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2024-11-20

盗っ人猛々しい世の中

これこそ安倍晋三日本に残した最も邪悪レガシーだと思うのよね。盗っ人というと強盗が思い浮かぶがそれはこの話には関係ない。

どれだけ悪事を働こうがそのために人が死のうがひたすら白を切り続けてポストにしがみつく。それが成功してしまったがために後の政治家たちにもそうした振る舞いが伝播していく。羞恥心とか、品格かいったものがまるでない、下劣というか、人間性の部分で愚かというか、そうした人間が増えていく……のかねえ。

世の中これからどうなっていくのかね。まあ自分のやれることやるしかないよね。

で、やれることって何かっていうと、まあ、人にやさしくしましょうってことになるのかね。ごく身近で簡単なところで言えば。簡単っつってもケースバイケースだったりもするけれども。

少し前バズった漫画に、主人公お姉ちゃん統合失調気味なのか、妄想に取りつかれて自作陰謀論唱えるようになっちゃって、主人公がどうにかしようとあれこれ画策した結果、陰謀論を一緒に広めて大衆扇動していくっていうあらすじの話あったじゃないですか。

うろ覚えだけどなんとなく記憶に残ってるのは、居場所のない人、孤独な人、蔑ろにされてきた人、そうした人達の心の隙間を陰謀論は埋めることができるって主人公モノローグで語ってたところで、まあ陰謀論に限らず昔から、人の性として当然だが、ひどい扱い受ければ心が歪むし、心が歪めばひどいこともするよな。狂うよな。おかしいこともするよな。陰謀論がどうのこのという話がしたいというよりかは心の隙間とかそっちの話がしたいわけで。もっと根っこのほうの、ありふれた負の部分というか。

で、そういった人たちを救うだとか、何らかの慈善団体に入って活動するだとか、それはすごく立派なことだが、こういう言い方すると活動してる人達に対するある種の差別みたいな感じになっちゃって良くないんだけど、そうした積極的なことをするパワーだとか勇気だとか覚悟だとかいったもののない人にとって何ができるかっつったらだからまり、心の隙間をほんのちょっとでも埋めてやるってことだわな。

無理にやることはないけれども、家族とか、職場人間とか、学校人間とか、コンビニ店員とか、顔を合わせる人、目のあった人、袖振りあった人なんかに対して、大事にするっていうと仰々しいが、あいさつしたり、ちょっとしたことで礼を言ったり、ちょっとした用事なんか手伝ったり付き合ったり、心に余裕があればな、無理にとは言わんし、しんどいときは無理なものは無理だし、相手とか状況にもよっちゃ難しいが、できればやれることはやったほうがいいわな。余裕なんかねえよなんて人もいっぱいいるだろうが、まあ余裕があったり、気が向いたりすればな。

適当に書いてたら長くなったな。まあいいか自分の周りの顔合わせた人間尊重するとか存在に敬意を払うっていうと仰々しいが、なんとなくでもやさしくしてあげれば、その影響ってものは微々たるものだろうけども、多少なり心の隙間を埋めてやれるのは確かなんじゃなかろうか。それで人を変えるだとか変えてやろうだとか気張らんでも。

サステナビリティって言葉最近よく使われるが、いい世の中を、世の中っていうと大きすぎるイメージだが、手の届くところから、いい関係をサステインしていきたいわな。小さい世界でも狭い世界でもそれも一種世界平和というか。

2024-11-18

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やはりリアル逮捕歴かBAN歴、またはそれに準ずる成績は欲しい

それが横綱品格というものだろう

2024-10-30

anond:20241030183355

あー、プライドとか品格とかないような貧民なんだねー

2024-10-29

今日弱者男性バーに行ってきた

最近話題の「弱者男性バー」に足を運ぶことにしました。ここでは、美人弱者男性たちが接待してくれる特別空間が広がっています今日特別な日で、「逆バニーの日」。逆バニースタイルでのおもてなしを受けられるとのことで、ドキドキが止まりません。

バニーの日の魅力

バーに入ると、まさに目を奪われる光景が広がっていました。色とりどりの逆バニー姿のキャストたちが、笑顔で迎えてくれます。彼らの衣装は、通常のバニーとは一味違っていて、魅惑的な雰囲気が漂っています

「いらっしゃいませ!」

と、明るい声で迎えてくれたのは、逆バニースタイル美人キャスト。彼の笑顔に思わずドキッとしました。

色っぽさと品格の共演

カウンターに座り、ドリンクを注文すると、色っぽいキャストたちが近くに寄ってきます。彼らの色気はもちろんですが、何よりもその品格が際立っているのです。普段生活では味わえない特別体験に、心が躍ります

特に人気だったのは、一際色っぽさと品格を併せ持つキャストの子。彼は、しっかりとしたおもてなしをしながらも、どこか余裕を感じさせる魅力がありました。会話が弾むたびに、その存在感がより一層際立ちます

私たちサービスを楽しんでくださいね!」

と彼が言うと、周囲の視線が集まりました。まさに、その言葉の裏にある自信と魅力が、多くの人を惹きつけるんだろう。

特別なひととき

ドリンクを飲みながら、彼らとの会話を楽しむ時間はあっという間に過ぎていきました。彼らの笑顔優しい言葉に癒されながら、まるで夢の中にいるかのような感覚を味わいます。色っぽさだけでなく、品のある振る舞いがとても心地よく、何度も通いたくなる魅力を感じました。

終わりに

この特別弱者男性バーでのひとときは、心に深く刻まれる思い出となりました。逆バニーの日という特別イベントが、こんなにも素晴らしい体験をもたらしてくれるとは、まさに予想以上でした。

また訪れる日が待ち遠しいです!次回はどんなキャスト出会えるのか、楽しみでなりません。弱者男性バー、最高でした!

2024-10-26

花とゆめ」史上最も重要マンガ10

10/27 27時ごろまでにいただいたブコメトラバをまとめました! お寄せいただいた知見に助けられております。ご興味のある方はぜひ。

anond:20241028032312

<以下本文>

集英社別冊マーガレット」の名編集長・小長井信昌が74年「花とゆめ」創刊編集長就任(のちに「LaLa」「ヤングアニマル」でも創刊編集長を務める)。氏が別マから引き抜いてきた漫画家が、最初期の「花とゆめ」を支えた。

美内すずえガラスの仮面』(1975~)

和田慎二スケバン刑事』(1975~82)

 2作まとめて、令和の今でも作品が生きているな、と思わせる説明不要の名作(前者は「連載中」ではありますが)。月刊誌→月2回刊化の目玉として2作同時に連載スタートコンテンツの息の長さに、編集長の慧眼が察せられる。

魔夜峰央パタリロ!』(1978~)

 主人公マリネラ王国国王パタリロに次いで2番手キャラクターはMI6少佐バンコラン。彼は主に美少年を愛好する同性愛者で、本作はギャグマンガだが 「同性愛であることそのもの」を揶揄していない点に、作者の品格を見る。

 作中に「ドイツギムナジウムで一緒だったんです」「11月ごろ?」というやり取りを挟むなど萩尾望都ファンであることがわかる。82年アニメ化。「花とゆめ」というより白泉社として最初アニメ化

(ここまでが集英社移籍組)

川原泉甲子園の空に笑え!』(1984

 どの作品を推すかが分かれる。世間的には『笑う大天使』(1987~88)が有名で傑作集を出す際のアンケートでも番外編の『オペラ座の怪人』(1988)が2位だが

 ・作者ご本人はまったくスポ根の人ではないのに、スポーツものに傑作がある

 ・甲子園という制度批評視点を投入 と、一歩踏み込んでいる本作をリストアップ個人的には『月夜のドレス』(1984)が好き。

日渡早紀ぼくの地球を守って』(198692)

 メディアミックスとしてはOVAのみであるが「前世ブーム」の火付け役として爆発的な人気を誇った。※ラジオドラマあり。ブコメご指摘感謝

 『スケバン刑事』のような「悪に対する憎悪」ではなく「優秀だが他人を寄せ付けない戦災孤児と品行方正な優等生との、互いに相反する感情」など愛憎の陰影が濃い大人びた作風に、当時の読者(主に10少女)は魅了された。

 「久しぶり 君には心底会いたかったよ 秋海棠」以上にインパクトのある「ひき」を未だに知らない。

佐々木倫子動物のお医者さん』(1987~93)

 こちらも説明不要の名作。菊池規子『わが輩はノラ公』(1973~78)以来人語を話すペットが出てくる作品はたびたび登場したが 「人語は解するけどしゃべれない(しかし主張はする)動物たち」が出てきたところが新機軸。よくない形で「ハスキーブーム」がありました…。

 ※飯森広一『ぼくの動物日記』(1972~75)はノンフィクションなので除外してます

(このあたりで「男性読者も多い花とゆめ時代終焉したと思っている)

羅川真里茂赤ちゃんと僕』(1991~97)

 続く『ニューヨーク・ニューヨーク』(1997~98)、『しゃにむにGO』(1998~2009)と第一線で花ゆめ本誌を支えた大功労者。『赤僕』は白泉社では初めて他社の漫画賞(小学館漫画賞・1994)を受賞。ヤングケアラー立場に置かれた小学5年生が主人公90年代父子家庭活写した作品となった。熱量のあるドラマ巧者。

