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2022-09-01

anond:20220901005600

だって自分がやっているぐらいのことは、他の人だってやっているわけでことさら粒立てて言うほどのことじゃないという自覚もあるし、

その、他の人だってやっている仕事をやる人がいないもしくは不足してるから求人を出してるんだぞ。

そこで自分卑下することはない。面接ときに卑屈な態度……要するに不自然自分下げをするのは印象悪いからやめろ。

転職準備中ってことは転職サイトに登録する文面を考えてる段階なわけ?

だったら志望動機なんか書類とおってから考えりゃいいんだから後回しにしろ

自己PR業務経験から書け。

直接的に数字があるなら堂々と書きゃ良いし、稼がない部隊にいたなら、ミスをしないような工夫とか、人間関係を乱さないように気を付けていたとか、そんなんで十分だ。

頑張れ。

2022-08-30

転職先決まったか面接官の印象的なセリフをお焚き上げして供養する

転職先決まったぜー!

良い意味でも悪い意味でも印象に残ったセリフ増田に書き込んで自分転職活動をお焚き上げするぜ!

せっかくだから読んでいってくれよな!

あなたの言ってることを聞くと、どこでも良いっていうか、弊社で働く必然性が無いように思えるのですが

書類通り始めた初期でやらかしたぜ!

面接の場数的な意味全然慣れてなかったせいなのだが、自分欲望転職先に求める条件(ぶっちゃけ立地と年収だが)を包み隠さな過ぎたぜ!

当然一次面接で落とされたが、この経験が以降の面接には超役に立ったぜサンキュー

こっちの志望順位も低かったし貴社には負けたが転職活動全体には勝った!

何笑ってるんですか? 面白いですか?

前任者の苦労話をされて、その内容が割とアレだったので苦笑していたら言われたぜ!

こちらとしては苦笑することで共感および自分はそうじゃないアピールをしているつもりだったがやらかしたぜ!

てか、どう考えてもそこは笑うポイントだったと思うんだけど、相手としては気に入らなかったみたいだぜ!

面接始まってすぐの「社長は応募者の中であなたが一番良いと言ってます」という言葉がひっくり返って一次面接で落ちたぜ!

「志望順位低いけど、まあぶっちゃけここには内定貰えそうだし滑り止めキープしとこかな」

という勝手な想定が崩れてちょっぴり動揺したが余裕!

僕知ってるんですけど、あなた会社の人みんな辞めたがってますよね

いきなりブッこまれて超ビックリしたぜ!

実は取引があってHey!社の内情に超詳しかったぜ!

「だから退職理由は聞かなくてもわかるんで言わなくていいですよ」

という超フレンドリー!?面接だったぜ!

二次面接まで通ったが最終面接前に辞退いたしたぜ!

入社したらその面接官が上司になるはずで、おもろい人だったのでそこだけはちょっぴり残念だったぜ!

実は先に最終面接に進んでいる方がいて、その結果待ちになるので最終面接の連絡が遅くなります

正直過ぎるだろ!

しゃーないっすねーという感じだったが本当に連絡遅かったわ!

もうこっちも他社で内定承諾して転職サイトを止めて完全に忘れてた頃に

「やっぱその人で決まったんで連絡遅くなってサーセン

的なメールが来て苦笑したぜ!

良い待遇求人だったからそれなりに志望順位は高かったがもっとデカいとこに決まったからヨシ!

実はこの求人かなり前から出してるんですが全然まらなくて……大丈夫ですか?

それで何がどう大丈夫なのか聞かれても困るぜ!

質問意図がわかりかねますだぜ!

なおその後のやり取りで本当に困ってるから是非来て欲しいんだという流れになって志望順位は上がったぜ!

ストレートに「あなたに来て欲しい」て評価されるのはやっぱり嬉しかったぜ!

あなたの経歴的に、そうですね、そういう資格勉強をされるのは良いかもしれませんね

手応えがビミョーな面接だったのだが、このセリフで落ちたことを確信したぜ!

なんだよその「今後のご活躍をお祈り申し上げます」を言い換えたやつは!

落ちた後に思い返せば、面接の中頃から割と露骨に「なんかコイツ違うなー」的な雰囲気の応対されてたぜそういえば!

だったらもっと早く切り上げてくれてもよかったんだぜ!

90分くらいの面接時間の内、後半はやらなくてもよかったんじゃないのかだぜ!

うーん、そういう経験が無いと、ウチではちょっと厳しいかもしれませんね……

そういう経験が無いことはエージェントからお伝えしてたんじゃなかったのかだぜ!

エージェントクレーム送ったったわ!

「そういう経験が弱いのだが、やる気のある方なので検討して欲しい、と伝えたのですが……」

マジか! じゃあ他の人と検討した結果、面接くらいはしてみるかだったのか!

でも、だったらそれを理由に落とすのはちょっとどうなのかと思わなくもないぜ!

応募してくれた方が新しいこと覚えるのが嫌だって人ばかりで本当に困ってるんですよね……

マジかよ大変ですね!

てゆーかよっぽどの専門職じゃない限り会社変わったら新しいことばっかだろ!

だったら転職しない方がいいんじゃないですかね!?

増田さんは新しいこと大丈夫ですか?」「余裕っすー」「じゃあ来て欲しいナリー」「行きます行きます

そんな会話をしたがすまん! 条件面で比較してご辞退いたしたぜ!

会社の立地が微妙で、面接に来ていただくのが毎回申し訳ないんですよね

かに全ての最寄り駅に対して完璧中間地点でどこからでもまあまあ歩く立地だったぜ!

暑かくてそんだけ歩くのしんどかったから実は最寄駅から行きだけタクシーで移動したぜ!

なんというか、自分とこの弱みみたいなのを見せてくれるとむしろ好感度上がるぜ!

あと面接官がすごい美人だったので内心テンション上がったけど左手薬指に指輪がはまってたぜ!

ぶっちゃけあなた面接ときだけ指輪外しておけば志望順位上がるバカな男が増えると思うぜ!

まあ、内定ですわ

正式な連絡は社長印の押された書面をもってになりますが、まあ、今日内定ですわ」

正直か!

マジかよサンキュー

お世話になります

2022-08-28

[][]【朗報】ワイくん、ついにGoogleさんに高所得者認定される

イヤッフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!

 

ワイくんについてる推定タグ

 

 → 最近論文海外サイト見てたからでしょーね。これだけで簡単学歴推定タグ変わる

 

 → 【大規模雇用者(従業員数:1000〜10000人) 】と【超大規模雇用者従業員数: 10,000 人以上)】をいつも行ったり来たりしてけど

   どういうわけか前回(2022年5月頃)は【小規模雇用者従業員数: 1~249 人)】になってた

   何基準だよ?!って思ってたけど、これたぶん エンタープライズ向けの製品 ですわ

   最近エンタープライズ向けの製品の調べ物したり、イベ参加したりしたからな

   あと、もしそうだったら怖ぇぇなってのが Gmail かな

   イベ参加したりで、最近ベンダーから個人Gmail 宛にメールが来てるから、それなの・・・か?

   

 → へぇ〜、知らなかった、いつの間にか持ち家を得ていたのか、おめでとうワイくん🎊

  この推定タグが付いてる理由ちょっとからない

  強いて言えば建築オタクじゃ微塵もないけど、建築写真動画と関連情報(相場・資材・工法)を見るのはまぁ好き

  このタグ学歴と同じく所有・未所有(賃貸)がコロコロ変わるんだよなぁ

 

  → これもコロコロ既婚・未婚が変わるので基準はよくわかない🤔

    強いて言えばネットスーパー調べたり使ってると既婚判定になるの・・・か?

 

 

 → ニコニコニコニコ😊

  思えば2019年、どんな根拠でワイを低所得認定しとるんや???おぉん???と思ったが・・・・長かった!!!

  ついに勝利・・・!!!

  高収入推定タグに下記は関係なかったみたいです

   

   1. ハイブラを調べたり・買ったりする・関心タグがつく(低所得推定タグのまま)

   2. ラグジュアリーカーを調べたり・見たりする・関心タグがつく(低所得推定タグのまま)

   3. 学歴大学院推定タグがつく(低所得推定タグのまま)

   4. 大企業所属推定タグがつく(低所得推定タグのまま)

   5. 不動産所有の推定タグがつく(低所得推定タグのまま)

   6. 投資の興味タグがつく(低所得推定タグのまま)

 

  逆に下記は高収入推定タグ関係しているっぽいです

  

   1. 節税や経費や青色申告について調べる

   2. 求人案件サイト年収提示

   

  あと、もし関係してたら怖ぇぇぇなというのがやはり Gmail

  エージェント会社機械的に送ってくるメール年収提示額が入ってるので、それなの・・・か?

 

  

さて、ここが最重要なんだけど不快CMは減ったか?と言えば減ったわ

ソシャゲ詐欺CM早口で高めの声のナレーションアニメマンガ構成された不快以外の言葉が出ない広告

不快以外の言葉が出ないザマァ系のWEBコミックの紹介、などなど

 

逆に高収入推定タグついて出るようになったCM・・・別にないんだよな

低所得タグがついてる時にも何故か不動産投資管理CM出てたし。どういうことだってばよ

あとはAirペイがやたらできる。確かに欲しいわとは思うけどこれも低所得タグがある時から出てる

強いて言えば、GUCCI、Hawaiian Airlines は出たけど単に時期的なもののような気もする

それからGoogle福利厚生は良いぞって言うCM見せられたわ。これも時期的なものかな?

 

ぶっちゃけ、母ちゃんYouTubeを使いこなすようになり、毎日YouTube見るようになったので、

YouTubeファミリーに入っても良いかなぁって思い始めてるのだけど

Googleさんの推定タグ見るの面白すぎてやめられない

結局買わなかったけど、気になる商品をすすめてくれることも極々稀にあるしなぁ

(ワイの場合は、ウォーターサーバー図面アプリとreMarkableとか)

2022-08-27

anond:20220827175504

単純作業効率化したという記事ですよ

電動のレターオープナーで封筒開封し、求人票や会社パンフレットを取り出す。求人票に通し番号を振り、かごに入れる。その作業をひたすら繰り返す。男性教員は「流れ作業です。無心でやります」。

 6日までに届いた求人票は1千枚超。定期テストの期間中だったため、採点や評価の合間に作業をやりきった。

無心でやっていたそうなので生徒に想いを馳せてなどいなかった模様

2022-08-26

anond:20220825153736

2、最低賃金2000円へ。

非正規図書館員の勤務時間を仮に7(時間)×18(日)=126(時間)とすると、時間2000円でひと月に252000円。色々な税金が引かれることを考えると、手取りがおよそ20万。これは一人で自立して生活するための最低ラインだと考えます

この件って、明確にここのロジック破綻してるから賛同する価値ないんよね。

一般フルタイム労働だと160時間勤務なわけだから、これって単純に言い換えると

非正規図書館員は通常の8割の勤務時間生活できるべき」っていう主張になってる。

でも、非正規図書館員特別他より少ない労働時間生活できるべき根拠はなんもない。

「全国民は通常の8割の勤務時間生活できるべき」っていう話ならまた違ってくるかもしれないけど、

この件は非正規図書館員優遇しろって話で

なんで非正規図書館員優遇してほしいかというと、この活動してる人がやりたい仕事からってだけで

あとはノイズ文章水増しして核心部分を目につかなくしてるだけ。

そもそもの話でいうと勤務条件とかは契約する前にわかってるはずで

この人はフルタイム労働しないと(一人暮らしで)生活できない立場なのに

この仕事をしたいあまり生活できない条件のパートタイム求人に応募してるっていうのが生活できない理由から

これの解決策は、図書館から与えられる待遇の向上じゃなくて

「足りない40時間分別仕事をする」か「別のフルタイム仕事を探す」になるのがスジ

anond:20220826012347

非正規でも募集すればいくらでも来るなら正規にする必要がないでしょ

今時民間普通パート人手不足で安すぎると人が集まらいから時給どんどん上がってるけど

司書求人難ではないのならその必要もないって事

需要<<<供給なら買いたたかれるのは当たり前

anond:20220825153736

自分は昔図書館情報学をやってたから周りに司書の知り合いは多いんだけど、公立図書館とか学校図書館でやってる子たちはみんなしんどそう。(給料だけじゃなくてその他の条件等含めてね)

でも昔からの夢だから薄給に耐えるしかないっていう状況。

非正規図書館員けが悲劇のヒロインのように扱われることに不満かもしれないけど、司書って国家資格を持った人しかできない専門職なんだから、やっぱりそれなりの待遇で扱われて然るべきだと思うんだよね。一般企業事務非正規雇用やってますとか、派遣先作業所で流れ作業やってますとかとは話が違うんだし。

正直一般企業勤めの自分なんかより司書やってる子たちの方が面倒なことやってるよなーと思う。

非正規のくせにそんな条件が通るわけないって言いたいんだろうけど、司書っていう職業非正規雇用だらけの現状はおかしい。司書に限らず保育士とかもだけどね。

司書という仕事手取り20万の価値があるかはまず置いといて、声を上げることは良いことだと思うんだ。別にこの署名が通ったか絶対手取り20万になるわけではないでしょう。

司書待遇を考えるきっかけになるのであれば、この署名デメリットはない。これで司書待遇を見直そうっていう風潮になれば、20万とは言わずとも少しずつ良い方向に進むかもしれない。

かに財源の問題はある。でも、もしかしたら国や都道府県司書図書館価値を再検討してくれて、何かが変わるきっかけになるかもしれない。

しかしたら、司書に限らず、非正規雇用そのものを考えるきっかけにもなるかもしれない。

まずは声を上げなきゃ誰も動いてくれないんだから

努力して正規雇用の座を掴んだ増田からしたら「非正規の座に甘んじてる癖に偉そうなこと言うな、そんな内容が罷り通ってたまるか」っていう気持ちなのかもしれないけどさ、この署名の内容はあくま理想なんだから別に高望みしたって良いじゃない。

一般企業だって労働組合賃上げ要望やってんだから要望なんて出し得でしょうよ。

この署名による増田へのデメリットは財源問題くらいなんじゃない?

