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はてなキーワード: 人材とは

2024-08-20

ITエンジニア生存戦略

ITつまんなくなってきた。に近いけど40代エンジニアって日々の不安どうしてる?

上手くやってPM以上の管理職になって技術よりマネジメントとかアーキテクチャメインになった人は不安はないんだろうけど、自分も含めたなれなかった人ってどうしてるのか気になる

自分はとにかく強みを作ろうとトレンド追いつつ基礎も固めてるけど日に日にトレンドは移り変わった挙げ句に今じゃJSTypeScriptがあれば残りは部品集めりゃどうにかなったり、ノーコードツールで複雑な処理や分析も出来るようになって例えが酷いがITパスポートレベルで済む感じになった

もちろんバリバリ開発してるとこもあるが今度は求められるレベルが高くなっていてそれ以外は一昔前のSES並みの低賃金自己責任世界

フロントもバックもって人材より分かりにくいPowerAutomateとカスみたいなSharePoint評価される時代とか来るんだな。もっとJavaScriptやっときゃ良かった。PythonとかPHPとかLinuxだのフレームワーク分かっても意味無いし求められる数少ない牌は天才で埋まっててもう終わりですわ

みんなは楽観視してるの?それとも努力を苦とも思わない天才最先端いっちゃってる?辛い

第二外国語いらないって議論あるけど

大規模産業であるフランスの)フランス語やドイツ語重要性が落ちただけで、機械翻訳とかのテクノロジー発展のスピードが遅いだろうその他言語価値は変わらんと思うのよな。

日本輸出産業育成の観点でも、市場となりうる国の現地語を使える人材が多いのは好ましい。

中南米スペイン語ブラジルポルトガル語アフリカスペイン語アラビア語ヒンドゥー語、インドネシア語タイ語ベトナム語韓国語、いっぱい役に立つ言語はあると思う。

中国語も、大陸発のテクノロジーには政治的制約がかかるから、その意味でもやる価値があるだろう。台湾国語とかい一種マイナー言語も。

いまの時代を特徴づける現象は、準普遍言語地位低下と、それに伴う地域言語方言重要性の向上である

2024-08-19

anond:20240819191715

IT業界から、業績が悪化したときに質より量の人材採用になるってのが全くわからん

IT系ではまっさきに人を減らすから

2024-08-18

お客様は神様です」「経営者目線になれないアルバイターゴミ」という同調圧力価値観を長年社会から押し付けられ

スマイル0円という商品展開でまさに接客スキルの買い叩きを先頭に立って実行なさってきたMドで働くクルーたちからすれば

Mドが広告宣伝するキラキラ高齢人材合致するエピソードの流布は、かつてのフリーター賛美時代を思い起こさせるもので、拒否反応が出やすいのだろう

なんか「ITがつまらなくなった」叩かれすぎてムカついたので書いてみる

個人的には、ゲームエンジンを書く仕事がなくなった

これはデカいと思うんだよな

ゲームエンジンって職人芸的なところがあった

Unityとか、Unrealとか、物理エンジンBox2DとかBulletとか、当然昔はなかったので、みんな自前で書いてたはず

例えば、スーパーマリオ物理挙動とか衝突判定は当たり前だけど自前で書いてたはず

でも、今はブロック崩しさえUnityとかUnrealに含まれてる物理エンジンで剛体力学使って書けちゃう

なんかそういうの無駄計算力だよなと思うけど、まあ書けちゃう、動いちゃう

しかチュートリアルかなんかにもあったはず

昔はゲーム作るときって、リードプログラマーが1人いて、他も数人で、少人数で職人芸的に作ってたわけだよ

全て自前でやらなければいけないから、簡易的なものを作るにしても、一応大学でやった物理を再度勉強したりするわけだ

剛体力学とか、流体力学とか、材料力学とか、そのための数学とか勉強し直したりした

あと、ゲーム業界バブル?だった頃は、海外なんかでは物理とか数学博士号取ったような奴までゲーム産業に入って来た

彼らはゲーム業界に進まなければ、銀行とか保険会社証券会社とかもある、もっと高給な仕事がいっぱいあるはずなのに、薄給ゲーム産業に飛び込んできた

彼らが高度な知識で色々な試みをしてくれたおかげで、今のゲーム産業があると言っても過言ではないと思う

だって日本ゲームってどれも枯れた技術の水平思考ばっかりなんだもん

よく言えば、アイディア勝負

悪く言えば、保守的、必ず作り上げるという意思から石橋を叩きすぎたようなものを作る

今の日本産業全般まったく同じだよね

例えば、初代のバイオハザードだったかカメラ固定だったじゃん

今どきアローン・イン・ザダークかよwって思ったよなw

あの頃、自分PCDOSとかで普通にFPSやってたから、あくま技術的にだけど、アホじゃないかと思ったんだよな

でも、周囲のプログラムとかIT業界関係のない知人とかは喜んで遊んでる

個人的には、凄い冷ややかに眺めてた

なに周回遅れやってんだ、日本ゲームは、って正直思ってた

日本バイオが固定視点なのに対して、海外勢はFPSとか三人称視点ちゃんと作ってたよな

日本FPSっぽいの初代PSちゃんとやってたの、攻殻機動隊だと思うんだよね

今に至るまで、最も原作意味をくみ取ってたアニメだったし、石野卓球なりの曲も良かった

時は流れて、今の日本ゲームもみんなUnityとかUnrealになった

Godot選択する人もいるかもしれないけど、あれ、良さそうだと思ったけど、情報なすぎるよね

ソースは公開されてるんだからソースを読め的な感じもしたし、今どき?

