「諦観」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 諦観とは

2018-10-05

キン肉マンウォーズマンに寄せて

息も絶え絶えにリングの上に転がりながら、ウォーズマンロビンマスクにこう尋ねた。

「だれかオレの顔を見て笑ってやしないか?」

ロビンマスクは彼を見つめ、力強く声をかける。

「だれも笑ってやしないよ」

から安堵すると同時にウォーズマンの全身から力が抜けていく。

それを抱きとめながらロビンマスクは涙をこぼす。



こんな感動的な場面から始めたい。

これは漫画キン肉マン」に登場する一人の超人ウォーズマンについての一つの考察である



ウォーズマンロビンマスク弟子として、漫画キン肉マン」の第8巻、

『第二十一超人オリンピック編』から登場する超人だ。

人間ロボットの間に生まれ、そのどちらにも属さない「ロボ超人である彼は登場時、

その残酷さによって読者に強烈なインパクトを与える。

針状の爪を発射する武器ベアクローを使って対戦相手を惨殺、

練習のためにグラウンドを走る死刑囚149人のうち148人を殺害

キン肉マンの仲間であるラーメンマンの側頭部を抉って脳漿に穴を開け、

植物状態にするなど、攻撃残酷さでいえば作中随一ともいえるだろう。



しかし、そのような残虐さに反して、転んだ子供に手を差し伸べて助けようとしたり、

前述した149人の死刑囚の中でも老人だけは見逃したりといった優しさが

時折垣間見えるのもウォーズマンの特徴である

性根は優しい彼を残虐な戦いに駆り立てたのは一体何だったのだろうか。


ロビンマスクは作中、「超人オリンピック」のリング上でキン肉マンへの攻撃の手を止めたウォーズマン

「また くうものもくえず きるものもろくにない すさんだ生活にもどりたいのか」と尋ね、

ウォーズマンはそれに応えるように激しい攻撃を再開した。

ここから想像されるのは、彼が故郷ソ連で置かれていた厳しい状況である

この後、キン肉マンとの闘いを通して彼は残虐さを捨てたクリーンな戦い方の大切さに気付く。

そして、対戦相手マスクを剥いだ方が勝ちというルールの中で、

みずからそれを脱ぎ捨てると共に自分過去を語るのだ。



ウォーズマン自身が単なる超人でもロボットでもない「ロボ超人であることを嘆き、

どこにいっても爪弾きにされ、いじめられ続けた日々を回想して「地獄生活」だったと称した。

そのような彼を唯一救ったものこそが格闘技であり、

いつしか自分超人ロボットを「血まつりにあげることがいきがいとなった」のだと彼は語る。


やがて雷鳴に照らされた彼の素顔は、人間でも均整のとれたロボットでもない、

極めて歪なもの、恐ろしいものとして描かれ、

それを見つめるキン肉マンとその婚約者ビビンバの顔も稲光の中で無言にこわばっている。

彼の素顔から受けた、誰も何も発せないような衝撃、

それが登場人物の表情のみを並べることで読者に鋭く突き付けられるのだ。

ウォーズマンの「素顔」は非常にドラマチックなやり方で我々に提示される。

醜い、恐ろしい、そう思ったとしても彼を気遣えば口に出すことができない、

いわば配慮リアリティとでも呼ぶべきものがこの場面には備わっており、読者ですら、

ウォーズマンの顔からどのような印象を受けたかをあえて言葉にしないように努めてしまうのである



彼の生い立ちや素顔についての問題はここで一度大胆に明かされたのち、しばらくはその影を潜めている。

残虐を捨て、キン肉マンら「アイドル超人」の一員となったウォーズマンは、

「七人の悪魔超人編」においては戦士として、

黄金マスク」編においては作品舞台として(「黄金マスク」を巡る戦いはウォーズマンの体内で行われる)活躍し、

仲間を支えながら友情を深めていく。

そして、もはや誰もが彼にまつわる悲劇を忘れ去った頃、冒頭の事件が起きるのである



コミックス17巻に始まる「夢の超人タッグ編」において、

彼は師であるロビンマスクとタッグを組み、共闘することとなった。

この時の対戦相手ネプチューンマンキング・ザ・武道の二人が結成した「ヘル・ミッショナルズ」であり、

ロビンマスク仮面をつけたネプチューンマンの正体がかつての好敵手、

喧嘩男(ケンカマン)」なのではないかと疑っている。

やがてそれは証明されるが、ネプチューンマンは正体を知られたことを理由ロビンマスクを殺そうとする。

ウォーズマンは師を助けるためにリングに上がるも技を決め損ね、ネプチューンマン仮面を外されてしまう。

彼の素顔を見た観客は衝撃を顔に浮かべ、ウォーズマンはなんとか仮面を奪い取って、再び顔に装着する。

彼が仮面を外され、再び装着するまでの間に挟まる以下のセリフは注目すべきだろう。



ネプチューンマン「(注:ウォーズマンに対し)醜い顔を隠すために覆面超人の道を選んだのであろう」

ロビンマスク「これ(注:仮面)をウォーズマンからとりあげることはあまり残酷だ!!」



ネプチューンマンウォーズマンの素顔を「醜い」と指摘したときロビンマスク特にそれを否定しない。

それどころか、仮面をつけずに戦い続けることはウォーズマンにとって残酷だと断定的に語る。

これはなぜか。ロビンマスクもやはりウォーズマンを醜いと感じ、

それでいて庇うこともせず受け入れているのだろうか。


当然そうではない。再び仮面をはぎ取られたウォーズマンロビンマスクに、

「だれかオレの顔を見て笑ってやしないか?」と問いかける。

そして、「だれも笑ってやしない」という言葉に安堵しながら命を落とすのである



この場面において我々が再確認しなければならないのは、

ウォーズマン自分のロボ超人としての素顔を見せること、

そしてそれを“笑われる”ことをいか忌避しているかということだ。


超人オリンピックのなかでロビンマスクウォーズマンに対し、

過去に過ごしてきた「くうものもくえず きるものもろくにない すさんだ生活」について指摘し、

ウォーズマンは当時の暮らしぶりを取り巻く貧困生活の困窮とを思い返し、それを恐れているかのように見える。

しかし、この時ウォーズマンが真に恐怖していたのは単なる生活苦ではなく、当時の自分が置かれていた立場

すなわち、周囲からいじめられ、疎まれ続ける「地獄生活」の中で精神的なダメージを与えられることだったのだ。



ロボ超人であることが理由で受けた誹りや嘲りは彼の心に未だ深く陰を落としていた。

アイドル超人として仲間たちと友情を深めようと、戦いを乗り越えようと、

その陰を完全には取り除けていなかったことが、この場面では悲しみと共に明らかになる。

彼の陰を知るロビンマスクウォーズマンから仮面を取り上げることを「残酷」だと指摘したのは、

仮面をつけずに生きていくことがウォーズマンにとって、自分がロボ超人であることを

突きつけられながら暮らすことと同義であると考えていたためではないだろうか。

彼はここで一度命を落とし、超人墓場で長く労働をすることになる。



それから少しの時が流れ、「キン肉マン24巻に始まる「王位争奪編」において

ウォーズマンキン肉マンとの再会を遂げる。

彼は超人墓場に追いやられたキン肉マン脱出させるために、

脱出必要な「生命の玉」と呼ばれる宝珠をキン肉マンに分け与えた後、

超人専門の医師であるドクターボンベに人工心臓をもらうことで生き返り、

自身墓場から生還成功する。

この時の手術のミスのせいで彼は一度ほぼ戦闘能力を失ってしまうが、

であるロビンマスク指導を受けることで戦闘技術回復

再び登場時のような残虐な戦い方へ、そこからクリーンな戦い方へ、と復活を遂げる。



この「王位争奪編」は、キン肉マンがキン肉星の王として戴冠する場面で幕を下ろした。

平和になった世界の中、ウォーズマンアイドル超人の一人として、

メディカルサスペンション」と呼ばれる特別治療を受けることになり、長らくの療養生活を送る。

そして順調に体力を回復した彼は、「完璧超人始祖編」で再びリングに立ち、

宇宙から襲来した「完璧超人」たちを迎え撃つことになるのである



しかし、ここで再び悲劇が起こる。ウォーズマンとその対戦相手

ポーラマンとの戦いの直前、ロビンマスクが命を落とすのだ。

対戦相手であった”完璧超人ネメシスロビンマスクを破った後、

塔状に組まれリングからその体を突き落とし、砂丘に埋めてしまう。

墓穴を掘る手間を省いてやったのだ」と語るネメシス言葉を聞き、

慟哭しながら懸命に砂を掘り起こすキン肉マンの姿は非常に印象的なものである



この場面において、ロビンマスクを失った悲しみをこれまでの感謝に代え、

続く戦いに向けて決意を固めていくキン肉マンと、