しろこのまま図書館司書地位が低下していって、正規雇用の数もどんどん減らしていきましょうってなったら困るのは増田のはず

正直自分も「その勤務時間でその給与ちょっと高いんじゃないか」と思ったけど、バズって多くの人が司書価値を再認識しようと動いていたことはすごく意味があることだったと思う。内容はちょっとぐちゃぐちゃではあったけど、あれによって司書マイナスイメージを持った人より「どうにかしてあげて!」っていう気持ちになった人の方が多い。

それはそれとして、司書になるには司書課程取ったり講習会に行ったりする必要があって手間がかかる割に、求人も少ないし非正規での求人ばかりだからコスパの悪い職業だよなあとは思う。なりたくても簡単にはなれない職って言うのは同意するなあ。

自分司書資格持ってるけど、生活のことを考えると司書になる覚悟は持てなかった。増田はすごいと思う。

2022-08-25

正社員フリーターと俺

大学受験に失敗して、ブラブラフリーターしてた頃に

40代フリーターと30代フリーターの先輩が同じ職場に居たことがあった

40代フリーター大卒で、普通に就職したらしいがなんやかんやで退職して流れ着いたらしい。資格運転免許すら無し

30代フリーターは俺と同じで特に目的が無かったのでフリーターを続けているらしい。資格運転免許のみ

言い方が悪いが、同じフリーター身分でも先輩のようにはなりたくないなぁ。と漠然と考えていた

40代フルタイムで働いても少ない手取、少ない年間休日、代わり映えしない仕事内容と、正直何が楽しくて生きてるんだろうと思ってた

年下の正社員に指示をされたり、怒られている姿がなんだか情けなく見えたのも大きかった


そして5年ぐらい同じとこでフリーターを続けて、重い腰を上げて正社員になった企業ブラックだった

労働通知書に書かれていた契約とは異なる給与、60時間働いても出ない残業代、そのくせ日中はやることが無さ過ぎて先輩に仕事をもらおうとすると怒られた

暇なクセに拘束時間だけは無駄に長く、タイムカードも無く上長が勤務時間を記帳して本社に提出する形だった。ひどすぎて2か月で辞めた

勢いで辞めたはいいが、田舎故に求人も少なく、当時は車はおろか運転免許すら無かったのでまともな職にありつくのも無理だった

結果的老人ホーム厨房担当として、またフリーターに逆戻り。しかも今度はフルタイムですらない

ここまで落ちると、もう何しても悪化することはねえな。と開き直ってアホみたいに勉強を始めた

まず人に使われる側ではなく、人を使う側に回りたい。と思ったので管理部門を目指そうと思った。今考えるとだいぶ意味が分からないが当時は真剣だった

次にブラック企業お金の大切さを叩きこまれたのと、学生の頃は政治経済経済が好きだったので経理を目指してみようと思った

あわよくば公認会計士税理士を…とか考えてたが、まあバカの考えだった。俺レベルだと日商1級のデリバティブ取引で吐きそうになった


そもそも経理とか以前の話として、正社員として採用されるには何が欲しいのかと考えた時に、運転免許必要だと思った

田舎なので車が無いと移動がままならず、生活に支障はなくても仕事には支障が出まくりだった

からなけなしの貯金を全額崩して、自動車教習所に通った。一括で全額払えなくて、残りの数万円は一か月待ってもらった。我ながらマジで貧乏だった

当時の稼ぎはフルタイム勤務じゃないので、手取で10前後だった。社会保険は当然未加入だし、国民年金も払えなかったので免除してもらっていたレベルだった

20代半ばに差し掛かろうとする頃に、ようやく人並みに努力をして半年ぐらいで運転免許格安のオンボロ車を手に入れた

今考えると大した努力でもないが、やれば出来るんだという謎の自信に満ち溢れていたので

次はMOSを取得してみることにした。管理部門といえばパソコンパソコンといえばExcelだと思ってた

一ヶ月ぐらいで取得できて、俺って天才じゃね?と思ったが、今考えるとテキスト薄いし内容は初心者向けすぎて時間と金無駄だなと思う

求人だとたまに、MOS取得者歓迎!とか書いてあるけど逆にこの会社大丈夫か?って心配になる

運転免許MOS(ExcelWord)を取得した俺はついに本丸日商簿記に手を付け始めた。気がつけば27歳、フリーター歴7年になっていた

まず3級。当時は5か月ぐらいかけて取得した。この時点で経理求人に応募してみるが全滅

悔し過ぎて2級。6か月かけて挑戦するも、不合格。2回目の試験を受けようとするも定員オーバー受験できず、1年かけてようやく合格



28歳、フリーター歴8年に差し掛かろうとする頃にようやく就職活動を開始

とりあえずハローワークに行ってみたら「経理経験が無いとねぇ…」と言われた。そんなことは知ってるんだよ、と思った

次に転職エージェント20代に強いエージェント大手、とりあえず使えそうなエージェントは全部使ってみたが

経験が足を引っ張ってほとんどのエージェント求人を紹介しなかった。登録すら断られたところもあった

次に無料求人を載せている転職サイトで、経理系の求人を片っ端から探した

大手の有料で求人を載せる転職サイトだと求められるレベルが高すぎて書類選考すら通らなかったか

とにかく採用活動に金をかけたくない企業ターゲットを絞った

立地が僻地給与格安福利厚生は最低限でも良いのでとりあえず経験を積みたかった


一日足らずで選考結果(不採用)が分かる企業そもそも応募を無視する企業、とりあえず書類だけ郵送しろ企業、色々あった

こっちもガムシャラに応募していたので、とりあえず面接に行きまくった。多い時は一日に3件入れていて、営業マン外回りってこんな感じなのかなとか考えてた

2022-08-23

想定年収レンジ規制すべき

想定年収600万円〜2000万円とかいイカれたレンジ平気で出すけどさ。お前ら見積書とかそのレンジで出されて納得すんのかいってぶん殴りたくなるわ。

求人サイトレンジプラマイ10パーとかに制限しろよな糞が

anond:20220823003059

まだ悩んでる段階なら、とりあえずエージェント登録して求人紹介してもらえばいいよ。

それで、この会社なら内定貰えたら絶対行きたいってとこだけ厳選して応募してみな。

その結果で貴方価値がわかる。

それで現職に留まることにしても、別に良いじゃん。

「とりあえず良さそうな会社の話を聞いてみたい」

くらいの気楽さでやってみよう。

2022-08-22

転職エージェント転職弱者活動記録

転職をするにあたって、個人活動しつつ

なんか良い求人いかなと思って転職エージェントを使ってみた

まず、俺のキャリア(経理&総務を1年ちょっと、月次年次決算経験)だと大抵のところは書類選考で弾かれる

狙いどころとしては、経理やりつつ総務もやるところが妥当だったけど、キャリアアップとしては年次決算経験が欲しかったのでその辺を狙ってた

年収的には350~400ぐらいが目標だった。年間休日は120日以上


とりあえず実行してみたのは、まずエージェント自分の立てた目標現実的かどうか相談することだった

いきなり500万クラス役職待遇とかムリゲーなのは分かり切ってたが、スタッフ相当でも売掛金管理とか仕訳のみとか、そういうのは嫌だった

エージェントが言うには「狙えるレベルではあるが、倍率が高すぎてやばい」という返事が返ってきた

実際エージェントに紹介してもらった求人に片っ端から応募してみたら、倍率が1/89とかで鼻水出そうになった。中には1/100とかプラモデルみたいな数字求人もあった

このエージェントはまあまあ良い人で、俺の希望と離れた求人コンサルとか会計事務所)を持ってくる以外は求人の量と質が良かったが

まあ倍率が高すぎて100社ぐらい応募したがほとんど書類選考に通らなかったので、個人転職サイトを使って応募することにした


転職サイトを使う際も、エージェント添削してもらった志望動機自己PRコピペして使ってた

こっちはリク〇ビを使っていたが30社ぐらいで書類選考通過率が20~30%ぐらいだったので、まあ悪くなかった

というより、エージェントの持ってきた求人の質が良すぎて上のレベル人間がわんさか応募してたせいで、俺は書類選考に通らなかったんだと思う

とりあえず書類選考が通ったら、優先順位をつけて申し訳ないが下位はこっちからお断りした

断った条件は人事担当の態度、求人嘘八百、他と比べて条件が良くない。の3つ

特に電話で「弊社はかなり応募数があって選別していったら、たまたま貴方が居たんです」みたいな上から目線で「あなたの経歴じゃ物足りないよね」とか言ってきた会社は即お断りした

個人的な感覚だが、最初から上から目線で接してくるような人間が居る会社絶対に好きになれないのでその時点で無理

最終的に、業務内容が最高、年収微妙、年間休日普通

という、まあこんなもんだよね。という企業から内定を承諾して転職活動は終了した


ちなみに、まあまあ良いエージェントお盆休みが終わってから連絡が一切来なくなった

多分紹介できる求人が無くなったのか、見切りをつけられたんだと思う。お盆休み前の電話では「3か月ぐらい目途にする」って言ってエージェントも承諾してくれたのにね

余談だが、経理系の転職サイトに登録をしようとしたら

「お前に紹介できる求人ねーから!!」と登録だけはさせてくれたものの、面談を断られたというエピソードもある

しか面談を断った割に、メールで定期的に求人(質は微妙)を紹介してくるというよく分からないムーブまでされてる。多分この転職サイトの人間は俺のことをナメてるんだと思う



今は現職と話をつけて退職する段階に入っているのだが

上司から3月末(今年度)まで待って欲しい」とかふざけたことを言われて困ってる

本当に色々と世話になってるので、無下にしたくはないけども、最初11月末で良いって言ってたのにこれである

次に12月末で、最終的に3月末って、ズルズル引き延ばされて1年ぐらい退職できなさそうな未来が見える

あんまりにも引き延ばしそうなら退職届を上司おでこにぶつけてやりたい

2022-08-19

若年日本人男性享受している特権って何?

森喜朗さんくらいの世代の男がめちゃくちゃ男尊女卑恩恵を受けてきたのは分かるけど、俺みたいな20代男性がいったいどんな特権を受けて生きてきたって言うんや……

俺が男性ということで特別扱いされた経験って中学の時に虐められて泣いたら女性担任から「男なんだからいつまでも泣くんじゃない」ってお叱りを受けたことくらいだよ

こういうこと言うと毎回医大入試差別のこと言われるけど、あれって女性差別の一例ではあるけど男性全般享受してる特権の例として適切なの?

あれが俺達男性が履いてることに気が付かない高下駄なの?

ぶっちゃけ、あれは【事実】として露見したからああやって大問題になっただけだと思うんだよね

実際この社会に生きてると男女平等とか大嘘だって分かるじゃん

男性ほとんどパン職に採用されないこととか、看護学校男性受験者を冷遇してるとか、「女性が多く活躍してる職場です」求人とかさ

事実】として露見してないけど事実として取り扱われてる現象ってあるじゃん

そういう現象一種だと思うんだよあれは

まり普遍的性差別の事例の1つではあると思うけど、男性が履かされてる高下駄の事例としては不適切だと思う

なんでこんなに執拗医大入試差別のことを書いてるかっていうと、男性が履いてる特権ってなんだよ?って言う度に医大入試差別を持ち出される流れに本当にうんざりしてるんだよね

正直あの件って浪人男性差別されてたわけで、日本社会の歪みと言うより白い巨塔の歪みでしょ

なんで医者とか言う富裕層特権階級の子息が履いてきた高下駄を俺みたいな片親高卒底辺SES男性まで履いてきたみたいに扱われなきゃいけないんだよって思うわ

あと「男性マチズモ(男根主義)から降りたら幸せになれる」みたいなご意見散見されるけど、具体的に何のことなんやそれは

労働信仰ことなら、低賃金男性とか子供部屋に住んでる男性を見下す社会価値観って男女共犯なんじゃないのって思うんだけどな

だって何も好きで低賃金子供部屋に住んでるわけじゃないし、この社会労働信仰を温存してるから俺達の自己肯定感毀損されてるわけで、それって女性三従を求めてた家父長性時代日本女性自己肯定感毀損されてた状況と一緒だと思うんだけど、なんで俺達男性自己責任扱いされるの?

