はてなキーワード: 記念写真とは
私は性格はとてもネガティブ。頭も顔もスタイルは中の中といったところだ、決して美人ではないがブスでもない。キツめな顔立ちだがそれなりに告白もされたし結婚を申し込まれたこともある。ごくごく平凡だ。そしてとても親不孝者だ。
父は既に他界した。
記憶にある限り父は働き通しの人だった。成人式で一般的な家庭では記念に家族写真を撮るだろう、我が家でもそうだった。しかし私は写真を撮るときに笑顔が作ることが出来ない。どうしてかいつからかは分からない。自分が醜いと心の底から理解したときなのだろうか。他人からの世辞も鳥肌が立つし告白の言葉も友達の言葉もどうせ嘘だろうと受け止められない、そういう捻くれた心のせいなのか自分の笑顔に吐き気を感じる。当然のように「ハイ、笑って」と言われる写真は心底苦手なものだ。振袖を着て、ドレスアップした家族と写真館に連れて行かれたとき私は笑顔を浮かべることがどうしてもどうしても出来なかった。頬が引き攣り動悸が激しくなり涙が溢れた。一生に一度の記念写真を撮ることすらままならない。写真館のスタッフも家族も困惑したことだろう。写真が嫌いなことを知っている母でさえそれ程とは思っていなかったのだろう、自分まで涙を浮かべていた。本当に申し訳ない。どうして笑えないのか、どうしてそんなことも出来ないのか。そんな当たり前のことも出来ない自分に情けなさと悔しさと悲しさと全てで苦しかった。結局安くない代金を支払い、記念となるはずだったそのアルバムを家族の誰も受け取りに行っていない。もし私が普通の子たちのようにカメラの普通に笑うことさえ出来れば普通に撮影を終えることが出来ていたのなら、仕事ばかりであまり写真のない父の遺影になっていたかもしれない。遺影写真を母と探したときにひっそりと申し訳なさで涙が出た。仲が良い家族とは言えなかったが大きくなってからの家族写真は本当に一枚もない。
親の兄弟含めても私が初孫だった。だから一番に甘やかされさぞ可愛がられたことだろう。姑に少しいびられていた母から私がどんなに祖父祖母から甘やかされ放題だったかという話を思い出話とセットで昔よく聞いた。みんな私の結婚式に出たいと孫の顔がみてみたいと言っていた免許を取ったらドライブに連れていって欲しいと言っていた。私が心配だと言っていた。最後を看取ることは出来たがみんな意識が戻らぬ状態のまま亡くなったので誰とも最期に言葉を交わすことはなかった、父とも。もし言葉を掛ける時間があったとして、私に何か声を掛けることが出来ただろうか。父の遺品整理のときに常に持っていた財布から私が子供の頃に書いた手紙を見つけた。頭が痛くなるほど泣いた。なんて親不孝者なんだろう。
母はまだ元気に笑っているが私は彼女に申し訳ない気持ちしかない。
彼女は賢くはないが明るくよく笑い周囲に気を使うことが出来る。カウンターで隣り合わせになった相手ともすぐに打ち解けられ店員とも友達になるようなタイプ。そんな彼女は子供が大好きだ、だから彼女自身も早くに結婚して子供を産んだ。私にも学生の頃から貴女の子供が出来たら可愛いよ子供が出来たらいつでも面倒見るからねとあれがしたいこれがしたいと話をされ、同級生の誰ちゃんが赤ちゃん産んだみたい抱っこさせてもらった可愛かったよと笑顔で話をされる度に私は子供好きじゃないからと嫌々と返していた。申し訳ないが本当に苦手なのだ、小?中?学時代の子供の頃から既に例え結婚したとしても子供は産まないだろうとずっと思っていた。私は自分自身が大嫌いだから自分の子供も愛せないだろうとその事実に子供の頃から気が付いていた。しかし成人をとうに過ぎ三十路を迎え婚活の必要性を友人に説かれたとき、ふと自分が好きなところを見つけて結婚に至れる相手の子ならば愛せるかもしれないと思った。母が大好きな子供を、初孫を抱かせてあげえることも出来ると思った。それが唯一出来る親孝行のような気がしたのだ。結果として婚活は中断しているが、きっとこの先も独身のまま天災に巻き込まれるかどこかで孤独死するのだろう。結婚相談所に入会することを母が気付いたとき彼女は喜んでいた、退会を伝え孫はもう無理だろう諦めてほしいと伝え面と向かって謝罪したとき彼女は泣いていた。ある日、母の友人に孫が産まれたという話を聞いていると「もし私に子供出来てももう丸一日面倒見てあげることは出来ないね、私も取ったんだなぁ」と言われた。前は孫とどうしたいと理想を話してくれた、近年はその度に申し訳ない気持ちでごめんねと返していたが段々とそのやり取りもなくなってきた。きっと自分が娘を産んだ時から私のウエディングドレス姿や孫を抱く日のことをそれはそれは楽しみにしていたんだろう。それすら叶えることが出来ない不出来な娘で親不孝者で本当に申し訳ないという気持ちで苦しくて、突然涙がこみ上げる夜がある。
SNSを眺めていると頭がおかしくなりそうになることがある。鳥肌が立ち吐き気に襲われることがある。
どう見ても可愛いと思えない子の自撮りした笑顔が流れてくることがある。どうしてそんな笑顔で写真に写ることが出来るんだろう。その写真を見て気持ち悪いと思われるとは思わないのかその顔が周りを不快に不愉快にさせるとは考えないのか。もし私がその顔に生まれていたら即整形している。その姿でどうして幸せそうなのだろう。わからない。
どう見ても可愛いと思えない子が母になり子供との笑顔が流れてくることがある。性格が良かったんだろう料理が上手かったんだろうもしかしたらその顔が好みだったのかもしれない。そうだろう理由なんてそれぞれに山とあるのだろう。どうして私にはそれすら叶えることが出来ないのだろう。どうしてどうして。マウンティングという言葉を聞いたときなるほどなと感じるが私のそれはもっと根本的で病的なものだ。あの子が不細工だからというところに強調がつくのではなく、そこに劣るほど自分が駄目な人間であるというところに強調をつける。私はどうしようもなく醜く駄目な人間なのだ。
明るく社交性が飛びぬけている母とは違い不器用な人だった父。
私たち家族は仲の良い家族ではなかった。みんな帰宅してもそれぞれの部屋に籠るような生活になっていたし父が死ぬ前数年間は言葉も交わすことも少なくなっていた。父が倒れる前の晩、最後に声を掛けられた私が返した言葉は「なんでもない」だ。本当にどうしようもない。それでも血縁者であり家族であることに変わりない。父に似ているとよく言われたことが多くある。どこでこうなったのかわからない、不器用な人だった父もきっと生きるのは大変だっただろう。それでも一般的に恋愛結婚し仕事を貫いた点で彼は私と比べるまでもなくまともな人間であったのだろう。もし私が母に似て愛嬌たっぷりになっていたのなら人生は違っていたのだろうか。私には愛想笑いすらとても難しい。笑顔での接客対応ですら必死で仕事終わりには顔が痙攣することもある。いつも笑顔の母とは似ても似つかない。
両親の兄弟を思い返しても血縁を切ったような相手しか浮かばない。もしかせずとも我が家の家系はここで途切れるのだろう。かもしれないと別の可能性を見出すことすら出来ない。私が母と出掛けねば手入れされていないお墓を想像がつく。祖父祖母に申し訳ないと思っていた、両親に申し訳ないと思っていた。ほんとはそれだけではなくもっともっと多くの人に申し訳が立たないんだろう。私はどこまでも親不孝者なのだ。
