代史なら英語古典語の他にフランス語ドイツ語の先行研究を読む必要があるし,インドネシア近代史人類学を勉強したければ英語インドネシア語の他にオランダ語を学ぶし,中国前近代史なら英語中国語の他に日本語が読めないとね,という要求水準があって,それらの言語を知らない人は勉強する必要があるわけですよ.英語さえ読めれば研究ができるひとたちにはわからない感覚かもしれませんけど.

正直,中国研究してる欧米人が英語論文の中で日本語引用してるのを見て,「あっ,つづり間違ってるな,こいつあんまり日本語得意じゃないな」って思うことはあります.たぶんもともと中国語が専門で,日本語研究必要からいやいや読んでるんだと思いますけど,西洋研究してる日本人は同じことをドイツ語とかフランス語かに対して思ってたりするわけで,まあお互い様っすね.

id:nakex1 自国しかやってないと自国語で形成される村の思考の枠組み(そこから発生する評価の枠組み,師弟関係派閥から出られないんじゃないかという懸念はある。

師弟関係やら派閥やらはともかく、思考の枠組みとか言われても、社会学英語からの輸入学問なんだから英語圏の発想や思考バッチリ取り入れた論文書いてますよ! 英語圏の理論の本とか翻訳されまくってるし,未翻訳の本でも原語で引用してるひとは大勢ますねえ.当たり前だけど,執筆言語自国語であっても,自国語で論文書くために読まなきゃいけない言語はいくつもあるわけで……

id:kanekoshinichiro 日本語学術を述べてもいいけどガラパゴスにならない?どこかで日本人以外に読んで欲しくないのかなと思ってしまうな。もっとオープンになればいいのに。英語できるでしょ。

ドイツ語より母語話者人口が多い言語を捕まえてガラパゴスとか言われても困りますわー.日本語話者世界トップ10に入る大言語なのですが.ちなみに欧州なんかだと日本10分の1くらいの人口しかいない小国にもちゃん日本語学科が設置されて現地語で日本研究論文が書かれてたりします.日本語学習者って世界中にいるので日本語論文書いてもガラパゴスでも何でもないんですよね.日本人勉強して英語論文を読んでいるんだから日本人以外も勉強して日本語論文を読んでください.

id:nt46 ペレルマン論文ポアンカレ予想という関心分野で他の数学者がその正しさを検証たから業績になってるのであって、事実上査読は行われている。

それが査読になるなら日本語の著書や無査読紀要論文出版後に多くの同業者が読んでチェックしてるから事実上査読つきですね.ありがとうございました.

id:steel_eel 本質学問正当性を確保するためのクロスチェックがどう機能してるかであり、その点で現状ベターなのが英語使用査読でチェックを受けるシステムなわけで、それが無いなら代替の何があるのかを示さんとな。

分野によるという話をしています.たとえば日本に関する研究なら別に日本語でもいいですよね.日本史日本社会研究しているのに日本語論文を読めない研究者は三流以下なので,そんなひとに査読を頼んでも別に正確性や信頼性が向上するわけではない……というのは理解していただけますか? 日本以外の地域研究にしたって,前近代中国史を扱うならば,中国人研究者が日本語著作引用したりする世界なので,日本語で書いて査読してもらえばよくないです?

id:operator 日本語英語かではなく、国際学会のトップカンファレンスを目指して研究したこともないのに教授になれるの?というのが理系からみた驚きなんでしょ。日本古典文学研究も、英語文学分野の国際学会に出せるよね。

からなんでその「トップカンファレンス」の言語英語である必然性があるんだと小一時間.確か日本文学については日本語公用語の国際会議みたいなやつはあったはずですし,ロシア文学の国際会議ロシア語でやるはず.英語以外の言語を発表言語指定されたカンファレンスは出たことあるけどまああれはトップカンファレンスではないか.ともかく,その「トップカンファレンス公用語英語」という思い込みをまず捨てやがれください.そんなん理系や一部文系分野のローカルルールでしょ.

id:tarume バベルの塔を折りたい人。なにが"なんとも愉快な未来予想図"だか、英語コンプレックス隠せよ / 知を共有するために論文書いてんだから、まずは一人でも多くの人間が読める言語で書くのは当然でしょ。自国語訳はその後

文系バベルの塔を折りたがってるんじゃなくて,そもそも文系には共通言語がはじめからなかったという話です.なかったもの探究しろと言われても……

anond:20181009051334

残念ながら出版することは誰でもできるんだ、金さえあれば。

論文の内容の正しさはどうやって保証されてるの?

出版すること自体が業績になるなら、金持ち妄言論文だって言って出版したらそれも業績になっちゃうんだけどいいの?

それがだめなら出版たから業績ってカウントの仕方がそもそも問題だってことになるよね?

