初めて抜いた時に想像していたのは、エイリアン(xenomorph)だった。今から6年前程。性の知識は受動的にしか知らず、遅めの初めてだった。
ポケモンで抜いた。バイオハザードで抜いた。ドラゴンクエストで抜いた。FFで抜いた。風来のシレンで抜いた。ゼルダの伝説で抜いた。evolveで抜いた。様々なゲームやマンガやら映画やら、自分の好みのモンスターで片っ端から抜いた。
自分は女性とまともにセックスをしている想像をして抜いた事が一度足りとも無かった。LGBTとかの、常識の範囲内にこれから入ろうとしつつある性癖とは全く別物の、そのイカれた性癖でずーっと抜いて来た。
この性癖が、いつ生まれたのか思い返してみると、小学校低学年の時にその片鱗はあった事に気付いた。多分、この性癖は生まれつきなのだろうと自分は理解した。
現実世界に居ない生物に犯されたりしているところを想像して抜く。別に雄でも雌でもどっちでも良かった。屈服させられて、逆レイプされたり、それを舐めさせられたり、そんな想像をして毎日抜いている。今も。
自分は結婚は出来ないだろうと思っている。こんな性癖を抱えたまま、女性と普通に性行為をする想像など、一度たりともしていない。しようとも思わない。
現実世界で性交をするのならば、人間とより動物としたかった。大型犬とかに真夜中に押し倒されて激しくしてほしかった。
そんな自分の性癖に悩んだ事も多少なりともあった。ただ、直そうとは思わなかった。
自分にとって、それに対して悩む頃には、女性と普通に性交をする想像をする事は逆に恐ろしかったのだとも思う。そして、同じような性癖を持っている人や、こんな自分でも引くような性癖を持っている人はネット上にも多く居る事を知った事である程度の安心も得ていた。
けれど、子供が欲しくない訳でも無い。ただ、諦観が渦巻いている。この性癖がある以上、無理だろうと。
子供が欲しいという欲はあっても今は薄い。元から薄かったのか、その性癖による諦観があるから薄くなったのか分からない。
深く悩む事は無くなったが、そのおかしさに対する悩みは、今でも渦巻いている。
LGBTとか、そういう範疇に収まらない、架空の生物で抜いている人は一定数確実に居る。
ただ、その中でも、自分みたいに、普通に異性と性交をする想像を一度もしていない人はどの位居るのだろう。
自分の中で、ずっと渦巻いているこの性癖は、多分一生、渦巻き続ける。普通の人が聞いたらドン引かれるような性癖を自分はずっと、隠し持っている。
その渦巻をもう少しだけ、弱めたいと多分、自分は思っている。
SNSやらで、自分と似たような性癖を持っている人も、その奥底までは知る事は出来ない。同じような人が居る、とは分かっても、それに対して何を思っているのか、そこまでは分からない。
どの程度なのかも分からない。コンプレックスを抱いているのか、開き直っているのか、普通の異性にも興味があるのか無いのか、などなど。
自分が求める、渦巻きを弱める方法は、似たような人との対話だった。そういう人との対話をすれば、自分は孤独ではないと感じられるのだと。