独自スクリプト勉強するのもなんだな、と思って、ちょっと使う以上に使う気になれなかったんだよな

調べてもらわなくても、まあ、分かるだろうけど、UnityとかUnreal開発者日本人とかもいる、はかなり著名なゲームを開発した人も含まれてるよね

彼らは、当たり前だけどUnityとかUnrealがない時代は、当然自分たちで全てを書いてきた人たちだ

リードプログラマーが一人といったけど、かなりの分量をリードが書くはず

ほとんど一人開発と言ってもいい

あと、そういうリードプログラマー職人みたいなものなので、自分で書いた数学ライブラリとか、物理エンジンとか、持ち歩いて会社転々としてる人もいたはず

厳密には権利問題もあるかもしれないけど、そういう優れた人材は引っ張りだこなので、会社転々として、

その場その場で、自分で1行目から書いた、自分しか持ってない自前のvecmathライブラリとか、物理とか、ノウハウ財産として持って移動しまくってた

で、そうやって業界サバイバルしてきた人たちのトップランナーが、今はUnityとかUnrealで開発とか営業とかやってる

多分だけど、もうコアな部分を書くことなんてなくなっているだろう

UnityUnreal以前は、行く場所行く場所で、ゲームエンジンレベルからゼロから書いていた

でも、UnityUnrealはそれを当たり前だけど共通化するわけで、そしたら一度書けば、それはずっと使われるコードになる、当たり前のこと言ってるけど

で、困っちゃうのは、そんなトップランナーになれなかったゲーム開発者

ゲームエンジンを開発するための、数学物理コードに関する能力特にCやC++が多いだろうけど、そういう能力はある

自分は凡人以下だろうけど、かなり凄い人もいるんだろうけど、そういう人も含めて、ゲームエンジンレベルから作る職人芸は無意味、無価値になった

もちろん、まったく無駄にはならない

結局、UnityUnrealを使うときに、単に使うだけでも中の挙動勉強しなければいけない

から、より深く知ることができる能力はあるんだと思う

でもね…

もう、ゲーム開発がコードガリガリ書く仕事というより、コンテンツを作る作業にほぼなっちゃってないか

3DCGモデリングシェーダー、ゲーム本体も含めて、箱と箱を線で繋ぐような作業ゲームができるようになってる、とっくになってる

そうすると、もうC、C++ガリガリゼロから書いていた人とか、

それこそ、PS2の開発はよく知らんが、悪評が高い、あれはOSレベルから書かされたりしていたように聞いてるし、

そういう人たちもゲーム開発の現場でそういった知識が活かされることはもうない

逆に、北欧生活保護もらったりしてただろうNotchのマインクラフトとかの方が成功しちゃったりしてるよね

あれはゲームエンジン?と言っていいのか分からんけど、あの独特のボクセル世界ゼロからJavaで書いたもの

彼は時間制限ゲームを開発するイベントに数多く参加していて、いつもJavaでサクッとゲームを作っていた

でも、彼は日本だったら成功しなかったように思う

だってプロゲームプログラマーっぽくはない、Javaしか書いてないとか、それこそJavaの方が生産性が高いみたいに言ったら、日本ゲーム業界だったら鼻で笑われてただろう

彼はマインクラフトの前に、ゲーム会社所属していたし、そこで開発していたのは、世界をすべて緻密に構築するようなゲームだったらしいけど、

自分の予想だけど、そんなの全地球シミュレーターの簡易版みたいなもので、無謀な試みというか、かなり複雑な仕組みになっていたはずだ、自分が聞いてたら、実現できるかさえ怪しい、と思っただろう

彼は途中で会社を辞めて、マインクラフトを作り始めている

彼は世界を緻密なボクセルポリゴンではなくて、大きなボクセルで実現することにした、まずそこが出発点であることは間違いないだろう

そこからセルオートマトンで川とか水を実現できるんじゃないかみたいに発想が膨らむよね、プログラマーなら

話をまとめると、ITがつまらなくなった話はゲーム開発にも置き換えることができる気がしている

昔のゲーム開発に少しでも携わっていた自分のような人たちは、今の時代では老害だということは重々承知しているし、

多分、今、ゲーム開発に興味がある子供とかがゲームに望んでいること、ゲーム開発でやりたいと思っていること、と自分たちの世代ゲーム開発者がやりたいと思ってたこと、やってきたことは、もう全然乖離してるんだと思う

考えてることが乖離してるんだから、話が通じないのはおかしくない

違う世界を生きてる人、偏差値がいくつ違えば会話が成立しないなんて話もあるように、今の子供たちと会話が成立しないのはおかしくない

そして、当たり前だが、現状を正しく認識しているのは、今の子供の方の可能性が高い

ゲーム開発は職人芸だった

基本的にはCやC++で膨大なコード短期間に書くことが要求される仕事だった

それが今の子供たち、というか、今の時代環境に慣れた人たちにできる仕事とは到底思えない

そういうトッププレイヤーは、今はAIなり何か、最先端のものをそういった企業のコアの部署で、コアなものを開発しているはずだ

でも、そうなれなかった人たちはどうなる?

そういう仕事はなくなってしまったんだぞ?

高度な彫り物とかするような職人が、NC工作機器とかで彫り物をするようになったら、職人必要なくならないか

伝統工芸だの、人間国宝だの、そうやって手で作ったものの方が温かみがあるみたいなオカルトに守られて生きられる人間がどれだけいるだろうか?

その、人間国宝レベルの人たちがUnityUnrealのような企業に吸収されていく

あとは過去に開発したゲームネームバリューを活かして講師職になるとか、そういう感じだろう

そうなれた人間がどれだけいるだろうか?

優れたリードプログラマーに触発され、職人になるべく数学物理プログラミングの知識習得を重ね、朝から晩までひたすらコードを書いていたのに、

一発の銃弾で、そういった職人はすべて無意味になった

今の生成AIは大したことないと自分も思うが、驚き屋wwwとか馬鹿にしてる奴らは、いつかうっかりAIに職を失われないか、よく普段から考えた方がいい

あと、AIに職を奪われたくないから、プログラミング頑張る、みたいな奴は、俺的には間違った頑張り方だと思うw

そのプログラミング自体がなくなるかもしれない、って言ってるんだって

技術習得とか、自分技術マウンティングし合ったりする暇があるなら、別業種のことでも勉強した方がいい

そういえば、優れたアニメーターだった人が、作画として年齢的に限界にあるし、親族にもアニメーター辞めるように言われてたらしいけど、

ある日バイク事故にあって、アニメーターを続けられなくなって、その人は年齢的にギリギリで清掃車運転する仕事についてたはず

立派な公務員になれて、空いた時間で絵を描いては、市役所などで販売してたはずだ

何が人生として幸運かなんて分からないけど、必ずしもアニメーターが庵野とか宮崎駿を目指すのが幸せなのだろうか?

どこかで自分仕事を辞めて、それを趣味にして、安定した仕事に就いた方が、心の平安が得られるのではないだろうか?

名誉を優先して、心労で死ぬみたいな人生が良い人生なのか?

というか、富野アニメなんか、やたら名誉を優先して失敗する人が出てくるよね

長い人生生きてきた老害には、ああいうのなんかよくわかるんだよね…😟

追記:驚き屋とバカにしがちな人も注意した方がいい

みんなが驚き屋って読んでる人たちは、基本的Pythonとかも書けないし、計算機科学とか数値計算知識とか曖昧というか、まったくないような輩がいるし、

元の文章であるITがつまらなくなった」だったか文章にもあったように、ビジネスアイディアだけある胡散臭い素人乱入してきた感があるわけだけど、

でも、老害って若い世代とか新しいものを疑ったり反発しがちなんだよな、自分も含めて

から、たしかに驚き屋の連中のかなりは胡散臭い詐欺師みたいな、出まかせで大金持ちになったスティーブジョブズの極小コピーみたいな連中ばかりではあるけど、

でも、生成AIとか、これから汎用AIとかもどうなるのか分からんけど、どんどん素人に有利になってくと思うんだよな

だってUnityとかUnrealで作ってる世代ガリガリC++書くのなんて馬鹿げてると思ってるだろうし、

プログラミン技術もっと怪しいのはWebアプリ界隈も同じだと思うんだよな

RailsPHPで書いてる連中と、C++で書いてる連中の世界は、見えてる世界がかなり違うんだよ

そもそも、そういう輩はLinuxとかWindows上で書いてるわけで、いわゆる家庭用ゲーム機とかでコードいたことないだろ?