たとえば適当査読誌をでっち上げ査読してますと謳って実質無査読論文を垂れ流すことは同じく金があれば誰でもできますが、そうやって出来上がったもの研究者コミュニティにおいて信用を得られるか、というとまた別の問題

著者がこれまでアカデミックキャリアを積んでこなかった人だったりしたら、「あっ……(察し)」となって黙殺ルート一直線でしょうね。アカデミックキャリアを持つ人が書いたダメな本だったら、どこかの書評フルボッコにされた後になかったこ認定かな。学術誌って書評欄ありますよね? あそこ見るといいですよ。雑誌によるけど、権威のある雑誌だったらあれが足りないこれが欠けてる○○語も読めねえのかとか言いたい放題してます。もちろん後発の論文や本の中で批判されまくることもあるでしょうね。当たり前ですけど先行研究批判ちゃんとやるわけで。

出版だって、長年良質な学術書を出版してきた、ある分野での定評のある出版社、みたいなやつがあるわけですよ(cf. anond:20180828185404)。日本語圏でも英語圏でもそうです。そういうとこは慣れた編集さんがきちんとチェックするし、まあたまに事故ることはあります基本的に変なもの学術であるかのように装って出したりはしないわけで。あと最近科研費出版助成とかもあるんで、あんまりにもダメ研究助成されないし、単著出版に際して査読を科す出版社さんも出てきてますね。

まー、こういう評価の仕方は数量化しにくいですねえ。権威主義とか職人芸とか言われても仕方ないかもしれない。

ただ、こんな当たり前のことを説明しなければいけないのかと若干徒労感があるのですが、文系にも研究の出来不出来による評価軸というものはあり、また信頼性を重み付けしようというインセンティブ存在するわけですよ。

査読論文なら盲目的に信奉する理系の人なんていないでしょ? それと同じですよ。単著からって無条件でありがたがったりはしない。だいたい単著ほどのボリュームのものを書く以上はどこかに土台となるような論文(群)が存在し、それは何らかの形で人目にさらされていることが多いわけで(もちろんなんの予兆もなしに単著出しちゃう化物がいないわけじゃないですけど。あとはドイツとか特殊事情がある国もあるので、まあ……)、信頼に値する業績を挙げてきた著者なら「おっ! ついにアイツが単著を出すのか!」「あの研究ようやく本になったのか!」みたいに迎えられるでしょうし、怪しい著者はその段階でお察しな扱いを受けるんじゃないですか。実際に出来上がったものの出来は、それまでの研究の出来からある程度予想つくのはわかっていただけますよね。

もしもこれが日本だけの慣行なら、あるいは社会学だけの話なら、ガラパゴス非難されても仕方ないかもしれない。けれど実際には、アカデミック単著を業績にカウントするのは英語圏ロシア語圏も同じです。フランス語だろうがドイツ語だろうが韓国語だろうが、単著学術的論集の1章は立派な研究業績。私の本棚には英仏独語で出た外国人の著書が並んでますが、どれもそれぞれの国で研究業績として立派に通用しています。私は社会学だけじゃなく歴史学文化人類学政治学学術書も読んだことがありますが、どれもちゃん研究業績として扱われていますし、内容もまっとうな研究でしたよ(ハズレがないとは言いませんが)。

文系出版したがりになんの問題もないかというとそれは違って、文系の中でも色々議論はあります。そしてその議論は非「文系」にも開かれているべきでしょう。ただ、そもそも論として、このへんの文系事情をろくに知らない人が自分野のローカルルールを振りかざして口を出してるのはほんとムカつきますね。文系研究書を1冊でも読んだことがあるのかと。外国語文系論文を手に取ったことがあるのかと。文系論文を読みもせず、英語やその他の言語での学術書を触ったこともない人たちに、文系慣行ジャッジする資格なんてあるはずがない。

追記

id:yuimoke ふむ。文系論文質的担保について。

論文じゃなくて著書の話です。ちゃんと読んで……

id:n314 えっと、内容の正しさの保証は、つまりどういうこと?著書、どこかの書評定評のある出版社、編集さん、出版助成査読、土台の論文群、過去の業績、これらから総合的に判断するということかな?