悪いのはこういう社会を良しとしてきた男女交合ダブルス人間達だろ?

マジで俺達は雑魚なのに、今の日本では雑魚だと表明するとお前らは特権階級だ!と罵られるんだよ

彼らには俺達雑魚存在そもそも見えてないのか、意図的無視してるとしか思えないんだよな

anond:20220818053625

少子化問題はもはやゼニの問題じゃないんだけどね

たとえば

「超絶ブラック職場環境です!休みなんてありません!理不尽なことだらけです!心身を病む可能性もあります!一度始めたら一生涯続きます(最低でも数年はやってもらいます)!子供が生まれたら成人するまで養育する義務が発生します(一人当たり総計数千万円かかります)!対価は『子供を産み育てるという満足感が得られる』と『生活費が少し節約できる』です!」

こんな求人に人が殺到するか?と考えると分かりやすいと思う

最近若い人はお金よりも精神的肉体的な負担の低さを重視する傾向がある

少子化問題解決したいなら、真っ先にやるべきは「結婚」「出産」「育児」の敷居を限界まで下げることだと思う

いつでもノーコスト結婚できる、ノーリスク離婚できる、生まれ子供はいつでも手放せてまた独身からやり直せる、という社会にしていくのが一番の近道だと思う

2022-08-18

40代転職活動日記(振り返り)

転職活動としてはマジでもう完了し、あとは退職し、次の会社へ行くだけの身となった。

誰かの参考になればと思い、ざっくり振り返る。

増田スペックとか

転職に至った動機

年功序列系の会社で上の椅子が埋まっちゃって、埋めた層の年代的に自分にチャンスがあるの50代半ばくらいになる未来が見えてしまたから。

社員肩書じゃなくて管理職扱いじゃないってことね)としてはほぼ上限くらいの給料になっていたので、管理職にならないとこれ以上の年収増が望めないし、担当業務も増えないので、このまま今の会社にいても自分価値が上がらないなと思った。

会社というか上司側も、こいつこれからどうしよう的な、なんとなく処遇に困ってるというか、できれば辞めてもらってもっと若い奴に経験積ませたいなあ、という雰囲気を醸し出していたので、じゃあこれ以上年取って転職がより難しくなる前に辞めますわという感じ。

上司が割と詰めてくるタイプだったってのも正直あり、転職検討しだしてから実際に転職活動しようぜって心が決まるまでは早かった。

増田から企業側(求人情報)に求めていたこ

企業側が求めていたこ

今回の転職活動でわかったのは、こんな自分でも一定ニーズがある、ということだった。

具体的に列挙すると

という条件で人を探してる企業があって、自分がそこにハマった場合にはサクッと書類が通った。

どうも、俺のやってた業務経験者ってあん転職市場に出てこないらしく、半年くらい求人出してるのに決まってないって会社もあった。

なお、求人にはそこまで具体的には書いてなくて(そもそも求人に男が良いとか女が良いとか書けないしね)、面接時に相手と話す内に教えてくれた。

逆にハマらなかったであろう場合には、応募当日の夕方にはほぼお祈りされた。最近ネット転職活動スピード命やねw

企業側の事情

自分書類通って面接まで進んだ企業にはだいたい次のような共通点があった。

そういう状況に俺みたいなのが都合良いみたいですね。

面接の事前準備

面接当日

基本的面接の30分前には各会社近くのコンビニに着くように移動して涼んでいた。汗だくで面接するのヤだし汗拭きタオル必須

ネクタイスーツ上着コンビニで鞄から取り出す感じ。

マジで近くにコンビニ無いところがあって、なんちゅうか物陰で涼んでいたこともあった。ちなみにそこは立地的な意味で辞退した。

面接質疑応答

時間は最短15分最長90分で、30分~45分くらいが多かった。60分以上に及んだとこが3社あったけど全部一次面接で落ちたw

自己紹介

要するに経験業務退職理由ね。8割くらい聞かれた。ここはちゃんと準備しておかないとマジで話せないので、原稿作って練習しておくべき。

志望動機

必ず聞かれた。でも「求人見て自分業務経験活かせそうだと思いましたorチャレンジしてみたいと思いました」しかマジで言ってない。

プラスアルファを聞かれたら家から近くて通勤時間が短いとかも言った。

経験業務の内、好き・得意だったものと嫌い・苦手だったもの

7割くらい聞かれた。

理由をセットで話さないといけないので、これも準備しておかないと話せない。

あと面接官によってけっこう聞き方が変わったりもするので、通り一辺倒な回答はできない。

準備した上で臨機応変さが求められるところ。

経験業務に対する突っ込んだ質問

3割くらい聞かれた。

これは事前準備しようがない。

面接官によって聞いてくること違うというか、これを聞いてくる場合って、それができる人間が欲しいってことなのよね。

「この業務の~~な部分で~~より具体的に~~な経験は~~~」

みたいに突っ込まれたりするので、正直に答えるしかない。

他社選考状況

6割くらい聞かれた。

正直に答えるだけなんだけど、書類何社通ってたっけーとか面接どうだったっけーってのは纏めておかないと意外とパッと答えられない。

なんせこっちは数十社応募してるんだから全部は覚えてられないw

逆に質問したいこと

必ず聞かれた。エージェントによると、2~3質問するのがマナーとなっているらしい。

最初の頃は各企業の㏋とか見て真面目に考えてたんだけど、「この質問だったらどんな会社でも使えるやん」というのを編み出して、以降はそれで統一した。

一次面接官のパターン

社長夫人

ホントに規模が小さめのとこってバックオフィス仕切ってるのが社長夫人だったりするのよね。

社長現場行ってて、消去法的に経理関係社長夫人がやってた感じの流れで今に至るやつ。

当然面接の訓練なんかしてないので、よく言えば超フレンドリーなんだけど、それ面接で言う・聞くことちゃうやろ……て発言が飛び出てくることも。

明らかに気に入られるかどうか勝負なところがあって、人と人との相性が出やすい。

正直、やっぱ面接官は最低限の訓練をしておいた方が絶対に良いと思う。

②人事の担当者だけ

ベンチャーはこれだった。めっちゃ根掘り葉掘り聞いてくるし、率直に会社の状況を話してくれる。

それだけマッチした人を探したいってことなんでしょうね。

③配属予定部署上長+人事担当

一番多かった。これがやっぱスタンダードよね。

変な人はいなかった……というかこのご時世でヤバい奴を面接に出すような会社はクソだが。

ただ、恐らく加点方式面接の採点してる人と、減点方式の人とがいて、後者はやっぱなんとなくキツかった。

これは面接じゃなくて面談ですor会社説明会です

といってきた企業が数社あったんだけど、どれもこれも普通に一次面接だったので、そう聞いても気を緩めてはいけないw

面接の『手応え』

「これで落ちたら嘘やろ」てレベルで反応が良い時だけは手応えあったなってわかる。

それ以外は手応え無しということ。

手応えあったなと思ったとこは全部一次通ったから、感覚的なとこながらもやっぱわかるもんですね。

と言うか、冷静に分析したら多分「面接官がこれを言ったら通ってるワード」みたいなもんがある気がする。

なお、手応え無いと思ったとこは漏れなく落ちたので、まあそういうことなんでしょう。

まとめ

40過ぎてても意外となんとかなった。

通勤時間は譲れない要素だったので、それを理由に応募しなかったり辞退したりしたけど、ちゃんと決まったので良かった。

バックオフィス系の人材ってあん転職市場に出てこないようなので、そこは個人的ラッキーだったかも。

最終的に書類通過率は15%、一次面接通過率は70%くらい。

自分経験してきた業務以外のことはやりたくない!」て人が意外と多いらしくて、新しいことやりたがりな性格が意外なアピールポイントになっていた。

てかよっぽど専門性が高い業務じゃない限り、職場変えたらやり方変わるし、新しいことやりたくないって人はそもそも転職に向いてないのではなかろうか。

あと自覚は無いけど話し方が落ち着いてる系らしくて、それもアピールポイントになっていたらしい。

転職エージェントは、面接シミュレーションをしてくれただけでも利用した価値があった。あのフィードバック貰えてなかったら一次でもっと落ちてたと思う。

キャリアプランを考えて転職した方がいいかな……と思ってる方のご参考程度になればと思います

ありがとうございました。

anond:20220816123911

anond:20220818031436

ハイブランドの店の店員なんて新卒正社員よりも低いぐらいの月収で、実は貧乏人なんだから気にすることないのに。

昔そういう店の求人漁ってたから知ってる。

あいつら高級そうな雰囲気だしてるだけの貧乏人だよ。

2022-08-11

リコリス・リコイル』はドストエフスキー児童搾取テーマに通じるメタアイドルサバイバルアニメの傑作だ!

 ども、皆さん、アニメリコリス・リコイル』観ています? めちゃくちゃ面白いですね! 後世に残る名作かといったら必ずしもそうとはいえないと思うのだけれど、少なくとも「いま」、このときリアルタイムで見る作品としては破格に面白い


 一方でいったいこの面白さの正体は何なのだろうと考えてみてもうまく言語化できないわけで、何かこう、隔靴掻痒のもどかしさを感じないでもない。第一話を観た時点で直観的に「これは新しい!」と思ったのだけれど、その「新しさ」を言葉にしようとするとうまくいかない。


 そこで、以下ではなるべくていねいに『リコリコ』の「面白さ」と「新しさ」を的確な言葉に置き換えていきたいと思う。読んでね。


 さて、まず、いま人気絶頂の『リコリコ』についていえることは、これが何か非常に「不穏」なものを秘めた作品だということです。


 一見すると現代日本と同じように平和社会舞台にしているようで、そこでは「リコリス」と呼ばれる高校生くらいの女の子たちがその平和を守るために命がけで戦っている。そして、じっさいにどんどん死んでいる。


 このグロテスクともいえる構造が、第一話の冒頭の時点であっさりと、あたりまえのことであるかのようにライトかつスムーズ説明されている。


 しかし、もちろんこれはまったく「あたりまえのこと」ではありません。年端もいかない少女たちが銃を持って戦う。戦わされている。そこにはあからさまに倫理的問題がある。この「少女と銃」というコンセプトについて、原案アサウラさんはインタビューでこのように述べています


アサウラ:柏田さんが読んでくれていたのが僕の「デスニードラウンド」という小説で、これが最初から最後まで銃を撃ち続けるような作品なんです。それを読んで僕を呼んでくれたので、銃が出てくることは決まっていました。女の子と銃で何かをやってくれという感じだったと思います


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656464389


 最初の時点から少女と銃」がメインコンセプトだったわけですね。すでに指摘されているとおり、この「少女と銃」というコンセプトには先行作品系譜があります虚淵玄最初期の作品として知られる『Phantom of Infelno』がそうだし、『NOIR /ノワール』などのアニメもある。


 現在アニメ業界ではもはや「美少女ガンアクションもの」はひとつジャンルといっても良いかもしれません。


 ちょっと現実的に考えればかぼそい体格の女の子がそうそう的確に銃を操れるわけがないと思えるわけですが、そこの違和感ねじ伏せてでも少女と銃を組み合わせることにはある種のフェティッシュな魅力があるのだと思います


 それらの先行作品のなかで、おそらく最も重要で、しかも『リコリコ』に近いのは相田裕の『Gunslinger girl』です。


 これは洗脳されてテロリストと戦う少女たちと、彼女たちとコンビを組んで戦う男性たちを描いた物語で、「平和社会を維持するため少女たちが陰で戦っている」というところが『リコリコ』と共通していますね。このタイトルは『リコリコ』の監督インタビューで直接的に言及されています


――足立さんが入って、物語が明るい空気になったそうですね。


足立アニメを見て暗い気分になったりするのは、今はあんまり求められていない気がするかなって…。自分DVD買うくらい『GUNSLINGER GIRL』が好きなだけに、そのフィールドでは勝てないと思いましたし、ポイントをずらしたほうがいいんじゃないですかねっていう話は初日にしたと思います


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656605844


 この言及を見ると、『リコリコ』と『Gunslinger girl』の設定上の共通項は意識的ものであることがわかります。ただ、その一方で「ポイントをずらした」と語られているとおり、『リコリコ』と『Gunslinger girl』には決定的な差異がある。


 ひとつパートナー役の大人がいないことで、もうひとつ少女たちが洗脳されておらず、自分意思戦闘に参加していることです。


 前者に関しては原案アサウラさんの作風かもしれません。アサウラさんは過去にも少女たちが「百合」的にコンビを組んで戦う作品を書いているようですから(筆者は未読)。


 しかし、決定的に重要なのは後者でしょう。『Gunslinger girl』の洗脳されて戦う少女たちに対して、『リコリコ』のリコリスたちは(少なくとも表面的には)自発的意思で戦っているわけです。


 もちろん、「自発的意思なのだから問題ない」ということにはならない。リコリスたちはみな孤児であり、「戦うことしか選択肢がない」状況に置かれているともいえる。リコリスたちが「大人」たちに搾取され、かりそめの平和のための犠牲として利用されていることは間違いないでしょう。


