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2019-12-28

2010年代を振り返ってて思ったんだけど

巫女さんがメインキャラのアニメが少なくなってる気がするなあ

巫女さんはオワコン化しているのだろうか

[]2019年12月27日金曜日増田

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仕事納め(10), 戦姫絶唱シンフォギア(3), chance(3), 除夜の鐘(3), ベスト10(4), なかでも(3), 国難(4), LD(3), 名古屋市(3), みや(3), 濃密(4), 氷菓(3), 年末(9), 不祥事(5), Python(5), シーズン(6), 劇場版(5), 少子化対策(5), 拉致(5), エヴァ(5), 配属(4), 入れれ(4), 絶滅(8), クリスマス(9), 脚本(6), 障碍者(9), 3000円(6), 漏らし(6), パワハラ(12), アニメ化(7), 改変(5), 関西弁(5), 来年(10), 深く(9), CM(9), 継続(8), 原作(11), やや(7), 自民党(15), 今年(16), 様子(11)

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2019-12-27

けもフレ」「けもフレ2」「ケムリクサ」は?

それに一つ加えるなら「鉄血のオルフェンズ

この4作を語らずに2010年代を語る奴ら、無意味オリジナリティを出すことに固執して本質を見失った馬鹿オタクしかいない

2010年代面白いアニメが多かった。anond:20191227121151

たった10本じゃ総合力が高いメジャー作品ばかりになってツボにはまった系が選びにくい。

魔法少女まどかマギカ

毎週心をかき乱された、イヌカレー空間のお洒落さ可愛さ、話の引っ掻き回し方全てが楽しかった。

妖怪ウォッチ

何本も短編を突っ込んでくるスピード感お得感とネタキャラの出来の良さ、子供向けアニメに新たなスター誕生したインパクトは大きかった。

TIGER & BUNNY

色々辛いイベントも起きていたのに、一貫して作品を包む空気感の力強さ明るさバタ臭さがたまらんかった、見た後に何だか元気が出る他にはない魅力。

進撃の巨人

クオリティストーリーアクションキャラも全てが何かもう凄かった、今も凄い、今進撃の巨人本編も最終回に向けて最高に面白いし、原作漫画面白さを教えてくれて感謝しかない、理想アニメ化。

ユーリ!!! on ICE

音楽衣装振り付けを何個もアニメキャラのために考えて、あれだけきれいに動かす豪華さに度肝を抜かれた。

オリジナルアニメなのに人気漫画家がキャラデザだけではなくストーリー原案脚本担当しているのも豪華。

フィギュアスケートがこんな豪華なアニメになっていいの?マジで?と夢のような出来だった。

ジョジョの奇妙な冒険

大昔から大好きだったジョジョがこんなに素晴らしいアニメになって嬉しすぎた

理想アニメ化。

色や音演出全てに置いて独特な世界観を作り上げて原作の濃密な空気を見事にアニメにしていて感動する。

ジョジョを一気に盛り上げた功労者

おそ松さん

赤塚先生原作を強みに変えて、画風を活かして画面がおしゃれでかわいい

もともとのキャラの強さに負けない、大人になったキャラ達のキャラ付が見事だった。

昭和感も払拭していて今のアニメって感じで新しい。

垢抜けとネタ面白さのバランスも良かった。

宝石の国

日本セルアニメ3Dアニメもここまで来たんだなとびっくりした。

ビースターズ面白いオレンジには信頼しかない。

はたらく細胞

気がつくと録画したのを何度も見たり単行本を買ったりしていた。

とにかく心地良く為になる。

今でも子供病気予防接種説明をする時に重宝している。

クロスアンジュ

色々酷さをぶっちぎってるけど圧倒的生命力を浴びる楽しいアニメ、これ以上好きなアニメいくらい好き。

2010年代すきなアニメ10

一連のアニメベスト10記事の締めくくりとして、バランスとか客観性とか原作改変とか単体で見て楽しめるかどうかとかそういうめんどくさいこと考えずに個人的にめちゃくちゃハマった作品本能の赴くままに列挙してみる。

ストライクウィッチーズ2』(2010年

ストライクウィッチーズ』という「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」の衝撃から数年を経て作られた続編。キャラクターに焦点を合わせて第501統合戦闘航空団をより可愛く描いてくれたのは素晴らしいとしか言えなかったし物語の各所で示される関係性が尊すぎてオタクは死んだ。EMT! EMT! 何といってもエイラーニャ描写が良い(語彙力崩壊)。「Sweet Duet」が流れたときのあの荘厳さよ……。2期6話のことは子々孫々に語り継いでいこうな。

ストライクウィッチーズ劇場版』(2012年

最高オブ最高。『ストライクウィッチーズ2から脚本のアラを取り除いて熱血描写を入れた結果として最高の劇場版に仕上がっていた。何も言うことないです。尊い

咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』(2012年

能力バトルアニメとしてのワクワク感すごいし、「改変完了…!」が好きすぎて何度も聞いてしまう。「勝利へ-決意-」と並ぶ咲シリーズ屈指の名BGMですわ。何よりもキャラの可愛さがすごいし百合の花が咲き誇っているのも良い。穏憧、単体でもむちゃくちゃ可愛い上にカップリングとしても萌え要素に溢れていて最高だった。制服交換シーンほんとすき。

戦姫絶唱シンフォギアG』(2013年

戦姫絶唱シンフォギアシリーズどれも大好きなんだけど、どれか1つ挙げろって言われたら1期と迷って2期を挙げる。雪音クリスちゃん大天使すぎない?????? マリアたち新キャラとの対立とそれでも通い合う心という物語としての良さに味方になったクリスちゃんが響&翼にデレデレになっていて可愛すぎる。特に4話が素晴らしい。クリスちゃんいいよね……食事マナーが悪いのも萌えポイント

ヤマノススメ セカンドシーズン』(2014年

2クールかけて百合ップルのイチャイチャをやってくれたの最高だったしあおひなはベストカップルだしゆうかさんとかえでさんの夫婦感も素晴らしすぎるしほのかちゃんかわいいしここなちゃん天狗だし実際に富士山登ってみたらかなりキツかったよね。やはり飯能女子高生はYAMA育ちなのか……。あとヤマノススメ サードシーズン2018年)が『よりもい』の直後に放映されたせいでひなたが北極行きそうとか言われまくってたのは草不可避だった。

ガールズ&パンツァー劇場版』(2015年

ガルパンはいいぞ

響け!ユーフォニアム2』(2016年

アニメとしてのクオリティも高い上にポニテポニテで最高じゃなかったです? 中川夏紀さんと傘木希美さんが画面に出ずっぱりで満足オブ満足。声優陣もこれまた素晴らしい。関係描写も光っていたというかなかよし川が最高すぎた。やはりのぞみぞは脈ないのではこれは。

