はてなキーワード: アンサンブルとは
「かなり上手い」というのは吹く技術とか、個人としての表現は良さそうって意味。
管楽器奏者というか吹奏楽上がりの人は、かなり上手い人でも、チューナーと指揮棒を強く気にすることが多い。
弦しかまともに触ったことがない桶厨の自分としては、それが不思議でならなかった。
でも、響け!ユーフォニアム1話を見ていて「ああ、こりゃそうなるよなー」と思わされた。
だってチューニングの時に「音合ってないよー」と注意するのはまあいいとして、「じゃあチューナー使っていいから」ってなんなんだよ。甘えんな。
チューナー使うのはクラのトップ(オケならオーボエのトップ)だけなのが当たり前で、それ聴くだけでチューニングできないなんて合奏以前の問題じゃん。
そんなんだから、和音がハモらない時にいつもいつもチューナー頼みになるんだろって感じ。
アレか、じゃあ指揮者が「○○低く」「✕✕高く」って指示してきた時はチューナー見ながら「私の音は合ってます」とか抗弁するのか?と絡んでやりたくなる。
更に屋外の合奏シーンでは、指揮棒が作るテンポに合わせて、楽譜に書いてある音符をただ片付けているだけって感じ。
もっと聴き合いなよ音全然繋がってないじゃん。それだけでも主人公が言う通り「ヘタ」だろう。
ああいう演奏だと、演奏のたびに毎回やり方が変わって自然な部分(ソロとかね)に合わせる側は、変化に全く対応できずアンサンブルが乱れてしまうだろう。
かと言ってそれもガチガチに固めてしまったら、「約束事だけの本番」という恐ろしくつまらない演奏になるわけで。
てか、万が一指揮者が振り間違えたら一巻の終わりという、つまらない上に脆弱な演奏とか普通にヤバい。聴いてて気が気じゃないっす。
http://anond.hatelabo.jp/20150214223556
これからジャズ聴きたいっていう人に俺がオススメできるアーティストを10人選ぶならこんな感じ。
マイルスがジャズの歴史の中心にいたことは間違いないのだが、彼のサウンドは案外ジャズ初心者にはとっつきにくい。マイルスがジャズの最先端を切り開いて、偉大なフォロワーたちがそれをうまく消化&昇華してスタイルを定式化させていったのであって、そうして洗練されていったものを聞いたほうが入りやすいと思う。俺は今プロでやってるが、若い頃マイルスを聞いてもピンとこなかった。「マイルスを理解できなきゃ本物じゃない」という雰囲気があったから、マイルス分かってるフリしてたけどな。リズムセクションの凄さだけは強烈だった。さんざんジャズをやってきた今マイルスを聞いて初めて彼の音楽の時代性が分かり、当時いかにインパクトがあったのか、そして彼がどれだけ偉大なバンドリーダーだったのかが分かる。まあ、こういうリストでマイルスを入れるのはお決まりなので、10位に入れておく。
50年代 https://www.youtube.com/watch?v=OcIiu1kQMx0
60年代 https://www.youtube.com/watch?v=x_whk6m67VE
70年代 https://www.youtube.com/watch?v=ryiPO1jQdaw
80年代 https://www.youtube.com/watch?v=4qoNZnWcb7M
風変わりなアーティストだが、その独特なサウンドは好きな人もいると思う。不協和音のようでもあり、全体としては調性に収まっている絶妙のバランス感覚。変てこりんな曲もあれば、ものすごく美しい曲もあって、頭の中を見てみたいと思う一方、まあ感覚が爆発してるアーティストってのはこんな感じだよなとも思う。挙動不審系のパフォーマンスを見ているような面白さもあり、演技なのか本気なのか分からないところがある。モンクはそれを形のある一つのスタイルとして定義できたところがすごい。ジャズミュージシャンの間では別格扱いというか、特別な地位を占めている。
https://www.youtube.com/watch?v=KshrtLXBdl8
この人はすごいよ。メロディーを紡ぎ出す感覚、その一瞬にしか生まれないサウンドを追求する即興へのこだわり、小節をまたがってフレーズを自由自在に展開させるオープンなタイム感、これらを曲の枠組みが明確なスタンダード曲上で展開することで分かりやすさを担保するバランス感覚、それらの全てを可能にする素晴らしいゲイリー・ピーコック(ベース)とジャック・ディジョネット(ドラム)の存在。ただ、彼のもう一つの特徴である「うめき声」には最初戸惑う人も多いと思われるので8位としてみた。ちなみに慣れるとそのうめき声が彼の粘っこい右手のメロディと絶妙に絡み合って彼の音楽の一部に聞こえてくる。マイルスから「天才であるってのはどんな気分だ?」とからかわれたってエピソードがある。すげーレベルの話だ。
https://www.youtube.com/watch?v=io1o1Hwpo8Y
ジャズがエレクトリック系やフリー系に進化していった中で、「ジャズのルーツ」であるニューオリンズ音楽に立ち返り、それをベースにモダンなハーモニーや複雑なポリリズムを取り入れて新たなジャンルを切り拓いた人。ジャズとクラシックの両方でグラミー賞を取ったというとんでもないトランペットの名手でもある。美しい音色と安定したテクニックは卓越している。彼が確立した、「トランペットが張り詰めたソロを吹く背後でピアノとドラムが複雑なポリリズムで組んずほぐれつのインタープレイを展開する」というスタイルは初心者にも迫力があるはず。ちょっと難解な印象も受けるかも知れないが、その場合は彼の率いているリンカーン・センター・ジャズ・オーケストラのニューオリンズ風サウンドを楽しむと良いよ。
https://www.youtube.com/watch?v=poZWg-pVboE
https://www.youtube.com/watch?v=ZBJ-MmTA-eU
ギターが入ってねえなと思ったので、メセニーを入れておく。怒るジャズファンもいるだろう。入れるならウェス・モンゴメリーだ、ジョー・パスだ、ジム・ホールだ、と。まあ確かに、メセニーはフュージョンっぽいサウンドだし、ジャズを構成する重要な要素のうち「ビバップ」や「ブルース」があまり感じられないとも言える。しかし彼の音楽には、聞いていて映画のワンシーンあるいは夢でみたどこかの草原が思い浮かぶような、ビジュアルな美しさがある。その辺は彼の音楽を支えてきたキーボードのライル・メイズの空間的サウンドによるところが大きいが、それがメセニー自身の音楽観、独特なソロフレージングと音色と相まって、ジャズを次のステージに進化させたクレジットはあげていいと思う。音楽理論的には結構複雑なこともやっているのだが、あまり感じさせない。特に変拍子へのアプローチは素晴らしく、「口ずさめる変拍子」「心地よい変拍子」を確立している。その辺の聞きやすさでオススメしておく。
https://www.youtube.com/watch?v=ApI-zA6suXE
https://www.youtube.com/watch?v=gDLcttSAVS0
エレクトリック・ベースの弾き方に革命を起こした人。管楽器並みのソロフレージング、ハーモニクスを使ったカラフルなコード演奏などでベースの役割を大きく変えた。細かい音符を自在に刻む指弾きのグルーヴ感は圧倒的。作曲家としても素晴らしい名曲を多く残している。途中からクスリ漬けになってしまって最期は悪態をついていたところを警備員に殴られて死ぬという劇的な人生だったが、ジャコが好きな人はそういう破滅的な「危ない」ところも愛していると思う。俺はそうなる前にシンガーソングライターのジョニ・ミッチェルと共演している頃の演奏が一番好きだが。
https://www.youtube.com/watch?v=Hbr0hXkArWg
https://www.youtube.com/watch?v=TgntkGc5iBo
ディーク・エリントンでもいい。ビッグバンドを一つ入れておこうと思ってな。本当はサド&メル(現在のヴァンガード・ジャズ・オーケストラ)と言いたいところだが、やっぱり若い頃にサド&メルのビッグバンドを聞いて最初はピンとこなかったから、初心者には勧めないでおこう。ベイシーとか、まあ当時のビッグバンドは、やっぱりグルーヴ感がすごい。当時のダンスミュージックだからね。彼らは四六時中ああいう音楽に専念できてギャラもがっぽり稼いでたから、現代の我々が付け焼刃でビッグバンドやってもそうそう敵わないのが辛い。アレンジ良し、テクニック良し、アンサンブル良し。逆にいうと、そういう時代性もあるから、少し古臭く感じるところはある。俺は好きだけどね。
https://www.youtube.com/watch?v=TYLbrZAko7E
https://www.youtube.com/watch?v=4ZLvqXFddu0
現代ピアノジャズのサウンドを確立したと言っていい人。彼がコードを弾くときの和音の積み上げ方はマジで音楽大学の教科書に載ってるんじゃないかと思う。そういう理論の部分以外でも、彼のやや哀愁を帯びた内省的な音楽性や、ピアノ・ベース・ドラムと対話するように自由に展開する演奏スタイルはとても理知的で面白く、それで多くのファンを惹きつけてると思う。まあ、小説とかにも登場するし、あまり多くを語る必要もない。聞け。
https://www.youtube.com/watch?v=GQwhHdXGFwA
https://www.youtube.com/watch?v=Jl5GDXb2fwQ
https://www.youtube.com/watch?v=FTlKzkdtW9I
やはりジャズに入りやすいところとして一番無難なのは女性ヴォーカルだが、問題は誰を入れるかだ。本当はカーメン・マクレエ、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルドといった鉄板の定番を入れたい気もするが、今日現在聞くジャズヴォーカルとしては、ちょっと粋でオシャレな、それでいて正統派のスウィング感をもっていて、テクニックも表現力もあり、ルックスも良く、きっちりセールスも出しているダイアナ・クラールを押す。ただ、このリストの中ではやや異色と言えるかも知れないので、サラ・ヴォーンなどのリンクも貼っておこう。こう言っておきながら、俺は「ダイアナ・クラールが好き」と言うジャズファンには警戒の念を持って、本当に彼女の実力を分かっているのか、うわべだけのシャレオツさで聞いているのかを探ることにしている。
https://www.youtube.com/watch?v=dJHXQAs9vlk
https://www.youtube.com/watch?v=5cZG2WnXPgk
https://www.youtube.com/watch?v=4VHWw9G6_UU
現代テナーサックスのサウンドを確立した人。コードの細分化と再構成、次から次へと繰り出される音の洪水が特徴の一つで、マイルスからは「お前、全部の音をいっぺんには吹けないぞ」とからかわれたとか。まあ、俺としてはそういう音の洪水の部分よりも、ややかすれたような彼のサックスの音色が特徴的で、ひたすら高みを目指す修行者のような人柄を連想させて、聞く人の心に引っかかるんじゃないかと思ってる。「コードの細分化を究極まで突き詰めた先にあったのはコードの制約を取っ払うことだった」という彼のサウンドの進化も悟りの境地に達した聖者を思わせるというところもある。マッコイ・タイナー(ピアノ)とエルヴィン・ジョーンズ(ドラム)もコルトレーンのサウンドをともに作り出す中で新たなスタイルを確立した。この全体のサウンドが俺は大好きなので1位押し。
https://www.youtube.com/watch?v=Lr1r9_9VxQA
https://www.youtube.com/watch?v=xr0Tfng9SP0
https://www.youtube.com/watch?v=YHVarQbNAwU
https://www.youtube.com/watch?v=-mZ54FJ6h-k
以上。
わたしの職場に、自他ともに認めるクラシック・マニアがいる。近・現代の作曲家は一通り聴いているというが、中でもお気に入りはスクリャービンで、携帯の着信音とアラームには「神秘和音」が設定してあるくらいだ。
その彼が、最近、急にジャズに興味を持つようになった。なんでも娘さんが部活でサックスを始めたのがきっかけらしい。彼の机には娘さんの小さいころの写真が立てかけてあるが、父親と血がつながっているとは思えないかわいらしさだ。パパだってジャズくらい分かるんだぞ、ということにしたいのかもしれない。
彼はわたしがジャズ・ギターを弾くことを知っている。音楽に関して(だけ)は寛容なので、各種イヴェントの際には有給を消化しても嫌な顔ひとつしない。
「ちょっと私用なんだが」と彼は言った。「こんどの休みは空いてるか? お前の好きなジャズのCDを10枚くらい持ってきてくれ。うちのオーディオで聴こう」
「CDならお貸ししますよ」とわたしは答えた。特に予定はないが、できれば休日はゆっくり寝ていたい。
「まあそう言うなよ」と彼はつづけた。「プレゼンの訓練だと思えばいい。ジャズの聴きどころを存分に語ってくれ。昼はうなぎを食わせてやるぞ。それとも――」
「それとも?」
「もう有給は当分いらないということか?」
こうして、わたしは休日をつぶして彼の家を訪ねることになった。どのCDを持っていくかはなかなか決められなかったが、一日でジャズの百年の歴史を追いかけるのは無理だと割り切って、わたし自身がジャズを聴き始めた高校生のころ――もう15年も前の話だ――に感銘を受けたものを選ぶことにした。マイルス・デイヴィス『カインド・オブ・ブルー』、ビル・エヴァンス『ワルツ・フォー・デビー』、ジョン・コルトレーン『ジャイアント・ステップス』はもうコレクション済みだということだったので、それら以外で。
手土産の菓子と20枚ほどのCDを抱えて最寄駅に着くと――結局10枚には絞り込めなかった――彼の車が目に留まった。
「きょうは夕方まで家に誰もいないからな。気兼ねしなくていい」
「そうでしたか」
「いるのは猫だけだ」
「猫? 以前お邪魔したときには見かけませんでしたが」
「公園で拾ってきたんだ」
「娘さんが?」
「いや俺が。子供のころに飼っていた猫とよく似ていたものだから」
ノラ猫を拾う人間と、ショスタコーヴィチの交響曲全集を部下に聴かせて感想を求める人間が、ひとりの男の中に同居している。この世界は分からないことだらけだ。
「ちーちゃん、お客様にご挨拶だ」と彼は居間の扉を開けながら言った。ちーちゃんと呼ばれた白い猫は、こちらを一瞬だけ見るとソファのかげに隠れてしまった。そそくさと。
「ご機嫌ななめだな。まあいい。そっちに掛けてくれ。座ったままでディスクを交換できるから。いまコーヒーを淹れてくる」
――これ以降は対話形式で進めていきます。
( ・3・) さっそく始めよう。
――マイルスについてはご存じだと思いますが、次々に作風を変化させながらジャズを牽引していった、アメリカの文化的ヒーローです。デューク・エリントンはマイルスについて「ジャズのピカソだ」と述べました。
――はい。その作品の後に注目したいんですが、60年代の半ばに、ウェイン・ショーターというサックス奏者がマイルスのバンドに加わります。この時期の録音はひときわ優れた内容で、ジャズのリスナーやプレイヤーからはヒマラヤ山脈のように見なされています。
Prince of Darkness (1967) http://youtu.be/-wckZlb-KYY
( ・3・) ヒマラヤ山脈か。空気が薄いというか、調性の感覚が希薄だな。テーマの部分だけでも不思議なところに臨時記号のフラットがついている。
――主音を軸にして、ひとつのフレーズごとに旋法を変えています。コードが「進行」するというよりは、コードが「変化」するといったほうが近いかもしれません。
( ・3・) ピアノがコードを弾かないから、なおさら調性が見えにくいのかもしれないな。
――はい。余計な音をそぎ落とした、ストイックな演奏です。
( ・3・) 体脂肪率ゼロ。
――マイルスのバンドには一流のプレイヤーでなければ居られませんから、各々が緊張の張りつめた演奏をしています。
Nefertiti (1967) http://youtu.be/JtQLolwNByw
――これはとても有名な曲。ウェイン・ショーターの作曲です。
( ・3・) テーマで12音をぜんぶ使ってるな。
――覚めそうで覚めない夢のような旋律です。このテーマがずっと反復される。
――ボレロではスネア・ドラムが単一のリズムを繰り返しますが、こちらはもっと自由奔放ですよ。ドラムが主役に躍り出ます。
( ・3・) おお、加速していく。
――テンポ自体は速くなるわけではありません。ドラムは元のテンポを体で保ったまま、「そこだけ時間の流れ方がちがう」ような叩き方をしています。
( ・3・) ドラムが暴れている間も管楽器は淡々としたものだな。
――はい。超然とした態度で、高度なことを難なくやってみせるのが、このクインテットの魅力ではないかと思います。
Emphasis (1961) http://youtu.be/QRyNUxMJ18s
( ・3・) また調性があるような無いような曲を持って来よって。
――はい。この曲は基本的にはブルースだと思うのですが、テーマでは12音が使われています。ジミー・ジューフリーというクラリネット奏者のバンドです。アメリカのルーツ音楽と、クラシックとの両方が背景にあって、実際に演奏するのはジャズという一風変わった人です。
――ドラム抜きの三人のアンサンブルというアイディアは、ドビュッシーの「フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ」に由来するそうです。
( ・3・) いいのかそれで。ジャズといえば「スウィングしなけりゃ意味がない」んじゃなかったのか?
