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はてなキーワード: イヴェントとは

2018-03-16

元カノ結婚したと聞いたか

数年前、当時付き合っていた人と結婚する直前、何故かFacebook元カノ名前検索友達申請をしてしまった。

その時何故そんなことをしてしまったのかは自分でも説明がつかない。気の迷いとしかいいようがない。もしかしたら結婚というイヴェントを前にして臆してしたのかもしれない。

その申請承認された。特にメッセージがくることもなくまたリアクションもなく。

そうして数年が経ち、Facebookを見ていたらその元カノ結婚報告をしていた。

僕は胃が掴まれるような感覚を覚えながら「いいね」を押した。

妻のことを愛していないわけではない。結果生活に不満があるわけでもない。子供はまだいないが、いずれ妻と子を為したいと思う。

それでもなお込み上げくるこの感情はなんなのだろう。

わかってる。未練だ。いい別れかたをしたわけではない…….特に思い当たる理由もなく一方的に振られた。

この世界には数多の人がいて同じように数多の夫婦がいる。こういう話はきっとありふれたものなんだろう。

どうにかしたいわけではない。

ただただ、誰かに聞いて欲しいんだ。

そうしてできれば、こんなありふれた話に対してみんなどのように心の整理をつけているのか教えて欲しいんだ。

2015-02-14

( ・3・) クラシック好きの上司ジャズを聴きたいと言いだして

はじめに

わたしの職場に、自他ともに認めるクラシックマニアがいる。近・現代の作曲家は一通り聴いているというが、中でもお気に入りスクリャービンで、携帯の着信音とアラームには「神秘和音」が設定してあるくらいだ。

その彼が、最近、急にジャズに興味を持つようになった。なんでも娘さんが部活でサックスを始めたのがきっかけらしい。彼の机には娘さんの小さいころの写真が立てかけてあるが、父親と血がつながっているとは思えないかわいらしさだ。パパだってジャズくらい分かるんだぞ、ということにしたいのかもしれない。

彼はわたしジャズ・ギターを弾くことを知っている。音楽に関して(だけ)は寛容なので、各種イヴェントの際には有給を消化しても嫌な顔ひとつしない。

ある昼休みの会話

ちょっと私用なんだが」と彼は言った。「こんどの休みは空いてるか? お前の好きなジャズのCDを10枚くらい持ってきてくれ。うちのオーディオで聴こう」

「CDならお貸ししますよ」とわたしは答えた。特に予定はないが、できれば休日はゆっくり寝ていたい。

「まあそう言うなよ」と彼はつづけた。「プレゼンの訓練だと思えばいい。ジャズの聴きどころを存分に語ってくれ。昼はうなぎを食わせてやるぞ。それとも――」

「それとも?」

「もう有給は当分いらないということか?」

事の次第

こうして、わたしは休日をつぶして彼の家を訪ねることになった。どのCDを持っていくかはなかなか決められなかったが、一日でジャズの百年の歴史を追いかけるのは無理だと割り切って、わたし自身がジャズを聴き始めた高校生のころ――もう15年も前の話だ――に感銘を受けたものを選ぶことにした。マイルス・デイヴィスカインド・オブ・ブルー』、ビル・エヴァンスワルツフォー・デビー』、ジョン・コルトレーンジャイアントステップス』はもうコレクション済みだということだったので、それら以外で。

駅に到着

手土産の菓子と20枚ほどのCDを抱えて最寄駅に着くと――結局10枚には絞り込めなかった――彼の車が目に留まった。

「きょうは夕方まで家に誰もいないからな。気兼ねしなくていい」

「そうでしたか」

「いるのは猫だけだ」

「猫? 以前お邪魔したときには見かけませんでしたが」

「公園で拾ってきたんだ」

「娘さんが?」

「いや俺が。子供のころに飼っていた猫とよく似ていたものだから」

ノラ猫を拾う人間と、ショスタコーヴィチ交響曲全集を部下に聴かせて感想を求める人間が、ひとりの男の中に同居している。この世界は分からないことだらけだ。

家に到着

ちーちゃんお客様にご挨拶だ」と彼は居間の扉を開けながら言った。ちーちゃんと呼ばれた白い猫は、こちらを一瞬だけ見るとソファのかげに隠れてしまった。そそくさと。

「ご機嫌ななめだな。まあいい。そっちに掛けてくれ。座ったままでディスクを交換できるから。いまコーヒーを淹れてくる」

ようやく本題へ

――これ以降は対話形式で進めていきます。

( ・3・) さっそく始めよう。

1. マイルス・デイヴィストランペットバンドリーダー

Miles Davis (1926-91)