 きわめていびつかつ不自然かつ欺瞞的な構造です。このディストピア的ともいえる構造をどう見るかが『リコリコ』を批評的に判定するときひとつのカギとなる。この点に関して批判的に触れた記事はてな匿名ダイアリー投稿されています


前線少女と銃後の大人という構造からガンスリ(とかエヴァとかあのへん)の亜種として良いと思うが、それら先行作品と比べたときリコリス少女のみで構成される理由(※)や、少女前線に立たせる搾取構造に対する大人側の自覚とか罪悪感がすっぽり抜け落ちていてさすがに気味が悪い。


アサウラバニラのころからこういうところがあって、物語少女大人社会)という対比ではなく少女少女という2者間の関係性で回収することで、俎上に載せたはずの搾取構造をうやむやにしようとする。要するに百合を出せば他がザルでもオタクブヒブヒ鳴くんだろという作り手の舐めた態度がアニメから透けて見えてキモいという話なんだが、増上慢になるだけのウェルメイドな仕上がりになっていてそれもまたなんか鼻につく。


まあしかしこういうザ・老害みたいな感想を書くと自分老いを感じて嫌になるね。たぶん若い世代はああいうのなんの疑問も持たずスッと面白がれるんだろうな。


https://anond.hatelabo.jp/20220806182309


 しかし、これはぼくにはやはり表面的な批判に過ぎないように思える。「うやむやにしようとする」も何も、全然うやむやになっていないよね?と。


 「社会正義平和を守る組織」としてのDA欺瞞はあまりにもあきらかであり、ごく平凡な視聴者でも確実に気づくことではないでしょうか。じっさい、監督インタビューでもその点は触れられている。


――完成した作品を見ても、2人の関係性は大きな軸としてありました。ただ、DAという謎の組織が、犯罪を力で抑止しているというのも軸として描かれていますよね。


足立子供が銃を持って仕事をしているってことは、誰か大人に強いられているということになるでしょ?きっと悪い大人が、騙してるんだろう。「君たちは良いことをしてるんだぞっ」ってね。DAがしていることの是非は視聴者に考えてもらいたいところですね。


――それが第1話の冒頭で紹介されているわけですが、この世界の仕組み的なところは、とても面白い発想だと思いました。


足立:確かな事実として、日本世界の中でも極めて治安が良く平和で、その自認もありますよね。でもそれを支えているのが、全然知られていない闇の組織で、社会性の無い人を何千年も前から秘密裏に殺してきたから、規範意識の高い人しか子孫を残せなかった。だから日本人全体がだんだんそうなっていったんだ、みたいな設定はどうだろうかという提案をしたんです。監視社会に対するアイロニーあるかな


要するに、みんなが知っている事実を、大きな“ウソ”が支えていたという構造にしようと思って、DAがどんな組織なのかをアサウラさんに考えてもらったという感じですね。


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656605844


 ようは「大人たちが子供たちをだまして搾取している欺瞞構造」は制作者側により作品の一部として自覚的に提示されているのであって、単にその点を指摘するだけでは作品批評したことにはならないのです。


 そして、個人的感覚としては、まず大半の視聴者はその提示を正確に受け止めることができていると感じます。つまり、この欺瞞的なディストピアユートピア構造はこの作品を語る上で、気付かなくては話にならない「当然の前提」であり、そしてじっさいに大半の視聴者は気付いている。


 とすれば、この認識の上にさら議論を重ねていくべきでしょう。ちなみに、上記匿名ダイアリーでは「リアリティライン」が「ガバガバであるという指摘もなされていますが、これもあきらかに意図的ものでしょう。


 「現代日本では女子高生が最も警戒されないか子供たちに銃を持たせて戦わせることには合理性があるのだ!」という設定は控えめにいっても荒唐無稽というしかなく、通常の意味でのリアリティはまったくありません。


 さらにその女の子たちのうちのふたり喫茶店に勤めながら殺人が絡む仕事をしているって、いや、ふつうに考えればありえないとしかいいようがないでしょ。しかし、だからダメなのかといえばそうではない。


 このあからさまにめちゃくちゃな設定は『リコリコ』がリアルアクションストーリーというよりは一種寓話志向していると見るべきです。この作品はおそらく意図的ウソくさく、うさん臭い印象を与えるように設定が練り上げられている。


 そして、そのウソくささ、うさん臭さがひとつの魅力にまで昇華されている。だから、「リアリティがないじゃないか!」と指摘することには意味がない。まずはそこに込められた皮肉寓意を見て取るべきなのです。


 それでは、その欺瞞的かつ偽善的かつ人工的な、「まるでリアリティがない」設定と物語を通して『リコリコ』が描こうとしているものは何か。それは「子供犠牲にして成立している社会」の欺瞞だと考えます


 まさに上記匿名ダイアリー批判されている、子供たちを「消費」することで成立している日本アニメ産業欺瞞でもある。


 評論家杉田俊介は、新海誠監督映画『天気の子』について、このように書いています


ひとまず重要なのは、『天気の子』は、日本アニメ批判するアニメ、「アニメ化する日本現実」を批判するアニメである、ということだ。「アニメ化する日本現実」とは、少女人柱アイドル犠牲搾取によって多数派幸福となり、現実を見まいとし、責任回避するような現実のことである物語最初の方に、風俗店求人宣伝を行う「バニラトラック」が印象的に登場すること、陽菜チンピラに騙されて新宿性風俗的な店で働きかけることなどは、意図的演出だろう)。


https://gendai.media/articles/-/78976


 ぼくは杉田の『天気の子』論にはまったく賛同しませんが、ひとまずこの「見立て」は面白いと思う。


 杉田の指摘をこのようにいい換えてもまったく違和感がないのではないでしょうか。「「アニメ化する日本現実」とは、少女リコリスアイドル犠牲搾取によって多数派幸福となり、現実を見まいとし、責任回避するような現実のことである」。


 つまり、『天気の子』は、そして『リコリコ』もまた、日本アニメと、日本アニメに似た構造になりつつある(なってしまっている?)日本社会構造のもの批評的に設定に抱え込んだ「メタ日本アニメであるわけです。


 『リコリコ』の設定はあまりにも「リアリティがない」かたちで矛盾欺瞞偽善を抱え込んでいますが、それは視聴者に対する問題提起なのです。これは杉田が挙げている「アイドル」の問題とも一脈通じるものがあると思います


 その意味で、『リコリコ』は、じつは一種アイドルアニメなんですよ! な、なんだってー。まあ、それはひとつの「見立て」に過ぎませんが、じっさい、アイドル界隈のほうでもこの「ファンによるアイドルの抑圧」問題はしばしば議論されているようです。


 たとえば、『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』というアイドル現象批評の本では、このような問題が取り上げられています


今日アイドルは広く普遍的な人気を獲得し、多様なスタイル可能性をもつジャンルとしても注目されている。しかし、同時に多くの難点を抱え込んでいることも見過ごせない。

暗黙の「恋愛禁止ルールとその背景にある異性愛主義、「年齢いじり」や一定の年齢での「卒業」という慣習に表れるエイジズム、あからさまに可視化されるルッキズムSNSを通じて四六時中切り売りされるパーソナリティ……。アイドルというジャンルは、現実アイドルとして生きる人に抑圧を強いる構造的な問題を抱え続けている。スキャンダルトラブルが発生して、旧態依然ともいえるアイドル界の「常識」のあり方が浮き彫りになるたび、ファンの間では答えが出ない議論が繰り返されている。


その一方で、自らの表現模索しながら主体的ステージに立ち、とき演者同士で連帯して目標を達成しようとするアイドルたちの実践は、人々をエンパワーメントするものでもある。そして、ファンのなかでも、アイドル本人に身勝手欲望規範押し付けることと裏表でもある「推す」(≒消費する)ことに対して、後ろめたさを抱く人が増えている。


https://www.amazon.co.jp/dp/478727449X/


 アニメ場合美少女キャラクターたちは実在しないのでアイドル業界ほど問題は先鋭化しないようにも思えますが、そのキャラクターを支持しているはずのファンキャラクターに「身勝手欲望規範押し付け」て「消費」している構造は同じです。


 そして、その「大人たちが子供たちをだまして食い物にしている」欺瞞構造現在日本社会全体を象徴するものでもある。『リコリコ』や『天気の子』は(そして『Gunslinger girl』も)この問題テーマとして作品内にメタ的に胚胎しているといえます


 もっとも、この児童搾取問題は、文学的に見れば遥か昔の作品にも見て取れるものであり、きわめて普遍性の高いテーマであるということもできます


 この問題に関して文芸作品を振り返るとき、だれもが即座に思い浮かべるのがドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟であることは論を待たないでしょう。


 この小説のなかで、イワンカラマーゾフは、弟のアリョーシャに向かって、神話的な過去原罪を犯した人間たちは「神の国」へ迎え入れられるために苦しみを耐えなければならないというキリスト教論理を踏まえ、そんなことは子供たちには何の関係もないじゃないかと語ります


 そして、たったひとりの子供の苦しみを理由にでも、自分は「最高の調和」を拒絶するというのです。


 俺は一般的人類の苦悩について話すつもりだったんだが、むしろ子供たちの苦悩にだけ話をしぼるほうがいいだろう。俺の論証の規模は十分の一に縮められてしまうけど、それでも子供だけに話をしぼったほうがよさそうだ。もちろん、俺にとってはそれだけ有利じゃなくなるがね。しかし、しかし、第一相手子供なら、身近な場合でさえ愛することができるし、汚ならしい子でも、顔の醜い子でも愛することができる(もっとも俺には、子供というのは決して顔が醜いなんてことはないように思えるがね)。第二に、俺がまだ大人について語ろうとしないのでは、大人はいやらしくて愛に値しないという以外に、大人には神罰もあるからなんだ。彼らは知恵の実を食べてしまったために、善悪を知り、≪神のごとく≫になった。今でも食べつづけているよ。ところが子供たちは何も食べなかったから、今のところまだ何の罪もないのだ。


(中略)


 まだ時間のあるうちに、俺は急いで自己防衛しておいて、そんな最高の調和なんぞ全面的拒否するんだ。そんな調和は、小さなあの痛めつけられた子供一人の涙にさえ値しないよ!


 つまりイワンはここで子供犠牲にして成り立つユートピア欺瞞告発している。(続く)

リコリス・リコイル』はドストエフスキー児童搾取テーマに通じるメタアイドルサバイバルアニメの傑作だ!

 ども、皆さん、アニメリコリス・リコイル』観ています? めちゃくちゃ面白いですね! 後世に残る名作かといったら必ずしもそうとはいえないと思うのだけれど、少なくとも「いま」、このときリアルタイムで見る作品としては破格に面白い


 一方でいったいこの面白さの正体は何なのだろうと考えてみてもうまく言語化できないわけで、何かこう、隔靴掻痒のもどかしさを感じないでもない。第一話を観た時点で直観的に「これは新しい!」と思ったのだけれど、その「新しさ」を言葉にしようとするとうまくいかない。


 そこで、以下ではなるべくていねいに『リコリコ』の「面白さ」と「新しさ」を的確な言葉に置き換えていきたいと思う。読んでね。


 さて、まず、いま人気絶頂の『リコリコ』についていえることは、これが何か非常に「不穏」なものを秘めた作品だということです。


 一見すると現代日本と同じように平和社会舞台にしているようで、そこでは「リコリス」と呼ばれる高校生くらいの女の子たちがその平和を守るために命がけで戦っている。そして、じっさいにどんどん死んでいる。


 このグロテスクともいえる構造が、第一話の冒頭の時点であっさりと、あたりまえのことであるかのようにライトかつスムーズ説明されている。


 しかし、もちろんこれはまったく「あたりまえのこと」ではありません。年端もいかない少女たちが銃を持って戦う。戦わされている。そこにはあからさまに倫理的問題がある。この「少女と銃」というコンセプトについて、原案アサウラさんはインタビューでこのように述べています


アサウラ:柏田さんが読んでくれていたのが僕の「デスニードラウンド」という小説で、これが最初から最後まで銃を撃ち続けるような作品なんです。それを読んで僕を呼んでくれたので、銃が出てくることは決まっていました。女の子と銃で何かをやってくれという感じだったと思います


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656464389


 最初の時点から少女と銃」がメインコンセプトだったわけですね。すでに指摘されているとおり、この「少女と銃」というコンセプトには先行作品系譜があります虚淵玄最初期の作品として知られる『Phantom of Infelno』がそうだし、『NOIR /ノワール』などのアニメもある。


 現在アニメ業界ではもはや「美少女ガンアクションもの」はひとつジャンルといっても良いかもしれません。


 ちょっと現実的に考えればかぼそい体格の女の子がそうそう的確に銃を操れるわけがないと思えるわけですが、そこの違和感ねじ伏せてでも少女と銃を組み合わせることにはある種のフェティッシュな魅力があるのだと思います