――スウィングしたくない人だっているんですよ。といっても、ベースはフォー・ビートで弾いていますが。
( ・3・) これが録音されたのは……ええと、1961年か。ジャズもずいぶん進んでいたんだな。
――いえ、この人たちが異常なだけで、当時の主流というわけではありません。さっぱり売れませんでした。表現自体は抑制・洗練されていて、いかにも前衛というわけではないのに。同じ年のライヴ録音も聴いてみましょうか。
Stretching Out (1961) http://youtu.be/2bZy3amAZkE
( ・3・) おい、ピアノの中に手を突っ込んでるぞ。(3分16秒にて)
――まあ、それくらいはするでしょう。
( ・3・) おい、トーン・クラスターが出てきたぞ。(4分16秒にて)
――それでも全体としては熱くならない、ひんやりした演奏です。
――さて、次はエリック・ドルフィー。作曲の才能だったり、バンドを統率する才能だったり、音楽の才能にもいろいろありますが、この人はひとりの即興プレイヤーとして群を抜いていました。同じコード進行を与えられても、ほかのプレイヤーとは出てくる音の幅がちがう。さらに楽器の持ち替えもできるという万能ぶり。順番に聴いていきましょう。まずアルト・サックスから。
Miss Ann (1960) http://youtu.be/7adgnSKgZ7Q
( ・3・) なんだか迷子になりそうな曲だな。
――14小節で1コーラスだと思います。きちんとしたフォームはあるのですが、ドルフィーはフォームに収まらないようなフレーズの区切り方でソロをとっています。1小節ずつ意識して数えながらソロを追ってみてください。ああ、いま一巡してコーラスの最初に戻ったな、とついていけたら、耳の良さを誇ってもいいと思いますよ。
Left Alone (1960) http://youtu.be/S1JIcn5W_9o
――次はフルート。
( ・3・) ソロに入ると、コード進行に対して付かず離れず、絶妙なラインを狙っていくな。鳥の鳴き声というか、メシアンの「クロウタドリ」に似ている。
――鳥の歌に合わせて練習していたといいますから、まさにメシアンです。あるいはアッシジのフランチェスコか。ほかにもヴァレーズの「密度21.5」を演奏したり、イタリアのフルートの名手であるガッゼローニの名前を自作曲のタイトルにしたり、意外なところで現代音楽とのつながりがあります。
参考 Le Merle Noir (Messiaen, 1952) https://youtu.be/IhEHsGrRfyY
It’s Magic (1960) http://youtu.be/QxKVa8kTYPI
――最後にバスクラ。吹奏楽でバスクラ担当だったけど、主旋律で活躍する場面がなくて泣いてばかりいた方々に朗報です。
――いえ、当時、長いソロを吹いた人はあまりいませんでした。
( ・3・) バスクラ自体がめずらしいという点を措いても、独特な音色だな。
――村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』にこんなくだりがあります。「死の床にあるダライ・ラマに向かって、エリック・ドルフィーがバス・クラリネットの音色の変化によって、自動車のエンジン・オイルの選択の重要性を説いている……」
( ・3・) どういう意味?
――楽器の音が肉声のようにきこえる。でも何をしゃべっているのかはよく分からないという意味だと思います。あと、ミニマリズムの作曲家のスティーヴ・ライヒはバスクラを効果的に使いますが……
( ・3・) 「18人の音楽家のための音楽」とか、「ニューヨーク・カウンターポイント」とか。
――はい。彼はドルフィーの演奏を聴いてバスクラに開眼したと語っています。 [1]
――真打登場です。サックス奏者のオーネット・コールマン。50年代の末に現れて、前衛ジャズの象徴的な存在になった人です。といっても、難しい音楽ではありません。子供が笑いだすような音楽です。ちょっと変化球で、70年代の録音から聴いてみましょう。
Theme from Captain Black (1978) http://youtu.be/0P39dklV76o
――ギターのリフで始まります。
( ・3・) あれ、ベースがおかしなことやってるな。キーがずれていくぞ。
――はい、各パートが同時に異なるキーで演奏してもいいというアイディアです。イントロのギターが床に立っている状態だとすると、ベースは重力を無視して、ふらふらと壁や天井を歩きだす。
( ・3・) 複調を即興でやるのか?
――どのていど即興なのかはわかりません。コンサートに行ったことがあるのですが、譜面を立てて演奏していましたよ。でも、別にダリウス・ミヨーに作曲を教わったというわけではなくて、アイディアを得たきっかけは些細なことだったんじゃないでしょうか。たとえばサックスが移調楽器であることを知らなかったとか。「なんかずれてるな、でもまあいいか」みたいな。
( ・3・) それはいくらなんでも。もし本当だったら天才だな。
Peace (1959) http://youtu.be/bJULMOw69EI
――これは初期の歴史的名盤から。当時、レナード・バーンスタインがオーネットを絶賛して、自分がいちばんでなければ気のすまないマイルス・デイヴィスがたいそう機嫌を損ねました。
( ・3・) さっきのに比べると普通にきこえるが……
――1分40秒あたりからサックスのソロが始まります。集中してください。
( ・3・) (4分12秒にて)ん? いま、俺の辞書には載っていないことが起きた気がするな。
――ここはいつ聴いても笑ってしまいます。そのタイミングで転調するのか、脈絡なさすぎだろうって。ソロをとりながら、いつでも自分の好きな調に転調していいというアイディアです。
( ・3・) 言うは易しだが、真似できそうにはないな。
――どの調に跳んだら気持ちよく響くか、という個人的な経験則はあるはずです。突飛な転調でも、「これでいいのだ」といわれれば、たしかにその通り、すばらしい歌ですと認めざるを得ません。
――お昼はうなぎだと聞いておりましたが。
( ・3・) そのつもりだったんだが、いつの間にか値段が高騰していてな。「梅」のうなぎよりも、うまい天ぷら蕎麦のほうがいいじゃないか。
――この人も、オーネット・コールマンと同じくらい重要なミュージシャンです。テキサス出身のオーネットに対して、セシル・テイラーはニューヨーク出身。都市と芸術の世界の住人です。ピアノを弾くだけではなくて、舞踊や詩の朗読もします。これは1973年に来日したときの録音。
Cecil Taylor Solo (1973) http://youtu.be/X7evuMwqjQQ
( ・3・) バルトークとシュトックハウゼンの楽譜を細かく切って、よくかき混ぜて、コンタルスキーが弾きましたという感じだな。70年代にはずいぶん手ごわいジャズも出てきたんだ。
――いえ、テイラーは50年代から活動しています。チャック・ベリーやリトル・リチャードと同じ世代。この人が異常なだけで、当時の主流ではありませんが。さっきも似たようなことを言いましたね。
( ・3・) このスタイルでよく続けてこられたな。
――継続は力なり。2013年には京都賞を受賞して、東京でもコンサートがありました。
( ・3・) どうだった?
――会場で野菜を売っていたので、買って切って食った。
――文字通りの意味なのですが、それについては別の機会にしましょう。演奏の話に戻ると、混沌と一定の秩序とがせめぎあって、台風のさなかに家を建てている大工のような趣があります。「壊す人」というよりは「組み立てる人」です。また、あるフレーズを弾いて、復唱するようにもういちど同じフレーズを弾く箇所が多いのも特徴です。
( ・3・) いちどしか起こらないことは偶然に過ぎないが、もういちど起こるなら、そこには何らかの構造が見えてくるということか。
参考 Klavierstücke (Stockhausen, rec. 1965) http://youtu.be/mmimSOOry7s
――きょう紹介するのは北米の人ばかりなのですが、デレク・ベイリーは唯一の例外で、イギリス人です。さっそく聴いてみましょう。これも日本に来たときの録音。
New Sights, Old Sounds (1978) http://youtu.be/nQEGQT5VPFE
( ・3・) とりつくしまがない……。
――そうですか? クラシック好きな方には思い当たる文脈があるはずですが。
( ・3・) 無調で点描的なところはヴェーベルン。でも対位法的に作曲されたものではないみたいだ。あと、初期の電子音楽。ミルトン・バビットとか……。
――模範解答です。
( ・3・) でも即興でヴェーベルンをやるというのは正気の沙汰とは思えんな。
――即興の12音技法ではありません。それは千年後の人類に任せましょう。ベイリーがやっているのは、調性的な旋律や和音を避けながら演奏することです。最初に聴いたマイルス・デイヴィスも緊張の張りつめた音楽でしたが、こちらも負けず劣らずです。文法に則った言葉を発してはいけないわけですから。
( ・3・) 「どてどてとてたてててたてた/たてとて/てれてれたとことこと/ららんぴぴぴぴ ぴ/とつてんととのぷ/ん/んんんん ん」
――ちょっと意味が分かりませんが。
( ・3・) 尾形亀之助の詩だ。お前も少しは本を読んだらどうだ。それはともかく、こういう人が観念的な作曲に向かわずに、即興の道に進んだのは不思議な気がするな。
――いちプレイヤーとして生涯を全うしたというのは重要で、ベイリーの音楽はベイリーの体から切り離せないと思います。彼の遺作は、病気で手が動かなくなってからのリハビリを記録したものでした。
( ・3・) プレイヤーとしての凄みが音楽の凄みに直結しているということか?
――はい。技術的にも高い水準のギタリストでした。無駄な動きのない、きれいなフォームで弾いています。気が向いたら動画を探してみてください。
( ・3・) まあ、ギター弾きのお前がそう言うなら上手いんだろうな。
――楽器の経験の有無で受け止め方は変わってくるかもしれません。ジャズ一般について言えることですが、鑑賞者としてではなく、その演奏に参加するような気持ちで聴くと楽しみも増すと思いますよ。
ベイリーの即興演奏(動画) http://youtu.be/H5EMuO5P174
参考 Ensembles for Synthesizer (Babbitt, 1964) http://youtu.be/W5n1pZn4izI
――セロニアス・モンクは、存在自体が貴重なピアニストです。生まれてきてくれてありがとう、とお母さんみたいなことを言いたくなる。
( ・3・) 初めて聴く者にとっては何のこっちゃの説明だな。
――とてもユニークなスタイルで、代わりになる人が思いつかない、くらいの意味です。まあ聴いてみましょう。
Everything Happens to Me (Monk, 1959) http://youtu.be/YW4gTg3MrrQ
( ・3・) これは彼の代表曲?
――いえ、そういうわけではありません。モンクの場合、どの演奏にも見逃しようのない「モンクの署名」が刻まれているようなものなので、わたしの好きな曲を選びました。有名なスタンダードです。最初に歌ったのは若いころのフランク・シナトラ。
Everything Happens to Me (Sinatra, 1941) http://youtu.be/ZWw-b6peFAU
――1941年の録音ですが、信じがたい音質の良さ。さすがスター。さすが大資本。これがヒットして、多くのジャズ・ミュージシャンのレパートリーになりました。ちなみに曲名は「僕には悪いことばかり降りかかる」というニュアンスです。恋人に手紙を送ったらさよならの返事が返ってきた。しかも郵便料金はこちらもちで、みたいな。もうひとつだけ聴いてみましょう。
Everything Happens to Me (Baker, 1955) http://youtu.be/UI61fb4C9Sw
( ・3・) このいけすかないイケメンは?
――チェット・ベイカー。50年代の西海岸を代表するジャンキーです。シナトラに比べると、ショウビズっぽさがなくなって、一気に退廃の世界に引きずりこまれる。で、モンクの話に戻りますが――
( ・3・) ショウビズではないし、退廃でもない。
――もっと抽象的な次元で音楽を考えている人だと思います。
( ・3・) 素材はポピュラー・チューンなのに、ずいぶん鋭い和音が出てくるな。
――調性の枠内で本来なら聴こえないはずの音が聴こえてくると、デレク・ベイリーのような無重力の音楽とはまた別種の怖さがあります。幻聴の怖さとでもいうべきか。さいごにぽつんと置かれる減5度の音には、「聴いてはいけないものを聴いてしまった」という感じがよく出ています。
( ・3・) 減5度はジャズでは珍しくないんじゃないのか?