――マイルスについてはご存じだと思いますが、次々に作風を変化させながらジャズを牽引していった、アメリカ文化的ヒーローです。デューク・エリントンマイルスについて「ジャズピカソだ」と述べました。

( ・3・) 『カインド・オブ・ブルー』の人だな。

――はい。その作品の後に注目したいんですが、60年代の半ばに、ウェイン・ショーターというサックス奏者がマイルスバンドに加わります。この時期の録音はひときわ優れた内容で、ジャズリスナープレイヤーからはヒマラヤ山脈のように見なされています。

Prince of Darkness (1967) http://youtu.be/-wckZlb-KYY

( ・3・) ヒマラヤ山脈か。空気が薄いというか、調性の感覚が希薄だな。テーマの部分だけでも不思議なところに臨時記号フラットがついている。

――主音を軸にして、ひとつフレーズごとに旋法を変えています。コードが「進行」するというよりは、コードが「変化」するといったほうが近いかもしれません。

( ・3・) ピアノコードを弾かないから、なおさら調性が見えにくいのかもしれないな。

――はい。余計な音をそぎ落とした、ストイックな演奏です。

( ・3・) 体脂肪率ゼロ。

――マイルスバンドには一流のプレイヤーでなければ居られませんから、各々が緊張の張りつめた演奏をしています。

Nefertiti (1967) http://youtu.be/JtQLolwNByw

――これはとても有名な曲。ウェイン・ショーターの作曲です。

( ・3・) テーマで12音をぜんぶ使ってるな。

――覚めそうで覚めない夢のような旋律です。このテーマがずっと反復される。

( ・3・) それってラヴェルボレロじゃないのか?

――ボレロではスネアドラムが単一のリズムを繰り返しますが、こちらはもっと自由奔放ですよ。ドラムが主役に躍り出ます。

( ・3・) おお、加速していく。

――テンポ自体は速くなるわけではありません。ドラムは元のテンポを体で保ったまま、「そこだけ時間の流れ方がちがう」ような叩き方をしています。

( ・3・) ドラムが暴れている間も管楽器は淡々としたものだな。

――はい。超然とした態度で、高度なことを難なくやってみせるのが、このクインテットの魅力ではないかと思います。

2. ジミー・ジューフリークラリネット

Jimmy Giuffre (1921-2008)

Emphasis (1961) http://youtu.be/QRyNUxMJ18s

( ・3・) また調性があるような無いような曲を持って来よって。

――はい。この曲は基本的にはブルースだと思うのですが、テーマでは12音が使われています。ジミー・ジューフリーというクラリネット奏者のバンドです。アメリカルーツ音楽と、クラシックとの両方が背景にあって、実際に演奏するのはジャズという一風変わった人です。

( ・3・) ドラムがいないと室内楽みたいだな。

――ドラム抜きの三人のアンサンブルというアイディアは、ドビュッシーの「フルートヴィオラとハープのためのソナタ」に由来するそうです。

( ・3・) いいのかそれで。ジャズといえば「スウィングしなけりゃ意味がない」んじゃなかったのか?

