はてなキーワード: 几帳面とは
夫の清潔感と私の感覚とのギャップについて感じる悩みが描かれており、「どうすれば、夫と価値観をすり合わせられるのか」という問いは共感できるところがあるため、70点。
夫の几帳面な性格によって家の清潔さを維持している様子や負担を感じる側面が上手く表現されている部分は、ありそうな悩みで多くの人に理解されがちなので80点。
夫の基準に追い付けないことに対するうんざりした気持ちは、多くの夫婦関係で見られる問題で、こうした課題が結婚生活にどのように影響するかが分かりやすく述べられているのは85点。
共働きの30代の主婦。結婚して5年になる夫との関係に、最近少し悩みを抱えている。原因は、夫の清潔感と私の感覚とのギャップだ。
夫はとにかく几帳面な性格で、家の中が少しでも汚れていると気になって仕方がないタイプ。床に埃が見えるとすぐ掃除機をかけるし、シンクは使うたびに完璧に磨き上げるのが彼のルール。一方の私は、必要なときに掃除すれば十分だと思っている。毎日家全体を隅々まできれいにする必要はないだろう、と。
そんな私に対して、夫はよく「ちゃんと掃除した?」と確認してくる。棚やテーブルの拭き残し、トイレの隅の汚れ、キッチンの水滴一つまで見逃さず指摘されると、正直うんざりしてしまう。私は仕事で疲れている中で、自分なりに家事を頑張っているつもり。それでも、夫の基準に届いていないようで、いつもどこか責められているような気分になる。
夫は「家を清潔に保つのは二人の責任だ」と言うけれど、私はそこまで細かいことを気にする余裕なんてない。たまに「少しくらい見逃してくれてもいいじゃない」と思うこともある。でも夫は譲らない。お互いに家事を分担している以上、片方が「ズボラ」だと不公平だと感じているらしい。
夫婦としてうまくやっていきたい気持ちはあるけれど、この清潔感のギャップがじわじわと二人の間に溝を作っているような気がして不安になる。どうすれば、夫と価値観をすり合わせられるのか。この問題をどう乗り越えればいいのか、答えが見つからない。
もう何年も前のことだけど、歯医者の矯正でインビザラインっていうマウスピース型の矯正始めて3ヶ月ぐらいで諦めたことある
人生で一番お金損したと思う 90万とかかかったのに一銭も帰ってこない
そもそもインビザラインってADHD殺しみたいなところがあって、着用時間とか毎日のルーティンとか全部守れる人じゃないと最後までうまく行かないらしくて
出先で歯磨く時間も取れない、マウスピースの付け外しが面倒くさい、それで一度でもトラブルがあったら全て1からやり直し、とめちゃくちゃ難儀だった
あと型とってからマウスピースの本体渡されるまで歯医者の予約の都合で暫く期間が空いたりするんだけど、その間に歯が動いた結果届いたマウスピースが全然入らない…ということが4度あって これで全部嫌になった
マウスピースが半分しかはまらないギチギチの状態で口が閉じれない、勿論喋れないという状態なのに医者は「そのまま1週間付ければ全部はまるようになります」とか言って俺を帰そうとしてくるんだけど
そんな口モゴモゴしてる状態で生活なんかできるわけないんだけど?と毎回困惑してた
当然それも伝えたけど「いや、でも付けていただくしかないんで…」みたいな感じで押されてさ
推奨の着用時間が1日20時間以上とかだから、働いてる以上それは無理なんだよね
マウスピースカパカパで常に何も喋れない状態でどうやって過ごすんだよ1週間
ここでどちらが普通であったり、相手側に同情する人の意見を聞きたい。
増田は「生活しやすい空間を作ることが大事。日々使うものを身近に置いて、使わないものは奥へ片づける。例えば、リモコンやティッシュが食卓において手に届くところにあるべきだし、衣類の衣替え等はある程度する」という考え。
相手は「めったに掃除はしない。掃除するときは頑張って見栄えをきれいにしたい。例えばリモコンやティッシュも食卓からどけて片づける。季節の衣替えなんかも見栄えに関係しないからしない。洗濯後の衣類も畳んでその辺に積み上げる」というタイプ。
相手は「近い将来、これを使うかどうか」を考えられないタイプなのだと思う。
だから増田はともかく雑でもいいから、生活圏をある程度きれいにすることを優先してる。
常に70~80点を狙うイメージ。
殆どの場合、来客があるときや、増田に文句を言われて掃除をする。
普段は、食卓や廊下に郵便物を積み上げたり、椅子に洗濯後の乾いた衣類を平気で一日以上放置することもある。
ひとつひとつはキレるほどではないのだが、他のイライラと重なると爆発してしまう。
そのため、常習的にこのことで揉める。
増田としては、「いくらズボラといえど、生活で使うスペースを汚したら、自分の首を絞めるだけじゃないか」と理解が出来ない。
https://anond.hatelabo.jp/20241002005552
一一
このごろ与次郎が学校で文芸協会の切符を売って回っている。二、三日かかって、知った者へはほぼ売りつけた様子である。与次郎はそれから知らない者をつかまえることにした。たいていは廊下でつかまえる。するとなかなか放さない。どうかこうか、買わせてしまう。時には談判中にベルが鳴って取り逃すこともある。与次郎はこれを時利あらずと号している。時には相手が笑っていて、いつまでも要領を得ないことがある。与次郎はこれを人利あらずと号している。ある時便所から出て来た教授をつかまえた。その教授はハンケチで手をふきながら、今ちょっとと言ったまま急いで図書館へはいってしまった。それぎりけっして出て来ない。与次郎はこれを――なんとも号しなかった。後影を見送って、あれは腸カタルに違いないと三四郎に教えてくれた。
与次郎に切符の販売方を何枚頼まれたのかと聞くと、何枚でも売れるだけ頼まれたのだと言う。あまり売れすぎて演芸場にはいりきれない恐れはないかと聞くと、少しはあると言う。それでは売ったあとで困るだろうと念をおすと、なに大丈夫だ、なかには義理で買う者もあるし、事故で来ないのもあるし、それから腸カタルも少しはできるだろうと言って、すましている。
与次郎が切符を売るところを見ていると、引きかえに金を渡す者からはむろん即座に受け取るが、そうでない学生にはただ切符だけ渡している。気の小さい三四郎が見ると、心配になるくらい渡して歩く。あとから思うとおりお金が寄るかと聞いてみると、むろん寄らないという答だ。几帳面にわずか売るよりも、だらしなくたくさん売るほうが、大体のうえにおいて利益だからこうすると言っている。与次郎はこれをタイムス社が日本で百科全書を売った方法に比較している。比較だけはりっぱに聞こえたが、三四郎はなんだか心もとなく思った。そこで一応与次郎に注意した時に、与次郎の返事はおもしろかった。