戦闘が始まろうとする中にあって敵に背を向け、

もはや姿の見えない師を思って涙をこぼすウォーズマンの姿は対置され、

ライバルとして出会ったキン肉マンロビンマスク

対して師匠弟子関係にあったウォーズマンロビンマスクとの関係の違いを示している。



その違いは続くポーラマンとの戦いからも読み取ることができる。

ウォーズマンはこの戦いの中でロビンマスクを失った悲しみから暴走し、自身の戦法を見失ってしまう。

テリーマンは彼を見て、普段の「計算され尽くしたクレバーな戦いぶり」とは逆の、

ガムシャラに向かっていくだけの戦闘本能の塊」のようだと口にするが、それも当然のことである


キン肉マンにとって、ロビンマスクあくま自分と共に成長していく超人の一人であり、

彼を失ったとしても彼はそれをバネに立ち上がって自分なりの戦いを続けることができる。

しかし、ウォーズマンにとってのロビンマスクは戦い方の土台や軸作りに大きく貢献した人物なのだ

結果として彼はここで師と共に育ててきた「計算」や「クレバーさ」を失い、

積み上げてきたものを一度壊すことになるのである



ポーラマンに追い詰められ、ウォーズマンは「オレの命などどうでもいい」、

「刺し違えてでもこの戦いに勝利しなければ…ロビンに合わせる顔がない」とまで言う。

ポーラマンは彼の様子を見て、恐怖心を持たず、

ひたすらプログラムとして戦い続けるだけの「ファイティングコンピューター」だと笑った。


その時、ウォーズマンリングロビンマスクの姿を見る。

実体のない、いわば幻影のような彼はウォーズマンにこう語りかける。

「お前はいつも自分のことをロボ超人だと気にしているようだが」

「私はおまえをロボだと思ったことは一度もない」


回想の中で、ロビンマスクウォーズマン攻撃の仕方を教えている。

森の中で木を次々と攻撃、倒していくウォーズマンだが、

もう少しで目標を達成するという時になってぴたりと攻撃の手を止めてしまう。

ロビンマスクは彼を叱りつけるが、よく見るとウォーズマン攻撃しようとしていた木の陰には子鹿がいる。

ウォーズマン意図に気付き嘆息するロビンマスクの前で、子鹿は森の奥へと駆けて行く…



そのような思い出を証拠に、ロビンマスクは続ける。

「おまえは血肉の通ったわが弟子だ」

「そのことに誇りを持てる超人になってほしい」



「オレハキカイナンカジャナイ」

師の言葉を聞いたウォーズマンは、こう言って立ち上がる。

彼の言葉はこの場面で、機械人間が何を基準として分けられるのか、

この場面において“機械である”ということが何を示すか、

そのような大きなテーマをも巻き込みながら読者の方を向く。



倒されかけたところからウォーズマンは再び立ち上がり、

普段のような冷静な戦いぶりを発揮するが、

その背後にある考えを、彼はこのように説明した。



「今までオレはロビンの恩に報いようとするあまり自分の命を捨てるつもりで戦っていた」

しかロビンはこんなオレに生きろと言った!」

「だからオレはもう死ぬために闘わない!」

「生きるために…ロビンがオレに託してくれた大事な魂を守るために闘う!」



この場面で機械人間の間に置かれるのは、

戦いの中にあって「生きる」ために奮闘することはできるか、

また相手を「生かす」ことを考えられるか、ということである

ロビンマスクとの練習中、子鹿を逃がし、

「生かす」ことを考えていた時点でウォーズマン

作中における「機械」の定義を脱していたことになるが、

自身が「機械でない」との自覚もつにはまだ足りないものがあった。



それが、ロビンマスクウォーズマンに伝えた、「誇り」である

彼は自分という存在に誇りをもって初めて、

体は機械であっても心までは機械でないと宣言できるようになった。

「オレハキカイナンカジャナイ」、

そう宣言する彼の言葉があえて機械的にカタカナ表記されているのは、

あくまでも彼の体は機械でできているが、“それでも”」、という

“それでも”の先、逆説のその先を読者に想像させるためではなかったか



ここで物語は、生まれ持った肉体の性質を変えることはできないけれど、

心は変えることができるのだと我々に伝えるが、

これは奇しくも「超人オリンピック編」の中、

残虐超人として現れたウォーズマン正義に目覚め、

アイドル超人に加わったときと同様のメッセージである



そして、「友情」と「信じる心」をもって自身の体の欠点

すなわち活動限界存在を乗り越えてポーラマンを倒した後、

彼は自分がロボ超人であることを以下のように語る。



ロビンはオレのなかで永久に生き続ける このオレが死なない限り

それが寿命のない 半分機械でできた超人のいいところだ」



幼少のころ、自身を「地獄生活」に追い込んだロボットの体に対する複雑な思い

――憎しみ、悲しみ、怒り――、

それをロビンマスクが与えた誇りによって乗り越え、肯定することに、

ウォーズマンはこの場面でついに成功するのである



最終決戦としておかれたネメシス戦の直前、

ウォーズマンは自らの師を倒したネメシス報復することなく、

その立場キン肉マンに譲る。



弱気キン肉マンの自信のなさに対してウォーズマンは一度、

「半分機械からオレにはわからないのか」と口にするが、

すぐにその発言を打ち消し、「生身である半分」では理解できると語る。

自分人間的な面と機械的な面の双方を理解した彼はここで、

ロボ超人である自分理解するとともにしっかりと受け入れている。



ポーラマン戦で彼は、「超人オリンピック編」を彷彿とさせる雷雨の中、

ポーラマンマスクをはぎ取られ、

「醜いツラだ」、「みんなおまえのツラをみて笑っているぜ」と嘲笑されるが、

彼はその言葉を「それがどうした」と打ち消し、師のために戦いを続ける。



自分の顔を見られること、

そして笑われることを臨終の間際にすら恐れていたあの彼はもはや存在しない。

ロビンマスクを失った代わりに自分のロボの体に誇りを持ち、

敵を「生かし」、自分を「生かす」ことに注力する。

ウォーズマンは変わったのである



キン肉マン」という物語においては、「人は変わる」ということが繰り返し語られる。

正義の側から悪の側へ、反対に悪から正義へ、

そしてそれを超越する新たな勢力へと超人たちはその立場を次々と転じ、

その度に誰かが喜んだり悲しんだりする。

それがウォーズマンにおいて特に顕著に現れるのは彼自身が、

自分の”機械的”な外見を誰よりも気にしていたからだ。



から敬遠されるのは嫌だ、疎まれるのも怖がられるのも嫌だ。

しかし、生まれ持った体だけはどうしても変えることができない。

そんな葛藤劣等感、「変わる」ということに向けた諦観交じりの強い欲求

ウォーズマンは常に抱えているが、

そのような「変わらない」ロボットの体が他方、

物語を通した彼の精神的な成長を浮き彫りにしてもいるのだ。



今の彼は逃れようのないものに対して抗うことをせず、

かに受け入れるだけの強さを持っている。

そして、その強さが一朝一夕に獲得されたものでないと知っているからこそ、

我々はウォーズマンという超人に、より一層強く魅きつけられるのではないだろうか。

2018-10-03

結局ないのはカネなので

国立大学運営費交付金法人化する前のレベルに戻してあげてください。そのためには競争的な教育研究開発プロジェクトが無くなっても構いません。」と国民の皆様が声高に叫ぶことで、その他大勢凡庸大学教職員環境は若干改善するかも知れないが、トップレベル研究者の国外脱出ますます進み、目立つところの国際競争には負け続けるだろう。で、官僚議員も目立つところで勝たないとメンツが立たないと思っているタイプ人種なので、50番手100番手集団がちょいと順位を上げることを評価しない。というか多分それを評価する手段、もしくは、ナントカガク的に裏打ちされた、良い感じに計算すると少々の投資日本順位ジャンプアップする計算方法とか、そういうのを持ってないんだろう。

既にいろいろな先生方がいろいろな評価尺度議論をして分からせたがっているが、しかし分かってほしい相手ってのは結局縦軸か横軸がカネのグラフしか興味を持たんし理解もしないんじゃないの? A4横2~3枚くらいの量でさ。っていう諦観

競争資金の原資に当てることができる、科学振興納税かいシステムは出来ないもんなのかな。めっちゃリターンの良い返礼品つけまくってさ。ていうかそれだと多分大学教職員が率先して納税ちゃうかな。それもいいな。大手私大教員節税対策国立大が潤う。最高じゃないか。まあカネがループするから何かしら条件がつくんだろうけどさ。