でも、Xbox発売時にビルゲイツが言ったように、(なんかSEGAだかソニーだか知らんけど)所詮ゲーム機なんて機能制限されたパソコンだよね、

nVIDIAとかGPUカードどんどん作るんだし、パソコンの方が最先端グラフィックス体験できるよね、

みたいに言いつつ、Xbox発売したわけだけど、自分もそう思ったけど、あの預言は的中したよね

もう、Steamパソコンで十分だろ

情弱信者だけ任天堂Switchとか使ってるんであって、ビルゲイツが言ったように、ゲーム機の中身は機能制限されたパソコンだよ

昔、TRONというプロジェクトがあって、あれを孫正義がクソミソに言ったという話があったと思うんだけど、

日本だけで閉じたプロジェクトを出発させても、アメリカ豊富資金で、カネと資源という暴力で作られるオープン世界絶対負ける、ようなことを言ってて、

当然、そのあとIntelなりWindows日本は負けるし、半導体としては台湾90年代で既に負け始めてたわけで、

家庭用ゲーム機も同じで、家庭用ゲーム機の新しいバージョンが出るまでのスパン機能は固定されるから安定して確実に動作するゲーム販売できるとか、

色々利点はあるんだろうけど、でも、その間に日進月歩で、それこそnVIDIAみたいな企業がどんどん進んでいくわけで、

グラフィクスシンセサイザーwとか名前はカッコいいけどさ、名前に準じてたら、今頃ソニーNVIDIAに勝ってない?違うでしょ?

話を戻すと、どんどん素人が参入してきて、その素人が頓珍漢なことを言ってるのが不愉快だ、許せない、驚き屋氏ね、みたいな気持ちは分かるけど、

素人が参入できるようになった、というのは、世の中の流れが変わったわけで、そういう若い世代をただバカにするというのは、老害しぐさだよね

気持ちは分かるけど、ドラえもんのように生暖かく見守るとともに、老害も新しい技術とか、素人が驚いていることをちゃん咀嚼して、吸収していく必要があるんじゃないの?

だって老害なんだからさ、経験だけは豊富にあるんだからさ?

ちゃん大学大学院で計算機科学、情報科学をやってきったわけだし、あやふや知識でイキってる若者に対して老人が取るべき態度ってそういうもんじゃないの?

例えば、子供が初めて何かを見て驚く、それを大人が見て、そんなのはありふれてる、驚き屋wwwと思うだろうか?

子供素人から初めて体験したわけで、なぜ子供がそれを見て驚いたのか?とか、子供目線ちゃんと考えられる人は、教える人に向いてる人だと思う

他人に教えることがうまい人は、自分経験能力も整理することがうまい

深く理解しているからこそ、他人に教えられるんだよな

から、驚き屋という子供素人が何に驚いたのか?という目線を持つの大事だと思うんだよな

顧客だって素人なんだし、Webとか特に

素人がいちいち驚いてるのを見てバカにする、って姿勢は、老害以前に人として自分は嫌いなんだよな

anond:20240818105331

人手不足って結局優秀な人間が不足してるだけで三流人材はだだ余りなんだろうね

煮詰まる」はいかにして「結論が出る」という意味になったか

それでは夏休み自由研究を発表したいと思います

最初

現在のところ「煮詰まる」という言葉は、「議論交渉がまとまって結論が出る」という用法が正しいとされ、「議論が進まなくなって行き詰まる」という用法誤用であるとされている。「煮詰まる」という言葉がどのように用いられてきたのかに興味を持ったので、その変遷を辿っていこうと思う。ソースはだいたい国会図書館デジタルコレクションである

注意として、ここでは「煮詰まる」と「煮詰める」を区別して、「煮詰まる」の用例のみを追っていくこととする。現在においても「煮詰める」のほうには「行き詰まる」という用法はなさそうだからである

白樺派の例

調べてまず気付くのは武者小路実篤が「煮詰まる」を多用していたこである。そして同じく白樺派有島武郎長与善郎、その影響を受けたという岸田劉生木村荘八なども「煮詰まる」を用いている。まるで実篤から伝染したようである。それらは概ね「無駄な修飾を排して凝縮されている」あるいは「態度が一つに決まっていく」というような用法であり、いずれもポジティブ意味で使っているところが共通している。いくつかの例を挙げる。

大正10年 武者小路実篤自分脚本に就て』

僕は脚本はどうしても人間精神のあらわれである上に、煮つまったものであることを要求します。


大正10年 有島武郎『筆頭語』

心が二元的である間は、即ち或る機縁によって煮つまって一元的にならない間は、どこまでも二元なり多元なりの生活を押し通して行くがいいと思う。


大正11年 木村荘八『泰西名画家伝』

長官デリニのあやが「うまく」かかるもかからぬもなく、競技――即(すなわち)対抗の空気は忽ち煮つまるばかりであった。


大正13年 長与善郎『書斎より』

牛のよだれのようにだらだらした書きぶりがいかんのは問題にもならぬ事であるが、さればと云って何でも只無暗に簡潔に端折って書きさえすればいいと云う事を一つおぼえて、まるで電報文句のような言葉さえつかえば煮つまったいい文章だ、と思っている人の文章は又不自然な、とらわれた感じのするものである


昭和5年 岸田劉生演劇美論』

全体として、一つの美しさを出すけれど、旧劇の如く煮つまった味はなく、その美は甘く、低級である


白樺派以外の例

もちろん白樺派以外の用例も同時期にあった。意味的にはさまざまだが、ネガティブ用法も多かったようだ。

明治40年イヴィッド・パーリー『くらげ』

この説明には余程可笑しな点がある、で、僕は云った。

『じゃ、この国では、宗教煮詰まって了ったのですネ。』

もとは『The Scarlet Empire』というタイトルアメリカ小説である。原文は「It looks as if religion may correctly be said to have gone to seed, in this country.」となっており、「gone to seed」は「盛りを過ぎて衰える」という意味なので、つまりそういった意味で「煮詰まる」が使われていると考えられる。「加熱しすぎて水分が飛んでしまった」ようなイメージだろうか。

大正9年 ドストエフスキー白夜

私が余りに余計なことを喋舌り、私の心の中で長い間煮つまっていたことを必要もないのに述べ立てたことを、而もそれに就いては私は書いたものから読むように話すことが出来たのだ

こちらも翻訳書。英文は「I had unnecessarily described what had long been simmering in my heart」。「心の中でくすぶり続けていた」とか「ずっと感情が渦巻いていた」といったイメージか。