 それらの先行作品のなかで、おそらく最も重要で、しかも『リコリコ』に近いのは相田裕の『Gunslinger girl』です。


 これは洗脳されてテロリストと戦う少女たちと、彼女たちとコンビを組んで戦う男性たちを描いた物語で、「平和社会を維持するため少女たちが陰で戦っている」というところが『リコリコ』と共通していますね。このタイトルは『リコリコ』の監督インタビューで直接的に言及されています


――足立さんが入って、物語が明るい空気になったそうですね。


足立アニメを見て暗い気分になったりするのは、今はあんまり求められていない気がするかなって…。自分DVD買うくらい『GUNSLINGER GIRL』が好きなだけに、そのフィールドでは勝てないと思いましたし、ポイントをずらしたほうがいいんじゃないですかねっていう話は初日にしたと思います


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656605844


 この言及を見ると、『リコリコ』と『Gunslinger girl』の設定上の共通項は意識的ものであることがわかります。ただ、その一方で「ポイントをずらした」と語られているとおり、『リコリコ』と『Gunslinger girl』には決定的な差異がある。


 ひとつパートナー役の大人がいないことで、もうひとつ少女たちが洗脳されておらず、自分意思戦闘に参加していることです。


 前者に関しては原案アサウラさんの作風かもしれません。アサウラさんは過去にも少女たちが「百合」的にコンビを組んで戦う作品を書いているようですから(筆者は未読)。


 しかし、決定的に重要なのは後者でしょう。『Gunslinger girl』の洗脳されて戦う少女たちに対して、『リコリコ』のリコリスたちは(少なくとも表面的には)自発的意思で戦っているわけです。


 もちろん、「自発的意思なのだから問題ない」ということにはならない。リコリスたちはみな孤児であり、「戦うことしか選択肢がない」状況に置かれているともいえる。リコリスたちが「大人」たちに搾取され、かりそめの平和のための犠牲として利用されていることは間違いないでしょう。


 きわめていびつかつ不自然かつ欺瞞的な構造です。このディストピア的ともいえる構造をどう見るかが『リコリコ』を批評的に判定するときひとつのカギとなる。この点に関して批判的に触れた記事はてな匿名ダイアリー投稿されています


前線少女と銃後の大人という構造からガンスリ(とかエヴァとかあのへん)の亜種として良いと思うが、それら先行作品と比べたときリコリス少女のみで構成される理由(※)や、少女前線に立たせる搾取構造に対する大人側の自覚とか罪悪感がすっぽり抜け落ちていてさすがに気味が悪い。


アサウラバニラのころからこういうところがあって、物語少女大人社会)という対比ではなく少女少女という2者間の関係性で回収することで、俎上に載せたはずの搾取構造をうやむやにしようとする。要するに百合を出せば他がザルでもオタクブヒブヒ鳴くんだろという作り手の舐めた態度がアニメから透けて見えてキモいという話なんだが、増上慢になるだけのウェルメイドな仕上がりになっていてそれもまたなんか鼻につく。


まあしかしこういうザ・老害みたいな感想を書くと自分老いを感じて嫌になるね。たぶん若い世代はああいうのなんの疑問も持たずスッと面白がれるんだろうな。


https://anond.hatelabo.jp/20220806182309


 しかし、これはぼくにはやはり表面的な批判に過ぎないように思える。「うやむやにしようとする」も何も、全然うやむやになっていないよね?と。


 「社会正義平和を守る組織」としてのDA欺瞞はあまりにもあきらかであり、ごく平凡な視聴者でも確実に気づくことではないでしょうか。じっさい、監督インタビューでもその点は触れられている。


――完成した作品を見ても、2人の関係性は大きな軸としてありました。ただ、DAという謎の組織が、犯罪を力で抑止しているというのも軸として描かれていますよね。


足立子供が銃を持って仕事をしているってことは、誰か大人に強いられているということになるでしょ?きっと悪い大人が、騙してるんだろう。「君たちは良いことをしてるんだぞっ」ってね。DAがしていることの是非は視聴者に考えてもらいたいところですね。


――それが第1話の冒頭で紹介されているわけですが、この世界の仕組み的なところは、とても面白い発想だと思いました。


足立:確かな事実として、日本世界の中でも極めて治安が良く平和で、その自認もありますよね。でもそれを支えているのが、全然知られていない闇の組織で、社会性の無い人を何千年も前から秘密裏に殺してきたから、規範意識の高い人しか子孫を残せなかった。だから日本人全体がだんだんそうなっていったんだ、みたいな設定はどうだろうかという提案をしたんです。監視社会に対するアイロニーあるかな


要するに、みんなが知っている事実を、大きな“ウソ”が支えていたという構造にしようと思って、DAがどんな組織なのかをアサウラさんに考えてもらったという感じですね。


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656605844


 ようは「大人たちが子供たちをだまして搾取している欺瞞構造」は制作者側により作品の一部として自覚的に提示されているのであって、単にその点を指摘するだけでは作品批評したことにはならないのです。


 そして、個人的感覚としては、まず大半の視聴者はその提示を正確に受け止めることができていると感じます。つまり、この欺瞞的なディストピアユートピア構造はこの作品を語る上で、気付かなくては話にならない「当然の前提」であり、そしてじっさいに大半の視聴者は気付いている。


 とすれば、この認識の上にさら議論を重ねていくべきでしょう。ちなみに、上記匿名ダイアリーでは「リアリティライン」が「ガバガバであるという指摘もなされていますが、これもあきらかに意図的ものでしょう。


 「現代日本では女子高生が最も警戒されないか子供たちに銃を持たせて戦わせることには合理性があるのだ!」という設定は控えめにいっても荒唐無稽というしかなく、通常の意味でのリアリティはまったくありません。


 さらにその女の子たちのうちのふたり喫茶店に勤めながら殺人が絡む仕事をしているって、いや、ふつうに考えればありえないとしかいいようがないでしょ。しかし、だからダメなのかといえばそうではない。


 このあからさまにめちゃくちゃな設定は『リコリコ』がリアルアクションストーリーというよりは一種寓話志向していると見るべきです。この作品はおそらく意図的ウソくさく、うさん臭い印象を与えるように設定が練り上げられている。


 そして、そのウソくささ、うさん臭さがひとつの魅力にまで昇華されている。だから、「リアリティがないじゃないか!」と指摘することには意味がない。まずはそこに込められた皮肉寓意を見て取るべきなのです。


 それでは、その欺瞞的かつ偽善的かつ人工的な、「まるでリアリティがない」設定と物語を通して『リコリコ』が描こうとしているものは何か。それは「子供犠牲にして成立している社会」の欺瞞だと考えます


 まさに上記匿名ダイアリー批判されている、子供たちを「消費」することで成立している日本アニメ産業欺瞞でもある。


 評論家杉田俊介は、新海誠監督映画『天気の子』について、このように書いています


ひとまず重要なのは、『天気の子』は、日本アニメ批判するアニメ、「アニメ化する日本現実」を批判するアニメである、ということだ。「アニメ化する日本現実」とは、少女人柱アイドル犠牲搾取によって多数派幸福となり、現実を見まいとし、責任回避するような現実のことである物語最初の方に、風俗店求人宣伝を行う「バニラトラック」が印象的に登場すること、陽菜チンピラに騙されて新宿性風俗的な店で働きかけることなどは、意図的演出だろう)。


https://gendai.media/articles/-/78976


 ぼくは杉田の『天気の子』論にはまったく賛同しませんが、ひとまずこの「見立て」は面白いと思う。


 杉田の指摘をこのようにいい換えてもまったく違和感がないのではないでしょうか。「「アニメ化する日本現実」とは、少女リコリスアイドル犠牲搾取によって多数派幸福となり、現実を見まいとし、責任回避するような現実のことである」。


 つまり、『天気の子』は、そして『リコリコ』もまた、日本アニメと、日本アニメに似た構造になりつつある(なってしまっている?)日本社会構造のもの批評的に設定に抱え込んだ「メタ日本アニメであるわけです。


 『リコリコ』の設定はあまりにも「リアリティがない」かたちで矛盾欺瞞偽善を抱え込んでいますが、それは視聴者に対する問題提起なのです。これは杉田が挙げている「アイドル」の問題とも一脈通じるものがあると思います


 その意味で、『リコリコ』は、じつは一種アイドルアニメなんですよ! な、なんだってー。まあ、それはひとつの「見立て」に過ぎませんが、じっさい、アイドル界隈のほうでもこの「ファンによるアイドルの抑圧」問題はしばしば議論されているようです。


 たとえば、『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』というアイドル現象批評の本では、このような問題が取り上げられています


今日アイドルは広く普遍的な人気を獲得し、多様なスタイル可能性をもつジャンルとしても注目されている。しかし、同時に多くの難点を抱え込んでいることも見過ごせない。

暗黙の「恋愛禁止ルールとその背景にある異性愛主義、「年齢いじり」や一定の年齢での「卒業」という慣習に表れるエイジズム、あからさまに可視化されるルッキズムSNSを通じて四六時中切り売りされるパーソナリティ……。アイドルというジャンルは、現実アイドルとして生きる人に抑圧を強いる構造的な問題を抱え続けている。スキャンダルトラブルが発生して、旧態依然ともいえるアイドル界の「常識」のあり方が浮き彫りになるたび、ファンの間では答えが出ない議論が繰り返されている。


その一方で、自らの表現模索しながら主体的ステージに立ち、とき演者同士で連帯して目標を達成しようとするアイドルたちの実践は、人々をエンパワーメントするものでもある。そして、ファンのなかでも、アイドル本人に身勝手欲望規範押し付けることと裏表でもある「推す」(≒消費する)ことに対して、後ろめたさを抱く人が増えている。


https://www.amazon.co.jp/dp/478727449X/


 アニメ場合美少女キャラクターたちは実在しないのでアイドル業界ほど問題は先鋭化しないようにも思えますが、そのキャラクターを支持しているはずのファンキャラクターに「身勝手欲望規範押し付け」て「消費」している構造は同じです。


 そして、その「大人たちが子供たちをだまして食い物にしている」欺瞞構造現在日本社会全体を象徴するものでもある。『リコリコ』や『天気の子』は(そして『Gunslinger girl』も)この問題テーマとして作品内にメタ的に胚胎しているといえます


 もっとも、この児童搾取問題は、文学的に見れば遥か昔の作品にも見て取れるものであり、きわめて普遍性の高いテーマであるということもできます


 この問題に関して文芸作品を振り返るとき、だれもが即座に思い浮かべるのがドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟であることは論を待たないでしょう。


 この小説のなかで、イワンカラマーゾフは、弟のアリョーシャに向かって、神話的な過去原罪を犯した人間たちは「神の国」へ迎え入れられるために苦しみを耐えなければならないというキリスト教論理を踏まえ、そんなことは子供たちには何の関係もないじゃないかと語ります


 そして、たったひとりの子供の苦しみを理由にでも、自分は「最高の調和」を拒絶するというのです。


 俺は一般的人類の苦悩について話すつもりだったんだが、むしろ子供たちの苦悩にだけ話をしぼるほうがいいだろう。俺の論証の規模は十分の一に縮められてしまうけど、それでも子供だけに話をしぼったほうがよさそうだ。もちろん、俺にとってはそれだけ有利じゃなくなるがね。しかし、しかし、第一相手子供なら、身近な場合でさえ愛することができるし、汚ならしい子でも、顔の醜い子でも愛することができる(もっとも俺には、子供というのは決して顔が醜いなんてことはないように思えるがね)。第二に、俺がまだ大人について語ろうとしないのでは、大人はいやらしくて愛に値しないという以外に、大人には神罰もあるからなんだ。彼らは知恵の実を食べてしまったために、善悪を知り、≪神のごとく≫になった。今でも食べつづけているよ。ところが子供たちは何も食べなかったから、今のところまだ何の罪もないのだ。


(中略)


 まだ時間のあるうちに、俺は急いで自己防衛しておいて、そんな最高の調和なんぞ全面的拒否するんだ。そんな調和は、小さなあの痛めつけられた子供一人の涙にさえ値しないよ!