支離滅裂文章増田に限る。誰も読まないし丁度良い。増田最高。酒呑んで寝る。

2018-09-29

anond:20180929165610

いやいや、その憎しみに囚われた書き込みとやらをわざわざ探し出して、こいつらは憎しみの奴隷だと宣うことの異常さに

気づいてないね。執着しすぎでしょ、どう見ても。

あと相手が自省も向上心もないって貴方は思ってるんでしょ?考えを改めることができない諦観があるわけだよね。

結論が出てるのに何故わざわざ管巻いてるの?それは貴方自分の気に入らないもの文句を言って正当化したいだけだよね。

自分が嫌だからだって言ってるだけって認めちゃいなよ

2018-09-27

絶望感の継承

ここ数日の騒ぎだったりする中で、昔と比べても互いの言葉の通じなさを感じる。

そんな中で大野左紀子さんの一連のツイートを見かけたが、もうどうしようもないのではないかとも思ったりする。

それは非モテの話が議論になっていたりした頃に比べ、抱えているやりきれなさや絶望が年齢が上がるとともにより現実になっているからではないかなぁと感じる。

あの頃、まだ通じたのは、取り返しがきく年齢だったというのもあるのではないか

もちろん実際にはそんな事はあり得ないと頭では分かってはいても、心のどこかで何かを期待できるものがあったのが、現実解が目の前に来始めていて、もうどうしようもないという諦めを抱えてしまっているように見えるのだ。

特にTwitterなんかであの手の話題に目立っているのが、そういう前世代だからというのもあるのだろう。

ただ、それ以上にかなり深刻だと思うのは、そういう現実味を帯びた人生やら世の中に対する諦観が、若い世代ロールモデルとして継承されているように見えるからだったりする。

それは同じ非モテだったりオタクだったりする人たちだけでなく、対照的存在の人たちの目にもそういうロールモデルとして見えてしまっていて、それが批判対象だったり、なりたくないロールモデルのように見えているように感じているからだ。

大野さんがTwitterで呟いたようなことは、前世代の人たちにはどうしようもない現実の中でより伝わりづらくなっており、ロールモデル継承している若い世代には、より深刻な形で伝わらなくなってしまっているのではないかなぁ。

2018-09-20

[]プーと大人になった僕

プーと大人になった僕』を見てきたので感想。いつものごとくネタバレ気にしてないのでそういうの嫌な人は回避推奨。あらすじ解説とかもやる気ないので見た人向け。

総評

これは100点っすな。点数の基準は「上映時間映画料金を払ったコストに対して満足であるなら100点」なので、この100点は大傑作という意味ではない(300点とかありえる)んだけど、ごちそうさまでした、わしゃぁあ満足です。という意味で良作だというのはたしか。損しません。

まあ、家族向けとかカップル向けかと言えば、実はそんなことはなくて、一人で見に行けよおい、しか社会人がいけよ、っていうのはあるので万民向けとはいい難いんすけどね。この映画は、だって学生にはわからなさすぎでしょ。

ざっくりいうと「おとなになって社会人となり企業戦士として毎日ブラック労働をしているクリストファー・ロビン仕事家族の間で板挟み。人生迷子なっちゃったプーさんといっしょに正しい人生を探そう」みたいなあらすじ&テーマであって、それは予想通りだったし、そして予想を満たして十分以上な脚本完成度です。テーマ物語性(増田はここを中心として映画を見ちゃうタイプです。趣味合わない人は申し訳ない)でいえば、非常に満足でした。

がー。そのてんに関してはー。満足だったのでー、逆に満足であったがゆえにー。脇へうっちゃっておいてー。この映画のー。感想についてはー。別の部分をー。述べたいとー。おもいまーす。

ショタクリストファー・ロビンクリストファー・ロビンすぎてやばい

映画冒頭部分では、まだ「100エーカーの森」でくまのぷーさんと遊んでいた頃のクリストファー・ロビンショタ)が登場するんですが、もうね、これがね、非常にこうファビュラスっていうか尊いわけですよ。華奢な白人少年が四分丈の(日本で言う半ズボンよりは少し長いけど膝上の)ズボンから、少し筋張ったくらいの細っい脚をね。伸ばしてね。みどり豊かな森の中をバスケットを持って歩く姿がね。素晴らしいわけです。

わかりますか。美少年なんでございます

シーンはクリストファー・ロビンが寄宿学校へ向かうその直前。楽しく美しく永遠だと思われていた「森でのプーさんとの日々」が終わるちょうどその時。作中では「お別れをいう日(Day to say goodbye)」と描かれるその日なわけですよ。

クリストファー・ロビン楽しい田舎暮らしから、厳しく抑圧的な寄宿学校へ入らなきゃいけない。それは大人への第一歩で、もう今までのように日々をただ日々として楽しく過ごせる時間は終わってしまった。それをクリストファー・ロビン本人もわかってるんですよ。もう自分はゆったり時間を過ごせない、これから時間に追われて毎日何かをしなきゃいけない、大人になるからもう仕方ないんだって諦観してるんですよ。

その「子供としての最後の日」。100エーカーの森で、プーさんピグレットティーガーたち森の仲間でパーティーをして楽しく過ごしたその後、森を見下ろす高台丸太ベンチに座ったクリストファー・ロビンプーさんの二人は、こてんと肩を寄せ合い夕日に向かってずっと座ってるんですよ。

そこで「ぼくのことをわすれちゃうの?」と鼻にかかった声で尋ねるプーにたいして、ショタ大事なのでもう一度いう)美少年クリストファー・ロビンが、優しくて、それでいて困ったような表情で「プーのおばかさん」って言うんですよ。

ほんと。

尊い

わかるか人民どもこの尊さが? 「おばかさん」ですよ。もうね、水銀灯の牙城にいちどの跳躍で飛び込む偉大なシーンですよ。もちろん画面は映画でありフルカラーなわけですけれど、この夕暮れは追憶郷愁の甘さを伴ってセピアにさえ見えるわけですよ。つまり何がいいたいかって言うとクリストファー・ロビン尊い

イケオジクリストファー・ロビンクリストファー・ロビンすぎてやばい

あっという間に幼少期、少年期、青年期を過ごしたクリストファー・ロビン。寄宿学校で父の訃報に接して、社会に出て、将来妻になるべき女性イヴリン出会い求愛して結婚し、子供を作り、出兵(たぶん第二次世界大戦)して、なんとかロンドンに帰ってきて、就職して仕事に打ち込む中年になってるんですよ。

大企業カバン製造部門責任者となったクリストファー・ロビンは、会社上層部からこの部門効率化(予算削減)を求められていて、その要求は−20%。リストラ待ったなしの状況で、大事な部下を切り捨てるかどうかの瀬戸際の日々を送り、その結果として休日家族との時間も奪われているわけですよ。妻からは「もう何年も笑顔を見ていない」と言われ大事な娘のマデリから失望されて、でも、家族を守るために部門を守るために、家族旅行への参加をキャンセルしてまで働かなきゃならんわけです。

予定されてた旅行イヴリンとマデリンの妻子を送り出して、週末も缶詰仕事しなきゃと追い詰められたロンドンのアパルトメントのクリストファー・ロビンのもとになぜかプーさんが現れて助けを求める、というのがこの映画の第二の開幕です。

懐かしい友プー出会ったクリストファー・ロビンは彼の頼み(行方不明になってしまった仲間たちを探してほしい)を叶えるために(どっちかっていうと大都会ロンドンにおいては厄介なお荷物プーさんを森に帰すために)、郊外の美しい故郷に戻ろうとします。そこでプーさんクリストファー・ロビンは一緒に旅をするわけですけれど、相変わらずふわふわ夢みたいなことを言う(まあぬいぐるみなので当たり前だけど)プーさん脳天気っぷりに、時間黄金よりも貴重になってしまったブラックカンパニーソルジャーマシーンクリストファー・ロビンはいらつくわけですよ。プーさんベタベタはちみつで汚してしまった廊下掃除している間にも、刻一刻とリストラタイム期限が迫ってるわけで。「なにもしないをすればいい」とか「ゆっくりすればいい」とかいプーさん言動癪に障るのは、まあ、仕方ないです。

送り届けた「100エーカーの森」で、とうとうクリストファー・ロビンは切れちゃうわけっすね。

「ぼくはもう昔のぼくとは違う」とプーに突きつけてしまう。その時の表情がね、もうね、良い。

良いよね。

良い。

失意のぷーさんは「従業員を捨てなきゃならない(リストラ)」というクリストファー・ロビンに「もしかしてぼくも捨てたの?」と聞いちゃうわけです。

それに対してクリストファー・ロビンは「捨てたんだよ」と答える。

この時の表情も、良いのです。

「ソレ」をいっちゃったら相手が傷つく以上に自分も傷ついちゃうのを自覚していて、それでも言ってしまったクリストファー・ロビンの、ナイーヴな表情が尊いわけです。おっさんのくせに。イケオジつぇえな。