ハイスクール・フリート』(2016年

かわいい女の子がたくさん出てきてお船が出てきてかわいい女の子がキャッキャしてて船の内部構造作業風景が描かれてかわいい女の子イチャイチャしてて最高の作品だった。Not for meならぬJust for me。ほーいいじゃないか、こういうのでいいんだよこういうので。ミケシロとメイタマ、いいよね……………………。実は関係性の設定が緻密に張り巡らされていてそれをさりげなく視聴者提示してくるもんだから掛け算が捗る作品でもあるんだよな。10話のマロクロ掘り下げは絶品と言うしかなかった。……ああああ~~~~~航海科全員可愛い~~~~~~~~砲雷科も天使しかいない~~~~~~~~~。よーしパパはいふりカメラ写真撮りまくっちゃうぞ~! 来月は劇場版も公開されるからみんな見に行こうな!(前売り券をまとめ買いしながら)

ガールズ&パンツァー最終章1話』(2017年

び、BC自由学園~~~~~~~安藤押田~~~~~~~~~~~ああああああ~~~~~~~ケンカップル百合~~~~~~~~~~~~~すき~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!1!! なんか普通の続編なんでしょと思って見に来たら完全に顔がいい女の百合ノックアウトされたし厄介BC自由オタクになって劇場を出てくる感じになっていた。

ガールズ&パンツァー最終章第2話』(2019年

んんんんんんん~~~~~~~安押が君付けで呼び合ってる~~~~~~~~ンアッマリー様の裁定すき~~~~~玉葱の歌最高~~~~~~~知波単かわいい~~~~~~~~~~~~~~~~~~最後胸熱展開すき~~~~~~~~~~~~~~~知波単がんばえ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!! どうでもいいけど生徒会で使う紙を実家発注した上に電子化提案する後任に絶対に紙を使えと指導するのコンプライアンス的にヤバくね?

ベストアニメ10落選作品供養

こういうのを書くのは蛇足なのであまりよろしくいかもしれないけれど、「なんでこれが入ってないんだ!」という異論が出てきそうなので、ベスト10選出にあたって考慮した作品ベスト10から除外した理由を挙げて供養しておく。

偽物語』(2012年

足の作画にこだわった実にフェチ映像化であり、映像不可能と言われていた歯磨きプレイ完璧原作再現してみせたのはただただスタンディングオベーションするしかない感じだったのだが、自分の中で化物語2009年)のファーストインパクトを超えるものではなかったので除外。シャフト時空と「君の知らない物語」の衝撃は10年経った今でも色褪せていないんだ……

戦姫絶唱シンフォギア』(2012年

2012年に1期が放映され、2019年に完結編となる5期が放映された、まさにテン年代を駆け抜けたアニメシリーズの第1作。「急に歌うよ~♪」に代表される外連味あふれる演出はほんと好きだし悠木碧水樹奈々も良い仕事してるなって思うしひびみくは尊いし「Synchrogazer」ほんと名曲で大好きなのだけれど、他の作品が良すぎてベスト10入りは厳しかったみたいな感じ。

咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』(2012年

アニメとしてのクオリティは確かに良いし、熱血シーンも多かったし(「改変完了…!」が好きすぎて何度も聞いてしまう)、穏乃が最高に可愛かったのでそこだけ切り取ればベスト10でもよかったのかもしれないけれど、原作改変してレジェンド無能キャラにしてるのは許されざる感じ。原作だとレジェンドは色々裏で手を打ってたわけだけどアニメ版では控室で解説聞いて「知らなかった」みたいに驚いてるシーン付け足されちゃったところが何箇所かあって、まあアニメだけ見てるとレジェンド無能に見えてしまうよな……なんもかんも原作改変が悪い。あと千里山関西弁もうちょいどうにかならんかったんか……

え? 実写化? やだなあ『咲-Saki-』は実写化なんてしてないですよ何言ってるんですか冗談が下手だなあHAHAHAHAHA。

氷菓』(2012年

なんとも評価に困る作品である氷菓だけに)。確かにアニメとしてのクオリティは高かったし、原作尊重もしていたと思う。でもやっぱりあちらこちらで「ええ~……」という感じになる改変箇所があった。キャラデザの段階で原作ファンをざわざわさせていたのだが、それはまあ解釈問題なので別にいいとして、「わたし、気になります」の謎エフェクトはいったい何なの? 『クドリャフカの順番』回で奉太郎真相を解き明かす場に里志がいたのは個人的には微妙。その場にすら居合わせられなかった辺りが福部里志なんじゃない? ただまあその辺は宥恕できる範囲だとして、ファーストシーズンEDは本当に許せない。なんなのあれ? 〈古典部シリーズにああいEDとか人を馬鹿にしてるのかと思う。セカンドシーズンEDはまあ良かったけど反省したのかね。OPは完成度高かったのになあ……。そして数年後に『氷菓』が実写化したときに「京アニイメージ台無し」とか「またアニメ実写化かよ」とか言い出す連中(末代まで祟ってやる)が出てきたのでやっぱりアニメ化しなかった方がよかったんじゃない? と思ってしまった。いや、アニメきっかけによねぽ作品全部揃えたとかい友達いるか安易否定するのはよくないのだが、高校図書室の片隅で読んでいた僕たちの〈古典部シリーズ横取りされた感はなんか強い。この辺のモヤモヤがあって手放しには褒められないので除外(ところで実写どんな感じでした? よねぽ作品初の映画化なのにまだ見てないというのは忸怩たる思いがあるのだけど、ちょっと見るのが怖い)。

最後に。細かい話になっちゃうけど、時代背景は原作発行当時にしてほしかった。作中でみんながスマホ使ってるのにチャットとかサイトとかあのへんの描写がすごいスマホ以前の時代匂いを漂わせていて、なんというか違和感があったんだよね。だったら時代2001年とかそのへんにしてキャラには一昔前のガラケー持たせればよかったんじゃない? と思う。スマホ以前の時代中高生活を送った者として、同時代に読んでいた小説空気感はそのままに一部の小道具だけ現代になってるのはやっぱりなんか変な感じがするんだよな。時代考証がちぐはぐというか。この点、出来はともかくちゃん舞台1990年代のままにしていたこの世の果てで恋を歌う少女YU-NO2019年)は賢明判断だった。

