はてなキーワード: 地方自治とは
リニアの延期で静岡県が槍玉に上がっているが、現在の制度上国と地方は対等で、国策などの都合で引き倒されないための地方自治でもある。数多の利害関係者がおり、総論賛成各論反対があり、その中で粘り強く、泥臭く、着地点を探っていくのが肝要であり、それを国策だから押し通すのを是とすると地方自治は損なわれる。
私たちの住む地域の向かいたい所と国策の向かう所が一致するとは限らない。全国的な世論と一部地域の世論が一致するとも限らない。自分の意見が多数派というのは偶然の産物である。たまたま多数派にいることをもって、少数派の地域を軽んじるのは、その矛先が自分たちの地域に向く可能性を考えていない点で楽観的であり、多数派に安住できるという傲慢である。
いち開業地域に住む人間としては、リニアには乗ってみたいし、静岡県知事の軽率な言論には眉をひそめる。経済効果的な面でも関連ビジネス的な意味でも歯がゆい思いをして恨み言を吐きたい人がいるのもわかる。しかし、だからといってこの泥臭くて面倒臭いプロセスを軽んじる言説は、民主主義の学校たる地方自治を自ら打ち捨てるようで如何なものかと思う。
河村たかしがメダルを噛んだとか、謝罪文を以上で締めたとか、そんなこと報道する目的はなんだ?
メダル噛みの時点でそのあとの選挙でも再選した通り、地元民はそんなこと気にしないことははっきりしてるはず。
なのに彼のいかにも印象悪そうなことを逐一報道するのは、むしろ「こんなやつに投票する名古屋市民は愚かだから見下そうね!」っていうメッセージなんじゃなかろうか?
でもだれに投票しようが馬鹿とか言われる権利なんてないはず。こんな報道をするのって地方自治の否定なんじゃなかろうか。
名古屋市民がそんな彼が好きならそれ以上突くことではないだろう?俺らの価値観で彼らを馬鹿にするのはいかにも全体主義的だと思う。
というか政治家じゃなくその支持者有権者を叩くのって、試合で相手ではなく審判をクリンチからの「●すぞ」と脅迫して勝ちをとろうとするようなものな気がする。
そこのコメントに
「非正規は無試験で正職員にしてあげればいいのに」ってコメントがあった
「70年代までの筆記試験は形式上で、日本では欧米のように有力者とのコネや人脈で公務員の採用が行われていたが、80年代の半ばから批判が起きて筆記試験で採用を決めるようになった」って記述があったのを思い出した
そういえば、日本教育史とかでも70年代頃まで大学や高校は裏口入学やコネ入学が当たり前で実力だとみなされていたが、
80年代頃からは批判が多くなり、試験を重視するようになったって聞いたことも思い出した
以前香川の文化というか観光地を紹介した増田(anond:20230804232647)だけど、今度は香川県でオススメできる喫茶店を居住者目線で紹介してみる。下に行くほどオススメ度が高い。☆は3段階評価。
味 | 内装 | 長居できる度 | 本をゆっくり読める度 |
☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
スタバなんてどこでも同じだろ? という声が聞こえてきそうだけど、東京都心部のいっつも勉強する学生さんやら仕事するリーマンやらで埋まってて空席を探すのも一苦労だったスタバしか知らない民としては、広々とした店内でゆったり座って本棚の本を読みながら滞在できることに感動した。ここは市民の交流スペースとして作られた建物に入っているので、本棚に置いてある本(『NUMBER』みたいな雑誌や編み物の本みたいなやつから、地方自治や環境問題に関するマジメ系の選書、さらには香川に関する本まで、割と充実している。喫茶店の本棚として見ればSSRでは)を自由に読むことができるし、空席も適度にあるので座る席を自由に選べる。窓際の広々とした席に座ってフラペチーノ啜りながら本をめくる時間は至福。
味 | 内装 | 長居できる度 | 景色がキレイすぎる度 |
☆☆ | ☆☆☆ | ☆ | ☆☆☆ |
荘内半島の真ん中辺り、フラワーパーク浦島のすぐ近くにある喫茶店。ランチメニューは(割とすぐに売り切れちゃうのでありつけないこともあるけど)普通に美味しいし、デザートのケーキは凝った飾り付けをしてくれて素敵。内装も海沿いなことを意識した外国の船乗り風でオシャレ。だが何よりも、テラス席に座って眺める瀬戸内海の絶景が素晴らしい。ちなみにフラワーパーク浦島っていうのは端的にいうとお花畑なんだけど、地図見てわかるように海沿いにあるから、お花が咲き誇る様子と風光明媚な瀬戸内海を同時に見渡すことができてすごくすごいきれいです(語彙力)。関東地方で育ち、海といえば見渡す限り水平線しか見えない太平洋、という人間にとっては、島がアクセントを添える瀬戸内海の景色はすごい魅力的なんだよな……
味 | 内装 | 長居できる度 | 和風喫茶に求めてるのはこういうのだよ度 |
☆☆☆ | ☆☆ | ☆ | ☆☆☆ |