この時クリストファー・ロビンは「いいやプー特別友達から捨てるわけないじゃないか」と適当に言うこともできたわけです。でも、それは事実じゃないわけですよ。現実として30年以上プーさんを忘れていたわけだし、放置していたし、それは客観的にって捨てたと言われても当然なわけですよ。そういう現実を糊塗して「捨てるわけない」とクリストファー・ロビンは言えなかった。特別友達からこそ、そこで嘘はつけず、自分相手も傷つけるのなんてわかっていたけれど、「捨てたんだよ」と答えるしかなかったわけですよ。

40代になったクリストファー・ロビンはもうおっさんなわけですけれど、ロンドン紳士然としたイケオジなんですね。その彼がいろんな現実言葉を飲み込んで、意地っ張りにも露悪的な「捨てたんだ」って告げるそれが、もうね。

ほんと。

尊い

わかるか人民どもこの尊さが? 「捨てたんだ」ですよ。そんでもってさらに終盤になってね、途方に暮れて懺悔をするようにつぶやく「ぼく迷子なっちゃった」ですよ。いつも迷子になったプーさんを探しては連れ帰る、森の英雄だったショタロビンが、社会人になって人生迷子なっちゃったわけです。大事大事で何よりも大事な娘を守るために頑張ってるはずなのに当の娘にがっかりさせて心配させて、もう何が正しいんだかよくわからなくなっちゃったわけですよ。大人になったクリストファー・ロビンにこそぬいぐるみプー必要なわけです。

まり何がいいたいかって言うとクリストファー・ロビン尊い

結論

クリストファー・ロビン尊い

2018-09-11

ファンってなんだろう

10年来好きなグループの1人が過去最大の炎上してしまった。

片隅の界隈なので、広い世界で見れば些細なボヤだろうけど。

誰もが名前を知っているはずのグループなのに、片隅と形容せざるを得ないのも侘しいことだけど。

それは置いておいて。

文章を読んでいたりいなかったり、擁護と励ましの声だけをかける人がいた。

貶し愛」を掲げ続けている人が、長い文章をしたためた。

本人と長いやり取りをしようとして、叶わなくて、一連のまとめを作った人がいた。

わたし看過できない部分に、思わずエゴサにかかるような書き方をしてしまった。

「あの人はこういう人だから」といつも通り目をつぶりきれなかった人もたくさん見た。

全員、「ファン」と呼ばれたり、「ファン」を自称したりする人のはずなのに、反応はさまざま。

盲目に信じること、貶しを愛と呼ぶこと、「こういう人だから」と諦観しながら付き合うこと。

付き合い方は多様なのに、みんな「ファン」と括られる。

肯定するのも、斜に構えるのも、都合のいい距離を保つのも、ぜんぶ「ファン」なのか。

騒動の本人は、さまざまいるファンの中でどんな人だけを「ファン」として見ているんだろう。

彼らにどんな「ファンであることを求められているんだろう。

アーティストという記号の奥に生身の人間がいるように、ファンという記号の奥にも生身の人間がいる。

どういう風に在るのがお互いにとっていちばん心地いいのか、たまに分からなくなってしまう。

こういうことを考えてしまうから、都合のいいファンわたしは決してなれないんだろうけど。

騒動の人1人だけで成り立っているわけではないから、人数分の価値観とこれからも付き合っていくんだろうけど。

盲目的に信じることがいいとも、愛を免罪符に貶すことがいいとも思わない。

好きな人たちについて諦観を持ちたくないから、「こういう人だから」なんて距離の置き方もあまりしたくない。

プチ炎上自体はやはり醒めた目で見てしまっているけど、うっかり飛躍に飛躍を重ねてしまって、

どういう感情の形が、距離感が、自分の中で最もしっくりくるのか、分からなくなってしまった。

ファンであるって、どういう形がいいんだろう。

どんな感情であればわたしは躊躇わずファンと名乗れるんだろう。

ゲシュタルト崩壊の末、途方に暮れている。

2018-08-16

anond:20180816011008

諦観いたこと書くと、都合よく賛成派に加算されるぞ、増田なんぞ見ないだろうが。

外国にはどんどん抜かれて、人手不足武力的にもやばい状況にあって、この国と社会にこれ以上痛い目にあう余力なんてあるのかね?

あの、時間を奪うことは、命を奪うのと同じだからな。

2018-08-13

anond:20180813032659

こういうこと感じている人はたくさん居ると思う。

多くの人はやり過ごしているうちに40代、50代になり諦観。一部は考えすぎて鬱状態悪化もっとも少数なのは一念発起して勉強し直したり起業したりして大成功。といったところじゃないかな。

2018-08-07

なぜ女性キモいと言われるのかやっと分かった。

思春期の間に異性との会話や交流が極端にない

AV写真集などの三次元エロゲアニメなどの二次元といったコンテンツ出会ってしま

現実の異性とのコミュニケーション諦観或いは絶望或いは面倒と切り捨てて大人になる


以上の条件を満たした場合


・通常人でも困難とされる異性とのコミュニケーションが、経験知識の無さと各種コンテンツによる認知の歪みによりさらに困難となる

・このコミュニケーション不全が度を越すことで「(意思の疎通ができなくて)キモい」と判断される

となるわけだ。


どんなに嫌で面倒で恥ずかしくても、未成年の内に異性とのコミュニケーションはとっておくべきだったんだ。

子供のうちなら、どれだけ失敗していたい目に遭ってもお互い子供からで済んでいたんだ。

だけど大人になったら失敗なんてもうできないんだよ。告白して通報でもされたらそれでもう人生おしまいだ。

なんでこんなことに20年も気付かなかったんだろう。もう全部遅すぎた。

2018-07-18

ネトウヨロジックはなぜ度々時空を超えるのか

事前状況では山口証言ですら前後不覚被害者を承諾なく犯したことは明らかであるのに

なぜ被害者が事後に諦観らしき行動を見せたからと言って和姦になるのか

山口擁護者に人間資格があるとは思えぬ

2018-06-26

anond:20180626093216

正義と悪の二元論じゃないんだよ。いじめって行為は、正義とか悪じゃなく、ただ単純に法と無法の間にある障壁破壊する行為なわけ。

hagex氏が死んだのは氏が悪だったからじゃない。正義だったら死なずに済んだって訳でもない。

いじめという行為も、もはやこの段階に至っては正義のどちらであったかを問うても仕方がない。意味がない。

しかし確実に、いじめ行為が「この世の中には正邪も法も意味ないのだな」という諦観の獣を一人作り出しちゃったわけ。集団的リンチから自身が全く守られなかったという経験から、正邪や法はコミュニティの気分次第でたやす蹂躙される、つまり参加者の間の「お約束」でしかなく、何ら実態がないものだということを彼は「学習」した。その学習結果をhagex氏にレポート提出したってのが今回の事件

hagex氏が(仮に)正義だったとしても、(もしくは)悪だったとしても、あるいはこの社会に法があっても、秩序があっても、その背中やらお腹やらに、レジャーナイフめぐりこむとき、それらはhagex氏を一切救済しなかったでしょ? hagex氏は露悪的に言えば、福岡と言う先進国日本の誇る大都市一角で、何にも守護されることなくただ死んだ。

今回事件はだから正しい意味テロなんだよ。社会やら常識で守られてるつもりの僕らのいう「守り」は「諦観の獣」に対しては全くなんの意味もないという点で、正しくテロ。獣が悪だったとかhagex氏が善だったとか今更言ってもなんの意味もない。それで死者が蘇生するわけでもなし、同種の事件が今後防がれるわけでもない。

善悪にこだわることは、今回の事件希釈して実態から目をそらし精神の安寧を保とうとする防衛反応なのは理解できるけれど、意味殆ど無い。

2018-06-15

[]無期転換ルール雇い止め法理について

 国会ウォッチャーです。

 派遣法の時の質疑を振り返るシリーズで書こうと思ってたら、

https://news.yahoo.co.jp/feature/985

 こういう記事が出ていて、その反応がすごく気になりました。なので2012年に改正された労働契約法に関して当時の議論や経緯などをご紹介したいと思いました。

労政審とは

 まず基本ですが、労働政策は、労働政策審議会を通して、公労使の3者が話し合って決める事となっています。これは公契約における労働条項に関する条約に定められた原則です。労政審厚生労働省の設置法で定められた審議会で、公労使は同数委員を設置することになっています。あの高度プロフェッショナル制度でさえ、労政審から、概ね妥当とされながらも、労働者側からの指摘として、高プロは危ないという付言がされています委員は2年交代で、特に公共有識者構成政権に近い人に変えていけば、労政審答申政権に近い形で出すことは可能ですが、しか政権交代、即委員交代!ともならないわけで、労働政策の審議は基本的に慎重に行われているとは言って良いと思います。ちなみに安倍政権では、この原則に反して、労政審に諮らずに特措法を制定し、無期転換ルールの緩和を行っていますし、昨年7月には、労働代表構成員に含まない(国家戦略特区諮問会議を思いだせ!)、労働政策本部会を設置し、各分科会にこだわらない、横断的な政策諮問する、としています。詳しく書かないけど、これめっちゃくちゃ危ないですからね。高プロ立法事実とされるものは、産業競争力会議とかみたいな安倍政権が大好きな有識者会議から出てくるわけだけど、それを労政審の中に作っちゃったようなもんだから。まぁ本当に現政権議論が大嫌いなんだなぁと思いますけど、とりあえずそこは置いとく。

