2019-12-27

独断偏見で選ぶ2010年代ベストアニメ10

2010年代が終わるわけだが、2010年代アニメベスト10独断偏見で決めてみたくなった。ので増田に放流。

見てない作品は語れないので見た作品だけ挙げる。見た作品の数が少なくラインナップが偏っている結果チョイスが偏った点については先に謝っておく。また、順番は順位ではなく放映順である

魔法少女まどか☆マギカ』(2011年

長いゼロ年代の終わりを飾るというか10年代の始まりを告げるというか、とにかくエポックメイキング作品だった。紛れもなく一時代を画すアニメであり、こんなに議論が盛り上がって人々の印象に残ったのってマジでエヴァ以来なのではという衝撃があった。

Fate/Zero』(2011/2012年

2010年代にはFate/stay night [Unlimited Blade Works](2014/2015年)とFate/stay night [Heaven's Feel]』(2017, 2019年)がアニメ化され、さらにはFGOや『Fate/Apocrypha』に『ロード・エルメロイII世の事件簿』もアニメになり、いずれも素晴らしい出来だっただけにどれを入れようかすごい迷ったのだけれど、Fateシリーズに新しい客層を開拓したという点でZero存在感がなんだかんだで大きいかなと。切嗣重要台詞微妙原作改変でそれはどうなのかと思わなくもなかったがラストの桜ちゃん原作ではなくボツになった原案通りに作ってくれて素晴らしかったですね。人間オルガンちゃん再現されなかったのは残念だけど仕方ない。Heaven's Feelも本当に素晴らしかった……。何も言うことはない。俺たちの見たかった最高の桜ルートだ……。2010年代Fateアニメ化で盛り上がった10年だったと回顧できるだろう。セイバールートも作り直して。

おおかみこどもの雨と雪』(2012年

一作くらいは細田守を入れておいてもいいんじゃないかと思って挙げてみた。細田守はてなでは評判が微妙だが普通に『おおかみこども』は良い作品だと思うんだ。純粋家族愛物語として見ると違和感とかも出るのかもしれないけど、歪められた関係性も理想化された田舎も、すべては花の回想をもとにして雪が語ったことであって、花というある意味信頼できない語り手を通して見た世界なんだよね。加えて言うなら、花が雪より雨を構っていることに批判的な意見も多々見られ、それは雪から見ればそうなのだろうし実際にきょうだいより構われなかった思い出を持つ人にとっては良い気持ちはしないのだろうけれど、でも完璧人間でないと母親になってはならないか、といったら違うわけでしょう。母親欠点を持つひとりの人間だし、それでも母親なのだ、という話だと思いますよあれは。それらの偏愛や歪んだ世界像を卓越した映像美でくるんで提示してくるところに、細田守が色んなひとの神経をざわつかせる理由みたいなものがあるんじゃないのかな。

サカサマのパテマ』(2013年

アニメ映画を1つだけ挙げろ、と言われたらこれを推す。名作名作アンド名作。何を語ってもネタバレになりそうなので最高のSFアニメ映画だという当たり障りのないことしか言えない。ボーイミーツガールSFの傑作。いいから何も言わずに見やがれください。

SHIROBAKO』(2014/2015年

単純なアニメ業界楽屋ネタに留まら人間ドラマとしてしっかり作り込んでいてくれて良い作品だった。23話はみゃーもりにつられて泣いちゃうでしょ……。5人の歩く道は凸凹していて、正解はわからずに手探りで進んでいくしかなく、それでもアニメに関わりたいという意志を持って進んでいけば夢に手が届く。そういう話の筋としてはありふれた成長譚を細やかな人物造形と堅実な脚本で良いアニメにしてくれていた。「万策尽きたー!」「どんどんドーナツどーんといこう!」などのフレーズも印象に残る。ただアニメというフィルターを通してもなおアニメ業界ブラックさが滲み出ており「これは美談にしてはいけないやつでは」みたいな感もあって、アニメの放映スケジュールが狂うことがあちこちで頻発しているのを放映予定の変更とかで視聴者目線でも感じ取れるだけに複雑な気分である

放課後のプレアデス』(2015年

紛れもないジュヴナイルSFアニメの傑作。可愛らしい格好をした魔法少女たちが土星の輪に突入するとか太陽系外縁部を探査するとかブラックホールを反転させるとかのハードSF冒険を繰り広げるギャップがすごいし、荒唐無稽ファンタジイとリアル宇宙描写を融合させた映像美はアニメからこそ実現できるものだろう。ちょっと宇宙が出てくる魔法少女ものだと思って見始めたわけだけど土星の輪に穴を開けてエンジンを探し始めた辺りでガチSFをやろうとしてるんだと理解したし実際かなりSFだった。降着円盤温度まで考察されてるのすごくない……? そして根底には傷つきやすい繊細な心と他者を思いやる優しさが流れていて、映像の美しさと相まってリリカルさに心が洗われるような気持ちになる。放映終了後の喪失感は半端なかった。『サカサマのパテマ』と並ぶ2010年代SFアニメ金字塔ですわ。これが星雲賞を獲るべきだったのでは。