大正10年 岡本一平へぼ胡瓜』

何処かに法華宗があると見え、この熱気の世界の中へ煮詰まった声でお題目をいきみ出してる。

真夏暑い日に遠く法華宗お題目が聞こえてくる…という場面で、この「煮詰まった声」は「重苦しく絞り出している」ような印象を受ける。もの煮詰まったあとのドロドロとしたイメージだろうか。

大正12年 佐々木味津三『呪はしき生存

単にそれを考えるだけでも、彼は天地が煮つまるように感じていたたまらないような震撼を覚えた。

「居た堪らない」というので、世界が煮られて、そこにいられなくなるような感じだろうか。ぎゅっと狭窄するような感覚もあるかもしれない。

昭和2年歌舞伎 第三年第十三号』

森金之丞は正直にこれに答えるが、だんだん議場(公議所)の空気が煮つまって行き怒声、罵声騒然たる裡に第一場は閉じて行く。

議論が悪い方向に盛り上がってヒートアップしているという描写結論が出そうにないという点では現在の「誤用」のほうに近いか

昭和6年 大高巌『近代支那文学史上の先駆者

かるが故に自己生活を安泰ならせんが為には儼然として己れが階級城壁を固守しなくてはならない。科挙制度がそれだ。かかる試験制度採用することは一に権力者に反抗する意志学問の為に煮つまらせ、又一には士大夫階級思想擁護有為なる人材を作ることになる。

こちらは「集中させる」「浪費させる」ようなニュアンスか。

昭和9年 式場隆三郎バーナード・リーチ

高村光太郎は余り外に出ない。併し仕事は煮つまってきていると思う。暫らく作品を見ない。

この式場隆三郎白樺派との交流があったらしいが、「作品を見ない」ということは、ここでの用法は「行き詰まる」に近いのではないか

昭和10年 丸山幹治『黒頭巾を脱ぐ』

勿論コチコ官僚型で煮つまって、倒さにふっても水っ気もないような人ではなく、時代に対する感受性は強く、好んで人の長所認識する感服癖さえある。

こちらは「頭が固い」というような用法

昭和10年 ギュスターヴ・フローベールジョルジュ・サンドへの書簡

では左様なら。もう遅いのです。頭がまるで煮詰まりそうです。

翻訳書。英文は「Adieu, it is late, I have an aching head.」なので、普通に頭痛がすることを言っているのか、それとも「悩んで行き詰まっている」的な意味なのかはわからない。

戦後の例

戦前武者小路実篤を中心に、小説詩歌戯曲などの文学的文脈で使われることが多かった「煮詰まる」だが、戦後になると現在のような「議論交渉煮詰まる=結論が出る」といった用法が登場し、やがて支配的になっていったようだ。

それに関してわかりやすいのは「国会会議検索」で、戦前の「帝国議会会議検索」では「煮詰まる」はほとんどヒットしないが、国会会議録では1950年代あたりから見られるようになる。さらに用例を確認していくと1960年代から爆発的に増えていったようだ。労使交渉文脈が多いように思われるので、そのあたりをきっかけに流行りはじめたのかもしれない。

となると次に気になるのは「議論煮詰まる」=「行き詰まる」という用法がいつごろ確立されたのかということである。どうやって調べればよいか。たとえば「煮詰まってしまった」みたいな形だとネガティブ文脈で使われていそうだ。ということで検索してみよう。

昭和34年週刊現代

しか日本側は表面上は「朝鮮総連相手にせず」とその抗議を重視せず、裏では字句は修正せずとも運用面に幅をもたせるという妥協の動きに期待を寄せていた。それが、日赤相手にせざるをえない北朝鮮赤十字から真向に攻撃を受けたのだから問題は煮詰ってしまった。


昭和44年『先見経済

やはり人間災害にあってみないとなかなかわからないもので、そういったことで安堵感を持っている。しかしジワジワと危機に瀕してきているわけで、そのとき判断をあやまると、残念ながら煮詰まってしまう。


昭和47年ミュージックライフ

ハイスクールからジュニアカレッジヘと進んだアリス達は2年間のカレッジライフ煮詰まってしまい、カリフォルニアに向かったのである


昭和50年キネマ旬報

その後の二本は結局むしかえしのドラマをやるしかなくて、無残な作品になってしまった

あれも、会社方針企画貧困の為せる業で、プロデューサー監督も完全に煮詰まってしまったんですよ


昭和51年レコード芸術

あい自由さが背景にあってのこの音楽じゃなくて、すごい煮詰まっちゃってて、つらいだろうなというところで出て来る音なんですね。


昭和53年スイングジャーナル

でも、いつか自分のやりたいことをやらないと苦しくなるというか煮詰まちゃうわけだよね。


昭和54年ジャズ批評

昔は、自分が何をやっていいかからなかった。やり過ぎると煮詰まってしまうし。


昭和56年週刊読売

「でも、仕事ばっかりしていると煮詰まちゃう」「煮詰まちゃうってのは、息詰まる、退屈する、スランプに陥るって意味なんです。」


昭和60年 毛利子来岡島治夫・末永蒼生『「体」発、宇宙へ』

たとえば原稿書いてて、もう煮詰まっちゃって、しょうがない、寝よう、横になると、ア、と思いついちゃう


昭和60年 チャールズ・シェフィールド放浪惑星

その問題ととっくんでいるうちにわたしの頭は煮詰まってしまい、あとをマッカンドリューにゆだねた。


昭和60年 松浦理英子いちばん長い午後』

実はそれは性的遊戯の一環ではなく、二人の交際煮詰まってしまったあげくのもがき合いであった。


結論が出る」用法と比べれば圧倒的に少ない。とはいえ1970年代くらいからは、日常語として「行き詰まる」的な用法もわりと広まっていそうな感じはする。というか「結論が出る」用法議論交渉文脈しか使えず、それ以外のときは「行き詰まる」用法になることが多かった、という感じではないか

ちなみに、この「行き詰まる」用法誤用として問題視されるようになったのは2000年ごろらしい。実際、Google Booksで「煮詰ま誤用」などと検索すると2000年以降の書籍しか引っかからない。

まとめ

といったところか。

煮詰まる」のコアイメージは「熱されることで水分がなくなっていき固形分だけが残る」というようなものであろう。

それをポジティブに捉えると「余分なものが削ぎ落とされて本質がはっきりする」といった意味合いになり、ネガティブに捉えると「瑞々しいものが失われて停滞する」といった意味合いになる。たとえば「議論」にポジティブイメージ適用すると「論点が整理されて結論がはっきりする」になり、「思考」にネガティブイメージ適用すると「新しいアイディアが生まれなくなり行き詰まる」になるわけだ。

もともとの料理としては「美味しくするために煮詰める」ことも「熱しすぎて煮詰まってしまう」こともあるわけで、どちらのイメージで使うのも自然感覚である。当初から煮詰まる」は多義的比喩表現だったのだから、「これが唯一正しい用法なのだ」などとはあまり気にしなくていいのではないだろうか。