無期労働者を守る解雇濫用法理と有期労働者を守る雇い止め法理

 字数制限的にそれぞれを説明はしないですが、労働者は基本的使用者よりも立場が弱いので、解雇をする際には合理的であると認められる理由がないといけません。それが解雇濫用法理と呼ばれるものです。一方、有期労働者に対しても、期間満了による解雇であっても、無条件であってはならないとするのが雇い止め法理です。雇い止め法理は、無期労働本質的に違いがない場合と、有期労働者が更新合理的に期待できる場合に、解雇濫用法理を類推して適用する、というものです。これは法律に書かれていたわけではなく、幾つかの裁判事例において、確立された裁判例に基づいた規範です。原理的に有期労働者の方が要件が増えているので、保護される確率が下がっている建てつけですね。2008年のリーマンショックでは、無期雇用者も大量に整理解雇されましたが、それよりも、派遣労働者や有期雇用労働者が大量に解雇され、大きな社会問題になりました。そこで麻生政権時代に、有期契約労働者の働き方が労政審諮問され、鳩山政権時代に、有期労働契約研究会報告が出されました。

 

有期労働規制論点

 有期労働契約研究会報告では、雇い止めに関して、主に3つの論点が話し合われました。

1.入り口規制=有期契約が結べる業務業態などを規制し、原則無期、例外的に有期が可能とするか否か

2.出口規制=有期契約を結べる期間、更新回数を規制するか否か

3.雇い止め法理の明確化

 単純に労働組合民主党支持母体と言っても、組合内でもこれは意見が分かれていましたね。この3つをすべて導入しないとうまくいかないぜ!っていう主張(自治労など総評系に多かった)と、少なくともどれか一つでも合意できるならするべきだとする主張(同盟系に多かった)が当時から分かれてた。審議入りしてからは、社民党福島みずほさんや、共産党田村智子さんなどが前者の立場に立った批判を何回もやっていました。こう言う批判をしておくことは本当に大事で、当時の西村ちなみ副大臣の答弁をもとに、後述する通達が出されています

 有期労働契約研究会では、労働者の雇用を安定化させることで、生産性が向上するという学術的な指摘がなされ、規制の導入に対して前向きな報告が出されました。

労働政策審議会労働条件分科会では使用者側が猛反発

 議事録を見てもらえば分かりますが、使用者側の委員はほぼすべての規制に反対していますが、特に入り口規制の導入に関してはものすごく反発している。有期雇用雇用不安定要因ではなく、有期雇用によって雇用の安定化が図られている、だの、入り口規制をすると、企業雇用をやめるだろう、という話を延々とやっている。しまいには労働者の権利の話ばかりするな、経営者側が雇用を調整する権利はどうなるんだ、というようなことも言っている(ちなみにこの方は、高プロが1000万以上と言われると中小企業活用できないとかも言ってる方です・・・)。まぁ経営陣がそういうことを言うのは当然なのですけど、ポイントはこの法律案が労政審諮問された時はすでにねじれ国会になっていて、野党の協力なしには法案の成立はできない状況だったというところです。仮に民主党が有期労働契約研究会報告に基づいて、労働契約法改正案を提出していたとしたら成立は難しかったと思われます。そこで、入り口規制は外され、2、3のみを取り入れた法案ができ、5年以上の契約更新によって、無期転換の申し込み権が発生する、という法案になりました。これも使用者側の意見採用されていて、5年以上の有期雇用という形態禁止してはいないし(契約時にあらかじめ申し込み権を放棄させるとかいう潜脱が使いたい)、無期転換ルール説明義務なども盛り込まれなかった。民主党バカだったということは簡単ですが、労政審による審議は時間がかかるものだし、民主党がやりたいように法案を整備できた期間はものすごく短かったことにも留意必要だったと思います(例えば共謀罪なしのTOC 条約批准や、死刑廃止法制化などは平岡秀夫江田五月法相の頃にやりたがっていたけど、結局諮問したままで、法案化まで持って行けなかった)。2011年から東日本大震災対応に追われ、ねじれ国会によって国会運営は難航し、特例公債法ですら野党に譲歩しなければ通らない状況になっていた2012年に、労働契約法は、社民共産を除いた自民公みんなどの主要政党の賛成で改正されています

雇い止め法理の法定化の意味

 冒頭に紹介した記事への反応を見ると、有期雇用の人は雇い止めされてもしょうがないんだ、というような諦観が見られ、それがちょっと残念に思いました。2012年の改正では、もう一つ、雇い止め法理が労働契約法第19条に書き込まれることになりました。これはパナソニックプラズマディスプレイ事件最高裁判断をほぼそのまま法律に書き込んだものです。つまりたとえ有期雇用であっても、実質的労働が、無期雇用職員と同様であるか、雇用継続合理的に期待される場合には、雇い止めをすることはできません。これは、従前は裁判規範であったものが、明文化されたことで、経営者が遵守しなければならない法規になったということは言えます、もちろん不十分ですが。

下田村智子議員127月の質疑から

田村智子

「これからは5年で労働者を入れ替える、これスタンダードになる。こういう事態を起こさない歯止めはどこにあるんですか。」

西村智奈美

「今回は、雇い止め法理が法律に明記されるということになります使用者合理的理由のない雇い止め回避する行動を取ることがこれによって促進されるほか、その趣旨考慮した労使の話合いが促されると、これも十分期待されることであります企業の実情に応じた無期転換の自主的ルールの整備が進むことも期待されます

 改正法が成立した際には、法律に明文化されたこ雇い止め法理の趣旨と内容について周知徹底を図っていきまして、現場の労使にしっかりとそこは浸透させていきたいと考えています。」

田村

「これ、雇い止め法理って強制力はないわけですよね。それで、これもう既に起きているんです。株式会社シャノアール、これ、シャノアールベローチェ等の喫茶店を全国展開している企業ですけれども、全国のチェーン店で約五千人の非正規雇用労働者が働いています。このシャノアールは、今年3月、突然、社内通達で、有期雇用労働者に対して契約期間3か月の更新は15回を上限とすると、入社契約から通算で4年の勤務をもって満了という方針を全ての店舗に徹底しました。現在4年を超えて働いている方々は、全て来年3月で雇い止めにするという方針です。

 7年以上働いてきたAさん、直接お話をお聞きしました。これまでは更新の上限はなかった、なぜ来年3月までなのかと管理職に問い合わせたと、そうすると、法律改正に伴うものだと聞いていると、こういう説明をしているんです。Aさんは、お店の立ち上げから働いて、いいお店にしたいと意欲的に働いてきて店長代理にまでなっていると、自分は働き続ける意思からこの不更新条項は認めないということでサインしていない、だけど、サインしなかったら仕事を失うかもしれないと泣く泣くサインをしている同僚を目の当たりにしているわけですね。

 大臣、この労働契約法が変わるということで、既に五年を超えないように雇い止めをするという新しい動きが起こっています法施行後5年の話じゃないんです。8年の話でもないんです。こういう企業対応は看過するわけにはいかないと思いますが、いかがですか。

西村

「これは裁判例の一般的な傾向を申し上げるわけですけれども、一旦労働者が雇用継続への合理的な期待を抱いていた場合に、使用者更新年数あるいは更新回数の上限などを一方的宣言したことによって労働者の雇用継続への合理的な期待が失われることにはならないということだと裁判例の傾向からは申し上げることができます

 また、あらかじめ設定された更新上限に達した場合でも、他の労働者の更新の状況など様々な事情総合判断して雇い止めの可否が決せられるというのが、またこ裁判例の傾向であるというふうに考えております

 ですので、不更新条項を入れさえすれば雇い止め法理の適用排除されるといった誤解を招くことがないように、従来の判例法理が変更されるものではないということを解釈通達などを通じて周知徹底を図ってまいりたいと考えています。」

田村

「現に新しい動きで、今まで不更新条項なんか入れていなかった企業がこうやってやっているんですよ。例えばこのシャノアール労働者が労働局などに訴えていったら、これ指導できるんですか。どうですか。」