新世界より』(2012/2013年

文明崩壊世界原作通りに丁寧に、しかも我々の予想を超える形でアニメ化してくれてチョベリグだったのだが、競争相手が多すぎてベスト10に入れなかった格好。いやーほんとね、原作描写された未来の異形の生物たちをあそこまで丁寧にアニメ化してくださったのは素晴らしいですよ。そして浪川大輔さんの演技が最高だった。新世界より』で一番輝いてた声優は誰って言われたら浪川さんを挙げる。ほんとすき。

ただアニメオリジナルの大歓喜帝の即位シーンはどうかと思った。「大歓喜帝となられる!」っていう台詞があったけどあれは諡号なんだから生前そう呼ばれることはありえないと思う。もちろんそれは伝統的な王号の話であって未来適用できないのでは、という議論もありうるけれど、慈光帝にしても大歓喜帝にしても生前のおこないを皮肉る形でつけられてるんだからやっぱり諡号なんじゃないかなぁ。まぁこれは些細な点で、これ以外はケチのつけようもなかった。良アニメ化の見本みたいな感じ。

さくら荘のペットな彼女』(2012/2013年

単体で見れば良い出来なのかもしれないけど割と大胆に原作時系列を改変していて微妙な気分になるので除外。龍之介とリタの関係とかさぁ……。

Z会クロスロード」 120秒Ver.』(2014年

アニメを使ったCM最高峰だと個人的に思うので最後までベスト10に入れるかどうか迷った。

ヤマノススメ セカンドシーズン』(2014年

映像としてのクオリティ百合作品としての密度キャラのかわいさ、どれを取っても高品質で良い作品なのだが、原作描写違いすぎませんかね……? という理由で除外。だって原作完璧超人なキャラアニメ版で脳筋おバカキャラになってるのはちょっと擁護不能じゃないです? ゆうかのかえでへの思いが全然違うものなっちゃうじゃん……

響け!ユーフォニアム』(2015年

良い作品なんだけどちょくちょく原作描写変えてるんだよね。最大の問題はなぜ標準語にしたのかという点。原作では方言で喋っててかわいい漫画版もそれを再現してるのに! あと『2』であすか先輩の実家がなんで豪邸になってたのかがわからんあんな豪邸じゃああすか先輩が育ててくれた母親に恩を感じる理由微塵もなくない? どう考えてもアニメ版であすか先輩がこれまで生きてこられた理由実家パワーであって暴力をふるう親に感謝しなければいけない理由が見えてこないよあれじゃ。あすか先輩もひとりの高校生であり、特別人間なんかじゃない、という意味原作のつつましやかなお宅には込められていたと思うんだけど、そこ変えちゃうかー、という残念さはあるよね。夏紀先輩が大天使だっただけにこれをベスト10に入れないのは割と断腸の思いではあるが(でも夏紀先輩の描写原作と違う……ぐぬぬ)。

ガールズ&パンツァー劇場版』(2015年

ガルパンはいいぞ。……とだけ言って終わらせるのはあまりにアレだけど、実際にそうとしか言いようのない感じはあり。とにかく戦車アクションのキレが良く、それを映画の尺で濃密にやってくれたもんで大満足の出来だった。ベスト10に入れるつもりでいたけど気づいたら11作品くらい挙がってたので泣く泣く削った感じ。

君の名は。』(2016年

俺たちの新海が一気に一般人にも知られるアニメ監督にのし上がるなんて予想もできなかったが、流行るだけのことはある作品だった。新海誠『天気の子2019年)とかぶるからバランスを気にして外した、以上の意味はなく、もちろんテン年代アニメ映画ベスト10に余裕で入る傑作である。これぞ新海誠という感じの映像美にこれぞ新海誠という感じのガバガバSF要素が加わりやっぱり新海誠じゃねーかとなる感じの恋愛模様を前面に出しつつも東宝かいう拘束具を得た結果オタクだけでなく一般人からも支持される作品に仕上がったのは本当にアニメ史に残るサクセスストーリーではあるまいか。いやだって言の葉の庭』の興収とは文字通り桁が違うというか……あのセカイ系がどうたらこたらみたいな論を立てるめんどくさいオタク大人気だった新海誠国民アニメ監督になる日が来るだなんて2010年自分に言ったら失笑されるだろうと思う。

この世界の片隅に』(2016年

映像表現としては素晴らしいの一語に尽きるのだが、重要なところで謎の原作改変を複数していて微妙な気分になってしまうので除外。リンさん関係の省略で妊娠を疑うシーンが意味不明になってたのもそうだし(これはこないだ公開されたバージョンではちゃんリンさんの出番あったらしいのでそっちに期待)、なんですずさんの慟哭シーンの台詞を改変したか未だに納得がいかない。そもそも原作では、「米軍空襲という暴力には屈しない→自分たちも暴力他人を従えていたのか→だから暴力に屈するのか」という一連の流れになっていたのに、映画では「米軍空襲という暴力には屈しない→植民地食べ物を食べて生きてきた→だから暴力に屈しなければならないのか」と改変されていて流れが途切れている感。もちろん真ん中の部分も自分たちが植民地支配という暴力を振るってきたんだと気づかせる意図ゆえの改変でだというのは理解するけれど(そしてそういう気づき方の方が一主婦であるすずさんの立場から自然だという論にも一理ある)、やっぱり「暴力に屈するものかね」という台詞を踏まえると原作台詞を維持すべきだったと思っちゃうんだよね。というか、原作そのままの台詞にも改変後の台詞にも一定合理性がある以上、原作を変えるべきじゃないでしょう常識的に考えて……アニメ化は原作の婢ですよ……

けものフレンズ』(2017年

すごーい! 君は下馬評の低さ、1話切りの嵐からソーシャルネットワークの勢いで覇権上り詰めた2010年代を象徴するような流行り方のアニメなんだね! 最初はなんだこれって思ったけど、普通に面白くてびっくりしちゃった! 最終話を待ってた1週間はとーっても長かったんだ! ……ということでベスト10に入れても良かったのだが、多くの人を満足させて終わった放送終了後にとんでもない騒動が(コンテンツホルダー側の責任で)巻き起こったのを思うとベスト10に入れるのを躊躇われ、最終的に外してしまった。アニメ外の要因で評価するのは邪道だろうけれど許してほしい。

で、こういう話をするならけものフレンズ2』2019年)についても語る必要があるだろうけれど、途中で切っちゃったんだよな。解釈違いというかちょっとそれはどうなのって思うところが多々あったので。ただその私がどうなのって思ったところも他の人の考察とかを読む限りでは最終的に「なるほどそういう問題意識に基づいていたのか~(私と立場は違うけどそういう立場立脚するのは理解できる)」みたいな感じに落ち着いて終わったっぽいので、完走すりゃよかったかなとちょっと後悔している(某所の感想を読んで「つまりけものフレンズ2』は『ソラリス』だった……?」というある種の納得を得た)。でも是非以前にクオリティ問題で見ててあんまり面白くなかったんだよ『けものフレンズ2』……

あと私もたつき監督作風は好きだけど、吉崎観音がコンセプトデザイン(≒原作)であってたつきあくまアニメ版の監督に過ぎないっていう前提を忘れてまるで1期が原作であるかのように振る舞う2期批判派の人は生理的に無理。実際のところはどうだか知らないが、仮に吉崎観音たつき対立して前者が後者を追い出したというゴシップの内容がすべて正しかったのだとしても、原作者とアニメ版の監督対立しているのなら普通原作者の肩を持っておくのが良識だろうと思っていたのだが……?