――スウィングしたくない人だっているんですよ。といっても、ベースフォービートで弾いていますが。

( ・3・) これが録音されたのは……ええと、1961年か。ジャズもずいぶん進んでいたんだな。

――いえ、この人たちが異常なだけで、当時の主流というわけではありません。さっぱり売れませんでした。表現自体は抑制・洗練されていて、いかにも前衛というわけではないのに。同じ年のライヴ録音も聴いてみましょうか。

Stretching Out (1961) http://youtu.be/2bZy3amAZkE

( ・3・) おい、ピアノの中に手を突っ込んでるぞ。(3分16秒にて)

――まあ、それくらいはするでしょう。

( ・3・) おい、トーン・クラスターが出てきたぞ。(4分16秒にて)

――それでも全体としては熱くならない、ひんやりした演奏です。

3. エリック・ドルフィーアルトサックスフルート、バス・クラリネット

Eric Dolphy (1928-64)

――さて、次はエリック・ドルフィー。作曲の才能だったり、バンドを統率する才能だったり、音楽の才能にもいろいろありますが、この人はひとりの即興プレイヤーとして群を抜いていました。同じコード進行を与えられても、ほかのプレイヤーとは出てくる音の幅がちがう。さらに楽器の持ち替えもできるという万能ぶり。順番に聴いていきましょう。まずアルトサックスから。

( ・3・) おお、うちの子もアルトサックスだ。

Miss Ann (1960) http://youtu.be/7adgnSKgZ7Q

( ・3・) なんだか迷子になりそうな曲だな。

――14小節で1コーラスだと思います。きちんとしたフォームはあるのですが、ドルフィーフォームに収まらないようなフレーズの区切り方でソロをとっています。1小節ずつ意識して数えながらソロを追ってみてください。ああ、いま一巡してコーラスの最初に戻ったな、とついていけたら、耳の良さを誇ってもいいと思いますよ。

Left Alone (1960) http://youtu.be/S1JIcn5W_9o

――次はフルート

( ・3・) ソロに入ると、コード進行に対して付かず離れず、絶妙なラインを狙っていくな。鳥の鳴き声というか、メシアンの「クロウタドリ」に似ている。

――鳥の歌に合わせて練習していたといいますから、まさにメシアンです。あるいはアッシジのフランチェスコか。ほかにもヴァレーズの「密度21.5」を演奏したり、イタリアフルートの名手であるガッゼローニの名前を自作曲のタイトルにしたり、意外なところで現代音楽とのつながりがあります。

参考 Le Merle Noir (Messiaen, 1952) https://youtu.be/IhEHsGrRfyY



It’s Magic (1960) http://youtu.be/QxKVa8kTYPI

――最後にバスクラ吹奏楽バスクラ担当だったけど、主旋律で活躍する場面がなくて泣いてばかりいた方々に朗報です。

( ・3・) バスクラってジャズではよく使われるのか?

――いえ、当時、長いソロを吹いた人はあまりいませんでした。

( ・3・) バスクラ自体がめずらしいという点を措いても、独特な音色だな。

――村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』にこんなくだりがあります。「死の床にあるダライ・ラマに向かって、エリック・ドルフィーがバス・クラリネットの音色の変化によって、自動車エンジン・オイルの選択の重要性を説いている……」

( ・3・) どういう意味?

――楽器の音が肉声のようにきこえる。でも何をしゃべっているのかはよく分からないという意味だと思います。あと、ミニマリズム作曲家スティーヴ・ライヒバスクラを効果的に使いますが……

( ・3・) 「18人の音楽家のための音楽」とか、「ニューヨークカウンターポイント」とか。

――はい。彼はドルフィーの演奏を聴いてバスクラに開眼したと語っています。 [1]

( ・3・) ジャズ現代音楽との相互作用だな。

4. オーネット・コールマンアルトサックス

Ornette Coleman (1930-)

――真打登場です。サックス奏者のオーネット・コールマン50年代の末に現れて、前衛ジャズの象徴的な存在になった人です。といっても、難しい音楽ではありません。子供が笑いだすような音楽です。ちょっと変化球で、70年代の録音から聴いてみましょう。

Theme from Captain Black (1978) http://youtu.be/0P39dklV76o

――ギターのリフで始まります。

( ・3・) あれ、ベースおかしなことやってるな。キーがずれていくぞ。

――はい、各パートが同時に異なるキーで演奏してもいいというアイディアです。イントロのギターが床に立っている状態だとすると、ベースは重力を無視して、ふらふらと壁や天井を歩きだす。

( ・3・) 複調を即興でやるのか?