中条比紗也花ざかりの君たちへ』(1996~2004)

 2006年台湾ドラマ化、2007・2011に日本、2012に韓国ドラマ化。そして今年、初のアニメ化が発表されている。日本ではプライム枠連ドラ案件で『ガラかめ』『スケバン刑事』とは違う、読者ターゲットを広く取れるラブコメが、あの「花ゆめ」から出たのだなぁと感慨。

高屋奈月フルーツバスケット』(1998~2006)

 アラサーアラフォーですかね)のオタク女子から作品名が挙がることが多い。

 2007年に「もっとも売れている少女マンガ」として、ギネスブック認定されているそうで2001年アニメ化・2019~21の再アニメ化・2022の劇場上映の実績は立派。十二支を背景にしたキャラ設定等、往年の「花ゆめ」らしさが光る(私見)。

(ここから00年代デビュー漫画家が飛んでしまます申し訳なし…)

師走ゆき多聞くん、今どっち!?』(2021~)

 連載中のラインナップで、今一番勢いがあると思われる作品アニメ化も決定。男性アイドルキャラ)・推し活…と、イマドキの設定は鈴木ジュリエッタ推し甘噛み」(2022~)でも同様で、ここが今の「花とゆめ」の現在地である

 ※「創刊50周年記念 花とゆめ展」ブックレットでは2人の対談が掲載されている

三原順はみだしっ子』(1975~81)

 選外ってありえないですよね。すみません…。

高口里純『久美と森男のラブメロディ』シリーズ(1979~82)

 『花のあすか組』(1987~95)が代表作でありつつ『グランマの憂鬱』(2015~)が昨年萬田久子主演でドラマ化もされている、息の長い漫画家

 1985年角川書店(当時)がコミック進出して地殻変動が起きた年で、そのタイミングで白泉専属ではなくなってしまった。 「別冊花とゆめ」連載「赤鼻のアズナブル」(1982~83)、別花短編だと「優しい瞳」(1984)が好き。

酒井美羽『マンハッタンサンセット』(1980)

 この方も白泉社を離れ角川へ。『ミミと州青さんシリーズ』(1979~85)が人気&今はなき「シルキー」でレディースたくさん描いてましたが、一瞬ミステリーサスペンスものも手掛けていました。こっち路線もよかったのになぁ。増刊号掲載『異国にて』(1984)がベストですが本誌掲載作ということで『マンハッタン』を。

柴田昌弘『第三の娘』(1980)

 別マ移籍組、和田慎二の盟友。『紅い牙 ブルーソネット』(1981~86)ですよね。とはいえこのシリーズ別マから移籍なので、あえて本誌掲載短編を選んでみました。綾波レイみたいなタイトルですが、まさに綾波のようなお話です(ネタバレ回避)。

河惣益巳ツーリングエクスプレス』(1981~87)

 ヨーロッパ舞台にした華やかな作風。ほかの作品海外モノ多し。

野間由紀パズルゲームはいすくーる』(1983~90)

 制服高校生ミステリもの嚆矢といってよいのでは。近い年次のデビューだと佐々木倫子よりずっと早くブレイクメディアミックスに縁がなかったのが不思議表題作では『消えた肖像画』が大変な秀作。1巻所収。

星野架名『緑野原学園シリーズ』(1983~92

 「花とゆめ」の「80年代後半のSFもの」のストーリーや絵柄の象徴キャラ造形についてはフォロワーがたくさんいた記憶

那須雪絵『ここはグリーン・ウッド』(1986~91)

 代表作はこれだってわかってるけど、白泉社作品なら私は『フラワーデストロイヤー』シリーズ最終編 『ダーク・エイジ』(1991)が好き。

山口美由紀プリンセス症候群』(1988)

 1巻完結の表題作かわいい短編集。所収の『月光夜曲ムーンライトセレナーデ−』がすごくよかったの、思い出しました。ビッグヒットがないの、なんでなんだ…。

山内直実なんて素敵にジャパネスク』(1988~93)

 氷室冴子原作ものの中で、長く支持されたコミカライズ成功例かと。

由貴香織里天使禁猟区』(1994~2000)

 すごく売れてた! 世界観が魅惑的で熱いファンが多く、「ぼく球」以来のビッグタイトルが出たと思いました。絵のタッチも今見ても素晴らしい。

山田南平紅茶王子』(1996~2004)

 代表作はこれだってわかってるけど「赤僕」より少し前にスタートした『久美子&信吾シリーズ』(1990~97)が好き。女子高生小学男子カップル物語大人になった坂田小沢にはハッピーエンドになってほしかったなー。

鈴木ジュリエッタ神様はじめました』(2008~16)

 いずれ『推し甘噛み』の人になるかもですが、まだこちらの方が有名かと。2012・15のアニメ化聖地巡礼企画も出ていました。

安斎かりん『顔だけじゃ好きになりません』(2020~)

 こちらも「推しもので、実写映画化が決定しています

<番外・別冊花とゆめ枠>

都戸利津『嘘解きレトリック』(2012~18)

オリジナルコミックス「環状白馬車掌の英さん」(2009)からずっと、ハートフルストーリーを展開。恋愛重視の作風ではない、往年(年配)の読者が考える「花ゆめらしさ」は別花に残っていたのかも。それがまさか月9原作。やはり時代は変わった。

明智抄サンプル・キティ』(1993~95)

ここまで挙げた白泉社作品の中では一番好き。とはいえ代表作は『始末人シリーズ』(1983~91)かと。このパターン多い。大大大好きな明智抄で(同人誌単行本未収録作品集」全5巻はコンプリート10選にも入れたかったのですが、作品リストを振り返ると『始末人』ですら本誌・別冊を行ったり来たり(後半は別花)、かと思うと「チツケイレン」の「アフロディーテはきずつかない」(1988)が単発で本誌に載ったりして、編集部運用どうしてたん…と。これからも読み続けることには変わりないのですが。