 つまりイワンはここで子供犠牲にして成り立つユートピア欺瞞告発している。これは、『天気の子

リコリス・リコイル』はドストエフスキー児童搾取テーマに通じる

 ども、皆さん、アニメリコリス・リコイル』観ています? めちゃくちゃ面白いですね! 後世に残る名作かといったら必ずしもそうとはいえないと思うのだけれど、少なくとも「いま」、このときリアルタイムで見る作品としては破格に面白い


 一方でいったいこの面白さの正体は何なのだろうと考えてみてもうまく言語化できないわけで、何かこう、隔靴掻痒のもどかしさを感じないでもない。第一話を観た時点で直観的に「これは新しい!」と思ったのだけれど、その「新しさ」を言葉にしようとするとうまくいかない。


 そこで、以下ではなるべくていねいに『リコリコ』の「面白さ」と「新しさ」を的確な言葉に置き換えていきたいと思う。読んでね。


 さて、まず、いま人気絶頂の『リコリコ』についていえることは、これが何か非常に「不穏」なものを秘めた作品だということです。


 一見すると現代日本と同じように平和社会舞台にしているようで、そこでは「リコリス」と呼ばれる高校生くらいの女の子たちがその平和を守るために命がけで戦っている。そして、じっさいにどんどん死んでいる。


 このグロテスクともいえる構造が、第一話の冒頭の時点であっさりと、あたりまえのことであるかのようにライトかつスムーズ説明されている。


 しかし、もちろんこれはまったく「あたりまえのこと」ではありません。年端もいかない少女たちが銃を持って戦う。戦わされている。そこにはあからさまに倫理的問題がある。この「少女と銃」というコンセプトについて、原案アサウラさんはインタビューでこのように述べています


アサウラ:柏田さんが読んでくれていたのが僕の「デスニードラウンド」という小説で、これが最初から最後まで銃を撃ち続けるような作品なんです。それを読んで僕を呼んでくれたので、銃が出てくることは決まっていました。女の子と銃で何かをやってくれという感じだったと思います


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656464389


 最初の時点から少女と銃」がメインコンセプトだったわけですね。すでに指摘されているとおり、この「少女と銃」というコンセプトには先行作品系譜があります虚淵玄最初期の作品として知られる『Phantom of Infelno』がそうだし、『NOIR /ノワール』などのアニメもある。


 現在アニメ業界ではもはや「美少女ガンアクションもの」はひとつジャンルといっても良いかもしれません。


 ちょっと現実的に考えればかぼそい体格の女の子がそうそう的確に銃を操れるわけがないと思えるわけですが、そこの違和感ねじ伏せてでも少女と銃を組み合わせることにはある種のフェティッシュな魅力があるのだと思います


 それらの先行作品のなかで、おそらく最も重要で、しかも『リコリコ』に近いのは相田裕の『Gunslinger girl』です。


 これは洗脳されてテロリストと戦う少女たちと、彼女たちとコンビを組んで戦う男性たちを描いた物語で、「平和社会を維持するため少女たちが陰で戦っている」というところが『リコリコ』と共通していますね。このタイトルは『リコリコ』の監督インタビューで直接的に言及されています


――足立さんが入って、物語が明るい空気になったそうですね。


足立アニメを見て暗い気分になったりするのは、今はあんまり求められていない気がするかなって…。自分DVD買うくらい『GUNSLINGER GIRL』が好きなだけに、そのフィールドでは勝てないと思いましたし、ポイントをずらしたほうがいいんじゃないですかねっていう話は初日にしたと思います


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656605844


 この言及を見ると、『リコリコ』と『Gunslinger girl』の設定上の共通項は意識的ものであることがわかります。ただ、その一方で「ポイントをずらした」と語られているとおり、『リコリコ』と『Gunslinger girl』には決定的な差異がある。


 ひとつパートナー役の大人がいないことで、もうひとつ少女たちが洗脳されておらず、自分意思戦闘に参加していることです。


 前者に関しては原案アサウラさんの作風かもしれません。アサウラさんは過去にも少女たちが「百合」的にコンビを組んで戦う作品を書いているようですから(筆者は未読)。


 しかし、決定的に重要なのは後者でしょう。『Gunslinger girl』の洗脳されて戦う少女たちに対して、『リコリコ』のリコリスたちは(少なくとも表面的には)自発的意思で戦っているわけです。


 もちろん、「自発的意思なのだから問題ない」ということにはならない。リコリスたちはみな孤児であり、「戦うことしか選択肢がない」状況に置かれているともいえる。リコリスたちが「大人」たちに搾取され、かりそめの平和のための犠牲として利用されていることは間違いないでしょう。


 きわめていびつかつ不自然かつ欺瞞的な構造です。このディストピア的ともいえる構造をどう見るかが『リコリコ』を批評的に判定するときひとつのカギとなる。この点に関して批判的に触れた記事はてな匿名ダイアリー投稿されています


前線少女と銃後の大人という構造からガンスリ(とかエヴァとかあのへん)の亜種として良いと思うが、それら先行作品と比べたときリコリス少女のみで構成される理由(※)や、少女前線に立たせる搾取構造に対する大人側の自覚とか罪悪感がすっぽり抜け落ちていてさすがに気味が悪い。


アサウラバニラのころからこういうところがあって、物語少女大人社会)という対比ではなく少女少女という2者間の関係性で回収することで、俎上に載せたはずの搾取構造をうやむやにしようとする。要するに百合を出せば他がザルでもオタクブヒブヒ鳴くんだろという作り手の舐めた態度がアニメから透けて見えてキモいという話なんだが、増上慢になるだけのウェルメイドな仕上がりになっていてそれもまたなんか鼻につく。


まあしかしこういうザ・老害みたいな感想を書くと自分老いを感じて嫌になるね。たぶん若い世代はああいうのなんの疑問も持たずスッと面白がれるんだろうな。


https://anond.hatelabo.jp/20220806182309


 しかし、これはぼくにはやはり表面的な批判に過ぎないように思える。「うやむやにしようとする」も何も、全然うやむやになっていないよね?と。


 「社会正義平和を守る組織」としてのDA欺瞞はあまりにもあきらかであり、ごく平凡な視聴者でも確実に気づくことではないでしょうか。じっさい、監督インタビューでもその点は触れられている。


――完成した作品を見ても、2人の関係性は大きな軸としてありました。ただ、DAという謎の組織が、犯罪を力で抑止しているというのも軸として描かれていますよね。


足立子供が銃を持って仕事をしているってことは、誰か大人に強いられているということになるでしょ?きっと悪い大人が、騙してるんだろう。「君たちは良いことをしてるんだぞっ」ってね。DAがしていることの是非は視聴者に考えてもらいたいところですね。


――それが第1話の冒頭で紹介されているわけですが、この世界の仕組み的なところは、とても面白い発想だと思いました。


足立:確かな事実として、日本世界の中でも極めて治安が良く平和で、その自認もありますよね。でもそれを支えているのが、全然知られていない闇の組織で、社会性の無い人を何千年も前から秘密裏に殺してきたから、規範意識の高い人しか子孫を残せなかった。だから日本人全体がだんだんそうなっていったんだ、みたいな設定はどうだろうかという提案をしたんです。監視社会に対するアイロニーあるかな


要するに、みんなが知っている事実を、大きな“ウソ”が支えていたという構造にしようと思って、DAがどんな組織なのかをアサウラさんに考えてもらったという感じですね。


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656605844


 ようは「大人たちが子供たちをだまして搾取している欺瞞構造」は制作者側により作品の一部として自覚的に提示されているのであって、単にその点を指摘するだけでは作品批評したことにはならないのです。


 そして、個人的感覚としては、まず大半の視聴者はその提示を正確に受け止めることができていると感じます。つまり、この欺瞞的なディストピアユートピア構造はこの作品を語る上で、気付かなくては話にならない「当然の前提」であり、そしてじっさいに大半の視聴者は気付いている。


 とすれば、この認識の上にさら議論を重ねていくべきでしょう。ちなみに、上記匿名ダイアリーでは「リアリティライン」が「ガバガバであるという指摘もなされていますが、これもあきらかに意図的ものでしょう。


 「現代日本では女子高生が最も警戒されないか子供たちに銃を持たせて戦わせることには合理性があるのだ!」という設定は控えめにいっても荒唐無稽というしかなく、通常の意味でのリアリティはまったくありません。


 さらにその女の子たちのうちのふたり喫茶店に勤めながら殺人が絡む仕事をしているって、いや、ふつうに考えればありえないとしかいいようがないでしょ。しかし、だからダメなのかといえばそうではない。


 このあからさまにめちゃくちゃな設定は『リコリコ』がリアルアクションストーリーというよりは一種寓話志向していると見るべきです。この作品はおそらく意図的ウソくさく、うさん臭い印象を与えるように設定が練り上げられている。


 そして、そのウソくささ、うさん臭さがひとつの魅力にまで昇華されている。だから、「リアリティがないじゃないか!」と指摘することには意味がない。まずはそこに込められた皮肉寓意を見て取るべきなのです。


 それでは、その欺瞞的かつ偽善的かつ人工的な、「まるでリアリティがない」設定と物語を通して『リコリコ』が描こうとしているものは何か。それは「子供犠牲にして成立している社会」の欺瞞だと考えます


 まさに上記匿名ダイアリー批判されている、子供たちを「消費」することで成立している日本アニメ産業欺瞞でもある。


 評論家杉田俊介は、新海誠監督映画『天気の子』について、このように書いています


ひとまず重要なのは、『天気の子』は、日本アニメ批判するアニメ、「アニメ化する日本現実」を批判するアニメである、ということだ。「アニメ化する日本現実」とは、少女人柱アイドル犠牲搾取によって多数派幸福となり、現実を見まいとし、責任回避するような現実のことである物語最初の方に、風俗店求人宣伝を行う「バニラトラック」が印象的に登場すること、陽菜チンピラに騙されて新宿性風俗的な店で働きかけることなどは、意図的演出だろう)。


https://gendai.media/articles/-/78976


 ぼくは杉田の『天気の子』論にはまったく賛同しませんが、ひとまずこの「見立て」は面白いと思う。


 杉田の指摘をこのようにいい換えてもまったく違和感がないのではないでしょうか。「「アニメ化する日本現実」とは、少女リコリスアイドル犠牲搾取によって多数派幸福となり、現実を見まいとし、責任回避するような現実のことである」。


 つまり、『天気の子』は、そして『リコリコ』もまた、日本アニメと、日本アニメに似た構造になりつつある(なってしまっている?)日本社会構造のもの批評的に設定に抱え込んだ「メタ日本アニメであるわけです。


 『リコリコ』の設定はあまりにも「リアリティがない」かたちで矛盾欺瞞偽善を抱え込んでいますが、それは視聴者に対する問題提起なのです。これは杉田が挙げている「アイドル」の問題とも一脈通じるものがあると思います


 その意味で、『リコリコ』は、じつは一種アイドルアニメなんですよ! な、なんだってー。まあ、それはひとつの「見立て」に過ぎませんが、じっさい、アイドル界隈のほうでもこの「ファンによるアイドルの抑圧」問題はしばしば議論されているようです。


 たとえば、『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』というアイドル現象批評の本では、このような問題が取り上げられています


今日アイドルは広く普遍的な人気を獲得し、多様なスタイル可能性をもつジャンルとしても注目されている。しかし、同時に多くの難点を抱え込んでいることも見過ごせない。

暗黙の「恋愛禁止ルールとその背景にある異性愛主義、「年齢いじり」や一定の年齢での「卒業」という慣習に表れるエイジズム、あからさまに可視化されるルッキズムSNSを通じて四六時中切り売りされるパーソナリティ……。アイドルというジャンルは、現実アイドルとして生きる人に抑圧を強いる構造的な問題を抱え続けている。スキャンダルトラブルが発生して、旧態依然ともいえるアイドル界の「常識」のあり方が浮き彫りになるたび、ファンの間では答えが出ない議論が繰り返されている。


その一方で、自らの表現模索しながら主体的ステージに立ち、とき演者同士で連帯して目標を達成しようとするアイドルたちの実践は、人々をエンパワーメントするものでもある。そして、ファンのなかでも、アイドル本人に身勝手欲望規範押し付けることと裏表でもある「推す」(≒消費する)ことに対して、後ろめたさを抱く人が増えている。


https://www.amazon.co.jp/dp/478727449X/


 アニメ場合美少女キャラクターたちは実在しないのでアイドル業界ほど問題は先鋭化しないようにも思えますが、そのキャラクターを支持しているはずのファンキャラクターに「身勝手欲望規範押し付け」て「消費」している構造は同じです。


 そして、その「大人たちが子供たちをだまして食い物にしている」欺瞞構造現在日本社会全体を象徴するものでもある。『リコリコ』や『天気の子』は(そして『Gunslinger girl』も)この問題テーマとして作品内にメタ的に胚胎しているといえます


 もっとも、この児童搾取問題は、文学的に見れば遥か昔の作品にも見て取れるものであり、きわめて普遍性の高いテーマであるということもできます


 この問題に関して文芸作品を振り返るとき、だれもが即座に思い浮かべるのがドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟であることは論を待たないでしょう。


 この小説のなかで、イワンカラマーゾフは、弟のアリョーシャに向かって、神話的な過去原罪を犯した人間たちは「神の国」へ迎え入れられるために苦しみを耐えなければならないというキリスト教論理を踏まえ、そんなことは子供たちには何の関係もないじゃないかと語ります


 そして、たったひとりの子供の苦しみを理由にでも、自分は「最高の調和」を拒絶するというのです。


 俺は一般的人類の苦悩について話すつもりだったんだが、むしろ子供たちの苦悩にだけ話をしぼるほうがいいだろう。俺の論証の規模は十分の一に縮められてしまうけど、それでも子供だけに話をしぼったほうがよさそうだ。もちろん、俺にとってはそれだけ有利じゃなくなるがね。しかし、しかし、第一相手子供なら、身近な場合でさえ愛することができるし、汚ならしい子でも、顔の醜い子でも愛することができる(もっとも俺には、子供というのは決して顔が醜いなんてことはないように思えるがね)。第二に、俺がまだ大人について語ろうとしないのでは、大人はいやらしくて愛に値しないという以外に、大人には神罰もあるからなんだ。彼らは知恵の実を食べてしまったために、善悪を知り、≪神のごとく≫になった。今でも食べつづけているよ。ところが子供たちは何も食べなかったから、今のところまだ何の罪もないのだ。


(中略)


 まだ時間のあるうちに、俺は急いで自己防衛しておいて、そんな最高の調和なんぞ全面的拒否するんだ。そんな調和は、小さなあの痛めつけられた子供一人の涙にさえ値しないよ!