リズと青い鳥』(2018年

単体で見ればとても良い出来なのだ希美みぞれ関係性あるいは夏紀とみぞれ関係性に関し解釈違いというか原作と違う箇所があって微妙な気分になるので除外。原作の久美子が夏紀や優子に置き換わった結果関係性が変わっちゃってるんだよなぁ……。原作希美が久美子に弱さをさらけ出すシーンを夏紀&優子相手に変えたら原作の夏紀先輩が見せた気遣いはどこに行ってしまったの? ってなるし、クライマックス台詞にしても原作とはニュアンスが違ってきちゃうわけで……。そもそも希美先輩はなかよし相手あんな弱音を吐くキャラではなかろうし(あれは相手が久美子であったことに意味があるのであり)。あと夏紀先輩が謎にみぞれ先輩に優しいのはなんでだ。原作では割と冷ややかに見てたよね……? というか原作と明らかにクライマックス後のnzmzの距離感が違うじゃないですかァーーーーーッ!!!(いや短編集まで含めての話です。希美の誘いをきっぱり断ったみぞれ先輩はどこいっちゃったの?)公開直後に「のぞみぞ添い遂げて」とか言ってる人たちを見て、はぁお前らどこに目ン玉つけてんだいったい原作のどこに添い遂げる可能性を感じられるんだ、と思ってたけど、映画見てみたらそう言いたくなる気持ちもわかってしまった……ともかく関係性が原作と違う……

キャラデザも意見が分かれるところだろうと思う。個人的に傘木希美キャラデザはTVアニメ版の方が好き。地に足が着いてる感じがする。リズ版は軽薄さが強調された感じに見えて傘木希美モンペとしてはこう微妙な気分になってしまうのです(二次創作その他での傘木の扱いがあんまりにもあんまりすぎてモンペ化した。リズ青の傘木が! 無神経に! 見えるのは! 原作気遣い描写を削ってたり! 余計な改変をしてたりするからです!)。逆に鎧塚みぞれリズ版の方が良い味出してたと思う。みぞれの儚さを引き立たせるためのキャラデザなんだなと思えば納得(いや、原作とはそもそも髪型違うんだけどさ)。みぞれ先輩の視界むっちゃ狭いな! っていうあの演出は本当に傑出した映像表現であって素晴らしいなと思うところ。これで原作に忠実ならベスト10に入れてた。

銀河英雄伝説 Die Neue These』(2018年

良いアニメ化だけど迷った挙げ句に落とした。

今作、耳が孕みそうになるイケボのシェーンコップや立体機動装置を使ってそうなオーベルシュタインヤンチャしてそうなキャゼルヌといった新しいキャラデザが輝いていたし、ショタハルトさまの破壊力すごすぎてキルヒアイス人生狂わされたのも納得してしまったし、フレデリカが一部オタク性癖を鋭角でえぐる見た目になっていてたいへん素敵だったのだが、MVPはなんといってもアンドリュー・フォーク准将だと思う。顔立ちは整っているが陰気、という原作描写完璧再現してくださっている……! しかCV神谷浩史流れるような詭弁も聞けて本当に耳が幸せ3,000万将兵の命を無謀な作戦に費やす勇気俺たちの求めていたフォークはこれだよ感が素晴らしい。

ただキルヒアイスがことごとく解釈違いで……いや、流石にカストロプ動乱はあんまりにもあんまりというかキルヒアイスがああいう策を弄せるならオーベルシュタイン要らないじゃん感がすごくないです? 戦闘は得意だけど策とか謀略とかそういうのは不得手、というのがキルヒアイスの美点であり弱点でもあったと思うのだけれど。というかなんであんな鋭い目つきなの? もっと温和な感じじゃない? ただでさえラインハルトの目つきが鋭いんだから相方であるキルヒアイスもっと穏やかな感じにしてくれた方がバランス取れない? 道原かつみ絵で産湯を使った人間なのでキルヒアイス描写は不満が多かったけど、キャラデザの部分に関しては単に解釈が違うという話で原作と違うという話ではないのでまあ許容範囲内ではある。でもやっぱりカストロプ動乱はおかしいと思うんですよ(しつこい)。

荒野のコトブキ飛行隊』(2019年

空戦シーンは文句なしに最高の出来なのだが、やっぱりキャラもそれで動かすのは微妙というか……いや本当に空戦シーンは素晴らしいんだよ……でもキャラの顔とかが……空戦シーンは2010年代で最高なんだが……

独断偏見で選ぶ2010年代クソアニメ10

ベスト10を選んだ以上ワースト10も選びたくなった。何度も言いますが選出基準独断偏見です。

屍鬼』(2010年

何百年も前の古典独自解釈アレンジしまくるのは全く問題ないし、『銀河英雄伝説』もある意味そういう「みんなが知ってて好きに翻案しまくる時代劇」枠になってきてるから大胆な改変が許容される感はあるかもしれないけど、精緻に組み上げられた現代の名作である屍鬼』でそれをやるのはダメでしょギルティでしょ。とにかく元になった漫画原作改変でひどすぎるものからそれを継承したアニメ版もひどい出来になっているという一例。これは俺が読んだ『屍鬼』ではない。本当にクソ。

図書館戦争 革命のつばさ』(2012年

テン年代最悪のアニメ映画と言っても過言ではない。クソ of クソを煮詰めたような作品製作陣は頼むから原作ちゃんと読んでくれ。どうしてあの緊張感溢れるシーンが全部脱力ドタバタコメディになってるんだよ。おかしいだろ……。ハラキリもんですわこれは。まずもって原作では知的な感じだった当麻蔵人をおバカキャラとして描く必然性が1ミリもわからないし、そのせいで毎度毎度イライラするし高速のサービスエリア優雅お茶飲んでんじゃねえよ女装して総領事館に向かうという見た目おかしくて地味だけど緊張感あふれる良い遣り取りを頭お花畑ドタバタシーンに変えた挙げ句ドヤ顔で出てくる英国人。滅べばいいのでは? ほんと劇場で見た直後はあまりのショックで放心状態だったわ。返せよ……っ! 俺たちの愛した『図書館革命』を返せ……っ!