発表は以上となります。ご清聴ありがとうございました。

2024-08-17

anond:20240817233250

依頼されて宣伝したし無償人材派遣して貰ったけどお金は一切貰って無いからセーフ理論はさすがにダサ過ぎた

あれが通用するならステマやりたい放題やな

2024-08-15

公務員労働組合で知りたいことがある

民間企業労働組合に入っている。今年、組合内での役職がついたところだ。

先日、とある増田を読むことがあった。

そこでは、著者は地方自治体が作る職員労働組合なるものに加入していた。

その日記で気になった描写があって、公務員普通に労働組合組織できたり、団体交渉をしている様子があった。

私の理解だと、公務員労働基本権制限されているはずだ~と思って調べてみると、意外と緩いことがわかった。

ただ、多くの地方自治体組合活動ネットなどで調べる限り、グレー寄りの黒と思われるものがあった。

職員労働組合賃上げ人材採用方針について当局側と協定を結んでいる

有給休暇を使っての組合活動や、小規模ストライキを実行している

組合専従職員について、毎年1名まで組合が好きな職員指名できる制度がある

実際、詳しい人に教えてほしいのだが。

私の理解だと、事務職公務員労働基本権制限って、あってないようなものではないか?? と感じた。

法律上文言が建て前になってしまってる、というか。

ただし、私はあちら側の組合活動に関わる機会がないので確信がもてない。

そこらへんご存じのはてなユーザーがおられれば、是非ともコメントで教えていただきたいのですが。

2024-08-14

仕事成功した所で事故って病人になったら全部失うんだな

会社ではそこそこのベテランとして頼られてて、現場営業をつなぐ代えがたい人材みたいな扱いを受けていたはずだった。

でもある日、治らない病気持ちになった。

俺は普通に時間労働できる体ではなくなった。

普通に通勤してたらガチれるのは1日4時間ぐらいで、あとの時間は体のケアに費やされていると言っていい。

テレワークさせて貰えるようにはなったけど、会社業態テレワークと噛み合ってないせいで昔みたいには出来ない。

一番痛いのはなんとなく皆の話が耳に入っていたのが全く聞こえなくなったこと。

噂好きのサボり魔が社内チャットで色々うわさ話をしてくるけど、あくまでそういうタイプ人間面白おかしく話してるレベルしかないので信用すると痛い目を見る。

やはり自分の耳と目で現場空気を感じたい。

でも今はもう無理だ。

残業どころか普通に定時で働くのも無理になった。

当然のように待遇は大きく変わった。

俺用の特別給与体系を作るわけにもいかず、俺は独立させられてフリーランスとして雇われている。

ただでさえ色々と振りになっているのに、給料も大幅に下げられた。

でも文句は言えない。

闘病にかかる費用を考えると貯金ギリギリ減らないラインを維持するので精一杯だ。

何が一番辛いって、俺抜きでも職場は回っているということだ。

俺が抜けたことで仕事のやり方は結構変わったらしく、「今まで通り仕事を続けていくにあたって代えがたい人材」だったのは間違いないらしい。

だけどそれは職場のやり方を変えるという一手間を惜しむことが出来るぐらいの意味しかなかったわけだ。

虚しい。

人生成功していると思っていた。

給料はそこらのリーマンなんかよりずっと貰っていて、公務員になった知り合いと飲みに行ったりした時は「アホだなー俺なんてこんな貰ってるぜwww」とマウントも取れていた。