近作に抜け漏れ多くてすみません。明らかな抜けは増田知識アンテナが欠落している箇所です。とはいえ総論として、ガラかめ動物のお医者さんまでは不動かな、と。

もしよかったらブコメでいろいろと教えてください。

※著者名誤り、表記等一部修正しました。ご指摘ありがとうございました(深謝)。

2024-10-18

旅行者金持ちから優しいのだろうか

都内在住のキジョだけど

母親と5歳と1歳の子供たちの三人で旅行して羽田空港に帰ったら

周りの旅行者の方々が「何か手伝うことはないですか?」って何度も声をかけてくれた

こちらは大人一人しかいなくて、ちいさい子供二人相手にしてたから大変そうに見えたんだね

身なりもよくて品がある人達が声をかけてくるので

やはり金持ち品格があって優しいんだねって思った

私の知り合いのお金持ちもお金があって心に余裕があるからか、優しい人たちばかりです。

2024-10-02

九  与次郎が勧めるので、三四郎はとうとう精養軒の会へ出た。その時三四郎は黒い紬の羽織を着た。この羽織は、三輪田のお光さんのおっかさんが織ってくれたのを、紋付に染めて、お光さんが縫い上げたものだと、母の手紙に長い説明がある。小包みが届いた時、いちおう着てみて、おもしろくないから、戸棚へ入れておいた。それを与次郎が、もったいないからぜひ着ろ着ろと言う。三四郎が着なければ、自分が持っていって着そうな勢いであたから、つい着る気になった。着てみると悪くはないようだ。  三四郎はこのいでたちで、与次郎と二人で精養軒の玄関に立っていた。与次郎の説によると、お客はこうして迎えべきものだそうだ。三四郎はそんなこととは知らなかった。第一自分がお客のつもりでいた。こうなると、紬の羽織ではなんだか安っぽい受け付けの気がする。制服を着てくればよかったと思った。そのうち会員がだんだん来る。与次郎は来る人をつらまえてきっとなんとか話をする。ことごとく旧知のようにあしらっている。お客が帽子外套給仕に渡して、広い梯子段の横を、暗い廊下の方へ折れると、三四郎に向かって、今のは誰某だと教えてくれる。三四郎はおかげで知名な人の顔をだいぶ覚えた。  そのうちお客はほぼ集まった。約三十人足らずである広田先生もいる。野々宮さんもいる。――これは理学者だけれども、絵や文学が好きだからというので、原口さんが、むりに引っ張り出したのだそうだ。原口さんはむろんいる。いちばんさきへ来て、世話を焼いたり、愛嬌を振りまいたり、フランス式の髯をつまんでみたり、万事忙しそうである。  やがて着席となった。めいめいかってな所へすわる。譲る者もなければ、争う者もない。そのうちでも広田先生のろいにも似合わずいちばんに腰をおろししまった。ただ与次郎三四郎けがいっしょになって、入口に近く座を占めた。その他はことごとく偶然の向かい合わせ、隣同志であった。  野々宮さんと広田先生あいだに縞の羽織を着た批評家がすわった。向こうには庄司という博士が座に着いた。これは与次郎のいわゆる文科で有力な教授であるフロックを着た品格のある男であった。髪を普通の倍以上長くしている。それが電燈の光で、黒く渦をまいて見える。広田先生坊主頭と比べるとだいぶ相違がある。原口さんはだいぶ離れて席を取った。あちらの角だから、遠く三四郎と真向かいになる。折襟に、幅の広い黒襦子を結んださきがぱっと開いて胸いっぱいになっている。与次郎が、フランスの画工は、みんなああいう襟飾りを着けるものだと教えてくれた。三四郎肉汁を吸いながら、まるで兵児帯の結び目のようだと考えた。そのうち談話だんだん始まった。与次郎ビールを飲む。いつものように口をきかない。さすがの男もきょうは少々謹んでいるとみえる。三四郎が、小さな声で、 「ちと、ダーターファブラをやらないか」と言うと、「きょうはいけない」と答えたが、すぐ横を向いて、隣の男と話を始めた。あなたの、あの論文を拝見して、大いに利益を得ましたとかなんとか礼を述べている。ところがその論文は、彼が自分の前で、さかんに罵倒したものから三四郎にはすこぶる不思議の思いがある。与次郎はまたこっちを向いた。 「その羽織はなかなかりっぱだ。よく似合う」と白い紋をことさら注意してながめている。その時向こうの端から原口さんが、野々宮に話しかけた。元来が大きな声の人だから、遠くで応対するにはつごうがいい。今まで向かい合わせに言葉をかわしていた広田先生庄司という教授は、二人の応答を途中でさえぎることを恐れて、談話をやめた。その他の人もみんな黙った。会の中心点がはじめてできあがった。 「野々宮さん光線の圧力試験はもう済みましたか」 「いや、まだなかなかだ」 「ずいぶん手数がかかるもんだね。我々の職業も根気仕事だが、君のほうはもっと激しいようだ」 「絵はインスピレーションですぐかけるからいいが、物理実験はそううまくはいかない」 「インスピレーションには辟易する。この夏ある所を通ったらばあさんが二人で問答をしていた。聞いてみると梅雨はもう明けたんだろうか、どうだろうかという研究なんだが、一人のばあさんが、昔は雷さえ鳴れば梅雨は明けるにきまっていたが、近ごろじゃそうはいかないとこぼしている。すると一人がどうしてどうして、雷ぐらいで明けることじゃありゃしないと憤慨していた。――絵もそのとおり、今の絵はインスピレーションぐらいでかけることじゃありゃしない。ねえ田村さん、小説だって、そうだろう」  隣に田村という小説家がすわっていた。この男は自分インスピレーション原稿の催促以外になんにもないと答えたので、大笑いになった。田村は、それから改まって、野々宮さんに、光線に圧力があるものか、あれば、どうして試験するかと聞きだした。野々宮さんの答はおもしろかった。――  雲母か何かで、十六武蔵ぐらいの大きさの薄い円盤を作って、水晶の糸で釣るして、真空のうちに置いて、この円盤の面へ弧光燈の光を直角にあてると、この円盤が光に圧されて動く。と言うのである。  一座は耳を傾けて聞いていた。なかに三四郎は腹のなかで、あの福神漬の缶のなかに、そんな装置がしてあるのだろうと、上京のさい、望遠鏡で驚かされた昔を思い出した。 「君、水晶の糸があるのか」と小さい声で与次郎に聞いてみた。与次郎は頭を振っている。 「野々宮さん、水晶の糸がありますか」 「ええ、水晶の粉をね。酸水素吹管の炎で溶かしておいて、両方の手で、左右へ引っ張ると細い糸ができるのです」  三四郎は「そうですか」と言ったぎり、引っ込んだ。今度は野々宮さんの隣にいる縞の羽織批評家が口を出した。 「我々はそういう方面へかけると、全然無学なんですが、はじめはどうして気がついたものでしょうな」 「理論上はマクスウェル以来予想されていたのですが、それをレベデフという人がはじめて実験証明したのです。近ごろあの彗星の尾が、太陽の方へ引きつけられべきはずであるのに、出るたびにいつでも反対の方角になびくのは光の圧力で吹き飛ばされるんじゃなかろうかと思いついた人もあるくらいです」  批評家はだいぶ感心したらしい。 「思いつきもおもしろいが、第一大きくていいですね」と言った。 「大きいばかりじゃない、罪がなくって愉快だ」と広田先生が言った。 「それでその思いつきがはずれたら、なお罪がなくっていい」と原口さんが笑っている。 「いや、どうもあたっているらしい。光線の圧力は半径の二乗に比例するが、引力のほうは半径の三乗に比例するんだから、物が小さくなればなるほど引力のほうが負けて、光線の圧力が強くなる。もし彗星の尾が非常に細かい小片からできているとすれば、どうしても太陽とは反対の方へ吹き飛ばされるわけだ」  野々宮は、ついまじめになった。すると原口が例の調子で、 「罪がない代りに、たいへん計算がめんどうになってきた。やっぱり一利一害だ」と言った。この一言で、人々はもとのとおりビールの気分に復した。広田先生が、こんな事を言う。 「どうも物理学者は自然派じゃだめのようだね」  物理学者と自然派の二字は少なからず満場の興味を刺激した。 「それはどういう意味ですか」と本人の野々宮さんが聞き出した。広田先生説明しなければならなくなった。 「だって、光線の圧力試験するために、目だけあけて、自然を観察していたって、だめだからさ。自然献立のうちに、光線の圧力という事実印刷されていないようじゃないか。だから人工的に、水晶の糸だの、真空だの、雲母だのという装置をして、その圧力物理学者の目に見えるように仕掛けるのだろう。だから自然派じゃないよ」 「しか浪漫派でもないだろう」と原口さんがまぜ返した。 「いや浪漫派だ」と広田先生がもったいらしく弁解した。「光線と、光線を受けるものとを、普通自然界においては見出せないような位置関係に置くところがまったく浪漫派じゃないか」 「しかし、いったんそういう位置関係に置いた以上は、光線固有の圧力を観察するだけだからそれからあとは自然派でしょう」と野々宮さんが言った。 「すると、物理学者は浪漫自然派ですね。文学のほうでいうと、イブセンのようなものじゃないか」と筋向こうの博士比較を持ち出した。 「さよう、イブセンの劇は野々宮君と同じくらいな装置があるが、その装置の下に働く人物は、光線のように自然法則に従っているか疑わしい」これは縞の羽織批評家言葉であった。 「そうかもしれないが、こういうことは人間研究上記憶しておくべき事だと思う。――すなわち、ある状況のもとに置かれた人間は、反対の方向に働きうる能力権力とを有している。ということなんだが、――ところが妙な習慣で、人間も光線も同じように器械的の法則に従って活動すると思うものから、時々とんだ間違いができる。おこらせようと思って装置をすると、笑ったり、笑わせようともくろんでかかると、おこったり、まるで反対だ。しかしどちらにしても人間に違いない」と広田先生がまた問題を大きくしてしまった。 「じゃ、ある状況のもとに、ある人間が、どんな所作をしてもしぜんだということになりますね」と向こうの小説家が質問した。広田先生は、すぐ、 「ええ、ええ。どんな人間を、どう描いても世界に一人くらいはいるようじゃないですか」と答えた。「じっさい人間たる我々は、人間しからざる行為動作を、どうしたって想像できるものじゃない。ただへたに書くから人間と思われないのじゃないですか」  小説家はそれで黙った。今度は博士がまた口をきいた。 「物理学者でも、ガリレオ寺院釣りランプの一振動時間が、振動の大小にかかわらず同じであることに気がついたり、ニュートン林檎が引力で落ちるのを発見したりするのは、はじめから自然派ですね」 「そういう自然派なら、文学のほうでも結構でしょう。原口さん、絵のほうでも自然派がありますか」と野々宮さんが聞いた。 「あるとも。恐るべきクールベエというやつがいる。v※(アキュートアクセント付きE小文字)rit※(アキュートアクセント付きE小文字) vraie. なんでも事実でなければ承知しない。しかしそう猖獗を極めているものじゃない。ただ一派として存在を認められるだけさ。またそうでなくっちゃ困るからね。小説だって同じことだろう、ねえ君。やっぱりモローや、シャバンヌのようなのもいるはずだろうじゃないか」 「いるはずだ」と隣の小説家が答えた。  食後には卓上演説も何もなかった。ただ原口さんが、しきりに九段の上の銅像悪口を言っていた。あん銅像をむやみに立てられては、東京市民が迷惑する。それより、美しい芸者銅像でもこしらえるほうが気が利いているという説であった。与次郎三四郎九段銅像原口さんと仲の悪い人が作ったんだと教えた。  会が済んで、外へ出るといい月であった。今夜の広田先生庄司博士によい印象を与えたろうかと与次郎が聞いた。三四郎は与えたろうと答えた。与次郎は共同水道栓のそばに立って、この夏、夜散歩に来て、あまり暑いからここで水を浴びていたら、巡査に見つかって、擂鉢山へ駆け上がったと話した。二人は擂鉢山の上で月を見て帰った。  帰り道に与次郎三四郎に向かって、突然借金言い訳をしだした。月のさえた比較寒いである三四郎ほとんど金の事などは考えていなかった。言い訳を聞くのでさえ本気ではない。どうせ返すことはあるまいと思っている。与次郎もけっして返すとは言わない。ただ返せない事情をいろいろに話す。その話し方のほうが三四郎にはよほどおもしろい。――自分の知ってるさる男が、失恋の結果、世の中がいやになって、とうとう自殺をしようと決心したが、海もいや川もいや、噴火口はなおいや、首をくくるのはもっともいやというわけで、やむをえず短銃を買ってきた。買ってきて、まだ目的遂行しないうちに、友だちが金を借りにきた。金はないと断ったが、ぜひどうかしてくれと訴えるので、しかたなしに、大事の短銃を貸してやった。友だちはそれを質に入れて一時をしのいだ。つごうがついて、質を受け出して返しにきた時は、肝心の短銃の主はもう死ぬ気がなくなっていた。だからこの男の命は金を借りにこられたために助かったと同じ事である。 「そういう事もあるからなあ」と与次郎が言った。三四郎にはただおかしいだけである。そのほかにはなんらの意味もない。高い月を仰いで大きな声を出して笑った。金を返されないでも愉快である与次郎は、 「笑っちゃいかん」と注意した。三四郎はなおおかしくなった。 「笑わないで、よく考えてみろ。おれが金を返さなければこそ、君が美禰子さんから金を借りることができたんだろう」  三四郎は笑うのをやめた。 「それで?」 「それだけでたくさんじゃないか。――君、あの女を愛しているんだろう」  与次郎はよく知っている。三四郎はふんと言って、また高い月を見た。月のそばに白い雲が出た。 「君、あの女には、もう返したのか」 「いいや」 「いつまでも借りておいてやれ」  のん気な事を言う。三四郎はなんとも答えなかった。しかいつまでも借りておく気はむろんなかった。じつは必要な二十円を下宿へ払って、残りの十円をそのあくる日すぐ里見の家へ届けようと思ったが、今返してはかえって、好意にそむいて、よくないと考え直して、せっかく門内に、はいられる機会を犠牲にしてまでも引き返した。その時何かの拍子で、気がゆるんで、その十円をくずしてしまった。じつは今夜の会費もそのうちから出ている。自分ばかりではない。与次郎のもそのうちから出ている。あとには、ようやく二、三円残っている。三四郎はそれで冬シャツを買おうと思った。  じつは与次郎がとうてい返しそうもないから、三四郎は思いきって、このあいだ国元へ三十円の不足を請求した。十分な学資を月々もらっていながら、ただ不足だからといって請求するわけにはゆかない。三四郎はあまり嘘をついたことのない男だから請求理由にいたって困却した。しかたがないからただ友だちが金をなくして弱っていたから、つい気の毒になって貸してやった。その結果として、今度はこっちが弱るようになった。どうか送ってくれと書いた。  すぐ返事を出してくれれば、もう届く時分であるのにまだ来ない。今夜あたりはことによると来ているかもしれぬくらいに考えて、下宿へ帰ってみると、はたして、母の手蹟で書いた封筒ちゃんと机の上に乗っている。不思議なことに、いつも必ず書留で来るのが、きょうは三銭切手一枚で済ましてある。開いてみると、中はいつになく短かい。母としては不親切なくらい、用事だけで申し納めてしまった。依頼の金は野々宮さんの方へ送ったから、野々宮さんから受け取れというさしずにすぎない。三四郎は床を取ってねた。  翌日もその翌日も三四郎は野々宮さんの所へ行かなかった。野々宮さんのほうでもなんともいってこなかった。そうしているうちに一週間ほどたった。しまいに野々宮さんから下宿下女を使いに手紙をよこした。おっかさんからまれものがあるからちょっと来てくれろとある三四郎講義の隙をみて、また理科大学の穴倉へ降りていった。そこで立談のあいだに事を済ませようと思ったところが、そううまくはいかなかった。この夏は野々宮さんだけで専領していた部屋に髭のはえた人が二、三人いる。制服を着た学生も二、三人いる。それが、みんな熱心に、静粛に、頭の上の日のあたる世界をよそにして、研究をやっている。そのうちで野々宮さんはもっと多忙に見えた。部屋の入口に顔を出した三四郎ちょっと見て、無言のまま近寄ってきた。 「国から、金が届いたから、取りに来てくれたまえ。今ここに持っていないから。それからまだほかに話す事もある」  三四郎ははあと答えた。今夜でもいいかと尋ねた。野々宮はすこしく考えていたが、しまいに思いきってよろしいと言った。三四郎はそれで穴倉を出た。出ながら、さすがに理学者は根気のいいものだと感心した。この夏見た福神漬の缶と、望遠鏡が依然としてもとのとおりの位置に備えつけてあった。  次の講義時間与次郎に会ってこれこれだと話すと、与次郎はばかだと言わないばかりに三四郎をながめて、 「だからいつまでも借りておいてやれと言ったのに。よけいな事をして年寄りには心配をかける。宗八さんにはお談義をされる。これくらい愚な事はない」とまるで自分から事が起こったとは認めていない申し分である三四郎もこの問題に関しては、もう与次郎責任を忘れてしまった。したがって与次郎の頭にかかってこない返事をした。 「いつまでも借りておくのは、いやだから、家へそう言ってやったんだ」 「君はいやでも、向こうでは喜ぶよ」 「なぜ」  このなぜが三四郎自身はいくぶんか虚偽の響らしく聞こえた。しか相手にはなんらの影響も与えなかったらしい。 「あたりまえじゃないか。ぼくを人にしたって、同じことだ。ぼくに金が余っているとするぜ。そうすれば、その金を君から返してもらうよりも、君に貸しておくほうがいい心持ちだ。人間はね、自分が困らない程度内で、なるべく人に親切がしてみたいものだ」  三四郎は返事をしないで、講義を筆記しはじめた。二、三行書きだすと、与次郎がまた、耳のそばへ口を持ってきた。 「おれだって、金のある時はたびたび人に貸したことがある。しかしだれもけっして返したものがない。それだからおれはこのとおり愉快だ」  三四郎まさか、そうかとも言えなかった。薄笑いをしただけで、またペンを走らしはじめた。与次郎それからはおちついて、時間の終るまで口をきかなかった。  ベルが鳴って、二人肩を並べて教場を出る時、与次郎が、突然聞いた。