高松市内、宮脇書店本店の近くの和菓子屋さんの2階にある喫茶コーナー。店内がなんかこう、時代劇に出てくる甘味処みたいな雰囲気してる。和菓子屋直営なのでもちろん甘味はクッソ美味しい。クリームあんみつ、わらび餅、抹茶ぜんざい、とオーソドックスな和風スイーツが勢ぞろいしているので、なんか和風の甘いやつを食べたくなったらここに行くことにしている。気に入ったら1階の和菓子も見てみよう。名物かまど美味しいよ。
味 | 内装 | 長居できる度 | 現代建築を堪能できる度 |
☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
山本忠司、という建築家をご存知だろうか。詳しくはWikipediaの記事を見てほしいのだが、香川県庁に奉職し、丹下健三による香川県庁舎の建設に携わった後、瀬戸内海固有の風土に根ざした現代建築を志向し、県内でいくつもの建築を手がけていった……という経歴の持ち主だ。讃岐の石材を大胆に活かした設計が特徴で、香川県各地で学校や体育館などの公共建築を手がけてきた。そんな彼の作品の1つが、高松市美術館や宮脇書店本店のすぐ近くにあるこのお店。外観が非常に特徴的な石造りの建物で、言われてみればこういう石造りの現代建築を県内でいっぱい見かけるな……! と香川の風景に解像度が上がる。これってそういう美術的背景があったんだ……! そして内装も石材を活かしたデザインになっていて最アンド高すぎる.これだよこれこそが俺の好きなタイプの現代建築だよと急にテンションが上がるというか、内装がもうセンス良すぎて居心地良すぎるんだよな……
ケーキやお茶の味は……普通……いやマジで出てくるものは普通というか、あっケーキからちょっとアルミホイルの風味がするな? ってくらい(あかんやろ)。まあ飲みもんや食いもんを期待して行くところではないです。讃岐の風土に根ざした現代建築の中でゆっくり座って茶をすする体験にカネを出していると思いましょう。実際それだけの価値はあるので、現代建築好きなら足を運んで損はない。
味 | 内装 | 長居できる度 | 娯楽へのアクセスが良い度 |
☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
宇多津にはイオンモールがあり、県内の数少ない映画館の1つであるイオンシネマ宇多津にはよく行くのだが、そこから歩いて数分という超便利な立地にある喫茶店がこのお店。コーヒーにこだわってるんだけど、地味にアイスティーも美味しいのでオススメ。飲み物に100円くらいプラスすると小さな甘味をセットでつけられるのがお得感あって嬉しい。さらに店員さんが基本客に無干渉なので割と長居できる。休日はこのまわりで映画見て昼飯食ってお茶を啜りつつ読書して、ってやると良い感じにリフレッシュできるんだよな。
味 | 内装 | 長居できる度 | バリアフリーが行き届いてる度 |
☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
ショコラトリーに併設されている喫茶コーナー。パッケージされたチョコはお高いのでまだ買ったことないけど、喫茶はお手頃価格。ショコラトリーだけあってチョコを使ったスイーツが何種類もあるけど、個人的なオススメはチョコムースかな。内装はシンプルイズベストというか、地味にバリアフリーが行き届いていてすごい。トイレもかなり広々としてて車椅子利用でも何ら問題なさげ。いや、いつも徒歩だけど。あとあちこちに電源が設置されてるのも配慮を感じる。基本的にあんま客がいなくて席が余ってるので長居しても気が咎めないのが最高(採算大丈夫なのかな)。
味 | 内装 | 長居できる度 | 高松の商店街を見下ろせる度 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
このお店については元増田で書いたけど、付け加えるなら、家具メーカ「カリモク60」のショールームも兼ねていて、落ち着いたセンスの良い内装で統一されているから居心地がめちゃくちゃ良い。お茶もスイーツもバリエーション豊富だし(高瀬茶っていう県内産の銘茶を推してるのが好感度高い。季節のショートケーキはいつ行っても最高)、店員さんが適度に放っておいてくれるし、他のお客さんもそんな多くないしで、心地よく長居できる良いお店です。
味 | 内装 | 長居できる度 | お手頃に高級感を味わえる度 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
高松の商店街にある老舗和菓子屋「くつわ堂」総本店の2階には喫茶室があり、前々から存在は知ってたんだけど行ったことはなかった。なぜかといえば和菓子屋なのに表に出てるメニューがコーヒーやショートケーキというありふれたものだったからで、わざわざ行くこともないかなー、とも思ってたのだが、前増田のブコメで絶賛してる人がいたので、じゃあ1回くらいは行ってみるかと思って行ったところ内装が高級感あって最高だった。和菓子屋の上層階にこんな建物が隠れていようとは……一生の不覚……!