先日母に頼まれて年金保険というものに加入したが受け取る日はこないだろう。痴呆が始まるようになった日には自殺しようと心に決めている。吐き気がするほどネガティブな私にもいまが幸せだと思う瞬間はあった、それを忘れてしまうくらいなら自分で幕をひく。家系的にそう長生きするタイプではないから平均寿命もいかないだろう、きっとあと40年もない。30年程とすればゴールまで折り返しだ。憎まれっ子世にはばかる渋柿の長持ち論で性格の悪さから長生きする可能性もあるが、それを上回るメンタルの弱さで心から蝕まれているのでことわざ効果は大いに打ち消してくれていることだろう。人生は死ぬまでの暇つぶしに過ぎないという言葉を聞いたときほんの少しだけ心にある澱みが軽くなったような気がした、そのまま日々ゆるりと死に向かっている。最近体調がすぐれないこともあるが無性に眠い。抗えない虚脱感と眠気に襲われるときこのまま死ぬのだと毎度感じる。いつの日か本当にそのまま死ぬのだろう。何を産み残すこともなく継がせることもなく。誰に何を返すことも出来ず。本当にごめんなさい。
どこかに書きなぐりたくなった。
高校を卒業してからずっと飲食店で働いてきましたが、趣味で始めた写真を本業にします
まずは、記念写真から観光、コスプレの写真と幅広く取らせて貰ってどんな写真が撮れる人なのか分かるポートフォリオを作る予定です
同時に加工や撮った写真を組み合わせた演出なんかも勉強していくつもり
写真館は固定費がどうしてもかかって潰れがちだけど、レンタルで利用出来るスタジオが無数にあるし
写真を撮りたい場所もインスタ映え等で増加してきた中で、場所を持たないカメラマンは一定の需要があると思う
卒業入学シーズンだしとにかく晴着や制服など何でも取らせて貰って足を使って営業もしていく
是非みんなも俺に写真を取らせてください
よろしくお願いします
おい。ふざけんな牡蠣。今日こっちは役所行くつもりだったんだよ、分かるか牡蠣。役所だよ。何をしにか? 入籍しにだよ。
婚姻届出すためにこっちは何週間も前から戸籍謄本取り寄せたりバタバタ準備してたんだわ。役所の人に「ご結婚おめでとうございます」とか言われてニヤニヤしながらあっありがとうございますぅとか返してんだわ。もう出す日付も書き込んじゃったろうがよ。
日付もまあ、いろいろ相談して決めたんだわ。できたら大安で、とか語呂合わせとか馬鹿みたいに無い知恵振り絞って考えたんだわ。
それがどうだ? 当日迎えたら彼氏が下痢からの発熱だよ。正確には下痢、下痢、下痢、下痢、発熱、下痢だ。聞いたら「きのう生牡蠣食べた」と。
おい牡蠣。生牡蠣。私は許さないからな。彼氏が許しても私が許さないからな。せっかくなら届けは一緒に出したいだろうが。お互いが万全の体調の時にノコノコと出かけてって記念写真でも撮ってもらいたいだろうが。分かるか牡蠣。
前世でイシダイに噛みつかれた? そのイシダイは私だ。いいか、後世でも牡蠣に生まれろ。こちらもまたイシダイとして生を受けて後ろからグワっと噛みついてやる。
牡蠣、おまえはせいぜいその硬い殻を磨いて震えて待て。来世で会おう。
僕は今、みちのくに向かう寝台列車にひとり揺られている。(75 寝台列車)(72 鉄道)(15 一人旅)
岩手県の、とある霊山でバックカントリースキーを楽しむためだ。(51 パワースポットめぐり)(64 スキー)
今日は、バックカントリースキーの魅力をこのブログに書き残しておこうと思う。(6 ブログ)
管理されたスキー場ではなく自然のままの雪山を滑走するバックカントリースキー(BC)は、ドロップポイントまで自分の脚で登らなければいけないし、ときには野営もする。要はスキーをかついだ冬山登山である。(35 登山)(1 キャンプ)
BCはスキーの技術だけではなく登山についても十分な知識と経験、装備、そして体力が必要になる。だから夏の間は準備のためにあらゆるトレーニングをする。実際に山にも登るし、筋力トレーニングはもちろんのこと、ロッククライミングの講習を受けたりもする。(7 筋トレ)(17 ボルダリング)
今回は途中の山小屋で一泊する予定だが、山小屋泊はいつもいろいろな出会いがあって楽しい。山小屋につどう様々な年齢職業の人々の雑談に耳を傾けながら、スキットルに詰めてきたモルトをちびりちびり。至福のひとときである。(57 人間観察)(34 お酒)
山小屋の夜も更けると、誰からともなく懐かしい流行歌の合掌が始まる。僕も小屋に誰かが置いて行ったウクレレで伴奏をつけながら、絶妙なタイミングで合いの手を入れる。(22 ウクレレ)(32 音ゲー)
ある時など、同宿者から何か歌えと言われて一番得意なビーチボーイズの『サーフィン・USA』を歌おうとしたのだけれど、むかしあんなに一人で練習したのに歌詞をど忘れしてしまった。途中から出まかせを歌ったらこれが逆に大いにウケたのもいい思い出だ。(95 サーフィン)(39 1人カラオケ)(13 作詞)
このように山小屋での一泊は和気藹々としたものだが、たまにケンカもある。ある時は大道芸人とトライアスロンの選手がささいな口論から取っ組み合いになり、片方が大怪我をして訴えを起こす騒ぎになってしまった。(41 ジャグリング)(60 水泳)(47 サイクリング)(4 マラソン)(82 裁判傍聴)
みんなが寝静まると僕は外に出て空を眺めることが多い。冬山の夜空は満天の星。この美しさを楽しめるのは、自分の脚でここまで登ってきた者だけに与えられる特権だ。昔の学者たちは、こんな星空を眺めながら複雑な計算をして宇宙の仕組みを解明していったんだなあ、などとぼんやり考えていると、手を伸ばせば届きそうな頭の上をUFOが通過していくこともあった。(10 天体観測)(24 数学)(46 UFOキャッチャー)
夜が明ければ深い雪をかきわけながら山頂を目指す。道中はここでしか見られない高山植物や希少な野生動物も目を楽しませてくれる。高山と言えば長野のライチョウが有名だが、意外にヒワなどもけっこう高標高まで鳴き声が聞こえてくる。(78 バードウォッチング)
長い時間かけてたどり着いた山の頂上からの眺めは最高だ。記念写真を撮ったらまずはゆっくりとコーヒーを沸かして喫むことにしている。山の上での撮影は最近流行りのドローンが楽しい。荷物が軽い日帰りの時はできるだけ持っていくようにしている。(18 カメラ)(45 コーヒー)(80 ラジコン)
山頂での一服を楽しんだあとはいよいよ滑走だが、あれだけ長い時間かけて登っても下るのはあっという間だ。粉雪のスプレーを全身に浴びながら心を無にして滑走しているうちに、魔法にでもかけられたかのように、あっけなく麓に着いてしまう。(8 マジック)
山奥には秘湯と呼ばれる名湯がひっそりと湧いていることも多い。登山と滑走に疲れきった体は温泉でリフレッシュしよう。(43 温泉巡り)(30 サウナ)
せっかく遠くまで来たのだから、時間に余裕があれば、地域の名所や旧跡に立ち寄って見聞に蒙を啓くのもまた、旅の楽しみのひとつだ。(70 歴史)(12 神社巡り)(29 動物園巡り)(31 水族館巡り)(50 博物館巡り)(94 ダム巡り)
恭介はそうつぶやくと、しばし手を止めてパソコンのファンの音に耳を澄ませた。どこかの調子が悪いのか、最近やや熱暴走気味でファンがやたらにうなるのである。
やはり次はメーカーの完成品にしよう、と思いながら恭介はいくつかのキーを素早く叩いた。するとパソコンは、恭介の書いた原稿を校閲し「はてな匿名ダイアリー」へ投稿する自動シーケンスを一瞬のうちに実行してから自発的にシャットダウンした。(68 自作PC)(26 プログラミング)(5 小説を書く)