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「あの女は君にほれているのか」

 二人のあとから続々聴講生が出てくる。三四郎はやむをえず無言のまま梯子段を降りて横手玄関から図書館わきの空地へ出て、はじめて与次郎を顧みた。

「よくわからない」

 与次郎はしばらく三四郎を見ていた。

「そういうこともある。しかしよくわかったとして、君、あの女の夫になれるか」

 三四郎はいまだかつてこの問題を考えたことがなかった。美禰子に愛せられるという事実のものが、彼女の夫たる唯一の資格のような気がしていた。言われてみると、なるほど疑問である三四郎は首を傾けた。

「野々宮さんならなれる」と与次郎が言った。

「野々宮さんと、あの人とは何か今までに関係があるのか」

 三四郎の顔は彫りつけたようにまじめであった。与次郎一口

「知らん」と言った。三四郎は黙っている。

「また野々宮さんの所へ行って、お談義を聞いてこい」と言いすてて、相手は池の方へ行きかけた。三四郎は愚劣の看板のごとく突っ立った。与次郎は五、六歩行ったが、また笑いながら帰ってきた。

「君、いっそ、よし子さんをもらわないか」と言いながら、三四郎を引っ張って、池の方へ連れて行った。歩きながら、あれならいい、あれならいいと、二度ほど繰り返した。そのうちまたベルが鳴った。

 三四郎はその夕方野々宮さんの所へ出かけたが、時間がまだすこし早すぎるので、散歩かたがた四丁目まで来て、シャツを買いに大きな唐物屋へはいった。小僧が奥からいろいろ持ってきたのをなでてみたり、広げてみたりして、容易に買わない。わけもなく鷹揚にかまえていると、偶然美禰子とよし子が連れ立って香水を買いに来た。あらと言って挨拶をしたあとで、美禰子が、

「せんだってありがとう」と礼を述べた。三四郎にはこのお礼の意味が明らかにわかった。美禰子から金を借りたあくる日もう一ぺん訪問して余分をすぐに返すべきところを、ひとまず見合わせた代りに、二日ばかり待って、三四郎は丁寧な礼状を美禰子に送った。

 手紙文句は、書いた人の、書いた当時の気分をすなおに表わしたものではあるが、むろん書きすぎている。三四郎はできるだけの言葉を層々と排列して感謝の意を熱烈にいたした。普通の者から見ればほとんど借金の礼状とは思われないくらいに、湯気の立ったものであるしか感謝以外には、なんにも書いてない。それだから自然の勢い、感謝感謝以上になったのでもある。三四郎はこの手紙ポストに入れる時、時を移さぬ美禰子の返事を予期していた。ところがせっかくの封書はただ行ったままであるそれから美禰子に会う機会はきょうまでなかった。三四郎はこの微弱なる「このあいだはありがとう」という反響に対して、はっきりした返事をする勇気も出なかった。大きなシャツを両手で目のさきへ広げてながめながら、よし子がいるからああ冷淡なんだろうかと考えた。それからこのシャツもこの女の金で買うんだなと考えた。小僧はどれになさいますと催促した。