さらに名物のサバヨンクリームが美味。全然聞いたことない言葉だったからググったら2番目にこのお店の紹介が出てきて笑った。卵黄を使ったクリームらしく、絶品。この雰囲気とこのお味にしては庶民的なお値段なので地元民の客足が絶えない良い喫茶室だと思う。もっと早くチャレンジしておくべきだった……!
上に書いたのはあくまで「居住者目線」なので、長居できるかとかそういうのが基準になってるけど、旅行者目線(物珍しいものが見られる/食べられるか)でいうなら、
になるだろうか。
あとは粟島にもいくつか良さげな喫茶店があるっぽいんだけど、まだ「あわろは食堂」(夏にしか営業してない。限定パフェウマー)以外は行けてないんよな。きちんと訪れたい。小豆島は土庄町の中心部をちょっと回っただけで、喫茶店の開拓とかはできなかった。残念。喫茶店ではまったくないけど、長尾寺のおはぎは美味しかった。あ、瓦町フラッグにあるジュンク堂書店高松店に併設されてるブックカフェもよく行きます。でも池袋とかにあるのとなんも変わらんからなぁ……あのお店は無料でコーヒー飲めるからいいよね!(いい加減電子書籍にしろ)
Bean’s Cafe(高松市)を忘れてた。駅でちょっと休みたいときに良い立地。ケーキや季節のスイーツが充実しているので、季節ごとに違った味を楽しめる良いお店だと思います(ただ、うーん、たまに店員さんがポカミスをすることがあり、うっかり本をテーブルに置けない雰囲気がありますね)。近くに立ち食い寿司屋もあって、そっちもリーズナブルで美味しい。カフェ ポーズ(さぬき市)はなんか隠れ家的な魅力がある割に新しい店なので設備が充実していて、そしてもちろんスイーツが美味しい。抹茶プレート最高でした。
皇帝(高松市)を勧めてくれるブコメがあるけど、喫煙可なので行ったことないんや。すまんな(喫煙可な店を作る権利は擁護するし、規制を厳しくするのは賛成できないけど、それはそれとして自分では通わない、というスタンス)。
ぶどうの木(高松市)URL: https://www.budounoki-sanuki.com/は、香川の伝統的な雑煮を味わえるという意味ではすごい良いお店なので、旅行者にはオススメ。ただ、店の構造的にまったく長居できる雰囲気がないのでここには含めてない(ここで挙げた「長居できる度」が☆のお店より更に長居できそうにない)。小ぢんまりとした落ち着いた雰囲気の良いお店なので、旅行で行く分には良いと思います。
Shika(高松市)、スタート(綾川町)、名物かまど 総本店(坂出市)、umie(高松市)、gaouv rabari(観音寺市)、ワールド(土庄町)はどれも行ったことなかった! 教えてくれてありがとう! 実は『からかい上手の高木さん』の聖地巡礼で近くまで行ったんだけど、ワールドを見逃していたのは痛恨の極み……!
新井祥子元草津町町議を支援する会 | 「新井祥子元草津町議を支援する会」解散声明 | Facebook
私たちもまた、新井元町議の証言を信じて、黒岩町長に対して強制わいせつの疑いをかけたことにお詫びをしなければなりません。黒岩町長ならびにご家族、ご支援者のみなさまに、深くお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。また、草津町町民のみなさまにも多大なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
元町議を直接支援していた「新井祥子元草津町議を支援する会」の解散声明である。
前置きには「わが人生最大の痛恨事」「痛恨の極み」とあり、非常に気持ちのこもった文章となっている。
私はこのことを重く受け止め、黒岩信忠草津町町長に対して深く謝罪の意を表明いたします。黒岩町長のご家族、草津町の町民の方々に対しても、謝罪の意を表明いたします。
こちらは、元町議の訴えを取り上げて書籍にし、いまは裁判の当事者ともなっているライターが、2022年12月7日に公開した謝罪文である。
というわけで、元町議を直接支援していた人たちはきちんと謝罪していることがわかった。
では他のフェミニストはどうだったのだろうか?
そもそも誰がどんなことを言っていたのだろうか?