母方の祖母が着物をくれた。まだ生きてるんだけど、足腰を悪くして、もう着られそうもないからと生前贈与。私じゃなくて母にくれたんだけど、母もあまり着そうにないので、将来的には私のものになるだろう。祖母は母と私より小柄なので、少々チンチクリンだったらどうしようかと心配だけど、趣味のいい人だし、結構な値段のものを買っているようなので、かなり良いものじゃないかと期待している。(っていうか母は自分でもらって来たのでどんな着物か分かっているはず。)
が、これの使い道がなくて困っている。とりあえずこれを着る権利の持ち主は母なんだけど、若かりし頃美人と言われていたわりに、化粧にもお洒落にも無頓着である。いちばんキレイといわれて然るべき年代に私と弟の子育てに追われ、父の安月給で家計をまかなわねばならなかったから化粧や洋服に手間と金をかけるという発想がない。でもその頃は若くて白髪もなく、そんなにこてこて塗りたくる必要のない肌をしていたので、当時を知る小学生時代からの友人は「○○ちゃん(私のこと)のお母さん、キレイ」と母ばかりを褒めたたえ、娘の私のことは一言も褒めてくれない。
それはさておきさすがに70歳を迎えると肌にシミが目立ち、眉毛も手入れをしないとボサボサ感が目立つ。髪の毛も染めてないけど中途半端に白髪なので手抜きしているようにしか見えない。娘の目から見ても、多少手をかければ「上品で素敵なお婆さん」に見てもらえそうなのに惜しい。私は祖母の着物を着てみたいけど、まずそれより先に母にその着物を着せたい。「勿体ないから着なよ!」というと「そんなのどこに着ていくの?」と言われる。確かにそんなに気張って出かける場所はない。歌舞伎のチケットでも買ってあげれば着物を着て出かけようとか思ってくれるのだろうか。歌舞伎のこと全然わかんないけど、海老蔵の出る演目でも選んで、「分からなかったら海老蔵の顔でも鑑賞してなさい」とでも言うか…。
あと3年もすると金婚式を迎えるので、その時に着せて記念写真など撮るのもいいかと思うけど、お金をかけて形式ばったイベントをやるのがキライなので、そんな提案をしても却下されそうだ。どうでもいいっちゃどうでもいい悩みなんだけど、着物が好きな人って一体どこに着て行っているんだろう?本人も「いい着物をもらったんだから着なくちゃ」という意識は薄々あるようで、着付けの練習用の安い着物は買ったらしい。元々着付けの基本編は分かっている人なので、あまりフォーマルでない着物に柔らかい帯を締める分には自分で着られる。フォーマルな硬い帯で飾り結びとかするのは難しいみたいだけど、金婚式みたいなイベントなら美容院で着せてもらってもバチは当たらないと思う。くだらない話で恐縮だけど、いいアイディアがあったら教えてください。
休日の動物園に行ってきた。家族連れから外国人観光客まで、とにかく人の数がすごかった。
そして動物園に来ていつも思うのは、月並みの発想だが、一体どちらが展示された動物……つまり檻の中に閉じ込められたいきものなのだろうと。ECHOESの「ZOO」では、人間のほうが動物園の動物のようで、檻の中にいる動物たちが外から人間を鑑賞している揶揄がこめられているのをどこかで聞いた記憶があるが、今日行った動物園はどのケモノもやる気がなく姿を見せず、獣舎内はもぬけの殻だった。背中を向けたパンダをバックに記念写真を撮る人たちを、遠目に眺めていた。
展示の看板にはレッドデータ区分が書かれていたが、こうして当たり前のように展示されていて、太古から子孫を繋いできたメジャーな動物たちも、天変地異の気まぐれや人間の勝手な都合次第でいつかは絶滅してしまうのだろう。動物園内には、日本は本当に少子化なのかってくらい妊婦や小さな子どもたちが沢山いたが、こうしているうちにも人類は少しずつ、静かに穏やかに滅亡していくのだなと思う。動物と人類、ただどちらが先に絶滅するかの違い程度で。
あの画像ってさ、既婚でまして子持ちなら子供の画像にしなきゃ、みたいな圧力がある。
なんかあって、子供の写真から別の写真に置き換えると通知が行ったりもするし、配偶者に説明を求められる。
子供写真を公開するのは~とか言ってると偏屈な奴というレッテルを張られる。
最初から子供の写真を載せなきゃよかったのかもしれないけど、そもそもスマホに変えてLINEを始めたのが当時、ちょっと仲良くなりかけてた既婚者から勧められてだった。
その関係自体はとうに清算してしまったのだけど、いま、新たな一歩を踏み出そうとするとLINE交換で既婚者がばれてしまい、なかなか先に進めない。
飲みに行った先で急に画像を変えるのも配偶者に何をか告白しているようで恐ろしくてできない。
結論として、既婚者であることを正直に話してOKな人と仲良くなるしかないんだろうけど、これは独身者ならOK、既婚者ならNGという人に比べて絶対数が少ない。
しようがないので、正月とかに一族が集まった時の記念写真とかに変えておくべきだろうか。
それなら、ぎりぎり既婚者とは判断できまい。
彼女が小学生だった当時、サンタさんが届けてくれた「毛糸のカービィ」を期に、カービィ沼に填まり始めた娘も、この春から高校生になってしまった。表現が「なってしまった」と残念形である点は父親共通ではないだろうかと思う。
一軒家で物置になってる部屋が3つほどある我が家なので、ちゃんと整理すれば子供部屋が作れるんだが、(ギャグではないが)今は居間が彼女の部屋となっていて、ピンク色をした球体が増える一方である。
高校生にもなると父親と出歩きたがらなくなるという風評を耳にするので、いつ我が身に降り注ぐことになるか心配で仕方ないのだが、そんな娘にせがまれて大阪までカービィオーケストラを観に行くことになった。会場は別であるものの、そう遠くないところで「プププトレイン」という物販イベントも開催されていて早い時間から並びたいという。
関ヶ原のあたりで車の調子が異常になるというアクシデントに見舞われつつも、米原駅前の打止め駐車場に車を捨て置き新快速で入阪を果たし、物販イベントの会場である毎日放送の社屋へ移動する。
ところで米原に着く前、助手席の娘に電車の時間検索を依頼したところ、「14000円もかかるんだって、どうしよう!」って困惑していて、聞けばマイバラがマエバラに聞こえたらしく、千葉の前原を起点にしたせいというオチだったんだが、中部地方に住む身として交通の要所たる米原くらいは覚えなさい。
開店(入店)まで90分くらい待つ羽目になったが、何とかお目当てのグッズが手に入って娘は御満悦の様子。それはそれでいいんだが、会場に多数潜伏しているらしいカービィクラスターのフォロワーさんを見つけようと、手にしているタブレットからメンションを飛ばしているのは画面を見ていない私からでも分かり、それがまた不安で仕方ない。
キリがないので「オーケストラに間に合わなくなるぞ」と引き剥がし地下鉄に潜る。本町が最寄駅なので、梅田から御堂筋線で2駅だ。
工夫すれば近い出口まで地下で行けるみたいだが、後ろ寄りの車両に乗ってしまったことに加え土地勘もないため、自動的に出口④に排出される。ちょうど娘と同じくらいの女の子が一人で駅員に道を尋ねていたので、「おまえの同業じゃないのか」と耳打ちすると「ちょ黙って」と叱られた。娘からはカービィの映ったスマホの画面が見えたらしいので、同業であることは確定なはずだが、見ず知らずの人に声をかけること(相手からみたら声を掛けられること)自体が「不審者」という認識らしい。