プリンセス・プリンシパル』(2017年

アクションのキレの良さ、百合描写の濃密さ、黒星紅白キャラの可愛さ、音楽テンポの良さ、細部の丁寧さ、どこをとっても娯楽アニメとして超一級の出来だったと言うほかない。特に5話の剣戟シーンはここ十年で一番の殺陣だと思う。梶浦由記オサレ音楽BGM美少女たちが流れるような作画チャンバラするの控えめに言って最高としか言えない。また「神は細部に宿る」を地で行くような作品であり、アンジェプリンセス手紙の遣り取りとか、脱出用の荷物に書かれた文字とか、さり気ない描写ひとつひとつに込められた情報量が半端なく、それによって世界観と百合に奥行きを持たせることに成功していた。アンプリ、いいよね……。劇場版むっちゃ楽しみ。

宇宙よりも遠い場所』(2018年

素晴らしい作品だった。2018年TVアニメ豊作の年でありゾンビランドサガ』『SSSS.GRIDMAN』などオリジナルの良作が次々と放映されたわけだが、なかでも別格だと思うのが『よりもい』。毎話毎話が最終回のごとき余韻を残し話ごとのメリハリも利いていて軽くシネマっすねという感じだったし、「先に行けって言われて先に行く薄情にはなりたくない!」「友達ってたぶんひらがな1文字だ!」などの印象に残る名台詞の数々は記憶に焼き付いて離れない。花田! 神回しか作れずに恥ずかしくないのか? 視聴者を泣かせて食うメシは美味いか? なかでも特筆すべきは12話で、まさか受信メールフォルダを映し出した画面に泣かされるなんて思ってもみなかったアニメ史に刻まれる名シーンですわ。

さよならの朝に約束の花をかざろう』(2018年

岡田麿里が本気を出してファンタジイをやったらなんかすごいのが出力されてきた。失ったものいつまでも抱いてしま妄執とか、恋と愛の区別あやふやになって煮えたぎる思いとか、無理やり連れ出されて見せられた世界の美しさとか、そういったドロドロした感情を叩き込んだ闇鍋から人は互いに織り上げあう物語であるというテーマを掬い上げて観客の前にどーんと呈示してくる素晴らしい映画作品。ただただ名作と言うほかない。15歳しか離れていない不老の種族美少女なお母さんに育てられたいだけの人生だった……

『天気の子』(2019年

君の名は。2016年)で俺たちの新海が一気に一般人にも知られるアニメ監督にのし上がってしまい、遠くに行っちゃったんだな……とゼロ年代に魂を囚われたオタクたちが訳知り顔でホロリとしていたところに投げ込まれた傑作。いや~原作PC版のクライマックスを忠実に再現してくれてましたね! 私は原作だと夏美ルートが好きで、彼女が晴れ渡った青空を見て浮かべる笑顔の爽やかさと、その青空意味を後続のルートで種明かしされて味わうことになる切なさがめちゃくちゃ印象に残ってるんですよね。でもやっぱりあの長編エロゲから1ルートを取り出して劇場アニメにするとなったら陽菜ルートになるのも納得がいくわけで(甲高い早口

……という感想を諸人こぞりて口にしはじめる辺り、完全にゼロ年代エロゲだったテン年代最後の年にゼロ年代を煮詰めたような要素てんこ盛りの作品を公開してしかもそこにセカイ系を力強く肯定するオチをつけるわけですよ。ゼロ年代の亡霊が昇華された感があり、なんというか新海誠すげえわ、一生ついてくわ。

  • ベスト10を選んだ以上ワースト10も選びたくなった。何度も言いますが選出基準は独断と偏見です。 『屍鬼』(2010年) 何百年も前の古典を独自解釈でアレンジしまくるのは全く問題ない...

    • 真の糞アニメはそもそも見られてないからこういうところにも上がらない 火ノ丸相撲とか

    • ダイナミックコードは原作レ〇プというより原作でレ〇プがあるからキャラ改変必要だったんじゃないかな

    • はねバドは確かにクソだった。特に綾乃の心理描写がほとんど蔑ろにされていて、綾乃がただ嫌な奴になってた。(心理描写が深く掘り下げられたの県大会以降とはいえ) 原作ではバドミ...