――はい。でも、その音をどう響かせるか、その音にどういう意味を持たせるかというのは全く別の問題です。そういう音の配置に関してモンクは天才的でした。
( ・3・) カキーン、コキーンと石に楔を打ちこむようなタッチで、ピアノの先生が卒倒しそうだが。
――意図的に選択されたスタイルだと思います。プライヴェートではショパンを弾いたりもしていたそうですよ。 [2]
( ・3・) 見かけによらないものだな。
――小さいころから必死に練習すれば、いつかはマウリツィオ・ポリーニの水準に達するかもしれません。しかし、ピアニストとしてモンクを超えるというのは、端的に不可能です。それがどういう事態を意味するのか想像できませんから。
( ・3・) 四角い三角形を想像できないように、か。
――アンドリュー・ヒルは作曲・編曲に秀でたピアニストです。『ポイント・オブ・ディパーチャー』というアルバムが有名ですが、録音から半世紀を経たいまでも新鮮にきこえます。ペンギンブックスのジャズ・ガイド(なぜか翻訳されない)では、初版からずっと王冠の印が与えられていました。
( ・3・) 英語圏では別格扱いということか。
――ヒルは若いころ、ヒンデミットの下で学んだという話もあるのですが……
――誇張も混ざっているかもしれません。ヒルの経歴は、生年や出身地も事実とは異なる情報が流れていたので。
Refuge (1964) http://youtu.be/zquk2Tb-D6I
( ・3・) 何かひっかかるような弾き方のピアノだな。
――ヒルには吃音がありました。 [3] 言いたいことの手前でつっかえて、解決を先延ばしにするような演奏は、しばしばそのことに結びつけられます。
――ヒテーシンガク?
( ・3・) ほら、メルヴィルの『モービー・ディック』で、神秘的な白鯨の本質については語れないから、迂回してクジラにまつわる雑学的な記述が延々とつづくだろ?
――どうでしょう。アナロジーとしては分からなくもないですが。
( ・3・) 形而下の世界に戻るか。あれ、このサックス奏者、さっきも出てきたんじゃないか? (2分58秒にて)
――エリック・ドルフィー。共演者の共演者を辿っていくと、きょう紹介する人たちはみんなつながっています。
( ・3・) デレク・ベイリーも?
――はい。セシル・テイラーと共演していますし、この次に紹介する人ともアルバムを出しています。
( ・3・) なんだかドルフィーに耳を持っていかれてしまうな。
――圧倒的です。ねずみ花火のような軌道と瞬発力。数か月後に死ぬ人間の演奏とは思えません。
( ・3・) すぐ死んでしまうん?
――はい。ドラッグでもアルコールでもなく、ハチミツのオーバードーズで。正式な診断ではありませんが、糖尿病だったといいます。 [4][5]
( ・3・) ハチミツって、くまのプーさんみたいなやつだな。――ん? いまミスしなかったか? (6分36秒にて)
( ・3・) やり直しになるんじゃないの?
――ジャズは減点方式ではなく加点方式ですから。ミスがあっても、総合的にはこのテイクが最良という判断だと思います。
出典
http://www.ceskatelevize.cz/porady/10435049455-dobre-rano/414236100071086/chat/4995-tomas-verner/
訳を推敲しましたがざっくり訳なので間違っていたら申し訳ありません
■Q:ダニエラ・ノヴァーコヴァー:おはようございます!彼女がいるかどうか、恋をしているのか、質問したいのですが。この質問をするために今朝は早起きしました。ありがとう。
A:おはようございます。彼女はまだいなくて、さしあたって探してもいません。数ヶ月これからツアーなので誰とも遠距離関係でいたくない。だけど恋はしています、人生(生活)での恋…
■Q:ルツカ:こんにちは、トマーシュ。あなたにタメ口をきいていいかわかりませんが、Jen počkej, zajíciアイスショーがどうなるか質問したいです。あなたをとても応援しています、ご挨拶とともに。ルツカ
A:すてきなアンサンブルや素晴らしい脚本があって、すてきなショーになります。練習は骨が折れるけど、こういう環境は楽しいです。
■Q:カロリーナ:おはようございます サインをお願いしたいのですが、どうしたらいいですか?
A:僕が演技する場所にきてください、もしくはスポーツインベスト、場合によってはチェコスケート連盟に手紙をください。オストラヴァのサレザスタジアムでも(サインします)。
■Q:ミレナ:おはようございます。私の質問は、予定されているアイスショーとは関係がなくて、10月のジャパンオープンのことです。驚くべきSPを滑った最後の世界選手権の場所に帰れるのをあなたは本当にとても楽しみにしています。あなたの多くのプログラムから今なにを滑るのですか。回答ありがとう、多くの成功を祈ります ミレナ
A:ありがとう。またさいたまスーパーアリーナに帰れるのを小さい少年のように楽しみにしています。僕達のスポーツにおいてはユニークな環境です。フィギュアスケートをやるのに多分一番大きいホールで、スポーツを応援する満員の観客(自国の選手だけを応援するのではない)。ジャパンオープンでは3月にとてもうまく見せられなかった昨年のフリーを滑ります。こんな感じでちょっとしたスポーツの追試です。
■Q:ペトル・コレチュコ:こんにちはトマーシュ。あなたのように成功するには、何歳からスケートを始めないとなりませんか。ありがとう ペトル
A:いつかというなら4歳から7歳の間です。ですが100%成功するわけではありませんし、単なる推奨です。自分は5歳で始めました。
■Q:ニナ・ストゥルヘルコヴァー:おはようございますトマーシュ。私は五輪後からあなたの大ファンで、あなたをもう競技で見られないので母と一緒にとても暗くなっています。去年の世界選手権SP後の私たちの喜びは、言い表せません。私の考えでは、あなたの一番良い滑りでした。このようなスケートの喜びはものすごいです!質問したいのですが、トップスケーターは一日に何時間眠るのですか。:-D回答ありがとう、お元気で。
A:肉体的に一番きついシーズン中はなるべく休むように努めて、昼休憩や全部の時間で一日に10時間は寝ます。昔のシーズンは必要に応じて7~9時間でした。
■Q:マルタ・ノヴァー:おはようございます。狼または兎を演じるのですか?
A:僕は物語の細かい場面の要素をつなぐ人です。脚本では「運命」ということになっていますが、同時に狼や兎としても滑ります。
■Q:DAYD:あなたの一番酷い転倒は?初めてスケートをしたときのことを覚えていますか?
A:初めて氷に立ったのは5歳のときで、初めてちょこちょこ歩いたのをとてもよく覚えています(頭の防具をやめてはずしただけです)。
一番酷い転倒は、くるぶしをケガした4Tの良くない訓練で。
■Q:DAYD:フィギュアスケートのほかのアマチュアスケートスポーツ、スピードスケートやアイスホッケーはやりませんでしたか?
A:スピードスケートは偉大な芸術やすごいしんどい喜びのためにやるスポーツという意見では僕はありません。ホッケーはしますが、それは条件があって、余計なケガをしないでいい適切なチームがあったらという意味でです。
A:エフゲニー・プルシェンコと高橋大輔です。あなたがフィギュアスケートのファンなら、この二人について紹介しなくていいですね。
■Q:モニカ・スヴォボドヴァー:質問したいのですが、男性ファンもほしいですか?
A:こういう質問はされたことがないけれど、男性のファンも会場にはいます。フィギュアスケートはみんなのための何かがあります。きれいな女性、音楽、衣装…
■Q:ラディスラフ:こんにちは。バイクのヤン・ヴェルネル選手は親戚ですか、それとも名前が同じだけですか?
A:残念ながらただ名前が同じだけです。家族にこんなとてもスポーツでいっちゃってる人がいたらいいけど。僕の家族は、兄は僕のようにフィギュアスケートをやっていたのと、妹が新体操のチェコ代表です。僕の家族内ではバイクに熱狂する人は間違ってるようです…
後半は余裕があればやってみます
昼を食べます。
まず、あなたが大学でオーケストラをやろうと思っている理由は何ですか?
友達に誘われて?大学デビュー?新しい分野にチャレンジしたい?高校でやってた?
理由は何でも構いません。クラシックに興味を持っていただけるだけで私は嬉しいです。
そんなあなたの素晴らしいキラキラした瞳を「こんなはずじゃなかった…」と濁らせないために少し話をしようと思います。
ピアノを弾いていた方なら憂鬱な基礎練習を思い出していただければ言いたいことはわかるでしょう。
運動部だった方、自分の技能を上げるためにそのスポーツをやり続けるだけでなく、長時間の筋トレなどがあったと思います。
ただ、弾けた時の感動や舞台で浴びる拍手の音には何物にも代えられない価値があるように私は思います。
一つ一つ先輩に手ほどきを受けながら習いましょう。
大学ほどにもなると大抵経験者はいます。上手く弾けなくたって構わないのです。あなたのスピードで練習していきましょう。
焦って形にならなくて結局何だったのかわからないまま終わってしまった…と言うのが一番避けてもらいたい状況です。
大学のオーケストラは定期演奏会があると思います。自分が乗る曲の好きなフレーズを見つけ、「ここだけは弾ける」という部分を決めて…と言うのも極論としてはアリだと思います。
周りの人に流されず、音楽を練習し、勉強し、その中で楽しみを見つけられればと思います。
次に、経験者の方。貴方の主義や性格にそのオケは合っていそうですか?
あなたの入ろうとしている大学オケの過去の演目を調べてください。知らない作曲家がいますか?
意味の分からない演目があったら歓迎会などで先輩にそこはかとなくその曲が決まった経緯を聞いてみましょう。
あとこれは新入生の方にも言えますが、サークル費を調べてみましょう。
低すぎるのもどうかとは思いますが、若干高めな上その印象を抑えるために比較対象が都内私大オケになっているものには気を付けてください。
サークル費の高さはどこに流れているのか注意が必要です。ホールや指揮者・トレーナーの先生に充てていると言うのなら大丈夫でしょう。
ただ、サークル費を稼ぐためにバイトを頑張って単位を落としたり身体を壊しては元も子もないのです。
学生の本分は勉強です。自分の限界と相談をしながら楽しい大学オケ生活を楽しんでください。
言いたいことは実際はこのくらいだけです。
オーケストラは50人、100人規模の「アンサンブル」です。指揮者やコンサートマスターなどの存在はありますが、大人数で1つの音楽を作り上げる中で他では味わえない感動があります。
そして、音楽を通して様々な事を学んでほしいと思います。技術、感情、人との交流…そこには様々なものがあります。
辛いことも、嫌なこともあります。人が多くなればサークルの中でも苦手な人・嫌いな人は出てくるでしょう。
その人と何とかやっていくのか、辞めるのかは貴方次第です。
音「楽」という字面だけ見て、音楽は楽しまなければならないモノだと思い続ける必要性ははありません。
曲自体にも悲しみやジレンマを表現したものもありますし、音楽が全て楽しいものだとは私は思いません。
…
オーケストラほど「音楽」と言うもののために、これだけ多くの人と交流するは他にはないと思っています。
貴方の4年(6年)が楽しい大学生活と共にあることを祈っています。
最後に皆さんが失敗しないために私の知っている2人の学生オケ「失敗経験者」の話をしたいと思います。
後味の悪い小話ですので気分を害したくない方はここまででお帰り頂いた方が良いかと思われます。
また、これはどちらも大学以前にクラシック経験があった知り合いの話ですので初心者の方には参考にはならないかと思います。
(さらに、当人たちから聞いた話ですのでそのオケの悪い部分だけが誇張されている可能性も否定できません。)
それでは、1人目から
1人は割と厳しい高校吹奏楽の経験者で、(わかる人にはわかるかもしれませんが)吹奏楽部のようなドロドロとした中でひたすら技術と音楽理解を追い求めて行ったタイプです。
彼女が入った大学のオーケストラは割とゆるめのほんわかしたタイプのオケでした。
定期演奏会は有名作曲家を並べたもので、オケのメンバーもやる時はやるものの基本的には飲み会やおしゃべり多めといった雰囲気だったそうです。
彼女は2年目以降は(練習の鬼と言えばいいのか)練習一辺倒になり、周りから頼られつつも1歩引かれていたように感じていたそうです。
彼女は最後まで大学オケをやり切り、音楽だけは楽しかったと言っていました。
私としては個人的には仲間や先生方ともっと楽しんで欲しいかったなと思います。
2人目は逆にポップス曲や有名曲をやってきた高校オケ経験者で、入った大学オケが性に合わなかったと言っていました。
そのオケは技術メインで(技術一辺倒が悪いとは私は思いません)、各パートにトレーナーが付くほど本気な大学オケだったそうです。
彼は経験者と言うこともあり、サークルの枢軸といいますか、選曲などかなり重要な部分に関わっていたようです。
しかし、オーケストラがトレーナーや名誉顧問(?)のような人に半分牛耳られていて、定期演奏会の曲の案を出しても中々許可が下りず、毎回1,2曲不本意な曲を入れて妥協していたようです。
(夜な夜なサークルの選曲係系の幹部と一緒にヤケ酒をしていたとか。)
彼はさらに、高校オケの音楽の雰囲気と大学オケの頭でっかちな音楽のギャップにも耐えられず、役職交代のタイミングで退部届を出したそうです。
後味は悪いですが、話をこのぐらいで閉めさせていただきます。
(回避するためにインカレと言う手段もありますね。インカレはそれはそれで苦労はありますが、私は悪くない選択だとは思います。)
年寄りの妄言に最後まで耳を傾けて頂きありがとうございました。
これを見た人の中には「これは全く馬鹿げた意見だ!聞く必要もない!」と言う人もいると思います。
様々な人が音楽に、学生オケにそれぞれの思い入れ・考えを持つことは当然の事ですし、私とは真逆の事を思う人間がいることにも何ら疑問はありません。
ただ、こういう意見があると言う事を頭の片隅に入れて頂ければと思います。
私は皆さんに学生オケをするなとは言いません。むしろ積極的に参加して欲しいと思っています。
文字数オーバーになってしまった前回(http://anond.hatelabo.jp/20131229045340)の続きである。
『ロジック・ロック・フェスティバル』において、警察に通報すべきだと意見するのは、ヒロイン(鋸りり子)である。
りり子は穏やかな声音で言葉を重ねた。もっともその中には、最後の審判を告げるガブリエルのごとき決然さをも含んでいたが。
「先ほども申しましたが、会長の心境には私自身強い同情を感じています。ただ……人が一人死んでいるという状況、命を落としたという事実に対して応じることは、やはり何にも増して優先されるべきだと思います。どんな信念、心情を差し置いても、です」
これに会長が返答をする前にある人物によって言葉が差し挟まれた。
「そ、その通りです……!」
金牛事務員だった。彼は周りを窺いながらもごもごと続ける。
「……会長さん、でしたっけ? お気持ちは分からないでもないですが、これはやっぱり一刻も早く警察を呼ぶべきです。議論をしている間にも、ほら、時間経過と共に重要な手掛かりが失われているかもしれないですし……」
『天帝のはしたなき果実』において、警察に通報すべきだと意見するのは、志度一馬である。
(中略)