 つまりイワンはここで子供犠牲にして成り立つユートピア欺瞞告発している。これは、『天気の子

リコリス・リコイル』はドストエフスキー児童搾取テーマに通じる

 ども、皆さん、アニメリコリス・リコイル』観ています? めちゃくちゃ面白いですね! 後世に残る名作かといったら必ずしもそうとはいえないと思うのだけれど、少なくとも「いま」、このときリアルタイムで見る作品としては破格に面白い


 一方でいったいこの面白さの正体は何なのだろうと考えてみてもうまく言語化できないわけで、何かこう、隔靴掻痒のもどかしさを感じないでもない。第一話を観た時点で直観的に「これは新しい!」と思ったのだけれど、その「新しさ」を言葉にしようとするとうまくいかない。


 そこで、以下ではなるべくていねいに『リコリコ』の「面白さ」と「新しさ」を的確な言葉に置き換えていきたいと思う。読んでね。


 さて、まず、いま人気絶頂の『リコリコ』についていえることは、これが何か非常に「不穏」なものを秘めた作品だということです。


 一見すると現代日本と同じように平和社会舞台にしているようで、そこでは「リコリス」と呼ばれる高校生くらいの女の子たちがその平和を守るために命がけで戦っている。そして、じっさいにどんどん死んでいる。


 このグロテスクともいえる構造が、第一話の冒頭の時点であっさりと、あたりまえのことであるかのようにライトかつスムーズ説明されている。


 しかし、もちろんこれはまったく「あたりまえのこと」ではありません。年端もいかない少女たちが銃を持って戦う。戦わされている。そこにはあからさまに倫理的問題がある。この「少女と銃」というコンセプトについて、原案アサウラさんはインタビューでこのように述べています


アサウラ:柏田さんが読んでくれていたのが僕の「デスニードラウンド」という小説で、これが最初から最後まで銃を撃ち続けるような作品なんです。それを読んで僕を呼んでくれたので、銃が出てくることは決まっていました。女の子と銃で何かをやってくれという感じだったと思います


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656464389


 最初の時点から少女と銃」がメインコンセプトだったわけですね。すでに指摘されているとおり、この「少女と銃」というコンセプトには先行作品系譜があります虚淵玄最初期の作品として知られる『Phantom of Infelno』がそうだし、『NOIR /ノワール』などのアニメもある。


 現在アニメ業界ではもはや「美少女ガンアクションもの」はひとつジャンルといっても良いかもしれません。


 ちょっと現実的に考えればかぼそい体格の女の子がそうそう的確に銃を操れるわけがないと思えるわけですが、そこの違和感ねじ伏せてでも少女と銃を組み合わせることにはある種のフェティッシュな魅力があるのだと思います


 それらの先行作品のなかで、おそらく最も重要で、しかも『リコリコ』に近いのは相田裕の『Gunslinger girl』です。


 これは洗脳されてテロリストと戦う少女たちと、彼女たちとコンビを組んで戦う男性たちを描いた物語で、「平和社会を維持するため少女たちが陰で戦っている」というところが『リコリコ』と共通していますね。このタイトルは『リコリコ』の監督インタビューで直接的に言及されています


――足立さんが入って、物語が明るい空気になったそうですね。


足立アニメを見て暗い気分になったりするのは、今はあんまり求められていない気がするかなって…。自分DVD買うくらい『GUNSLINGER GIRL』が好きなだけに、そのフィールドでは勝てないと思いましたし、ポイントをずらしたほうがいいんじゃないですかねっていう話は初日にしたと思います


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656605844


 この言及を見ると、『リコリコ』と『Gunslinger girl』の設定上の共通項は意識的ものであることがわかります。ただ、その一方で「ポイントをずらした」と語られているとおり、『リコリコ』と『Gunslinger girl』には決定的な差異がある。


 ひとつパートナー役の大人がいないことで、もうひとつ少女たちが洗脳されておらず、自分意思戦闘に参加していることです。


 前者に関しては原案アサウラさんの作風かもしれません。アサウラさんは過去にも少女たちが「百合」的にコンビを組んで戦う作品を書いているようですから(筆者は未読)。


 しかし、決定的に重要なのは後者でしょう。『Gunslinger girl』の洗脳されて戦う少女たちに対して、『リコリコ』のリコリスたちは(少なくとも表面的には)自発的意思で戦っているわけです。


 もちろん、「自発的意思なのだから問題ない」ということにはならない。リコリスたちはみな孤児であり、「戦うことしか選択肢がない」状況に置かれているともいえる。リコリスたちが「大人」たちに搾取され、かりそめの平和のための犠牲として利用されていることは間違いないでしょう。


 きわめていびつかつ不自然かつ欺瞞的な構造です。このディストピア的ともいえる構造をどう見るかが『リコリコ』を批評的に判定するときひとつのカギとなる。この点に関して批判的に触れた記事はてな匿名ダイアリー投稿されています


前線少女と銃後の大人という構造からガンスリ(とかエヴァとかあのへん)の亜種として良いと思うが、それら先行作品と比べたときリコリス少女のみで構成される理由(※)や、少女前線に立たせる搾取構造に対する大人側の自覚とか罪悪感がすっぽり抜け落ちていてさすがに気味が悪い。


アサウラバニラのころからこういうところがあって、物語少女大人社会)という対比ではなく少女少女という2者間の関係性で回収することで、俎上に載せたはずの搾取構造をうやむやにしようとする。要するに百合を出せば他がザルでもオタクブヒブヒ鳴くんだろという作り手の舐めた態度がアニメから透けて見えてキモいという話なんだが、増上慢になるだけのウェルメイドな仕上がりになっていてそれもまたなんか鼻につく。


まあしかしこういうザ・老害みたいな感想を書くと自分老いを感じて嫌になるね。たぶん若い世代はああいうのなんの疑問も持たずスッと面白がれるんだろうな。


https://anond.hatelabo.jp/20220806182309


 しかし、これはぼくにはやはり表面的な批判に過ぎないように思える。「うやむやにしようとする」も何も、全然うやむやになっていないよね?と。


 「社会正義平和を守る組織」としてのDA欺瞞はあまりにもあきらかであり、ごく平凡な視聴者でも確実に気づくことではないでしょうか。じっさい、監督インタビューでもその点は触れられている。


――完成した作品を見ても、2人の関係性は大きな軸としてありました。ただ、DAという謎の組織が、犯罪を力で抑止しているというのも軸として描かれていますよね。


足立子供が銃を持って仕事をしているってことは、誰か大人に強いられているということになるでしょ?きっと悪い大人が、騙してるんだろう。「君たちは良いことをしてるんだぞっ」ってね。DAがしていることの是非は視聴者に考えてもらいたいところですね。


――それが第1話の冒頭で紹介されているわけですが、この世界の仕組み的なところは、とても面白い発想だと思いました。


足立:確かな事実として、日本世界の中でも極めて治安が良く平和で、その自認もありますよね。でもそれを支えているのが、全然知られていない闇の組織で、社会性の無い人を何千年も前から秘密裏に殺してきたから、規範意識の高い人しか子孫を残せなかった。だから日本人全体がだんだんそうなっていったんだ、みたいな設定はどうだろうかという提案をしたんです。監視社会に対するアイロニーあるかな


要するに、みんなが知っている事実を、大きな“ウソ”が支えていたという構造にしようと思って、DAがどんな組織なのかをアサウラさんに考えてもらったという感じですね。


https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1656605844


 ようは「大人たちが子供たちをだまして搾取している欺瞞構造」は制作者側により作品の一部として自覚的に提示されているのであって、単にその点を指摘するだけでは作品批評したことにはならないのです。


 そして、個人的感覚としては、まず大半の視聴者はその提示を正確に受け止めることができていると感じます。つまり、この欺瞞的なディストピアユートピア構造はこの作品を語る上で、気付かなくては話にならない「当然の前提」であり、そしてじっさいに大半の視聴者は気付いている。


 とすれば、この認識の上にさら議論を重ねていくべきでしょう。ちなみに、上記匿名ダイアリーでは「リアリティライン」が「ガバガバであるという指摘もなされていますが、これもあきらかに意図的ものでしょう。


 「現代日本では女子高生が最も警戒されないか子供たちに銃を持たせて戦わせることには合理性があるのだ!」という設定は控えめにいっても荒唐無稽というしかなく、通常の意味でのリアリティはまったくありません。


 さらにその女の子たちのうちのふたり喫茶店に勤めながら殺人が絡む仕事をしているって、いや、ふつうに考えればありえないとしかいいようがないでしょ。しかし、だからダメなのかといえばそうではない。


 このあからさまにめちゃくちゃな設定は『リコリコ』がリアルアクションストーリーというよりは一種寓話志向していると見るべきです。この作品はおそらく意図的ウソくさく、うさん臭い印象を与えるように設定が練り上げられている。


 そして、そのウソくささ、うさん臭さがひとつの魅力にまで昇華されている。だから、「リアリティがないじゃないか!」と指摘することには意味がない。まずはそこに込められた皮肉寓意を見て取るべきなのです。


 それでは、その欺瞞的かつ偽善的かつ人工的な、「まるでリアリティがない」設定と物語を通して『リコリコ』が描こうとしているものは何か。それは「子供犠牲にして成立している社会」の欺瞞だと考えます


 まさに上記匿名ダイアリー批判されている、子供たちを「消費」することで成立している日本アニメ産業欺瞞でもある。


 評論家杉田俊介は、新海誠監督映画『天気の子』について、このように書いています


ひとまず重要なのは、『天気の子』は、日本アニメ批判するアニメ、「アニメ化する日本現実」を批判するアニメである、ということだ。「アニメ化する日本現実」とは、少女人柱アイドル犠牲搾取によって多数派幸福となり、現実を見まいとし、責任回避するような現実のことである物語最初の方に、風俗店求人宣伝を行う「バニラトラック」が印象的に登場すること、陽菜チンピラに騙されて新宿性風俗的な店で働きかけることなどは、意図的演出だろう)。


https://gendai.media/articles/-/78976


 ぼくは杉田の『天気の子』論にはまったく賛同しませんが、ひとまずこの「見立て」は面白いと思う。


 杉田の指摘をこのようにいい換えてもまったく違和感がないのではないでしょうか。「「アニメ化する日本現実」とは、少女リコリスアイドル犠牲搾取によって多数派幸福となり、現実を見まいとし、責任回避するような現実のことである」。


 つまり、『天気の子』は、そして『リコリコ』もまた、日本アニメと、日本アニメに似た構造になりつつある(なってしまっている?)日本社会構造のもの批評的に設定に抱え込んだ「メタ日本アニメであるわけです。


 『リコリコ』の設定はあまりにも「リアリティがない」かたちで矛盾欺瞞偽善を抱え込んでいますが、それは視聴者に対する問題提起なのです。これは杉田が挙げている「アイドル」の問題とも一脈通じるものがあると思います


 その意味で、『リコリコ』は、じつは一種アイドルアニメなんですよ! な、なんだってー。まあ、それはひとつの「見立て」に過ぎませんが、じっさい、アイドル界隈のほうでもこの「ファンによるアイドルの抑圧」問題はしばしば議論されているようです。


 たとえば、『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』というアイドル現象批評の本では、このような問題が取り上げられています


今日アイドルは広く普遍的な人気を獲得し、多様なスタイル可能性をもつジャンルとしても注目されている。しかし、同時に多くの難点を抱え込んでいることも見過ごせない。

暗黙の「恋愛禁止ルールとその背景にある異性愛主義、「年齢いじり」や一定の年齢での「卒業」という慣習に表れるエイジズム、あからさまに可視化されるルッキズムSNSを通じて四六時中切り売りされるパーソナリティ……。アイドルというジャンルは、現実アイドルとして生きる人に抑圧を強いる構造的な問題を抱え続けている。スキャンダルトラブルが発生して、旧態依然ともいえるアイドル界の「常識」のあり方が浮き彫りになるたび、ファンの間では答えが出ない議論が繰り返されている。


その一方で、自らの表現模索しながら主体的ステージに立ち、とき演者同士で連帯して目標を達成しようとするアイドルたちの実践は、人々をエンパワーメントするものでもある。そして、ファンのなかでも、アイドル本人に身勝手欲望規範押し付けることと裏表でもある「推す」(≒消費する)ことに対して、後ろめたさを抱く人が増えている。


https://www.amazon.co.jp/dp/478727449X/


 アニメ場合美少女キャラクターたちは実在しないのでアイドル業界ほど問題は先鋭化しないようにも思えますが、そのキャラクターを支持しているはずのファンキャラクターに「身勝手欲望規範押し付け」て「消費」している構造は同じです。