でも今は逆にマウントを取られる側。

それも男女ひっくるめた日本人中央年収っていうパートタイム派遣がウジャウジャ入ってくるような物からマウントを取られている。

病気の体でも食っていくのに困らない最低限度の収入しかない。

それだっていつ打ち切られるか分からない。

これから就職活動をするなら病気人間としてなんだろうけど、障害者雇用をさせて貰えるってわけじゃない。

つうか、もし出来たとしても障害者レベル給料しか貰えないなんてこっちから願い下げだ。

願い下げたい・・・だがそれが叶うのかもわからない。

ちょっと同じ会社で長く務めてただけで大して能力があるわけでもない人間なんだってことが今ならよく分かる。

会社が上手く行ってただけで俺が凄かったわけじゃないんだ。

虚しいわ。

社会的成功するのってこんなにも簡単に崩れるようなものなんだな。

貯金はある。

でも今後増えることはないだろうな。

投資で上手く増やそうなんて夢みたいな話を考える余裕なんてない。

何が一番辛いって、俺の職業人としての能力が、全然替えがきくってことが証明されたことだ。

とにかくこれが辛い。

俺は、何も掴んじゃいなかったんだなあ。

anond:20240814170408

技術代替されないような仕事ができる人材になりなさい

こんなのは当たり前のことなんだけどな

クリエイティブ行為技術代替されると思ってなくて高をくくってた見通しの甘さを棚に上げてギャーすか言ってるところを見ると子供だなあと

写真がなかったころに写実的なある種文書エビデンスとしての絵を描いてた画家写真誕生によって廃業たかもしれないが

今でも画家は生き残ってるわけで

2024-08-13

皆やたらと意識高いよなあ

週休1日以上あって、毎晩ソシャゲでスタ消化できれば人生なんて十分だろ。

なんか多くを求めすぎなんだよなあ。

仕事感謝されないのは当たり前。

上司の座組がゴミなのを押し付けられるのも当たり前。

後輩がパワハラちらつかせて話聞かねえのは当たり前。

お局様がチクチクうざいのは当たり前。

ワキガオッサンが処理もしてないのは当たり前。

今どきは結婚できないのも当たり前。

NISAどうこう言ってもそもそも入れる金がないのは当たり前。

健康診断いまいち芳しくないのも当たり前。

人生なんてそんなもんだろ。

なーんか世の中の皆やたらと意識高いよねえ。

自分がご立派な人間だって自信はどこから来るのか。

俺達なんてガチャでいったら排出率90%のハズレ枠だろうに。

数合わせとして使って貰えるのだって上位互換がいない間だけの最下層人材だっての。

特別なことは何も出来ねえ、普通のことが上手く出来るわけでもねえ。

苦手はあるし、得意はねえ。

そんなもんだろ俺達なんてよお。

自慢できる趣味もなく映画見てspotify聞いてゲームやってシコって寝るだけ。

自慢できるような不幸も成功もない人に話す価値もねえ人生

それが普通だろうがよ。

今どきの理系公務員ってもはやスネに傷持ってる奴の最終処分場だよな

俺は適応障害大学中退してる。

先輩はブラック企業メンタル壊した。

後輩は生活習慣病就活続けられなくなって浪人してた。

ゴミ人材アベンジャーズみたいになってて安心感あるわ。

不思議なのは氷河期世代に滑り込んだエリート世代でさえ何故かポンコツゲロカスみてえな人間ってことだなあ。

仕事中に寝てるとか、パワハラ民事裁判とか。

まああの世代でも優秀な人間から消えていったつうしなあ。

こないだもどっかで科長やってる人がそこそこ資産溜め込んだからマンション経営しつつ民間で再スタートかけるみたいな話聞いたな。

公務員なんて定年まで居座って退職金貰ってようやくトントン仕事のはずだがなあ。

それやるよりも民間トンズラしちまった方が割が良いんだろうなあ。

そりゃそうだわ。

民間給与水準向上と比較したらあまりにもしょーもないからなあ。

せめて残業代だけでもちゃんと満額払ってくれたらなー。

未だに早出残業なしってのはスゲー話だ。

そのくせ下っ端は持ち回りで1時間早く来てコーヒー当番やゴミ当番やってるんだから大したもんだ。

よくバカバカしくならんもんだ。

anond:20240813232600

日本産AIなんてセブンpayみたいで怖いよな

ってことでAI人材ってアメリカ人が有利なんだよな

SIerとは結局何であり、なぜ滅びないのか

誰も教えてくれないSI本質SIerの世界観

https://zenn.dev/sta/articles/2024-08-10-sat-what_is_si


少し前にブクマの集まっていたこ記事について、SIerでなぜITが軽視されるのか、SIerがしぶとく生き残っているのが何故なのかをもう少し深堀りしてみたくなった。なお俺自身は、もうずっと長いことSIerの中で働いている、現役のSIerの中の人である

これから書くのはSIerの中でもBtoB業務システムの中身の構築を主に手掛けていて、なおかつ元請けに近い組織の話だと思ってほしい。


業務プログラム可能な形に翻訳する専門組織

まずSIerでITが軽視されがちな理由である受託開発を主に手掛けるSIerの顧客は、だいたい以下のような特性を持つ。


このような顧客日本社会にはまだまだいくらでも存在しており、その市場に特化した業態SIerだ。このような市場は、いずれ消えると言われながら今でもしぶとく残っている。

こうした顧客の元では、新しい技術チャレンジしてもあまりメリットがなく、枯れた技術や使い尽くされたフレームワークを使って、すでにどこかで見たようなシステム生産するのが最適となる。古い技術は長期的には先細っていく運命にあるが、一方で経験者が多く失敗事例が出尽くしている、過去資産を利用できるなどの利点があり、顧客側も冒険よりはリスク回避を望むため、古くて安定した技術採用するメリットが大きい。


それを請け負うSIerで重宝されるのは、IT知識よりも顧客業務理解してロジックに落とし込むスキル、いわば業務プログラム可能な形に翻訳するスキルだ。

顧客自分説明する業務ルールはだいたい矛盾していたり、条件が不足していたり、例外ケースが考慮できていなかったりするので、それらを整理してプログラム可能な形に変換する必要がある。特に金融などの業務ガチガチ法規制されている分野は業務ロジック法律制度に適合させる必要があり、そういう時に業務ロジックを「業務専門家立場で」検討できる人材SIer側にいると顧客安心して設計を任せられる。だからSIerでは上流工程が重視され、それができる人間が重宝される。


余談だが、俺自身経理システムを専門として長い間この業界で働いているが、俺がここに残っているのはIT技術も好きだけど経理勉強をするのもそれと同じぐらい好きだったことが大きい。いざとなったら経理知識だけでも食いつなぐことができるぐらいには、そっち方面知識もある。IT技術への興味は趣味で発散させており、仕事でそれを生かせる機会はなくてもいいと割り切っている。そういうタイプが、この業界には向いている。


閑話休題

SIerでは上流工程が重視される一方、実装フェーズでは使い尽くされたフレームワークを使って作るので最新技術への理解必要なく、実装上の創意工夫が必要なほど難しいもの新規性の高いものを作るわけでもないため、設計書に書かれたことをそのまま実装できる人であれば十分、ということになる。そのため、実装要員は単価の安い人を大量に集めればいいという発想になり、かくして派遣ビジネスの隆盛へとつながっていく。

実装フェーズ業界全体で単価が安いため、元請け比較的高給取りな社員実装を任せてしまうと、それだけで利益率が悪化する構造があり、ハイスペック社員はなるべく単価の高い上流工程アサインしないと勿体ないという話になる。

実装フェーズを丸ごと外注することも多い。フェーズ単位外注する方式ウォーターフォールと相性がよく、発注のためにはきちんとした設計書を外注先に渡す必要があり、かくしてSEドキュメントをひたすら書き続ける。


SIerは「ITを専門とする組織」ではなく「業務プログラム可能な形に翻訳する専門組織」であり、翻訳した後の作業を自社の社員はあまりやっていないので、そもそもIT企業と言えるかは本来微妙立ち位置なのだ。実際には翻訳成果物である設計書でさえグダグダなことは多いのだが。


とはいえパフォーマンスチューニングなどで技術面の創意工夫はしばしば必要になるのだが、それが実装の工夫だけでどうにかなるものであれば、大体は現場エース級の人(自社社員とは限らない)がなんとかしてしまい、経営者を含む大部分の人にはその必要性があまり深く認識されず、エースの人がどうやって解決たか理解されない、というのが実情ではある。技術スペシャリストSIerでは立場が弱く、裏で活躍していてもそれが日の目を見ることはあまりない。

こうした姿勢のためにSIerはたまに来る技術の変化の波に弱く、大波が来た時はしばしば多くの人が新技術適応できずにドロップアウトしたりする。日進月歩IT世界で、お前は本当にIT企業かという感じではあるが、そもそもITの専門組織とはいえい組織なので期待するのは無駄である


社会現状維持させるための業種

ではSIerがしぶとく生き残っているのは何故なのか。

SIerとは「業務プログラム可能な形に翻訳する専門組織」だと言ったが、もっと大きなことを言うと、総じて日本SIerというのは、日本社会現状維持させるために存在する業種なのだろうという気がする。(日本限定したのは、海外の状況はまったく知らないからだ。)

顧客IT化の波に対応しないといけないが、かといって現状の業務を変えたくないし、ITのことを学びたくもない。SIer自身も新しい技術積極的に取り入れない。その両者が結託して、古い技術社会現状維持させている。その良し悪しはともかく、多くの人がそれを望み、その望みがSIerという業種を存在させている。まるで邪教徒たちの祈り邪神を生き永らえさせているみたいな話である


古い技術革新しないと社会が変わっていかないとしたら、SIerは変化に対する抵抗勢力であり、SIerの古い技術者が変化の波でドロップアウトするのは、社会にとって必要新陳代謝といえる。

からもし、技術社会を変えようと望むなら、SIerは来るべき業種じゃない。技術先駆者たちが社会を変えようとして切り拓き舗装した道を歩きながら、すでに出来上がった仕組みを維持するために働いているのがSIerだ。技術社会を変えようと望む人は、是非他で活躍して、技術変化の波を起こし、俺をドロップアウトさせてみてほしい。

建築現場の人不足

https://togetter.com/li/2417354

これ、いろいろはてなブックマーカーも語ってるけど、一番腑に落ちたのは

東京熊本あたりの人足を剥がすのに掛かるカネが高い、というコメだった

ちょっと前の関西でのライブコンサート興行の「無理ぽ」レポートとかもあったじゃん?