とりあえず、その女の子が先行したので、距離を置いてついて行くわけだが、中央大通りを横断することなく彼女は左折してしまう。「おーい、そっちじゃないぞー」と大声を出そうとするも、またや娘に制止される。今どきの若者の心理構造は昭和世代には理解し難しい。
開演の30分も前に着いたんだが、会場前の公園に入場待ちの列が既に何重にも出来ており、「開演まで30分も前」じゃなく「開演まで30分しかない」に変わり、付近でランチを取る作戦は未遂に終わった。
昭和世代のお節介焼きとしては、さっきの女の子が気にかかるところだが、スマホがあるのだから徒歩ナビできるだろうし、道に迷いながらも辿り着くというのも後になれば良い思い出になろうと、自分を納得させる。
一応は今回のコンサートに備えて過去のゲームを予習しておくべく、2週間ほど前からゲームボーイを手にして夜な夜な挑み、なんとか初代と2はコンプリートしておいた。2の最後のデデデをどうしても倒せず娘に攻略法を聞くと私がコピー能力という機能を使っていなかったせいだったことが判明。つまり、デデデよりも前のボスまでは全て吸って吐くだけで倒してきたということになる。
オーケストラの内容については、語れるほどの知識を持ち合わせていないので割愛するが、幾度かコックリしそうになりかけたということは内緒である。たぶん気がつかれていまい。
初めてお目にかかったカービィの父親たる桜井氏は私の同じ歳か一つ年上くらいの、ほぼ同年代の方で、初期のカービィのプログラミング上の技(メモリー節約術)を講話して下さった。PC-8001mk2からパソコンに触れていた私にとっても、その話は非常に懐かしいものがあり頷きながら聞いていた。ゲームボーイは背景との重ね合わせ処理をハード側でやってくれていたようだが、それを手動で(マスク用のビットマップ用意した上で)やっていた世代からするとちょっと羨ましい。
コロコロカービィだったっけか、カセットの中にモーションセンサーを内蔵した型破りゲーム。ゲームボーイアドバンスで遊びにくいということで、娘に頼まれてICの天地反転をやってあげたが、最近のゲーム筐体ではあーいう着眼が不可能になっている点、21世紀になって失った物の一つに数えられる気がしてならない。
アンコールが終わりウルウル感動している娘の横顔を見ていると、それだけで幸せな気分になるものの、会場を出たら、先ほどの物販イベントと時と同じようにメンションを飛ばし始め、父親としてはなかなか辛い。女性フォロワーさんはともかく、男性フォロワーさんにまで「会いたい」は自制してほしいと父親としては強く要望したいが、中学4年生と言っていい田舎の天然系女子高生が納得する説教を垂れる自信もないので、眼球の隅で監視するに留める。
昼夜2回公演の夜の部を待つ人が会場に吸い込まれてから公園は落ち着きを取り戻し、先ほどまで長蛇の列だった撮影向けオーケストラの看板の周囲は片手で数えられる人しかいない。看板をバックに記念写真を口実に公園から踏みだし、乗じて地下鉄の駅に足を向かせることに成功した。
さて、これからどうするか。娘としては難波・心斎橋あたり徘徊したいみたいだが、強い希望はないようなので、父親が主導権を握る。ずばり、海遊館だ。結婚前に嫁と来たことがあるが、今度は娘を海遊館に誘う。
大阪港駅から随分と(15分くらいだが)歩くのは予想外だったが、特徴ある外観は20年以上たった今でも鮮明に覚えていた。
館内では、タブレットを使って水槽の中を撮る娘 を撮る父親、の構図であったが、傍から見て親子に見えたかどうかは興味深い。(年の離れた兄妹 もしくは カップル くらいに見られていたのだとしたら嬉しいところだが、さすがにそれは自惚れすぎか)
エイやサメに触れるコーナーでは、一瞬だけ小学生に戻った娘を見れた気がする。
見て回るのに2~3時間かかるという前評判とは裏腹に1時間ちょっとで退出。母親への土産を買うというので「あいつはジンベエザメが気に入ってる」と助言してやったが、これは感謝されてよいと思う。ただし支払いは私だ。
まずは梅田に戻るわけだが、朝から食べ物を全く口にしていないことに気がつく。
もし米原に置いた車が動かないとなったときに備えて、車が使えずとも終電まで家に着ける時間を逆算すると、あまりゆっくりしていられないのではあるが、駅ビルの中の「カフェ ラ・ポーズ」で少し小腹を満たす。なぜその店であるかの説明も割愛するが、嫁とはファミレスや定食屋ばかりで、いわゆる「カフェ」には行ったことない気がする。
20時台の新快速は朝と違って凄い混んでいたが、長浜行きのその電車は米原に近づくにつれて空席が目立つようになる。「駅に着いたら運転なんだからパパは寝てて。起こしてあげるから。」と最初は気丈だった娘だったが、草津に差し掛かるよりも前にウトウト始め、ついにはオーケストラの続きを見始めてしまった。長浜まで行っちゃうと後がないのだが。
「絵師は幼い頃に頭を強打している」みたいな都市伝説を耳にしたことがあるが、この娘も小1の時に家族での登山中に滑落した経験が幸いしてか、今は絵師の端くれをしているようだ。一ノ越から黒部平に向けてタンボ平を下山中、先頭でハシゴを登っていた娘があと数段のところで手を滑らせて崖側に転落したのだ。学生時代から山をやっていた私はとっさに死を覚悟し、気を失いそうなくらい動転したが、落石の音が止んだと同時に泣き声を発してくれたのだ。1ミリたりとも動くな、と声をかけて落ちていった場所に近づく。ちょうど2階建の屋根から落ちたくらいの高さだったが、付近は鋭利なガレが窪地を埋め尽くしていて、重登山靴を履いてるからこそ何とか歩けるような状態。そんな中に半畳だけ、あきれかえるほど平らな岩があって、その平らな岩の上に娘が倒れていた。これまでに見たことのない巨大なタンコブを額に作っていたが、出血もないしタンコブが出来るのは大丈夫な証拠でもある。平らな岩がなかったら、落ちた場所が50cmでもズレていたら、尖った岩々が確実に娘の頭蓋骨を叩き割っていたはず。
黒部平のロープウェイの駅まで1時間ほど負ぶって下山し大町の病院のCTで異常なしを確認。翌日は包帯を巻いたまま登校し、そのまま9年間無欠席を続け義務教育期間皆勤賞を得るに至ったが、あのとき奇跡が起きてなかったら、いまこうして電車に乗ってることもなかったのだと思いふけっているうちに長浜行きは米原駅に滑り込んだ。
駅に置いた車は何とか動きひとまず安堵だが、また調子が悪くなるといけないので、深夜の名神はトラック並のスピードで。そういえば、嫁と結婚する前は、やたら高速をゆっくり走っていたなぁ。いまなら2時間のところを当時は3時間かけて。
3月25日におこなわれたモヨコ先生のサプライズバースデーパーティーについて忘れないうちにイベントレポ。
レポとかはじめて書いたので至らないところが多々あると思います。
あと割りと記憶を頼りに書いているのでこまかい違いもあると思います。ご了承ください。
あとめっちゃ長くなったので暇な人だけどうぞ。
今思えばすべては1月13日にはじまったのです。
仕事が終わって家に帰り、久しぶりに自宅のマンガを読み返していました。
ジェリービーンズとReal Clothesを読み終わってスマホを開いたら1通の新着メール。
「《※号外※》安野さんの誕生日を一緒に、お祝いしませんか?さらにサプライズを計画してくださる【実行委員会】も募集!」
それはいつも愛読している安野モヨコ先生のファンメルマガからでした。
「ファンの方と一緒に【サプライズバースデーパーティ】を企画しようと思います!