 そして、その「大人たちが子供たちをだまして食い物にしている」欺瞞構造現在日本社会全体を象徴するものでもある。『リコリコ』や『天気の子』は(そして『Gunslinger girl』も)この問題テーマとして作品内にメタ的に胚胎しているといえます


 もっとも、この児童搾取問題は、文学的に見れば遥か昔の作品にも見て取れるものであり、きわめて普遍性の高いテーマであるということもできます


 この問題に関して文芸作品を振り返るとき、だれもが即座に思い浮かべるのがドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟であることは論を待たないでしょう。


 この小説のなかで、イワンカラマーゾフは、弟のアリョーシャに向かって、神話的な過去原罪を犯した人間たちは「神の国」へ迎え入れられるために苦しみを耐えなければならないというキリスト教論理を踏まえ、そんなことは子供たちには何の関係もないじゃないかと語ります


 そして、たったひとりの子供の苦しみを理由にでも、自分は「最高の調和」を拒絶するというのです。


 俺は一般的人類の苦悩について話すつもりだったんだが、むしろ子供たちの苦悩にだけ話をしぼるほうがいいだろう。俺の論証の規模は十分の一に縮められてしまうけど、それでも子供だけに話をしぼったほうがよさそうだ。もちろん、俺にとってはそれだけ有利じゃなくなるがね。しかし、しかし、第一相手子供なら、身近な場合でさえ愛することができるし、汚ならしい子でも、顔の醜い子でも愛することができる(もっとも俺には、子供というのは決して顔が醜いなんてことはないように思えるがね)。第二に、俺がまだ大人について語ろうとしないのでは、大人はいやらしくて愛に値しないという以外に、大人には神罰もあるからなんだ。彼らは知恵の実を食べてしまったために、善悪を知り、≪神のごとく≫になった。今でも食べつづけているよ。ところが子供たちは何も食べなかったから、今のところまだ何の罪もないのだ。


(中略)


 まだ時間のあるうちに、俺は急いで自己防衛しておいて、そんな最高の調和なんぞ全面的拒否するんだ。そんな調和は、小さなあの痛めつけられた子供一人の涙にさえ値しないよ!


 つまりイワンはここで子供犠牲にして成り立つユートピア欺瞞告発している。これは、『天気の子

2022-08-10

anond:20220807133253

具体的に、詳細に、ありがとう

「将来こういう自分になりたいって目標があって、転職はそのための前向きな手段なんだ」

一通りこのかたちで述べられるように言語化はしてある。

実際の選考では文字を読んでもらうのではなく口頭だから、非言語の部分を加味して何がどこまでどう伝わるか。

本当の部分での現職に対する不満や不安

とは、「新しく赴任してきた経営者部門長の人柄や方針をどうしても好きになれない、理解できない」ことだけなので、正直転職理由としてはあまり相応しくないって自分でも思ってしまうところはあるが…嫌いな人間や苦手な人間なんて、どこに行っても必ずいるものから

(それでもなお「この人たちにはもうついていけない」と思うところがあるからこその転職検討だけど)

たぶん似たような年代で似たような業務経験ぽいけど、氷河期世代のバックオフィス系って手薄なとこが多いから、そんくらいの年代の似たような業務経験者を補充したいって需要あるみたいよ。

俺らみたいなビミョーな歳の転職活動って、書類通った時点でかなり好意的評価してくれてるとこ多いよ。

経歴を膨らませ過ぎて「詳しく聞いてみたらこいつ全然ダメじゃん」てパターンと、あとライバルが単に自分より強かったパターンにハマらなければ意外とサクッと決まるよ(実体験)。

あと俺ら世代のバックオフィス求人だと=管理職候補から、そこは開き直ってというか、全力でやるしかない。

新しい環境ストレスはしゃーない。頑張ろうぜ。

ちなみに私は40代男、バックオフィス系の経験はまあまああるし、現在もそういった役割が7割以上を占めるが、「一貫して○年間これ!!」というものがなく、色々やってはきたが、逆に色々やりすぎて何者にもなれなかった感満載、といった経歴。

転職回数は3回、経験者数は4社、特に根拠はなく主観だが「多い」のだろうな。

マネジメント経験もあるにはあるが、現在マネジメントを少し離れており、特定業務単独遂行または(後輩たちに対して)指導監督するような立ち位置で、リーダーというよりもサブリーダー立場から、本格的なマネジメントはまだまだこれからといったところだし、業務内容も希望する方向性とはちょっとズレている(と感じている)ので、この機会に希望する方向性修正(=転職)した上で、そこでマネジメントを目指す…という「建前」で転職しようと思い立った。

そんな曖昧理由動機しかないまま、とりあえず書類選考が通ったのは本当にラッキー

まり気負いすぎずに臨みたい。

2022-08-08

仕事で100校近くの中高一貫を回った私が学校選びについて伝えたいこと

私立中受験を考えている親にこれだけは言いたい。

超難関校以外のお買い得学校を見つけるコツ。

1 学校ネームバリューではなく教師の質を見ろ

学校説明会ではなく公開授業や授業見学会に行け。

2求人サイトで年がら年中教員募集をしている学校危険

非常勤ばかりの可能性が高い。働き方がブラックだと教員の質も授業の質も低い。会社と一緒だ。絶対確認しろ

3学校ホームページがふるめかしい学校危険

ITに疎い時代錯誤教師が多い可能性が高い。

ちなみにそこそこの中堅校でもこれはちょっと危険時代ITだ。見てわかりやすものになっているかデザインは今風かも確認必須

4特色のある教育ノウハウがあるものに目を向けろ

→新しい取り組みばかりに目が行きがちだが、トレンドを追いかけただけの客寄せパンダ役割をしていることも多かった。その場合はその教育に携わっている先生も付け焼き刃だったりすることが多い。来年あるかどうかわからない取り組みかもしれないので気をつけて。

長年やってきた取り組みに目を向けて決めた方が良い。

5学校独自の取り組みが外部業者頼りになっていないか確認しろ

学内予備校自習室などを入れまくっている学校そもそも教師の質が低い可能性が高い。学費上乗せで無駄お金が取られるぞ。そんなんだったら自力予備校行け。

6中堅の先生比率確認しろ

→30代〜40代前半の先生が少ない学校危険かも。

7アクティブラーニングの場があるか見ろ

プレゼンの仕方を学ぶ場や授業内での発表活動の機会が用意されているかどうかは見た方が良い

あとは大学受験の小論や英検面接など、筆記以外の試験対策に親身に対応してもらえる場があるかも確認しておくと◯

8学校で全て受験対応します と言い切らない学校がよい。

→どっぷり自称進の可能性あるので危険。ただし教師の質が高い学校なら◯

9実力に見合わなそうな教材や無理な進度でカリキュラムが進んでいないか

→中堅校で中高一貫用教材とか採択しちゃってるとついていけなくなる可能性が高い。検定教科書学校の方が生徒がイキイキしてたよ。まあ、さいきんはそう言う学校は少ないけど。

10経営状態確認

決算報告とか見ておくと良いと思う。経営が危ない学校は突然共学化したり売られたりするからね…

知ってると思うが私立中高一貫の学費バカ高い。

だけど、みんな偏差値とか行きやすさとかで安易に選んでる人が多くてびっくりするんだよね。

家と新卒就活会社選びくらいの視点があっていいと思うよ。

2022-08-07

anond:20220805211930

事務に拘ってなくて、正直あんま頭の良さに自信ない、かつ肉体労働でも良いってなら、前に似たような相談増田にあったときにも挙げられてたけど、自動車メーカー期間工がとりあえずおススメだったりするぞ。

だいたい社員寮完備だし、場合によっては引っ越し費用も出してくれたりする。

作業は完全マニュアル化されてるし、夜勤がある前提なのと工場稼働率にもよるけど年収は400はいく。

期間工つっても特に素行問題なくて自分契約更新意思があるなら何年でもやれるし。

まあとにかく、「これだったらやってみてもいいな」て求人が見つかるといね

頑張って。

anond:20220805233428

本当の部分では現職に対する不満や不安から転職しかない

こんなこと雇う側もわかってるから何の問題もないぞ。

そのうえで、エージェント指導されたのは

「将来こういう自分になりたいって目標があって、転職はそのための前向きな手段なんだ」

というストーリーに実際の転職理由志望動機を絡めて話せるようにしておけばOKって話だった。

あと違法行為サビ残業務カウントされない休出、法的にかなりグレーな業務)はまともな会社相手には正直に話しても大丈夫だってよ。

たぶん似たような年代で似たような業務経験ぽいけど、氷河期世代のバックオフィス系って手薄なとこが多いから、そんくらいの年代の似たような業務経験者を補充したいって需要あるみたいよ。

俺らみたいなビミョーな歳の転職活動って、書類通った時点でかなり好意的評価してくれてるとこ多いよ。

経歴を膨らませ過ぎて「詳しく聞いてみたらこいつ全然ダメじゃん」てパターンと、あとライバルが単に自分より強かったパターンにハマらなければ意外とサクッと決まるよ(実体験)。

あと俺ら世代のバックオフィス求人だと=管理職候補から、そこは開き直ってというか、全力でやるしかない。

新しい環境ストレスはしゃーない。頑張ろうぜ。

以下、そんなこと言われんでもわかっとるわかもだけど、面接時の実体験なよく聞かれたこと。

退職理由

それなりの歴史がある企業なら100%聞かれる。

本音の部分では不平不満が直接的な動機なんだろけど、やっぱそこは取り繕っておかないとまずい。

なお、歴史の浅い企業だと退職理由は聞かれないことも多い。

歴史の浅いとこってそもそも中途転職組ばっかだから面接官側もある意味本音トークというか、「なんか不満があって辞めるんでしょハイハイ」みたいなノリの人がけっこう多い。

志望動機

これは絶対に聞かれる。

基本的に「求人内容見て魅力を感じた」ってだけなんだけど、如何に具体的に語れるか勝負

ちなみにこの質問相手確認してんのは「最低限ウチの会社のことを勉強してきてるか」「求人内容をちゃんと把握して応募してきてるのか」みたいな部分なので、そこまでトリッキーな返答は必要ない。

想定される業務内容が得意とかやりたいこととかで十分だったりする。

〇〇な業務はやれるか?

この辺が面接官の本当に聞きたいとこで、要は職務経歴書の内容に嘘がないかとか、雇ってからやらせる予定の業務がやれるか、すぐはやれないにしても意欲があるか、みたいなとこ。

職務経歴書に○○ってあるけど、具体的に××は経験ありますか?」

とか聞かれて、無いですって言うとまあだいたい落ちる。ただそこで嘘ついて採用される方が当然マズいことになるので、本当のことを言おう。

それでだめなら縁がないってだけ。

自分長所

直接的に長所はなんですかって聞かれることは滅多にないんだけど、「例えば○○な業務に係るうえでの自分の売りは何だと思いますか」みたいな聞き方をされる。

ある程度答えを用意しておいて、あとは適切に答えを選んで話せるか勝負

残業できます

「〇時間くらい残業してもらうことになると思いますが、大丈夫ですか」

これはだいたい聞かれる。正直に言うしかない。

ただ、この質問と関連するトークからは、会社として残業減らそうと努力してるかどうかってのがかなり見えるため、けっこう重要質問

個人的経験では、

「定時は〇時から×時ですけど、あなた管理職候補としての採用なので、実際には××時まで残ってほしい」

「残ること自体可能ですが、何故ですか?」

「ほかの事務員がだいたい××時まで残ってるから管理職なので先に帰ってもらっては困る」

「では私の定時を1時間後倒しする方がいいのでは?」

「そうすると他の事務員と出勤が同じか遅くなってしまう」

管理職から下の者より早く来て遅く帰れというお話ですか」

「そうだ」

「その状態改善しようとしたことはあるのですか」

???(何言ってんだコイツ的な顔)」

というやり取りを面接したことがあり、もちろん落ちた。

こちらへの質問

絶対に聞かれる。特に理由は無いらしいが二つか三つ聞くのがマナーらしい。

即座に質問をひねり出すのは難しいので事前に5個くらい用意しておくこと。

ちなみに大事なのは「何故その質問をしたか」という動機自分の中ではっきりしているかどうか。

なので、相手に聞かれる前に、これこれこういう理由で、これを聞かせてもらいたいって自分から理由も言っちゃうほうが良い。

2022-08-06

anond:20220806131824

必要だけどだいぶ緩い

日本企業に在籍しながら日本企業海外拠点派遣(駐在)なら、

エンジニア職(専門知識を有する者)なら職歴ちゃんエンジニアなら学歴関係無いし、

それ以外の職でもシニアマネージャーとか統括マネージャー(重役・管理職)ということにしておけば中卒でも問題ない

なので海外に飛ばす求人とかたまに学歴不問で出てるぞ。もちろん、みんなが行きたがる欧米以外のエリア派遣

 

ただ、英語すらもまさかの不問にしてる求人もあるけど流石に英語は出来ないと困るとは思う

現地のマネージャー以上のスタッフはいちおうビジネスレベル日本語能力があることが採用条件になってるけど

プライベート手取り足取りサポートしてくれるわけじゃないし、

なによりも現地の言葉も出来ない英語も出来ないでは仕事にも差し支えあると思う

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