「いくら学生だって、君のように金にかけるとのん気なのが多いだろう」
「なに善意に払わないのは、文芸協会のほうでもやかましくは言わないはずだ。どうせいくら切符が売れたって、とどのつまりは協会の借金になることは明らかだから」
三四郎は念のため、それは君の意見か、協会の意見かとただしてみた。与次郎は、むろんぼくの意見であって、協会の意見であるとつごうのいいことを答えた。
与次郎の説を聞くと、今度は演芸会を見ない者は、まるでばかのような気がする。ばかのような気がするまで与次郎は講釈をする。それが切符を売るためだか、じっさい演芸会を信仰しているためだか、あるいはただ自分の景気をつけて、かねて相手の景気をつけ、次いでは演芸会の景気をつけて、世上一般の空気をできるだけにぎやかにするためだか、そこのところがちょっと明晰に区別が立たないものだから、相手はばかのような気がするにもかかわらず、あまり与次郎の感化をこうむらない。
与次郎は第一に会員の練習に骨を折っている話をする。話どおりに聞いていると、会員の多数は、練習の結果として、当日前に役に立たなくなりそうだ。それから背景の話をする。その背景が大したもので、東京にいる有為の青年画家をことごとく引き上げて、ことごとく応分の技倆を振るわしたようなことになる。次に服装の話をする。その服装が頭から足の先まで故実ずくめにでき上がっている。次に脚本の話をする。それが、みんな新作で、みんなおもしろい。そのほかいくらでもある。
与次郎は広田先生と原口さんに招待券を送ったと言っている。野々宮兄妹と里見兄妹には上等の切符を買わせたと言っている。万事が好都合だと言っている。三四郎は与次郎のために演芸会万歳を唱えた。
万歳を唱える晩、与次郎が三四郎の下宿へ来た。昼間とはうって変っている。堅くなって火鉢のそばへすわって寒い寒いと言う。その顔がただ寒いのではないらしい。はじめは火鉢へ乗りかかるように手をかざしていたが、やがて懐手になった。三四郎は与次郎の顔を陽気にするために、机の上のランプを端から端へ移した。ところが与次郎は顎をがっくり落して、大きな坊主頭だけを黒く灯に照らしている。いっこうさえない。どうかしたかと聞いた時に、首をあげてランプを見た。
「この家ではまだ電気を引かないのか」と顔つきにはまったく縁のないことを聞いた。
「まだ引かない。そのうち電気にするつもりだそうだ。ランプは暗くていかんね」と答えていると、急に、ランプのことは忘れたとみえて、
一応理由を聞いてみる。与次郎は懐から皺だらけの新聞を出した。二枚重なっている。その一枚をはがして、新しく畳み直して、ここを読んでみろと差しつけた。読むところを指の頭で押えている。三四郎は目をランプのそばへ寄せた。見出しに大学の純文科とある。
大学の外国文学科は従来西洋人の担当で、当事者はいっさいの授業を外国教師に依頼していたが、時勢の進歩と多数学生の希望に促されて、今度いよいよ本邦人の講義も必須課目として認めるに至った。そこでこのあいだじゅうから適当の人物を人選中であったが、ようやく某氏に決定して、近々発表になるそうだ。某氏は近き過去において、海外留学の命を受けたことのある秀才だから至極適任だろうという内容である。
「広田先生じゃなかったんだな」と三四郎が与次郎を顧みた。与次郎はやっぱり新聞の上を見ている。
「どうも」と首を曲げたが、「たいてい大丈夫だろうと思っていたんだがな。やりそくなった。もっともこの男がだいぶ運動をしているという話は聞いたこともあるが」と言う。
「しかしこれだけじゃ、まだ風説じゃないか。いよいよ発表になってみなければわからないのだから」
「いや、それだけならむろんかまわない。先生の関係したことじゃないから、しかし」と言って、また残りの新聞を畳み直して、標題を指の頭で押えて、三四郎の目の下へ出した。
今度の新聞にもほぼ同様の事が載っている。そこだけはべつだんに新しい印象を起こしようもないが、そのあとへ来て、三四郎は驚かされた。広田先生がたいへんな不徳義漢のように書いてある。十年間語学の教師をして、世間には杳として聞こえない凡材のくせに、大学で本邦人の外国文学講師を入れると聞くやいなや、急にこそこそ運動を始めて、自分の評判記を学生間に流布した。のみならずその門下生をして「偉大なる暗闇」などという論文を小雑誌に草せしめた。この論文は零余子なる匿名のもとにあらわれたが、じつは広田の家に出入する文科大学生小川三四郎なるものの筆であることまでわかっている。と、とうとう三四郎の名前が出て来た。
三四郎は妙な顔をして与次郎を見た。与次郎はまえから三四郎の顔を見ている。二人ともしばらく黙っていた。やがて、三四郎が、
「困るなあ」と言った。少し与次郎を恨んでいる。与次郎は、そこはあまりかまっていない。
「君、これをどう思う」と言う。
「どう思うとは」
「投書をそのまま出したに違いない。けっして社のほうで調べたものじゃない。文芸時評の六号活字の投書にこんなのが、いくらでも来る。六号活字はほとんど罪悪のかたまりだ。よくよく探ってみると嘘が多い。目に見えた嘘をついているのもある。なぜそんな愚な事をやるかというとね、君。みんな利害問題が動機になっているらしい。それでぼくが六号活字を受持っている時には、性質のよくないのは、たいてい屑籠へ放り込んだ。この記事もまったくそれだね。反対運動の結果だ」
「なぜ、君の名が出ないで、ぼくの名が出たものだろうな」
「やっぱり、なんだろう。君は本科生でぼくは選科生だからだろう」と説明した。けれども三四郎には、これが説明にもなんにもならなかった。三四郎は依然として迷惑である。
「ぜんたいぼくが零余子なんてけちな号を使わずに、堂々と佐々木与次郎と署名しておけばよかった。じっさいあの論文は佐々木与次郎以外に書ける者は一人もないんだからなあ」
与次郎はまじめである。三四郎に「偉大なる暗闇」の著作権を奪われて、かえって迷惑しているのかもしれない。三四郎はばかばかしくなった。