「観ない権利」? 楽しみにして観に行ってこのクソ映画を見せられたんですよ! TVアニメでも色々微妙な箇所はあったけどまさかここまで盛大にやらかすとは思っていなかったので……。TVアニメ版の段階から激しく叩いていた人たちの先見の明にはただただ頭が下がります。次から製作陣の心が折れるくらい強く叩いていこうな。

魔法戦争』(2014年

……んだよ、意味が分かんねえ。1話をあそこで切っておいて2話をそう繋げる発想はなかった。他にももう本当に色々とすごすぎる。何なんだこれ。

ハーモニー』(2015年

些細な省略、些細な改変はもう仕方がないと割り切ったとしても、クライマックス、トァンのミァハへの思いを改変したのだけはマジでありえない。屍者の帝国2015年)もかなり改変がひどかったし、伊藤計劃が死んだからって好き勝手しやがってふざけんなクソが、という感想しかない。

艦隊これくしょん-艦これ-』(2015年

下げに下げた期待値の遥か下を駆け抜けていった奇跡作品。好きなキャラ日常パートでキャッキャウフフしているだけで嬉しい、そんなふうに思っていた時期が僕にもありました……。日常パートキャラdisをしてくるなんて思わないじゃん? カレー回が絶賛されてるのマジ腹立つ。あの回は足柄さん好きにとっては悪夢しかないでしょ。金剛型の扱いもひどいし、他にも大井っちとかが好きなんですけど見事に……見事に……

まあ頑張ってよかった探しをするなら、あれだけ猛威を振るっていた足柄さん行き遅れネタマジで観測範囲から一掃されましたね。いやほんと、アニメ化以前はpixivをめぐっていると必ずといっていいほど足柄さん行き遅れネタに突き当たり、自分としては解釈違いだけどまあ同人から好きに描けばいいよな~アハハ~って流していたのだけれど、アニメ放映以降ぱったりそのネタが流れてこなくなった。みんなあのアニメ化後にそのネタをやらないだけの良心はあったんやな……というか行き遅れネタを描くような層さえもドン引きさせる公式アニメって……

DYNAMIC CHORD』(2017年

けもフレ2に怒れるんだね。原作レイプを気にしない連中だと思ってた。だったらなんでその気持ちを少し……ほんの少しだけでいいからお前らが楽しんで見ていたクソアニメ原作ファンたちに、何で分けてやれなかったんだ!!!

ポプテピピック』(2018年

まあ、様式美ということでここに入れておきます

りゅうおうのおしごと!』(2018年

短い尺に原作5巻までを詰め込もうとした結果として原作を改変したわけではなく単に省略するという手法を用いておりそれでどうなったかといえば原作胸熱シーンや人物の丁寧な描写をゴソッと削ぎ落としそのくせキャラいじりネタだけはしっかり残してあるというどうしようもない出来になっていた。見始める前の期待感からジェットコースターのように評価が落ちていったあの残念感は忘れがたい。作画声優も良かったんだから2クールにしておけば……。ともかく、山刀伐さんと鹿路庭さんが好きな人間にとってはちょっと許容値を超えた省略だった。

はねバド!』(2018年

本当に許せない。原作無視の展開が多すぎて途中で耐えられなくなり視聴をやめたぐらいにひどい。何よりひどいと思ったのがアニメ版で理子ちゃん先輩の最初個人戦での対戦相手が石澤さんになっていたことで、原作では勝ち進んでいた理子ちゃん先輩を一回戦敗退にする意味がわからなさすぎたし、石澤さんの方も神奈川トップクラス選手なのに一回戦で格下の選手に見破られるくらいにはバックハンドが苦手という謎設定になっており、お前ら原作改変するならする整合性を考えろよと機械的に石澤さんと理子ちゃん先輩の原作での一回戦の相手の設定を混ぜちゃったんでちゅねー。馬鹿なの? 死ぬの?

というか割と転校直後にフレ女のみんなと打ち解けて愛され末っ子ポジションに収まっていたコニークリステンセンを北小町との練習試合までチームメイトとギスギスさせて多賀城ヒナちゃんに冷たい扱いをさせていたのはマジありえない……。志波姫さんの声優完璧だけど完全にフレ女がひどすぎてもうダメ。耐えられない。その後和解たからいいじゃんとかそういう問題じゃないんで……コニーが数ヶ月間あの塩対応をしてきたクソ女になってることが許せないんで……フレ女のみんなが何ヶ月もコニーとギスギスしてたことが我慢ならないんで……フレ女を舞台にしたノベライズが最高オブ最高だっただけにアニメ版フレ女のクソっぷりが際立つ……とりあえずお前らノベライズは読め。原作を読んで感じた「志波姫唯華が好き」という気持ちが「志波姫唯華好き好き大好き超愛してる。」に変わることは請け合う。はぁ、唯華先輩尊い……

『エガオノダイカ』(2019年

なまじ作画映像クオリティがいいだけに叶わぬ希望を捨てられず最後まで観続けてしまったという点で残酷なクソアニメだった。姫様の都合の悪い命令には唯々諾々と従いながらもっともな命令には逆らう無能家臣、次々と安っぽく死んでいくキャラクターたちに当然哀惜の涙など流せるはずもなく、まったく理屈の通っていない姫様の台詞に説得されるステラにはご都合主義すら凌駕する何かを感じずにはいられなかった。そしてさんざん無意味な流血を描いておいてオチが「これは、遠い遠い星に生まれた、ある二人の女の子お話」だったのはさすがに人が死んでんねんでと全力でツッコまざるを得ず、うん、ほんと、見た時間を返してくれ……

独断偏見で選ぶ2010年代ベストアニメ10

2010年代が終わるわけだが、2010年代アニメベスト10独断偏見で決めてみたくなった。ので増田に放流。

見てない作品は語れないので見た作品だけ挙げる。見た作品の数が少なくラインナップが偏っている結果チョイスが偏った点については先に謝っておく。また、順番は順位ではなく放映順である

魔法少女まどか☆マギカ』(2011年

長いゼロ年代の終わりを飾るというか10年代の始まりを告げるというか、とにかくエポックメイキング作品だった。紛れもなく一時代を画すアニメであり、こんなに議論が盛り上がって人々の印象に残ったのってマジでエヴァ以来なのではという衝撃があった。