――どのていど即興なのかはわかりません。コンサートに行ったことがあるのですが、譜面を立てて演奏していましたよ。でも、別にダリウス・ミヨーに作曲を教わったというわけではなくて、アイディアを得たきっかけは些細なことだったんじゃないでしょうか。たとえばサックスが移調楽器であることを知らなかったとか。「なんかずれてるな、でもまあいいか」みたいな。

( ・3・) それはいくらなんでも。もし本当だったら天才だな。

Peace (1959) http://youtu.be/bJULMOw69EI

――これは初期の歴史的名盤から。当時、レナード・バーンスタインオーネットを絶賛して、自分がいちばんでなければ気のすまないマイルス・デイヴィスがたいそう機嫌を損ねました。

( ・3・) さっきのに比べると普通にきこえるが……

――1分40秒あたりからサックスのソロが始まります。集中してください。

( ・3・) (4分12秒にて)ん? いま、俺の辞書には載っていないことが起きた気がするな。

――ここはいつ聴いても笑ってしまいます。そのタイミングで転調するのか、脈絡なさすぎだろうって。ソロをとりながら、いつでも自分の好きな調に転調していいというアイディアです。

( ・3・) 言うは易しだが、真似できそうにはないな。

――どの調に跳んだら気持ちよく響くか、という個人的な経験則はあるはずです。突飛な転調でも、「これでいいのだ」といわれれば、たしかにその通り、すばらしい歌ですと認めざるを得ません。

昼食のため小休止

――お昼はうなぎだと聞いておりましたが。

( ・3・) そのつもりだったんだが、いつの間にか値段が高騰していてな。「梅」のうなぎよりも、うまい天ぷら蕎麦のほうがいいじゃないか。

5. セシル・テイラーピアノ

Cecil Taylor (1929-)

――この人も、オーネット・コールマンと同じくらい重要なミュージシャンです。テキサス出身のオーネットに対して、セシル・テイラーニューヨーク出身。都市と芸術の世界の住人です。ピアノを弾くだけではなくて、舞踊や詩の朗読もします。これは1973年に来日したときの録音。

Cecil Taylor Solo (1973) http://youtu.be/X7evuMwqjQQ

( ・3・) バルトークシュトックハウゼンの楽譜を細かく切って、よくかき混ぜて、コンタスキーが弾きましたという感じだな。70年代にはずいぶん手ごわいジャズも出てきたんだ。

――いえ、テイラー50年代から活動しています。チャック・ベリーやリトル・リチャードと同じ世代。この人が異常なだけで、当時の主流ではありませんが。さっきも似たようなことを言いましたね。

( ・3・) このスタイルでよく続けてこられたな。

――継続は力なり。2013年には京都賞を受賞して、東京でもコンサートがありました。

( ・3・) どうだった?

――会場で野菜を売っていたので、買って切って食った。

( ・3・) ちょっと意味が分からんな。

――文字通りの意味なのですが、それについては別の機会にしましょう。演奏の話に戻ると、混沌と一定の秩序とがせめぎあって、台風のさなかに家を建てている大工のような趣があります。「壊す人」というよりは「組み立てる人」です。また、あるフレーズを弾いて、復唱するようにもういちど同じフレーズを弾く箇所が多いのも特徴です。

( ・3・) いちどしか起こらないことは偶然に過ぎないが、もういちど起こるなら、そこには何らかの構造が見えてくるということか。

参考 Klavierstücke (Stockhausen, rec. 1965) http://youtu.be/mmimSOOry7s



6. デレク・ベイリー(ギター)

Derek Bailey (1930-2005)