「さあ、そこだ。偉大なる暗闇の作者なんか、君だって、ぼくだって、どちらだってかまわないが、こと先生の人格に関係してくる以上は、話さずにはいられない。ああいう先生だから、いっこう知りません、何か間違いでしょう、偉大なる暗闇という論文は雑誌に出ましたが、匿名です、先生の崇拝者が書いたものですから御安心なさいくらいに言っておけば、そうかで、すぐ済んでしまうわけだが、このさいそうはいかん。どうしたってぼくが責任を明らかにしなくっちゃ。事がうまくいって、知らん顔をしているのは、心持ちがいいが、やりそくなって黙っているのは不愉快でたまらない。第一自分が事を起こしておいて、ああいう善良な人を迷惑な状態に陥らして、それで平気に見物がしておられるものじゃない。正邪曲直なんてむずかしい問題は別として、ただ気の毒で、いたわしくっていけない」
「家へ来る新聞にゃない。だからぼくも知らなかった。しかし先生は学校へ行っていろいろな新聞を見るからね。よし先生が見なくってもだれか話すだろう」
「すると、もう知ってるな」
「むろん知ってるだろう」
「君にはなんとも言わないか」
「言わない。もっともろくに話をする暇もないんだから、言わないはずだが。このあいだから演芸会の事でしじゅう奔走しているものだから――ああ演芸会も、もういやになった。やめてしまおうかしらん。おしろいをつけて、芝居なんかやったって、何がおもしろいものか」
「しかられるだろう。しかられるのはしかたがないが、いかにも気の毒でね。よけいな事をして迷惑をかけてるんだから。――先生は道楽のない人でね。酒は飲まず、煙草は」と言いかけたが途中でやめてしまった。先生の哲学を鼻から煙にして吹き出す量は月に積もると、莫大なものである。
「煙草だけはかなりのむが、そのほかになんにもないぜ。釣りをするじゃなし、碁を打つじゃなし、家庭の楽しみがあるじゃなし。あれがいちばんいけない。子供でもあるといいんだけれども。じつに枯淡だからなあ」
与次郎はそれで腕組をした。
「たまに、慰めようと思って、少し奔走すると、こんなことになるし。君も先生の所へ行ってやれ」
「行ってやるどころじゃない。ぼくにも多少責任があるから、あやまってくる」
「君はあやまる必要はない」
「じゃ弁解してくる」
与次郎はそれで帰った。三四郎は床にはいってからたびたび寝返りを打った。国にいるほうが寝やすい心持ちがする。偽りの記事――広田先生――美禰子――美禰子を迎えに来て連れていったりっぱな男――いろいろの刺激がある。
夜中からぐっすり寝た。いつものように起きるのが、ひどくつらかった。顔を洗う所で、同じ文科の学生に会った。顔だけは互いに見知り合いである。失敬という挨拶のうちに、この男は例の記事を読んでいるらしく推した。しかし先方ではむろん話頭を避けた。三四郎も弁解を試みなかった。
暖かい汁の香をかいでいる時に、また故里の母からの書信に接した。また例のごとく、長かりそうだ。洋服を着換えるのがめんどうだから、着たままの上へ袴をはいて、懐へ手紙を入れて、出る。戸外は薄い霜で光った。
通りへ出ると、ほとんど学生ばかり歩いている。それが、みな同じ方向へ行く。ことごとく急いで行く。寒い往来は若い男の活気でいっぱいになる。そのなかに霜降りの外套を着た広田先生の長い影が見えた。この青年の隊伍に紛れ込んだ先生は、歩調においてすでに時代錯誤である。左右前後に比較するとすこぶる緩漫に見える。先生の影は校門のうちに隠れた。門内に大きな松がある。巨大の傘のように枝を広げて玄関をふさいでいる。三四郎の足が門前まで来た時は、先生の影がすでに消えて、正面に見えるものは、松と、松の上にある時計台ばかりであった。この時計台の時計は常に狂っている。もしくは留まっている。
門内をちょっとのぞきこんだ三四郎は、口の中で「ハイドリオタフヒア」という字を二度繰り返した。この字は三四郎の覚えた外国語のうちで、もっとも長い、またもっともむずかしい言葉の一つであった。意味はまだわからない。広田先生に聞いてみるつもりでいる。かつて与次郎に尋ねたら、おそらくダーターファブラのたぐいだろうと言っていた。けれども三四郎からみると二つのあいだにはたいへんな違いがある。ダーターファブラはおどるべき性質のものと思える。ハイドリオタフヒアは覚えるのにさえ暇がいる。二へん繰り返すと歩調がおのずから緩漫になる。広田先生の使うために古人が作っておいたような音がする。
学校へ行ったら、「偉大なる暗闇」の作者として、衆人の注意を一身に集めている気色がした。戸外へ出ようとしたが、戸外は存外寒いから廊下にいた。そうして講義のあいだに懐から母の手紙を出して読んだ。
この冬休みには帰って来いと、まるで熊本にいた当時と同様な命令がある。じつは熊本にいた時分にこんなことがあった。学校が休みになるか、ならないのに、帰れという電報が掛かった。母の病気に違いないと思い込んで、驚いて飛んで帰ると、母のほうではこっちに変がなくって、まあ結構だったといわぬばかりに喜んでいる。訳を聞くと、いつまで待っていても帰らないから、お稲荷様へ伺いを立てたら、こりゃ、もう熊本をたっているという御託宣であったので、途中でどうかしはせぬだろうかと非常に心配していたのだと言う。三四郎はその当時を思いだして、今度もまた伺いを立てられることかと思った。しかし手紙にはお稲荷様のことは書いてない。ただ三輪田のお光さんも待っていると割注みたようなものがついている。お光さんは豊津の女学校をやめて、家へ帰ったそうだ。またお光さんに縫ってもらった綿入れが小包で来るそうだ。大工の角三が山で賭博を打って九十八円取られたそうだ。――そのてんまつが詳しく書いてある。めんどうだからいいかげんに読んだ。なんでも山を買いたいという男が三人連で入り込んで来たのを、角三が案内をして、山を回って歩いているあいだに取られてしまったのだそうだ。角三は家へ帰って、女房にいつのまに取られたかわからないと弁解した。すると、女房がそれじゃお前さん眠り薬でもかがされたんだろうと言ったら、角三が、うんそういえばなんだかかいだようだと答えたそうだ。けれども村の者はみんな賭博をして巻き上げられたと評判している。いなかでもこうだから、東京にいるお前なぞは、本当によく気をつけなくてはいけないという訓誡がついている。
長い手紙を巻き収めていると、与次郎がそばへ来て、「やあ女の手紙だな」と言った。ゆうべよりは冗談をいうだけ元気がいい。三四郎は、
「なに母からだ」と、少しつまらなそうに答えて、封筒ごと懐へ入れた。
「いいや」
「何を」と問い返しているところへ、一人の学生が、与次郎に、演芸会の切符をほしいという人が階下に待っていると教えに来てくれた。与次郎はすぐ降りて行った。