Fate/Zero』(2011/2012年

2010年代にはFate/stay night [Unlimited Blade Works](2014/2015年)とFate/stay night [Heaven's Feel]』(2017, 2019年)がアニメ化され、さらにはFGOや『Fate/Apocrypha』に『ロード・エルメロイII世の事件簿』もアニメになり、いずれも素晴らしい出来だっただけにどれを入れようかすごい迷ったのだけれど、Fateシリーズに新しい客層を開拓したという点でZero存在感がなんだかんだで大きいかなと。切嗣重要台詞微妙原作改変でそれはどうなのかと思わなくもなかったがラストの桜ちゃん原作ではなくボツになった原案通りに作ってくれて素晴らしかったですね。人間オルガンちゃん再現されなかったのは残念だけど仕方ない。Heaven's Feelも本当に素晴らしかった……。何も言うことはない。俺たちの見たかった最高の桜ルートだ……。2010年代Fateアニメ化で盛り上がった10年だったと回顧できるだろう。セイバールートも作り直して。

おおかみこどもの雨と雪』(2012年

一作くらいは細田守を入れておいてもいいんじゃないかと思って挙げてみた。細田守はてなでは評判が微妙だが普通に『おおかみこども』は良い作品だと思うんだ。純粋家族愛物語として見ると違和感とかも出るのかもしれないけど、歪められた関係性も理想化された田舎も、すべては花の回想をもとにして雪が語ったことであって、花というある意味信頼できない語り手を通して見た世界なんだよね。加えて言うなら、花が雪より雨を構っていることに批判的な意見も多々見られ、それは雪から見ればそうなのだろうし実際にきょうだいより構われなかった思い出を持つ人にとっては良い気持ちはしないのだろうけれど、でも完璧人間でないと母親になってはならないか、といったら違うわけでしょう。母親欠点を持つひとりの人間だし、それでも母親なのだ、という話だと思いますよあれは。それらの偏愛や歪んだ世界像を卓越した映像美でくるんで提示してくるところに、細田守が色んなひとの神経をざわつかせる理由みたいなものがあるんじゃないのかな。

サカサマのパテマ』(2013年

アニメ映画を1つだけ挙げろ、と言われたらこれを推す。名作名作アンド名作。何を語ってもネタバレになりそうなので最高のSFアニメ映画だという当たり障りのないことしか言えない。ボーイミーツガールSFの傑作。いいから何も言わずに見やがれください。

SHIROBAKO』(2014/2015年

単純なアニメ業界楽屋ネタに留まら人間ドラマとしてしっかり作り込んでいてくれて良い作品だった。23話はみゃーもりにつられて泣いちゃうでしょ……。5人の歩く道は凸凹していて、正解はわからずに手探りで進んでいくしかなく、それでもアニメに関わりたいという意志を持って進んでいけば夢に手が届く。そういう話の筋としてはありふれた成長譚を細やかな人物造形と堅実な脚本で良いアニメにしてくれていた。「万策尽きたー!」「どんどんドーナツどーんといこう!」などのフレーズも印象に残る。ただアニメというフィルターを通してもなおアニメ業界ブラックさが滲み出ており「これは美談にしてはいけないやつでは」みたいな感もあって、アニメの放映スケジュールが狂うことがあちこちで頻発しているのを放映予定の変更とかで視聴者目線でも感じ取れるだけに複雑な気分である

放課後のプレアデス』(2015年

紛れもないジュヴナイルSFアニメの傑作。可愛らしい格好をした魔法少女たちが土星の輪に突入するとか太陽系外縁部を探査するとかブラックホールを反転させるとかのハードSF冒険を繰り広げるギャップがすごいし、荒唐無稽ファンタジイとリアル宇宙描写を融合させた映像美はアニメからこそ実現できるものだろう。ちょっと宇宙が出てくる魔法少女ものだと思って見始めたわけだけど土星の輪に穴を開けてエンジンを探し始めた辺りでガチSFをやろうとしてるんだと理解したし実際かなりSFだった。降着円盤温度まで考察されてるのすごくない……? そして根底には傷つきやすい繊細な心と他者を思いやる優しさが流れていて、映像の美しさと相まってリリカルさに心が洗われるような気持ちになる。放映終了後の喪失感は半端なかった。『サカサマのパテマ』と並ぶ2010年代SFアニメ金字塔ですわ。これが星雲賞を獲るべきだったのでは。

プリンセス・プリンシパル』(2017年

アクションのキレの良さ、百合描写の濃密さ、黒星紅白キャラの可愛さ、音楽テンポの良さ、細部の丁寧さ、どこをとっても娯楽アニメとして超一級の出来だったと言うほかない。特に5話の剣戟シーンはここ十年で一番の殺陣だと思う。梶浦由記オサレ音楽BGM美少女たちが流れるような作画チャンバラするの控えめに言って最高としか言えない。また「神は細部に宿る」を地で行くような作品であり、アンジェプリンセス手紙の遣り取りとか、脱出用の荷物に書かれた文字とか、さり気ない描写ひとつひとつに込められた情報量が半端なく、それによって世界観と百合に奥行きを持たせることに成功していた。アンプリ、いいよね……。劇場版むっちゃ楽しみ。

宇宙よりも遠い場所』(2018年

素晴らしい作品だった。2018年TVアニメ豊作の年でありゾンビランドサガ』『SSSS.GRIDMAN』などオリジナルの良作が次々と放映されたわけだが、なかでも別格だと思うのが『よりもい』。毎話毎話が最終回のごとき余韻を残し話ごとのメリハリも利いていて軽くシネマっすねという感じだったし、「先に行けって言われて先に行く薄情にはなりたくない!」「友達ってたぶんひらがな1文字だ!」などの印象に残る名台詞の数々は記憶に焼き付いて離れない。花田! 神回しか作れずに恥ずかしくないのか? 視聴者を泣かせて食うメシは美味いか? なかでも特筆すべきは12話で、まさか受信メールフォルダを映し出した画面に泣かされるなんて思ってもみなかったアニメ史に刻まれる名シーンですわ。

さよならの朝に約束の花をかざろう』(2018年

岡田麿里が本気を出してファンタジイをやったらなんかすごいのが出力されてきた。失ったものいつまでも抱いてしま妄執とか、恋と愛の区別あやふやになって煮えたぎる思いとか、無理やり連れ出されて見せられた世界の美しさとか、そういったドロドロした感情を叩き込んだ闇鍋から人は互いに織り上げあう物語であるというテーマを掬い上げて観客の前にどーんと呈示してくる素晴らしい映画作品。ただただ名作と言うほかない。15歳しか離れていない不老の種族美少女なお母さんに育てられたいだけの人生だった……