――きょう紹介するのは北米の人ばかりなのですが、デレク・ベイリーは唯一の例外で、イギリス人です。さっそく聴いてみましょう。これも日本に来たときの録音。

New Sights, Old Sounds (1978) http://youtu.be/nQEGQT5VPFE

( ・3・) とりつくしまがない……。

――そうですか? クラシック好きな方には思い当たる文脈があるはずですが。

( ・3・) 無調で点描的なところはヴェーベルン。でも対位法的に作曲されたものではないみたいだ。あと、初期の電子音楽ミルトン・バビットとか……。

――模範解答です。

( ・3・) でも即興でヴェーベルンをやるというのは正気の沙汰とは思えんな

――即興の12音技法ではありません。それは千年後の人類に任せましょう。ベイリーがやっているのは、調性的な旋律や和音を避けながら演奏することです。最初に聴いたマイルス・デイヴィスも緊張の張りつめた音楽でしたが、こちらも負けず劣らずです。文法に則った言葉を発してはいけないわけですから。

( ・3・) 「どてどてとてたてててたてた/たてとて/てれてれたとことこと/ららんぴぴぴぴ ぴ/とつてんととのぷ/ん/んんんん ん」

――ちょっと意味が分かりませんが。

( ・3・) 尾形亀之助の詩だ。お前も少しは本を読んだらどうだ。それはともかく、こういう人が観念的な作曲に向かわずに、即興の道に進んだのは不思議な気がするな。

――いちプレイヤーとして生涯を全うしたというのは重要で、ベイリーの音楽はベイリーの体から切り離せないと思います。彼の遺作は、病気で手が動かなくなってからのリハビリを記録したものでした。

( ・3・) プレイヤーとしての凄みが音楽の凄みに直結しているということか?

――はい。技術的にも高い水準のギタリストでした。無駄な動きのない、きれいなフォームで弾いています。気が向いたら動画を探してみてください。

( ・3・) まあ、ギター弾きのお前がそう言うなら上手いんだろうな。

――楽器の経験の有無で受け止め方は変わってくるかもしれません。ジャズ一般について言えることですが、鑑賞者としてではなく、その演奏に参加するような気持ちで聴くと楽しみも増すと思いますよ。

ベイリー即興演奏(動画) http://youtu.be/H5EMuO5P174

参考 Ensembles for Synthesizer (Babbitt, 1964) http://youtu.be/W5n1pZn4izI



7. セロニアス・モンクピアノ

Thelonious Monk (1917-82)

――セロニアス・モンクは、存在自体が貴重なピアニストです。生まれてきてくれてありがとう、とお母さんみたいなことを言いたくなる。

( ・3・) 初めて聴く者にとっては何のこっちゃの説明だな。

――とてもユニークスタイルで、代わりになる人が思いつかない、くらいの意味です。まあ聴いてみましょう。

Everything Happens to Me (Monk, 1959) http://youtu.be/YW4gTg3MrrQ

( ・3・) これは彼の代表曲

――いえ、そういうわけではありません。モンクの場合、どの演奏にも見逃しようのない「モンクの署名」が刻まれているようなものなので、わたしの好きな曲を選びました。有名なスタンダードです。最初に歌ったのは若いころのフランク・シナトラ

Everything Happens to Me (Sinatra, 1941) http://youtu.be/ZWw-b6peFAU

――1941年の録音ですが、信じがたい音質の良さ。さすがスター。さすが大資本。これがヒットして、多くのジャズミュージシャンレパートリーになりました。ちなみに曲名は「僕には悪いことばかり降りかかる」というニュアンスです。恋人に手紙を送ったらさよならの返事が返ってきた。しかも郵便料金はこちらもちで、みたいな。もうひとつだけ聴いてみましょう。

Everything Happens to Me (Baker, 1955) http://youtu.be/UI61fb4C9Sw

( ・3・) このいけすかないイケメンは?

――チェット・ベイカー50年代西海岸を代表するジャンキーです。シナトラに比べると、ショウビズっぽさがなくなって、一気に退廃の世界に引きずりこまれる。で、モンクの話に戻りますが――

( ・3・) ショウビズではないし、退廃でもない。

――もっと抽象的な次元で音楽を考えている人だと思います。

( ・3・) 素材はポピュラー・チューンなのに、ずいぶん鋭い和音が出てくるな。

――調性の枠内で本来なら聴こえないはずの音が聴こえてくると、デレク・ベイリーのような無重力の音楽とはまた別種の怖さがあります。幻聴の怖さとでもいうべきか。さいごにぽつんと置かれる減5度の音には、「聴いてはいけないものを聴いてしまった」という感じがよく出ています。

( ・3・) 減5度はジャズでは珍しくないんじゃないのか?