興行現場音響さんとかの人材首都圏に集中してて、その人らを地方に呼ぶために掛かってる交通費宿泊費(特に宿泊費)がクソ高くなってるので

首都圏開催のほうが割がいいすぎてやれない、って

アレと似た現象なんではないか

発注側に提示するカネは、大需要地に集中してる人足を移動させて工期中は定着させる交通費宿泊費込みで

その全体費用の中での割合では人材獲得のためのちんぎん割増は微々たるモン、ということなのではないか

地方が負えるキャパ(≒人足数)を超えた建築を着工しようとしたらヨソから引っ張ってくるしかないわけだから、3,4倍の多くがそこに吸われてるというのは腑に落ちる話

人口減少社会ってこういうところにも効いてくるのだね

2024-08-12

企業認可の学校はなぜ流行っていないか

政府認可の学校は、一般に.ac.jpドメインを持っているような学校のことだ

政府に「大学」「専門学校」と認可されるには、さまざまな制約を満たさなければならない

これでは、企業が欲する人材の育成の足かせになる

では、なぜ「企業認可」のような学校造成されないのか

まり企業グループが集まって学校を作り、企業にとって必要人材を育成するカリキュラムを作るわけである

このような学校市場主義において非常に合理性が高いと考えられるが、私はこういったシステム流行っていない現状が不思議でならない

少子化も影響している気はする。子供偏差値の高い学校から順番に選ばれていくので、企業としては偏差値の高い学校の生徒を取るだけでよくなっている

まり企業能力の選別はするものの、大学には「教育の内容」を期待していないわけである

企業認可の学校存在しない理由として、企業教育への関与が薄いことが挙げられる

企業は、教育機関に対して高い期待を持たず、単に優秀な学生採用することに重きを置いている

まり企業教育の質よりも、学生の選別に注力しているのだ

また、企業が自ら学校設立しない背景には、教育事業に対するリスクコストがある

教育機関を運営するには、多大な資金時間必要であり、短期的な利益を追求する企業にとっては、魅力的な選択肢ではないのかもしれない

さらに、少子化の影響で学生数が減少している現状では、企業が新たに学校設立しても、十分な学生を確保できないリスク存在する

しかし、企業認可の学校があれば、企業は自社のニーズに合った人材を育成できる可能性が高まる

教育内容が企業要求に即したものであれば、学生卒業後すぐに戦力として活躍できるだろう

これは、企業にとっても大きな利点となるはずだ

このように、企業認可の学校が成立しない現状は、企業教育に対する姿勢や、教育事業への参入障壁が影響していると考えられる

しかし、今後の社会の変化や企業ニーズ進化に伴い、こうした学校が登場する可能性も否定できない

企業教育に対してもっと積極的に関与するようになれば、企業認可の学校現実のものとなる日も遠くないのかもしれない

 

追記: イメージとしては42tokyoとかかな 

anond:20240812141406

データ紹介ありがとう

昔は部員数が多かった高校は、

①入部者を制限しない名門公立

首都圏関西圏の予選激戦区出身選手構成される地方私立

のほぼ2パターンだったのだけど、現在は、公立名門校でも部員数は減少し、そして一部の私立少子化が深刻な地方から選手も多く受け入れているようなっている。ネット少年野球の有名選手情報が溢れるようなった結果だろう。

補足すると、報徳の部員数については、専用の寮がなく地元出身が中心で、入部者を制限していないようなので、旧来型のパターン。他の地方から奪っているわけではないので、そんなに悪質ではない。

大阪桐蔭は、野球で飯を食っていくトップレベル人材を育てる場所なので、「野球留学」が多くても問題ないと思う。北関東北海道は手を伸ばしすぎだと思うけど。

anond:20240811161710

素で書いてるなら糖質だしネタならそれはそれで病名付きそうですごい

増田人材の宝庫や

2024-08-11

メンギフおじさんにギフトもらったかアイドルライブを観に行っ

私には推しVtuber個人アイドルではない)がいる。

その推しに一晩でメンバーシップギフト

1000投げた人がいた。

その人の名を仮にメンギフおじさんとしよう。

私は自分の最推しを盛り上げてくれるこのおじさん(以下メンおじ)に少なからず恩義を感じて

日々過ごしていた。

ある日、そのメンおじから

別のVtuberギフトが2つも来たのだ。

そしてそのギフトの二人は同じアイドルグループに入っており、メンおじはどうやらそのグループ箱推しをしているようであった。

いつものお礼にともらったギフトチャンネル登録と高評価をしに覗きにいくと、ちょうどライブ配信中であり、そこでなんと再来週の日曜日Vtuberなのに顔出しでリアルライブを行うとのことであった。

最近そういうのも増えたよなーと思いつつ

メンバーチャンネル確認してコメントをみて

いるとやはりというか、どうやらメンおじも参加するようであった。私の最推しは、イベントとかをするタイプではないのでファン同士で交流する機会があまりなく、できたら自分推しについて語り合いたいという下心もあり、メンおじに会ってみたいな、せっかくなら箱推しのこのメンバーについても知っておこうと更にチャンネルを観るようになって、すっかりこのグループにハマってしまった。