    • 糞アニメと言えば必ずこの5つを挙げていく。 ・マヨイガ ・グラスリップ ・ガリレイドンナ ・ケイオスドラゴン ・ウィザードバリスターズ弁魔士セシル

    • テン年代とか言ってる新興宗教ゲンロン教信者の低知能馬鹿丸出しだしどうせロクにアニメ観てないんだろこいつ

    • はねバド原作、どっちがシャトル打ってんのかどっちがポイントゲットしてるのかどっちが勝ったのかすらわからないという稀に見るゴミ漫画なので、どうアニメを作っても原作を超え...

    • 直近で見たっていうのを差し引いても「星合の空」がマジモンのクソ、そもそも物語の体を成していない出来損ないだった。 増田が挙げてるクソアニメはちゃんと物語として成立してた...

    • 君はあれやな、「独断と偏見で"原作厨が"選んだベスト・クソ」を作ったな。 そこ評価基準にするんだ?が結構あるわ。

    • 屍鬼はぶっちゃけ原作小説がかったるいけどな。 あれこそスティーヴン・キングの「呪われた町」の何のひねりもない日本改変版だし(許可取ってんの?と思ったくらい)、しかもキン...

    • https://anond.hatelabo.jp/20191227121330 を見て自分とも趣味嗜好が違うので自分でも書いてみた。 もちろん独断と偏見。 魔法少女まどか☆マギカ ほとんど誰からも文句がでない傑作。 STEINS;GAT...

      • すごくにわかっぽい

        • にわかですすいません 書いてくうちにメジャーなものばっかりになった 他の人が出してないRWBYとかナイツ&マジックとか出した方がおもしろかったね

  • こういうのを書くのは蛇足なのであまりよろしくないかもしれないけれど、「なんでこれが入ってないんだ!」という異論が出てきそうなので、ベスト10選出にあたって考慮した作品とベ...

    • 原作と違うから派生を叩くんじゃなくて、原作と派生の立場の違いから派生を叩くのでもなくて、クソな方を叩いてるだけだよ。 けもフレに限って言えば原作ナニソレ状態でアニメ1期が...

    • 氷菓実写は https://togetter.com/li/1446440 https://togetter.com/li/1436824 にひとつレビューがある

    • けものフレンズはコンセプトデザインが吉崎で脚本がたつきなので、原作=吉崎とは言い切れないところがある。ディズニーの古典アニメで言えば吉崎=グリムやアンデルセン、たつき...

    • 原作ファンから絶賛されていた咲の実写を否定する無能

  • 一連のアニメベスト10記事の締めくくりとして、バランスとか客観性とか原作改変とか単体で見て楽しめるかどうかとかそういうめんどくさいこと考えずに個人的にめちゃくちゃハマった...

    • 増田はレヴュースタァライトとか好きそうだと思ったんだけど、どうだろうか

    • シンフォギアGはエンディングのイントロが最高で、そのおかげで各話の余韻が凄い良かったな

  • センス悪いなあ

  • ・戦姫絶唱シンフォギア ・K ・ゆゆ式 ・ガンダム Gのレコンギスタ ・アイドルマスター シンデレラガールズ ・機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ・アクティヴレイド 機動強襲室第...

    • シンデレラガールズってどの辺が見どころだったん? とりあえず見たけど本田未央が駄々こねたところしか印象に残らなかった

    • ゆるキャン△はないわ ヤマノススメより明らかに出来が悪い

  • たった10本じゃ総合力が高いメジャー作品ばかりになってツボにはまった系が選びにくい。 ■魔法少女まどかマギカ 毎週心をかき乱された、イヌカレー空間のお洒落さ可愛さ、話の引っ...

  • サカサマのパテマあがってて嬉しい たまたま好きな声優さんが出てて見に行った作品なんだけど、ぞわっ…としながら映画館で見た 最高だった

  • こういうので宇宙よりも遠い場所を入れる人間は審美眼が足りない 個人の感想って書いてるから許してやるけど

  • 元エントリにあんまり同意できないから書いた。 原作との一致・不一致はどうでもいい派。 俺が選ぶならこれ。 2010年(1作) デュラララ!! 2011年(5作) STEINS:GATE、魔法少女まどか☆...

  • https://anond.hatelabo.jp/20191227121151 この元エントリにあんまり同意できないから書いた。 原作との一致・不一致はどうでもいい派。 俺が選ぶならこれ。 2010年(1作) デュラララ!! 2011年(5...

  • この中だと、サカサマのパテマは退屈だったな。話のテンポが悪くて内容も平凡だった。他は悪くない

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