自分で読んで判断しましょうよ……理系だって査読を通ったんだから正しいに違いない! なんて思わず批判検討するっしょ? それともそういうプロセスをサボって無批判論文の内容を受け売りしてたひとたちが文系慣行ケチつけてるってことなんですか?

id:uturi 文系学問では査読するのは出版社ってこと? そういう文化なのか。

文系基準でも出版社の編集によるチェックは査読とは呼ばないです(査読をする出版社もあります。たとえば→https://twitter.com/saisenreiha/status/1049653174045270021)。一度もそのプロセス査読とは呼んでいないでしょ? 頼むからきちんと読んでください……

id:napsucks でも批判的な観点でチェックされてるかは疑問かな。堂々と立派なところから本出してた旧石器捏造みたいな例だってあるし。

そんなこと言ったら理系査読だって小保方晴子黄禹錫ヘンドリック・シェーンを見抜けなかったんだから、たいした意味ないんじゃないの? って話になりませんか。この3人、NatureScienceに堂々と載ってたんですが。

id:junmk2 金だけで動く会社から出版専門家からフルボッコにされても、そんな情報一般人アクセスしないので、論文があります単著があります権威は十分通用する。「まともな」専門家形式的には変わらない。

たとえばJournal of Nutritional and Environmental Medicineみたいに?(cf. http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20150220#p1

id:himakao この出版不況の中、論文の中身まで編集がしっかりチェックする余裕があるようにはとても思えないんだけど、文系研究者論文本って界隈で質が高いと評価されるとそんなに売れるもんなのか?

売れるわけないでしょ(涙)……とだけ言うのはアレなので補足すると、もちろんこれは本の内容によります現代思想とか戦国時代とか、一般読書家にもファンが多いテーマならひょっとしたらワンチャンあるかもしれませんが、マニアック文化人類学研究とかだったらまあまず売れないです。だから出版助成もらうわけですけど。著者にも金銭負担が生じることは結構あると思いますよ。

id:Dragoonriders なるほど。徒労感はあろうかと思われるけど、畑が違えば、みんなよく知らないんですよ。

徒労感があるのは、文系評価基準を知らない人が多いことに対してじゃなくて、文系の中にも研究の出来不出来があり論文や著書の信頼性を重み付けするメカニズムはある……という至極当然のことに思い至らない人が多いことに対してです。査読が重視されないならあらゆる研究フラットということになりその中で優良な研究を見分ける作業時間を取られるのだから効率だ! みたいな論を立ててる人とかね。人間社会なんだから何らかの形で評価システムが生まれてくる、ってことくらい、別に具体的な事情を知らなくてもちょっと想像力があればわかりそうなもんだけどなぁ。

id:hisawooo その「お前らはよく調べて論文読んでからじゃないとジャッジしちゃいけないけど俺たちは見た目だけで判断して良い」という奢りはどっからくるの?

ちょっとこのブコメで堪忍袋の緒が切れた。

あのなー! 俺はキズナアイ服装なんて公共の場に出して全然オッケーな露出度だと思ってるわ! 特設サイトだけじゃなくてNHKの夜のニュースに出てても批判せんわ! ラノベの表紙におっぱいを強調したチャンネーがいて何が悪いって思ってるわ! 社会学全体や文系全般を叩くやつがいたか反論してるだけ!

もうほんとふざけんな。どっち側もクソすぎて付き合ってられねえわ。

anond:20181009013051

社会学者査読も受けず、適当な作文が業績になり、同じく査読を受けてない作文を業績にしてきた、いい加減な人間の集まりである教授会で、承認されたら教授になれるとか言う、クソ教員の量産をしている態勢が問題だと言われている。

もうほんとこのレベルの難癖に応答するの疲れるんだけど、『社会学評論』にも『ソシオロゴス』にも査読あるわ。有名どころの社会学学術雑誌にはたいてい査読あるわ。

私は社会学者じゃないけど、私の分野(人文系)でも有名で評判のいい学術誌にはたいてい査読があるわ。フェミニズムなら『女性学』、文化人類学なら『文化人類学』、他にも詳しくは書かんが色々な分野で出てる学術誌に査読があるわ(つーか院生向け紀要にも査読があるわ)。私の周囲で採用された教授准教授はたいてい査読論文持ってるわ。私も含めて若手の多くは査読で落ちてるわ。

主だった雑誌のことも知らないくせに、目立った1人あるいは数人の社会学者言動と業績を取り上げて社会学文系全体を無価値断罪するの、リテラシー()とやらを持ち合わせている人間のやることとは思えんね。文系disるときだけ調査もしないエビデンスも重視しない理系()様って多いよな。ずいぶん気楽な商売だ。私はこれを書く前に主だった雑誌投稿規定を一応チェックして、周りの評判を聞くに査読をしているはずなんだが投稿規定査読をすると明記してない雑誌は抜いたりしたんだが、理系()様はどうせどういう雑誌があるかも知らなかったんだろうな。ろくずっぽその分野を知りもせず思い込みdisる自称理系()の皆様、どうすればそんな馬鹿になれるのか教えてもらっていいですか? 理工学部かに進めばそういう馬鹿になれますか?

学術論文における査読制度問題点

評価って難しいんだよ。ノーベル賞を貰った人を慌てて日本で○○賞挙げたりするんだな。

anond:20181009004230

査読システムも万能ではない以上、それに代わるもしくは補完するシステムがあるのであれば、

それについてまじめに知りたいし、取り入れるべきだと思う。

逆に聞きたいんだが、理系査読論文でさえあれば、なるほど一安心、信用できるね! って思考停止するの?