草津町を「セカンドレイプの町」と呼んだフェミニストらの横暴を許すな 黒岩信忠(群馬県草津町長) - 月刊正論オンライン
例えば東京大学名誉教授の上野千鶴子氏は議会関係者が読む雑誌「地方議会人」令和三年五月号の巻頭言で次のような文章を書きました。
《極めつけは草津町の新井議員が町長のセクハラを公表したことで与党議員が立ち上がり、リコール運動を実施、新井祥子議員は失職した。やるべきことが間違っているであろう。最初に第三者を交えた調査委員会を立ち上げ、事実の究明を行い、事実なら加害者を処分することだ、それなのに被害者を議会から追い出すとは本末転倒だ》
町長は「明らかに私が加害者であるとの前提で書かれた文章です」とコメントしているが、明らかにそのようには読めない。
上野千鶴子が批判しているのは「草津町長の性加害」そのものではなく「事実を究明するまえに告発者をリコールしたこと」である。
続けて以下のような主張が引用されている。
全国フェミニスト議員連盟(共同代表、増田薫・千葉県松戸市議、前田佳子・東京都八王子市議)からは私や議長らに対して抗議文がありました。
《群馬県草津町議会は、「女性ひとり議会」です。新井祥子議員が町長による性被害を告発したことへの草津町議会の対応は「性被害を告発したこと自体を否定する」人権侵害だと私たちは考えます》
全国フェミニスト議員連盟は裁判中にもかかわらず、リコールが行われ、成立したことについてもやり玉にあげてこう抗議しています。
《裁判の日程は未定、警察の捜査も終わっていない中、客観的認定のないまま十二月六日、住民投票が実施され解職賛成が二五四二票・反対二〇八票で新井議員は失職しました。町議会議長らが呼びかけ人となって動いたこの住民投票は、地方自治が想定した住民投票の趣旨から逸脱している、と私たちは考えます》
「しんぶん赤旗」にはフラワーデモ群馬主催者代表の田嶋みづき氏による「町長から性暴力を受けたと告発したことでリコールとなり失職した新井祥子元草津町議、日本共産党の山田みどり中之条町議らが参加しました」「性暴力を訴えると排除される社会を変えよう」(一般社団法人Spring代表理事、山本潤氏)といったコメントが掲載されていました。
作家の北原みのり氏は、朝日新聞が手掛ける「AERAdot.」に「町長にたとえ加害の事実がなかったとしても、この議会そのものが十分に性暴力でミソジニー(女性蔑視)だった」などと批判していました。
「この事案は、日本で性暴力被害を告発する女性が直面する困難を浮き彫りにしている。日本では、こうした被害を訴え出ることは極めて少なく、オープンに議論されることはめったにない」
見事に揃って「事実を究明するまえに告発者をリコールしたこと」を問題視する内容である。
これらに対して、草津町長はやはり「どれも私が加害者、新井氏は被害者だという前提に立ったものばかりです」「明らかに性暴力があったことを前提にしています」と書いているが、とてもそうは思えない。
いずれの主張にも「告発は真実に違いない」などといった決めつけがないばかりか、「事実の究明を行い、事実なら」や「たとえ加害の事実がなかったとしても」といったエクスキューズさえ入っている。
彼らの批判の中心にあるのは「町長がレイプしたこと」ではなく「告発者をリコールしたこと」だ。
まさしく「レイプ」ではなく「セカンドレイプ」を批判していたのである。
以上から「多くのフェミが草津町長を有罪だと決めつけたが未だに謝罪していない」というストーリーは虚構であると言える。
草津町長を有罪だと決めつけたフェミは謝罪しているし、それ以外の多くのフェミは草津町長が有罪だとは決めつけていなかったのである。
ちょっとググっただけで出てくるような謝罪文を探しもしていないのだから、
https://www.jijitsu.net/entry/Kuroiwa-Kusatsu-kakiokoshi-kaiken
上野千鶴子さんという東京大学名誉教授の方が投稿してるんですが、読んでみますけれども「極めつけは草津町の新井議員が町長のセクハラを公表したことで与党議員が立ち上がり、リコール運動を実施、新井祥子議員は失職した。やるべきことが間違っているであろう。最初に第三者を交えた調査委員会を立ち上げ、事実の究明を行い、事実なら加害者を処分することだ、それなのに被害者を議会から追い出すとは本末転倒だ」。
それと、全国フェミ議連、連盟の方から、(中略)「裁判の日程は未定、警察の捜査も終わっていない中、客観的認定の無いまま、12月6日、住民投票が実施され、解職賛成が2542、反対208票で新井議員は失職しました。町議会議長らが呼びかけ人となって動いたこの住民投票では、地方自治が想定した住民投票の趣旨から逸脱していると考えます」と、こういう内容であります。