与次郎はそれなり消えてなくなった。いくらつらまえようと思っても出て来ない。三四郎はやむをえず精出して講義を筆記していた。講義が済んでから、ゆうべの約束どおり広田先生の家へ寄る。相変らず静かである。先生は茶の間に長くなって寝ていた。ばあさんに、どうかなすったのかと聞くと、そうじゃないのでしょう、ゆうべあまりおそくなったので、眠いと言って、さっきお帰りになると、すぐに横におなりなすったのだと言う。長いからだの上に小夜着が掛けてある。三四郎は小さな声で、またばあさんに、どうして、そうおそくなったのかと聞いた。なにいつでもおそいのだが、ゆうべのは勉強じゃなくって、佐々木さんと久しくお話をしておいでだったという答である。勉強が佐々木に代ったから、昼寝をする説明にはならないが、与次郎が、ゆうべ先生に例の話をした事だけはこれで明瞭になった。ついでに与次郎が、どうしかられたかを聞いておきたいのだが、それはばあさんが知ろうはずがないし、肝心の与次郎は学校で取り逃してしまったからしかたがない。きょうの元気のいいところをみると、大した事件にはならずに済んだのだろう。もっとも与次郎の心理現象はとうてい三四郎にはわからないのだから、じっさいどんなことがあったか想像はできない。
三四郎は長火鉢の前へすわった。鉄瓶がちんちん鳴っている。ばあさんは遠慮をして下女部屋へ引き取った。三四郎はあぐらをかいて、鉄瓶に手をかざして、先生の起きるのを待っている。先生は熟睡している。三四郎は静かでいい心持ちになった。爪で鉄瓶をたたいてみた。熱い湯を茶碗についでふうふう吹いて飲んだ。先生は向こうをむいて寝ている。二、三日まえに頭を刈ったとみえて、髪がはなはだ短かい。髭のはじが濃く出ている。鼻も向こうを向いている。鼻の穴がすうすう言う。安眠だ。
三四郎は返そうと思って、持って来たハイドリオタフヒアを出して読みはじめた。ぽつぽつ拾い読みをする。なかなかわからない。墓の中に花を投げることが書いてある。ローマ人は薔薇を affect すると書いてある。なんの意味だかよく知らないが、おおかた好むとでも訳するんだろうと思った。ギリシア人は Amaranth を用いると書いてある。これも明瞭でない。しかし花の名には違いない。それから少しさきへ行くと、まるでわからなくなった。ページから目を離して先生を見た。まだ寝ている。なんでこんなむずかしい書物を自分に貸したものだろうと思った。それから、このむずかしい書物が、なぜわからないながらも、自分の興味をひくのだろうと思った。最後に広田先生は必竟ハイドリオタフヒアだと思った。
「なにないことがあるものか」
「あった、あった」と三四郎が言う。
「どら、拝見」と美禰子が顔を寄せて来る。「ヒストリー・オフ・インテレクチュアル・デベロップメント。あらあったのね」
「あらあったもないもんだ。早くお出しなさい」
三人は約三十分ばかり根気に働いた。しまいにはさすがの与次郎もあまりせっつかなくなった。見ると書棚の方を向いてあぐらをかいて黙っている。美禰子は三四郎の肩をちょっと突っついた。三四郎は笑いながら、
「おいどうした」と聞く。
「うん。先生もまあ、こんなにいりもしない本を集めてどうする気かなあ。まったく人泣かせだ。いまこれを売って株でも買っておくともうかるんだが、しかたがない」と嘆息したまま、やはり壁を向いてあぐらをかいている。
三四郎と美禰子は顔を見合わせて笑った。肝心の主脳が動かないので、二人とも書物をそろえるのを控えている。三四郎は詩の本をひねくり出した。美禰子は大きな画帖を膝の上に開いた。勝手の方では臨時雇いの車夫と下女がしきりに論判している。たいへん騒々しい。
「ちょっと御覧なさい」と美禰子が小さな声で言う。三四郎は及び腰になって、画帖の上へ顔を出した。美禰子の髪で香水のにおいがする。
絵はマーメイドの図である。裸体の女の腰から下が魚になって、魚の胴がぐるりと腰を回って、向こう側に尾だけ出ている。女は長い髪を櫛ですきながら、すき余ったのを手に受けながら、こっちを向いている。背景は広い海である。
「人魚」
「人魚」
頭をすりつけた二人は同じ事をささやいた。この時あぐらをかいていた与次郎がなんと思ったか、
「なんだ、何を見ているんだ」と言いながら廊下へ出て来た。三人は首をあつめて画帖を一枚ごとに繰っていった。いろいろな批評が出る。みんないいかげんである。
ところへ広田先生がフロックコートで天長節の式から帰ってきた、三人は挨拶をする時に画帖を伏せてしまった。先生が書物だけはやく片づけようというので、三人がまた根気にやり始めた。今度は主人公がいるので、そう油を売ることもできなかったとみえて、一時間後には、どうか、こうか廊下の書物が書棚の中へ詰まってしまった。四人は立ち並んできれいに片づいた書物を一応ながめた。
「あとの整理はあしただ」と与次郎が言った。これでがまんなさいといわぬばかりである。
「だいぶお集めになりましたね」と美禰子が言う。
「先生これだけみんなお読みになったですか」と最後に三四郎が聞いた。三四郎はじっさい参考のため、この事実を確かめておく必要があったとみえる。
与次郎は頭をかいている。三四郎はまじめになって、じつはこのあいだから大学の図書館で、少しずつ本を借りて読むが、どんな本を借りても、必ずだれか目を通している。試しにアフラ・ベーンという人の小説を借りてみたが、やっぱりだれか読んだあとがあるので、読書範囲の際限が知りたくなったから聞いてみたと言う。
「驚いたな。先生はなんでも人の読まないものを読む癖がある」と与次郎が言った。
広田は笑って座敷の方へ行く。着物を着換えるためだろう。美禰子もついて出た。あとで与次郎が三四郎にこう言った。
「あれだから偉大な暗闇だ。なんでも読んでいる。けれどもちっとも光らない。もう少し流行るものを読んで、もう少し出しゃばってくれるといいがな」
与次郎の言葉はけっして冷評ではなかった。三四郎は黙って本箱をながめていた。すると座敷から美禰子の声が聞こえた。
「ごちそうをあげるからお二人ともいらっしゃい」
二人が書斎から廊下伝いに、座敷へ来てみると、座敷のまん中に美禰子の持って来た籃が据えてある。蓋が取ってある。中にサンドイッチがたくさんはいっている。美禰子はそのそばにすわって、籃の中のものを小皿へ取り分けている。与次郎と美禰子の問答が始まった。
「よく忘れずに持ってきましたね」
「その籃も買ってきたんですか」
「いいえ」
「家にあったんですか」
「ええ」
「たいへん大きなものですね。車夫でも連れてきたんですか。ついでに、少しのあいだ置いて働かせればいいのに」