 二人の女は笑いながらそばへ来て、いっしょにシャツを見てくれた。しまいに、よし子が「これになさい」と言った。三四郎はそれにした。今度は三四郎のほうが香水相談を受けた。いっこうわからない。ヘリオトロープと書いてある罎を持って、いいかげんに、これはどうですと言うと、美禰子が、「それにしましょう」とすぐ決めた。三四郎は気の毒なくらいであった。

 表へ出て別れようとすると、女のほうが互いにお辞儀を始めた。よし子が「じゃ行ってきてよ」と言うと、美禰子が、「お早く……」と言っている。聞いてみて、妹が兄の下宿へ行くところだということがわかった。三四郎はまたきれいな女と二人連で追分の方へ歩くべき宵となった。日はまだまったく落ちていない。

 三四郎はよし子といっしょに歩くよりは、よし子といっしょに野々宮の下宿で落ち合わねばならぬ機会をいささか迷惑に感じた。いっそのこと今夜は家へ帰って、また出直そうかと考えた。しかし、与次郎のいわゆるお談義を聞くには、よし子がそばにいてくれるほうが便利かもしれない。まさか人の前で、母から、こういう依頼があったと、遠慮なしの注意を与えるわけはなかろう。ことによると、ただ金を受け取るだけで済むかもわからない。――三四郎は腹の中で、ちょっとずるい決心をした。

「ぼくも野々宮さんの所へ行くところです」

「そう、お遊びに?」

「いえ、すこし用があるんです。あなたは遊びですか」

「いいえ、私も御用なの」

 両方が同じようなことを聞いて、同じような答を得た。しかし両方とも迷惑を感じている気色がさらにない。三四郎は念のため、じゃまじゃないかと尋ねてみた。ちっともじゃまにはならないそうである。女は言葉でじゃまを否定したばかりではない。顔ではむしろなぜそんなことを質問するかと驚いている。三四郎は店先のガスの光で、女の黒い目の中に、その驚きを認めたと思った。事実としては、ただ大きく黒く見えたばかりである

バイオリンを買いましたか

「どうして御存じ」

 三四郎は返答に窮した。女は頓着なく、すぐ、こう言った。

いくら兄さんにそう言っても、ただ買ってやる、買ってやると言うばかりで、ちっとも買ってくれなかったんですの」

 三四郎は腹の中で、野々宮よりも広田よりも、むしろ与次郎非難した。

 二人は追分の通りを細い路地に折れた。折れると中に家がたくさんある。暗い道を戸ごとの軒燈が照らしている。その軒燈の一つの前にとまった。野々宮はこの奥にいる。

 三四郎下宿とはほとんど一丁ほどの距離である。野々宮がここへ移ってから三四郎は二、三度訪問したことがある。野々宮の部屋は広い廊下を突き当って、二段ばかりまっすぐに上がると、左手に離れた二間である。南向きによその広い庭をほとんど椽の下に控えて、昼も夜も至極静かである。この離れ座敷に立てこもった野々宮さんを見た時、なるほど家を畳んで下宿をするのも悪い思いつきではなかったと、はじめて来た時から、感心したくらい、居心地のいい所である。その時野々宮さんは廊下下りて、下から自分の部屋の軒を見上げて、ちょっと見たまえ、藁葺だと言った。なるほど珍しく屋根に瓦を置いてなかった。

 きょうは夜だから屋根はむろん見えないが、部屋の中には電燈がついている。三四郎は電燈を見るやいなや藁葺を思い出した。そうしておかしくなった。

「妙なお客が落ち合ったな。入口で会ったのか」と野々宮さんが妹に聞いている。妹はしからざるむねを説明している。ついでに三四郎のようなシャツを買ったらよかろうと助言している。それから、このあいだのバイオリン和製で音が悪くっていけない。買うのをこれまで延期したのだから、もうすこし良いのと買いかえてくれと頼んでいる。せめて美禰子さんくらいのなら我慢すると言っている。そのほか似たりよったりの駄々をしきりにこねている。野々宮さんはべつだんこわい顔もせず、といって、優しい言葉もかけず、ただそうかそうかと聞いている。

 三四郎はこのあいだなんにも言わずにいた。よし子は愚な事ばかり述べる。かつ少しも遠慮をしない。それがばかとも思えなければ、わがままとも受け取れない。兄との応待をそばにいて聞いていると、広い日あたりのいい畑へ出たような心持ちがする。三四郎は来たるべきお談義の事をまるで忘れてしまった。その時突然驚かされた。

「ああ、わたし忘れていた。美禰子さんのお言伝があってよ」

「そうか」

「うれしいでしょう。うれしくなくって?」

 野々宮さんはかゆいような顔をした。そうして、三四郎の方を向いた。

ぼくの妹はばかですね」と言った。三四郎はしかたなしに、ただ笑っていた。

「ばかじゃないわ。ねえ、小川さん」

 三四郎はまた笑っていた。腹の中ではもう笑うのがいやになった。

「美禰子さんがね、兄さんに文芸協会演芸会に連れて行ってちょうだいって」

里見さんといっしょに行ったらよかろう」

「御用があるんですって」

「お前も行くのか」

「むろんだわ」

 野々宮さんは行くとも行かないとも答えなかった。また三四郎の方を向いて、今夜妹を呼んだのは、まじめの用があるんだのに、あんのん気ばかり言っていて困ると話した。聞いてみると、学者だけあって、存外淡泊である。よし子に縁談の口がある。国へそう言ってやったら、両親も異存はないと返事をしてきた。それについて本人の意見をよく確かめ必要が起こったのだと言う。三四郎はただ結構ですと答えて、なるべく早く自分のほうを片づけて帰ろうとした。そこで、

「母からあなたにごめんどうを願ったそうで」と切り出した。野々宮さんは、

「なに、大してめんどうでもありませんがね」とすぐに机の引出しから、預かったものを出して、三四郎に渡した。

「おっかさんが心配して、長い手紙を書いてよこしましたよ。三四郎は余儀ない事情で月々の学資を友だちに貸したと言うが、いくら友だちだって、そうむやみに金を借りるものじゃあるまいし、よし借りたって返すはずだろうって。いなかの者は正直だから、そう思うのもむりはない。それからね、三四郎が貸すにしても、あまり貸し方が大げさだ。親から月々学資を送ってもらう身分でいながら、一度に二十円の三十円のと、人に用立てるなんて、いかにも無分別とあるんですがね――なんだかぼくに責任があるように書いてあるから困る。……」

 野々宮さんは三四郎を見て、にやにや笑っている。三四郎はまじめに、「お気の毒です」と言ったばかりである。野々宮さんは、若い者を、極めつけるつもりで言ったんでないとみえて、少し調子を変えた。

「なに、心配することはありませんよ。なんでもない事なんだから。ただおっかさんは、いなかの相場で、金の価値をつけるから、三十円がたいへん重くなるんだね。なんでも三十円あると、四人の家族半年食っていけると書いてあったが、そんなものかな、君」と聞いた。よし子は大きな声を出して笑った。三四郎にもばかげているところがすこぶるおかしいんだが、母の言条が、まったく事実を離れた作り話でないのだから、そこに気がついた時には、なるほど軽率な事をして悪かったと少しく後悔した。

「そうすると、月に五円のわりだから、一人前一円二十五銭にあたる。それを三十日に割りつけると、四銭ばかりだが――いくらいなかでも少し安すぎるようだな」と野々宮さんが計算を立てた。

「何を食べたら、そのくらいで生きていられるでしょう」とよし子がまじめに聞きだした。三四郎も後悔する暇がなくなって、自分の知っているいなか生活ありさまをいろいろ話して聞かした。そのなかには宮籠りという慣例もあった。三四郎の家では、年に一度ずつ村全体へ十円寄付することになっている。その時には六十戸から一人ずつ出て、その六十人が、仕事を休んで、村のお宮へ寄って、朝から晩まで、酒を飲みつづけに飲んで、ごちそうを食いつづけに食うんだという。

「それで十円」とよし子が驚いていた。お談義はこれでどこかへいったらしい。それから少し雑談をして一段落ついた時に、野々宮さんがあらためて、こう言った。

「なにしろ、おっかさんのほうではね。ぼくが一応事情を調べて、不都合がないと認めたら、金を渡してくれろ。そうしてめんどうでもその事情を知らせてもらいたいというんだが、金は事情もなんにも聞かないうちに、もう渡してしまったしと、――どうするかね。君たしか佐々木に貸したんですね」

 三四郎は美禰子からもれて、よし子に伝わって、それが野々宮さんに知れているんだと判じた。しかしその金が巡り巡ってバイオリンに変形したものとは、兄妹とも気がつかないか一種妙な感じがした。ただ「そうです」と答えておいた。

佐々木馬券を買って、自分の金をなくしたんだってね」

「ええ」

 よし子はまた大きな声を出して笑った。

「じゃ、いいかげんにおっかさんの所へそう言ってあげよう。しかし今度から、そんな金はもう貸さないことにしたらいいでしょう」

 三四郎は貸さないことにするむねを答えて、挨拶をして、立ちかけると、よし子も、もう帰ろうと言い出した。

「さっきの話をしなくっちゃ」と兄が注意した。

「よくってよ」と妹が拒絶した。

「よくはないよ」

「よくってよ。知らないわ」

 兄は妹の顔を見て黙っている。妹は、またこう言った。

だってしかたがないじゃ、ありませんか。知りもしない人の所へ、行くか行かないかって、聞いたって。好きでもきらいでもないんだから、なんにも言いようはありゃしないわ。だから知らないわ」