私の所属していた法人課税部門の話ではあるが、直接関わったわけではない。どちらかというと、もっと上の方の、課税全体の企画や調整・取りまとめを行う部署の話になる。
当時も、国税庁が掲げるところの「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現」をめざして、日々勉強の毎日だった。世の中は変わり続けている。税の勉強に終わりはない。当時の仕事を平たくいうと、税制改正の内容を関係者・関係部局にわかりやすく伝えて質問相談苦情に答える、といったところか。管理職が近づいた当時は、そんな仕事をしていた。
40代が近づいても、税の世界は深かった。税理士資格は若い時分に取得したが、それでもマニアックな税分野とか、諸外国の税制度になると不案内だった。
そんな折、とある会議の最中だった。ある人が、たしか個人課税の徴収部門の責任者だったか、ビットコインの話を始めた。納税の方法がわからない人や、脱税の疑いがある人が増えており、(内閣府まで通じて)国レベルの対応を考えているという。
ビットコインのことは何となく知っていた。どんな形であれ、収益を得たのであれば納税するのが当たり前である。だが、事情があってできない者や、あえてそうしない者もいる。私の思い違いは、後者が思いのほか多かったということだ。
国の関係機関は、ビットコインほか暗号資産に関する文書を多数発行している。国税庁もそのひとつだ。それは6,7年前だったか、取り掛かったのはさらにその数年前になるが――上の会議の後で、主に若手職員が中心となって暗号資産の税務上の取扱いに関する文書(納税ガイドライン)を起草した。国税庁のページに今でも載っている。
ガイドラインを作るにあたり、各部署からは若手数人(YoungなAdultを含む。40代でもOK!!)が抜擢された。うち1人は私の同僚だった。あの頃、仕事帰りに個室の飲み屋で話をしたのを憶えている。彼は、ビットコイン(暗号資産)に対して恨みの感情をいだいていた。
・ただでさえ忙しいのに。ガイドラインの下準備だけでも難しい
・国際反社の資金源を絶とうと思えば、暗号資産を違法化してもよいのでは
・でも、それでは他国との足並みが揃わない。国力にとってデメリットがある
・暗号資産がどの国でも一般的な存在になれば、俺達のこの仕事は報われるかもしれん
・上司は評価をくれると言っていたが、貸し借りにすらなっていない感がある
・実は、「優秀な若手を」と言いつつ、優先順位の低い職員を駆り出しているのでは?
・こんなことが続くようなら、転職を考えた方がいいかもしれない
このような愚痴をもらしていた。この人は、高卒枠で国税庁に採用され、若い頃は地方税務署を転々とした。その後、実力を評価されて国税庁の現場寄りの部門で働くようになった。叩き上げというやつだ。普通に幹部候補である。このあたりの考え方は、省庁によって違う。※後述。
私だって彼のように、当時は「よくわからないもの」「社会に必要性がないもの」「反社の資金源」とされるものを扱う仕事に抜擢されたとしたら、どんな気持ちになっていただろう。憂鬱になっていたかもしれないし、反対にワクワクしていたかもしれない。おそらくはその中間だ。
ところで、件のガイドラインは相当に練られている。人件費で換算するなら、軽く数千万はかかっている。本来の部署でさえ仕事に忙殺されているのに、彼らはよく作ったものだと感心した。
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《後述の内容》
中央省庁は大卒しか採らない印象があるかもしれないが、高卒採用は私が知る限り全省庁で実施している。省庁によって雰囲気は異なるが。私が若い頃だと、毎年何十人も採用しているところもあれば、実質的に高卒者を採用していないところも当然あった。覚えている限りでは、次のような印象だった。
(総務省)
たくさん採用する。男女比は同じくらいか。データの取りまとめや解釈など、政策の基本になる数字を拾う仕事が多い。実力が認められると政策立案も担当できる。地方自治体への幹部待遇での出向も。
(国土交通省)
たくさん採用する。男性が多い。本庁に採用されても、ダム管理関係など現場作業をするポジションになる可能性があるからだろうか。工事用の図面作成なんかも当然あるだろう。
(財務省)
ほどほどの数を採用する。高卒枠だと、ほぼ女の子しか採用してなかった。もちろん顔採用だ。たまに業務で寄ることがあったが、当時の先輩が「俺も財務省の子と合コンしたい……」と呟いていた。当然ながら、銀行の一般職みたいに、大卒採用の男性とくっつけるためにやっている。