「車夫はきょうは使いに出ました。女だってこのくらいなものは持てますわ」
「あなただから持つんです。ほかのお嬢さんなら、まあやめますね」
「そうでしょうか。それなら私もやめればよかった」
美禰子は食い物を小皿へ取りながら、与次郎と応対している。言葉に少しもよどみがない。しかもゆっくりおちついている。ほとんど与次郎の顔を見ないくらいである。三四郎は敬服した。
台所から下女が茶を持って来る。籃を取り巻いた連中は、サンドイッチを食い出した。少しのあいだは静かであったが、思い出したように与次郎がまた広田先生に話しかけた。
「先生、ついでだからちょっと聞いておきますがさっきのなんとかベーンですね」
「古い。しかし職業として小説に従事したはじめての女だから、それで有名だ」
「有名じゃ困るな。もう少し伺っておこう。どんなものを書いたんですか」
「ぼくはオルノーコという小説を読んだだけだが、小川さん、そういう名の小説が全集のうちにあったでしょう」
三四郎はきれいに忘れている。先生にその梗概を聞いてみると、オルノーコという黒ん坊の王族が英国の船長にだまされて、奴隷に売られて、非常に難儀をする事が書いてあるのだそうだ。しかもこれは作家の実見譚だとして後世に信ぜられているという話である。
「おもしろいな。里見さん、どうです、一つオルノーコでも書いちゃあ」と与次郎はまた美禰子の方へ向かった。
「書いてもよござんすけれども、私にはそんな実見譚がないんですもの」
「黒ん坊の主人公が必要なら、その小川君でもいいじゃありませんか。九州の男で色が黒いから」
「口の悪い」と美禰子は三四郎を弁護するように言ったが、すぐあとから三四郎の方を向いて、
「書いてもよくって」と聞いた。その目を見た時に、三四郎はけさ籃をさげて、折戸からあらわれた瞬間の女を思い出した。おのずから酔った心地である。けれども酔ってすくんだ心地である。どうぞ願いますなどとはむろん言いえなかった。
広田先生は例によって煙草をのみ出した。与次郎はこれを評して鼻から哲学の煙の吐くと言った。なるほど煙の出方が少し違う。悠然として太くたくましい棒が二本穴を抜けて来る。与次郎はその煙柱をながめて、半分背を唐紙に持たしたまま黙っている。三四郎の目はぼんやり庭の上にある。引っ越しではない。まるで小集のていに見える。談話もしたがって気楽なものである。ただ美禰子だけが広田先生の陰で、先生がさっき脱ぎ捨てた洋服を畳み始めた。先生に和服を着せたのも美禰子の所為とみえる。
「今のオルノーコの話だが、君はそそっかしいから間違えるといけないからついでに言うがね」と先生の煙がちょっととぎれた。
「あの小説が出てから、サザーンという人がその話を脚本に仕組んだのが別にある。やはり同じ名でね。それをいっしょにしちゃいけない」
「へえ、いっしょにしやしません」
「その脚本のなかに有名な句がある。Pity's akin to love という句だが……」それだけでまた哲学の煙をさかんに吹き出した。
「日本にもありそうな句ですな」と今度は三四郎が言った。ほかの者も、みんなありそうだと言いだした。けれどもだれにも思い出せない。ではひとつ訳してみたらよかろうということになって、四人がいろいろに試みたがいっこうにまとまらない。しまいに与次郎が、
「これは、どうしても俗謡でいかなくっちゃだめですよ。句の趣が俗謡だもの」と与次郎らしい意見を提出した。
そこで三人がぜんぜん翻訳権を与次郎に委任することにした。与次郎はしばらく考えていたが、
「少しむりですがね、こういうなどうでしょう。かあいそうだたほれたってことよ」
「いかん、いかん、下劣の極だ」と先生がたちまち苦い顔をした。その言い方がいかにも下劣らしいので、三四郎と美禰子は一度に笑い出した。この笑い声がまだやまないうちに、庭の木戸がぎいと開いて、野々宮さんがはいって来た。
「もうたいてい片づいたんですか」と言いながら、野々宮さんは椽側の正面の所まで来て、部屋の中にいる四人をのぞくように見渡した。
「まだ片づきませんよ」と与次郎がさっそく言う。
「少し手伝っていただきましょうか」と美禰子が与次郎に調子を合わせた。野々宮さんはにやにや笑いながら、
「だいぶにぎやかなようですね。何かおもしろい事がありますか」と言って、ぐるりと後向きに椽側へ腰をかけた。
「なにつまらない――かわいそうだたほれたってことよというんです」
「へえ」と言った野々宮君は椽側で筋かいに向き直った。「いったいそりゃなんですか。ぼくにゃ意味がわからない」
「いや、少し言葉をつめすぎたから――あたりまえにのばすと、こうです。かあいそうだとはほれたということよ」
「アハハハ。そうしてその原文はなんというのです」
「Pity's akin to love」と美禰子が繰り返した。美しいきれいな発音であった。
野々宮さんは、椽側から立って、二、三歩庭の方へ歩き出したが、やがてまたぐるりと向き直って、部屋を正面に留まった。
「なるほどうまい訳だ」
三四郎は野々宮君の態度と視線とを注意せずにはいられなかった。
美禰子は台所へ立って、茶碗を洗って、新しい茶をついで、椽側の端まで持って出る。
「お茶を」と言ったまま、そこへすわった。「よし子さんは、どうなすって」と聞く。
「ええ、からだのほうはもう回復しましたが」とまた腰をかけて茶を飲む。それから、少し先生の方へ向いた。
「先生、せっかく大久保へ越したが、またこっちの方へ出なければならないようになりそうです」
「なぜ」
「妹が学校へ行き帰りに、戸山の原を通るのがいやだと言いだしましてね。それにぼくが夜実験をやるものですから、おそくまで待っているのがさむしくっていけないんだそうです。もっとも今のうちは母がいるからかまいませんが、もう少しして、母が国へ帰ると、あとは下女だけになるものですからね。臆病者の二人ではとうていしんぼうしきれないのでしょう。――じつにやっかいだな」と冗談半分の嘆声をもらしたが、「どうです里見さん、あなたの所へでも食客に置いてくれませんか」と美禰子の顔を見た。
「いつでも置いてあげますわ」
「どっちです。宗八さんのほうをですか、よし子さんのほうをですか」と与次郎が口を出した。
「どちらでも」
「そうして君はどうする気なんだ」
「妹の始末さえつけば、当分下宿してもいいです。それでなければ、またどこかへ引っ越さなければならない。いっそ学校の寄宿舎へでも入れようかと思うんですがね。なにしろ子供だから、ぼくがしじゅう行けるか、向こうがしじゅう来られる所でないと困るんです」
