40代フリーターと30代フリーターの先輩が同じ職場に居たことがあった
40代フリーターは大卒で、普通に就職したらしいがなんやかんやで退職して流れ着いたらしい。資格は運転免許すら無し
30代フリーターは俺と同じで特に目的が無かったのでフリーターを続けているらしい。資格は運転免許のみ
言い方が悪いが、同じフリーターの身分でも先輩のようにはなりたくないなぁ。と漠然と考えていた
40代でフルタイムで働いても少ない手取、少ない年間休日、代わり映えしない仕事内容と、正直何が楽しくて生きてるんだろうと思ってた
年下の正社員に指示をされたり、怒られている姿がなんだか情けなく見えたのも大きかった
そして5年ぐらい同じとこでフリーターを続けて、重い腰を上げて正社員になった企業はブラックだった
労働通知書に書かれていた契約とは異なる給与、60時間働いても出ない残業代、そのくせ日中はやることが無さ過ぎて先輩に仕事をもらおうとすると怒られた
暇なクセに拘束時間だけは無駄に長く、タイムカードも無く上長が勤務時間を記帳して本社に提出する形だった。ひどすぎて2か月で辞めた
勢いで辞めたはいいが、田舎故に求人も少なく、当時は車はおろか運転免許すら無かったのでまともな職にありつくのも無理だった
結果的に老人ホームの厨房担当として、またフリーターに逆戻り。しかも今度はフルタイムですらない
ここまで落ちると、もう何しても悪化することはねえな。と開き直ってアホみたいに勉強を始めた
まず人に使われる側ではなく、人を使う側に回りたい。と思ったので管理部門を目指そうと思った。今考えるとだいぶ意味が分からないが当時は真剣だった
次にブラック企業でお金の大切さを叩きこまれたのと、学生の頃は政治経済の経済が好きだったので経理を目指してみようと思った
あわよくば公認会計士か税理士を…とか考えてたが、まあバカの考えだった。俺レベルだと日商1級のデリバティブ取引で吐きそうになった
そもそも経理とか以前の話として、正社員として採用されるには何が欲しいのかと考えた時に、運転免許が必要だと思った
田舎なので車が無いと移動がままならず、生活に支障はなくても仕事には支障が出まくりだった
だからなけなしの貯金を全額崩して、自動車教習所に通った。一括で全額払えなくて、残りの数万円は一か月待ってもらった。我ながらマジで貧乏だった
当時の稼ぎはフルタイム勤務じゃないので、手取で10万前後だった。社会保険は当然未加入だし、国民年金も払えなかったので免除してもらっていたレベルだった
20代半ばに差し掛かろうとする頃に、ようやく人並みに努力をして半年ぐらいで運転免許と格安のオンボロ車を手に入れた
今考えると大した努力でもないが、やれば出来るんだという謎の自信に満ち溢れていたので
次はMOSを取得してみることにした。管理部門といえばパソコン、パソコンといえばExcelだと思ってた
一ヶ月ぐらいで取得できて、俺って天才じゃね?と思ったが、今考えるとテキスト薄いし内容は初心者向けすぎて時間と金の無駄だなと思う
求人だとたまに、MOS取得者歓迎!とか書いてあるけど逆にこの会社大丈夫か?って心配になる
運転免許、MOS(ExcelとWord)を取得した俺はついに本丸の日商簿記に手を付け始めた。気がつけば27歳、フリーター歴7年になっていた
まず3級。当時は5か月ぐらいかけて取得した。この時点で経理の求人に応募してみるが全滅
悔し過ぎて2級。6か月かけて挑戦するも、不合格。2回目の試験を受けようとするも定員オーバーで受験できず、1年かけてようやく合格
28歳、フリーター歴8年に差し掛かろうとする頃にようやく就職活動を開始
とりあえずハローワークに行ってみたら「経理は経験が無いとねぇ…」と言われた。そんなことは知ってるんだよ、と思った
次に転職エージェント、20代に強いエージェントや大手、とりあえず使えそうなエージェントは全部使ってみたが
未経験が足を引っ張ってほとんどのエージェントは求人を紹介しなかった。登録すら断られたところもあった
次に無料で求人を載せている転職サイトで、経理系の求人を片っ端から探した
大手の有料で求人を載せる転職サイトだと求められるレベルが高すぎて書類選考すら通らなかったから
立地が僻地、給与は格安、福利厚生は最低限でも良いのでとりあえず経験を積みたかった
一日足らずで選考結果(不採用)が分かる企業、そもそも応募を無視する企業、とりあえず書類だけ郵送しろ企業、色々あった
こっちもガムシャラに応募していたので、とりあえず面接に行きまくった。多い時は一日に3件入れていて、営業マンの外回りってこんな感じなのかなとか考えてた