(国税庁)
高卒採用はしているが、数はとても少ない。公務員試験には受かっても、税務大学校での勉強についていけずに辞めていく子が多いのが理由だ。代わりに、会計といった専門学校卒の子を多く採用している。
(厚生労働省)
たくさん採用する。男女比は半々だ。労働環境が厳しいこともあるのだろう、私が知っている子は、ガタイがいい人ばかりだった。総じて言えることだが、高校3年生の時点で中央省庁の面接官の眼鏡にかなうわけだから、指折りの人材だ。特に「役職持ちの高卒者を見たら刮目せよ」のイメージは正解だ。
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かくいう私も、当時はこの仕事を続けるべきか迷っていた。実際、数年後には転職することになるのだが、正直やりがいを感じられなかった。
実際、あの彼の言うとおりだったと思う。あのガイドラインは、いわゆる『火消し』の仕事に近い。すぐにバブルが弾けてなくなると思われたビットコインが生き残ったことで、脱税者(善悪を問わない)が多く存在することが予想された。事前の対策を打とうにも、そんな余剰人材は配置されていない。
実際、暗号資産関係の脱税者がいたとして、まともに取り締まることができていなかったのではないか? 現金で数千万円を国内口座に出金、みたいな愚か者はすぐに摘発されただろうが、もう少し小さい金額とか、取引所にずっと利益を預けていたとか、そういう人は対応ができていないはずだ。他部門の私ですらわかるほど、それくらい国税庁はマンパワーが足りていない。
加えて、思い出②で説明したストリートレベルの行政職員の観点もある。海外の取引所や、すでに潰れた取引所で売買をしていた場合、納税者も行政庁も課税情報の証明ができない。そういう面倒かつ費用対効果の低い案件――それでいて該当者が数千人に上るであろう案件は、あえて手をつけないこともある。
さて、こうした想定外の事態が起こった場合、上で説明したように臨時のタスクフォースが編成される。今回の火消しチームだと、指揮を取る者が選り抜きであったのは言うまでもないが、ほかのメンバーを見る限りだと、各課がイマイチなメンバーを人柱にしていた感がある。正直、エースは残して温存させているように見て取れた。
そんな理不尽でも耐えられるほどに組織が魅力的で、職員にとってやりがいのある仕事内容や職場環境を用意できればいいのだが――こういうわけで、近年の若手官僚大量離職問題が起こっている。
ちょっと路線変更をする。思えば、このあたりの時期は私も病んでいた。過重労働で心が沈んでいた。
一応マイホームは買っていた。ただ、数年前から妻が病気で入院していて、子どもふたりは実家にしばらく預けてあった。つまり単身だった。
かつては、いろいろと堪え切れずにデリバリーヘルスを呼んでいた時期もあるが、穴があったら入りたい気分だ。煉獄さん……。
その日々では、深夜に誰もいないマイホームに帰宅して、独身時代が懐かしいと思いながらテレビを点けていた。ある時だったか、今時風のアニメが流れた。
♪ わんわんわん猫が好き 夢中で何も見えない
ほぼ終電+徒歩の関係で、自宅に帰る時間は固定だった。ダイニングの食卓の上に、コンビニのおにぎりと綾鷹を置いてから、大匙1杯の味覇を小鍋に入れて沸騰させ、菜箸で溶き卵を回し入れていた。最後にテーブルコショーを振りかける。ネギは買い忘れることが多かった。
食事の支度ができて、テレビを点けると上のアニメがやっていた。女の子が出てくるやつ。
サブカルチャーについては、若い頃に少し嗜んだだけの私でもわかった――これは三級品のアニメだ。放送枠を埋めるためにひとまず作られたような、1話につき実質4分間だけの5分もの作品。それが正体だった。
かわいそうに。作者はどんな想いだったろう。悔しいと思わなかっただろうか。残念ながら、番組製作者にとって優先順位が低いアニメだったのだ。※当時はそう思っていたが、今は違う。
内容だが、女の子同士が仲良くするようなものだった。はっきりいって中味はない。ただ単に、女子高生が仲良くしているか、仲良くしようとアプローチしているだけの。そういうやつだった。だが、観ている最中に何も考えなくていい。それがいいと思って、つい毎回見てしまっていた。
別に興味はない。なんとなく見ているだけだ。深夜帯だから、それ以外に選択がなかった。前後の時間帯にほかのアニメが放送されることもあったが、観ることはなかった。この齢になると、特に30分枠のアニメは見るのがしんどい。子どもと一緒に土日朝のアニメを観るのであれば、まだなんとかなるのだが。