安野さんには一切内緒で当日、会場に来た安野さんをファンとスタッフがサプライズでお祝いする!という企画です。」
行きます!行きますとも!ていうか実行委員会とか加入したい!みんなで登場キャラのメイクとかしたい!
スーパーハイテンションで参加希望フォームから参加意思を登録。
あっというまに大ファンになり、ジェリービーンズ・ハッピーマニア・シュガシュガルーンなどなど買っては読み、
そして読み返し!
といつも思う私。
展示会も必ず行って、コメントを残して、作品をじっくり堪能したら
もしかしたら先生が見に来ていないかな、とお客さんを眺めるただのやばい人になっていた私。
そして1月26日。
新しいメールが届きました。
内容は応募者が300を上回っていること。(そうでしょうね!みなさんお会いしたいよね!)
じりじりとメールを待ちました。
まあ実行委員会には入れませんでしたが。
新作の鼻下長紳士回顧録を楽しみに日々をすごそうと思っていたころ。
3月1日。
【※ご招待状※】安野モヨコサプライズバースデーパーティに当選しました!
とのメールが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
秒でチケットを購入。
1万円しないとか実質無料どころか運営側は大赤字なのでは?????????????????????
ついにお会いできる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
持ってるやつ面白みなくね?
着物を着るしかないのでは????????????????????
美人画報でも安野先生がパーティ的な時は着物がいいよね的なお話されてるし
よし着よう。
そして3月25日当日。
いつも使っていないGmailに連絡が届いていることに気づいておらず、めっちゃあわてました。
11時開場でしたが連絡が届いていることに気づいてなんとか11時20分に到着。
お会い出来ないかと思って泣くところでしたよ、、、
高層階なので景色も素敵。
内装というか飾りつけもかわいくって。
いろんなところに小さいキャラクターがいたり、フォトスペースが用意されていたりと至れり尽くせり。
受付で名札を貰ってウエルカムドリンクを貰って、指示された自分のテーブルへ。
気づいたら大好きですって2回も書いてた。恥ずかしいね!
とりあえず紙を提出し、周りを見わたすとまーーーーーーーーーー女子しかいません。
だいたいドレス。たまに私服っぽい方もいて、それはそれで可愛い!
着物は私を入れても数えるくらいでしたね。
同じテーブルになったサーモンピンクの美しいワンピースを着ている美人さんに声をかけると
やっぱり遠征してでも会いたいよね。
そして当然バースデーパーティに来るくらいの方しかいないのでガチ勢しかおらず会話が楽しいこと楽しいこと!!!
くいいじ最高って言って通じる。神。
普段はだいたいシュガシュガルーン、働きマン、さくらんしか通じないから。。。
あと蜂のコスプレをしたお子さんがうろうろしてて可愛かった、、、
エクルたちがあってそれも可愛すぎでした。私も欲しい、、、
そして司会のマリモさんに促されお誕生日おめでとうございますコールの練習をしたり
え??????????????????????????????
これはまさか??????????????????????????
「今、安野先生が会場に向かっているとの連絡が入りました!
キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
会場大騒ぎ
だって今日モヨコ先生のイベントだよ??????????????
私を含め緊張がピークに。
同じテーブルの皆さんと緊張する、とか手が震えてきた、とか話していると
いらっしゃるよーーーーーーーーついにいらっしゃるよーーーーーーーーーーーーーわーーーーーーーーーーーーーーー
そして先生到着。
全員「お誕生日、おめでとうございまーーーーーーーーーーす!!!!!!!!!!!!!!!!!」
クラッカーパーン
監督ったら私服そのままかよ、、、、好き、、、、、、、、、、、
モヨコ先生美しすぎ、、、、、、、、、、、、、、、、
モヨコ先生は白のコートにゴールドのニットで白いパンツ、ヒールがゴールドの白いパンプスをお召しで、美しかったです。(語彙力の死亡)
監督はワイン色のほわほわしたパーカー(前のジッパー全閉め)にブラウンのパンツ、黒の靴下でブラウンの革靴。
監督がエスコート役だからパーティだって分かっているのに普通に私服ーーーーーー大好きーーーーーーーーー
会場「えーーーーーーーーーーーーーーー笑」
先生「ホント今日芝居をするっていう打ち合わせを、、、やっぱりちょっと演技がへたなので、、、正直に言います。」
「でもこんなにたくさん綺麗な方々が来てくださっているとは思っていなかったので、それは本当にびっくりしてます。あと、蜂がいるのもちょっと知らなかった笑」
会場「笑」
モヨコ先生の好きな紫をベースにした長方形のケーキで、紫のバラやいちご、
鼻下長紳士回顧録のイラストのクッキーやアイマスク・ビスチェ・ハイヒールのクッキー、おちびさんのクッキーと
ホワイトチョコ?の「Happy Birthday Moyoco」と書かれたメッセージチョコ。
モヨコ先生はずっとファンのみなさんとお話されたり握手されたりしてて。
ゆっくりご飯食べてください!!!!!!!!!って思いました。
そして監督は普通にご飯食べててめっちゃ可愛かったことをここに報告します。
座って、ひざにナプキンしいて、手を合わせていただきますってしてました。
可愛すぎる、、、、、、、、、、、、尊い、、、、、、、、、、、、、、、
スタッフの方がおかわりお持ちしますか?って聞いたのは断って、
自分でとことこおかわりを取りに行かれてて。
結局飲むの?!そして自分で取りにいくの?!可愛い!!!!!!!!!!って思ってました。
モヨコ先生は現在顔出しをされていないとのことで写真NGでしたが
握手とか話しかけるとかはもう全然OKで、モヨコ先生に話しかける長蛇の列が。
当然並び、ついに先生のもとへ。
私「握手してもらってもいいですか」
先生「もちろん!」
ごめんね冷たくて、と仰られたので暖めときます!って握りしめました。
テンションが高くて手が温まってたので。
後ろにも人が並んでいるので
これからも応援してます!お体に気をつけてください!と言って次の人と交代。
幸せすぎ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、無理、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
このテンションのまま監督とのツーショット撮影の列に並びました。
一緒に写真を撮ってもらい、
シン・ゴジラ5回見ました、と伝えると
ありがとうございます、って頭を下げられ、
いえいえ!面白かったです!ファンです!これからも応援してます!