――はい。でも、その音をどう響かせるか、その音にどういう意味を持たせるかというのは全く別の問題です。そういう音の配置に関してモンクは天才的でした。

( ・3・) カキーン、コキーンと石に楔を打ちこむようなタッチで、ピアノの先生が卒倒しそうだが。

――意図的に選択されたスタイルだと思います。プライヴェートではショパンを弾いたりもしていたそうですよ。 [2]

( ・3・) 見かけによらないものだな。

――小さいころから必死に練習すれば、いつかはマウリツィオ・ポリーニの水準に達するかもしれません。しかし、ピアニストとしてモンクを超えるというのは、端的に不可能です。それがどういう事態を意味するのか想像できませんから。

( ・3・) 四角い三角形を想像できないように、か。

ちーちゃんトイレ掃除のため小休止


8. アンドリュー・ヒル(ピアノ

Andrew Hill (1931-2007)

――アンドリュー・ヒルは作曲・編曲に秀でたピアニストです。『ポイント・オブ・ディパーチャー』というアルバムが有名ですが、録音から半世紀を経たいまでも新鮮にきこえます。ペンギンブックスのジャズガイド(なぜか翻訳されない)では、初版からずっと王冠の印が与えられていました。

( ・3・) 英語圏では別格扱いということか。

――ヒルは若いころ、ヒンデミットの下で学んだという話もあるのですが……

( ・3・) ヒンデミットアメリカに亡命していたからな。

――誇張も混ざっているかもしれません。ヒルの経歴は、生年や出身地も事実とは異なる情報が流れていたので。

Refuge (1964) http://youtu.be/zquk2Tb-D6I

( ・3・) 何かひっかかるような弾き方のピアノだな。

――ヒルには吃音がありました。 [3] 言いたいことの手前でつっかえて、解決を先延ばしにするような演奏は、しばしばそのことに結びつけられます。

( ・3・) 否定神学ジャズだな。

――ヒテーシンガク?

( ・3・) ほら、メルヴィルの『モービー・ディック』で、神秘的な白鯨の本質については語れないから、迂回してクジラにまつわる雑学的な記述が延々とつづくだろ?

――どうでしょうアナロジーとしては分からなくもないですが。

( ・3・) 形而下の世界に戻るか。あれ、このサックス奏者、さっきも出てきたんじゃないか? (2分58秒にて)

――エリック・ドルフィー共演者共演者を辿っていくと、きょう紹介する人たちはみんなつながっています。

( ・3・) デレク・ベイリーも?

――はい。セシル・テイラーと共演していますし、この次に紹介する人ともアルバムを出しています。

( ・3・) なんだかドルフィーに耳を持っていかれてしまうな。

――圧倒的です。ねずみ花火のような軌道と瞬発力。数か月後に死ぬ人間の演奏とは思えません。

( ・3・) すぐ死んでしまうん?

――はい。ドラッグでもアルコールでもなく、ハチミツオーバードーズで。正式な診断ではありませんが、糖尿病だったといいます。 [4][5]

( ・3・) ハチミツって、くまのプーさんみたいなやつだな。――ん? いまミスしなかったか? (6分36秒にて)

――ドルフィーアンサンブルの入るところを間違えています。

( ・3・) やり直しになるんじゃないの?