「アタシの臓腑(はらわた)は今煮えくりかえってるわ。だからこそ、一刻も早く腐れ下手人が死刑になればいいと思ってる。そのためには通報すべきよ。それに、ひとの生き死に以上の優先事はないわ。たとえ音楽だろうと」
人の死は何事にも優先されるという理由が一致している。
『ロジック・ロック・フェスティバル』において、多数決で決めるとの宣言はなされない。生徒会長(衿井雪)とヒロイン(鋸りり子)の意見に続く形で、副会長(成宮鳴海)が会長の意見を支持したことにより、多数決の流れが自然にできる。
「一時沈黙、に一票ということです。鋸さんとも対立することになってしまいますね。しかしここはどうか目を瞑っていただきたい」
多数決の結果が決まった後に、多数決という方法で決めたのが正しかったのか山手線太郎が意見する場面がある。
「そんな取り違えはしてないよ。ただ行動の選択に時間を取られていてはいつまでたっても行動自体を起こせない。今は総意をある程度一致させてとにかく動き出すべきだと思う」
『天帝のはしたなき果実』において、部長(柏木照穂)が多数決で決めることを宣言する。
「決を採る。それには全員従うこと(この面子だと――)」と柏木。
「多数決で決めていいことなの? 瀆魂(とくこん)じゃない?」詩織さんが遺体を見遣った。
「どっちの意見を容れても、すぐ行動しなきゃいけない。みっちり討議してる暇がない」と柏木。
多数決で通報するか否かを決める理由を、すぐに行動しなければならないからとするのが共通点である。
『ロジック・ロック・フェスティバル』において、「警察に通報しないことを、倫理的に糾弾する」のは山手線太郎である。
「――いいえ、速やかに通報するべきですよ」
そう言い切って、副会長の前に颯爽と立ちはだかったのは線太郎だった。一瞬、二人の男の正義がぶつかり合う音が聞こえた気がした。
「会長の鷹松祭への熱意も、それを慮る副会長の誠意も、最大限に斟酌したいと思います。でもやはりそれとこれとは別問題と言わざるを得ない。通報を保留し、再度この部屋に鍵を掛けて、知らぬ存ぜぬでさあ鷹松祭ですか? 死者を前に失礼ですが、僕は生前、灘瀬先生のことをあまり快く思ってはいませんでした。そんな僕でもこんな所業はあんまりだと思います」
『天帝のはしたなき果実』において、「警察に通報しないことを、倫理的に糾弾する」のは切間玄である。
「敢えていうけど(デンク・マール・ナッハ)」と切間。「奥平事件なんてあれだけ先陣争いみたいな捜査して、あれだけ関係のない可能性の高い生徒、総ざらえで調べたんやで。それでも解決してへん。まして発見者が協力せえへんかったら」
上記引用した「糾弾」がはたして「倫理的」なものかどうかは私には判断できなかったが、該当する部分が他になかったので上記部分を引用した。
『ロジック・ロック・フェスティバル』において、沈黙派が3人(衿井雪、成宮鳴海、万亀千鶴)、通報派が3人(鋸りり子、金丸遥、山手線太郎)で同数となる。最後に主人公(中村あき)が沈黙に一票を入れ、通報しないことが決まる。
なんてったってこれで三対三、通報か否かを巡る決議はもつれにもつれていた。本来、人様の死に対し、こんなやり方で接することなんて許されない。そんなのは分かっている――分かりきっているけれど、今はそんな採決の図式を思い描かないわけにはいかなかった。
事実、僕以外の全員の目がこちらに向けられている。
「僕は――」集まる注目の中、僕はおもむろに口を開いた。「沈黙を支持します」
『天帝のはしたなき果実』において、沈黙派が3人(志度一馬、修野まり、切間玄)、通報派が3人(古野まほろ、穴井戸栄子、上巣由香里)、棄権が1人(峰葉詩織)で同数となる。最後に部長(柏木一馬)が沈黙に一票を入れ、通報しないことが決まる。
「棄権する」
「はい?」柏木が、いや一同が眉を寄せる。「棄権は想定してないんだけど」
「どちらを選ぶにしても、失われるものが多すぎますわ。あたしには決められない」
「珍しいな、瞬殺(ブリッシュラーク)の詩織さんがよう決められへんなんて、理由訊いてええか?」
「黙秘権を行使します。それに理由を説明したところで、そしてみんなが納得しなかったところで、あたしの意見は変わりません。以上」彼女は以降の意思疎通を拒否した。
「最後は僕か」部長はため息を8拍ほど延ばした。「通報はしない」
『ロジック・ロック・フェスティバル』において、実況見分をしようと提案するのは会長(衿井雪)である。「15. 現場検証」をまるまる使って実況見分する様が描かれる。
「ではまず、手早く研究室内の様相を検めようか。その後、施錠したら私たちも粛々とここを立ち去るべきだ。いまでさえグレーだというのにここで長居していたら、余計に捜査が入った時に疑われる」
『天帝のはしたなき果実』において、実況見分をしようと提案するのは修野まりである。
「なら」由香里ちゃんがいった。「ここは撤収すべきですね、粛々と、急いで」
「もちろん」修野嬢がいった。「この部屋に何がどのように配置されているのか、確認してからだけど」
「どうして?」栄子さんが訊いた。「当面の間、知らぬ存ぜぬを通すんでしょう?」
「まり、『犯人』よ。『容疑者』でもいいけど」詩織さんが微苦笑した。その声は何か哀しかった。
「――犯人による現場改変に対処するため。いまひとつは犯人を特定するためよ。ただし前者については」修野嬢は呼吸をずらした。「瀬尾先生がいまカードキィをお持ちなら成り立たない理由だけど」
『ロジック・ロック・フェスティバル』において、現場から移動するように提案するのは生徒会長(衿井雪)だ(上記引用部分参照)。その理由は「余計に捜査が入った時に疑われる」との判断だからだ。移動先に音楽室を挙げるのは副会長(成宮鳴海)である。
「音楽室はどうでしょう?」と副会長。「今は誰もいないはずです」
音楽室は鷹松学園の新館でも旧館でもない、別館にあった。吹奏楽班や合唱班には別に練習室が設けられている関係上、入っていくのを見られたら何をしに行くのかと怪しまれるかもしれないものの、それさえ注意すれば後夜祭以後のイベントの間、ほぼ百パーセント誰も入ってこないような場所である。
こうして音楽室で落ち合うことに満場一致で決まり、すぐにそれぞれの組で行動を開始した。
『天帝のはしたなき果実』において、現場から移動するように提案するのは上巣由香里だ(上記引用部分参照)。移動先に第4会議室を挙げるのは部長(柏木照穂)である。その理由は相互監視をするためだ。会話文内にある括弧は柏木の心の声である。主人公(古野まほろ)は柏木の心の声を聴くことができるという設定がある。
「一馬」部長がいった。「一馬、美術得意だったよね。まほと見取図を作ってくれ。切間と僕で先生の遺体を改める。女性陣は第4会議室に先行して」
「柏木、きみは」僕は口を挟んだ。「僕らのなかに、教師殺しがいると?」
「(そのとおり)その議論は引っ越ししてからだ。誰も来ないとは思うけど、急ごう」
古野まほろ(作者)は「現場に留まるのは危険、との判断から」を「同一性」としているが、『ロジック・ロック・フェスティバル』においては捜査が行われたときに疑われるからであり、『天帝のはしたなき果実』においては相互監視をするためなので「同一性」とは言いがたい。
また「無人の部屋」とあるが、『ロジック・ロック・フェスティバル』における音楽室は無人の部屋だが、『天帝のはしたなき果実』における第4会議室は無人ではない。アンサンブル・コンテンストの運営を手伝っている勁草館高校の生徒の控室であり、実際に訪れた際にも内田という生徒が中にいる。
「あ、柏木先輩。例のおつかい終わりました」内田が焼きそば(大盛)を啜りながらいった。
「ここの部屋は」でんでんでん、と軍人のごとく爆進(ばくしん)しながら柏木が訊いた。「勁草館(うち)の人間以外は来ないんだね?」
古野まほろ(作者)側の主張に沿って見れば、勁草館生徒は事件関係者であり「(事件関係者以外は)無人の部屋」と無理矢理解釈することもできなくはないが、普通に考えれば第4会議室は「無人の部屋」ではなく、こちらも「同一性」とは言いがたい。
『ロジック・ロック・フェスティバル』と『天帝のはしたなき果実』を両方読了した印象としては、影響を受けているのは間違いないと感じた。今回検証した被害者のキャラクター造形と警察に通報しないことを多数決で決めるシーンは明らかに参考にしている。とはいえ文節単位の剽窃はなく、仮に裁判になったとしても著作権侵害との判断が下されるかどうかは微妙なところだ。
上記のように細部を比較すると必ずしも「同一性」と呼べない部分もある。箇条書きマジックを演出するために無理矢理同一だと主張した部分もあったのではないだろうか。とはいえ私が参照したのは旧訳であり、新訳では同一なのかもしれない。
中村あきの星海社FICTIONS新人賞を受賞したデビュー作『ロジック・ロック・フェスティバル』が、古野まほろのメフィスト賞を受賞したデビュー作『天帝のはしたなき果実』と類似していると指摘され一部で話題になっている。『ロジック・ロック・フェスティバル』に続いて『天帝のはしたなき果実』を読了したので、前回(http://anond.hatelabo.jp/20131221141558)に続いて比較検証していきたいと思う。ちなみに私が読んだのは講談社ノベルス版(通称「旧訳」)である。古野まほろとしては全面改稿した幻冬舎文庫版(通称「新訳」)を決定稿としたいようだが、諸事情から旧訳を参考とした。以下の比較検証において新訳では違ってくる部分があることをあらかじめ了承いただきたい。
12月7日にTwitterに於いて古野まほろが「関係性の説明」をした。それは大きく分けて【学校の設定】【死体発見時の言動等】【推理合戦】の3点である。今回はその中から【死体発見時の言動等】について検証していきたい。古野まほろが挙げた「同一性」は以下の通りである。
・警察への通報を拒否する理由は、高校生として「重要なイベント」のためである
・結果、その場にいる生徒による、多数決が行われる
・最後の一票により、イベントを優先して通報しないことが決まる
1つ1つの要素の問題ではありません(要素で見ても厳しいかな、とは思いますが・・・)。私が問題にしているのは、これらすべての要素の「組合せ」です。このような「組合せ」が、まったく別個の作家により、偶然に案出される可能性は、ゼロです。死体発見時の言動等もまた「同一性」の問題です。
古野まほろ(作者)は「死体発見時の言動等」と銘打っているが、前半は被害者の特徴についてである。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、メインとなる密室殺人事件の被害者となるのは「灘瀬朝臣(なだせあそん)」である。灘瀬について記述してある部分を引用したい。
ねちねちとした口調、ねめつけるような視線、四十代半ばにして既に注意信号の頭髪、加えて誰が言い出したかセクハラ疑惑まで併せ持った社会科担当の教諭、灘瀬――なんとか。失礼、フルネームは存じ上げない。専門も世界史だったか倫理だったか。
灘瀬朝臣は社会科担当教諭であり、専門が世界史なのか倫理なのかは本文中で特定されていない。高校で世界史を教えるのに必要なのは「高等学校教諭一種免許状(地理歴史)」であり、倫理を教えるのに必要なのは「高等学校教諭一種免許状(公民)」だ。それぞれ別ではあるが、実際は両方を取得しどちらも教えるというケースが多い。
『天帝のはしたなき果実』において殺人事件は何度か起こるが、メインとなる首無し殺人事件の被害者となったのは「瀬尾兵太(せおひょうた)」である。瀬尾兵太は世界史担当教諭である。本文中に世界史以外の社会科科目を教えているとの記述はない。
黄昏の音楽室に入ってきたのは、我が県立勁草館高等学校で世界史の教師を勤めるとともに、同校吹奏楽部の顧問に任じる瀬尾兵太だ。
「要素」で判断する限りは「社会科担当教諭(専門は世界史か倫理か不明)」と「世界史担当教諭」を「同一性」と表現するのは厳密な意味においては正確ではない。だが、少なくとも数学と英語のように全く関係がない教科ではなく、非常に類似している「要素」であるといえる。
『ロジック・ロック・フェスティバル』において、被害者(灘瀬朝臣)の特徴が「理不尽な質問と悪態」であることは、さきほど引用した文のすぐ後に書かれている。特筆すべきなのは、実際に灘瀬朝臣が生徒に理不尽な質問をしたり、答えられない生徒に悪態をつくような場面が一切登場しないことだ。設定として生徒に恨まれる理由があることを示す以上のものはない。
根も葉もない噂には同情を禁じ得ないけれど、彼を生理的に受け付けない生徒は多そうだ。授業も理不尽な質問を当てるし、答えられない生徒には悪態もつく。
『天帝のはしたなき果実』において、被害者(瀬尾兵太)の特徴が「理不尽な質問と悪態」と断言していいものかは迷う。『ロジック・ロック・フェスティバル』の灘瀬朝臣がただの記号として描かれているのに対し、瀬尾兵太ははるかに血の通ったキャラクターで、特徴として挙げるべき点が複数あるからだ。主人公たちの所属する吹奏楽部のOBであるとか、東京帝大法学部出身であるとか、胸に大きな緑色の宝石を付けているとか、語学の達人であるとか……。
そこで、まずは「理不尽な質問と悪態」に該当しそうな部分を探してみることにする。第一章から瀬尾兵太が生徒に質問するシーンを抜粋したのが以下だ。
「p、って何だ」
「阿呆(ドゥラーク)かお前! 確かにfは『強く』でもいいが、pは『静かに』。(後略)
「あと峰葉、お前は腕立て二セット追加だ――理由は?」
「唇に歌口(マッピ)の跡が付きすぎて興を削ぐな。何でそうなるんだ?」
「それは何でだ?」
(前略)音がボケてる。どうしてだ?」
「舌遣い(タンギング)が柔かすぎたからでしょうか(はふう、想定の範囲内)」
瀬尾兵太が吹奏楽部の録音を聴いて指導する場面である。「理不尽」かどうかは判断が分かれるところだが、「質問」をすることによって生徒にどこがよくなかったのか自ら考えさせるのが瀬尾兵太のやり方のようだ。そして適切な答えを返せなかった生徒には、「阿呆かお前!」と悪態をついている。「悪態」については具体的にその言葉が出てくる箇所がある。
「まずは誰も口論の当事者だって名乗りでてこないからです。瀬尾先生の悪態というか音楽に関しての辛辣かつストレートな要求は今に始まったことじゃありません。誰だって何度もボコボコにされてます」
この発言をした登場人物は瀬尾の言動は「悪態」そのものではなく、「悪態」と表現してもいいような「音楽に関しての辛辣かつストレートな要求」と認識しているようだ。
これまでに記述したとおりメインとなる殺人事件を比較した場合、『ロジック・ロック・フェスティバル』も『天帝のはしたなき果実』も「被害者は、成年男性1人」で間違いない。しかし『ロジック・ロック・フェスティバル』は日常の謎を解く場面がいくつかあったのち、メインとなる密室殺人事件が描かれるのに対し、『天帝のはしたなき果実』は連続殺人事件を扱っている。その被害者は男子生徒、女子生徒、教師(これが「成年男性1人」に当たる)である。つまり、メインとなる事件だけを比較対象にした場合「同一性」に該当するが、比較対象を物語全体に敷衍した場合「同一性」には該当しないことになる。
「クローズドな施設」という表現が、含みを持たせている。ミステリーにおいては「密室」と「クローズド・サークル」というふたつの閉鎖状況がある。『ロジック・ロック・フェスティバル』において描かれるのは密室殺人事件だ。文化祭開催期間中に、密室となった社会科研究室で死体が発見される。
「……密室」
僕らが入ってきたドアは確かに鍵が掛かっていた。もう一方のドアは元よりガムテープでがちがちに封鎖されて閉め切りになっており、出入り口としての役目を完全に放棄させられている。四つある窓全てにしっかり施錠されているのが確認できるし、廊下側の壁の上部・下部にそれぞれ設けられた換気用の小窓もご丁寧に施錠がなされていた。