「それじゃ里見さんの所に限る」と与次郎がまた注意を与えた。広田さんは与次郎を相手にしない様子で、
「ぼくの所の二階へ置いてやってもいいが、なにしろ佐々木のような者がいるから」と言う。
「先生、二階へはぜひ佐々木を置いてやってください」と与次郎自身が依頼した。野々宮君は笑いながら、
「まあ、どうかしましょう。――身長ばかり大きくってばかだからじつに弱る。あれで団子坂の菊人形が見たいから、連れていけなんて言うんだから」
「連れていっておあげなさればいいのに。私だって見たいわ」
「じゃいっしょに行きましょうか」
「ええぜひ。小川さんもいらっしゃい」
「ええ行きましょう」
「佐々木さんも」
「菊人形は御免だ。菊人形を見るくらいなら活動写真を見に行きます」
「菊人形はいいよ」と今度は広田先生が言いだした。「あれほどに人工的なものはおそらく外国にもないだろう。人工的によくこんなものをこしらえたというところを見ておく必要がある。あれが普通の人間にできていたら、おそらく団子坂へ行く者は一人もあるまい。普通の人間なら、どこの家でも四、五人は必ずいる。団子坂へ出かけるにはあたらない」
「昔教場で教わる時にも、よくあれでやられたものだ」と野々宮君が言った。
「じゃ先生もいらっしゃい」と美禰子が最後に言う。先生は黙っている。みんな笑いだした。
台所からばあさんが「どなたかちょいと」と言う。与次郎は「おい」とすぐ立った。三四郎はやはりすわっていた。
「どれぼくも失礼しようか」と野々宮さんが腰を上げる。
「あらもうお帰り。ずいぶんね」と美禰子が言う。
「このあいだのものはもう少し待ってくれたまえ」と広田先生が言うのを、「ええ、ようござんす」と受けて、野々宮さんが庭から出ていった。その影が折戸の外へ隠れると、美禰子は急に思い出したように「そうそう」と言いながら、庭先に脱いであった下駄をはいて、野々宮のあとを追いかけた。表で何か話している。
三四郎は黙ってすわっていた。
東村山駅近く、3DK、7から8万円台だと問い合わせが来るんだが、気づくと埋まっていて、契約が取れない。
外国人、生活保護世帯、低所得者層などいわゆる低属性の人が多い。
外国人は日本語を話せるし、几帳面な人は日本人の低所得者よりも几帳面で、ゴミだらけの部屋を生み出した日本人に説教をかまして日本人と一緒に掃除たこともある。
この外国人にはお礼を言ったんだが、このように善良な外国人だけとも限らない。
法人で一部屋5万円ぐらいの部屋を借りて、外国人二人を住まわせて、一人あたり3.5万円、合わせて7万円とるようなことをしてるところもわりとある
法人の人曰く、外国人相手にサポートをしてるので、このくらいとっても仕方ないみたいなことをしきりに言うんだが、家賃の滞納はするし、部屋を汚すだけ汚して、原状回復費を払わずに逃げる法人も多い
ちなみにまじめな外国人でも稼ぎは日本人と同じぐらいで、年収100万円から300万円台の人が多い。ごくごくまれに年収700万円がいるぐらいだが、ここまで稼ぐ人は自営業や水商売などリスクの高い仕事をしている人しかあったことがない。
外国人に貸すとたこ部屋を作られた挙句の果てに部屋をめちゃくちゃにするので、外国人には貸したくない。
特に風呂トイレ別、室内洗濯機置き場、エレベーター付きの物件はこのような傾向が強い。
外国人は日本語が喋れる人が多いとはいえ、たこ部屋に入るような人は日本語を話せず、トラブルの対応が面倒だからだ。
中には外国人に部屋を貸してくれる大家もいるんだが、不動産投資を行っている会社やREITの運用会社が日本人に貸そうとしたけど、
もしくは3点ユニットバスや外置き洗濯機だったり、部屋が狭かったり、都市ガスの地域でプロパンガスだったり、駅から徒歩15分だったりと難点のある部屋を大家が所有していて、日本人相手だと借りないので、
仕方なくというパターンもある
その結果として以下のようなことが起きている。
大家:日本人と同じ値段では貸すものか。少し高めの家賃ならいいよ。それか人気のない部屋ならいいよ
仲介:こういう部屋ならあるんですが…
外国人:んなもんいらね。そういうのを差別というんだぜ。ふざけるな。
※生活保護世帯や低所得層はあえて書かなかったが、抱えているリスクは同じなので、結果として同じようなことが起きやすい
仲介目線だと日本人が好む部屋を外国人に貸したいんだが、肝心の部屋がない。
どうしたものかね
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-04-005.html
----
150ml増量みたいな謳い文句がずっと書いてあったやつ。いつまで言ってんだよと思っていたけど、最近デザイン変更とともにとうとうその文言は消え失せた。
最初にペプシ飲みながら映画でも観て夜更かした時は特別な時間だったけれど、それもすっかりただの不健康な日常になってしまった。
静かな夜道に自分一人の足音を響かせながらコンビニへお菓子買いに行って、帰りに自販機でしか売ってないペプシを買う時間は嫌いじゃない。
それも深い夜にやれたら良いんだけど。ジョギングのジジイや早朝出勤の会社員が現れ始める頃合いだと漠然とした焦りがある。こんな事してて良いんだろうかって気持ちの方がデカい。
空き缶は占領面積に我慢ならなくなるまで増え続ける。限度を迎えると、近くに転がってるレジ袋に詰め込んで足元に置いておく。
こんな光景も酒の空き缶だったりすれば、退廃的な悲哀の雰囲気も少しは出たかな。
おれは人生を常にシラフで生きているけれど、酒に逃げられたら多少は楽だったんだろうか。人並みに他人との交流を持って、一杯目の生をそれとなく強要されたりして、付き合い程度にでも飲めるようになってたらどうだろう。まあいいや。
ペプシの缶が増え続け、二週に一度の回収日にはなくなる。おれの生活ってこの繰り返し。
ある朝目覚めたらタイムリープしていたとしても、おれは時間が巻き戻った事にすら気が付かないかもしれない。
昨日と同じように過ごす中で、しかしたった一つ僅かな違和感を覚える。
机に並んでいたはずの缶が無い。
冷静に事態を分析する中で、妥当に思える可能性がどんどん潰れていく。最後に残された、最も信じがたい状況を認めざるを得ない。
自分の意識だけを除いて、世界の時間が一週間ほど巻き戻されている。
金だ。
BTTF2よろしく、この珍妙な状況の利用法が真っ先に思い浮かぶ。
金さえあればこの浮かばれない気鬱な日々も少しはマシになるだろう。
株価にどんな動向があった?
どの馬が勝った?
必死に頭を捻る。何も思い浮かばない。この一週間自分は何をしていた?
何も変わらない。缶の数が減っただけ。
不意に訪れた絶好の機会を失い、先週の過ごし方への後悔は人生そのものへの後悔へと変わる。
心の奥底から湧き出る欲望を叶えるための努力を嫌い、恐れた。手軽に買える欲望で気を紛らわす。
逃げん込んだ先の非日常すらもことごとく日常になってしまう。そうして怠惰にかまける生き方にどこか酔う事でやり過ごしていたんだろ。そう自分を責め立てる。
この奇妙な出来事が過ぎ去って、しばらくは新聞に目を光らせるかもしれない。ニュースに真剣に耳を傾けるかもしれない。
でも時間が巻き戻る事は二度と無かった。
タイムリープがもたらした生活習慣は次第にフェードアウトしていく。
続けていれば超自然的な奇跡を待たずとも、大逆転ではなくとも、少しは人生が変わっていたかもしれない。
何も変えられなかったけれど、それでも得られた唯一の気付きは泥のような怠惰の中で崩れ去る。
それは結局生き方への真摯な反省ではなく、奇跡の再来への浅はかな期待でしかなかったんだろう。
多分そういう奴だねおれは。
ペプシ買いに行くか。
なんかそもそも男のサポートに徹し捕まったらおとなしく助けを待つ、そんな一歩下がって男を立てるようなピンクを育成する学校で、主人公のライバルとして出てくる「古き良きピンク」を目指してる頭よさそうなピンク候補が(名前や外見からして)外国人で高身長で理知的で悪く言えばキツそうな『強い女』の外見してるのはどうなの?と思ったな(個人的には超好みだけども)
なんかそういう世界って男より背が低くておっとりしてて優しそうな女の方が理想のピンク扱いされそうじゃない?
あと外国籍ってのもマイナスに見られそうじゃん。そういう世界で本気にピンクになりたいと考える賢い女なら名前を変えるとか髪を黒に染めるとか思いついてやっててもいいと思う。
主人公もおっとり癒し系とは程遠いからキツイ女が合格して学校に通うこと自体はいい。
主人公はありのままの自分で、レッドを超えるピンクになりたいという設定だからもちろん世間のピンクのイメージに迎合する必要はない。
でも「古き良き理想のピンクを目指す」というキャラ設定なら、たとえ内面は几帳面な委員長キャラであっても、外側はか弱くて優しくて癒し系の女に擬態しそうなもんだけど…と世界観とキャラ設定の乖離が気になってしまった。
「家事は弱者男性におまかせ!」は、家事代行サービス「弱者男性サービス」で働く美男美女の従業員たち、通称「弱者男性」を中心に展開される物語です。彼らは優れた容姿とスキルで男性・女性問わずクライアントにモテモテな存在です。依頼内容は、暗殺、護衛、料理、掃除、スケジュール管理など多岐にわたり、弱者男性たちは様々な騒動に巻き込まれながらも、スマートに解決していきます。
「弱者男性サービス」は、他の家事代行サービスと一線を画する高級サービスです。クライアントのどんな要望にも応えるため、様々なスキルを持つ従業員が活躍しています。
弱者男性たちは、美男美女であり、彼らの優れた仕事ぶりと魅力により、クライアントから高く評価されています。
家事に関することはもちろん、時には暗殺や護衛といった特殊任務にも挑戦します。どんな依頼にも対応できる柔軟性とプロフェッショナルさを備えています。
プロフィール: 30代前半の落ち着いた雰囲気を持つ男性で、チームを統率するリーダー。頼れる兄貴肌で、クライアントの安全を第一に考えます。
スキル: 優れた格闘技と護身術のスキルを持ち、危険な状況でも冷静に対応できる信頼の存在です。どんな任務でもクライアントを安全に守ります。
プロフィール: 10代後半の女性で、几帳面で細やかな心遣いが得意。美しい笑顔と誠実な仕事ぶりで、多くのクライアントから愛されています。弱者男性サービスの中で最も戦闘能力に優れます。
スキル: 掃除のプロフェッショナルで、どんな場所でも完璧にクリーンにします。整理整頓の技術も卓越しており、クライアントの生活空間を快適に整えます。
プロフィール: 10代半ばの男性で、料理に情熱を持つフードアーティスト。陽気で社交的な性格で、料理だけでなく、クライアントの心もつかんでしまいます。
スキル: 世界中の料理を完璧に再現し、どんな食材からも美味しい料理を作り出す才能があります。料理の芸術性と美味しさで、クライアントを驚かせます。
プロフィール: 30代前半の知的な雰囲気を持つ女性で、クライアントのスケジュールを効率よく管理することが得意。冷静で理論的な思考を持ち合わせています。
スキル: 優れた計画力で、クライアントの時間を最大限に活用します。日々のスケジュールから大規模なプロジェクトまで、完璧にサポートします。
プロフィール: 20代後半のミステリアスな女性で、諜報活動に長けています。控えめで慎重な性格を持ち、秘密保持のプロフェッショナルです。
スキル: スパイ活動や暗殺、潜入任務を得意とし、どんな厳重な場所でも静かに忍び込むことができます。情報収集や分析能力に優れており、チームの重要な一員です。
プロフィール: 20代後半の男性で、機械やガジェットの扱いに長けています。機械オタクで陽気な性格で、チームのムードメーカーです。
スキル: 様々な機械を操作する技術に秀でており、セキュリティシステムの解除や情報解析を行います。高度な技術を駆使して、任務をサポートします。
チームは毎日様々な依頼を受け、作戦会議を開いて最適な解決策を練ります。各メンバーの特技を活かし、完璧なプランを立てて依頼に挑みます。
依頼内容に応じて、それぞれの専門分野を活かしながら、任務を遂行していきます。クライアントの期待を超えるパフォーマンスで、満足度の高いサービスを提供します。
任務中に思わぬトラブルが発生しても、チームは冷静に対応し、迅速に問題を解決します。どんな困難も乗り越え、クライアントの満足を得るために努力します。
任務が無事に完了し、クライアントから感謝される瞬間が、弱者男性たちのやりがいとなります。彼らのプロフェッショナルな姿勢が、多くのクライアントに愛される理由です。
岸田と増田は、高校時代からの親友だった。几帳面で大人しい印象の岸田と、雄弁で人情味あふれる増田。
一見正反対の二人だが、互いの長所を認め合い、卒業後も親交を深めていった。
社会人となった二人は、同じ政治家の道を歩み始めた。岸田は着実に実績を積み、党内での地位を固めていった。
一方、増田は弱者の声に耳を傾け、熱心に支援活動を行っていた。
ある日、重要な法案の採決を前に、岸田は増田に協力を求めた。「この法案は経済を立て直すために必要なんだ」と岸田は主張した。
しかし増田は、「でも、この法案は弱者を切り捨てることになる」と反対の姿勢を示した。
岸田の目に、普段は見せない冷徹な光が宿った。「増田、君はいつも損ばかりしている。政治家として成功したいなら、時には冷静な判断も必要だ」
増田は苦悩した。弱者のために戦うべきか、それとも岸田の言う通り現実的な判断をすべきか。結局、増田は自分の信念を貫くことを選んだ。
法案は可決され、岸田の評価は上がった。一方、増田は党内で孤立を深めていった。それでも、彼は弱者の声に耳を傾け続けた。
年月が過ぎ、二人の立場は大きく変わった。岸田は首相の座に就き、増田は地方議員として細々と活動を続けていた。
再会した二人は、互いの人生を振り返った。岸田は権力を手に入れたが、孤独だった。増田は貧しくとも、多くの人々に愛されていた。
クラウド、「興味ないね」とか言いつつ、毎朝その髪型を1時間くらいかけてハードスプレーで作ってるんでしょ?