愚痴が長くなった。この章は仕舞いにする。これ以外にもパワハラ職員とか、やる気のない職員とか、省庁間のいがみ合いとか嫌がらせとか、議員と行政との癒着・密着とか、嫌なことはいくつもあったが、本題ではない。
そういうのが知りたい人は、元キャリア官僚が書いた書籍やブログを探して読んでみるといい。意外とみんな、けっこうぶっちゃけている。生々しい。
その人達に比べれば、当記事の内容というのは、やはりベジタブルに違いない。冷静に考えて、野菜よりも肉の方がハイパワーだろう。そういうことだ。
「官僚から政治家になりたい」という想いを抱く人は、一応は存在している。そして、そういう人が政治側から求められる場面もある。
30代に入る頃の話だ。具体的にいつ頃だったかは失念したが、自由民主党で地方自治を担っているグループが各官庁にチラシを配っていた。要するところ、「官僚の皆さんの中で政治家になってみたい人、手を挙げて。ハーイ、ハーイ!!」と、ここまで軽いノリではないが、かくして官僚から政治家へ……というルートを希望する人は一定数いる。
そういう説明会に参加したことがある。「興味本位でいい。年齢関係なし」といったことがチラシに書いてあったが、会場に同年代はほぼいなかった。
説明会の流れは月次だった。自民党のそこそこ偉い人が挨拶をして、後は別の人達に交代して政治家への転身ルートの大まかな説明(国政コースと地方自治コース)があって、最後に簡単なグループ討議だった。
なお、これはずっと昔の話だ。今がどういうシステムかはわからない。
私がいた席の隣には、一回り年上の国土交通省(の前身)の技官であるIさんがいた。体格は小柄だったが、その割には大きく見えた。頭の回転が速くて、こっちが話しても0.5秒でレスポンスが飛んでくる。
Iさんとはグループ討議の後で連絡先を交換して、一度だけ飲みに行った。頭の回転だけじゃなく、教養のある話し方だった。人としてのスペックの違いを感じた。
Iさんが上の説明会に参加した動機は、出世や昇進に関係していた。上に行けないのであれば、いっそ政治の世界で活躍してみたい――そんなことを話していた。
Iさんは、東大でも京大でも筑波大でも東工大でもなく、一般的な国立大学だった。偏差値でいうと50ちょっと。私と同じくらいの。その大学名では正直、立身出世の見込みはなかった。よくて審議官、民間でいうと次長~部長ほどか。今はどうかわからないが、当時は学歴が問われる時代だった。国交省でも、上級管理職は東大が基本だった。
Iさんのキャラクターというのは、古い語彙になるが、ザ・自民党といった雰囲気だった。政治的に保守というやつだ。頭の回転が速いというよりは、物事の道理がわかるというか。いざという時には清濁併せ吞むことができる。そんな具合だ。
かくいう私は、政治家ルートは無理だと感じ、その後にあった面接を受けることはなかった。国会議員になるには地盤も看板も鞄も足りないし、かといって地方自治体に出向して市町村の助役(今でいう副市長)になるのはリスクが高すぎる。もし地場に合わなければどうすればいいのか。どの面を下げて霞が関に帰ればいいのか? いや、というか帰れない。片道切符だ。
でも、本当に政治家になりたい人であれば、不安に打ち勝ってしまえるのだろう。当時の私は、転職を考えはじめていたけれども、今と違って転職市場は整備されていなかった。インターネットでの転職活動も始まったばかりだ。リクナビ黎明期になる。
まあ、それらも言い訳に過ぎない。本気で転職したい人だったら、そんな事情は関係なく転職エージェントに架電していることだろう。心の底では、そこまで転職したいとは思ってなかったのだ。
その後も、厳しい日々が続いた。職責はどんどん増えていくけれども、やりがいは減っていった。給料も見合っていない。時給換算だと千数百円ほどか。上でいう40才になる頃には、自分がなんのために働いているのかわからなくなった。行政ロボットのようだった。
ひたすら政策課題に対して向き合い、法律や常識に照らして世間でいうところの正解と思われる回答を見つけ出し、複数の上司に忖度とやらをしながら仕事を回していた。税制を維持していくためのロボットになっていた。
あと数年以内には、おそらく課長補佐から課長級になる。もっと忙しくなるだろう。子どもを2人育てるなど不可能だ。
もやもやした気分で深夜に帰宅した時、やはり、あのアニメ――『犬神さんと猫山さん』が流れていた。たった三ヶ月の付き合いだったが、少しばかりの息抜きになった。コンビニおにぎりとお茶と、味覇のスープを飲みながら、ほとんど何も考えずに観ていた。
女性同士が仲良くすることに主眼を置いていたのはわかる。メインふたりの関係だけでなく、ほかの女性同士の関係性も描いている。