 三四郎は知らないわの本意をようやく会得した。兄妹をそのままにして急いで表へ出た。

 人の通らない軒燈ばかり明らかな路地を抜けて表へ出ると、風が吹く。北へ向き直ると、まともに顔へ当る。時を切って、自分下宿の方から吹いてくる。その時三四郎は考えた。この風の中を、野々宮さんは、妹を送って里見まで連れていってやるだろう。

 下宿の二階へ上って、自分の部屋へはいって、すわってみると、やっぱり風の音がする。三四郎はこういう風の音を聞くたびに、運命という字を思い出す。ごうと鳴ってくるたびにすくみたくなる。自分ながらけっして強い男とは思っていない。考えると、上京以来自分運命はたいがい与次郎のためにこしらえられている。しかも多少の程度において、和気靄然たる翻弄を受けるようにこしらえられている。与次郎は愛すべき悪戯である。向後もこの愛すべき悪戯者のために、自分運命を握られていそうに思う。風がしきりに吹く。たしか与次郎以上の風である

 三四郎は母から来た三十円を枕元へ置いて寝た。この三十円も運命翻弄が生んだものである。この三十円がこれからさきどんな働きをするか、まるでわからない。自分はこれを美禰子に返しに行く。美禰子がこれを受け取る時に、また一煽り来るにきまっている。三四郎はなるべく大きく来ればいいと思った。

2024-10-01

アサクリシャドウズ叩かれまくりだけど楽しみだよ

叩き動画用に買った人たちが「案外面白いじゃん!」ってなって結果的に上手い方向にいかいか

二人の主人公の弥助と奈緒江のバックボーンが、本来なら敵同士になりそうなぐらいに違っているのに、どうやって協力関係になったのか、また最後まで仲違いせずにいられるのかが気になる

奈緒江は伊賀忍者史実人物藤林長門守の娘

一般の世を離れた忍の里で平和暮らし、アサクリシリーズ最強設定を付与されるほどのワザマエを持つが、織田信長伊賀攻めにより故郷と父を失う

織田信長バリバリに憎んでいる

一方の弥助

史実よりも長い時間信長と一緒にいた設定であり、奴隷育ちだったところを信長サムライとして鍛えられ、品格教養を身に着けているらしい

その信長殺害され、殺した組織を追うという設定だ

信長のことがバリバリに好き

アサクリはメインシリーズの他に外伝が色々あり、その中で過去にも日本編がある

そこでは、織田信長は「エデンの剣」と呼ばれる持ち主を覇王にするが狂わせる魔剣を手にし、その手の魔法の道具による人類への悪影響を危惧する集まりアサシン教団」に暗殺されたという設定

暗殺したのはヤマウチ・タカという僧侶アサシン

奈緒江はアサシン教団に伝わる武器アサシンブレードを身に着けているので、アサシン教団所属で間違いない

タカ奈緒江、あるいは奈緒江の仲間がタカ

もしくは外伝の設定自体まるっとなくなるかもしれない

ただアサクリは過去作との辻褄合わせをけっこう頑張っているので、タカが完全に消えることはないと思っている


信長殺害したのは奈緒江、もしくは奈緒江の仲間だろう

そんな奈緒江と弥助がどうして仲良くなれるのか

恐らくは、信長がエデンの剣によって狂ったこと、殺すほかなかったことを話し、弥助は暗殺自体は許すのだろう

信長の傍にいた弥助であれば、エデンの剣による信長の変化も知っており、その説明に納得がいくはずだ

この世界には魔法道具によって人類支配しようとするヤバイ集団テンプル騎士団」が存在し、彼らがアサシン教団の敵

弥助は主君暗殺を受け入れつつ、その原因をつくったテンプル騎士団日本から追放することを目指し、それで奈緒江と組むことを決意したのではないか

この流れは妄想なので、実際どうなるか楽しみ

多くの場面で奈緒江と弥助を切り替え操作可能システムで、ということは二人ってほぼべったり一緒にいる

最初は揉めそうだけど、どうやって折り合いつけるのか過程が気になる

弥助が最初からエデンの剣絡みを理解してたりして、別に揉めないのかな?

そもそも過去設定受け継がないならエデンの剣出ないかもしれない・・・

懸念事項はある

歴代アサクリ、プレイアブルキャラ史実人物がほぼいなかっただけで、アサシン教団側やテンプル騎士団側にはわりと史実人物いる

史実上の人気ありそうな人物が悪役だったりする

そんなことは色んなゲームでありがちではあるが、弥助騒動で「叩いてもいい作品」扱いになっている現状、「あの日本人キャラを悪役にするなんて差別路線でまた燃えるかもわからん

お市の方とか千利休とか出てくるらしいけど、特にどちらにも所属しない人かな

奈緒江になって日本のお城からイーグルダイブしたいので、くれぐれも発売中止とかするんじゃねーぞ

2024-09-16

anond:20240914232547

蜘蛛カマキリの類か。犬畜生にも劣る虫のような酷い女。確かに品格はない。子供産んだらあいつは稼ぎが少なくて嫌だから死んだら嬉しいだなんて。それが女というかメスの本能?だとしたとしても、そんな自分好みにならない夫をおだてて良いように持っていけよ。それが理性を持った人間の女だろ。

専門卒だけど頭はいいって自負してるんでしょ?

2024-09-14

(終わり)獣医結婚したが後悔している

批判承知の上駄文

私は30代前半の女。看護師

一軒家も購入し、子供に恵まれているが夫(同年代)が好きになれない。正直嫌いだ。

特に出産後夫に対し嫌悪感がまし、同じ空間にいることも辛い。

夫は私のことが好きらしく、話しかけてきたり、スキンシップをしてきたりするがどうしようもなくイライラする。

以下理由


・夫の給料が少ない。

大体20万後半程度。

専門卒の私より給料が低く驚いた。

そんなことを把握する前に妊娠してしまった自分が悪いのだけど後悔してもしきれない。

獣医医学部と同じくらい偏差値が高いよ、と当時の同僚が言っていたから信じてしまった。

国立卒らしいが、正直専門卒の私以下の給料で働いている時点でリスペクトできない

医者にしておけばと思うけどもう無理だ。


実家が細い

私の母親シングル関係性が良くない。まあ貧乏だ。

夫も片親で実家が細い。(義父は夫が小さい頃に死んだらしい)

医者と比べると家の品格が低いし金もないしどうしようなくイライラする。


・恨みが強い

第一出産時夫は病院で働いており、早朝から深夜まで、時には当直までこなしていた。

初めての育児でつかれた私をもっといたわってほしかった。

私は実母と関係が悪く、実母の協力がなく里帰りもできなかった。

辛いなか、子供夜泣き対応をしている中、夫は「緊急オペで帰れない」とのLINEだけ。死んでほしいと思った。

産後の恨みは一生物というのは本当だと思う。

思えばこの頃からこの人のことが好きでなくなってきたのだと思う。たまに抱かれるとき元彼のことを瞼の裏に我慢していた。


・夫じゃなくてもいい

やっぱりこれ。

自慢ではないが今まで男には困ったことがない。中学からずっと彼氏連続していたし、夫と結婚するまで切れたことがない。

彼氏は何人もいたが結婚まで至らず、最後に今の夫(獣医)とデキ婚した。

やはり今までの彼氏とは系統が違って雄度が低いというか、自信がないというか頼りない。

警察官消防士元彼たちは鍛え上げた身体をしていたし、なにより自分に自信があった。

何かが決定的に違う。

この人の女になりたいという強烈な欲望がわいてこない。なんで結婚したんだよって話だけれども。避妊大事


現在私はパートで働いており、子供いるためシングルマザーになることはできない。

子供かわいいし、夫は子煩悩家事育児をしてくれる。でもやっぱりこの人とは幸せになれないと思う。

今はこどものため割り切って生活しているが、子供が成人したら別れて自由になりたい。夫以外の人と生活したい。

死んでくれれば団信で自宅も手に入るし、離婚よりも世間体もいいし一石二鳥なんだけれども。




(追記)

批判承知と書いたけれども予想を超えた反響に驚いている。

夫の人格への言及が足りなかったようなので加える。


獣医にこだわりがある

夫はすでに獣医ではない。家庭がまわらないため、転職させた。

今は臨床から足を洗い、動物病院への営業サポート仕事をしている。

仕事内容はかなりホワイトトラブルが無い限り定時にほぼ上がれるようになったし、休みも取れるようになった。

夫は臨床に未練があるようで家でちょこちょこ勉強したり、大学友達意見交換?みたいなことをしているようだ。

子供がお父さんは何をしてる人?と聞かれ、夫は「お父さんは動物のお医者さんなんだよ。」と言っていた。

正直今の夫は獣医ではなく、ただの普通サラリーマンだ。

子供に嘘をついてかっこよく見せるのはこの人らしいなと思った。

私もこの見せ方に引っかかって、今つらい思いをしている。

不誠実な嘘つきに未来はない。


自分が貶されている気がする

夫は小さい頃に父親を無くしており、中高公立、塾にもも行かず大学に受かったらしい(1朗)

それを義母から聞かされた。

その流れで義父の墓前で「息子ちゃんは頑張って獣医さんになってとうとう孫もできました~」みたいな報告があって違和感を感じた。

この人は私が専門卒だから努力してないとでも言いたいのか?勉強大事なのか?