高校の敷地や建物は文化祭期間中で一般にも広く開放されているので「クローズド・サークル」ではない。しかし、社会科研究室を含む四階は、唯一の階段がふたりのバスケットボール部員によって監視されている。
「はい、そうみたいでした。なのであたし、立ち聞きする気はなかったんですが、会話の内容が耳に入ってしまったんです。彼女たちはこう言ってましたよね、『私たちがいる間にここを通ったのは、会長と副会長、あと実行補佐の四人で全部です』って」
『天帝のはしたなき果実』において、メインとなる首無し殺人事件が起こるのは、アンサンブルコンテスト県大会が行われている姫山市文化会館の第7楽屋である。この第7楽屋には死体発見時に鍵が掛けられていたが、オートロック式で関係者が鍵を持っていたこともあり「密室」とは呼べない。
ここの楽屋はオートロック式で、カードキィを持っていなければ開かない代わりに、内側からは鍵もチェーンも掛けられない珍しい扉になっています(朝のミーティングのとき瀬尾がいいましたね)。
姫山市文化会館は一般に広く開放されている公共施設であるので「クローズド・サークル」ではない。しかし、楽屋を含むエリアは関係者以外立ち入り禁止となっている。
「非公開区域にはリボンないと入れへんし、第7楽屋のドアは専用のカードキィないと入れへんで、念のため。借りたら記録残るし」
鷹松学園も姫山市文化会館も一般に広く開放されている。しかし「クローズドな施設」という含みを持った表現をすれば、どちらの作品も外部との出入りが制限される場所で死体が発見されており、当てはまることになる。
ここから死体発見時の状況になる。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、被害者(灘瀬朝臣)の死体を発見するのは、主人公(中村あき)、山手線太郎、鋸りりこ、万亀千鶴、生徒会長(衿井雪)、副会長(成宮鳴海)の6人である。
四階に辿り着くと、そこにはなんと会長までもが参席していた。
「鍵、持ってきてくれたか! 早く、嫌な予感がする」
既に事態も把握しているようだ。
走り寄って僕がポケットから鍵を取り出すと、会長が引っつかむようにしてさっさと鍵穴へ差し込んだ。
かちり、と確かに鍵の外れる音。
社会科研究室の扉が開くと、中から冷気が溢れ出した。エアコンがかけっ放しらしい。何か異様な雰囲気と共に、確かな臭気がその中に感じ取れた。
「うっ……なに、この臭い」
千鶴が鼻を押さえる。
呼び掛けながら室内に足を踏み入れる会長。僕がその後に続いた。
研究室の入り口付近は左手にすぐ壁、そして右手に本棚といった配置である。そのため本棚が途切れたところで、ようやく部屋の全容が見渡せた。
目に飛び込んでくるのは痛いほど鮮かで、残酷な色彩。
一面の赤色。
血の海。
赤の海。
そこに沈む、ぐにゃりとした男の体。
深紅に溺れる、こと切れた灘瀬がそこにいた。
『天帝のはしたなき果実』において、被害者(瀬尾兵太)の死体を発見するのは、主人公(古野まほろ)、峰葉詩織の2人である。
うひゃあ! 前を歩いていた瓶緑色(ボトルグリーン)のブレザー着た集団も飛び上がった。彼女はず、ずいと第7楽屋の前に立つ。「キィは?」
「こちらです」
ピ、と脳天気な電子音とともに若草色(リーフグリーン)のランプが灯る。彼女は目を伏せがちにいった。
「こんどは檸檬、買ってくるのよ。古野君の勝――」
次いで教科書どおりの、深々とした、背筋の伸びた息継ぎ(ブレス)。
「僕の、か?」
彼女の凍てついた顔を、僕は忘れない。陸奥(みちのく)の安達ケ原の姫山に、鬼籠もれりというは真実(まこと)か――
そこには、嵌め殺しの机にもたれ、ドアに背を向ける形で、瀬尾だった物体があった。
肩からうえには、首がなく。
それは、避けられない宿業のようだった。
上記に引用したとおり、『ロジック・ロック・フェスティバル』も『天帝のはしたなき果実』も「発見者が生徒である」ことは間違いない。付け加えるならどちらの作品も「死体の発見者が主人公を含む集団である」と言っていいだろう。また主人公自身が鍵を開けるのではなく、別の人物に促されて主人公が鍵を渡す点も共通点と言える。
ここからは、死体を発見したものの警察へ通報しないという判断をするシーンである。上記ふたつについて引用部分が同じなので同時に検証する。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、通報を拒否する生徒は生徒会長(衿井雪)である。その理由は自身が実行委員長として力を注いできた文化祭を最後まで終わらせたいというものである。
その時だった。
会長がすっとみんなを置き去りにするように入り口の方に向かった。そして直後、社会科研究室の扉がぴしゃりと閉じられる音が響いたのだ。
「会長……?」
不審に思い、僕も一度灘瀬の遺体から離れ、一同の輪の方へ戻ることにする。
そこから入り口を見ると、なんと会長は信じられないことに扉を背にしてその場で膝を折り、こちらに向かって土下座をしていたのだ。
それだけではない。とんでもない発議がその口からなされた。
それは誰もが理解に時間を要するほどの突飛な提案だった。
「な、何を言って……」
ようやくどうにかして言葉を発した副会長を遮って、会長は哀願するように続けた。
「分かっているんだ、これは普通の思考じゃない……異常だ、狂ってる……そんな風に思うかもしれない……それでも! それでも私は自らの全てを鷹松祭に注ぎ込んできた……実行委員長として私にはこの祭を完成させる義務がある。それだけは誰にも邪魔させない。じきに一般公開も終わる。そこから簡単な片付けがあって後夜祭、ファイアーストーム、そしてグランドフィナーレ――鷹松祭が終了を迎えるまで残り約三時間、あとたったそれだけなんだ!」会長は喘ぐように息を継いだ。「――今一度、三顧の礼を尽くして懇望する。鷹松祭の終了まで示し合わせて黙っていてはくれないだろうか」
『天帝のはしたなき果実』において、最初に通報を拒否する生徒は主人公(古野まほろ)である。その理由はすでに演奏が終わったアンサンブル・コンテスト県大会の結果が聞きたいというものである。
「差し当たり重要なことは」一馬が厳かに口火を切った。「ひとつしかないわ。通報か沈黙か。それが設問よ(ザットイズザクエスチョン)」
「僕は沈黙派だよ」と僕。
(中略)
「今通報すれば、会場は大混乱、大会どころじゃなくなる。あれだけの演奏ができたのは瀬尾のお陰だし、客観的にもその評価を得るのが供養だと思う」
2020年東京オリンピックが決定した9月8日早朝。その日、我々日本人は否が応でも7年後の日本を想像せざるを得なかったわけだが、日本の未来を予感させる出来事は同日夜の恵比寿リキッドルームでも起きていた。
今回のライブは、ceroとして久しぶりのワンマンライブだった。タイコクラブに始まりライジングサンに至るまで、全国津々浦々と様々な夏フェスに出演してきた彼らは、一回りも二回りも成長した姿を見せてくれた。ボーカルの高城は自ら今回のライブを「文化祭」と形容したが、オープニングアクトの表現(Hyogen)や、サポートメンバーの面々と力を合わせて作り上げられたステージには文化祭のごとく熱いエネルギーが集約されていたと言えるだろう。
満員のリキッドルームで観客たちが開演を待ちわびる中、開幕したステージに現れた高城。ZAZEN BOYSよろしく「死ぬほど練習をして、マツリスタジオで練習をぶちあげてきたので」と観客から笑いをとる。そして、告知されていなかったオープニングアクトである表現を紹介するとさっと身を引き、表現の演奏が始まる。
アコーディオン、バイオリン(一曲目のみ)、アコースティックギター、ウッドベースの4人組からなる表現はceroと関わりの深いバンドだ。ギターの古川は高城と高校の頃からの知人であり、その後もceroと表現で互いに切磋琢磨してきた仲だ。お互い尊敬しあえるバンドとして成長を遂げた両者が集い、久しぶりの対バンとして出演する彼らを見て高城は舞台袖で涙を流していたそうだ。
さて、表現の演奏はというと、全員がコーラスを務めているのが特徴的だ。セリフのような歌詞をメンバー全員が声を張って歌いあげる様はまるでミュージカルのようである。スキャットやハミングを多用し、途中ポエトリーリーディングのようなシーンも挟まれることによって、声の持つ魔力を改めて感じさせられた。もちろん楽器の演奏も素晴らしく、アンプラグドな楽器のアンサンブルによるオーガニックなサウンドは、その名に恥じぬオリジナルな「表現」となっていた。ceroがコンテンポラリーでエキゾチックなロックオーケストラであるのと同様に、彼らもまた名前通りに素晴らしいバンドであった。
ceroを見に来た観客も大満足のオープニングアクトであったが、ceroの開演までは20分ほどの転換があった。幕の裏から聞こえてくる様々な曲の断片は、これから始まる演奏への期待を高めるには十分だった。
いざ幕が上がり、「セロセロセーロ」と叫び続ける入場曲と入れ替わりで始まった一曲目は“水平線のバラード”。ステージには点滅する6本の蛍光灯を背景に、メンバーが立っており、イントロはスタジオ版にないトランペットから始まった。しっとりとした雰囲気で始まったステージだが、ノルウェイの森風のイントロから入り軽快なラップが冴える二曲目“ワールドレコード”でフロアのテンションは急激に引き上げられる。続く三曲目“マウンテンマウンテン”の4つ打ち部分では後ろの方までほぼ全員が音に身を委ね踊っていた。
盛り上がった後一息つくかのように挟まれたMCで、高城はceroと表現の辿ってきた道を振り返る。そして「世界で唯一表現の全員とデュオを組んだことがある人」と名乗る荒内を「音楽ビッチ」呼ばわりするなどしてステージが暖かな笑いに包まれたところで次の演奏へ。
いつの間にかステージから消えて戻ってきた高城。傘を片手にレインコートを羽織った高城が歌うのは“21世紀の日照りの都に雨が降る”だ。続く“エキゾチックペンギンナイト”では「パーパパパー」と全員が高らかに叫び、フロアをより一層祝祭的空間へと引き込む。少し落ち着いて始まった“クラウドナイン”も結局はcero特有の「祭」感へと収束していくのだった。
二度目のMCはサポートメンバーの紹介から始まる。今までになく多くのサポートメンバーを迎えた今回は、ceroのメンバー3人+サポート5人の8人編成だ。トランペットやスティール・パンをこなすマルチプレイヤーMC sirafuのみならず、サックスやタンバリンを担当したあだち麗三郎、表現での演奏とは変わってパーカッションの古川麦、ドラムの光永渉、ベースの厚海義朗という5人のサポートメンバーがそれぞれ紹介される。
ひと通りメンバー紹介が終わると、スタジオ版に比べて遅く重厚な“大洪水時代”のイントロが始まる。この曲から始まったVIDEO TAPE MUSICによるVJは、フェイザーのかけられたノイズギターと相まって、我々を水中へと誘う。そして、ノイズの海の中へと一筋の光が射すかのように響き渡るのは、高城によるフルートの音色だ。最後には全員がしゃがみ、背景であったスクリーンが前景化される。水中の映像、そして流水音のSEと水の映像しか受け取ることの出来ない状況はまさに大洪水時代といったところか。そして、海つながりで次に演奏されたのは“船上パーティー”。VJには男女の横顔が交互に映り、高城は一人二役でセリフを言い合う。スタジオ版でも印象的な「ちょっと待った!」のセリフの後はじれったいほどのタメにより、聴衆をより一層演奏へと引き付ける。そうして引き付けられた我々観客が次に耳にするのは新曲、“我が名はスカラベ”。メルヘンチックな歌詞とVJは、初めて聞く我々も十分楽しめるものであり、聴衆はみなceroのニューリリースへの待ち遠しさを煽られたに違いない。
新曲披露後のMCでは、大洪水時代から加わったVIDEO TAPE MUSICの紹介。そして最近高城のハマっている「文化祭」というキーワードに関連してTwitterにおける高校生のつぶやきや、ceroのメンバーそれぞれの思い出などと話が弾む。
再びメンバー紹介から入った曲は“Contemporary Tokyo Cruise”。本ワンマンライブの表題曲とでもいうべきこの曲ではミラーボールがきらめき、最も「祭」感のある曲だったかもしれない。そして音は途切れることなく、思わせぶりな長い間奏から始まったのは“マイ・ロスト・シティ”。2ndアルバムの表題曲でもあるこの曲では「ダンスをとめるな」という歌詞、その通り踊り続ける客、ダンスをする人々を映すVJが一体となっていた。
短めのMCを挟んだ後、演奏されたのはまたもや新曲、“yellow mangus”。ムーディーなサックスから始まり展開されるのはceroお得意のディスコビート。そしてこれまた長めの間奏からはじまるのは“わたしのすがた”。途中挟まれる8ビートの部分では赤い照明が似合うほど激しい展開で、普段とは違った一面を見せてくれた。
最後の曲の前には今後の活動を仄めかすようなMCを挟み、演奏されたのは“さん!”。観客と共に「いち!に!さん!」と高らかに叫んだ高城は29歳の文化祭、最後の盛り上がりを演出した。
しかし、我々の文化祭はまだ終わらない。アンコールを期待する拍手に応えて登場したのは高城と橋本。残りのメンバーも続々と登場し、最後の最後に演奏されたのは“大停電の夜に”。ゆったりとしたメロディーはまるで蛍の光のように、我々を切なくも満たされた気分へと導き、文化祭は幕を閉じた。
実は、最後のMCにおいてなんとも頼もしい言葉があった。高城は、表現やVIDEO TAPEMUSICのような仲間たちを見ている中で「日本の音楽がこれからまたちょっと変わっていくんじゃないかな」という実感を述べた後に、「俺達が変えるぞみたいな気概を感じている」と宣言したのだ。変わりゆく東京の風景、そして変わりゆく日本の音楽シーン。7年後、東京オリンピック開催を前に我々はこの日をどのように思い出すだろうか。29歳の文化祭には「ここから何かが変わっていきそう」な予感、そして希望に満ちあふれていた。あの晩、もしかしたら我々は時代の目撃者となったのかもしれない。
前日は空が白むのを見てから寝たにも関わらず、暑さゆえに8時過ぎ起床。
テントサイトにて、フジロック初回から参加し続ける猛者たちと杯を交わす。
潰れる一歩寸前まで日本酒を飲み、大声で歌いながらライブ会場へ。
・青葉市子
前野健太とソープランダーズを見逃し、フジロック2日目は森の中の青葉市子からスタート。
会場は、青葉市子に似つかわしく、森の中にぽつんとある一番小さなステージ。狭いながらも超満員。
心地良い演奏にうとうととしてしまい、椅子から転げ落ちそうになったため次のライブに移動。
青葉市子の弾き語りは2週間前に下北沢音楽祭で見たし、前日の深夜にもピラミッドガーデンにて見ていたので特に感想はなし。
なんか日本のバンドっぽくない印象。逆輸入アーティストだからまぁそりゃそうなんだけど。
日本のバンドは演奏が上手く、サウンドメイキングにより強烈な個性を出すのは苦手、
そして海外のバンドはサウンドメイキングにより表面的な個性を打ち出すのが上手く演奏は下手くそ
というイメージを勝手にもっているのだが、トクマルシューゴは後者に該当した。
演奏は下手くそというとさすがに言い過ぎだが、難しいギターのフレーズはCD音源のほうが綺麗に弾けてるし、バンドのアンサンブルもなんとなくだけどそこまで息がピッタリという雰囲気でもなかった。
前日にギターの達人たちを見たからハードルが上がってたのかな?