『天気の子』(2019年

君の名は。2016年)で俺たちの新海が一気に一般人にも知られるアニメ監督にのし上がってしまい、遠くに行っちゃったんだな……とゼロ年代に魂を囚われたオタクたちが訳知り顔でホロリとしていたところに投げ込まれた傑作。いや~原作PC版のクライマックスを忠実に再現してくれてましたね! 私は原作だと夏美ルートが好きで、彼女が晴れ渡った青空を見て浮かべる笑顔の爽やかさと、その青空意味を後続のルートで種明かしされて味わうことになる切なさがめちゃくちゃ印象に残ってるんですよね。でもやっぱりあの長編エロゲから1ルートを取り出して劇場アニメにするとなったら陽菜ルートになるのも納得がいくわけで(甲高い早口

……という感想を諸人こぞりて口にしはじめる辺り、完全にゼロ年代エロゲだったテン年代最後の年にゼロ年代を煮詰めたような要素てんこ盛りの作品を公開してしかもそこにセカイ系を力強く肯定するオチをつけるわけですよ。ゼロ年代の亡霊が昇華された感があり、なんというか新海誠すげえわ、一生ついてくわ。

2019-12-24

[]ファントム・バイブレーション・シンドローム

幻想振動症候群

深刻なスマホ依存症ネット依存症になっていて、着信していないスマホから着信バイブを感じるようになる症状。

1996年漫画ディルバートの作中でファントムページャーシンドローム(幻想ポケベル症候群)についての言及がある。

2000年代後半から学術的にも研究がされるようになり、2010年代に入ってからも時々メディアに取り上げられてきた。

追記

別名考えてくれネタ増田存在した。 anond:20190826201652

2019-12-23

anond:20191223210819

弱者度」が何に基づいて算定されるものかは一概になんとも言えなくて、現時点ではうまく扱いかねるが。

シスヘテ女性は、生殖を通じてこの社会の中では必要な部分として社会構造上必ずみなされる。

そこがマイノリティでありつつも、マジョリティとしての権力性に近しいところ。

母性主義的な主張は子を抱え込む母としての立場を、国や社会が認めざるを得ないところを接点として出てきている。

日本フェミニズム」は主流は今も昔も圧倒的に「日本人の」「母性表象をもって主張されてきた。

からこそ、90年代性的少数者からの、在日女性からの異議申し立てがなされた。

2000年代バックラッシュ騒動の時にもそこは必ずしも改善されず。

2010年代にはトランスへイトを煽動する勢力をそのうちから排泄した。

歴史的健忘症に陥りやすいツイフェミが、「私は一時期ネトウヨだった」とか平然とブログに書いてるのを見れば、何も学んでないんだな、と思う。

2019-12-21

anond:20191221012849

人間それぞれがそれぞれの島宇宙帰属し、島宇宙間では交流がないために断絶が起こる……ってのはかつてポストモダン論なんかで結構語られてたよね。

2010年代も終わろうとしてる現在、あの頃の言説はピタリと当てはまってるように思う。

2019-12-20

[]2019年12月19日木曜日増田

時間記事文字数文字数平均文字数中央値
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239511871125.034
1日261522177284.840

本日の急増単語 ()内の数字単語が含まれ記事

ワオ(7), 山口氏(7), 山口敬之(9), キャッツ(4), ドアマン(4), 一朗(3), じっち(3), 詩織(13), ドイツ鉄道(3), 同意書(17), 酩酊(12), 山口(21), name(16), PR(15), ステマ(38), 事務次官(14), ゲロ(10), 体育会系(8), CM(28), 障碍者(17), 人間なんて(6), 性行為(11), 酔っ(11), すこし(9), 強姦(10), n(19), 酒(44), がんばっ(16), 広告(35), 飲ま(14), レイプ(22), 裁判(15), バイト(27), ニート(21)

頻出トラックバック先 ()内の数字は被トラックバック件数

■逃げてほしい。 /20191219023538(20), ■2010年代が終わってしまう /20191219004530(20), ■こういうこと書くとセカンドレイプなんだろうけど /20191218232513(13), ■2009年と2019年に使ってるモノの比較 /20191219201533(12), ■レシートは家に帰るまで捨てないほうが良いという事 /20191219152628(11), ■いいババアになりたい /20191218215138(10), ■30代未婚女性で… /20191217123317(9), ■「子ども欲しくないんですよね~」 /20191219103844(9), ■ /20191219140827(9), ■結婚したい /20191219171306(9), ■ネット出身で「めっちゃ出世したやん!」って誰がいる? /20191219191033(9), ■何で男の方だけお礼を求められるの?? /20191219004354(8), ■姉が英一郎さんになりそう /20191218145005(8), ■男子のみなさんの眉毛の手入れは? /20191219112217(8), ■全体主義漫画アニメ /20191218115139(8), ■鉄ヲタ不正乗車の話 /20191218231503(7), ■タイトルPRって書かないのはステマなのか? /20191219152734(7), ■ダウンロード違法化結論ありき検討会 /20191219094027(6), ■anond20191219183324 /20191219183439(6), ■映画キャッツ」 /20191219151934(6), ■私の両親は私の教育を間違えてたな。テストで悪い点取ると玩具プラ /20191218063118(6)

増田合計ブックマーク数 ()内の数字は1日の増減

6876931(2629)

2019-12-17

から官へをスローガン

どこかの政党に「民から官へ」をスローガンにあげてほしい

挙げる必要もないけど、サッチャーやら中曽根小泉竹中ラインから現在安倍政権に至るまで

「官から民へ」が一つの正義、一つのこれから社会のあり方として進められてきた。

もちろん目的合理的経営コストカット。「無駄を削減しよう」は

90年代から2010年代までこの20年間ずっと続いてきたキーワードであり、トレンドでもある。

どうせコメントで言われるだろうから、先に言っておくと、昔の国鉄役所の窓口の対応がひどかったのが、民営化でよくなった?