しないでしょ? 論文の内容を精査し、瑕疵があれば自分論文の中で「誰々という学者が書いた何々という先行研究のここはおかしい」って批判するっしょ?

査読論文をたくさん書いてる研究者なら、ろくずっぽ論文を読まずに准教授採用したりするの?

しないでしょ? 候補者を絞り込んで、どれどれこいつの論文を読んでみるか、なんだサラミばっかじゃねえか、こんなやつ不採用だ、ってなるっしょ?

文系も同じだよ。発表された論文を読んで、新規性とかをチェックして、良い論文なら褒めるし質の低い論文ならそれなりに扱う、それだけのことだよ。別に普通の営みじゃん?

そのプロセスの一部に査読を噛ませるのはわかるよ。査読論文の方が信頼性が高いのは文系も一緒だよ。ろくな学術業績もないくせに一般向けの本でテキトーなこと放言してる学者は白い目で見られてるよ(「ハーフ劣化発言自称若手社会学者学問的に高く評価してるやつなんて私ゃ見たことないよ)。

一般向けの本の売り上げだけで採用してる大学も、ひょっとしたらあるのかもしれない。そいつらがなんちゃら大学教授肩書あっちこっち発言してたとしたら、その大学は腐ってるなと思うけど、そいつらは学問世界じゃハナから相手にされない。仮にそういうやつがいたとしたら、それは大学広告塔として三流学者アカポスをくれてやってるだけだ。学問じゃなくて大学が腐ってるんだよ。

査読重要性は否定していないし、学問にとって独創性とかそういったことが必要なことも当然でありそこについて議論する気はまったくない。査読なしでも良い論文は有り得るしそれは業績として認められるべきだ、というだけの話に何でこんなに説明必要なのかマジで理解できない……

anond:20181009002959

査読は質を担保する仕組みの1つとして有用だが、なかったからといって即座にダメというわけではない、という話。

だって当たり前だけど査読で落とされたことはあるし、査読重要な指摘を何度もされてきたから、査読重要性くらいは理解してますよ。

ただ、査読はついてないけど面白い研究重要研究というのはあるし、それを査読がついてないという点だけで批判されると困惑する。

だいたい査読がついてたってサラミ論文とかあるわけじゃん。査読つきサラミ論文と、査読はないけど面白独創性の高い論文、どちらが高く評価されるべきかといえば私は後者だと思うんだけど、どう? もちろん査読つきで良質な論文が一番いいけど、査読つきゴミ論文と無査読で良質な論文だったら、後者の方がよくない?

論文学術手続きに従って検討され精査されるべきだ。それは学問として当然。そのための仕組みのひとつとして査読というのは有用だ。そこにも異論はない。

でも、査読がついてないかゴミ、無価値、というのはおかしい。そういう話です。

(ていうか日頃は文系のこと権威主義とか何とかいうくせに自分らのほうがよっぽど権威主義、というか形式主義だよな。論文読んで出来不出来を判断する頭もないのかね)

あと、投稿オープン学術誌って(一昔前は知らんけど、今は)たいてい査読つきだと思うよ文系でも。査読がないやつって、出版社が発売するのでそもそも一般投稿を受け付けてないやつとか(当然定評のある研究者のところにオファーが来るし編集がチェックする。私には来たことないけど)、会議シンポジウムの論集とか(ふつう信頼できる研究者を集めて論集を作るよな)、紀要とか(当然紀要紀要として扱われますよね。しか最近紀要査読つきのが増えたなー)、じゃない? もちろんそれらの事前チェックが査読代替になると言うつもりはないけど、査読なしの媒体ってある程度限られてると思うんだよなー。

anond:20181009000122

違う分野には違う分野のお作法文化相場ってものがあるので、安易disらないでくれませんかねぇ。

学問学問たらしめている、その作法文化ってのを教えて欲しい。

増田ではあちこち議論拡散して、英語じゃないと価値がない云々とかあるけど、そんなのは瑣末なことで、大本togetterにある、

ポイント本来学問」の生命である「専門知識を持った第3者らによる検証システムちゃんと構築されているか」であり、その辺が査読論文システムとは別のシステムちゃん担保されてますって話ならそれはそれで分野の固有文化で良いとは思うんだけど、

その反論が「論文誌にたくさんコラム載ってるし!」じゃ全く反論になっとらんやろ。その依頼論文を頼まれるようになる為の学術業績はどう上げてんだよっつう。それが単著売り上げとか講演会人気とかだったら冗談みたいな話になんぞ。

https://togetter.com/li/1274544

これに対する答えを教えて欲しい。

査読システムも万能ではない以上、それに代わるもしくは補完するシステムがあるのであれば、

それについてまじめに知りたいし、取り入れるべきだと思う。

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