金子労働基準局長 

個別のことでいろいろ御相談があれば、これは民事ルールでございますので我々の労働基準監督機関として指導するという性質のものではございませんが、総合労働相談コーナーなど、そういったことへの対応に当たって、労働局や労働基準監督署に窓口を設けておりますので、そういった相談があった場合には適切に対応していくことになると思います。」

田村智子 

「これ、労働基準違反だったら労働基準監督署が捜査権を持って会社に入ることもできるんですよ、是正指導を強く行うことできるんですよ。だけど、非正規労働者はそういう範疇にも入っていない。今回雇い止め法理を法制化したと言うけれども、これはどういうことかといったら、裁判で訴えたときに有利な条項が一つ法律の中にできましたよというだけのことなんですよ。」

 田村智子議員の指摘は正しい。結局、このシャノアール事件地裁原告敗訴、高裁原告有利の和解となったわけですが、2016年2月の話です。3年以上法廷で争える人がどれほどいるのか、という話なんですよね。この時の西村ちなみ副大臣の答弁にもある、解釈通達は24年8月10日付で出されていますが、その後の企業対象とした調査で、認知度を調べたら、使用者労働者も8割近くが正確なルールを把握していない、という結果になっていました。冒頭の記事への反応を見ても、雇い止めは、合理的理由なしには、たとえ期間満了による結果でもできないとか、そういう基本的なところで労使ともに理解されていないし、そういう状況で、使用者法律趣旨に則った運用を促すだけでは、十分に労働者の権利保護されないんですよね。当時の政府側答弁でも、不更新条項を無期転換回避のために行うことは、公序良俗に反して無効とは、答弁してるんですけど、それはあくまで答弁だし、本当に無期転換回避のためにやったのかは裁判で争わないといけないわけですよ。で、この法制化で、無期転換ルールをきっちり運用に乗せている企業も多くあるわけで、この規制が全く無駄だった、逆効果だったというのも違うのではないかなと思います。だからやっぱり入り口規制とか不更新条項規制とか、そういう規制必要だと思うし、そういう方向に議論を持っていかないといけないと考えます

次回の労働契約法改正では無期転換ルールをなくす方向に行きかねない

 労働契約法は、定期的に見直しがされる付帯がありますので、おそらく今年か来年には再び労政審で議題にのぼってくると思います現在政府の動向を見ていると、どうも無期転換ルールをなくして、むしろ同一労働同一待遇文脈で、解雇濫用法理の方をいじってきそうな気すらします。冒頭述べたように、労働政策本部会には労働者側の意見は入りません。高プロを含んだ働き方改革関連法案は残念ながら、成立してしま可能性が高いですが、派遣法とは違って、廃止した時に不利益を被る人がそれほど大きな人数になるとは思えず、十分に再改正できる段階にとどまっていると思います政治を諦めてしまっては、好き放題にされてしまますので、ぜひとも国会議論されている内容に関心を持って、誰がどういうことを言っているのか、しっかりと見ていってほしいと切に願っています

2018-06-05

anond:20180605141745

高校は私も納得できないことが多かった。

小学生団体行動しなければならない」わかる。

中学までは義務教育」まあわかる。

高校は、好きで来てるんだろ、おとなしくしておかないとご褒美をとりあげるぞ。」←わからない。(小学校ときこういうひどい先生にあたったことがある人は異論があるとおもいますが、公立はめったにいないとおもう。とにかく自分とこの場合こういう感じだった。)

ちょっと教頭より上に話すべきときが来ているように見える。

もしお子さんにテニスやらせてもらえないことなどによる鬱症状か、

または強いこだわり、眠気がでていたら2か月くらいいやがっていても医者にかからせて診断書をとる。

(こだわりについて発達障害の診断が出ることも視野に入る)

 

診断書という公的ものがあれば学校という企業トップ

担任先生おかしな点について、また対処、今後の処遇についてまともに「相談する」気が出てくると思う。

うつ病は命にかかわる病気だということも社会的認知されてきた。

子供自分医者にかかろうなどということは全くできない。親がいうまでシャツの裾が外に出ていることさえわからない。

自分健康状態未成年には全く判断できないし手続きもやれないので、

発達障害/鬱と親がレッテルを張ってしまっては将来が・・」とかいう妙な遠慮はしないほうが逆に将来のためにもよい。

 

自分の子の例だと大学受験障碍者枠になった。

卒業までまともなクラス替えはしてもらえず(文転さえ禁止された)、

テストだけ机にしがみつくように受けて40点以上をとり、

保健室登校卒業可能出席日数をゆびおりかぞえて乗り切った。

大学になってからようやく本当に勉強が好きだった自分をとりもどしつつある。

高校おかしい。この子理不尽に耐えられない。

それを3年間手をこまねいてみていると本当にダメになってしまうので、行動してください。

自分は遅すぎたとおもいながらできるだけのことをやった、不幸中の幸いルートだったとおもっている。

(ちなみに生徒側も例年になくひどい子がいる学年で、担任諦観以外のことをなにもしていない感じ。

社会でやったら犯罪だっていうのが1人、民事訴訟ものが1人。

よくみんな我慢できたなとおもったら浪人率が例年になくすごいらしい)

2018-04-25

もうさ「みんな頑張ってるんだから」っていうのやめようぜ

頑張れる人にはわからないと思うんだけど、世の中にはどうやっても頑張れない人間存在するんだわ。だけどな、無気力で自堕落なわけじゃないんだよ。いつも不安と隣り合わせだし後ろには死が控えてんの。でもな、それを忘れようとか見ないことにしようとか、できないのよ。それと対峙ちゃうのよ。それでボコボコに殴られて挫折するんだよ。で、諦観を抱いてしまうわけだ。だから頑張れない人っていうのは途中で諦めてしまうことが多いわな。だって失敗と挫折経験トラウマになってるんだもの。頑張れる人はそこをピョイっと乗り越えられちゃうわけ。それは失敗よりも努力成功を掴んできたから。だからね、頑張れる人は恵まれてるのよ。自分に自信があるのよ。だから踏ん張れる。頑張れない人は踏ん張れない。フラッシュバックするトラウマが蝕むんだよ。結果として諦めちゃうんだよな。だからさ、頑張れる人は「みんな頑張ってるんだから」なんてセリフ捨てちまえ。頑張れない人をバカにするんじゃなくて話を聞いてやってほしいんだよ。それは辛くムカつくかもしれないけどさ。頼みますよ。

2018-04-22

anond:20180421181229

自分、一応該当するかな。

そこまで積極的結婚したいと思ってるわけでもないけど。

子供を作る覚悟がないので生涯独身のつもりだったけど、もしも同じ様な考えの女性がいれば生涯のパートナーがいるのもアリかなぁと思い始めてきた今日この頃

やっぱりツーマンセルで動いた方が、何かとシナジーがあるなーと思うようになってきた。

特に物事をアレコレ考えるとき、独りだけで、頭の中で理屈をこねくり回しているよりも、運命共同体で同じ結果にコミットしていく相方議論を重ねた方が、飛躍的に思考の幅が広がることを(仕事の中で)最近とみに実感しているので。

仕事議論仕事パートナーとすればいいけれど、人生設計議論にも同じようにパートナーがいるとお互いにいいのかもなーと思った次第。

でも、自分は今のところ生まれてくる子供に対して「産んだ理由」を説明できるだけの人生意味に対する確信が無いので、子供を作ることはしたくないと考えている。

将来、産んだ意味説明できる自信がつけば、子供をつくるのもやぶさかではないと思うが、年齢的なタイムリミットを考えるとそれは望み薄だと思われる。(いっそ、子供に「お前を産んだのはオレのエゴから」と開き直れればそれもありなんだろうけど、その覚悟も持てそうにないので)

すでに生まれて「しまった」子供を養育することに関しては迷いも躊躇いも無いので、パートナーが連れ子や養子を望むのであれば、状況次第で受け入れられる可能性はあると思うけど。

でもまあ、こんな変わったポリシーの男がそうそう同じ志向思考?嗜好?)の女性と巡り会うこともないだろうし、結局は独身のままだろうと諦観しているというのが本当のところだけどね。

増田がなぜ子供希望しない男性市場可能性を調査しているのかは知らないけれど、一事案として自分の話が参考になれば幸いです。

2018-02-26

風俗経営AV撮影により変な男をあてがい多くの女性に苦しみを味あわせたい感はあるもののそんなことしてもどうせ満足はしないんだろうなという諦観

2018-02-11

anond:20180211143402

まだまだ全然大丈夫だろう。

本当に詰まってくるとやるべき事はもう全部投げ捨ててドロップアウトしたまま何十年となって、

やりたい事だったはずのアニメ鑑賞だのゲーム攻略だのも「やらねば」みたいに感じて手が伸びなくなる。

気力というのは永遠に湧くことはなく、機会を失い続ける寂寥感に吸い寄せられ、ただ受け入れるようになる。

恐ろしいと思っただろうか?だから頑張れという激励だと受け取っただろうか?