はいはい、よくなりましたね。駅ナカビジネス、囲い込みでおめでとう。空中権の打ち出の小槌、おいしいね

話がずれました。さて、「官から民へ」は確かに合理的経営コストカット有用だろう。

でも、そもそも民間企業提供できないサービス提供するのが公共サービス役割なわけで、

公共サービス合理的経営コストカットに削ぐわないものであることは当然なんですよ。

クリームスキミングをさせないための公共サービスなわけで、

からこそ、インフラ通信教育医療などが公的サービスとして日本では提供されてきたわけです。

元は田舎者だったのが東京に出てきて成功たからか、急にルサンチマンを発揮して、

成功したのは自分能力のおかげ、それ以外の地方民はすべて死ね、もしくはお前らは東京お荷物だ、

みたいなことを言い出す頭の悪い連中が、クリームスキミング目的に、

「官から民へ、そして私のふところへ」を繰り返してきたのがこの20年でしょう。

どこかは合理化されたのかもしれないけど、それ以外の多くは合理化どころか疲弊してサービスの質が低下したのが事実

そして、一部の新規参入業者が私腹を肥やしただけですよ。

そろそろ公的サービスに戻してほしい。

公的教育ベネッセから取り返したい

https://twitter.com/yamanoikazunori/status/1206536417699979264

https://anond.hatelabo.jp/20190122160549

公務員が働いている職場にいる派遣社員をすべて公務員と同待遇にしたい

https://president.jp/articles/-/30191

仮に民業圧迫となる公的サービスがあるのだとしたら、民営化ではなく禁止したい(ゆうちょ銀行、かんぽ等)

https://this.kiji.is/579249207395763297

保育と幼児教育の垣根を壊して、無認可保育園をなくして、公的教育の一環にしたい

https://www.bengo4.com/c_5/n_10537/

大学競争資金運営費に戻したい

https://univ-journal.jp/29150/

虫歯になって10万円払う社会にしたい?(米国

入院中にお金が払えなくて自己破産し、ついでに病院から蹴り出される社会にしたい?(米国

アップルグーグル従業員を運ぶ社員専用バスが襲撃される社会にしたい?(米国

ニューヨーカーがやたらサラダばっかり食って、ジムに通いまくってるの、意識高いわけじゃなくて、医療費高いからだからな。

病気になったら、経済的死に直結すっからな。

行き過ぎた「官から民へ」を戻す「民から官」へは2020年代のキーワードになると思う

ご飯よ!」

PM2:00

2体の母による、「ご飯よ!」の声で私は起床した。

今日の超朝御飯はなんだろう、ご飯だろうか、パンだろうか、それとも超操縦メカ MG(※1)だろうか。期待で左胸を膨らませる。

眠いまなこを1秒間に約30回程擦り、まるで東尋坊から人生のゴールを目指し旅立つ人々のように、ダイニング(※2)の椅子に勢いよく腰掛る。

いわば、10歳の自分との対峙時間だ。

「もう、まだ眠いの?」

...

誰だこいつは...?

自分脳内タウンワークを隅々まで探索。ヒット無し。すかさず同じ棚にある脳内たのめーるに手を伸ばし、かぼちゃを2ダース発注

「何寝ぼけてんの、今日学校でしょ?」

!!!???

!!!!!!!???????

!?!?!?!?

!!!!!!

大袈裟に驚いたは良いものの、別に今日学校じゃあないし、なんなら体育の日だ。愚かな国民以外は身体を休めることが認められている。

ここで、3秒の沈黙。喉が焼けそうだ。

ピカルの定理見た?」

フラッシュバック2010年代中学生の会話。誰かの思い出のゴミ捨て場。令和に彷徨ゴミ捨て場

ここは、令和3年の日本












(※1)...友達がよくやってたゲーム

(※2)..筆者の家には無い

2019-12-13

anond:20191213084834

元増田本来リクエストからは若干外れた話になってしまうが、

メガネキャラがカッコイイカワイイものとして脚光を浴び始めたきっかけはトミーフェブラリー存在だと思う。

音楽的にも彼女の影響力は大きい。彼女がいなければパフュームきゃりーぱみゅぱみゅ存在しなかっただろうし、2010年代音楽シーンは今と全然変わっていただろう。

それ80年代じゃないよね問題ってあるよね。

セーラームーン92~97年)の配色センス80年代と言ったりとか

あとあの時代映像は当然ブラウン管前提なので、HDで無残に引き延ばされてたもの80年代とか言うのやめてほしい

ドット絵なんかが特にそうなんだよ。あの独特のにじみは液晶では無理だし。

あとノイズのようなものリアルタイムで見てた時はなかったものをわざわざ追加したりするのもどうかと思う

掘り起こした80年代テープノイズがあったって事だからあのノイズ80年代じゃなくて2010年代の話でしかない

未来人が勝手に作った80年代という記号しかない


もうね、歴史修正主義だとすら思うわ

2019-12-10

安倍政権が存続するのは皆が「それくらい(自分もやってるから)いいだろ」って考えてるだけの話

すっごく素朴な共感しかないんだよ、桜を見る会のやつなんて。

もちろん世の中には多くの人が「あれは駄目だ」と思ってる人がいるよ? 問題は「似たようなことな自分もやってる」って人がもっと多いことなんだよ。

それはすっごく小さなことでいいの。交通費ちょっと水増しするとか、出張ついでに経費ちょろまかすとか、歓送迎会自分の行きたい店選ぶとか、そういう話よ。「厳密には駄目だけど、まあそれくらいいっか」っていう感覚はかなり広い範囲理解されるよ。むしろ後押しにすらなってるのでは? 世の中の大多数は馬鹿から安倍さんも『やっちゃう』んですね、へへっ」くらいに思ってる可能性すらあるよ。

anond:20191209220308

結局のところ、これも「政治的正しさ」が2010年代に入ってから声高に叫ばれるようになったことのバックラッシュだと思うけどね。正しいことって息苦しいか不道徳に生きたいんだよみんな。はーホントクソ。

2019-12-01

anond:20191201183950

観念的な質問には観念的に答えるけど、現在においては愚問ではないかと思う。少年漫画が同時に少女マンガとして成立し得るし、現在エポック少年漫画の多くは同時に少女マンガである

・「2010年代において、最良の少年漫画は何か?」「『ちはやふる』」

ちはやふるが「女性作者」が「女性編集者」との協同で「少女マンガ誌」で連載されている現在における「少年漫画らしさ」をホモソーシャルものとして捉えるのはナンセンス

・それはそれとして刃牙は偉大

2019-11-27

anond:20191127190650

ONE PIECE1997年

HUNTER×HUNTER1998年

テニスの王子様1999年

NARUTO -ナルト-1999年

このあたり初版100万部超えたの2000年代でしょ。

ちなみにONE PIECE初版が史上最多を記録したのは2010年代に入ってから

80年代後半連載開始のジャンプ黄金期の連載陣が初版100万部を超えたのも90年代に入ってからだろう。

ざっくりで70年代1作品80年代5作品90年代7作品00年代6作品10年代3作品くらいと見るべき。

で、90年代半ば連載開始組は暗黒期でるろ剣くらいしかいないし、00年代後半から10年代前半はワンピナルトブリーチ三本柱が盤石で新連載があまり出てこなかった時期。

まりコミックスの売上どうこう以前にラインナップにムラがある。

まあ景気低迷や少子化による「単調減少」はあるとしても、ジャンプ本誌の事情がかなり大きいってこった。

いずれにせよ、元増田の「昔は雑魚でも100万部くらいは出てた」みたいな書きぶりはどう転んでも言い過ぎでしょ。

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