そんなこんなでやってきたライブ当日

場所は5,6年前にMrs. GREEN APPLEを見たとき以来の渋谷CRAWL

ライブはとても良かった。

もちろんテレビに出てるアイドルとは

比べ物にならないが

人は、成長を楽しむのだ。

自分のみならず、人の成長も

素晴らしいコンテンツ

エンタメになる。

色々酷いところもあったが、周りの人は

1stよりだいぶ良くなってるという。

1stはどのくらい酷かったのかとも思うが

その成長こそが、醍醐味なのだ

うまくなればなるほど、簡単にはうまくならないし

それを分かるには見てる方にも

熟練度が求められる。

からどんな素人でも成長が分かる

上手い下手が分かるというのは

けがえのないコンテンツなのだ

新オリ曲ありの各々ソロ曲ありの。

メンバーファンも節々で泣いていた。

泣けるのは素直でいいことだ。ストレスも減る。

色々理屈をつけるが突き詰めると結局人は

快か不快しか判断しない。

まりライブはとても良かった。

私のメンバーの印象は下記

紹介はソロ曲

桜色の方

センター

全てのアイドル基礎能力が高く

特に配信での返しはかなりの技術をもっている。

自己プロデュース力も高く

踊りも歌も努力の跡が多々見られ

素晴らしい。

ただし言動はどこか欠けてて

サイコパスみを出すことも。

ただ私たち

不完全なものに恋をするのだ。

お母さん衣装良かったよ

青色の方

リーダー

歌と踊りが上手い

このメンバーの中では

名実ともに支柱

支柱というか大黒柱

唯一ヒノカミカグラが踊れる柱の中の柱

彼女がいなければ

ぶっ壊れてた歌も結構あるはず。

完全無欠の歌姫アイドル

このあふれる能力をもってして、なお

もたざるものにも優しい。

能力も高いが

本人の目標はより高く

それに向けて頑張る自他ともに

認めるストイック努力家。

ソロ途中のアカペラは圧巻でした。

お母さんの衣装良かったよ2

橙色の方

完全に枠外の

悪い意味で爆発力あり

なんとかしてしまう力

突破力はあるが

収拾つかなくなることも多々ある

ソロ曲は他のメンバー含めて

一体我々は何を見せられているのだ

と思わせながら沸かせて成立させたのは

さすがの一言。倒れたファン

真っ先に駆け寄って声掛けしてたのは

なかなかできることではない。

配信もうまく2週間で500人くらい

登録者を増やしたこともある。

泣き虫だが、それがいい

白色の方

人形のような色白

手足長くて

ホス狂いしてそうな

可愛い顔と細さ

声も可愛いくて

甘えん坊かと思いきや

意外としっかりしてる。

ちゃんと歌えばうまい

やる気になったら凄い。

顔と声可愛い

重要ことなので2回言った。

ソロ曲よかったよ。

背の高い美人さん。

蓬色の方

多分一番器用

いい意味で爆発力あり

笑顔が一番可愛い

配信だけでは伝わらないのがもどかしい

やる気がないと、何もやらない。

メンバーの中でたぶんメンタルが一番強い。

この一点において

もっとも伸び代が大きいし

今後もっとも期待できる人材

個人的には思ってる。

なんとかしてもっと良さを広めたい。

ギフトは既に限界まで投げた。(投げてもらった)

書いてもいいよと言われたので書くが

そもそもきっかけをくれた

メンおじにもお会いできるかと思い

事前に聞いていたサーモンランのTシャツを来た方を探したのだが、ついぞ見つけられなかった。

メンおじはまぼろしだったのだろうか。

海外に住んでると言っていたのだが

このためだけに帰国してるのだろうか。

改めてDMを送ったが既読になることはなく

本当に参加していたのか、より謎は深まった。

他のVtuberyoutuberにも大量にメンギフしてるのでさすがに運営側ということはないと思う。

俺もマジでアルバイト時代仕事できなくて暗然とした気持ちだったけど

アルバイト面接で「8時半」って言われたから行ったら誰もいなくてパニックになってたら「20時半です」って言われて辛い→様々な意見が集まる

https://togetter.com/li/2415811

これ見て思い出したのよ。

パニックになってドア叩くのはどうかと思うがこういう指示で混乱する気持ち自体はわかる。

  

学生時代バイトしてた時にこういうことがよくあった。

コミュ障の自信の無さから程度低いところからバイト始めたんだよね。宅配便仕分けとかさ。

搬入用のシャッターを閉めててって言われて全部閉めたらなんでここも閉めるんだみたいなこと言われたり

俺がわかってないっぽい空気になることがしょっちゅうあって、自分仕事が出来ないと感じてたんだけど。

 

大学出て就職したらそんなこと全然なかった。

まあ相性もあるけど、職場が程度のいい職場だったんだよね。

意味不明曖昧な指示をしてこないし、誤解が生じそうなところもきちんと潰して指示を出す。

俺も指示出す立場になってやっぱり明快で誤解の余地がない指示を出してるし

必要に応じて指示の分割したりもする。手順を文字にまとめたりもする。

   

まり、俺がバイト時代あかんかったのって指示出してた奴等の能力が低かったからなのよ。

これ自分で言ってて漫画に出てくるやべー奴みたいだなって思うけどマジでこうとしか言えない。

宅配便仕分けなんか何年もやってるのは能力も意欲も低いカス人材なわけで

そんなやつが短期バイトに指示を出してるから当然ハチャメチャなんだよね。

 

自分が分かってる情報他人が分かってる情報区別もつかないし思考力も予測力もない。

単純に頭が悪いのか発達ナントカなのかわからんしま特定属性disっちゃいけないけどさ。

俺が学生時代体験したていどひくいバイトの数々はほぼ全部従事者がカスだった。

仲良くしてた人も居たし仕事できます風に職場で頼られてる風の人も居たけど

それら含めてほぼ全員人格的にも能力的にも社会的にもゴミだった。

 

今にして思えば本当に効率悪いことやってるだけで

頭が悪くて意欲も薄いからなにごとも改善することもなく

そういうガバガバフローなうえに言葉にも出来ないから人なんか使えなくて

いまにして思えば生活の話も趣味の話も終わってたなあいつら、っていう。  

そういえば別に俺以外にも指示が理解出来なくて戸惑ってる学生いたなあって思い出したりね。

  

 

こういうとバイト時代のことがすげー悪い思い出見たいだけど

よくしてくれた人も居たし自分仕事できないってこと以外に不満はなかったんよ。

ただ自分が働いて10年経つ頃にはあの頃接した全員凄く能力の低いカスだったんだなあってしみじみ感じた話。

なんだろうなこの社会体験。なんの役にも立たねえ。

2024-08-10

アホか!お前は!政権が長いからって、支持率が低いままでやってけるほど、自民はよく出来ちゃいないんだ!

都心部が何と言おうと、日本国は、47都道府県を手放すことなく続いてきたんだ!それは何故だか分かるか?ええ?官僚たちが、この国の政治歴史の中で学んだ事だよな?国内の食料生産林業工業・・・それに、生殖だけは田舎のものを利用するつもりだからだ。広い土地必要とするもんな。しかし、利益を集積することは都会人のものにした。田舎者って奴は、金の使い方を知らない、エゴイスティック俗物からだろう。だから都心部は、発展に必要人間だけを徴収して、田舎が育てた文化的人材の全てを吸収して、選択と集中をするつもりだ。それが東京都だ。けどそういうお前たちが、何故か保守派改革派という二つに分かれて生まれた。しかも右と左との関係でもない。もっと根源的に、陰陽とかプラスマイナスくらい、はっきりと反発し合う習性を持っている。なぜだよ?一つで絶対高潔に腐敗しない権力など、この世にはない。だからこうやって、対抗勢力が生まれてくるなら、国のあり方だってそうだろ?自分の反対にあるものを叩き合って、探してるものがあるんだろ?失われた30年とか、全ての黒幕とかさ。人間社会ほど複雑なものが、一つの結論にたどり着ける分けがないのに。都民は、お前らは、小池程度の女に唆されて……!馬鹿野郎!お、おい、コロナ収束したよな?どうだ、え?体に痛い所はないか悪口をいったつもりはないぞ。

2024-08-09

イーロンめちゃくちゃなのに、技術者どうやって集められてるんやろ

日本だと、金出しても国内技術持っている人が居ないって状況だと思うんだが。

アメリカ場合、軍やNASAで、技術標準化団体でしっかり技術身につけている人が人材市場にいるってことよね。

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