しろ真逆だ。そういう自分の中の淀み、諦観の境地をいなせるようになってこそ、真の人間だと思うのだ。

堕ちられるところまで堕ちてみるといい。そこに究極の哲学がある。

2018-02-03

格差が広まって何が問題なのかがわからん

って考えるのは

私が独身小梨からなのだろうか。

ただ、格差が広まっていて、

これからも広まっていくっていう現象

まらないだろうってことはわかる。


格差が広まっても

下の人達は、

みんな「自分だけは大丈夫」というなぞの根拠

「周囲も貧しくなっているんだから問題いか」という諦観のどちらかで、

誰も何も行動しないと思う。


上の人達は、

もともと何の問題いから何も行動しないし。



誰も行動しないから、結局何の問題もないままになる。

2018-01-02

年末年始に読み明かす本としてヴィンランド・サガってなんか季節的にも合ってるなと思って読み始めたらやっぱりビンゴ

年末年始の焦燥諦観から無意味な明るさ希望ギャップが思った以上にぴったりで自分でも驚きまクリスティー

2017-11-23

人生、苦しいか、より苦しいか

楽しい勢 1〜2割

諦観勢 2割

苦しい 3割   ← 俺

より苦しい 3割

2017-10-21

現役大学生だけど同級生母親うつ病率が高い

普通そういう家庭ってクラスに一人くらいって感じだと思うけど、観測範囲だけで4,5人いる。

何でかなーと思ったけど俺らの母世代って、女性でも仕事に生きることを「夢見ること」が認められてた世代なんだよね。

社会的な機運の中で女性社会進出が推奨されてて、夢を持って上京して仕事に着いたり自由に生きたりしたんだけど、

そこで自由恋愛して結婚出産となってから母親」でしかいられなくなった世代

俺らの世代場合「やりたいことなんてやれなくて当たり前」という諦観が染み付いてるけど、

彼女らは「やりたいことがあるのにやれなかった」という後悔だけ残ってしまった世代なんだなあ。

あと母親うつ病でなくても片親だって人とかも多い。子供を産んでもやりたいことをやるってなると離婚という手段選択肢になるんだろうね。

まあ普通に考えればこの不況の世の中で「子供育てながら仕事バリバリ!」なんてのは本当に一部にしか許されないよなあと思う。

2017-10-18

anond:20171018195711

残念だが親には子供育児する義務がある。親が義務を負う以上、子も同様に義務を負うべきだという思考だ。

何を言うのも自由だが、君は大学もまともに通学出来なかった。それは本来なら普通に出来る事だ。卒業するまでご両親にどれほどの苦労があったか

君にはそういう想像力が欠けている。そして、自分が上手く行かなかった理由一方的に両親に押し付けてるだけだ。

金銭的に無理なら、出来る範囲独立したら良い。それも出来ずに親の財布を頼るなら、そんな物は負け犬の遠吠えだ。

何か一つでも両親に勝てる事があったか?まともな道に進もうと思った事は?両親の期待裏切り続けた結果が君だよ。

君に対して諦観の念を抱いてるのは君だけじゃない。誰より両親が君に失望している。当たり前だ。大学教育を受けるのにどれだけのお金が掛かると思ってるんだ?

同じ額を他人に費やして中退されたらどう思う?こんなとこで無駄口叩いてないで、ご両親にお金を返済しろよ。甘えるな

2017-10-02

性癖

初めて抜いた時に想像していたのは、エイリアン(xenomorph)だった。今から6年前程。性の知識受動的にしか知らず、遅めの初めてだった。

ポケモンで抜いた。バイオハザードで抜いた。ドラゴンクエストで抜いた。FFで抜いた。風来のシレンで抜いた。ゼルダの伝説で抜いた。evolveで抜いた。様々なゲームマンガやら映画やら、自分の好みのモンスターで片っ端から抜いた。

自分女性とまともにセックスをしている想像をして抜いた事が一度足りとも無かった。LGBTとかの、常識範囲内にこれから入ろうとしつつある性癖とは全く別物の、そのイカれた性癖でずーっと抜いて来た。

この性癖が、いつ生まれたのか思い返してみると、小学校低学年の時にその片鱗はあった事に気付いた。多分、この性癖は生まれつきなのだろうと自分理解した。

現実世界に居ない生物に犯されたりしているところを想像して抜く。別に雄でも雌でもどっちでも良かった。屈服させられて、逆レイプされたり、それを舐めさせられたり、そんな想像をして毎日抜いている。今も。

自分結婚は出来ないだろうと思っている。こんな性癖を抱えたまま、女性普通に行為をする想像など、一度たりともしていない。しようとも思わない。

現実世界性交をするのならば、人間とより動物としたかった。大型犬かに真夜中に押し倒されて激しくしてほしかった。

そんな自分性癖に悩んだ事も多少なりともあった。ただ、直そうとは思わなかった。

自分にとって、それに対して悩む頃には、女性普通に性交をする想像をする事は逆に恐ろしかったのだとも思う。そして、同じような性癖を持っている人や、こんな自分でも引くような性癖を持っている人はネット上にも多く居る事を知った事である程度の安心も得ていた。

けれど、子供が欲しくない訳でも無い。ただ、諦観が渦巻いている。この性癖がある以上、無理だろうと。

子供が欲しいという欲はあっても今は薄い。元から薄かったのか、その性癖による諦観があるから薄くなったのか分からない。

深く悩む事は無くなったが、そのおかしさに対する悩みは、今でも渦巻いている。

LGBTとか、そういう範疇に収まらない、架空生物で抜いている人は一定数確実に居る。

ただ、その中でも、自分みたいに、普通に異性と性交をする想像を一度もしていない人はどの位居るのだろう。

自分の中で、ずっと渦巻いているこの性癖は、多分一生、渦巻き続ける。普通の人が聞いたらドン引かれるような性癖自分はずっと、隠し持っている。

その渦巻をもう少しだけ、弱めたいと多分、自分は思っている。

SNSやらで、自分と似たような性癖を持っている人も、その奥底までは知る事は出来ない。同じような人が居る、とは分かっても、それに対して何を思っているのか、そこまでは分からない。

どの程度なのかも分からない。コンプレックスを抱いているのか、開き直っているのか、普通の異性にも興味があるのか無いのか、などなど。

自分が求める、渦巻きを弱める方法は、似たような人との対話だった。そういう人との対話をすれば、自分孤独ではないと感じられるのだと。

この性癖に対して開き直れない原因は、自分が寂しがりなのもその一因だった。

2017-09-08

誤字脱字等報告 20170713[ハンネ-8、SS-40]~ (更新中)

●各報告記事へのリンク文字数制限があるようなので複数記事に分けてあります

・「誤字脱字等報告 20160421[548]~20161004[612]

・「誤字脱字等報告 20161013[617]~20170125[655] および総合更新履歴等

・「誤字脱字等報告 20170131[656]~20170303[670]

・「誤字脱字等報告 20170306[671]~完結、~SS-39、~ハンネ-7

・「誤字脱字等報告 20170713[ハンネ-8、SS-40]~ (更新中)」(このエントリ)

 

--------------------------------------------------------------------------

「ハンネ-17 一年前の貴族院 その4」

 今週末の中級貴族奉納式だけなく、

→今週末の中級貴族奉納式だけでなく、

 

 できるだけ多くの者に参加してもらなければなりません。

→できるだけ多くの者に参加してもらわなければなりません。

 

 聞き入れてはくれることはないでしょう。

→聞き入れてくれることはないでしょう。

 

 前はどのようして解決したのかしら?

→前はどのようにして解決したのかしら?