私も勉強に困ったことはなかったが、わざわざ3年で取れる資格を4年かけて大学で取ろうとは思わなかった。

勉強けが取り柄みたいな人間生産しただけ、しか一浪。そんなことが誇らしいか

モラトリアムを延長して得たもの低賃金な職。

潤む義母と夫に価値観の押しつけというか、気味の悪いもの垣間見た。


レベルの低さ

人の医療と比べたらやってることが低レベルだなと感じている。

話を聞くだけなのでわからないが、サーチや心拍を常に取ってるわけでもないらしく、CTMRIは大病院しかないらしい。

当然夫が勤めていた病院にはなかった。

「望診や聴診、視診が一番大事。」といっていたがそんなもの個人の器量に左右されるし、再現性がない。

「薬は砕いてmg単位で分包する。小児科みたいでしょ」といっていたが小児科と比べる時点でおこがましいとおもった。小児科の人たちは命をかけている。

他にも牛の去勢麻酔は使わず鎮静だけでするとか意味不明なこと言ってたり、クローバー食べたら胃に針を刺すだのあまりにも医療概念レベルとは違う考え方に引いた。

私は病棟勤務が長いので、人よりは知識があるほうだと自負している。獣医ではなく夫の知識レベルが低いだけだと信じたい。


・話がどうでもいい

最近で言うと統合失調の薬がFDA通過するかもねとか、新しい下顎欠損の新しい術式が~とか

正直私は仕事として医療に携わっているだけで、趣味じゃない。

夫は好きだからそんな話をするのかもしれないが、興味もないし、ないより夫と会話をしたくない。

大学のお友達や同僚と気の済むまで話してればいいのにと思う。

子どもの話と事務連絡。夫と話すことはそれ以外したくない。


・人の心がない

時系列前後するが、実家で飼っていた猫が急に後肢麻痺になったことがある。

調べたが心臓から血栓が飛んで詰まり足が動かなくなるらしい。

かかりつけの獣医からは長くないので…と言われていた。

相談したくなかったが夫にも相談した。レントゲンデータ見たあとに「心臓がかなり悪いから厳しい」「苦しんでいるのであれば楽にしてあげることも考えてもいいかもしれない」

と私に言った。

まり安楽死を推奨してきた。ありえないと思った。これが一つの決定的な旦那嫌いの要因かもしれない。

もちろん金銭的なことやデータを見ての判断かもしれないが、医療者として安楽死を勧めることは医療では絶対ない。

この人には良心とか、命の大切さみたいな温かいものがないのだと思った。

翌々日に猫は死んでしまった。夫に伝えると「残念だったね」とだけ言った。

この人は「それ見たことか俺の言うとおりだろ!」と言わんばかりのことを腹中では抱えているのだろうなと思うと、辛かった。

なぜこんなことになってしまったのかと過去自分を殺したくなった。

乱雑に書いてしまった。

私もネームバリューバリューだけで判断しているわけではない。

人としてどうか。欠如しているから一緒にいることが辛い。その上に前述の条件があるからなおさら

コメントで色々言われてるので)あと匿名でこんなこと言っても仕方ないが、男に関しては私は振られたことない。いつも振る側選ぶ側だった。

それでも年とともに魅力が落ちてることは十分理解している。だから我慢している。

追記2)これで最終にします。


・誰の子供なのかと言われた

妊娠した当時、私には特定相手がいない状態であった。

元彼と別れる段階であり、夫とも付き合い始める前のような延長線上にいた。

妊娠が判明した時、「俺の子供なのか」と言われた。付き合う前だったからだろう。

私は人生でかつてないぐらい怒り、夫を詰った。これは断言するが夫の子である元彼との際は妊娠しては困るので必ず避妊をしていた。

夫への嫌悪感が初めて顔を出した。この違和感を正確に探知し対処していればと思う。


そもそも獣医自体人間関係をうまく醸成できない人が代償行為として動物を治す仕事をしてるっていう精神病院的な意味合いがあると思う。

普通の人は病気犬猫どうにかしたいと思わないと思う。

獣医患者なのか動物患者なのかはたしてどっちか。

毎日精神療法できていいのではないだろうか。毎日60分以上で660点加算。もう人格荒廃済みなので不可逆か笑セレネースが処方される案件だ笑


みなさんが心配するように夫にばれることはないだろうがバレても問題ないと思う。

夫は私なしでは生きていけいない。

おそらく幼少期に愛情不足だったのだろう。相手気持ちに敏感であるし、自己主張が強くもない。そして自己評価も低い。

まあ自己評価は適切なんだけど笑

幼少期に我慢することに慣れてるから、私が命令してもよく従属する。そして家族に強いあこがれがある。自ら壊すことはしないだろう。

自らを壊してくれれば一番望む形になるのだが。


コメント批判されているようだが、私は今総合的には幸せです。たぶんコメントしている人よりも

完全には程遠いけど、完全な幸せを目指して頑張ります

夜食カップラーメンを食べて寝ます

これで私の投稿は終わりです。さようなら

2024-08-30

教養とは、経験知識を身につけることで得られる心の豊かさや品格物事に対する理解力などを指しま

増田やってるやつに心の豊かさや品格なんて無いんだから教養を求めるのが無駄

俺?馬鹿なお前らと違ってちゃん教養あるから底辺ども ←こういう矛盾

2024-08-24

anond:20240823174150

ハングル校歌の件で発狂してるネトウヨ通報したら、大多数が凍結されてた

やっぱり直球の差別やってる様な限界ネトウヨは凍りやすいんだな

凍結まではいかなくてもロックされてツイート全消ししてるやつもいて草

現実社会にもネット社会にも不要存在、それが極右なんだよね

日本は昔から差別をするような国ではない

一部の国そして民族文化排除しようという、あるいは憎悪を煽るような過激言動は決してあってはならない

日本国民また日本国の品格に関わることだ

2024-08-23

バカウヨ甲子園ハングル校歌が流れた事に発狂中でやばい

現在確認出来るだけでもXでは大量のバカウヨ発狂して言い訳不可能ガチヘイトやらかしてる

ヘイト署名を集めようとするバカ

https://megalodon.jp/2024-0823-1620-18/https://x.com:443/Lillynobunaga/status/1826823335587840198

優勝した高校に対して犯行予告をするクソアホまで湧いてる始末

https://itest.5ch.net/greta/test/read.cgi/poverty/1724395074/244

これは冗談抜きで逮捕者が出る所までいって世間を騒がせるだろうな

またバカウヨの異常さと気持ち悪さを世間の人々が知る事になるわけだ、全く嘆かわしい事この上ない

一部の国、そしてまた民族文化排除しようという

あるいは憎悪をあおるような過激言動は極めて残念だ

決してあってはならない

日本国民また日本国品格に関わることだ

2024-08-20

トランプさんには大統領になる人物としての品格が無い

訳はそれだけで十分だ

2024-08-18

日本はどんどん貧しくなってきている気がする

紙幣は使えないところが多い。設備投資する余裕がない。

外がめちゃくちゃ暑いのに冷房代をケチ公共施設不快指数が高い。

人を雇えないかカプセルトイ自販機で売り場を埋める。

飲食店人件費をけちって少ない人数で回し、時間がかかる、サービスが行き届かない。

品格のない貧相さが悲しい。

2024-08-05

オリンピック日本が負けたのは弱かったからってだけ

フランが嫌いになっただの、不正だなんだって騒いでいる奴は恥ずかしいから止めて欲しい

ただでさえ日本なんて衰退国のオワコン国家って世界中から思われているのに

品性すら無くしたら後進国の奴らと同じだよ。世界中から笑いものにされるよ

俺達は先進国の選ばれた人間なんだから品性品格大事にしていこうぜ

2024-07-24

平本蓮氏・朝倉未来氏の一連の行動は格闘家としてフェアだったのか?

総合格闘技団体RIZIN」の28日にさいたまスーパーアリーナにて予定されている「超RIZIN.3」のメインカードである朝倉未来氏vs平本蓮氏の試合前に予定されていた元NEWS手越祐也氏の国歌独唱を取りやめることをRIZINが22日に発表した。


リングに上がったらすぐに戦いたい、余興のようなものはいらないという朝倉氏の意見はまだ、まあ選手としてはそう思うことは自由だろう、とは思う。

わざわざ公に発信しなくても、運営意見し、話し合うことはできなかったのか?とも思うけれど。


だが、平本氏の一連の行動はさすがにやりすぎではなかっただろうか?

ケラモフ戦の時の深田えいみ氏の名前までわざわざあげて「いらない」という必要はあっただろうか?

手越氏に直々にインスタのDMを送ることもさることながら

(1億歩ゆずって穏便に手越氏側から辞退してもらえないかと裏で動いてしまった、の段階で済ませたならまだしも)

その一連のやり取りを自身のインスタアカウントで煽るように公開する必要はあっただろうか?


RIZIN公式文章にもあった通り、

選手一方的な発信に乗じた人たちから手越さんへ直接、誹謗中傷ヘイトメッセージSNSで送りつけられる事態

が起きているわけで、特に平本氏の行動は、手越氏への誹謗中傷を誘発し、辞退へと追い込んだ、というかなりアンフェアものとは言えないだろうか?


正直にいえば、筆者はRIZINに限らず総合格闘技というもの好き嫌い以前に興味も示したことがなく、どなたの試合も見たことはない。

他方、手越氏ならびに彼のかつて所属していたグループのことも知ってはいるが、特にファンというわけでもない。曲はちょっと知ってるかな〜くらいである。


ただ、格闘技というのはスポーツだと思っていたので、結果的自身ファンから相手方への誹謗中傷を誘発し、自身の望みを通した(ある意味では彼が勝った)今回のやり方は、スポーツマンシップに則ったフェアなやり方と言えるだろうか?と感じている。


それとも、総合格闘技試合に勝ちさえすればその過程での選手の振る舞いにフェアさがなくとも、ヨシとされるものなのでしょうか?


試合当日にこのまま勝てたとして、このようにミソのついた勝利でもご本人もファンも気にされないのでしょうか?


これまでは特に好きも嫌いもなかったけれど、今後はスポーツマンとしての紳士さはない方、もしくは競技、という目で見ることになるだろう。


いや、そもそもスポーツじゃなくてただの公開殴り合い興行という認識でいた方が良いのかもしれないな。

そう思えば、フェアさとか紳士的な振る舞いとか品格とかを期待するなんて愚の骨頂と諦められますし。





追記

ひとまず私より総合格闘技に詳しい&好意的に捉えている身近な人に知見を得ようと思って今回のことを聞いてみたところ、


総合格闘技、中でもRIZIN特に炎上商法ありき

(そうでないとチケットが売れない)

集団であり、あれをスポーツと思ってはいけない。

今回のことも単にいつも通りチケットを売るためにわざと炎上話題性を取っただけ。


と言われてしまったので、なるほど、今回の件でだいぶ界隈の印象が下がった私のような人間は、

こういう炎上商法が今後成り立たずに界隈に廃れて欲しいと思った以上、見ない・触れない・話題にしないというのが1番良いのだな、という学びを得ました。


折を見てそのうちこの記事も消すかもしれません。

2024-07-18

一ヶ月前くらいに佳子様がたった3000円の上着着てるのに品格ありすぎて、やっぱ中身っていうか顔なんやなと

なのでブランド物着てる奴らは等しく愚か

とまでは言わないけど、そんなもん買う暇あったら運動してスキンケアして野菜果物食べて3000円の服着た方がかっこいいと思う

2024-07-12

ネットなんて相手の素性を確かめる術なんかないのだから

結局は全て自分の発している言葉で形作られているのにそこに気づけない人は多い

自分他人を貶めようとして発した言葉がそのまま自分品格を表していることが理解できない

お前のことなんか誰が好きになるねんって話

2024-06-29

職場で人の悪口言うやつってアホなの?

悪口言い合ってスッキリするのなんてインターネット匿名空間でやればいいじゃん。

なんでリアルワールド悪口で盛り上がろうとするんだろ。

つーか俺に話し振って巻き込んでくるんじゃねえよ。

人種差別とか障害者差別とか愛想笑いで返すだけでも同類扱いされるじゃねえか。

マジで面倒くさいか悪口ネットでやってくれ。

なんでいちいちリアルワールドでそれをやりたがるのか。

なんで家に帰るまで我慢出来ないのか。

ほんまイラつきますわ。

無意味自分品格や信頼を下げるリスクに対して、悪口言ってちょっとだけスッキリはリターンが少なすぎるんだっての。

この程度のコスパ計算もせずに暮らしてんじゃねえよいい社会人が。

2024-06-24

若い女モテたいおっさんです

そうか…。

増田を読んでて反省を強いられたのは、はじめてだ…。

かに言われてる通り、オレは、若い女の子支配したいのかも知れない。

支配やすいからこそ、年齢の低く収入も低い女の子を好んでいるのかも。

そうか。

例えば田舎出身世間知らずで性的にもウブだと、なお良い、と思ってた。

未熟な女性を求めるのは、精神的なレベルの低さ=支配やすさ、だからか。

自我を主張しない清楚が理想だったのも、支配やすいから。

全てに筋が通るな。

そして、確かに、これは対等な人間扱いじゃない。

オレは女性との付き合い方のイメージとして、彼女がドジを踏んだらフォローするとかプレゼントを買ってあげるとか、一方的コミットできるような関係を求めていた。

レベルで対等に話し合えるパートナーじゃなく。

オレは今までオレの考え方に自信を持ってた。女の子は何もしなくてもいいんだよ、君が君らしくしてるだけで、オレは満たされるんだ——…こういう考え方を意識的選択して誇りを持っていた。

女性に何も要求しないのが、男としての品格なのだと。

でもそれって確かに人間扱いでも対等でもない。

ああ。

若い女の子モテたいって気持ち本能で、仕方なくて、それを受け入れてるオレは正直偉いと思ってたんだ。。。

だけどこの際、本音をブチまけると、ここからスイッチを切り替えるように簡単には直りそうにないよ。同年代以上の女性に目を向けようと思っても、心がまったく動かないんだ。。。

2024-06-21

一周回ってゲームの方がコスパいいなと思った

オシャレなバーとか

ジムとか

丸の内歩行者天国になってるところのカフェとか

高級ホテルルームサービスとか

色々

試してみたけど

 

あいうところのスタッフ「客にも品格を」みたいな態度でこっちが金払ってんのに図々しい(でも上品さのかけらもない外国人客にはクソな英語でオドオドしてるだけw)し

 

ゲームなんか一定額出すだけで何十時間も楽しめるし、こっちの姿で態度変えないし

そっちの方がコスパいいな…

2024-06-02

恋愛市場参入見逃しと、考えのクセ

女は自然恋愛市場に組み込まれていくけど、男はキッカケがないと入り込めないよな

自然に組み込まれていくっていうのは、恋バナや情報誌に影響を受けて身だしなみを整えたり、恋愛について意識し始めるってことね

女はそうする圧みたいなのが同性同士にあって、恋愛市場への参入がスムーズなんだけど、男は以下のパターンに分かれる

①招待される

姉がいて指導されたり、女子から告白されたりして恋愛に入門、下地があるのでその後の恋愛市場への参入もスムーズ

自力で参入

とにかく異性に興味があり、自分なりに勉強した上で恋愛市場に飛び込んでいく。アプローチが悪いとキモがられるが、バイタリティ高くめげない人が多いため何やかん軌道に乗る

③参入見逃し

思春期に異性が身近にいなかった、興味がなかったなどの諸事情で、思春期に異性とあまり関わらなかった結果、異性も恋愛もよく分からタイミングを逃す

③に該当した場合大人になってからの巻き返しは正直言って思いつかない。恋愛より打ち込んだもの大成してそれなりの地位を築いていたり、なんやかんや世話してくれる友人が身近にいれば違ってくるのかもしれないけど

あと思春期に異性と関わらないのって、異性の未熟な姿を知らない分、異性への期待値が上がってしまうのも大変だと思うんだよな。男も女も色んな人がいて、ツンケンしてる奴は実は家庭環境に苦労してるとか、穏やかな人も実は腹の底で色々考えてんだなとか、そういうのを性別わず知っていくことで自分許容範囲が分かっていく。こういう欠点は許せないけどこういう欠点は許せるとか、こういう長所を魅力に感じるけどこういう長所にはあまり惹かれないとか。そういう自分の中の好みがハッキリしないのも苦戦する理由になってそう

考えのクセ

それから単純に生育環境の悪さや遺伝上の困難性から来る精神への悪影響。被害妄想強いやつは治した方がいいよ本当に。小中学生ならともかく、大人になって身だしなみ普通の顔ブサイクな人がいたとしてもそれなりにまともな女なら嘲笑しないから。嘲笑される場合は、品格の低い女に集まる場所いるか、本人の身だしなみが本気でゴミレベルか、その両方

まあ身だしなみも異性への理解自己理解もコツコツやっていくしかない。別に自分境遇が悪いのは、大人になってから出会う人々のせいじゃないしな。恨むなら自分の親とか、変な社会の風潮を作った当時の大人だろう。自分を選ばない女ではなく

自愛

ていうか選ばれないことに悩んでる奴はまず自分を愛せ!自分自分を素敵だと思ってないのに他人に好かれるっていうのは美男美女特権よ(そしてそれなりの苦労もあるらしいし)。自分のために好きな服を買い、好きな香り飲み物を飲み、好きな洗剤で服を洗い…やりたいことは何でもやってみればいい。QOL向上して心に余裕がじんわりできてきたら、それだけで人間たる魅力が滲み出てくる

自分が不満を抱くべき相手は誰なのかと、自分自分を愛していないのではないかということを意識できるだけで楽になる奴もかなりいるんじゃないか

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