で、脇は永久脱毛。
眉毛もめちゃくちゃ几帳面に整えてて、ちょっと剃りすぎてヤンキー眉になっちゃって。
こんだけ外見に命かけるやつが異性に興味ないわけないんだよ。
近付いてくる女には大体反応してるから、申し訳ないけど声優さんの過去のスキャンダルが思い返されちゃってそれもなんだかなぁって感じ。
夏油傑のときはそんなこと思わなかったのになあ。
むっつりスケベでいろんな女に気のあるクラウドだと、演技がうまいとか思う以前に「あー、中の人は異性関係でああいうことしておいて……」とどうしても思っちゃうんだよな。
ポーズが酷いってのもそうだけど、プロフィールからして女性差別意識丸出しじゃん
なんで男女で5歳も年齢差が?同い年でよくない?
身長 女は157cm、男は180cm
なんで女の方は体重秘密?(そもそも体重を書く必要性感じないし)
性格 女は「明るく前向き」、男は「生真面目で几帳面、面倒見がよく優しい。」
背景 女が「生粋の三重県人、父が三重交通バス運転士。小さい頃からの夢であるバス運転士になった。」、男が「無事故無違反の模範社員。バスや路線のことは何でも知っているバスファン。乗客にも隠れファンが多い」
女の方が本人に直接関係ない父の話なのに比べ、男の方は本人の話が書かれている。
プロフィールの細かいところからも、「女はアイドル的な消費対象、男は真面目で優秀な職業人」という意識が見えて気持ち悪い。
どうせネタに走るなら、男の方もアイドルやホスト風にして決め決めポーズにすりゃあまだ良かったんだけど、男の方は地味で普通なだけに女の方が悪目立ちしている。
ポーズが酷いってのもそうだけど、プロフィールからして女性差別意識丸出しじゃん
なんで男女で5歳も年齢差が?同い年でよくない?
身長 女は157cm、男は180cm
なんで女の方は体重秘密?(そもそも体重を書く必要性感じないし)
性格 女は「明るく前向き」、男は「生真面目で几帳面、面倒見がよく優しい。」
背景 女が「生粋の三重県人、父が三重交通バス運転士。小さい頃からの夢であるバス運転士になった。」、男が「無事故無違反の模範社員。バスや路線のことは何でも知っているバスファン。乗客にも隠れファンが多い」
女の方が本人に直接関係ない父の話なのに比べ、男の方は本人の話が書かれている。
プロフィールの細かいところからも、「女はアイドル的な消費対象、男は真面目で優秀な職業人」という意識が見えて気持ち悪い。
どうせネタに走るなら、男の方もアイドルやホスト風にして決め決めポーズにすりゃあまだ良かったんだけど、男の方は地味で普通なだけに女の方が悪目立ちしている。
几帳面じゃなくても定期服薬はできるよ?
自分には6年付き合った年上の彼女がいた。名前はPHP。学生の時からの付き合いで、自分にとっては初めての彼女だった。付き合った当初は全てが新鮮で、オブジェクト指向やSOLID原則、大事なことは全て彼女から教えてもらった。(そう思われるかもしれないが、)時間が経って彼女の魅力が感じられなくなってしまったということはなくて、彼女は歳をとっても魅力的なままだった。むしろreodonlyプロパティやEnum、null safe演算子など、新しい機能が導入されてますます綺麗になっていったように思う。最近ではジェネリクスさえ導入されたようだ。彼女は本当に努力家だ。
(褒められた話ではないが一応、彼女以外の女性を全く知らなかったわけではなく、TypeScriptという若い子と少し遊んでいたこともある。TypeScriptは昔からの知り合いのJavaScriptの妹で、大雑把な姉と違って几帳面で、少しオタク気質もある個性的な子だった。よく新しい型パズルを考案して楽しそうに話してくれたが、自分には正直よく分からなかった笑。)
そんな中でも基本的には6年間PHPとずっと一緒に過ごしてきた。前述の通り彼女に何か不満があったわけではない。ただ、彼女との将来に不安を覚えるようになってしまっていた。周囲に彼女と付き合っていることを話すと、「え、まだPHPと付き合ってたんだ?(昔は人気だったけど、最近はそうでもないよね)」みたいなことを、彼女のことをよく知らない人から言われたりもした。そこまで直接的ではなかったけれど。自分も、彼女以外の女性のことをほとんど知らずにずっと彼女と付き合っていて大丈夫なのかななんて思ってしまったりしていた。
結局自分はPHPと別れて、新しい女性と付き合う決断をした。新しい彼女の名前はGo。彼女は若いのに自分の芯がしっかりしていて、みんなの憧れの格好良い女性といった人だった。そんな彼女と付き合いだして、最初は戸惑うことも多かった。
例えばこんな感じだ。
また、今まで当たり前だと思っていたPHPの良さに気づくことも多い。PHPStanを使えば静的型付け言語と同じように型安全性を担保できていたし、彼女のWeb FWには歴史が長いだけあって痒いところまで手が届く様々な機能が完備されていた。経験豊富でこちらの要望をなんでも受け止めてくれるような包容力があったことに今更気づいた。
とはいえ、いつまでも昔の彼女を引きずっていてもしょうがない。Goにはこちらに積極的に合わせてくれるような包容力はないが、彼女なりの哲学を持っていてそれ故の美しさがあると思う。そして正直、まだ彼女の10分の1も理解できていない。彼女が得意だという並行処理や、実行速度が求められるような処理も、自分はまだ実際に実装したことはない。でもこれからしっかり向き合って、Goのことをもっと理解して、実りのある交際にしていきたいと考えている。PHPと別れてGoと付き合う決断したのは自分なのだから。