――ジャズは減点方式ではなく加点方式ですから。ミスがあっても、総合的にはこのテイクが最良という判断だと思います。

続く

http://anond.hatelabo.jp/20150214224440

2008-10-14

http://anond.hatelabo.jp/20081014223228 騙り文章講座

リアルy_arimですが(そういえば書いたひとのIDってどっかでわかるんでしたっけ?)、

ひとの文章を騙るなら癖くらい見抜いておきましょう。

一人称は「おれ」「ぼく」と開いていることがポイント。あ、「ひと」もですね。

あと「イベント」ではなく「イヴェント」。いちいちv音を「ヴ」表記します。

というわけで、やりなおし。

文章騙りは奥が深いんです。『続・明暗』などお読みなせえ。

というか、特定のブロガーを騙るのなら1年分くらいはそのひとのブログ読んでおいたほうがいいと思います。

老婆心ながら申し上げますが。

かしこれほどまでに自分が言いそうにないことを自分の名前で書かれるとなかなかアレですね……。

周りの人間だって、いちいちこっち見てないよ。

まずここからして自意識過剰のぼくとしては同意しかねます。いちいち見てますよ。マジで

ここで揶揄されているような「キモイ」オタならば、その所作はやはり人目を引くのです。

そもそも、自分の中身に自信がないから、服に頼ってるんでしょ?

要は、勇気がないんでしょ?

これはいったい誰に向けているのでしょうか。

オタは間違いなく服に頼っていないわけで、

となるとこれはリア充を煽る内容にならなければならないわけですが、

なぜここでオタ煽りのように使われているのでしょう?

うむ、自分よりも頭の悪い文章を自分の名前で書かれると腹が立ちますね。

http://anond.hatelabo.jp/20081014130519

y_arimです。

ここまで具体的に言わないとオタの人は服を買えないものなの!?

そっちにびっくりだ。普段どうやって服を買っているんだ・・・。

おっしゃるとおり、ここまで具体的に言わないと買えません。

で、普段どうやって服を買っているかというと、買っていません。マジで

ぼく個人の話をさせていただくならば、5月に自ら思い立って服を買いに行きましたが、

これは実に4-5年ぶりのことです。現在着まわしている服には、2001年同時多発テロ前に購入したものが多いです。

もちろん、まともに社会人をやっているオタの人ならばもう少しマシだとは思いますが、

ここ数年会うたびに同じ格好しているよなあという30代のオタの知り合いはざらにいます。

一般化は難しいですが、重症例の多いと思われるぼくの見聞きした例(自分含む)で言うならば、

まず「普段」服を買うという習慣自体が存在しないわけです。

服を買うのはとてもレアイヴェントです。相手の都合を考えない身勝手さを承知でオタク的に喩えるならば、

東京ビッグサイトでやってるコミックマーケットは年2回しか開催されませんが、

年2回は確実に開かれるぶんまだ馴染みがあります。それくらいに縁がない行為といえます。

マンガみたいに年中一張羅というやつは、学生ならばマジでいるんです。冬でもサンダル履きってのも。

まあそういうひとは、脱オタファッションに手を染める意志も最初からないと思いますが。

それこそ服なんて人によって色の好みデザインが違うんだし

これについては、極端な場合「服について色の好みデザインを考える」という思考回路自体をインストールしなければなりません。

あと、ある程度服を買うことに目覚めても、色の好みデザイン自体がはなはだしく世間一般からずれていることは本当によくあります。

放っておいたら上から下まで黒一色とか、似合いもしないネックレスとか買い始める人種ですから。

一体どこら辺が専門用語なの?

では、列挙させていただきますキーワードリンク画像ページへのリンク辿ればわかるだろ、というのはいったん措いて。

多めに見積もってこれくらいは、「なんだか馴染みのない単語が書いてある→専門用語なのか……」と受け取られるでしょう。

もちろん「行動するか自分で調べ」ることは可能ですし、ネット上で検索しても解説ページに行き当たる単語ばかりですが、

正直言って心理的な障壁は高いです。

2008年10月14日 Nunocky Nunocky ネルシャツとかチノパンとかマルチボーダーって書かれて全くわからない自分はどうすれば

現にこのようなブコメもありますし。

なんか、用語から一つ一つ子供に教えるように細かく具体的に言わないと理解出来ない人が多いのかなぁ。

脱オタファッションをあてがわれるようなオタは、服飾に関してはまるっきり子供といって差し支えないと思います。

まさしく、おっしゃるようなケアが必要でしょう。

そうですね、用語一つ一つに象徴されるような価値観や文化体系を丸ごとインストールしなければならないという思いが強く、

どうしても気後れしてしまうのではないかと。オタは面倒なモノの考え方をする人種なのです。

 
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