しかしおもちゃ箱を開けたようなサウンドはライブでも健在であり、楽しいライブであることは間違いなかった。
そういえばドラムの人が目測で身長190以上あって存在感半端無かった。
・SUZANNE VEGA
本当はオレンジコートでVERY BE CAREFULというクンビアバンドを見たかったが、豪雨により断念。
フィールド・オブ・ヘブンのTシャツ屋でなんと2時間近く雨宿りをして意地でSUZANNE VEGAを見る。
何度テントに帰りたいと思ったことか。まぁこの時テントは雨漏りしまくっていたわけだが。
しかし演奏は素晴らしかった。フジロック三日間を通してのベストソングは間違いなくSUZANNE VEGAのLUKAだろう。
LUKAのリリースからは既に26年が経過しており、声の変化が心配だったが、そんなのは杞憂に過ぎなかった。
バンド編成はなんとアコギを抱えたSUZANNE VEGAとエレキギターのおじさんのみ。
エレキギターのおじさんはルーパーを巧みに操り1人でドラムとベースとリズム&リードギターをこなしていた。
最初は「おいおい手抜きかよ」と思ったが、今思えば逆にそれが功を奏していたといえる。
このシンプルな構成により、LUKAに限らずSUZANNE VEGAの声が前景化して、より感動的に仕上がっていた。
リバーブが思いっきりかかったおじさんのギターソロも際立っていた。
豪雨によりずぶ濡れになった服を着替え、少し遅れてレッドマーキーへ。
ボーカルはスーツに黒い革手袋!真紅の帳に舞い降りた漆黒の歌い手!
いやー、モニターに足をかけて客席を指差すとかもう完全にV系です、ありがとうございました。
This song is called〜〜って演奏前にいう感じもなんか外国語ながら中二感を感じざるを得ないw
遅れて行ったからか、Wonderful Lifeが聞けなかった。
・KENDRICK LAMAR
ビョークはあんまりわからないし、死ぬほど混んでいたのでさらにわからないKENDRICK LAMARへ。
なんと10列目でラーメンが食べられるほど空いておりましたが、ライブ自体はとてもよかった。
まずDJセットではなくバンドセットで、B-BOYたちがバンドをやっている姿はなんともシュールだったw
そして、今風なアンビエント的R&Bみたいなのを生で初めて聞いたのだが、あの手のものは音圧が半端無いんだということを知った。
Frank OceanとかJames Blakeとかも生で聞いたら恐らく音の風が吹いてくるみたいな感じなんだろう。
KENDRICK LAMARはとにかくアンダーグラウンドのワルみたいな雰囲気で、なぜか雨もやんでいてステージには屋根があるにも関わらず300円のビニールレインコートを着ていたw
スヌープドッグがシャンプーハットをファッションとして着ていたりするが、これもそういうことなのだろうか…
フジロックベストアクト、エンターテイメント部門はJURASSIC 5に決まりでしょう。
途中でタイコクラブで知り合った人に遭遇したり、後ろの人に声をかけられたりとテンション上がりすぎて、いつの間にか持っていたジン300mlをライブ中に飲み干していた…
ライブはショウとして完成されており、DJの二人によるショルダーCDJ(!?)とショルダーサンプラーでのライブが挟まれるなど、90分間片時も飽きさせないライブだった。
そして脱退したと思っていたカット・ケミストが生で見られたのもなかなかに感動的。
前日のDJシャドウは深夜につき断念したが、カット・ケミストのターンテーブルさばきはしっかりと目に焼き付けた…と言いたいところだが、酩酊状態につきそこまで覚えていないw
DJももちろんすごかったが、前に立つ4MCもKICK THE CAN CREWのように、それぞれキャラ分けがしっかりとなされており、コミカルなボディランゲージと共に最高のフロウを聞かせてくれた。
全てがノンストップにミックスされたライブだったので曲単位でこれがよかった!とかはあまり感じなかったが、BreakのサビやI am sombodyのコールアンドレスポンスは酩酊状態だったにも関わらず鮮明に記憶している。
全体的にショウとしての完成度で言えば直前のKENDRICK LAMARを大きく上回っていたな、まぁ比較してもしょうがないが。
この後はJURASSIC 5で声をかけてきた人とそのお友達(みなさん私よりも10歳以上年上…)に二時間以上も絡み続けて、千鳥足でテントに向かいましたとさ。
アマとはいえ弦楽器奏者の自分にとって、合奏は割と日常的な話だったりする。
それで、基本的なノウハウはどんな楽器だろうが大して変わらないと思ったら、管楽器は正直かなりトンデモに見えることをやっていたという。
まず驚いたのが、何でもかんでもチューナー頼みという話。
まあ個人練習やオケのオーボエのAのときくらいはいいけど、合奏の最中までいちいちチューナーと睨めっこして「私の音は合ってます」とかどうなのよ。
合奏において、チューナーとピッタリという程度で「音が合っている」とか「ちげーよ!」としか言いようがない。
発音体や共鳴体の組み合わせで音が大きく異なる楽器同士を、綺麗な響きで合わせるという非常に難しいことをやっているのに、チューナーを持ち出したところで全然解決策にならないと思うけど。
というか、チューナーばっかり見ていたら合うものだって合わねーよって、そんなことも分からないのだろうか。
次に驚いたのが、指揮者がいるときに棒だけを命綱にする合奏態度。
別に指揮者を当てにするなとは言わないが(まあ弦は基本あんまり当てにしてないんだけど)、お互いが自発的に聞き合って連携しているところに棒が介入し、グランドデザイン的な道標になるのが順序じゃねーの?
というか指揮者からしてみたら万が一の振り間違い→アンサンブル大崩壊とか、恐怖以外の何者でもないだろう。
というわけで、ここまで「そう見える」だけで書いてみた。
アマオケで弦をやって10年以上経つけど、未だに管の人達の曲の嗜好がよく分からなかったりする。
とにかく管の人達って、ロマン派後期から近現代の音楽をやりたがる感じなのだ。
近現代くらいからしか定席のないトロンボーンやチューバがこの傾向なのはまだ分かる。
ティンパニ以外の打楽器も、やはり近現代から積極活用され始めたので、これまたそっちをやりたいだろうと思う。
しかし木管やトランペット・ホルンまで含めて、総じて上に書いたような、言い換えれば「割と大編成志向」なのはどういうことだろう。
スコア眺めてる限り、モーツァルトやベートーヴェンやブラームスの管楽器パートだって十二分に面白そうなのになあ。
木管ホルンの深みのある印象的なアンサンブル、トランペットとティンパニのカッコいいアクセント、どれも弦じゃ絶対経験できないし。
ちなみに弦の意見として言わせてもらうと「オケは弦の豊かな響きが基盤」という意識が非常に強いです。
またヴァイオリンやチェロのメソッドは古典的な造りの曲や、バロックを基本としていたり。
なのでそれに沿ったオーケストレーションをする古典派~ロマン派前期くらいが、どうしても好みになるわけで。
一方、楽器の限界に挑戦するような、弾いててやたらくたびれる書き方をしているロマン派後期以降はちょっと・・・という感じ。
管打楽器の数も多いので、それに負けないよう人をかき集めようにも、曲によっては技術的に難しすぎて、ゲネ本しか来ないようなエキストラにはまず期待できないなんて事情も。
ずいぶん昔に流行った「13歳のハローワーク」に書いてある内容で気になったから書いてみる
ハローワークによると日本で指揮者だけを職業にして生活できる人は10人にも満たないそうです。
一般的な収入をいくらと定義するかわからないけど、そこそこ儲かるのでここに書き留めたい。
年収は結構幅があるのだけど大体ここ数年だと650~900万円くらい。貯蓄は1800万円を越えたぐらい。
月額の収入は手取り換算してると35万円~80万円くらいになる。
収入に幅が出てしまうのは、自営業の不安定さだと思う。自分が病気になったり倒れたりしたらそれで
おしましだし。
主な仕事だと
録音、音楽教室、国が絡む事業、舞台関係、ピアノ、アマチュア公演、アマチュア指導、プロ公演の仕事で
成り立ってます。
録音について
劇伴といわれる仕事だったり。まずは歌手とか芸能関係の人のCDのバックミュージックの録音。丸1日くら
いスタジオで録音に携わります。指揮者というより前に立ってアンサンブルをまとめる仕事。必要かと言わ
れれば必要だけど、斜陽産業だと思う。某テーマパークの録音とか、需要自体はまだまだ10年くらいあると
思う。
ギャラは今のところ悪くないけど 月々10万円くらいは何かしら録音がらみの仕事がある。
あとスタジオに呼ばれるミュージシャンは結構固定されてくる。1つの楽器ができる人よりも1人で3つ~4つ
できる人だと、かなりの率で遭遇する。
よく小学校とかにプロの人たちが1時間くらい体育館とかで演奏するやつ。
地方のプロは定期公演だけでなくてこういう地方巡業みたいなのします。これは比較的ギャラ安いので自分
のような定期公演を振れない指揮者に回ってきます。ギャラは限りなく安いけど、うまく気に入られれば大
きめな公演に使ってもらえる。ちなみに若手の仕事なので少し昔より減ってきたかなという感じ
これも月10~15万円くらいの収入で大体移動とか含めて3日とか使うケースがある。いろいろな地方にいける
ので音楽家になってよかったと実感できる・・時もある
国が絡む事業
国から支援金が出て海外に行く仕事。発展途上国とか日本よりクラシック音楽が盛んじゃない地域に教えに
いったり。月々には換算できないけど50万円くらいが1年のどこかのタイミングで入る
舞台関連
短期の仕事、舞台のオーケストラピットに入って歌手に合わせて指揮をしたりミュージカルの指揮とか
名の知れたタレントが主演している舞台は期間も長くて比較的収入が良い。1日の公演数にもよる。
昼夜公演のほうがギャラは高くて、大体2万円~5万円くらい。スポンサーも年々音楽に関わる予算が厳しい
ので1公演1万円というギャラもある。人気タレントの地方巡業はギャラが厚め。
アマチュア公演
クラシック愛好家は細く長く続いているので、若手の指揮者や自分のような中堅の主な長期仕事になる
常任指揮者が1つあれば少なくとも指導料で年間100万円くらいは確保できるのが良い。ただしアマチュアは
平日の夜か土日しか練習できないので、仕事のバランスを取らないと年中仕事することになる。
本番を1つ15万円くらいでやっているので定期公演が3回あれば1つの団体で45~50万円くらい。
素人さんのオーケストラ指導に行く。本番は振らなくても練習を組み立てる指導でのギャラ。これは短発
だけど気に入られれば年間で10~20回は1団体あたり呼ばれる。これも平日夜から土日。1回のギャラは安
プロ公演
これが定期的に入れば一番良いと思う。価格はオケの規模によって違うけど数回のリハーサル含めて結構
費用対効果が高い。50万円~85万円くらいと幅がある。プロのいいところはリハーサル回数が少ないこと。
だけどプレッシャーが痛いね。個性的な社会の縮図。あとチケットノルマも課されるのでこれも重圧
オケから自分への効果は「集客」だからね。指揮者だけで100人から200人の集客できるとそれなりに重宝
はされる(動員数よりもチケット販売数のほう)
これはど単発。録音で人が足らないとき。ピアニストに頼むにもギャラが出せないくらいの時に借りださ
れる。大体半日~1日の拘束で8000円~10000円くらい。人脈つくりと割り切るとやっていける
以上です。
アマチュアの公演を年に3団体くらいと音楽教室、プロの客演の仕事が年に1回から2回と録音があれば十分に
音大でて無職とかいってる人がいるので逆に気になったのでここに書いてみた。年間1000人くらい音大卒が
「今日は一日“アニソン”三昧 Z(ゼット)」でオンエアされた曲が収録されているCDの一覧です。
最近の曲はシングル、古い曲はテーマ曲集やベストアルバムにリンクしています。
自分で買うもよし!
レンタルしてくるもよし!(新宿のTSUTAYAが、アニソンの品ぞろえ最強です。)
気に入った曲があったら聞いてみよう!