犬神さんは積極タイプだった。猫山さんのことが大好きだ。ほかの女の子とはいざこざがありながらも、最後には仲良しになっていた気がする。
強いていえば、犬神さんの猫山さんに対するアプローチには、セクシャルハラスメントを構成する要素があった。いきなり抱きついたり、薬物を飲み物に混ぜようとしたり、髪型を自分好みにさせようとしたり、猫山さんの反応が気に入らないとキレたり、ハラスメントし放題だった。デートDVに通じるものがある。人権という観点からは、現代社会で許容されるべきものではない。
この日記を書き始めた頃、ニコニコ動画に登録して全話パックを購入した。順番に話数を巡ったところ、第9話にこういうやり取りがあった。以下、犬神さんを「犬」とし、猫山さんを「猫」とする。
犬「あの~、今なんて……?」
犬「バッカなんですか猫山さん!」
猫「そこまでいうの犬神さん!?」
犬「だって、素晴らしいその猫っ毛を矯正するとか、そんなのって、そんなのって、コーヒーからコーヒー抜くようなものですよ!?」
リアルの高校生ならこういう会話をするのかもしれないが、中年の私には厳しい描写だった。若い人向けの作品なのだからと思いつつ、読者が真似をしたら相手が苦しいことになる――と当時は考えていた。こちら以外にも、若い人なりの情動(リビドー)が爆発するようなシーンがあったのを思い出す。
思えば、若い人向けの作品なのだから、少しオーバーなのがちょうどいいのかもしれない。作者が若年だったのもあるだろう。梶原一騎(巨人の星)にしても、雁屋哲(野望の王国)にしても、巻来功士(メタルK)にしても、CLAMP(聖伝)にしても、荒木飛呂彦(バオー来訪者)にしても、板垣恵介(バキシリーズ)にしても、作者が若いと、エログロやスプラッタや、恋愛的確執や社会的価値観との対峙など、青春期ならではのリビドーに溢れている。反対に、作者が齢を取ってくると確執的関係が雪解けするような、そんなシーンを描くようになる。『バキ親子ケンカ編』などが顕著だ。
あの人達が若かりし頃のマンガというのは、基本線として反社会的だ。反社会的といっても、若者にとっての抑圧を打ち破るという意味での反社会性だ。うまく料理できれば、マンガの魅力として存分に活きてくる。あの人達は、若者のそんな感情を搔き立てるのが抜群にうまかった……と、元若者が振り返ってみる。
追記 Iさんはその後、大成した。少しではあるが本人に馴染みのある地域で、市町村の助役として迎え入れられた。その後、国会議員や職員団体や地元からの応援を受けて市長選に立候補し、並み居る解放同盟の勢力を圧倒して市長になった。
あれから調べてはいないが、きっと長い間お勤めになったのだろう。ああいう人がもっと多くなれば、地方はもっと活性化するに違いない。
Part3/3
そう簡単な話ではない。
宗教法人というフレームワークがなくなると営利法人として宗教を営むのがスタンダードになるだろう。
そうなるとむしろ信者への搾取はおおっぴらにかつ激しくなる可能性もある。
そもそも、宗教法人の税制上の優遇は引き換えに国家から介入を受けやすくなることでもあるため
カルトの強大化を防ぐという統治の論理で欧米などで導入された面もあり、日本もそういった流れを踏襲している。
それこそアメリカでは歴史的にカルト宗教が地方自治の介入を超えた強大な共同体を建設しようとする動きは何度もあったし現在でもそう。
自由主義国家は国家を統一するような強固な価値観を提示できないために常にカルトの脅威にさらされることになるが
結社の自由などの兼ね合いから原理的にカルトを完全につぶすこともできないため、国家内でうまく制御して世代交代失敗による弱体化を狙うという選択肢がとられてきた。
ただしこれは国家内で完結するような宗教団体にのみ有効な手段であり超国家規模の宗教組織に対してはむしろ国を超えた資本蓄積に有利になってしまうという面があるのは事実。
収入があっても「結婚にメリットがない」と考える層にアプローチするため。
実現するとしたら、所得税や住民税などの税率を、結婚していることで利用できる各種の優遇措置が最初から適用された状態に減税し、その分独身税を加えると言う形になるので、負担率は上がらないアプローチが考えられる。
と言う
まぁ思考実験だよな。おっしゃるように穴はたくさんある。貧困は金銭面以外に時間的貧困、生活的貧困など概念を広げて考えた方がいいかもしれない。
あと、独身税という話をし始めれば、単身者がもうちょっと政治に興味を持つようになるかなってのも考えている。政治に興味を持って投票行動などにつなげるようになれば、彼らに向けた政策が増えるかもだから。
子育て支援が手厚くなってきたのは子育てをはじめると行政と付き合い始めるから、地方自治なんかを意識し始める事が大きいと思ってるんだよね。