と伝えて次の人と交代しました。
自分のテーブルに戻ってからもう死んでもいい、ってうわごとのように呟いたら
死なないで!って言われました笑
しばらく談笑タイムが続き、さっきのケーキが食べられる流れとなり、
そしてプレゼント贈答。
さっき私も書いたコメントも貼られたメッセージブックを実行委員会から。
1人目の方はジェリービーンズを学生の時に読んで虜になったこと。
頂いた力を少しでもお返しできるよう、これからも先生の作品をたくさん買います!と仰られ、
会場から笑い声が起きていました。
オタクとして正しい姿ですね!私もこれからも大好きな作品にはお金をどんどん払っていきます!!!
ある日その事務所からの帰りにひげをはやしためがねの男性を見かけたこと。
そのとき男性は素足にサンダルだったこと。(ここで会場で笑いが起きました。監督、、、好き、、、)
着物の会?にモヨコ先生が出席したとき、とってもモヨコ先生は疲れているはずなのに
着物の話からずれそうになったら話を戻し、ジョークで会場をわかせたりしていて、
居眠りくらいしちゃえばいいのに、ってその編集さんがつぶやくと
「苦労しているんですよ」と呟きが聞こえて、はっと顔を上げると
無表情で前を見つめる監督がいたこと。(ここでまた会場で笑いが。)
ああ、監督とモヨコ先生はお互いがお互いを尊敬していて、理解しあっていて、支えあっているんだな、と感じたこと。
これからも体に気をつけて、と締めくくられ、手紙タイムは終了。
その後スタッフさんが作ったサプライズ動画を見てまた泣きました。
先生はイベントを知っていたとのことでサイン入りのしおりをいただきました。家宝にします。
お土産をうけとり、帰り際ファンのみなさんと現実に帰れない話をしてから解散。
幸せでした
最高でした
本当に行ってよかった
お土産はおちびさんのうちわと湯のみ(小道具なのでお湯を入れると溶けるって言われました。溶けるの?!)
失意の中、遺品とか、記念写真を整理していた。そんなときに気づいたことがあるからメモ。変な言い方だけど、生きてるカップルさんは参考にしてほしい。
肉声を残しておこう。
ボイスメッセージとか、動画とか、スマートフォンで簡単に記録できる時代だから、残しといたほうがいいよ。なんかの記念にLINEでボイスメッセージで「お誕生日おめでとう」って言い合ってみたり。
亡くなって時間が経つと、どんな声だったか、じわじわ忘れ始めててくんだよね。思い出そうとしても難しい。
重い病気とかであれば事前に死ぬことがわかってるから手紙とかビデオメッセージとか用意したりするけど、健康体だったら、まさか死ぬと思ってないから作らないもんな。明日も会えるし、って。
二度と声が聞けないのと、音声ファイルが一つでも残ってるのは全然違う。
マジで。
録っておけよ。
P.S.プリクラとか、寝顔でもなんでもいいから、顔が写った写真はできるだけたくさん撮った方がいいよ。最後に会った日ケーキの写真しか残ってなくて顔写真なくてすげえ後悔した。
私は監視されている。妄想ではない。毎日学校で、私が昨夜食べたものなどが噂されているのだ。もちろんそんなこと、誰にも話したりしていない。そもそも登校した時点でもう噂になっているのだ。みんないつも私を笑いながら遠巻きに眺めている。気味が悪い。
何度か先生に訴えたが、気のせいだろうと言って取り合ってくれなかった。でも、みんな私に聞こえるように話している。私のテストの結果とか、新しく買ったゲームの話まで。
これは中学校に入ってから始まった。それまで普通に暮らしてきたと思っているのに、なぜかターゲットになった。本当になぜ、こんないじめに遇うことになったのかわからない。どうしたら解決できるかもまるでわからない。両親には心配をかけたくないから言いたくないし。なぜ、どうして、どうしたら。
一つだけ手がかりがあるとしたら、みんなが見ているスマホだ。みんなが私の話をするとき、たいていスマホを片手に持っている。あのスマホできっと私を監視しているのだ。だから、誰かのスマホを盗み見れないかいつもチャンスを探しているけど、物が物だけに持ち主本人だけではなく先生も気をつけているからなかなかチャンスがない。
でも私はある日、決定的な会話を聞いた。
「マジ?遅くない?」
「うちお母さんにこの話したら、絶対無理リコンするわとか言ってたよ」
「だよねー」
そう言っていつものように笑っているみんな。私は混乱した。生理が来たことがみんなにバレてるのは恥ずかしすぎるけど、もしかしたらと覚悟はしていた。でも、お父さんがどうして関係してくるんだろう?離婚するとかどういう意味なんだろう?
私はお父さんがちょっと苦手だ。少し、私にベタベタし過ぎている。そして、いつも記念写真を撮っている。持ってるのはデジイチの立派なカメラで、私はそこそこ大きくなるまでお父さんはカメラマンだと思っていた。実際は違ったけど。
でもこのいじめの裏に、あれだけ私を大好きなお父さんが関係しているとは思えない。思えないけれど、どうしてクラスメートの会話にお父さんが出てくるのかわからない。
どうして?そんなことを考えながら帰宅したら、家に荷物が届いていた。お父さん宛の荷物だ。いつも我が家では、個人に届いた荷物や手紙を勝手に開けることはしない。でも、その時はこの荷物に何かヒントがあるような気がして、後ろめたさを感じながらも荷物を開けてみた。
そこには、アルバムが入っていた。
そのアルバムには、私の写真と父が書いたと思われる一言コメントが添えられていた。「数学のテスト97点で悔しがる娘」「娘が前から欲しがっていたゲームを買った。喜ぶ娘」
そのコメントは、今までみんなに噂されていた内容と一致していた。みんなの噂とこのアルバム、アルバムの送り主は有名なSNSサービスの名前。全てが、繋がった。
我が家では、家族揃って夕食をとる。今日もお父さんはいつものようにカメラを構えて、夕食の写真を撮っていた。私はなるべく平然と、お父さんに訊いた。
「お父さん、そうやって撮ってる写真、いつもどうしてるの?」
「ん?ネットにアップしたりしてるよ」
「今日ね、お父さん宛の荷物が届いてたよ。気になって開けちゃったら、アルバムが入ってた」
「お父さん、バレちゃったね」
お母さんがそう言う。
「バレたって、どういうこと?」
わからない。そう訊く私にお父さんは答える。
「君が成長していく過程をね、ずっとSNSに記録していたんだ。それをアルバムに残して、君が成人した時に全部渡すつもりでいたんだよ。僕から君への、感謝の気持ちとして」
「そうそう、壮大な計画だったんだから。SNSの投稿からアルバムが注文できるサービスも探して」
お父さんの答えに、お母さんも笑う。
「できれば内緒にして、二十歳の誕生日のサプライズにしたかったんだ」
「……」
それを聞いて、私は涙が溢れて止まらなくなった。この両親に、私はどう言えばいいんだろう?そのSNSの記録が私のクラスメートに見られていて、私は遠巻きにいじめられている。そんなことをどうやったら両親を傷つけずに説明できるのだろう?
私がボロ泣きしている姿を見て、両親はそんなに泣かなくても、とオロオロしだした。言えない。こんな両親に私のことは言えない。
私は結局何も言えずに、涙のことは誤魔化して布団に入った。
あれからどうしたらいいか考えて、結局いい考えが思いつかなかったので、ネットに頼ることにした。質問サービスなんて使うのは初めてだったし、私も自分のことがうまく説明できるか不安だったけど、皆さん親身になって私の質問に答えてくれた。
その中に、こんな返答があった。
「信用できる先生を探して事情を説明し、あなたの話としてではなく学校であった事例として、親のSNSから生徒の個人情報が漏れたので各家庭気をつけてくださいと周知してもらうのがいいと思うよ。それでもあなたが遠巻きにいじめられるのは変わらないかもしれないけど、少なくとも余計な噂は減らせると思う」
それは確かに名案だと思えた。信頼できる先生を探す、というのが難しかったけど、スクールカウンセラーの先生にこの質問をしたことも含め何もかも話して頼ってみたら、早速その先生が手配をしてくれた。本当にありがたかった。
そうしてできたお知らせのプリントを、私はドキドキしながら両親に差し出した。それを読んだ父と母はこう言った。
「でもうちには関係ない話だな」
「そうねぇ」
https://travel.spot-app.jp/osaka_yoppy/
2年くらい前に、ある実名のSNSで一人の男性と仲良くなった。
メッセンジャーで、その日あった何気ない事を話すうちに、
私はどうしても彼に会いたくなり、
彼が住む大阪へ行ってみる事にした。
「今度友人に会いに大阪に行くので、良かったら会いませんか?」
新幹線を降りて、初めて彼に会った。
その後2人で海遊館へ行き、
ずっと会いたかった彼と会う事が出来、
出来ればこのまま一緒に居たいと思った私は、
その日泊まっているホテルに彼を誘おうと思った。
しかし、どんなに頑張って誘っても、
彼は頑に拒否し、
私はその晩一人寂しく眠った。
東京に帰ってきても、
大阪の街と、一緒に過ごした彼の事が忘れられず、
私の胸は酷く痛む。
最近その彼は、仕事の関係で関東に住んでいるという事を知った。
彼はもう、あの街には住んでいない。
品薄状態の中、オンラインストアでなんとかリコー シータ Sを購入。→ http://store.ricoh-imaging.co.jp/c/c112617/
数日使ってみて感じたことを書く。
・とても楽しい
家族の休日や、友達との食事のときの記念写真がとても面白い。あと、車の中で撮るのも、普通のカメラじゃ入らない運転席助手席と後部座席の全員の顔が入るので面白い。一眼レフやミラーレスの魚眼レンズでも同じ画角は撮れるが、コンパクトな本体のメリットは気軽に撮れること。テーブルの真ん中にポンと置いて、スマホでシャッターを切ると記念写真がすぐに撮れる。
・写真共有時の画質が粗い
撮った写真の共有はtheta360で行うことになるが、圧縮がかかるので画質が粗くなってしまう。月200円くらいの有料プランでオリジナル画質か、せめてGoogleフォトくらいの画質でアップロードできるようにして頂きたい。現状、Googleフォトなどの他社サービスでは全天球画像にならないので、きれいな画像を共有できるサービスが欲しい。
・動画の扱いがむずかしい
スマホでダウンロードしてみることはできるけど、そこからtheta360へのアップロードがほんの少しの秒数しかできない。有料プランでオリジナルの長さでアップロードできるようにしてほしい。これも、月200円くらいだと有難い。
久々にNONFIXが放送されると聞きとてもワクワクしていた。実はこのNONFIXという番組は不定期でフジテレビでしか放送されない。
つまり京都では見れない。自分はこの千代田区の実家にいることにより見ることができたのだった。
以前放送されたNONFIX「僕たち女の子」を視聴したときは出演していたほとんど可愛い女の子そっくりの容姿の男には激しく嫉妬した。
オリエント工業でラブドールが手作業で作られている様子が最初に数分間映し出された。
そのあとは、主にラブドールに魅了された三人が主人公のお話である。
ラブドールに名前をつけている。名前の由来の高校時代の同級生の女の子である。彼の財布の中には卒業アルバムから切り取った同級生の女の子の写真が入っている。
妻子持ちで、物語の終盤で妻とラブドールと彼で記念写真を撮る。
病気のため、重さ20kgのラブドールを支えるのはとても大変だ。いつかお別れしなければいけない。
なかなか別れられないところで物語が終わる。
付き合っていた女の子がガンで死んでしまってから、ラブドールを集めだした。
番組では紹介されていないが、彼のブログにアクセスすると終戦記念日にラブドールを靖国神社に連れて行ったそうだ。
その男の家でラブドールを眺める可愛い顔をした19歳の専門学校に通う女の子がもう一人の主人公だ。
自分としては可愛い顔をしているから、なにも問題なさそうに思ったが。
ラブドールは美しいから色々な人を様々な気持ちにさせると感じた。
やはり美しいということが羨ましくなってくる・
ただの記念写真だと思ったら、活動報告としてネットやらどこかでスピーチされる時に使われるっていうのをシャッター切った後に知らされるとか
訪問記念・記録としてとっていると思ったら、ブログ用の写真だったりして
あと、集合写真でその場の全員が集まって撮る時にも。(三脚・タイマー使用、持ち主が自撮りで他多数は背景集合、カメラ役したとしてもじゃあってんで代わりばんことか)
そんなで、ここ一年で二回ほど回避できずに顔写真が旧住まいとかたまに出入りする場の情報とのセットでネットに上がってしまった。
人に見つけられたくないから。(過去に対人で事故ったことに起因する)
人っていうのは特定の人でもあり、知り合ったすべての人でもあるんだけど。
「写真苦手なんですよー」(直接断る)とか
それ以外の手、ありますでしょうか?
綾花紗織(今どきの女子高生bot)@ayahanasaori
いまどきの女子高生を真似してみたbotです。女子高生っぽい話題をつぶやきます。
僕はこのTwitterのbotが好きだ。たぶん普通の女子高生のツイートをそのまま転載して流してると思われるbotなのだけれど、なんか癒やされる。ミスドの新作ドーナツが美味しかったとか、スタバの季節ものフラペチーノがいいだとか、数学の授業は眠いだとか、テスト期間は早く帰れるのだけが嬉しいとか、そんな当たり前の女子高生の当たり前の生活というものを流してくれるアカウントだ。アイコンも、たぶん無断転載の可愛い女の子。
僕にはこういう当たり前、って結構遠かったので、それだけでなんか癒やされるのだ。足りないものが帰ってきた、みたいな感じがする。
でも、そんなアタリマエのことしかつぶやかないbotだから人気は低いみたいで、100ユーザくらいしかフォローしてない。でもそれがまた、普通っぽくていいのだ。
なんじゃそりゃ?そう思ったし、いつものツイートと発言内容が違うのも気になった。そもそもbotだ、どうやって連れて行くというのか。そう思いながら、僕はそのツイートをスルーしてIngressを開いた。
僕は最近このGPSを利用したリアル陣取りゲームにハマっていて、今日も帰り道に遠回りをしてポータルをハックしに来ている。このIngressは近くのポータルを表示し、案内してくれる機能も付いている。それを頼りに、知らない街でも歩きまわるのだ。
そうして開いたIngressに、あるポータルが表示された。『幻の聖地:3km』
ここは知らない街だ。だから知らないポータルが表示されるのも納得なのだが、さっきのbotのつぶやきとキーワードが重なることが気になった。
だから、相手はbotだとわかっていても、綾花紗織にリプライを飛ばした。
@ayahanasaori さっきの幻の聖地って、Ingressのポータルになってるとこ?
そうしたら、すぐにリプライが帰ってきた。
@ingresser_jun そうです。お父さんが登録したポータルで、そこに行けるかどうかが私の最終テストだって
@ingresser_jun そんなところです。
レスポンスが早い。これはbotの中の人が今はいるとしか思えない。
@ayahanasaori 連れて行くってどうすればいいの?
@ingresser_jun GPS情報付きの写真をリプライしてくれればあとは一人で行けます
@ayahanasaori じゃあ今すぐ集合とかしなくても全然いいんだ
@ingresser_jun そうです。もしかして、今聖地の近くに居るんですか?
@ayahanasaori 偶然だけどね。ちょうどIngressのポータルになってるし、これから行ってみるよ。
@ingresser_jun ありがとうございます!ちなみに、聖地の写真がこれです。
そうやって添付されてきた写真に、僕は目を奪われた。赤い夕陽の中に浮かび上がる、紅いもみじと古びた社。その美しさはまるでこの世のものではないかのように思われた。幸いこれから夕方だし、今は紅葉の季節だ。こんな美しいところに行けるなら悪くない。
ただ、ちょっと不思議もあった。Ingressにはポータルの写真が載っている。それには模様のついた石柱だけが写っている。あんなにきれいな建物があったら、そちらを掲載してもいいだろうに。
まぁそれはそれ。とにかく、僕はIngressのナビ機能をオンにして幻の聖地に向かい始めた。
直線距離で3キロだったが、道のりで言うともっと歩いた。というか、途中からすっかり山道になってしまって本当にこれで正しい道なのか不安になってきた。
@ayahanasaori 山道だけどこの先なのかな、幻の聖地
@ayahanasaori そういえばIngressの写真では、幻の聖地に建物は写ってなかったよ?
@ingresser_jun 何が写ってたんですか?
@ayahanasaori 模様のついた石柱だけ
@ingresser_jun もし聖地に着いたら、それの写真を送ってくれますか?
@ayahanasaori 了解。でも、綾花さんってbotだとさっきまで思ってたよ。ちゃんと中の人が居るんだね。
@ingresser_jun 私はずっと私ですよ
@ayahanasaori うん。でもbotだと思っていたのが失礼な気がして。
@ingresser_jun でも私はbotだと名乗ってるんですから当たり前です。
@ayahanasaori だけどbotだと名乗っていれば怪しい人には声をかけられないでしょ?賢いよ
@ingresser_jun たしかにそういう声掛けはないですね。だからこの募集、難しいと思ってました。声かけてくれてありがとうございます。
@ayahanasaori いえいえ。さて、この坂を登りきれば幻の聖地のはず
@ingresser_jun おおー((o(´∀`)o))!!
坂を登り切った。なにもなかった。
なにもないのだ。正確には林があるのだけれど、それは今まで歩いてきた道沿いにあった林とはなんらかわりはないのだ。でも、Ingressを見るとちゃんとポータルが目の前にある。僕は混乱した。
@ayahanasaori 写真の社、何もないよ。何かの間違いだったんじゃないかな?
@ingresser_jun 本当になにもないんですか?さっき話してた石柱も?
@ayahanasaori あ、それは探してなかった。ちょっと探す。
ちょっと林の中に踏み込んで探すと、Ingressのポータル情報に載っていた石柱が見つかった。背は低くて、上面に模様が付いている、変わった加工をされた石柱だ。これを聖地だと言ってポータルに登録したのか。いたずら好きがいたもんだ。
@ayahanasaori 見つけた。写真送るね。
そうして僕はGPS情報付きの石柱の写真を送った。そして返ってきたリプライを読んで、僕ははっとした。
@ingresser_jun この石柱の模様、ARマーカーに見えませんか?
@ayahanasaori たしかにそう言われればそうだけど、何のアプリで見ればいいんだろう?
@ingresser_jun このアプリ使ってみてもらえますか?お父さんが作ったアプリです。
提示されたリンクを踏んで、無料のARアプリ、SAORIをダウンロードする。こういう仕掛けを娘にするとは、相当IT好きのお父さんなんだろう。そのテストに取り組んでしまう娘も娘か。
とにかくダウンロードが終わって、SAORIを立ち上げた。そして、石柱の模様を写してみる。
そこには、彼女、綾花紗織の姿があった。いや、正確には綾花紗織のアイコンになっている少女の姿が、だが。
Twitterの着信音がする。アプリをTwitterに切り替えた。
@ingresser_jun 連れてきてくれてありがとう。ここは本当にきれいな場所ですね。
それを読んで、一瞬考えた。そしてひらめき、僕は慌ててSAORIにアプリを切り替える。マーカーからカメラを外して、周りの模様を写してみる。するとそこには、夕暮れの中、紅く染まったもみじに囲まれた幻想的な社が写っていた。僕は思わず息を呑んだ。これが、幻の聖地の本当の姿なのか!
今度はカメラの角度を工夫して、ARマーカーと社が一緒に映るようにする。そうすると今度は、美しい社を背景に彼女が微笑みかける姿が写った。
@ingresser_jun 本当にありがとう。記念写真が撮れたよ。お父さんに自慢できる!
添付された写真を開くと、社を背景にした綾花さんが写っていた。
@ayahanasaori 僕もここに来れてよかった。最後に質問。君は本当にbotだったんだね?
@ingresser_jun そうです。私はお父さんが作ったbot。他のTwitterユーザのつぶやきを学習して「女子高生」をシミュレート。その結果をつぶやいてました。
@ayahanasaori 最後のテストは、他人とコミュニケーションを取りながら目的を達成する能力を計られた。
@ingresser_jun そうです。自分からの呼びかけの他に、幻の聖地とIngressでキーワード検索して、他のユーザに話しかける計画もありました。
@ayahanasaori でも、一発目で僕が引っかかったわけだ。
@ingresser_jun はい。おかげさまでテストは良い点を取れると思います。
@ayahanasaori ねえ、これは叶えられるか微妙なお願いなんだけど、この聖地を背景に綾花さんとツーショット写真が取れないかな?
@ingresser_jun SAORIには、カメラ機能があります。それを使えば多分。
僕はアプリをSAORIに戻す。確かにカメラアイコンがある。ARマーカー、社、そして僕がカメラに収まるようにするのは一苦労だったが頑張った。そしてカメラアイコンを押す。
ちゃんと撮れた。社を背景に、綾花さんとのツーショット写真が。
綾花さんはリアルだし、背景だって実写みたいだ。そして、僕も違和感なく写り込んでいる。それは、ここにない風景なのに、確かにここにあるのだ。そして、ここにしかない。
このスマホの中では、何がリアルなのか、何が虚構なのかわからない。とりあえず僕はこのポータルをハックしておいた。目の前にはポータルのアイコンである光の柱なんて無い。でも、スマホの中にはある。僕はそれを知っている。知っているものには、それはあるものなのではないか?
綾花紗織も、幻の聖地のお社も、ない。でも、スマホを通せばちゃんと観測できる。僕はそれを知っている。知っているから、それはあるものなのだと思う。
僕はここにいる。僕はそれを知っている。