001. マジンガーZ(LIVE) / 水木一郎(「マジンガーZ」OP)
002. ボルテスVのうた / 堀江美都子、こおろぎ'73、コロムビアゆりかご会(「超電磁マシーン ボルテスV」OP)
003. 行くぞ! ゴーダム / 水木一郎、ヤング・フレッシュ(「ゴワッパー5 ゴーダム」OP)
004. LAST TRAIN -新しい朝- / knotlamp(「遊戯王5D's」OP)
005. 星のシルエット(和也のテーマ) / 芹澤廣明(「タッチ」挿入歌)
007. 風のメッセージ(達也のテーマ) / 芹澤廣明(「タッチ」挿入歌)
008. 10YEARS AFTER/米倉千尋(「OVA「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」ED)
009. JUST COMMUNICATION / TWO-MIX(「新機動戦記ガンダムW」OP)
010. Resolution / ROMANTIC MODE(「機動新世紀ガンダムX」OP)
011. 君は僕に似ている / See-Saw(「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」ED)
012. いくつもの愛をかさねて / 岩崎元是(「機動戦士Vガンダム」挿入歌)
013. 夢をかなえてドラえもん / mao コーラス:ひまわりキッズ(「ドラえもん」OP)
014. はじめてのチュウ / あんしんパパ(「キテレツ大百科」)
015. ムーンライト伝説 / DALI(「美少女戦士セーラームーン」OP)
016. 乙女のポリシー / 石田燿子(「美少女戦士セーラームーンR」ED)
017. タキシード・ミラージュ / 三石琴乃、久川綾、富沢美智恵、篠原恵美、深見梨加(「美少女戦士セーラームーンS」ED)
018. ひみつのアッコちゃん / 堀江美都子(「ひみつのアッコちゃん」OP)
019. 花の子ルンルン / 堀江美都子、ザ・チャープス(「花の子ルンルン」OP)
020. ラブ・ラブ・ミンキーモモ / 小山茉美(「魔法のプリンセス ミンキーモモ」OP)
021. デリケートに好きして / 太田貴子(「魔法の天使クリィミーマミ」OP)
022. Catch You Catch Me / グミ(「カードキャプターさくら」OP)
023. 狼少年ケン / 西六郷少年合唱団(「狼少年ケン」OP)
024. 黄金バット / ボーカル・ショップ(「黄金バット」OP)
025. スーパージェッター / 上高田少年合唱団、ナレーター:市川治(「未来から来た少年スーパージェッター」OP)
026. キューティーハニー / 前川陽子(「キューティーハニー」OP)
027. 魔法使いサリー / スリー・グレイセス(「魔法使いサリー」OP)
028. そばかすプッチー / フジ・ジュニア合唱団(「そばかすプッチー」OP)
029. 王者 侍ジャイアンツ / ロイヤルナイツ(「侍ジャイアンツ」OP)
030. ズッコのうた / 山田康雄、ヤング・フレッシュ(「アンデルセン物語」ED)
032. 異次元ストーリー / ポプラ(「夢戦士ウイングマン」OP)
034. ニルスのふしぎな旅 / 加橋かつみ(「ニルスのふしぎな旅」OP)
035. 天才バカボン / アイドル・フォー(「天才バカボン」OP)
036. Happy Girl / 喜多村英梨(「パパのいうことを聞きなさい!」OP)
037. 君をのせて / 井上あずみ(「天空の城ラピュタ」挿入歌)
038. 花のささやき / 下成佐登子(「小公女セーラ」OP)
039. 裸足のフローネ / 潘恵子(「家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ」OP)
040. My Soul, Your Beats / Lia(「Angel Beats!」OP)
042. 時を刻む唄 / Lia(「CLANNAD AFTER STORY」OP)
043. ミラクル・ガール / 永井真理子(「YAWARA!」OP)
044. アタックNo.1 / 大杉久美子(「アタックNo.1」OP)
045. しゃにむにシェイクシェイク / SWITCH(「行け!稲中卓球部」OP)
046. キラキラ キセキ / REDIEAN;MODE(「ガンバリスト! 駿」OP)
047. 立ち上がリーヨ / T-Pistonz(「イナズマイレブン」OP)
048. DAN DAN 心魅かれてく / FIELD OF VIEW(「ドラゴンボールGT」OP)
049. 君に贈るララバイ / WELCOME(「特装機兵ドルバック」ED)
050. BON BON / Hey! Say! 7(「ラブ★コンED)
051. 君がいない未来 / Do As Infinity(「犬夜叉・完結編」OP)
052. Tattoo Kiss / r.o.r/s(「カレイドスター」)
053. CAT'S EYE / ANIMETAL USA(「CAT'S♥EYE」)
054. SCARLET KNIGHT / 水樹奈々(「DOG DAYS」OP)
055. 純潔パラドックス / 水樹奈々(「BLOOD-C」ED)
056. 逆光のフリューゲル / ツヴァイウィング《風鳴翼(CV:水樹奈々)、天羽奏(CV:高山みなみ)》(「戦姫絶唱シンフォギア」劇中歌)
057. Go!Go!MANIAC / 放課後ティータイム(平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬・中野梓(CV:豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈))(「けいおん!!」OP)
058. ごはんはおかず / 放課後ティータイム[平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬・中野梓(CV:豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈](「けいおん!」ED)
059. U&I / 放課後ティータイム(平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬・中野梓(CV:豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈(「けいおん!!」劇中歌)
060. Singing! / 放課後ティータイム(平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬・中野梓(CV:豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈))(映画「けいおん!!」ED)
061. ゲキテイ(檄!帝国華撃団) / 横山智佐(真宮寺さくら)+帝国歌劇団(「サクラ大戦」OP)
062. ウィーアー! / きただに ひろし(「ONE PIECE 」OP)
063. 勇者王誕生! / 遠藤正明(「勇者王ガオガイガー」OP)
065. 魔訶不思議アドベンチャー / 高橋洋樹(「ドラゴンボール」OP)
066. プラチナ / 坂本真綾(「カードキャプターさくら」OP)
067. DangDang気になる / 中村由真(「美味しんぼ」OP)
068. NIGHT OF SUMMERSIDE / 池田政典(「きまぐれオレンジロード」OP)
069. まっ白なリングへ / 堀欣也(「がんばれ元気」OP)
070. マクロス / 藤原誠(「超時空要塞マクロス」OP)
071. ランナー(リン・ミンメイver.) / 飯島真理(「超時空要塞マクロス」)
072. SEVENTH MOON / FIREBOMBER(「マクロス7」OP)
073. VOICES / 新居昭乃(「マクロスプラス」OP)
074. トライアングラー / 坂本真綾(「マクロスF」OP)
075. 娘々FINAL ATTACK フロンティア グレイテスト☆ヒッツ! / シェリル・ノーム starring May'nランカ・リー=中島愛(劇場版「マクロスF~サヨナラノツバサ」挿入歌)
076. oblivious / Kalafina(劇場版アニメ「空の境界 第一章 俯瞰風景」)
077. Magia / Kalafina(「魔法少女まどか☆マギカ」ED)
078. to the beginning / Kalafina(「Fate/Zero」OP)
079. カントリー・ロード / 本名陽子(映画「耳をすませば」主題歌)
080. Share The World / 東方神起(「ONE PIECE」ED)
081. ゆずれない願い / 田村直美(「魔法騎士(マジックナイト)レイアース」OP)
082. ポプラ通りの家 / ピーカブー(「キャプテン・フューチャー」ED)
083. 夢ノート / azusa(「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」OP)
084. ゲッターロボ! / ささきいさお(「ゲッターロボ!」OP)
085. 勇者ライディーン / 子門真人、コロムビアゆりかご会(「勇者ライディーン」OP)
086. コン・バトラーVのテーマ / 水木一郎、ザ・ブレッスン・フォー(「超電磁ロボ コン・バトラーV」OP)
087. ドリーム・シフト / SILK(「絶対無敵ライジンオー」OP)
088. Shangri-La / angela(「蒼穹のファフナー」OP)
089. KinKiのやる気まんまんソング / Kinki Kids(「ちびまる子ちゃん」OP)
090. 勇気100% / Sexy Zone(「忍たま乱太郎」OP)
091. Sunshine / MONKEY MAJIK(「ぬらりひょんの孫」OP)
092. コールドフィンガーガール / 栗山千明(「レベルE」OP)
093. READY!! / 765PRO ALLSTARS(「THE IDOLM@STER」OP)
094. CHANGE!!!! / 765PRO ALLSTARS(「THE IDOLM@STER」OP)
095. 君が好きだと叫びたい / BAAD(「スラムダンク」OP)
096. 1/3の純情な感情 / SIAM SHADE(「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」ED)
097. YOU GET TO BURNING / 松澤由美(「機動戦艦ナデシコ」OP)
098. ギリギリchop / B'z(「名探偵コナン」OP)
099. コンディション・グリーン ~緊急発進~ / 笠原弘子(「機動警察パトレイバー」OP)
100. only my railgun / fripSide(「とある科学の超電磁砲」OP)
101. YOU / YURIA(「SHUFFLE!」OP)
102. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」 / ももいろクローバーZ(「モーレツ宇宙海賊(モーレツパイレーツ)」OP)
103. われらの旅立ち / 水木一郎(「宇宙海賊キャプテンハーロック」ED)
104. サイボーグ009 / マイスタージンガー(「サイボーグ009」OP)
105. 疾風ザブングル / 串田アキラ(「戦闘メカ ザブングル」OP)
106. わが友マジンガーZ / 水木一郎(「マジンガーZ」挿入歌)
107. 空飛ぶマジンガーZ / 水木一郎、コロムビアゆりかご会(「マジンガーZ」挿入歌)
108. ルパン三世 愛のテーマ / 水木一郎(「ルパン三世」ED)
109. バビル2世 / 水木一郎、コロムビアゆりかご会(「バビル2世」OP)
110. ペガサス幻想(ファンタジー) / MAKE-UP(「聖闘士星矢」OP)
111. 晴れてハレルヤ / 奥井亜紀(「魔法陣グルグル」OP)
112. それでも明日はやってくる / 鈴木結女(「NINKU -忍空-」ED)
113. Butter-Fly / 和田光司(「デジモンアドベンチャー」OP)
115. Reckless fire / 井出泰彰(「スクライド」OP)
116. 燃えてヒーロー / 沖田浩之・小粥よう子(「キャプテン翼」OP)
117. ゆけゆけ飛雄馬 / アンサンブル・ボッカ(「巨人の星」OP)
118. がんばれドカベン / こおろぎ‘73(「ドカベン」OP)
119. 夢を勝ちとろう / 水木一郎、セリフ:頓宮恭子(「プロゴルファー猿」OP)
120. 翔べ!ガンダム / 池田鴻(「機動戦士ガンダム」OP)
121. 空色デイズ / 中川翔子(「天元突破グレンラガン」OP)
122. マジLOVE1000% / ST☆RISH(「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE1000%」メインテーマ)
123. 星彩のRipieno / 佐咲紗花(「戦う司書 The Book of Bantorra」OP)
124. わぴこ元気予報! / 内田順子(「きんぎょ注意報!」OP)
125. もってけ!セーラーふく / 泉こなた(平野綾)、柊かがみ(加藤英美里)、柊つかさ(福原香織)、高良みゆき(遠藤綾)(「らき☆すた」OP)
126. Agape / メロキュア(「円盤皇女ワるきゅーレ」劇中歌)
127. 宇宙戦艦ヤマト / ささきいさお(「宇宙戦艦ヤマト」OP)
128. Alright!ハートキャッチプリキュア! / 池田彩(「ハートキャッチプリキュア!」OP)
130. ブルーウォーター / 森川美穂(「ふしぎの海のナディア」OP)
131. 輪舞-revolution / 奥井雅美(「少女革命ウテナ」OP)
132. 路地裏の宇宙少年 / ザ・コブラツイスターズ(「地球防衛企業ダイ・ガード」OP)
133. 覚醒ヒロイズム〜THE HERO WITHOUT A "NAME"〜 / アンティック-珈琲店-(「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-」OP)
136. ハレ晴レユカイ / 平野綾、茅原実里、後藤邑子(「涼宮ハルヒの憂鬱」ED)
137. COLORS / FLOW(「コードギアス 反逆のルルーシュ」OP)
138. コネクト / ClariS(「魔法少女まどか☆マギカ」OP)
140. 残酷な天使のテーゼ / 高橋洋子(「新世紀エヴァンゲリオン」OP)
141. アンバランスなkissをして / 高橋ひろ(「幽☆遊☆白書」ED)
142. My Heart 言い出せない、Your Heart 確かめたい / GODDESS FAMILY CLUB (OVA版「ああっ女神さまっ」OP)
143. 恋愛サーキュレーション / 千石撫子(CV:花澤香菜)(「化物語」OP)
144. もどかしい世界の上で / 牧野由依(「N・H・Kにようこそ!」ED)
145. リトルグッバイ / ROCKY CHACK(「ゼーガペイン」ED)
146. 七転八起☆至上主義!/ KOTOKO(「ハヤテのごとく!」OP)
147. オリオンをなぞる / UNISON SQUARE GARDEN(「TIGER & BUNNY」OP)
148. 君の知らない物語 / supercell(「化物語」テーマソング)
149. 裏切りの夕焼け / THEATRE BROOK(「デュラララ!!」OP)
150. おれはグレートマジンガー(LIVE) / 水木一郎(「グレートマジンガー」OP)
151. グランプリの鷹 / 水木一郎(「アローエンブレムグランプリの鷹」OP)
152. サバンナを越えて / 水木一郎(「ジャングル大帝」OP
154. キャプテンハーロック / 水木一郎(「宇宙海賊キャプテンハーロック」OP)
155. oath sign / LiSA(「Fate/Zero」OP)
156. 不完全燃焼 / 石川智晶 (「神様ドォルズ」OP)
157. Break Out / JAM Project(「スーパーロボット大戦OG -ディバイン・ウォーズ-」OP)
159. ゆりゆららららゆるゆり大事件 / 七森中☆ごらく部(赤座あかり(CV:三上枝織)歳納京子(CV:大坪由佳)船見結衣(CV:津田美波)吉川ちなつ(CV:大久保瑠美) (「ゆるゆり」OP)
160. 侵略ノススメ☆ / ULTRA-PRISM with イカ娘(CV:金元寿子)(「侵略!イカ娘」OP)
161. キングゲイナー・オーバー! / 福山芳樹(「OVERMANキングゲイナー」OP)
162. ヴィーナスとジーザス / やくしまるえつこ(「荒川アンダー ザ ブリッジ」OP)
163. ハッピー☆マテリアル / 麻帆良学園女子中等部2-A「魔法先生ネギま!」
164. おしえて A to Z / 田村ゆかり(「B型H系」)
165. Morning Arch / 河野マリナ(「Aチャンネル」)
どっかのレコード会社がリスト作るかと思ったらやらないし、、Twitterで誰か作ればいいのにとかつぶやいてるのを見るのに誰もやらないし・・・。
しょうがないから、自分でやりました。
ぜんぶ手作業なので、間違ってたらごめんなさい。
実際かなり胡散臭いだろうね。
(詳しくないけど)生体反応回路的に効果があるはずだとか、そういう力学的な裏付けがあるならまだしも
純粋に統計的に効果がありそうという結果になっただけだとしたらかなり怪しいと言っていいと思う。
経済と医学は、複雑系におけるレアイベントの問題だという点では同じだけど、人間の体は物理法則に従っているのは
確実なので、その点において信頼性が全然違うと言えるんだと思う。統計的に有意かどうかはあくまでオマケというか。
経済は法則自体が時々刻々変わってるし、そもそも法則性なんてもんがあるのかすらはっきりしない。
母集団を沢山集めればどうにかなるとかいう問題じゃないと思う。着目しない部分については完全に一致させたサンプル
(統計力学的に言うとアンサンブル)を沢山集めて何か言えたとしても、1日経ったらあんま意味無いということになる。極端に言えば。
ぶっちゃけ、統計学は社会的に需要がある(=金になる)から勉強するけど、科学としては面白くもなんともねーなーというのが個人的な感想。
そんなモノこの世界にありはしない。
発信源だぜ。
ぷーちょころにーwwwwwwwwwwwwww
ピギャッwwwwwwwwwwwwwwwピギャッwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
多分僕は誰でもない。生きている実感が欲しい。
ニョロスケポンポンポン。溢れ出る言葉の泉をごくごく飲むよ。飲み干すよ。
ぺりゃぺりゃり~んwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
笑えてくるのは楽しさだけじゃない。あらゆる感情を引き連れて、僕は一歩一歩一歩ずつ僕は歩く。
ひゅごっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwしゅごいでーしゅwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ラックンラールは生きている。ラックの実を食べたので、大丈夫っす!うーっす!
びこりんwwwwwwwwwwwwwびこりんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
べろべろわろちんぐwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
なんにも笑えてこねぇってか?おもしれぇ、好き勝手やらせてもらおうじゃないの。
(≧∀≦)ノフレ───ッ!マルフォイwwwwwwwwwwwwwwwガンバレマルフォイwwwwwwwwwww
ビョギャマンチーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
はい!おっぱっぴー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
金獅子のシキのように!!頭に突き刺さる舵輪野郎!
ぷーこぷーこわろすなビギャッwwwwwwwwwwwwwwビギャッwwwwwwwwwwwwww
デスフライアングルwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
俺という名前の世界wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ぴこんぴこんっうねりをあげて、どこまでも進む機関車のように。
どろんどろーんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww傑作サンゼンセンwwwwwwwwwww
君の描く幸せってどんなもの?僕とは少し違っているようだけど
ピギョッwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwピギョワロチwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ボヘミア~ンwwwwwwwwwwwwwwwwちょっとは意味のある言語でボヘミア~ンwwwwwwwwwwwwwwww
人の夢。時代のウネリ。受け継がれる意志。ボヘミア~ンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
楽しいwwwwwwwwwwwwwwwwww楽しすぎるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
くっそwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
負けねぇぞwwwwwwwwwwwwwwwwww楽しさに負けねぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ぶひょひょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ボルマンディにレッツゴーストライキwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
おう、コンデンシャスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
草の量がハンパじゃねぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
葉っぱじゃねぇよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
緑化運動ですぜ兄貴wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
考える。俺はひたすらに考える。ボヘミア~ンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
トライアルな世界。多分僕が目指す場所。そこは音のある世界なんだと思う。
無理いうなよ!無茶いうなよ!いういういう!!!!!!!!!!!!!!!
ピクミンがピグシーwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ゴーストハンズwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
いっちゃだめなこといってみたいwwwwwwwwwそんなお年頃wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ぶろろろろあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
頭は大丈夫かい?完全健全さ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ハッピーハッピーフレンズ。ぴぎょわろちwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
デストライマニアwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ちょっと大人向けの文章ね。俺は生きていくぜええええええええええええええええ
ぷっきょぷっきょわろすwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
剥奪した痛みに耐えかねてーwwwwwwwwwwwwwwwwwww
僕は人生をドロップアウトーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
最終兵器、俺自身。
ぺりょぺりょダンシングwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
あまっちょぽりぽりwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
今までの文章なんてゴミ同然wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
400記事おめでとうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
俺は目が覚めたぜwwwwwwwwwwwwこれでいいんだwwwwwwwwwwwこれでいいんだwwwwwwwwww
ぷこっwwwwwwwwwwwwwwwwぺぎょろっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
大人気ぷーこさんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
えーと、個条書きにする。
ここまで予め出しておいた方がいい個人的な情報。以下本文。
誰一人として異議を唱えない定義も欲しいし、それは違うだろ、と一番ツッコミが入る定義も欲しい。エレキギターと電子ヴァイオリンはソロだろうと協奏曲だろうとこんなの使ったら吹奏楽じゃねえ!って発狂する人もいるだろうからね。吹奏楽という意味自体はどちらかというとだんだん拡大解釈されてきたように思う。それでも「オケはオケでしょ?」な人がいる。じゃあそこの「潜在的に考えられる境目はどこよ、ヴァイオリン使ったらオケなのかい」って話になる。つまり、「そこまでこだわるんなら、はっきりした定義を持ってきて、納得させて欲しい」ということでもある
これを求めているのであとの二つはいいや。というか上が解決すれば下も解決する。
あえて俺様ルールを持ち出すとすれば、
全部音楽だ!文句あるか!もっと爆発しようぜ!!
ということになる
もう6年付き合ってる彼女がいるんだけど、大学のサークルで出会ったのでまあお互い少ない選択肢の中から選びあったような感じで、さすがに考え方なんかはすり合わされてきたものの趣味がぜんぜん合わなくて、というかこっちは合わせてるつもりなんだけど彼女の方がまったく歩み寄ってきてくれなくて寂しい。
自分の趣味を人に押し付けるなんて愚の骨頂だとは思うんだけど、自分が音楽、特にジャズが大好きなのでこれを共有できたら楽しいだろうなあっていつも思う。自分は演奏もするのだけど、カップルで揃ってセッションに来てる知り合いなんかを見るとどうしても嫉妬してしまうんだよね。
彼女は能動的には聴かないもののクラシック音楽はまだそこそこ許容できるみたい。ただ子供の頃ピアノをならっていたことがあって、そのせいなのかピアノ至上主義的なところがあって「アンサンブルを聴く」という概念が理解できないよう。
以前、まずは聴きやすいところから、と思ってエヴァンスのトリオを聴かせてみた事があるんだけど、
「なんか…シャーシャーいってるのと(ドラムス)とブンブンっていう音(ベース)が邪魔…」
って言われて、ものすごくショックを受けた。そんな風に受け取る人もいるんだ…と。
他にもジャズに限らず色々おすすめしてみたことはあるのだけど、そのたびに返ってくる感想が、
「ごめん、わからない…」
そうかあ、「わからない」かあ…と思ってこっちも言葉をなくしてしまう。決して難解なものを聞かせてるわけじゃないんだけれど。
「そっか。俺はサビのところの盛り上がりが好きなんだけどなあ」
とか、
「この奏者はね、一度脳梗塞で記憶喪失になって楽器の弾き方も忘れちゃったのに、そこから頑張ってまたプロに返り咲いたんだよ」
とか、
とか、なんとかフックを探そうとしてるんだけど(しつこくならないように数ヶ月くらい間を空けつつ)、でもやっぱりだめ。答えは頑なに「わからない…」。
耐えかねて「音楽って別に『わかる』ためのものじゃないんだよ」って言ってみたこともあるんけど、「それは頭ではわかるんだけど、実際に聴くと、とにかくわからない。何がわからないのかもわからない。ごめん」って心を閉ざされて撃沈。
俺が諦めずに断続的にトライしてるせいで、最近は彼女のほうも「音楽に興味を持てない自分」を申し訳なく思ってしまっているようで、そういうのは俺としても本意ではない。
ちなみに彼女はオタクで、アニメのオープニングとかキャラソンとかはちゃんと受け入れられる。映像とか視覚的イメージが付随しない純粋な音楽というのがだめみたい。
某野球漫画のホモ同人にはまっていたときに野球に興味を示していたので、ジャズを題材にしたホモ漫画でも描こうかと思ったこともあるけど、音楽を漫画で表現とか難しすぎて放り投げた。
こういうのって彼女には本格的に音楽のレセプターがないんだと思って諦めるしかないのかな? 俺って趣味を押し付けてくるうざい彼氏なのかなあ?
なんかこれは増田で書くことじゃなかったかも。たぶん、この問題の一番の根源は俺に友達がいないことだろうな。
似たようなことを、僕も思いました。
「正直どうでもいい」「(現代語的な意味で)『耳触り』良ければそれでいい」「歌詞で泣きそう(;_;)」
というのが、初音ミクのヒットの根っこにある気がします。
ふと、初音ミクの歌の中の人(≠初音ミクの中の人)って、基本的にはシロートさんだよな?と思ったのが、
私の疑問のキッカケです。これまでの音楽業界でいえば、そこいらの街中やライブハウスで自作の曲を
歌ってたり、インディーズ扱いでデモテを配ってた、プロの音楽家カテゴリーには入らないような人たちが、
「初音ミクの歌の中の人)」・・・初音ミクのプロデューサーと言い換えてもいいかも知れませんが・・・、
だと、思うのです。
で、そういう人たちが、これまでと変わらないDTMの延長に、初音ミクに歌を歌わせただけで、
なぜか「初音ミク」扱いでプロデビューできてしまった(楽曲提供できた)。それはなぜだろうか?
1つは、
誰が聴いても初音ミクの声だと解るから。
どこの輩か分からないインディーズ歌手とは違って、少なくとも「初音ミク」ブランドという
裏書きがついている。
そしてまた、「『初音ミク』という歌手を知っている」という共感を喚起させる。
だから、フツーのシロート・インディーズとは違った受け入れ方ができた。
もう1つは、
店内とかで流れてる曲とかPVの曲とか聴いても、誰の歌かすら解らない。
正直どれもこれも同じように聴こえる。
どれもこれも同じように聞こえるような雑多な音楽の中では、正直、他の歌手と差異がない。
そうなると、どこに共感できるか?というのが受け手の判断基準になるし、ならざるを得ない。
すると、「共感できる(苦笑)歌詞」「バーチャルな歌手(という不思議な存在)」
「シロートでもこんないい曲・歌詞を作れてメジャーデビューできてる(私もできるかも☆)」
僕が思ったのは、こんなところです。
あと、脱線しちゃうけど。。。
「機械音がイヤだ」「練られていない音楽がイヤだ」という論調もあるけれど、
正直、大衆向けJ-POP音楽というカテゴリの中では、殆ど五十歩百歩だと思う。
(もちろん、真っ当な歌謡曲・演歌歌手や、いわゆるクラシックの領域は別。)
誰とは言わないし好みの問題だけれど、某アイドルグループや、某エイベックスの歌姫みたく、
音程も当たってないしアンサンブルもできていない楽曲を聞かされるよりも、
まだ音程が当たっててリズムも正しく、平均律の中でアンサンブルできてるボカロイド楽曲の方が、
少なくとも僕は、「安心して」聞ける。
アンサンブルというのが、コピーを沢山用意して全体の振る舞いを予想するということなら
それが統計的な予想と何が違うのかわからない。
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2009/01/post-d30b.html
前節で述べたように、量子力学が非決定論であるということの意味は、個々の選択機会における結果が予見できないという意味である。このような選択機会のアンサンブルを考えると、その結果の分布は、完全に決定論的な法則によって記述される。
このことから、たとえ、量子力学が、自由意志の起源にはなり得たとしても、その自由意志は、本当の意味では「自由」ではない。何故ならば、量子力学は、個々の選択機会の結果は確かに予想できないが、アンサンブルのレベルでは、完全に決定論的な法則だからだ。
このことについて、第6章で紹介した「中国語の部屋」(Chinese Room)の議論を提出したサール(Searle)はその著書「心、脳、科学」の中で、明確に述べている。
たとえ物理的粒子の振舞いの中に何らかの不確定性の要素があり、その予測は統計的なもののみによって可能であったとしても、粒子の振舞いの予測が統計的にのみ可能であるという事実からは、人間の心がその統計的にのみ決定された粒子に命じてその本来の経路から外れさせることが可能であるという事実が帰結するわけではありません。それゆえに、この統計的不確定性という事実のみから人間の意志の自由の可能性は生じ得ません。要するに、不確定性という事実は、人間的自由が持つ何らかの心的エネルギーが分子を動かし、それがなければ別の方向に行っていたはずであったその分子の運動の方向を変えるというようなことが可能である証拠にはならないのです。
よりあからさまに言えば、量子力学に基づく自由意志は、次の「アンサンブル限定」(ensemble restriction)の下にあることにある。
アンサンブル限定(ensemble restriction)
個々の選択機会において、その結果をあらかじめ予想することはできない。しかし、このような選択機会のアンサンブルを考えると、その全体としての振る舞いは、決定論的な法則で記述される。
アンサンブル限定の付いた自由意志においては、個々の選択機会については、あらかじめその結果を完全には予測できないという意味でそこには「自由意志」が存在するように見える。だが、同じ様な選択機会の集合(アンサンブル)を考えると、そこには決定論的な法則が存在し、選択結果は完全に予測できるのである。
あなたが、ある瞬間に意志決定を行うとしよう。その選択肢は、AかBかという簡単なものでも、あるいはもっと複雑なものでも良い。あなたの意志決定が量子力学的なプロセスに基づくものであるとすると、その瞬間の意志決定の結果が、どのようなものになるかは、あらかじめ予想することはできない。現在のあなたの脳の状態をいくら精密に測定したとしても、予想することは不可能なのだ。これが、量子力学の非決定性である。
さて、そのような意志決定を行うあなたの「コピー」を沢山用意したとする。これが、すなわちあなたのコピーからなるアンサンブルだ。このアンサンブルの中の、ある特定の「あなた」の選択は、上に述べたような理由で予想することはできない。しかし、全く同じような「あなた」のコピーからなるアンサンブル全体としての振る舞いは、完全に決定論的な法則で予測することができるのだ。
必ずしも正確とは言えない比喩だが、一人一人が何歳で結婚するかという問題を考えて見よう。私たち一人一人は、何歳で結婚するかを、自由意志に基づいて決定していると思っている。確かに、ある人が何歳で結婚するかは、完全に予想することは不可能である。だが、社会の中のこのような人々のアンサンブルをとってくると、人々が確率的に何歳で結婚するかということについては、厳密な社会科学的な法則が成立するように思われる。アンサンブル限定のついた自由意志は、たとえて言えばこのようなものだ。つまり、個々の選択機会においては、自由があるように見えるのに、そのような選択機会の集合をとってくると、その振る舞いは決定論的で、自由はないのである。