 

 わたくしが原因だからいっても、

→わたくしが原因だからといっても、

 

--------------------------------------------------------------------------

SS-44 フィリー視点 貴族院から帰宅

 

 いくつかの注意事項を終えると、

→いくつかの注意事項を述べると、

→いくつかの注意事項を述べ終えると、

→いくつかの注意事項を説明し終えると、

 

--------------------------------------------------------------------------

「ハンネ-16 一年前の貴族院 その3」

 

 頑なにこちらを見ようとししません。

→頑なにこちらを見ようとしません。

 

 ヴィルフリート様の弁護を始めるくらいに頑なのですけれど、

→ヴィルフリート様の弁護を始めるくらいに頑なですけれど、

→ヴィルフリート様の弁護を始めるくらいに頑ななのですけれど、

 

--------------------------------------------------------------------------

「ハンネ-15 一年前の貴族院 中編」

 

 お話できる場所を設けるべきでしょう

お話できる場を設けるべきでしょう

 

 わたくしの内心の葛藤を知らないヴィルフリート様、はにこやかに

→わたくしの内心の葛藤を知らないヴィルフリート様は、にこやかに

 

 想い告げてくれた者達の前で

→想いを告げてくれた者達の前で

 

 自分のいと求婚してほしいことを伝え、

自分の想いと求婚してほしいことを伝え、

 

 仮に、変化があったことを公表できるようになった時で結構です。

→変化があったことを公表できるようになった時で結構です。

 

 ヴィルフリート様が次期アウブの立場から外れたい。ローゼマイン様との婚約を解消したいと望んでいたというお言葉を。

→ヴィルフリート様が次期アウブの立場から外れたい、ローゼマイン様との婚約を解消したいと望んでいたというお言葉を。

 

 午前中とヴィルフリート様の様子が違うことに気付いたオルトヴィーン様に尋ねられました。

→午前中とヴィルフリート様の様子が違うことに気付いたのでしょう。

 

--------------------------------------------------------------------------

「ハンネ-14 一年前の貴族院 前編」

 

 周囲に貴女存在不審に思われた時は

貴女存在が周囲に不審に思われた時は

 

 貴女の関わった部分の記憶を消しま

貴女が関わった部分の記憶を消しま

 

 わたくしが最もダンケルフェルガーを出たいと考えていたことをありありと思い出しました。

→わたくしが最もダンケルフェルガーを出たいと考えていた時期だったことをありありと思い出しました。

 

 非常に比べられたものです。

→事あるごとに比べられたものです。

 

 そして、この四年生はお兄様が卒業し、

→そして、この四年生ではお兄様が卒業し、

 

 ローゼマイン様が終わるまでは、

→ローゼマイン様のお仕事が終わるまでは、

 

 嫁盗りディッターでの失態からしわたくしの評価が上書きされたのです。

→嫁盗りディッターでの失態以来初めて、少しわたくしの評価が上がったのです。

 

 これではとてもヴィルフリート告白したいなんて

→これではとてもヴィルフリート様に告白したいなんて

 

 コルドゥラ達がローゼマイン様以外でエーレンフェストに近付くことを拒んでいる今、

→コルドゥラ達がローゼマイン様のこと以外でエーレンフェストに近付くことを拒んでいる今、

 

 目を丸くするところを再び見たいと気持ちの方が今は大きいです。

→目を丸くするところを再び見たいという気持ちの方が今は大きいです。

 

 一気に魔力使ってぐったりします。

→一気に魔力を使ってぐったりします。

 

 魔力と集中力普通領主候補生にありません。

→魔力と集中力普通領主候補生にはありません。

 

--------------------------------------------------------------------------

SS-43 ローデリ視点 貴族院とある一日」

 

 親しそうな微笑みを浮かべた。

→親しみを感じさせる微笑みを浮かべた。

→親しみやすい微笑みを浮かべた。

→やわらかな微笑みを浮かべた。

 

 近々このような変化があると聞いています

→近々このような変化があるだろうと聞いています

→近々このような変化があるでしょうと聞いています

 

 その微量は魔力を

→その微量の魔力を

 

 どれこれも同じ透明の魔石だ。

→どれも同じ透明の魔石だ。

→どれもこれも同じ透明の魔石だ。

 

--------------------------------------------------------------------------

「ハンネ-13 ドレッファングーアの紡ぐ糸」

 

 何だが息苦しいような気分になってきました。

何だか息苦しいような気分になってきました。

 

 魔力を以て呼びかけくださって

→魔力を以て呼びかけてくださって

 

 時の女神悪戯する東屋

→時の女神悪戯する東屋

→時の女神悪戯をするという東屋

 

 苦痛記憶障害などは!?

苦痛記憶障害などは!?

 

 その運命の糸がフェルディナンド様の物で

→その運命の糸はフェルディナンド様の物で

 

 新しいツェントの選定する場に

→新しいツェントを選定する場に

 

 糸を繋ぎたいと考えているのですけれど、よろしくて? 」

→糸を繋ぎたいと考えているのですけれど、よろしくて?」

 

 今よりも美しく織れると限りません。

→今よりも美しく織れるとは限りません。

 

--------------------------------------------------------------------------

「ハンネ-12 ヴィルフリートの返答」

 

 寮で得意そうに広言していました。

→寮で得意そうに公言していました。

 

 ギーベとなる私の妻にダンケルフェルガーの領主候補生不要です。

→ギーベとなる私の妻としてダンケルフェルガーの領主候補生を迎えることはできません。

 (あえてかもしれませんが「不要」という表現はきつすぎると感じたので)

 

 エーレンフェストに騒動を持ち込むたいわけではないのです。

→エーレンフェストに騒動を持ち込みたいわけではないのです。

 

 今のエーレンフェストに不和騒動の種を入れるつもりはありません

→今のエーレンフェストに混迷をもたらしてしまうようなことはできないのです

 (「~の種を入れる」だと「お前は迷惑の種なんだ」という感じの

  直接的できつすぎる表現だと感じたので)

 

--------------------------------------------------------------------------

「ハンネ-11 求婚

 

 意中の相手をそこの場に誘うことができれば

→意中の相手をそこに誘うことができれば

→意中の相手をその場に誘うことができれば

 

 アウブの方針について話を伺いたいのですけれど、

→アウブの方針についてお話を伺いたいのですけれど、

 

 婚約候補である私が東屋へ同席をお許しください。

婚約候補である私が同席することをお許しください。

婚約候補である私が東屋へ同行することをお許しください。

 

 講義の後にお時間をくださったことを感謝しています

講義の後にお時間をくださったことに感謝いたします 

 

 知らぬ振りをしてみてもケントリプスに通じなかったようです。

→知らぬ振りをしてみてもケントリプスには通じなかったようです。

 

 その中にいくつもの東屋が見え、東屋へ続く道が白い石でできていました。

→その中にいくつもの東屋が見え、白い石でできた道が東屋へと続いていました。 

 

--------------------------------------------------------------------------

「ハンネ-10 迷いと決意」

 

 冬の終わりにエスコート役も務めなかったにもかかわらず、

→冬の終わりにエスコート役を務めなかったにもかかわらず、

 

 春の終わりに婚約者として領主会議でツェントに申請すると、

→春の終わりの領主会議婚約者としてツェントに申請すると、

 

 ヴィルフリート様が次期アウブを退いたならば、

→ヴィルフリート様が次期アウブという立場を退いたならば、

→ヴィルフリート様が次期アウブという立場から外れたならば、

 

 諦観の籠もった笑み浮かべました。

諦観の籠もった笑みを浮かべました。

 

 求婚成功したところで、お父様と説得できないという

求婚成功したところで、お父様を説得できないという

 

 ローゼマイン情熱的にかき口説いて婚約者に収まった

→ローゼマイン様を情熱的にかき口説いて婚約者に収まった

 

 何よりも白く冷たい衣にも手を伸べて

→何よりも白く冷たい衣にも手を差し伸べて

 

--------------------------------------------------------------------------

SS-42 ハルムート視点 運命洗礼式」

 

 何度も遊びに行いっていたほどだ。

→何度も遊びに行っていたほどだ。

 

 アウブ夫妻とその子ヴィルフリート様の姿もあった。

→アウブ夫妻とその息子であるヴィルフリート様の姿もあった。

 

 準備が整ったことを確認したのだろう、

→準備が整ったことを確認したのだろう。

 

--------------------------------------------------------------------------

SS-40 コルネリウス視点 後悔まみれの陰鬱な朝」

 

 領地内の貴族から領主一族が襲われたのだ。

領地内の貴族領主一族が襲われたのだ。

 

--------------------------------------------------------------------------

「ハンネ-9 後押し」

 

 大半がダンケルフェルガーに馴染むが大変だという

→大半がダンケルフェルガーに馴染むのが大変だという

 

 私は神々に感謝のディッターの奉納したくらい嬉しかった。

→私は神々に感謝のディッターを奉納したくらい嬉しかった。

 

 協力を募れば

→協力をお願いすれば

 

 レスティラウト様の次期アウブの地位を確実にし、

レスティラウト様が次期アウブの地位を確実にし、

 

 お慕いしていても信用できません

→お慕いはしていても信用はできません

 

--------------------------------------------------------------------------

「ハンネ-8 相談

 

 領主一族貴族街の者達とっては、

領主一族貴族街の者達にとっては、

 

 香辛料砂糖によって作れられていますから

香辛料砂糖によって作られていますから

 

 今年は領地の線の引き換えが多く、

→今年は領地境界線の引き直しが多く、

 

 ヴィルフリート様の現状をお話すれば

→ヴィルフリート様の現状をお話しすれば

 

 領地内の貴族をまとめるにちょうど良かったのですよ

領地内の貴族をまとめるのにちょうど良かったのですよ

 

--------------------------------------------------------------------------

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん